説明

(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸TERT−ブチルエステルの合成及びその中間体

本発明は、4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル、式Iの化合物の製造のための改善された方法である。本発明は、3工程での式Iの化合物の合成方法に関し、該方法は、5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸(化合物11)の形成、Suzukiカップリング条件下で化合物11を反応させて(4−フルオロ−2−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得ること、及び水素添加条件下で上述の生成物を選択的水素添加して化合物Iを得ることを含む。本発明はまた、中間体5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ−メチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸(化合物11)、及び(4−フルオロ−2−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物13)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I)の合成方法及びその中間体に関する。
【化1】

【背景技術】
【0002】
特許文献1は、[(ベンジルアミン)−ピペリジン−1−イル](アリール又はヘテロアリール)メタノンを含む化合物をトリプターゼ阻害剤として開示し、そして血管拡張性及び気管支弛緩性(bronchorelaxing)神経ペプチドの分解(非特許文献1;非特許文献2;及び非特許文献3)及びヒスタミンに対する気管支反応性の調節(非特許文献4)を含む種々の生物学的過程に関与するトリプターゼに起因するこのような化合物の潜在的使用を記載する。
【0003】
特許文献2は、より詳細には、式A
【化2】

の(ベンジルアミン)−ピペリジン−1−イルチエニルメタノン化合物、その製造及びトリプターゼの阻害により調節され得る疾患状態を処置するための使用を開示する。特許文献2は、スキームAに示されるように以下の化合物14及びIのカップリング、そしてその後のカップリング生成物の脱保護により、式Aの化合物が製造されることも開示する。
【0004】
【化3】

【0005】
化合物Iを、以下のスキームBに示される7工程の合成により製造した。
【0006】
【化4】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2001/13811
【特許文献2】WO2005/097780
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Caughey,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,244,133−137頁
【非特許文献2】Franconi,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1988,248,947−951頁
【非特許文献3】Tam,et al.,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.,1990,3,27−32頁
【非特許文献4】Sekizawa,et al.,J.Clin.Invest.,1989,83,175−179頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の合成は実験室規模で化合物Iを製造するために役立つが、化合物Iはより少ない工程を使用してより良く製造されるだろう。本発明は、有意により短いというようなスキームBの合成経路に勝る有意な改善を示す。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
本発明は、4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I)を製造するための改善された方法;より詳細には、3工程でのその合成に関する。第一の工程は、(4−フルオロ−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルをボロネーション(boronation)条件下で処理することによるボロン酸形成を含む。第二の工程は、第一の工程で得られた5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸を、4−クロロ−ピリジン又は4−ブロモ−ピリジンのような4−ハロ−ピリジンとSuzukiカップリング条件下で反応させて、(4−フルオロ−2−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得ることを含む。第三の工程は、第二の工程の生成物に対して選択的水素添加条件を使用して化合物Iを得ることを含む。本発明はまた、中間体5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸(化合物11)、及び(4−フルオロ−2−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物13)に関する。
【0011】
発明の詳細な説明
本明細書全体を通して使用される以下の略語及び定義は、別の指示がなければ、以下の意味を有すると理解されるものとする:
【0012】
略語リスト
n−BuOAc 酢酸n−ブチル
n−BuLi n−ブチルリチウム
t−Bu tert−ブチル
t−BuOH tert−ブタノール
DCM ジクロロメタン、CH2Cl2又は塩化メチレン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
eq 当量
Et エチル
Et2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Me メチル
MTBE メチルt−ブチルエーテル
MeOH メタノール
Na2CO3 炭酸ナトリウム
Na2SO4 硫酸ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
Pd(PPh34 テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
Pd(PPh32Cl2 ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリド
PdCl2dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド
Pd(dtbpf)Cl2 (1,1’ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム(II)
P(Cy)3 トリシクロヘキシルホスフィン
t−Bu3P tri−t−ブチルホスフィン
PPh3 トリフェニルホスフィン
PrOH プロパノール
i−PrOH イソプロパノール
i−PrOAc 酢酸イソプロピル
t−BuOK カリウムtert−ブトキシド
PPSE ポリリン酸トリメチルシリルエステル
rt 室温
Rt 保持時間
TFA トリフルオロ酢酸
TFAA トリフルオロ酢酸無水物
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0013】
用語
「水性酸」は、塩酸、リン酸などのような無機(鉱)酸の水溶液、又は酢酸などのような有機酸の水溶液を意味する。
【0014】
「ボロネーション条件」は、超塩基、ボロン酸形成剤、ボロネーション溶媒、及びボロネーション反応温度を使用する条件を意味する。
【0015】
「超塩基」は、式RLiの有機リチウム試薬[ここでRは1〜12個の炭素を有するアルキル基又はアリール基である]と、カリウムtert−ブトキシド又はカリウムtert−ペントキシドなどのような嵩高いカリウムアルコキシドとの組み合わせのような極めて強い塩基を意味する。
【0016】
「ボロン酸形成剤」は、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチルなどのようなトリアルキルボロネートを意味する。
【0017】
「ボロネーション溶媒」は、ジエチルエーテル、THF、2−メチルテトラヒドロフラン、MTBE、ジメトキシエタンなどのような溶媒、エーテル溶媒を意味する。
【0018】
「ボロネーション温度」は約−30〜−100℃を意味する。
【0019】
「4−ハロピリジン」は、4−(ヨード、ブロモ若しくはクロロ)ピリジン、又はその塩を意味する。
【0020】
「Suzukiカップリング条件」は、Suzukiカップリング溶媒、Suzukiカップリング触媒及びSuzukiカップリング反応温度を使用する条件を意味する。
【0021】
「Suzukiカップリング溶媒」は、イソプロピルアルコールの沸点又はそれ以上の沸点を有するアルコール溶媒、例えばn−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールなど;極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなど;エーテル溶媒、例えばTHF、2−メチルTHF、ジメトキシエタン、MTBEなど;又は上述の溶媒のいずれか及び水若しくはトルエンの混合物を意味する。
【0022】
「Suzukiカップリング触媒」は、Pd(PPh34、Pd(PPh32Cl2、Pd2(dba)3、PdCl2dppf、Pd(dtbpf)Cl2などのようなPd触媒
;又はPPh3、dppf、t−Bu3P、P(Cy)3などのようなホスフィンリガンドと併用する、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3などのようなPd触媒を意味する。
【0023】
「Suzukiカップリング反応温度」は、約60℃〜約100℃の温度、Suzukiカップリング反応混合物の沸点の温度を意味する。
【0024】
「水素添加条件」は、水素添加触媒、水素添加溶媒、水素添加反応温度、及び水素添加圧力を使用する条件を意味する。
【0025】
「水素添加反応溶媒」は、エステル溶媒、例えばEtOAc、i−PrOAc、BuOAcなど;アルコール溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど;若しくはAcOH;又はアルコール溶媒若しくはエステル溶媒及び水及び酢酸の混合物を意味する。
【0026】
「水素添加触媒」は、HClなどのような無機酸、若しくは酢酸などのような有機酸を加えて、又は加えない、Pt/C、PtO2、Pd/C、Pd(OH)2、Rh/Cなどを意味する。
【0027】
「水素添加反応温度」は約10〜約60℃を意味する。
【0028】
「水素添加圧力」は、約10〜約1000psi(装置の性能によって決まる上限)の水素を意味する。
【0029】
特定の実施態様
本発明の方法の特定の実施態様において、超塩基はn−ブチルリチウムとカリウムtert−ブトキシドとの組み合わせ(「Schlosser塩基」)を意味する。
【0030】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、「ボロネーション溶媒」はTHFを意味する。
【0031】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、「ボロン酸形成剤」はホウ酸トリイソプロピルを意味する。
【0032】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、ボロネーション温度は約−70℃〜約−45℃である。
【0033】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、Suzukiカップリング溶媒はジメトキシエタンである。
【0034】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、Suzukiカップリング触媒はPd(PPh34である。
【0035】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、Suzukiカップリングは約85℃で実行される。
【0036】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、水素添加溶媒はEtOAcである。
【0037】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、水素添加触媒はPt/Cである。
【0038】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、水素添加反応温度はおよそ周囲温度である。
【0039】
本発明の方法の別の特定の実施態様において、水素添加圧力は約10〜約60psiである。
【0040】
製造の詳細
以下のスキーム1に従って化合物Iを製造するための出発物質は市販されている。
【0041】
【化5】

【0042】
Tetrahedron 2965,57,2001(参照により本明細書に加入される)の方法にしたがって製造された4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−フルオロベンゼン(化合物10)を、例えば約−100℃〜約−30℃のような十分に低い温度でエーテル溶媒中にて超塩基と反応させる。得られた混合物をボロン酸形成剤と反応させる。得られた混合物を水性酸でクエンチして、5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸(化合物11)を得る。化合物11を4−ハロピリジン(化合物12)又はそれらのハロゲン化水素(hydrohalide)塩形態と、少なくともイソプロピルアルコールの沸点の沸点を有するアルコール溶媒、極性非プロトン性溶媒又はエーテル溶媒中で反応させる。上述の溶媒のいずれか及び水の混合物中にて適切なSuzukiカップリング触媒の存在下、Suzukiカップリング反応温度で化合物11及び化合物12より化合物13を得る。
【0043】
化合物13を水素添加条件下で、水素添加触媒の存在下で、HClなどのような無機酸、若しくは酢酸などのような有機酸を加えて、又は加えずに、水素添加溶媒中にて;水素添加反応温度及び水素添加圧力で、水素で処理することにより化合物Iに還元した。
【実施例】
【0044】
本発明は、本発明の例となる以下の非限定的実施例を参照することにより、よりよく理解され得る。以下の実施例は、本発明の特定の実施態様をより十分に説明するために示される。しかし、これらは本発明の広範な範囲を限定すると決して理解されるべきではない。
【0045】
以下に報告される核磁気共鳴スペクトル(NMR)において、化学シフトはテトラメチルシランに対してppmで表される。略号は以下の意味を有する:br=幅広、dd=二重二重線、s=一重線;m=多重線。
【0046】
実施例1
工程A: 5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸(11)の製造
【化6】

4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−フルオロベンゼン(Tetrahedron 2001,57,2965頁、これは参照により本明細書に加入される)(2.84g 12.6mmol)及びt−BuOK(2.83g、12.6mmol)のTHF(40mL)中混合物に−60〜−70℃でn−BuLi(15.75mL、1.6M、25.2mmol)を約10分間かけて加えた。反応混合物をこの温度でさらに1.5時間撹拌し、その後ホウ酸トリイソプロピル(2.37g、12.6mmol)を加えた。この混合物を−45℃まで昇温させて、その後これを2N水性HClでクエンチした。反応混合物を終夜撹拌しながら室温まで昇温させた。得られた懸濁液をろ過により単離し、そして真空オーブンで乾燥して化合物11 1.9g(56%)を白色固体として得た。1H NMR (300MHz,CDCl3) δ 7.72(m,1H),7.38(m,1H),7.01(m,1H),5.22(d,J=6.1Hz,2H),4.28(d,J=5.4Hz,2H),1.45(s,9H)。
【0047】
工程B: (4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(13)の製造
【化7】

化合物11(135mg,0.5mmol)、4−クロロピリジン塩酸塩(107mg、0.713mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(45mg、0.04mmol)及びNa2CO3(160mg、1.51mmol)のジメトキシエタン(2.2mL)及び水(0.7mL)の混合物中の混合物を85℃に5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そして水とEtOAcとの間で分配した。有機相をNa2SO4を使用して乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して化合物13 100mg(59%)を得た。1H NMR (300MHz,CDCl3)δ8.68−8.62(m,2H),7.80−7.42(m,2H),7.40−7.35(m,1H),7.36−7.24(m,1H),7.18−7.08(m,1H),5.26−5.18(br s,1H),4.25(d,J=5.5Hz,2H),1.44(s,9H)。
【0048】
工程C: (4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(I)の製造
【化8】

化合物13(1.25g,4.1mmol)及びPtO2(200mg)のEtOAc(20mL)及び酢酸(10mL)中の混合物をParr震盪器でH2(50psi〜60psi)下にて終夜水素添加した。n−BuOAc(40mL)この混合物に加えた。得られた懸濁液をセライトに通してろ過し、そして濃縮して粗製溶液約30mLとした。この粗製溶液をエチルエーテル(5mL)及びMTBE(35mL)中2N HClの溶液に0℃にて導入した。生じた固形物をろ過により集め、続いてさらなるMTBEで洗浄し、そして50℃のオーブンで乾燥して生成物I 0.93(65%)gをHCl塩として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.30−9.10(br s,2H),7.44−7.35(m,1H),7.16−7.03(m,3H),4.08(d,J=6.0Hz,2H),3.31(br s,2H),3.20−2.87(m,3H),1.95−1.80(m,4H),1.39(s,9H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼン−ボロン酸を製造するための方法であって、ボロネーション条件下でボロン酸形成剤を用いる4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−フルオロベンゼンのボロネーション工程、及び次いで得られた混合物を水性酸でクエンチして5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロ−ベンゼンボロン酸を得る工程を含む、上記方法。
【請求項2】
ボロネーション条件が超塩基を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超塩基が式RLi[ここでRは1〜12個の炭素を有するアルキル基又はアリール基である]の有機リチウム試薬とカリウムtert−ブトキシド又はカリウムtert−ペントキシドなどのような嵩高いカリウムアルコキシドとの組み合わせである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
超塩基がn−ブチルリチウムとカリウムtert−ブトキシドとの組み合わせである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ボロネーション条件が、トリアルキルボロネートであるボロン酸形成剤を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
トリアルキルボロネートが、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチルなどから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
トリアルキルボロネートがホウ酸トリイソプロピルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ボロネーション条件が、ジエチルエーテル、THF、2−メチルテトラヒドロフラン、MTBE、ジメトキシエタンなどから選択されるエーテル溶媒であるボロネーション溶媒を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
エーテル溶媒がTHFである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ボロネーション条件が、約−100℃〜約−30℃のボロネーション反応温度を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ボロネーション反応温度が約−70〜約−45℃である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
水性酸がHCl又はH3PO4である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
水性酸がHClである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを製造するための方法であって、請求項1に従う5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル)−2−フルオロベンゼンボロン酸と4−ハロピリジンとをSuzukiカップリング条件下でカップリングさせて4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得ることを含む、上記方法。
【請求項15】
Suzukiカップリング条件が、少なくともi−プロピルアルコールの沸点の沸点を有するアルコール溶媒、極性非プロトン性溶媒、若しくはエーテル溶媒、又は上述の溶媒のいずれか及び水若しくはトルエンの混合物から選択されるSuzukiカップリング溶媒を使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Suzukiカップリング溶媒が、THF、トルエン、2−メチルTHF、又はジメトキシエタンから選択されるエーテル溶媒である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
エーテル溶媒がジメトキシエタンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
Suzukiカップリング条件が、Pd(PPh34、Pd(PPh32Cl2、Pd2(dba)3、PdCl2dppf、Pd(dtbpf)Cl2などのようなPd触媒;又はPPh3、dppf、t−Bu3P、P(Cy)3などのようなホスフィンリガンド及び強塩基と併用して、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3などのようなPd触媒を使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
Suzukiカップリング触媒がPd(PPh34である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
Suzukiカップリング条件が、約60℃〜約100℃のSuzukiカップリング反応温度を使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
Suzukiカップリング反応温度が約85℃である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
4−ハロピリジンが4−クロロピリジンである、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
(4−フルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(I)を製造するための方法であって、請求項11に従う(4−フルオロ−3−ピリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを水素添加還元条件下で還元する工程、及び次いでHCl後処理を行ってフルオロ−3−ピペリジン−4−イル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル塩酸塩を得る工程を含む、上記方法。
【請求項24】
水素添加還元条件が、HClなどのような無機酸、若しくは酢酸などのような有機酸を加えて、又は加えずに、Pt/C、PtO2、Pd/C、Pd(OH)2、Rh/Cなどから選択される水素添加触媒を使用する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
水素添加触媒がPtO2である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
水素添加還元条件が、EtOAc、i−PrOAc、BuOAcなどのようなエステル溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのようなアルコール溶媒;若しくはAcOH;又はアルコール若しくはエステル溶媒及び水及び酢酸の混合物から選択される水素添加溶媒を使用する、物請求項18に記載の方法。
【請求項27】
水素添加溶媒がi−PrOAcである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
水素添加還元条件が約10〜約60℃の水素添加反応温度を使用する、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
水素添加反応温度が約周囲温度である、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
水素添加還元条件が、約10〜約1000psiの水素添加圧力を使用する、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
水素添加圧力が約50〜約60psiである、請求項30に記載の方法。

【公表番号】特表2013−505935(P2013−505935A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530984(P2012−530984)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/049737
【国際公開番号】WO2011/037947
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(507363864)サノフィ−アベンティス・ユー・エス・エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】