説明

(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH2の合成方法

本発明は、固相Fmocを用いた化学的方法を含む、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)、すなわち、His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg−NH(配列番号2)のラージスケールでの合成方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)、すなわち固相Fmocを用いた化学的方法を含むHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg−NH(配列番号2)のラージスケールでの新規の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルカゴン様ペプチド−1(7−36)アミド(GLP−1)(配列番号1)は、食事に応答して、腸のL細胞でグルカゴン前駆体のプレプログルカゴンの組織特異的な翻訳後プロセシングによって合成され、循環系に放出される。GLP−1の1回の皮下投与は、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を有する患者における食後血糖値を完全に正常化することができるという観察から、GLP−1の治療上の可能性が示唆されている(Gutniak,M.K.,et al.,1994,Diabetes Care,14:1039−44)。この作用は、インスリン放出の上昇とグルカゴン分泌の減少との両方が介在するためと考えられている。しかしながら、GLP−1は、インビボでの血漿中半減期がわずか1〜2分であり、代謝的に不安定である。また体外から投与されたGLP−1は迅速に分解される(Deacon,C.F.,et al.,1995,Diabetes,44:1126−1131)。
【0003】
PCT公報番号WO00/34331(その内容は、本明細書にその全体が包含される)において、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)は、天然型GLP−1よりも活性が高く、および/または、より代謝的に安定であることが開示されている。しかしながら、WO00/34331の18〜19頁で示された(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)に関する合成の詳細は、そこで用いられているMBHA(4−メチルベンズヒドリルアミン)樹脂はフッ化水素酸を用いたペプチドの除去を必要とするために、工業的な規模でのペプチド生産に適していない。この極めて腐蝕性の高い材料をラージスケールで用いることの安全性に関する懸念を除けば、その使用を可能にするには特殊な器具が必要であったと思われる。一般的に、フッ化水素酸ベースの切断スキームは、それらが安全であり、かつ工業用スケールに拡張可能であることを確実にするためには、かなりの投資を必要とする。そのようなものとして、効率的でラージスケールでの(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の製造方法を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】PCT公報番号WO00/34331
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Gutniak, M. K., et al., 1994, Diabetes Care, 14:1039-44
【非特許文献2】Deacon, C. F., et al., 1995, Diabetes, 44:1126-1131
【発明の概要】
【0006】
本発明は、新規の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法を提供するものであり、本方法は、段階的な固相Fmocを用いた化学的方法を含む。
【0007】
一形態において、本発明は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法を提供するものであり、本方法は、以下の工程:
(a)(Aib8,35)hGLP−1(8−35)−NH(配列番号8)のC末端からN末端へ、Fmoc−アミノ酸を、側鎖が保護されたArg樹脂と連続的にカップリングして、それぞれの連続的なカップリング工程後にN末端からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)を得る工程;
(b)側鎖が保護されたBoc−His−OHを、側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)とカップリングして、側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)を得る工程;
(c)側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)を切断用カクテルで処理し、それらから側鎖の保護基およびN末端の保護基を除去して、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程;および、
(d)未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製し、精製した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程、
を含む。
【0008】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、以下の工程:
(a−1)ペプチドのアミドを生成することができるFmocで保護された樹脂を脱保護して、樹脂からFmoc基を除去する工程;
(a−2)樹脂に側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHを結合させ、側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂を得る工程;および、
(a−3)側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたArg樹脂を得る工程;
をさらに含み、これらの工程は工程(a)の前に行われる。
【0009】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
前記工程(a−2)における側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHが、Fmoc−Arg(Pbf)−OHであり;
前記側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂が、Fmoc−Arg(Pbf)樹脂であり;
前記側鎖が保護されたArg樹脂が、側鎖が保護されたArg(Pbf)樹脂であり;
式(Aib8,35)hGLP−1(8−35)−NH(配列番号8)のC末端からN末端の前記Fmoc−アミノ酸が、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、および、Fmoc−Aib−OHであり;
前記側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)が、Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号6)であり;
前記側鎖が保護されたBoc−His−OHが、Boc−His(Trt)−OHであり;
前記側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)が、Boc−His(Trt)−Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号7)であり;および、
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、TFA/フェノール/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/EDT切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/1−ドデカンチオール切断用カクテル、TFA/DTT/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール切断用カクテル、TFA/フェノール/メタンスルホン酸切断用カクテル、TFA/チオアニソール/EDT/アニソール切断用カクテル、TFA/TES切断用カクテル、TFA/水切断用カクテル、TFA/DCM/インドール切断用カクテル、および、TFA/TIPS切断用カクテルからなる群より選択されることを特徴とする。
【0010】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記ペプチドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂、および、シーバー(Sieber)アミド樹脂からなる群より選択されることを特徴とする。
【0011】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、および、TFA/水カクテルからなる群より選択され;および、
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、および、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂からなる群より選択されることを特徴とする。
【0012】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂であることを特徴とする。
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、工程(d)が以下の工程:
(d−1)ろ過して樹脂を除去し、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を得る工程;
(d−2)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を濃縮する工程;
(d−3)濃縮した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液から、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を沈殿させる工程;
(d−4)酢酸アンモニウム緩衝液中で、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をスラリー化して、N−Oシフトの逆転(N−O shift reversal)を行う工程;
(d−5)スラリーのpHを調節して、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の溶液を得る工程;および、
(d−6)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製する工程、
を含むことを特徴とする。
【0013】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記N−Oシフトの逆転が、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をわずかに塩基性の媒体中で保持し、続いてpHを約3〜3.7に下げ戻すことによって行われることを特徴とする。
【0014】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記樹脂からのFmoc基の除去が、DMF中のピペリジンを用いて行われることを特徴とする。
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記DMF中のピペリジンの濃度が、約25%(体積/体積)であることを特徴とする。
【0015】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基は、TBTU/HOBt、TBTU/HBTU/DIEA、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0016】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基は、TBTU/HOBt、または、TBTU/HBTU/DIEAのいずれかのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされ;および、
N末端のヒスチジンは、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HBTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0017】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基をカップリングするために用いられる前記カップリング試薬の組み合わせが、TBTU/HOBtであり;および、
N末端のヒスチジンをカップリングするために用いられる前記カップリング試薬の組み合わせが、HATU/DIEAであることを特徴とする。
【0018】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.0当量の各Fmoc−アミノ酸、約2.94当量のTBTU、約2.94当量のHOBt、および、約4.5当量のDIEAを用いてカップリングされ;および、
N末端のヒスチジンが、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.4当量のBoc−His(Trt)−OH、約4.08当量のHATU、および、約9.0当量のDIEAを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0019】
その他の形態において、本発明は、請求項1に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法を提供するものであり、本方法は、以下の工程:
(a)(Aib8,35)hGLP−1(7−35)−NH(配列番号9)のC末端からN末端へ、Fmoc−アミノ酸を、側鎖が保護されたArg樹脂と連続的にカップリングして、それぞれの連続的なカップリング工程後にN末端からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)を得る工程;
(b)側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)を切断用カクテルで処理し、それらから側鎖の保護基を除去し、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程;および、
(c)未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製し、精製した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程、
を含む。
【0020】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、以下の工程:
(a−1)ペプチドのアミドを生成することができるFmocで保護された樹脂を脱保護して、樹脂からFmoc基を除去する工程;
(a−2)樹脂に側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHを結合させ、側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂を得る工程;および、
(a−3)側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたArg樹脂を得る工程;
をさらに含み、これらの工程は工程(a)の前に行われる。
【0021】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
前記工程(a−2)における側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHが、Fmoc−Arg(Pbf)−OHであり;
前記側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂が、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、および、Fmoc−Arg(Pbf)樹脂であり;
前記側鎖が保護されたArg樹脂が、側鎖が保護されたArg(Pbf)樹脂であり;
式(Aib8,35)hGLP−1(7−35)−NH(配列番号9)のC末端からN末端の前記Fmoc−アミノ酸が、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Aib−OH、および、Fmoc−His(Trt)−OHであり;
前記側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)が、His(Trt)−Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号10)であり;および、
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、TFA/フェノール/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/EDT切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/1−ドデカンチオール切断用カクテル、TFA/DTT/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール切断用カクテル、TFA/フェノール/メタンスルホン酸切断用カクテル、TFA/チオアニソール/EDT/アニソール切断用カクテル、TFA/TES切断用カクテル、TFA/水切断用カクテル、TFA/DCM/インドール切断用カクテル、および、TFA/TIPS切断用カクテルからなる群より選択されることを特徴とする。
【0022】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記ペプチドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂、および、シーバーアミド樹脂からなる群より選択されることを特徴とする。
【0023】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は:
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、および、TFA/水カクテルからなる群より選択され;および、
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、および、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂からなる群より選択されることを特徴とする。
【0024】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂であることを特徴とする。
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、工程(c)が以下の工程:
(c−1)ろ過して樹脂を除去し、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を得る工程;
(c−2)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を濃縮する工程;
(c−3)濃縮した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液から、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を沈殿させる工程;
(c−4)酢酸アンモニウム緩衝液中で、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をスラリー化して、N−Oシフトの逆転を行う工程;
(c−5)スラリーのpHを調節して、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の溶液を得る工程;および、
(c−6)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製する工程、
を含むことを特徴とする。
【0025】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記工程(c−4)におけるN−Oシフトの逆転が、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をわずかに塩基性の媒体中で保持し、続いてpHを約3〜3.7に下げ戻すことによって行われることを特徴とする。
【0026】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記樹脂からのFmoc基の除去が、DMF中のピペリジンを用いて行われることを特徴とする。
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、前記DMF中のピペリジンの濃度が、約25%(体積/体積)であることを特徴とする。
【0027】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBt、TBTU/HBTU/DIEA、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0028】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBt、または、TBTU/HBTU/DIEAのいずれかのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0029】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBtのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされることを特徴とする。
【0030】
直前に述べた本発明の形態の好ましい実施態様は、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.0当量の各Fmoc−アミノ酸、約2.94当量のTBTU、約2.94当量のHOBt、および、約4.5当量のDIEAを用いてカップリングされることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本願において、以下の略語が用いられる:
ACN アセトニトリル
AM アミノメチル
Boc tert−ブチロキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DTT ジチオスレイトール
EDT エタンジチオール
Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LOD 乾燥減量
MBHA 4−メチルベンズヒドリルアミン
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
OtBu tert−ブチルエステル
Pbf 2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
PEG ポリエチレングリコール
TBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラフルオロホウ酸テトラメチルウロニウム
tBu tert−ブチルエーテル
TES トリエチルシラン
TFA トリフルオロ酢酸
TIPS トリイソプロピルシラン
Trt トリチル。
【0032】
PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂は、Fmoc−Rinkアミドリンカーを有する樹脂であり、この樹脂の構成成分のビーズは、PEG部分を含む。PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂のいくつかの例としては、これらに限定されないが、ノヴァペグ(NovaPeg)、ノヴァゲル(NovaGel)、および、AMシュアー(AM SURE)が挙げられる。
【0033】
本明細書で用いられる用語「切断用カクテル」は、構築されたペプチドを樹脂から除去したり、または、切断したりするのに用いられる試薬の混合物を意味する。加えて切断用カクテルはまた、全ての側鎖の末端保護基、および、N末端の保護基を除去するのにも役立つ。
【0034】
本明細書でパラメーターまたは量に関連して用いられる用語「約」は、パラメーターまたは量が、述べられたパラメーターまたは量の±5%以内であることを意味する。本発明の方法を説明するために、以下の実施例を記載するが、本発明をいかなる形であれ限定するものと解釈されないこととする。
【0035】
(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成
圧縮空気モーターおよびPTFEかきまぜ機を備えた35リットルのガラス製反応装置(クォーク(Quark),ヴァインランド,ニュージャージー州,米国)中で、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を合成した。Fmoc RinkアミドMBHA樹脂(メルク・バイオサイエンス(Merck Biosciences),ダルムシュタット,ドイツ)を0.63mmol/gの取り込み量で用いた。Fmoc アミノ酸(シンセテック社(Synthetech Inc.),オールバニー,オレゴン州,米国)を以下の側鎖の保護と共に用いた:Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Boc−His(Trt)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、および、Fmoc−Tyr(tBu)−OH。以下のFmocアミノ酸は側鎖の保護を必要としなかった:Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Phe−OH、および、Fmoc−Val−OH。
【0036】
合成を0.63モルスケール(投入された樹脂は1kg)で行った。最初の29個のアミノ酸(全てN末端のヒスチジンを除く)を3.0当量のアミノ酸を用いてカップリングし、DMF4.5リットル中の2.94当量のTBTU(フルカ(Fluka),ゼールツェ,ドイツ)、2.94当量のHOBt(フルカ,ゼールツェ,ドイツ)、および、4.5当量のDIEA(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich),ジリンガム,英国)で予備的に活性化させた。カップリング時間は、60分間であった。Boc−His(Trt)−OHを、DMF4.5リットル中の3.4当量のアミノ酸、4.08当量のHATU(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems),フラミンガム,マサチューセッツ州,米国)、および、9当量のDIEAを用いてカップリングした。最初のカップリングの前およびそれに続く各カップリングの後の樹脂の脱保護は、2×10リットルのDMF中の25%(体積/体積)ピペリジン(BASF,ドイツ)を用いて行われた。
【0037】
樹脂へのペプチドのアセンブリが完了したら、樹脂を10リットルのメタノール(ラボスキャン(Labscan),ダブリン,アイルランド)で2回洗浄し、真空オーブン(メーソン・テクノロジー(Mason Technology),ダブリン,アイルランド)中でLOD(乾燥減量)が1%未満になるまで乾燥させた。反応装置中で樹脂を最初は窒素で乾燥させ、真空オーブン中で、およそ22℃の周囲温度で、50mbar未満で最終的な乾燥を行った。全ての乾燥プロセスは3日かかった。4200gのペプチジル樹脂を得た。
【0038】
樹脂からペプチドを切断し、その側鎖の保護基を、700gのサブロットを6個用いて、サブロットそれぞれに対して8.4リットルのTFA/TIPS/水(80/14.3/5.7%体積/体積)の切断用カクテルを170分用いて除去した。樹脂を0.7リットルのTFAで洗浄し、ろ液を合わせた。切断用カクテルを、ロータリーエバポレーター(ビュッヒ(Buchi),フラウィル,スイス)を用いてその元の質量の14〜32%になるまで濃縮し、未精製ペプチドを13.6〜17.5リットルの撹拌させたMTBE(ラボスキャン,ダブリン,アイルランド)中に沈殿させた。未精製ペプチドをさらに1.5〜7.5リットルのMTBEで洗浄した。
【0039】
酢酸アンモニウム緩衝液(10gのペプチド/100ml、10%質量/体積、すなわち10gのペプチド/100ml緩衝液、pH8〜9)中で60分間沈殿させた未精製ペプチドをスラリー化することによって、N−Oシフトの逆転を行った。pHを14〜18リットルの氷酢酸で3.3〜3.7にしたところ、透明な未精製ペプチド溶液が得られ、これは、約50%のHPLC純度を示した。このペプチド溶液を、精製の前に0.45μmのフィルター(ポール・ゲルマン・サイエンス社(Pall Gelman Sciences Inc.),ニューヨーク,ニューヨーク州,米国)を通過させてろ過した。
【0040】
ペプチドを、C18固定相(エカ・ケミカルズ社(Eka Chemicals AB),ボーフス(Bohus),スウェーデン)が充填された逆相分取用HPLCカラム(ノバセップ(Novasep),ポンペイ,フランス)を用いて精製した。水およびアセトニトリル中の0.1%TFAを用いた濃度勾配溶出で精製を行った。
【0041】
酢酸アンモニウムおよび酢酸緩衝液を用いて塩変換クロマトグラフィー工程を行い、酢酸塩を生成した。具体的に言えば、HPLCカラムにペプチドをローディングした。このペプチドカラムを酢酸アンモニウム緩衝液を用いて1時間カラム上で洗浄し、続いて酢酸/アセトニトリルの濃度勾配を用いてカラムから溶出させた。
【0042】
精製したペプチドの純度は、HPLC解析によれば99%を超えていた。具体的に言えば、ペプチド溶液をロータリーエバポレーター(最大温度40℃)で濃縮し、得られた溶液を0.45μmのフィルター(ポール・ゲルマン・サイエンス社、ニューヨーク,ニューヨーク州,米国)を通過させてろ過し、凍結乾燥した。
【0043】
最終的なヒスチジンカップリングのためのHATU/DIEAシステムは、TBTU/HBTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAtまたはHATU/HOBt/DIEAシステムと比較して、より優れた29merの(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)への変換を引き起こし、従って収量が増加した。
【0044】
加えて、Bocで保護されたヒスチジンの使用は、Fmocで保護されたヒスチジンと比較してより優れた収量が得られ、さらに切断の前にFmocの除去が必要ないためにプロセス時間がわずかに短縮された。以下の表に示したように、試薬の比率と反応時間との最適な組み合わせを選択して収量を高めるために、ヒスチジンカップリングと樹脂からの切断との両方に対して実証研究の統計的設計を行った。
【0045】
一般的に当業界で知られているように、N−Oシフトは、酸性条件に曝露された際に、スレオニンまたはセリン残基を含むペプチド中に形成されるアシルシフトである。それにより収量を減少させる異性体の不純物が生じ、純度を高めることが難しくなる可能性がある。これらのN−Oシフトは、わずかに塩基性の媒体(例えばpH8〜9)中でペプチドを保持し、続いてpHを約3に下げ戻すことによって逆転される。直前に述べたプロセスにより、スラリーとしてN−Oシフトの逆転を行わせることが可能になり、このようなスラリーを用いることは、完全に溶液をベースとした反転プロセスよりもスケール面での利点がある。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
上記の表2および4で示されるように、粗生成物のワークアップ(切断用カクテルの蒸発およびMTBE中での沈殿を含む)を、収量に影響を与えることなくラージスケールで沈殿するように最適化した。最終的には、ラージスケールでの合成(1kgの樹脂投入)を行い、これをその後サブロットで切断したところ、全体の合成収量27%であり、これは、より少ないスケールと比較しておよそ8%の増加を示す。
【0051】
精製法の開発に関して、材料を99%を超える純度で得るのに必要な精製の試行数を最小化するために、開始時から用いられるTFAの濃度勾配を改変することに努力を集中させたところ、50〜60%の精製収量が得られた。
【0052】
その他の実施態様
当業者であれば、上記の説明から本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、さらにそれらの本質および範囲から逸脱することなく本発明に様々な変更および改変を施して、本発明を様々な用途および条件に適合させることができる。従って、その他の実施態様も請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段階的に固相Fmocを用いた化学的方法を含む、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項2】
以下の工程:
(a)(Aib8,35)hGLP−1(8−35)−NH(配列番号8)のC末端からN末端へ、Fmoc−アミノ酸を、側鎖が保護されたArg樹脂と連続的にカップリングし、それぞれの連続的なカップリング工程後にN末端からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)を得る工程;
(b)側鎖が保護されたBoc−His−OHを、側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)とカップリングして、側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)を得る工程;
(c)側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)を切断用カクテルで処理し、それらから側鎖の保護基およびN末端の保護基を除去して、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程;および、
(d)未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製し、精製した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程、
を含む、請求項1に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項3】
以下の工程:
(a−1)ペプチドのアミドを生成することができるFmocで保護された樹脂を脱保護して、樹脂からFmoc基を除去すること;
(a−2)樹脂に側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHを結合させ、側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂を得ること;および、
(a−3)側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたArg樹脂を得ること;
をさらに含み、これらの工程は工程(a)の前に行われる、請求項2に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項4】
前記工程(a−2)における側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHが、Fmoc−Arg(Pbf)−OHであり;
前記側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂が、Fmoc−Arg(Pbf)樹脂であり;
前記側鎖が保護されたArg樹脂が、側鎖が保護されたArg(Pbf)樹脂であり;
式(Aib8,35)hGLP−1(8−35)−NH(配列番号8)のC末端からN末端の前記Fmoc−アミノ酸が、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、および、Fmoc−Aib−OHであり;
前記側鎖が保護されたAib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号4)が、Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号6)であり;
前記側鎖が保護されたBoc−His−OHが、Boc−His(Trt)−OHであり;
前記側鎖が保護されたBoc−His−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号5)が、Boc−His(Trt)−Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号7)であり;および、
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、TFA/フェノール/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/EDT切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/1−ドデカンチオール切断用カクテル、TFA/DTT/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール切断用カクテル、TFA/フェノール/メタンスルホン酸切断用カクテル、TFA/チオアニソール/EDT/アニソール切断用カクテル、TFA/TES切断用カクテル、TFA/水切断用カクテル、TFA/DCM/インドール切断用カクテル、および、TFA/TIPS切断用カクテルからなる群より選択される、請求項3に記載の(Aib8,35)hGLP-1(7-36)-NH (配列番号2)の合成方法。
【請求項5】
前記ペプチドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、PEGベースの Fmoc−Rinkアミド樹脂、および、シーバーアミド樹脂からなる群より選択される、請求項4に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項6】
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、および、TFA/水カクテルからなる群より選択され;および、
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、および、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂からなる群より選択される、請求項5に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項7】
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂である、請求項6に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項8】
前記工程(d)が以下の工程:
(d−1)ろ過して樹脂を除去し、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を得る工程;
(d−2)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を濃縮する工程;
(d−3)濃縮した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液から、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を沈殿させる工程;
(d−4)酢酸アンモニウム緩衝液中で、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をスラリー化して、N−Oシフトの逆転を行う工程;
(d−5)スラリーのpHを調節して、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の溶液を得る工程;および、
(d−6)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製する工程、
を含む、請求項7に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項9】
前記N−Oシフトの逆転が、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をわずかに塩基性の媒体中で保持し、続いてpHを約3〜3.7に下げ戻すことによって行われる、請求項8に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項10】
前記樹脂からのFmoc基の除去が、DMF中のピペリジンを用いて行われる、請求項9に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項11】
前記DMF中のピペリジンの濃度が、約25%(体積/体積)である、請求項10に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項12】
前記(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBt、TBTU/HBTU/DIEA、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされる、請求項〜のいずれか一項に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項13】
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基は、TBTU/HOBt、または、TBTU/HBTU/DIEAのいずれかのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされ;および、
N末端のヒスチジンが、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HBTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされる、請求項12に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項14】
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基をカップリングするために用いられる前記カップリング試薬の組み合わせが、TBTU/HOBtであり;および、
N末端のヒスチジンをカップリングするために用いられる前記カップリング試薬の組み合わせが、HATU/DIEAである、請求項13に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項15】
C末端から最初の29個の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.0当量の各Fmoc−アミノ酸、約2.94当量のTBTU、約2.94当量のHOBt、および、約4.5当量のDIEAを用いてカップリングされ;および、
N末端のヒスチジンが、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.4当量のBoc−His(Trt)−OH、約4.08当量のHATU、および、約9.0当量のDIEAを用いてカップリングされる、請求項14に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項16】
以下の工程:
(a)(Aib8,35)hGLP−1(7−35)−NH(配列番号9)のC末端からN末端へ、Fmoc−アミノ酸を、側鎖が保護されたArg樹脂と連続的にカップリングして、それぞれの連続的なカップリング工程後にN末端からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)を得る工程;
(b)側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)を切断用カクテルで処理し、それらから側鎖の保護基を除去し、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程;および、
(c)未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製し、精製した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を得る工程、
を含む、請求項1に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項17】
以下の工程:
(a−1)ペプチドのアミドを生成することができるFmocで保護された樹脂を脱保護して、樹脂からFmoc基を除去すること;
(a−2)樹脂に側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHを結合させ、側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂を得ること;および、
(a−3)側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂からFmoc基を除去して、側鎖が保護されたArg樹脂を得ること;
をさらに含み、これらの工程は工程(a)の前に行われる、請求項16に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項18】
前記工程(a−2)における側鎖が保護されたFmoc−Arg−OHが、Fmoc−Arg(Pbf)−OHであり;
前記側鎖が保護されたFmoc−Arg樹脂が、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、および、Fmoc−Arg(Pbf)樹脂であり;
前記側鎖が保護されたArg樹脂が、側鎖が保護されたArg(Pbf)樹脂であり;
式(Aib8,35)hGLP−1(7−35)−NH(配列番号9)のC末端からN末端の前記Fmoc−アミノ酸が、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Aib−OH、および、Fmoc−His(Trt)−OHであり;
前記側鎖が保護されたHis−Aib−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Aib−Arg樹脂(配列番号3)が、His(Trt)−Aib−Glu(OtBu)−Gly−Thr(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Val−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Leu−Glu(OtBu)−Gly−Gln(Trt)−Ala−Ala−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Phe−Ile−Ala−Trp(Boc)−Leu−Val−Lys(Boc)−Aib−Arg(Pbf)樹脂(配列番号10)であり;および、
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、TFA/フェノール/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/EDT切断用カクテル、TFA/フェノール/水/チオアニソール/1−ドデカンチオール切断用カクテル、TFA/DTT/水/TIPS切断用カクテル、TFA/フェノール切断用カクテル、TFA/フェノール/メタンスルホン酸切断用カクテル、TFA/チオアニソール/EDT/アニソール切断用カクテル、TFA/TES切断用カクテル、TFA/水切断用カクテル、TFA/DCM/インドール切断用カクテル、および、TFA/TIPS切断用カクテルからなる群より選択される、請求項17に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項19】
前記ペプチドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、PEG−basedベースの Fmoc−Rinkアミド樹脂、および、シーバーアミド樹脂からなる群より選択される、請求項18に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項20】
前記切断用カクテルが、TFA/TIPS/水切断用カクテル、TFA/TIPS/DCM切断用カクテル、および、TFA/水カクテルからなる群より選択され;および、
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂、Fmoc−Rinkアミド−AM樹脂、および、PEGベースのFmoc−Rinkアミド樹脂からなる群より選択される、請求項19に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項21】
前記ペプチドのアミドを生成することができる樹脂が、Fmoc−Rinkアミド−MBHA樹脂である、請求項20に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項22】
前記工程(c)が以下の工程:
(c−1)ろ過して樹脂を除去し、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を得る工程;
(c−2)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液を濃縮する工程;
(c−3)濃縮した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)/切断用カクテルのろ液から、未精製の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を沈殿させる工程;
(c−4)酢酸アンモニウム緩衝液中で、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をスラリー化して、N−Oシフトの逆転を行う工程;
(c−5)スラリーのpHを調節して、(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の溶液を得る工程;および、
(c−6)(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)を単離して、精製する工程、
を含む、請求項21に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項23】
前記工程(c−4)におけるN−Oシフトの逆転が、未精製の沈殿した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)をわずかに塩基性の媒体中で保持し、続いてpHを約3〜3.7に下げ戻すことによって行われる、請求項22に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項24】
前記樹脂からのFmoc基の除去が、DMF中のピペリジンを用いて行われる、請求項23に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項25】
前記DMF中のピペリジンの濃度が、約25%(体積/体積)である、請求項24に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項26】
前記(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBt、TBTU/HBTU/DIEA、HATU/DIEA、HCTU/DIEA、TBTU/HOBt/DIEA、DIC/HOBt、DIC/HOAt、HATU/HOBt/DIEA、および、HCTU/HOBt/DIEAからなる群より選択されるカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされる、請求項16〜25のいずれか一項に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項27】
前記(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBt、または、TBTU/HBTU/DIEAのいずれかのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされる、請求項26に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項28】
前記(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、TBTU/HOBtのカップリング試薬の組み合わせを用いてカップリングされる、請求項27に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。
【請求項29】
前記(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)のアミノ酸残基が、体積が約5倍過量のDMF中の、約3.0当量の各Fmoc−アミノ酸、約2.94当量のTBTU、約2.94当量のHOBt、および、約4.5当量のDIEAを用いてカップリングされる、請求項28に記載の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)−NH(配列番号2)の合成方法。

【公表番号】特表2012−502992(P2012−502992A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527830(P2011−527830)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/005265
【国際公開番号】WO2010/033254
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(500352074)イプセン・マニュファクチュアリング・アイルランド・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】IPSEN MANUFACTURING IRELAND LIMITED
【Fターム(参考)】