説明

(S)−1−シアノブタン−2−イル(S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態

本発明は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態、その薬学的組成物、それを調製するプロセス、及びその使用に関する。本発明は特に、約5重量%未満の無定形形態を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態、それにおけるプロセス、その薬学的組成物及びそれを使用した方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本発明は、以下の構造を有する(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態に関する(以下「化合物1」と称する)。
【0003】
【化1】

本発明は又、化合物1の多形形態を調製するプロセスにも関する。
【0004】
化合物1は、IMPDH媒介疾患の処置に有用な強力なIMPDH阻害剤である。化合物1、その組成物及びそれを使用した方法は、その開示内容全体が参考として本明細書に組み入れられている、特許文献1(以下「特許178号」と称する)に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,498,178号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は化合物1の2つの多形形態、即ち、形態A1及び形態B2を提供する。本発明は又、これらの多形形態を作製するプロセスにも関する。本発明は又、治療法及びこのような多形形態を含む薬学的組成物の調製における、これらの多形形態の使用にも関する。本発明は又、化合物1の無定形形態及びこのような無定形形態を生成するプロセスにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(発明の詳細な説明)
(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメート(化合物1)は、IMPDH媒介疾患の処置に有用な強力なIMPDH阻害剤である。化合物1の遊離塩基の2つの多形形態(形態A1及び形態B2)が同定されている。
【0007】
本発明の多形形態は、ラセミ酸塩、ラセミ混合物、及び全ての考え得る異性体とのジアステレオマー混合物、及び本発明に含まれるそれらの混合物として発生する場合がある。
【0008】
一実施形態によれば、本発明は、本明細書の化合物1の構造に示されているような(S)立体化学を有する化合物1の多形形態A1及び形態B2を提供する。
【0009】
一実施形態によれば、本発明は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態A1を提供する。
【0010】
別の実施形態によれば、本発明は、約5重量%未満の無定形形態を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を提供する。
【0011】
別の実施形態によれば、本発明は、約4重量%未満の無定形形態を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を提供する。
【0012】
別の実施形態によれば、本発明は、約3重量%未満の無定形形態を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を提供する。
【0013】
別の実施形態によれば、本発明は、約5重量%未満の無定形形態又は形態B2の何れかを含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を提供する。
【0014】
別の実施形態によれば、本発明は、Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいてピーク位置が約20.7°=2θにある、化合物1の多形形態A1を提供する。
【0015】
別の実施形態によれば、本発明は、Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、少なくとももう1つのピーク位置が約12.2、15.2、19.8又は23.2°=2θにある、化合物1の多形形態A1を提供する。
【0016】
別の実施形態によれば、本発明は、示差走査熱量計(DSC)で計測した場合に約160〜約176℃で吸熱事象を示す、化合物1の多形形態A1を提供する。加熱速度又はDSC分析を実施するスキャン速度、使用する較正標準、相対湿度、及び化学的純度によって、形態A1、形態B2及び無定形形態の吸熱量は、図に示す吸熱量の上下約0.01〜100℃により異なる場合がある。任意の試料において、観察される吸熱量は器具間でも異なる場合があるが、器具が同様に較正されている限り、これは一般的に本明細書に定義される範囲内となる。
【0017】
別の実施形態によれば、本発明は、本明細書において以下に実施例として示す通り、形態A1を調製するプロセスを提供する。
【0018】
別の実施形態によれば、本発明は、マンニトール又はアセトン中における形態B2の自然分晶により形態A1を得ることにより、多形形態B2を形態A1に変換する方法を提供する。
【0019】
別の実施形態によれば、本発明は、好適な溶媒中又は複数の好適な溶媒の混合物中における、低速蒸発、高速蒸発、低速冷却、高速冷却、蒸気拡散、又はスラリー、又はそれらの組み合わせを含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を調製するプロセスを提供する。
【0020】
一実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、アセトン中における低速蒸発により調製される。
【0021】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、約85:15のトルエン−テトラヒドロフラン混合物中における高速蒸発により調製される。
【0022】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、アセトン中における低速冷却により調製される。
【0023】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、アセトン又はメタノール中における高速冷却により調製される。
【0024】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、メタノール及び水中における蒸気拡散により調製される。
【0025】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、メタノール、メチルt−ブチルエーテル、若しくはトルエン、又はアセトンと水の混合物中におけるスラリーにより調製される。
【0026】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、アセトン中における低速冷却及び高速蒸発により調製される。
【0027】
別の実施形態において、実質的に純粋な多形形態A1は、・・・により調製される。
【0028】
別の実施形態によれば、本発明は、形態A1及び薬学的に許容される担体又はアジュバントを含む薬学的組成物を提供する。
【0029】
別の実施形態によれば、本発明は、化合物1の形態A1を含む薬学的組成物を調合する方法であって、前記形態A1を1つ以上の好適な薬学的担体又はアジュバントと結合させる手順からなる方法を提供する。
【0030】
別の実施形態によれば、本発明は、患者におけるIMPDH媒介疾患を処置する方法であって、実質的に純粋な形態A1又は実質的に純粋な形態A1を含む薬学的組成物の治療有効量を前記患者に投与する手順からなる方法を提供する。
【0031】
別の実施形態によれば、本発明は、実質的に純粋な多形形態A1を調製するプロセスであって、以下の手順の少なくとも1つからなるプロセスを提供する:
a)(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートを好適な溶媒中に溶解し、好適な温度で好適な振盪を行い、好適な溶液を得る手順;
b)前記溶液をおよその室温まで冷却し、懸濁液を得る手順;
c)前記懸濁液を濾過又は遠心分離して多形形態A1を得る手順;
d)前記形態A1を好適な溶媒で好適な回数濯ぐ手順;及び
e)前記形態A1を好適な温度で好適な減圧下にて、好適な期間にわたり、恒量になるまで乾燥させる手順。
【0032】
別の実施形態によれば、手順a)に好適な溶媒には、本明細書の以下の表1に記載するものが含まれる。
【0033】
別の実施形態によれば、本発明は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態B2を提供する。
【0034】
別の実施形態によれば、本発明は、Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいてピーク位置が約4.1°=2θにある、多形形態B2を提供する。
【0035】
別の実施形態によれば、本発明は、Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、少なくとももう1つのピーク位置が約12.6、14.4、16.4、22.1又は27.1°=2θにある、多形形態B2を提供する。
【0036】
別の実施形態によれば、本発明は、本明細書において以下に実施例として示す通り、形態B2を調製するプロセスを提供する。
【0037】
別の実施形態によれば、本発明は、形態B2及び薬学的に許容される担体又はアジュバントを含む薬学的組成物を提供する。
【0038】
別の実施形態によれば、本発明は、化合物1の無定形形態を含む薬学的組成物を調合する方法であって、
i)形態A1を無定形形態に変換する手順;及び
ii)前記無定形形態を1つ以上の好適な薬学的担体又はアジュバントと結合させる手順
からなる方法を提供する。
【0039】
別の実施形態によれば、本発明は、患者におけるIMPDH媒介性疾患を処置する方法であって、形態B2又は形態B2を含む薬学的組成物の治療有効量を前記患者に投与する手順からなる方法を提供する。
【0040】
別の実施形態によれば、本発明は、5重量%未満の形態A1を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な無定形形態を提供する。
【0041】
別の実施形態によれば、本発明は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの無定形形態を提供する。
【0042】
別の実施形態によれば、本発明は、示差走査熱量計(DSC)で計測した場合に約168℃で吸熱事象を、約214℃で広域の吸熱事象を示す無定形形態を提供する。
【0043】
別の実施形態によれば、本発明は、好適な溶媒中又は複数の好適な溶媒の混合物中における、多様形態A1の溶液の低速冷却、低速蒸発、高速冷却若しくは高速蒸発、又はそれらの組み合わせを含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの無定形形態を調製するプロセスを提供する。
【0044】
別の実施形態において、無定形形態は、2−ブタノン中における低速蒸発により調製される。
【0045】
別の実施形態において、無定形形態は、無水エタノール又はアセトニトリルとn−プロパノール混合物中における高速蒸発により調製される。
【0046】
別の実施形態において、無定形形態は、メタノール中における低速冷却及び高速蒸発により調製される。
【0047】
別の実施形態において、無定形形態は、テトラヒドロフラン中における高速冷却及び高速蒸発により調製される。
【0048】
別の実施形態によれば、本発明は、本明細書の実施形態の何れかに記載の無定形形態を含む薬学的組成物であって、前記無定形形態を1つ以上の好適な薬学的担体又はアジュバントと結合させることによって生成される組成物を提供する。
【0049】
別の実施形態によれば、本発明は、化合物1の無定形形態及び薬学的に許容されるアジュバント又は担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0050】
別の実施形態によれば、本発明は、患者におけるIMPDH媒介性疾患を処置する方法であって、無定形形態又は無定形形態を含む薬学的組成物の治療有効量を前記患者に投与する手順からなる方法を提供する。
【0051】
本明細書で使用される「好適な」という用語は、溶媒、温度、濾過物、振盪、溶液、培地、量、期間等を説明するものである。このような好適な溶媒、温度、濾過物、振盪、溶液、培地、量、期間等は、当業者に容易に知られる。
【0052】
「薬学的に許容される担体又はアジュバント」という用語は、その調合に使用される化合物の薬理活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント又は賦形剤を指す。本発明の組成物において使用される場合がある薬学的に許容される担体、アジュバント又は賦形剤には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩、又は硫酸プロタミン等の電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機又は有機酸及び塩基に由来するものが含まれる。好適な酸塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、二硫酸塩、ブチル酸塩、クエン酸塩、カンフル酸塩、カンフルスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート及びウンデカン酸塩が含まれる。シュウ酸等のその他の酸は、それ自体薬学的に許容されないものの、本発明の化合物及びその薬学的に許容される酸付加塩を得るに当たり中間生成物として有用な塩の調製において使用される場合がある。
【0054】
適切な塩基由来の塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN(C1−4アルキル)塩が含まれる。本発明は又、本明細書に開示される化合物のあらゆる塩基窒素含有基の四級化を想定する。水溶性又は油溶性又は拡散性の生成物はこのような四級化によって得られる場合がある。
【0055】
本発明の組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所塗布、経直腸、経鼻、経口腔、経膣又は植込み型リザーバーにより投与される場合がある。本明細書で使用される「非経口」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、関節包内、胸骨内、髄腔内、肝内、病変内及び頭蓋内注射又は注入法が含まれる。好ましくは、組成物は経口、腹腔内又は静脈内投与される。本発明の組成物の滅菌注射剤型は、水性又は油性の懸濁液である場合がある。これらの懸濁液は、当該技術分野で既知の手法に従って、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して調合される場合がある。この滅菌注射製剤は、例えば1,3−ブタンジオール溶液のような、非毒性の非経口投与可能な希釈液又は溶媒を使用した滅菌注射溶液又は懸濁液である場合がある。使用される場合がある許容される賦形剤及び溶媒には、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。更に、滅菌した固定油が溶媒又は懸濁培地として以前から使用されている。
【0056】
この目的のため、合成モノ又はジグリセロールをはじめとする何れかの無刺激固定油が使用される場合がある。オレイン酸等の脂肪酸及びそのグリセリド誘導体が、オリーブ油又はヒマシ油といった天然の薬学的に許容される油、特にそのポリオキシエチル化されたものと同様、注射剤の調製に有用である。これらの油溶液又は懸濁液は、カルボキシメチルセルロース等の長鎖アルコール希釈液若しくは拡散剤、又はエマルジョン及び懸濁液をはじめとする薬学的に許容される剤型の調合に通常使用される同様の拡散剤も含有する場合がある。Tweens、Spans等の通常使用される界面活性剤、及びその他の乳化剤又は薬学的に許容される固体、液体又はその他の剤型の製造に通常使用される生体内利用能促進剤(bioavailability enhancer)も、調合に目的に使用される場合がある。
【0057】
本発明の薬学的組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液又は溶液を含むがこれらに限定されない経口投与可能な何れかの剤型で経口投与される場合がある。経口投与用錠剤の場合、通常使用される担体にはラクトース及びトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤も通常添加される。カプセル剤での経口投与の場合、有用な希釈剤にはラクトース及び乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁液が経口投与に必要とされる場合、活性成分を乳化剤又は懸濁剤と結合させる。所望により、特定の甘味剤、風味剤又は着色剤も添加される場合がある。
【0058】
或いは、本発明の薬学的組成物は、経直腸投与用の坐剤の剤型で投与される場合がある。これらは、室温では固体であるが直腸温で液体となるために、直腸内で溶けて薬剤を放出する好適な被刺激性調剤とこの物質を混合することによって調製されてもよい。このような材料には、ココアバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0059】
本発明の薬学的組成物は又、特に処置の標的が、眼、皮膚又は下部消化管の疾患をはじめとする、局所塗布により容易に到達可能な領域又は臓器である場合に、局所投与される場合もある。好適な局所投与製剤は、これらの領域又は臓器のそれぞれにつき容易に調製される。
【0060】
下部消化管への局所塗布は、坐剤製剤(上記参照)又は好適な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチも使用される場合がある。
【0061】
局所塗布の場合、薬学的に許容される組成物は、1種類以上の担体に懸濁又は溶解した活性成分を含有する好適な軟膏で調合される場合がある。本発明の化合物の局所投与用の担体には、鉱物油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水が含まれるが、これらに限定されない。或いは、薬学的に許容される組成物は、1種類以上の担体に懸濁又は溶解した活性成分を含有する好適なローション又はクリームで調合されてもよい。好適な担体には、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
眼科用に使用する場合、薬学的に許容される組成物は、pHを調節した等張性滅菌生理食塩水中の微粉懸濁液として、又は好ましくはpHを調節した等張性滅菌生理食塩水中の溶液として、塩化ベンジルアルコニウム等の保存剤の使用にかかわらず、調合される場合がある。或いは、眼科用に使用する場合、薬学的に許容される組成物は、ワセリン等の軟膏で調合される場合がある。
【0063】
本発明の薬学的に許容される組成物は又、経鼻エアロゾル又は吸入剤によって投与される場合もある。このような組成物は、製剤分野で周知の技法に従って調製され、ベンジルアルコール又はその他の好適な保存剤、生体内利用能を促進する吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又はその他の従来の可溶化剤又は分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製される場合がある。
【0064】
一実施形態において、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与用に調合される。
【0065】
担体材料と結合させて単一の剤型で組成物を生成する場合がある本発明の化合物の量は、処置対象の患者、投与方法により異なる。好ましくは、0.01〜100mg/体重kg/日の化合物を含む剤型を、これらの組成物の投与を受ける患者に投与できるように、組成物を調合するのがよい。
【0066】
又、任意の特定の患者に特異的な剤型及び投与計画が、使用する特異的な化合物の活性、患者の年齢、体重、一般状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬剤の組み合わせ、担当医師の判断、及び処置対象となる特定の疾患の重症度をはじめとする種々の因子により異なることも理解されるはずである。組成物中における本発明の化合物のも又、組成物中の特定の化合物により異なる。
【0067】
処置又は予防対象となる特定の病態又は疾患によっては、当該病態の処置又は予防のために通常投与される追加の治療薬も又、本発明の組成物中に含まれる場合がある。本明細書で使用される、特定の疾患又は病態の処置又は予防のために投与される追加の治療薬は、「処置対象の疾患又は病態に適切である」ことが知られている。
【0068】
本発明の組成物が、本発明のIMPDH阻害剤と、本明細書で開示されるような1つ以上の追加の治療薬又は予防薬との組み合わせを含む場合には、IMPDA阻害剤及びその追加の薬剤の両方が、単独療法計画で通常投与される用量の約10〜100%、より好ましくは約10〜80%の濃度で含まれなければならない。追加の薬剤は、本発明の化合物とは別に、複数投与計画の一環として投与される場合がある。或いは、これらの薬剤は、本発明の化合物と単一の組成物中で混合される単一の剤型に含まれる場合もある。
【0069】
本発明の組成物が、本発明のIMPDH阻害剤と、本明細書で開示されるような1つ以上の追加の治療薬又は予防薬との組み合わせを含む場合には、IMPDA阻害剤及びその追加の薬剤の両方が、単独療法計画で通常投与される用量の約10〜100%、別の実施形態では約10〜80%の濃度で含まれなければならない。
【0070】
一実施形態によれば、本発明の薬学的組成物は、追加の免疫抑制剤を含む。追加の免疫抑制剤の例には、シクロスポリンA、FK506、ラパマイシン、レフルノミド、デオキシスペルグアリン、プレドニゾン、アザチオプリン、ミコフェノレートモフェチル、OKT3、ATAG、ミゾリビン、並びにPEG−Intron(登録商標)及びPegasys(登録商標)等のαインターフェロンをはじめとするインターフェロンが含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「インターフェロン」という用語は、インターフェロンα、インターフェロンβ又はインターフェロンγ等、ウイルスの複製及び細胞の増殖を阻害して免疫応答を調節する、相同性の高い種特異的タンパク質ファミリーの一つを意味する(The Merck Index, entry 5015, Twelfth Edition)。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、インターフェロンはαインターフェロンである。別の実施形態によれば、本発明の治療的組み合わせには、天然のαインターフェロン2aが使用される。或いは、本発明の治療的組み合わせには、天然のαインターフェロン2bが使用される。別の実施形態において、本発明の治療的組み合わせには、遺伝子組換えαインターフェロン2a及び2bが使用される。更に別の実施形態において、インターフェロンはPEG化αインターフェロン2a又は2bである。本発明に好適なインターフェロンには以下が含まれる:
(a)Intron(インターフェロンα2B、Schering Plough);
(b)Peg−Intron;
(c)Pegasys;
(d)Roferon;
(e)Berofor;
(f)Sumiferon;
(g)Wellferon;
(h)Amgen, Inc.(米国カリフォルニア州ニューベリーパーク)から入手可能なコンセンサスαインターフェロン;
(i)Alferon;
(j)Viraferon(登録商標);
(k)Infergen(登録商標)。
【0073】
代替実施形態によれば、本発明の薬学的組成物は更に、抗癌剤を含む場合もある。抗癌剤の例には、シスプラチン、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、アムサクリン、ミトキサントロン、テニパシド、タキソール、コルヒチン、シクロスポリンA、フェノチアジン、インターフェロン及びチオキサンテンが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
別の実施形態において、本発明の組成物は更に、抗HCV剤をはじめとする別の抗ウイルス剤も含む。このような抗ウイルス剤には、α−、β−及びγ−インターフェロン、PEG化誘導体インターフェロンα化合物、及びチモシン等の免疫調節剤;リバビリン(及びリバビリンとPEG化インターフェロン[Rebetrol(登録商標)]との併用療法)、d4T、ddI、AZT、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、アシクロビル、PCT公開番号第WO02/018369号に開示されるもののようなNS3−NS4Aプロテアーゼ阻害剤、アマンタジン、サイトベン、ガンシクロビル、リトニビル、ホスホノギ酸三ナトリウム及びテルビブジン等のその他の抗ウイルス剤;その他のC型肝炎プロテアーゼ阻害剤(NS2−NS3阻害剤及びNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼ及びポリメラーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されないその他のHCVライフサイクルの標的阻害剤;配列内リボソーム進入阻害剤;及びIMPDH阻害剤等の広域スペクトルウイルス阻害剤(例えば、米国特許第5,807,876号及び第6,498,178号に開示されるIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸、及びそれらの誘導体)が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
一実施形態において、本発明の組成物は更に、シトクロムP−450阻害剤をはじめとする別の薬剤も含む。このようなシトクロムP−450阻害剤には、リトナビルが含まれるが、これに限定されない。CYP阻害剤は、CYPによって阻害される化合物の肝濃度及び/又は血中濃度の上昇に有用な場合がある。
【0076】
本発明の一実施形態がCYP阻害剤に関与する場合には、IMPDH阻害剤の薬物動態を改善する任意のCYP阻害剤が、本発明の方法で使用される場合がある。これらのCYP阻害剤には、リトナビル(WO94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944及びVX−497が含まれるが、これらに限定されない。好ましいCYP阻害剤には、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン及びクロメチアゾールが含まれる。リトナビルの好ましい剤型については、米国特許第6,037,157号及びその引用文献である米国特許第5,484,801号、米国特許出願第08/402,690号及び国際特許出願第WO95/07696号及び第WO95/09614号を参照されたい。
【0077】
化合物がシトクロムP450型モノオキシゲナーゼ活性を阻害する能力を測定する方法は既知である(米国特許第6,037,157号及びYun, et al., Drug Metabolism & Disposition, vol.21, pp.403−407 (1993)を参照)。
【0078】
更に別の実施形態によれば、本発明の薬学的組成物は更に、抗血管内増殖剤を含む場合もある。抗血管内増殖剤の例には、ロバスタチン等のHMG Co−A還元酵素阻害剤、トロンボキサンA2合成酵素阻害剤、エイコサペンタン酸、シプロステン、トラピジル、ACE阻害剤、低分子量ヘパリン、ミコフェノール酸、ラパマイシン、及び5−(3’−ピリジニルメチル)ベンゾフラン−2−カルボキシレートが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
患者の病態が改善されたら、本発明の化合物、組成物又は組み合わせの維持用量が、必要に応じて投与される場合がある。次いで、用量又は投与回数又はその両方が、症状に応じて、改善した病態が維持できる程度にまで減らされる場合が、症状が所望の程度にまで緩和された場合には、投与を終了する必要がある。但し、長期的にみて疾患症状が再発した場合、患者は間欠的な投与が必要となる場合もある。
【0080】
一実施形態によれば、本明細書で使用される「IMPDH媒介性疾患」という用語には、移植拒絶反応(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(島細胞)、骨髄、角膜、小腸、並びに皮膚同種移植片及び心臓弁異種移植片)等の免疫系関連疾患、移植片対宿主病、及びリウマチ性関節炎等の自己免疫性疾患、多発性硬化症、若年性糖尿病、喘息、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、湿疹、脂漏症、肺炎症、ブドウ膜炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、ベーチェット病又はシェーグレン病(ドライアイ/口渇)、悪性貧血又は免疫溶血性貧血、特発性副腎機能不全、多腺性自己免疫性疾患、糸球体腎炎、硬皮症、扁平苔癬、尋常性白斑(皮膚の脱色素化)、自己免疫性甲状腺炎及び肺胞炎が含まれる。
【0081】
別の実施形態によれば、本明細書で使用される「IMPDH媒介性疾患」という用語には、オルソミクソウイルス(A型及びB型インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(呼吸合胞体ウイルス(RSV)、亜急性硬化性汎脳炎(SSPE)ウイルス)、麻疹ウイルス及び3型パラインフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV−2、HHV−6、HHV−7、HHV−8、エプスタインバーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(HCMV)及び帯状疱疹ウイルス(VZV))、レトロウイルス(HIV−1、HIV−2、HTLV−1、HTLV−2)、フラビウイルス及びペスチウイルス(黄熱病ウイルス(YFV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デング熱ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、肝栄養ウイルス(A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、D型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、G型肝炎ウイルス(HGV)、クリミア−コンゴ出血熱ウイルス(CCHF)、ブンヤウイルス(プンタトロウイルス、リフト・バレー熱ウイルス(RVFV)及びシチリアサシチョウバエウイルス)、ハンターンウイルス、カラパルウイルス)、ヒト乳頭腫ウイルス、脳炎ウイルス(ラクロスウイルス)、アレナウイルス(フニンウイルス及びタカリベウイルス)、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス(ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、脳心筋炎ウイルス(EMC))、ラッサ熱ウイルス及びトガウイルス(シンドビスウイルス及びセムリキ森林ウイルス)、及びポックスウイルス(ワクシニアウイルス)、アデノウイルス、rubiola及び風疹による感染症により引き起こされるDNA及びRNAウイルス疾患等のウイルス性疾患が含まれる。
【0082】
別の実施形態によれば、本明細書で使用される「IMPDH媒介性疾患」という用語には、再狭窄、狭窄症、関節硬化症及びその他の血管内細胞増殖疾患が含まれる。
【0083】
別の実施形態によれば、本明細書で使用される「IMPDH媒介性疾患」という用語には、リンパ腫、白血病といった腫瘍及び悪性腫瘍、並びに乳癌、前立腺癌、大腸癌、膵癌等のその他の形態の癌が含まれる。
【0084】
別の実施形態によれば、本明細書で使用される「IMPDH媒介性疾患」という用語には、骨関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、喘息及び成人呼吸窮迫症候群等の炎症性疾患が含まれる。
【0085】
本発明の多形形態等の結晶形態を、調合に好適な無定形形態に変換する好適な方法は、当該技術分野で既知である。例えば、その開示内容全体が参考として本明細書に組み入れられている、”Remington: The Science & Practice of Pharmacy”; Alfonso R. Gennaro, Editor, Mack Publishing, 1995, 19th Edition, Volume 2を参照されたい。
【0086】
本明細書に記載した本発明をより詳細に理解できるようにするため、以下の実験方法、試験及び実施例を示す。以下の実験方法、試験及び実施例は、限定を目的とせず、例示を目的として示される。
【0087】
実験方法
X線粉末回折(XRPD)
XRPD解析を、Shimadzu XRD−6000X線粉末回折計にてCu Kα照射を使用して行った。この装置は、高精度焦点X線管を備える。管の電力及びアンペア数は、それぞれ40kV及び40mAに設定した。発散及び散乱スリットは1°に設定し、受光スリットは0.15mmに設定した。回折X線をNaIシンチレーション検出器により検出した。2.5〜40°2θまで3°/分(0.4秒/0.02°刻み)でθ−2θ連続スキャンを使用した。装置のアラインメントを確認するため、毎日シリコン標準品を解析した。試料は、シリコンウェル又はシリコンインサートの何れかを備えたアルミニウムホルダーに充填した。
【0088】
示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量計データを、TA Instruments示差走査熱量計2920で収集した。各試料を窒素下で10℃/分の速度にて最終温度250℃又は350℃まで加熱した。インジウム金属を検量用標準物質として使用した。報告されたDSC温度は最高転移温度である。試料約2〜5mgをDSCパンに入れ、重量を正確に記録した。このパンを、圧力を逃すためのレーザーピンホールを有する蓋で密閉した。
【0089】
熱重量分析(TGA)
熱重量(TG)分析を、TA Instruments 2050又は2950熱重量分析計で行った。検量用標準物質はニッケル及びAlumelTMとした。試料約5〜25mgをパンに入れ、TG炉に挿入し、正確に重量を計測した。試料を窒素中で10℃/分の速度にて最終温度250℃まで加熱した。
【0090】
無定形材料のガラス転移温度(Tg)の試験のため、試料を窒素下で20℃/分の速度にて100℃まで加熱した。この温度で試料を1分間保持した後、冷却して0℃で平衡化した。5分間同じ温度で保持した後、再度20℃/分の速度にて加熱し、2回目の同じサイクルを行った。その後、試料を20℃/分の速度にて最終温度200℃又は250℃まで加熱した。
【0091】
赤外線熱重量(TG/IR)分析
赤外線熱重量(TG/IR)分析を、Ever−Glo mid/far赤外線光源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター及び重水素化硫酸グリシン(DTGS)検出器を備えたMagna 560(登録商標)フーリエ変換赤外線(FT−IR)分光計(Nicolet Instrument Corp.)に接続したTA Instruments 2050熱重量分析計(TG)で行った。各IRスペクトルは、スペクトル分解能4cm−1で得られた8Co添加スキャンである。IRスペクトルを、最長10分間8.1秒毎に収集した。実験の開始前に背景スキャンを収集した。使用時にはポリスチレンでIR(波長)を較正した。TGAはヘリウム流量下で、排出及び均衡をそれぞれ90及び10cc/分で操作した。試料約14〜20mgを白金試料パンに入れ、20℃/分の速度にて25℃から225℃へ加熱した。最初にTG装置を起動してから、直後にIR装置を起動した。検量用標準物質はニッケル及びAlumelTMとした。RH Nicolet TGA Vapor Phaseスペクトルライブラリーの検索により、揮発物を同定した。
【0092】
赤外線分光分析(IR)
Ever−Glo mid/far赤外線光源、広域臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター及び重水素化硫酸グリシン(DTGS)検出器を備えたMagna 860(登録商標)フーリエ変換赤外線(FT−IR)分光計(Nicolet Instrument Corp.)で赤外線スペクトルを収集した。サンプリングには、Spectra−Tech, Inc.の拡散反射アクセサリ(CollectorTM)を使用した。各スペクトルは、スペクトル分解能4cm−1で得られた128Co添加スキャンである。薬剤用の試料調製のため、試料を直径13mmのカップに入れ、すりガラススライドで材料を均一化した。背景データセットは所定位置のアラインメントミラーで収集した。スペクトルは、試料の単独ビームデータセットと背景単独ビームデータセットの比率である。使用時にはポリスチレンで分光光度計(波長)を較正した。
【0093】
ラマンスペクトル
Nicolet FT−Raman 960分光計でラマンスペクトルを収集した。この分光光度計は、1064nmの励起波長を使用する。Nd:YVOレーザーパワー約0.5Wを使用して試料を照射した。そして、砒化インジウム−ガリウム(InGaAs)検出器を使用して、ラマンスペクトルを計測した。解析用の試料を調製するため、NMR管に試料を充填し、このNMR管を、金でコーティングしたNMR管に入れた。各スペクトルは、4cm−1の溶液及びオートゲイン設定で得られた128Co添加スキャンの結果である。使用時には硫黄及びシクロヘキサンで分光計(波長)を較正した。
【0094】
H NMRスペクトル
Bruker Instruments AM−250分光計を使用し、磁場強度5.87 Tesla(Hラーモア周波数=250MHz)にて室温で、溶液のH NMRスペクトルを得た。試料(5.9mg)を0.5mLのNMRグレードDMSO−dに溶解した。Hパルス幅4μs、スキャン間ディレイ5秒、スペクトル幅5000Hz、8192データポイント、及び128Co添加スキャンにてスペクトルを得た。各自由誘導減衰(FID)を、感度を上げるために指数線幅拡大因子0.1Hzでの獲得ポイント数の2倍のフーリエ数を使用して、GRAMS/32 AIソフトウェアv. 6.00にて処理した。スペクトルは0.0ppmにて内部TMSと比較した。
【0095】

湿度バランス
湿度吸着/脱着データを、VTI SGA−100湿度バランスシステムで収集した。吸着等温線を得るため、相対湿度(RH)10%刻みで、RH5〜95%の吸着範囲及びRH95〜5%の脱着範囲を分析に使用した。試料は分析前に乾燥させなかった。分析に使用する均衡基準は、重量基準が一致していない場合に、最大均衡時間3時間で5分間の重量変化が0.0100%未満であった。試料の当初の水分含量に関するデータは収集しなかった。
【0096】
高速蒸発(FE)
種々の溶媒中で溶液を調製し、溶液を0.2μmのナイロンフィルターで濾過した。この濾過溶液を開口したバイアル中で室温にて蒸発させた。形成された固形物を単離し分析した。
【0097】
低速蒸発(SE)
種々の溶媒中で溶液を調製し、アリコートの追加間に超音波処理して、溶解しやすくした。混合物が完全に溶解したことが目視で確認できたら、溶液を0.2μmのナイロンフィルターで濾過した。この濾過溶液を、ピンホールを空けたアルミホイルを被せたバイアル中で、室温にて蒸発させた。形成された固形物を単離し分析した。
【0098】
低速冷却(SC)
低速冷却の実験では、試料を高温の試験溶媒のアリコートに溶解した。得られた溶液を、同じホットプレートに載せたままのバイアルに素早く濾過した。次にバイアルにキャップをして、熱源のスイッチを切り、ホットプレートとバイアルを緩徐に室温まで冷却させた。このバイアルを一晩室温で静置した。固形物の有無を確認し、固形物がないか、固形物の量がXRPDの分析には取るに足らないと判断される場合には、バイアルを一晩冷蔵庫に入れた。その後、再度固形物の有無を確認し、固形物がなければ、バイアルを一晩冷凍庫に入れた。固形物は濾過により収集し、風乾させた。バイアルを開口したまま緩徐に冷却した場合は、その方法を高速蒸発による低速冷却とみなした。
【0099】
高速冷却(CC)
高速冷却の実験では、試料を高温の試験溶媒のアリコートに溶解した。得られた溶液を、同じホットプレートに載せたままのバイアルに素早く濾過した。次にバイアルにキャップをして、冷却水槽に浸漬させるか、冷凍庫に移して、高温からマイナス温度への極めて高速な冷却を達成した。固形物は濾過により収集し、風乾させた。
【0100】
高速沈殿(CP)
抗溶媒を使用した結晶化も又、薬物分子の飽和溶液を比較的大量の抗溶媒に添加するか、抗溶媒を飽和溶液に添加するかの何れかにより行った。何れの場合でも、飽和溶液は濾過を行い、添加は滴下方法で行った。沈殿が認められない場合は、バイアルにキャップをして冷蔵庫へ移した。沈殿が認められる場合は、固形物を濾過により収集し、大気圧又は減圧下で風乾させた。これらの実験は大気又は準大気温度での高速沈殿とみなした。
【0101】
回転式蒸発
種々の溶媒中で溶液を調製した。その後、溶液を丸底フラスコに濾過して入れ、回転式蒸発により溶媒を除去し、固形物を回収して、分析した。
【0102】
蒸気拡散
蒸気拡散による沈殿では、室温にて、薬剤の飽和溶液を入れたバイアルを、抗溶媒の入った大型の密封バイアルに入れた。そして、確認された固形物を濾過により回収した。
【0103】
自然分晶
溶解してから数秒又は数分以内に結晶化させる実験を、自然分晶とする。これらの試料から得られた固形物を減圧下で濾過収集し、風乾させ、分析した。
【0104】
本発明をより詳細に理解できるようにするため、以下の試験及び実施例を、限定を目的とせず、例示を目的として記載する。
【0105】
試験
IMPDH活性抑制試験
IMPデヒドロゲナーゼ活性の試験は、Magasanikが最初に報告した方法の応用例に従って行う[その開示内容全体が参考として本明細書に組み入れられている、B. Magasanik, et al., J. Biol. Chem., 226, p.339 (1957)を参照]。酵素活性を分光光度計で、NADHの形成による340nmにおける吸光度の増加(□340は6220M−1 cm−1)を監視することによって測定する。反応混合物は、0.1Mリン酸カリウム8.0、0.5mM EDTA、2mM DTT、200μM IMP、及び濃度15〜50nMの酵素(II型ヒトIMPDH)を含む。この溶液を37℃で10分間培養する。反応は、最終濃度200μMにNADを添加してから開始し、初速度を、340nmにおける吸光度の線形増加によって、10分間測定する。標準的な分光光度計(パス長1cm)の読み取りでは、キュベットの最終容積は1.0mLである。この試験は96ウェルマイクロタイタープレートの方式にも適用されてきたが、この場合、全ての試薬の濃度は同じままにし、最終容積は200μLに減らす。抑制物質の分析では、当該化合物をDMSOに溶解し、最終濃度を20mMとし、当初の試験混合物に添加して、最終容積2〜5%(v/v)で酵素と前保温する。反応は、NADを添加してから開始し、初速度を上述の通り計測する。種々の量の抑制物質の存在下で初速度を計測し、Hendersonのタイトバインディング反応式を使用してデータを適合させることにより、K測定を行った(Henderson, P. J. F. (1972) Biochem. J. 127, 321)。
【0106】
細胞試験
A:末梢血単核球(PBMC)の単離:抗凝固剤としてヘパリンを使用し、健常志願者からヒト静脈血を採取する。この血液を標準条件下でFicoll−paque勾配又はCPTチューブ(Becton−Dickinson)にて遠心分離させることにより、血液からPBMCを単離する。PBMCを回収し、洗浄して、完全RPMI中に再懸濁した後、計数して、1×10細胞/mLに希釈した。
【0107】
B:PBMC及び脾細胞の増殖試験:5×10細胞(ヒトPBMC T細胞)又は1×10細胞(ヒトPBMC B細胞)を96ウェルプレートの各ウェルに添加した。T細胞試験の場合は、フィトヘマグルチニン(PHA)を各ウェルの最終濃度10〜20μg/mLに添加し、B細胞試験の場合は、ブドウ球菌タンパク質A(SPAS)を各ウェルの最終濃度2μg/mLに添加する。抑制物質の原液の4倍連続希釈液を完全RPMI培地中で作製して、化合物の最終濃度が20μM〜20nMになるように細胞に添加する一方で、DMSOの最終濃度は0.1%に維持する。その後、細胞を3日間培養する。試料は全て3連で試験する。試験の最後の24時間にトリチウムチミジン(0.4μCi/ウェル)を添加する。その後、細胞をBetaplateフィルターに集め、シンチレーションカウンターで計数する。細胞の増殖を50%抑制するのに必要な化合物の濃度(IC50値)を、SoftMax ProTM(Molecular Devices)コンピュータソフトウェアパッケージを使用して算出する。
【0108】
抗ウイルス試験
化合物の抗ウイルス作用の有効性は、種々のin vitro及びin vivo試験で評価することができる。例えば、化合物はin vitroのウイルス複製試験で試験することができる。In vitro試験では、全細胞又は単離した細胞成分を使用することができ、In vivo試験には、ウイルス性疾患の動物モデルが含まれる。このような動物モデルの例には、げっ歯類HBV又はHCV感染症モデル、ウッドチャックHBV感染症モデル及びチンパンジーHCV感染症モデルが含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
以下の実施例中及び本明細書全体で使用される略号及び用語は、以下の通りである。
EtOAc: 酢酸エチル
i−BuOAc: 酢酸イソブチル
i−PrOAc: 酢酸イソプロピル
MEK: メチルエチルケトン
MiBK: メチルイソブチルケトン
TBME: t−ブチルメチルエーテル
MeOH: メタノール
EtOH: エチルアルコール
TFE: 2,2,2−トリフルオロエタノール
IPA: イソプロピルアルコール
HFIPA: ヘキサフルオロイソプロパノール
ACN: アセトニトリル
THF: テトラヒドロフラン
NMP: N−メチルピロリジノン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
HCl: 塩酸
: 窒素ガス
L: リットル
ml: ミリリットル
max: 最高温度
g: グラム
Kg: キログラム
mg: ミリグラム
M: モル
VT: 可変温度
PBMC: 末梢血単核細胞
PHA: フィトヘマグルチニン
SPAS: ブドウ球菌タンパク質A
DTT: ジチオスレイトール
EDTA: エチレンジアミン四酢酸
NAD: ニコチン酸アデニンジヌクレオチド
CPT: 細胞調製用チューブ
RPMI: ロズウェル・パーク記念研究所
HBV: B型肝炎ウイルス
HCV: C型肝炎ウイルス
【実施例】
【0110】
実施例1 化合物1の調製
本発明の多形形態の調製に使用する化合物は、特許178号に記載の方法を使用して合成される場合がある。更に、本発明の化合物1は、当業者に既知の方法を標準的に操作することにより調製される場合もある。
【0111】
実施例2 再結晶化による形態A1の調製
粗化合物1を特許178号の手法に従って調製し、回転式蒸発により酢酸エチルから単離した。形態A1を、以下の表1に示す溶媒及び条件を使用して、粗化合物1の再結晶化により調製した。例えば、化合物約250mgを65℃のメタノール2mLに溶解し、この熱い溶液を室温へ高速冷却させた。冷却中には沈殿物が生じた。この沈殿物を濾過により単離して、メタノール1mLで洗浄し、減圧下で風乾させ、XRPDにより解析した。各実験のXRPDパターンは形態A1と一致した。
【0112】
(表1)
【0113】
【表1−1】

【0114】
【表1−2】

略号:endo=吸熱事象
実施例3 室温における化合物1の可溶性
化合物1の可溶性を、以下の表2に示す種々の溶媒及び溶媒混合物中で、室温にて測定した。
【0115】
(表2)
【0116】
【表2】

実施例4 高温における化合物1の可溶性
化合物1の可溶性を、以下の表3に示す種々の溶媒中で、高温にて測定した。
【0117】
(表3)
【0118】
【表3−1】

【0119】
【表3−2】

実施例5 形態A1又は無定形形態の調製方法
以下の表4には、種々の溶媒、条件及び実験手法を使用して化合物1にて行った実験方法の要約を示す。結果として得られた形態A1又は無定形形態を真空乾燥させた後、XRPDで解析した。何れの場合も、XRPDの解析結果は得られた形態と一致していた。
【0120】
(表4)
【0121】
【表4−1】

【0122】
【表4−2】

略号:CC=高速冷却;CP=高速沈殿;FE=高速蒸発;SC=低速冷却;SE=低速蒸発;VD=蒸気拡散;h=時間;RT=室温
略号:l.c.=低結晶性
実施例6 高速蒸発と同時の低速冷却による形態B2の調製
低速冷却実験を、高速蒸発と同時に温かいメタノール溶液(約50℃)から行った。例えば、約500mgの化合物1を50℃のメタノール14mL中に溶解した。この熱い溶液を濾過し、静置して室温にし、蒸発させて乾燥させた後、XRPDで解析した。XRPDパターンは形態B2と一致していた。
【0123】
実施例7 形態B2からの形態A1の調製
形態B2をメタノール及びアセトンから自然分晶し、形態A1を得た。得られた固形物を濾過し、真空乾燥させた後、XRPDで解析した。XRPDパターンは形態A1と一致していた。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】図1は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの形態A1のX線粉末回折パターン(XRPD)である。
【図2】図2は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの形態B2のXRPDである。
【図3】図3は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの無定形形態のXRPDである。
【図4】図4は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの形態A1の示差走査熱量計(DSC)の温度記録である。
【図5】図5は、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの無定形形態のDSCの温度記録である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5重量%未満の無定形形態を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1。
【請求項2】
Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、ピーク位置が約20.7°=2θにある、請求項1に記載の多形形態A1。
【請求項3】
Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、少なくとももう1つのピーク位置が約12.2、15.2、19.8又は23.2°=2θにある、請求項1に記載の多形形態A1。
【請求項4】
示差走査熱量計で計測した場合に約160と約176℃との間で吸熱事象を示す、請求項1に記載の多形形態A1。
【請求項5】
(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの多形形態B2。
【請求項6】
Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、ピーク位置が約4.1°=2θにある、請求項5に記載の多形形態B2。
【請求項7】
Cu Kα照射を使用して得られたX線粉末回折パターンにおいて、少なくとももう1つのピーク位置が約12.6、14.4、16.4、22.1又は27.1°=2θにある、請求項5に記載の多形形態B2。
【請求項8】
(a)請求項1〜7の何れかに記載の多形形態;及び
(b)薬学的に許容される担体又はアジュバント
を含む薬学的組成物。
【請求項9】
5重量%未満の形態A1を含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な無定形形態。
【請求項10】
示差走査熱量計で計測した場合に約168℃で吸熱事象を、約214℃で幅広い吸熱事象を示す、請求項9に記載の無定形形態。
【請求項11】
無定形形態と1つ以上の好適な薬学的担体又はアジュバントとを結合させることによって生成される、請求項9〜10の何れか1項に記載の無定形形態を含む薬学的組成物。
【請求項12】
好適な溶媒中又は複数の好適な溶媒の混合物中における、低速蒸発、高速蒸発、低速冷却、高速冷却、蒸気拡散、又はスラリー、又はそれらの組み合わせを含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの実質的に純粋な多形形態A1を調製するプロセス。
【請求項13】
アセトン中における低速蒸発を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
約85:15のトルエン−テトラヒドロフラン混合物中における高速蒸発を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
アセトン中における低速冷却を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項16】
アセトン又はメタノール中における高速冷却を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項17】
メタノール及び水中における蒸気拡散を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項18】
メタノール、メチルt−ブチルエーテル、若しくはトルエン、又はアセトンと水の混合物中におけるスラリーを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項19】
アセトン中における低速冷却及び高速蒸発を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項20】
好適な溶媒中又は複数の好適な溶媒の混合物中における、多様形態A1の溶液の低速冷却、低速蒸発、高速冷却又は高速蒸発、又はそれらの組み合わせを含む、(S)−1−シアノブタン−2−イル (S)−1−(3−(3−(3−メトキシ−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル)ウレイド)フェニル)エチルカルバメートの無定形形態を調製するプロセス。
【請求項21】
2−ブタノン中における低速蒸発を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
無水エタノール又はアセトニトリル−n−プロパノール混合物中における高速蒸発を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
メタノール中における低速冷却及び高速蒸発を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項24】
テトラヒドロフラン中における高速冷却及び高速蒸発を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項25】
患者におけるIMPDH媒介性疾患を処置する方法であって、請求項1に記載の実質的に純粋な多形形態A1の治療有効量を該患者に投与する手順を含む、方法。
【請求項26】
患者におけるIMPDH媒介性疾患を処置する方法であって、請求項8に記載の実質的に純粋な多形形態A1又は多形形態B2を含む薬学的組成物の治療有効量を該患者に投与する手順を含む、方法。
【請求項27】
患者におけるIMPDH媒介性疾患を処置する方法であって、請求項11に記載の実質的に純粋な無定形形態を含む薬学的組成物の治療有効量を該患者に投与する手順を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−505945(P2009−505945A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513710(P2008−513710)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020256
【国際公開番号】WO2006/127909
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】