説明

1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む共沸混合物様の組成物

【課題】非常に低い地球温暖化係数を有し、低いオゾン層破壊係数を有し、比較的一定の沸点特性を示す共沸混合物様の混合物、即ち沸騰及び蒸発によって実質的に分別されない組成物を提供する。
【解決手段】1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、並びにメタノール、エタノール、n−ペンタン、及びイソヘキサンからなる群から選択される第3の成分から実質的に構成される三元共沸混合物様の混合物を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月26日出願の米国出願12/605,609(これは、2008年10月28日出願の米国仮出願61/109,007の優先権の利益を主張し、また2008年10月28日出願の米国出願12/259,694の一部継続(CIP)でもある)の一部継続(CIP)である。これらのそれぞれの内容はその全部を参照として本明細書中に包含する。
【0002】
本発明は、概して1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む組成物に関する。より詳しくは、本発明は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む共沸混合物様の組成物及びその使用を提供する。
【背景技術】
【0003】
クロロフルオロカーボン(CFC)又はヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などのフルオロカーボンをベースとする流体は、工業用冷媒、発泡剤、熱伝達媒体、溶媒、気体状誘電体、及び他の用途において望ましい特性を有する。これらの用途のためには、単一成分の流体、又は共沸混合物様の混合物、即ち沸騰及び蒸発によって実質的に分別されないものが特に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念なことに、地球温暖化及びオゾン層破壊のような疑わしい環境上の問題は幾つかのこれらの流体の使用に起因しており、それによって現在はこれらの使用が制限されている。かかるCFC、HCFC、及びHFCに対する可能な代替物として、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)が提案されている。しかしながら、HFOを含む新規な環境に優しい非分別性混合物を突き止めることは、共沸混合物の形成が容易に予測できないという事実のために困難である。したがって、産業界においては、CFC、HCFC、及びHFCに対する許容でき且つ環境に優しい代替物である新規なHFOベースの混合物が継続的に探し求められている。本発明はとりわけこれらの必要性を満足するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人らは、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1233zd)を、C〜Cアルコール、C〜C炭化水素、シクロペンテン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素、水、及び場合によってはニトロメタンからなる群から選択される第2の成分と混合することによって共沸混合物様の組成物が形成されることを見出した。本発明の好ましい共沸混合物様の混合物は、それらを、冷媒として、断熱フォームの製造における発泡剤として、数多くの洗浄における溶媒としてなどの複数の用途、並びにエアゾール及び他の噴霧可能な組成物などにおける他の用途のために特に望ましくする特性を示す。特に、本出願人らは、これらの組成物は、好ましくは約1000未満、より好ましくは約500未満、更により好ましくは約150未満の比較的低い地球温暖化係数(GWP)を示す傾向があることを確認した。
【0006】
したがって、本発明の一形態は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、並びにC〜Cアルコール、C〜C炭化水素、シクロペンテン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素、水、及び場合によってはニトロメタンからなる群から選択される第2の成分から実質的に構成される二元共沸混合物様の混合物を含む組成物を包含する。幾つかの好ましい態様においては、本組成物は、以下のもの:共発泡剤、共溶媒、活性成分、並びに潤滑剤、安定剤、金属不動態化剤、腐食抑制剤、及び可燃性抑制剤のような添加剤の1以上を更に含む。幾つかの好ましい態様においては、ニトロメタンを安定剤として混合物中に含ませる。幾つかの態様においては、ニトロメタンはまた組成物の共沸混合物様の特性にも寄与する。
【0007】
本発明の他の形態は、少なくとも約15重量%の本明細書に記載する共沸混合物様の混合物、並びに場合によっては共発泡剤、充填剤、蒸気圧調整剤、火炎抑制剤、及び安定剤を含む発泡剤を提供する。
【0008】
本発明の他の形態は、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む、蒸気脱脂、冷間洗浄、拭取、及び同様の溶媒用途において用いるための溶媒を提供する。
本発明の他の形態は、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物、活性成分、並びに場合によっては不活性成分及び/又は溶媒、並びにエアゾール噴射剤を含む噴霧可能な組成物を提供する。
【0009】
本発明の更に他の形態は、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、又はフェノールベースの気泡壁、並びに気泡壁構造の少なくとも一部の中に配置されている本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む気泡ガスを含む独立気泡フォームを提供する。
【0010】
他の態様によれば、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含むポリオールプレミックスが提供される。
他の態様によれば、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む発泡性組成物が提供される。
【0011】
他の態様によれば、(a)請求項1に記載の共沸混合物様の組成物を含む発泡剤を、熱硬化性樹脂を含む発泡性混合物に加え;(b)かかる発泡性混合物を反応させて熱硬化性フォームを生成させ;そして(c)かかる反応中にかかる共沸混合物様の組成物を揮発させる;ことを含む熱硬化性フォームの製造方法が提供される。
【0012】
他の態様によれば、(a)請求項1に記載の共沸混合物様の組成物を含む発泡剤を、熱可塑性樹脂を含む発泡性混合物に加え;(b)かかる発泡性混合物を反応させて熱可塑性フォームを生成させ;そして(c)かかる反応中にかかる共沸混合物様の組成物を揮発させる;ことを含む熱可塑性フォームの製造方法が提供される。
【0013】
他の態様によれば、熱可塑性ポリマーを含む気泡壁、及び本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む気泡ガスを有する熱可塑性フォームが提供される。好ましくは、熱可塑性フォームは、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を有する気泡ガスを含み、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、又はこれらの組合せから選択される熱可塑性ポリマーから構成される気泡壁を有する。
【0014】
他の態様によれば、熱硬化性ポリマーを含む気泡壁、及び本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む気泡ガスを有する熱硬化性フォームが提供される。好ましくは、熱硬化性フォームは、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を有する気泡ガス、及びポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの組合せから選択される熱硬化性ポリマーを含む気泡壁を含む。
【0015】
本発明の他の態様によれば、本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含む冷媒が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
幾つかの態様によれば、本発明は、HFO−1233zd、並びにC〜Cアルコール、C〜C炭化水素、シクロペンテン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、又は水を含み、好ましくはこれらから実質的に構成される共沸混合物様の組成物を提供する。而して、本発明は、好ましい態様においてはCFC、HCFC、及びHFCを実質的に含まず、非常に低い地球温暖化係数を有し、低いオゾン層破壊係数を有し、比較的一定の沸点特性を示す共沸混合物様の組成物を与えることによって上記の欠点を克服するものである。
【0017】
本明細書において用いる「共沸混合物様」という用語は、厳密に共沸性であるか、又は概して共沸性混合物のように挙動する組成物を指す。共沸性混合物は、液体の組成と蒸気の組成が所定の圧力及び温度において等しい2以上の成分の系である。実際面では、これは共沸性混合物の成分が、一定の沸点を有するか又は実質的に一定の沸点を有し、一般に相変化中に熱力学的に分離することができないことを意味する。共沸性混合物の沸騰又は蒸発によって形成される蒸気の組成は、元の液体の組成と同一であるか又は実質的に同一である。而して、共沸混合物様の組成物の液相及び蒸気相中の成分の濃度は、組成物を沸騰させるか又は他の形態で蒸発させるにつれて、あったとしても最小にしか変化しない。これに対して、非共沸性混合物を沸騰又は蒸発させると、液相中有の成分濃度が相当な程度まで変化する。
【0018】
共沸混合物様の組成物の成分に関して本明細書において用いる「実質的に構成される」という用語は、組成物が、示される成分を共沸混合物様の比で含み、更なる成分が新しい共沸混合物様の系を形成しないならば更なる成分を含んでいてもよいことを意味する。例えば、2種類の化合物から実質的に構成される共沸混合物様の混合物は、更なる成分が混合物を非共沸性にせず、且つ化合物のいずれか又は両方と共沸混合物を形成しないならば場合によっては1以上の更なる成分を含んでいてもよい二元の共沸混合物を形成するものである。
【0019】
本明細書において用いる「有効量」という用語は、他の成分と組み合わせることによって本発明の共沸混合物様の組成物を形成するそれぞれの成分の量を指す。
他に特定しない限りにおいて、HFO−1233zdという用語は、シス異性体、トランス異性体、又はその幾つかの混合物を意味する。
【0020】
共沸混合物様の混合物の成分に関して本明細書において用いるシス−HFO−1233zdという用語は、共沸混合物様の組成物中のHFO−1233zdの全ての異性体に対するシス−HFO−1233zdの量が、少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、更により好ましくは少なくとも約99%、更により好ましくは少なくとも約99.9%であることを意味する。幾つかの好ましい態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物中のシス−HFO−1233zd成分は、実質的に純粋なシス−HFO−1233zdである。
【0021】
共沸混合物様の混合物の成分に関して本明細書において用いるトランス−HFO−1233zdという用語は、共沸混合物様の組成物中のHFO−1233zdの全ての異性体に対するトランス−HFO−1233zdの量が、少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、更により好ましくは少なくとも約99%、更により好ましくは少なくとも約99.9%であることを意味する。幾つかの好ましい態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物中のトランス−HFO−1233zd成分は、実質的に純粋なトランス−HFO−1233zdである。
【0022】
沸点データに関して本明細書において用いる「雰囲気圧力」という用語は、関係する媒体の周囲の雰囲気圧力を意味する。一般に、雰囲気圧力は14.7psiaであるが、±0.5psi変化してよい。
【0023】
本発明の共沸混合物様の組成物は、有効量のHFO−1233zdを、好ましくは流体形態の1以上の他の成分と混合することによって製造することができる。2以上の成分を混合して組成物を形成するための当該技術において公知の任意の広範囲の方法を、本方法において用いるように適合させることができる。例えば、HFO−1233zd及びメタノールを、手作業及び/又は機械によって、バッチ又は連続反応及び/又はプロセスの一部として、或いは2以上のかかる工程の組合せによって、混合、ブレンド、又は他の形態で配合することができる。本明細書における開示事項を考慮すれば、当業者は、過度の実験を行うことなく本発明による共沸混合物様の組成物を容易に製造することができるであろう。
【0024】
CFCCl=CHのようなフルオロプロペンは、米国特許2,889,379;4,798,818;及び4,465,786(これらのそれぞれは参照として本明細書中に包含する)に記載されている方法などの、種々の飽和及び不飽和ハロゲン含有C化合物の接触蒸気相フッ素化のような公知の方法によって製造することができる。
【0025】
EP−974,571(これも参照として本明細書中に包含する)においては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を、蒸気相中昇温温度においてクロムベースの触媒と、或いは液相中においてKOH、NaOH、Ca(OH)、又はMg(OH)のアルコール溶液と接触させることによる1,1,1,3−クロロトリフルオロプロペンの製造が開示されている。最終生成物は、およそ90重量%のトランス異性体及び10重量%のシスである。好ましくは、シス異性体をトランス形態から実質的に分離して、得られる好ましい形態の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンがシス異性体により富むようにする。シス異性体は、約20℃のトランス異性体の沸点に対比して約40℃の沸点を有しているので、当該技術において公知の任意の回数の蒸留方法によって2つを容易に分離することができる。しかしながら、好ましい方法はバッチ蒸留である。この方法によれば、シス及びトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合物をリボイラーに充填する。トランス異性体が塔頂流中に取り出され、シス異性体はリボイラー中に残留する。蒸留はまた、トランス異性体を塔頂流中に取り出し、シス異性体を塔底流中に取り出す連続蒸留で運転することもできる。この蒸留プロセスによって、純度が約99.9+%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び99.9+%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得ることができる。
【0026】
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のHFO−1233zd及びC〜Cアルコールを含む。好ましくは、C〜Cアルコールは、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群から選択される。幾つかの好ましい態様においては、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。幾つかの他の態様においては、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0027】
シス−HFO−1233zd/メタノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びメタノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約78〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約22重量%のメタノール、より好ましくは約85〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約15重量%のメタノール、更により好ましくは約88〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約12重量%のメタノールから実質的に構成される。
【0028】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/メタノールの組成物は、雰囲気圧力(雰囲気圧力は定義する必要がある)において約35.2±1℃の沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/メタノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びメタノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約70〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約30重量%のメタノール、より好ましくは約90〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約10重量%のメタノール、更により好ましくは約95〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約5重量%のメタノールから実質的に構成される。
【0029】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メタノールの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約17℃〜約19℃、より好ましくは約17℃〜約18℃、更により好ましくは約17℃〜約17.5℃、最も好ましくは約17.15℃±1℃の沸点を有する。
【0030】
シス−HFO−1233zd/エタノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びエタノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約65〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約35重量%のエタノール、より好ましくは約79〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約21重量%のエタノール、更により好ましくは約88〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約12重量%のエタノールから実質的に構成される。
【0031】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/エタノールの組成物は、雰囲気圧力において約37.4±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/エタノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びエタノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約85〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約15重量%のエタノール、より好ましくは約92〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約8重量%のエタノール、更により好ましくは約96〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約4重量%のエタノールから実質的に構成される。
【0032】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/エタノールの組成物は、雰囲気圧力において約18.1±1℃の標準沸点を有する。
シス−HFO−1233zd/イソプロパノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びイソプロパノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約85〜約99.99重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.01〜約15重量%のイソプロパノール、より好ましくは約88〜約99.99重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.01〜約12重量%のイソプロパノール、更により好ましくは約92〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約8重量%のイソプロパノールから実質的に構成される。
【0033】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/イソプロパノールの組成物は、雰囲気圧力において約38.1±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/イソプロパノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びイソプロパノールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約90〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約10重量%のイソプロパノール、より好ましくは約94〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約6重量%のイソプロパノール、更により好ましくは約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のイソプロパノールから実質的に構成される。
【0034】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソプロパノールの組成物は、雰囲気圧力において約17.9℃±1℃の標準沸点を有する。
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のHFO−1233zd及びC〜C炭化水素を含む。好ましくは、C〜C炭化水素は、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンテン、n−ヘキサン、及びイソヘキサンからなる群から選択される。幾つかの好ましい態様においては、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。幾つかの他の態様においては、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0035】
トランス−HFO−1233zd/n−ペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約65〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約35重量%のn−ペンタン、より好ましくは約84〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約16重量%のn−ペンタン、更により好ましくは約92〜約99.5重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.5〜約8重量%のn−ペンタンから実質的に構成される。
【0036】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/n−ペンタンの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約17℃〜約19℃、より好ましくは約17℃〜約18℃、更により好ましくは約17.3℃〜約17.6℃、最も好ましくは約17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0037】
シス−HFO−1233zd/n−ペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約20〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約80重量%のn−ペンタン、より好ましくは約50〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約50重量%のn−ペンタン、更により好ましくは約60〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約40重量%のn−ペンタンから実質的に構成される。
【0038】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/n−ペンタンの組成物は、雰囲気圧力において約35℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/イソペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びイソペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約60〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約40重量%のイソペンタン、より好ましくは約70〜約95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約5〜約30重量%のイソペンタン、更により好ましくは約80〜約90重量%のトランス−HFO−1233zd及び約10〜約20重量%のイソペンタンから実質的に構成される。
【0039】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソペンタンの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約15℃〜約18℃、より好ましくは約16℃〜約17℃、更により好ましくは約16.7℃〜約16.9℃、最も好ましくは約16.8℃±1℃の沸点を有する。
【0040】
トランス−HFO−1233zd/ネオペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びネオペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約5〜約70重量%のトランス−HFO−1233zd及び約30〜約95重量%のネオペンタン、より好ましくは約15〜約55重量%のトランス−HFO−1233zd及び約45〜約85重量%のネオペンタン、更により好ましくは約20〜約50重量%のトランス−HFO−1233zd及び約50〜約80重量%のネオペンタンから実質的に構成される。
【0041】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/ネオペンタンの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約7.7℃〜約8.4℃、より好ましくは約7.7℃〜約8.0℃、最も好ましくは約7.7℃±1℃の沸点を有する。
【0042】
シス−HFO−1233zd/ネオペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びネオペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約5〜約50重量%のシス−HFO−1233zd及び約50〜約95重量%のネオペンタン、より好ましくは約20〜約45重量%のシス−HFO−1233zd及び約55〜約80重量%のネオペンタン、更により好ましくは約30〜約40重量%のシス−HFO−1233zd及び約60〜約70重量%のネオペンタンから実質的に構成される。
【0043】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/ネオペンタンの組成物は、約8℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/シクロペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びシクロペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のシクロペンタン、より好ましくは約97〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約3重量%のシクロペンタン、更により好ましくは約98〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約2〜約98重量%のシクロペンタンから実質的に構成される。
【0044】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/シクロペンタンの組成物は、雰囲気圧力において約17.5℃±1℃の標準沸点を有する。
シス−HFO−1233zd/シクロペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びシクロペンタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約42〜約99重量%のシス−HFO−1233zd及び約1〜約58重量%のシクロペンタン、より好ましくは約50〜約95重量%のシス−HFO−1233zd及び約5〜約50重量%のシクロペンタン、更により好ましくは約60〜約93重量%のシス−HFO−1233zd及び約7〜約40重量%のシクロペンタンから実質的に構成される。
【0045】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/シクロペンタンの組成物は、雰囲気圧力において約34.7℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/シクロペンテンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びシクロペンテンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のシクロペンテン、より好ましくは約97〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約3重量%のシクロペンテン、更により好ましくは約98〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約2〜約98重量%のシクロペンテンから実質的に構成される。
【0046】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/シクロペンテンの組成物は、雰囲気圧力において約18.1±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/n−ヘキサンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びn−ヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約95〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約5重量%のn−ヘキサン、より好ましくは約97〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約3重量%のn−ヘキサン、更により好ましくは約97.2〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約2.8重量%のn−ヘキサンから実質的に構成される。
【0047】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/n−ヘキサンの組成物は、雰囲気圧力において約17.4℃±1℃の標準沸点を有する。
シス−HFO−1233zd/n−ヘキサンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びn−ヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約80〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約20重量%のn−ヘキサン、より好ましくは約90〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約10重量%のn−ヘキサン、更により好ましくは約95〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約5重量%のn−ヘキサンから実質的に構成される。
【0048】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/n−ヘキサンの組成物は、雰囲気圧力において約39℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/イソヘキサンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びイソヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約94.4〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約5.6重量%のイソヘキサン、より好ましくは96重量%〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約4重量%のイソヘキサン、更により好ましくは約97〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約3重量%のイソヘキサンから実質的に構成される。
【0049】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソヘキサンの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約17℃〜約19℃、より好ましくは約17℃〜約18℃、更により好ましくは約17.3℃〜約17.6℃、最も好ましくは約17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0050】
シス−HFO−1233zd/イソヘキサンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びイソヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約70〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約30重量%のイソヘキサン、より好ましは85重量%〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約15重量%のイソヘキサン、更により好ましくは約93〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約7重量%のイソヘキサンから実質的に構成される。
【0051】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/イソヘキサンの組成物は、約37℃±1℃の標準沸点を有する。
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のHFO−1233zd及びヒドロハロカーボンを含む。好ましくは、ヒドロハロカーボンは、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、及びトランス−1,2−ジクロロエチレン(トランス−1,2−DCE)からなる群から選択される。幾つかの好ましい態様においては、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。幾つかの他の態様においては、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0052】
トランス−HFO−1233zd/1−クロロプロパンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及び1−クロロプロパンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約96〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約4重量%の1−クロロプロパン、より好ましくは約98〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約2重量%の1−クロロプロパン、更により好ましくは約99〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約1重量%の1−クロロプロパンから実質的に構成される。
【0053】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/1−クロロプロパンの組成物は、雰囲気圧力において約18℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/2−クロロプロパンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及び2−クロロプロパンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約94〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約6重量%の2−クロロプロパン、より好ましくは約97〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約3重量%の2−クロロプロパン、更により好ましくは約99〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約1重量%の2−クロロプロパンから実質的に構成される。
【0054】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/2−クロロプロパンの組成物は、雰囲気圧力において約17.8℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/HFC−365mfcの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びHFC−365mfcを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約89〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約11重量%のHFC−365mfc、より好ましくは約92.5〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約7.5重量%のHFC−365mfc、更により好ましくは約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のHFC−365mfcから実質的に構成される。
【0055】
トランス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCEの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約60〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約40重量%のトランス−1,2−DCE、より好ましくは約75〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約25重量%のトランス−1,2−DCE、更により好ましくは約95重量%〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約5重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0056】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCEの組成物は、全て雰囲気圧力において測定して、約17℃〜約19℃、より好ましくは約17.5℃〜約18.5℃、更により好ましくは約17.5℃〜約18℃、最も好ましくは約17.8℃±1℃の沸点を有する。
【0057】
シス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCEの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約42〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約58重量%のトランス−1,2−DCE、より好ましくは約55〜約99.5重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.5〜約45重量%のトランス−1,2−DCE、更により好ましくは約65重量%〜約99重量%のシス−HFO−1233zd及び約1〜約35重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0058】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCEの組成物は、雰囲気圧力において約37.0℃±1℃の沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/メチラールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びメチラールを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のメチラール、より好ましくは約97〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約3重量%のメチラール、更により好ましくは約98.5重量%〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約1.5重量%のメチラールから実質的に構成される。
【0059】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メチラールの組成物は、雰囲気圧力において約17.3±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/酢酸メチルの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及び酢酸メチルを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約90〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約10重量%の酢酸メチル、より好ましくは約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%の酢酸メチル、更により好ましくは約98.5重量%〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.1〜約1.5重量%の酢酸メチルから実質的に構成される。
【0060】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/酢酸メチルの組成物は、雰囲気圧力において約17.5℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/水の共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及び水を含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約70〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約30重量%の水、より好ましくは約86〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約14重量%の水、最も好ましくは約90〜約99.95重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.05〜約10重量%の水から実質的に構成される。
【0061】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/水の組成物は、雰囲気圧力において約17.4℃±1℃の沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/ニトロメタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd及びニトロメタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約98〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約2重量%のニトロメタン、より好ましくは約99〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約1重量%のニトロメタン、更により好ましくは約99.9〜約99.99重量%のトランス−HFO−1233zd及び約0.01〜約0.1重量%のニトロメタンから実質的に構成される。
【0062】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/ニトロメタンの組成物は、雰囲気圧力において約17.4℃±1℃の標準沸点を有する。
シス−HFO−1233zd/ニトロメタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd及びニトロメタンを含む。より好ましくは、これらの二元共沸混合物様の組成物は、約95〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のニトロメタン、より好ましくは約97〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約3重量%のニトロメタン、更により好ましくは約99〜約99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約1重量%のニトロメタンから実質的に構成される。
【0063】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/ニトロメタンの組成物は、雰囲気圧力において約39℃±1℃の標準沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCE/メタノールの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd、メタノール、及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの三元共沸混合物様の組成物は、約80〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05〜約15重量%のメタノール、及び約0.05〜約10重量%のトランス−1,2−DCE;更により好ましくは約90〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05〜約9重量%のメタノール、及び約0.05〜約5重量%のトランス−1,2−DCE;最も好ましくは約95〜約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05〜約5重量%のメタノール、及び約0.05〜約3重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0064】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メタノール/トランス−1,2−DCEの組成物は、雰囲気圧力において約16.6℃±1℃の沸点を有する。
トランス−HFO−1233zd/メタノール/n−ペンタンの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd、メタノール、及びn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの三元共沸混合物様の組成物は、約55〜約99.90重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05〜約10重量%のメタノール、及び約0.05〜約35重量%のn−ペンタン;更により好ましくは約79〜約98重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.1〜約5重量%のメタノール、及び約1.9〜約16重量%のn−ペンタン;最も好ましくは約88〜約96重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.5〜約4重量%のメタノール、及び約3.5〜約8重量%のn−ペンタンをから実質的に構成される。
【0065】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メタノール/n−ペンタンの組成物は、全て約14psiaの圧力において測定して、約17℃〜約19℃、より好ましくは約17℃〜約18℃、更により好ましくは約17.1℃〜約17.6℃、最も好ましくは約17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0066】
トランス−HFO−1233zd/n−ペンタン/トランス−1,2−DCEの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zd、n−ペンタン、及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの三元共沸混合物様の組成物は、約85〜約99.0重量%のトランス−HFO−1233zd、約2.0〜約4.5重量%のn−ペンタン、及び約0.01〜約13重量%のトランス−1,2−DCE;更により好ましくは約88〜約99重量%のトランス−HFO−1233zd、約3.0〜約4.5重量%のn−ペンタン、及び約0.01〜約9.0重量%のトランス−1,2−DCE;最も好ましくは約90〜約96重量%のトランス−HFO−1233zd、約3.7〜約4.0重量%のn−ペンタン、及び約0.01〜約6.3重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0067】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/n−ペンタン/トランス−1,2−DCEの組成物は、雰囲気圧力において約19℃±1℃の沸点を有する。
シス−HFO−1233zd/イソヘキサン/トランス−1,2−DCEの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd、イソヘキサン、及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの三元共沸混合物様の組成物は、約60〜約80重量%のシス−HFO−1233zd、0より多く約20重量%までのイソヘキサン、及び約20〜約35重量%のトランス−1,2−DCE;更により好ましくは約62〜約72重量%のシス−HFO−1233zd、約0.01〜約13重量%のイソヘキサン、及び約25〜約35重量%のトランス−1,2−DCE;最も好ましくは約64.1〜約70重量%のシス−HFO−1233zd、約0.01〜約8.5重量%のイソヘキサン、及び約27.5〜約30重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0068】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/イソヘキサン/トランス−1,2−DCEの組成物は、約767mmHgの圧力において約36.3℃±1℃の沸点を有する。
【0069】
シス−HFO−1233zd/エタノール/トランス−1,2−DCEの共沸混合物様の組成物:
好ましい態様においては、共沸混合物様の組成物は、有効量のシス−HFO−1233zd、エタノール、及びトランス−1,2−DCEを含む。より好ましくは、これらの三元共沸混合物様の組成物は、約60〜約80重量%のシス−HFO−1233zd、0より多く約20重量%までのエタノール、及び約20〜約35重量%のトランス−1,2−DCE;更により好ましくは約62〜約72重量%のシス−HFO−1233zd、約0.01〜約13重量%のエタノール、及び約25〜約35重量%のトランス−1,2−DCE;最も好ましくは約65〜約70重量%のシス−HFO−1233zd、約0.01〜約7.1重量%のエタノール、及び約27.9〜約30重量%のトランス−1,2−DCEから実質的に構成される。
【0070】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/エタノール/トランス−1,2−DCEの組成物は、約767mmHgの圧力において約35.8℃±1℃の沸点を有する。
【0071】
本発明の共沸混合物様の組成物には、潤滑剤、安定剤、金属不動態化剤、腐食抑制剤、可燃性抑制剤などをはじめとする(しかしながらこれらに限定されない)種々の随意的な添加剤を更に含ませることができる。好適な安定剤の例としては、ジエンベースの化合物、及び/又はフェノール化合物、及び/又は芳香族エポキシド、アルキルエポキシド、アルケニルエポキシド、及びこれらの2以上の組合せからなる群から選択されるエポキシドが挙げられる。好ましくは、これらの随意的な添加剤は組成物の基本的な共沸混合物様の特性に影響を与えない。
【0072】
発泡剤:
本発明の他の態様においては、本明細書に記載する少なくとも1種類の共沸混合物様の混合物を含む発泡剤が提供される。ポリマーフォームは、一般に2つの一般的な種類:熱可塑性フォーム及び熱硬化性フォームのものである。
【0073】
熱可塑性フォームは、一般に、Throne, Thermoplastic Foams, 1996, Sherwood Publishers, Hinkley, Ohio又はKlempner及びSendijarevic, Polymeric Foams and Foam Technology, 2版 2004, Hander Gardner Publications, Inc., Cincinnati, OHに記載されているものなどの当該技術において公知の任意の方法によって製造される。例えば、押出熱可塑性フォームは、加圧下において押出機内で形成される溶融ポリマー中の発泡剤の溶液を、雰囲気温度又は圧力において、又は場合によってはフォームの膨張を助けるために減圧下において、オリフィスを通して移動ベルト上に押出す押出プロセスによって製造することができる。発泡剤は気化してポリマーを膨張させる。ポリマーは、最大膨張に対応する時点において寸法安定性を維持するのに十分な強度をそれに与える条件下において同時に膨張及び冷却される。押出熱可塑性フォームを製造するために用いるポリマーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、及びLLDPE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、成核剤(例えばタルク)、難燃剤、着色剤、加工助剤(例えばワックス)、架橋剤、透過性調整剤などをはじめとする(しかしながらこれらに限定されない)幾つかの添加剤を溶融ポリマー溶液に加えて、フォームの加工及び特性を最適にする。また、架橋を増加させるための照射、フォームのスキン品質を向上させるための表面膜の積層、フォーム寸法の必要条件を達成するためのトリミング及び設計、及び他のプロセスのような更なるプロセス工程を製造プロセス中に含ませることもできる。
【0074】
一般に、発泡剤には、広範囲の量の本発明の共沸混合物様の組成物を含ませることができる。しかしながら、発泡剤は少なくとも約15重量%の発泡剤を含むことが一般に好ましい。幾つかの好ましい態様においては、発泡剤は少なくとも約50重量%の本組成物を含み、幾つかの態様においては、発泡剤は本共沸混合物様の組成物から実質的に構成される。幾つかの好ましい態様においては、発泡剤は、本共沸混合物様の混合物に加えて、1種類以上の共発泡剤、充填剤、蒸気圧調整剤、火炎抑制剤、安定剤、及び同様の助剤を含む。
【0075】
幾つかの好ましい態様においては、発泡剤は、本発明の共沸混合物様の混合物を含む物理的(即ち揮発性)発泡剤として特徴付けられる。一般に、ブレンドした混合物中に存在する発泡剤の量は、最終フォーム製品の所望のフォーム密度、及びプロセスの圧力及び溶解度限界によって定まる。例えば、発泡剤の割合(重量部)は、ポリマー100重量部あたり約1〜約45部、より好ましくは約4〜約30部の発泡剤の範囲内であってよい。発泡剤には、共沸混合物様の組成物と混合した、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)のようなクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)のようなヒドロクロロフルオロカーボン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)のようなヒドロフルオロカーボン、プロパン、ブタン、イソブタン、シクロペンタンのような炭化水素、二酸化炭素、塩素化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、及びこれらの混合物などの更なる成分を含ませることができる。
【0076】
幾つかの態様においては、発泡剤は化学的発泡剤として特徴付けられる。化学的発泡剤は、押出機内の温度及び圧力条件に曝露すると、分解してガス、一般に二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水素、アンモニア、亜酸化窒素、又はこれらの混合物を発生させる物質である。存在させる化学的発泡剤の量は、所望の最終フォーム密度によって定まる。全化学的発泡剤ブレンドの割合(重量部)は、ポリマー100重量部あたり1未満で約15部まで、好ましくは約1〜約10部の発泡剤の範囲内であってよい。
【0077】
幾つかの好ましい態様においては、分散剤、気泡安定剤、界面活性剤、及び他の添加剤を、本発明の発泡剤組成物中に導入することもできる。界面活性剤は随意であるが、好ましくは気泡安定剤として働かせるために加える。幾つかの代表的な材料は、DC-193、B-8404、及びL-5340(これらは一般に、米国特許2,834,748、2,917,480、及び2,846,458(これらのそれぞれは参照として本明細書中に包含する)に開示されているもののようなポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーである)の名称で販売されている。発泡剤混合物のための他の随意的な添加剤としては、トリ(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニルなどのような難燃剤又は抑制剤が挙げられる。熱硬化性フォームに関しては、一般にポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの組合せなど(しかしながらこれらに限定されない)の任意の熱硬化性ポリマーを用いることができる。一般に、これらのフォームは、本発明の共沸混合物様の組成物を含む1種類以上の発泡剤、及び場合によっては、気泡安定剤、溶解度向上剤、触媒、難燃剤、補助発泡剤、不活性充填剤、染料などをはじめとする(しかしながらこれらに限定されない)他の添加剤の存在下で化学反応性成分を配合することによって製造される。本発明において記載する共沸混合物様の組成物を用いるポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造に関しては、当該技術において周知の任意の方法を用いることができる。Saunders及びFrisch, Volumes I及びII, Polyurethanes Chemistry and Technology (1962), John Wiley and Sons, New York, NYを参照。一般に、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、イソシアネート、ポリオール又は複数のポリオールの混合物、発泡剤又は複数の発泡剤の混合物、及び触媒、界面活性剤、並びに場合によっては難燃剤、着色剤、又は他の添加剤のような他の材料を配合することによって製造される。
【0078】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームのための成分を予めブレンドした配合物で与えることが、多くの用途において好都合である。最も通常的には、フォーム配合物は2つの成分に予めブレンドする。イソシアネート、及び場合によっては幾つかの界面活性剤、並びに発泡剤は、通常は「A」成分と呼ばれる第1成分を構成する。ポリオール又はポリオール混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤、及び他のイソシアネート反応性成分は、通常は「B」成分と呼ばれる第2成分を構成する。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、少量の製造のためには手作業での混合、及び好ましくはブロック、スラブ、積層体、現場注入パネル及び他の部材、噴霧適用フォーム、泡などを形成する機械混合技術のいずれかによって、A側及びB側の成分を配合することによって容易に製造される。場合によっては、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、水、及び更に他のポリオールのような他の成分を、第3の流れとして混合ヘッド又は反応場に加えることができる。しかしながら、最も好都合には、これらは全て、上記に記載した1つのB成分中に含ませる。
【0079】
脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを含む任意の有機ポリイソシアネートを、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの合成において用いることができる。種類として好ましいのは芳香族ポリイソシアネートである。代表的な脂肪族ポリイソシアネートは、トリ、テトラ、及びヘキサメチレンジイソシアネート、イソホレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのようなアルキレンジイソシアネートであり、代表的な芳香族ポリイソシアネートとしては、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メテン、ビス(2−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。
【0080】
好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、特に、約30〜約85重量%のメチレンビス(フェニルイソシアネート)を含み、混合物の残りが2より大きい官能価のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含む混合物である。
【0081】
ポリウレタンフォームの製造において用いる代表的なポリオールとしては、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと縮合させた2,4−及び2,6−トルエンジアミンの混合物をベースとするもののような芳香族アミノベースのポリエーテルポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリオールは、現場注入成形フォームにおける有用性が見出されている。他の例は、エトキシル化及び/又はプロポキシル化アミノエチル化ノニルフェノール誘導体をベースとするもののような芳香族アルキルアミノベースのポリエーテルポリオールである。これらのポリオールは一般に噴霧適用ポリウレタンフォームにおける有用性が見出されている。他の例は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと縮合させたスクロース誘導体及び/又はスクロース及びグリセリン誘導体の混合物をベースとするもののようなスクロースベースのポリオールである。
【0082】
ポリウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームにおいて用いるポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコールのようなポリオールから形成されるフタレートタイプ又はテレフタレートタイプのエステルのコンプレックス混合物をベースとするもののような芳香族ポリエステルポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリオールは、硬質積層板材料において用いられ、スクロースベースのポリオールのような他のタイプのポリオールとブレンドして、上記に記載したような他のポリウレタンフォーム用途において用いることができる。
【0083】
ポリウレタンフォームの製造において用いる触媒は、通常は、N−アルキルモルホリン、N−アルキルアルカノールアミン、N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミン、及びアルキルアミン(ここで、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどである)、及びこれらの異性体形態など(しかしながらこれらに限定されない)の第3級アミン;並びに複素環式アミンである。代表的であるが非限定的な例は、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチルピペラジン、ピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、2−メチルピペラジン、N,N−ジメチルエタノールアミン、テトラメチルプロパンジアミン、メチルトリエチレンジアミンなど、及びこれらの混合物である。
【0084】
場合によっては、非アミンポリウレタン触媒を用いる。かかる触媒の代表例は、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウムなどの有機金属化合物である。2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、及びグリコール酸アンチモンが代表例として挙げられる。好ましい有機スズ種としては、オクタン酸第1スズ、2−エチルヘキサン酸第1スズ、ラウリン酸第1スズなどのようなカルボン酸の第1スズ塩、並びにジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテートなどのようなカルボン酸のジアルキルスズ塩が挙げられる。
【0085】
ポリイソシアヌレートフォームの製造においては、ブレンドを過剰のA成分と共にポリイソシアヌレート−ポリウレタンフォームに転化させる目的で三量体化触媒を用いる。用いる三量体化触媒は、グリセリン塩及び第3級アミン三量体化触媒、及びアルカリ金属カルボン酸塩、並びに種々のタイプの触媒の混合物など(しかしながらこれらに限定されない)の当業者に公知の任意の触媒であってよい。このクラスの範囲内の好ましい種は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、及びN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシネートである。
【0086】
分散剤、気泡安定剤、及び界面活性剤を本ブレンド中に含ませることができる。界面活性剤は、一般に、米国特許2,834,748、2,917,480、及び2,846,458(参照として本明細書中に包含する)に開示されているもののようなポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーである。
【0087】
ブレンドのための他の場合によって用いる添加剤としては、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニルなどのような難燃剤を挙げることができる。他の場合によって用いる成分として0〜約3%の水を挙げることができ、これはイソシアネートと化学的に反応して二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素は補助発泡剤として機能する。
【0088】
また、本発明において開示する発泡剤又は発泡剤ブレンドを混合物中に含ませる。一般的に言えば、ブレンドされた混合物中に存在させる発泡剤の量は、最終ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォーム製品の所望のフォーム密度によって定まる。全発泡剤ブレンドの割合(重量部)は、ポリオール100部あたり1〜約45部、好ましくは約4〜約30部の発泡剤の範囲内であってよい。
【0089】
生成するポリウレタンフォームは、密度を約0.5ポンド/立方フィート〜約40ポンド/立方フィート、好ましくは約1.0〜20.0ポンド/立方フィート、最も好ましくは約1.5〜6.0ポンド/立方フィートの範囲にすることができる。得られる密度は、どのくらい多くの本発明において開示する発泡剤又は発泡剤混合物をA及び/又はB成分中に存在させるか、或いはフォームを生成させる時点で加えるかの関数である。
【0090】
フォーム及び発泡性組成物:
本発明の幾つかの態様は、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、又はフェノール樹脂をベースとする気泡壁、並びに気泡の少なくとも一部の中に配置される気泡ガスを含み、気泡ガスが本明細書に記載する共沸混合物様の混合物を含むフォームを包含する。幾つかの態様においては、フォームは押出熱可塑性フォームである。好ましいフォームは、約0.5ポンド/立方フィート〜約60ポンド/立方フィート、好ましくは約1.0〜20.0ポンド/立方フィート、最も好ましくは約1.5〜6.0ポンド/立方フィートの範囲の密度を有する。フォームの密度は、どのくらい多くの発泡剤又は発泡剤混合物(即ち、共沸混合物様の混合物、並びに任意の補助発泡剤、例えば二酸化炭素、化学的発泡剤、又は他の共発泡剤)を溶融ポリマー中に存在させるかの関数である。これらのフォームは一般に剛性であるが、最終用途の要求に適合させるために種々の柔軟度で製造することができる。フォームは、独立気泡構造、連続気泡構造、又は連続及び独立気泡の混合物を有していてよく、独立気泡構造が好ましい。これらのフォームは、断熱、浮遊体、包装、空隙充填、工芸品及び装飾品、並びに衝撃吸収など(しかしながらこれらに限定されない)の種々の周知の用途において用いられる。
【0091】
他の態様においては、本発明は発泡性組成物を提供する。本発明の発泡性組成物は、一般に、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、及びフェノール樹脂ベースの組成物のようなフォームを形成することができる1以上の成分、並びに本明細書に記載する少なくとも1種類の共沸混合物様の混合物を含む発泡剤を含む。幾つかの態様においては、発泡性組成物は、熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリマー及び/又は樹脂を含む。熱可塑性フォーム成分の例としては、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリオレフィン、並びにこれから形成されるフォーム、好ましくは低密度フォームが挙げられる。幾つかの態様においては、熱可塑性発泡性組成物は押出可能な組成物である。
【0092】
幾つかの態様においては、かかるフォームの製造方法が提供される。特に本明細書に含まれる開示事項を考慮すれば、発泡剤を形成し及び/又は発泡性組成物に加える順番及び方法は本発明の実施可能性に一般に影響を与えないことが当業者に認められるであろう。例えば、押出可能なフォームの場合においては、発泡剤の種々の成分を前もって混合することが可能である。幾つかの態様においては、発泡性組成物の成分は、押出装置に導入する前には混合せず、或いは押出装置内の同じ位置には加えない。而して、幾つかの態様においては、発泡剤の1以上の成分を、発泡剤の1以上の他の成分の添加位置の上流である押出機内の第1の位置において導入することが望ましい可能性があり、このようにして成分が押出機内で混合され及び/又はより有効に運転されると見込まれる。幾つかの他の態様においては、発泡剤の2以上の成分を前もって配合して発泡性組成物中に一緒に導入する。これは、直接導入するか又はプレミックスの一部として導入して次に発泡性組成物の他の部分に更に加える。
【0093】
噴霧可能な組成物:
好ましい態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物は、単独か又は他の公知の噴射剤と組み合わせて噴霧可能な組成物における溶媒として用いることができる。この溶媒組成物は、本発明の共沸混合物様の組成物を含み、より好ましくはこれから実質的に構成され、更により好ましくはこれから構成される。幾つかの態様においては、噴霧可能な組成物はエアゾールである。
【0094】
幾つかの好ましい態様においては、上記記載の溶媒、活性成分、及び場合によっては不活性成分、溶媒などのような他の成分を含む噴霧可能な組成物が提供される。
好適な噴霧する活性材料としては、限定なしに、脱臭剤、香水、ヘアスプレーのような化粧材料、洗浄溶媒、潤滑剤、殺虫剤、並びに抗ぜんそく薬のような医薬材料が挙げられる。医薬材料という用語は、ここでは、その最も広い意味において、治療、診断、鎮痛、及び同様の処置に関して有効であるか又は少なくとも有効であると考えられている任意の全ての材料を包含するように用いられ、これとしては例えば医薬及び生物活性物質が挙げられる。
【0095】
溶媒及び洗浄組成物:
本発明の他の態様においては、本明細書において記載する共沸混合物様の組成物を、鉱油、ロジンベースのフラックス、シリコーンオイル、潤滑剤等のような種々の汚れを、ワイピング、蒸気脱脂、又は他の手段によって種々の基材から洗浄除去する際の溶媒として用いることができる。幾つかの好ましい態様においては、洗浄組成物はエアゾールである。
【実施例】
【0096】
本発明を以下の実施例において更に示すが、これらは例示を意図するものであり、いかなるようにも限定するものではない。関連する実施例に関しては、Swietolslowskiによって彼の書籍"Ebulliometric Measurements"(Reinhold, 1945)に記載されている一般的なタイプの沸点測定器を用いた。
【0097】
実施例1:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計又はサーミスタを取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にメタノールを測定した少量の増分で加えた。メタノールを加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。0より多く約51重量%までのメタノールに関しては、組成物の沸点は約1.3℃未満しか変化しない。表1に示す二元混合物の沸点は約0.02℃未満しか変化しなかった。而して、この組成物は、これらの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示した。結果を合致させるために、一方が純粋な溶媒を含み、他方がトランス−HFO−1233zdを用いて構成し、前記したように第2成分を加えた2つの沸点測定器を並べて設置した。この2つにおける温度の差も測定した。
【0098】
【表1】

【0099】
実施例2:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計又はサーミスタを取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約35gのトランス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にn−ペンタンを測定した少量の増分で加えた。n−ペンタンをトランス−HFO−1233zdに加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。0より多く約30重量%までのn−ペンタンに関しては、組成物の沸点は約0.8℃未満しか変化しない。表2に示す二元混合物の沸点は約0.02℃未満しか変化しなかった。而して、この組成物は、これらの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示した。
【0100】
【表2】

【0101】
実施例3:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計又はサーミスタを取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約17gのトランス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にイソペンタンを測定した少量の増分で加えた。イソペンタンをトランス−HFO−1233zdに加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。約0より多く約30重量%までのイソペンタンに関しては、組成物の沸点は約0.8℃以下しか変化しなかった。表3に示す二元混合物の沸点は約0.2℃未満しか変化しなかった。而して、この組成物は、これらの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示した。
【0102】
【表3】

【0103】
実施例4:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計又はサーミスタを取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約17gのネオペンタンを沸点測定器に充填し、次にトランス−HFO−1233zdを測定した少量の増分で加えた。トランス−HFO−1233zdをネオペンタンに加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。表4に示すように、約19〜約49重量%のトランス−HFO−1233zdを含む組成物は0.1℃以下の沸点の変化しか有していなかった。而して、この組成物は、少なくともこれらの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示した。
【0104】
【表4】

【0105】
実施例5:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計又はサーミスタを取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約18gのトランス−HFO−1233を沸点測定器に充填し、次にトランス−1,2−DCEを測定した少量の増分で加えた。トランス−1,2−DCEをトランス−HFO−1233に加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。約0.01より多く約53重量%までのトランス−1,2−DCEに関しては、組成物の沸点は約0.7℃以下しか変化しなかった。表4に示す二元混合物の沸点は約0.3℃未満しか変化しなかった。而して、この組成物は、これらの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示した。
【0106】
【表5−1】

【0107】
実施例6〜23:
実施例6〜23に関しては、上記の実施例1〜5において記載した基本手順を繰り返した。所定範囲の成分濃度にわたって共沸混合物様の挙動が観察され、ここでは沸点は≦1℃変化した。結果を下記に要約する。
【0108】
【表5−2】

【0109】
【表6】

【0110】
【表7】

【0111】
【表8】

【0112】
【表9】

【0113】
【表10】

【0114】
【表11】

【0115】
【表12】

【0116】
【表13】

【0117】
【表14】

【0118】
【表15】

【0119】
【表16】

【0120】
【表17−1】

【0121】
【表17−2】

【0122】
【表18−1】

【0123】
【表18−2】

【0124】
【表19】

【0125】
【表20−1】

【0126】
【表20−2】

【0127】
【表21−1】

【0128】
【表21−2】

【0129】
【表22−1】

【0130】
【表22−2】

【0131】
【表22−3】

【0132】
【表22−4】

【0133】
【表23】

【0134】
実施例24:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にニトロメタンを測定した少量の増分で加えた。ニトロメタンを加えた際に温度降下が観察され、これは二元共沸混合物様の組成物が形成されたことを示す。
【0135】
【表24】

【0136】
実施例25:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いた。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次に水を測定した少量の増分で加えた。水を加えた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されたことを示す。0より多く約30重量%までの水に関しては、組成物の沸点は雰囲気圧力において約0.5℃未満しか変化しない。
【0137】
【表25】

【0138】
実施例26:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いる。所定量のシス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にニトロメタンを測定した少量の増分で加える。ニトロメタンをシス−HFO−1233に加える際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されることを示す。この組成物は、約95〜99.9重量%のシス−HFO−1233zd及び約0.1〜約5重量%のニトロメタンの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示す。より明白な共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性は、約97〜99.9重量%のシス−1233zd及び約0.1〜約3重量%のニトロメタンの範囲にわたって起こり;約99〜99.9重量%のシス−1233zd及び約0.1〜約1重量%のニトロメタンの範囲にわたって更により明白である。
【0139】
実施例27:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いる。所定量のシス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にn−ペンタンを測定した少量の増分で加える。n−ペンタンをシス−HFO−1233に加える際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されることを示す。この組成物は、約20〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約80重量%のn−ペンタンの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示す。より明白な共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性は、約50〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約50重量%のn−ペンタンの範囲にわたって起こり;約60〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約40重量%のn−ペンタンの範囲にわたって更により明白である。
【0140】
実施例28:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いる。所定量のシス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にネオペンタンを測定した少量の増分で加える。ネオペンタンをシス−HFO−1233に加える際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されることを示す。この組成物は、約5〜50重量%のシス−1233zd及び約50〜約95重量%のネオペンタンの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示す。より明白な共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性は、約20〜45重量%のシス−1233zd及び約55〜約80重量%のネオペンタンの範囲にわたって起こり;約30〜40重量%のシス−1233zd及び約60〜約70重量%のネオペンタンの範囲にわたって更により明白である。
【0141】
実施例29:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いる。所定量のシス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にn−ヘキサンを測定した少量の増分で加える。n−ヘキサンをシス−HFO−1233に加える際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されることを示す。この組成物は、約80〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約20重量%のn−ヘキサンの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示す。より明白な共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性は、約90〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約10重量%のn−ヘキサンの範囲にわたって起こり;約95〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約5重量%のn−ヘキサンの範囲にわたって更により明白である。
【0142】
実施例30:
頂部上に凝縮器を有し、更に水晶温度計を取り付けた真空ジャケット付きチューブから構成される沸点測定器を用いる。所定量のシス−HFO−1233zdを沸点測定器に充填し、次にイソヘキサンを測定した少量の増分で加える。イソヘキサンをシス−HFO−1233に加えるた際に温度降下が観察され、これは二元最小沸点共沸混合物が形成されることを示す。この組成物は、約70〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約30重量%のイソヘキサンの範囲にわたって共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性を示す。より明白な共沸混合物及び/又は共沸混合物様の特性は、約85〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約15重量%のイソヘキサンの範囲にわたって起こり;約93〜99.5重量%のシス−1233zd及び約0.5〜約7重量%のイソヘキサンの範囲にわたって更により明白である。
【0143】
実施例31:
98重量%のトランス−HFO−1233zdと約2重量%のメタノールを含む共沸混合物様の混合物を、エアゾール缶中に装填する。エアゾールバルブを所定の位置に曲げて、バルブを通してHFC−134aを加えて、約20psigの缶内の圧力を達成する。次に、混合物を表面上に噴霧すると、この共沸性混合物がエアゾールとして有用であることが示される。
【0144】
実施例32〜57:
実施例32〜57に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて、下表中に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は、実施例31の工程を概して繰り返す。場合によっては、エアゾールは、異なる共エアゾール剤を有するか、又は共エアゾール剤を有さず、場合によっては、脱臭剤、香水、ヘアスプレー、洗浄溶媒、潤滑剤、殺虫剤、及び医薬材料からなる群から選択される少なくとも1つの活性成分を有する。同様の結果が示される。
【0145】
【表26】

【0146】
実施例58:
98重量%のトランス−HFO−1233zdと約2重量%のメタノールを含む混合物を、エアゾール缶中に装填する。エアゾールバルブを所定の位置に曲げて、バルブを通してHFC−134aを加えて、約20psigの缶内の圧力を達成する。次に、ハンダフラックスで汚した金属片上に混合物を噴霧する。フラックスが除去され、片は視覚的に清浄である。
【0147】
実施例59〜84:
実施例59〜84に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて下表中に示す共沸混合物様の混合物を用い、HFC−134aに代えて異なる共エアゾールを用いるか又は共エアゾールを用いない他は、実施例58の工程を概して繰り返す。場合によっては、洗浄剤として共沸性混合物を適用する方法は、噴霧に代えて蒸気脱脂又はワイピングである。場合によっては、共沸性混合物の洗浄剤はニートで適用する。場合によっては、洗浄する材料は、ハンダフラックスから鉱油、シリコーンオイル、又は他の潤滑剤に変えた。それぞれの場合において同様の結果が示される。
【0148】
【表27】

【0149】
実施例85:
98重量%のトランス−HFO−1233zd及び2重量%のメタノールを含む混合物を調製し、シリコーンオイルをブレンドと混合し、溶媒を蒸発させて、シリコーンオイルの薄い被覆を片に残留させる。これにより、この溶媒ブレンドを種々の基材におけるシリコーンオイル付着のために用いることができることが示された。
【0150】
実施例86〜111:
実施例85〜111に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて下表に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は実施例85の工程を概して繰り返す。
【0151】
【表28】

【0152】
実施例112:
98重量%のトランス−HFO−1233zd及び2重量%のメタノールを含む混合物を調製し、鉱油をブレンドと混合する。鉱油はブレンド全体に均一に分配される。これにより、この共沸混合物様の組成物を溶媒として用いることができることが示された。
【0153】
実施例113〜138:
実施例113〜118に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて下表に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は実施例112の手順を概して繰り返す。
【0154】
【表29】

【0155】
実施例139:
約97重量%のトランス−HFO−1233zd及び約3重量%のトランス−1,2−DCEの共沸混合物様の混合物を調製する。この混合物を発泡剤として用いて、独立気泡ポリウレタンフォーム及び独立気泡ポリイソシアネートフォームを製造する。得られるフォームの気泡ガスを分析すると、共沸混合物様の混合物の少なくとも一部を含むことが求められる。
【0156】
実施例140〜153:
実施例140〜153に関しては、トランス−HFO−1233zd及びトランス−1,2−DCEに代えて下表に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は実施例139の手順を概して繰り返す。
【0157】
【表30】

【0158】
実施例154:
98重量%のトランス−HFO−1233zd及び2重量%のメタノールを含む混合物を調製した。幾つかのステンレススチール片を鉱油で汚した。次に、これらの片をこれらの溶媒ブレンド中に浸漬した。ブレンドによって短時間で油が除去された。片を視覚的に観察したところ、清浄に見えた。
【0159】
実施例155〜180:
実施例155〜180に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて下表に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は実施例154の工程を概して繰り返す。
【0160】
【表31】

【0161】
実施例181:
98重量%のトランス−HFO−1233zd及び2重量%のメタノールを含む溶媒ブレンドを調製した。Kester 1544ロジンハンダフラックスをステンレススチール片上に配置し、約300〜400°Fに加熱した。これは、印刷回路基板の製造において電子部品をハンダ付けするのに通常用いられるウエーブハンダとの接触をシミュレートするものである。次に、片を溶媒混合物中に浸漬し、約15秒後にすすがずに取りだした。結果は、片が視認検査によって清浄に見えたことを示す。
【0162】
実施例182〜207:
実施例185〜207に関しては、トランス−HFO−1233zd及びメタノールに代えて下表に示す共沸混合物様の混合物を用いる他は実施例181の工程を概して繰り返す。
【0163】
【表32】

【0164】
実施例208:
フラスコに取り付けた自動ディスペンサー及び凝縮器を備えた小型フラスコから構成される沸点測定器を用いた。ディスペンサー及び凝縮器は循環浴によって冷却した。96重量%のトランス−1233zd及び4重量%のn−ペンタンの混合物約10ccをフラスコに充填し、自動ディスペンサーを用いてトランス−1,2−ジクロロエチレンをフラスコにゆっくりと加えた。下表に示すように、混合物の沸点が非常にゆっくりと変化したことが分かった。沸点は約19℃で実質的に一定に維持され、これは共沸混合物様の三元混合物が形成されたことを示す。
【0165】
【表33】

【0166】
実施例209:
フラスコに取り付けた自動ディスペンサー及び凝縮器を備えた小型フラスコから構成される沸点測定器を用いた。ディスペンサー及び凝縮器は循環浴によって冷却した。70重量%のシス−1233zd及び30重量%のトランス−1,2−ジクロロエチレンの混合物約10ccをフラスコに充填し、自動ディスペンサーを用いてイソヘキサンをフラスコにゆっくりと加えた。下表に示すように、混合物の沸点が非常にゆっくりと変化したことが分かった。沸点は約36.3℃で実質的に一定に維持され、これは共沸混合物様の三元混合物が形成されたことを示す。
【0167】
【表34】

【0168】
実施例210:
フラスコに取り付けた自動ディスペンサー及び凝縮器を備えた小型フラスコから構成される沸点測定器を用いた。ディスペンサー及び凝縮器は循環浴によって冷却した。70重量%のシス−1233zd及び30重量%のトランス−1,2−ジクロロエチレンの混合物約10ccをフラスコに充填し、自動ディスペンサーを用いてエタノールをフラスコにゆっくりと加えた。下表に示すように、混合物の沸点が非常にゆっくりと変化したことが分かった。沸点は約35.8℃で実質的に一定に維持され、これは共沸混合物様の三元混合物が形成されたことを示す。
【0169】
【表35】

【0170】
かくして本発明の少数の特定の態様を記載したが、種々の変更、修正、及び改良は当業者が容易に想到するであろう。かかる変更、修正、及び改良は、この開示によって明らかとなるように、本明細書には明白に示していないが本記載の一部であると意図され、本発明の精神及び範囲内であると意図される。したがって、上記の記載は例示のみの目的であり、限定するものではない。本発明は特許請求の範囲及びそれに対する均等物において定義されているようにのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、並びにメタノール、エタノール、n−ペンタン、及びイソヘキサンからなる群から選択される第3の成分から実質的に構成される三元共沸混合物様の混合物を含む組成物。
【請求項2】
約80〜約99.9重量%の量のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、約0.05〜約15重量%の量のメタノール、及び約0.05〜約10重量%の量のトランス−1,2−ジクロロエチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約85〜約99重量%の量のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、約2.0〜約4.5重量%の量のn−ペンタン、及び約0.01〜約13重量%の量のトランス−1,2−ジクロロエチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約60〜約80重量%の量のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、0.0より多く約20重量%までの量のイソヘキサン、及び約20〜約35重量%の量のトランス−1,2−ジクロロエチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約60〜約80重量%の量のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、0.0より多く約20重量%までの量のエタノール、及び約20〜約35重量%の量のトランス−1,2−ジクロロエチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、n−ペンタン、及びメタノールから実質的に構成される三元共沸混合物様の混合物を含む組成物。
【請求項7】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンがトランス異性体として与えられる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが約55〜約99.90重量%の量で与えられ、メタノールが約0.05〜約10重量%の量で与えられ、ペンタンが約0.05〜約35重量%の量で与えられている、請求項7に記載の組成物。

【公開番号】特開2013−108082(P2013−108082A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−252116(P2012−252116)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】