説明

1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体、その製造中間体及びその製造方法

【課題】
本発明の課題は、作物の栽培に害を及ぼす各種病害菌に対して高い防除効果を有するN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の製造中間体として有用な、1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体及びそれらの製造方法を提供することにある。
【解決手段】
カルバミン酸エステル(2)とホウ酸化合物(3)とのカップリングにより得られる1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)を加水分解することにより、殺菌剤製造中間体として有用な1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を簡便に製造することができる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農園芸用殺菌剤の有効成分として有用なN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の製造中間体として利用可能な1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4−アミノピラゾール誘導体は医農薬あるいはそれらの製造中間体として有用であり、数多くの化合物が知られている。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体は、ピラゾール環1位の置換フェニル基上に、置換されていてもよいフェニル基やピリジル基、チエニル基などの芳香族基を有する点が特徴である。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体と類似の構造を有するピラゾール誘導体として、特許文献1、非特許文献1及び2には、ピラゾール環1位にフェニル基あるいは置換フェニル基を有する4−アミノピラゾール誘導体が記載されているが、ピラゾール環1位のフェニル基上に芳香族基が置換されていない点や、ピラゾール環5位にもフェニル基あるいは置換フェニル基を有する点で本発明の化合物と異なる。また、非特許文献3に記載されている4−アミノ−5−シアノ−1−フェニルピラゾールや、特許文献2及び3並びに非特許文献4に記載されている4−アミノ−5−メチル−1−フェニルピラゾールは、フェニル基上が無置換である点で本発明の化合物とは異なる。さらに、特許文献4に包含される4−アミノピラゾール誘導体や特許文献5に記載されている4−アミノ−1−(4−クロロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾールは、ピラゾール環1位のフェニル基が芳香族基で置換されていない点で本発明の化合物と異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際特許WO99−094415号公報
【特許文献2】ヨーロッパ特許239191号公報
【特許文献3】国際特許WO04−098528号公報
【特許文献4】ヨーロッパ特許202169号公報
【特許文献5】国際特許WO03−037274号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Farmoco,Edizione Scientifica,23(10),919−944
【非特許文献2】J.Med.Chem,40(9),1347−1365(1997)
【非特許文献3】J.Heterocyclic Chem,25(2),555−558(1988)
【非特許文献4】J.Chem.Soc,3259−3263(1958)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、農園芸用殺菌剤の有効成分として有用なN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の製造中間体として用いることのでき、所望の芳香族基が置換したフェニル基をピラゾール環1位に有する1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体、それらの製造中間体及びそれらの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で表される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体が上記課題を解決し得る化合物であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。Qは水素原子又はt−ブチルオキシカルボニル基を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体に関するものである。
【0010】
また、本発明は、一般式(1a)
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体を脱保護することを特徴とする、一般式(1b)
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体の製造方法に関する。
【0015】
また本発明は、一般式(2)
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示されるカルバミン酸エステルを、パラジウム触媒及び塩基の存在下に、一般式(3)
【0018】
【化5】

【0019】
(式中、Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。)で示されるホウ酸化合物と反応させることにより製造することができる、一般式(1a)
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体を脱保護することを特徴とする、一般式(1b)
【0022】
【化7】

【0023】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体の製造方法に関するものである。
【0024】
さらに本発明は、カルバミン酸エステル(2)とホウ酸化合物(3)とをパラジウム触媒及び塩基の存在下に反応させ、1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)を製造する方法において、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム及び第3級ホスフィン配位子からなるパラジウム触媒を用いることを特徴とする1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)の製造方法、さらには、塩基として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム又はリン酸ナトリウムを用いることを特徴とする1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)の製造方法に関するものである。
【0025】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することができる。Rで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基等を例示することができる。Rで表される炭素数1から6のハロアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ブロモジフルオロメチル基等を例示することができる。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を原料に用いて製造することのできるN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の殺菌効果が高い点で、Rは炭素数1から4のハロアルキル基が好ましく、さらに、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0027】
Arで表される、置換されていてもよいフェニル基は、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、該ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などを;該炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−シクロプロピルシクロプロピル基等を;該炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を;該炭素数1から6のハロアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ブロモジフルオロメチル基等を例示することができる。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を原料に用いて製造することのできるN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の殺菌効果が高い点で、Arはハロゲン原子又は炭素数1から4のハロアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。
【0028】
Arで表されるピリジル基としては2−ピリジル基、3−ピリジル基又は4−ピリジル基を例示することができる。これらのピリジル基は、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよく、該ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などを;該炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−シクロプロピルシクロプロピル基等を;該炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を;該炭素数1から6のハロアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ブロモジフルオロメチル基等を例示することができる。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を原料に用いて製造することのできるN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の殺菌効果が高い点で、Arはハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基又は炭素数1から4のハロアルキル基で置換されたピリジル基が好ましい。
【0029】
Arで表されるチエニル基としては2−チエニル基又は3−チエニル基を例示することができる。これらのチエニル基は、ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよく、該ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などを;該炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−シクロプロピルシクロプロピル基等を例示することができる。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を原料に用いて製造することのできるN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の殺菌効果が高い点で、Arはハロゲン原子で置換されたチエニル基が好ましい。
【0030】
Arで表されるフリル基としては2−フリル基又は3−フリル基を例示することができる。これらのフリル基は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよく、該炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−シクロプロピルシクロプロピル基等を例示することができる。
【0031】
Arで表されるフェニル基、ピリジル基、チエニル基及びフリル基の、ピラゾール環1位のベンゼン環上における置換位置に特に制限はなく、オルト位、メタ位又はパラ位のいずれの位置に置換していてもよい。
【0032】
Arで表される、置換されていてもよいフェニル基のさらに具体的な例としては、フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−ヨードフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−5−フルオロフェニル基、3−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−クロロ−3−フルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、4−クロロ−3−メチルフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−2−メチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、5−フルオロ−2−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、3−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル基、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル基、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル基、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル基、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−3−メトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、5−フルオロ−2−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−イソプロピルオキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基等を例示することができる。
【0033】
Arで表される、置換されていてもよいピリジル基のさらに具体的な例としては、2−ピリジル基、3−クロロ−2−ピリジル基、3−ブロモ−2−ピリジル基、3,5−ジクロロ−2−ピリジル基、3,5−ジフルオロ−2−ピリジル基、3,5,6−トリフルオロ−2−ピリジル基、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル基、4−メチル−2−ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、6−メチル−2−ピリジル基、6−メトキシ−2−ピリジル基、3−ピリジル基、2−クロロ−3−ピリジル基、6−クロロ−3−ピリジル基、2−フルオロ−3−ピリジル基、6−フルオロ−3−ピリジル基、2−メトキシ−3−ピリジル基、4−メトキシ−3−ピリジル基、5−メトキシ−3−ピリジル基、6−メトキシ−3−ピリジル基、2,4−ジクロロ−3−ピリジル基、2,6−ジメトキシ−3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−クロロ−4−ピリジル基、3−クロロ−4−ピリジル基、3−フルオロ−4−ピリジル基、3−メトキシ−4−ピリジル基、2,3−ジクロロ−4−ピリジル基、3,5−ジクロロ−4−ピリジル基等を例示することができる。
【0034】
Arで表される置換されていてもよいチエニル基のさらに具体的な例としては、2−チエニル基、3−チエニル基、5−クロロ−2−チエニル基、5−ブロモ−2−チエニル基、3−メチル−2−チエニル基、4−メチル−2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、3−チエニル基、4−メチル−3−チエニル基等を例示することができる。
【0035】
Arで表される置換されていてもよいフリル基のさらに具体的な例としては、2−フリル基、5−メチル−2−フリル基,3−フリル基等を例示することができる。
【0036】
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。Xで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−シクロプロピルシクロプロピル基等を例示することができる。Xで表される炭素数1から6のハロアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ブロモジフルオロメチル基等を例示することができる。本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を原料に用いて製造することのできるN−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の殺菌効果が高い点で、Xはハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数1から4のハロアルキル基が好ましい。
【0037】
次に本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1)の製造方法について詳細に説明する。
【0038】
本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)は、下記反応式で示した方法により製造することができる。
【0039】
【化8】

【0040】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、本発明の製造方法(工程−1)は、1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)の窒素原子上のt−ブチルオキシカルボニル基を脱保護し、本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を製造する方法である。
【0041】
工程−1のt−ブチルオキシカルボニル基の脱保護は、酸性条件下で実施することができ、酸としては塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸やp−トルエンスルホン酸などの酸を用いることができる。酸の使用量に特に制限はない。
【0042】
工程−1の反応は、反応に害を及ぼす恐れのない溶媒中で実施することができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等を例示することができる。さらにこれらの溶媒を適宜組み合せた混合溶媒を使用することができる。
【0043】
工程−1の反応は、室温から使用する溶媒の沸点までの温度から適宜選択した温度で実施することができるが、50〜100℃の温度で実施することが好ましい。
【0044】
反応終了後は、通常の操作により本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)を得ることができ、必要な場合は、カラムクロマトグラフィー等により精製することもできる。
【0045】
また、本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1b)の製造原料である、本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)は、下記反応式で示した方法により製造することができる。
【0046】
【化9】

【0047】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、本発明の製造方法(工程−2)は、ベンゼン環上に臭素原子を有するカルバミン酸エステル(2)を、パラジウム触媒及び塩基の存在下に、ホウ酸化合物(3)と反応させることにより、本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体(1a)を製造する方法である。
【0048】
工程−2の反応は、パラジウム触媒の存在下に実施することが必須である。パラジウム触媒としては、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等の第3級ホスフィン配位子が配位したパラジウム錯体を例示することができる。収率が良い点で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好ましい。
【0049】
また、パラジウム触媒としては、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、π―アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等のパラジウム錯体と第三級ホスフィン配位子と組合せて用いてもよい。第三級ホスフィン配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等を例示することができる。収率が良い点で、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムとトリフェニルホスフィンあるいは2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルの組み合わせが好ましい。パラジウム錯体と第三級ホスフィン配位子の配合比に特に制限はないが、パラジウム錯体に対して1から4当量の第三級ホスフィン配位子を用いることが、収率が良い点で好ましい。
【0050】
パラジウム触媒の添加量に特に制限はなく、いわゆる触媒量でも十分反応は進行し、目的物を収率よく得ることができる。
【0051】
工程−2の反応は、塩基の存在下に実施することが必須である。塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の第三級アミンや、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属塩基を例示することができる。収率が良い点でアルカリ金属塩基が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムがさらに好ましい。塩基の使用量に特に制限はなく、ホウ酸化合物(3)に対して1等量以上用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0052】
工程−2の反応は、有機溶媒中で実施することができ、反応に害を及ぼす恐れのない有機溶媒であれば用いることができる。有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、オクタン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶媒等を例示することができる。また、これらの溶媒を適宜混合した混合溶媒を使用することができる。収率が良い点で、エーテル系溶媒や芳香族系溶媒が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、トルエンがさらに好ましい。
【0053】
工程−2の反応は、室温から150℃の温度から適宜選ばれた温度で実施することができる。収率が良い点で、20℃から100℃が好ましい。
【0054】
工程−2の反応に用いるホウ酸化合物(3)は、一部は市販されており、容易に入手することができるが、Boronic Acid,WILEY−VCH,D.G.Hall,Chapter−1あるいはChem.Rev,1995,95,2457−2483などの文献記載の一般的な方法に準じて製造することができる。
【0055】
また、本発明の製造方法(工程−2)の原料である、ベンゼン環上に臭素原子を有するカルバミン酸エステル(2)は、下記反応式で示した方法により製造することができる。
【0056】
【化10】

【0057】
(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。R、炭素数1から4のアルキル基を表す。Yはハロゲン原子又は炭素数1から4のアルコキシカルボニルオキシ基を表す。)
すなわち、2−アルコキシメチレン−β−ケトカルボン酸エステルと臭素原子を有する置換フェニルヒドラジン類との縮合反応(工程−3)によって得られる1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸エステル(4)を加水分解(工程−4)し、得られた1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸(5)を酸ハライドや活性エステル(6)に変換(工程−5)した後、アジ化ナトリウムと反応(工程−6)させ、アシルアジド誘導体(7)を得た。次いで、このものを、t−ブチルアルコールの存在下にクルチウス転位させることにより、カルバミン酸エステル(2)を製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
【0058】
工程−3は、2−アルコキシメチレン−β−ケトカルボン酸エステルと臭素原子を有する置換フェニルヒドラジン類との縮合反応(工程−3)によって1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸エステル(4)を製造する工程である。反応は溶媒中で実施することができ、溶媒としては反応に害を及ぼす恐れのない溶媒であれば使用することができ、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒等を例示することができる。反応は塩基の存在下に実施してもよい。塩基としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩基等を例示することができる。これらの塩基は水溶液として用いることもできる。反応は、室温から100℃の温度から適宜選択した温度で実施でき、室温でも充分反応は進行する。反応終了後は、通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー等の方法により精製することもできるが、粗生成物のまま次の工程−4に供することもできる。
【0059】
工程−4は、1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸エステル(4)を加水分解し、1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸(5)を製造する工程である。反応には、一般的なエステル加水分解条件を適用することができ、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液中で実施することにより、容易に加水分解反応は進行する。反応は、水と均一に混合する溶媒の共存下に実施することができる。このような溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒等を例示することができる。反応は、室温から100℃の温度から適宜選択した温度で実施でき、室温でも充分反応は進行する。反応終了後は、酸で処理することにより、遊離のカルボン酸を単離することができる。
【0060】
工程−5は、1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸(5)を酸ハライドや活性エステル(6)に変換する工程である。
【0061】
Yがハロゲン原子である1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸ハライド(6)は、1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸(5)を、例えば、塩化チオニル等のハロゲン化剤で処理することにより、容易に製造することができる。反応は、トルエン等の芳香族系溶媒中で、反応溶液の還流温度で実施することが好ましい。反応終了後は、溶媒やハロゲン化剤を除去し、精製することなく、次の工程−6に供することができる。
【0062】
Yがアルコキシカルボニルオキシ基である1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸誘導体(6)は、1−置換フェニルピラゾール−4−カルボン酸(5)を、塩基の存在下に、例えば、クロロギ酸エチル等のクロロギ酸エステル類で処理することにより、容易に製造することができる。反応は、塩基の存在下に実施することが必須である。塩基としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基等を例示することができる。塩基の使用量に特に制限はなく、原料のカルボン酸(5)に対して1等量以上用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。反応は、反応に害を及ぼす恐れのない有機溶媒中で実施することができ、溶媒としては、アセトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒等を使用することができる。次の工程−6の反応を考慮して、アセトンやアセトニトリル等の極性溶媒が好ましい。反応は、低温下で実施することが好ましく、0〜50℃から適宜選ばれた温度で実施することができる。反応終了後は、精製することなく、次の工程−6に供することができる。
【0063】
工程−6は、酸ハライドや活性エステル(6)をアジ化ナトリウムと反応させ、アシルアジド誘導体(7)を製造する工程である。
【0064】
Yが塩素原子のようなハロゲン原子の場合、反応は、塩基の存在下に行うことが好ましい。塩基としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の第三級アミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩基を例示することができる。通常トリエチルアミンのような汎用のアミン類を用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。塩基の使用量に特に制限はないが、反応基質に対して1等量以上、好ましくは1〜2当量用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。Yがアルコキシカルボニルオキシ基である場合、反応は塩基の存在下に行うことができる。塩基としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の第三級アミンを例示することができる。通常トリエチルアミンのような汎用のアミン類を用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。塩基の使用量に特に制限はないが、反応基質に対して0.1〜2等量、好ましくは0.1〜0.5等量用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0065】
工程−6の反応は、溶媒中で実施することが好ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、あるいはこれらの混合溶媒を使用することができる。目的物の収率が点で、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の極性溶媒が好ましい。
【0066】
工程−6の反応は、−20〜100℃、好ましくは0〜50℃から適宜選ばれた温度で実施することにより、収率よく目的物を得ることができる。反応終了後は、通常の操作により目的物を得ることができるが、反応混合液から目的物を抽出し、乾燥した後、得られたアシルアジド誘導体(7)の溶液をそのまま次の工程−7に用いることができる。
【0067】
工程−6の反応において、アジ化ナトリウムの使用量は特に制限はなく、ピラゾール−4−カルボン誘導体(6)に対して1〜3等量、好ましくは1〜1.5等量用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0068】
工程−7は、アシルアジド誘導体(7)を、t−ブチルアルコール中で加熱することによって、クルチウス転位させ、本発明の製造方法の原料であるカルバミン酸エステル(2)を製造する工程である。本反応では、アシルアジド誘導体(7)が熱によってクルチウス転位してイソシアネート誘導体(8)が生成し、イソシアナト基にt−ブチルアルコールが付加して目的物を与えるものである。
【0069】
【化11】

【0070】
(式中、R、X及びnは前記と同じ意味を表す。)
工程−7の反応は、加熱下に実施することが必須であり、60〜200℃、好ましくは80〜150℃から適宜選ばれた反応温度で実施することにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0071】
t−ブチルアルコールの使用量に特に制限はなく、アシルアジド誘導体(7)に対して1〜30当量、好ましくは1〜3当量用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。また、反応は、他の有機溶媒を共存させて行うこともできる。有機溶媒としては、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、あるいはこれらの混合溶媒を使用することができる。目的物の収率がよい点で、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒が好ましい。
【0072】
反応終了後は、通常の後処理によりカルバミン酸エステル(2)を得ることができる。必要な場合は、再結晶やカラムクロマトグラフィー等により精製し、本発明の製造方法の原料として用いる。
【発明の効果】
【0073】
本発明により、農園芸用殺菌剤の有効成分として有用なピラゾール−4−カルボキサミド誘導体の製造中間体である4−アミノピラゾール誘導体を簡便に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0074】
以下、実施例及び参考例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例−1
【0075】
【化12】

【0076】
アルゴン雰囲気下、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(884mg,2.0mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(58mg,0.10mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(35mg,0.10mmol)、3−フルオロフェニルボロン酸(0.840g,6.0mmol)及びリン酸カリウム(2.55g,12.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を、100℃(オイルバス温度)で24時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより、白色固体のN−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(532mg,収率:58%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.51(9H,s),6.40(1H,brs),6.99〜7.05(5H,m),7.23〜7.28(1H,m),8.31(1H,brs).19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.0(1F,s),−112.4(1F,s),−104.7(1F,s),−58.2(3F,s).
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル}カルバミン酸t−ブチル(532mg,1.16mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液に2N塩酸(6mL)を加え、80℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、白色固体の4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(3−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(261mg,収率:63%)を得た。Mp:89.8〜93.3℃.H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.38(2H,brs),6.93〜7.03(5H,m),7.22〜7.28(1H,m),7.32(1H,s).19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.3(1F,m),−112.7(1F,s),−105.4(1F,m),−58.4(3F,d,J=2.7Hz).
実施例−2
【0077】
【化13】

【0078】
アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(116mg,0.10mmol)、3−クロロフェニルボロン酸(0.938g,6.0mmol)、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(884mg,2.0mmol)及び炭酸ナトリウム(1.27g,12.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液を、100℃(オイルバス温度)で24時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(10mL)を加え、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/10〜4/1)で精製することにより、無色油状のN−[1−{2−(3−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(427mg,収率:45%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.51(9H,s),6.38(1H,brs),6.92〜7.31(6H,m),8.29(1H,brs).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.3(1F,m),−104.9(1F,d,J=9.4Hz),−58.5(3F,s).
N−[1−{2−(3−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(427mg,0.90mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に12N塩酸−メタノール溶液(1/3.5,5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、クロロホルム(15mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、白色固体の4−アミノ−1−[2−(3−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(222mg,収率:66%)を得た。Mp:60〜62℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.37(2H,brs),6.96〜7.04(2H,m),7.07〜7.11(1H,m),7.18〜7.30(3H,m),7.33(1H,s).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.5(1F,m),−105.6(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3F,t,J=2.4).
実施例−3
【0079】
【化14】

【0080】
アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(58mg,0.05mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(0.235g,1.50mmol)、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(221mg,0.50mmol)及び炭酸ナトリウム(0.318g,3.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を、100℃(オイルバス温度)で24時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(2mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/10〜4/1)で精製することにより、無色油状のN−[1−{2−(2−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(121mg,収率:51%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.48(9H,s),6.41(1H,brs),6.97〜7.27(6H,m),7.37〜7.40(1H,m),8.19(1H,brs).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.9(1F,brs),−106.1(1F,d,J=9.4Hz),−58.5(3F,brs).
N−[1−{2−(2−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(121mg,0.26mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)溶液に4N塩酸−メタノール溶液(2mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、クロロホルム(5mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、白色固体の4−アミノ−1−[2−(2−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(82mg,収率:86%)を得た。Mp:64〜67℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.31(2H,brs),6.96〜7.26(6H,m),7.41(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.1(1F,brs),−106.8(1F,d,J=7.1Hz),−58.6(3F,brs).
実施例−4
【0081】
【化15】

【0082】
アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(58mg,0.05mmol)、4−メチルフェニルボロン酸(408mg,3.0mmol)、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(442mg,1.0mmol)及び炭酸ナトリウム(0.636g,6.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を、100℃(オイルバス温度)で24時間加熱撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却した後、水(15mL)を加え、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に1,4−ジオキサン(5mL)及び12N塩酸−メタノール溶液(1/3,5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、黄色固体の4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(4−トリル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(333mg,収率:94%)を得た。Mp:83〜85℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ2.27(3H,s),3.37(2H,brs),6.88(1H,ddd,J=9.0,8.0,3.0Hz),6.99(1H,ddd,J=9.0,3.0,2.0Hz),7.04〜7.12(4H,m),7.26(1H,s).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.3(1F,m),−106.3(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3F,t,J=5.9Hz).
実施例−5
【0083】
【化16】

【0084】
アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(231mg,0.20mmol)、2−フリルボロン酸(448mg,4.0mmol)、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(0.884g,2.0mmol)及び炭酸ナトリウム(0.848g,8.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を、100℃(オイルバス温度)にて24時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより、白色固体のN−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(2−フリル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(0.38g,収率:44%)を得た。Mp:135〜140℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.56(9H,s),5.35(1H,dd,J=5.0,1.3Hz),6.34(1H,dd,J=3.8,2.5Hz),6.56(1H,brs),6.83〜6.88(1H,m),7.44〜7.50(2H,m),8.45(1H,brs).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.3(1F,d,J=7.1Hz),−104.8(1F,d,J=9.4Hz),−59.3(3F,s).
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(2−フリル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(303mg,0.71mmol)、1,4−ジオキサン(3mL)及び2N塩酸(2mL)の混合物を1時間還流した。反応液を室温まで冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより、淡黄色固体の4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(2−フリル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(0.23g,収率:定量的)を得た。Mp:112〜115℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.54(brs,2H),5.37(d,J=3.5Hz,1H),6.34(dd,J=3.6,1.8Hz,1H),6.85(ddd,J=9.1,8.0,2.8Hz,1H),7.44〜7.49(m,3H).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.5(m,1F),−105.4(d,J=9.4Hz,1F),−59.3(m,3F).
実施例−6
【0085】
【化17】

【0086】
アルゴン雰囲気下、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(72mg,0.13mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(119mg,0.25mmol)、ピリジン−3−ボロン酸(500mg,4.07mmol)、N−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(1.10g,2.5mmol)及びリン酸カリウム(1.06g,5.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を100℃(オイルバス温度)にて24時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−ピリジル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチルの黄色固体(0.91g,収率:83%)を得た。Mp:130〜132℃.H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.50(9H,s),6.39(1H,brs),7.02〜7.07(2H,m),7.23(1H,dd,J=8.0,5.0Hz),7.51〜7.56(1H,m),8.48(1H,brs),8.49(1H,d,J=2.1Hz),8.56(1H,dd,J=4.8,1.6Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−114.8(1F,s),−104.4(1F,d,J=9.4Hz),−58.5(3F,s).
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−ピリジル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(0.91g,2.07mmol)、1,4−ジオキサン(12mL)及び2N塩酸(10mL)の混合物を1時間還流した。反応液を室温まで冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、クロロホルム(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより、4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(3−ピリジル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾールの黄色固体(0.49g,収率:90%)を得た。Mp:73〜75℃.H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.38(brs,2H),7.00〜7.06(m,2H),7.23(ddd,J=8.0,4.9,0.8Hz,1H),7.32(d,J=0.7Hz,1H),7.52〜7.55(m,1H),8.49(d,J=1.9Hz,1H),8.52(dd,J=4.9,1.6Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−114.8(m,1F),−104.8(m,1F),−58.3(m,3F).
実施例−7〜28
以下、上記実施例と同様の方法で合成した1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体の反応式、生成物の名称、性状(収率)、融点、NMRスペクトルを示す。
実施例−7
【0087】
【化18】

【0088】
N−[1−{4−(4−フルオロフェニル)−2−フルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:75%);Mp:101.3〜107.8℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),6.59(1H,brs),7.15(2H,t,J=8.7Hz),7.37〜7.41(2H,m),7.44〜7.48(1H,m),7.54〜7.57(2H,m),8.33(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−121.3(1F,s),−113.4(1F,s),−57.5(3F,s).
4−アミノ−1−{4−(4−フルオロフェニル)−2−フルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:81%);Mp:90.0〜91.8℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.50(2H,brs),7.17(2H,t,J=8.7Hz),7.37〜7.48(4H,m),7.55〜7.59(2H,m).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−121.5(1F,m),−113.6(1F,s),−57.5(3F,m).
実施例−8
【0089】
【化19】

【0090】
N−[1−{5−(2−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:64%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),6.52(1H,brs),7.29〜7.34(4H,m),7.45〜7.56(3H,m),8.32(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−123.6(1F,d,J=4.7Hz),−57.7(3F,m).
4−アミノ−1−[5−(2−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:88%):H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.37(brs,2H),7.24〜7.52(m,8H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−123.8(d,J=2.4Hz,1F),−57.7(m,3F).
実施例−9
【0091】
【化20】

【0092】
N−[1−{5−(3−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:61%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.53(1H,brs),7.26〜7.65(7H,m),8.33(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−123.5(1F,m),−57.7(3F,m).
4−アミノ−1−[5−(3−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:71%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.40(brs,2H),7.29〜7.66(m,8H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−123.7(m,1F),−57.7(m,3F).
実施例−10
【0093】
【化21】

【0094】
N−[1−{5−(4−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:60%);Mp:102〜104℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.51(1H,brs),7.30〜7.34(1H,m),7.40〜7.49(4H,m),7.57〜7.68(2H,m),8.32(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.0(1F,d,J=4.7Hz),−57.7(3F,d,J=4.7Hz).
4−アミノ−1−[5−(4−クロロフェニル)−2−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:87%);H−NMR(250MHzCDCl):δ3.40(brs,2H),7.21〜7.60(m,8H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.2(d,J=4.7Hz,1F),−57.7(d,J=4.7Hz,3F).
実施例−11
【0095】
【化22】

【0096】
N−[1−{2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:85%);H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.53(1H,brs),7.13(2H,t,J=8.7Hz),7.29(1H,t,J=9.0Hz),7.47〜7.52(2H,m),7.56〜7.52(1H,m),7.61〜7.65(1H,m),8.34(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−124.4(1F,s),−114.4(1F,s),−57.5(3F,s).
4−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:98%);Mp:97.1〜100.6℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.51(2H,brs),7.13(2H,t,J=8.7Hz),7.28(1H,t,J=9.0Hz),7.41(1H,s),7.48〜7.52(2H,m),7.55〜7.62(2H,m).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−124.6(1F,m),−114.6(1F,s),−57.4(3F,m).
実施例−12
【0097】
【化23】

【0098】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(4−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:59%);Mp:112.1〜114.9℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.51(9H,s),6.39(1H,brs),6.96〜7.00(4H,m),7.17〜7.20(2H,m),8.30(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.5(1F,s),−112.7(1F,s),−105.0(1F,m),−58.3(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(4−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:93%);Mp:162.8〜164.8℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.37(2H,brs),6.95〜7.00(4H,m),7.18〜7.21(2H,m),7.32(1H,s).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.5(1F,m),−113.1(1F,s),−105.6(1F,m),−58.4(3F,d,J=2.6Hz).
実施例−13
【0099】
【化24】

【0100】
N−[1−{2−(4−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:59%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.50(9H,s),6.44(1H,brs),6.94〜7.07(2H,m),7.12〜7.20(2H,m),7.23〜7.30(2H,m),8.31(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.4(1F,d,J=7.1Hz),−105.0(1F,d,J=9.4Hz),−59.6(3F,s).
4−アミノ−1−[2−(4−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色固体(収率:82%);Mp:122〜125℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.38(2H,brs),7.01〜6.93(2H,m),7.17〜7.13(2H,m),7.28〜7.24(2H,m),7.32(1H,d,J=2.5Hz).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.6(1F,dq,J=9.4,3.5Hz),−105.7(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3H,d,J=3.5Hz).
実施例−14
【0101】
【化25】

【0102】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(4−メチルフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:黄色固体(収率:36%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.50(9H,s),2.31(3H,s),6.40(1H,brs),6.89〜7.05(2H,m),7.08(4H,s),8.29(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.1(1F,m),−105.7(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3F,s).
実施例−15
【0103】
【化26】

【0104】
N−[1−{2−(4−t−ブチルフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:36%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.29(9H,s),1.51(9H,s),6.41(1H,brs),6.93(1H,ddd,J=9.0,8.0,3.0Hz),7.03(1H,ddd,J=9.0,9.0,1.5Hz),7.12(2H,d,J=8.0Hz),7.29(2H,d,9.0Hz),8.30(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.2(1F,d,J=4.7Hz),−105.8(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3F,s).
4−アミノ−1−[2−(4−t−ブチルフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色固体(収率:71%);Mp:107〜108℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.29(9H,s),3.36(2H,brs),6.92(1H,ddd,J=9.1,8.2,2.8Hz),7.02(1H,ddd,J=9.2,2.8,1.7Hz),7.13(2H,d,J=8.5Hz),7.29(2H,d,J=8.6Hz),7.33(1H,s).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.4(1F,m),−106.5(1F,d,J=9.4Hz),−58.7(3F,t,J=2.4Hz).
実施例−16
【0105】
【化27】

【0106】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(4−メトキシフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:41%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.51(9H,s),3.78(3H,s),6.40(1H,brs),6.80(2H,d,J=9.0Hz),6.93(1H,ddd,J=9.0,8.0,3.0Hz),7.01(1H,ddd,J=9.0,9.0,1.8Hz),7.12(2H,d,J=9.0Hz),8.31(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.1(1F,d,J=7.1Hz),−105.8(1F,d,J=9.4Hz),−58.7(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(4−メトキシフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:42%);Mp:76〜78℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.36(brs,2H),3.78(s,3H),6.80(d,J=9.0Hz,2H),7.01〜6.88(m,2H),7.14(d,J=8.0Hz,2H),7.32(brs,1H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.3(1F,dq,J=9.4,4.7Hz),−106.4(1F,d,J=9.4Hz),−58.7(3F,d,J=4.7Hz).
実施例−17
【0107】
【化28】

【0108】
N−[1−{2,6−ジフルオロ−4−(3−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:71%);H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.55(1H,brs),7.12〜7.17(1H,m),7.25〜7.30(3H,m),7.35〜7.38(1H,m)7.41〜7.49(1H,m).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−117.5(2F,s),−111.8(1F,s),−58.7(3F,s).
4−アミノ−1−[2,6−ジフルオロ−4−(3−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:46%);Mp:127.2〜132.4℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.53(2H,brs),7.11〜7.17(1H,m),7.23〜7.30(3H,m),7.35〜7.38(1H,m)7.43〜7.49(2H,m).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−117.8(2F,m),−111.9(1F,s),−58.8(3F,m).
実施例−18
【0109】
【化29】

【0110】
N−[1−{2,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:黄色固体(収率:50%);Mp:131.1〜134.1℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.55(1H,brs),7.18(2H,t,J=8.6Hz),7.23(2H,d,J=8.2Hz),7.54〜7.58(2H,m),8.41(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−117.8(2F,s),−112.2(1F,s),−58.7(3F,s).
4−アミノ−1−[2,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロフェニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:80%);Mp:104.30〜110.54℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.53(2H,brs),7.18(2H,t,J=8.7Hz),7.22(2H,d,J=8.2Hz),7.46(1H,s),7.54〜7.57(2H,m).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−118.1(2F,m),−112.5(1F,s),−58.8(3F,m).
実施例−19
【0111】
【化30】

【0112】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(4−ピリジル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:黄色固体(収率:52%);Mp:146〜147℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.51(9H,s),6.41(1H,brs),7.05(2H,d,J=8.3Hz),7.13(2H,d,J=6.1Hz),8.31(1H,brs),8.56(2H,d,J=6.1Hz).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−114.7(1F,s),−104.1(1F,d,J=9.4Hz),−58.5(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(4−ピリジル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:白色固体(収率:87%);Mp:150〜151℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.40(brs,2H),7.04(d,J=3.5Hz,2H),7.13(d,J=3.6Hz,2H),7.32(d,J=2.8Hz,1H),8.55(d,J=Hz,2H).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−114.6(m,1F),−104.6(m,1F),−58.2(m,3F).
実施例−20
【0113】
【化31】

【0114】
N−[1−{2−フルオロ−5−(2−チエニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:89%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.52(1H,brs),7.08(1H,dd,J=5.1,3.7Hz),7.20〜7.33(3H,m),7.62〜7.66(2H,m),8.33(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.0(1F,d,J=4.7Hz),−57.8(3F,d,J=4.7Hz).
4−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(2−チエニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色固体(収率:73%);Mp:78〜79℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.70(brs,2H),7.08(dd,J=5.1,3.7Hz,1H),7.19〜7.31(m,2H),7.41(d,J=0.5Hz,1H),7.62〜7.69(m,2H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.1(d,J=4.7Hz,1F),−57.8(d,J=4.7Hz,3F).
実施例−21
【0115】
【化32】

【0116】
N−[1−{2−フルオロ−5−(3−チエニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:85%);Mp:81〜83℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.52(1H,brs),7.25(1H,t,J=9.0Hz),7.32(1H,dd,J=5.0,1.5Hz),7.39〜7.44(2H,m),7.61〜7.64(2H,m),8.32(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.6(1F,d,J=4.7Hz),−57.8(3F,d,J=4.7Hz).
4−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(3−チエニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:81%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.45(brs,2H),7.24(t,J=8.8Hz,1H),7.33(dd,J=5.0,1.4Hz,1H),7.38〜7.43(m,3H),7.59〜7.69(m,2H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.8(m,1F),−57.7(d,J=4.7Hz,3F).
実施例−22
【0117】
【化33】

【0118】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(2−チエニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:51%);Mp:129〜131℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),6.51(1H,brs),6.82(1H,m),6.88〜6.98(2H,m),7.23〜7.34(2H,m),8.41(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.3(1F,s),−105.2(1F,d,J=9.4Hz),−59.0(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(2−チエニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:淡黄色油状物(収率:定量的);H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.48(brs,2H),6.85(dd,J=3.7,1.2Hz,1H),6.90(ddd,J=9.0,8.0,2.8Hz,1H),6.97(dd,J=5.1,3.7Hz,1H),7.22〜7.26(m,1H),7.33(dd,J=5.1,1.2Hz,1H),7.44(d,J=0.7Hz,1H).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.2(m,1F),−105.5(d,J=9.5Hz,1F),−58.8(m,3F).
実施例−23
【0119】
【化34】

【0120】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−チエニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:49%);Mp:123〜125℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.53(9H,s),6.45(1H,brs),6.88(1H,dd,J=5.1,1.4Hz),6.93(1H,ddd,J=9.0,8.1,2.8Hz),7.02(1H,dd,J=3.0,1.3Hz),7.14(1H,ddd,J=9.2,2.8,1.8Hz),7.25〜7.27(1H,m),8.39(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.5(1F,s),−105.2(1F,d,J=8.1Hz),−58.6(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(3−チエニル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:淡黄色油状物(収率:定量的);H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.43(brs,2H),6.89〜6.94(m,2H),7.03(dd,J=3.0,1.3Hz,1H),7.13(ddd,J=9.2,2.8,1.8Hz,1H),7.24〜7.26(m,1H),7.40(d,J=0.7Hz,1H).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.7(m,1F),−105.8(m,1F),−58.7(s,3F).
実施例−24
【0121】
【化35】

【0122】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(5−メチルチオフェン−2−イル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:淡黄色固体(収率:71%);Mp:144〜146℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),2.43(3H,s),6.40(1H,brs),6.57〜6.62(2H,m),6.83〜6.88(1H,m),7.17〜7.20(1H,m),8.41(1H,brs).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.3(1F,s),−105.2(1F,d,J=8.4Hz),−58.7(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(5−メチルチオフェン−2−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色固体(収率:88%);Mp:106〜108℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ2.43(s,3H),3.47(brs,2H),6.61(s,2H),6.84(ddd,J=8.9,8.1,2.8Hz,1H),7.18(ddd,J=9.6,2.6,2.0Hz,1H),7.44(s,1H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.9(m,1F),−106.1(d,J=9.4Hz,1F),−59.0(d,J=7.1Hz,3F).
実施例−25
【0123】
【化36】

【0124】
N−[1−{2−フルオロ−5−(フラン−2−イル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:71%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.48(1H,dd,J=3.4,1.8Hz),6.53(1H,brs),6.64(1H,d,J=3.4Hz),7.24(1H,t,J=9.0Hz),7.47(1H,d,J=1.1Hz),7.69〜7.79(2H,m),8.32(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−123.9(1F,d,J=4.7Hz),−57.8(3F,d,J=4.7Hz).
4−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(2−フリル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:80%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.51(brs,2H),6.47(dd,J=3.4,1.8Hz,1H),6.63(d,J=3.4Hz,1H),7.23(t,J=8.9Hz,1H),7.46(s,1H),7.46(d,J=1.4Hz,1H),7.68〜7.77(m,2H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.0(d,J=4.7Hz,1F),−57.8(d,J=4.7Hz,3F).
実施例−26
【0125】
【化37】

【0126】
N−[1−{2−フルオロ−5−(3−フリル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:68%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),6.53(1H,brs),6.64〜6.67(1H,m),7.23(1H,t,J=8.9Hz),7.48〜7.60(3H,m),7.70(1H,s),8.32(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.6(1F,d,J=4.7Hz),−57.8(3F,d,J=4.7Hz).
4−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(3−フリル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色油状物(収率:70%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.44(brs,2H),6.64(d,J=0.9Hz,1H),7.21(t,J=8.9Hz,1H),7.40(s,1H),7.47〜7.58(m,3H),7.70(s,1H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−124.8(d,J=4.7Hz,1F),−57.8(d,J=4.7Hz,3F).
実施例−27
【0127】
【化38】

【0128】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−フリル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:褐色固体(収率:40%);Mp:104〜106℃;H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),6.24〜6.25(1H,m),6.53(1H,brs),6.87〜7.13(3H,m),7.36〜7.38(1H,m),8.41(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.7(1F,d,J=7.1Hz),−105.4(1F,d,J=9.4Hz),−59.0(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(3−フリル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:淡黄色固体(収率:98%);Mp:88〜90℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.50(brs,2H),6.27(dd,J=1.9,0.9Hz,1H),6.85〜6.91(m,2H),7.10(ddd,J=9.3,2.8,1.8Hz,1H),7.37(t,J=1.7Hz,1H),7.44(s,1H).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.6(m,1F),−105.7(s,1F),−5.8.8(m,3F).
実施例−28
【0129】
【化39】

【0130】
N−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(5−メチルフラン−2−イル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル:白色固体(収率:32%);H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(9H,s),2.30(3H,s),5.23(1H,d,J=3.4Hz),5.93(1H,dd,J=3.4,0.6Hz),6.56(1H,brs),6.77〜6.85(1H,m),7.40〜7.45(1H,m),8.43(1H,brs).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.7(1F,d,J=4.7Hz),−105.2(1F,d,J=9.4Hz),−59.3(3F,s).
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロ−6−(5−メチルフラン−2−イル)フェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール:黄色固体(収率:75%);Mp:110〜113℃;H−NMR(250MHz,CDCl)δ2.31(s,3H),3.52(brs,2H),5.23(d,J=3.4Hz,1H),5.93(dd,J=3.4,0.6Hz,1H),6.80(ddd,J=8.6,8.1,2.8Hz,1H),7.42(dt,J=9.8,2.6Hz,1H),7.47(s,1H).;19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116.8(m,1F),−105.8(d,J=11.8Hz,1F),−59.4(d,J=4.7Hz,3F).
参考例−1
【0131】
【化40】

【0132】
あらかじめ氷冷した2−ブロモ−4,6−ジフルオロアニリン(20.9g,101mmol)の酢酸(100mL)溶液に、亜硝酸ナトリウム(8.64g,125mmol)の硫酸(60mL)溶液を、反応液の温度が50℃以上にならないように氷冷下にて加えた。次いで塩化スズ(76.2g,402mmol)の塩酸(60mL)溶液を、反応液の温度が10℃以上にならないように加えた後、反応液を氷(600g)に注いだ。このものに水酸化ナトリウムを少しずつ加えてアルカリ性にし、水(200mL)で希釈した後、クロロホルム(300mL×2)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して褐色固体の2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニルヒドラジン(20.9g,収率:93%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.87(2H,brs),5.21(1H,s),6.80〜6.89(1H,m),7.05〜7.10(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−121.3(1F,d,J=2.4Hz),−117.7(1F,d,J=2.4Hz).
2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニルヒドラジン(6.43g,28.8mmol)、2−エトキシメチレントリフルオロアセト酢酸エチル(6.92g,28.8mmol)、トリエチルアミン(3.00g,29.6mmol)及びエタノール(60mL)の混合物を室温で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、褐色油状の1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸エチル(5.89g,収率:51%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.39(3H,t,J=7.1Hz),4.39(2H,q,J=7.1Hz),7.03(1H,ddd,J=9.0Hz,J=8.0Hz,J=2.8Hz),7.32(1H,ddd,J=7.8Hz,J=2.8Hz,J=2.3Hz),8.24(1H,s).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113.0(1F,m),−103.5(1F,d,J=9.4Hz),−58.6(3F,d,J=0.9Hz).
1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸エチル(5.86g,14.7mmol)、エタノール(15mL)及び10%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、濃塩酸を加えて酸性とし、析出した固体を濾集して黄色固体の1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸(4.11g,収率:75%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ7.00〜7.08(1H,m),7.31〜7.36(1H,m),8.32(1H,s).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113.0(1F,m),−103.1(1F,d,J=9.4Hz),−58.7(3F,s).
1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸(11.5g,31.0mmol)、トリエチルアミン(4.70g,46.4mmol)及びアセトン(150mL)の混合物を氷冷し、クロロギ酸エチル(3.5mL,36.6mmol)を滴下した後、同温で10分間攪拌し、混合酸無水物を得た。次いで、このものにアジ化ナトリウム(4.00g,61.5mmol)の水(12mL)溶液を滴下し、氷冷下でさらに10分間攪拌した。反応液に水(400mL)を加え、トルエン(100mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、固体が析出しないように十分に注意を払いながら溶媒の一部を減圧下留去した。得られたアシルアジド溶液を、還流状態にあるt−ブチルアルコール(20mL)及びトルエン(20mL)の混合物中に滴下し、さらに2時間還流した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して、黄色油状のN−[1−(2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]カルバミン酸t−ブチル(10.2g,収率:75%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.54(9H,s),6.53(1H,brs),6.95〜7.03(1H,m),7.26〜7.31(1H,m),8.40(1H,brs).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−111.9(1F,m),−103.8(1F,d,J=7.1Hz),−59.0(3F,s).
参考例−2
【0133】
【化41】

【0134】
4−アミノ−1−[2,4−ジフルオロフェニル−6−(3−フルオロフェニル)]−5−トリフルオロメチルピラゾール(200mg,0.56mmol)にジクロロメタン(1mL)を加えて氷冷した後、トリエチルアミン(85mg,0.84mmol)及び3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド(109mg,0.56mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を加えた。この混合溶液を室温で2日間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)に注ぎ、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。合一した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、白色固体のN−[1−{2,4−ジフルオロ−6−(3−フルオロフェニル)フェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(159mg,収率:57%)を得た。Mp:195.3〜198.5℃;H−NMR(400MHz,CDCl):δ3.96(3H,s),6.79(1H,t,J=54.1Hz),6.93〜7.06(5H,m),7.23〜7.28(1H,m),8.04(1H,s),8.21(1H,brs),8.60(1H,s).;19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−115.0(1F,m),−112.3(1F,m),−108.4(2F,m),−104.6(1F,d,J=9.5Hz),−58.5(3F,m).
参考例−3
【0135】
【化42】

【0136】
4−アミノ−1−[2−(3−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピラゾール(170mg,0.45mmol)にジクロロメタン(1mL)を加えて氷冷した後、トリエチルアミン(69mg,0.68mmol)及び3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド(105mg,0.54mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を加えた。この混合溶液を室温で24時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、無色油状のN−[1−{2−(3−クロロフェニル)−4,6−ジフルオロフェニル}−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル]−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(140mg,収率:58%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ3.95(3H,s),6.80(1H,t,J=54.1Hz),6.98〜7.32(6H,m),8.03(1H,s),8.20(1H,brs),8.60(1H,s).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.2(1F,m),−108.7(2F,q,J=7.0Hz),−104.8(1F,d,J=9.4Hz),−58.7(3F,m).
本発明の1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体から製造することができる、N−(1−置換フェニルピラゾール−4−イル)ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体は、農園芸作物の栽培場面において有害な病害菌の殺菌剤の有効成分として有用である。例えば、参考例−2及び3に例示した化合物は、灰色カビ病、輪紋病及び赤さび病などに対して強い殺菌活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。Qは水素原子又はt−ブチルオキシカルボニル基を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体。
【請求項2】
一般式(1a)
【化2】

(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体を脱保護することを特徴とする、一般式(1b)
【化3】

(式中、R、Ar、X及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体の製造方法。
【請求項3】
請求項2において、一般式(1a)で示される1−置換フェニル−4−アミノピラゾール誘導体を、一般式(2)
【化4】

(式中、Rはハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基又は炭素数1から6のハロアルキル基を表す。nは1から4の整数を表す。nが2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。)で示されるカルバミン酸エステルを、パラジウム触媒及び塩基の存在下に、一般式(3)
【化5】

(式中、Arは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基又は炭素数1から6のハロアルキル基で置換されていてもよいピリジル基;ハロゲン原子又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいチエニル基;又は炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよいフリル基を表す。)で示されるホウ酸化合物と反応させることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
パラジウム触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、又はビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム及び第3級ホスフィン配位子からなる触媒である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム又はリン酸ナトリウムである請求項3又は4に記載の製造方法。




【公開番号】特開2012−36137(P2012−36137A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179099(P2010−179099)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】