説明

1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体

本発明は、一般式Iを有する1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体(この電子版には式Iが紙版の要約に表示されるとおりに表示されないことに注意)、


式中、Rは、それぞれヒドロキシ、シアノ、またはハロゲンで置換されてもよい、(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、または(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;Rは、1個または2個の随意のハロゲンを表し;Rは、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されてもよい、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、または(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;Aは、N、O、およびSから選択される複素原子を1から3個含むヘテロアリール環系を表し、この環系は、XがCの場合は五員または六員であり、XがNの場合は五員であり;nは1または2である、またはこの医薬的に許容される塩に、これを含む医薬的組成物に、ならびに粥状動脈硬化ならびにコレステロールおよび胆汁酸の輸送および代謝と関係がある関連疾患の治療または予防用医薬を製造するためのこれらの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体、これを含む医薬的組成物、および粥状動脈硬化の治療におけるこれらの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓X受容体(LXR)は、天然のオキシステロールの結合により活性化されて標的遺伝子の転写を誘導する核内受容体のファミリーである。LXRには2種のサブタイプ(αおよびβ)が同定されており、これらはリガンド結合ドメインおよびDNA結合ドメインの両方で77%の相同性を示す。どちらのサブタイプもヒトと齧歯類の間で高度に保存されているが、これらの組織発現パターンは顕著に異なっている。LXRαの発現は、脂質代謝に関与する組織に制限されており、最も発現するのは肝臓においてであるが、腎臓、脾臓、小腸、および脂肪組織にもかなりのレベルで存在する。LXRβは、広範囲に分布し、肝臓および脳を含む、実質的に全ての調査された組織で見出されている。LXRαおよびLXRβのどちらも、マクロファージで発現されている。Costet et al.,J.Biol.Chem 275:28240−28245(2000)を参照。
【0003】
LXR受容体の役割は完全には解明されていないが、LXRは、肝臓および末梢組織における脂質代謝のマスター調節因子として、およびATP結合カセット輸送体A1(ABCA1)遺伝子の重要な誘導因子として十分に確立されている(Venkateswaran et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.97:12097−12102(2000))。ヒトの集団では、ABCA1遺伝子の変異は、リポタンパク質プロファイルを高度にアテローム生成へ導き(Singaraja et al.,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.23:1322−1332(2003))、最も深刻な形では、タンジール病および関連する早発性粥状動脈硬化を引き起こす(Bodzioch et al.,Nat.Genet.22:347−351(1999)およびRust et al.,Nat.Genet.22:352−355(1999)を参照)。この稀な遺伝性疾患は、極めて低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、コレステロールエステルのマクロファージ蓄積、および粥状動脈硬化性疾患の危険性が顕著に増加することを特徴とする(Brooks−Wilson et al.,Nat.Genet.22:336−345(1999))。
【0004】
証拠により、ヒトマクロファージおよび小腸細胞におけるABCA1の上方制御が、LXR活性化により媒介されることが実証されている(Costet et al.,既出)。そのうえ、LXRアゴニストは、コレステロール流出を促進することも示されている。Claudel et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.98:2610−2615(2001)を参照。従って、LXR受容体はマクロファージでのコレステロール恒常性に決定的な役割を果たし、進行性動脈硬化性プラークの局所的環境内での抑制は疾患の病理の重要な特性であり得る。
【0005】
粥状動脈硬化の治療においてLXRアゴニストが有用である可能性は、ここ数年でますます報告が増えている。例えば、Levin et al.,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.25:135−142(2005)を参照。粥状動脈硬化は、何年も症状を引き起こすことなく存在する動脈疾患である。しかしながら、進行性動脈硬化性プラークは、破裂に対して脆弱となり、急性血栓症および臨床兆候(心筋梗塞(MI)および発作など)を促進する可能性がある。動脈硬化性プラークの破裂、およびその後の臨床兆候に関係する主要な細胞の種類は、マクロファージである。
【0006】
粥状動脈硬化においてLXRアゴニストで効果が得られる主要な機構は、動脈のコレステロール負担を下げることで(ABCA1の上方制御を介して)、より安定した領域を生成し、それにより臨床兆候を減少させることで生じると予想される。さらに、LXRアゴニストは、肝臓による新生HDLの産生におけるABCA1の役割により、循環HDLレベルを上昇させることができる。LXRアゴニストには、炎症の抑制(Joseph et al.,Nat.Med.9:213−219(2003))および糖代謝効果によるさらなる動脈硬化抑制効果の可能性がある。Latiffe et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.100:5419−24(2003)を参照。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Costet et al.,J.Biol.Chem 275:28240−28245(2000)
【非特許文献2】Venkateswaran et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.97:12097−12102(2000)
【非特許文献3】Singaraja et al.,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.23:1322−1332(2003)
【非特許文献4】Bodzioch et al.,Nat.Genet.22:347−351(1999)
【非特許文献5】Rust et al.,Nat.Genet.22:352−355(1999)
【非特許文献6】Brooks−Wilson et al.,Nat.Genet.22:336−345(1999)
【非特許文献7】Claudel et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.98:2610−2615(2001)
【非特許文献8】Levin et al.,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.25:135−142(2005)
【非特許文献9】Joseph et al.,Nat.Med.9:213−219(2003)
【非特許文献10】Latiffe et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.100:5419−24(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LXR修飾因子として有効な化合物に対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的に対して、本発明は、以下の一般式I:
【0010】
【化1】

式中
は、それぞれヒドロキシ、シアノ、またはハロゲンで置換されてもよい、(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、または(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;
は、1個または2個の随意のハロゲンを表し;
は、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されてもよい、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、または(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;
Aは、N、O、およびSから選択される複素原子を1から3個含むヘテロアリール環系を表し、この環系は、XがCの場合は五員または六員であり、XがNの場合は五員であり;
nは1または2である;
を有する1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体またはこの医薬的に許容される塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(C1−8)アルキルという用語は、式Iの定義において用いられる場合、炭素原子を1から8個有する分岐鎖または直鎖のアルキル基(オクチル、ヘキシル、ペンチル、イソペンチル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル、およびメチルなど)を意味する。
【0012】
(C1−6)アルキルという用語は、式Iの定義において用いられる場合、炭素原子を1から6個有する分岐鎖または直鎖のアルキル基(ヘキシル、ペンチル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル、およびメチルなど)を意味する。
【0013】
同様に、式Iの定義において用いられる(C1−3)アルキルという用語は、炭素原子を1から3個有する分岐鎖または非分岐鎖のアルキル基(プロピル、イソプロピル、エチル、およびメチルなど)を意味する。
【0014】
(C3−8)シクロアルキルという用語は、炭素原子を3から8個有するシクロアルキル基(シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、およびシクロプロピルなど)を意味する。
【0015】
(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルという用語は、上記で定義されるとおりの意味を有する(C3−8)シクロアルキル基で置換された、上記で定義されるとおりの意味を有する(C1−3)アルキル基を意味する。例として、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチルなどが挙げられる。好適な(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルはシクロプロピルメチルである。
【0016】
N、O、およびSから選択される複素原子を1から3個含む五員または六員のヘテロアリール環系という用語は、複素芳香環(オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラン、ピロール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン(pyridinel)、ピリミジン、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、チオフェンなどが挙げられる。)に由来する1,3−ジラジカルヘテロアリーレン基を意味する。このような五員ヘテロアリーレンの例として、オキサゾール−2,4−ジイル、イソオキサゾール−3,5−ジイル、チアゾール−2,4−ジイル、フラン−2,5,−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピラゾール−1,3−ジイル、ピロール−1,3−ジイル、イミダゾール−1,4−ジイル、テトラゾール−2,5−ジイル、[1,2,4]オキサジアゾール−3,5−ジイルなどが挙げられる。六員ヘテロアリーレンの例として、ピリジン−2,4−ジイル、ピリジン−2,6−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル、ピリダジン−3,5−ジイル、ピラジン−2,6−ジイルなどが挙げられる。
【0017】
ハロゲンという用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。好適なのは、FおよびClである。
【0018】
式中Aがフラン−2,5,ジイルまたはピリジン−2,6−ジイルを表す式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体が好ましい。
【0019】
より好適であるのは、式中さらにRがFおよびCIから選択されるハロゲン1個または2個を表す式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体である。
【0020】
より好適であるのは、式中さらにRがtert−ブチルである式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体である。
【0021】
本発明の特定の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体は、以下:
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド塩酸塩;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−クロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;またはこれらの医薬的に許容される塩である。
【0022】
本発明の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体は、有機合成の当分野で既知の一般的な合成法を用いて調製することができる。式中XがCである式Iの化合物の合成経路をスキーム1に、式中XがNである式Iの化合物の合成経路をスキーム2に示す。当業者は、スキーム1およびスキーム2の式2から13で示される重要な構成要素の添加順序が変えられるものであり、それでも式Iの所望の生成物を与えることを理解している。
【0023】
スキーム1に示される経路に従って、式中Yがアミノ保護基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−Boc)など)を表す式2のピペラジン中間体を、溶媒(例えばジクロロメタンまたはアセトニトリル)中、室温でまたは温度を上げて、有機塩基(例えばトリエチルアミン)または無機塩基(例えば炭酸カリウム)を用いて、式3のヘテロアリールエステル誘導体(式中、アルキルは低級アルキル基、好ましくはメチルを表し、Lは脱離基(クロロ、ブロモ、またはOSOMeなど)を表す。)でアルキル化し、式4の中間アミノエステル誘導体とする。
【0024】
例えばメタノール/水中で水酸化ナトリウムを用いて式4の中間体をエステル加水分解することにより、酸または酸ナトリウム塩とする。酸または酸ナトリウム塩を、溶媒(例えばジクロロメタン)中、カップリング剤(例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩または1−プロパンホスホン酸環状無水物など)を用いて、式HNRのアミン(式中、Rは上記で定義されるとおりの意味を有する。)とカップリングさせることにより式5のアミド誘導体とすることができる。式5の中間体のBoc保護したピペラジンアミノ官能基の、例えばジクロロメタン中トリフルオロ酢酸を用いた脱保護により、式6の中間ピペラジン誘導体とし、続いてこれを、溶媒(例えばジクロロメタン)中、カップリング剤(例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩または1−プロパンホスホン酸環状無水物など)を用いて、式7(式中、Rはすでに定義されるとおりの意味を有する。)の安息香酸誘導体とカップリングして式8のアニリン中間体とする。溶媒(例えばジクロロメタン)中、室温でまたは温度を上げてこのアニリン中間体を4−ニトロフェニルクロロホルメートと、または炭酸(ビス(トリクロロメチル)(トリホスゲン)と反応させることにより活性化し、続いて塩基(例えばトリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、式RNHのアミン(式中、Rはすでに定義されるとおりの意味を有する。)との反応により、本発明の式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体を生成する。
【0025】
【化2】

【0026】
スキーム2に示される経路に従って、式9のメチル化ヘテロアリール誘導体を、溶媒(例えばジクロロメタン)中、室温でまたは温度を上げて、式R−NCOのイソシアナート(式中、Rはすでに定義されるとおりの意味を有する。)と反応させ、式10の尿素誘導体とする。四塩化炭素中、室温でまたは温度を上げて、N−ブロモスクシンイミドおよび過酸化ベンゾイルを用いたブロモ化により芳香族メチル置換基を活性化して、式11の中間尿素誘導体(式中、脱離基Lは臭素である。)とする。
【0027】
式中YがN保護基(例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−Boc)など)である式2のピペラジン誘導体を、溶媒(例えばジクロロメタンまたはアセトニトリル)中、室温でまたは温度を上げて、有機塩基(例えばトリエチルアミン)または無機塩基(例えば炭酸カリウム)を用いて、式11の尿素誘導体でアルキル化し、続いて、例えばトリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを用いたBoc−基の脱保護により、式12のピペラジン誘導体とする。
【0028】
【化3】

【0029】
式12のピペラジン誘導体を、溶媒(例えばジクロロメタン)中、カップリング剤(例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩または1−プロパンホスホン酸環状無水物など)を用いて、式7の安息香酸誘導体(式中、Rはすでに定義されるとおりの意味を有する。)と反応させ、式13のアニリン中間体とする。本発明の式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体(式中、XはNである。)は、溶媒(例えばジクロロメタン)中、室温でまたは温度を上げて、式13の中間体を4−ニトロフェニルクロロホルメートと、または炭酸(ビス(トリクロロメチル)(トリホスゲン)と反応させ、続いて塩基(例えばトリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、所望の式RNHのアミン(式中、Rはすでに定義されるとおりの意味を有する。)を加えることにより、調製することができる。
【0030】
式2のピペラジン誘導体、式3のエステル誘導体、式7の4−アミノ安息香酸誘導体、ならびに式9のメチル化ヘテロアリール誘導体は、当分野で周知である方法を用いて、市販されている中間体から調製することができる。
【0031】
N−保護基という用語は、上記で使用されるとおり、アミノ基の保護によく用いられる基(アロキシカルボニル(alloxycarbonyl)(Alloc)基、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基など)を意味する。これらの保護基およびその他の保護基の除去は、そうした保護基の性質に依存して様々なやり方で行なうことができる。保護基およびこの除去法の概説は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」,2nd edition,1991,John Wiley&Sons,Inc.に与えられる。
【0032】
式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体およびこの塩は、少なくとも1つの不斉中心を含有することができ、従って鏡像異性体およびジアステレオマーを含む立体異性体として存在することができる。本発明は、この範囲内に上記の立体異性体と、他方の鏡像異性体を実質的に含まない、即ち5%未満、好ましくは2%未満、特には1%未満で他方の鏡像異性体を伴う式Iの化合物およびこの塩の個々のRおよびS鏡像異性体それぞれと、および2種の鏡像異性体を実質的に同量で含有するラセミ混合物を含むこのような鏡像異性体の任意の割合での混合物とを含む。純粋な立体異性体を与える不斉合成法は、当分野で周知であり、例えば、キラル導入する合成またはキラル中間体から出発する合成、エナンチオ選択的酵素変換、キラル媒体でのクロマトグラフィーを用いた立体異性体または鏡像異性体の分離である。そうした方法は、例えば、Chirality in Industry(edited by A.N.Collins,G.N.Sheldrake and J.Crosby,1992;John Wiley)に記載されている。
【0033】
本発明のさらなる態様において、式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体およびこの塩は、構造部位のいずれかに非天然の同位体を1個以上含有できる。このような放射標識した本発明の化合物は、例えば、これらの吸収、分布、代謝、および排出(ADME)のin vivo研究で用いることができる。同位体として放射性同位体(トリチウムおよび14Cなど)が挙げられる。または、化合物は、安定同位体(重水素、13C、18O、および15Nなど)を豊富にしたものも可能である。PET(陽電子放出断層撮影)トレーサーとして用いるために本発明の化合物に組込むのに11Cおよび18Fが好適な同位体である。
【0034】
医薬的に許容される塩は、式Iの1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体の遊離塩基を、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、および硫酸など)、または有機酸(例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸など)で処理することにより得ることができる。
【0035】
本発明の化合物は、溶媒和していない形でも、医薬的に許容される溶媒(水、エタノールなど)で溶媒和した形でも存在できる。一般に、溶媒和した形は、本発明の目的に対して溶媒和していない形と等価であるとみなされる。
【0036】
本発明はさらに、一般式Iを有する1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体、またはこの医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される助剤との混合物として、および場合により他の治療薬を含む医薬的組成物を提供する。「許容される」という用語は、組成物のその他の成分と適合性があり、この組成物のレシピエントに有害ではないことを意味する。組成物として、例えば、経口、舌下、皮下、静脈内、硬膜外、くも膜下腔内、筋肉内、経皮、肺、局所、または直腸投与などに適した、全ての投与用単位剤形を含む。
【0037】
経口投与については、活性成分は、分離した単位(錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒、溶液、懸濁液など)として存在させることができる。非経口投与については、本発明の医薬的組成物は、単位用量または多用量容器に入れて存在させることができ(例えば、密閉バイアルおよびアンプルに入れた、例えば、予定量の注射液)、使用前に滅菌液体担体(例えば水)の添加以外必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することもできる。
【0038】
例えば、標準的な参照のGennaro,A.R.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition.,Lippincott Williams & Wilkins,2000,特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturingを参照)に記載されるような医薬的に許容される助剤と混合されて、活性剤は、圧縮されて固体投薬単位(丸薬、錠剤など)になるか、処理されてカプセル剤、坐剤またはパッチ剤になることができる。医薬的に許容される液体により、活性剤は、流体組成物として、例えば注射製剤として、溶液、懸濁液、乳濁液の形で、またはスプレー(例えば、鼻スプレー)として用いることができる。
【0039】
固体投薬単位を作成するため、従来の添加物(充填剤、着色料、重合体結合剤など)の使用が考慮される。一般に、活性化合物の機能に干渉しない任意の医薬的に許容される添加剤を用いることができる。固体組成物として本発明の活性剤と一緒に投与することができる適した担体として、適した量で用いられる、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体など、またはこれらの混合物が挙げられる。非経口投与については、医薬的に許容される分散剤および/または湿潤剤(プロピレングリコールまたはブチレングリコールなど)を含有する、水性懸濁液、等張生理食塩水、および滅菌注射液を用いることができる。
【0040】
本発明はさらに、上記で記載したとおりの医薬的組成物を、前記組成物に適した包装材料と組み合わせたものを含み、前記包装材料は上記で記載したとおりの用途のための組成物の使用説明書を含む。
【0041】
本発明の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体は、LXRαおよび/またはLXRβの修飾因子であり、特にこれらに対するアゴニスト活性を有することが見出されたので、粥状動脈硬化ならびにコレステロールおよび胆汁酸の輸送および代謝と関係がある関連疾患、例えば高コレステロール血症(例えば冠動脈心疾患)、コレステロール胆石、脂質貯蔵疾患、糖尿病、および肥満などの危険性を予防および減少させるのに有用である。
【0042】
本発明の化合物は、さらに以下に示されるものにも有用である可能性がある:
炎症性疾患:
LXRのリガンド活性化は、多数の炎症経路(例えばインターロイキン1−β、インターロイキン−6、シクロオキシゲナーゼ−2など)を阻害することが示されており、直近では、C−反応性タンパク質発現を直接阻害することが示されている。Blaschke et al.,Circ.Res.99:88−99.(2006)を参照。本発明の化合物は、炎症性疾患(接触性皮膚炎(dermititis)など)(Fowler et al.,J.Invest.Dermatol.120:246−55.(2003)を参照)、神経炎症性疾患(多発性硬化症など)(Zhang−Gandhi and Drew.J.Neuroimmunol.183:50−59.(2007))、および自己免疫性脳脊髄炎の炎症の抑制に治療的有用性を有する可能性がある。Hindinger et al.,J.Neurosci.Res.84:1225−1234(2006)を参照。
【0043】
増殖性血管障害:
LXRリガンドT0901317は、in vitroおよびin vivoでバルーン傷害に続いて血管平滑筋細胞増殖および新生内膜形成を阻害することが示されている。従って、本発明の化合物は、増殖性血管障害に治療的有用性を有する可能性がある。Blaschke et al.,Circ.Res.95:110−123(2004)を参照。
【0044】
糖尿病/メタボリックシンドローム:
最近の文献は、インスリン抵抗性および糖尿病の動物モデルでLXRアゴニストの有効性を実証しており、従って、本発明の化合物は、糖尿病およびメタボリックシンドロームの治療に治療的有用性を有する可能性がある(Liu et al.,Endocrinology.147:5061−5068(2006);Fernandez−Veledo et al.,Diabetologia.49:3038−3048(2006)を参照)。
【0045】
癌:
LXRアゴニストT0901317は、前立腺癌の動物モデルで腫瘍の進行を遅らせた。本発明の化合物は、前立腺癌の治療に有用である可能性を有する。Chuu et al.,Cancer.Res.66:6482−6486(2006)を参照。
【0046】
神経変性疾患:
LXRアゴニストは、細胞コレステロールレベルの調節を介して、脳へのβ−アミロイドの沈着を減少させることができる。さらに、T0901317は、β−アミロイドの沈着を減少させるだけでなく記憶を改善することが示されている。Riddell et al.,Mol.Cell.Neurosci.34:621−628(2007)を参照。従って、本発明のアゴニスト誘導体は、神経変性疾患(アルツハイマー病など)に治療的有用性を有する可能性がある。
【0047】
併用療法:
本発明の化合物は、他の代謝疾患(高血圧、高脂血症、脂質異常症、糖尿病、慢性炎症性疾患、肥満、ならびにコレステロール逆転送の向上および/またはLDL:HDL比の改善が治療上有益となる可能性がある任意の症状など)の治療に有用な別の治療薬と組み合わせることができる。このような療法の例として以下が挙げられる:3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoAレダクターゼ(HMGCoAレダクターゼ)阻害剤(例えばアトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、ロスバスタチン、およびその他)、コレステロール吸収阻害剤(例えばエゼチミブ)、胆汁捕捉剤(例えばコレスチラミン)、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)阻害剤、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体修飾因子(例えばムラグリタザール(muraglitazar)、ロシグリタゾン、フィブラート系製剤、およびその他)、コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤、ニコチン酸誘導体(例えばNiaspan(登録商標)など)、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えばエフルシミベ(eflucimibe))、ファルネソイドX受容体修飾因子、メタボリックシンドロームまたはII型糖尿病の治療に用いられる治療薬(例えばメトホルミン)。本発明の化合物は、抗炎症治療薬(例えばアスピリン)と、および神経変性疾患用治療(例えば、Aricept(登録商標)、Exelon(登録商標)、Reminyl(登録商標)およびEbixa(登録商標))と組み合わせることができる。
【0048】
本発明の化合物は、症状を軽減するのに十分な量および十分な時間でヒトに投与することができる。例示として、ヒトについての一日の投薬レベルは、体重1kgあたり0.001から50mgの範囲、好ましくは体重1kgあたり0.01から20mgの一日投薬量が可能である。
【0049】
本発明は、以下の実施例により例示される。
【0050】
実験全般
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
この実験の節内ではHPLC精製が用いられる。HPLCは高速液体クロマトグラフィーを示す。化合物の精製に用いることができる、一般方法の幾つかの例として、以下が挙げられる:5%アセトニトリル/95%水から100%アセトニトリルへの標準勾配を用いる酸性逆相HPLC(水/アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸)または10%アセトニトリル/90%水から100%アセトニトリルへの標準勾配を用いる塩基性逆相HPLC(水/アセトニトリル/0.1%アンモニア溶液)。UV検出(例えば254nM)を用いて、HPLCから画分を分取する。この記載は、一般方法を与えるものであり、装置、カラム、移動相、検出波長、溶媒勾配、および実行時間の変形も、化合物の精製に用いることができる。
【0051】
遊離塩基および塩
酸性HPLCによる精製後、塩基性生成物は、トリフルオロ酢酸塩として単離するか、または一般的な通常法(例えば、2Mのアンモニア含有メタノールで溶出させる強カチオン交換クロマトグラフィーまたはシリカカーボナートカラムクロマトグラフィー、または有機溶媒(例えば酢酸エチル)と塩基性水(例えば炭酸水素ナトリウム水溶液)の間で分配し、有機層を分離し、無機固体(例えば硫酸マグネシウム)で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。)により遊離塩基として遊離させることができる。
【0052】
遊離塩基の生成物は、通常法(例えば遊離塩基をジクロロメタンに溶解し、2Mの塩酸を含むエーテルを加え、減圧濃縮して塩酸塩とする。)により塩酸塩に変換することもできる。
【0053】
略称:
Boc:tert−ブトキシカルボニル;CDCl:クロロホルム−d;CDOD:メタノール−d4;(CDSO:ジメチルスルホキシド−d6;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート;SCX:強カチオン交換;トリホスゲン:炭酸ビス(トリクロロメチル)。
【実施例1】
【0054】
N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボキサミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0055】
【化4】

【0056】
A:メチル2−(ピペラジン−1−イルメチル)オキサゾール−4−カルボキシラート2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0057】
【化5】

【0058】
tert−ブチル−1−ピペラジンカルボキシラート(1.06g、5.70mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.98ml、17.1mmol)のジメチルスルホキシド(10mL)溶液を、室温で、メチル(2−クロロメチル)オキサゾール−4−カルボキシラート(1.0g、5.70mmol;少しずつ加える。)で処理し、一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、中間体tert−ブチル4−((4−(メトキシカルボニル)オキサゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラートを得た(MS(ESI)m/z325.7[M+H])。中間体を、室温で、ジクロロメタン(15mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)を滴下して処理した。混合物を4時間撹拌し、次いで減圧濃縮して表題化合物を得た(1.60g)。MS(ESI)m/z226.1[M+H]
【0059】
B:エチル4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾアート
【化6】

【0060】
エチル4−イソシアナトベンゾアート(25g、130.8mmol)のジクロロメタン溶液を撹拌しながら、これにシクロブチルアミン(27.91g、392.4mmol、33.5mL)を滴加した。40分撹拌後、形成された固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、表題化合物を得た(30.28g)。MS(ESI)m/z263.1[M+H]
【0061】
C:4−(3−シクロブチルウレイド)安息香酸
【0062】
エチル4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾアート(49.9mmol、13.1g)をエタノール(400ml)に懸濁させ、4Mの水酸化ナトリウム(300mmol、74.9ml)で処理した。次いで混合物を18時間還流撹拌した。反応物を放冷し、トルエン(100mL)で希釈し、減圧濃縮した。5Mの塩酸水でpH3の酸性にすると白色固体が生じた。固体を吸引濾過して集め、冷エタノールで洗い、減圧乾燥させて、表題化合物を白色粉末として得た(11.0g)。
H NMR(CDOD,400MHz):δ1.73(2H,m)、1.92(2H,1m)、2.32(2H,1m)、4.22(1H,m)、7.45(2H,d)、7.90(2H,d)
【0063】
D:メチル2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート
【0064】
【化7】

【0065】
メチル2−(ピペラジン−1−イルメチル)オキサゾール−4−カルボキシラート2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(174mg、513μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)溶液および4−(3−シクロブチルウレイド)安息香酸(120mg、513μmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に加えたものに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(357μL、2.05mmol)、続いてO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(293mg、770μmol;HATU)を加えた。混合物を室温で22時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、飽和塩化アンモニウム水溶液およびブラインで洗った。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムに加え、25%酢酸エチルを含むn−ヘキサンで溶出させて、表題化合物を得た(34mg)。MS(ESI)m/z442.1[M+H]
【0066】
E:2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0067】
メチル2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート(30mg、68μmol)を、室温で、メタノール/水混合物(5:1;3mL)に溶解した。水酸化リチウム(20mg、477μmol;一水和物)を加え、混合物を1時間撹拌した。混合物をほぼ乾固するまで濃縮し、水(2mL)で希釈し、濃塩酸を加えてpH2から3にした。粗溶液を酸性逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(32mg)。MS(ESI)m/z428.1[M+H]
【0068】
F:1−(4−(1−((4−(tert−ブチルカルバモイル)オキサゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−4−カルボニル)フェニル)−3−シクロブチル尿素2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0069】
2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−オキサゾール−4−カルボン酸2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(8mg、15μmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(1mL)溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(5.7mg、15μmol;HATU)、tert−ブチルアミン(1.6μL、15μmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.9μL、23μmol)を加えた。反応液を室温で20時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。粗残渣を酸性逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(5.6mg)。MS(ESI)m/z483.1[M+H]
【0070】
以下の化合物を同様な様式で調製した:
1B:N−シクロブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボキサミド
MS(ESI)m/z481.1[M+H]
1C:N−sec−ブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)オキサゾール−4−カルボキサミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、ラセミ体
MS(ESI)m/z483.1[M+H]
1D:2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−シクロペンチルオキサゾール−4−カルボキサミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
MS(ESI)m/z495.1[M+H]
【実施例2】
【0071】
N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド
【0072】
【化8】

【0073】
A:エチル2−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキシラート
【0074】
【化9】

【0075】
tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシラート(1.811g、9.72mmol)、2−クロロメチルチアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(2g、9.72mmol)、炭酸カリウム(2.69g、19.45mmol)、およびヨウ化ナトリウム(0.292g、1.945mmol)をまとめてアセトニトリル中2時間還流撹拌した。反応物を減圧濃縮した。残渣をジクロロメタンに取りろ過した。ろ液を減圧濃縮して、表題化合物を得た(4.38g)。
MS(ESI)m/z356.5[M+H]
【0076】
B:ナトリウム2−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキシラート
【0077】
【化10】

【0078】
エチル2−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキシラート(4.3871g、12.34mmol)および水酸化ナトリウム(0.494g、12.34mmol)をまとめてエタノール中3時間還流撹拌した。反応物を減圧濃縮して、表題化合物を得た(3.56g)。MS(ESI)m/z328.3[M+H]
【0079】
C:tert−ブチル4−((4−(tert−ブチルカルバモイル)チアゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0080】
【化11】

【0081】
ナトリウム2−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキシラート(3.596g、10.29mmol)、tertブチルアミン(0.753g、10.29mmol、1.082mL)、およびトリエチルアミン(3.12g、30.9mmol、4.29mL)のジクロロメタン(50mL)溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(13.10g、20.58mmol、12.25mL、50%酢酸エチル溶液)を加えた。反応物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに取り、重炭酸ナトリウム(3回)およびブラインで洗った。有機相を減圧濃縮して、表題化合物を得た(2.10g)。MS(ESI)m/z283.5[M+H]
【0082】
D:N−tert−ブチル−2−(ピペラジン−1−イルメチル)チアゾール−4−カルボキサミド
【0083】
tert−ブチル4−((4−(tert−ブチルカルバモイル)チアゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート(2.1g、5.49mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、2,2,2−トリフルオロ酢酸(20mL)を加え、反応液を2時間撹拌した。反応物を減圧濃縮しSCXカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を得た(1.28g)。MS(ESI)m/z283.4[M+H]
【0084】
E:2−((4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ブチルチアゾール−4−カルボキサミド
【0085】
【化12】

【0086】
4−アミノ−3−フルオロ安息香酸(0.703g、4.53mmol)、N−tert−ブチル−2−(ピペラジン−1−イルメチル)チアゾール−4−カルボキサミド(1.28g、4.53mmol)、およびトリエチルアミン(0.459g、4.53mmol、0.630mL)のジクロロメタン溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(2.88g、4.53mmol、2.70mL、50%酢酸エチル溶液)を加えた。反応物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに取り、重炭酸ナトリウム(3回)およびブラインで洗った。有機相を減圧濃縮して、表題化合物を得た(0.87g)。MS(ESI)m/z420.3[M+H]
【0087】
F:N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド
【0088】
2−((4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ブチルチアゾール−4−カルボキサミド(100mg、0.238mmol)および4−ニトロフェノールクロロホルメート(48mg、0.238mmol)をまとめてジクロロメタン中室温で1時間撹拌した。シクロプロピルメチルアミン(50.9mg、0.715mmol、62μl)を加え、反応物を30分間撹拌した。反応液を水で希釈し、疎水性フリットを通してフラッシュした。有機相を減圧濃縮し酸性逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(5mg)。MS(ESI)m/z517.3[M+H]
【0089】
以下の化合物を同様な様式で調製した:
2B:N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド
MS(ESI)m/z517.5[M+H]
2C:N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド
MS(ESI)m/z533.5[M+H]
【実施例3】
【0090】
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0091】
【化13】

【0092】
A:tert−ブチル4−((5−(メトキシカルボニル)フラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0093】
【化14】

【0094】
tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシラート(2.134g、11.46mmol)、メチル5−(クロロメチル)−2−フロアート(2g、11.46mmol)、炭酸カリウム(3.17g、22.91mmol)、およびヨウ化ナトリウム(0.343g、2.291mmol)をまとめてアセトニトリル中2時間還流撹拌した。反応物を減圧濃縮した。残渣をジクロロメタンに取り、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、表題化合物を得た(4.99g)。MS(ESI)m/z325.3[M+H]
【0095】
B:ナトリウム5−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキシラート
【0096】
tert−ブチル4−((5−(メトキシカルボニル)フラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート(4.99g、15.39mmol)および水酸化ナトリウム(0.616g、15.39mmol)をまとめて3時間還流撹拌した。反応物を減圧濃縮し、表題化合物を得た(4.59g)。MS(ESI)m/z311.4[M+H]
【0097】
C:tert−ブチル4−((5−(tert−ブチルカルバモイル)フラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0098】
【化15】

【0099】
ナトリウム5−((4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキシラート(4.558g、13.72mmol)、2−メチルプロパン−2−アミン(1.003g、13.72mmol、1.441mL)、およびトリエチルアミン(4.16g、41.1mmol、5.72mL)のジクロロメタン溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(17.46g、27.4mmol、16.33mL、50%酢酸エチル溶液)を加えた。反応物を2時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗った。有機相を減圧濃縮し、表題化合物を得た(2.4g)。MS(ESI)m/z366.3[M+H]
【0100】
D:N−tert−ブチル−5−(ピペラジン−1−イルメチル)フラン−2−カルボキサミド
【0101】
【化16】

【0102】
tert−ブチル4−((5−(tert−ブチルカルバモイル)フラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシラート(6.57mmol、2.4g)をジクロロメタン(20mL)に溶解した。2,2,2−トリフルオロ酢酸(20mL)を加え、反応液を2時間撹拌した。反応物を減圧濃縮しSCXクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を得た(1.51g)。MS(ESI)m/z266.4[M+H]
【0103】
E:5−((4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペリジン−1−イル)メチル)−N−tert−ブチルフラン−2−カルボキサミド
【0104】
【化17】

【0105】
4−アミノ−3−フルオロ安息香酸(0.883g、5.69mmol)、N−tert−ブチル−5−(ピペラジン−1−イルメチル)フラン−2−カルボキサミド(1.51g、5.69mmol)、およびトリエチルアミン(0.576g、5.69mmol、0.791mL)のジクロロメタン溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(3.62g、5.69mmol、3.39mL、50%酢酸エチル溶液)を加えた。反応物を2時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗った。有機相を減圧濃縮し、表題化合物を得た(0.93g)。MS(ESI)m/z403.6[M+H]
【0106】
F:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0107】
5−((4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ブチルフラン−2−カルボキサミド(113mg、0.280mmol)および4−ニトロフェノールクロロホルメート(56mg、0.238mmol)をまとめてジクロロメタン中室温で1時間撹拌した。シクロブチルアミン(59.6mg、0.839mmol、71.6μl)を加え、反応物を30分間撹拌した。反応液を水で希釈し、疎水性フリットに通してフラッシュした。有機相を減圧濃縮し酸性逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(10mg)。MS(ESI)m/z500.3[M+H]
【0108】
以下の化合物を同様な様式で調製した:
3B:N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0109】
【化18】

MS(ESI)m/z516.5[M+H]
【実施例4】
【0110】
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0111】
【化19】

【0112】
5−((4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ブチルフラン−2−カルボキサミド(実施例3;0.05g、0.124mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.028mL)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.014g、0.046mmol)を滴加し、反応物を30分間撹拌した。反応物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.094mL)、続いて2−メチルプロパン−1−アミン(0.018g、0.248mmol、0.025mL)を加え、反応物をさらに2時間撹拌した。反応液を水で洗い、疎水性フリットに通してフラッシュした。有機相を減圧濃縮し塩基性逆相HPLCで精製して、表題化合物を得た(5mg)。MS(ESI)m/z502.5[M+H]
【0113】
以下の化合物を同様な様式で調製した:
4B:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z500.5[M+H]
4C:N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z516.3[M+H]
【実施例5】
【0114】
以下の化合物を、実施例1から4に記載されるものと同様な方法を用いて調製した:
5A:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド塩酸塩
MS(ESI)m/z502.5[M+H]
【0115】
5B:N−シクロブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z498.5[M+H]
【0116】
5C:N−シクロブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z500.4[M+H]
【0117】
5D:(R)−N−sec−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z482.4[M+H]
【0118】
5E:5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−(1−メチルシクロプロピル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z498.5[M+H]
【0119】
5F:5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−(3,3−ジフルオロシクロブチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z534.3[M+H]
【0120】
5G:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z532.5[M+H]
【0121】
5H:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z518.8[M+H]
【0122】
5I:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z516.5[M+H]
【0123】
5J:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z532.3[M+H]
【0124】
5K:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−クロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z518.5[M+H]
【0125】
5L:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z516.5[M+H]
【0126】
5M:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z534.5[M+H]
【0127】
5N:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−((1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0128】
【化20】

MS(ESI)m/z532.3[M+H]
【0129】
5O:N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−((1−イソシアノシクロプロピル)メチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
【0130】
【化21】

MS(ESI)m/z541.5[M+H]
【0131】
合成に必要な1−(アミノメチル)シクロプロパンカルボニトリルを、以下のとおり調製した:
工程1:エチル1−シアノシクロプロパンカルボキシラート(35.9mmol、5g)、ジメトキシエタン(100mL)、およびメタノール(10mL)の混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(287mmol、10.87g)をゆっくりと加え、混合物を室温で18時間撹拌した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウムでゆっくりと希釈し、次いで10%メタノール/ジクロロメタン(3回)で抽出した。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮して、中間体1−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボニトリルを得た(2.36g)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.99(2H,m)、1.28(2H,m)、2.5(1H,br s)、3.62(2H,s)
【0132】
工程2:1−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボニトリル(24.30mmol、2.36g)をジクロロメタン(30mL)に加えた混合物を撹拌し、反応液を0℃に保ちながら、これにトリエチルアミン(48.6mmol、6.83mL、4.92g)、およびメタンスルホニルクロリド(31.6mmol、2.445mL、3.62g)を少しずつ加えて処理した。溶液を1時間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、10%メタノール/ジクロロメタン(3回)で抽出した。有機層を1つにまとめ減圧濃縮して、中間体(1−シアノシクロプロピル)メチルメタンスルホナートを得た(3.77g)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ1.18(2H,m)、1.46(2H,m)、3.14(3H,s)、4.18(2H,s)
【0133】
工程3:(1−シアノシクロプロピル)メチルメタンスルホナート(21.52mmol、3.77g)とアジ化ナトリウム(43.0mmol、2.80g)をN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)に加えた混合物を撹拌し、約18時間120℃に加熱した。混合物を放冷し、水と酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮して、油状物を得た。この油状物をエーテルに取り、水で洗い、乾燥させ、減圧濃縮して、中間体1−(アジドメチル)シクロプロパンカルボニトリル(1.8g)を油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ1.02(2H,m)、1.36(2H,m)、3.38(2H,s)
【0134】
工程4:1−(アジドメチル)シクロプロパンカルボニトリル(14.74mmol、1.8g)のメタノール(20mL)溶液に、10%パラジウム担持炭素(14.74mmol、200mg)を含有する水(200μl)を加えた。混合物を、水素3bar下、室温で一晩撹拌した。触媒をろ過して除去し、ろ液を減圧濃縮して、表題化合物を得た(1.3g)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.87(2H,m)、1.23(2H,m)、2.76(2H,s)
【0135】
5P:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z518.5[M+H]
【0136】
5Q:N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z534.5[M+H]
【0137】
5R:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z520.3[M+H]
【0138】
5S:N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z520.7[M+H]
【0139】
5T:N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z534.3[M+H]
【0140】
5U:N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z518.5[M+H]
【実施例6】
【0141】
5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ペンチルチオフェン−2−カルボキサミド
【0142】
【化22】

【0143】
A:エチル4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾアート
【0144】
【化23】

【0145】
シクロプロピルメタンアミン(57.5mmol、4.99ml、4.09g)をジクロロメタン(40mL)に加え、これにエチル4−イソシアナトベンゾアート(52.3mmol、10g)をジクロロメタン(45mL)に加えたものを加え、反応物を一晩撹拌した。次いで反応物を減圧濃縮し、表題化合物を得た(14.7g)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.2(2H,m)0.5、(2H,m)0.95(1H,m)1.4(3H,t)、3.1(2H,m)4.35(2H,q)、5.15(1H,br s)、7.0、1H、7.4(2H,d)8.0(2H,d)
【0146】
B:4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)安息香酸
【0147】
【化24】

【0148】
エチル4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾアート(55.3mmol、14.5g)をエタノール(400ml)に懸濁させ、4Mの水酸化ナトリウム(332mmol、83mL)を加えた。次いで反応物を還流して完全に鹸化した。エタノールを蒸発により除去し、反応物を濃塩酸で中和した。白色沈殿を集め、水で洗った。生成物を減圧乾燥して、表題化合物を得た(12.1g)
H NMR((CDSO,400MHz):δ0.2(2H,m)0.5、(2H,m)0.95(1H,m)、3.0(2H,m)6.35(1H,br s)7.4(2H,d)7.8(2H,d)8.9(1H,br s)
【0149】
C:tert−ブチル4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0150】
【化25】

【0151】
tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(45.8mmol、8.53g)と4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)安息香酸(45.8mmol、10.73g)をジクロロメタン(200mL)に加えて混ぜ、トリエチルアミン(103mmol、14.36ml、10.43g)、続いて1−プロパンホスホン酸環状無水物(68.7mmol、40.7mL、43.7g、50%酢酸エチル溶液)を加えた。反応物を1時間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注いでジクロロメタンで抽出した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、ろ過し、減圧濃縮して、表題化合物を得た(17.13g)。
MS(ESI)m/z403.5[M+H]
【0152】
D:1−(シクロプロピルメチル)−3−(4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素
【0153】
【化26】

【0154】
tert−ブチル4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート(46.7mmol、18.78g)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(233mmol、17.33ml、26.6g)を加えた。反応物を1時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。粗生成物をエーテルと粉砕し、高真空乾燥して白色粉末を得た。白色粉末を水に取り、慎重に炭酸ナトリウムでpH10にした。次いで水溶液をジクロロメタンで抽出し、有機相を1つにまとめて乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して、表題化合物を得た(13.4g)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.2(2H,m)0.5、(2H,m)0.95(1H,m)2.2(2H,s,br)、2.8(4H,br s)、3.6(4H,br s)、5.8(1H,m)7.2(4H,m)
【0155】
E:メチル5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキシラート
【0156】
【化27】

【0157】
1−(シクロプロピルメチル)−3−(4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素(4.25mmol、1.286g)、メチル5−(ブロモメチル)チオフェン−2−カルボキシラート(4.25mmol、1g)、および炭酸カリウム(12.76mmol、1.764g)をアセトニトリル(20mL)に加えて室温で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られる残渣をジクロロメタンに取り、水で洗い、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮して、表題化合物を得た(1.764g)。MS(ESI)m/z457.5[M+H]
【0158】
F:5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チオフェン−2−カルボン酸
【0159】
メチル5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキシラート(3.86mmol、1.764g)および水酸化ナトリウム(3.86mmol、0.155g)をまとめてメタノール中18時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、得られる残渣をSCXカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を得た(1.00g)。
MS(ESI)m/z443.3[M+H]
【0160】
G:5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−N−tert−ペンチルチオフェン−2−カルボキサミド
【0161】
5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チオフェン−2−カルボン酸(100mg、0.226mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(99mg、0.127mL、0.452mmol)、およびtert−ペンチルアミン(39mg、0.452mmol)をまとめてジクロロメタン中で撹拌した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(216mg、0.202mL、0.339mmol、50%酢酸エチル溶液)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗い、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮し、逆相酸性分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(5mg)。MS(ESI)m/z512.8[M+H]
【0162】
以下の化合物を同様な様式で調製した:
6B:N−teft−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド
MS(ESI)m/z498.5[M+H]
【実施例7】
【0163】
N−tert−ブチル−3−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
【0164】
【化28】

【0165】
A:N−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
【0166】
【化29】

【0167】
tert−ブチルイソシアナート(1.57mL、1.34g、13.70mmol)をジクロロメタン(30mL)に加え、これに3−メチル−1H−ピラゾール(0.98mL、1g、12.18mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで減圧濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタンで溶出)で精製して、表題化合物を得た(2.1g)。
H NMR(CDOD,400MHz):δ1.46(9H,s)、2.28(3H,s)、6.14(2H,d)、7.02(1H,br s)、8.08(1H,d)
【0168】
B:3−(ブロモメチル)−N−tert−ブチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
【0169】
【化30】

【0170】
N−tert−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド(609mg、3.36mmol)を四塩化炭素(12mL)に加え、これにN−ブロモスクシンイミド(849mg、4.77mmol)および過酸化ベンゾイル(114mg、0.470mmol)を加えた。混合物を一晩加熱還流し、次いで水と酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(10%酢酸エチルを含むヘプタンで溶出)で精製して、表題化合物を得た(280mg)。
H NMR(CDCl,400MHz):δ1.47(9H,s)、4.43(2H,d)、6.42(1H,d)、6.99(1H,br s)、8.14(1H,d)
【0171】
C:tert−ブチル4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0172】
【化31】

【0173】
4−アミノ−3−フルオロ安息香酸(4.97g、32.04mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(5.97g、32.04mmol)、およびトリエチルアミン(10mL)のジクロロメタン(100mL)溶液を撹拌しながら、これに1−プロパンホスホン酸環状無水物(20mL、50%酢酸エチル溶液、滴下)を加えた。反応液を1時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウム(水溶液)で洗い、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧濃縮して、表題化合物を得た(9.5g)。MS(ESI)m/z:324.5[M+H]
【0174】
D:tert−ブチル4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0175】
【化32】

【0176】
tert−ブチル4−(4−アミノ−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート(9.5g、29.41mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、4−ニトロフェニルカルボノクロリダート(5.93g、29.41mmol)を加えた。反応液を20時間撹拌し、シクロブチルアミン(7.5ml、88.2mmol)を加えた。2時間後、反応液をシリカのクロマトフラフィー(ジクロロメタンからジクロロメタン/酢酸エチルで溶出)にかけ、表題化合物を得た(2.8g)。MS(ESI)m/z:421.0[M+H]
【0177】
E:1−シクロブチル−3−(2−フルオロ−4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素
【0178】
tert−ブチル4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート(2.8g、66.67mmol)、トリフルオロ酢酸、およびジクロロメタンを20時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン/メタノールに取り、強カチオン交換カラムにかけ、ジクロロメタン/メタノールで洗った。2Mのアンモニアを含むメタノールでカラムから溶出させて、表題化合物を得た(1.6g)。MS(ESI)m/z:321.4[M+H]
【0179】
F:N−tert−ブチル−3−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
【0180】
3−(ブロモメチル)−N−tert−ブチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド(102mg、0.392mmol)をアセトニトリル(3.9mL)に加え、これに1−シクロブチル−3−(2−フルオロ−4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素(126mg、0.392mmol)、およびトリエチルアミン(109μI、79mg、0.782mmol)を加えた。この混合物に、スパチュラ先端分のヨウ化ナトリウムを加えた。混合物を一晩加熱還流させ、次いで水と酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーにかけ、2%メタノールを含むジクロロメタンで溶出させて精製した。残渣をジクロロメタン/メタノールに取り、強カチオン交換カラムにかけ、ジクロロメタン/メタノールで洗った。2Mのアンモニアを含むメタノールでカラムから溶出させて、表題化合物を得た(44mg)。MS(ESI)m/z500.3[M+H]
【実施例8】
【0181】
N−tert−ブチル−4−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
【0182】
【化33】

【0183】
A:N−tert−ブチル−4−メチルピコリンアミド
【0184】
【化34】

【0185】
4−メチルピリジン−2−カルボン酸(500mg、3.65mmol)、トリエチルアミン(1.27g、12.5mmol、1.75mL)、およびtert−ブチルアミン(267mg、3.85mmol)をまとめてジクロロメタン(10mL)中で撹拌した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(4.82g、7.5mmol、4.5mL、50%酢酸エチル溶液)を滴加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られる残渣を酢酸エチルに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗った。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮し、表題化合物を得た(376mg)。MS(ESI)m/z193.4[M+H]
【0186】
B:4−(ブロモメチル)−N−tert−ブチルピコリンアミド
【0187】
【化35】

【0188】
N−tert−ブチル−4−メチルピコリンアミド(100mg、0.52mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(46mg、0.52mmol)をまとめてクロロベンゼン(5mL)に加え、太陽灯の下で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られる残渣をジクロロメタンに取り、水で洗った。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮し、表題化合物を得た(120mg)。MS(ESI)m/z271.5[M+H]
【0189】
C:N−tert−ブチル−4−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
【0190】
4−(ブロモメチル)−N−tert−ブチルピコリンアミド(70mg、0258mmol)、1−(シクロブチルメチル)−3−(2−フルオロ−4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素(83mg、0.258mmol)、および炭酸カリウム(106mg、0.744mmol)をまとめてアセトニトリル中1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、得られる残渣を逆相酸性分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(41mg)。MS(ESI)m/z511.6[M+H]
【実施例9】
【0191】
N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
【0192】
【化36】

【0193】
A:メチル6−((メチルスルホニルオキシ)メチル)ピコリナート
【0194】
【化37】

【0195】
6−(ヒドロキシメチル)ピコリナート(200mg、1.196mmol)とトリエチルアミン(363mg、3.588mmol、0.5mL)をまとめてジクロロメタン(2mL)中0℃で撹拌した。メタンスルホニルクロリド(206mg、1.794mmol)を加え、反応物を1時間かけて室温まで昇温させた。反応物を水で洗い、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮し、表題化合物を得た(293mg)。MS(ESI)m/z246.3[M+H]
【0196】
B:メチル6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル))ピコリナート
【0197】
【化38】

【0198】
メチル6−((メチルスルホニルオキシ)メチル)ピコリナート(300mg、1.22mmol)、1−(シクロブチルメチル)−3−(2−フルオロ−4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素(391mg、1.22mmol)、および炭酸カリウム(505mg、3.66mmol)をまとめてアセトニトリル中18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られる残渣をジクロロメタンに取り、水で洗い、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮して、表題化合物を得た(407mg)。MS(ESI)m/z470.5[M+H]
【0199】
C:ナトリウム6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリナート
【0200】
メチル6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリナート(400mg、0.852mmol)と水酸化ナトリウム(35mg、0.852mmol)をまとめてメタノール中18時間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮して、表題化合物を得た(323mg)。
MS[ESI]m/z456.5[M+H]
【0201】
D:N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
【0202】
ナトリウム6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリナート(100mg、0.209mmol)、トリエチルアミン(66mg、0.693mmol、0.091mL)、およびtert−ブチルアミン(32mg、0.435mmol)をまとめてジクロロメタン中室温で撹拌した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(208mg、0.326mmol、0.194mL、50%酢酸エチル溶液)を滴加し、反応物を1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られる残渣を酢酸エチルに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗った。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮し、表題化合物を得た(24mg)。MS(ESI)m/z511.6[M+H]
【0203】
以下の化合物を同様な方法で調製した:
9B:N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
MS(ESI)m/z527.0[M+H]
9C:N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
MS(ESI)m/z527.0[M+H]
9D;N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド
MS(ESI)m/z511.3[M+H]
【実施例10】
【0204】
N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチンアミド
【0205】
【化39】

【0206】
A:メチル2−((メチルスルホニルオキシ)メチル)イソニコチナート
【0207】
メチル2−(ヒドロキシメチル)イソニコチナート(3.17mmol、0.530g)とトリエチルアミン(9.51mmol、1.322mL、0.963g)を、0℃でジクロロメタン(20mL)に加えて撹拌した。メタンスルホニルクロリド(4.76mmol、0.368mL、0.545g)を滴加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応液を水で洗い、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮して、表題化合物を得た(686mg)。MS(ESI)m/z246.4[M+H]
【0208】
B:メチル2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチナート
【0209】
メチル2−(メチルスルホニルメチル)イソニコチナート(2.99mmol、0.686g)、1−シクロブチル−3−(2−フルオロ−4−(ピペラジン−1−カルボニル)フェニル)尿素(2.99mmol、0.959g)、および炭酸カリウム(8.98mmol、1.241g)をまとめてアセトニトリル(20mL)中40℃で2時間加熱した。反応液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに取った。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタンから6%メタノール/ジクロロメタンの溶媒勾配で溶出)で精製して、表題化合物を得た(822mg)。MS(ESI)m/z470.5[M+H]
【0210】
C:ナトリウム2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチナート
【0211】
メチル2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチナート(1.746mmol、0.82g)と水酸化ナトリウム(1.746mmol、0.070g)をメタノール(20mL)に加え18時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、表題化合物を得た(798mg)。MS(ESI)m/z456.5[M+H]
【0212】
D:N−tert−ブチル−2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチンアミド
【0213】
ナトリウム2−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)イソニコチナート(0.209mmol、0.1g)、tert−ブチルアミン(0.419mmol、0.088mL、0.061g)、およびトリエチルアミン(0.628mmol、0.087mL、0.064g)をジクロロメタン(10mL)に加えて撹拌した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.209mmol、0.062mL、0.067g、50%酢酸エチル溶液)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗った。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧濃縮した。得られる残渣を逆相酸性分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(35mg)。MS(ESI)m/z511.6[M+H]
【実施例11】
【0214】
組換えヒトLXRαまたはLXRβタンパク質を用いた放射性リガンド競合結合シンチレーション近接アッセイ(SpA)。
【0215】
これらのアッセイを用いて、化合物のアゴニスト放射性リガンド[H]T0901317の結合と競合する能力についてこの効力を評価する。これらのアッセイは、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)標識タンパク質に融合した、肝臓X受容体α(LXRα)または肝臓X受容体β(LXRβ)のリガンド結合ドメイン(LBD)を精製したもの(LXRα−LBD−GSTおよびLXRβ−LBD−GST)、およびシンチレーション近接アッセイ(SpA)技法を用いて、ヒト核内ホルモン受容体LXRαまたはLXRβのリガンド結合ドメイン(LBD)での化合物の結合親和性(pKi)を求める。
【0216】
組換えヒトLXRαおよびLXRβの調製
【0217】
ヒトLXRαおよびLXRβを、E.coliでGST融合タンパク質として発現させた。LXRαまたはLXRβのLBDをPCRで増幅し、原核生物発現ベクターpGEX−4T−1(GE Healthcare)にサブクローニングした。E.coliでのpGEX−4T−1プラスミドからのLXRαまたはLXRβの発現が、組換えグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)LXRα−LBDまたはLXRβ−LBD融合タンパク質の産生をもたらした。
【0218】
LXRαまたはLXRβ pGEX−4T−1プラスミドのいずれかを含有するE.coliを、増殖させ、誘導し、遠心分離で収穫した。細菌ペレットを、50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)−pH8.0、100mMの塩化ナトリウム(NaCI)、1mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびプロテイナーゼインヒビターカクテルのコンプリート/EDTAフリー(Roche)錠剤を1個含有する溶解緩衝液(緩衝液50mlあたり)に、再懸濁させた。混合物を氷上でBransonソニファイアーで超音波処理した。懸濁液を遠心し、上清にジチオトレイトール(DTT)を加えて最終濃度25mMとした。得られる上清をグルタチオン−セファロースFast flow(Amersham)のアフィニティークロマトグラフィーにかけ、グルタチオン(50mMのtris(pH8.0)、2mMのDTT、10mMのグルタチオン)含有緩衝液でタンパク質を溶出させて、組換えヒトLXRα−LBD−GSTまたはLXRβ−LBD−GSTタンパク質を精製した。タンパク質は、20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、10%グリセロール含有2mMのDTT中、−80℃で貯蔵した。
【0219】
LXRαまたはLXRβLBDとの結合
【0220】
LXRαまたはLXRβアッセイのため、組換えヒトLXRα−LBD−GSTまたはLXRβ−LBD−GSTタンパク質の一定分量を、0.5μg/mLに希釈し、タンパク質−A結合シンチラント充填YtSi SpAビーズ(GE Healthcare)を最終濃度1mg/mlで、およびヤギ抗GST抗体(GE Healthcare)を最終濃度5μg/mlで含有する最終体積100μlのSpA緩衝液(10mMのリン酸水素カリウム無水物[KHPO]、10mMのリン酸一カリウム[KHPO]、2mMのEDTA(pH7.1)、50mMのNaCL、1mMのDTT、2mMの3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート(CHAPS))中で温置した。各アッセイでT0901317(K=10nM)を参照として用いた。アッセイ混合物に、50nMの[H]T09G1317(50Ci/mmol)、+試験化合物を加え、混合物をプレートシェーカー上15℃で2時間温置した。温置後、アッセイプレートをPackard TopCountで読んだ。LXRαおよびLXRβ結合アッセイにおけるT0901317のpKi値:pKi=8.4±0.2。T0901317は、最大結合対照として、5μM濃度で用いた。これらのアッセイにおいて、活性化合物は、LXRαおよび/またはLXRβでpKi値>5.5を示すものであり、好適な化合物は、LXRαおよび/またはLXRβでpKi値>7を示すものである。
【0221】
LXRαおよびLXRβトランス活性化アッセイ
【0222】
LXRαおよびLXRβでの細胞内アゴニスト活性を、天然のエストロゲン応答配列(ERE)含有ルシフェラーゼレポーターコンストラクトと、ヒトエストロゲン受容体α(ERα)/LXRαまたはERα/LXRβキメラ受容体タンパク質(それぞれ真核生物発現コンストラクト由来)のいずれかとを安定して発現する組換えチャイニーズハムスター卵巣K1(CHO.K1)細胞を用いて、in vitroで測定した。ERα/LXRαおよびERα/LXRβキメラ受容体タンパク質は、それぞれヒトERα受容体DNA結合ドメイン(DBD)に融合したヒトLXRαおよびヒトLXRβ受容体LBDを含有する。これらのアッセイにおいて、ヒトLXRαまたはLXRβ受容体のLBDに結合できる化合物は、キメラ受容体タンパク質を細胞内で活性化することができる。活性化に続いて、ERαDBDは、ラットオキシトシンプロモータールシフェラーゼコンストラクト(pROLUC)に存在する天然のEREを介して、ERE介在性ルシフェラーゼ発現を誘導することができる。この系を用いて、LXRαおよびLXRβアゴニスト誘導性ルシフェラーゼアッセイは、T0901317をアゴニスト対照として用いて行なった。
【0223】
コンストラクト
【0224】
発現コンストラクトは、ヒトERα転写因子DNA結合ドメイン(DBD)に隣接するヒトLXRαまたはヒトLXRβcDNAのリガンド結合ドメイン(LBD)を挿入してpNGV1.ERαDBD−LXRαLBDおよびpNGV1.ERαDBD−LXRβLBDを作成することにより調製した。pNGV1哺乳類発現コンストラクト(EMBLヌクレオチド配列データベースファイルASPNGV1、acc.#X99274)は、ネオマイシンに対する選択マーカー(G418)を保有する。ラットオキシトシンプロモーター(RO)のERα応答配列を用いて、ルシフェラーゼレポーター遺伝子と隣接して配置されたERα応答配列(ERE)を複数コピー含有するプロモーターコンストラクトpROLUCを作成した。プロモーターコンストラクトの構築は、HindIII/Mbol制限酵素フラグメントとして切除された、ホタルルシフェラーゼコード配列と連結したROプロモーター領域(位置−363/+16)に基づいて行なった(Ivell and Richter.,Proc Natl Acad Sci U S A.7:2006−2010(1984)を参照)。形質移入およびネオマイシンを用いた陽性発現クローンの選択により、pNGV1.ERαDBD−LXRαLBDまたはpNGV1.ERαDBD−LXRβLBDをpROLUCと組み合わせて発現する安定なCHO.K1細胞株を作成した。最適な細胞株(CHO.K1 LXRαおよびCHO.K1 LXRβ)を、3μMのT0901317に応答したアゴニスト窓(agonist window)および20代目までの応答の安定性に基づいて選択した。
【0225】
LXRαおよびLXRβトランス活性化アッセイにおける試験化合物のアゴニスト活性。
【0226】
LXRαおよびLXRβトランス活性化アッセイのため、CHO.K1 LXRαおよびCHO.K1 LXRβ細胞それぞれを、5%COの加湿雰囲気中37℃で、96ウェルプレートの、5%チャコール処理したウシ仔ウシ血清含有ダルベッコ修飾イーグル培地(フェノール赤を含まず)200μlに、細胞25000個/ウェルの密度で播種した。播種6時間後、化合物をある濃度範囲にわたって16時間細胞とともに温置することにより特性決定した。各アッセイにおいて、3μM濃度でのT0901317を、最大アゴニスト対照として用いた。ルシフェラーゼアッセイキット(Perkin Elmer)を用いてルシフェラーゼ活性を求めた。ルシフェラーゼ活性の測定は、溶解緩衝液を各ウェルに添加することで開始し、発光をPackard Topcount読み取り機を用いて測定した。LXRαおよびLXRβトランス活性化アッセイにおけるT0901317のpEC50値:それぞれ、pEC50=7.3±0.2および7.4±0.2。試験化合物のアゴニスト活性を、最大アゴニスト対照と比較した。本発明の好適な化合物は、これらのアッセイプロトコルを用いてLXRαおよび/またはLXRβアゴニスト活性を有することが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

(式中
は、それぞれヒドロキシ、シアノ、またはハロゲンで置換されてもよい、(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、または(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;
は、1個または2個の随意のハロゲンを表し;
は、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されてもよい、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、または(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり;
Aは、N、O、およびSから選択される複素原子を1から3個含むヘテロアリール環系を表し、この環系は、XがCの場合は五員または六員であり、XがNの場合は五員であり;
nは1または2である。)
を有する1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Aはフラン−2,5,ジイルまたはピリジン−2,6−ジイルを表す、請求項1の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体。
【請求項3】
は、FおよびClから選択される1個または2個のハロゲンを表す、請求項1または2の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体。
【請求項4】
はtert−ブチルである、請求項1から3のいずれか一項の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体。
【請求項5】
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド塩酸塩;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−シクロブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(3−クロロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−3−クロロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソブチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(4−(3−ブチルウレイド)−2,3−ジフルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−5−((4−(2,3−ジフルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)フラン−2−カルボキサミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−シクロブチルウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−ネオペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(3−フルオロ−4−(3−イソペンチルウレイド)ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;
N−tert−ブチル−6−((4−(4−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)−3−フルオロベンゾイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピコリンアミド;およびこれらの医薬的に許容される塩から選択される、
請求項1の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体、および医薬的に許容される助剤を含む、医薬的組成物。
【請求項7】
治療に用いるための、請求項1から5のいずれか一項の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体。
【請求項8】
粥状動脈硬化(atheosclerosis)ならびにコレステロールおよび胆汁酸の輸送および代謝と関係がある関連疾患の治療または予防用医薬を製造するための、請求項1から5のいずれか一項の1−(4−ウレイドベンゾイル)ピペラジン誘導体の使用。

【公表番号】特表2013−503107(P2013−503107A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525169(P2011−525169)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/055035
【国際公開番号】WO2010/025179
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(512059936)エム・エス・ディー・オス・ベー・フェー (24)
【出願人】(509110622)フアーマコペイア・エル・エル・シー (8)
【Fターム(参考)】