説明

1−4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル−4−(2−カルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン塩酸塩の多形相

【課題】特定なピペラジン塩酸塩誘導体により、抑うつ障害、双極性障害、痴呆、肥満症、脳梗塞、等の処置及び予防のため、又は高血圧、慢性疼痛、月経前症候群等の処置における副作用を治療する薬剤及びその使用を提供する。
【解決手段】1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の新規な結晶変態、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩の結晶変態、アモルファスである1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それらを製造するための方法、および医学的障害の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン、生理学的に許容できるその塩(US 5,532,241, 7欄、30行〜58行)、それ/それらを製造するための方法(US 5,532,241,例4)、およびある医学的障害の処置におけるそれらの使用は、米国特許US 5,532,241およびWO 00/72832から既知である。
【0003】
US5,532,241の例4は、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジンを、N−メチルピロリジン中で、まず2−クロロ−1−メチルピリジニウムメタンスルホネートと、その後に乾燥NHで反応させることによる、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の製造を記載している。通常の精製処理で、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジンの遊離塩基を与える。700mgの塩基を30mlの2−プロパノール中に加熱下で溶解させ、その後に塩酸塩の沈殿が完了するまで、0.1Nの2−プロパノールHCl−溶液(Merck-Art. No. 1.00326)で処理する。沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、室温で乾燥させると、269〜272℃の融点をもつ1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩が得られる。文献の他のところには、どんな代替ルートも、または1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の新規な結晶変態、または異なる結晶変態である1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の新規な溶媒和物もしくは水和物を生成させるためのいかなる工程も、はっきり示されていない。
【0004】
269〜272℃の融点をもつ、前記の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩は、アモルファスである1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩、結晶である1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩および遊離塩基である1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンの混合物である。
【0005】
臨床研究および安定性の研究の間にその形態が一定に保たれない場合、用いられ、または測定された正確な形態をあるものから次のものへ比較することができないので、ある結晶、すなわち薬剤化合物の形態形は、適切な投与形態の発達に関与する者には重大なことである。一旦、薬剤化合物が使用のために製造されると、製造工程は同じ形態を用いること、および薬の同じ量がそれぞれの服用量に含まれることを確実にするために、それぞれの投与形態で伝達される形態形を認識することは重要である。従って、単一の形態形かまたはいくつかの形態形の既知の組み合わせのいずれが存在するかを確実にすることは必須である。加えて、ある形態はより一層の熱力学的安定性を示すことがあり得、薬剤形成に含まれる他の形態形よりも適してしていることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要約
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の純粋な結晶を製造するための方法は知られている。さらに、驚くべきことに、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の6つの新規な相(5+二塩酸塩XIII)、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物の3つの新規な相、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩溶媒和物の6つの新規な相、および1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の純粋なアモルファスが、それらを製造するための工程を有するとして見出された。これらの相は、以後それぞれI、II、III、IV、V、VI、Vll、VIII、IX、X、Xl、XIII、XIV、XVおよびXVIとしてあらわす。明細書中、“相”の用語は、一般的に“変態”または“結晶変態”の用語の同義語として用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩溶媒和物の結晶変態、および抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のためのそれらの使用、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するためのそれらの使用を提供する。
【0008】
本発明は、さらに、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピラジン塩酸塩水和物の結晶変態、および抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のためのそれらの使用、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するためのそれらの使用を提供する。
【0009】
本発明はまた、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩無水物の結晶変態、および抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のためのそれらの使用、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するためのそれらの使用を提供する。
【0010】
本発明は、付加的に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩の結晶変態、および抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のためのそれらの使用、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するためのそれらの使用を提供する。
【0011】
本発明は、付加的に、1−[4−(5シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の純粋なアモルファス、および抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のためのそれらの使用、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するためのそれらの使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】I相のIR吸収スペクトルである。
【図2】II相のIR吸収スペクトルである。
【図3】XV相のIR吸収スペクトルである。
【図4】XI相のIR吸収スペクトルである。
【図5】XIV相 のIR吸収スペクトルである。
【図6】V相のIR吸収スペクトルである。
【図7】VI相のIR吸収スペクトルである。
【図8】VIII相のIR吸収スペクトルである。
【図9】IV相のIR吸収スペクトルである。
【図10】III相のIR吸収スペクトルである。
【図11】VII相のIR吸収スペクトルである。
【図12】I相のX線ディフラクトグラム(diffractogram)である。
【図13】II相のX線ディフラクトグラム(diffractogram)である。
【図14】XV相のX線ディフラクトグラムである。
【図15】X相のX線ディフラクトグラムである。
【図16】XI相のX線ディフラクトグラムである。
【図17】XIV相のX線ディフラクトグラムである。
【図18】V相のX線ディフラクトグラムである。
【図19】VI相のX線ディフラクトグラムである。
【図20】VIII相のX線ディフラクトグラムである。
【図21】IV相のX線ディフラクトグラムである。
【図22】III相のX線ディフラクトグラムである。
【図23】VII相のX線ディフラクトグラムである。
【図24】IX相のX線ディフラクトグラムである。
【図25】XIII相のX線ディフラクトグラムである。
【図26】XVI相のX線ディフラクトグラムである。
【図27】III、IVおよびVII相のエネルギー/温度ダイアグラムである。
【図28】I相の熱分析のダイアグラムである。
【図29】II相の熱分析のダイアグラムである。
【図30】III相の熱分析のダイアグラムである。
【図31】IV相の熱分析のダイアグラムである。
【図32】V相の熱分析のダイアグラムである。
【図33】VI相の熱分析のダイアグラムである。
【図34】VII相の熱分析のダイアグラムである。
【図35】VIII相の熱分析のダイアグラムである。
【図36】IX相の熱分析のダイアグラムである。
【図37】XI相の熱分析のダイアグラムである。
【図38】XIV相の熱分析のダイアグラムである。
【図39】XV相の熱分析のダイアグラムである。
【図40】XIV相のラマンスペクトルである。
【図41】XI相のラマンスペクトルである。
【図42】V相のラマンスペクトルである。
【図43】IV相のラマンスペクトルである。
【図44】III相のラマンスペクトルである。
【図45】II相のラマンスペクトルである。
【図46】I相のラマンスペクトルである。
【0013】
発明の詳細な説明
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩が、結晶変態の溶媒和物を形成することができることを見出した。そのような溶媒和物の例は、水からの溶媒和物;メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、またはプロパン−2−オールなどのアルコールからの溶媒和物;酢酸エチルなどの有機エステルからの溶媒和物;アセトニトリルなどのニトリルからの溶媒和物;アセトンおよびブタノンなどのケトンからの溶媒和物;テトラヒドロフランなどのエーテルからの溶媒和物およびクロロホルムなどの塩素化炭化水素からの溶媒和物およびn−ヘプタンまたはトルエンなどの炭化水素の溶媒和物を含む。
好ましい溶媒和物は、極性溶媒、好ましくは水、アルコール、有機エステル、ニトリル、ケトンおよびエーテルを伴って形成する。
【0014】
好ましくは、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩は、アセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、酢酸エチルまたはn−ヘプタンとの結晶変態での溶媒和物を形成し、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩と溶媒との結合は、結晶構造を構築することを意味する。溶媒の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は、当業者には既知なものとして変化することができる。好ましくは、そのモル比は0.25:1〜2.5:1の間、より好ましくは0.5:1〜1:1の間、最も好ましくは1:1である。(n−ヘプタン溶媒和物1/15:1)
【0015】
本発明の溶媒和物は、ある結合していない水、すなわち結晶体の水以外の水を含むことができることを理解すべきである。
【0016】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の溶媒和物の好ましい相は、
a)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトン溶媒和物のI相;(後に定義する)
b)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物のII相;(後に定義する)
c)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物のXV相;(後に定義する)
d)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物のX相;(後に定義する)
e)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩メタノール溶媒和物のXI相;(後に定義する)
f)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩n−ヘプタン溶媒和物のXIV相;(後に定義する)
を含む。
【0017】
一般的に、本発明の特定の結晶相はUS 5,532,241に従って得られる生成物より、ある利点を有する。
他のものの中で、最も重要な利点は、
低下した吸湿性
錠剤化工程中の良好な圧縮性
延長された保存寿命
良好な熱力学的安定性、すなわち熱および湿度に対する安定性
良好な日光、すなわちUV−光に対する抵抗性
増大した体積密度
改善された溶解度、
一つのバッチから他のバッチまで一定の生物学的利用特性
錠剤化工程中の良好な流動性および操作性
改善された色彩安定性
製造工程における良好な濾過特性
である。
【0018】
従って、本発明の結晶相の使用により、改善された均一性(homogenicity)、安定性、純度および一つのバッチから他のバッチまでの均一性を有する、生薬製剤を得ることが可能となる。
【0019】
本発明によるI相は、図1に示されるような特徴的なIR吸収スペクトル、および図12に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、X線粉末回折装置(diffractometer)(Bruker AXS D5000)を、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)で用いて記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定された。スペクトル分解能は、2cm−1である。サンプル調製は、一般的にKBrディスクとして実行された。付加的にスペクトルは、1709cm−1に特異的なアセトン吸収バンドを含む。
【0020】
I相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助でさらに特徴づけることができる。図28は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。I相は、50℃と180℃との間で、脱溶媒工程を示す。熱重量分析による分析は、10重量%〜11重量%(1:1の溶媒和物の理論値10.82重量%)のアセトンの存在を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間に、VII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。
前記結晶変態中の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するアセトンのモル比は1:1であり、それはI相の結晶変態の本発明化合物は、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩モノアセテートであることを意味する。
【0021】
また本発明は、本発明による前記I相を製造するための工程を提供し、それは
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをアセトン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、30℃とアセトンの沸点との間の温度、好ましくは40℃と50℃の間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのI相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートを濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む。
【0022】
代替的に、I相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩 III相を、詳細は後に記載するが、アセトン中に懸濁させること、
(2)数時間または数日、好ましくは10〜20日間、室温で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む工程により、製造することができる。
【0023】
本発明によるII相は、図2に示されるような特徴的なIR吸収スペクトル、および図13に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、X線粉末回折装置(diffractometer)(Bruker AXS D5000)を用いて、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)で記録した。
【0024】
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48で、4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は、2cm−1であった。図に示されるようなスペクトルを、伝送に変換した。
II相は、さらに30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で特徴付けることができる。図29は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。II相は120℃と180℃との間で脱溶媒工程を示す。熱重量分析的による分析は、13重量%〜14重量%(1:1の溶媒和物の理論値13.11重量%)のTHFの存在を示した。DSC測定は、200℃と260℃との間でVII相への相転移を与える。熱分析的に生成VII相は、280℃と290℃の間で融解する。
【0025】
前記結晶変態中の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するテトラヒドロフランのモル比は1:1であり、それは結晶変態中のII相の本発明化合物が、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のテトラヒドロフランとの一溶媒和物であることを意味する。
【0026】
本発明は、また、本発明による前記II相を製造するための工程を提供し、それは、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、10℃と60℃との間の温度、好ましくは20℃と30℃との間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)II相の−10℃と10℃の間での沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥させること
を含む。
【0027】
代替的に、II相は、工程に従って調整することができ、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相を、後に詳細に記載するが、テトラヒドロフラン中に懸濁させること
(2)室温で数時間または数日、好ましくは20〜30日の間、攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネート塩酸塩を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0028】
本発明によるXV相は、図3に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図14に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)のX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて、記録した。
【0029】
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000−400cm−1のスペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は、2cm−1であった。図に示されるスペクトルを伝送に変換した。
XV相は、30〜350度の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴づけることができる。図39は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。XV相は、75℃と180℃の間で、脱溶媒工程を示す。熱重量分析による分析は、13重量%〜14重量%(1:1の溶媒和物の理論値10.82重量%)のTHFの存在を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間に、VII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。前記結晶形態でのテトラヒドロフランの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は1:1であり、それはXV相の結晶変態である本発明化合物が、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のテトラヒドロフランとの一溶媒和物であることを意味する。
【0030】
本発明は、また本発明による上記XV相を調整するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイ−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、−10℃と10℃、好ましくは−5℃と+5℃との間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのXV相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を室温で真空乾燥すること
を含む。
【0031】
本発明によるX相は、図15に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1, PSD)のX線粉末回折回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
【0032】
前記結晶変態における、テトラヒドロフランの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は、0.5:1であり、それは、X相の結晶変態における本発明化合物が、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン半溶媒和物であることを意味する。
【0033】
本発明は、また、本発明による上記X相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、10℃と40℃との間、好ましくは20℃と30との間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのX相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を、濾過により回収し、最大80℃までの温度で乾燥すること
を含む。
【0034】
本発明によるXI相は、図4に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図16に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)のX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて測定した。
【0035】
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は、2cm−1であった。図に示されるスペクトルは、伝送に変換された。
XI相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助でさらに特徴づけることができる。図37は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。XI相は、75℃と150℃との間で脱溶媒工程を示す。熱重量分析による分析は、6重量%〜7重量%(1:1の溶媒和物の理論値6.28重量%)のメタノールの存在を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間に、VII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。
前記結晶変態における、メタノールの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は1:1であり、それはXI相の結晶変態における本発明化合物が、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩メタノール溶媒和物であることを意味する。
【0036】
本発明は、また、本発明による前記XI相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のVI相を、後に詳細に記載するが、メタノール中に、55℃とメタノールの沸点との間の温度で懸濁させること
(2)反応混合物を−40℃と−10℃との間、好ましくは−30℃に冷却すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩メタノレートを、室温で濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0037】
本発明によるXIV相は、図5に示される特徴的なIRスペクトル、および図17に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)のX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
【0038】
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定された。スペクトル分解能は2cm−1であった。図に示されるスペクトルは、伝送に変換された。
XIV相は、30℃〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴付けることができる。図38は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。熱重量分析による分析は、1重量%〜3重量%(15:1の溶媒和物の理論値1.37重量%、10:1の溶媒和物の理論値2.05重量%)のn−ヘプタンの存在を示す。
前記結晶変態における、n−ヘプタンの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は1:10と1:15の間であり、それはXIV相の結晶変態における本発明化合物が、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩n−ヘプタン溶媒和物であることを意味する。
DSC測定は、80℃と120℃との間、および200℃と260℃との間に相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。
【0039】
本発明は、また、本発明による上記XIV相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のIII相を、後に詳細に記載するが、n−ヘプタン中に懸濁させること(2)室温で、数時間または数日間、好ましくは15〜30日間攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩n−ヘプタン溶媒和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0040】
代替的に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩が、結晶変態で水和物を形成することができることが見いだされた。好ましくは、水の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩に対するモル比は、0.25:1〜2.5:1、より好ましくは0.5:1〜1:1の間である。
本発明の水和物は、ある結合していない水、すなわち結晶体の水以外の水を含むことができることを理解すべきである。
【0041】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2− カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物の好ましい相は:
a)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物のV相(後に定義する)
b)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のVI相(後に定義する)
c)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物のVIII相(後に定義する)
【0042】
本発明によるV相は、図6に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図18に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,
PSD)でのX線粉末回折回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定された。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調製は、一般的にKBrディスクとして実行された。
【0043】
V相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助でさらに特徴づけることができる。図32は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。V相は、25℃と100℃との間で脱水工程を示す。熱重量分析による分析は、3重量%〜4重量%(1:1の溶媒和物の理論値3.63重量%)の水の存在を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間にVII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物のV相は、高湿度下での安定性に関して、驚くべき利点を有する。本発明によるV相は、明確な結晶の形態で無色固体物質として得られる。
【0044】
本発明は、また、本発明による上記V相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、塩化水素水溶液の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのV相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0045】
代替的に、V相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、後に詳細に記載するが、IV相に関して5〜10倍の水中で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物を濾過により回収し、過剰の水のないV相の一水和物が形成するまで、室温で真空乾燥すること
を含む工程により製造することができる。
【0046】
代替的に、V相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相を、後に詳細に記載するが、水中で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン 塩酸塩一水和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む工程により製造することができる。
【0047】
本発明によるVI相は、図7に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図19に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて、記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調製は、一般的にKBrディスクとして実行された。
【0048】
VI相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴付けることができる。図33は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。25℃と100℃との間で、脱水工程を示す。熱重量分析による分析は、6重量%〜7重量%(1:1.75の溶媒和物の理論値6.19重量%)の水の存在を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間にVII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃の間で融解する。
【0049】
本発明は、また、本発明による上記VI相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、後に詳細に記載するが、水中で攪拌し、ここで、水に対する塩の相対的割合は、1:5と1:10との間であり、
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2− カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩三二水和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0050】
代替的に、本発明によるVI相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を、上記したように、水中で1時間攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン 塩酸塩三二水和物を、濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む工程により製造することができる。
【0051】
本発明によるVIII相は、図8に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図20に示される特徴的なX線回折パターンを示す。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)のX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定された。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調製は一般的にKBrディスクとして実行された。
【0052】
VIII相は、30℃〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴付けることができる。図35は、DSC(TAInstruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。VIII相は、25℃と125℃との間で脱水工程を示す。熱重量分析による分析は、1重量%〜2重量%(1:0.5の溶媒和物の理論値1.85重量%)の水の存在を示す。DSC測定は、生成したIX相の268℃付近での融解を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃との間で融解する。
【0053】
本発明は、本発明による上記VIII相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VI相を、上記したように、水中で12時間以上攪拌すること
(2)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む。
【0054】
代替的に、VIII相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を、上記したように、水中で12時間攪拌すること
(2)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物を濾過により回収し、室温で真空乾燥すること
を含む工程により製造することができる。
【0055】
さらに、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩 は無水物としての結晶変態を形成することが見出された。本発明の無水物は、ある結合していない水、すなわち結晶体の水以外の水を含むことができることを理解すべきである。
【0056】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩無水物の好ましい相は、
a)IV相での1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩;(後に定義する)
b)III相での1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩;(後に定義する)
c)VII相での1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩;(後に定義する)
d)IX相での1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩;(後に定義する)
を含む。
【0057】
本発明によるIV相は、図9に示される特徴的なIR吸収スペクトル、および図21に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて測定された。
【0058】
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定された。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調製は、一般的にKBrディスクとして実行された。
【0059】
IV相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴づけることができる。図31は、DSC(TA Instruments DSC 2920)、およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間で、VII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃との間で融解する。
【0060】
その結晶性質が原因で、本発明による1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相は、その溶解性に関し、および固体状投与形態への薬学的処理に対し、驚くべき利点を有する。水中でのIV相の溶解度は0.328μg/mlである。本発明によるIV相 は、無色固体物質として、明確な結晶の形態で得られる。図27に示されるように、IV相は、より高温、例えば>100℃でもっとも安定な相である。
【0061】
本発明は、また、本発明による上記IV相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、塩化水素酸水溶液の添加により、20℃と30℃との間の温度で塩酸塩に変換すること
(3)室温でのV相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物V相を濾過により回収すること
(5)IV相を得るために、85〜90℃の温度で真空でV相を乾燥すること
を含む。
【0062】
代替的に、IV相は、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩モノメタノレートXI相を、上記したように、55℃と65℃との間の温度で、IV相を与えるように乾燥すること
を含む工程に従って製造することができる。
【0063】
この特定の多形相(ここで“IV相”と指定する)は、他の結晶形態よりも優れた性質を有し、および薬学的製剤における含有により適している。
本発明によるIII相は、図10に示される特徴的なIR吸収スペクトル、図22に示される特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48での4000〜400cm−1スペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調製は、KBrディスクとして一般的に実行された。
【0064】
III相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助でさらに特徴付けることができる。図30は、DSC(TA Instruments DSC 2920)、およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。DSC測定は、200℃と260℃との間で、VII相への相転移を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃との間で融解する。
【0065】
その結晶性質が原因で、本発明による1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相は、室温で最も安定な相であり、それは室温で熱力学的に安定な相であることを意味する(図27)。本発明によるIII相は、無色固体物質として、明確な結晶の形態で得られる。
【0066】
本発明は、また、本発明による上記III相を製造するための工程を提供し、それは:
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、1N塩酸の添加により、10℃と40℃との間、好ましくは20℃と30℃の間の温度で、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのII相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4− (2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を、濾過により回収すること
(5)少なくとも100℃の温度で、III相を与えるように、II相を真空乾燥すること
を含む。
【0067】
本発明によるVII相は、図11に示されるような特徴的なIR吸収スペクトル、および図23に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
IR吸収スペクトルは、Bruker IFS48の4000〜400cm−1のスペクトル範囲で測定した。スペクトル分解能は2cm−1であった。サンプル調整は一般的にKBrディスクとして実行された。
【0068】
VII相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助で、さらに特徴付けることができる。図34は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。DSC測定は、288℃で純粋なVII相の融点を示す。
【0069】
VII相は、本発明による1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の高温相である。本発明によるVII相は、明確な結晶の形態で無色個体として得られる。
【0070】
本発明はまた、本発明による上記VII相を製造するための工程を提供し、それは
(1)上記したように、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、少なくとも200℃、好ましくは250℃、30分間調節すること
を含む。
【0071】
本発明によるIX相は、図24に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1,PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
IX相は、30〜350℃の範囲で測定される熱分析の補助でさらに特徴づけることができ、図36は、DSC(TA Instruments DSC 2920)およびTGA(TA Instruments TGA 2950)測定を示す。DSC測定は、267℃でIX相が融解した後、VIIを形成させる再結晶を与える。熱分析的に生成するVII相は、280℃と290℃との間で融解する。
【0072】
本発明によるIX相は、明確な結晶の形態で、無色個体物質として得られる。
本発明はまた、本発明による上記IX相を製造するための工程を示し、それは
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VIII相を、上記したように、IX相を与えるように90℃と110℃の間の温度で乾燥すること
を含む。
【0073】
付加的に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩結晶変態相が見出された。
本発明の二塩酸塩は、ある結合していない水、すなわち結晶体の水以外の水を含むことができることを理解すべきである。
【0074】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイルベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩の好ましい相は、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩のXIII相である。(後に定義する)。
【0075】
本発明によるXIII相(二塩酸塩)は、図25に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1, PSD)でのX線粉末(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
【0076】
本発明によるXIII相は、明確な結晶の形態で、無色個体の物質として得られる。
本発明はまた、本発明による上記XIII相を製造するための工程を提供し、それは
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを、テトラヒドロフラン、エタノール、イソプロパノール、またはそれらの水との混合物からなる群から選択される有機溶媒に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、2N又は濃塩酸の添加により、20℃と30℃との間の温度で、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのXIII相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相を濾過により回収すること
(5)室温で、XIII相を真空乾燥すること
を含む。
【0077】
好ましくは、本発明の溶媒和物は、活性原料成分を最終投薬形態へ容易に形成することができる、緻密な結晶構造を有する相である。
付加的に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XVI相が見出された。
本発明によるXVI相は、図26に示されるような特徴的なX線回折パターンを有する。XRDパターンは、伝送モード(Cu K alpha 1, PSD)でのX線粉末回折装置(Bruker AXS D5000)を用いて記録した。
【0078】
本発明は、また、本発明による上記XVI相を製造するための工程を提供し、それは
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩をモル比1:1のアセトニトリルおよび水に溶解させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XVI相を与えるように、一晩、凍結乾燥またはスプレー乾燥すること
を含む。
【0079】
同様に、凍結乾燥工程は、水混和性有機溶媒(テトラヒドロフラン、アルコール、N−メチルピロリドン)と水との他の混合物で実行することができる。
付加的に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩の純粋なアモルファス形態が見出された。
その溶解性および生物的利用可能性により、II相およびVIII相は、徐放性製剤の原料として有用である。II相は、とりわけ徐放性製剤の原料として有用である。
【0080】
I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XVおよびXVI相と称する、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩または二塩酸塩のこれらの相それぞれが、および後に“本発明の生成物”と称するすべてが、障害:
特殊型疾患である大うつ病性障害、および気分変調性障害を含む抑うつ障害、青年期鬱病、広場恐怖症、広場恐怖症、強迫性残像(spectrum)、対人恐怖、新規恐怖症、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス兆候、または全般性不安障害を含む特定の病的恐怖を伴って、および/または伴わない特殊型パニック障害から選択される特殊型不安障害を含む不安障害、双極性障害、熱狂、アルツハイマー病および多発脳梗塞を含む痴呆、物質放出疾患、早漏を含む性的機能不全、拒食症および多食症および/または肥満症を含む摂食障害、線維筋痛、慢性疼痛、睡眠異常症およびナルコレプシーを含む睡眠障害、精神病、統合失調症または統合失調性感情障害のような精神疾患、ストロークおよび脳虚血のような脳梗塞、緊張などのCNS疾患
を処置および予防するために用いることができる。
【0081】
それらはまた、高血圧の処置(例えばα−メチルドーパと共に)における副作用の治療ならびに脳障害の予防および治療、内分泌学的および婦人科学的に、例えば、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、または好ましくない産褥性乳汁分泌の処置に有益である。
これらの障害は、後に“疾患”と証拠する。
本発明は、また、本発明の生成物を含む薬学的組成物または薬剤を提供する。薬学的組成物は、1種または2種以上の通常の補助的物質および/またはキャリアを付加的に含有することができる。
【0082】
従って、本発明の生成物は、経口的および非経口的形態の投与を含む通常形態の投与に形成することができる。タブレットまたはカプセルが好ましい製剤である。それらは通常の混合工程により、ならびにバインダー、錠剤分解物質、香味料などに加えて通常の補助物質およびキャリアを用いて製造することができる。その一服はUS 5,532,241に示されるものと一致する。
【0083】
付加的に、本発明は、疾患を処置するための本発明の生成物を、少なくとも1種含有する薬学的組成物の使用に関する。
【0084】
以下の組成物が好ましい:
IV相およびV相が含む組成物
IV相およびV相をモル比が約100:1〜10:1で含む組成物
IV相およびV相の混合物から本質的になる活性原料を含む薬学的製剤
モル比が約100:1〜10:1であるIV相およびV相の混合物から本質的になる活性原料を含む薬学的製剤
I相および/またはIII相および/またはVIII相を含む徐放性製剤もまた好ましい。
【0085】
さらに、本発明は、抑うつ障害、青年期鬱病、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、慢性疼痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張などの疾患の処置および予防に対する薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を製造するための本発明の生成物の使用に関する。
【0086】
本発明は、本発明の生成物の有効量および/または予防量を、必要な人々に投与することにより、1種または2種以上の疾患を処置および/または予防する方法をさらに提供する。
好ましくは、処置される疾患は、憂鬱、不安障害、より好ましくは、社会不安障害、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、および/または強迫性障害である。
従って、本発明は、活性原料としてこの多形相を含む薬学的製剤、ならびにこの多形相およびある障害の処置におけるその製剤の使用に、さらに関係している。
【0087】
ある状態の処置のためには、本発明の特定の結晶と併せて、他の薬理的活性剤を用いることが望ましい。本発明の化合物を、他の治療剤とともに、同時使用、分離使用、または嘔吐を軽減するために逐次使用の組み合わされた製剤として提供することも高く評価されるだろう。そのような組み合わされた製剤は、例えばツインパックの形態とすることができる。
【0088】
更なる詳述はしないが、当業者は、先の記述を用いて、本発明を最大限に活用することを確信する。好ましい特定の態様および例は、従って、単に例示的として解釈し、いかなる方法でも記述の他のものに限定してはならない。
本明細書中のすべての明細書、特許、および刊行物は、参考文献として組み込まれている。
【実施例】
【0089】

例1:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のI相の製造:
方法1:
1gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを80mlのアセトンに溶解させる。溶液の温度を50℃にして、0.5mlの1N塩酸を反応混合物に加える。2〜3分間攪拌した後、反応混合物を室温に放冷すると沈殿が起こる。沈殿した結晶の吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートI相をもたらす。
方法2:
2.25gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相を200mlのアセトンに分散させる。14日間攪拌した後、沈殿結晶を濾過により回収し、室温で恒量まで真空乾燥すると1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートI相をもたらし、それは図1のIR吸収スペクトルおよび図12のX線回折スペクトルを与える。
【0090】
例2:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のII相の製造:
方法1:
1gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを46.6gのテトラヒドロフラン中に溶解させ、2.2gの1N塩酸を反応混合物に加える。30分間攪拌して沈殿した後、沈殿結晶の吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン一溶媒和物II相をもたらし、それは図2のIR吸収スペクトルおよび図13のX線回折スペクトルを与える。
方法2:
3gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相を、400mlのテトラヒドロフラン中に分散させる。20日間攪拌した後、沈殿結晶を濾過により回収する。室温で恒量まで真空乾燥すると1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物II相をもたらす。
【0091】
例3:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XV相の製造:
10mlの1N塩酸を、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のテトラヒドロフラン溶液[200ml](テトラヒドロフランを基準にしたモル比=1:48)に0℃で加える。30分間攪拌した後、沈殿結晶を濾過により回収する。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物XV相をもたらし、それは図3のIR吸収スペクトルおよび図14のX線回折スペクトルを与える。
【0092】
例4:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩X相の製造:
8.6gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に溶解させ、19.4mlの1N塩酸および7.4mlの水を35〜37℃で、この溶液に30分以内で加える。5時間攪拌した後、沈殿が起こり、吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物X相をもたらし、それは、図15のX線回折スペクトルを与える。
【0093】
例5:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XI相の製造:
3gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、500mlのメタノール中に60℃で分散させる。その反応混合物を−30℃に冷却すると沈殿が起こる。沈殿結晶の吸引濾過が室温で効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩メタノレートのXI相をもたらし、それは図4のIR吸収スペクトルおよび図16のX線回折スペクトルを与える。
【0094】
例6:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XIV相の製造:
3.6gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相を75mlのn−ヘプタン中に分散させる。3週間攪拌した後、室温での沈殿結晶の吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩n−ヘプタン溶媒和物XIV相をもたらし、それは図5のIR吸収スペクトルおよび図17のX線回折スペクトルを与える。
【0095】
例7:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイルベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩V相の製造:
方法1:
1gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンと32.6gのテトラヒドロフランとの溶液に、2.1gの塩酸(37重量%)を加える。攪拌後、沈殿結晶の吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物V相をもたらし、それは図6のIR吸収スペクトルおよび図18のX線回折スペクトルを与える。
方法2:
2.25gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン 塩酸塩IV相を、10g〜20gの水に分散させる。24〜48時間攪拌した後、結晶を濾過で回収し、室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物のV相をもたらす。
方法3:
10gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相を、1lの水に分散させる。48時間攪拌した後、結晶を濾過で回収し、室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物V相をもたらす。
【0096】
例8:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VI相の製造:
方法2:
10gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を、100mlの水に分散させる。1時間攪拌した後、結晶を濾過で回収し、室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物VI相をもたらす。
【0097】
例9:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VIII相の製造:
方法1:
1gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩 VI相を、10mlの水に分散させる。12時間攪拌した後、結晶を濾過で回収し、室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物VIII相をもたらし、それは図8のIR吸収スペクトルおよび図20のX線回折スペクトルを与える。
方法2:
10gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を、10〜20gの水に分散させる。1時間以上攪拌した後、結晶を濾過で回収した後、室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物VIII相をもたす。(約1時間攪拌すると、VI相が中間体として生成し、その後VIII相に変換される)
【0098】
例10:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相の製造:
方法1:
例7に従って製造されたV相を、85〜95℃で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相をもたらし、それは図9のIR吸収スペクトルおよび図21のX線回折スペクトルを与える。
方法2:
例5に従って製造されたXI相を、60℃で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相をもたらす。
【0099】
例11:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相の製造:
例2に従って製造されたII相を、100〜110℃で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相をもたらし、それは図10のIR吸収スペクトルおよび図22のX線回折スペクトルを与える。
【0100】
例12:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VII相の製造:
例10に従って製造されたIV相を、10分間250℃に調節すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VII相をもたらし、それは図11のIR吸収スペクトルおよび図23のX線回折スペクトルを与える。
【0101】
例13:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IX相の製造:
例9に従って製造されたVIII相を、100〜110℃で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IX相をもたらし、それは図24のX線回折スペクトルを与える。
【0102】
例14:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相の製造:
3gの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを、100mlのテトラヒドロフランおよび2N塩酸または濃塩酸10mlに溶解させる。2〜3分攪拌した後の沈殿結晶を吸引濾過が効果的である。室温で恒量まで真空乾燥すると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相をもたらし、それは図25の特徴的なX線回折スペクトルを与える。
【0103】
例15:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩XVI相の製造:
方法1:凍結乾燥
500mgの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン塩酸塩IV、III、VIIまたはIX相を、100mlのアセトニトリルおよび100mlの水の混合物に溶解させる。その溶液を一晩、凍結乾燥すると、500mgの白色粉をもたらし、それは図26の特徴的なX線回折スペクトルを与える。
利点:
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩は、それぞれの溶媒単独よりも溶媒混合物の方が溶解性がよい。同様に凍結乾燥工程は、水混和性有機溶媒(テトラヒドロフラン、アルコール、N−メチルピロリドン)と水との他の混合物でも実行することができる
方法2:
b)スプレードライ
500mgの1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV、III、VIIまたはIX相を、100mlのアセトニトリルおよび100mlの水の混合物に溶解させる。その溶液をスプレードライすると、XVI相をもたらす。
【0104】
例16:
Alex Avdeef et al, Pharm. Pharmacol. Commun. 1998,4,165-178およびAlex Avdeef et al, Pharmaceutical Research 2000,17,85-89に従い、電位差滴定法により、II、III、IV、V、VIおよびVIII相の溶解性データを測定する。
【0105】
pSOLTM溶解度観測記録装置は、ポテンショメトリックデータを自動的に収集し、pH−溶解度プロフィルを計算し、0.1pH単位間隔で値をプリントする。ミリグラム、マイクログラムおよびナノグラムレベルでの固有の溶解度を決定することができる。また、2つの新しいコンセプトである、フラックスファクタープロフィル(Flux Factor Profile)および線量限度プロフィル(Dose Limit Profile)も与えられる。双方のコンセプトは、BioPharmaceutics Classification Schemeに一致したガイドラインに従っている。
【0106】
【表1】

以下に、それぞれの相のIRスペクトルの最も関連したピークを示す:
【0107】
【表2】

【0108】
【表3】

【0109】
【表4】

【0110】
【表5】

【0111】
【表6】

【0112】
【表7】

【0113】
【表8】

【0114】
【表9】

【0115】
【表10】

【0116】
【表11】

【0117】
【表12】

【0118】
個々の相のラマンスペクトルの最も関係のある推定精度+/−5cm−1 有するピークを以下に示す。
【表13】

【0119】
【表14】

【0120】
【表15】

【0121】
【表16】

【0122】
【表17】

【0123】
【表18】

【0124】
【表19】

【0125】
表III
多形相の粉末XRDパターンのデータ
(それぞれの多形の10個の特徴的なピークを評価のために取り上げた。XRD装置は、2シータ±0.1°で制御される。)
【表20】

【0126】
【表21】

【0127】
【表22】

【0128】
【表23】

【0129】
【表24】

【0130】
【表25】

【0131】
【表26】

【0132】
【表27】

【0133】
【表28】

【0134】
【表29】

【0135】
【表30】

【0136】
【表31】

【0137】
【表32】

【0138】
【表33】

【0139】
【表34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩溶媒和物の結晶変態である化合物。
【請求項2】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩モノアセトネートの結晶変態Iである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項3】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン一溶媒和物の、結晶変態IIである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項4】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン一溶媒和物の、結晶変態XVである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項5】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン半溶媒和物の、結晶変態Xである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項6】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩モノメタノレートの結晶変態XIである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項7】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩n−ヘプタン一溶媒和物の、結晶変態XIVである、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用であって、抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のための薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を、製造するための前記使用。
【請求項10】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩水和物の結晶変態である化合物。
【請求項11】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物の結晶変態Vである、請求項10に記載の水和物。
【請求項12】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩三二水和物の結晶変態VIである、請求項10に記載の水和物。
【請求項13】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物の結晶変態VIIIである、請求項10に記載の水和物。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれかに記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項15】
請求項10〜13のいずれかに記載の化合物の使用であって、抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のための薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を、製造するための前記使用。
【請求項16】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩無水物の結晶変態である、化合物。
【請求項17】
結晶変態IVである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
結晶変態IIIである、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
結晶変態VIIである、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
結晶変態IXである、請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
請求項16〜20のいずれかに記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項22】
請求項16〜20のいずれかに記載の化合物の使用であって、抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のための薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を、製造するための前記使用。
【請求項23】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩の結晶変態である、化合物。
【請求項24】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩であって、結晶変態XIIIである、請求項23に記載の二塩酸塩。
【請求項25】
請求項23または24に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項26】
請求項23または24に記載の化合物の使用であって、抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のための薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を、製造するための前記使用。
【請求項27】
1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩のアモルファスである化合物。
【請求項28】
請求項27に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項27に記載の化合物の使用であって、抑うつ障害、不安障害、双極性障害、熱狂、痴呆、物質放出障害、性的機能不全、摂食障害、肥満症、線維筋痛、睡眠障害、精神障害、脳梗塞、緊張の処置および予防のための薬剤、高血圧、脳障害、慢性疼痛、末端肥大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経前症候群、および好ましくない産褥性乳汁分泌の処置における副作用を治療するための薬剤を、製造するための前記使用。
【請求項30】
請求項2に記載のI相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをアセトン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、30℃とアセトンの沸点との間の温度、好ましくは40℃と50℃との間の温度で、1Nの塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのI相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートを濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項31】
請求項2に記載のI相を製造する工程であって、
(1)請求項18に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相をアセトン中に懸濁させること
(2)数時間または数日間、好ましくは10〜20日間、室温で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートを濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項32】
請求項3に記載のII相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、10℃と60℃との間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのII相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項33】
請求項3に記載のII相を製造する工程であって、
(1)請求項18に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩III相をテトラヒドロフラン中に懸濁させること
(2)数時間または数日間、好ましくは15〜30日間、室温で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩アセトネートを濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項34】
請求項4に記載のXV相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンをテトラヒドロフラン中に分散せること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、−10℃と10℃との間の温度で1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのXV相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項35】
請求項5に記載のX相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを、テトラヒドロフランに分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、10℃と40℃の間の温度で、1N塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのII相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物を濾過により回収し、および最高80℃までの温度で乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項36】
請求項6に記載のXI相を製造する工程であって、
(1)請求項12に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VI相を、55℃とメタノールの沸点との間の温度で、メタノール中に分散させること
(2)反応混合物を−40℃と−10℃との間の温度に冷却すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩メタノレートを、室温で濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項37】
請求項11に記載のV相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを、テトラヒドロフラン中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、塩酸水溶液の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのV相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物を、濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項38】
請求項11に記載のV相を製造する工程であって、
(1)請求項17に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、IV相に関して5〜10倍量の水中に攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物を、濾過により回収し、および過剰な水のない一水和物V相の形成まで、室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項39】
請求項11に記載のV相を製造する工程であって、
(1)請求項24に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相を水中で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩一水和物を、濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項40】
請求項12に記載のVI相を製造する工程であって、
(1)請求項17に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を水中で攪拌すること、ここで塩の水に対する相対的割合が1:5と1:10との間であること、
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩三二水和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項41】
請求項12に記載のVI相を製造する工程であって、
(1)請求項2に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を水中で、少なくとも1時間攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩三二水和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項42】
請求項13に記載のVIII相を製造する工程であって、
(1)請求項12に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩三二水和物VI相を、12時間以上水中で攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項43】
請求項13に記載のVIII相を製造する工程であって、
(1)請求項2に記載した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩II相を、水中で12時間攪拌すること
(3)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩半水和物を濾過により回収し、および室温で真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項44】
請求項17に記載のIV相を製造する工程であって、
(1)請求項11に記載のV相を、85℃〜90℃の温度で真空乾燥することを含む前記工程。
【請求項45】
請求項17に記載のIV相を製造する工程であって、
(1)請求項6に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩モノメタノレートXI相を、55℃と65℃との間の温度で乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項46】
請求項18に記載のIII相を製造する工程であって、
(1)請求項3に記載のII相を、少なくとも100℃の温度で真空乾燥させること
を含む前記工程。
【請求項47】
請求項19に記載のVII相を製造する工程であって、
(1)請求項17に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩IV相を、少なくとも200℃の温度で調節すること
を含む前記工程。
【請求項48】
請求項20に記載のIX相を製造する工程であって、
(1)請求項13に記載の1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩VIII相を、90℃と110℃との間の温度で乾燥させること
を含む前記工程。
【請求項49】
請求項24に記載のXIII相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジンを、テトラヒドロフラン、エタノール、イソプロパノール、またはそれらと水との混合物からなる群から選択される有機溶媒中に分散させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩基を、20℃と30℃との間の温度で、2N塩酸または濃塩酸の添加により、塩酸塩に変換すること
(3)室温でのXIII相の沈殿
(4)沈殿した1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン二塩酸塩XIII相を濾過により回収すること
(5)室温でXIII相を真空乾燥すること
を含む前記工程。
【請求項50】
請求項27に記載のXVI相を製造する工程であって、
(1)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩 IV、II、VIIまたはIX相を、モル比1:1のアセトニトリルおよび水に溶解させること
(2)1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイル−ベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン塩酸塩 XVI相を与えるように、一晩、凍結乾燥またはスプレードライすること
を含む前記工程。
【請求項51】
請求項17に記載のIV相および請求項11に記載のV相を含有する組成物。
【請求項52】
請求項17に記載のIV相および請求項11に記載のV相を、約100:1〜10:1のモル比で含有する組成物。
【請求項53】
請求項17に記載のIV相および請求項11に記載のV相の混合物から本質的になる活性成分を含有する薬学的製剤。
【請求項54】
請求項17に記載のIV相および請求項11に記載のV相の混合物から本質的になる活性成分を、約100:1〜10:1のモル比で含有する薬学的製剤。
【請求項55】
請求項51および/または52に記載の組成物の薬剤の製造のための使用。
【請求項56】
請求項2に記載のI相、および/または請求項18に記載のIII相、および/または請求項13に記載のVIII相を含有する徐放性製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2010−132688(P2010−132688A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25039(P2010−25039)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2003−506267(P2003−506267)の分割
【原出願日】平成14年6月5日(2002.6.5)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】