説明

1つ以上の処理流体によりマイクロエレクトロニクス半製品を処理するために用いられる道具において使われる隔壁構造およびノズル装置

【課題】本発明は、液体、気体、流動粉体、分散、これらの組合せ等を含む1つ以上の処理流体によりマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。
【解決手段】被処理半製品の上に配置され、そして少なくとも一部分を覆う下側表面102を有する隔壁板102であって、隔壁板102の下側表面106と半製品と間の距離は隔壁板102の外周に向かう方向において先細りとなる隔壁板102と、隔壁板102の下側表面106と流れが連通するように隔壁構造14内に設けられた吸引通路であって、隔壁板102の下側表面106上の液体を隔壁板102の下側表面106上から吸引して抜き取ることができる吸引通路と、吸引通路と流れが連通している真空源であって、真空源及び吸引通路は、真空源が吸引通路に適用されると隔壁板102の下側表面106上の液体が隔壁板102の下側106から吸引されて抜き取られるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
この非仮出願の特許出願は、2006年7月7日に出願され、発明の名称が、「1つ以上の処理流体によりマイクロエレクトロニクス半製品を処理するために用いられる道具において使われる隔壁構造およびノズル装置」である米国仮出願第60/819,133の優先権を米国特許法第119条(e)に基づいて主張し、上記仮出願の全体は参照により本願に盛り込まれる。
【0002】
本発明は、液体や気体を含む1つ以上の処理流体を用いてマイクロエレクトロニクス基板を処理するために用いられる道具のための隔壁板および分配アセンブリに関する。より特定的には、本発明は、改善された流体の流れ、流体の封じ込め、熱的適応、および/または乾燥能力を有する隔壁板および分配アセンブリを含むような道具に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス産業は、マイクロエレクトロニクス装置を製造するために様々な工程に頼る。多くの工程は、所望の製法にしたがって、様々な種類の処理流体が半製品に接触する一連の処理を含む。これらの流体は、液体、気体、またはそれの混合物であり得る。いくつかの処理においては、固体は、液体の中に漂いまたは溶解され、または気体中に引っ張られ得る。適切な廃棄処理、再生利用、気体の封じ込め、工程監視、工程制御、または他の操作を含む様々な理由のために、これらの処理流体を捕獲したり回収したりすることが非常に望ましい。
【0004】
一つの捕獲技術は、処理流体を捕獲するために適切に配置された導管を用いることを含む。例えば、マイクロエレクトロニクス産業における典型的な製造装置は、処理室の中において、固定取付け盤、回転する回転体、または回転可能なチャックのような適切な支持体上に1つ以上の半製品を支持することを含む。1つ以上の導管は、支持体の外周の周りにおいて少なくとも部分的に配置されている。処理流体が処理室に導入されるときに、排気は、1つ以上の導管に処理流体を引込むために用いられ得る。回転する支持体に関しては、遠心力により、回転している半製品および/または支持体の上の流体は、回転軸から導管に向かって半径方向の外側に流れる。
【0005】
慣例的には、道具は、様々な処理流体を捕獲する単一の導管を含み得る。しかしながら、このような単一の導管を用いることは、全ての例において望ましいとは限らない。例えば、いくつかの処理流体は、他の処理材料の存在下で、非常に反応性が高くなるだろう。他の時においては、異なる捕獲条件を用いながら他の流体を捕獲することが望ましいであろう。さらに他の時においては、再利用が所望されている時のように、他の流体による汚染を避けるために専用の導管に流体を捕獲することが望ましいであろう。
【0006】
したがって、複数の積み重なった互いに固定された導管を含む道具が用いられてきた。半製品支持体および/または積層された導管それ自体は、適切な導管を所定の位置に配置するために、上げられたり下げられたりする。この慣例の方法は、重大な欠陥を受ける。積層された導管は、高密度の道具のパッケージ化をより困難にする。様々な導管は、半製品に向かって常に開口し、および/または、排気水準が個別に制御されないために二次汚染も受けるだろう。いくつかの慣例的な導管システムは、排気流れの液体と気体の構成成分を分離する能力も有していないであろう。導管の構造自体が移動可能であるいくつかの道具においては、外側の配管への排水および排気の接続が移動しなければならず、それ故に、道具の設計、製造、使用および点検に対して過度の複雑さが加わる。
【0007】
柔軟性を有する管システムを盛り込んだ革新的な道具は、譲受人の同時係属中の米国特許出願公開US−2007/0022948−A1(以下、同時係属中の出願No.1という)、および出願番号が11/376996であり、Collinsらの名において、2006年3月15日に出願され、代理人整理番号No.FS10166USが責任を有する、名称が「1つ以上の処理流体を用いてマイクロエレクトロニクス半製品を処理するために使われる道具に用いられる隔壁構造およびノズル装置」である譲受人の同時係属中の米国特許出願(以下、同時係属中の出願No.2という)に記載されている。これらの同時係属中の米国特許出願の全体は、全ての目的のために参照により本願に組み込まれる。同時係属中の米国特許出願の「処理部分11」は、有利にも、1つ以上の導管の通路が選択的に開閉される入れ子になった導管の機構を含む。例えば、構造が相対的に離れて移動するときに、導管の通路が開いて、そして構造同士の間で大きくなる。構造が相対的に共に動くときに、構造同士の間の導管が絞られて、そして大きさが小さくなる。好ましい形態においては、複数の導管が、移動可能な導管の構造がどのように配置されているかに依存して、同じ空間の体積に存在し得る。このように、複数の導管は、単一の導管により占められる体積によりも最小限に大きな体積を占め得る。導管は、再利用、廃棄、または他の操作のために、液体および/または気体を含む様々な処理流体を捕獲するために用いられる。様々な処理流体は、二次汚染を最小限にし、および/または、様々な流体の単一の捕獲手順を用いるために、異なり独立した導管に回収される。導管構造の入れ子の特徴のために、導管システムは極めて小型でもある。
【0008】
これらの同時係属中の米国特許出願は、革新的なスプレーノズル/隔壁構造も記述している。この構造は、スプレー、中央分配、およびシャワーヘッドによるような複数の態様により、処理材料を分配する能力を含んでいる。隔壁構造は、下に配置される半製品の上に配置されている。隔壁構造の下側表面は、半製品の上側に先細りの流れの流路を画定するように形成されている。この取組みは、多くの利点を提供する。先細りの流路は、再循環の領域を最小にしながら、半製品の中心から外側に向かう径方向の流れを促進する。先細りは、半製品の外側の端に近づきながら流れる流体の速度を滑らかに収束させ、また、増加させる。このことは、気体のはね散らしの影響を減少させることに役立つ。下側表面の角度は、下側表面の液体が外周に向かって流れさせる助けにもなる。先細りの構成は、半製品の上側に戻る粒子の再循環を減少させることにも役立つ。その構成は、流体のより優れた封じ込めにより化学的な再生効率を促進することにも役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの全ての利点にも関わらず、さらなる改良がまだ望まれている。はじめに、半製品を取り扱う期間中に、隔壁構造の下側表面は、処理中に使われる液体の滴または膜を支持するだろう。サイクル時間に過度の影響を与えることなしに素早く、隔壁構造の下側表面を効果的に清浄し、および/または乾燥させる方法を見つけることが望ましいであろう。
【0010】
もう一つの問題点として、半製品の中央の領域は、下に配置される半製品のほぼ半径のみに及ぶスプレー棒により処理されるときに、より小さな程度で処理される傾向があることが観察されてきている。しかし、半径に及ぶスプレー棒を用いることは、全直径に及ぶスプレー棒よりも製造を容易にするために望ましく、または、半製品の中央の近傍に流れを分配することが望まれるときには望ましい。このように、半径のスプレー棒の処理の一様性を改善することが望ましいであろう。
【0011】
また、既に知られた隔壁構造は、一体的な部材としてスプレー棒の機構を盛り込む。一体的な構成部品は、比較的大きな熱容量を有する。加熱された材料がスプレー棒機構を通じて分配されるときに、一体的な構成部品の大きな熱容量の熱だめ効果は、分配された材料を冷却し、半製品に接触する材料の温度一様性に影響を及ぼしうる。このことは、好ましくない様に処理能力に影響を与える。このように、望ましくない熱的な影響を最小にする必要性を有する。
【0012】
さらに、処理室において、霧の封じ込めに関する問題点を有する。隔壁構造の中央の領域は、概して処理期間中においても開放している。中央の領域は、空気の流れを許容し、配管の構成部品などが分配の構成部品に導かれる煙突に酷似して機能する。処理の期間中に、特に噴出し処理の期間中において、いくつかの分配された材料は、煙突を通じて上側に逃れる傾向があるだろう。空気の流路が開いた状態のままである一方で、処理室の中に材料を収容しておくことが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、液体、気体、流動化した固体、分散、これらの混合物などを含む1つ以上の処理材料によりマイクロエレクトロニクス半製品を処理するための道具を提供する。本発明は、迅速で効果的な濡れた表面の洗浄および/または乾燥のための方法を提供し、そして、半製品の上側に先細りの流路を画定するような形態で、処理される半製品の上に配置される隔壁板の様な移動可能の隔壁構造の下側表面を乾燥するために用いられるときに特に有利である。典型的な実施形態においては、隔壁構造の下側表面は、下側表面の液体を捕集および/または収容する機構(溝または他の表面の窪みまたはリム、タブまたは表面からの他の突起を含む)の機構が提供される。吸引技術および/または毛細管現象技術(wicking technique)は、そのときに、たとえば表面を乾燥するために、集められまたは収容された液体を除去するために用いられる。この技術は、同じ表面に接触させる乾燥気体または同種のものを組み合わせて用いられるときに、特に早く効果的である。吸引された流体は、様々な方法で抜き取られる。例えば、吸引の入口は、隔壁構造の下側表面に、外側端に、または隔壁構造に流体的に連通して配置されている分離された構成部品に配置され得る。
【0014】
本発明は、噴出し機構と隔壁板との間の熱的な影響を最小にする計略も提供する。譲受人の同時係属中の出願No.1および2は、噴出し機構および隔壁板が単一で一体的であり、比較的な大きい熱容量の構成部材である装置を記述している一方で、本発明のいくつかの態様は個別の構成部材として、これらを提供することを含む。比較的低い熱容量の噴出し機構は、より迅速におよびより一様に加熱する。言い換えれば、隔壁板がスプレー棒のための熱だめとして機能する程度が最小化される。噴出し機構および隔壁構造が個別の構成部材として設けられることにより、それぞれの構成部品は、より目的に合致した材料から独立して組み立てることができる。様々な材料が様々な熱膨張率を有することを認識すると、発明の好ましい態様では、これらの構成部品の間の熱膨張率の差に適応する態様で、噴出し機構を隔壁板に連結する。
【0015】
本発明は、噴出された材料が処理室の開口から逃れる傾向を著しく減少させる傾向を有するように、処理室の霧を収容しておくことに役立つ簡易で容易に実行される方法も提供する。典型的な実施形態においては、ベンチュリ形状の通路が、開放した穴から上流側または下流側に配置される。気体の流れがベンチュリ管を通って処理室に流入するときに結果として生じる圧力降下のために、材料が容易に処理室に収容される。メークアップガス、不活性ガス、搬送ガス、および/または同類の物は、処理の工程において広く用いられているので、この方法は、多くの様々な処理の種類に適合する。
【0016】
本発明は、半径タイプの噴出し機構が処理材料を半製品の上に噴出すために用いられるときに、半製品の中央の領域が適切な処理を受けることを確保する方法も提供する。噴出しが生成されるノズルの足跡(そくせき)は、噴出しが半製品に到達したときに、噴出しの半製品の上の足跡に適合しないことが観察されてきた。半製品の上の足跡は、期待されるものよりも小さくなる。特に、スプレー棒178のような噴出し機構を用いて液体が気体により霧化されているときに、噴出しの半製品の上の足跡は、噴出される材料が分配されたノズル配列の区間よりも小さい。このように、もしもノズル開口の足跡が、単に半製品の中心から外周まで及ぶ場合には、その結果の噴出しは、回転速度、排気流体速度、半製品の上側のスプレー棒の高さ、および/または同類のものに依存して、実際に効果的に、中心または外周に到達しないであろう。分配される気体の高い速度は、ベルヌーイ効果のためと信じられている低い圧力の領域を発達させる。図20aから図20cにおいて示され、さらに以下に記述されるように、噴出しの端部におけるスプレー配列の一部分は、内側に引き込まれる。
【0017】
その結果、半製品の中心に向かう少なくとも一部の材料は中心に到達するが、周辺部に向かってより大きな影響を半製品に与える。半製品は、典型的には、ほとんどの処理の期間中に回転しているために、および回転により材料が半製品の表面を横切って概して半径方向の外側に向かって流れるために、その結果は、半製品の中心に処理材料が所望よりも少なく供給される。その結果、そこでは処理が予想に達しない傾向になるであろう。
【0018】
例えば、1つの例に従えば、エッチング処理が行なわれるときに、中心ではエッチングがより少なくなるであろう。もう1つの例としては、粒子の除去工程において、少ない粒子除去効率が観察されるであろう。本発明は、分配される噴出しが、たとえベルヌーイ効果のために縮んでも、まだ効果的に半製品の表面の全体をより一様な態様で処理する十分な区間を有するように、半径タイプのスプレー棒を形成する時に、この影響を意義深く認識して明らかにしている。
【0019】
1つの態様においては、本発明は、処理の期間中に半製品が配置される処理室と、処理の期間中に半製品の上に配置され、そして少なくとも一部分を覆う下側表面を有する隔壁構造と、下側表面上の液体を効果的に隔壁板の下側表面から吸引しながら抜き取ることができる態様により、隔壁構造に流れが連通している吸引通路とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。
【0020】
他の態様においては、本発明は、処理の期間中に半製品が配置される処理室と、外周を有する下側表面を含む隔壁構造と、隔壁構造の下側表面上の液体を効果的に引きつけ、または収容する態様で装置の中に配置されている機構と、引き付けられ、または収容された液体が隔壁板の下側表面から効果的に抜き取られる態様で、上記機構に近接した流体の入口を有する吸引通路とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理するための装置を提供する。下側表面は、処理の期間中に、半製品の上に配置され、少なくとも部分的に半製品を覆う。
【0021】
もう1つの態様においては、本発明は、装置の処理室の中に半製品を配置する工程と、半製品の上に配置される隔壁構造を提供する工程と、処理室の中に液体を導く工程を含み、覆われた半製品が処理を受ける工程と、隔壁構造の下側表面に集まる液体の一部分を吸引して除去しまたは毛細管現象によって(wickingly)除去する工程とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。隔壁構造は、処理の期間中に半製品の少なくとも一部分の上に配置される下側表面を含む。
【0022】
もう1つの態様においては、本発明は、本体の軸に垂直でない下側表面を有する環状の本体と、下側表面の液体が抜き取られる下側表面に流れが連通する吸引通路および/または毛細管現象通路(wicking pathway)とを含む隔壁構造を提供する。
【0023】
もう1つの態様においては、本発明は、処理の期間中に半製品が配置される処理室と、少なくとも1つの処理材料の噴出しが処理室に導入される少なくとも1つのノズルと、少なくとも1つの気体が処理室に導かれるベンチュリ形状の通路とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。
【0024】
もう1つの態様においては、本発明は、装置の処理室の中に半製品を配置する工程と、半製品の上に配置される隔壁構造を提供する工程と、半製品の上側に処理材料を噴出す工程と、貫通穴に流体的に接続されているベンチュリ形状の通路を提供する工程と、少なくとも噴出す工程の一部の期間中に、少なくとも1つの気体が処理室の中に効果的に霧を収容しておく方法で、ベンチュリ形状の通路を通じて流れる工程とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。隔壁構造は、半製品の中央部の上に配置される開口した貫通穴を含む。噴出しは、霧を生成する。
【0025】
もう1つの態様においては、本発明は、噴出しを行なっている期間に開口した穴を有する室に上記半製品が配置されている間に、少なくとも1つの液体を半製品の上に噴出す工程と、開口した穴に流体的に接続されているベンチュリ形状の通路を提供する工程と、室の中に噴出された液体を収容しておくことに役立つベンチュリ形状の通路を通って加速される気体の流れを用いる工程と含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。
【0026】
もう1つの態様においては、本発明は、噴出しを行なっている期間に開口した穴を有する室に上記半製品が配置されている間に、少なくとも1つの液体を半製品の上に噴出す工程と、開口した穴に流体的に接続されているベンチュリ形状の通路を提供する工程と、室の中に噴出された液体を収容しておくことに役立つベンチュリ形状の通路を通って加速される気体の流れを用いる工程と含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。
【0027】
もう1つの態様においては、本発明は、処理の期間中に半製品が配置される処理室と、半径を有する半製品と、気体が分配される少なくとも第1のノズル開口の配列および液体が分配される少なくとも第2のノズル開口の配列を含む噴出し機構とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。第1のノズル開口の配列は、半製品に接触する噴出しを提供するために、第1および第2のノズル開口の配列の外側の空いた空間において、分配された気体および液体を効果的に霧化させて衝突させる態様で、上記第2のノズル開口の配列に対して配置されている。第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、概して半製品の中心から少なくとも部分的に半製品の外周までの半製品の半径に及ぶ半製品の上の足跡を有する噴出しを効果的に提供する態様で、半製品の中心を通り過ぎて延びるノズルの足跡を有する。半製品の上の噴出しの足跡は、第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つのノズルの足跡の区間よりも小さな区間を有する。
【0028】
もう1つの態様においては、本発明は、第1のノズル開口の配列から気体の流れを分配する工程と、第2のノズル開口の配列から液体の流れを分配する工程と、半製品に接触する噴き出しを生成するのに効果的な条件下で、気体および液体の流れを霧化させて衝突させる工程とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。半製品は、中心および半径を有する。半製品の上の噴出しの足跡は概して半製品の半径に相当する。第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、半製品の上の噴出しの足跡よりも大きな分配の足跡を有する。分配の足跡は、半製品の中心を通り過ぎて延びている。
【0029】
もう1つの態様においては、本発明は、半製品の上に噴出しを分配する相対的に小さな熱容量の噴出し機構と、半製品の上に配置され、相対的に高い熱容量の隔壁板と含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。隔壁板は、噴出しが半製品に向かって分配される少なくとも1つの穴を含む。
【0030】
もう1つの態様においては、本発明は、半製品の上側に材料を分配するような装置を用いる工程を含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。
【0031】
もう1つの態様においては、本発明は、流体の材料が半製品に向かって分配される少なくとも1つのノズル開口の配列を有する噴出し機構と、流体の材料が半製品に向かって分配される少なくとも1つの穴を有する隔壁板と、噴出し機構と隔壁板との間の熱膨張率の差に効果的に適応する態様で、噴出し機構と隔壁板との間に介在する弾性要素とを含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。噴出し機構は、第1の熱膨張率を有し、隔壁板は、第1の熱膨張率と異なる第2の熱膨張率を有する。
【0032】
もう1つの態様においては、本発明は、半製品の上に材料を分配するような装置を用いる工程を含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法を提供する。
【0033】
もう1つの態様においては、本発明は、処理室と、隔壁構造と、液体が分配される噴出し機構と、液体を引きつけ又は収容する機構と、吸引通路または毛細管現象通路と、ベンチュリ形状の通路と含むマイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置を提供する。半製品は、処理の期間中に、処理室に配置される。隔壁構造は、処理の期間中に半製品の上に配置され、少なくとも部分的に覆う下側表面を含む。隔壁構造は、半製品の中央部の上に配置される第1の穴を有する。第1の穴は、開口しており貫通している。噴出し機構は、気体が分配される少なくとも第1のノズル開口の配列と、液体が分配される少なくとも第2のノズル開口の配列と含む。第1のノズル開口の配列は、半製品に接触する噴出しを提供するために、分配された気体および液体が、第1および第2のノズル開口の配列の外側の空いた空間において効果的に霧化しながら衝突させる態様により、第2のノズル開口の配列に対して配置されている。第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、概して半製品の中心から少なくとも部分的に半製品の外周まで及ぶ半製品の上の足跡を有して効果的に噴出す態様で、半製品の中心を通り過ぎて延びるノズルの足跡を有する。半製品の上の噴出しの足跡は、第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つのノズルの足跡の区間よりも小さな区間を有する。機構は、隔壁構造の下側表面に存在する液体を効果的に引きつけ、または収容する態様で装置の中に配置されている。吸引通路または毛細管現象通路は、下側表面に存在する液体が、効果的に隔壁構造の下側表面から抜き取られる態様により隔壁構造に流体的に連通する。少なくとも1つの気体は、ベンチュリ形状の通路を通って処理室に導かれる。ベンチュリ形状の通路は、隔壁構造の第1の穴と流体的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の原理を盛り込んだ装置の概略図である。
【図2】図1に概略的に示される隔壁/分配の部分の斜視図であり、断面にいくつかの特徴が示されている。
【図3】図1に概略的に示される隔壁/分配の部分の斜視図であり、断面にいくつかの特徴が示されている。
【図4】図1に概略的に示される隔壁/分配の部分の斜視図であり、断面にいくつかの特徴が示されている。
【図5】隔壁板の上部に向かって見たときの、図2の隔壁/分配の部分に用いられる隔壁板の斜視図である。
【図6】隔壁板の底部に向かって見たときの、図2の隔壁/分配の部分に用いられる隔壁板の斜視図である。
【図7】隔壁板の上部に向かって見たときの、図2の隔壁/分配の部分に用いられる隔壁板の斜視図である。
【図8】隔壁板の底部に向かって見たときの、図2の隔壁/分配の部分に用いられる隔壁板の斜視図である。
【図9】断面において見られるいくつかの関連する機構および構成部品に沿って吸引の谷部が見られる図5の隔壁板の一部分である。
【図10】図9に示される吸引の谷部を覆うために用いられる密閉リングの平面図である。
【図11】図10に示される密閉リングの側方断面図である。
【図12】図2の隔壁−分配の部分に用いられるスプレー棒の概略断面図であり、材料がスプレー棒のノズル開口を通じて分配される流体通路を示している。
【図13】概してスプレー棒の上部に向かって見たときの、図2の隔壁−分配に用いられるスプレー棒の斜視図である。
【図14】概してスプレー棒の底部に向かって見たときの、図2の隔壁−分配に用いられるスプレー棒の斜視図である。
【図15】図5の隔壁板の窪み部の中の所定の位置に配置されている図14のスプレー棒を含むアセンブリを示す斜視図である。
【図16】図15に示される隔壁板の窪み部の中において図13のスプレー棒を保持するために用いられる固定クランプの斜視図である。
【図17】図15に示される隔壁板の窪み部の中において図13のスプレー棒を保持するために用いられる固定クランプの平面図であり、いくつかの部分が透視して示されている。
【図18】図2の隔壁分配の部分に用いられる間座の斜視図であり、間座の底部に向かって見たときの図である。
【図19】図2の隔壁分配の部分に用いられる間座の斜視図であり、間座の上部に向かって見たときの図である。
【図20a】ベルヌーイ効果が霧化された噴出しの半製品の上の足跡に、どの様な影響を与えるかを模式的に説明した図である。
【図20b】ベルヌーイ効果が霧化された噴出しの半製品の上の足跡に、どの様な影響を与えるかを模式的に説明した図である。
【図20c】ベルヌーイ効果が霧化された噴出しの半製品の上の足跡に、どの様な影響を与えるかを模式的に説明した図である。
【図21】図2の隔壁/分配の部分に用いられる空気取入れフランジの斜視図であり、概してフランジの上部を見たときの図である。
【図22】図2の隔壁/分配の部分に用いられる空気取入れフランジの斜視図であり、概してフランジの上部を見たときの図であり、断面が示されている。
【図23】図2の隔壁/分配の部分に用いられる空気取入れフランジの平面図であり、概してフランジの上部を見たときの図である。
【図24】図2の隔壁/分配の部分に用いられるシャワーヘッドスペーサの斜視図であり、概して上部に向かって見たときの図である。
【図25】図2の隔壁/分配の部分に用いられるシャワーヘッドスペーサの斜視図であり、概して底部に向かって見たときの図である。
【図26】図2の隔壁/分配の部分に用いられるシャワーヘッドスペーサの平面図である。
【図27】図2の隔壁/分配の部分に用いられるシャワーヘッドスペーサの側方断面図である。
【図28】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる基材の斜視図である。
【図29】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる基材の平面図である。
【図30】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる基材の側方断面図である。
【図31】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる蓋の斜視図である。
【図32】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる基材の側方断面図である。
【図33】図2の隔壁/分配の部分のシャワーヘッドアセンブリに用いられる蓋の底面図である。
【図34】図2の隔壁/分配の部分に用いられる中央の分配ノズルの固定部材の斜視図であり、いくつかの機構が透視して示されている。
【図35】図2の隔壁/分配の部分に用いられる中央の分配ノズルの固定部材の平面図である。
【図36】図34および図35における中央の分配ノズルを留めるために用いられる固定部材の平面図である。
【図37】図2の隔壁分配の部分において用いられる洗浄管保持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に記述される本発明の実施形態は、完全であること又は次の詳細な記述に開示されている明確な構造の発明に限定されることは意図されていない。むしろ、実施形態は、他の当業者が本発明の原理および実施を認識および理解するように、選ばれて記述されている。本発明は、マイクロエレクトロニクス基板の洗浄システムに基づいて特定の流体に関連して記述されているが、発明の原理は、他のマイクロエレクトロニクス処理システムにも適用可能である。
【0036】
図1から図37は、本発明の原理を盛り込んだ実例の道具10を示している。説明のために、道具10は、1つの半製品18が任意の時期において道具10に収容され、液体、気体、および/または他の処理媒体が半製品18に接触する1つ以上の処理を受ける種類である。例えば、マイクロエレクトロニクス産業において、道具10は、1つのウエハの処理道具と言われるだろう。半製品18は、典型的には、半導体ウエハまたは他のマイクロエレクトロニクス基板である。
【0037】
道具10は、概して、主たる組立て品として、基礎部分12および隔壁/分配部分14を含む。図1においては、基礎部分12および隔壁/分配部分14は、模式的に示されている。図2から図37において、隔壁/分配部分14およびそれの構成部品の細部は、より詳細に記載されている。実際の使用において、基礎部分12および隔壁/分配部分14は、枠体(図示せず)に備え付けられ、道具10の筐体(図示せず)の内部に含まれている。この備え付けは、ねじ、ボルト、リベット、接着剤、溶接、留め具、取付け金具、これらの組合せ、または同種のものなどを介するように任意の態様で行うことができる。望ましくは、部分12および14および/またはそれの構成部材は、点検、保守、改善、および/または取替を容易にするために、独立して、取り外し可能に備え付けられている。
【0038】
基礎部分12および隔壁/分配部分14は、処理の期間中に半製品18が配置される処理室16を画定する。基礎部分12および/または隔壁/分配部分14は、半製品18を内部に取り付けて、および処理室16から取り出すことができるように、1つ以上の機構または機能を含む。そのような機構および機能は、例えば、所望の出口を設けるために開いたりまたは閉じたりする扉を含んでいてもよい。代替的に、実際の好ましい状態において意図されるように、基礎部分12および隔壁/分配部分14は、この出口を設けるために互いに対して移動可能である。都合の良いことには、この相対的な移動は、基礎部分12が周りを取り囲む枠体(図示せず)に固定されている一方で、隔壁分配部分14を上げたり下げたりすることにより生じる。
【0039】
図1に模式的に示されるように、基礎部分12は、概して、筐体17、チャック20、モータ22および背面の分配ヘッド24を含む。処理室16の内部において、半製品18は、チャック20により支持され、および保持されている。チャック20は、望ましくは、円柱形状を有し、上側表面26、下側表面28、環状の基材30、中央貫通孔32、および外周における側壁34を含む。チャック20は、固定されていてもよいし、または、中心軸36の周りを回転可能であってもよい。説明のために、図は、処理の期間中に半製品18が軸36の周りで回転するように、モータ22によってチャック20が回転可能に駆動される道具10の実施形態を説明している。半製品18が回転するチャック20により回転させられるそれらの実施形態では、回転は、分配された処理材料を半製品18の上に一様に広げることに役立つ。モータ22は、中空のシャフトタイプのものであってもよいし、任意の好適な態様により道具10に備え付けられてもよい。
【0040】
チャック20は、慣例的な現在の実施または以後の発達に従って、任意の様々な異なる方法で半製品18を固定していてもよい。好ましくは、チャック20は、半製品18と上側表面25との間に隙間が存在するように、選択的な分配ヘッド24(以下に議論する)の上側表面25の上側に半製品18をしっかりと保持する端の保持構造(図示せず)を含む。この種の配置により、洗浄水を含む処理化学薬品が半製品18の上側表面または下側表面のいずれかに分配されることができる。
【0041】
選択的に、道具10は、半製品18の下側表面19を処理する分配構造を含んでいてもよい。実例の背面の分配機構は、1つ以上の処理化学薬品が半製品18の下側表面に向かって分配されるほぼ環状の分配ヘッド24として示されている。処理化学薬品は、チャック20の中央穴40およびモータ22の中央穴42を通るシャフト38を介して背面分配ヘッド24に供給される。チャック20が回転する実施形態においては、チャック20が回転する時に一部分が接触しない様に、シャフト38と中央穴40および42との間に隙間を有する。背面分配ヘッド24は、要求に応じて供給または混合されるように分配される処理材料の1つ以上の供給源(図示せず)に接続されていてもよい。
【0042】
特に好ましい実施形態においては、基礎部分12は、譲受人の同時係属中の出願No.1および2において記述および説明されている「処理部分11」の形状を有する。言い換えれば、本明細書の隔壁分配部分14は、有利にも「移動部材526」に接続されていてもよく、それ故に、譲受人の同時係属中の出願No.1および2の「分配アセンブリ554」に置き換えられてもよい。
【0043】
図2から図37は、1つ以上のマイクロエレクトロニクス半製品18を処理する工程において、1つ以上の処理材料を分配する時に有用な一種の好ましい隔壁/分配部分14の実例の実施の形態のより細部を示す。隔壁/分配構造14の分配構成部品は、供給ライン(図示せず)を介して供給される処理材料の1つ以上の供給源(図示せず)に接続されていてもよい。これらの材料は、要求に応じて供給または混合されるように分配され得る。道具10が、実行される処理の種類にかなり柔軟であるように、多種多様の処理材料が用いられてもよい。代表的な処理材料のほんの小さな一例は、窒素、二酸化炭素、清浄な乾燥空気、アルゴン、HFガス、含水HF、含水イソプロピルアルコールまたは他のアルコールおよび/または乳化性界面活性剤(テンシオアクティブ材料)、脱イオン水、水溶性のまたは他に溶解された水酸化アンモニウム、水溶性または他に溶解された硫酸、水溶性または他に溶解された硝酸、水溶性または他に溶解されたリン酸、水溶性または他に溶解された塩化水素、過酸化水素、オゾンガス、水溶性オゾン、有機酸、および溶剤、これらの混合物などのような気体および液体を含む。
【0044】
道具10において適切に実行される処理および化学反応の代表例は、公開No.2006−0219258−A1に記述されているものを含み、その記述は、参照により完全にここに盛り込まれる。道具10において適切に実行される処理および化学反応の他の代表的な例は、2006年7月7日付に出願され、発明者の1人としてJeffrey Butterbaughの名において、発明の名称が「液体のエアロゾル粒子を除去する方法」である譲受人の同時係属中の出願第60/819179に記述されるものを含み、全ての目的においてそれの全体の参照によりここに完全に盛り込まれる。
【0045】
好ましい隔壁/分配部分14は、譲受人の同時係属中の出願No.1および2の「移動可能な支持部材526」の下側の端部に、望ましくは備え付けられる分配アセンブリ100を備える。分配アセンブリ100は、概して、処理材料を処理室16の中に分配する1つ以上の独立した機構を含む。例えば、分配アセンブリ100の実例の実施形態は、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、およびより好ましくは少なくとも3つの異なる種類の分配機能を含む。1つの機能として、これらの機構は、アセンブリ100が半製品18に向かって下側に1つ以上の処理流体を噴出すことを可能にし、概して、噴出しの下側で半製品18の回転により全ての表面の適用範囲が得られるように、半製品18の半径を横切って噴出す。好ましい実施形態においては、この機能は、スプレー棒178のような分配構造により提供される。中央の分配ノズルアセンブリ518により、処理材料は、半製品18のほぼ中心に向けて下側に分配されることができる。半製品18が回転する時に、中心に分配された材料は、半製品の表面に亘って分配される。さらに、シャワーヘッド分配部材426は、処理材料、典型的には気体、蒸気、および/または処理室16の中に取り込まれた材料を導入する更にもう1つの方法を提供する。
【0046】
より詳細には、図1から図9および図14に最も良く見られるように、隔壁板102は、下側表面106および上側表面108および内周110および外周112を有する環状の本体104を含む。内周110は、中央穴120および122を通して滑らかな気体の流れを促進するように概して丸まっている。有利には、隔壁板102の下側表面106は、存在するであろう液体を捕集および除去することに役立つ1つ以上の機構を含む。これらの機構は、液体を引きつけ、収容し、および/または抜き取る、窪み(例えば、谷部、溝など)および/または突起(例えばボタン、リム、棒など)、これらの組合せ、または同種のものなどを含んでいてもよい。これらの機構は、隔壁板102それ自体の上に存在してもよく、または、作動する態様において隔壁板102に近接しても構わない。
【0047】
本発明は、隔壁板102の下側表面106から液体を除去するために1つ以上の計略が単独または組合せで用いられることを意図している。いくつかの実施形態においては、1つ以上の乾燥気体の発生源が、液体を吹き飛ばすために隔壁板102の下側表面106の上側に向けられるだろう。他の実施形態においては、毛細管現象機構(wicking feature)が、隔壁板102の下側表面106の上にまたは近接して含まれる。例えば、もしも隔壁板102の下側表面106が親水性の場合には、親水性の機構が、液体を毛細管現象で上げるために配置されまたは所定の位置に移動されるであろう。吸引の技術が用いられていても構わず、この計略は図に説明されている。
【0048】
隔壁板102を乾燥する吸引技術を提供する1つの方法を説明する目的のために、図6、図8および図9は、外周112に近接して下側表面106から下側に向かって突出する環状リム116を示している。以下に更に記述されるように、環状リム116は、これらの液体が吸引されて離され得るように、下側表面106の液体を捕集するのに役立つ。捕集された液体の吸引は、下側表面106を乾燥し、および下に配置される半製品18の上に下側表面から望ましくない落下が生じることを防止することに役立つ。譲受人の同時係属中の出願No.1および2に従って、「移動可能な支持部材526」のz軸の動きを介して、下に配置される半製品18に対する隔壁板102の位置が制御され得る。
【0049】
好ましくは、少なくとも隔壁板102の下側表面106は、半製品18と隔壁板102の下側表面106との間に、先細りの流路114を形成するために下に配置される半製品18の半径に対して径方向の外側の方向に向かって下側に傾斜している。流路114の先細りの構造は、再循環の領域を最小限にしながら半製品18の中心から外側に向かう径方向の流れを促進する。先細りは、また、滑らかに収束させ、半製品18の外側の端に近づくにつれて流れる流体の速度を増加させることに役立つ。このことにより、液体が散らされる効果が減少する。下側表面106の角度は、また、下側表面106の液体が環状リム116に向かって流れることに役立ち、捕集された液体は、半製品18または処理室16から半製品18を搬送または取り除くために用いられる装置(図示せず)の上側に、下側に向かって落下せずに吸引されて離され得る。先細りの構造は、また、半製品18の上に再循環により粒子が戻ることを減少させる。構造は、流体をより良く封じ込めることにより、化学再生効率を促進することにも役立つ。
【0050】
さらに、この特定の実施形態に関して、分配アセンブリ100のほぼ環状の隔壁板102は、半製品の処理のために保護された環境を提供するために、そして、処理室16の中に分配された材料を収容しておくために、処理室16を覆う蓋として1つの態様おいて機能する。しかしながら、概して環状の本体104は、好ましくは、処理室16を密封しておらず、むしろ、処理室16を画定する他の隔壁に接近している。
【0051】
傾斜した下側表面106は、様々な幾何学形状を有する。例えば、幾何学形状は、1つ以上の直線(円錐形)、放物線状、多項式状、または同種のものなどであり得る。説明のために、下側表面106は、概して径方向の外側の方向に向かって直線的に収束する。
【0052】
隔壁板102は、開口した中央領域を第1および第2の取入れ穴120および122に分割するアーム118を含む。処理の期間中に、流体処理媒体は、これらの穴を通じて処理室16に流入し得る。上側表面108から見ることができるように、アーム118および環状の本体104の近接する部分は、スプレー棒178を保持するために窪み部124を設けるように形成されている。窪み部は、側面126および底面128を含む。底面128は、処理の期間中にスプレー棒178が半製品18の上に材料を下側に向かって噴出する細穴130を含む。中央部に配置されている穴132は、側面126に形成されている。中央の分配ノズル機構(さらに下で記述される)は、下に配置される半製品18のほぼ中心に処理材料を分配するためのこれらの穴132を通して供給される。
【0053】
上側表面108から見えるように、アーム118は、ねじ穴136を含む隆起した突起134を更に含む。シャワーヘッドスペーサ382(以下でさらに議論される)は、ねじのような締め付け具を用いながら突起134に支持および固定されている。更なる隆起した突起140は、環状の本体104の内周110の周りに分配されている。1つ以上のこれらの隆起した突起140は、1つ以上のねじ穴142を含む。空気取入れフランジ338(以下で更に記述される)は、ねじ穴142に螺合しながら係合するねじのようなものにより、これらの突起140に支持され、および締め付けられている。説明のために、4つの個別の隆起した突起140が示されている。他の実施形態においては、より多くのまたはより少ないこれらの突起140が使われていてもよい。いくつかの実施形態においては、示される離散した突起140の使用は、重量を低減することに役立つが、1つ以上のこの様な突起140は、内周110のより長い部分に及んでいても構わない。
【0054】
さらなる隆起した突起146も、外周112の近傍の窪み部124のそれぞれの側面に上側表面108の上側に設けられている。それぞれの突起146は、少なくとも1つのねじ穴148を含む。固定板266(下で更に記述される)は、スプレー棒178を窪み部124に固定するために、これらの突起146に固定されている。固定板266は、螺合により穴148に係合するねじを介して、これらの突起に固定されている。
【0055】
隔壁板102に組み込まれている吸引システムの一部として、環状の谷部152は、環状の本体104の外周112に近接して上側表面108に形成されている。吸引流路(図示せず)は、環状の本体104の下側表面106に配置されているポート156と、谷部152に向かって開口している対応するポート158との間で延びている。
【0056】
図2から図4および図9から図11に、最もよく見られる様に、密封リング160は、谷部152の上側の開口を密封するために谷部152を覆って環状の本体104に固定される。密封リング160は、任意の好適な方法により環状の本体104に固定されていても良い。例示の方法により、密封リング160は、穴168を通して、環状の本体104の上側表面108におけるねじ穴170の中にねじ172を固定することにより、密封リングが谷部152を覆って固定される穴168の配列を含む。密封リング160は、端部162および164を画定するリングを貫いた切込み166を有する環状に形成されている。スプレー棒178が窪み部124に適合され、所定の位置に固定されたときに、スプレー棒178の端部202は、この切り込み166に適合する。
【0057】
さらに、密封リング160には、谷部152に接近する管の構成部材の出口を設ける出口穴174および176が設けられている。説明のために、穴174および176の3つの組が、密封リング160に設けられている。典型的な実施形態においては、それぞれのその様な組の1つの穴174は、谷部152が真空に引かれる配管(図示せず)に接続される。真空は、吸引流路(図示せず)を介して下側表面106から谷部152の中に液体材料を引くのに役立つ。それぞれの組の他の穴176は、そこで捕集された液体を吸引するために、排水槽の管類を深く谷部152に導くように用いられてもよい。有利にも、周囲の吸引は、隔壁板102の底面を清浄および乾燥した状態に保ち、そして滴下または粒子により生じる半製品18への欠陥を防止することにも役立つ。
【0058】
環状の本体104の少なくとも下側表面106は、道具10を用いながら実施されるだろう処理の特徴に依存して、所望されるように、親水性または疎水性であっても良い。好ましい実施形態においては、下側表面106は、石英の様な親水性の材料から形成されることが好ましく、なぜなら、これは、1)端の吸引器に向かう隔壁板の上の液体の排水を促進し、2)薄い膜を残しながら液体を表面の上に広げさせ、そしてこのように高速で乾燥させ、および/または、3)多くの様々な化学物質が曝されたときに望ましい親水性の特性を維持するためである。
【0059】
スプレー棒178は、図2から図4および図12から図15に最もよく示されている。スプレー棒178は、上面188、底面180、下に配置される半製品18の中央領域をほぼ覆う第1端部200、および下に配置される半製品18の外周をほぼ覆う第2端部202を有する。スプレー棒178は、分配アセンブリ100の他の構成部品との組立ても容易にする機構を含む。さらに、窪み部208および212のそれぞれは、それぞれのタブ210および214を含む。それぞれのOリング(図示せず)は、これらの窪み部の中に適合し、頂部188の表面の上側に突出する様な大きさを有する。Oリングは、シャワーヘッドスペーサ382がスプレー棒178に固定されたときに、弾性を有する支持面を提供する。Oリングは、更に、相対的に小さな熱容量のスプレー棒178と相対的に大きな熱容量の隔壁板102との間の熱的な分離を行うことに役立つ。これは、スプレー棒を通して分配される流体の温度の一様性を改善し、半製品に対して、より一様な処理を行なう結果をもたらす。スプレー棒を通して高温の流体を分配することにより、スプレー棒と隔壁板との間の温度差が大きくなり得る。Oリングは更に、高い分配圧力のときに構成部品の中の応力を最小にしながら、スプレー棒と隔壁板との間の熱膨張差を許容する適合備え付けシステムを提供する。
【0060】
さらに、窪み部204は、中央の分配ノズル固定部材520を保持し、そして、中央部の分配管522が通って、管522が処理媒体を処理室16に供給できる位置になることを許容する穴206を含む。
【0061】
スプレー棒178は、更に、半製品18の半径をほぼ横切るように、1つ以上の処理材料が下側に向かって噴出される機構を更に含む。ほぼ三角形の溝182は、底面180に形成されている。溝182は、頂部領域184および隣接面186を含む。頂部領域184および面186は、材料がスプレー棒178から分配され、そして半製品18の上に噴き出されるノズル機構を含む。この溝182は、ノズル機構から分配される噴出しが、少なくとも半製品の半径全体に及ぶ半製品における噴出しの足跡を有することを確保するように、下に配置される半製品18の半径全体よりも概して僅かに大きく延びる。半製品18上の噴出された材料の足跡は、図20aから図20cに関連して以下に、より詳細に議論される。
【0062】
処理材料をスプレー棒178のノズル機構に供給するために、供給管222および246は、そのような材料を流体入口部材216および流体入口部材240に搬送する。流体入口部材216は、溝182の頂部184における、ノズル配列234に処理材料を搬送する流体通路の一部分である。流路262は、流体入口部材216とノズル配列234との間の流体の通路の一部分である。流体入口部材216は、ねじ切りされた基材218(ねじは図示されず)およびフレア接続220を含む。供給管222は、固定ナット224によりフレア接続220に固定されている。流体入口部材240は、溝182の表面186に設けられているノズル配列260に処理材料を搬送する流体通路の一部分である。流路264および265は、流体入口部材240とノズル配列260との間の流体通路の一部分である。栓238および236は、流路262、264および265の端部に挿入されている。
【0063】
流体入口部材240は、ねじ切りされた基材242(ねじ切りは図示されず)およびフレア接続244を含む。供給管246は、フレア接続244に取り付けられ、固定ナット248により所定の位置に保持されている。流体入口部材216および240とそれらのそれぞれのノズル開口の配列との間の流体通路は、譲受人の同時係属中の特許出願において示されるスプレー棒のアームに関して示されている様に設けられてもよい。
【0064】
液体、気体、またはこれらの組合せは、スプレー棒178を用いながら分配され得る。典型的な実施形態においては、図12に示されるように、液体材料(図示せず)は、流路264および265を通って搬送され、そして、スプレー棒の溝182の表面186上のノズル配列260を通って分配され、一方では、加圧された気体(図示せず)は、流路262を通って搬送され、そして溝182の頂部184に沿って配置されているノズル配列234から分配される。気体の噴流は、液体流れに衝突し、液体材料を微細な水滴(図示せず)に霧化させる。衝突後に、気体の噴流は、霧化された液体を半製品18に搬送する。実際のほかの態様では、液体材料のみがノズル配列から隣接する表面に分配される。衝突の後に、組み合わされた液体の流れが半製品18に接触する。実際の他の態様においては、気体材料のみが頂部のノズル配列を通じて、および/または隣接する表面のノズル配列を通じて分配され得る。
【0065】
ノズル間隔、半製品18の表面に関する分配の軌道、ノズル開口の開口大きさ等は、分配される流れの特性(例えば噴出し特性)を適応するために変えられても構わない。例えば、ノズル間隔および開口の大きさは、一様であっても、または変化していても構わない。
【0066】
しかしながら、現在では、下に配置される半製品における噴出しの足跡は、予期されているものよりも小さくなることが観察されている。特に、液体がスプレー棒178のような噴き出し機構を用いて、気体とともに霧化されるときに、半製品の上の噴出しの足跡は、噴き出された材料が分配されているノズル配列の区間よりも小さくなる。このように、もしも、ノズル開口の足跡が、単に半製品の中心から外周に及んでいるときには、その結果の噴出しは、回転速度、排気流速、スプレー棒の半製品からの高さ、およびそれらの組合せに依存して、実際に効果的に中心または外周に到達しないであろう。分配された気体の高い速度は、ベルヌーイ効果のためにより低い圧力領域を発達させ、これにより噴出しが半製品に向かって移動するときに噴出しが内側に向かって傾斜する。噴出しの端部における噴出し配列の部分は、図20bおよび図20cに示されるように、内側に向かって引きずり込まれる。図20a−図20cは、半製品312、322および332のそれぞれに関して、噴出し310、320および330の軌跡をそれぞれ説明する。半製品18のように、半製品312、322および332は、典型的には、半導体ウエハまたは他のマイクロエレクトロニクス基板である。
【0067】
図20aは、下に配置されて回転する半製品312の上にスプレー棒308が噴出し310を分配する理想的な状況を示している。噴出しが分配されたときの噴出しの足跡の長さは、噴出しの半製品の上の足跡に合致する。分配される噴出しの足跡が中心316と外周314との間の半製品312の半径に合致することにより、半製品312の半径を完全に覆うことが達成される。半製品312が、それの中心316の周りに回転する時に、半製品312の表面全体が一様に処理される。この理想的な状況は、概して実例の態様の代表例であり、分離された気体の流れとの衝突を介して霧化を行なうことなしに、液体材料が半製品312の上に分配される。
【0068】
図20bは、気体の流れが液体の流れを霧化させるために用いられるとき、特に、少なくとも1つの気体の流れと少なくとも1つの液体の流れとの間の衝突を介して霧化が達成されるときの状況が異なることを示している。図20bにおいては、スプレー棒318は、下に配置されて回転する半製品322上に霧化された噴出し320を分配する。分配されたときに、噴出しの足跡は、半製品の中心326と半製品の外周324との間の半製品322の半径に合致する。しかしながら、噴出し320の足跡は、噴出し320が半製品322に到達するまでに減少する。少なくとも1つの気体の流れによる液体の流れの霧化のために、図20bに示されるように、外側の霧化された流体の流れが内側に引かれるベルヌーイ効果が確立される。エッチングまたは粒子を除去する工程においては、例えば、この結果、半製品の上側において、その場合で生じるように、半製品の中心または縁部が、より少なくエッチングされ、またはより少なく粒子が除去されているであろう。この影響は、半製品の縁部よりも半製品の中心の方がより大きく現れるだろうが、その影響は両方の領域において観察され得る。噴出し320の材料が回転する半製品322に接触した後に、噴出し320の材料は、処理工程の期間中に半製品の中心326から径方向の外側に向かって流れる傾向を有するので、半製品の中心326に関して、噴出し320は、ベルヌーイ効果のために半製品の中心326に十分に分配されず、そして半製品の中心326は、噴出し320の材料が不足したまま残る。半製品の外周324に関して、噴出し320は、ベルヌーイ効果のために半製品の縁部324に十分に分配されないが、半製品322の回転により、外周324が半製品の中心326のように概して不足しないように、半径方向の外側に向かって、外周324を処理する分配された噴出し320の材料の質量流れが生じる。
【0069】
本発明は、第1に認識される効果により、そして、次に、減少した半製品の上の足跡がまだなお半製品の他の表面の領域に関して、適度に一様な態様で半製品の中心の領域を概して効果的に処理するために十分に大きくなるように、十分に大きな足跡を有する噴出しを分配するスプレー棒を用いることにより、ベルヌーイ効果を有利にも克服する。この効果は、少なくとも2つの理由のために、外周部において容易に対応する。1番目に、ベルヌーイ効果は、外周部において一様に処理する影響がより少ない様に思える。分配された液体の通常の質量流れが、回転する半製品を横切って半径方向の外側に向かうために、少なくとも部分的に外周部においてその影響がより小さくなると考えられている。このように、外周部は、処理の期間中に亘って中心の領域のように処理材料が不足しない。2番目に、噴出しの足跡は、処理材料をあまり無駄にしないことの実際の拘束を受けて、半製品の周辺部を超えて十分に広がり得る。
【0070】
噴出しが半製品に向かって進むときに足跡の「損失」の量は、概して実験的に決定される。そのときに、噴出しが半製品に到着したときに、噴出しがそれでも十分に大きく半製品の半径に及ぶように、十分に過剰のノズルが配列に加えられ得る。例えば、もしも噴出しが、それぞれの端部において約10.5mmの損失があるときに、スプレー棒の一方または両方の端部に、好ましくは、少なくとも半製品の中心の上の端部において3.5mm中心に、3つの余分なノズル要素を加え、またはノズル要素の部分を加えることにより、損失を克服する。噴出しの足跡の損失を評価する1つの実験的な手順に従えば、特定の噴出しの足跡を有するスプレー棒は、エッチング処理、粒子除去処理、または同種のもののような試験の処理を半製品に受けさせるために用いることができる。ノズルの足跡が半製品の中心に親密に合致する様に配置されているノズルの足跡を有するスプレー棒について、この実験的な解析を始めることがしばしば好適である。すなわち、最も径方向の内側寄りのノズル開口が半製品の中心の真上に配置されることが望ましい。ノズルの足跡が、半製品の外周に少なくとも届き、または通り過ぎて延びることも好適である。処理の後に、処理された半製品は、半製品の中心からの距離の関数として、処理性能を評価する解析が行われ得る。もしもベルヌーイ効果が存在すれば、半製品の中心に近接した半製品の領域で、処理性能の明確な低下が観察されるだろう。
【0071】
多くの計略は、この取組みを実施するときに、スプレー棒を改善するために用いられるだろう。1つの計略に従えば、ノズルの配列は、半製品18への噴出しの足跡が、少なくとも半製品18の中心を含むことを確保するように、半製品18の半径方向に沿って移動され得る。
【0072】
もう1つの計略においては、余分のノズルが、それの足跡を広げるためにノズルの配列に加えられる。図20cにおいて模式的に示されるように、ベルヌーイ効果を補償するために、余分のノズルが半製品332の半製品中心336を通り過ぎて配置されるように、スプレー棒328に余分のノズルが付加される。すなわち、スプレー棒328が下に配置される半製品332の上に噴出し330を分配する時に、半製品の上の噴出しの足跡は、半製品の中心336と半製品の外周334との間の半製品の半径により正確に合致する。余分のノズルを含む例は、スプレー棒の足跡を広げるために、1つ以上の余分なスプレー要素を含むことを伴う。スプレー棒178を用いるときに、このことは、要素ごとに3つの余分なノズル開口を加えることを伴う。1つの穴は、溝182の頂部184に気体を分配するノズルであり、一方で、2つの付加的な液体を分配するノズル開口は、隣接する表面186の付加的な気体の開口の隣に付加される。余分のノズルを含むもう1つの例は、それの足跡を広げるためにノズル配列に1つ以上の付加的な気体を分配するノズルのみを加えることを伴う。もう1つの余分なノズルを含む例は、ノズルの足跡を広げるために、1つ以上の付加的な液体を分配するノズル開口の組のみを付加することを伴う。付加的なノズル開口は、スプレー棒の他のノズル開口と同じ大きさまたは異なった大きさであり得る。
【0073】
図2−図4および図12−図15を再び参照して、1つの実施形態において、頂部184におけるノズル配列234は、直径が0.020インチであり、3.5mm中心が離れているノズル開口の列を含む。溝182の頂部184のノズル配列は、望ましくは、半製品18における噴出しの足跡が半製品18の半径と合致し、特に少なくとも中心において合致することを確保するために、半製品の半径よりも僅かに長いことが望ましい。例えば、配列234の全ての区間は、内側寄りの端部200における半製品18の中心を通りすぎて延びる付加的なノズル開口を含み、選択的には、下に配置される半製品18の縁部を超えて延びる付加的なノズル開口を含んでいてもよい。
【0074】
同様の方法においては、1つの実施形態において、隣接する面186におけるノズル配列のそれぞれは、霧化を可能にする頂部184におけるノズル配列に対応し、直径が0.026インチであり、中心が3.5mm離れているノズル開口を含む。ノズルの配列260は、半製品18での噴出しの足跡が半製品18の半径に合致し、特に少なくとも半製品の中心に合致することを確保するために、半製品の半径よりもわずかに長い。例えば、それぞれの配列260の全ての区間は、内側寄りの端部200における半製品18の中心を通り過ぎて延びる付加的なノズル開口を含み、選択的に下に配置される半製品18の縁部を超えて延びる付加的なノズル開口を含んでいてもよい。
【0075】
好ましい形態において、スプレー棒178は、隔壁板102の内部に適合するが、隔壁板102から分離される構成部品である。この取り組みは、多数の利点を提供する。始めに、これらの構成部品のそれぞれが、それぞれの構成部品の意図した目的のために、より適合する異なる材料から形成されることを許容する。例えば、スプレー棒178および道具10の他の分配構成部品の場合に、流体の分配/濡れた通路における道具10の分配構成部品は、または少なくともそれの表面は、好ましくは高い純度の1つ以上のフッ素重合体から形成されている。これらの構成部品は、スプレー棒178、シャワーヘッドアセンブリ426、および少なくとも中央の分配ノズルアセンブリ518の配管を含む。ポリテトラフルオロエチレン(E. I. Du Pont de Nemours & Co. から商標名テフロン(登録商標)で入手可能である)は、適していることが分かっている。一方で、隔壁板102または、少なくともそれの下側表面106は、下側表面106を洗浄および乾燥することを最適化するために、望ましくは石英などのような親水性の材料から形成される。特に、石英のような親水性の表面は、多くの例における非親水性の表面と比較したときに、より十分に洗浄および乾燥する傾向がある。
【0076】
分離されたスプレー棒および隔壁板の構成部品を用いることによっても、スプレー棒178と隔壁板102との間のよりよい熱的な分離を許容する。スプレー棒と隔壁版とが単一で一体的な構成部品のときには、全体のユニットは、加熱された流体が半製品18に分配されたときに熱溜めとして働き得る比較的大きな熱容量を有する。その影響は、隔壁板の熱容量に対する熱損失のために、スプレー棒に流入する流体と、スプレー棒の外側の端部から流出する相対的に冷たい流体との間の温度差である。スプレー棒に沿ったこの温度差のために、半製品に分配される材料の温度が非一様になる。このことは、半製品上の処理、および半製品から半製品への一様な処理に悪影響を及ぼし得る。しかしながら、示されるようにスプレー棒178が個別の構成部品である場合には、熱容量は大きく減少する。また、細穴130を通じて露出する溝182の1つのみのノズル領域を有して、隔壁板102の窪み部124の中にスプレー棒178を適合することにより、処理室16に露出するスプレー棒178の領域は最小になり、そして、スプレー棒178は、ある程度の大きさまで、隔壁板102により熱的に遮蔽される。この取り組みは、処理性能を妥協する非一様な熱的効果を最小限にしながら、かなりの程度まで半製品18からスプレー棒178を熱的に分離する。
【0077】
2つの構成部品が異なる材料から形成され、または、かなり異なる温度で作動しているこれらの実施形態においては、弾性を有する支持表面を用いることにより、スプレー棒178と隔壁板102との間の熱膨張差にも適合する。支持表面として、弾性を有するOリングを用いることにより、スプレー棒178と隔壁板102との間の面の接触を最小にもする。このことは、熱を隔壁板102に移送し、ひいては最終的に半製品18に移送することから、加熱された流体/化学薬品の搬送からの熱的な影響に対抗しながら、スプレー棒178を熱的に分離することに役立つ。
【0078】
固定板266は、スプレー棒178を隔壁板102の窪み部124に固定する。図2、図16および図17は、固定板266をより詳細に示している。固定板266は、上面268、底面270、および側面272、274、276および278を含む。固定板266は、ねじまたはその他の適切な固定技術(図示せず)がねじ穴148に係合して固定板を隔壁板102に固定するように穴282を含む。底面270は、タブ286を有する窪み部284を含む。Oリング(図示せず)は、窪み部284に適合する。Oリングは、固定板266がスプレー棒178を所定の位置に固定する時に、固定板266とスプレー棒178との間で弾性を有する支持表面を提供するために圧縮されるような大きさを有する。
【0079】
図2、図18および図19を参照して、間座288は、密封リング160の端部162と164の間の切込み166に適合される。間座288は、上面290、底面292、および側面294、295、296、および297を含む。谷部301は、端部162と164との間で、谷部152を連結する通路を形成するために底面に形成されている。間座288は、スプレー棒178と隔壁板102との間のギャップを充てんするように尾部303も含み、そのようにしなければそこで生じる漏れを防止している。切り込み305は、圧力を開放し、間座288が隔壁板102の凹部299に親密に一致および適合することを許容している。間座288は、スプレー棒178および密封リング160により所定の位置に保持されている。
【0080】
空気取入れなどの配管は、隔壁/分配部分14の中央の煙突通路103(図1に模式的に示されている)を通じて供給されるであろう。煙突は、たとえ処理の期間中においても、実際の多くの態様において開放される。煙突通路が開放した状態にあるときに、1つの問題点は、そのとき処理室16に、分配された材料、特に噴出された材料および気体が含まれることである。1つの選択肢は、所望の程度まで封じ込めを達成するように、煙突通路103を十分に高くする。しかしながら、この取り組みは、比較的長い煙突を必要とする。道具10が、より大きな道具の群(図示せず)において積層された方法で一体的である場合には、より効率的に鉛直方向の空間を用いることは、ますます高い重要事項になる。
【0081】
したがって、本発明は、所望の程度の封じ込めをそれでも達成する一方で、より短い長さの煙突が使われることを許容する1つ以上の計略を実行してもよい。1つの取り組みに従えば、適切な気体の流れ(例えば取込み空気など)は、処理の少なくとも一部分の期間中において煙突通路103を通じて処理室16に導かれる。このような気体の流れを用いることにより、煙突を短くすることができるので、道具の位置の間でより優れた積層の効率が達成され得る。
【0082】
実際の特に好ましい態様は、ベンチュリ形状の外形を有する煙突通路を供給することを伴う。ベンチュリは、入口および出口において張出し端部を含み、入口と出口との間に介在する比較的狭い喉部を含む。ベンチュリの外形は、望ましくは、滑らかな空気の流れを促進し、乱れを最小限にするように概して滑らかである。ベンチュリは、極小の圧力降下で喉部を通じて気体の流れを加速するのに役立つ。ベンチュリは、通常の円柱状の通路と比較して煙突の高さをかなり低くすることを許容する一方で、優れた封じ込めを提供する。
【0083】
ベンチュリを煙突通路103に組み込む実例の態様では、煙突通路103は、空気取入れフランジ338を用いて、ベンチュリ機構が設けられている。空気取入れフランジ338は、図2−図4および図21−図23に最もよく示されている。空気取入れフランジ338は、本体340の上端部342、上端部342における丸まったリム344、および底端部348を含む。丸まったリム344の下側には、軽量化のために設けられている管状の谷部346を含む。内壁350および外壁360のそれぞれは、上端部342および底端部348から延びる。外壁360は、備え付けの機械設備にアクセスするため、および軽量化のために、内壁350と平行になるよりもむしろ、切り子面が作成されている。
【0084】
有利には、内壁350は、スプレー棒178のそれぞれの側方においてベンチュリ形状の通路352が設けられるように形成されている。通路352のそれぞれは、通路352が圧縮されている相対的に細い喉部354と相対的に広がっている張出し端部356および358を含む。使用においては、張出し端部356は、空気、清浄な乾燥空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、イソプロピルアルコールの蒸気、これらの組合せなどのような1つ以上の気体が空気取入れフランジ338に引き込まれる入口として機能する。張出し端部358は、1つ以上の気体が処理室16に向かって下側に放出される出口として機能する。ベンチュリ形状の通路352を通じて気体が流れるときに、通路が収縮するに従って速度が増加する。流速が増加するに従って、流れる気体の圧力が減少する。このことは、ベンチュリにおける圧力が相対的に張出し入口端部356の近傍において高く、そして喉部354において相対的に低いことを意味する。ベンチュリを通した圧力は、速度が増加するとともに減少する。このように、ベンチュリを通る流速が高く、入口端部356における相対的に高い圧力が、十分に高いので、処理材料を処理室16の中に収容しておくことに十分に役立つ。要約すると、ベンチュリ形状の通路352は、液体、固体または気体でも良い処理材料が、処理気体の導入のために開口を必要にする室に収容されなければならない状況において、封じ込めシステムとして機能する。
【0085】
例えば、典型的な工程の期間中に、メークアップ空気または他の気体が、ベンチュリ形状の通路352を通じて処理室に進入する。進入する空気または気体は、通路352の喉部を通過する時に加速する。高い速度の空気または気体が喉部354を通じて室16に移動することにより、霧が空気取入れフランジ338に戻って上昇することを防止する。対照的に、喉部の構造または十分な高さを有しない空気取入れ通路においては、処理室の霧が逃れ得て、安全の懸念を生じ、汚染を生じ、処理材料などの損失のために処理性能を低下させる。
【0086】
1つの実例の動作状況においては、実質的に完全な霧および流れの封じ込めが、50cfmの流入空気を用いて達成された。これは、3インチの排気真空度を用いて達成された。この試験においては、65℃で脱イオン水を1分間に1リットル噴き出しながら、半製品が250rpmでチャック上にて回転された。ベンチュリの喉部のそれぞれの幅は、1.12インチであり、それぞれの対応する入口および出口の幅は、1.75インチであった。ベンチュリ形状の通路のそれぞれの長さは3インチであった。
【0087】
空気取入れフランジ338を議論する時に、さらに、主に図2−図4および図21−図23を参照して、外壁360の底部分は、空気流出フランジ368が隔壁板102の内周110に適合するように形成されている。内壁350の底部分370は、内壁部分370から隔壁板102の下側表面106に滑らかに移行するように形成されている。
【0088】
周辺フランジ372は、底端部348に近接する空気取入れフランジ338の本体340を取り囲んでいる。周辺フランジ372は、本体340を補強する。周辺フランジ372は、ねじなどを用いて、空気取入れフランジ338が隔壁板102のねじ穴142に固定されるように、穴374をも含む。孤立した支持体380は、ねじ止めにより、丸まったリム344に形成されているねじ穴378に係合する。孤立した支持体380は、ねじ穴(図示せず)を含み、さらに以下で記述されるシャワーヘッドアセンブリ426を支持および固定することに役立つ。
【0089】
空気取入れフランジ338の内壁350は、向かい合った窪み部362および366をも含む。これらの窪み部は、以下でさらに記述されるように、シャワーヘッドスペーサ382を保持する大きさである。窪み部362の壁は、3つの穴364を含む。1つの、2つの、またはこれらの穴364の全ては、フランジ338を通って、配管構成部材、例えば導管に導くように使われるだろう。
【0090】
噴出し性能に加えて、分配アセンブリ100は、1つ以上の処理流体をシャワーヘッドの形式で、半製品18に向けて概して下側にむけて分配する更なる分配性能を盛り込んでいる。この取り組みは、特に、1つ以上の気体および/または蒸気の一様な流れを処理室16に分配するために好適である。好ましい実施形態においては、このキャピラリは、シャワーヘッド分配部材426のような分配構造により設けられている。シャワーヘッドスペーサ382および孤立した支持体380は、シャワーヘッド分配部材426を備え付けおよび支持することに役立つ。説明のために、シャワーヘッド分配部材426は、全く同じでありまたは独立していても良い2つの供給装置により供給され、このように、2つの異なる処理材料が同時に処理室16に分配されることを許容する。当然ながら他の実施形態は、所望により、単一の供給装置または3つまたはそれ以上の装置を含んでいても良い。
【0091】
より詳細には、図2−図4および図24−図27に最もよく見られるように、シャワーヘッドスペーサ382は、上面384、底面386、床面408、および側面390、396、400および404を含む。側面390は、空気取入れフランジ338を通して穴364にそれぞれが合致する3つの穴392を含む。使用においては、穴364および392の組は、シャワーヘッドスペーサ382および空気取入れフランジ338を通じて配管構成部材(図示せず)を導くように使われても良い。1つ以上の穴364および392のこれらの組は、この目的のために使われても良い。例えば、1つの実例の実施形態においては、排気源(図示せず)に接続されている導管(図示せず)は、シャワーヘッドスペーサ382の内側を通じて下側に供給され、次に、スペーサ382および空気取入れフランジ338を通じて、1組の穴392および364を通じて、それぞれが外側に向かって供給される。空気取入れフランジ338の外側において、導管は、密封リング160に設けられている出口穴174にそれぞれが導かれる3つの他の管に接続されている。導管は、谷部152において、吸引真空をひくために穴174の内部に十分に挿入されている。付加的な導管(図示せず)は、同様に、シャワーヘッドスペーサ382の内側を通じて下側に供給され、次に、それぞれ、もう1つの穴392と364の組を通じて、スペーサ382および空気取入れフランジ338を通じて外側に供給されている。空気取入れフランジ338の外側においては、付加的な導管は、密封リング160に設けられた出口穴176にそれぞれが導かれる3つの他の管に接続されている。導管は、谷部152において集められた液体材料を除去するために、穴176に十分に挿入されている。
【0092】
軽量化穴394は、側面390および396の上部に形成されている。側面400および404のそれぞれは、それぞれ3つの穴402を含む。穴402は、洗浄管保持材510を保持するために使われる。図37に示されるように、それぞれの洗浄管保持材510は、首部512、本体514および穴516を含む。首部512は、好ましくは螺合(ねじの機構は図示せず)により穴402に係合している。洗浄管504は、処理室16に向かって穴516を通じて下側に導かれている。これらの導管の端部は、導管の端部のノズル508が、隔壁板102の下側表面106を洗浄又は、さもなければ処理するために、ほぼ水平方向に噴き出すことができるような高さに配置されている。
【0093】
有利にも、洗浄管504は、隔壁板102を清浄および乾燥した状態に保つことに役立つように、隔壁板102の底面106を洗浄および乾燥する能力を組み込んでいる。実例における典型的な態様においては、隔壁板102の洗浄および乾燥は、そこに存在する半製品18と共になされ、サイクル時間を最小限にするために、少なくとも部分的に共に広範囲の半製品18の洗浄および乾燥とともになされる。下側表面106の外周112の近傍の液滴を除去することは困難であり得る。隔壁板102に組み込まれている吸引システムは、この困難性を避けることに役立つ。
【0094】
床面408は、シャワーヘッドスペーサ382を隔壁板102に固定するために、ねじ138が隆起した突起134のねじ穴136に係合し得る様に、穴410を含む。床面408は、以下に更に記述される中央の分配構成部品を固定するための穴412を含む。穴414は、中央の分配構成部品に導かれる導管を供給することを許容する。穴416および418は、それぞれが流体入口部材216および240の上側に適合する。Oリング(図示せず)は、シャワーヘッドスペーサ382とスプレー棒178との間、およびシャワーヘッドスペーサ382と隔壁板102との間の空洞419の中に適合する。
【0095】
シャワーヘッドスペーサ382は、脚部422が、隔壁板102の腕部118の周りに適合しながら、底端部420および床面408がスプレー棒178の上側表面の上に支持されるように備え付けられている。脚部422の外側表面424は、窪み部124の側面126に適合するように形成されている。
【0096】
シャワーヘッド分配部材426は、スタンドオフ380と、譲受人の同時係属中の出願No.1および2に記述されているような「可動支持部材」との間に備え付けられている。シャワーヘッド分配部材426は、概して底部材428および蓋458を含む。底部材428は、ほぼ直線状の中央穴432を有するほぼ円形の床板430と、中央穴432のリムから下側に突出するフランジ434と含む。フランジ434および穴432は、下に配置されて適合し、シャワーヘッドスペーサ382を支持する大きさに形成されている。中央穴432は、管構成部材を中央の分配ノズルアセンブリ518およびスプレー棒178に導くために好適な通路を提供する。
【0097】
床板430は、シャワーヘッド分配部材426の機能性を向上し、備え付けを容易にするいくつかの穴機構を含む。中央穴432のそれぞれの側方において、床板430は、洗浄管504を支持し、処理室16に導く穴444を含む。底部材428の周辺部の周りの比較的大きな貫通穴446は、ねじ又は同種のものを用いて、孤立した支持体380に底部材428を備えつけるために用いられる。比較的小さなねじ穴448により、蓋458および可動部材(図示せずに、譲受人の同時係属中の出願に記載されている)を、ねじ又は同種のものを用いて底部材428に備え付けることができる。
【0098】
底部材428の床板430は、中央穴432の一方の側の第1領域450と、中央穴432の他方の側に配置されている第2領域454と含む。第1領域450は、ノズル開口452の配列を含み、第2領域454は、第2のノズル開口456の配列を含む。
【0099】
蓋458は、概して、隆起した板460および464を含む。第1および第2室462および466は、一方の側の板460および464と、他方の側の床板430との間に形成されている。中央穴492は、底部材428の中央穴432の上に配置され、管構成部材を、中央の分配ノズルアセンブリ518およびスプレー棒178に導くために好適な通路を提供する。蓋458の上部においては、切り込み494および496が、漏れの場合に排水のために使われる。
【0100】
1つ以上の処理材料、典型的には気体および/または蒸気は、シャワーヘッド分配部材426に供給され、そして、流体入口部材468および/または480を介して、シャワーヘッド分配部材426に導入される。流体入口部材468は、ねじ基材470および張出し接続472を含む。供給管(図示せず)は、流体的に張出し接続472に接続され、ねじ基材470に螺合する固定ナット(図示せず)を介して所定の位置に保持されている。水路478は、室462に向かって開口している。流体入口部材480は、ねじ基材482および張出し接続484を含む。供給管(図示せず)は、張出し接続484に流体的に接続され、ねじ基材482に螺合する固定ナット(図示せず)を介して所定の位置に保持されている。水路490は、室466に開口している。
【0101】
中央穴492のそれぞれの側方において、穴444の真上に配置される穴498は、洗浄管504を支持し、処理室16に導くことに役立っている。蓋458の周辺の周りの比較的大きな貫通穴500は、底部材428における同様の穴446の上に配置され、そして、同様に、蓋458をねじ又は同種のものを用いて孤立した支持体380に備えつけるために用いられる。比較的小さな貫通穴502は、ねじ穴448の上に配置され、そして、蓋458および可動部材を、ねじ又は同種のものを用いながら底部材428に備えつけることを許容する。
【0102】
使用においては、1つ以上の処理流体、特に1つ以上の気体の流体が、1つまたは2つの供給管(図示せず)を介してシャワーヘッド分配部材426に供給される。それぞれの導管に供給される処理流体は、同じであっても異なっていてもよい。処理流体は、導管478および490をそれぞれ介して室462および466に導かれる。室462および466の内部の処理流体の圧力は、ノズル452および456を通じる流れが一様であるように、概して均一である。望ましくは、シャワーヘッドノズルから上流に向かって室462および466の内部における流体の圧力差は、そのような一様の流れを促進する慣例的な実例に従って、ノズル452および456自体を通じる圧力降下よりも小さい。ノズル452および456を通じて分配されるときに、分配される流体は、概してベンチュリ形状の通路352を通じて処理室16および半製品18に向かって流れる。分配アセンブリ100は、さらに、下に配置される半製品18のほぼ中心の上に、1つ以上の処理流体を分配する分配能力を更に盛り込んでいる。処理流体が、連続的に、同時に、重なった方法、および/または同類のものにより分配される。好ましい実施形態においては、この能力は、中央の分配ノズルアセンブリ518のような分配構造により提供される。説明のために、示されるような中央の分配ノズルアセンブリ518は、2つの異なる処理材料が同時に半製品18に分配される2つの独立したノズルを含む。当然ながら、他の実施形態は、所望される様に、1つのみの分配ノズルまたは3つまたはそれ以上のノズルを含んでいてもよい。また、同じ処理材料が、両方のノズルを通して分配され得る。
【0103】
より詳細には、図2−図4、図34および図35に示されるように、中央の分配ノズルアセンブリ518は、概して、穴524にノズル管522と共に備え付けられるノズル固定部材520を含む。管522は、ノズル固定部材520の上部に着座する張出し接続526を含む。供給管528は、張出し接続526に接続され、そして、固定ナット530により所定の位置に保持されている。管522の底端部は、ノズル固定部材520の下側で、下に向かって突出し、概して下に配置される半製品18の中心に向いている。ノズル固定部材520は、スプレー棒178の窪み部204の内部に適合している。ねじ540は、ノズル固定部材520のねじ穴532に適合している。
【0104】
図2−図4に示されるように、固定部材534およびねじ540は、ノズル固定部材520を強固に所定の位置に固定するように用いられる。図2−図4および図36に示されるように、固定部材534は、供給管528に適合および支持する穴536を含む。固定部材534の穴538は、ねじ540に適合する。
【0105】
本発明の他の実施形態は、この明細書を考慮したときに、または、ここで開示されている発明の実務から、当業者にとって明確であるだろう。ここに記述されている原理および実施形態に対するさまざまな省略、改善および改変は、後に続く請求の範囲に示されている発明の真の範囲および趣旨から離れずに当業者によりなされるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)処理の期間中に前期半製品が配置される処理室と、
b)前記処理の期間中に前記半製品の上に配置され、そして少なくとも一部分を覆う下側表面を有する隔壁構造と、
c)前記下側表面上の液体を効果的に隔壁板の下側表面から吸引しながら抜き取ることができる態様により、前記隔壁構造に流れが連通している吸引通路とを備える装置。
【請求項2】
前記吸引通路は、吸引流路を含み、それぞれの吸引流路は、前記隔壁構造の前記下側表面に配置されている入口ポートと、前記隔壁構造の上側表面に配置されている出口ポートとの間に延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記入口ポートは、前記隔壁構造の前記下側表面の外周の周りに分配されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記隔壁構造の前記上側表面は、前記隔壁構造の前記上側表面の外周の周りに延びる環状の谷部を更に備え、
前記出口ポートは、前記吸引流路を通じて前記隔壁構造の前記下側表面から引き抜かれる液体が、前記出口ポートを出て前記環状の谷部に流れるような態様で配置されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記隔壁構造の前記下側表面は、前記隔壁構造の前記下側表面から延びる環状リムを更に備え、
前記環状リムは、前記液体が前記吸引流路を介して吸引されて引き抜かれる様に、下側表面上の液体を回収する態様で、前記隔壁構造の前記下側表面に配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記隔壁構造の前記下側表面と前記半製品との間の距離は、前記隔壁構造の前記外周に向かう方向において先細りになっている、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)処理の期間中に半製品が配置される処理室と、
b)前記処理の期間中に前記半製品の上に配置され、そして少なくとも部分的に前記半製品を覆い、外周を有する下側表面を含む隔壁構造と、
c)前記隔壁構造の前記下側表面上の液体を効果的に引きつけ、または収容する態様で装置の中に配置されている機構と、
d)引き付けられ、または収容された液体が隔壁板の前記下側表面から効果的に抜き取れる態様で、前記機構に近接した流体の入口を有する吸引通路とを備える装置。
【請求項8】
前記機構は、前記隔壁構造の前記下側表面に配置され、
前記機構は、窪み、突起、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記隔壁板の前記下側表面および前記機構は、親水性を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記隔壁板の前記下側表面は、石英を含む材料から形成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
a)装置の処理室の中に前記半製品を配置する工程と、
b)前記処理の期間中に前記半製品の少なくとも一部分の上に配置される下側表面を含み、前記半製品の上に配置される隔壁構造を提供する工程と、
c)前記処理室の中に液体を導く工程を含み、覆われた前記半製品が処理を受ける工程と、
d)前記隔壁構造の前記下側表面に集まる前記液体の一部分を吸引して除去しまたは毛細管現象によって除去する工程とを含む方法。
【請求項12】
a)本体の軸に垂直でない下側表面を有する環状の本体と、
b)前記下側表面の液体が抜き取られる前記下側表面に流れが連通する吸引通路または毛細管現象通路とを含む隔壁構造。
【請求項13】
前記下側表面は、円錐形の表面、放物線状の表面、および多項式の表面からなる群から選ばれた形状の表面を有する、請求項12に記載の隔壁構造。
【請求項14】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)処理の期間中に半製品が配置される処理室と、
b)少なくとも1つの処理材料の噴出しが前記処理室に導入される少なくとも1つのノズルと、
c)少なくとも1つの気体が前記処理室に導かれるベンチュリ形状の通路とを含む、装置。
【請求項15】
処理の期間中に、前記半製品の上に配置されて、少なくとも一部分を覆う下側表面を有する隔壁構造を更に備え、
前記隔壁構造は、前記半製品の中央部の上に配置される開口した貫通穴を有しており、
前記ベンチュリ形状の通路は、前記貫通穴に流体的に接続されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
a)装置の処理室の中に半製品を配置する工程と、
b)前記半製品の中央部の上に配置される開口した貫通穴を含み、前記半製品の上に配置される隔壁構造を提供する工程と、
c)前記半製品の上に処理材料を、霧を生成しながら噴出す工程と、
d)前記貫通穴に流体的に接続されているベンチュリ形状の通路を提供する工程と、
e)少なくとも前記噴出す工程の一部の期間中に、少なくとも1つの気体が前記処理室の中に効果的に前記霧を収容しておく方法で、前記ベンチュリ形状の通路を通じて流れる工程とを含む方法。
【請求項17】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
a)噴出しを行なっている期間に開口した穴を有する室に前記半製品が配置されている間に、少なくとも1つの液体を前記半製品の上に噴出す工程と、
b)前記開口した穴に流体的に接続されている通路を提供する工程と、
c)前記室の中に噴出された液体を収容しておくことに役立つ前記通路を通じる気体の流れを用いる工程と含む方法。
【請求項18】
前記通路は、ベンチュリ形状の通路であり、
前記気体の流れは、噴出された液体を前記室の中に収容しておくことに役立つ前記ベンチュリ形状の通路を通じて加速される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)処理の期間中に前記半製品が配置される処理室と、
b)気体が分配される少なくとも第1のノズル開口の配列と、液体が分配される少なくとも第2のノズル開口の配列とを含む噴出し機構であって、
前記第1のノズル開口の配列は、前記半製品に接触する噴出しを提供するために、前記第1および第2のノズル開口の配列の外側の空いた空間において、分配された気体および液体を効果的に霧化させて衝突させる態様で、前記第2のノズル開口の配列に対して配置されており、
前記第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、概して前記半製品の中心から少なくとも部分的に前記半製品の外周まで及ぶ半製品の上の足跡を有する噴出しを効果的に提供する態様で、前記半製品の中心を通り過ぎて延びるノズルの足跡を有し、
前記半製品の上の噴出しの足跡は前記第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つのノズルの足跡の区間よりも小さな区間を有する、噴出し機構と
を備える、装置。
【請求項20】
前記半製品は、半径を有し、
前記噴出しは、前記半径に及ぶ半製品の上の足跡を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1および第2のノズル開口の配列は、前記半製品の前記外周から前記半製品の中心を通り過ぎて延びるノズルの足跡を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
液体が分配される第3のノズル開口の配列を更に備え、
前記第1、第2および第3のノズル開口の配列は、前記半製品に接触する噴出しを提供するために、前記第1、第2、および第3のノズル開口の配列の外側の空いた空間において、分配された気体および液体を効果的に霧化させて衝突させる態様で、互いに対して配置されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
a)第1のノズル開口の配列から気体の流れを分配する工程と、
b)第2のノズル開口の配列から液体の流れを分配する工程と、
c)前記半製品に接触する噴出しを生成するのに効果的な条件下で、前記気体および液体の流れを霧化させて衝突させる工程とを含み、前記半製品は、中心および半径を有し、
前記半製品の上の噴出しの足跡は概して前記半製品の半径に相当し、前記第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、前記半製品の上の噴出しの足跡よりも大きな分配の足跡を有し、該分配の足跡が前記半製品の中心を通り過ぎて延びている、方法。
【請求項24】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)前記半製品の上に噴出しを分配する相対的に小さな熱容量の噴出し機構と、
b)前記半製品の上に配置され、相対的に高い熱容量の隔壁板とを備え、前記隔壁板は、前記噴出しが前記半製品に向かって分配される少なくとも1つの穴を含む装置。
【請求項25】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
半製品の上側に材料を分配するために請求項24に従った装置を用いる工程を含む方法。
【請求項26】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)流体の材料が半製品に向かって分配される少なくとも1つのノズル開口の配列を有する噴出し機構と、
b)前記流体の材料が前記半製品に向かって分配される少なくとも1つの穴を有する隔壁板と、
c)前記噴出し機構と前記隔壁板との間に配置されている弾性要素とを備える装置。
【請求項27】
前記噴出し機構は、第1の熱膨張率を有し、前記隔壁板は、前記第1の熱膨張率と異なる第2の熱膨張率を有し、
前記弾性要素は、前記噴出し機構と前記隔壁板との間の熱膨張率の差に効果的に適応する態様で、前記噴出し機構と前記隔壁板との間に介在する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する方法であって、
半製品の上に材料を分配する請求項26に従った装置を用いる工程を含む方法。
【請求項29】
マイクロエレクトロニクス半製品を処理する装置であって、
a)処理の期間中に、半製品が配置される処理室と、
b)前記半製品の中央部の上に配置される開口および貫通した第1の穴を有し、前記処理の期間中に前記半製品の上に配置され、少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
c)気体が分配される少なくとも第1のノズル開口の配列と、液体が分配される少なくとも第2のノズル開口の配列と含む噴出し機構であって、前記第1のノズル開口の配列は、前記半製品に接触する噴出しを提供するために、第1および第2のノズル開口の配列の外側の空いた空間において、分配された気体および液体を効果的に霧化させながら衝突させる態様で、前記第2のノズル開口の配列に対して配置されており、第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つは、概して前記半製品の中心から少なくとも部分的に前記半製品の外周まで及ぶ半製品の上の足跡を有する噴出しを効果的に提供する態様で、前記半製品の中心を通り過ぎて延びるノズルの足跡を有し、前記半製品の上の噴出しの足跡は、第1および第2のノズル開口の配列の少なくとも1つのノズルの足跡の区間よりも小さな区間を有する、噴出し機構と、
d)前記隔壁構造の前記下側表面に存在する液体を効果的に引きつけ、または収容する態様で装置に配置されている機構と、
e)前記下側表面に存在する液体が効果的に前記隔壁構造の前記下側表面から抜き取られる態様により、前記隔壁構造に流体的に連通する吸引通路または毛細管現象通路と、
f)前記隔壁構造の第1の穴と流体的に接続され、少なくとも1つの気体が通って処理室に導かれるベンチュリ形状の通路とを備える装置。
【請求項30】
前記隔壁構造は、前記噴出しが前記半製品に向かって分配される少なくとも1つの第2の穴を更に備え、
前記噴出し機構は、第1の熱膨張率を有し、前記隔壁構造は、前記第1の熱膨張率と異なる第2の熱膨張率を有し、
前記噴出し機構と前記隔壁構造との間の熱膨張率の差に効果的に適用する態様で、前記噴出し機構と前記隔壁構造との間に介在する弾性要素を更に備える、請求項29に記載装置。
【請求項31】
前記隔壁板の前記下側表面および前記機構は親水性である、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記隔壁板の前記下側表面は、石英を含む材料から形成されている、請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−102185(P2013−102185A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−167(P2013−167)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2009−518159(P2009−518159)の分割
【原出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(508151552)ティーイーエル エフエスアイ,インコーポレイティド (13)
【Fターム(参考)】