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1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む医薬組成物
説明

1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む医薬組成物

1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む制御放出医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む制御または持続放出医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
乾癬は、遺伝的素因の率が高い慢性皮膚疾患である。この疾患は急性再燃と完全な静止時の間で変動する。乾癬に罹患した患者は、該疾患の外見的特徴のため重度の障害があることがある。これは、生活のすべての部分、例えば職歴や個人生活に影響する。
【0003】
今日までに利用可能な治療的可能性は、特に中等度〜重度の乾癬の患者では限られ、それらはいずれも一時的で短期間の改善しかもたらさず、そして/または重度の副作用がある。乾癬は再発率が高いので、患者の大部分は長期治療を受けなければならない。
【0004】
フマル酸エステルは、30年以上も中等度〜重度の乾癬に治療に用いられてきた。1994年に、フマル酸ジメチルとフマル酸モノエチル(塩)の規定混合物、Fumaderm(登録商標)initial(イニシャル)/Fumaderm(登録商標)がドイツで承認された。Fumaderm(登録商標)の腸溶コート(coated)錠は以下の活性成分を含む:フマル酸ジメチル 120 mg;フマル酸水素エチル,カルシウム塩87 mg;フマル酸水素エチル,マグネシウム塩5 mg;フマル酸水素エチル,亜鉛塩3 mg、および以下の他の成分:クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、着色料E 171およびE 132、メタクリル酸-メチルメタクリル酸-コポリマー(1:1)、メタクリル酸-アクリル酸エチル-コポリマー(1:1)、Macrogol 6000、シメチコン、ポビドン、クエン酸トリエチル、微晶質セルロース、高分散二酸化ケイ素 [Summary of Product Characteristics、Fumaderm(登録商標)2009年1月版]。今日まで、Fumaderm(登録商標)はドイツにおける乾癬の全身治療の全処方の約66%に相当する。しかし、副作用、例えば胃腸の副作用の頻度が高いため、治療初期で中止する患者がいる。消化管の副作用および紅潮の少なくとも一部は、腸内の高い局所濃度をもたらす処方製剤の放出特性により説明することができると考えられる。
【0005】
フマル酸エステル、例えばフマル酸ジメチルは分解および加水分解することができる。例えば、フマル酸ジメチルは、より酸性の環境下よりアルカリ性/低酸性環境下で加水分解されやすい傾向がある(Litjens et al、「In vitro pharmacokinetics of anti-psoriatic humaric acid esters」、BMC Pharmacology 2004、4:22)。すなわち、フマル酸ジメチルは、胃(gastric ventricle)より小腸で加水分解される傾向がより強いと考えられる。上記pHの効果に加えて、エステラーゼがフマル酸エステルの加水分解に関与すると考えられる。
【0006】
本発明者らは、改善された治療計画が、活性成分が、制御されて、市販の製品に比べて長期に、緩徐に、および/または遅れて(delayed)送達されるように設計された医薬組成物を投与することにより得ることができると考える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様の目的は、市販されている製剤よりも耐容性を改善するためにAPIの制御または持続放出をもたらすことである。ある態様において、本発明の組成物は、APIの消化管内の酵素および加水分解への暴露を最小限にすることによりAPIの分解を軽減する浸食マトリックス系である。
【0008】
本発明の態様のさらなる目的は、フマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤であって、該制御放出組成物が、GI (消化管)関連副作用の減少および/または紅潮の減少をもたらし、および/または例えば、先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて変動性の減少を得ることができ、および/または例えば、先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて適切な相対的バイオアベイラビリティを得ることができる該制御または持続放出医薬製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要約)
本発明者らは、ある態様の本発明のin vitro放出を示す組成物は、好都合な薬物動態特性をもたらしうることをみいだした。別の態様において、好都合な耐容性(例えば副作用が少ない)が達成される。
【0010】
第1の局面において、本発明は、活性成分としてフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩を含む組成物であって、
フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである医薬組成物に関する:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w〜約60%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%w/w〜約100%w/w、例えば約75%w/w〜約95%w/wが放出される。
【0011】
別の局面において、本発明は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、それを必要とする患者に有効量の本発明医薬組成物を経口投与することを含む方法に関する。
【0012】
別の局面において、本発明は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための本発明の医薬組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質とし、次いで残りの試験時間は0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いる、本発明の腸溶コート錠(実施例1)の37℃におけるin vitro溶解プロフィールを示す。
【図2】0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質とし、次いで残りの試験時間は0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いる、本発明のフィルムコート錠(実施例2)の37℃におけるin vitro溶解プロフィールを示す。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明の文脈において、用語「API」(「活性医薬成分」の略語)および用語「活性物質」は、互換性に用いられ、本発明の医薬製剤から放出されるフマル酸エステルを表す。
【0015】
本発明の文脈において、用語「制御または持続放出」は、同等の条件下(例えば、in vivo試験では、用量等価(標準食などにするかまたはしない)、またはin vitro試験では、用量等価、溶解試験装置、および操作条件(例えば、用いる溶解媒質の組成、容量、および温度、回転速度など))で試験すると、市販の製品であるFumaderm(登録商標)の放出に比べてフマル酸エステルを持続して、緩徐に、遅れて、および/または遅延して放出するよう設計された製剤からの放出を表す。
【0016】
本発明の文脈において、用語「変動性」は、医薬製剤または基準製剤を投与後のPKパラメーター(例えば、CmaxおよびAUC)の変動性を表す。変動性は、PKパラメーターの変動係数(CV)、すなわち、標準偏差/平均の比として表すことができる。
【0017】
本発明の製剤は、比較的良好なin vitro/in vivo相関性を有することが解った。ある局面において、該in vitro/in vivo相関性は、in vitro溶解試験において該製剤から80%のフマル酸エステルが放出される時を、該製剤を投与した後にin vivoで測定したCmaxと比較することにより決定される。
【0018】
in vivo放出は、予め決定した時間に血漿中濃度を測定することにより該フマル酸エステルまたは関連性があればその代謝物の血漿中濃度対時間プロフィールを得ることにより試験することができる。(例えば、フマル酸ジメチルの場合は、活性物質はフマル酸水素メチル、すなわち、フマル酸のモノメチルエステルであると予想される。) さらに、代謝は、消化管内で、または消化管粘膜の通過時に、または肝循環を介した一次通過時にすでに生じていると考えられる。したがって、フマル酸エステルを投与するときに調べる血漿中の関連成分は、フマル酸のジメチルエステルではなくモノエチルエステルであろう。
【0019】
他の試験を用いてin vivoの活性物質の放出を測定するかまたは測定値を得ることもできる。すなわち、動物(例えば、ミニブタ、イヌなど)をモデルとして用いることができる。該動物に観察下で一定時間後に組成物を投与し、血液試料を回収し、血漿または特定臓器中の活性成分(または関連があればその代謝物)の含有量を決定するか、該活性成分を腸内容物から抽出する。
【0020】
別の試験は、動物またはヒト腸の特定の断片の使用を伴う。該断片を、断片により分離した2つのコンパートメント(ドナーおよびレシーバー)を含む適切な装置に置き、観察下で該組成物を1つのコンパートメント(ドナーコンパートメント)中の適切な媒質中に入れる。該組成物は活性物質を放出し、次いで該活性物質は腸断片を横切って運ばれる。したがって、適切な時間間隔で、レシーバーコンパートメント中の活性物質(または関連があれば代謝物)の濃度を測定する。
【0021】
当業者は、上記方法を特定の組成物に適合させることができるだろう。
【0022】
in vitro法については十分確立された方法、特に公式モノグラフ、米国薬局方(USP)または欧州薬局方などに記載の方法が利用可能である。当業者は、どの方法を選び、in vitro試験を実施するための具体的条件をどのように選択するかを理解しているだろう。例えば、USPは、in vitro試験を37±1.0、例えば37±0℃で行うように規定している。ある局面において、適切な溶解試験は、溶解プロフィールを、米国薬局方に記載のごとく37℃で、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで残りの試験時間については0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いて測定する。当業者は、適用条件、例えば、温度、pH、パドル速度、継続時間などを調整する方法を理解しているだろう。さらなる局面において、in vitro溶解試験は以下のごとく実施する:1リットル容器およびUSP装置II(パドル)を用いる。浴温度を37℃±0.5℃に、パドル速度を100rpmに設定する。1錠を750 mlの0.1N HCl(pH 1.2)を含む1つの容器中に2時間置く。その後、220 mlの0.2 Mリン酸ナトリウム緩衝液を加えてpHを6.8に変更する。各サンプリング時点で1.5mlの試料をとり、HPLCでDMFを分析する。HPLCパラメーターは以下の通りである:カラム:Phenomenex Luna C18、50 x 4.6 mm、3μm;カラム オーブン温度30℃:移動相:メタノール:20 mM リン酸緩衝液pH3.0(35:65 V/V)、注入容量:5μl、流速:0.8ml/min、検出器の波長:210nm、操作時間5min、DMF保持時間3.5min。
【0023】
本発明の文脈において、用語「律速物質」は、活性物質のin vivo放出を遅延および/または持続させることができる物質を表す。
【0024】
上記のように、活性物質のin vivoおよび/またはin vitroでの放出を、市販のFumaderm(登録商標)組成物に比べて延長し、緩徐にし、および/または遅延させる。本発明の文脈において、用語「延長(prolonged)」は、Fumaderm(登録商標)より長時間、Fumaderm(登録商標)より、例えば少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍以上長く放出されることを示すことを意図する。すなわち、例えば、100%のフマル酸ジメチルが適切な試験開始後3時間にFumaderm(登録商標)錠から放出される場合は、本発明の組成物中の100%のフマル酸ジメチルは適切な試験開始後の少なくとも3.6時間に放出される。
【0025】
本発明の文脈において、用語「遅延(delayed)」は、活性物質の放出がFumaderm(登録商標)に比べて後の時点で(例えば、30分またはそれ以降、例えば45分間もしくはそれ以降、例えば1時間それ以降、または1.5時間またはそれ以降に)開始することを示すことを意図する。
【0026】
本発明の文脈において、用語「モノリシック(monolithic)」は、単一単位からなるか、または単一単位を構成することを表す。
【0027】
本発明の製剤は、改善された耐容性、例えば消化管(GI)の副作用の重症度の減少および/または低下、例えば発赤発現の重症度の減少および/または低下、紅潮発現の重症度の減少および/または低下をもたらすと考えられる。
【0028】
本発明の使用において、消化管(GI)の副作用には、限定されるものではないが、下痢、腹痛(stomach ache、stomach pain、abdominal pain)、腹部痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、膨満(meteorism)、排便回数の増加、膨満感、および上腹部痙攣が含まれよう。本発明の文脈において、GI関連副作用の減少は、Fumaderm(登録商標)投与後にみられるGI副作用と本発明組成物投与後にみられるGI副作用を比較すると、ある治療患者ポピュレーションにおいて、重症度および/または発生率の減少を示すことを意図する。すなわち、この定義によればGI関連副作用の減少は、上記のあらゆるGI副作用の発生率の実質的な減少、例えば発生率の少なくとも10%の減少、より好ましくは発生率の少なくとも20%の減少、さらにより好ましくは発生率の少なくとも30%の減少と解釈される。GI関連副作用の減少は、下痢、腹痛(stomach ache、stomach pain、abdominal pain)、腹部痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、膨満(meteorism)、排便回数の増加、膨満感、または上腹部痙攣の重症度および/または頻度の実質的な減少として表現することもできる。上記GI関連副作用の減少は、Fumaderm(登録商標)またはプラセボと本発明の組成物の投与を比較する臨床試験においてモニターすることができる。プラセボ対照臨床試験の場合は、プラセボ群と比較した本発明の組成物を投与した患者のGI関連副作用の発生率を、Fumaderm(登録商標)とプラセボを比較するヒストリカル臨床試験と比較することができる(例えば、Altmeyer et al、J. Am. Acad. Dermatol. 1994;すべてを参照:Altmeyer PJ et al、Antipsoriatic effect of Fumaric acid derivatives. Results of a multicenter double-blind study in 100 patients. J. Am. Acad. Dermatol. 1994;30:977-81参照)。
【0029】
さらなる局面において、本発明の製剤を経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与後に比べてGI副作用(頻度および/または重症度)が減少する。
【0030】
ある態様において、そのような臨床試験は、下記の「患者に対する臨床試験」に示すごとく実施することができる。別の態様において、そのような臨床試験は、下記の「健康ボランティアに対する臨床試験」に示すごとく実施することができる。
患者に対する臨床試験
【0031】
典型的には乾癬に罹患した患者を試験に含め、典型的には体表面積の10%以上が乾癬に罹患している(重症の乾癬)。しかし、体表面積の2〜10%が罹患している患者も含むことができる(中等度の乾癬)。患者は感染面積重症度指標(PASI)スコアに基づいて選ぶこともできる。典型的にはPASIスコアが一定の範囲内、例えば10〜40、例えば12〜30、または例えば15〜25の患者を含む。別の態様において、一定の最小PASIスコア、例えばPASIスコアが少なくとも8、例えば少なくとも10、例えば少なくとも12、例えば少なくとも15の患者を含む。あらゆる種類の乾癬(慢性プラーク型、発疹滴状型、膿疱型、乾癬性紅皮症、または手掌足底型)の患者を含みうるが、ある場合には、慢性プラーク型の患者のみを含む。ほとんどの場合、各処置群(本発明製剤、Fumaderm(登録商標)、またはプラセボ)につき約15〜20名の患者で十分であるが、各治療群に約30〜50名の患者を含むことがより好ましい。試験の総継続時間は、わずか1日間〜1週間でありうるが、より好ましくは、試験は8〜12週間、または16週間またはそれ以上継続する。副作用は、例えば、ある副作用が各群について報告された総回数(何名の患者が副作用を経験したかにかかわらず)で評価するか、または試験の継続期間中にある副作用をある回数、例えば少なくとも1回、少なくとも2回、または少なくとも3回経験した患者の数で評価することができる。さらに、副作用の重症度をモニターすることができるか、または試験において副作用とみなすには副作用の一定の重症度が必要でありうる。副作用の重症度の好都合な評価方法は、視覚アナログ(VAS)スケールを用いる。
健康ボランティアに対する臨床試験
【0032】
本試験は、典型的には、非盲検無作為化交差デザインに従って、おそらく市販製剤であるFumaderm(登録商標)を標準とする本発明の医薬製剤(この場合は3種の異なる製剤)の血漿中濃度、薬物動態、安全性、および耐容性を検討する一施設臨床試験である。該錠剤を、240 mg(各120mgを含む2錠)1回経口用量として、20人の健常白人男性対象に、各処置期間に無作為化して投与する。試験を、少なくとも7日間のウォッシュアウト期間で分離した4つの処置期間(処置期間1、2、3および4)に分ける。
【0033】
対象を、第1投与前少なくとも21〜2日間に、以下のものを含む適格性についてスクリーニングする:包含/除外基準のチェック;人工統計データ(年齢、身長、体重、肥満指数(BMI)、人種を含む);健康診断;全病歴;12誘導心電図(ECG);生命兆候(血圧(BP)、脈拍数(PR)、および体温(BT));臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併発疾患および薬物治療の記録資料による裏付け。4つの各処置期間において、対象は試験施設に第-1日の夜(およそ6:00p.m.)(または第-1日にさらなる試験が必要な場合はそれより早く)に来て、PK分析用の24時間血液試料を採取し、すべての安全性検査を行うまで(=第2日の朝)滞在する。
【0034】
対象を一夜絶食させる。本発明の製剤の1つの単回経口用量(2錠)、または標準品の薬剤Fumaderm(登録商標)2錠(それぞれ120 mg フマル酸ジメチルを含む(総用量240 mg フマル酸ジメチル))を第1日に(無作為化に従って)投与する。絶食状態の対象に240mLの水道水と共に投与する。各投与間に少なくとも7日間のウォッシュアウト期間を維持する。
以下の評価/測定を行う
【0035】
投与前および予め計画した投与後の時間に血液を採取し、血漿中濃度およびPK-パラメーターの測定を行う。投与前および予め計画した投与後の時間に尿を採取する。
以下のものを含む追跡試験を最終投与(処置期間4)の少なくとも7日間後に行う:健康診断;生命兆候(BP、PR、およびBT);体重;12誘導ECG;臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併用薬物療法および有害事象の記録資料による裏付け。
【0036】
さらなる局面において、本発明の製剤は経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与に比べて紅潮(頻度および/または重症度)を減少させる。
【0037】
本発明の文脈において、用語「紅潮」は、顔および/または首、および頻度は少ないが上幹および上腹部の温感または熱感を伴う皮膚の突発的発赤を表す。紅潮は、発症が一過性である点で、光線過敏症や急性接触反応の持続性紅斑と区別される。長期間にわたる反復性紅潮は、毛細血管拡張症および時として顔面の古典的酒さをもたらしうる(Greaves MW. Flushing and flushing syndromes、rosacea and perioral dermatitis. In:Champion RH.ら編、Rook/Wilkinson/Ebling textbook of dermatology、第6版、vol.3. Oxford、UK:Blackwell Scientific、1998:2099-2104)。
【0038】
本発明の文脈において、紅潮の減少とは、所定の処置患者間で、本発明の製剤を投与した後にみられる紅潮の重症度および/または発生率/頻度が、Fumaderm(登録商標)投与後にみられる紅潮に比べて減少することを意味し、これは例えばO'toole et al. Cancer 2000、88(4):p. 770〜776の記載に従って測定することができる。すなわち、この定義によれば紅潮の減少は、紅潮の発生率および/または重症度の減少と解釈することができよう。本発明のある局面において、紅潮の発生率は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/2減少し、本発明のさらなる局面において、紅潮発生率は約2/3またはそれ以上減少する。同様に、本発明のある局面において、該重症度は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において少なくとも約1/3、本発明の別の局面において少なくとも1/2、本発明のさらなる局面において少なくとも約2/3減少する。紅潮発生率および重症度の100%の減少が最も好ましいが、必要ではない。上記のように臨床試験において、例えば本発明の組成物の投与と例えばFumaderm(登録商標)の投与を比較することにより紅潮の減少をモニターすることができる。Fumaderm(登録商標)を対照とする臨床試験の場合は、本発明の化合物を投与された患者の紅潮の軽度、中等度、または重度で定義した発生率および重症度をFumaderm(登録商標)群と比較することができる。
【0039】
ある局面において、紅潮の重症度は、罹患した体表面積で決定する。
【0040】
ある態様において、該臨床試験は「患者に対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。別の態様において、該臨床試験は、「健康ボランティアに対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。
【0041】
さらなる局面において、本発明の製剤を経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与後に比べて発赤(頻度および/または重症度)が減少する。
【0042】
本発明の文脈において、用語「発赤」は、皮膚の突発的な発赤を表す。ある局面において、発赤は顔、首、および頻度は少ないが上幹および上腹部に生じる。
【0043】
本発明の文脈において、発赤の減少は、所定の処置患者間で、本発明の製剤を投与した後にみられる発赤の重症度および/または発生率/頻度が、Fumaderm(登録商標)投与後にみられる発赤に比べて減少することを意味し、例えば医師や看護師が評価することができる。すなわち、この定義によれば発赤の減少は、発赤の発生率および/または重症度の減少と解釈することができよう。本発明のある局面において、発赤の発生率は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/2減少し、本発明のさらなる局面において、発赤の発生率は、約2/3またはそれ以上減少する。同様に、本発明のある局面において、該重症度は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において少なくとも約1/3、本発明の別の局面において少なくとも1/2、本発明のさらなる局面において少なくとも約2/3減少する。発赤発生率および重症度の100%の減少が最も好ましいが、必要ではない。臨床試験において、上記のごとく発赤の減少を、例えば本発明の組成物の投与と例えばFumaderm(登録商標)の投与を比較することによりモニターすることができる。Fumaderm(登録商標)を対照とする臨床試験の場合は、本発明の化合物を投与された患者の発赤の軽度、中等度、または重度で定義した発生率および重症度をFumaderm(登録商標)群と比較することができる。
【0044】
ある局面において、発赤の重症度は、罹患した体表面積で決定する。
【0045】
ある態様において、該臨床試験は「患者に対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。別の態様において、該臨床試験は、「健康ボランティアに対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。
【0046】
本発明の文脈において、用語「浸食マトリックス」は、APIの放出が、固有の拡散プロセスに依存せず、マトリックスの浸食速度の結果であるマトリックスを表す。十分制御された方法で浸食されうるマトリックス層を除去することにより予め決定した量のAPIが得られ、APIの放出は、マトリックスの膨潤および溶解または浸食速度、ならびにAPIの溶解速度、可溶性、および拡散速度に依存する。
【0047】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w〜約60%w/w、例えば約10%w/w〜約60%w/w、例えば約20%w/w〜約50%w/w、例えば約30%w/w〜約50%、例えば約40%w/w〜約50%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約75%w/w〜約100%w/w、例えば約75%w/w〜約95%w/w、例えば約80%w/w〜約100%w/w、例えば約80%w/w〜約95%w/w、例えば約85%w/w〜約100%w/w、例えば約85%w/w〜約95%w/w、例えば約90%w/w〜約100%w/w、例えば約90%w/w〜約95%w/wが放出される。
【0048】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約92%〜約100%、例えば約94%w/w〜約98%w/w、例えば約95%w/wが放出される。
【0049】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約94%〜約100%、例えば約94%w/w〜約99%w/w、例えば約95%〜98%が放出される。
【0050】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の6時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約95%〜約100%、例えば約96%w/w〜約99%w/w、例えば約97%〜98%が放出される。
【0051】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約40%w/w〜約50%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約85%w/w〜約95%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約92%w/w〜約100%w/wが放出される。
【0052】
本発明のある態様は、フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いてin vitro溶解試験を行うと以下の通りである組成物である:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約40%w/w〜約50%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約85%w/w〜約100%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約92%w/w〜約100%w/wが放出される。
【0053】
本発明のある態様において、該放出は、ゼロ次、一次、または平方根(Higuchi's)動力学放出プロフィールを有する。
【0054】
さらなる態様において、該in vitro放出は、ゼロ次、一次、および平方根 (Higuchi's)動力学in vitro放出プロフィールの組み合わせ、例えば、ゼロ次および一次in vitro放出プロフィールの組み合わせを有する。
【0055】
種々の動力学モデル、例えばゼロ次(1)、一次(2)、平方根(Higuchiの方程式)(3)を、薬物放出動力学の解釈に適用することができる。
1:Mt = M0 + ko*t
2:InMt = InM + k1*t
3:Mt = M0 + kH*t1/2
【0056】
これらの方程式において、Mtは、あらゆる特定時点で放出される薬剤の蓄積量であり、M0は、医薬組成物中に組み込まれた活性物質の用量である。k0、k1、およびkHはそれぞれゼロ次、一次、およびHiguchiの方程式の速度定数である。
【0057】
本発明のある局面はゼロ次溶解放出プロフィールに関する。別の局面は一次溶解放出プロフィールに関する。さらなる局面は、平方根(Higuchiの方程式)溶解放出プロフィールに関する。
【0058】
ある局面において、1またはそれ以上のフマル酸エステルならびに該フマル酸エステルの制御放出を可能にする1またはそれ以上の律速物質を含む医薬組成物を提供する。
【0059】
本発明の文脈において、用語「相対的バイオアベイラビリティ」は、2つの異なる製剤または基準製品を投与した後に吸収された薬剤の量 (曲線下面積(AUC)で表す)の比較を表す。本発明の文脈において、吸収された薬剤の量(AUCで表す)は、投与した実際の薬剤またはその代謝物の形で検出することができる。相対的バイオアベイラビリティは、基準AUCのパーセンテージ、すなわちAUC%で表すことができる。
【0060】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、少なくとも約75%、例えば少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%、例えば約100%である。
【0061】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、少なくとも約100%、例えば少なくとも約110%、例えば少なくとも約120%、例えば少なくとも約125%、例えば少なくとも約130%である。
【0062】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、最大で約130%、例えば最大で約125%、例えば最大で約120%、例えば最大で約110%、例えば最大で約100%である。
【0063】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーである。
【0064】
本明細書で用いている用語「水溶性ポリマー」は、水に10mg/mLより大きい可溶性を有する医薬用の常套的ポリマーを意味する。適切な水溶性ポリマーには、限定されるものではないが、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースが含まれる。ある局面において、該水溶性ポリマーはヒドロキシプロピルセルロースである。
【0065】
本明細書で用いている用語「水に不溶性のポリマー」は、水に10mg/mL以下の可溶性を有する医薬に用いるための好都合なポリマーを意味する。
【0066】
本発明のさらなる局面において、浸食マトリックスは、実質的に水に不溶性のポリマーを含まない。さらなる局面において、浸食マトリックスは、水に不溶性のポリマーを含まない。
【0067】
本発明の文脈において、用語「実質的に無い(含まない)」は、約1%以下、例えば約0.5%以下、例えば約0.3%以下、例えば約0.0%のレベルを表す。
【0068】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーであり、該浸食マトリックスは、実質的に水に不溶性のポリマーを含まない。
【0069】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーであり、該浸食マトリックスは、水に不溶性のポリマーを含まない。
【0070】
本発明のある態様において、該律速物質は、セルロースポリマーもしくはセルロース誘導体またはその混合物である。セルロースポリマーもしくはセルロース誘導体またはその混合物の非限定的例として、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびその混合物があげられる。
【0071】
本発明のある態様において、該律速物質はヒドロキシプロピルセルロースである。例えば、その分子量、エーテル化度、粘度などに応じて種々の異なるグレードのヒドロキシプロピルセルロースが存在する。市販のヒドロキシプロピルセルロースの非限定的な典型的態様は、例えば、登録商標Klucel(登録商標) HPC-L、HPC-SL、HPC-SSL、HPC-M、HPC-HなどをAqualonまたはNippon Sodaから得ることができる。本発明のある態様において、該律速物質は、20℃で2重量%の乾燥HPCを含む水性溶液中で測定すると3.0〜5.9の粘度(mPa.s)を有するヒドロキシプロピルセルロースである。本発明の態様において、該律速物質はHPC-SLである。
【0072】
本発明の別の態様において、該律速物質は、アクリル酸ポリマーもしくはコポリマーまたはメタクリル酸ポリマーもしくはコポリマーまたはその混合物、または上記の1またはそれ以上のセルロースポリマーもしくはセルロース誘導体との混合物である。アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにメタクリル酸ポリマーおよびコポリマーの例には、限定されるものではないが、アンモニオメタクリレートコポリマータイプA、アンモニオメタクリレートコポリマーB、メタクリル酸コポリマーA、メタクリル酸コポリマーB、ポリビニルアセテートポリマー、およびメタクリル酸-酢酸ポリマーが含まれる。
【0073】
本発明のある態様において、該律速物質は3〜35重量%、例えば約4〜15重量%、例えば約4〜10重量%、例えば約4〜6重量%の量で存在する。
【0074】
本発明の別の態様において、該律速物質は、15〜40重量%、例えば約15〜25重量%の量で存在する。本発明の別の態様において、該律速物質は、約25〜40重量%、例えば約35〜40重量%の量で存在する。
【0075】
律速物質の量は、用いる特定の律速物質、目的とする放出プロフィール、コア錠中に存在するあらゆる賦形剤および添加物の濃度と性質などに応じて変化する。
【0076】
本発明のある態様において、該製剤はさらに結合剤を含む。その態様において、該結合剤はラクトースである。ラクトースは、特に、種々の粒子サイズ、粒子サイズ分布などをもたらすのに用いる製造方法に応じて多くの種々のグレードが市販されている。ラクトースの例には、限定されるものではないが、無水ラクトース、α-ラクトース一水和物から作られたラクトース、凝集ラクトース、粒状ラクトース、結晶ラクトース、結晶、篩過したラクトース、篩過したラクトース (例えば、PrismaLac(登録商標)、例えばPrismaLac(登録商標) 40)、結晶、研磨ラクトース (例えば、GranuLac(登録商標)、例えばGranuLac(登録商標) 70、GranuLac(登録商標) 140、GranuLac(登録商標) 200、GranuLac(登録商標) 230、およびGranuLac(登録商標) 400)、改良ラクトース、凝集ラクトース (例えば、Tablettose(登録商標)、例えばTablettose(登録商標) 70、Tablettose(登録商標) 80、およびTablettose(登録商標) 100)、改良ラクトース、噴霧乾燥ラクトース (FlowLac(登録商標)、例えばFlowLac(登録商標)90およびFlowLac(登録商標) 100)が含まれる(フィルムコーティングについて上記のものと同様の利益をもたらす)。しかし、さらに、活性医薬成分は、胃内腔の酸環境に放出されないことがあり、APIが胃粘膜を刺激する可能性がある場合は刺激から胃粘膜を保護する可能性がある。
【0077】
本発明の組成物中の活性物質は、あらゆるフマル酸エステルである。
【0078】
本発明のある態様において、フマル酸エステルは、好ましくはフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、メチルエチルフマレート、メチルプロピルフマレート、メチルブチルフマレート、メチルペンチルフマレート、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、およびフマル酸モノペンチル(その医薬的に許容される塩を含む)からなる群から選ばれる。
【0079】
その医薬的に許容される塩には、金属塩、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、または亜鉛塩を含む)、アミノ酸塩などが含まれる。
【0080】
本発明の別の態様において、該フマル酸エステルは、その単糖エステルの形で存在する。
【0081】
本発明のある態様において、該フマル酸エステルは、医薬的に許容される塩の形で存在するフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルである。適切な塩は、例えば、金属塩 例えば、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、または亜鉛塩を含む)である。
【0082】
用語(C1-C5)アルキルは、炭素数1〜5(含む)の分枝状または非分枝状アルキル基(例えば、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-l-プロピル、およびペンチル)を表す。
【0083】
別の態様において、本発明の組成物は活性物質としてフマル酸ジメチルを含む。
【0084】
さらなる態様において、本発明の組成物は、活性物質として、所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形のフマル酸モノメチルを含む。
【0085】
別の態様において、本発明の組成物は、本質的に活性物質としてフマル酸ジメチルからなる。
【0086】
別の態様において、本発明の組成物は、活性成分としてフマル酸ジメチルからなる。
【0087】
さらなる態様において、本発明の組成物は、本質的に、活性成分として、所望により、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩のような医薬的に許容される塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0088】
さらなる態様において、本発明の組成物は、所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0089】
さらなる態様において、本発明の組成物は、活性成分として、重量比が約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)を含む。
【0090】
さらなる態様において、本発明の組成物は、本質的に、活性成分として、重量比が約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)からなる。
【0091】
さらなる態様において、本発明の組成物は、活性成分として、重量比が約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)からなる。
【0092】
ある態様において、本発明の製剤は、1日に1回、2回、または3回投与するためのものである。
【0093】
ある態様において、該製剤は、1日に1回投与するためのものである。
【0094】
ある態様において、該製剤は、1日に2回投与するためのものである。
【0095】
患者を治療するために投与する本発明の制御放出医薬組成物の1日用量は、限定されるものではないが、体重、年齢、および治療する病状もしくは疾患の根本原因を含む多くの因子に左右され、これを決定するのは医師の技術の範囲内である。
【0096】
本発明のある局面において、1日用量は、例えば、200〜400 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、300〜500 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、400〜600 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、500〜700 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、600〜800 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、700〜900 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、800〜1000 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、900〜1100 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、1000〜1200 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、1100〜1300 mg活性成分(1〜3用量投与する)、別の局面において、1200〜1400 mg活性成分(1〜3用量投与する)、およびさらなる別の局面において1300〜2000 mg活性成分(1〜3用量投与する)でありうる。
【0097】
ある態様において、本発明の組成物は浸食マトリックス錠の形で製造するすることができる。浸食マトリックス錠は、造粒、次いで錠剤化、および所望により得られたコア錠のフィルムコーティングおよび/または腸溶コーティングにより得ることができる。該コアは、常套的湿式造粒または連続造粒、例えば、押し出し成形、次いで顆粒を圧縮して錠剤とすることにより製造することができる。次に、該コアを適切な技術、好ましくは空気サスペンジョンによりコーティングすることができる。
【0098】
別の態様において、本発明の組成物は、例えば、拡散制御ドラッグデリバリーシステム、浸透圧制御ドラッグデリバリーシステムなどとして製造することができる。そのような組成物は、当業者によく知られており、例えば、拡散制御ドラッグデリバリーシステム、浸透圧制御ドラッグデリバリーシステム、浸食性ドラッグデリバリーシステムなどが含まれる。さらに、特定の技術(例えば上記)に基づいて活性物質の特定の放出特性を有する特定の組成物を提供することができる製薬会社がある。したがって、当業者は、特定の薬物物質に関する特定の要求が解れば適切な生成物を得る方法が解るであろう。例として、Eurandは、特定の活性物質を含み、組成物からの該活性物質の放出に関して特定の要求がある制御放出医薬組成物を得るための技術的解決法を提供するそのような会社の一つである(例えば、http://www.eurand.com参照)。別の会社には以下のものがある:いわゆるSQZgel(登録商標)を含む技術を開発したMacroMed、Inc.(http://macromed.com、SQZgel(登録商標)の作用機序はアウターコーティングと組み合わせたpH感受性ポリマー混合物である。胃の酸環境において、該ポリマーが水を吸収して膨潤し、薬剤を取り込む。pHがより高い腸に入ると、該ポリマーは徐々に収縮するかまたは「ダイアルイン」速度で「搾られ」、活性組成物を持続滴に放出するか、または特定の押し出し成形に基づく技術を有するEgalet a/s(http://www.eqalet.com、Egalet(登録商標)技術の鍵となる要素は、生体分解性コート、ならびに活性薬剤を含むマトリックスであり、これは表面浸食性で疎水性であり、PEGステアレートからなる。Egalet(登録商標)技術の一つに2K Egalet(登録商標)一定放出系があり、これはコートおよびマトリックスからなる2コンパートメント生成モデルである。該薬剤は、最終的にEgalet(登録商標)マトリックス全体に分配され、時間をかけて一定に放出される。本発明の文脈において、例えば以下のような技術が興味深い:Eurand技術Diffucaps (薬剤放出プロフィールは、天然コア、例えば糖の球、結晶、または顆粒上に活性薬剤、次いで速度調整する機能膜を重層することにより製造される。Diffucaps/Surecapsビーズは、サイズが小さく直径訳1mmまたはそれ以下である。種々の薬剤放出プロフィールのビーズを硬ゼラチンカプセル中に取り込むことにより組み合わせ放出プロフィールを達成することができる)、Diffutabs (Diffutab技術はマトリックス錠の拡散および浸食を介して薬剤放出を調節する親水性ポリマーの混合物を包含する。)、Minitabs (Eurand Minitabsは薬剤放出速度を調節するゲル形成賦形剤を含む小さな(2mm x 2mm)錠剤である。さらに膜を加えてさらに放出速度を調節することができる。)、Orbexa(この技術は、規定ベースの(defined-based)造粒押し出し成形および球形化技術を用いてサイズと密度が調節されたビーズを生成する。得られたビーズは、さらに放出速度を調節するために放出速度制御膜でコーティングし、カプセルに充填するか、サシェーの形で提供することができる。)、およびSDS(EurandのSDS技術では、腸管に沿って最適な吸収部位に薬剤を送達する機能的ポリマーまたは機能的ポリマーの組み合わせ、および特定の添加物、例えば複合ポリマー物質を用いる。これを達成するために、Eurandは最初に多粒子剤形、例えば、DiffucapsまたはEurand Minitabsを生成し、活性薬剤を組み込む。次に、該剤形をpH依存性/非依存性ポリマー膜でコートし、薬剤を所望の部位に送達する。次に、これらを硬ゼラチンカプセルに充填する。)。
【0099】
本発明組成物を製造するのに用いる別の興味深い技術に、WO 03/004001に記載のいわゆるMeltDose(登録商標)がある(http://www.lifecyclepharma.com参照。MeltDose(登録商標)は、可溶化した個々の分子を錠剤に製剤化することを含む。個々の分子を製剤化することにより、低水溶性の薬剤における経口吸収の主な制限が除去され、優れたバイオアベイラビリティを達成することができる。)。この技術を用いることにより種々の医薬剤形、例えばペレットまたは錠剤の形に加工するのに適した粒子状物質を得ることができる。さらに、該技術は、例えば本明細書に記載の放出プロフィールのような活性物質の適切な放出プロフィールを得ることができるので使用に適している。ある態様において、使用に適したペレットは、平均粒子サイズが2000μmより大きいことがある。別の態様において、使用に適したペレットは、平均粒子サイズが約0.01μm〜約250μmでありうる。
【0100】
本発明の文脈において用いるための別の特定の適切な製剤原理は、例えば軟ゼラチンカプセルのような親水性環境での製剤である。この製剤原理の適切な例は、SchererのVegicaps Softである(カラギーナンおよびデンプンに基づく軟カプセル技術は、100%植物由来であるにも関わらず伝統的軟ゼラチンカプセルのすべての重要な特性を提供する。これらには、燕下しやすい軟および柔軟剤形が含まれる。)(さらなる情報については、http://www. rpscherer.de/paqe.php?paqeID=94参照)。
【0101】
適切な製剤のさらなる具体例には、軟または硬ゼラチンカプセル中に活性物質をビタミンE濃縮物と一緒に製剤化することが含まれる。修飾形のこの製剤は、シクロスポリンに加えて、とりわけ、コーン油-モノ-ジ-トリグリセリド、ポリオキシル40水素化ひまし油NF、DL-α-トコフェロールUSP(ビタミンEファミリーの一部)、ゼラチンNF、グリセロール、黒色酸化鉄、プロピレングリコールUSP、二酸化チタンUSP、カルミン、およびアルコールを含む市販のサイクロスポリン製品Neoral(登録商標)の主成分である。
【0102】
適切な製剤の別の具体例には、軟または硬ゼラチンカプセル中に、活性生物を、エタノール、トコフェロールエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、コーン油、およびワックスと共に製剤化することが含まれる。この生成物は半固体または固体剤形でありうる。この製剤の放出速度は、腸内のリパーゼによる分解に依存する。
【0103】
適切なさらなる例には、軟または硬ゼラチンカプセル中に活性成分を、エタノール、トコフェロールエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、コーン油、およびポリグリコール化グリセリド(例えばGelucire)と共に製剤化することが含まれる。この生成物は半固体または固体剤形でありうる。この製剤の放出速度は、腸内のリパーゼによる分解に依存する。
【0104】
適切な製剤のさらなる例には、経口パルス投与ドラッグデリバリーシステムがある。この剤形は、Schering Repetab錠の改良形として理解することができる。本発明組成物の部分は錠剤のコア中に含まれる。
【0105】
該コアは、例えば、常套的湿式造粒または連続造粒、例えば、押し出し成形、次いで顆粒を圧縮して錠剤とすることにより製造することができる。次に、該コアを、適切な技術を用い、好ましくは腸溶コーティングポリマー、例えばEudragitsを用いる空気サスペンジョンによりコーティングする。
【0106】
第1放出用量は、該コア上にコートされたコンプレッション(compression)、または腸溶コートでまたは腸溶コートの上部にコートされた空気サスペンジョンである。
本発明の態様において、第1放出用量は、腸溶コートでコートされた空気サスペンジョンである。本発明のさらなる態様において、第1放出用量は、腸溶コートが分解する前に本発明の組成物が放出されるのを避けるために該コア上にコートされたコンプレッションであり、そのような分解は典型的には胃腔中でみられるより高いpH値で生じ、すなわち、腸溶コートの分解が典型的には胃腔を通過後に生じる。
【0107】
適切な製剤のさらなる例は、経口持続ドラッグデリバリーシステムである。本発明組成物の部分は錠剤のコアに含まれる。
【0108】
該コアは、例えば、常套的湿式造粒もしくは連続造粒、例えば、押し出し成形、次いで顆粒を圧縮して錠剤とすることにより製造することができる。該コアは適切な技術、好ましくはエチルセルロースおよび親水性賦形剤、例えばヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)を用いる空気サスペンジョンによりコートする。
【0109】
第1放出用量は、該コア錠にコートされたコンプレッション、または腸溶コートでまたは腸溶コートの上部にコートされた空気サスペンジョンである。本発明の好ましい態様において、第1放出用量は、腸溶コートでコートされた空気サスペンジョンである。本発明のさらなる態様において、第1放出用量は、腸溶コートが分解する前に本発明の組成物が放出されるのを避けるために該コア上にコートされたコンプレッションであり、そのような分解は典型的には胃腔中でみられるより高いpH値で生じ、すなわち、腸溶コートの分解が典型的には胃腔を通過後に生じる。
【0110】
適切な製剤のさらなる例は、例えばWO 03/080034に記載されているような結晶工学により得られる(この内容は本明細書の一部を構成する)。
【0111】
したがって、別の態様において、本発明組成物は、親水性表面を有する微結晶の形の活性物質を含む。さらに、本発明の別の態様において、該微結晶を直接フィルムコートし、持続放出製剤を得る。
【0112】
適切な製剤の別の具体例には、本発明組成物と純粋シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体(例えば、アルキル-およびヒドロキシアルキル-誘導体またはスルホブチル誘導体)との複合体形成が含まれる。該複合体形成は、既知の方法に従って達成される。そのような複合体形成は複合体形成前の組成物に比べて本発明組成物により高い可溶性とより高い溶解速度をもたらすことが予期される。さらに、そのような複合体形成は、複合体形成前の組成物に比べて本発明組成物により高いバイオアベイラビリティをもたらすことが予期される。
【0113】
具体的態様において、本発明は、1日に1回、2回またはそれ以上、例えば1日に1回、2回、または3回投与することができる制御放出医薬組成物に関する。さらに、該組成物は、比較的pHに無関係にフマル酸エステルを放出する、すなわち、該放出は消化管内のpHに依存しないように設計することができる。そのような組成物の例には、例えば制御放出コーティングでコートされた固体剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、ペレット、ビーズなど)の形の組成物がある。制御放出コーティングに適した物質には、例えば、セルロースおよびセルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、およびセルロースアセテートを含む)、またはポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)、ポリ(ビニルクロリド)がある。
【0114】
フマル酸エステルの放出は、典型的には拡散制御膜でコートした組成物から以下の3段階で生じる:
i) 第1に、水(消化管からの)が周囲から該剤形中に拡散し、
ii) 第2に、該剤形中に存在するフマル酸エステルの少なくともいくらかが水の作用により溶解し、
iii) 溶解したフマル酸エステルが該剤形から周囲(すなわち、消化管)に拡散する。
【0115】
適切な組成物の他の例には、例えばヒドロゲル、すなわち活性物質が水で膨潤するネットワークポリマー中に組み込まれているモノリシック系がある。使用に適した物質には、例えば親水性ビニルおよびアクリルポリマー、アルギネートのような多糖、およびポリ(エチレンオキシド)が含まれる。
【0116】
具体的態様において、本発明組成物は、フマル酸エステルのpH制御放出(pH依存性放出としても知られる)を有する。通常、該放出は、フマル酸エステルの胃(pH約3以下)への放出があるとしても少量だけであり、フマル酸エステルは腸内に放出される(pHは約6〜7に変わる)。そのようなpH制御放出は、腸溶コーティングを有する本発明組成物(全組成物、または該組成物が多粒子組成物である場合は個々の単位)を提供するか、またはpH依存性浸透機序によりフマル酸を放出する組成物を提供するか、または適切な酵素を用いることにより得ることができる。
【0117】
腸溶コーティング物質としての使用に適した物質の例には、ポリアクリルアミド、フタレート誘導体、例えば炭化水素の酸フタレート、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、他のセルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリアクリルメタクリル酸コポリマー、セラックおよびビニルアセテート、およびクロトン酸コポリマーなどが含まれる。
【0118】
pH非依存性放出を示す上記組成物は、例えば腸溶コーティングの外層を有する組成物を提供することによりフマル酸エステルを放出するよう製剤化することもできる。さらに、該組成物は、フマル酸エステルの放出の初期遅延が得られるような方法で製剤化することができる。そのような遅延は、例えば時間制御的に分解(例えば浸食)する最外層を選択することにより得ることができ、この最外層コーティングが浸食されてなくなるときにのみフマル酸エステルの放出が始まる。
【実施例1】
【0119】
コア錠の製造
必要な予防措置をとった(外気導入式防護服、二重手袋、腕カバー、呼吸マスクなど)。非微粉化フマル酸ジメチル1200gを、流動層造粒機のバスケットに入れた。75gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを撹拌しながら2925gの精製水に溶解し、70gのHPCがスプレーされるまでDMF上に約2.5時間スプレーした。該顆粒を29℃で4分間乾燥し、次いで1.1mmふるいで篩過した。生成物温度は決して30℃を超えなかった。
【0120】
378.2gの乾燥顆粒を、400.6gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac 100(登録商標))、14.6gのHPC-SLおよび0.9gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、5,8gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量275 mgの両凸錠を得た。
腸溶コーティング
【0121】
1kgの胃酸耐性コーティング液を、350mlの精製水を70〜80℃に加熱し、20gのクエン酸トリエチル、3gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、1gのTween 80を加え、次いでUltraTurraxで10分間撹拌して均一な混合物を得ることにより調製した。427.8gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを、210gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を、流動層チャンバー中で温度30℃で約2.5時間コア錠にスプレーした。30℃で30分間乾燥し、次いでさらに35℃で30分間硬化させた。あるバッチにおいて、780gの錠剤を腸溶コートした。
【0122】
0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を実施した本実施例のフィルムおよび腸溶コート錠の溶解プロフィールを図1に示す。
【実施例2】
【0123】
必要な予防措置をとった(外気導入式防護服、二重手袋、腕カバー、呼吸マスクなど)。フマル酸ジメチル1.2kgを、700μmふるいで篩過し、流動層造粒機のバスケットに入れた。70.6gのポリマーヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを撹拌しながら2753gの精製水に溶解し、DMF上に2.5〜3時間スプレーした。該顆粒を29℃で3分間乾燥した。種々のバッチを混合し、次いで700μmふるいで篩過した。
【0124】
1416gの乾燥篩過顆粒を、1002.9gの顆粒状ラクトース(Tablettose 100(登録商標))、54.6gのHPC-SL、およびAerosil(登録商標)とTablettose(登録商標)の事前混合物とバレルブレンダーを用いて20rpmで15分間混合した。事前混合物は、ポリエチレンバッグ中で3.3gのコロイド状ケイ酸(Aerosil(登録商標))および501.4gのTablettose(登録商標)から調製し、次いで500μmで篩過した。最後に、21.8gのステアリン酸マグネシウムを加え、最終混合物を押し出して直径8mm重さ275mgの両凸錠を得た。
フィルムコーティング
【0125】
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を36gのOpadryを204gの精製水に加えて調製した。この懸濁液の約66%を流動層チャンバー中でコア錠上に20分間スプレーした。生成物温度は決して40℃を超えなかった。コーティングプロセスに次いで30℃で16分間乾燥した。
【0126】
0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を実施した本実施例のフィルムコート錠の溶解プロフィールを図2に示す。
【実施例3】
【0127】
本試験は、非盲検無作為化交差デザインに従って、市販製剤であるFumaderm(登録商標)を標準とする本発明の医薬製剤の血漿中濃度、薬物動態、安全性、および耐容性を検討する一施設臨床試験であった。該錠剤を、240 mg(各120mgを含む2錠)の1回経口用量として、18人の健常白人男性対象に、各処置期間に無作為化して投与した。
【0128】
対象を、第1投与前少なくとも21〜2日間に、以下のものを含む適格性についてスクリーニングした:包含/除外基準のチェック;人工統計データ(年齢、身長、体重、肥満指数(BMI)、人種を含む);健康診断;全病歴;12誘導心電図(ECG);生命兆候(血圧(BP)、脈拍数(PR)、および体温(BT));臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併発疾患および薬物治療の記録資料による裏付け。
【0129】
各処置期間において、対象は試験施設に第-1日の夜に来て、PK分析用の24時間血液試料を採取し、すべての安全性検査を行うまで(=第2日の朝)滞在した。
【0130】
対象を一夜絶食させた。本発明の製剤(実施例2)の単回経口用量(2錠)、または標準品の薬剤Fumaderm(登録商標)2錠(それぞれ120 mg フマル酸ジメチルを含む(総用量240 mg フマル酸ジメチル))を第1日に(無作為化に従って)投与した。絶食状態の対象に240mLの水道水と共に投与した。各投与間に少なくとも7日間のウォッシュアウト期間を維持した。
以下の評価/測定を行った
【0131】
投与前および予め計画した投与後の時間に血液を採取し、血漿中濃度およびPK-パラメーターの測定を行った。
有害事象を試験を通して詳細に記録した。
投与前および予め計画した投与後の時間に尿を採取した。
以下のものを含む追跡試験を最終投与の少なくとも7日間後に行う:健康診断;生命兆候(BP、PR、およびBT);体重;12誘導ECG;臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併用薬物療法および有害事象の記録資料による裏付け。
【0132】
試験結果を以下の表Iおよび表IIに示す。

【0133】
臨床試験の上記結果は、試験した製剤がFumaderm(登録商標)に比べて有害作用の頻度の顕著な減少(表II)と低い変動性(表I)を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、
フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである医薬組成物:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w〜約60%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約95%が放出される。
【請求項2】
フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである請求項1記載の組成物:
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約92%〜約100%が放出される。
【請求項3】
フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである請求項1または2のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約94%〜約100%が放出される。
【請求項4】
フマル酸エステルの放出が、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液 pH 6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである先の請求項のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の6時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約95%〜約100%が放出される。
【請求項5】
該放出が、ゼロ次、一次、または平方根 (Higuchi's) 動力学放出プロフィールを有する先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
活性物質として、30〜60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、ならびに3〜40重量%の1またはそれ以上の律速物質を含む、先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
該律速物質がセルロースポリマーもしくはセルロース誘導体またはその混合物である請求項6記載の組成物。
【請求項8】
該律速物質が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる1またはそれ以上のものである請求項6または7に記載の組成物。
【請求項9】
該律速物質がヒドロキシプロピルセルロースである請求項6〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
錠剤の形の先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
1またはそれ以上のコーティングを有する先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
該コーティングが、フィルムコーティングおよび/または腸溶コーティングである請求項11記載の組成物。
【請求項13】
フマル酸エステルが、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、メチルエチルフマレート、メチルプロピルフマレート、メチルブチルフマレート、メチルペンチルフマレート、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、およびフマル酸モノペンチル(その医薬的に許容される塩を含む)からなる群から選ばれる先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
フマル酸エステルが医薬的に許容される塩の形で存在するフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルである先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
フマル酸ジメチルを活性物質として含む先の請求項のいずれかに記載の制御放出医薬組成物。
【請求項16】
フマル酸モノメチルまたはその医薬的に許容される塩を活性物質として含む先の請求項のいずれかに記載の制御放出医薬組成物。
【請求項17】
1日に1回、2回、または3回投与するための先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療に用いるための先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、それを必要とする患者に有効量の請求項1〜17のいずれかに記載の医薬組成物を経口投与することを含む方法。
【請求項20】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための請求項1〜17のいずれかに記載の医薬組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−514623(P2012−514623A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544875(P2011−544875)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050171
【国際公開番号】WO2010/079221
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510333553)フォーワード・ファルマ・アクティーゼルスカブ (3)
【氏名又は名称原語表記】Forward Pharma A/S
【Fターム(参考)】