説明

1回及び/又は数回コーティングされた基材の製造方法

走行する紙−、厚紙−又は他の繊維ウェブを片側又は両側で、1回又は数回コーティングする、カーテンコーティング装置(Curtain Coater)のための着色塗料組成物であって、この着色塗料組成物が顔料及びバインダーの他に滑剤を含有する、着色塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、1回及び/又は数回コーティングされた基材、例えば紙及び厚紙(印画紙及び粘着性ラベル紙除く)の製造方法に関する。
【0002】
技術水準
カーテン−コーティング方法は、写真産業においてコーティングするための技術水準から公知の方法である。写真産業において使用されるエマルション及び液体は、少ない固形物含有量及びわずかのみの粘度を有し、更に、設ける速度は極めてゆっくりであり、600m/分未満である。印画紙の製造の際にはこれに対して、写真産業において使用される懸濁体と比較して高い固形物含有量及び高い粘度を有する顔料着色された懸濁体が使用される。更に、グラフィック紙は大抵はブレードコーティング又はフィルムプレスを用いて、1000m/分を顕著に上回る速度で製造される。ブレード塗布方法もまた同様にフィルムプレス塗布方法も、このコーティングされた紙の品質に作用する欠点を有する。ブレード塗布方法の場合には例えば、ブレード下の高い剪断速度により引き起こされる粒子のアグレゲーションが、紙コーティング上のすじを生じ、これは、紙−及びボード紙の品質に負に作用する。更に、グラフィック産業において使用される着色塗料は、使用されるブレードを強力に負荷し、この結果、同じ程度のコーティング品質を紙又はボード紙に対して保証するためには、比較的頻度の高い、このブレードの交換をすることになる。
【0003】
更に、紙又はボール紙表面上での塗料分布は、紙基材の非平坦性により影響される。この紙の表面上での同程度でない塗料分布は、視覚的な印刷非一様性を生じることができる。この品質欠点は、まだら(Mottling)とも呼ばれる。
【0004】
上述されたフィルムプレス−塗布方法の際に、通常は、狭く限定された操作ウィンドウが存在し、これは、表面特性、加工すべき基材の多孔性により、又は、着色塗料固形含有量により決定される。更に、それぞれのウェブ速度に関して又はそれぞれの塗料質量に関して、上述した狭い操作ウィンドウは新たに獲得されなくてはならない。最適化されていないフィルムプレス−着色塗料処方物の場合には、従って、コーティングされるべき基材の表面に対する不一様なフィルム−スプリッティング−パターンが生じ、これは再度、この劣悪な印刷性を生じる。更に、フィルムプレス−塗布の際には小さな液滴の形成が生じることができ、これは再度、基材上に配置され、かつ、コーティングされる基材の品質の損失を引き起こし、前記基材は紙、厚紙又はボール紙である。
【0005】
フィルムプレス−塗布方法で達成可能な最大の塗布質量は、同様に、ナイフ方法(ブレード方法)のための塗布質量よりもより少ない。この限定は、加工されるべき基材に対する高い塗布速度の際に特に顕著である。
【0006】
両方の概略を示した塗布方法については、この塗布質量が、コーティングされるべき基材の突出部(山)及びへこみ(谷)の間で、不一様に分割されていて、この結果、この印刷インク許容性は規則的でなく経過し、これは、上で既に述べたまだらを生じることとなることが当てはまる。高い塗布速度のために、フィルムプレス方法もまた同様にナイフ方法(ブレード方法)も、グラフィック紙の製造の際に極めて幅広く処理される。
【0007】
JP 94/89437, JP 93/31 1931 , JP 93/177816, JP 93 131718 並びに EP 0 517 223 B1 並びに EP-A 1 249 533からは、カーテンコーティング方法が、1回又は数回顔料着色された着色塗料を用いた紙でのコーティングのために公知である。
【0008】
従って、EP-O 517 223 B1からは、コーティング印刷紙の製造方法が明らかである。この製造されるコーティング紙は、特に印刷の際に使用され、その際、コーティング液体からは、自由落下するキャスティングカーテンが生じ、この印刷原紙は、脱気されたコーティング液体でコーティングされ、この結果、コーティング液体の、自由落下するキャスティングカーテンは、コーティング原紙上に接触する。これは連続的に、自由落下するキャスティングカーテンに交差する方向の1つで進行する。このコーティング液体は、少なくとも1種の顔料及び少なくとも1種のバインダー、50質量%〜70質量%の濃度、及び、400〜4000mPa.sの粘度を含む。このコーティング液体は、飽和蒸気圧の真空の又はそれより低い値を有する雰囲気中で、そして、このコーティング液体に対して剪断が適用される条件下で脱気される。0.01mm〜0.5mmの直径を有するこの泡の脱気比は、コーティング液体中で、90%又はそれ以上である。このコーティング原紙は、下塗り層を有し、これはコーティング方法を用いて設けられ、このコーティング方法は、ナイフタイプのコーティング方法又はロールタイプのコーティング方法を含む群から選択されている。
【0009】
EP 1 249 533 A1からは、数回コーティングされた紙又はボード紙の製造方法が公知である。この方法は、多層にコーティングされた紙又はボード紙(印画紙及び粘着性ラベル紙を除く)の製造のために使用される。この数回コーティングされた紙又はボード紙は、特に、印刷−、包装−及び印付け目的のために使用可能であり、この際、少なくとも2種の設けるべき液体(水溶液又は懸濁液から選択されている)が、組み合わされた、自由落下するカーテンとして一緒にされ、かつ、連続的な、原紙又はボール原紙のウェブは、組み合わされたコーティング液体でコーティングされる。
【0010】
紙及びボール紙の加工のためのカーテンコーティング方法の使用は、例えばEP 0 517 223 B1及びEP 1 249 533 A1中に説明され、慣用の塗布方法と比較して改善された、塗布された表面構造が生じる。特に、高められた塗布方法は、カーテンコーティング方法の際に、少ない塗布質量で困難を伴ってのみ実現化されるものであり、というのは、この液体カーテンは次いで不安定になるからである。更に、紙基材上の着色塗料の接触の際には、この着色塗料は、自由落下の間に向きを変え、かつ、基材速度に対して促進される。このカーテンの際には、局所的に極めて高い剪断−及び伸長率が液体中で生じる。このより自由にカーテンを落下する液体はこの際、極めて強力に負荷されることができ、この結果、この液体フィルムの引裂が、キャビテーションバブル(Kavitationsblasen)により生じる可能性がある。この引裂の危険性は、基材ウェブの速度の増加と共に上昇し、これは、カーテンコーティング方法が実施されることができるこの上限を提示する。
【0011】
DE 10 2004 045 171 A1は、1回及び/又は数回コーティングされた基材の製造方法に関する。この際、コーティングされた紙又はコーティングされた厚紙(印画紙及び粘着性ラベル紙を除く)とは、印刷、包装及び印付けに特に適したものである。基材、例えば原紙又は厚紙は、自由落下する液体カーテンで1回又は数回コーティングされ、その紙このコーティング液体は特に1〜1000Pa.sの伸長粘度をHencky伸長性1〜15で有する。
【0012】
カーテンコーティング(Curtain-Coating方法)のために使用されるべき塗布媒体は、特定のレオロジー特性を有するべきであり、特に、これらが極めて高い機械速度(>1500m/分)及び/又は極めて低い塗布速度(<8g/cm2)で、粗いか又は極めて粗い基材、例えば、PPS−10>4μmの粗さを有する紙又はボール紙に設けられるものである場合に、有するべきである。
【0013】
これまでには、1800〜2000m/分を上回る速度で、塗布フィルム9g/m2未満を、高い固形物含有量(K>65%)で、ミクロスキップコーティング無しにカーテンコーティング装置(Curtain Coater)を用いて設けることは実施可能でなかった。
【0014】
着色塗料は現在では、アクリル酸及びアクリルアミドからなるコポリマーの水溶液のアニオン性エマルションで調製され、これは保護する油相を備えている。このコポリマーは、水性の粘性を高めるための増粘化を引き起こし、というのもこのコポリマーは有利には水に結合するからである。液状着色剤の水保持及び伸び性の改善は、この助剤の少量の添加の結果である。アクリル酸及びアクリルアミドからのコポリマーの選択された分子量に応じて、この着色塗料の増粘作用及び伸長特性、即ち、粘弾性に影響が及ぼされかつ制御されることができる。この助剤(アクリル酸及びアクリルアミドからなるコポリマー)の量を着色塗料中で高めることにより、この着色塗料の増粘が増強化され、かつ、液体フィラメント又は液体フィルムの動的な伸長性を高められる。この助剤の過剰量の計量供給(Ueberdosierung)は一方では、マイクロスキップコーティングの発生を減少又は妨げることができる。他方では、この過剰量の計量供給はしかしながら、この塗布された繊維質ウェブ上の縞の形成又はこの繊維質ウェブ上のカーテンの接触点での異なる不利な作用を生じることができる。コポリマーの分子量の選択により、これまでには、それぞれの場合においてこの作用が修正されるが、しかしながら全ての場合において完全に取り除かれない。
【0015】
この増粘剤の量が極めて高められる場合には、このカーテンの下側の末端で、周期的な彎曲部又は薄い「ウィンドウ」が生じ、これは、塗料中の品質劣悪化又は畝形成をも生じることができる。この機械速度がより高くなるか又はこの塗料質量がより低くなるか又はこのカーテン長さがより短くなるほど、この問題制御することがより困難にある。実際に生じるこの問題の満足のいく解決策はこれまでに見出されなかった。
【0016】
本発明の説明
本発明は、顔料着色した着色塗料を用いたカーテンコーティング方法のための使用領域を拡大するとの課題に基づく。
【0017】
この着色塗料組成物には、アクリル酸及びアクリルアミドからなるコポリマーのアニオン性エマルションの添加と関連して滑剤が添加されることができ、この結果、導入部で述べたコポリマーが混合されている着色塗料組成物と比較した、着色塗料のより良好な流動性及び伸長性が、そして従って、より良好な粘弾性が達成されることができる。「滑剤」とは、本発明の関連において、幅広く物質が理解され、これは特に、アグロメレーションの形成を阻止するか又は、着色塗料の成分、実質的に顔料、バインダー及び助剤の間の、「潤滑作用」の種類により高い流動性を可能にするべくカーテンコーティングのための着色塗料に添加される。「滑剤」は同様に、カレンダー処理の際の塗料の特性を改善し、というのは、この塗料は、より軟質及びより柔軟にもなるからである。
【0018】
この使用される「滑剤」の特殊な特性は、前述した増粘剤、例えば、アクリル酸及びアクリルアミドからなるアニオン性コポリマーの特性と関連して、本発明によれば、伸長特性における、そして従って、この着色塗料の加工性における相乗作用の達成のために、特にカーテン塗布装置(Curtain Coater)で利用される。この添加されるコポリマーは、粒子の結合を着色塗料中で、立体結合(分子構造のホック留め)又は化学結合により高めるとの課題をかなえる。従って、液体の塗布媒体又は着色塗料の動的な伸長抵抗性は液体フィルム、液体カーテン又は液体フィラメントの形で顕著に高められる。着色塗料組成物の降伏点は、合成の及び/又は天然の「滑剤」の添加によりずらされることができる。降伏点とは、着色塗料が、塗布プロセスの間に、特にカーテンコーターを用いた塗布プロセスの間に負荷される、最大の伸長率及び最大の伸び因子が理解される。降伏点を超えると、いわゆるスキップコーティング又はマイクロスキップコーティングは生じるものである。マイクロスキップコーティングとは、塗布媒体又は液体フィルムの局部的な引裂が理解され、その際、基材又は繊維質ウェブ上に設けられた塗料又は設けられた層中には微視的には小さい孔が明らかである。これらの微視的には小さい、隠されていない箇所が設けられた繊維質ウェブ上で紙及び厚紙の際に印刷特性を著しく悪化する。
【0019】
着色塗料組成物の伸長率ε*は、本発明により、以下の数学式により定義される:
【数1】

その際、
−ε* 速度の変化対フィルム厚さの変化(カーテンの接触点での)の比、
−dV 基材の速度マイナスカーテンの接触速度、及び
−dh 紙に設けられたフィルム厚さマイナス接触点でのカーテン厚さ
が理解されるものである。
【0020】
この伸び因子は同様に本発明により定義され、その際、
−X9は、重力加速(Erdbeschleunigung)によるカーテンの伸び=vimp/v0'
−X0は機械速度に対する加速によるカーテンの伸び=VB/Vimp
−XTは、全体の伸びVB/Vo
−VBは、機械速度、基材又は繊維質ウェブの速度、
−V0は、ノズル裂け目からの着色剤の噴散速度、及び、
−Vimpは、基材上でのカーテンの接触速度が理解されるものである。
【0021】
カーテンコーターを用いた塗布又はコーティングの際には、500〜2500m/分の範囲内の機械速度及び6〜30g/m2の範囲内の塗料質量が、高い固形質含有量の際に設けられる場合に以下の伸び因子及び伸長率が生じる。
【数2】

【0022】
本発明により、着色塗料組成物に混入された滑剤は例えばステアリン又はステアリン酸カリウム及び類似の滑剤、例えばPVA、デンプン及び油含有助剤であり、これはアクリルコポリマーベースの前述の増粘剤と関連している。臨界的な伸長率及び臨界的な伸び因子として、本発明の枠内においては、前述の大きさのそれぞれの最大値が理解されるものであり、そこからマイクロスキップコーティング及び縞形成が、放出される媒体の過剰な伸長により、従って例えば液体のカーテンの形態で生じる。ステアリン酸カルシウムは、特に、カーテン塗布装置(Curtain Coater)を用いて塗布される着色塗料のために良好に適する。ステアリン酸カルシウムは通常は、植物性ステアリン94%及び元素状のカルシウム5%の化合物を示す。ステアリン酸カルシウムの分散液は、弱アルカリ性であり、かつ、非イオノゲンの荷電特性を有する。更にこれは、それぞれの混合比で水中に良好に乳化可能であり、このためにこれは、着色塗料のために特に適する。以下に挙げるアニオン性増粘剤、例えばアクリル酸エチルエステル及びカルボン酸(可塑剤有り又は無し及び溶媒無し)、油相中のアクリル酸及びアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸エステル及びアクリルニトリル(可塑剤無し又は有り、及び、溶媒無し)との関連において、並びに、他の増粘剤、例えばCMC(カルボキシメチルセルロース)との関連において、顔料含有塗料着色剤の特に良好な伸び性及び加工性が、特に、カーテン塗布装置中での使用の際に達成される。本発明により提案される、滑剤の混入の利点は、特に、極端な運転条件が支配する場合に、例えば機械速度>1500m/分、塗布質量<8g/m2が支配する場合に、そして、同時に、着色塗料の固形含有量>65%である場合に、観察される。
【0023】
特に目的に適っていると証明されたのは、滑剤、例えばステアリン酸カルシウム又はステアリンの、1種又は数種のアニオン性コポリマーと関連した添加の際に、ステアリン酸カルシウムの添加が、前記コポリマーの添加前に実施されることである。これにより、アグロメレーション形成が阻止され、かつ、しなやかさ又は流動性の改善並びに着色塗料組成物のより高い伸長性が達成されることができる。更なる助剤、例えば蛍光増白剤の添加は有利には増粘剤の添加後に実施される。
【0024】
増粘剤又はアクリルコポリマーは、ステアラート又はステアリンと一緒に添加されることができる。ステアリン又は使用されるステアリン酸カルシウムは、これにより、着色塗料中での凝結の形成を回避するか又は抑制する。ステアリン酸カルシウムは、更に着色塗料組成物に、容易に水を退ける特性を与え、これは、塗布された基材、例えば紙又は板紙の耐水性を改善することができる。ステアラート、例えばステアリン酸カルシウムは、容易に泡を消す作用も有する。この付加的な特性は、着色塗料の製造の際に所望される。この着色塗料組成物は、「滑剤」の作用下で、以下の順序で製造されることができる:
1.顔料の分散化及び顔料混合物の製造、
2.必要な場合には、分散剤の添加、
3.バインダー(スチレン、ブタジエン−又はアクリル−ラテックス、デンプン、PVA)の添加、
4.(NaOH又は水酸化アンモニウムを用いて)pH値を約8.5〜9.0に調節、
5.滑剤、ステアラート(有利にはステアリン酸カルシウム又は植物性ステアリン)の添加、
6.増粘剤及び伸長レオロジー調節剤、例えばアクリル酸及びアクリルアミドからなるコポリマー(強力な剪断下で)の添加
7.更なる助剤(例えば蛍光増白剤)の添加、
ステアラート又はステアリンの計量供給量はこの際、選択される顔料系及び増粘剤種類に依存する。良好な結果は例えば、増粘剤(例えば、前述したアクリルコポリマーを有する)0.2〜0.5部に対して0.8部のステアリン酸カルシウムで達成可能である。特に有利であることが証明されたのは、純粋なカルボナートベースの着色塗料、即ち、100質量%のCaCO3が製造される場合である。これらの着色塗料は、この伸長レオロジー特性に有利に影響を及ぼすために、0.5〜0.8部のステアラート及び0.3〜0.6部の増粘剤を含有することができる。
【0025】
更なる代替案は、カルボナート及びカオリンからなる混合物の製造にある。これらは、多くの場合において、有利な伸長レオロジー特性を高い基材輸送速度の際に開発することができるように、ステアラートのより高い割合、例えば0.6〜0.8部並びにより高い量(0.4〜0.6部)の増粘剤を含有することができる。
【0026】
滑剤として、ステアリン又はステアリン酸カルシウムの他に、他の助剤も適していることができ、これは、着色塗料組成物の特性を、カーテンコーティング(Curtain Coating)のために有利に影響を及ぼす。このためには、例えば、天然の又は合成のワックスを基礎とするワックスエマルション又はワックス粉末、PTFEワックスエマルション又は−粉末、ポリビニルアセタート/ポリビニルアルコール又はポリビニルホルムアミド/ポリビニルアミン(これは異なる鹸化度を有する)である。更に、シリコーン樹脂エマルション又は無機滑剤、例えばタルク粒子が使用可能である。更に、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びポリビニルピロリドン(これは異なる分子量を有する)も使用可能である。粘度ηの伸長率γの関数としての急な曲線経過により、粘弾性を高めること並びに着色フィルムの伸長可能な限度を高めることが達成される。このような有利な作用の達成のための前提条件は、全ての物質で、着色塗料組成物の残りの成分との十分な相容性であり、この結果アグロメレーション又は凝結は形成されない。アグロメラート又は凝結の形成の回避は、適した水性の処方物により、適した乳化剤の使用下で達成されることができる。
【0027】
この基材は、自由落下する液体カーテンのコーティング液体を用いて1回又は数回被覆され、その際、このコーティング液体は、 CaBER方法に応じて測定して、伸長粘性1〜10000Pa.sを、Hencky伸長1〜15で有する。本発明により提案される方法の使用により有利に使用される着色塗料は、以下に挙げた組成を有する。全ての記載のパーセントの提示は、乾燥質量割合に関する。
【0028】
着色塗料として、CaCO3ベースのものが使用され、例えば、90%の粒径が<2μmを有する炭酸カルシウムの77%のスラリー(Hydrocarb 90 ME, OMYA, Oftringen, Schweizにより提供可能)、並びに、98%の粒径が<2μmを有する、74.6%のAmazon Premiumの粘土のスラリー(Amazon Plus, Kaolin Internationalにより提供可能)である。更に、この着色塗料は、スチレン−ブタジエン−ラテックスからなるバインダーA(Styronal(R) D 536、BASF AG, Ludwigshafenにより提供可能)を50%水中に含有することができる。更に様々な助剤、例えばASE増粘剤(BASF AGにより提供可能(助剤C))並びに代替的に又は助剤Aと組み合わせてポリアクリルアミド−増粘剤(40モル%アクリル酸、60モル%アクリルアミド、20000000分子量)並びに助剤B、ポリアクリルアミド増粘剤(40モル%アクリル酸、60モル%アクリルアミド、44000000分子量)が混入される。更に、この着色塗料は、界面活性剤を、ナトリウムジアルキルスルホンコハク酸の水溶液(Lumiten(R) I-DS 3525)の形で含有し、これは同様に、BASF AGにより提供可能である。最後に、本発明により提案される方法に使用される着床塗料には、蛍光増白剤が例えばBlancophor(R) P,(Bayer AG, Leverkusenにより提供可能)の形で混入されていることができる。
【0029】
コーティング液体、即ち着色塗料の伸長粘性は、Hencky伸長1〜15の際に、CaBER方法により測定して1〜1000Pa.sである。有利には、伸長粘性は、Hencky伸長1〜12の際に、CaBER方法により測定して5〜500Pa.sであり、特に有利にはこの着色塗料の伸長粘性は、Hencky伸長1〜8の際に、CaBER方法により測定して10〜100Pa.sである。このコーティング液体の剪断粘性(100rpm Brookfield)は、0〜5000mPa.s、有利には0〜2000mPa.s、特に有利にはこのコーティング液体は剪断粘性(100rpm Brookfield)0〜1000mPa.sを有する。
【0030】
このコーティング液体は、40%〜75%にある、有利には50%〜75%にある、特に有利には60%〜65%にある固形含有量を有することができる。
【0031】
この自由落下する液体カーテンは、少なくとも1種のバインダーを含有し、これは、スチレン−ブタジエン−ラテックスバインダー、エチレンアクリル酸−ワックス、ポリエチレン、ポリエステル、スチレン−アルキルアクリラート−ラテックスバインダー、スチレンブタジエンアクリルニトリルラテックスバインダー、スチレンマレイン酸無水物−バインダー、スチレンアクリラートマレイン酸無水物−バインダー、多糖、タンパク質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルアルコール、ポリビニルアセタート、セルロース及びセルロース誘導体を含む群から選択される。この自由落下する液体カーテンはこの他に、有機及び/又は無機の顔料を含有し、これは、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチン白、合成のポリマー顔料、酸化亜鉛、硫酸バリウム、セッコウ、シリカ及びアルミニウム三水和物を含む群から選択される。
【0032】
この他に、着色塗料−ポリアクリルアミドのこの自由落下する液体カーテンは、分子量Mw1000000〜50000000を有し、有利にはMw5000000〜45000000を有し、特に有利にはこの自由落下する液体カーテンは分子量Mw20000000〜40000000を有するポリアクリルアミドを含有する。
【0033】
自由落下する液体カーテンのこのBrookfied粘度は、20〜5000mPa.s、有利には20mPa.s〜2000mPa.s、特に有利には20mPa.s〜1300mPa.sを有する(スピンドルNr. 2)。
【0034】
この着色塗料の塗布質量は、基材上の乾燥質量に対して、0.1g/m2/〜50g/m2の範囲内にある。
【0035】
この上述した顔料着色された着色処方物のpH値は、10%の水性のNaOH溶液の添加により、8.7に調製される。この前述した塗料組成物の固形物含有量は、水での希釈により調整される。
【0036】
着色塗料中に添加される助剤では、会合性増粘剤(Assoziativverdicker )が使用されることができる。会合性増粘剤は一般的には、隣り合って親水性及び疎水性の構造単位を有する疎水性に修飾されたポリマー増粘剤である。この増粘剤クラスの重要な代表例は、ポリウレタン増粘剤(=疎水性に修飾された、エトキシル化されたウレタン−HEUR−又はPU−増粘剤)及びHASE増粘剤(=疎水性に修飾された、アルカリ膨潤可能なエマルション)である。この会合性増粘剤は、分子中の疎水性の基を介して、このバインダー粒子の表面に対して吸着すること、そして、セル状の、会合性の複合体を水相中に形成することを可能にする。これにより、この着色塗料の粘度は、平均的な及び高い剪断率で、バインダーリッチな処方物中で狙いを定めて上げられる。
【0037】
セルロースエーテルでも、疎水性に修飾されたタイプ(HEER=疎水性に修飾されたセルロースエーテル)が、大抵はHEC又はEHECから出発して拡大されている。これらは無論、むしろ慣用的に増粘し、そして大抵は、弱い会合性の、バインダー粒子との相互作用のみを示す。ポリウレタン増粘剤は、通常はポリエチレングリコールを含有し、これはイソシアナート(例えばヘキサメチレンジイソシアナート)及び疎水性の長鎖のアルコールを有するポリマーを有し、3つのブロックの構造の種を有する。この真ん中には、どちらかといえば親水性のポリウレタンブロックが見出され、この鎖長はこれに対してそれぞれ、長鎖のアルコールにより疎水性に修飾されている。
【0038】
塗料材料又は着色塗料のための増粘剤としては、ラジカル性(コ)ポリマーの他に、慣用の有機及び無機増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロール又はベントナイトが挙げられる。
【0039】
助剤としては更にイオン性又はアニオン性のポリアクリラートアミド並びにポリビニルホルムアミドが使用されることができる。
【0040】
バインダーポリマーの製造は、特定の方法に限定されない。更に、全ての公知の、ポリマー製造のための方法が取り出されることができる。有利には、エマルション重合、懸濁重合、マイクロエマルション重合、又は、マイクロ懸濁重合の方法が使用され、こは、ラジカル重合を用いる。
【0041】
インバースエマルション重合及びインバースマイクロエマルション重合の際には、ポリマーの油中水型エマルションが通常は、10〜50質量%、有利には20〜40質量%の固形含有量でもって得られる。
【0042】
増粘剤は単独で使用可能であり、その際しかしながら、ここから、増粘剤混合物を使用するとの可能性も生じる。
【0043】
前述した会合性増粘剤又はPAM′sは、レオロジー助剤の選択を提示し、これは、本発明により提案された着色塗料組成物に添加されることができる。
【0044】
本発明により提案される着色塗料を用いて、塗布方法の枠内において、コーティングされるべき基材、例えば紙又は厚紙に対して、特に塗装効果が著しく最小限にされ、これは、後に上げる実施例から詳細に明らかである。
【0045】
本発明により提案された着色塗料の伸長粘性は、いわゆるCaBER実験において決定され、その際液体フィラメント又は−フィルムが形成され、この厚さは引き続き、表面張力σの影響下で支配的な力として減少する。このフィルム厚さDmid(t)の時間による減少は、測定される。ここからは、以下の関係により伸長粘性ηE,appが測定される。
【数3】

【0046】
この生じる伸び率ε(t)は以下に応じて生じる:
【数4】

伸長粘性
【数5】

は、これに応じて供給される:
【数6】

【0047】
実施態様/実施例
本発明により提案された解決策は、試験において、7.9g/m2の塗布を、2500m/分までの速度で、スキップコーティングの発生無しに、固形含有量64.4%で、及び、Brookfield粘度1300mPa.sで可能にする。試験においては同様に、1800m/分で塗布質量6g/m2が、固形含有量68.4%で及び粘度2650mPa.sで、基材上に良好な品質及び良好な進行特性で、カーテン塗布装置(Curtain Coater)を用いて塗布されることができることが示されることができた。顔料混合物比炭酸カルシウム対カオリン70:30又は60:40を有する着色塗料が、1500m/分を上回る速度で、かつ、2500m/分までですらも、マイクロスキップコーティングの発生を観察すること無しに設けられる。
【0048】
以下に上げる第1表〜第4表には、本発明による着色塗料処方物が、滑剤の影響下で、その組成に関して分類されている。
第1表
【表1】

第2表
【表2】

第3表:
【表3】

第4表
【表4】

【0049】
カーテンコーティング(Curtain Coating)のための着色塗料組成物の特性を有利に影響を及ぼすために、前述したステアラート又は前述したステアリンの他に、ステアリン酸カルシウムの他に他の助剤も本発明により提案された解決策の意味合いにおいて使用される。その更なる助剤には例えば、天然の又は合成のワックスを基礎とするワックスエマルション又は−粉末、PTFEワックスエマルション又は−粉末、ポリビニルアセタート/ポリビニルアルコール又はポリビニルホルムアミド/ポリビニルアミン(異なる鹸化度を有する)が属する。更に、シリコーン樹脂エマルション又は無機滑剤、例えばタルク粒子が使用可能である。ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン又はポリビニルピロリドン(異なる分子量を有する)も使用されることができる。粘度ηの伸長−及び剪断率の関数としての既に記した急な経過のために、着色塗料の最大の降伏点が高められることが達成され、更に、フィルム形成特性の改善並びに流動性の最適化が、即ち、全ての、着色塗料の加工性を有利にする特性並びにこの得られる基材の品質を、これがシートであろうと、ボード紙であろうと、紙ウェブであろうと、類似物であろうと顕著に改善される。
【0050】
この有利な効果の達成のための前提は、全ての基材の際に、着色塗料組成物の残りの成分との十分な相容性であり、この結果アグロメレーション又は凝結は形成されない。このアグロメレーション又は凝結形成は、適した水性の処方物により、適した乳化剤の使用下で達成されることができる。
【0051】
以下に挙げたそのつどの処方物に応じた着色塗料の粘性は、温度25℃でBrookfield粘度計(Brookfield Engineering Laboratories, Inc., Stoughton, Massachusetts USAにより提供可能)により算出される。Brookfield粘度の測定のためには、1l収容可能なビーカー中に分散液600mlを添加し、かつ、この粘度をスピンドルNr.4で、スピンドル回転数100U/分で測定する。以下にあげた処方物によるこの着色塗料は基材(紙、厚紙)上にカーテンコーティングを用いて設けられる。
【0052】
伸長レオロジー測定
この着色塗料の伸長レオロジーの算出のためには、Haake CaBER 1装置(Thermo Electron社)が使用される。この試料液体(着色塗料)はこの際、2つのスタンプの間に適用される。この円柱状のスタンプの直径は、6mmであり、このスタンプの間の間隙は3mmであり、かつ、この末端の間隙高さは11mmである。20msの間にこの試料液体液滴3mmを11mmに伸展させる。この際、液体フィラメントが形成される。このフィラメント直径(Dmid)は、レーザーマイクロメーターを用いて、この両方のスタンプの中間で把握される。この伸長粘性は、以下の式に基づき算出される。
【0053】
表面張力(σ)を、液体フィルムの引裂のための駆動力として考慮すると、CaBER実験において、上昇性の剪断応力が以下の関係に応じて生じる。
【数7】

【0054】
この調整される伸長率ε(t)は以下に応じて生じる:
【数8】

【0055】
この伸長粘度
【数9】

はこれに応じて以下のように算出される:
【数10】

【0056】
液体フィラメント又は−フィルムの伸びのための尺度として、いわゆるHencky伸長性ε(t)が算出される:
【数11】

【0057】
この等式に基づくレオロジーの大きさの計算のために、フィラメント直径の変更δDmid(t)/δtが計算(numerisch)により測定値Dmid(t)から計算される。
文献:
1. Entov, V.M. and Hinch, EJ. , J. Non-Newt. Fluid Mech., 72(1 ), 31 (1997)
2. McKinley, G.H. and Tripathi, A., J. Rheol., 44(3), 653 (2000).
3. Willenbacher, N., Proc. of the Int. Congress on Rheology, Seoul, Korea (2004)
図1及び2からは、ウェブ形状の基材にカーテンコーティング方法により塗料材料を塗布するための装置の一実施態様を取り出すことができる。
【0058】
図1に応じた図示は、ウェブ形状の基材2の上側をコーティングする塗布装置1を取り出すことができる。塗布装置1の開口部から流れ出るフィルム3は、このウェブ形状の基材2の上側に塗布部位4で接触する。このウェブ形状の基材2は、輸送方向7で、第1の反転ロール5及び第2のロール6を介して送られる。この第1の反転ロール5と第2のロール6との間の範囲には、フィルム3の接触部4が、このウェブ形状の基材2の上側にある。
【0059】
図2からは、拡大した規模で図1中の図示に応じた塗布装置1を取り出すことができる。
【0060】
塗布装置1は、ノズル体8を含有し、この下側には、流出開口部9が存在する。このノズル体8中に貯蔵される着色塗料は、実施例1〜6中で議論された組成に応じて、フィルム3の形で、流出開口部9から流出し、その際フィルム3は、塗布部位4上の方向に連続的に先細り、かつ、塗布部位4で、このウェブ形状の基材2の表面10上に接触する。流出開口部9からの、フィルム3の流出前には、フィルム3が加速され、かつ、流出開口部9の下側に、図のレベルに対して垂直に進行する、ウェブ形状の基材2の幅にわたり広がるカーテンとして形成される。流出開口部9からの、フィルム3の流出後には、これらは収縮し、かつ、接触部4で別の方向に向く。このウェブ形状の基材2の表面10は、粗さ11を有し、このウェブ形状の基材の表面10の粗さ11に応じて、着色塗料のフィルム厚さ12がこのウェブ形状の基材2の表面10に形成される。ウェブ形状の基材2は、紙、ボール紙又はプラスチック又は類似物であることができる。基材表面により同伴される空気層の維持のために、空気スクレーパー13が使用される。
【0061】
この着色塗料の調整の際にはまず、水性の顔料−分散液が製造される。このために、所望の固形含有量及び所望の粘度が達成されるまで顔料が供給された水と混合される。このスラリーの粘度は有利には脱ガスのために極めて低く調整される。これは500mPa.sよりも少ない(Brookfield 100 Upm 20°C)、有利には200mPa.sよりも少ない(Brookfield 100 Upm 20°C)。顔料として、例えば炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン又はタルクが使用されることができる。このバインダーは、これが、引き続く脱ガスを邪魔して損なわない限りは、容器中に顔料−分散液に供給される。又は、このバインダーは、脱ガス後に初めて混合されることもできる。この脱ガスは、脱ガス装置内で行われ、この装置中では供給された分散液が負圧で吹き付けられる。この際、この分散液から出るガス、特に空気が、この容器から排出される。この脱ガス可能な成分が、分散液から、即ち、着色塗料から出るために、この分散液は極めて少ない絶対圧力の際に、大きな表面を介して分割される。有利には、この着色塗料(分散液)の表面の拡大化は、ノズルを用いた吹付けにより行われ、又は、この表面の拡大化は、遠心分離ディスクの使用を介して考慮することもできる。
【0062】
顔料を備える分散液には引き続き増粘剤及び助剤が空気の排出下で混合される。この脱ガス装置は例えば2つの直列に接続した脱ガス工程を含有することができ、この中では、着色塗料は、この増粘剤及び助剤が空気排出下で混合される前に、連続的に相互に、脱ガスにかけられる。
【0063】
着色塗料の特性に応じて、2つよりも多い、例えば3つ又は5つの脱ガス工程が続けて接続されていることができる。この脱ガス工程は、スプレー脱ガス機を、真空化可能な容器と共に含有する。着色塗料のコンディショニングのために、第1の脱ガス工程に温度処理装置が前接続されていることができ、この中では、加熱又は冷却により、着色塗料の所望の温度が調整されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、ウェブ形状の基材2の上側をコーティングする塗布装置1を示す図である。
【図2】図2は、拡大した規模で図1中の図示に応じた塗布装置1を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 塗布装置、 2 ウェブ形状基材、 3 フィルム、 4 塗布部位、 5 第1の反転ロール、 6 第2のロール、 7 輸送方向、 8 ノズル体、 9 流出開口部、 10 表面基材、 11 粗さ、 12 フィルム厚さ、 13 空気スクレーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する紙−、厚紙−又は他の繊維ウェブを片側又は両側で、1回又は数回コーティングする、カーテンコーティング装置(Curtain Coater)のための着色塗料組成物であって、この着色塗料組成物が顔料及びバインダーの他に滑剤を含有する、着色塗料組成物。
【請求項2】
添加される滑剤が、ステアラート、特にステアリン、有利にはステアリン酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1記載の着色塗料組成物。
【請求項3】
更に増粘剤を含有することを特徴とする、請求項1記載の着色塗料組成物。
【請求項4】
増粘剤として、アクリル酸又はアクリルアミド又はアクリル酸及びアクリルアミドを含有するコポリマーを使用することを特徴とする、請求項3記載の着色塗料組成物。
【請求項5】
着色塗料組成物への滑剤の添加を、増粘剤の添加前に行うことを特徴とする、請求項3記載の着色塗料組成物。
【請求項6】
以下の順列:
1.顔料の分散化及び顔料混合物の製造、
2.分散剤の添加、
3.バインダー、例えばスチレンブタジエン、アクリル−ラテックス、デンプン、PVAの添加、
4.水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウムを用いてpH値を約8.5〜9.0に調節、
5.滑剤、有利にはステアリン酸カルシウム又は植物性ステアリンの添加、
6.増粘剤及び伸長レオロジー調節剤又はアクリル酸及びアクリルアミドからのコポリマーの添加、及び
7.更なる助剤、例えば蛍光増白剤の添加、
で製造する、請求項1から5までのいずれか1項記載の着色塗料組成物。
【請求項7】
降伏点(最大の伸び、ここからフィルムはちぎれる)が、合成の及び/又は天然の滑剤の添加により変更され、その際伸長率ε*(着色フィルムが基材に対するカーテンフィルムの移行の際に受ける伸長率)が、以下の数学式:
ε*=dV/dh
[式中、
ε*:速度の変化対カーテンの接触点でのフィルム厚さの変化の比、
dV:基材の速度マイナスカーテンの接触速度、
dh:基材に設けられたフィルム厚さマイナス接触点でのカーテン厚さ]
により定義されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の着色塗料組成物。
【請求項8】
滑剤が、天然の又は合成のワックスを基礎とするワックスエマルション又はワックス粉末、PTFEワックスエマルション又はPTFEワックス粉末、異なる鹸化度を有するポリビニルアセタート/ポリビニルアルコール又はポリビニルホルムアミド/ポリビニルアミンの群から選択されていることを特徴とする、請求項1記載の着色塗料組成物。
【請求項9】
滑剤が、シリコーン樹脂エマルション又は無機の滑剤であり、この中にタルク粒子が含有されていることを特徴とする、請求項1記載の着色塗料組成物。
【請求項10】
滑剤が、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びポリビニルピロリドン(異なる分子量を有する)の群から選択されていることを特徴とする、請求項1記載の着色塗料組成物。
【請求項11】
印画紙及び粘着性ラベル紙を除く、印刷、包装及び印付けに特に適した、1回及び/又は数回コーティングされた紙及び/又は厚紙の製造方法であって、基材を、自由落下する液体カーテンの請求項1から10までのいずれか1項記載の着色塗料組成物で1回又は数回コーティングし、このコーティング液体が、CaBER方法に応じて測定して、1〜10000Pa.sの伸長粘度を、1〜15のHencky伸長で有することを特徴とする、印画紙及び粘着性ラベル紙を除く、印刷、包装及び印付けに特に適した、1回及び/又は数回コーティングされた紙及び/又は厚紙の製造方法。
【請求項12】
伸長粘度が、1〜12のHencky伸長で、CaBER方法で測定して、5〜500Pa.sであることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
伸長粘度が、1〜8のHencky伸長で、CaBER方法で測定して、10〜100Pa.sであることを特徴とする、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
着色塗料組成物が、0.1〜5000mPa.sのBrookfield粘度を有することを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
着色塗料組成物が、0.1〜2000mPa.sのBrookfield粘度を有することを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
着色塗料組成物が、0.1〜1000mPa.sのBrookfield粘度を有することを特徴とする、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
着色塗料組成物が、40%〜75%の固形物含有量を有することを特徴とする、請求項11から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
着色塗料組成物が、50%〜75%の固形物含有量を有することを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
着色塗料組成物が、60%〜75%の固形物含有量を有することを特徴とする、請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
着色塗料組成物が少なくとも1種のバインダーを含有することを特徴とする、請求項11から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
着色塗料組成物が、有機の及び無機の顔料を有することを特徴とする、請求項11から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
着色塗料組成物が、1000000〜50000000の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項11から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
着色塗料組成物が、5000000〜45000000の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項22記載の方法。
【請求項24】
着色塗料組成物が、特に有利には20000000〜40000000の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項22又は23記載の方法。
【請求項25】
着色塗料組成物が、20〜5000mPa.s、有利には20mPa.s〜2000mPa.s、特に有利には20mPa.s〜1300mPa.sのBrookfield粘度を有することを特徴とする、請求項11から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
着色塗料組成物の設ける質量が、基材上での乾燥質量に対して0.1g/m2〜50g/m2であることを特徴とする、請求項11から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
顔料が、粘土、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチンホワイト、合成のポリマー顔料、酸化亜鉛、硫酸バリウム、セッコウ、シリカ及びアルミニウム三水和物の群から選択されていることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項28】
バインダーが、スチレン−ブタジエン−ラテックスバインダー、スチレン−アクリラート−ラテックスバインダー、スチレンブタジエンアクリルニトリル−ラテックスバインダー、スチレン無水マレイン酸−バインダー、スチレンアクリラート無水マレイン酸−バインダー、多糖、タンパク質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタート、セルロース及びセルロース誘導体の群から選択されていることを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項29】
着色塗料組成物が、エチレンアクリル酸−ワックス、ポリエチレン、ポリエステル、スチレンブタジエン−ラテックスバインダー、スチレンアクリラート−ラテックスバインダー、スチレンブタジエンアクリルニトリル−ラテックスバインダー、スチレン無水マレイン酸−バインダー、スチレンアクリラート無水マレイン酸−バインダー、多糖、タンパク質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタート、セルロース及びセルロース誘導体及びシリコーンを基礎とするポリマー1種又は数種を含有することを特徴とする、請求項11から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
請求項11から29までのいずれか1項記載の方法において製造される、基材、特に紙又は厚紙。
【請求項31】
コーティング材として使用するための、請求項1から10までのいずれか1項記載の着色塗料組成物の、請求項11から29までのいずれか1項記載の方法における使用であって、その固形物含有量が、60%よりも大きく、かつ、機械速度が1200m/分よりも高くかつ塗布質量が30g/m2よりも少ない際に、カーテン−コーティング装置のために使用することを特徴とする、コーティング材として使用するための、請求項1から10までのいずれか1項記載の着色塗料組成物の、請求項11から29までのいずれか1項記載の方法における使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−529076(P2009−529076A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557731(P2008−557731)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051999
【国際公開番号】WO2007/101822
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】