説明

1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン誘導体およびmGluR2受容体の正のアロステリック調節因子としてのその使用

本発明は、式(I)の新規トリアゾロ[4,3-a]ピリジン誘導体に関し、式中、全ての基は特許請求の範囲に定めるとおりである。


上記化合物は、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(「mGluR2」)の正のアロステリック調節因子であり、代謝調節型受容体のサブタイプであるmGluR2が関連するグルタミン酸機能障害および疾病に関係する神経学的および精神医学的な障害の治療または予防に有用である。また、本発明は、このような化合物を含む医薬組成物、該化合物および組成物を調製する工程、ならびにmGluR2が関連する神経学的および精神医学的な障害および疾病の予防または治療における該化合物の使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物もしくはその立体化学的な異性体、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物:
【化1】

[式(I)中、
環の中に引かれた結合は、任意の環炭素原子と結合してよいことを示し;
1は、水素;C1-6アルキル;(C1-3アルキルオキシ)C1-3アルキル;[(C1-3アルキルオキシ)-C1-3アルキルオキシ]C1-3アルキル;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキル;無置換ベンジル;ハロ、C1-3アルキル、(C1-3アルキルオキシ)C1-3アルキル、C1-3アルキルオキシ、ヒドロキシC1-3アルキル、シアノ、水酸基、アミノ基、C(=O)R’、C(=O)OR’、C(=O)NR’R’’、モノまたはジ(C1-3アルキル)アミノ基、モルホリニル、(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキルオキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選ばれる1以上の置換基で置換したベンジルであって、R’およびR’’は、水素およびC1-6アルキルから独立して選ばれるベンジル;(ベンジルオキシ)C1-3アルキル;無置換C3-7シクロアルキル;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルから独立して選ばれる1以上の基で置換したC3-7シクロアルキル;(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキル;4-(2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[f][1,4]オキサゼピン)メチル;Het1;Het11-3アルキル;Het2;ならびにHet21-3アルキルからなる群から選ばれ;
2は、シアノ基;ハロ;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキル;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルオキシ;C1-3アルキル;C3-7シクロアルキル;および(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキルからなる群から選ばれ;
【化2】

は、(a)、(b)、(c)、(d)および(e)から選ばれる基を形成し、
【化3】

〔式(a)〜(e)中、
(a)中に引かれた結合線は、R4が環炭素原子2および3のいずれに結合してもよいことを示し;
各R3は、水素;無置換C1-6アルキル;ハロ、水酸基、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1以上の置換基で置換したC1-6アルキル;無置換C3-7シクロアルキル;ハロ、C1-3アルキル、水酸基、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1以上の置換基で置換したC3-7シクロアルキル;C3-7シクロアルキルC1-3アルキル;無置換フェニル;ハロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1以上の置換基で置換したフェニル;Het3;ならびにHet31-3アルキルからなる群から独立して選ばれ; あるいは、
各R3は、構造式(f)の環状基から独立して選ばれ、
【化4】

〈式(f)中、
8は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルキルオキシおよびヒドロキシC1-3アルキルから選ばれ;
qは1または2であり;
Xは、O、CH2およびCR9(OH)から選ばれ、かつ、R9は水素、C1-3アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選ばれ;あるいは
Xは、構造式(g)の環状基である:
【化5】

式(g)中、rおよびsは、0、1および2から独立して選ばれ、かつr+s≧2である〉;
各R4、R6およびR7は、それぞれ、C1-3アルキルおよび独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルから独立して選ばれ;
各R5は、水素、C1-3アルキルおよび独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルからなる群から独立して選ばれ、
n、mおよびpは、それぞれ、0、1および2から独立して選ばれ;
vは0または1であり;
tおよびuは、それぞれ、1および2から独立して選ばれる。〕;
WはNおよびCR10から選ばれ;
10は、水素、ハロおよびトリフルオロメチルから選ばれ;
各Het1は、ピロリジニル;ピペリジニル;ピペラジニル;およびモルホリニルから選ばれる飽和ヘテロ環基であり、それぞれの基は、C1-6アルキル;モノ、ジおよびトリハロC1-3アルキル;無置換フェニル;ならびにハロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選ばれる1、2または3の置換基で置換したフェニルからなる群から独立して選ばれる1以上の置換基で任意に置換していてよく;
各Het2は、ピリジルまたはピリミジニルであり;ならびに、
各Het3は、テトラヒドロピラン、ピリジルおよびピリミジニルから選ばれるヘテロ環であり、それぞれの基は、ハロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1以上の基で任意に置換していてよく;
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選ばれる。]。
【請求項2】
前記式(I)中、
1は、(C1-3アルキルオキシ)C1-3アルキル;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキル;および(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキルからなる群から選ばれ、
2は、ハロ;C1-3アルキル;C3-7シクロアルキル;および
独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルからなる群から選ばれ;
【化6】

は、(a)、(b)、(c)および(d)から選ばれ、
【化7】

各R3は、水素;1以上の水酸基で置換したC1-6アルキル;無置換C3-7シクロアルキル;1以上の水酸基で置換したC3-7シクロアルキル;
(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキル;独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したフェニル:Het3;およびHet31-3アルキルからなる群から独立して選ばれ;
m、nおよびpは0であり;
vは0または1であり;
各R5は水素であり;
WはNおよびCR10から選ばれ;
10は水素およびハロから選ばれ;
Het3は、テトラヒドロピラン、ピリジルおよびピリミジニルからなる群から選ばれるヘテロ環であり、それぞれの基は、任意に、ハロおよびC1-3アルキルからなる群から独立して選ばれる1以上の基で置換していてよく;
ハロは、フルオロおよびクロロから選ばれる、
請求項1に記載の式(I)の化合物もしくはその立体化学的な異性体、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
前記式(I)中、
【化8】

は、(a’)、(b’)、(c’)および(d’)から選ばれ、
【化9】

各R3は、水素;ヒドロキシC1-6アルキル;1の水酸基で置換したC3-7シクロアルキル;(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキル;1のハロ置換基で置換したフェニル:Het3;およびHet31-3アルキルからなる群から独立して選ばれ;
vは0または1であり;
WはN、CH、CClおよびCFからなる群から選ばれ;
Het3は、テトラヒドロピラン;ハロおよびC1-3アルキルから選ばれる1の置換基で任意に置換していてよいピリジル;ならびにピリミジニルからなる群から選ばれるヘテロ環であり;
ハロは、フルオロおよびクロロから選ばれ;
1およびR2は請求項1または2に定めるとおりである、
請求項1または2に記載の式(I)の化合物もしくはその立体化学的な異性体、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
前記式(I)中、
【化10】

は、(a’)および(d’)から選ばれ、
【化11】

1は、C3-7シクロアルキルC1-3アルキルであり;
2は、ハロおよび独立して選ばれる1以上のハロ置換基で置換したC1-3アルキルから選ばれ;
3は、水素;1の水酸基で置換したC3-7シクロアルキル;(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキル;ハロおよびC1-3アルキルから選ばれる1の置換基で任意に置換していてよいピリジル;ならびにピリミジニルから選ばれ;
WはN、CHおよびCClから選ばれ;
vは0であり;ならびに、
ハロは、フルオロおよびクロロから選ばれる、
請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
前記式(I)中、
環の中に引かれた結合は、任意の環炭素原子と結合してよいことを示し;
1は、水素;C1-6アルキル;(C1-3アルキルオキシ)C1-3アルキル;[(C1-3アルキルオキシ)-C1-3アルキルオキシ]C1-3アルキル;モノ、ジまたはトリハロC1-3アルキル;無置換ベンジル;ハロ、C1-3アルキル、(C1-3アルキルオキシ)C1-3アルキル、C1-3アルキルオキシ、ヒドロキシC1-3アルキル、シアノ基、水酸基、アミノ基、C(=O)R’、C(=O)OR’、C(=O)NR’R’’、モノまたはジ(C1-3アルキル)アミノ基、モルホリニル、(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキルオキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選ばれる1、2または3の置換基で置換したベンジルであり、R’およびR’’は、水素およびC1-6アルキルから独立して選ばれるベンジル;(ベンジルオキシ)C1-3アルキル;無置換C3-7シクロアルキル;トリハロC1-3アルキルで置換したC3-7シクロアルキル;(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキル;4-(2,3,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン)メチル;Het1;Het11-3アルキル;Het2;およびHet21-3アルキルから選ばれ;
2は、シアノ基;ハロ;モノ、ジまたはトリハロC1-3アルキル;モノ、ジまたはトリハロC1-3アルキルオキシ;C1-3アルキル;C3-7シクロアルキル;および(C3-7シクロアルキル)C1-3アルキルから選ばれ;
【化12】

は、(a)、(b)、(c)および(d)から選ばれる基を形成し、
【化13】

[式(a)〜(d)中、
(a)中に引かれた結合線は、R4が環炭素原子2および3のいずれに結合してもよいことを示し;
3は、水素;無置換C1-6アルキル;ハロ、水酸基、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1または2の置換基で置換したC1-6アルキル;無置換C3-7シクロアルキル;ハロ、C1-3アルキル、水酸基、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1または2の置換基で置換したC3-7シクロアルキル;C3-7シクロアルキル-C1-3アルキル;無置換フェニル;ハロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選ばれる1、2または3の置換基で置換したフェニル;Het3;ならびにHet31-3アルキルから選ばれ; あるいは、
3は、構造式(f)の環状基であり、
【化14】

〔式(f)中、
8は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルキルオキシおよびヒドロキシC1-3アルキルから選ばれ;
qは1または2であり;
Xは、O、CH2およびCR9(OH)から選ばれ、ここでR9は水素、C1-3アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選ばれ;あるいは、
Xは、構造式(g)の環状基である:
【化15】

式(g)中、rおよびsは、0、1および2から独立して選ばれ、かつr+s≧2である〕;
4、R6およびR7は、C1-3アルキルならびにモノ、ジおよびトリハロC1-3アルキルから独立して選ばれ;
5は、水素、C1-3アルキルならびにモノ、ジおよびトリハロC1-3アルキルから選ばれ;
n、mおよびpは、0、1および2から独立して選ばれる。];
WはNおよびCR10から選ばれ;
10は、水素、ハロおよびトリフルオロメチルから選ばれ;
各Het1は、ピロリジニル;ピペリジニル;ピペラジニル;およびモルホリニルから選ばれる飽和ヘテロ環基であり、それぞれの基は、C1-6アルキル、モノ、ジまたはトリハロC1-3アルキル、無置換フェニル、ならびにハロ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選ばれる1、2または3の置換基で置換したフェニルからなる群から選ばれる1または2の置換基で任意に置換していてよく;
各Het2は、ピリジルまたはピリミジニルであり、ならびに、
各Het3は、テトラヒドロピラン、ピリジルおよびピリミジニルからなる群から選ばれ、それぞれの基は、ハロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選ばれる1または2の基で任意に置換していてよい、
請求項1に記載の式(I)の化合物もしくはその立体化学的な異性体、またはその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項6】
トランス-4-[5-[3-(シクロプロピルメチル)-8-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]-ピリジン-7-イル]-1H-インドール-1-イル]-シクロヘキサノール;
8-クロロ-7-(7-クロロ-1H-インドール-5-イル)-3-(シクロプロピルメチル)-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]-ピリジン;
8-クロロ-3-(シクロプロピルメチル)-7-[1-(3-ピリジニル)-1H-インドール-5-イル]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン;
8-クロロ-3-(シクロプロピルメチル)-7-[1-(シクロプロピルメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン;および
7-[8-クロロ-3-(シクロプロピルメチル)-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-イル]-3,4-ジヒドロ-4-(2-ピリミジニル)-2H-1,4-ベンゾオキサジン;
からなる群から選ばれる、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体化学的な異性体、およびその薬学的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
治療上の有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項8】
薬剤として使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
不安障害、精神病性障害、人格障害、薬物関連障害、摂食障害、気分障害、片頭痛、てんかんまたは痙攣性疾患、小児期障害、認知障害、神経変性、神経毒性および虚血からなる群から選ばれる中枢神経系障害の治療または予防に用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
不安神経症、統合失調症、片頭痛、うつ病、てんかん、認知症の行動・心理症状、大うつ病、治療抵抗性うつ病、双極性うつ病、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、双極性躁病、薬物乱用および混合性不安抑うつ障害からなる群から選ばれる中枢神経系障害の治療または予防のために使用する、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
mGluR2のオルトステリック[orthosteric]アゴニストと組み合わせて、請求項9または10に記載の障害の治療または予防のために使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項7に定める医薬組成物を調製する方法であって、薬学的に許容し得る担体が、治療上の有効量の請求項1〜6のいずれか一項に定める化合物と緊密に[intimately]混合されることを特徴とする方法。
【請求項13】
mGluR2のアロステリック調節因子、特にmGluR2の正のアロステリック調節因子の神経調節作用が有益である疾患を治療または予防するために、同時に、別個に、または順に使用するための複合剤[combined preparation]としての、
(a) 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物;および
(b) mGluR2のオルトステリックなアゴニスト
を含む製品。
【請求項14】
不安障害、精神病性障害、人格障害、薬物関連障害、摂食障害、気分障害、片頭痛、てんかんまたは痙攣性疾患、小児期障害、認知障害、神経変性、神経毒性および虚血からなる群から選ばれる中枢神経系障害を治療または予防する方法であって、該治療または予防を必要としている被治療体に対して、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2012−526735(P2012−526735A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510158(P2012−510158)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002908
【国際公開番号】WO2010/130422
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511276116)ジャンセン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド. (3)
【出願人】(507088783)アデックス ファーマ エス エー (14)
【Fターム(参考)】