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1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物、その中間体およびその中間体原料の製造方法
説明

1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物、その中間体およびその中間体原料の製造方法

【課題】
機能性高分子材料として有用な化合物である1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物及び中間体、並びにその中間体原料の製造方法の提供。
【解決手段】
一般式(1)
【化1】


(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基及び置換基を有することもあるアミノ基よりなる群から選ばれた基である。)
で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物及び中間体、並びにその中間体原料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性高分子材料として有用な化合物である1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物及び中間体、並びにその中間体原料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジシロキサンの両末端にヒドロキシル基を有する化合物としては、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが知られている〔非特許文献1〕。また、ジシロキサンの両末端にアミノ基を有する化合物としては、1,3−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン〔非特許文献2〕及び1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン〔非特許文献3〕が知られている。
しかしながら、1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物及び1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物は文献未記載の新規化学物質であり、その合成例はこれまで報告されていない。さらに、1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物の中間体となり得るジイミン化合物も文献未記載の新規化学物質であり、その合成例はこれまで報告されていない。
【0003】
さらに、1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物及びジイミン化合物の原料となる1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)ジシロキサン化合物は、p−ジメチルシリルベンゾニトリルから1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを合成する方法が知られている〔非特許文献4〕が、収率が40%と低く、反応も−78℃と極低温下で水素化トリ−tert−ブトキシリチウムアルミニウムにて還元を行う必要があり、工業的製造方法としてはとても満足いくものではなかった。
【0004】
【非特許文献1】J.Organomet.Chem.,20(1),1969年,57〜63頁
【非特許文献2】J.Org.Chem.,(51),1986年,2434〜2436頁
【非特許文献3】Macromolekulare Chemie,(57),1962年,150頁
【非特許文献4】Synthetic Communications,20(7),1990年,1033〜1037頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一般式(1)で示される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物、その中間体である一般式(2)で示されるテトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物および一般式(2)で示される化合物を製造するための原料化合物の製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1は、一般式(1)
【化5】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基及び置換基を有することもあるアミノ基よりなる群から選ばれた基である。)
で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物に関する。
本発明の第2は、一般式(2)
【化6】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。)
で表されるテトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物に関する。
本発明の第3は、一般式(3)
【化7】

(式中、2個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、Rはホルミル基、非環状アセタール基又は環状アセタール基を、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、酸又は塩基触媒存在下に水と反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化8】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物の製造方法に関する。
【0007】
本発明の化合物における前記R、R、R、RおよびRで示される各置換基の例を以下に示すが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
本発明の化合物におけるRは、1分子中に4個存在するが、これら4つのRは同一又は異なってもよいアルキル基である。好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの同一又は異なってもよい炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。
本発明の化合物におけるRは、1分子中に2個存在するが、これら2つのRはヒドロキシル基及び置換基を有することもあるアミノ基よりなる群から選ばれた基である。好ましい具体例としては、ヒドロキシル基;又はアミノ基、ベンジルアミノ基、p−メトキシベンジルアミノ基、ジフェニルメチルアミノ基などの置換基(置換基としてはアラルキル基、アルコキシアリールアルキル基、ジアリールアルキル基などが挙げられる。)を有することもあるアミノ基を挙げることができる。
本発明の化合物におけるRは、1分子中に2個存在するが、これら2つのRはヒドロキシル基、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。好ましい具体例としては、ヒドロキシル基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基;又はベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基などの置換基(置換基としてはアルコキシ基、アリール基などが挙げられる。)を有することもあるアラルキル基を挙げることができる。
本発明の化合物におけるRは、ホルミル基、非環状アセタール基又は環状アセタール基である。好ましい具体例としては、ホルミル基;ジメトキシメチル基、メトキシ(エトキシ)メチル基、ジエトキシメチル基などの非環状アセタール基;又は1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基などの環状アセタール基を挙げることができる。
本発明の化合物におけるRは、アルキル基又はアリール基である。好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基;又はフェニル基などのアリール基を挙げることができる。
【0008】
本発明の一般式(1)で示される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジロキサン化合物において、Rがヒドロキシル基である場合は、一般式(5)で示すことができ、Rが置換基を有することもあるアミノ基である場合は、一般式(6)で示すことができるが、以下に一般式(5)の化合物と一般式(6)の化合物のそれぞれの製造方法を説明する。
【0009】
(I)一般式(1)の化合物のうち、一般式(5)で示される化合物の製造:
一般式(1)で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジロキサン化合物においてRがヒドロキシル基である、一般式(5)
【化9】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物は、一般式(4)
【化10】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物を、接触還元することにより製造することができる。
【0010】
接触還元における触媒は、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金族元素又はこれらを1種以上含有する金属触媒が挙げられる。触媒は、白金族元素を含有する触媒であれば特に制限されない。例えば、酸化パラジウム、酸化白金などの金属酸化物、塩化パラジウム、塩化白金などの金属塩、白金族元素をアルミナ、シリカ、活性炭などの担体に担持した触媒が挙げられる。触媒として、好ましくはパラジウム炭素触媒である。触媒の使用量は一般式(4)で表される化合物に対して0.01質量%以上(金属換算で5×10−4質量%以上)であり、好ましくは0.01〜10質量%(金属換算で5×10−4〜0.5質量%)である。接触還元は、触媒存在下水素加圧又は常圧下に行うことができる。水素加圧時の圧力は特に制限されないが、好ましくは0.1〜1MPaである。常圧下の反応では、水素雰囲気下、又は水素をバブリングすることにより行うことができる。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(4)で表される化合物と触媒を仕込み、これに水素を加圧して行うことができる。反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、水が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜100時間以内で終了する。また、反応は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0011】
(II)一般式(1)の化合物のうち、一般式(6)で示される化合物の製造:
一般式(1)で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジロキサン化合物においてRが置換基を有することもあるアミノ基である、一般式(6)
【化11】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRは水素原子、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。)
で表されるテトラアルキルジシロキサンのジアミン化合物は、一般式(2)
【化12】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。)
で表されるテトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物を、接触還元することにより製造することができる。
【0012】
本発明の化合物におけるRは、1分子中に2個存在するが、これら2つのRは水素原子、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。好ましい具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基;又はベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基などの置換基(置換基としてはアルコキシ基、アリール基などが挙げられる。)を有することもあるアラルキル基を挙げることができる。
【0013】
前記接触還元における触媒は、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金属元素又はこれらを1種以上含有する金属触媒が挙げられる。触媒は、白金属元素を含有する触媒であれば特に制限されない。例えば、酸化パラジウム、酸化白金などの金属酸化物、塩化パラジウム、塩化白金などの金属塩、白金属元素をアルミナ、シリカ、活性炭などの担体に担持した触媒が挙げられる。触媒として、好ましくはパラジウム炭素触媒、白金炭素触媒である。触媒の使用量は一般式(2)で表される化合物に対して0.01質量%以上(金属換算で5×10−4質量%以上)であり、好ましくは0.01〜10質量%(金属換算で5×10−4〜0.5質量%)である。接触還元は、触媒存在下水素加圧又は常圧下に行うことができる。水素加圧時の圧力は特に制限されないが、好ましくは0.1〜1MPaである。常圧下の反応では、水素雰囲気下又は水素をバブリングすることにより行うことができる。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(2)で表される化合物と触媒を仕込み、これに水素を加圧して行うことができる。反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、水が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜24時間以内で終了する。また、反応は不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
【0014】
本発明の一般式(1)で示される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジロキサン化合物の1つである前記一般式(5)で示される1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物や前記一般式(6)で示されるテトラアルキルジシロキサンのジアミン化合物は、ポリエステル、ポリカルボナート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリイミド等の合成が可能である。また、従来のポリマーの改質剤としても応用範囲は広い。
そして、シロキサン結合を有する高分子材料は、一般的に可視性、表面特性、耐熱性、溶解性、気体透過性、耐RIE(耐反応性イオンエッチング)性などが著しく向上することが知られており、機能性高分子の原料として有用である。
【0015】
前記一般式(4)で示される化合物は、下記の製造方法により得ることができる。すなわち、一般式(4)
【化13】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物は、一般式(3)
【化14】

(式中、2個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、Rはホルミル基、非環状アセタール基又は環状アセタール基を、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、酸又は塩基触媒存在下に水と反応させることにより製造することができる。
【0016】
水の使用量は一般式(3)で表される化合物に対して0.5倍モル以上であり、好ましくは0.5〜10倍モルである。触媒は酸又は塩基が使用できる。そのような酸としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸などの有機酸、活性白土などの固体酸が挙げられる。酸の使用量は一般式(3)で表される化合物に対して0.01質量%以上であり、好ましくは0.01〜10質量%である。また、塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、水酸化テトラブチルアンモニウム、トリエチルアミンなどの有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は一般式(3)で表される化合物に対して0.01質量%以上であり、好ましくは0.01〜10質量%である。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、触媒と一般式(3)で表される化合物を仕込み、これに水を滴下してもよく、あるいは、触媒と水を仕込んだ後、一般式(3)で表される化合物を滴下してもよい。反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用しても良く、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、一般式(3)で表される化合物は、特願2006−92200号に記載の方法により製造することができる。
【0017】
一般式(2)
【化15】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。)
で表されるテトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物は、一般式(4)
【化16】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物を、一般式(7)
【化17】

(式中、Rはヒドロキシル基、アルキル基又は置換基を有することもあるアラルキル基を示す。)
で表されるアミン化合物の1種または2種と反応させることにより製造することができる。
【0018】
前記一般式(7)で示されるアミン化合物は、ヒドロキシルアミン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、ベンジルアミン、p−メトキシベンジルアミン、ジフェニルメチルアミンなどが挙げられる。また、これらの水溶液、又はこれらのリン酸塩などの有機酸の塩化合物、若しくは塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸の塩化合物を使用することもできる。アミン化合物の使用量は一般式(4)で表される化合物に対して、アミン化合物として2倍モル以上であり、好ましくは2〜5倍モルである。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(4)で表される化合物を仕込み、これにアミン化合物を滴下して行うことができる。あるいはアミン化合物を仕込み、これに一般式(4)で表される化合物を滴下して行うことができる。反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、水が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜24時間以内で終了する。また、反応は不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、機能性高分子材料として有用な化合物である1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物及びその中間体を提供することができる。さらにその原料を工業的かつ高収率に製造する方法を提供することができる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を調製例及び実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
調製例1〔一般式(3)の化合物の1具体的化合物の製造例〕
(a)5Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコにて、マグネシウム101g(4.17モル)と4−ブロモベンズアルデヒドジメチルアセタール(アルドリッチ社製)963g(4.17モル)を室温下、テトラヒドロフラン1699g溶液中にて2時間反応させ、グリニヤール試薬(4−ジメトキシメチルフェニルマグネシウムブロミド)を調製した。
次いで、グリニヤール試薬とクロロジメチルシラン375g(3.96モル)を、室温下にて反応させ、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランを含む溶液を得た。この溶液を加水分解後、有機層を濃縮し、その後蒸留(沸点92℃/150Pa)することにより、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン622g(2.96モル)が得られた。収率は74.7%(クロロジメチルシランに対して)であった。
(b)2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコにて、メタノール460g(14.4モル)と(a)で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン600g(2.85モル)を、ナトリウムメトキシド0.30g存在下、室温下にて17時間反応させ、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランを含む溶液を得た。この溶液を濃縮後蒸留(沸点116℃/200Pa)することにより、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン525g(2.18モル)が得られた。収率は76.5%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランに対して)であった。
【0022】
実施例1〔一般式(4)で示される1具体的化合物の製造例〕
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸2.00g(7.96ミリモル)、水200g(11.1モル)及びテトラヒドロフラン200gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、調製例1の(b)で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン500g(2.08モル)を添加し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。反応液を減圧濃縮し、濃縮液にテトラヒドロフラン200g、水200gを添加した後、分液ロートにて有機層と水層に分けた。有機層にトルエン200gを添加した後、有機層を水200gで2回洗浄し、有機層757gを得た。この溶液を減圧濃縮し、濃縮液361gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点204℃/93.1Pa)して、無色液体の1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン334g(0.976モル)が得られた。収率は93.8%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。
H−NMR(δ in CDCl):0.39(s,12H),7.68(d,J=7.8Hz,4H),7.83(d,J=7.8Hz,4H),10.0(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl):0.79,128.52,133.25,136.68,147.25,192.12
GC−MS(EI):342(M)、なお、GC−MSはガスクロマトグラフィー質量分析を示す。
【0023】
実施例2〔一般式(1)で示される化合物のうち、一般式(5)で示される化合物の1具体的化合物の製造例〕
500mLのオートクレーブに、実施例1で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン80.0g(0.234モル)、テトラヒドロフラン80.0g及びパラジウム炭素触媒(担持量:5%)4.00gを仕込んだ。続いて、内部を窒素置換した後水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃にて反応を行った。72時間後、触媒をろ過により除去し、反応ろ液209gを得た。ろ液を減圧濃縮し、濃縮液82.7gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点225℃/120Pa)して、白色固体(融点44.0℃)の1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン60.4g(0.174モル)が得られた。収率は74.4%(1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.32(s,12H),2.77(bs,2H),4.57(s,4H),7.24(d,J=8.2Hz,4H),7.46(d,J=6.26Hz,4H)
13C−NMR(δ in CDCl):0.95,64.98,126.05,133.03,138.67,141.65
GC−MS(EI):346(M
【0024】
実施例3〔一般式(2)で示される化合物の1具体的化合物(Rがヒドロキシル基の場合)の製造例〕
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例1で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン140g(0.409モル)及びテトラヒドロフラン700gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、50%ヒドロキシルアミン水溶液54.1g(0.819モル)を滴下し、さらにそのままの温度で16時間熟成を行った。熟成終了後、水280g及びトルエン280gを添加し、得られた溶液を、分液ロートにて有機層と水層に分けた。有機層を水280gにて2回洗浄し、有機層976gを得た。得られた有機層を減圧濃縮し、白色固体(融点117.4℃)の1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン152g(0.409モル)が得られた。収率は100%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.34(s,12H),7.52(s,8H),8.13(s,2H),8.51(bs,2H)
13C−NMR(δ in CDCl):0.91,126.11,129.81,132.57,132.96,133.24,141.93,150.22
LC−MS(APCI):373([M+1])、なお、LC−MSは液体クロマトグラフィー質量分析を示す。
【0025】
実施例4〔一般式(1)で示される化合物のうち、一般式(6)で示される化合物の1具体的化合物(Rが水素原子の場合)の製造例〕
200mLのオートクレーブに、実施例3で得られた1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.11g(0.0137モル)、テトラヒドロフラン20.0g及びパラジウム炭素触媒(担持量:5%)0.05gを仕込んだ。続いて、内部を窒素置換した後水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃にて反応を行った。6時間後、触媒をろ過により除去し、反応ろ液29.2gを得た。ろ液を減圧濃縮し、濃縮液3.84gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点230℃/93.1Pa)して、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.01g(8.73ミリモル)が得られた。収率は63.7%(1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.32(s,12H),1.65(bs,4H),3.84(s,4H),7.26(d,J=7.4Hz,4H),7.49(d,J=6.7Hz,4H)
13C−NMR(δ in CDCl):1.03,46.47,126.23,133.09,137.87,144.14
GC−MS(EI):344(M
【0026】
実施例5〔一般式(1)で示される化合物のうち、一般式(6)で示される化合物の1具体的化合物(Rがアルキル基の場合)の製造例〕
(a)20mLの3つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例1で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(0.0117モル)及びテトラヒドロフラン10gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、n−ブチルアミン1.71g(0.0234モル)を滴下し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.28g(0.0117モル)が得られた。収率は100%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では296.2℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.34(s,12H),0.94(t,J=7.0Hz,6H),1.35−1.41(m,4H),1.66−1.70(m,4H),3.60(t,J=6.7Hz,4H),7.54(d,J=8.2Hz,4H),7.67(d,J=8.2Hz,4H),8.23(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl):0.91,13.99,20.53,33.05,61.50,127.05,133.01,136.90,142.30,160.51
GC−MS(EI):452(M
(b)200mLのオートクレーブに、(a)で得られた1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(8.83ミリモル)、テトラヒドロフラン15.0g及び白金炭素触媒(担持量:5%)0.20gを仕込んだ。続いて、内部を窒素置換した後水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃にて反応を行った。7時間後、触媒をろ過により除去し、反応ろ液18.5gを得た。ろ液を減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(n−ブチルアミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.74g(8.19ミリモル)が得られた。収率は92.8%(1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して)であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では242.1℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.38(s,12H),0.97(t,J=7.4Hz,6H),1.38−1.57(m,10H),2.68(t,J=7.0Hz,4H),3.82(s,4H),7.33(d,J=7.8Hz,4H),7.54(d,J=7.8Hz,4H)
13C−NMR(δ in CDCl):1.01,14.08,20.53,32.29,49.22,54.05,127.22,132.91,137.89,141.45
LC−MS(APCI):457([M+1]
【0027】
実施例6〔一般式(1)で示される化合物のうち、一般式(6)で示される化合物の1具体的化合物(Rが置換基を有することもあるアラルキル基の場合)の製造例〕
(a)20mLの3つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例1で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(0.0117モル)及びテトラヒドロフラン4.00gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、ジフェニルメチルアミン4.28g(0.0234モル)を滴下し、さらにそのままの温度で2時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮し、白色固体(融点134.8℃)の1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7.73g(0.0115モル)が得られた。収率は98.3%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.33(s,12H),5.57(s,2H),7.18−7.38(m,20H),7.55(d,J=7.8Hz,4H),78(d,J=8.2Hz,4H),8.38(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl):0.96,126.82,127.54,128.27,133.01,136.89,142.79,143.70,160.66
GC−MS(EI):672(M
(b)200mLのオートクレーブに、(a)で得られた1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.00g(4.47ミリモル)、テトラヒドロフラン20.0g及び白金炭素触媒(担持量:5%)0.15gを仕込んだ。続いて、内部を窒素置換した後水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃にて反応を行った。9時間30分後、触媒をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルアミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.01g(4.46ミリモル)が得られた。収率は99.8%{(1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して}であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では239.7℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
H−NMR(δ in CDCl):0.32(s,12H),1.80(s,2H),3.72(s,4H),4.84(s,2H),7.16−7.49(m,28H)
13C−NMR(δ in CDCl):1.13,51.91,66.50,126.88,127.23,127.38,128.34,133.01,138.11,141.40,143.80
LC−MS(APCI):677([M+1]

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基及び置換基を有することもあるアミノ基よりなる群から選ばれた基である。)
で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、2個のRはヒドロキシル基、アルキル基及び置換基を有することもあるアラルキル基よりなる群から選ばれた基である。)
で表されるテトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物。
【請求項3】
一般式(3)
【化3】

(式中、2個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を、Rはホルミル基、非環状アセタール基又は環状アセタール基を、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、酸又は塩基触媒存在下に水と反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化4】

(式中、4個のRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物の製造方法。

【公開番号】特開2008−137977(P2008−137977A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328283(P2006−328283)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000246398)有機合成薬品工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】