説明

1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体

式(1)


(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基等、Rは、水素原子、ハロゲン原子等、又はRがインドール−2−オンの6位にあり、かつRとRは一緒になって炭素原子数3〜6のアルキレン基を形成する基を示し、Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基等、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基等、又はRがフェニルの3位にあり、かつRとRは一緒になってメチレンジオキシ基を示し、Rは、水素原子又はフッ素原子を示し、Rは、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等、Rは、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、Rは、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩あり、アルギニン−パソプレッシンV1b受容体拮抗作用を有する新規な化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体、その製造方法及びその中間体に関する。さらに詳しくは、アルギニン−バソプレッシンV1b受容体拮抗作用を有し、うつ病、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の、疾患の治療又は予防に有用な1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体、その製造方法及びその中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギニン−バソプレッシン(AVP)は9個のアミノ酸より成るペプチドで主に視床下部で生合成され、下垂体後葉ホルモンとして血漿浸透圧、血圧及び体液量の調節に深く関与している。
【0003】
AVP受容体はこれまでV1a、V1bおよびV2受容体の3つのサブタイプがクローニングされており、全て7回膜貫通型受容体であることが知られている。V2受容体はGsと共役しcAMP量を増加させる。V1a受容体はGq/11と共役し、PI応答を促進し、細胞内Caを増加させ、脳、肝臓、副腎、血管平滑筋などに発現しており、血管収縮作用に関与する。一方、V1b受容体もV1a受容体と同様にGq/11と共役し、PI応答を促進する(非特許文献1・非特許文献2)。V1b受容体は下垂体に最も多く存在し(前葉のACTH分泌細胞の90%以上に発現)、AVPによる下垂体前葉からのACTH分泌に関与すると推測されている。V1b受容体は下垂体以外にも脳広域に存在し、海馬、扁桃体、entorhinal cortexなどの辺縁系、大脳皮質、嗅球、セロトニン神経系の起始核である縫線核にも多く存在する(非特許文献3・非特許文献4)。
【0004】
最近、V1b受容体とうつ症、不安神経症との関連が示唆されており、V1b受容体アンタゴニストの有用性が研究されている。V1b受容体KOマウスではaggresive behaviorが減少することが示された(非特許文献5)。また、V1b受容体アンタゴニストの中隔野注入により高架式十字迷路試験において開放路滞在時間の延長(抗不安様作用)が報告された(非特許文献6)。最近、末梢投与可能な1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体であるV1b受容体特異的アンタゴニストが創出された(特許文献1〜6)。また、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体の種々動物モデルにおいて抗うつ、抗不安作用が報告されている(非特許文献7・非特許文献8)。特許文献1で開示された化合物はV1b受容体に高親和性(1〜4×10−9mol/L)および選択的に作用する化合物であるが、AVP、AVP+CRFおよび拘束ストレス誘発ACTH増加に何れも拮抗する。
【0005】
しかしながら、特許文献1〜6では、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの3位に結合したピロリジン環部へフッ素原子を導入した化合物の開示はない。
【0006】
【非特許文献1】Sugimoto T,Kawashima G,J.Biol.Chem.,269,27088−27092,1994.
【非特許文献2】Lolait S,Brownstein M,PNAS,92,6783−6787,1995.
【非特許文献3】Vaccari C,Ostrowski N,Endocrinology,139,5015−5033,1998.
【非特許文献4】Hernando F,Burbach J,Endocrinology,142,1659−1668,2001.
【非特許文献5】Wersinger SR,Toung WS,Mol,Psychiatry,7,975−984,2002.
【非特許文献6】Liebsch G,Engelmann M,Neurosci,Lett.217,101−104,1996.
【非特許文献7】Gal CS,Le Fur G,300,1122−1130,2002.
【非特許文献8】Griebel G,Soubrie P,99,6370a−6375,2002.
【特許文献1】WO01/55130号公報
【特許文献2】WO01/55134号公報
【特許文献3】WO01/64668号公報
【特許文献4】WO01/98295号公報
【特許文献5】WO03/008407号公報
【特許文献6】WO2004/009585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、アルギニン−バソプレッシンV1b受容体に関する病態に有効な薬物を提供することである。さらに詳しくは、うつ病、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症などに対して治療効果又は予防効果を有する薬物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、アルギニン−バソプレッシンV1b受容体に選択的に拮抗し、代謝安定性に優れ、良好な脳内移行性と高い血漿中濃度を示す、新規1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体を見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は式(1)
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はトリフルオロメチル基を示すか、又はRがインドール−2−オンの6位にあり、かつRとRは一緒になって炭素原子数3〜6のアルキレン基を形成する基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示すか、又はRがフェニルの3位にあり、かつRとRは一緒になってメチレンジオキシ基を示し、
は、水素原子又はフッ素原子を示し、
は、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アゼチジン−1−イル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、
は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、
は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)
で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩である。
【0012】
好ましい式(1)の化合物は、式中、
は、塩素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、塩素原子、メチル基又はメトキシ基を示し、
は、フッ素原子又はメトキシ基を示し、
は、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基を示し、又はRがフェニルの3位にあり、かつRとRは一緒になってメチレンジオキシ基を示し、
は、水素原子又はフッ素原子を示し、
は、ジメチルアミノ基、アゼチジン−1−イル基又はメトキシ基を示し、
は、フェニルの2位にあり、メトキシ基を示し、
は、メトキシ基で示される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体、又はその医薬上許容される塩である。
【0013】
より好ましい式(1)の化合物は、ピロリジンの2位の置換基が(S)配置である式(1a)
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩である。
【0016】
式(1a)の化合物の左旋性異性体はさらに好ましい。
【0017】
さらに、以下の化合物、
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
メチル(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(ジアステレオ異性体混合物)、
3−[(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル]−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(左旋性異性体)、
(4R)−1−{3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−5,6−ジメトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[4,5−ジクロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−{5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−{3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)がより好ましい。
【0018】
本発明の他の形態としては、式(2)
【0019】
【化3】

【0020】
(式中、R、R、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される化合物と式(3)
【0021】
【化4】

【0022】
(式中、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。Halは、ハロゲン原子を示す。)で表される化合物を塩基存在下反応させることによる、式(1)で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体の製造方法である。
【0023】
本発明の他の形態としては、式(1)で表される化合物の合成中間体として有用な式(2)、
【0024】
【化5】

【0025】
(式中R、R、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される化合物又はその塩である。
【0026】
本発明の他の形態としては、式(1)で表される化合物又はその医薬上許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の化合物は代謝安定性に優れ、良好な脳内移行性と高い血漿中濃度を示す、選択的バソプレッシンV1b受容体拮抗物質であり、うつ病、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の疾患の治療および予防に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。好ましくは、塩素原子又はフッ素原子である。
【0029】
炭素原子数1〜4のアルキル基とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4のアルキル基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はtert−ブチル基である。好ましくは、メチル基である。
【0030】
炭素原子数1〜4のアルコキシ基とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を意味し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基又はtert−ブトキシ基である。好ましくはメトキシ基である。
【0031】
炭素原子数3〜6のアルキレン基を形成する基とは、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基である。好ましくはトリメチレン基である。
【0032】
医薬上許容される塩とは、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの鉱酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、グルコン酸、ベンゼンスルホン酸、クエン酸などの有機酸との塩を挙げることができる。なお、本発明の化合物は、各種溶媒和物としても存在し得る。また、医薬としての適用性の面から水和物の場合もある。
【0033】
また、中間体として有用な式(2)で表される化合物の塩とは、化合物の合成に使用できる塩であれば特に限定はなく、鉱酸塩又は有機酸塩である。
【0034】
鉱酸塩とは、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸2水素塩などを挙げることができる。
【0035】
有機酸塩とは、例えば酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、グルコン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クエン酸塩などを挙げることができる。
【0036】
本発明の化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、もしくは受容体のリガンドとして生物学的分析に有用である。
【0037】
本発明の化合物は、一つ又は二つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合せて医薬的製剤とすることができる。前記担体、賦形剤及び希釈剤の例には、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾソルベート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の各種油等が含まれる。
【0038】
また、上記の担体、賦形剤又は希釈剤に必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤等の添加剤が混合し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤等の経口又は非経口用医薬として調製することができる。本発明の化合物は成人患者に対して0.001〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能である。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状等により適宜増減することが可能である。
【0039】
本発明の化合物は、例えば下記に示す方法に従って製造することができる。
【0040】
本発明の化合物は、式(2)
【0041】
【化6】

【0042】
(式中、R、R、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される化合物と、式(3)
【0043】
【化7】

【0044】
(式中、R、Rは前記式(1)で定義したものと同じである。Halはハロゲン原子を示す。)で表される化合物を、塩基存在下反応させることによって製造できる。さらに必要ならば、得られた化合物を医薬上許容される塩に転換できる。
反応は塩基、例えば水素化ナトリウム等の水素化金属、tert−ブトキシカリウムなどのアルカリ金属アルコキシド存在下、N,N−ジメチルホルムアミド、もしくはテトラヒドロフラン等の無水溶媒もしくは、それらの混合溶媒中、−70℃〜+60℃の温度条件下で行う。
【0045】
本発明の化合物は、反応系から取り出した後、一般的な方法、例えば結晶化、クロマトグラフィー等によって精製することで得ることができる。
本発明の化合物はフリー体として、もしくは一般的方法により塩として単離することにより得ることができる。本発明の化合物をフリー体として得た場合には、有機溶媒中にて酸と処理することにより塩形成を行うことができる。例えば、フリー体をジエチルエーテル等のエーテル類、イソプロピルアルコール等のアルコール類や、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル等に酸と一緒に溶解し、一般的方法を用いることによって、上記した塩を得ることができる。
【0046】
使用する酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、グルコン酸、クエン酸等が挙げられる。
【0047】
本反応の最後において、本発明の化合物は、例えば塩酸塩、シュウ酸塩などとして単離される場合もあるが、もし必要であれば、フリー体は得られた塩を、例えば水酸化ナトリウム、トリエチルアミンや、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等の炭酸アルカリ金属塩や炭酸水素アルカリ金属塩を用いた中和によって得ることができる。
式(2)で表される化合物は、式(5)
【0048】
【化8】

【0049】
(式中、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じであり、Halは前記と同じである。)
で表される3−ハロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体と、式(4)
【0050】
【化9】

【0051】
(式中、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)
で表される化合物又はその塩を、例えばジイソプロピルエチルアミンやトリエチルアミンなどの塩基存在下、不活性溶媒中、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン等や、それらの混合溶媒中にて、室温から溶媒の沸点付近までの温度条件下反応させることにより製造することができる。
【0052】
式(3)で表される化合物は、EP0469984号とWO95/18105号などに記載された既知化合物であり、またそれらに記載された方法により製造することができる。例えば式(3)で表される化合物は、ベンゼンスルホン酸誘導体や、その塩、例えばナトリウム塩やカリウム塩をハロゲン化することにより製造することができる。
【0053】
反応はハロゲン化剤、例えば塩化チオニルやオキシ塩化リンなどの存在下、無溶媒もしくは不活性溶媒、例えばハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、−10℃〜200℃の間の温度条件下進行する。
2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロライドは市販されており、もしくは文献記載の方法(Journal of American Chemical Society,1952,74,2006.)に従って製造することができる。
【0054】
式(5)で表される化合物は、例えばWO95/18105号、WO01/74775号、WO01/55130号、WO01/55134号、WO01/64668号、WO01/98295号、WO03/008407号等に記述の方法に従って製造することができる。
【0055】
例えば、式(6a)
【0056】
【化10】

【0057】
(式中、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される化合物を、ピリジンなどの塩基存在下、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、0℃〜室温の温度条件下塩化チオニルを作用させることによって、式(5)で表される化合物(Hal=Cl)へ変換することができる。
化合物(5)で表される化合物の他の製造方法としては、化合物(6b)
【0058】
【化11】

【0059】
(式中、R、R、R及びRは、前記式(1)で定義したものと同じである。)で表される化合物を文献記載の方法(Farm.Zh.(K−iev),1976,5,30−33.)に従い、臭素又はN−クロロスクシンイミドなどのハロゲン化剤を使って変換することができる。
式(6a)で表される化合物は、例えばWO95/18105号、WO01/74775号、WO01/55130号、WO01/55134号、WO01/64668号、WO01/98295号、WO03/008407号等に記載された方法に従って製造することができる。
【0060】
式(4)で表される化合物は、一般的にスキーム1に示す合成ルートで製造ができる。なおPrは窒素原子の保護基を示し、特にベンジルオキシカルボニル基やtert−ブトキシカルボニル基を示す。
【0061】
スキーム1中、工程1−1aにおいて、化合物(7):(4R)−もしくは(4S)−4−ヒドロキシ−L−プロリン、又は、(4R)−もしくは(4S)−4−ヒドロキシ−D−プロリンの窒素原子は一般的方法に従い、保護基を導入することにより化合物(8)を製造することができる。引き続く工程1−2aにおいて、化合物(8)は一般的方法に従い、エステル化、もしくはアミド化することにより化合物(10)を製造することができる。また、同様に化合物(7)のカルボン酸は、工程1−1bにおいて一般的手法に従い、エステル化、もしくはアミド化により化合物(9)を製造することができ、引き続き得られた化合物(9)の窒素原子に一般的手法に従い保護基を導入(工程1−2b)し、化合物(10)を製造することができる。
【0062】
一般的なアミド化反応には以下のものがある。例えば、脱水縮合剤を用いた方法が挙げられる。脱水縮合剤には例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホニルアジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等や、それらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応は−50℃から反応溶媒の沸点付近で行うことができる。
【0063】
また、例えば、カルボン酸とクロル炭酸エステル等から得られる混合酸無水物を用いてアミド化することができる。これらの反応の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応は−50℃から反応溶媒の沸点付近の温度条件下行うことができる。
【0064】
また、カルボン酸の一般的なエステル化反応には以下のものがある。例えば、ジアゾメタン等のジアゾ化合物によってメチルエステル化を行うことができる。この際、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。更に、カルボン酸を酸ハロゲン化物に誘導し、アルコール化合物を作用させることによりエステル化を行うことができる。酸ハロゲン化は塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン等を用いることにより行うことができる。この際、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒中、もしくはそれらの混合溶媒中で行うことができる。こうして調製した酸ハロゲン化物にアルコール類、例えばメタノール、エタノール等を作用させることによりエステル化を行うことができる。またこの反応は酸ハロゲン化の反応系中にアルコールを加えることによって達成され、また単離した酸ハロゲン化物にアルコールを作用させることによっても行うことができる。
【0065】
また、例えば脱水縮合剤を用いた方法が挙げられる。脱水縮合剤には例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホニルアジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等や、それらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等のアミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応は−50℃から反応溶媒の沸点付近の温度条件下で行うことができる。
【0066】
また、例えばカルボン酸とクロル炭酸エステルや、ニ炭酸ジ−tert−ブチル等から得られる混合酸無水物を用いてエステル化することができる。これらの反応の溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応は−50℃から反応溶媒の沸点付近の温度条件下行うことができる。
【0067】
式(4)にて定義される化合物、又はその中間体を調製する方法の段階のいずれか1つの過程において、問題となる分子のいずれかに存在するアミン、カルボン酸等の反応性又は感受性のある官能基を保護することがおそらく必要であり、もしくは望ましい。これについては、プレナム・プレスにより1973年に発行された、J.F.W.McOmie著、Protective Groups in Organic Chemistry.、およびJohn Wiley and Sonsにより1991年に発行されたT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis.に記載されている慣用的な保護基を用いて、この保護を行うことができる。また、脱保護についても、上記2冊子記載の方法で行うことができる。
【0068】
アミノ基の保護は、例えばニ炭酸ジ−tert−ブチル、ベンジルクロロフォルメート等を用い、適当な塩基存在下で行うことができる。塩基の例としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類又は炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。これらの反応の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル、水等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。これらの反応は−50℃〜50℃で行うことができる。
【0069】
また、カルボン酸の保護については、一般的にはエステル化を行うことにより達成される。エステル化は上記方法に順ずる。
ピロリジン環のフッ素化は、例えば4−ヒドロキシ体から4−フルオロ体、4−ケト体からは4,4−ジフルオロ体を得ることができる。
【0070】
スキーム1中、工程1−3aのモノフッ素化の例として、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリドやジメチル硫黄トリフルオリド、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物等を用いる方法が挙げられる。1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物を用いる場合には、反応系中にフッ化セシウム、フッ化ナトリウム、又はフッ化カリウムが混在している場合良好な結果を与える。これらの反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用い、−78℃から室温で反応を開始し、室温から50℃で継続して反応を行うことにより達成される。また、モノフッ素化の例としては、水酸基を脱離基に変換した後にフルオロ基に変換する方法が挙げられる。脱離基への変換としては例えばクロル化、ブロム化、ヨード化、メタンスルホニル化、p−トルエンスルホニル化等が挙げられる。
【0071】
【化12】

【0072】
(式中、Rは前記式(1)で定義したものと同じであり、Prは前記と同じである。)
クロル化反応の例としては、例えば四塩化炭素とトリフェニルホスフィンを用いる方法、塩化チオニルやオキシ塩化リンを用いる方法、トシルクロリド等を用い脱離基とした後、塩化リチウム等で置換する方法等が挙げられる。これらの反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。これらの反応は、−50〜100℃で行うことができる。ブロム化反応の例としては、例えば四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを用いる方法が挙げられる。この反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中、−50〜50℃で行うことができる。ヨード化反応の例としては、例えばヨウ素、トリフェニルホスフィン及びイミダゾールを用いる方法が挙げられる。この反応はテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。これらの反応は、−50〜100℃の温度条件下行うことができる。
【0073】
メタンスルホニル化、p−トルエンスルホニル化は、それぞれメタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド等を用いて行うことができる。この際、適当な塩基を添加しても良い。添加する塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類又は炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中、反応は−50〜50℃の温度条件下行うことができる。
【0074】
脱離基に変換した後フルオロ基に変換する方法には、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリドやフッ化セシウム、フッ化カリウム又はフッ化ナトリウム等を反応させる方法が挙げられる。これらの反応はテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、水等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中、−50〜100℃の温度条件下で行うことができる。
【0075】
また、ジフルオロ化はヒドロキシル基をケトン基へ酸化した後行う。
【0076】
酸化の方法(工程1−3b)は、例えば、クロロクロム酸ピリジニウムや二クロム酸ピリジニウム等のクロム酸を用いて行うことができる。反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられ、反応温度は0℃〜反応溶媒の沸点付近で行うことができる。
【0077】
また、例えばデス−マーチン試薬(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードオキソール−3−(1H)−オン)を用いて反応することができる。反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられ、反応温度は0〜40℃で行うことができる。
【0078】
また、別の例として、IBX(1−ヒドロキシ−1,2−ベンズヨードオキサオール−3(1H)−オン1−オキシド)を用いて反応することもできる。反応溶媒としてはジメチルスルホキシドを用い、反応に関与しないテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒でさらに希釈して反応を行うことができる。反応温度は0〜40℃で行うことができる。
【0079】
この酸化反応としては、上記以外にもアルコールをケトンへ酸化できる方法であれば特に限定されない。例えばジメチルスルホキシドと活性化剤(塩化オキザリル、N−クロロスクシンイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等)による反応や、過ルテニウム酸(VII)テトラ−n−プロピルアンモニウムとN−メチルモルホリンオキシドを用いた酸化法等が挙げられる。本酸化反応の包括的概観は、Richard C.Larock,Comprehensive Organic Transformation,WILEY−VCH,1999,604.に見出され得る。
【0080】
また、スキーム1中、工程1−4bにおけるジフルオロ化は、例えばジメチル硫黄トリフルオリド、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]硫黄トリフルオリド等のフッ素化剤を用いる方法が挙げられる。これらの反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中、−78℃から室温で反応を開始し、室温からその溶媒の沸点付近で継続して反応を行うことにより達成される。
【0081】
窒素原子の保護基は一般的な方法によって脱保護(工程1−4a,1−5b)され、化合物(14)、(15)又はそれらの塩を製造することができる。
【0082】
例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基等の酸で脱保護される基で保護した場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。この際、脱保護は、酸を有機溶媒又は水で希釈又は溶解して行うことができ、反応は−50℃〜50℃の温度条件下行うことができる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0083】
更に例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の加水素分解により脱保護される基で保護した場合は、パラジウム等の金属触媒を用いた加水素分解反応により脱保護することができる。溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。反応は0℃〜100℃で行うことができる。また、この反応に水素ガスを用いることもできるし、他に例えばギ酸−ギ酸アンモニウムの組み合わせを用いて行うこともできる。
【0084】
更に例えば、塩基で脱保護されるフルオレニルオキシカルボニル基等の基で保護した場合は、ジエチルアミン、ピペリジン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて脱保護することができる。これらの塩基は単独で、あるいは溶媒に希釈、溶解又は懸濁して用いることができる。この際、溶媒としては水、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。反応は0℃〜溶媒の沸点付近の温度条件下行うことができる。
【0085】
更に例えば、アリルオキシカルボニル等の金属触媒により脱保護される基で保護した場合は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を触媒又は試薬として用いることにより脱保護することができる。この際、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒中で行うことができる。反応は0℃〜その溶媒の沸点付近の温度条件下行うことができる。
【0086】
【化13】

【0087】
(4R)−もしくは(4S)−4−ヒドロキシ−L−プロリン、又は、(4R)−もしくは(4S)−4−ヒドロキシ−D−プロリンは市販されている。
【0088】
式(4)に定義された化合物の内、(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(21)は、スキーム2に示す合成ルートで製造できる。
【0089】
合成原料としては(16)、(18)に示す化合物、すなわち(4R)−N−保護−4−ヒドロキシ−L−プロリン(16)、もしくは(4S)−N−保護−4−ヒドロキシ−L−プロリン(18)を利用し、工程2−1a,2−1bにてアミド結合形成の一般的方法に従いN,N−ジメチルアミド化した後、工程2−2a,2−2bにてフッ素化剤、特に1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物を利用してフッ素化を行う。本フッ素化の際、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム又はフッ化セシウムが反応系に混在する場合、良好な結果を与える。本反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中、−78℃から室温で反応を開始し、室温からその溶媒の沸点付近で継続して反応を行うことにより達成される。
【0090】
この場合、合成原料である化合物(16)、(18)の4位の立体配置が(R)配置、(S)配置どちらでも、結果的には(4R)配置の4−フッ化化合物(20)を得る事ができる。得られた化合物(20)は一般的な方法により脱保護され、化合物(21)又はその塩を得ることができる。
【0091】
式(4)で表される化合物の内、Rが水素原子であり、Rがアルコキシ基、ジメチルアミノ基もしくはエチルアミノ基である場合、スキーム3に示す合成ルートで製造ができる。合成原料としては化合物(22)に示すメチルもしくはエチル(2S,4R)−N−保護−4−ヒドロキシ−2−ピロリジンカルボキシレート体を利用し、一般的なヒドロキシル基のフッ素化(工程3−1)により(4S)配置のフッ素を導入する。得られた化合物(23)は一般的な方法により脱保護し(工程3−5)、メチル又はエチル(4R)−4−フルオロ−L−プロリネート体(27)又はその塩を得ることができる。一方、化合物(23)は一般的な方法によりエステルを加水分解(工程3−2)し、カルボン酸体(24)を製造できる。得られたカルボン酸体(24)をペプチド結合形成の−般的方法に従いアミド化(工程3−3)した後、窒素原子の保護基を−般的な方法により脱保護(工程3−4)し、(4S)−4−フルオロ−N,N−ジメチル又は−N−エチル−L−プロリンアミド体(26)又はその塩を製造することができる。
【0092】
【化14】

【0093】
エステルの加水分解は、例えば水酸化ナトリウム等の水酸化金属塩、炭酸カリウム等の炭酸金属塩等の塩基を用いて実施することができる。この反応の溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水などの溶媒、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。反応は−20℃から反応溶媒の沸点付近の温度条件下で行うことができる。
【0094】
また、カルボン酸を他のエステル、例えばtert−ブチルエステル等の酸で脱保護される基で保護した場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。この際、脱保護は、酸を有機溶媒又は水で希釈又は溶解して行うことができ、反応は−50℃〜50℃の温度条件下行うことができる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0095】
更に例えば、ベンジルエステル等の加水素分解により脱保護される基で保護した場合は、パラジウム等の金属触媒を用いた加水素分解反応により脱保護することができる。溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒、もしくはそれらの混合溶媒を用いることができる。反応は0℃〜100℃で行うことができる。また、この反応に水素ガスを用いることもできるし、他に例えばギ酸−ギ酸アンモニウムの組み合わせを用いて行うこともできる。
【0096】
更に例えば、アリルエステル等の金属触媒により脱保護される基で保護した場合は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を触媒又は試薬として用いることにより脱保護することができる。この際、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒中で行うことができる。反応は0℃〜その溶媒の沸点付近の温度条件下行うことができる。
【0097】
式(4)で表される化合物の内、Rがフッ素原子であり、Rがジメチルアミノ基、もしくはエチルアミノ基である場合、スキーム4に示す合成ルートで製造できる。合成原料はスキーム1記述の化合物(13)の内4,4−ジフルオロ−N−保護−2−ピロリジンカルボキシレート体を利用し、工程4−1にて加水分解することによりカルボン酸体(28)する。得られたカルボン酸体(28)をアミド結合形成の一般的方法に従い、化合物(29)を製造することができる(工程4−2)。窒素原子の保護基は一般的な方法によって脱保護(工程4−3)され、化合物(30)又はその塩を製造することができる。
【0098】
【化15】

【0099】
以下、実施例および試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例において、シリカゲル60、シリカゲル60Nとは、関東化学(株)によって市販されているシリカゲルである。クロマトレックスNHとは、富士シリシア(株)によって市販されているシリカゲルである。また、反応の進行を0.25mmシリカゲル60F254プレート(メルク社製)を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)で追跡した。TLCプレートはUV(254nm)、もしくは20%リンモリブデン酸ナトリウム/エタノール溶液を用いた呈色によって観察した。
【0100】
H−NMRスペクトルは、テトラメチルシランを内部標準とし、化学シフトはppmで表記した。
【実施例1】
【0101】
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
【0102】
工程1−1a:tert−ブチル(2S,4R)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン25.1gのテトラヒドロフラン(250ml)溶液に、氷冷下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物24.9gならびに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩24.9gを加え15分間攪拌した。反応混合物に50%ジメチルアミン水溶液10.7gを10分間かけて滴下後、室温にて15時間攪拌した。減圧下溶媒を留去後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlを加え、クロロホルム(50ml×2)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:クロロホルム/メタノール=20/1〜9/1;v/v)にて精製し、表題化合物26.2g(無色固体)を得た。
【0103】
MS(ESI pos.)m/z:281([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.40&1.45(each−s,9H),1.95−2.36(m,3H),2.97&2.98(each−s,3H),3.08&3.13(each−s,3H),3.41−3.62(m,1H),3.63−3.76(m,1H),4.46−4.60(m,1H),4.69−4.87(m,1H)
【0104】
工程1−2a:tert−ブチル(2S,4R)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
工程1−1aで得た化合物25.7g、フッ化ナトリウム5.00gのジクロロメタン(260ml)懸濁液に、氷冷下1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)26.6gを10分間かけて滴下し、その後室温にて16時間攪拌した。反応溶液に氷冷下5%炭酸カリウム水溶液100mlを加え同温にて30分間攪拌した。分液後得られた水層をクロロホルムにて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水50mlにて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1〜10/0;v/v)に付し、表題化合物12.2g(淡黄色固体)を得た。
【0105】
MS(ESI pos.)m/z:283([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.42&1.46(each−s,9H),2.00−2.26(m,1H),2.36−2.55(m,1H),2.98&2.99(each−s,3H),3.10&3.16(each−s,3H),3.58−3.99(m,2H),4.71−4.92(m,1H),5.12−5.38(m,1H)
【0106】
工程1−1b:tert−ブチル(2S,4S)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの合成
冷却下(4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン10.0gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物8.77gのテトラヒドロフラン(100ml)溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩9.95gを加え、同温にて30分間攪拌した。その後反応溶液に50%ジメチルアミン水溶液15.6gを加えた後、室温にて1時間攪拌した。反応溶液にクロロホルム100ml、5%炭酸カリウム水溶液50mlを加え分液し、水層をクロロホルム(30ml×2)抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水30mlにて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル:n−ヘキサン=1/1〜10/0;v/v)に付し、表題化合物8.66g(無色固体)を得た。
【0107】
MS(ESI pos.)m/z:281([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.42&1.45(each−s,9H),1.91−1.99(m,1H),2.17−2.35(m,1H),3.02&3.03(each−s,3H),3.16&3.27(each−s,3H),3.48−3.56(m,1H),3.64−3.86(m,1H),4.26−4.37(m,1H),4.66−4.84(m,1H),5.28−5.83(m,1H)
【0108】
工程1−2b:tert−ブチル(2S,4R)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
工程1−1bで得られた化合物8.54gとフッ化ナトリウム1.67gのジクロロメタン(90ml)懸濁液に、氷冷下1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)8.85gを2分間かけて滴下した後、室温にて15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlに3分間かけて滴下し、1時間攪拌した。分液し、水層をクロロホルム(30ml×2)抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水50mlにて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル:n−ヘキサン=1/1〜10/0;v/v)にて精製し、表題化合物7.54g(淡黄色固体)を得た。
【0109】
工程1−3:(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドトリフルオロ酢酸塩の合成
工程1−2bにて得られた化合物3.50gのクロロホルム(25ml)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸10.5mlを加えた後、室温にて3時間攪拌した。その後溶媒を減圧下留去し、残渣7.27g(黄色油状)を得た。本化合物は精製すること無く次反応に用いた。
【0110】
MS(ESI pos.)m/z:161([M+H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.97−2.21(m,1H),2.68−2.87(m,1H),2.92(s,3H),3.02(s,3H),3.37−3.62(m,2H),4.72−4.85(m,1H),5.36−5.60(m,1H),8.83(brs,1H),9.99(brs,1H)
【0111】
工程1−4:(4R)−1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン3.78gと工程1−3にて得られた化合物(粗体)のクロロホルム(40ml)懸濁液に氷冷下トリエチルアミン7.47gを加えた後、室温にて13時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(40ml)に注ぎ、クロロホルム(30ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(50ml)にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣6.43g(茶色固体)を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=4/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ2.06g(異性体A:無色粉末)、2.74g(異性体B:無色粉末)得た。
【0112】
異性体A:[α]29=+129°(c=0.578,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.65−1.94(m,1H),2.17−2.35(m,1H),2.42−2.85(m,6H),3.22−3.56(m,1H),3.47(s,3H),3.75−3.97(m,2H),5.05−5.31(m,1H),6.50(s,1H),6.82(d,J=8.1Hz,1H),6.92(d,J=8.2Hz,1H),7.07−7.21(m,2H),7.29(t,J=7.5Hz,1H),8.05(d,J=7.5Hz,1H),10.52(s,1H)
【0113】
異性体B:[α]28=−188°(c=0.219,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.79−1.99(m,1H),2.23−2.54(m,7H),2.88−3.06(m,1H),3.42−3.72(m,1H),3.46(s,3H),4.58−4.70(m,1H),5.18−5.43(m,1H),6.74(d,J=8.2Hz,1H),6.83(d,J=2.2Hz,1H),6.91(dd,J=8.2,1.09Hz,1H),6.97−7.05(m,1H),7.15−7.20(m,1H),7.23−7.31(m,1H),7.86(dd,J=7.7,1.5Hz,1H),10.33(s,1H)
【0114】
工程1−5:(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム0.215gのジメチルホルムアミド(20ml)溶液に、氷冷却下工程1−4にて得られた異性体B2.00gを加え、40分間撹拌した。その後、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド1.27gのジメチルホルムアミド溶液(5ml)を滴下した。同温にて35分間撹拌した後、クロロホルム50ml、5%炭酸カリウム水溶液50mlを加え、室温にて1時間撹拌した。分液し、水層をクロロホルム(15ml×2)にて抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣3.74g(淡黄色アモルファス)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1;v/v)により精製し、表題化合物2.30g(無色アモルファス)を得た。
【0115】
[α]28=−199°(c=0.590,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:654([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.87−3.94(m,4H),2.33(s,3H),2.76(s,3H),3.56−3.79(m,6H),3.86(s,3H),4.76−5.00(m,1H),5.15−5.43(m,1H),6.43(d,J=2.2Hz,1H),6.58−6.64(m,1H),6.78(d,J=8.4Hz,1H),6.92−7.00(m,1H),7.07(brs,1H),7.20−7.31(m,2H),7.72−7.81(m,1H),7.92(d,J=8.7Hz,1H),8.16(d,J=8.9Hz,1H)
【実施例2】
【0116】
(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程2−1:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
窒素雰囲気下、1−tert−ブチル 2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート30.0gとフッ化ナトリウム6.16gのジクロロメタン180ml懸濁液に氷冷下、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)32.8gを10分間かけて滴下した後、室温にて15時間撹拌した。反応液を氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlに撹拌しながら注いだ後、15分撹拌した。静置した後、分液し、得られた有機層を減圧下溶媒留去して残渣を得た。水層を酢酸エチル60mlにて抽出し、先の残渣と合わせた。有機層を10%硫酸水素カリウム水溶液40mlならびに飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣から減圧留去(b.p.81〜83℃/11hPa)にて不要物を除いて残渣36.8g(黄色油状物)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1;v/v)にて精製し、表題化合物34.6g(無色油状)を得た。
【0117】
MS(ESI pos.)m/z:270([M+Na]
H−NMR(200MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.35&1.41(each−s,9H),2.13−2.76(m,2H),3.19−3.74(m,5H),4.33−4.45(m,1H),5.13−5.39(m,1H)
【0118】
工程2−2:(4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フルオロ−L−プロリンの合成
氷冷下、工程2−1にて得た化合物30.2gのメタノール181ml溶液を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液86mlに撹拌しながら60分間かけて滴下した後、室温にて16時間撹拌した。メタノールを減圧下留去し、トルエン136mlを加えて撹拌した後、水層を分離して氷冷下撹拌した。2mol/L塩酸122mlを40分間かけて滴下した後、酢酸エチル(230ml×2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水128mlにて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去して無色固体25.1gを得た。ジイソプロピルエーテル91mlを加え、室温にて2時間撹拌した後、結晶を濾取することにより表題化合物20.2g(無色固体)を得た。濾液を減圧下濃縮し、ジイソプロピルエーテル9mlを加え、室温にて2時間撹拌した後、結晶を濾取することにより表題化合物0.54g(無色固体)を得た。
【0119】
MS(ESI neg.)m/z:232([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.36&1.41(each−s,9H)2.13−2.63(m,2H),3.29−3.71(m,2H),4.28(t,J=9.1Hz,1H),5.13−5.39(m,1H)12.55(brs,1H)
【0120】
工程2−3:tert−ブチル(2S,4S)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
氷冷下、工程2−2にて得られた化合物19.9gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−水和物17.3gのテトラヒドロフラン(200ml)溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩19.6gを加え、同温にて30分間攪拌した。その後反応溶液に50%ジメチルアミン水溶液9.24gを加え室温まで昇温させながら1時間攪拌した。溶媒を150ml減圧留去後、得られた残渣にクロロホルム100ml、10%炭酸カリウム水溶液100mlを加え分液し、水層をクロロホルムにて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル:n−ヘキサン=1/1〜10/0;v/v)に付し、表題化合物20.5g(無色固体)を得た。
【0121】
MS(ESI pos.)m/z:283([M+Na]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.31&1.39(each−s,9H),1.93−2.10(m,1H),2.40−2.71(m,1H),2.81&2.83(each−s,3H),2.97(s,3H),3.42−3.79(m,2H),4.59−4.71(m,1H),5.10−5.37(m,1H)
工程2−4:(4S)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
工程2−3で得られた化合物5.98gのクロロホルム(60ml)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸18mlを加え、同温にて2時間撹拌した。その後溶媒を減圧下留去し、残渣12.1g(無色油状)を得た。本化合物は精製すること無く次反応に用いた。
【0122】
MS(ESI pos.)m/z:161([M+H]),183([M+Na]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);2.12−2.30(m,1H),2.68−3.02(m,1H),2.93(s,3H),2.98(s,3H),3.27−3.53(m,1H),3.59−3.77(m,1H),4.67−4.81(m,1H),5.32−5.55(m,1H),8.83(brs,1H),10.19(brs,1H)
【0123】
工程2−5:(4S)−1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン6.44gと工程2−4にて得られた化合物(23.0mmol,粗体)のクロロホルム溶液に氷冷下トリエチルアミン12.7gを加えた後、室温にて24.5時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(200ml)に注ぎ、クロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣12.2g(褐色固体)を得た。得られた残渣をクロロホルム/メタノール=1:1(v/v)混合溶媒(60ml)に懸濁させ、不溶物を濾取し、表題化合物(異性体B;無色粉末、3.64g)を得た。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(1回目:シリカゲル60、移動層:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3〜10/0;v/v、2回目:クロマトレックスNH、移動相:クロロホルム/メタノール=13/1;v/v)により精製し、表題化合物(異性体A;無色粉末、340mg)を得た。
【0124】
異性体A:[α]29=+32°(c=0.224,メタノール)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);2.03−2.24(m,1H),2.60−2.95(m,1H),2.70(s,3H),3.23(s,3H),3.42−3.84(m,3H),3.58(s,3H),5.01−5.28(m,1H),6.75(d,J=8.2Hz,1H),6.79−6.91(m,2H),7.07−7.20(m,2H),7.23−7.33(m,1H),8.00(d,J=7.5Hz,1H),9.54(brs,1H)
【0125】
異性体B:[α]28=−198°(c=0.733,N,N−ジメチルホルムアミド)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.67−1.84(m,1H),2.20 3.55(m,3H),2.56(s,3H),2.57(s,3H),3.48(s,3H),4.49−4.58(m,1H),5.12−5.40(m,1H),6.77(d,J=8.2Hz,1H),6.81(d,J=2.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),6.97−7.05(m,1H),7.18(dd,J=8.3,2.3Hz,1H),7.23−7.31(m,1H),7.60−7.70(m,1H),10.44(brs,1H)
【0126】
工程2−6:(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程2−5で得られた化合物(異性体B)1.50gを出発原料として表題化合物1.70g(無色アモルファス)を得た。
[α]26=−222°(c=0.654,クロロホルム)
【0127】
MS(ESI pos.)m/z:654([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.74−1.92(m,1H),1.97−2.23(m,1H),2.45(s,3H),2.49−2.70(m,1H),2.85(s,3H),3.17−3.34(m,1H),3.62(s,3H),3.67(s,3H),3.88(s,3H),4.30−4.59(m,1H),4.69(dd,J=9.6,3.7Hz,1H),6.46(d,J=2.2Hz,1H),6.63(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.77(dd,J=8.2,0.9Hz,1H),6.94−7.03(m,1H),7.15−7.32(m,3H),7.88−7.94(m,2H),8.15(d,J=8.9Hz,1H)
【実施例3】
【0128】
1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程3−1:1−tert−ブチル2−メチル(2S)−4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート150g、クロロクロム酸ピリジニウム264g、セライト75gを室温下クロロホルム2L中にて攪拌した。途中クロロクロム酸ピリジニウム100gを追加し合計7日間攪拌した。反応液をセライト濾過(クロロホルム500mlにて洗浄)し、得られた濾液を減圧下濃縮することにより197gの黒色オイルを得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/1;v/v)にて精製し、表題化合物119g(黄色油状)を得た。
【0129】
MS(ESI neg.)m/z:242([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.30−1.50(m,9H),2.59(dd,J=18.9,2.6Hz,1H),2.84−3.05(m,1H),3.77(s,3H),3.86−4.03(m,2H),4.67−4.92(m,1H)
【0130】
工程3−2:1−tert−ブチル2−メチル(2S)−4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
工程3−1にて得られた化合物18.0gのクロロホルム150ml溶液に、氷冷下[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]硫黄トリフルオリド36.0gを5分間かけて滴下した後室温にて19時間攪拌した。反応液を飽和炭酸カリウム水溶液300mlに氷冷下10分間かけて滴下した。分液後水層をクロロホルム(30ml×2)抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水30mlにて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4;v/v)にて精製し、表題化合物15.4g(黄色油状)を得た。
【0131】
MS(ESI pos.)m/z:288([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.43&1.46(each−s,9H),2.36−2.56(m,1H),2.58−2.82(m,1H),3.69−3.92(m,2H),3.77(s,3H)4.40−4.61(m,1H)
【0132】
工程3−3:1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロ−L−プロリンの合成
工程3−2にて得られた化合物15.2gのメタノール(152ml)溶液に、氷冷下2mol/L水酸化ナトリウム水溶液40mlを4分間かけて滴下した後、2.5時間同温にて攪拌した。反応終了後メタノールを減圧下留去し、得られた水層にクロロホルム100mlを加えた後、氷冷下1mol/L塩酸90mlを6分間かけて滴下した。水層が酸性であることを確認した後分液し、水層をクロロホルム(30ml×2)抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水50ml洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣(白色固体)14.1gを得た。得られた残渣をジイソプロピルエーテル/n−ヘキサンから結晶化することにより、表題化合物12.6g(無色結晶)を得た。
【0133】
MS(ESI neg.)m/z:250([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.36&1.41(each−s,9H),2.31−2.53(m,1H),2.69−3.02(m,1H),3.59−3.86(m,2H)4.30−4.43(m,1H),12.98(brs,1H)
【0134】
工程3−4:tert−ブチル(2S)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
工程3−3にて得られた化合物4.00gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物3.23gのテトラヒドロフラン40ml溶液を氷冷下30分間攪拌した。その後1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩3.66gを加え、同温にて30分間攪拌した。反応溶液に50%ジメチルアミン水溶液2.15gを加えた後室温にて1時間攪拌した。反応溶液にクロロホルム60ml、5%炭酸カリウム水溶液50mlを加え分液し、水層をクロロホルム(50ml×2)抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水30mlにて洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥し、乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1〜10/0;v/v)に付し、表題化合物4.02g(無色固体)を得た。
【0135】
MS(ESI pos.)m/z:301([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.41&1.46(each−s,9H),2.28−2.48(m,1H),2.55−2.73(m,1H),2.99&3.00(each−s,3H),3.06&3.10(each−s,3H),3.75−4.02(m,2H),4.68−4.91(m,1H)
【0136】
工程3−5:4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
工程3−4にて得られた化合物3.85gのクロロホルム(40ml)溶液に氷冷下トリフルオロ酢酸11mlを加えた後、室温にて2時間攪拌した。その後溶媒を減圧下留去し、残渣8.02g(淡黄色油状)を得た。本化合物は精製すること無く次反応に用いた。
【0137】
MS(ESI pos.)m/z:179([M+H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);2.43−2.62(m,1H),2.89−3.18(m,1H),2.92(s,3H),2.98(s,3H),3.65−3.88(m,2H),4.97(t,J=8.7Hz,1H)
【0138】
工程3−6:1−[5−(クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル)−4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン3.88gと工程3−5にて得られた化合物(粗体)のクロロホルム(40ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン7.64gを加えた後、室温にて15.5時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(50ml)に注ぎ、クロロホルム(30ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣5.82g(褐色固体)を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:1回目;酢酸エチル、2回目;酢酸エチル/n−ヘキサン=4/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ2.23g(異性体A:無色粉末)、2.70g(異性体B:無色粉末)得た。
【0139】
異性体A:[α]29=+116°(c=0.425,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:472([M+Na]),(ESI neg.)m/z:448([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.96−2.16(m,1H),2.47−2.58(m,6H),2.59−2.78(m,1H),3.24−3.53(m,1H),3.49(s,3H),3.72−3.99(m,2H),6.54(d,J=2.2Hz,1H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),6.94(dd,J=8.2,0.9Hz,1H),7.09−7.17(m,1H),7.20(dd,J=8.3,2.3Hz,1H),7.26−7.35(m,1H),8.05(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),10.68(s,1H)
【0140】
異性体B:[α]28=−159°(c=0.296,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:472([M+Na]),(ESI neg.)m/z:448([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.94−2.13(m,1H),2.36−2.53(m,6H),2.68−2.93(m,1H),3.07−3.20(m,1H),3.46(s,3H),3.84−4.03(m,1H),4.56−4.63(m,1H),6.77(d,J=8.2Hz,1H),6.86(d,J=2.2Hz,1H),6.93(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),7.02−7.10(m,1H),7.20(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.25−7.33(m,1H),7.77(dd,J=7.9,1.8Hz,1H),10.39(s,1H)
【0141】
工程3−7:1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程3−6で得られた化合物(異性体B)1.94gを出発原料として表題化合物2.31g(無色アモルファス)を得た。
【0142】
[α]28=−191°(c=0.595,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:672([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);2.06−3.88(m,7H),2.41(s,3H),2.76(s,3H),3.69(s,3H),3.87(s,3H),4.79−4.97(m,1H),6.44(d,J=2.3Hz,1H),6.58−6.63(m,1H),6.78(d,J=8.2Hz,1H),6.95−7.03(m,1H),7.03−7.11(m,1H),7.20−7.30(m,2H),7.81−7.88(m,1H),7.92(d,J=8.9Hz,1H),8.14(d,J=8.9Hz,1H)
【実施例4】
【0143】
メチル(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(ジアステレオ異性体混合物)の合成
工程4−1:メチル(4S)−4−フルオロ−L−プロリネート トリフルオロ酢酸塩の合成
工程1−3と同手法により、工程2−1で得られた化合物1.5gを原料として表題化合物を2.56g(黄色油状)得た。
MS(ESI pos.)m/z:270([M+Na]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);2.23−2.76(m,2H),3.20−3.87(m,2H),3.78(s,3H),4.69(dd,J=10.1,3.9Hz,1H),5.32−5.64(m,1H).
【0144】
工程4−2:メチル(4S)−1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネートの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン1.70gと工程4−1にて得られた化合物1.03gのクロロホルム(50ml)溶液に,氷冷下トリエチルアミン2.79gを加えた後、室温まで昇温後同温にて13時間撹拌した。反応液を撹拌しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加え15分間攪拌した.分液後得られた水層をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣2.54g(黄色アモルファス)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動層:酢酸エチル)により精製し、ジイソプロピルエーテル中攪拌洗浄し、表題化合物のジアステレオ異性体混合物を1.98g(淡緑色アモルファス)得た。
【0145】
MS(ESI pos.)m/z:441([M+Na]),(ESI neg.)m/z:417([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);2.14−5.34(m,12H),6.71−8.31(m,8H)
工程4−3:メチル(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(ジアステレオ異性体混合物)の合成
【0146】
工程1−5と同手法により、工程4−2で得られた化合物1.00gを原料として表題化合物(ジアステレオ異性体混合物)を1.31g(淡黄色アモルファス)得た。
【0147】
MS(ESI pos.)m/z:641([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.47−5.01(m,18H),6.42−8.22(m,10H)
【実施例5】
【0148】
tert−ブチル 1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(左旋性異性体)の合成
工程5−1:1−ベンジル 2−メチル(2S)−4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
1−ベンジル 2−メチル(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート5.33g,フッ化ナトリウム962mgのジクロロメタン(53ml)懸濁液に、氷冷下1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)5.11gを10分間かけて滴下した後,室温にて16時間攪拌した.その後反応溶液に氷冷下5%炭酸カリウム水溶液(100ml)を加え同温にて30分間攪拌した。分液後得られた水層をクロロホルム(30mlx2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(50ml)にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7;v/v)に付し、表題化合物1.50g(無色オイル)を得た。
【0149】
MS(ESI pos.)m/z:304([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);2.00−2.26(m,1H),2.37−2.71(m,1H),3.48−3.80(m,4H),3.83−4.09(m,1H),4.46−4.59(m,1H),5.00−5.52(m,3H),7.26−7.44(m,5H)
工程5−2:1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4−フルオロ−L−プロリンの合成
氷冷下、工程5−1にて得た化合物1.45gのメタノール15ml溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液3.6mlを加え室温にて4時間攪拌した.メタノールを減圧下留去、酢酸エチル30mlを加えた後,氷冷下1mol/L塩酸にてPHを2に調製した.分液し,水層を酢酸エチル10ml×2にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水10mlにて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去して淡黄色オイル1.98gを得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)に付し、表題化合物1.46g(淡黄色油状)を得た。
【0150】
MS(ESI pos.)m/z:290([M+H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);2.21−2.47(m,1H),2.55−2.79(m,1H),3.51−3.76(m,1H),3.91−4.15(m,1H),4.41−4.65(m,1H),5.08−5.36(m,3H),6.89−7.47(m,6H)
【0151】
工程5−3:1−ベンジル 2−tert−ブチル(2S)−4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
工程5−2で得られた化合物1.40g,ニ炭酸ジ−tert−ブチル4.57g,4−(ジメチルアミノ)ピリジン192mgのt−ブチルアルコール28ml溶液を室温下16時間攪拌した.反応液を減圧濃縮後,得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4;v/v)にて精製し,表題化合物1.35g(無色油状)を得た。
【0152】
MS(ESI pos.)m/z:346([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.29−1.51(m,9H),1.96−2.23(m,1H),2.51−2.71(m,1H),3.55−3.76(m,1H),3.83−4.09(m,1H),4.41(q,J=8.3Hz,1H),5.08−5.33(m,3H),7.24−7.40(m,5H)
【0153】
工程5−4:tert−ブチル 4−フルオロ−L−プロリネートの合成
水素雰囲気下,工程5−3で得られた化合物1.25g,10%パラジウム−炭素250mgをメタノール12.5ml中室温にて1時間攪拌した.不溶物を濾別し,濾液を減圧下濃縮することにより表題化合物704mg(無色油状)を得た。
【0154】
MS(ESI pos.)m/z:190([M+H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.47(s,9H),1.86−2.18(m,2H),2.31−2.49(m,1H),3.10−3.29(m,2H),3.90(t,J=7.9Hz,1H),5.10−5.34(m,1H)
【0155】
工程5−5:tert−ブチル 1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネートの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン1.06gと工程5−4にて得られた化合物685mgのクロロホルム(11ml)溶液に,氷冷下トリエチルアミン2.09gを加えた後、室温まで昇温後同温にて13時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え15分間攪拌した.分液後得られた水層をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣1.69g(無色アモルファス)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/3;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ678mg(異性体A:無色固体)、839mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0156】
異性体A:[α]29=+75.7°(c=0.228,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:483([M+Na]),(ESI neg.)m/z:459([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.29(s,9H),1.84−2.06(m,1H),2.33−2.49(m,1H),3.40−3.65(m,2H),3.56(s,3H),3.95−4.11(m,1H),5.02−5.26(m,1H),6.73−6.84(m,3H),7.08−7.15(m,2H),7.25−7.32(m,1H),8.03(s,1H),8.12(dd,J=7.7,1.8Hz,1H)
【0157】
異性体B:[α]28=−169°(c=0.197,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:483([M+Na]),(ESI neg.)m/z:459([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.29(s,9H),1.95−2.19(m,1H),2.42−2.65(m,1H),3.17−3.39(m,1H),3.49−3.70(m,1H),3.58(s,3H),4.10−4.23(m,1H),5.14−5.39(m,1H),6.72(d,J=8.2Hz,1H),6.81(dd,J=8.2,1.0Hz,1H),6.92(d,J=2.0Hz,1H),7.01−7.09(m,1H),7.14(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.23−7.39(m,2H),7.91(dd,J=7.7,1.8Hz,1H)
【0158】
工程5−6:tert−ブチル 1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程5−5で得られた化合物(異性体B)300mgを出発原料として表題化合物350mg(無色アモルファス)を得た。
【0159】
[α]28=−167°(c=0.209,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:683([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.33(s,9H),1.47 3.95(m,7H),3.69(s,3H),3.86(s,3H),4.17−4.30(m,1H),5.00−5.30(m,1H),6.43(d,J=2.2Hz,1H),6.59(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.77(d,J=8.1Hz,1H),6.93−7.04(m,2H),7.20−7.28(m,2H),7.79(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.89(d,J=8.9Hz,1H),8.17(d,J=8.9Hz,1H)
【実施例6】
【0160】
1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−D−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程6−1:tert−ブチル(2R,4R)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの合成
冷却下(4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−D−プロリン2.50gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物2.19gのN,N−ジメチルホルムアミド25ml溶液を5分間攪拌した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩2.49gを加え、同温にて30分間攪拌した。その後反応溶液に50%ジメチルアミン水溶液1.95gを加えた後、室温にて16時間攪拌した。反応溶液にクロロホルム100ml、5%炭酸カリウム水溶液50mlを加え分液し、水層をクロロホルム(30ml×2)抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水30mlにて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)に付し、表題化合物2.74g(淡黄色固体)を得た。
【0161】
MS(ESI pos.)m/z:281([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.39−1.48(m,9H),1.95(d,J=13.8Hz,1H),2.17−2.34(m,1H),2.88−3.29(m,6H),3.48−3.56(m,1H),3.64−3.86(m,1H),4.32(q,J=4.8Hz,1H),4.66−4.83(m,1H)
【0162】
工程6−2:tert−ブチル(2R)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
窒素気流下、工程6−1で得た化合物2.64g,フッ化ナトリウム545mgのジクロロメタン(26ml)懸濁液に、氷冷下1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)2.89gを10分間かけて滴下した後,室温にて16時間攪拌した.その後反応溶液に氷冷下5%炭酸カリウム水溶液(100ml)を加え同温にて30分間攪拌した。分液後得られた水層をクロロホルム(30mlx2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(50ml)にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)に付し、表題化合物2.17g(無色固体)を得た。
【0163】
MS(ESI pos.)m/z:283([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.39−1.50(m,9H),2.00−2.29(m,1H),2.36−2.55(m,1H),2.95−3.18(m,6H),3.58−3.98(m,2H),4.71−4.90(m,1H),5.12−5.36(m,1H)
【0164】
工程6−3:4−フルオロ−N,N−ジメチル−D−プロリンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
工程6−2にて得られた化合物2.09gのクロロホルム(30ml)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸10mlを加えた後、室温にて2時間攪拌した。その後減圧下濃縮し、残渣3.42g(淡黄色油状)を得た。本化合物は精製すること無く次反応に用いた。
【0165】
MS(ESI pos.)m/z:161([M+H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.96−2.22(m,1H),2.67−2.88(m,1H),2.92(s,3H),3.02(s,3H),3.38−3.66(m,2H),4.74−4.88(m,1H),5.36−5.61(m,1H),8.84(s,1H),10.15(s,1H)
【0166】
工程6−4:1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−D−プロリンアミドの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン2.36gと工程6−3にて得られた化合物3.30gのクロロホルム(20ml)溶液に,氷冷下トリエチルアミン4.65gを加えた後、室温まで昇温後同温にて13時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え15分間攪拌した.分液後得られた水層をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣3.94g(無色アモルファス)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:アセトン/酢酸エチル=1/3〜2/3;v/v)により分離、精製し、各々をジイソプロピルエーテル中攪拌洗浄し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ874mg(異性体A:無色固体)、1.80g(異性体B:無色固体)得た。
【0167】
異性体A:[α]29=−128°(c=0.227,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.65−1.90(m,1H),2.16−2.34(m,1H),2.43−2.61(m,6H),3.22−3.34(m,1H),3.32(s,3H),3.77−3.96(m,2H),5.05−5.29(m,1H),6.49(d,J=2.3Hz,1H),6.81(d,J=8.2Hz,1H),6.92(dd,J=8.2,0.9Hz,1H),7.07−7.15(m,1H),7.18(dd,J=8.3,2.3Hz,1H),7.25−7.33(m,1H),8.05(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),10.51(s,1H)
【0168】
異性体B:[α]28=+188°(c=0.215,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.79−2.00(m,1H),2.21−2.77(m,7H),2.86−3.08(m,1H),3.38−3.85(m,1H),3.46(s,3H),4.57−4.69(m,1H),5.18−5.43(m,1H),6.74(d,J=8.2Hz,1H),6.83(d,J=2.2Hz,1H),6.89−6.94(m,1H),6.97−7.06(m,1H),7.14−7.20(m,1H),7.23−7.31(m,1H),7.86(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),10.32(s,1H)
【0169】
工程6−5:1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−D−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程6−4で得られた化合物(異性体A)200mgを出発原料として表題化合物272mg(無色アモルファス)を得た。
【0170】
[α]28=−129°(c=0.209,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:632([M+H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.77−2.02(m,1H),2.12−2.29(m,1H),2.55(s,3H),2.73(s,3H),3.27(s,3H),3.31−3.53(m,1H),3.71−3.91(m,1H),3.79(s,3H),3.87(s,3H),4.05(dd,J=9.6,6.9Hz,1H),4.95−5.19(m,1H),6.49(d,J=2.2Hz,1H),6.61(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.73(dd,J=8.1,0.9Hz,1H),6.86(d,J=2.3Hz,1H),7.05−7.13(m,1H),7.21−7.29(m,2H),7.91(d,J=8.7Hz,1H),8.15(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),8.21(d,J=8.9Hz,1H)
【実施例7】
【0171】
3−[(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル]−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(左旋性異性体)の合成
工程7−1:tert−ブチル(2S,4S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン2.50gのN,N−ジメチルホルムアミド25ml溶液に、氷冷下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物2.19gならびに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩2.49gを加え30分間攪拌した。反応混合物にトリメチレンイミン1.23gを1分間かけて滴下後、室温にて16時間攪拌した。反応液に酢酸エチル30ml,5%炭酸カリウム水溶液20mlを加え30分間攪拌した.分液し,水層を酢酸エチル(50mlx2)抽出し,合せた有機層を水(50mlx3),飽和食塩水(50ml)にて洗浄後,無水硫酸マグネシウムにて乾燥後,乾燥剤を濾別し,減圧下濃縮した.残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)にて精製し、表題化合物2.81g(淡黄色固体)を得た。
【0172】
MS(ESI pos.)m/z:293([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.44−1.51(m,9H),1.92−2.01(m,1H),2.13−2.43(m,3H),3.42−3.52(m,1H),3.60−3.83(m,1H),3.97−4.81(m,7H)
【0173】
工程7−2:tert−ブチル(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
工程7−1で得た化合物2.71g,フッ化ナトリウム505mgのジクロロメタン(27ml)懸濁液に、氷冷下1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(ジエチルアミノ)プロパンと1,2,3,3,3−ペンタプルオロ−1−(ジエチルアミノ)−2−プロペンの混合物(約3:1)2.68gを10分間かけて滴下した後,室温にて16時間攪拌した.その後反応溶液に氷冷下5%炭酸カリウム水溶液(100ml)を加え同温にて30分間攪拌した。分液後得られた水層をクロロホルム(30mlx2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(50ml)にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)に付し、表題化合物2.30g(無色オイル)を得た。
【0174】
MS(ESI pos.)m/z:295([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.35−1.52(m,9H),2.02−2.50(m,4H),3.54−4.65(m,7H),5.09−5.35(m,1H)
【0175】
工程7−3:(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン トリフルオロ酢酸塩の合成
工程7−2にて得られた化合物2.20gのクロロホルム(30ml)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸10mlを加えた後、室温にて2時間攪拌した。その後減圧下濃縮し、残渣3.82g(淡黄色油状)を得た。本化合物は精製すること無く次反応に用いた。
【0176】
MS(ESI pos.)m/z:173([M+H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.97−2.36(m,3H),2.48−2.75(m,1H),3.37−3.66(m,2H),3.89−4.07(m,2H),4.14−4.50(m,3H),5.38−5.61(m,1H)
【0177】
工程7−4:3−[(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル]−5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成
窒素雰囲気下、3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン2.37gと工程7−3にて得られた化合物(粗体)のクロロホルム(20ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン4.67gを加えた後、室温まで昇温後同温にて13時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え15分間攪拌した.分液後得られた水層をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣4.02g(褐色固体)を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=3/1〜1/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれジイソプロピルエーテルで攪拌洗浄し,874mg(異性体A:無色固体)、1.45g(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0178】
異性体A:[α]29=+168°(c=0.205,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:444([M+H]),(ESI neg.)m/z:442([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.67−2.30(m,4H),3.13−3.73(m,5H),3.48(s,3H),3.78−4.02(m,2H),5.02−5.27(m,1H),6.59(d,J=2.2Hz,1H),6.87(d,J=8.2Hz,1H),6.93(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),7.11(dt,J=7.5,1.2Hz,1H),7.23−7.33(m,2H),7.98(dd,J=7.6,1.7Hz,1H),10.54(s,1H)
【0179】
異性体B:[α]28=−137°(c=0.223,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:466([M+Na]),(ESI neg.)m/z:442([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.70−2.06(m,3H),2.16−2.38(m,1H),2.82−3.02(m,1H),3.05−3.15(m,1H),3.41−3.72(m,3H),3.48(s,3H),3.74−3.86(m,1H),4.08−4.23(m,1H),5.17−5.42(m,1H),6.81−6.87(m,2H),6.91−6.97(m,1H),7.02−7.09(m,1H),7.22−7.34(m,2H),7.83(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),10.40(s,1H)
【0180】
工程7−5:3−[(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル]−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程7−4で得られた化合物(異性体B)300mgを出発原料として表題化合物353mg(無色アモルファス)を得た。
【0181】
[α]28=−204°(c=0.220,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:666([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.50−4.00(m,19H),4.36−4.47(m,1H),5.13−5.41(m,1H),6.42(d,J=2.3Hz,1H),6.60(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.80−6.86(m,1H),7.06−7.13(m,2H),7.24−7.34(m,2H),7.86(dd,J=7.9,1.6Hz,1H),7.93(d,J=8.9Hz,1H),8.15(d,J=9.0Hz,1H)
【実施例8】
【0182】
1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−N−エチル−4−フルオロ−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程8−1:ベンジル(2S)−2−[(エチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレートの合成
工程5−2で得られた化合物3.02gのN,N−ジメチルホルムアミド32ml溶液に、氷冷下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物2.43gならびに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩2.75gを加え30分間攪拌した。反応混合物に70%エチルアミン水溶液1.16gを加えた。室温まで昇温後14時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50ml、5%炭酸カリウム水溶液30mlを加え室温にて30分間攪拌した。分液し、水層を酢酸エチル抽出(20mlx2)し、合せた有機層を飽和水(50mlx2)、飽和食塩水(20ml)にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=7/3;v/v)にて精製し、表題化合物1.92g(無色固体)を得た。
【0183】
MS(ESI pos.)m/z:317([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);0.81−1.30(m,3H),2.12−2.76(m,2H),3.01−3.69(m,3H),3.92−4.52(m,2H),4.97−5.35(m,3H),5.62−6.80(m,1H),7.23−7.45(m,5H)
【0184】
工程8−2:N−エチル−4−フルオロ−L−プロリンアミドの合成
水素気流下、工程8−1で得られた化合物1.80g、10%パラジウム−炭素360mgのメタノール(36ml)懸濁液を室温にて3時間攪拌した。不溶物を濾別し、減圧下濃縮し表題化合物1.07gを得た。本化合物は精製することなく次反応に用いた。
【0185】
MS(ESI pos.)m/z:183([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.14(t,J=7.2Hz,3H),1.93−2.18(m,1H),2.26−2.87(m,3H),3.17−3.38(m,3H),3.98(q,J=8.6Hz,1H),5.07−5.30(m,1H),7.56(s,1H)
【0186】
工程8−3:1−[5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−N−エチル−4−フルオロ−L−プロリンアミドの合成
3,5−ジクロロ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
1.02gと工程8−2で得られた化合物530mgのクロロホルム(15ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン1.0mlを加えた後、室温にて18.5時間撹拌した。反応液を撹拌しながら5%炭酸カリウム水溶液(20ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=98/2;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ708mg(異性体A:無色アモルファス)、501mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0187】
異性体A:[α]25=−171°(c=0.200,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:432([M+H]),(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);0.85(t,J=7.2Hz,3H),1.86−2.06(m,1H),2.16 2.41(m,1H),2.72−2.95(m,3H),3.38−3.58(m,4H),4.07(dd,J=8.6,4.5Hz,1H),5.09−5.39(m,1H),6.71−6.85(m,2H),6.89−7.19(m,3H),7.21−7.32(m,1H),7.39(s,1H),7.76(dd,J=7.7,1.6Hz,1H),10.41(s,1H)
【0188】
異性体B:[α]25=+54°(c=0.224,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:454([M+Na]),(ESI neg.)m/z:430([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);0.89−0.98(t,J=7.0Hz,3H),1.71−1.96(m,1H),2.08−2.28(m,1H),2.80−2.94(m,2H),3.20−3.55(m,5H),3.74−3.91(m,1H),4.98 5.25(m,1H),6.53(d,J=2.2Hz,1H),6.73(d,J=8.2Hz,1H),6.92(dd,J=8.2,1.0Hz,1H),7.06−7.15(m,2H),7.25−7.35(m,1H),7.47−7.55(m,1H),8.13(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),10.50(s,1H)
【0189】
工程8−4:1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−N−エチル−4−フルオロ−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程8−3で得られた化合物(異性体A)200mgを出発原料として表題化合物65mg(無色アモルファス)を得た。
【0190】
[α]25=−199°(c=0.153,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:632([M+H]),(ESI neg.)m/z:630([M−H]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);0.78(t,J=7.2Hz,3H),1.96−2.92(m,5H),3.18−3.35(m,1H),3.54(s,3H),3.68(s,3H),3.83−3.96(m,4H),4.965.20(m,1H),6.27−6.32(m,1H),6.44(d,J=2.1Hz,1H),6.62(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),6.75(d,J=8.2Hz,1H),6.94(d,J=2.1Hz,1H),6.98−7.03(m,1H),7.19−7.28(m,2H),7.71−7.75(m,1H),7.88(d,J=8.8Hz,1H),8.14(d,J=8.8Hz,1H)
【実施例9】
【0191】
(4R)−1−{3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−5,6−ジメトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
工程9−1:3−(2,4−ジメトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成
窒素気流下、5,6−ジメトキシ−1H−インドール−2,3−ジオン1.38gのテトラヒドロフラン(30ml)懸濁液に、氷冷下水素化ナトリウム(60%)293mgを加え同温にて1時間攪拌した。2,4−ジメトキシブロモベンゼン3.61g、マグネシウム486mgを用いテトラヒドロフラン(20ml)中発生させたグリニア試薬を反応系中に氷冷下3分間かけて滴下した後、室温で13時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水20ml、酢酸エチル40mlを加え室温にて30分間攪拌した。分液し、水層を酢酸エチル(20mlx2)抽出し、合せた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)にて精製し、表題化合物1.37g(茶色固体)を得た。
【0192】
MS(ESI pos.)m/z:368([M+Na]
H−NMR(300MHz,DMSO−D)δ(ppm);3.43(s,3H),3.55(s,3H),3.75(s,6H),6.16(s,1H),6.40(s,1H),6.44(d,J=2.3Hz,1H),6.47(s,1H),6.59(dd,J=8.6,2.3Hz,1H),7.68(d,J=8.6Hz,1H),9.98(s,1H)
【0193】
工程9−2:(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
工程1−2a又は1−2bで得られた化合物5.00gのクロロホルム(50ml)溶液に、トリフルオロ酢酸15mlを加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、得られた残渣にクロロホルム100mlを加え、氷冷下5%炭酸カリウム水溶液を水層が塩基性になるまで加えた。分液し、水層をクロロホルム抽出した。合せた有機層を飽和食塩水(30ml)洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水=10/1/0.1;v/v)にて精製し、表題化合物3.10g(黄色油状)を得た。
【0194】
MS(ESI pos.)m/z:161([M+H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.79−2.02(m,1H),2.04−2.67(m,1H),2.26−2.42(m,1H),2.99(s,3H),3.06−3.25(m,1H),3.07(s,3H),3.37(ddd,J=33.0,13.3,4.3Hz,1H),4.17(dd,J=9.2,6.7Hz,1H),5.16 5.39(m,1H)
【0195】
工程9−3:(4R)−1−[3−(2,4−ジメトキシフェニル)−5,6−ジメトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(ジアステレオ異性体混合物)の合成
窒素気流下、−78℃にて工程9−1で得られた化合物700mg、ピリジン240mgのクロロホルム(14ml)溶液に、塩化チオニル362mgを加え、同温にて30分間攪拌した。その後、工程9−2にて得られた化合物485mg、トリエチルアミン2.05gのクロロホルム(5ml)溶液を2分間かけて滴下した後室温まで昇温し、室温下15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50ml、5%炭酸カリウム水溶液30mlを加え5分間攪拌した。分液し、水層を酢酸エチル抽出(30mlx2)し、合せた有機層を飽和食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:酢酸エチル/アセトン=1/1;v/v)にて精製し、表題化合物のジアステレオ異性体混合物697mg(茶色アモルファス)を得た。
【0196】
MS(ESI pos.)m/z:510([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.82−5.47(m,24H),6.35−6.67(m,4H),7.44−8.15(m,2H)
【0197】
工程9−4:(4R)−1−{3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−5,6−ジメトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム18mgのN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)懸濁液に、氷冷却下工程9−3にて得られたジアステレオ異性体混合物200mgを加え、同温にて1時間撹拌した。氷冷下2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド107mgを加え同温にて30分間撹拌した後、酢酸エチル(30ml)、5%炭酸カリウム水溶液(20ml)を加え、室温にて15分間撹拌した後分液し、水層を酢酸エチル(20ml×2)にて抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより残渣300mg(茶色油状)を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60N、移動相:酢酸エチル/アセトン=3/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ30mg(異性体A:赤茶色アモルファス)、27mg(異性体B:赤茶色アモルファス)を得た。
【0198】
異性体A:[α]28=−169°(c=0.111,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:710([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.85−5.44(m,9H),2.38(s,3H),2.78(s,3H),3.64(s,3H),3.75(s,3H),3.77(s,3H),3.86(s,3H),3.95(s,3H),6.34(d,J=2.3Hz,1H),6.40−6.48(m,2H),6.55−6.63(m,2H),7.62−7.69(m,2H),8.16(d,J=9.0Hz,1H)
【0199】
異性体B:[α]28=+177°(c=0.104,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:710([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.76−2.03(m,1H),2.10−2.26(m,1H),2.53−2.56(m,3H),2.63(s,3H),3.22(s,3H),3.31−3.52(m,1H),3.62−4.01(m,1H),3.70(s,3H),3.77(s,3H),3.80(s,3H),3.87(s,3H),3.95(s,3H),4.08−4.16(m,1H),4.97−5.20(m,1H),6.29(d,J=2.3Hz,1H),6.41(s,1H),6.49(d,J=2.3Hz,1H),6.56−6.65(m,2H),7.61(s,1H),8.04(d,J=8.6Hz,1H),8.23(d,J=9.0Hz,1H)
【実施例10】
【0200】
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−イソプロピルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程10−1:5−クロロ−3−ヒドロキシ−3−(2−イソプロピルフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インド−ル−2−オンの合成
窒素雰囲気下、マグネシウム1.2gのテトラヒドロフラン(5ml)溶液に1−ブロモ−2−イソプロピルベンゼン8.2gのテトラヒドロフラン(12ml)溶液を数滴加え、反応を開始させた後に加熱還流が持続する速度でゆっくり滴下した。滴下終了後オイルバスにて0.5時間加熱還流し、室温まで冷却した。窒素雰囲気下、5−クロロ−1H−インドール−2,3−ジオン3gのテトラヒドロフラン(22ml)懸濁液に氷冷下上記にて調整した試薬をゆっくり滴下した。滴下終了後室温まで昇温した後、同温下2時間攪拌した。反応液に3N塩酸水溶液を注ぎ酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=1/2;v/v)により精製し、表題化合物4.9g(淡黄色アモルファス)を得た。
【0201】
MS(ESI pos.)m/z:302([M+H],324([M+Na]),(ESI neg.)m/z:300([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);0.71(d,J=6.7Hz,3H),1.13(d,J=6.7Hz,3H),2.31−2.66(m,1H),3.94(s,1H),6.73(d,J=8.1Hz,1H),7.00(d,J=8.1Hz,1H),7.16(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.21−7.46(m,1H),7.87(d,J=2.2Hz,1H),8.79(s,1H)
【0202】
工程10−2:(4R)−1−[5−クロロ−3−(2−イソプロピルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
工程10−1で得られた化合物1.5gのクロロホルム(15.6ml)溶液にピリジン0.6mlを加え、氷冷下塩化チオニル0.54mlのクロロホルム(1ml)溶液を滴下した後、室温にて1時間攪拌した。反応終了後、水を加えクロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣と工程9−2にて得られた化合物のクロロホルム(25ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン3.5mlを加えた後、室温にて60時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:メタノ−ル/クロロホルム=1/9;v/v、酢酸エチル)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ1.08g(異性体A:無色アモルファス)、0.15g(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0203】
異性体A:[α]28=+110°(c=0.218,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:444([M+H],466([M+Na]),(ESI neg.)m/z:442([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);0.45(d,J=6.5Hz,3H),1.08(d,J=6.7Hz,3H),2.18−2.42(m,2H),2.46(s,3H),2.57(s,3H),3.18−3.51(m,1H),3.62−3.95(m,2H),5.09−5.27(m,1H),6.47(s,1H),6.91(d,J=8.2Hz,1H),7.10−7.49(m,4H),8.11−8.60(m,1H),10.87(s,1H)
【0204】
異性体B:[α]28=−136°(c=0.215,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:444([M+H],466([M+Na]),(ESI neg.)m/z:442([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);0.34−0.58(m,3H),1.06(d,J=6.5Hz,3H),1.75−2.03(m,1H),2.31−2.64(m,5H),2.87−3.23(m,1H),3.43−3.74(m,1H),4.46−4.65(m,1H),5.24−5.43(m,1H),6.72−6.93(m,2H),7.13−7.38(m,4H),7.99(s,1H),10.62(s,1H)
【0205】
工程10−3:(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−イソプロピルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程10−2で得られた化合物(異性体B)42mgを出発原料として表題化合物32mg(無色アモルファス)を得た。
【0206】
[α]28=−177°(c=0.100,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:644([M+H],666([M+Na]),(ESI neg.)m/z:62([M−H]
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm);0.34 0.84(m,6H),1.66−2.81(m,11H),3.26(s,1H),3.60−3.94(m,6H),5.14−5.57(m,1H),6.39−6.70(m,2H),6.80−7.35(m,5H),7.82−8.32(m,3H)
【実施例11】
【0207】
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程11−1:3−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−3−ヒドロキシ−3,5,6,7−テトラヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−2(1H)−オンの合成
窒素雰囲気下、マグネシウム583mgのジエチルエ−テル(2ml)懸濁液に2−ベンジルオキシブロモベンゼン5.3gのジエチルエ−テル(6ml)溶液を数滴加え、反応を開始させた後に加熱還流が持続する速度でゆっくり滴下した。滴下終了後オイルバスにて2時間加熱還流し、室温まで冷却した。窒素雰囲気下、1,5,6,7−テトラヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−2,3−ジオン1.5gのテトラヒドロフラン(11ml)溶液に氷冷下上記にて調製した試薬をゆっくり滴下した。滴下終了後室温まで昇温した後、同温下16時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸水溶液を注ぎ酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフ−(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=1/2;v/v)により精製し、表題化合物1.10g(無色粉末)を得た。
【0208】
MS(ESI pos.)m/z:394([M+Na]),(ESI neg.)m/z:370([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.90−2.05(m,2H),2.70(t,J=7.4Hz,2H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),4.84(s,2H),6.29(s,1H),6.59(d,J=9.0Hz,2H),6.82−6.92(m,3H),6.97−7.04(m,1H),7.14−7.24(m,4H),7.86(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),10.04(s,1H)
【0209】
工程11−2:(4R)−1−{3−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−オキソ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程11−1で得られた化合物1.10gのクロロホルム(9ml)溶液にピリジン0.35mlを加え、氷冷下塩化チオニル0.31mlのクロロホルム(1ml)溶液を滴下した後、室温にて1時間攪拌し、反応終了後、溶媒を減圧下留去した。残渣と工程9−2にて得られた化合物のクロロホルム(10ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン4mlを加えた後、室温にて15時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:メタノ−ル/クロロホルム=1/9;v/v、酢酸エチル)により精製し、表題化合物971mg(淡黄色アモルファス)を得た。
【0210】
[α]28=−69°(c=0.210,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:514([M+H],536([M+Na]),(ESI neg.)m/z:512([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.82−2.05(m,3H),2.16−2.91(m,3H),2.32(s,3H),2.63−2.73(m,2H),2.78(t,J=7.2Hz,2H),4.81−4.97(m,2H),5.22−5.40(m,1H),6.55(s,1H),6.66(s,3H),6.79−7.07(m,4H),7.09−7.26(m,4H),7.88(d,J=8.4Hz,2H),9.99(s,1H)
【0211】
工程11−3:(4R)−1−{3−[2−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程11−2で得られた化合物42mgを出発原料として表題化合物32mg(無色アモルファス)を得た。
【0212】
[α]28=−167°(c=0.236,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:714([M+H],736([M+Na]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.77−1.97(m,1H),1.98−3.10(m,4H),2.00−2.14(m,2H),2.34(s,3H),2.44−2.56(m,3H),2.67−2.84(m,2H),2.96(t,J=7.3Hz,2H),3.52(s,3H),3.76(s,3H),4.39−4.96(m,2H),5.19−5.38(m,1H),6.46−6.78(m,6H),6.88(t,J=7.5Hz,1H),6.97−7.18(m,4H),7.70(s,1H),7.78(s,1H),8.00(d,J=9.0Hz,1H)
【0213】
工程11−4:(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロシクロペンタ[f]インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、工程11−3にて得られた化合物42mgのメタノ−ル(1ml)溶液に20%水酸化パラジウム(50%水分)10mgを加え、水素雰囲気下にて75分間室温で攪拌した。反応終了後パラジウムをセライトろ過により除き、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=3/1;v/v)により精製し、表題化合物21mg(無色アモルファス)を得た。
【0214】
[α]29=−203°(c=0.110,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:624([M+H],646([M+Na]),(ESI neg.)m/z:622([M−H]
H−NMR(500MHz,MeOH−d)δ(ppm);1.90−2.14(m,4H),2.15−2.33(m,1H),2.50−3.00(m,11H),3.40(s,3H),3.46−3.64(m,1H),3.84(s,3H),5.15−5.26(m,1H),6.51(s,1H),6.59−6.68(m,3H),6.70−6.83(m,3H),7.09(t,J=7.8Hz,1H),7.29(s,1H),7.70(s,1H),7.98(d,J=9.2Hz,1H)
【実施例12】
【0215】
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程12−1:3−(2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インド−ル−2−オンの合成
tert−ブチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメ−ト2gのテトラヒドロフラン(15ml)溶液に−78℃冷却下1.0mol/L sec−ブチルリチウムのヘキサン−シクロヘキサン溶液16.8mlを滴下し、1時間攪拌した。その後−40℃に昇温し、同温下2.5時間攪拌した。再び−78℃に冷却し、エチル(2−フルオロフェニル)(オキソ)アセテート2.23gのテトラヒドロフラン(7.5ml)溶液を滴下し、同温下2時間攪拌した。その後室温まで昇温し、12時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=1/1;v/v)により精製し、表題化合物389mg(無色粉末)を得た。
【0216】
MS(ESI pos.)m/z:334([M+Na]),(ESI neg.)m/z:332([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);7.01−7.13(m,2H),7.18(d,J=1.9Hz,1H),7.29−7.45(m,2H),7.59−7.68(m,1H),7.88−8.02(m,1H),10.95(s,1H)
【0217】
工程12−2:(4R)−4−フルオロ−1−[3−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(ジアステレオ異性体混合物)の合成
工程12−1で得られた化合物389mgのクロロホルム(5ml)溶液にピリジン0.12mlを加え、氷冷下塩化チオニル0.11mlのクロロホルム(1ml)溶液を滴下した後、室温にて0.5時間攪拌した。この反応系中に氷冷却下、工程9−2にて得られた化合物240mgのクロロホルム(3ml)溶液、トリエチルアミン0.87mlを加えた後、室温にて10時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:メタノ−ル/クロロホルム=1/99;v/v)により精製し、表題化合物のジアステレオ異性体混合物を315mg(無色アモルファス)得た。
【0218】
MS(ESI pos.)m/z:454([M+H],476([M+Na]),(ESI neg.)m/z:452([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.75−4.65(m,11H),5.12−5.41(m,1H),6.89−8.15(m,7H),10.88−11.10(m,1H)
【0219】
工程12−3:(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程12−2で得られた化合物100mgを出発原料として表題化合物32mg(無色アモルファス)を得た。
【0220】
[α]28=−258°(c=0.102,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:654([M+H],676([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.93−2.19(m,1H),2.24−2.47(m,1H),2.39(s,3H),2.72(s,3H),2.94−3.11(m,1H),3.57(s,3H),3.59−3.81(m,1H),3.88(s,3H),4.61(dd,J=8.8,4.6Hz,1H),5.18−5.36(m,1H),6.44(d,J=2.2Hz,1H),6.60(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.71−6.84(m,1H),7.14−7.32(m,3H),7.60(dd,J=8.7,2.0Hz,1H),7.91−8.02(m,1H),8.12−8.23(m,2H)
【実施例13】
【0221】
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程13−1:5−クロロ−3−ヒドロキシ−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インド−ル−2−オンの合成
tert−ブチル[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメ−ト4.00gのジエチルエ−テル(30ml)溶液に−78℃冷却下1.6mol/L tert−ブチルリチウムのペンタン溶液21mlを滴下し、1時間攪拌した。その後−40℃に昇温し、同温下2.5時間攪拌した。再び−78℃に冷却し、エチルオキソ[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセタ−ト4.25gのテトラヒドロフラン15ml溶液を滴下し、同温下2時間攪拌した。その後室温まで昇温し、15時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=1/4;v/v)により精製し、表題化合物3.57g(無色粉末)を得た。
【0222】
MS(ESI neg.)m/z:410([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);7.20(s,1H),7.22−7.31(m,2H),7.47−7.56(m,2H),8.05−8.13(m,1H),10.99(s,1H)
【0223】
工程13−2:(4R)−1−[5−クロロ−2−オキソ−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
工程13−1で得られた化合物500mgのクロロホルム(3ml)溶液にピリジン0.12mlを加え、氷冷下塩化チオニル0.10mlのクロロホルム(1ml)溶液を滴下した後、室温にて1時間攪拌した。反応終了後、水を加えクロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣と工程9−2と同手順で得られた化合物(1.45mmol)のクロロホルム(4ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン1.7mlを加えた後、室温にて12時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/ヘキサン=3/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ206mg(異性体A:淡黄色アモルファス)、174mg(異性体B:淡黄色アモルファス)得た。
【0224】
異性体A:[α]28=−119°(c=0.101,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:554([M+H],576([M+Na]),(ESI neg.)m/z:552([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.75−2.00(m,1H),2.36−2.60(m,1H),2.40(s,3H),2.56(s,3H),3.09(dd,J=20.9,11.6Hz,1H),3.57(ddd,J=36.56,12.0,3.7Hz,1H),4.70(dd,J=8.6,4.8Hz,1H),5.19−5.49(m,1H),7.09(s,1H),7.21−7.31(m,1H),7.37(s,1H),7.49(dd,J=6.1,3.6Hz,2H),8.15(dd,J=6.1,3.4Hz,1H),10.89(s,1H)
【0225】
異性体B:[α]28=+51°(c=0.109,メタノール)
MS(ESI pos.)m/z:554([M+H],576([M+Na]),(ESI neg.)m/z:552([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.66−1.96(m,1H),2.23−2.42(m,1H),2.53(s,3H),2.55(s,3H),3.27−3.51(m,1H),3.71−3.92(m,2H),5.12−5.30(m,1H),6.80(s,1H),7.24(s,1H),7.25−7.32(m,1H),7.47−7.63(m,2H),8.32(dd,J=7.7,1.9Hz,1H),11.13(s,1H)
【0226】
工程13−3:(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−3−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程13−2で得られた化合物(異性体A)97mgを出発原料として表題化合物113mg(無色アモルファス)を得た。
【0227】
[α]28=−151°(c=0.215,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:754([M+H],776([M+Na]),(ESI neg.)m/z:752([M−H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.73−2.43(m,2H),2.49(s,3H),2.73(s,3H),2.89(s,3H),2.96(s,3H),3.37−3.67(m,1H),3.95−4.32(m,2H),5.10−5.28(m,1H),7.02(s,1H),7.12−7.25(m,2H),7.33−7.59(m,3H),8.02(s,1H),8.25(s,1H),8.45(dd,J=7.7,1.9Hz,1H)
【実施例14】
【0228】
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程14−1:(4R)−4−フルオロ−1−[3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン2.24gとピリジン800mgのクロロホルム(10ml)溶液に、氷浴下、塩化チオニル0.7mlを加えた。同温にて2.5時間攪拌した後、過剰量の溶媒および試薬を減圧下留去した。単離することなく、得られた残渣と、(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドトリフルオロ酢酸塩6.57mmolのクロロホルム(15ml)溶液に、氷浴下、トリエチルアミン22.1gを加えた。室温下にて13.5時間攪拌した後、5%炭酸カリウム水溶液(20ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=25/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ761mg(異性体A:無色アモルファス)、633mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0229】
異性体A:[α]25=+123°(c=0.291,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:482([M+H]),(ESI pos.)m/z:504([M+Na]),(ESI neg.)m/z:480([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.64−1.94(m,1H),2.17−2.38(m,1H),2.42−2.58(m,5H),3.24−3.50(m,5H),3.74−3.95(m,2H),5.04 5.32(m,1H),6.44(d,J=1.7Hz,1H),6.84−6.98(m,2H),7.06−7.18(m,2H),7.24−7.35(m,1H),8.04(dd,J=7.6,1.7Hz,1H),10.58(s,1H)
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);1.85−2.35(m,2H),2.53(s,3H),2.66(s,3H),3.49−3.73(m,4H),4.03−4.21(m,2H),5.05−5.32(m,1H),6.75(d,J=2.2Hz,1H),6.80−6.87(m,2H),6.97−7.05(m,1H),7.08−7.17(m,1H),7.25−7.32(m,1H),8.23(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),9.43(s,1H)
【0230】
異性体B:[α]25=−172°(c=0.287,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:504([M+Na]),(ESI neg.)m/z:480([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−D)δ(ppm);1.82−2.02(m,1H),2.26−2.56(m,7H),2.84−3.09(m,1H),3.41−3.73(m,4H),4.54−4.64(m,1H),5.18 5.44(m,1H),6.75−6.86(m,2H),6.92(d,J=8.1Hz,1H),6.98−7.01(m,1H),7.11−7.20(m,1H),7.23−7.32(m,1H),7.88(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),10.39(s,1H)
【0231】
工程14−2:(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程14−1で得られた化合物(異性体B)254mgを出発原料として表題化合物242mg(無色アモルファス)を得た。
【0232】
[α]25=−215°(c=0.227,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:682([M+H]),(ESI pos.)m/z:704([M+Na]),(ESI neg.)m/z:680([M−H]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.62−2.01(m,2H),2.31(s,3H),2.74(s,3H),2.98−3.78(m,8H),3.85(s,3H),4.78−5.08(m,1H),5.20 5.37(m,1H),6.42(d,J=2.1Hz,1H),6.60(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.75−6.79(m,1H),6.92−6.98(m,2H),7.13−7.17(m,1H),7.21−7.26(m,1H),7.72−7.82(m,1H),7.99(d,J=9.1Hz,1H),8.13−8.18(m,1H)
【実施例15】
【0233】
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
工程15−1:(4R)−4−フルオロ−1−[3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン1.78gとピリジン800mgのクロロホルム(10ml)溶液に、氷浴下、塩化チオニル0.7mlを加えた。同温にて1時間攪拌した後、過剰量の溶媒および試薬を減圧下留去した。単離することなく得られた残渣と、(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドトリフルオロ酢酸塩6.60mmolのクロロホルム(20ml)溶液に、氷浴下、トリエチルアミン20.0gを加えた。室温下にて14時間攪拌した後、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:一回目酢酸エチル/メタノール=98/2〜1/1;v/v、二回目酢酸エチル/アセトン=20/1〜10/1;v/v)により精製し、表題化合物(2種のジアステレオ異性体混合物)を1.30g(無色固体)得た。
【0234】
MS(ESI pos.)m/z:412([M+H]),(ESI pos.)m/z:434([M+Na]),(ESI neg.)m/z:410([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.52−4.76(m,17H),5.01−5.48(m,1H),6.32−7.33(m,6H),7.82−8.12(m,1H),9.99−10.28(m,1H)
【0235】
工程15−2:(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム67mgのN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷浴下、工程15−1で得られた化合物(ジアステレオ異性体混合物)620mgを加え、40分間攪拌した。その後、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド400mgのN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を滴下した。同温にて30分間攪拌した後、酢酸エチル(5ml)、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え、室温にて一晩撹拌した。析出した固体を濾取し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=99/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ184mg(異性体A:無色アモルファス)、256mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0236】
異性体A:[α]25=−225°(c=0.187,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:612([M+H]),(ESI pos.)m/z:634([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.53−1.62(m,1H),1.85−1.98(m,1H),2.18−2.32(m,7H),2.75(s,3H),3.10−3.25(m,1H),3.55−3.86(m,9H),4.89−5.01(br,1H),5.21 5.39(m,1H),6.40(d,J=1.8Hz,1H),6.58(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),6.76(d,J=7.9Hz,1H),6.85−6.97(m,2H),7.07(dd,J=8.5,1.2Hz,1H),7.17−7.24(m,1H),7.74−7.84(m,2H),8.15(d,J=8.8Hz,1H)
【0237】
異性体B:[α]25=+142°(c=0.240,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:612([M+H]),(ESI pos.)m/z:634([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.81−1.96(m,1H),2.11−2.23(m,4H),2.46(s,3H),2.62(s,3H),3.24(s,3H),3.36−3.49(m,1H),3.73−3.87(m,7H),4.06−4.11(m,1H),5.00 5.15(m,1H),6.47(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),6.66−6.73(m,2H),7.03−7.10(m,2H),7.18−7.24(m,1H),7.81(d,J=8.2Hz,1H),8.15−8.25(m,2H)
【実施例16】
【0238】
(4R)−1−[4,5−ジクロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
工程16−1:4,5−ジクロロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成
窒素雰囲気下、マグネシウム360mgのテトラヒドロフラン(10ml)懸濁液に、2−ブロモ−1−メトキシ−4−メチルベンゼン3.02gのテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下した。その後、30分間加熱還流下攪拌した後、室温にて静置冷却した。
【0239】
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム310mgのテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、氷浴下、4,5−ジクロロ−1H−インドール−2,3−ジオン1.50gを加え、1時間攪拌した。その後、先に調整したブロモ(2−メトキシ−5−メチルフェニル)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(20ml)を20分間かけて滴下した。同温にて4.5時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。分液し、水層を酢酸エチル(30ml×3)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をイソプロピルエーテルにて攪拌洗浄し、固体を濾取することにより、表題化合物を1.23g(黄色固体)得た。
【0240】
MS(ESI pos.)m/z:360([M+Na]),(ESI neg.)m/z:336([M−H]
H−NMR(200MHz,DMSO−d)δ(ppm);2.31(s,3H),3.38(s,3H),6.64−6.87(m,3H),7.00−7.13(m,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),7.68(d,J=2.2Hz,1H),10.61(s,1H)
【0241】
工程16−2:(4R)−1−[4,5−ジクロロ−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
工程16−1で得られた化合物600mgとピリジン300mgのクロロホルム(5ml)溶液に、氷浴下、チオニルクロライド0.18mlを加えた。同温にて1時間攪拌した後、単離することなく、工程9−2で得られた化合物430mgのクロロホルム(5ml)溶液を加えた後、トリエチルアミン20mlを、氷浴下、滴下した。室温下にて88時間攪拌した後、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)により精製し、表題化合物(2種のジアステレオ異性体混合物)を640mg(ベージュアモルファス)得た。
【0242】
MS(ESI pos.)m/z:480([M+H]),(ESI pos.)m/z:502([M+Na]),(ESI neg.)m/z:478([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.69−4.69(m,17H),5.04−5.50(m,1H),6.71−6.84(m,2H),7.01−7.13(m,1H),7.35−7.47(m,1H),7.63−7.83(m,1H),10.47−10.78(m,1H)
【0243】
工程16−3:(4R)−1−[4,5−ジクロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム26mgのテトラヒドロフラン(3ml)溶液に、氷浴下、工程16−2で得られた化合物(ジアステレオ異性体混合物)301mgを加え、20分間攪拌した。その後、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド170mgのテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴下した。同温にて2時間攪拌した後、酢酸エチル(5ml)、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え、室温にて30分間撹拌した。分液し、水層を酢酸エチル(10ml×3)にて抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム乾燥、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=99/1;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ115mg(異性体A:無色アモルファス)、127mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0244】
異性体A:[α]25=−248°(c=0.183,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:680([M+H]),(ESI pos.)m/z:702([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.89(s,1H),2.19−3.94(m,21H),4.65−5.06(m,1H),5.23−5.44(m,1H),6.43(s,1H),6.57(dd,J=9.0,2.3Hz,2H),6.97−7.05(m,1H),7.42(d,J=8.8Hz,1H),7.75(s,1H),7.93(d,J=8.5Hz,1H),8.09−8.20(m,1H)
【0245】
異性体B:[α]25=+211°(c=0.200,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:680([M+H]),(ESI pos.)m/z:702([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.88−2.23(m,2H),2.33(s,3H),2.55−2.81(m,6H),3.36(s,3H),3.47−3.63(m,1H),3.79−3.88(m,7H),4.07−4.19(m,1H),4.95−5.19(m,1H),6.48(d,J=2.1Hz,1H),6.57(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),6.63(d,J=8.2Hz,1H),6.99−7.07(m,1H),7.41−7.48(m,1H),7.67(s,1H),7.92−8.01(m,1H),8.13(d,J=8.8Hz,1H)
【実施例17】
【0246】
(4R)−1−{5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程17−1:5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成
窒素雰囲気下、マグネシウム500mgのテトラヒドロフラン(10ml)懸濁液に、2−ブロモ−4−クロロ−1−メトキシベンゼン4.75gのテトラヒドロフラン(5ml)溶液を滴下した。その後、30分間加熱還流下、攪拌した後、室温にて静置冷却した。
【0247】
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム440mgのテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、氷浴下、5−クロロ−4−メチル−1H−インドール−2,3−ジオン1.96gを加え、1時間攪拌した。その後、先に調製したブロモ(5−クロロ−2−メトキシフェニル)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(15ml)を10分間かけて滴下した。同温にて3時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。分液し、水層を酢酸エチル(30ml×3)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をイソプロピルエーテルにて攪拌洗浄後固体を濾取することにより、表題化合物を2.43g(黄色固体)得た。
【0248】
MS(ESI neg.)m/z:336([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.87(s,3H),3.41(s,3H),6.70(dd,J=8.2,0.4Hz,1H),6.78(s,1H),6.93(d,J=8.7Hz,1H),7.25(dd,J=8.2,0.4Hz,1H),7.35(dd,J=8.7,2.8Hz,1H),7.83(d,J=2.8Hz,1H),10.48(s,1H)
【0249】
工程17−2:(4R)−1−[5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
工程17−1で得られた化合物1.19gとピリジン420mgのクロロホルム(10ml)溶液に、氷浴下、塩化チオニル0.36mlを加えた。同温にて2時間攪拌した後、過剰量の溶媒および試薬を減圧下留去した。単離することなく、得られた残渣と(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド トリフルオロ酢酸塩3.53mmolのクロロホルム(15ml)溶液に、氷浴下、トリエチルアミン3.60gを加えた。室温下にて19時間攪拌した後、5%炭酸カリウム水溶液(20ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=98/2;v/v)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ880mg(異性体A:橙色固体)、465mg(異性体B:橙色固体)得た。
【0250】
異性体A:[α]25=+205°(c=0.284,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:480([M+H]),(ESI pos.)m/z:502([M+Na]),(ESI neg.)m/z:478([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.63−1.92(m,4H),2.18−2.43(m,4H),2.46−2.57(m,3H),3.27−3.57(m,4H),3.88−4.09(m,2H),5.06 5.33(m,1H),6.70(d,J=8.2Hz,1H),6.97(d,J=8.8Hz,1H),7.26(d,J=8.2Hz,1H),7.36(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),7.87(d,J=2.8Hz,1H),10.58(s,1H)
【0251】
異性体B:[α]25=−156°(c=0.175,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:480([M+H]),(ESI pos.)m/z:502([M+Na]),(ESI neg.)m/z:478([M−H]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.71−2.09(m,4H),2.22−4.46(m,13H),5.18 5.53(m,1H),6.63(d,J=8.2Hz,1H),6.94(d,J=8.7Hz,1H),7.19−7.39(m,2H),7.91(d,J=2.3Hz,1H),10.36(s,1H)
【0252】
工程17−3:(4R)−1−{5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程1−5と同手法により、工程17−2で得られた化合物(異性体B)258mgを出発原料として表題化合物183mg(無色アモルファス)を得た。
【0253】
[α]25=−249°(c=0.178,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:679([M+H]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.77−1.94(m,1H),2.10−2.69(m,7H),2.74−3.91(m,14H),4.94(br,1H),5.22 5.41(m,1H),6.41(s,1H),6.57(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),6.63−6.76(m,1H),7.18(dd,J=8.7,2.6Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,1H),7.65−7.91(m,2H),8.05−8.16(m,1H)
【実施例18】
【0254】
(4R)−1−{3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
工程18−1:(4R)−1−[3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドの合成
3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン1.06gとピリジン420mgのクロロホルム(10ml)溶液に、氷浴下、塩化チオニル0.36mlを加えた。同温にて2時間攪拌した後、過剰量の溶媒および試薬を減圧下留去した。単離することなく、得られた残渣と(4R)−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミドトリフルオロ酢酸塩3.53mmolのクロロホルム(15ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン3.63gを加えた。室温下にて2.5時間攪拌した後、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を注ぎ、クロロホルム(20ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル/アセトン=98/2;v/v)により精製し、表題化合物(2種のジアステレオ異性体混合物)を418mg(黄色アモルファス)得た。
【0255】
MS(ESI pos.)m/z:446([M+H]),(ESI pos.)m/z:468([M+Na]),(ESI neg.)m/z:444([M−H]
H−NMR(200MHz,DMSO−d)δ(ppm);1.65−4.87(m,11H),4.95−5.57(m,1H),5.76−5.92(m,2H),6.69−7.47(m,6H),10.50−10.84(m,1H)
【0256】
工程18−2:(4R)−1−{3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体、右旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム35mgのテトラヒドロフラン(3ml)懸濁液に、氷浴下、工程18−1で得られた化合物(ジアステレオ異性体混合物)353mgを加え、20分間攪拌した。その後、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド219mgのテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴下した。同温にて2時間攪拌した後、酢酸エチル(5ml)、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え、室温にて30分撹拌した。分液し、水層を酢酸エチル(10ml×3)にて抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:酢酸エチル)により分離、精製し、表題化合物の2種のジアステレオ異性体をそれぞれ191mg(異性体A:無色アモルファス)、75mg(異性体B:無色アモルファス)得た。
【0257】
異性体A:[α]25=−222°(c=0.176,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:646([M+H]),(ESI pos.)m/z:668([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.99−2.24(m,2H),2.43(s,3H),2.66−2.76(m,4H),3.52−3.63(m,4H),3.86(s,3H),4.77−4.82(m,1H),5.14 5.30(m,1H),5.51 5.63(m,2H),6.40(d,J=2.1Hz,1H),6.60(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.67−6.71(m,1H),6.73−6.79(m,1H),7.07(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.28(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.41(d,J=2.4Hz,1H),7.91(d,J=8.8Hz,1H),8.18(d,J=9.1Hz,1H)
【0258】
異性体B:[α]25=+157°(c=0.185,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:668([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);1.88−2.03(m,1H),2.22−2.33(m,1H),2.55(s,3H),2.70(s,3H),3.40−3.53(m,1H),3.57(s,3H),3.75−3.89(m,4H),4.04(dd,J=9.5,6.7Hz,1H),5.06−5.24(m,2H),5.41(d,J=1.5Hz,1H),6.42(d,J=2.1Hz,1H),6.59(dd,J=9.0,2.2Hz,1H),6.69(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),6.83−6.91(m,1H),7.07(d,J=2.4Hz,1H),7.28(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.51(d,J=7.0Hz,1H),7.93(d,J=8.8Hz,1H),8.20(d,J=8.8Hz,1H)
【実施例19】
【0259】
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジブトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
工程19−1:1,3−ジブトキシベンゼンの合成
レゾルシノール10.0gと炭酸カリウム26.4gのアセトン(150ml)溶液に、ブチルブロマイド25.5gを加えた後、90℃にて6時間撹拌した。反応液を撹拌しながら飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を注ぎ、30分攪拌後、溶媒を減圧下留去した。水、(200ml)を加えた後、酢酸エチル(200ml×3)にて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜1/1;v/v)により分離、精製し表題化合物を11.0g(無色油状)得た。
【0260】
MS(ESI pos.)m/z:223([M+H]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);0.90−1.06(m,6H),1.39−1.59(m,4H),1.68−1.85(m,4H),3.88−4.01(m,4H),6.43−6.53(m,3H),7.09−7.20(m,1H)
【0261】
工程19−2:カリウム2,4−ジブトキシベンゼンスルホネートの合成
窒素雰囲気下、工程19−1で得られた化合物2.00gの1,2−ジクロロエタン(10ml)溶液に、氷浴下、トリメチルシリルクロロスルホネート1.4mlを10分間かけて滴下した。同温にて10分間攪拌した後、水(5ml)、クロロホルム(5ml)を加え、5分間攪拌した。水(20ml×3)で抽出後、水層に1mol/L−水酸化カリウム水溶液(5ml)を加えた。30分間攪拌後溶媒を減圧下留去した。表題化合物を4.02g(無色固体)得た。
【0262】
MS(ESI neg.)m/z:301([M−K]
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm);0.82−1.01(m,6H),1.33−1.76(m,8H),3.84−4.06(m,4H),6.29−6.51(m,2H),7.58(d,J=8.4Hz,1H)
【0263】
工程19−3:2,4−ジブトキシベンゼンスルホニルクロリドの合成
窒素雰囲気下、工程19−2で得られた化合物3.90gに、氷浴下、塩化ホスホリル(30.7g)を加え、130℃にて5.5時間攪拌した。室温まで冷却後、氷(200ml)に注ぎ入れ20分間攪拌し、続いてジエチルエーテル(50ml)を加え、さらに30分間攪拌した。ジエチルエーテル(50ml×2)にて抽出後、有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:ヘキサン/酢酸エチル=9/1;v/v)により分離、精製し表題化合物を1.53g(無色固体)得た。
【0264】
MS(ESI pos.)m/z:343([M+Na]
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm);0.92−1.06(m,6H),1.42−1.67(m,4H),1.72−1.96(m,4H),3.98−4.18(m,4H),6.44−6.56(m,2H),7.86(d,J=9.6Hz,1H)
【0265】
工程19−4:(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジブトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム20mgのテトラヒドロフラン(3ml)懸濁液に、氷浴下工程1−4で得られた化合物(異性体B)200mgを加え、20分間攪拌した。その後、2,4−ジブトキシベンゼンスルホニルクロリド160mgのテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴下した。同温にて2時間攪拌した後、酢酸エチル(5ml)、5%炭酸カリウム水溶液(10ml)を加え、室温にて30分撹拌した。分液し、水層を酢酸エチル(10ml×3)にて抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル=65/35;v/v)により分離、精製し、表題化合物を221mg(無色アモルファス)得た。
【0266】
[α]25=−220°(c=0.192,クロロホルム)
MS(ESI pos.)m/z:716([M+H]),(ESI pos.)m/z:738([M+Na]
H−NMR(499MHz,CDCl)δ(ppm);0.85(t,J=7.2Hz,3H),0.95(t,J=7.3Hz,3H),1.16−1.94(m,10H),2.18 2.40(m,4H),2.76(s,3H),3.15 4.05(m,8H),4.86(brs,1H),5.23 5.44(m,1H),6.39(d,J=2.1Hz,1H),6.56(dd,J=8.8,2.1Hz,1H),6.76(d,J=8.5Hz,1H),6.93(t,J=7.6Hz,1H),7.02−7.10(m,1H),7.20−7.25(m,2H),7.68−7.75(m,J=7.9Hz,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),8.13(d,J=9.1Hz,1H)
【0267】
実施例1〜19の本発明の化合物の構造式を表1−1〜表1−2に示す。
【0268】
【表1−1】

【0269】
【表1−2】

【0270】
試験例1
V1bおよびV1a受容体結合実験
臓器組織からの粗膜標品の調製およびV1bおよびV1a受容体結合実験はJ.Clin.Invest.98,2729−2738(1996).に掲載された方法に従って行った。V1b受容体結合実験にはラット下垂体を、V1a受容体結合実験にはラット肝臓組織より膜標品を調製した。被検薬は、実施例1,2,3の化合物を用いた。
【0271】
ラットを断頭後、直ちに下垂体および肝臓を摘出した。下垂体あるいは肝臓組織を20vol/湿重量の50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L塩化マグネシウムを含む)でホモジナイズした。ホモジネートを1,500rpmで5分間、4℃にて遠心分離し、核および組織片を除去した。上清を48,000xgで20分間、4℃にて遠心分離した。沈査を50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L塩化マグネシウムを含む)でホモジナイズし、48,000xgで20分間、4℃にて遠心分離した。得られた沈査をタンパク質濃度600μg/mlとなるように0.1%ウシ血清アルブミンおよび10mmol/L塩化マグネシウムを含む50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁し、粗膜標品として結合実験に用いた。粗膜標品(0.5ml、300μgタンパク/アッセイ)を[H]Arg−バソプレッシン(最終濃度0.4nmol/L)と25℃で60分間反応させた。反応終了後、反応液をレセプター結合実験用セルハーベスターを用い、0.3%ポリエチレンイミンに2時間浸したGF/Cガラス繊維濾紙上に吸引濾過した。ガラス繊維濾紙を十分乾燥させた後、シンチレーターを加え、液体シンチレーションカウンターにて濾紙上の放射活性を測定した。5μmol/LのArg−バソプレッシン存在下における結合量を非特異的結合とし、5μmol/LのArg−バソプレッシン非存在下における結合である総結合から非特異的結合を差し引いたものを特異的結合とした。被検薬は100%DMSO溶液に溶解し、[H]Arg−バソプレッシンと同時に膜標品に添加した。0.1nmol/L〜1μmol/Lの濃度での抑制曲線から被検薬のIC50値を算出した。実施例1、2、3記載化合物の50%阻害濃度は、V1b受容体に対しては1〜100x10−9mol/Lであり、−方V1a受容体に対しては10−8〜10−6mol/Lであった。
【0272】
試験例2
ラットに経口投与したときの薬物血漿中および脳内濃度測定
Sprague−Dawleyラット(雄,8週齡)を用い、実施例1の化合物および化合物A(WO01/55130、実施例1記載の化合物)の溶液(5%Cremophor ELを含む0.03mol/L HClを用いて溶解し、2mg/mL溶液を調製した)を5mL/kg(10mg/kg)で経口投与した。
【0273】
検体投与後、1、2時間に尾静脈より採血後、速やかに脳を摘出し、精製水で20%ホモジネートを調製し脳内濃度測定試料とした。同様に、投与後2、4、8、24時間に尾静脈より0.3mLを採血し、遠心分離後の血漿を試料とした。
実施例1の化合物および化合物Aの各血漿中濃度は液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC/MS/MS)により測定した。すなわち、血漿または脳ホモジネート50μLにアセトニトリル200μLを加えて攪拌し、遠心後その上清を液体クロマトグラフに注入した。カラムはAgilent ZORBAX SB−C18 5μm(長さ50mm,直径2.1mm)のものを用いた。溶離液は0.1%酢酸−0.1%酢酸含有アセトニトリルを用いた。
MS/MS条件についてはSciex API3000LC/MS/MS Systemを使用し、イオン化法にはESIを用い、モニタリング法としては正イオン、MRMモードで測定した。実施例1の化合物はm/z632→472を、化合物Aはm/z630→472をそれぞれ指標とした。
【0274】
経口投与後の各採血時点の血漿中および脳内濃度を表2に、平均血漿中濃度を表3に示した。
【0275】
ピロリジン環にフッ素を導入した実施例1の化合物は、投与後1、2時間後で脳内濃度が化合物Aよりも高く、また2時間以降も化合物Aよりも高い血漿中濃度を示すことが確認された。
【0276】
【表2】

【0277】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0278】
本発明の化合物は、アルギニン−パソプレッシンV1b受容体拮抗作用を有しており、うつ病、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症等の疾患の治療および予防に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はトリフルオロメチル基を示すか、又はRがインドール−2−オンの6位にあり、かつRとRは一緒になって炭素原子数3〜6のアルキレン基を形成する基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示すか、又はRがフェニルの3位にあり、かつRとRは一緒になってメチレンジオキシ基を示し、
は、水素原子又はフッ素原子を示し、
は、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アゼチジン−1−イル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、
は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示し、
は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)
で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
は、塩素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を示し、
は、水素原子、塩素原子、メチル基又はメトキシ基を示し、
は、フッ素原子又はメトキシ基を示し、
は、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基を示し、又はRがフェニルの3位にあり、かつRとRは一緒になってメチレンジオキシ基を示し、
は、水素原子又はフッ素原子を示し、
は、ジメチルアミノ基、アゼチジン−1−イル基又はメトキシ基を示し、
は、フェニルの2位にあり、メトキシ基を示し、
は、メトキシ基である請求項1記載の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
ピロリジンの2位の置換基が(S)配置である式(1a)
【化2】

(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、請求項1で定義したものと同じである。)で表される請求項1記載の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
左旋性異性体の形態である請求項3に記載の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項5】
以下で示される化合物である請求項3に記載の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体:
(4R)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4,4−ジフルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
メチル(4S)−1−[5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−L−プロリネート(ジアステレオ異性体混合物)、
3−[(2S)−2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル]−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(左旋性異性体)、
(4R)−1−{3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−5,6−ジメトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−[4,5−ジクロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)、
(4R)−1−{5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−4−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)又は、
(4R)−1−{3−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−5−クロロ−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)スルホニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル}−4−フルオロ−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド(左旋性異性体)
【請求項6】
式(2)
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びRは、請求項1で定義したものと同じである。)で表される化合物と式(3)
【化4】

(式中、R及びRは、請求項1で定義したものと同じであり、Halは、ハロゲン原子を示す。)で表される化合物を塩基存在下反応させることによる、式(1)
【化5】

(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、請求項1で定義したものと同じである。)で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン誘導体の製造方法。
【請求項7】
式(2)
【化6】

(式中R、R、R、R、R及びRは、請求項1で定義したものと同じである。)で表される化合物又はその塩。
【請求項8】
請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。

【国際公開番号】WO2005/021534
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【発行日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513484(P2005−513484)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012398
【国際出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
【復代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
【復代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
【復代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
【Fターム(参考)】