説明

1,3,5−トリアジン誘導体からなる電子輸送材

【課題】高い電子移動度を示す電子輸送材を提供する。
【解決手段】一般式(1)中、X


置換4−(フェニルエチニル)フェニル基を示し、X置換フェニル基を示す。これで表される1,3,5−トリアジン誘導体からなる電子輸送材を薄膜とし、有機電界発光素子などに用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3,5−トリアジン誘導体からなる電子輸送材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子輸送性を有する有機薄膜は、有機電界発光素子の電子輸送層およびそのドーパントや光導電体光センサ、有機TFT、コンデンサなど種々の有機半導体素子の材料として用いることができる。しかしながら、電子輸送機能をもつ有機化合物は元来数が少なく、また電子移動度も低いため実用化には問題があった。例えば、有機電界発光素子用の電子輸送材としては、ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq)が最も広く用いられているが、その電子移動度は10−5cm/V・s程度で、汎用の正孔輸送材の正孔移動度(10−4〜10−3cm/V・s)と比べて一桁以上小さい(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−158901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高い電子移動度を示す電子輸送材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、1,3,5−トリアジン誘導体からなる薄膜が高い電子輸送性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、一般式(1)
【0006】
【化1】

[式中、Xは一般式(2)
【0007】
【化2】

[式中、R,R,R,R,Rは同一または相異なって水素原子、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、炭素数1〜8の置換していてもよいアルキル基、炭素数7〜10の置換していてもよいアルキルフェニル基、炭素数1〜4の置換していてもよいアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数3〜12の置換していてもよいトリアルキルシリル基またはフッ素原子を示し、R,R,R,Rは同一または相異なって水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルチオ基またはフッ素原子を示す。]で表される置換4−(フェニルエチニル)フェニル基を示し、Xは一般式(3)
【0008】
【化3】

[式中、R10,R11,R12,R13,R14は同一または相異なって水素原子、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、炭素数1〜8の置換していてもよいアルキル基、炭素数7〜10の置換していてもよいアルキルフェニル基、炭素数1〜4の置換していてもよいアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数3〜12の置換していてもよいトリアルキルシリル基またはフッ素原子を示す。]で表される置換フェニル基を示し、nおよびmはn+m=3を満たし、かつnは1または2を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体からなることを特徴とする電子輸送材に関するものである。以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
本発明において、炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、シクロブチルメチル基、2−シクロプルピルエチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基などがあげられる。
【0010】
また、へプチル基、イソヘプチル基、1−メチル−1−シクロプロピルプロピル基、2,2−ジメチルペンチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−エチル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチルシクロペンチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2,2−ジエチルプロピル基、2−エチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、1−プロピルブチル基、シクロヘプチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、オクチル基、シクロオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、1,2−ジメチル−1−シクロプロピルプロピル基などがあげられる。
【0011】
また、1−プロピルシクロペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−メチルシクロヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−プロピル−2−メチルブチル基、1−プロピル−1−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1,2−ジエチルブチル基、4−エチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0012】
また、これらのアルキル基はフッ素原子や塩素原子で1個以上置換されていてもよく、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1−(トリフルオロメチル)プロピル基、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチル基、2,3−ジクロロプロピル基、2−クロロ−1−(クロロメチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2−クロロ−1−メチルプロピル基、4−クロロブチル基、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(トリフルオロメチル)−1−メチルプロピル基などがあげられる。
【0013】
また、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル基、1−(クロロジフルオロメチル)ブチル基、4−クロロ−1−メチルブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル基、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、6−クロロヘキシル基、2−クロロシクロヘキシル基、5−クロロ−1−メチルペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジメチルヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、1−トリフルオロメチルシクロヘキシル基、4−トリフルオロメチルシクロヘキシル基、8−クロロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−メチルヘプチル基、1−(フルオロメチル)ヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、1−(トリフルオロメチル)ヘプチル基などが挙げられる。
【0014】
また、炭素数7〜10のアルキルフェニル基は、例えば、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、2−イソブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、3−sec−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基などが挙げられる。
【0015】
また、これらのアルキルフェニル基のアルキル基はフッ素原子や塩素原子で1個以上置換されていてもよく、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−(トリクロロメチル)フェニル基、3−(トリクロロメチル)フェニル基、4−(トリクロロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)フェニル基、2−(2−フルオロエチル)フェニル基、3−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、2−(2−クロロエチル)フェニル基、3−(2−クロロエチル)フェニル基、4−(2−クロロエチル)フェニル基、2−(2,2−ジクロロエチル)フェニル基などがあげられる。
【0016】
また、3−(2,2−ジクロロエチル)フェニル基、4−(2,2−ジクロロエチル)フェニル基、2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル基、3−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル基、4−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル基、2−(2,2,2−トリクロロエチル)フェニル基、3−(2,2,2−トリクロロエチル)フェニル基、4−(2,2,2−トリクロロエチル)フェニル基、2−(3−クロロプロピル)フェニル基、3−(3−クロロプロピル)フェニル基、4−(3−クロロプロピル)フェニル基、2−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)フェニル基、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)フェニル基、4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)フェニル基、2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)フェニル基、3−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)フェニル基、4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)フェニル基などがあげられる。
【0017】
また、2−[1−(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル基、3−[1−(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル基、4−[1−(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル基、2−[2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル]フェニル基、3−[2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル]フェニル基、4−[2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル]フェニル基、2−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル)フェニル基、3−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル)フェニル基、4−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル)フェニル基、2−[2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチル]フェニル基、3−[2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチル]フェニル基、4−[2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチル]フェニル基、2−(2,3−ジクロロプロピル)フェニル基、3−(2,3−ジクロロプロピル)フェニル基、4−(2,3−ジクロロプロピル)フェニル基などがあげられる。
【0018】
また、2−[2−クロロ−1−(クロロメチル)エチル]フェニル基、3−[2−クロロ−1−(クロロメチル)エチル]フェニル基、4−[2−クロロ−1−(クロロメチル)エチル]フェニル基、2−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)フェニル基、3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)フェニル基、4−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)フェニル基、2−(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)フェニル基、3−(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)フェニル基、4−(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)フェニル基、2−(2−クロロ−1−メチルプロピル)フェニル基、3−(2−クロロ−1−メチルプロピル)フェニル基、4−(2−クロロ−1−メチルプロピル)フェニル基、2−(4−クロロブチル)フェニル基、2−(4−クロロブチル)フェニル基、2−(4−クロロブチル)フェニル基などが挙げられる。
【0019】
また、炭素数1〜4のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基が挙げられる。また、これらのアルコキシ基はフッ素原子や塩素原子で1個以上置換されていてもよく、例えば、2−フルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2−ジクロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、1−(トリフルオロメチル)プロポキシ基、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエトキシ基、2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エトキシ基、2,3−ジクロロプロポキシ基、2−クロロ−1−(クロロメチル)エトキシ基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ基、2−クロロ−1−メチルプロポキシ基、4−クロロブトキシ基などが挙げられる。
【0020】
また、炭素数1〜4のアルキルチオ基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基およびシクロプロピルメチルチオ基などが挙げられる。
【0021】
また、炭素数3〜12のトリアルキルシリル基は、直鎖状または分岐状のいずれでもよく、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基などが挙げられる。また、これらのアルキルシリル基のアルキル基はフッ素原子や塩素原子で置換されていてもよく、例えば、クロロメチルジメチルシリル基、ジメチル−3−クロロプロピルシリル基などが挙げられる。
【0022】
一般式(2)に示されるRは、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、上記のアルキル基、上記のアルキルフェニル基、上記のアルコキシ基、上記のアルキルチオ基、上記のトリアルキルシリル基、水素原子またはフッ素原子のいずれでもよいが、中でもフェニル基、ぺルフルオロフェニル基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ぺルフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、水素原子、フッ素原子が収率が良い点で望ましく、フェニル基、メチル基、ブチル基、tert−ブチル基、トリイソプロピルシリル基、水素原子、フッ素原子がさらに望ましい。
【0023】
一般式(2)に示されるR,R,R,Rは、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、上記のアルキル基、上記のアルキルフェニル基、上記のアルコキシ基、上記のアルキルチオ基、上記のトリアルキルシリル基、水素原子またはフッ素原子のいずれでもよいが、中でもメチル基、水素原子、フッ素原子が収率が良い点で望ましく、水素原子、フッ素原子がさらに望ましい。
【0024】
一般式(2)に示されるR,R,R,Rは、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルチオ基、水素原子またはフッ素原子のいずれでもよいが、中でもメチル基、メトキシ基、水素原子、フッ素原子が収率が良い点で望ましく、水素原子、フッ素原子がさらに望ましい。
【0025】
一般式(3)に示されるR10,R11は、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、上記のアルキル基、上記のアルキルフェニル基、上記のアルコキシ基、上記のアルキルチオ基、上記のトリアルキルシリル基、水素原子またはフッ素原子のいずれでもよいが、中でもフェニル基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ぺルフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、水素原子、フッ素原子が収率が良い点で望ましく、メチル基、ブチル基、tert−ブチル基、トリイソプロピルシリル基、水素原子、フッ素原子がさらに望ましい。
【0026】
一般式(3)に示されるR12,R13,R14は、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、上記のアルキル基、上記のアルキルフェニル基、上記のアルコキシ基、上記のアルキルチオ基、上記のトリアルキルシリル基、水素原子またはフッ素原子のいずれでもよいが、中でもフェニル基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ぺルフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、水素原子、フッ素原子が収率が良い点で望ましく、水素原子、フッ素原子がさらに望ましい。
【0027】
本発明において一般式(1)で表される化合物としては具体的には、2,4−ビス[4−(tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(フェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(フェニルエチニル)フェニル]−6−(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(フェニルエチニル)フェニル]−6−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニル]−1,3,5−トリアジンなどがあげられる。
【0028】
また2,4−ビス[4−(フェニルエチニル)フェニル]−6−(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンなどがあげられる。
【0029】
また2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンなどがあげられる。
【0030】
また2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(フェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ビフェニリルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ビフェニリルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ビフェニリルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンなどがあげられる。
【0031】
また2−[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ぺルフルオロフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンなどを例示することができる。
【0032】
中でも、電子輸送材としての性能が良い点で、2,4−ビス[4−(tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンが望ましく、とりわけ電子輸送材としての性能が良い点で、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンがさらに望ましい。
【0033】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を得る方法に特に限定はないが、例えば、一般式(4)
【0034】
【化4】

[式中、R,R,R,R,Rは前記と同じ意味を示す。]で表されるエチニルベンゼン誘導体と一般式(5)
【0035】
【化5】

[式中、X、m、及びnは前記と同じ意味を示し、Xは一般式(6)
【0036】
【化6】

[式中、R,R,R,Rは前記と同じ意味を示し、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。]で表される置換フェニル基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体とを溶媒中で反応させることにより得ることができる。この際、触媒としてパラジウム化合物またはニッケル化合物等、助触媒として銅化合物、及び塩基の存在下で反応させることが好ましい。
【0037】
一般式(5)に含まれる一般式(6)で表される置換フェニル基中のYは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよいが、収率が良い点で臭素原子、ヨウ素原子が望ましい。
【0038】
本反応に用いる溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどが例示できる。
【0039】
触媒として用いるパラジウム化合物は、例えば、パラジウム黒、パラジウムスポンジ等の金属パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、シアン化パラジウム、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナート等のパラジウム塩、ナトリウムヘキサクロロパラデート、カリウムヘキサクロロパラデート、ナトリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラブロモパラデート、硼フッ化テトラ(アセトニトリル)パラジウム、アンモニウムテトラクロロパラデート、アンモニウムヘキサクロロパラデート、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、硝酸テトラアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラデート、ジクロロジピリジンパラジウム等が挙げられる。
【0040】
また、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(フェナントロリン)パラジウム、硝酸(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、硝酸ジフェナントロリンパラジウム、硝酸ビス(テトラメチルフェナントロリン)パラジウムなどのパラジウム錯塩または錯化合物、あるいは三級ホスフィンを配位子とするジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムなどのパラジウム錯体を例示することができる。
【0041】
また、これらの金属パラジウム、パラジウム錯塩または錯化合物、およびパラジウム錯体を、適当な担体に担持して用いることもできる。担持パラジウム化合物としては、例えばパラジウム/アルミナ、パラジウム/シリカ、パラジウム/マグネシア、パラジウム/ジルコニア、パラジウム/Y型ゼオライト、パラジウム/A型ゼオライト、パラジウム/X型ゼオライト、パラジウム/モルデナイト、パラジウム/ZSM−5、パラジウム/ヒドロキシアパタイト、パラジウム/ハイドロタルサイト、パラジウム/4フッ化ケイ雲母、パラジウム/炭素、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム/炭酸バリウム、パラジウム/炭酸カルシウム、ポリエチレン−ポリスチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(π−アリル)パラジウム]、ポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどを例示することができる。
【0042】
触媒として用いるニッケル化合物は、例えば、ニッケル黒などの金属ニッケル、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、酸化ニッケル、硫酸ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ニッケルヘキサフルオロアセチルアセトナートなどのニッケル塩、π−アリル(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(N,N’−ジエチルエチレンジアミン)ニッケル二チオシアネート、(シクロペンタジエニル)(カルボニル)ニッケルダイマー、ヘキサアンミンニッケル二塩化物、カリウムヘキサフルオロニッケレート、テトラエチルアンモニウムテトラクロロニッケレート、トリス(エチレンジアミン)ニッケル二塩化物などのニッケル錯塩または錯化合物などを挙げることができる。
【0043】
また、三級ホスフィンを配位子とするジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどのニッケル錯体を例示することができる。
【0044】
また、これらの金属ニッケル、ニッケル錯塩または錯化合物、およびニッケル錯体を、適当な担体に担持して用いることもできる。担持ニッケル化合物としては、例えばニッケル/アルミナ、ニッケル/シリカ、ニッケル/マグネシア、ニッケル/ジルコニア、ニッケル/Y型ゼオライト、ニッケル/A型ゼオライト、ニッケル/X型ゼオライト、ニッケル/モルデナイト、ニッケル/ZSM−5、ニッケル/ヒドロキシアパタイト、ニッケル/ハイドロタルサイト、ニッケル/4フッ化ケイ雲母、ニッケル/炭素、ニッケル/硫酸バリウム、ニッケル/炭酸バリウム、ニッケル/炭酸カルシウム、ポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどを例示することができる。
【0045】
また、パラジウム化合物とニッケル化合物の複合化合物も触媒として用いることができ、パラジウム/ニッケル合金などが例示できる。
【0046】
これらのパラジウム触媒およびニッケル触媒は、三級ホスフィンと組合わせて用いてもよく、三級ホスフィンとしては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリス(2−ヒドロキシエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ]エタン、トリアリルホスフィン、トリアミルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンなどがあげられる。
【0047】
また、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)−(+)−2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル、(−)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、(−)−1,1’−ビス[(2S,4S)−2,4−ジエチルホスホラノ]フェロセン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(±)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル等が挙げられる。
【0048】
また2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(2R,3R)−(−)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(+)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(−)−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、cis−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、(2S,4S)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、(2R,4R)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、R−(+)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン等が挙げられる。
【0049】
また、(2S,3S)−(+)−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ブタンジオール、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[4−(ペルフルオロへキシル)フェニル]ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,5−キシリル)ホスフィン、トリ(3,5−キシリル)ホスフィン等が挙げられる。
【0050】
またトリフェニルホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、(S)−(+)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン、(R)−(−)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(1R,2R)−(+)−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)などが挙げられる。
【0051】
また、(1S,2S)−(+)−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)、(±)−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)、(1S,2S)−(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)、(1R,2R)−(+)−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)、(±)−ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0052】
また、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、ビス(p−スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二カリウム塩、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)−(+)−2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−1−(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフチル)イソキノリン、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィンなどを例示することができる。
【0053】
三級ホスフィンの使用量は、パラジウム化合物やニッケル化合物に対して、1〜50000モル%が好ましい。
【0054】
助触媒として用いる銅化合物は、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅を例示することができる。
【0055】
本反応は、塩基の共存下で行うことが収率が良い点で好ましい。塩基としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、0.5〜2Mの希アンモニア水、炭酸カリウムなどを例示することができる。
【0056】
反応温度には特に制限はないが、−10℃〜溶媒還流温度から適宜選ばれた温度で行うことが好ましい。また反応時間は、反応温度にもよるが、10分〜48時間である。
【0057】
原料となる一般式(5)の1,3,5−トリアジン誘導体は、既知の方法を応用して容易に得ることができる(科学技術研究所報告、81巻、441ページ、1986年)。
【0058】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、高い電子輸送性を示すため、電子輸送材として用いることができ、その際、薄膜として用いることが好ましい。
【0059】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等に対する溶解度も高く、これらの溶媒に溶解して塗布法、スピンコート法、インクジェット法で成膜が可能である。また、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、真空蒸着法による成膜も可能である。真空蒸着は、汎用の真空蒸着装置を用いることにより行うことができる。真空蒸着法で膜を形成する際の真空槽の真空度は、有機電界発光素子作製の製造タクトタイムや製造コストを考慮すると、一般的に用いられる拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等により到達し得る1×10−2〜1×10−5Pa程度が望ましい。蒸着速度は、形成する膜の厚さによるが0.005〜1.0nm/sが望ましい。
【発明の効果】
【0060】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、高い電子輸送性を示すため電子輸送材として用いることができ、極めて有用な有機電界発光素子の電子輸送層およびそのドーパントや光導電体光センサ、有機TFT、コンデンサなど種々の有機半導体素子の材料として用いることができる。
【実施例】
【0061】
次に本発明を参考例および実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
(参考例1)2,4−ビス[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジンの合成
ベンゾイルクロリド6.19gと4−ブロモベンゾニトリル16.04gを50mLのジクロロメタンに溶解し、5塩化アンチモン13.16gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトをジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液300mLにこの2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色固体を水、メタノールで順次洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量12.9g、収率63%)を得た。
【0063】
次に2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン600mgのテトラヒドロフラン30mL溶液に、1−tert−ブチル−4−エチニルベンゼン491mg、ヨウ化第一銅19mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム116mg、トリエチルアミン5mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2,4−ビス[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量512mg、収率64%)を得た。
【0064】
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.28(s,18H),7.31(d,J=8.4Hz,4H),7.46(d,J=8.4Hz,4H),7.477.58(m,3H),7.66(d,J=8.4Hz,4H),8.648.76(m,6H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ31.2(CH×6),34.9(q.×2),88.7(q.×2),92.5(q.×2),119.9(q.×2),125.4(CH×4),127.8(q.),128.6(CH×2),128.8(CH×2),129.0(CH×4),131.5(CH×4),131.8(CH×4),132.6(CH),135.5(q.×2),136.3(q.×2),152.0(q.×2),171.1(q.),171.7(q.×2)。
【0065】
(参考例2)2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジンの合成
参考例1で合成した2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、1−ブチル−4−エチニルベンゼン742mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−フェニル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.15g、収率86%)を得た。
【0066】
H−NMR(CDCl,ppm):δ0.87(t,J=7.3Hz,6H),1.221.38(m,4H),1.481.62(m,4H),2.58(t,J=7.6Hz,4H),7.13(d,J=8.1Hz,4H),7.43(d,J=8.1Hz,4H),7.477.58(m,3H),7.65(d,J=8.4Hz,4H),8.638.75(m,6H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ13.9(CH×2),22.3(CH×2),33.4(CH×2),35.6(CH×2),88.7(q.×2),92.6(q.×2),120.0(q.×2),127.8(q.×2),128.6(CH×4),128.7(CH×2),128.9(CH×4),129.0(CH×2),131.7(CH×4),131.8(CH×4),132.6(CH),135.6(q.×2),136.1(q.),143.9(q.×2),171.1(q.×2),171.7(q.)。
【0067】
(参考例3)2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−tert−ブチルベンゾイルクロリド1.97gと4−ブロモベンゾニトリル3.64gをジクロロメタン(10mL)に溶解し、5塩化アンチモン2.99gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液60mLにこの2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体を0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色固体を水及びメタノールで順次洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過する操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量2.08g、収率40%)を得た。
【0068】
次に2,4−ビス(4−ブロモフェニル)−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン674mgのテトラヒドロフラン40mL溶液に、1−ブチル−4−エチニルベンゼン491mg、ヨウ化第一銅19mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム116mg、トリエチルアミン5mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固体生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2,4−ビス[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−6−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量727mg、収率83%)を得た。
【0069】
H−NMR(CDCl,ppm):δ0.87(t,J=7.3Hz,6H),1.221.38(m,4H),1.34(s,9H),1.481.62(m,4H),2.57(t,J=7.7Hz,4H),7.12(d,J=8.1Hz,4H),7.43(d,J=8.1Hz,4H),7.54(d,J=8.6Hz,2H),7.64(d,J=8.5Hz,4H),8.61(d,J=8.6Hz,2H),8.68(d,J=8.5Hz,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ13.9(CH×2),22.3(CH×2),31.2(CH×3),33.4(CH×2),35.1(q.),35.6(CH×2),88.7(q.×2),92.5(q.×2),120.1(q.×2),125.7(CH×2),127.7(q.×2),128.6(CH×4),128.9(CH×4),131.7(CH×6),131.8(CH×4),133.4(q.),135.7(q.×2),143.9(q.×2),156.3(q.),171.0(q.×2),171.7(q.)。
【0070】
(参考例4)2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド4.39gとベンゾニトリル4.12gを20mLのジクロロメタンに溶解し、5塩化アンチモン5.98gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液120mLにこの2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過する操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量6.24g、収率80%)を得た。
【0071】
次に2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、1−tert−ブチル−4−エチニルベンゼン475mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固体生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンの白色固体を得た(収量1.0g、収率85%)。
【0072】
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.27(s,9H),7.33(d,J=8.5Hz,2H),7.45(d,J=8.5Hz,2H),7.477.57(m,6H),7.64(d,J=8.6Hz,2H),8.648.73(m,6H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ32.2(CH×3),34.7(q.),88.7(q.),92.4(q.),119.9(q.),125.4(CH×2),127.7(q.),128.6(CH×4),128.7(CH×2),128.8(CH×4),131.5(CH×2),131.8(CH×2),132.6(CH×2),135.7(q.),136.2(q.×2),152.0(q.),171.1(q.),171.7(q.×2)。
【0073】
(参考例5)2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド10.97gと4−メチルベンゾニトリル11.71gをジクロロメタン(50mL)に溶解し、5塩化アンチモン14.95gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液300mLにこの2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、白色固体を水、メタノールで順次洗浄した。乾燥後、得られた粗生成物をクロロホルムでソクスレー抽出した。得られたクロロホルム溶液をメタノール中に注ぎ、生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量17.1g、収率82%)を得た。
【0074】
次に2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、1−tert−ブチル−4−エチニルベンゼン459mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固体生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.0g、収率84%)を得た。
【0075】
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.27(s,9H),2.41(s,6H),7.30(d,J=8.2Hz,4H),7.33(d,J=8.5Hz,2H),7.45(d,J=8.5Hz,2H),7.63(d,J=8.5Hz,2H),8.58(d,J=8.2Hz,4H),8.68(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ21.8(CH×2),31.2(CH×3),34.8(q.),88.7(q.),92.2(q.),119.9(q.),125.4(CH×2),127.5(q.),128.8(CH×2),128.9(CH×4),129.4(CH×4),131.5(CH×2),133.5(q.×2),133.7(CH×2),135.8(q.),143.1(q.×2),151.9(q.),170.8(q.),171.5(q.×2)。
【0076】
(参考例6)2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
参考例5で得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン500mgのテトラヒドロフラン20mL溶液に、1−ブチル−4−エチニルベンゼン229mg、ヨウ化第一銅19mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム116mg、トリエチルアミン5mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)−フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量121mg、収率20%)を得た。
【0077】
H−NMR(CDCl,ppm):δ0.98(t,J=7.3Hz,3H),1.321.49(m,2H),1.591.73(m,2H),2.52(s,6H),2.68(t,J=7.7Hz,2H),7.23(d,J=8.1Hz,2H),7.40(d,J=8.1Hz,4H),7.54(d,J=8.1Hz,2H),7.74(d,J=8.5Hz,2H),8.69(d,J=8.1Hz,4H),8.78(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ13.9(CH),21.7(CH×2),22.3(CH),33.4(CH),35.6(CH),88.8(q.),92.3(q.),120.1(q.),127.5(q.),128.5(CH×2),128.8(CH×2),129.0(CH×4),129.4(CH×4),131.7(CH×4),133.6(q.×2),135.9(q.),143.1(q.×2),143.8(q.),170.8(q.),171.6(q.×2)。
【0078】
(参考例7)2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド4.39gと3−メチルベンゾニトリル4.67gをクロロメタン(20mL)に溶解し、5塩化アンチモン5.98gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液120mLにこの2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色固体を水、メタノールで洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量5.50g、収率66%)を得た。
【0079】
次に2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、1−ブチル−4−エチニルベンゼン475mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液をエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量983mg、収率83%)を得た。
【0080】
H−NMR(CDCl,ppm):δ0.87(t,J=7.2Hz,3H),1.211.38(m,2H),1.471.62(m,2H),2.47(s,6H),2.57(t,J=7.7Hz,2H),7.12(d,J=8.1Hz,2H),7.307.46(m,4H),7.43(d,J=8.1Hz,2H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),8.468.53(m,2H),8.50(brs,2H),8.67(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ13.9(CH),21.6(CH×2),22.3(CH),33.4(CH),35.6(CH),88.7(q.),92.4(q.),120.1(q.),126.2(CH×2),127.6(q.),128.6(CH×4),128.8(CH×2),129.4(CH×2),131.7(CH×2),131.8(CH×2),133.4(CH×2),135.8(q.),136.2(q.×2),138.4(q.×2),143.9(q.),171.0(q.),171.8(q.×2)。
【0081】
(参考例8)2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
参考例7で得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、(4−エチニルフェニル)トリイソプロピルシラン348mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−{4−[4−(トリイソプロピルシリル)フェニルエチニル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.14g、収率80%)を得た。
【0082】
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.02(d,J=7.4Hz,18H),1.34(sep,J=7.4Hz,3H),2.47(s,6H),7.30−7.53(m,8H),7.66(d,J=8.58Hz,2H),8.44−8.52(m,2H),8.50(s,2H),8.70(d,J=8.58,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ10.7(CH×3),18.5(CH×6),21.6(CH×2),89.7(q.),92.3(q.),122.9(q.),126.2(CH×2),127.4(q.),128.6(CH×2),128.8(CH×2),129.4(CH×2),130.5(CH×2),131.8(CH×2),133.4(CH×2),135.2(CH×2),135.9(q.),136.1(q.×2),136.3(q.),138.3(q.×2),170.9(q.),171.8(q.×2)。
(参考例9)2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド1.84gと4−シアノビフェニル3.00gをジクロロメタン(100mL)に溶解し、5塩化アンチモン2.50gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン雰囲気下でろ過した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液120mLにこの2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色固体を水、メタノールで洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量2.65g、収率59%)を得た。
【0083】
次に2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン100mL溶液に、1−tert−ブチル−4−エチニルベンゼン348mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量872mg、収率76%)を得た。
【0084】
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.28(s,9H),7.34(d,J=8.6Hz,2H),7.36(d,J=7.16Hz,2H),7.39−7.49(m,6H),7.60−7.69(m,6H),7.75(d,J=8.5Hz,4H),8.72(d,J=8.5Hz,2H),8.78(d,J=8.5Hz,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ31.2(CH×3),34.9(q.),88.7(q.),92.4(q.),119.9(q.),125.4(CH×2),127.3(CH×4),127.4(CH×4),127.7(q.),128.0(CH×2),128.8(CH×2),128.9(CH×4),129.5(CH×4),131.5(CH×2),131.8(CH×2),135.1(q.×2),135.7(q.),140.4(q.×2),145.2(q.×2),152.0(q.),171.0(q.),171.4(q.×2)。
【0085】
(参考例10)2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド2.74gと4−ブチルベンゾニトリル3.98gをジクロロメタン(200mL)に溶解し、5塩化アンチモン3.74gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン下でろ過した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトの固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液120mLにこの2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを0℃で徐々に加え、室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色固体を水、メタノールで順次洗浄した。白色固体を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過操作を3回行った。全てのろ液を集め、冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量5.10g、収率81%)を得た。
【0086】
次に2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.0gのテトラヒドロフラン溶液50mLに、1−ブチル−4−エチニルベンゼン380mg、ヨウ化第一銅38mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム231mg、トリエチルアミン10mLを加え、65℃で12時間攪拌した。減圧下で、溶媒と低沸点成分を除去し、得られた固形生成物をジクロロメタンに溶解した。この溶液をシリカゲルカラムに通し、銅、パラジウムの無機成分を除去した。溶出液からエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物を得た。これをヘキサン/ジクロロメタン=4/1の溶離液を用いてシリカゲルカラムで精製することにより、2−[4−(4−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量742mg、収率64%)を得た。
【0087】
H−NMR(CDCl,ppm):δ0.98(t,J=7.2Hz,3H),1.00(t,J=7.3Hz,6H),1.311.53(m,6H),1.571.78(m,6H),2.68(t,J=7.6Hz,2H),2.77(t,J=7.6Hz,4H),7.23(d,J=8.1Hz,2H),7.41(d,J=8.3Hz,4H),7.53(d,J=8.1Hz,2H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),8.70(d,J=8.3Hz,4H),8.78(d,J=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ13.9(CH×3),22.3(CH),22.4(CH×2),33.4(CH×3),35.6(CH),35.8(CH×2),88.8(q.),92.3(q.),120.1(q.),127.5(q.),128.5(CH×2),128.8(CH×6),129.0(CH×4),131.7(CH×4),133.8(q.×2),135.9(q.),143.8(q.),148.0(q.×2),170.8(q.),171.6(q.×2)。
【0088】
(実施例1)2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンからなる薄膜の電子移動度測定
[移動度測定素子の作製]
最初に移動度素子の作製法について説明する。基板には2mm幅のITO(酸化インジウム−スズ)膜がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で評価化合物を蒸着させを行い、移動度測定素子を作製した。以下にその詳細を述べる。
【0089】
真空蒸着槽内を4.8×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱方式により加熱した2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンを0.3〜0.5nm/sの蒸着速度で前記基板上に真空蒸着した。触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した成膜後の膜厚は3.8μmであった。次にこの基板上にITOストライプと直行するように、メタルマスクを配して、2mm幅のAl膜を100nmの膜厚で真空蒸着した。これによって、移動度測定用の2mm角の動作エリアが得られた。この基板を酸素・水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。
【0090】
[移動度の測定]
移動度測定はタイムオブフライト移動度測定法で行った。移動度測定装置は、オプテル社製のものを用い、測定は室温で行った。窒素レーザをITO透明電極側から照射した時に発生した電荷のAl電極への移動速度から得られた移動度は1.0×10−4cm/V・sであり、汎用の正孔輸送材の正孔移動度(10−4〜10−3cm/V・s)に匹敵する値であった。
【0091】
(比較例1)ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq)からなる薄膜の電子移動度測定
ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq)を実施例1と同様の方法により成形した薄膜の電子移動度を、実施例1と同様の方法で測定したところ、その電子移動度の値は1.0×10−5cm/V・sであり、2−[4−(4−tert−ブチルフェニルエチニル)フェニル]−4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジンの電子移動度の1/10であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Xは一般式(2)
【化2】

[式中、R,R,R,R,Rは同一または相異なって水素原子、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、炭素数1〜8の置換していてもよいアルキル基、炭素数7〜10の置換していてもよいアルキルフェニル基、炭素数1〜4の置換していてもよいアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数3〜12の置換していてもよいトリアルキルシリル基またはフッ素原子を示し、R,R,R,Rは同一または相異なって水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルチオ基またはフッ素原子を示す。]で表される置換4−(フェニルエチニル)フェニル基を示し、Xは一般式(3)
【化3】

[式中、R10,R11,R12,R13,R14は同一または相異なって水素原子、フェニル基、ぺルフルオロフェニル基、ぺルクロロフェニル基、炭素数1〜8の置換していてもよいアルキル基、炭素数7〜10の置換していてもよいアルキルフェニル基、炭素数1〜4の置換していてもよいアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数3〜12の置換していてもよいトリアルキルシリル基またはフッ素原子を示す。]で表される置換フェニル基を示し、nおよびmはn+m=3を満たし、かつnは1または2を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体からなることを特徴とする電子輸送材。
【請求項2】
請求項1に記載の電子輸送材において、薄膜であることを特徴とする電子輸送材。

【公開番号】特開2006−86284(P2006−86284A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268554(P2004−268554)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】