説明

1,4−二置換3−シアノ−ピリドン誘導体およびMGLUR2−レセプターのポジティブアロステリックモジュレーターとしてのその使用

本発明は、新規な化合物、特に、式(I)で表わされる新規なピリジノンおよびその誘導体に関するものであり、すべての基は本発明書類中に明示されている。本発明による化合物は、代謝調節型レセプターのmGluR2サブタイプが関与するグルタミン酸機能障害および疾患と関係する神経障害および精神障害を治療または予防するために有用な代謝調節型レセプターサブタイプ2(「mGluR2」)のポジティブアロステリックモジュレーターである。かかる疾患は、具体的には不安症、統合失調症、片頭痛、うつ病およびてんかんの群から選択される中枢神経系障害である。本発明は、mGluR2が関与する上記疾患の予防および治療のための医薬組成物、上記化合物および組成物を調製する方法ならびに上記化合物の使用をも対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は新規化合物、具体的には新規な1,4-二置換3-シアノ-ピリドン誘導体に関するもので、この物質は代謝調節型(metabotropic)レセプター-サブタイプ2("mGluR2")のポジティブアロステリックモジュレーター(positive allosteric modulators)であり、代謝調節型レセプターのmGluR2サブタイプが関わっているグルタミン酸機能不全および疾患に関係した神経障害および精神異常の治療または予防に有用である。本発明はまた、mGluR2が関与する疾患の予防および治療のための医薬組成物、そうした化合物類および組成物の調製方法、該化合物類の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
グルタミン酸(glutamate)は、哺乳類の中枢神経系(CNS)における主要なアミノ酸系伝達物質である。グルタミン酸は、学習および記憶といった生理機能においてのみならず、知覚、シナプス可塑性の発現、運動の制御、呼吸および心臓血管系機能の調節などの多くの生理機能において主要な役割を演じる。さらにグルタミン酸は、グルタミン酸作動性神経伝達に不均衡が存在する場合のいくつかの異なる神経疾患および精神疾患の中核をなす。
【0003】
グルタミン酸は、急速な興奮性伝達に関与する向イオン性グルタミン酸レセプターチャネル(iGluR; ionotropic glutamate receptors channels)、NMDA, AMPAおよびカイニン酸レセプター(kainate receptors)の活性化を経るシナプス神経伝達を仲介する (Nakanishiら, (1998) Brain Res Brain Res Rev., 26:230-235)。
【0004】
加えてグルタミン酸はシナプス作用の微調整に与る、より調節的な役割を担う代謝調節型グルタミン酸レセプター (mGluR類)を活性化する。
mGluRは、カルシウム感受性、GABAb,およびフェロモン(pheromone)レセプターとともに、GPCRのファミリー3 に属する7回膜貫通G タンパク質-共役レセプター(GPCR)である。
【0005】
グルタミン酸は、該レセプターの大きなアミノ末端細胞外ドメイン(本明細書ではオルトステリック(orthosteric)結合部位と言う)への結合を介してmGluRを活性化する。この結合は、該レセプターのコンホメーション変化を誘発し、その結果G-タンパク質および細胞内シグナル伝達経路の活性化をもたらす。
【0006】
mGluR ファミリーは8個の構成員からなる。それらは配列相同性、薬理学的プロファイルおよび活性化された細胞内シグナル伝達カスケードの性質に基づいて、3つのグループに分類される(mGluRlおよびmGluR5を含むグループI; mGluR2およびmGluR3を含むグループII; mGluR4, mGluR6, mGluR7,およびmGluR8を含むグループIII) (Schoepp ら(1999) Neuropharmacology, 38:1431-76)。
【0007】
mGluRの構成員の中でmGluR2サブタイプは、Gαi-タンパク質の活性化を介してアデニレートシクラーゼに負に共役している。その活性化はシナプスにおけるグルタミン酸放出を阻害するに至る(CartmellおよびSchoepp(2000)J Neurochem 75:889−907)。中枢神経系(CNS)において、mGluR2レセプターは、主として、皮質、視床領域、副嗅球、海馬、扁桃体、尾状核−被殻および側坐核にわたって豊富である(Ohishiら(1998)Neurosci Res 30:65−82)。
【0008】
mGluR2の活性化は、不安障害を治療するのに有効であることが臨床試験で示された(Levineら(2002)Neuropharmacology 43: 294 ; Holden(2003)Science 300:1866−68; Grillonら(2003)Psychopharmacology 168:446−54 ; Kellnerら(2005)Psychopharmacology 179: 310−15)。さらに、さまざまな動物モデルにおいてmGluR2の活性化が、有効であることが示され、かくして、統合失調症(SchoeppおよびMarek(2002)Curr Drug Targets.1:215−25に概説)、てんかん(Moldrichら、(2003)Eur J Pharmacol.476:3−16に概説)、片頭痛(Johnsonら(2002)Neuropharmacology 43:291)、耽溺/薬物依存症(Heltonら(1997)J Pharmacol Exp Ther 284: 651−660)、パーキンソン病(Bradleyら(2000)J Neurosci.20(9):3085−94)、疼痛(Simmonsら(2002)Pharmacol Biochem Behav 73:419−27)、睡眠障害(Feinbergら(2002)Pharmacol Biochem Behav 73 :467−74)およびハンチントン病(Schieferら(2004)Brain Res 1019:246−54)の治療についての有望で新規な治療アプローチが示されている。
【0009】
今日までのところ、mGluR類を標的とする、利用可能な薬学的手段のほとんどは、上記ファミリーのいくつかのメンバーを活性化するオルトステリック(orthosteric)リガンドである。それらがグルタミン酸の構造類似体であるためである(Schoeppら (1999) Neuropharmacology, 38:1431-76)。

mGluR類に選択的に作用する化合物を開発するための新しい途は、高度に保存されたオルトステリック結合部位とは異なる部位に結合させることにより該レセプターを調節してアロステリック機構によって作用する分子を同定することである。
【0010】
mGluR類のポジティブアロステリックモジュレーターが、最近、この魅力的な代替手段を提供する、新規で薬理学的に実体のあるものとして出現している。このタイプの分子は、いくつかのmGluR類に対して発見されている(Mutel(2002)Expert Opin.Ther.Patents 12:1−8に概説)。特に、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターとして複数の分子が記載されている(Johnson MPら(2003)J Med Chem.46:3189−92; Pinkertonら(2004)J Med Chem.47:4595−9)。
【0011】
国際公開第2004/092135号(NPS社およびAstra Zeneca社)、国際公開第2004/018386号、国際公開第2006/014918号、国際公開第2006/015158号(Merck社)および国際公開第2001/56990号(Eli Lilly社)は、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターとして、それぞれ、フェニルスルホンアミド、アセトフェノン、インダノン(indanone)およびピリジルメチルスルホンアミド誘導体を記載している。しかしながら、具体的に開示された化合物はいずれも本発明化合物とは構造的に無関係である。
【0012】
上記の分子はそれら自身によっては上記レセプターを活性化することはないことが示された(Johnson MPら(2003)J Med Chem.46:3189−92; Schaffhauserら(2003)Mol Pharmacol.64:798−810)。むしろそれらは、それ自身が引き起こす反応が最小限であるグルタミン酸濃度に対し、レセプターが最大限の反応を生じることを可能にする。変異解析により、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターの結合は、オルトステリック(orthosteric)部位では起こらず、その代わり該レセプターの7回膜貫通領域内に位置するアロステリック部位で起こることがはっきりと示された(Schaffhauserら(2003)Mol Pharmacol.64:798−810)。
【0013】
動物データは、mGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターが、不安症および精神病のモデルにおいて、オルトステリック(orthosteric)アゴニストで得られるものと同じ効果を有することを示している。mGluR2のアロステリックモジュレーターは、恐怖で増強された驚愕(Johnsonら (2003)J Med Chem.46:3189−92; Johnsonら (2005)Psychopharmacology 179:271−83)、およびストレスで誘発された高熱症(Johnsonら(2005)Psychopharmacology 179:271−83)の不安症モデルにおいて活性であることが示された。その上、該化合物は、ケタミンで誘発される(Govekら(2005)Bioorg Med Chem Lett 15(18):4068−72)か、またはアンフェタミンで誘発される(Galiciら、 (2005) J Pharm Exp Ther 315(3), 1181-1187)自発運動の亢進(hyperlocomotion)の反転、ならびに統合失調症の音響驚愕効果(Galiciら、 (2005) J Pharm Exp Ther 315(3), 1181-1187)モデルの、アンフェタミンで誘発される前パルス阻害の破壊の反転に活性であることが示された。
【0014】
ポジティブアロステリックモジュレーターは、グルタミン酸反応の増強を可能にするが、それらはまた、LY379268(Johnsonら(2004)Biochem Soc Trans 32:881−87)またはDCG−IV(Poisikら(2005)Neuropharmacology 49:57−69)などのオルトステリック(orthosteric)mGluR2アゴニストに対する反応を増強することも示されている。これらのデータは、mGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターをmGluR2のオルトステリックアゴニストとともに組み合わせて使用する、上記mGluR2絡みの神経疾患を治療するための新しい別の治療アプローチについての根拠をさらに提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、代謝調節型グルタミン酸レセプター2のモジュレーター活性を有する化合物に関する。その最も一般的な化合物の面からは、 本発明は、次の一般式(I),
【0016】
【化1】

【0017】
で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩を提供する。ここで、
V1は、共有結合、炭素原子数1〜6で二価の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐の炭化水素基の群から選択される;
M1は、水素 ; シクロC3-7アルキル; アリール ; アルキルカルボニル; アルキルオキシ; アリールオキシ; アリールアルキルオキシ; アリールカルボニル; ヘキサヒドロチオピラニル(hexahydrothiopyranyl);および Het1の群から選択される;
L は、次の共有結合の群から選択される; -O-; -OCH2-; -OCH2CH2-; -OCH2CH2O-; -OCH2CH2OCH2- ; -S-; -NR7- ; -NR7CH2-; -NR7 , シクロC3-7;-NR7CH2CH2-; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2- ; -CH2CH2-; -CH2CH2CH2 ;-C≡C-; -C=O-;および -C(R8)=C(R9)- ;ここで各 R7は互いに独立であり、水素およびC1-3アルキルの群から選択される; ならびにR8およびR9は互いに独立であり、水素、ハロおよびC1-3アルキルの群から選択される;
R2および R3 はそれぞれ互いに独立であり、水素、ハロまたはアルキルである;
A は、Het2またはフェニルであり、各基は必要に応じてn個の基(radical) R4(nは整数で0, 1, 2または3に等しい)で置換されていてもよい;
R4は、次の群から選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; オキソ; ホルミル; エタノイル; カルボキシル; ニトロ; チオ; アルキル; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキル; ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-カルボニルアルキル; Het3-チオ; Het3-チオアルキル; Het3-スルホニル; アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールチオアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ; ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd(ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される;
さもなくば、2個の基R4は結合して、二価の基(radical) X1-C1-6-X2-を形成してもよい(ここで、C1-6は飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐の炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり、ならびにX1および X2 は互いに独立にC, OまたはNHである;前記二価の基は必要に応じてハロ, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ,カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミルおよびエタノイルの群から選択される、1個以上の基で置換されていてもよい;
Het1は、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択される。ここで各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される;
Het2は、次の群から選択される;ピペラジニル; ピペリジニル; チエニル; フラニル; lH-インダゾリル; lH-ベンズイミダゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; 2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル; ピロリジニル; アゼチジニル; 2,7-ジアザ-スピロ[3.5]-ノニル; ピリジニル; ピラゾリル;インドリニル; IH-インドリル; lH-インダゾリル; ベンゾモルフォリニル; チアゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル; 3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデシル; l,2,3,4,4a,5,6,10b-オクタヒドロ-ベンゾ[f] キノリニル; l,2,3,4,4a,10a-ヘキサヒドロ-ベンゾ[5,6][l,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-インデノ[2,l-c]- ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリニル; l,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[4,5]- フロ[2,3-c]ピリジニル; l,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピリジニル;[l,4]ジアゼピル; イソキサゾリル; インダニル; およびインドリル;
Het3は、次の群から選択される;ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル; テトラゾリル; インドリル; チエニル; フラニル; テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1 -ジオキシド; チアゾリル; チアジアゾリル; イソチアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イソキサゾリル; イミダゾリル; ピラゾリル; ベンゾイミダゾリル; ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル; ベンゾチアゾリル ;ベンゾフラニル; ベンゾモルフォリニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; チオナフチル インドリル; インドリニル; キノリル; イソキノリル; キノキサリル; フタラジル; ベンゾ[l,3]ジオキシル; およびキナゾリル; ここで各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される;
アリールは、ナフチル, フェニルまたはビフェニルである。ここで各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される。ならびにアルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり;あるいは飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基であり;あるいは、飽和で炭素原子数4 〜12個の炭化水素基であり、少なくとも1つの飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基および少なくとも1つの飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を含む。ここで各炭素原子は、必要に応じて、ハロ, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基 の-OCH2CH2O- ;の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。
およびアルケニルは、1個以上の二重結合を追加的に含むアルキルである。
【0018】
本発明は、また製薬学的に許容される担体または希釈剤、ならびに活性成分として本発明化合物、とりわけ式 (I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩を治療に有効な量、含有する医薬組成物に関するものである。
【0019】
本発明は、医薬物質としての本発明化合物の使用、ならびにヒトを含む哺乳動物における病態の予防および/または治療、mGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターの神経調節作用により影響されるか、または促進される病態の治療または予防のための医薬の調製における本発明化合物の使用に関する。
【0020】
より具体的には本発明は、ヒトを含む哺乳動物においてグルタミン酸機能障害に関係する様々な神経的障害および精神障害を治療し、それらを予防し、改善し、制御し、またはそのリスクを軽減するための医薬品、すなわちmGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターの神経調節作用により影響されるか、または促進される該障害の治療または予防のための医薬品の調製における本発明化合物の使用に関する。
[発明の詳細な説明]
一つの態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; V1は次の共有結合の群、-CH2-; -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH=CH- ; -CH2-CH2-CH2-CH2- ;-CH2-CH(CH3)-CH2- ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH2- ; および -CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-から選択される。
【0021】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; M1は、水素; シクロC3-7アルキル; フェニル; ビフェニル; フェニルオキシ; ベンジルオキシ; フラニル; およびピリジニルの群から選択され、ここでM1は必要に応じて、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル,およびC1-3アルキルオキシの群から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
【0022】
別の態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; M1は、水素; シクロC3-7アルキル; フェニル; ビフェニル; フェニルオキシ; ベンジルオキシ; フラニル; およびピリジニルの群から選択され、前記の基のいずれかは、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
【0023】
またある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでV1 -M1は、-CH2-CH2-CH2-CH3-; -CH2-CH(CH3)-CH3 ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH3; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH3 ; -CH2-CH2-CH(CH3)-CH3の群から選択される。あるいはV1は、次の共有結合の群; -CH2- , -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; および-CH2-CH=CH-の群から選択される。ならびにM1 は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、フラニルおよびピリジニルの群から選択される。各基M1は、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1以上の基で置換されていてもよい。特別な態様では、V1 -M1は-CH2-CH2-CH2-CH3である。
【0024】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでR2およびR3は、おのおの独立に水素, クロロ, フロオロまたはメチルである。特別の態様ではR2およびR3は、独立に水素またはメチルである。別の特別態様において、R2およびR3はそれぞれ水素である。また別の具体例ではR2がメチルでR3は水素である。
【0025】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでLは、次の共有結合の群から選択される; -O- ; -OCH2- ; -OCH2CH2- ; -OCH2CH2O- ; -OCH2CH2OCH2- ; -NR7- ; -NR7CH2- ; -NR7シクロC3-7 ; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2CH2- ; -C≡C- ; -C=O- ; および -CH=CH- ; ここで各R7は、互いに独立に水素およびC1-3アルキルの群より選ばれる。
【0026】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでAは、フェニル、ピペラジニルおよびピペリジニルの群より選択される。該基の各々は必要に応じて、n個の基R4で置換されていてもよく、nは、整数で0, 1, 2または3に等しい。ある特定の態様では、nは0または1である。別の態様ではnは1に等しい。
【0027】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでR4は次の群より選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; エタノイル ; アルキル ; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル ; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル ; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ ; ポリハロC1-3アルキル ;ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-チオアルキル;アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd(ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される)。さもなくば、2個の基R4は結合して、二価の基X1-C1-6-X2-を形成してもよい(ここで、C1-6は飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐の炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり、ならびにX1および X2 は互いに独立にCまたは Oである。)。
【0028】
別の態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここで2個の基R4は結合して、-CH2CH2-O- ; -O-CH2-O- ; および -O-CH2CH2-O-の群から選択される二価の基を形成してもよい。
【0029】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでHet1は、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択され、各基Het1は、必要に応じ1, 2または3個のポリハロC1-3アルキル置換基で置換されていてもよい。
【0030】
ある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここでHet3は、次の群から選択される;ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル; テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1-ジオキシド; チアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イミダゾリル; ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル; ベンゾフラニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; インドリル; インドリニル; フタラジル; およびベンゾ[l,3]ジオキシル。ある態様における各基は、必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, オキソ, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される。
【0031】
さらにある態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここで
V1は次の共有結合の群、-CH2-; -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH=CH- ; -CH2-CH2-CH2-CH2- ;-CH2-CH(CH3)-CH2- ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH2- ; および -CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-から選択される。
M1は、水素; シクロC3-7アルキル; フェニル; ビフェニル; フェニルオキシ; ベンジルオキシ; フラニル; およびピリジニルの群から選択され、前記のM1は、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1以上の基で置換されていてもよい。
Lは、次の共有結合の群から選択される; -O- ; -OCH2- ; -OCH2CH2- ; -OCH2CH2O- ; -OCH2CH2OCH2- ; -NR7- ; -NR7CH2- ; -NR7-シクロC3-7 ; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2CH2- ; -C≡C- ; -C=O- ; および -CH=CH- ; ここで各R7は、互いに独立に水素およびC1-3アルキルの群より選ばれる。
R2およびR3は、おのおの互いに独立に水素, ハロまたはアルキルである。
Aは、フェニル、ピペラジニルおよびピペリジニルの群より選択される。該基の各々は必要に応じて、n個の基R4で置換されていてもよく、nは整数で0または1に等しい。
R4は次の群より選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; エタノイル ; アルキル ; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル ; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル ; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ ; ポリハロC1-3アルキル ;ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-チオアルキル;アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ;ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd(ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される)。さもなくば、2個の基R4は結合して、-CH2CH2-O- ; -O-CH2-O- ; および -O-CH2CH2-O-の群から選択される二価の基を形成してもよい。
Het1は、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択され、各基Het1は、必要に応じ1, 2または3個のポリハロC1-3アルキル置換基で置換されていてもよい。
Het2は、次の群から選択される;ピペラジニル; ピペリジニル; チエニル; フラニル; lH-インダゾリル; lH-ベンズイミダゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; 2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル; ピロリジニル; アゼチジニル; 2,7-ジアザ-スピロ[3.5]-ノニル; ピリジニル; ピラゾリル;インドリニル; IH-インドリル; lH-インダゾリル; ベンゾモルフォリニル; チアゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル; 3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデシル; l,2,3,4,4a,5,6,10b-オクタヒドロ-ベンゾ[f] キノリニル; l,2,3,4,4a,10a-ヘキサヒドロ- ベンゾ[5,6][l,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-インデノ[2,l-c]- ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリニル; l,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[4,5]- フロ[2,3-c]ピリジニル; l,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピリジニル; [l,4]ジアゼピル; イソキサゾリル; インダニル; およびインドリル。
Het3は、次の群から選択される;ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル; テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1-ジオキシド; チアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イミダゾリル; ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル; ベンゾフラニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; インドリル; インドリニル; フタラジル; およびベンゾ[l,3]ジオキシル。各基は、必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, オキソ, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される。
アリールは、フェニルまたはビフェニルである。各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ニトロ, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される。
ならびにアルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり;あるいは飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基であり;、あるいは、飽和で炭素原子数4 〜12個の炭化水素基であり、かつ、少なくとも1つの飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基および少なくとも1つの飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を含む。ここで各炭素原子は、必要に応じて、シアノ, ヒドロキシ, カルボキシル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基の-OCH2CH2O- の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。
【0032】
さらなる態様における本発明は、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩に関する; ここで該化合物は次の群から選択される:
4-(4-(N-アセチルメチル)フェニル)-3-シアノ-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-179);
4-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-シアノ-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-110);
3-シアノ-4-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-114);
3-シアノ-4-(4-ヒドロキシプロピルフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-095);
3-シアノ-4-(4-メトキシメチルフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH )-オン(化合物 1-103);
3-シアノ-4-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-113);
3-シアノ-4-(4-(N-モルホリル)フェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-223);
3-シアノ-l-(3-メチルブチル)-4-(フェニルエチニル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1- 267);
3-シアノ-l-ブチル-4-[4-(2-メチル-ピリジン-4-イルオキシ)-フェニル]-ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-064); および
3-シアノ- 1 シクロプロピルメチル-4-(4-フェニル-ピペリジン- 1 -イル)-ピリジン-2(lH)-オン(化合物 4-047)。
【0033】
本願の構成において、アルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり;あるいは飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基であり;、あるいは、飽和で炭素原子数4 〜12の炭化水素基であり、少なくとも1つの飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基および少なくとも1つの飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を含む。ここで各炭素原子は、必要に応じて、ハロ, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基の-OCH2CH2O- ;の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。ある態様において、アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。別の態様では、各炭素原子は、シアノ, ヒドロキシ, カルボキシル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基OCH2CH2O-の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。
【0034】
表記、C1-6アルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基を規定し、例えばC6アルキル; C5アルキル; C4アルキル; C3アルキル; C2アルキル; および C1アルキルである。C1-6アルキルの例としてメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘプチルが挙げられる。
【0035】
表記、シクロC3-7アルキルは、シクロC7アルキル、シクロC6アルキル、シクロC5アルキル、シクロC4アルキル、シクロ C3アルキルのような、飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を規定する。シクロC3-7アルキルの例としてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘプチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0036】
表記C1-3アルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜3の炭化水素基を規定し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルが挙げられる。
好ましい態様におけるアルキルはC1-6アルキルであり、別の好ましい態様のアルキルは、C3-7シクロアルキルである。
【0037】
本願の構成において、アルケニルは、1個以上の二重結合をさらに含むアルキルである。
本願の構成において、アリールは、ナフチル, フェニルまたはビフェニルである。各基は必要により1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される。より好ましくは、アリールはフェニルまたはビフェニルである。より好ましくは、該アリールは必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ニトロ, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される。さらに好ましくは、アリールはフェニルまたはビフェニルであり、必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ニトロ, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される。
【0038】
本願の構成において、「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの群から選ばれる置換基である。ハロは、ブロモ、フルオロまたはクロロであることが好ましい。
本願の構成におけるポリハロC1-3アルキルは、直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜3の飽和炭化水素基であり、1個以上の炭素原子において1個以上のハロゲン原子の置換がある。ポリハロアルキルは、好ましくはトリフルオロメチルである。
【0039】
本願の構成において「本発明化合物」により意味するものは、一般式(I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩である。
【0040】
製薬学的に許容される酸が付加された塩とは、式(I)で表わされる化合物が形成することができる塩であって、治療的活性のある非毒性の酸付加塩の形態を含むと定義される。そのような塩は、式(I)で表わされる化合物の塩基形態を、適当な酸、例えば無機酸ならハロ水素酸(hydrohalic acid)、具体的には塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸;有機酸なら、例えば酢酸、ヒドロキシ酢酸(hydroxyacetic acid)、プロパン酸(propanoic acid)、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸(cyclamic acid)、サリチル酸、p-アミノサリチル酸およびパモン酸(pamoic acid)で処理することにより得ることができる。
【0041】
前記の酸付加塩形態は、逆に適切な塩基で処理することにより遊離の塩基形態に転換することができる。
酸のプロトンを含む式(I)の化合物は、また適切な有機塩基または無機塩基で処理することにより、それらの治療的活性のある非毒性の、金属塩もしくはアミンが付加された塩の形態(塩基付加塩)に転換することができる。適切な塩基の塩形態とは、例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの塩が挙げられ、有機塩基との塩として、ベンザチン(benzathine)、N-メチル-D-グルカミン、hybramine塩、ならびにアルギニンおよびリジンといったアミノ酸との塩が挙げられる。
【0042】
前記の塩形態は、逆に適切な酸を用いる処理によって遊離の形態に転換することができる。
式(I)の化合物の第4級アンモニウム塩とは、式(I)の化合物の塩基性窒素と適切な第四級化試薬、例えば任意に置換されていてもよいハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、またはハロゲン化アルキルアリール(arylalkylhalide)、具体的にはヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、との反応によって形成させることができる化合物として定義される。良好な脱離基を有する他の反応物質を用いることもでき、例えばアルキルトリフルオロメタンスルホネート、アルキルメタンスルホネートおよびアルキルp-トルエンスルホネートが示される。第4級アンモニウム塩は正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容される対イオンとしてクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロ酢酸、および酢酸イオンが挙げられる。
【0043】
本願の構成において使用される付加塩の用語は、式(I)の化合物またそれらの塩が形成することができる溶媒和物を含む。そのような溶媒和物として、水和物およびアルコラート(alcoholate)が例示される。
【0044】
式(I)の化合物のN-オキシド形態は、式(I)の化合物の1個または数個の窒素原子が酸化され、いわゆるN-酸化物になっている化合物を含むことを意味する。具体的には1個以上の第3級窒素(例えばピペラジニル基またはピペリジニル基の窒素)原子がN-酸化されたN-オキシドである。そのようなN-オキシド形態は、特別の創意がなくとも当業者が容易に得ることができ、式(I)の化合物についての明らかな代替物質である。なぜならこれらの化合物は、人体内に取り込まれると酸化によって形成される代謝物質であるからである。一般的に知られているように、酸化は通常、薬物代謝に関係する第一段階である (「有機医薬品化学教本」, 1977, 70-75ページ) 。これもまた一般的に知られているが、ある化合物の代謝物形態も、その化合物そのものに代えて、充分に同じ効能をもってヒトに投与することができる。
【0045】
式(I)の化合物は三価窒素をそのN-オキシド形に転換する周知技術の手順を踏んで、対応するN-オキシド形態に転換してもよい。該N-酸化反応は、一般的には式(I) の出発物質を適切な有機過酸化物または無機過酸化物と反応させることにより実施できるであろう。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれる。適切な有機過酸化物として、過オキシ酸、例えばベンゼンカルボ過オキソ酸(benzenecarboperoxoic acid)またはハロゲン置換ベンゼンカルボ過オキソ酸、例えば3‐クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(3-chlorobenzenecarboperoxoic acid)、ペルオキソアルカン酸(peroxoalkanoic acids)、例えばペルオキソ酢酸(peroxoacetic acid)、アルキルハイドロペルオキシド(alkylhydroperoxides)、 例えばtert-ブチルハイドロペルオキシド(hydroperoxide)などが挙げられる。適切な溶媒として例えば、 水、エタノールなどの低級アルカノール、トルエンといった炭化水素、2-ブタノンなどのケトン、ジクロロメタンといったハロゲン化炭化水素およびそれらの混合溶媒が示される。
【0046】
本明細書において使用する用語「立体化学的異性体形態」は、式(I)の化合物が有し得るすべての可能な異性体形態を規定している。特にことわらない限り、化合物の化学表示は、あらゆる可能な立体化学的異性体形態の混合物を言うが、そのような混合物は基本分子構造のすべてのジアステレオマーおよびエナンチオマーを含んでいる。さらに具体的に述べると、立体中心はR-配置またはS-配置をとるであろう; 二価環式(部分的)飽和基上の置換基は、シス-配置またはトランス配置のいずれかをとるであろう。二重結合を含む化合物は、その二重結合部位でEまたはZ-立体化学をとり得る。式(I)の化合物の立体化学的異性体形態は、明らかに本発明の範囲内に包含されることを意図されている。
【0047】
CAS 命名法取極めに従い、分子内に既知の絶対配置の立体中心が2つ存在する場合、(Cahn-Ingold-Prelog 配列規則に基づいて)最も小さい数字のキラル中心、すなわち基準となる中心に対して、RまたはSの表示が指定される。第二の立体中心の配置は、関係の表示 [R*,R*]または[R*,S*]を用いて示される。R*は常に基準となる中心として特定され、[R*,R*]は、同一の掌性(chirality)を示し、[R*,S*]は、異なる掌性を示す。例えばもし分子内の最も数字の小さいキラル中心がS 配置をとり、第二の中心がR配置であるならば、その立体表示は、S-[R*,S*]として指定されるであろう。"α"および"β"が使用される場合、最も低い環数を有する環系において非対称炭素原子上の優先順位が最も高い置換基の位置は、任意的にいつも環系により決められる平均平面の"α" 位置にあるとされる。環システム(式(I))の化合物における水素原子)において他の非対称炭素原子上の優先順位が最も高い置換基の位置は、基準原子上における優先順位が最も高い置換基の位置に対して、もしそれが環システムにより決められる平均平面の同じ側にあるのであれば、"α"と指定される。あるいはそれが環システムにより決められる平均平面の他の側にあるのであれば、"β"と指定される。
【0048】
本発明には、薬理活性のある本発明化合物の誘導化合物であって、インビボで分解されて本発明化合物を生成する派生化合物 (通常"プロドラッグ"と呼ばれる) もまた含まれる。標的のレセプターに対して、プロドラッグは普通(常にそうではないが)分解されて生じる化合物よりも効力が低い。プロドラッグは、所望の化合物がその投与を困難にするか、非効率にする化学的または物理的特性をもつ場合に極めて有用である。例えば所望の化合物が難溶性であったり、粘膜上皮を通した移行が僅少であったり、あるいは血漿半減期が短くて不適当であったりなどである。 プロドラッグについてのさらなる議論は、Stella, V. J.ら"プロドラッグ", 薬物送達システム, 1985, pp. 112-176, および Drugs, 1985, 29, pp. 455-473に見られる。
【0049】
薬理活性のある本発明化合物のプロドラッグ形態は、一般的に式(I)で表わされる化合物、製薬学的に許容されるそれらの酸または塩基の付加塩、それらの立体化学的異性体形態、それらのN-オキシド形態であり、エステル化もしくはアミド化された酸の基を有している。そのようなエステル化された酸の基には、式 -COORXの基が含まれる。ここでRxは、C1-6アルキル、フェニル、ベンジルまたは以下の基の一つである。
【0050】
【化2】

【0051】
アミド化された基には、式-CONRyRzの基が含まれる。ここでRyは、H、 C1-6アルキル、フェニル、ベンジルである。またRzは、-OH、 H、 C1-6アルキル、フェニル、ベンジルである。アミノ基を有する本発明化合物は、ケトンまたは例えばMannich塩基を形成するホルムアルデヒドのようなアルデヒドで誘導体化されてもよい。この塩基は、水溶液中で一次速度論で加水分解される。
【0052】
本発明の構成において、"本発明化合物" とは、一般式(I)で表わされる化合物、製薬学的に許容されるそれらの酸または塩基の付加塩、それらの立体化学的異性体形態、それらのN-オキシド形態およびそれらのプロドラッグを意味する。
【0053】
本発明の構成において、元素は、特に式(I)の化合物に関係して言及する場合、その元素のあらゆる同位体、同位体混合物を含み、自然界にある元素または合成的に製造されてもよく、自然界に存在する量または同位体を富化した形態のいずれでもよい。具体的に水素について言うと、1H、2H、3Hおよびそれらの混合物を指しており、炭素については、11C、12C、13C、14Cおよびそれらの混合物を指す。窒素について言うと、13N、14N、15Nおよび それらの混合物を指す。酸素について述べると14O、15O、16O、17O、18Oおよびそれらの混合物を言及している。またフッ素については18F、19Fおよびそれらの混合物を指す。
【0054】
それゆえ本発明化合物は放射性化合物を含み、また1以上の元素について1以上の同位体およびそれらの混合物を有する化合物を含むことになる。これは放射性標識化合物とも称され、1以上の非放射性原子がその放射性同位体のうちの一つで置換されている。用語、"放射性標識化合物" で少なくとも1つの放射性原子を含んでおり、式(I)で表わされる化合物、それらのN-オキシド形態、製薬学的に許容されるそれらの酸または塩基の付加塩、それらの立体化学的異性体形態である。例えば、陽電子放射性またはガンマ線放射性同位体で標識された化合物である。放射性リガンド-結合技術(膜レセプター・アッセイ)のためには、3H-原子または125I-原子が、置換のために選択される原子である。イメージングのために最も一般的に使用される陽電子放射(PET)放射性同位体が、11C、18F、15Oおよび13Nであり、いずれも加速器で生成され、それぞれ半減期が20、100、 2および10分間である。これらの放射性同位体の半減期が極めて短いため、加速器を所有する施設の該放射性同位体を製造する場所でそれらを使用することができるのみであり、よってそれらの使用は制限される。これらの同位体のうち最も広く使用されているのは、18F、 99mTc、 201Tlおよび123Iである。これらの放射性同位体の取り扱い、それらの製造、単離および分子内への取り込みは、当業者には既知のことである。
【0055】
具体的には放射性原子は、水素、炭素、窒素、硫黄、酸素およびハロゲンの群から選択され、放射性原子が水素、炭素およびハロゲンの群から選ばれることが好ましい。
特別には放射性同位体は、3H、11C、18F、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Brおよび82Brの群から選択される。好ましい放射性同位体は3H、11Cおよび18Fの群から選ばれる。
A. 最終化合物の調製
実験手順1 (Lは共有結合である)
式(I-a)の最終化合物(Lは共有結合である)は、反応スキーム1に従い、式(II) の中間体化合物を式 (III)の化合物と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン、または不活性溶媒混合物、例えば1,4-ジオキサン/DMFの中で、適当な塩基、例えば水性NaHCO3またはNa2CO3、ならびにPd-錯体触媒、例えばPd(PPh3)4 の存在のもと、加熱条件下、例えば反応混合物をマイクロ波照射により150℃で例えば10分間、加熱することにより行われる。Pdが触媒する、ボロン酸またはボロン酸エステルとのカップリングに好適な反応において、例えばハロ、トリフラート(triflate)または、ピリジニウム部分である。そのような中間体化合物は、反応スキーム(8)、(9)および(10) (下記参照)に従って調製できる。 R5およびR6は、水素またはアルキルであってよく、あるいは一緒になって、例えば-CH2CH2-, -CH2CH2CH2-または-C(CH3)2C(CH3)2-式の二価の基を形成してもよい。
反応スキーム1
【0056】
【化3】

【0057】
実験手順2 (Lは酸素または硫黄である)
式(I-b)の最終化合物(Lは酸素または硫黄である)は、反応スキーム2に従い、式(II) の中間体化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えばTHF中で、適当な塩基、例えばNaH を存在させ、加熱条件下、例えば反応混合物をマイクロ波照射により例えば80℃で10分間、加熱することにより行われる。反応スキーム(2)における全ての変数は式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1であり、Yは、適当な脱離基、例えばピリジニウムである。
反応スキーム2
【0058】
【化4】

【0059】
実験手順3 (Lはアミノアルキルである)
式(I-c)の最終化合物(Lは、-NR7- ; -NR7CH2- ;または-NR7CH2CH2-であり、各R7は互いに独立に、水素およびアルキル基の群から選ばれる)は、反応スキーム3に従い、式(II)の中間体化合物を式(V)の化合物と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で、適当な塩基、例えばK3PO4ならびにPd-錯体触媒、例えば
【0060】
【化5】

【0061】
を存在させ、加熱条件下、例えば反応混合物を例えば80℃で12時間、加熱することにより行われる。反応スキーム(3)における全ての変数は式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1であり、Yは、Pdが触媒するアミンとのカップリングに好適な基であり、例えばハロである。
【0062】
あるいは、式(I-c)の化合物は反応スキーム3に従い、式(II)の中間体化合物を式(V)の化合物と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えばジメトキシエタンまたはアセトニトリル中で、適当な塩基、例えばCs2CO3またはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを存在させ、加熱条件下、例えば反応混合物を例えばマイクロ波照射により160℃で30分間、加熱することにより行われる。
反応スキーム3
【0063】
【化6】

【0064】
実験手順4(Lはアルキニルである)
式(I-d) の最終化合物(Lは-C≡C-である)は、反応スキーム4に従い、式(II) の中間体化合物を式 (VI)の化合物と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えばTHF中で、適当な塩基、例えばNEt3、ならびに、例えばPdCl2(PPh3)2 のようなPd-錯体触媒、例えばPPh3のようなホスフィン、例えばCuIのような銅塩を存在させ、加熱条件下、例えば反応混合物を、例えば80℃で12時間、加熱することにより行われる。反応スキーム(4)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1であり、Yは、アルキンとのPdが触媒するカップリングに好適な基であり、例えばハロである。
反応スキーム4
【0065】
【化7】

【0066】
実験手順5(Lはアルケニルである)
式(I-e)の最終化合物(Lは-C(R8)=C(R9)-である)は、式(II) の中間体化合物を式 (VII)の中間体と反応させることにより調製することができる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で、適当な塩基、例えばNaHCO3またはNa2CO3、ならびにPd-錯体触媒、例えばPd(PPh3)4 を存在させ、加熱条件下、例えば反応混合物を85℃で例えば8時間、加熱することにより行われる。反応スキーム(5)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、Yは、Pdが触媒する、ボロン酸またはボロン酸エステルとのカップリングに好適な基であり、例えばハロ、トリフルオロメタンスルホニルまたはピリジニウム残基である。そのような中間体化合物は、反応スキーム(8)、(9)および(10) (下記参照)に従って調製できる。 R5およびR6は、水素またはアルキル基であってよく、あるいは一緒になって、例えば-CH2CH2-, -CH2CH2CH2-または-C(CH3)2C(CH3)2-式の二価の基を形成してもよい。反応スキーム(5)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム5
【0067】
【化8】

【0068】
実験手順6
式(I-e2) の最終化合物(Lは-CH=CH-である)および式 (I-f2) の最終化合物(Lは-CH2CH2-である)は、公知技術の手順で調製することができる。例えば反応スキーム6に従い調製された式 (I-d)の最終化合物の水素化による。加えて、式(I-fl)および式(I-f2)の最終化合物は、反応スキーム6に従って公知の水素化方法の技術により式(I-el)および式 (I-e2)の最終化合物から調製することができる。また、式(I-e2)の最終化合物は、公知技術の手順によって式 (I-d)の最終化合物の三重結合の部分還元によって調製することができる。反応スキーム(6)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム6
【0069】
【化9】

【0070】
実験手順7
式(I)の化合物は、公知技術の手順に従い、式(VIII)の化合物を、例えば臭化イソペンチルのような式(IX)のアルキル化剤と反応させることにより調製することができる。その反応は、不活性溶媒、例えばアセトニトリル中で、適当な塩基、例えばK2CO3ならびにKIのようなヨード塩を用いて、中程度に高い温度、例えば120℃で行われる。反応スキーム(7)における全ての変数は式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1であり、Zは適当な脱離基、例えばハロである。
反応スキーム7
【0071】
【化10】

【0072】
さらに式(I)の最終化合物は、式 (I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および (I-f)の最終化合物のさらなる修飾によって公知技術の手順を用いて調製することができる。例えば:

- 構造上、1つ以上のヒドロキシ-置換基またはアミノ-置換基を含む、式 (I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および (I-f)の最終化合物を、加熱条件下、適当な塩基を存在させ、適切なアルキル化剤を用いてアルキル化すること。

-構造上、1つ以上のアルキルオキシカルボニル官能基を含む、式 (I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および (I-f)の最終化合物を、適切なケン化剤、例えば NaOH または LiOH用いてケン化すること(Saponification)。

-構造上、1つ以上のカルボン酸官能基を含む式(I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e)および(I-f)の最終化合物とアンモニアまたは第1級アミンまたは第2級アミンとを、適切なカップリング剤、例えばO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートを使用することにより反応させ、その構造中に第1級、第2級または第3級カルボキサミド官能基を含む、式(I)の対応する最終化合物を生成する反応。

-構造上、第1級アミンまたは第2級アミンの官能基を含む式(I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e)および(I-f)の最終化合物とカルボン酸とを、適切なカップリング剤、例えばO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートを使用することにより反応させ、その構造中に第1級、第2級または第3級カルボキサミド官能基を含む、式(I)の対応する最終化合物を生成する反応。

-構造上、1つ以上のアミノ置換基を含む式 (I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および (I-f)の最終化合物について、加熱条件下、適切な還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)を用いることによる、適当なアルデヒドとの還元的アミノ化反応。

-構造上、1つ以上のヒドロキシ置換基を含む式 (I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および (I-f)の最終化合物について、加熱条件下、適切なカップリング系、例えばジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート/トリフェニルホスフィン(di-tert-butylazodicarboxylate /triphenylphosphine)を用いることによる、アルコール誘導体との反応。

-対応する [3+2] 付加物最終化合物を生成するため、構造上、反応性の二重結合または三重結合を含む式(I-a), (I-b), (I-c), (I-d), (I-e) および(I-f)の最終化合物の適切な双極子(dipole)との1,3-双極子環化付加(Dipolar cycloaddition)。

B.中間体化合物の調製
実験手順8
式(II-a)の中間体化合物は、式(X)の中間体と適切なハロゲン化剤、例えばP(=O)Br3とを反応させることにより調製できる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えばDMF中で中程度に高められた温度、例えば110℃で行われる。反応スキーム(8)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム8
【0073】
【化11】

【0074】
実験手順9
式(II-b)の中間体化合物は、式(X)の中間体とトリフラート無水物(トリフロロメタンスルホン酸無水物(trifloromethanesulfonic anhydride)とも言う)とを反応させることにより調製できる。その反応は、反応不活性の適切な溶媒、例えばジクロロメタン中で、塩基、例えばピリジンの存在下、例えば‐78 ℃といった低温で行われる。反応スキーム(9)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム9
【0075】
【化12】

【0076】
実験手順10
式(II-c)の中間体化合物は、式(II-b)の中間体化合物とピリジンとを、例えば40℃のような中程度に低い温度で反応させることにより調製できる。反応スキーム(10)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム10
【0077】
【化13】

【0078】
実験手順11
式(X)の中間体化合物は、公知技術の手順により、式(XI)の中間体化合物と適切なメチルエーテル開裂試薬、例えばNaOHとを、例えば水といった溶媒中で例えば100℃のような中程度に高い温度で反応させることにより調製できる。反応スキーム(11)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1である。
反応スキーム11
【0079】
【化14】

【0080】
実験手順12
式(XI)の中間体化合物は、公知技術の手順により、式(XII)の中間体と式(IX)のアルキル化剤、例えばイソペンチルブロミドとを、例えば K2CO3のような塩基(さらに必要であれば、例えばKIのようなヨード塩)の存在下、例えばアセトニトリルといった不活性溶媒中で、例えば120℃のような中程度に高い温度で反応させることにより調製できる。反応スキーム(12)における全ての変数は、式(I)で定義されるとおりであり、R1はV1 -M1であり、Zは適当な脱離基、例えばハロである。
反応スキーム12
【0081】
【化15】

【0082】
実験手順13
式(III)の中間体化合物は、公知技術の手順により式(XIII)の中間体と適切なボロン供給源、例えばビス(ピナコラト)ジボロン(bis(pinacolato)diboron)とを、例えば、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド(1,1’-bis(diphenylphosphino)ferrocenepalladium(II)dichloride)といったパラジウム触媒の存在下で、例えばジクロロメタンのごとき不活性溶媒中で、適切な塩、例えば酢酸カリウムを存在させて、例えば110℃のような中程度に高い温度のもと、例えば16時間反応させることにより調製できる。加えて式(III)の化合物は、公知技術の手順に従って式(XIII)の化合物から、金属−ハロゲン交換、引き続き適切なボロン供給源との反応により調製できる。かくして例えば、式(XIII)の中間体化合物と、例えばn-ブチルリチウムのような有機リチウム化合物との反応は、例えば-40℃のような中程度に低い温度下で、不活性溶媒、例えばTHF中で行われ、次いで後続反応として適切なボロン供給源、例えばトリメトキシボランとの反応が行なわれる。反応スキーム(13) における全ての変数は式(I)で定義されるとおりであり、R5およびR6は、水素またはアルキル基であってもよく、あるいは一緒になって二価の基、例えば式 -CH2CH2-, -CH2CH2CH2-, または -C(CH3)2C(CH3)2-を形成してもよい。
【0083】
反応スキーム13
【0084】
【化16】

【0085】
式(X)の出発物質および式 (III), (IV), (V), (VI), (VII), (IX), (XII)および(XIII)の中間体化合物は、商業的に入手できる化合物であるか、あるいは当業界で一般的に知られている従来の反応手順によって調製できるものである。
【0086】
明らかなことではあるが、前記の反応および後記の反応において、反応生成物は反応媒体から分離してもよく、必要であれば当業界で一般に知られている方法論に従い、例えば抽出、結晶化およびクロマトグラフィーによってさらに精製してもよい。これも明らかなことであるが、1つ以上の鏡像異性体(enantiomer)形態として存在する反応生成物は、公知の技術により、とりわけ調製HPLCのような調製クロマトグラフィーによって、それらの混合物から分離してもよい。
薬理
本発明で提供される化合物は、代謝型レセプターのポジティブアロステリックモジュレーターであり、特にそれらはmGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターである。本発明化合物は、グルタミン酸認識部位、すなわちオルトステリックリガンド部位に結合するのではなく、むしろ該レセプターの7回膜貫通領域内のアロステリック部位に結合するようである。グルタミン酸またはmGluR2のアゴニストの存在する中で、本発明化合物は、mGluR2反応を増大する。本発明で提供される化合物は、グルタミン酸またはmGluR2アゴニストに対する該レセプターの反応を増強するその能力に基づいて、mGluR2でのそれらの効果を示すことが期待され、その結果、該レセプターの反応を高める。それゆえ本発明は、薬物として使用するための化合物、ならびに治療もしくは予防が、mGluR2アロステリックモジュレーター、特にポジティブmGluR2アロステリックモジュレーターの神経調節性作用によって影響または促進される、哺乳動物(ヒトを含む)の病気を治療もしくは予防するための薬物の製造における本発明化合物または本発明による医薬品組成物の使用に関する。
【0087】
また、本発明は、治療もしくは予防が、ポジティブmGluR2アロステリックモジュレーターの神経調節性効果によって影響または促進される、哺乳動物(ヒトを含む)のグルタミン酸機能障害と関係する様々な神経および精神障害の治療もしくは予防、改善、制御あるいはそのリスク低減のための薬物の製造についての本発明による化合物または本発明による医薬組成物の使用に関する。
【0088】
本発明が、例えば哺乳動物の治療のための薬剤の製造についての本発明による化合物または組成物の使用に関すると記されている場合、上記使用は、当然のこととして、ある一定の権限のもと、そのような例えば治療を必要としている哺乳動物に、本発明による化合物または組成物の有効量を投与することを含む、例えば哺乳動物を治療する方法として解釈すべきである。

特に、グルタミン酸機能障害と関連する神経および精神障害としては、以下の病態または疾患の1つまたは複数が挙げられる:心臓バイパス手術および移植後の脳欠損などの急性神経障害および急性精神障害、脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症(エイズ誘発認知症を含む)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、視覚障害、網膜症、認知障害、特発性および薬物誘発性パーキンソン病、振戦を含む筋痙縮と関連する筋肉痙攣および障害、てんかん、痙攣、片頭痛(偏頭痛性の頭痛を含む)、尿失禁、物質耐性、物質禁断症状(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、睡眠薬などの物質を含む)、精神病、統合失調症、不安症(全般性不安障害、パニック障害、および強迫観念障害を含む)、気分障害(うつ病、躁病、両相性障害)、三叉神経痛、難聴、耳鳴り、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性および慢性の状態、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、および外傷後の痛みを含む)、遅発性ジスキネジア、睡眠障害(ナルコレプシーを含む)、注意欠陥/多動性障害、および行為障害。
【0089】
特に、その状態または障害は、不安障害、精神障害、人格障害、化学物質関連障害、摂食障害、気分障害、片頭痛、てんかんまたは痙攣性障害、幼児期障害、認知障害、神経変性、神経毒症状および虚血の群から選択される中枢神経系障害である。
【0090】
好ましくは、該中枢神経系障害は、広場恐怖症、全般性不安障害(GAD)、強迫観念障害(OCD)、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、対人恐怖症およびその他の恐怖症の群から選択される不安障害である。
【0091】
好ましくは、該中枢神経系障害は、統合失調症、妄想性障害、統合失調性感情障害、統合失調症様障害および物質誘発性精神障害の群から選択される精神障害である。
好ましくは、該中枢神経系障害は、強迫性人格障害および分裂性統合失調型障害の群から選択される人格障害である。
【0092】
好ましくは、該中枢神経系障害は、アルコール中毒、アルコール依存症、アルコール禁断症状、アルコール禁断譫妄、アルコール誘発性精神障害、アンフェタミン依存症、アンフェタミン禁断症状、コカイン依存症、コカイン禁断症状、ニコチン依存症、ニコチン禁断症状、オピオイド依存症およびオピオイド禁断症状の群から選択される化学物質関連障害である。
【0093】
好ましくは、該中枢神経系障害は、神経性食欲不振症および神経性過食症の群から選択される摂食障害である。
好ましくは、該中枢神経系障害は、両相性障害(IおよびII)、気分循環性障害、うつ病、気分変調性障害、大うつ病性障害および物質誘発性気分障害の群から選択される気分障害である。
【0094】
好ましくは、該中枢神経系障害は、片頭痛である。
好ましくは、該中枢神経系障害は、非痙攣性全般てんかん、痙攣性全般てんかん、小発作性てんかん重積、大発作性てんかん重積、意識障害を伴うか伴わない部分てんかん、幼児けいれん(Infantile spasms)、部分持続てんかん(epilepsy partialis continua)、およびその他の形態のてんかんの群から選択されるてんかんまたは痙攣性の障害である。
【0095】
好ましくは、該中枢神経系障害は、注意欠陥/多動性障害である。
好ましくは、該中枢神経系障害は、譫妄、物質誘発持続性譫妄、認知症、HIV疾患による認知症、ハンチントン病による認知症、パーキンソン病による認知症、アルツハイマー型認知症、物質誘発持続性認知症および軽度認知障害の群から選択される認知障害である。
【0096】
上記の障害で、不安症、統合失調症、片頭痛、うつ病、およびてんかんの治療が特に重要である。
現時点で、米国精神医学会(American Psychiatric Association)の「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders)」の第4版(DSM−IV)は、本明細書に記載の障害を確認するための診断用手段を提供している。当業者であれば、本明細書に記載した神経障害および精神障害についての別の命名法、疾病分類、および分類体系が存在すること、ならびにこれらは医学および科学の進歩とともに進化することを認識していよう。
【0097】
式(I)の化合物を含むmGluR2の上記ポジティブアロステリックモジュレーターは、mGluR2のグルタミン酸に対する反応を高めるために、本方法は内生のグルタミン酸を利用するのが有利である。
【0098】
式(I)の化合物を含むmGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターは、mGluR2のアゴニストに対する反応を高めるので、本発明は、式(I)の化合物を含むmGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターの有効量をmGluR2アゴニストと組み合わせて投与することによりグルタミン酸機能障害と関連する神経障害および精神障害を治療することにまで及ぶことが理解される。
【0099】
本発明化合物は、薬物を組み合わせたものがいずれかの薬物単独よりも安全であるか、より有効である場合、式(I)の化合物またはその他の薬物が有効性を有する疾患または状態の治療、予防、制御、改善、またはリスク低減に、1種または複数種のその他の薬物と組み合わせて利用することができる。
医薬組成物
本発明は、製薬学的に許容される担体または希釈剤、ならびに活性成分として本発明化合物、とりわけ式 (I)で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩を治療に有効な量、含有する医薬組成物にも関係するものである。
【0100】
本発明化合物、具体的には式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩、あるいはそれらのサブグループまたは組合わせが、投与目的のために様々な医薬形態に配合処方されてもよい。適切な組成として、薬剤を全身的に投与するために通常に用いられているすべての組成が引用されてもよい。
【0101】
本発明の医薬組成物を調製するために、活性成分として特定化合物、さらに必要に応じて塩の形態が、製薬学的に許容される担体と緊密な混合物に有効量、配合される。その担体は、投与に望ましい調製状態に応じて、広く様々な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、特に投与に好都合な単一の投与形態であることが望ましい。具体的には経口投与、経直腸投与、経皮投与、非経口的な注射または吸入に適するものである。例えば経口投与形態の組成物を調製する際、例えば懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および溶液などの経口液状調製物の場合には、通常の医薬メディウム(media)のいずれも使用することができる。例えば水、グリコール、油、アルコールなどである。あるいは散剤、ピル、カプセル剤および錠剤である場合には、固体担体として、例えばデンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などがある。
【0102】
錠剤およびカプセル剤は、投与が容易であることから最も利便的な経口投与単位形態であり、この場合には固体の医薬担体が明らかに利用される。非経口的組成物については、それの担体は普通、少なくとも大部分が無菌水、もっとも例えば溶解性を上げるために他の成分を含めてもよい。注射用溶液は、例えばその担体が生理食塩水溶液、グルコース溶液または生理食塩水およびグルコース溶液の混合液を含むように調製してもよい。注入用懸濁剤は、適切な液状担体、懸濁化剤などを使用する場合に調製される。また使用間近に液体形態の調製物に転換することを意図されている固体形態の調製物も含まれる。経皮投与に適する組成物においては、その担体には必要に応じて、透過促進剤および/または適当な湿潤剤を含め、さらには必要ならば適切な、いずれかの性格を有する添加物であって、皮膚に有害な作用を及ぼさない添加物を少ない割合で併用する。該添加物は、皮膚への投与を容易なものとし、および/または所望する組成物を調製するのに有用となるであろう。これらの組成物は様々な態様、例えば経皮パッチとして、スポットオン(spot-on)として、軟膏として投与される。
【0103】
前記医薬組成物を単位用量形態に配合することは、投与容易性および投与量の均一性のために特別に有利である。本明細書で単位用量形態は単一用量として好適に物理的に分けられている単位をいう。各々の単位は、必要とされた医薬担体と結びついて所望の治療的作用をもたらすように計算された所定量の活性成分を含むものである。そのような単位用量形態の例として、錠剤(刻み目を入れた錠剤または被覆錠剤を含む)、カプセル剤、ピル、粉末分包、ウェファー、座薬、注射液または懸濁剤など、ならびにそれらの分離された複合物などが挙げられる。本発明化合物は、経口的に投与できる強力なドーパミンアンタゴニストであるため、該化合物を含む経口投与用医薬組成物は、特別に利点が多い。
【0104】
既に述べたように本発明は、式(I)の化合物またはその他の薬物が有効性を有する疾患または状態の治療、それらの予防、制御、改善またはリスクの低減において、本発明化合物および1以上の他の薬剤を含む医薬組成物に関するのみならず、医薬の製造のためにそのような組成物の使用にも関する。
【0105】
以下の実施例は本発明をさらに説明するためのものであり、その範囲を限定されることを意図しない。
実験の部
この発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を以下の実施例で説明する。特に断りのない限り、すべての原料は商業的供給業者から得て、更に精製することなく使用した。具体的には、以下の略号が実施例および明細書全体にわたって使用される:
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【0108】
【表3】

【0109】
塩水というすべての言及は、塩化ナトリウムの飽和水溶液を指す。他に示さない限り、すべての温度は℃(摂氏温度)で示される。すべての反応は、特に断りのない限り、室温で不活性雰囲気下でなく行う。
【0110】
マイクロ波を使用する反応は、単一モードの反応炉: EmrysTM Optimizer microwave reactor (Personal Chemistry A.B., 現在はBiotage)で行なわれた。その装置の説明は、
www.personalchemistry.com
で見つけられる。およびマルチモードの反応炉: MicroSYNTH Labstation (Milestone, Inc.)中で行われた。装置の説明は、
www.milestonesci.com
で見つけられる。
【0111】
A. 中間化合物の調製
Al.中間化合物1
【0112】
【化17】

【0113】
反応は窒素雰囲気下で行われた。市販の4-メトキシ-2-オキソ1,2-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリル(1.00 g, 6.60 mmol, 1当量)のアセトニトリル(45 ml)溶液に、K2CO3 (2.73 g, 19.8 mmol, 3当量)およびイソペンチルブロミド(441 mg, 8.65 mmol, 1.3当量)を添加した。得られた溶液を100℃で12時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過した。その後ろ液を減圧下で濃縮した。次いで、このようにして得られた粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM におけるMeOH, 0-2 %間のグラジエント溶出液で溶出)で精製し、クリーム状の固体として中間化合物1を得た(82 %, 5.40 mmol)。
【0114】
A2.中間化合物2および2'
【0115】
【化18】

【0116】
中間化合物1(1.5 g, 6.81 mmol)がNaOH水溶液(0.1 N, 75 ml)およびTHF (20 ml)に溶解した溶液を100℃で1時間加熱した。反応液を0℃に冷却し、1M HClの添加により酸性化してpHを約3に調節したところ、その時点で白い固体が沈殿した。その固体をろ過し、減圧下で乾燥して、N-イソペンチルで置換された中間化合物2を白色固体として得た(1.3 g, 6.30 mmol)。同一の方法で、N-n-ブチルで置換された中間化合物2'を調製した。
【0117】
A3.中間化合物3, 3'および3"
【0118】
【化19】

【0119】
反応は窒素雰囲気下で行った。中間化合物2(2.00 g, 9.66 mmol, 1当量)がDMF (10 ml)に溶解した溶液に、慎重にP(=O)Br3 (5.54 g, 19.0 mmol, 2当量)を添加し、次いで得られた溶液を密封チューブ中で2時間、100℃で加熱した。その後反応液を室温に冷却し、H2O(30 ml)で希釈した、得られた溶液を、引き続いてAcOEtで抽出した(3 x 30 ml)。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して油を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,DCMで溶出)で精製して、N-イソペンチルで置換された中間化合物3をクリーム状の固体として得た(2.13 g, 82 %, 7.92mmol)。同一の方法で、N-n-ブチルで置換された中間化合物3'およびN-メチルシクロプロピルで置換された中間化合物3"を調製した。
【0120】
A4.中間化合物4
【0121】
【化20】

【0122】
DCM (5 ml)に溶解した中間化合物2 (100 mg, 0.48 mmol)を含む丸底フラスコに、3当量のピリジン(0.118 ml, 1.44 mmol)を添加した。混合液を-78℃に冷却し、ゆっくりとTf2O (0.217 ml, 0.528 mmol)を添加した。溶液を室温にまで温め、1/2時間撹拌した。混合液を冷水で加水分解し、DCMで抽出し(3 x 10 ml)、塩水で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして減圧留去して中間化合物4を得た(133 mg)。
【0123】
A6.中間化合物6
【0124】
【化21】

【0125】
反応は窒素雰囲気下で行われた。アセトニトリル(45 ml)に溶解したN-(2-ブロモ-ベンジル)-アセトアミド(468 mg, 2.02 mmol)溶液に、二炭酸ジt-ブチル(1.34 g, 6.15 mmol)およびN,N-ジメタミノピリジン(501 mg, 4.1 mmol)を添加した。その後反応混合液を室温で20分撹拌し、その時間の後、AcOEt (40 ml)で希釈して、NaHCO3の飽和溶液(2 x 40 ml)およびNH4Clの飽和溶液で洗浄した(3 x 40 ml)。その後有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗固体を得た。これを短いオープンカラムクロマトグラフィーで精製し(SiO2, DCMに溶解した2 % MeOHで溶出)、黄色の油として中間化合物6を得た(590.00 mg, 89 %, 1.79 mmol)。
【0126】
A7.中間化合物7
【0127】
【化22】

【0128】
DMSO (4 ml)に溶解した中間化合物6 (200 mg, 0.61 mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(232 mg, 0.913 mmol)およびカリウムKOAc (180 mg, 1.83 mmol)を添加し、次いでその溶液を窒素流を使用して脱気し、次いで反応混合液に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド, DCM(20.0 mg, 0.0183 mmol)を添加した。その後反応混合液を窒素雰囲気下、110℃で16時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、AcOEt(30 ml)で希釈し、得られた溶液を水で洗浄し(3 x 15 ml)、その後有機画分をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して目的の化合物を得た。生成物を短いオープンカラムクロマトグラフィーで精製し(SiO2, DCMで溶出)、黄色の油として中間化合物7を得た(149.0 mg, 89 %, 0.054 mmol)。
【0129】
A8.中間化合物8
【0130】
【化23】

【0131】
反応は窒素雰囲気下で行った。4-ブロモベンゼンボロン酸ピナコール環状エステル(300 mg, 1.06 mmol), N-アセチルエチレンジアミン(0.155 ml, 1.59 mmol),Xantphos(123 mg, 0.21 mmol) および炭酸セシウム(518 mg, 1.59 mmol)を、1,4-ジオキサン(5.88 ml)とDMF(0.12 ml)との混合液に室温で添加し、窒素ガスを5分間その混合液に流通させた。Pd(OAc)2(24 mg, 0.1 mmol)を添加し、混合液を密封チューブ内に入れてマイクロ波条件下、170℃で10分間照射した。その後反応液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過した。揮発分を減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣を短いオープンカラムクロマトグラフィーで精製し(SiO2, DCM/MeOH(NH3)で溶出)、中間化合物8を得た(80 mg)。
【0132】
A9.中間化合物9
【0133】
【化24】

【0134】
ジメチルホルムアミド(5 ml)に溶解した4-ピリジンチオール(149 mg, 1.35 mmol)の溶液にK2CO3(186 mg, 1.35 mmol)を添加した;得られた溶液を12分間撹拌し、続けてこれに2-(4-ブロモメチル-フェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-[l,3,2]ジオキサボロラン(400 mg, 1.35 mmol)溶液を添加し、得られた溶液を2時間撹拌した。その後混合液を、水(30 ml)の添加により希釈し、AcOEtで抽出した(3 x 15 ml) ;次いで有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。引き続き粗反応混合液をBiotage purification(DCMで溶出)で精製し、中間化合物9を得た(406.0 mg, 1.24 mmol, 92 %)。
【0135】
A10.中間化合物10
【0136】
【化25】

【0137】
市販の4-メトキシ-2-オキソ-l,2-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリル(4.70 g, 31.29 mmol, 1当量), 4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロミド(5.44 ml, 32.86 mmol, 1.05 当量) およびK2CO3(12.9 g, 93.8 mmol, 3当量)をアセトニトリル(200 ml)中で混合した。混合液を密封チューブ内に入れて140℃で16時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、減圧下、溶媒を蒸発させた。得られた残渣をDCMに溶解し、セライト詰め物に通してろ過した。その後ろ液を減圧下で濃縮した。引き続いて、かくして得られた白色固体をジエチルエーテルを用いて粉末にし、白色固体として中間化合物10を得た(9.20 g, 91 %)。
【0138】
A11.中間化合物11
【0139】
【化26】

【0140】
THF (100 ml)に溶解した中間化合物10 (9.20 g, 28.37 mmol)の溶液に、NaOH水溶液(0.1 N, 300 ml)を添加した。反応混合液を100℃で4時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、減圧下でTHFを蒸発させた。得られた塩基性水相を、2NのHClを加えることにより酸性化してpHを約3に調整したところ、その時点で白色固体が沈殿した。その固体をろ過して分離し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して、白色固体として中間化合物11を得た(8.05 g, 91 %)。
【0141】
A12.中間化合物12
【0142】
【化27】

【0143】
中間化合物11 (6.57 g, 21.19 mmol, 1当量)およびP(=O)Br3(12.15 g, 42.39 mmol, 2当量)をDMF(125 ml)中で混合し、次いで得られた混合液を110℃で1時間加熱した。次いで反応液を室温に冷却し、水(200 ml)で希釈し、得られた溶液を引き続いてAcOEtで抽出した(3 x 75 ml)。有機層をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCMで溶出)で精製して、白色固体として中間化合物12を得た(6.75 g)。同様な方法で、パラ位のフェニル基が、トリフルオロメトキシ基の代わりにフルオロ基(fluor)で置換されている中間化合物12'を作った。
【0144】
A13.中間化合物13
【0145】
【化28】

【0146】
0℃の乾燥DCM (30 ml)に溶解した4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(500 mg, 2.27 mmol), N-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(330.8 mg, 2.72 mmol) およびポリマー結合PPh3(ロード量2.15 mmol/g) (2.11 g, 4.54 mmol)の混合液に、ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレート(784.0 mg, 3.40 mmol)を添加した。反応混合液を室温で2時間撹拌した。次いで樹脂をろ過して除き、DCMで洗浄して、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣(756.45 mg)は更に精製することなく、次の反応工程に使用された。
【0147】
A14.中間化合物14
【0148】
【化29】

【0149】
室温で中間化合物3 (200 mg, 0.74 mmol), 1-t-ブトキシカルボニルピペラジン(151 mg, 0.81 mmol), K3PO4 (236 mg, 1.1 mmol) および触媒[577971-19-8] CAS (10 mg)を、1,4-ジオキサン(3 ml)中で混合した。該当する混合液を密封チューブ内に入れて、85℃で16時間加熱した。混合液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過し、DCMで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、中間化合物14を得た(200 mg, 72 %)。
【0150】
A16.中間化合物16
【0151】
【化30】

【0152】
DMSO (7 ml)に溶解した5-(4-ブロモフェニル)-l,3-オキサゾール(220 mg, 0.98 mmol), ビス(ピナコラト)-ジボロン(372 mg, 1.47 mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド, DCM (24 mg, 0.0294 mmol)およびKOAc (288 mg, 2.93 mmol)の混合液を110℃で16時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEt (30 ml)で希釈して水で洗浄した(3 x 15 ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させて、得られた残渣(200 mg)を、更に精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0153】
A17.中間化合物17
【0154】
【化31】

【0155】
CH3CN (150 ml)に溶解した、市販の4-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリル(4.0 g, 0.0266 mol),β-ブロモフェネトール(5.62 g, 0.0279 mol)およびK2CO3(11.0 g, 0.0799 mol)の溶液を、還流下16時間加熱した。次いで反応混合液をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をエチルエーテルから再結晶化させて中間化合物17を得た(7 g, 97 %)。
【0156】
A18.中間化合物18
【0157】
【化32】

【0158】
MeOH (100 ml)に溶解した中間化合物17 (7.0 g, 0.0259 mol)の溶液に、NaOH水溶液(0.1 N, 200 ml)を添加した。反応混合液を100℃で3時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、減圧下でMeOHを蒸発させた。得られた塩基性の水相を2NのHClの添加により酸性化し、pHを約3に調整したところ、その時点で白色固体が沈殿した。その固体を焼結漏斗を使用して集め、エチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して、白色固体として中間化合物18を得た(5.78 g, 87 %)。
【0159】
A19.中間化合物19
【0160】
【化33】

【0161】
中間化合物18 (7.10 g, 0.027 mol)およびP(=O)Br3 (15.886 g, 0.055 mol)をDMF (150 ml)中で混合し、得られた混合液をその後110℃で3時間加熱した。次いで反応液を室温に冷却し、水(100 ml)で希釈し、得られた溶液を引き続いてAcOEtで抽出した(3 x 150 ml)。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCMで溶出)で精製し、中間化合物19を得た(7.67 g, 89 %)。
【0162】
A20.中間化合物20
【0163】
【化34】

【0164】
DCE (20-30 ml)に溶解した、3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド([454-89-7] CAS) (0.872 ml, 0.0065 mol)および4-ピペリジンメタノール(0.5 g, 0.0043 mol)ならびに数滴のAcOHを含む丸底フラスコに, NaBH(OAc)3 (2.2 g, 0.0107 mol)を添加した。混合液を室温で一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO3溶液で洗浄し、DCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、中間化合物20を得た(0.610 g, 56 %)。
【0165】
A23.中間化合物23
【0166】
【化35】

【0167】
DCE (20 ml)に溶解したメチル-4-ホルミルベンゾエート(5.6 g, 0.034 mol)およびモルホリン(2 g, 0.023 mol)を含む丸底フラスコに、数滴のAcOHおよび分子篩(molecular sieves)(4A)を添加した。反応混合液を室温で40分撹拌し、NaBH(OAc)3 (5 g, 0.023 mol)を添加した。混合液を室温で一晩撹拌し、次いでもう一当量のNaBH(OAc)3 (5 g, 0.023 mol)を添加した。混合液を室温で5時間撹拌し、引き続いてHCl (1 N)で洗浄し、DCMで抽出した。有機層を最後には飽和NaHCO3溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して中間化合物23を得た(3 g, 60 %)。
【0168】
A24.中間化合物24
【0169】
【化36】

【0170】
反応は窒素雰囲気下で行った。THF (12 ml)に溶解した中間化合物23 (2 g, 0.0085 mol)の溶液に、リチウムアルミニウムヒドリド(THF中で1M) (17 ml, 0.017 mol)をゆっくりと添加した。反応混合液を室温で2時間撹拌した。その後、飽和NaHCO3溶液を注意深く加え、混合液をDCMで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して中間化合物24を得て(1.75 g, 100 %)、これを更に精製することなく次の反応工程で使用した。
【0171】
A28.中間化合物28
【0172】
【化37】

【0173】
脱気したトルエン(10 ml)に溶解した、中間化合物3 (250 mg, 0.93 mmol),トリブチル(ビニル)スズ(0.325 ml, 1.11 mmol)およびPd(PPh3)4(22 mg, 0.0186 mmol)の混合液に、130℃で25分間、マイクロ波をかけた。その後混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して、淡黄色の固体として中間化合物28を得た(100 mg, 50 %)。
【0174】
A29.中間化合物29
【0175】
【化38】

【0176】
DCM (200 ml)に溶解した4-ピリジルカルビノール(15 g, 137.4 mmol)の溶液に、チオニルクロリド(43.6 ml)を添加し、得られた反応混合液を室温で4時間撹拌した。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をDCMで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して中間化合物29を得た(17.18 g, 99 %)。
【0177】
A30.中間化合物30
【0178】
【化39】

【0179】
THF (20 ml)に溶解したNaH (鉱油中、60 %) (0.718 g, 17.96 mmol)の混合液に、THF (17 ml)に溶解した5-ブロモインドール(2.34 g, 11.8 mmol)の溶液を滴下して加えた。得られた混合液を室温で1時間撹拌した。その後、中間化合物29 (1.81 g, 14.2 mmol)を添加し、混合液を80℃で一晩加熱した。冷却した反応混合液を水で洗浄し、AcOEtで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH混合液)で精製して中間化合物30を得た(2.73 g, 80 %)。
【0180】
A31.中間化合物31
【0181】
【化40】

【0182】
DMSO (27 ml)に溶解した中間化合物30(2.73 g, 9.5 mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.414 g, 9.5 mmol)およびKOAc (2.8 g, 28.5 mmol)を添加した。次いで溶液を窒素流を使用して脱気し、そして反応混合液に1 ,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド、DCM (0.23 g, 0.28 mmol)を添加した。次いで反応混合液を110℃で一晩窒素雰囲気下で加熱した。その後反応液を室温に冷却し、追加量のビス(ピナコラト)ジボロン(1.63 g, 6.4 mmol), KOAc(1.89 g, 19.2 mmol)および1 ,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド、DCM (0.155 g, 0.19mmol)を添加し、混合液を130℃で一晩加熱した。冷却した反応混合液をAcOEtで希釈し、セライト詰め物に通してろ過し、ろ液を水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して中間化合物31(量的には4.5 g)を得た、これは更に精製することなく次の反応工程で使用された。
【0183】
A32.中間化合物32
【0184】
【化41】

【0185】
1,4-ジオキサン (8 ml)およびDMF (2 ml)の混合液に溶解した(N-t-ブトキシカルボニル)- 1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル ([286961-14-6] CAS) (1.5 g, 4.8 mmol)の混合液に、4-クロロ-2-ピコリン (0.308 g, 2.4 mmol), 1,1'- ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド, DCM (0.293 g, 0.36 mmol)および炭酸カリウム(0.993 g, 7.2 mmol)を添加した。その後混合液を窒素流を使用して脱気し、そして90分間マイクロ波をかけて160℃とした。冷却した反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して中間化合物32を得た(0.5 g, 38 %)。
【0186】
A33.中間化合物33
【0187】
【化42】

【0188】
DCM に溶解した20 %TFA溶液(10 ml)に溶解した中間化合物 32 (0.5 g, 1.82 mmol)の溶液を室温で4時間撹拌し、その後、溶媒を蒸発させた。残渣(0.5 g)を更に精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0189】
A35.中間化合物35
【0190】
【化43】

【0191】
アセトニトリル(13 ml)に溶解した中間化合物2’(1.5 g, 7.8 mmol)の溶液に、(4-ブロモメチルフェニル)ボロン酸ピナコールエステル(3.0 g, 9.76 mmol) ([138500-85-3] CAS)および炭酸セシウム(5.92 g, 15.6 mmol)を添加した。反応混合液に30分間マイクロ波をかけて160℃とした。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH混合液)で精製して中間化合物35を得た(2.93 g, 92 %)。
【0192】
A36.中間化合物36
【0193】
【化44】


【0194】
中間化合物3(0.366 g, 1.361 mmol)、次式の化合物(US 2005187277 A1に記載された化合物)
【0195】
【化45】

【0196】
(0.436 g, 1.63 mmol), 1,4-ジオキサン(2 ml)に溶解したPd(PPh3)4 (0.157 g, 0.136 mmol)およびNa2CO3の飽和溶液(2 ml)の混合液に、150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させた。残渣を引き続いてフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)により精製して、中間化合物36を得た(0.55 g, 98 %)。
【0197】
A39.中間化合物39
【0198】
【化46】

【0199】
DCM (50 ml)に溶解した、4-アミノメチルフェニルボロン酸ピナコールエステル(CAS 138500-88-6) (1.2 g, 5.14 mmol)およびEt3N (1.42 ml, 10.28 mmol)の溶液を室温で撹拌しながら、そこへ二炭酸ジ-t-ブチル(1.68 g, 7.72 mmol)を添加した。混合液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて残渣を得て、それをジエチルエーテルで処理して、中間化合物39を白色固体として得た(1.7 g, 99 %)、これを更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0200】
A40.中間化合物40
【0201】
【化47】

【0202】
1,4-ジオキサン (3 ml) および飽和Na2CO3溶液(3 ml)に溶解した中間化合物39(1.7 g, 5.14 mmol)の溶液に、中間化合物3(1.15 g, 4.28 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(485.0 mg, 0.42 mmol)を添加した。次いで反応液を密封チューブ内に入れて150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。その後粗反応混合液をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3) 9:1)で精製して中間化合物40を得た(1.3 g, 77 %)。
【0203】
A41.中間化合物41
【0204】
【化48】

【0205】
DMF (無水, 5 ml)に溶解した中間化合物40(0.125 g, 0.316 mmol)の溶液に、0℃でNaH (60 %鉱油; 0.019 mg, 0.474 mmol)を添加した。得られた懸濁液を0℃(窒素雰囲気下)で30分間撹拌した。次いで、3-フルオロベンジルブロミド (0.059 ml, 0.474 mmol)を添加した。反応混合液を室温で3時間撹拌した。その後、水を添加し、得られた水性混合液をAcOEtで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。その後粗反応混合液をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3) 9:1)で精製して、黄色の油として中間化合物41を得た(0.082 g, 51 %)。
【0206】
A42.中間化合物42
【0207】
【化49】

【0208】
DCE (20 ml)に溶解した、4-ブロモ-2-フルオロアニリン (0.6 g, 3.15 mmol), テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン (0.68 g, 6.31 mmol)およびNaBH(OAc)3(0.96 g, 4.72 mmol)の混合液に、分子篩(molecular sieves)(4A) (1g)を添加した。混合液を室温で16時間撹拌した。その後、追加量のテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(0.34 g, 3.15 mmol)およびNaBH(OAc)3(0.66 g, 3.15 mmol)を添加し、混合液を室温で48時間撹拌した。その後、反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、DCMで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して中間化合物42(量的には0.86 g)を得て、これを更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0209】
A43.中間化合物43
【0210】
【化50】

【0211】
DMSO (3 ml)に溶解した中間化合物42(0.86 g, 3.15 mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.80 g, 3.15 mmol)およびKOAc (0.93 g, 9.45 mmol)を添加した、次いでその溶液を窒素流を使用して脱気し、そして反応混合液に 1 ,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド, DCM (0.07 g, 0.09 mmol)を添加した。その後反応混合液を窒素雰囲気下120℃で16時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、水(50 ml)で希釈し、得られた溶液をAcOEtで抽出し、そして有機画分をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して中間化合物43を得た(1.01 g, 100 %)、これを更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0212】
A44.中間化合物44
【0213】
【化51】

【0214】
DMF (5 ml)に溶解したNaH (鉱油中60 %) (0.13 g, 3.25 mmol)の溶液に、市販の4-ブロモフェノール (0.50 g, 2.89 mmol)を添加し、反応液を室温で10分間撹拌した。その後、4-クロロ-2-ピコリン (0.30 g, 2.40 mmol)を添加し、その後得られた反応混合液に15O℃で10分間マイクロ波をかけた。冷却後、混合液を水で希釈し、Et2Oで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM)で精製して中間化合物44を得た(0.52 g, 81%)。
【0215】
A45.中間化合物45
【0216】
【化52】

【0217】
DMSO (5 ml)に溶解した中間化合物44(0.50 g, 1.89 mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.72 g, 2.84 mmol)およびKOAc (0.56 g, 5.68 mmol)を添加した、次いでその溶液を窒素流を使用して脱気し、そして反応混合液に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド, DCM (0.05 g, 0.06 mmol)を添加した。次いで反応混合液を窒素雰囲気下110℃で16時間加熱した。その後反応液を室温に冷却し、水で希釈し、得られた溶液をAcOEtで抽出し、そして有機画分をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して中間化合物45を得た(0.58 g, 100 %)、これを更に精製することなく、次の反応工程で使用した。
【0218】
B.最終化合物の調製
B1.最終化合物1-110
【0219】
【化53】

【0220】
1,4- ジオキサン(14 ml)および飽和のNaHCO3溶液(14 ml)に溶解した3,4-ジメトキシフェニルボロン酸(740.0 mg, 4.08 mmol)の溶液に、中間化合物3(1.00 g, 3.70 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4 (641.0 mg, 0.55 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ内に入れて 150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。次いで粗反応混合液をフラッシュクロマトグラフィー(DCM に溶解した、溶媒グラジエント0-2 % MeOHで溶出)で精製し、目的化合物を得た。次いでその化合物をジエチルエーテルから再結晶化させて最終化合物1-110を得た(940.0 mg, 2.88 mmol, 78 %)。
【0221】
B2.最終化合物1-179
【0222】
【化54】

【0223】
中間化合物 4 (150 mg, 0.44 mmol)および4-(アセトアミドメチル)フェニル-ボロン酸 (129 mg, 0.67 mmol)を、1,4-ジオキサン (5 ml)およびEt3N (0.12 ml, 0.89 mmol)中で室温で混合し、窒素ガスを混合液に5分間流した。Pd(PPh3)4 (77 mg, 0.067 mmol)を添加し、得られた混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEtおよび塩水で希釈した。水相をAcOEtで抽出した(3 x 20ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させ、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2, DCM / AcOEt)で精製し、白色固体として16 mgの最終化合物 1-179を得た。
【0224】
B3.最終化合物1-114
【0225】
【化55】

【0226】
中間化合物4(150 mg, 0.44 mmol), 3-フルオロ-4-メトキシフェニルボロン酸(110 mg, 0.67 mmol)を、1,4-ジオキサン (5 ml)およびEt3N (0.12 ml, 0.89 mmol)中で室温で混合し、窒素を混合液に5分間流した。Pd(PPh3)4 (77 mg, 0.067 mmol)を添加し、得られた混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEtおよび塩水で希釈した。水相をAcOEtで抽出した(3 x 20ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2, DCM / AcOEt)で精製して、43 mgの最終化合物 1-114を黄色固体として得た。
【0227】
B4.最終化合物1-095
【0228】
【化56】

【0229】
中間化合物4(150 mg, 0.44 mmol)および4-(3-ヒドロキシプロピル)-フェニルボロン酸 (120 mg, 0.67 mmol)を、1,4-ジオキサン (5 ml)およびEt3N (0.12 ml, 0.89 mmol)中で室温で混合し、窒素を混合液に5分間流した。Pd(PPh3)4 (77 mg, 0.067 mmol)を添加し、得られた混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEtおよび塩水で希釈した。水相をAcOEtで抽出した(3 x 20 ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させ、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (SiO2, DCM / AcOEt)で精製し、40 mgの最終化合物 1-095を白色固体として得た。
【0230】
B5.最終化合物1-103
【0231】
【化57】

【0232】
中間化合物4(150 mg, 0.44 mmol), 4-(メトキシメチル)フェニルボロン酸(110 mg, 0.67mmol)を、1,4-ジオキサン (5 ml)およびEt3N (0.12 ml, 0.89 mmol)中で室温で混合し、窒素を5分間流通させた。Pd(PPh3)4 (77 mg, 0.067 mmol)を添加し、得られた混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEtおよび塩水で希釈した。 水相をAcOEtで抽出した(3 x 20 ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させ、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2, DCM/ AcOEt)で精製し、52 mgの最終化合物 1-103を白色固体として得た。
【0233】
B6.最終化合物1-178
【0234】
【化58】

【0235】
1,4-ジオキサン (6 ml) および飽和Na2CO3溶液(6 ml)に溶解した中間化合物7(220.0 mg, 0.58 mmol)の溶液に、中間化合物3(173 mg, 0.65 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(101.0 mg, 0.088 mmol)を添加した。その後反応液に150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液を セライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。その後粗反応混合液を分取HPLC(preperative HPLC)で精製し、純粋な最終化合物 1-178を得た(51 mg, 0.15 mmol, 26 %)。
【0236】
B7.最終化合物 1-097
【0237】
【化59】

【0238】
1,4-ジオキサン (20 ml) および飽和NEt3溶液(0.615 ml, 4.43 mmol)に溶解した4-ヒドロキシフェニルボロン酸 (336 mg, 2.44 mmol)の溶液に、最終化合物5-052(750 mg, 1.79 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(384 mg, 0.33 mmol)を添加した。反応液を密封チューブ内で90℃、2時間加熱した。室温に冷却して得られた反応混合液を水および塩水で希釈し、AcOEtで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。その後、粗反応混合液をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2,ヘプタン / AcOEt混合液で溶出)で精製し、最終化合物 1-097を得た(230 mg, 45 %)。
【0239】
B8.最終化合物1-274
【0240】
【化60】

【0241】
無水THF(3 ml)に溶解したフェノール(0.042 ml, 0.48 mmol)の溶液に、室温でNaH (鉱油中60 %, 13.83 mg, 0.96 mmol)を添加した。得られた混合液を室温で5分間撹拌した。最終化合物5-052(100 mg, 0.24 mmol)を添加した。混合液を密封チューブ中で、10分間80℃でマイクロ波をかけた。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製し、55 mgの最終化合物 1-274を白色固体として得た。
【0242】
B9.最終化合物1-298
【0243】
【化61】

【0244】
中間化合物3(100 mg, 0.371 mmol), アニリン(0.067 ml, 0.743 mmol)、K3PO4(158 mg, 0.745 mmol)および触媒[577971-19-8] CAS (10 mg)を1,4-ジオキサン (15 ml)中で室温にて混合した。該当する混合液を密封チューブ中で80℃(油浴温度)、12時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEt (30 ml)およびNaHCO3 (10 ml, 飽和水溶液)を反応混合液に添加した。層を分離し、有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物1-298 (50 mg)を得た。
【0245】
B1O.最終化合物1-267
【0246】
【化62】

【0247】
窒素雰囲気下での反応。中間化合物3(150 mg, 0.557 mmol), フェニルアセチレン (0.064 ml, 0.580 mmol), PdCl2(PPh3)2 (19.6 mg, 0.028 mmol) PPh3(3.7 mg, 0.014 mmol)およびNEt3 (0.078 ml, 2.23 mmol)をTHF (6 ml)中で室温で混合し、窒素を混合液に5分間流した。ヨウ化銅(1.3 mg, 0.007 mmol)を添加し、得られた混合液を密封チューブ中で、90℃(油浴温度)で10時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、水性次亜硫酸ナトリウム(飽和溶液)を添加した。DCM (30 ml)を添加し、層を分離した。有機層を水性NaHCO3 (飽和溶液)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮した。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物 1-267を得た(57 mg)。
【0248】
B11.最終化合物1-260
【0249】
【化63】

【0250】
MeOH (5 ml)に溶解した、最終化合物 1-267 (45 mg, 0.155 mmol) および1,4-シクロヘキサジエン(0.22 ml, 2.32 mmol)の溶液に、室温で10 % Pd/C (10 mg)を添加した。得られた混合液を密封チューブ中で12時間撹拌した。触媒をろ過して分離し、溶媒を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣をMeOH (15 ml)に溶解させ、10 % Pd/C (10 mg)を添加した。得られた混合液を水素(20 psi)で3時間水素化させた。触媒をろ過して分離し、溶媒を蒸発させた。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製し、そして逆相HPLCクロマトグラフィーで精製して最終化合物1-260を白色固体として得た(1.63 mg)。
【0251】
B12.最終化合物1-182
【0252】
【化64】

【0253】
1,4-ジオキサン (1 ml) および飽和Na2CO3溶液(1 ml)に溶解した中間化合物8(80 mg, 0.62 mmol)の溶液に、中間化合物 3(64.34 mg, 0.239 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、この溶液にPd(PPh3)4 (41.4 mg, 0.035 mmol)を添加した。その後反応液に140℃で5分間マイクロ波をかけた。得られた反応混合液を引き続いてセライト詰め物に通してろ過し、AcOEt (10 ml)を添加した。水(10 ml)を添加し、層を分離した。有機層を乾燥し(Mg2SO4)、減圧濃縮した。次いで得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3) 混合液)で精製して純粋な最終化合物1-182を鮮やかな黄色の固体として得た(28 mg)。
【0254】
B13.最終化合物1-258
【0255】
【化65】

【0256】
1,4-ジオキサン(3 ml)および飽和NaHCO3溶液(3 ml)に溶解した中間化合物9(121 mg, 0.371 mmol)の溶液に、中間化合物3(100 g, 3.71 mmol)を添加した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(64.0 mg, 0.056 mmol)を添加した。その後反応液に150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。次いで粗反応混合液をHPLC精製法で精製し、最終化合物1-258を得た(13.0 mg, 0.034 mmol, 10 %)。
【0257】
B14.最終化合物1-239
【0258】
【化66】

【0259】
中間化合物4(150 mg, 0.44 mmol)および4-(メチル-3-プロパノエート)フェニル-ボロン酸 (140 mg, 0.67 mmol)を、室温で1,4-ジオキサン (5 ml)およびEt3N (0.12ml, 0.89 mmol)中で混合し、窒素を混合液に5分間流した。該混合液にPd(PPh3)4 (77 mg, 0.06 mmol)を添加し、得られた混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、AcOEtおよび塩水で希釈した。水相をAcOEtで抽出した(3 x 20 ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (SiO2, DCM / AcOEt)で精製し、63 mgの最終化合物1-239を黄色固体として得た。
【0260】
B15.最終化合物1-240
【0261】
【化67】

【0262】
THF/H2O 1:1 (4 ml)に溶解した最終化合物1-239(20 mg, 0.057 mmol)の溶液に、0℃で水酸化リチウム(24 mg, 0.57 mmol)を添加した。反応混合液を30分間撹拌し、溶液を濃縮した。1N HCl溶液でpHをpH =2に調整し、かくして形成した沈殿(precipite)をろ過して分離し、乾燥して10 mgの最終化合物1-240を白色固体として得た。
【0263】
B16.最終化合物2-043
【0264】
【化68】

【0265】
室温で中間化合物12(300 mg, 0.804 mmol), 1-(2-フェニルエチル)ピペラジン(0.176 ml, 0.964 mmol)、K3PO4(341 mg, 1.60 mmol)および触媒[577971-19-8] CAS (10 mg)を1,4-ジオキサン (6 ml)中で混合した。該当する混合液を密封チューブ中で、110℃で16時間加熱した。混合液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物2-043を淡黄色固体として得た(349 mg, 90 %)。
【0266】
B17.最終化合物1-037
【0267】
【化69】

【0268】
中間化合物12(350 mg, 0.938 mmol)および中間化合物13(375 mg, 1.12 mmol)を、1,4-ジオキサン (3 ml)および飽和Na2CO3溶液(3 ml)中で混合した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(108.3 mg, 0.093 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物1-037を得た(305.6 mg, 65 %)。
【0269】
B18.最終化合物2-022
【0270】
【化70】

【0271】
DMF (2 ml)に溶解した、最終化合物2-056(150 mg, 0.55 mmol),3-クロロ-4- (トリフルオロメトキシ)ベンジル ブロミド(0.16 ml, 0.55 mmol)およびK2CO3 (150 mg, 1.1 mmol)の混合液を、室温で一晩撹拌した。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して目的化合物を得た。次いでその化合物をジエチルエーテルから再結晶化させて、最終化合物2-022を得た(170 mg, 64 %)。
【0272】
B19.最終化合物1-250
【0273】
【化71】

【0274】
中間化合物3(198 mg, 0.74 mmol)および中間化合物 16(200 mg, 0.74 mmol)を、1,4-ジオキサン (5 ml)および飽和Na2CO3溶液(5 ml)中で混合した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(128 mg, 0.115 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、150℃で10分間マイクロ波をかけた。得られた反応混合液をその後セライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、最終化合物1-250を得た(63.9 mg, 26 %,次の二つの反応工程を基準とした収率)。
【0275】
B20.最終化合物1-223
【0276】
【化72】

【0277】
中間化合物3(727 mg, 2.70 mmol)および市販の4-(モルホリノ)フェニルボロン酸(560 mg, 2.70 mmol)を、1,4-ジオキサン (10 ml)および飽和Na2CO3溶液(10 ml)中で混合した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(468 mg, 0.405 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、150℃で10分間マイクロ波をかけた。得られた反応混合液を、その後セライト詰め物に通してろ過し、ろ液を水(10 ml)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗反応物を引き続いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物を得た。次いでその化合物をエチルエーテルから再結晶化させて最終化合物1-223を得た(620 mg, 65 %)。
【0278】
B21.最終化合物1-049
【0279】
【化73】

【0280】
中間化合物19(250 mg, 0.783 mmol)および3-クロロ-4-イソプロポキシ-フェニルボロン酸 (159 mg, 0.86 mmol)を、1,4-ジオキサン (2.5 ml)および飽和NaHCO3溶液(2.5 ml)中で混合した。窒素流を使用して得られた溶液を脱気し、これにPd(PPh3)4(130 mg, 0.11 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、150℃で10分間マイクロ波をかけた。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させた。粗反応物を引き続いてフラッシュクロマトグラフィーで精製し、目的化合物を得た。次いでその化合物をジエチルエーテルから再結晶させて最終化合物1-049を白色固体として得た(65 mg, 21 %)。
【0281】
B22.最終化合物4-020
【0282】
【化74】

【0283】
室温で中間化合物3(100 mg, 0.37 mmol),4-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ)-ピペリジン(115.11 mg, 0.444 mmol), K3PO4 (150 mg, 0.70 mmol)および触媒[577971-19-8] CAS (10 mg)を、1,4-ジオキサン (5 ml)中で混合した。該当する混合液を密封チューブ中で、85℃で16時間加熱した。混合液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、最終化合物4-020を白色の粘着性固体として得た(90 mg, 55 %)。
【0284】
B23.最終化合物4-044
【0285】
【化75】

【0286】
室温で中間化合物3(150 mg, 0.406 mmol), 4,4-(フェニルピペリジン-4-イル)-モルホリン(113.3 mg, 0.46 mmol), K3PO4(200 mg, 0.94 mmol)および触媒[577971- 19-8] CAS (10 mg)を1,4-ジオキサン (4 ml)中で混合した。該当する混合液を密封チューブ中で、85℃で36時間加熱した。混合液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、かくして得られた残渣を分取HPLC(prep. HPLC)で精製して、最終化合物4-044を淡黄色固体として得た(123 mg, 51 %)。
【0287】
B24.最終化合物2-028
【0288】
【化76】

【0289】
中間化合物 3 (226 mg, 0.84 mmol),1-(2-ピリミジル)ピペラジンジヒドロクロリド (228 mg, 0.96 mmol), K3PO4 (612 mg, 2.88 mmol)および触媒[577971-19-8] CAS (10 mg)を1,4-ジオキサン (5 ml)中、室温で混合した。該当する混合液を密封チューブ中で、85℃で36時間加熱した。混合液を室温に冷却し、セライト詰め物に通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物2-028を蒼白色のクリーム状固体として得た(258 mg, 87 %)。
【0290】
B25.最終化合物3-009
【0291】
【化77】

【0292】
DME (1.5 ml)に溶解した、中間化合物20(0.223 g, 0.00081 mol, 1.1当量)およびNaH (鉱油中60 %の分散物、 0.035 g, 0.00088 mol, 1.2当量)の混合液を、室温で10分以上撹拌した。その後、中間化合物3(0.20 g, 0.00074 mol, 1当量)をゆっくりと添加した。得られた反応混合液に130℃で20分間マイクロ波をかけた。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をDCM中に懸濁させ、ろ過して分離し、ろ液を減圧下で濃縮した。その後粗反応混合液 をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物3-009を得た(146 mg, 47 %)。
【0293】
B26.最終化合物3-008
【0294】
【化78】

【0295】
DCE (40 ml)に溶解した、最終化合物3-016(346 mg, 1.19 mmol)および3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド([454-89-7] CAS) (262 mg, 1.5 mmol)の溶液に、NaBH(OAc)3 (760 mg, 3.6 mmol)を少しずつ分けて添加した。反応混合液を室温で3時間撹拌した。その後混合液をNH4Cl水溶液で反応停止した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物3-008を淡褐色固体として得た(370 mg)。
【0296】
B27.最終化合物1-271
【0297】
【化79】

【0298】
THF (5 ml)に溶解した、中間化合物11(200 mg, 0.64 mmol), 中間化合物24(267 mg, 1.28 mmol)およびPPh3 (309 mg, 1.15 mmol)の混合液に、 ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレート(279 mg, 1.21 mmol)を添加した。反応混合液に120℃で20分以上マイクロ波をかけた。その後反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶媒グラジエント10-20 %のDCM / MeOH(NH3)で溶出)で精製して最終化合物1-271を得た(219.7 mg, 70 %)。
【0299】
B28.最終化合物3-014
【0300】
【化80】

【0301】
DCE (16 ml)に溶解した、最終化合物3-018 (191 mg, 0.70 mmol)および3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド([454-89-7] CAS) (174 mg, 1 mmol)の溶液に、NaBH(OAc)3(443 mg, 2.1 mmol)を少しずつ分けて添加した。混合液を室温で3時間撹拌し、そのあとNH4Clの飽和溶液で反応停止した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物3-014を白色固体として得た(270 mg, 89 %)。
【0302】
B29.最終化合物2-036
【0303】
【化81】

【0304】
アセトニトリル(12 ml)に溶解した、中間化合物2(0.2 g, 0.971 mmol), K2CO3(0.268 g, 1.942 mmol)およびNaI (触媒量)の混合液に、1-(2-クロロエチル)-4-ピリジン-2-イル-ピペラジン (0.393 g, 1.748 mmol)を添加した。反応混合液に150℃で10分間、マイクロ波を二度かけた。その後、DCMを添加して混合液をろ過した。ろ液を飽和NaHCO3溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物2-036を灰白色固体として得た(152.5 mg, 40 %)。
【0305】
B30.最終化合物5-007
【0306】
【化82】

【0307】
DCM (6 ml)に溶解した中間化合物28(35 mg, 0.161 mmol)の溶液に、TFAを一滴添加した。その後、N-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)- ベンジルアミン(46 mg, 0.193 mmol)をゆっくりと添加し、得られた反応混合液を室温で2時間撹拌した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物1-131を得た(6 mg, 10 %)。
【0308】
B31.最終化合物2-055
【0309】
【化83】

【0310】
アセトニトリル(5 ml)に溶解した、中間化合物12'(250 mg, 0.81 mmol), 1-(2-ピリジル)-ピペラジン (0.129 ml, 0.85 mmol) およびジイソプロピルエチルアミン (0.416 ml, 2.4 mmol)の混合液に、160℃で30分間マイクロ波をかけた。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH混合液)で精製して最終化合物2-055を白色固体として得た(192 mg, 61 %)。
【0311】
B32.最終化合物5-020
【0312】
【化84】

【0313】
中間化合物3(0.6 g, 2.20 mmol)および中間化合物31 (3.69 g, 3.79 mmol)を、1,4-ジオキサン (7 ml)および飽和Na2CO3溶液(6 ml)中で混合した。窒素流を使用して得られた溶液を脱気し、これにPd(PPh3)4 (0.39 g, 0.33 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、140℃で5分間マイクロ波をかけた。次いで得られた反応混合液をAcOEtで希釈し、セライト詰め物に通してろ過し、ろ液を水(10 ml)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗反応混合液を引き続いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して目的化合物を得た。次いでその化合物をジエチルエーテルから再結晶化させて最終化合物5-020を得た(0.39 g, 44 %)。
【0314】
B33.最終化合物4-047
【0315】
【化85】

【0316】
アセトニトリル(5 ml)に溶解した、中間化合物3"(0.3 g, 1.18 mmol), 4-フェニルピペリジン(0.286 g, 1.77 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン (0.615 ml, 3.54 mmol)の混合液に、150℃で20分間マイクロ波をかけた。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して目的化合物を得た。次いでその化合物をエチルエーテルから再結晶化させて最終化合物4-047を得た(0.29 g, 73 %)。
【0317】
B34.最終化合物4-003
【0318】
【化86】

【0319】
EtOH (10 ml)に溶解した、最終化合物5-054(0.37 g, 1.05 mmol)およびパラジウム(活性炭上に10 %) (触媒量)の混合液を、水素雰囲気下、50 psiで3時間撹拌した。その後触媒をろ過して分離し、ろ液を減圧下で濃縮した。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物4-003を得た(0.21 g, 57 %)。
【0320】
B35.最終化合物1-306
【0321】
【化87】

【0322】
中間化合物35(0.25 g, 0.61 mmol) 及び市販の2-ブロモ-6-メチルピリジン(0.158 g, 0.92 mmol)を、1,4-ジオキサン (2 ml) および飽和NaHCO3溶液(2 ml)中で混合した。窒素流を使用して得られた溶液を脱気し、これにPd(PPh3)4(0.10 g, 0.09 mmol)を添加した。その後反応液を密封チューブ中で、150℃で10分間マイクロ波をかけた。得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を水(10 ml)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗反応混合液を引き続いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して最終化合物1-306を得た(0.078 g, 34 %)。
【0323】
B36.最終化合物5-015
【0324】
【化88】

【0325】
反応経路B1で調製した最終化合物5-014(0.04 g, 0.130 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン (0.068 ml, 0.392 mmol) をDCM (2 ml)に溶解して得た溶液に、アセチルクロリド (0.014 ml, 0.196 mmol)を添加した。反応混合液を室温で12時間撹拌した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、かくして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物5-015を得た(0.045 g, 99 %)。
【0326】
B37.最終化合物1-198
【0327】
【化89】

【0328】
DCM (10 ml)に溶解した中間化合物41(0.082 mg、0.163 mmol)の溶液にTFA (5 ml)を添加した。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をDCMに溶解させ、飽和のNaHCO3および食塩の溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー (DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物1-198を白色固体として得た(17 mg, 26 %)。
【0329】
B38.最終化合物1-185
【0330】
【化90】

【0331】
1,4-ジオキサン (10 ml)に溶解した最終化合物1-308 (0.2 g, 0.533 mmol)の溶液に、 N-メチル-2-メトキシエチルアミン (0.0711 mg, 0.8 mmol),パラジウムジアセテート(0.0118 mg, 0.053 mmol)およびXantphos (0.0616 mg, 0.8 mmol)を添加した。反応混合液を密封チューブ内で、120℃で16時間撹拌した。その後得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を飽和食塩溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー (DCM/MeOH 9:1)で精製して最終化合物1-185を黄色固体として得た(24 mg, 12 %)。
【0332】
B39.最終化合物1-226
【0333】
【化91】

【0334】
DCM (20 ml)に溶解した最終化合物1-224(0.147 mg, 0.385 mmol)の溶液に、0℃でBBr3 (0.182 ml, 1.92 mmol)を添加した。得られた溶液を室温に温め、16時間撹拌した。その後、NH4OH水溶液を添加した。得られた水溶液を塩化メチレンで抽出し、飽和食塩溶液で洗浄した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM / MeOH(NH3) 9:1)で精製して最終化合物1-226を黄色固体として得た(28 mg, 20 %)。
【0335】
B40.最終化合物5-052
【0336】
【化92】

【0337】
反応は窒素雰囲気下で行った。中間化合物4(26 mg, 0.077 mmol)をピリジン(1 ml, 12.26 mmol)中に溶解した。得られた溶液を40℃で1時間加熱した。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣を1,4-ジオキサンで処理し、白色固体を得て、それをろ過で分離し、減圧下で乾燥し、最終化合物5-052として同定した(25 mg;白色固体)。
【0338】
B41.最終化合物2-056
【0339】
【化93】

【0340】
TFA/DCM (20 %) (5 ml)混合液に溶解した中間化合物14(200 mg, 0.53 mmol)の溶液を一晩室温で撹拌した。混合液にK2CO3(飽和溶液)を添加して塩基性にした。その後有機層をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を最終化合物2-056(150 mg)として同定し、更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0341】
B42.最終化合物3-015
【0342】
【化94】

【0343】
DME (8 ml)に溶解した1-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン(447 mg, 2.22 mmol)の混合液に、NaH(鉱油中60 %)を添加し、反応混合液を室温で5分間撹拌した。その後中間化合物3(500 mg, 1.85 mmol)を添加し、得られた反応混合液に130℃で30分間マイクロ波をかけた。次いで反応液を室温に冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して最終化合物3-015を褐色油として得た(460 mg)。
【0344】
B43.最終化合物3-016
【0345】
【化95】

【0346】
MeOH (50 ml)に溶解した最終化合物3-015(460 mg, 1.18 mmol)の溶液に、ポリマー結合amberlyst-15(ロード量4.6 mmol/g) (0.77 g, 3.54 mmol)を添加した。得られた混合液を室温で12時間振とうした。次いで、樹脂をろ過して分離し、溶媒を捨てた。樹脂をMeOH/NH3(50 ml)に懸濁し、室温で3時間振とうした。樹脂をろ過して分離し、ろ液を減圧下で濃縮して最終化合物3-016を淡褐色固体として得た(350 mg)。
【0347】
B44.最終化合物5-053
【0348】
【化96】

【0349】
1,4-ジオキサン (6 ml) および飽和NaHCO3溶液(6 ml)に溶解した、中間化合物3(1 g, 3.71 mmol), (N-t-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステル (1.26 g, 4.08 mmol)およびPd(PPh3)4(0.642 g, 0.556 mmol)の混合液に対し、150℃で10分間マイクロ波をかけた。次いで得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させた。粗反応混合液を引き続いてフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製し、最終化合物5-053を白色固体として得た(0.57 g, 41 %)。
【0350】
B45.最終化合物3-017
【0351】
【化97】

【0352】
AcOEt (50 ml)に溶解した、最終化合物5-053(530 mg, 1.42 mmol)およびパラジウム(活性炭上に10 %) (触媒量)の混合液を水素雰囲気下、50 psiで4時間撹拌した。次いで触媒をろ過して分離し、ろ液を減圧下で濃縮して最終化合物3-017を無色の油として得た(量としては540 mg)。このようにして得られた化合物を更に精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0353】
B46.最終化合物3-018
【0354】
【化98】

【0355】
MeOH (50 ml)に溶解した最終化合物3-017(540 mg, 1.44 mmol)の溶液に、amberlyst-15 (使用量4.6 mmol/g) (1 g, 4.6 mmol)を添加した。得られた混合液を室温で12時間振とうした。次いで、樹脂をろ過して分離し、溶媒を捨てた。樹脂をMeOH/NH3(50 ml)に懸濁し、室温で3時間振とうした。樹脂をろ過して分離し、ろ液を減圧下で濃縮して最終化合物3-018を黄色の油として得た(198 mg)。
【0356】
B47.最終化合物5-054
【0357】
【化99】

【0358】
アセトニトリル(3 ml)に溶解した、中間化合物3’(0.34 g, 1.33 mmol),中間化合物33(0.5 g, 1.73 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン (0.925 ml, 5.32 mmol)の混合液に、20分間マイクロ波をかけて150℃とした。混合液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, DCM / MeOH(NH3)混合液)で精製して最終化合物5-054を得た (0.37 g, 79 %)。
【0359】
B48.最終化合物1-307
【0360】
【化100】

【0361】
DCM (20 ml)に溶解した中間化合物36(0.55 mg.1.76 mmol)の溶液に、TFA (10 ml)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をDCMに溶解させ、飽和のNaHCO3およびNaClの溶液で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して最終化合物1-307(0.310 g, 74 %)を得て、それを更に精製することなく次の反応工程で使用した。
【0362】
B49.最終化合物1-308
【0363】
【化101】

【0364】
アセトニトリル(29 ml)中の臭化銅(II)(0.2 g, 0.89 mmol)およびt-ブチルニトリル(0.178 ml, 1.48 mmol)の懸濁液(0℃)に、最終化合物1-307(0.31 g, 0.99 mmol)を5分以内に0℃で滴下した。混合液を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に温め、65℃で1時間徐々に加熱した。次いで得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、アセトニトリルで洗浄し、ろ液を減圧下で蒸発させて最終化合物1-308(0.464 g)を得て、それを更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0365】
B50.最終化合物1-190
【0366】
【化102】

【0367】
中間化合物43(0.30 g, 1.11 mmol)および中間化合物3(0.43 g, 1.33 mmol)を、1,4-ジオキサン (3 ml) および飽和Na2CO3溶液(3 ml)中で混合した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4 (0.12 g, 0.1 mmol)を添加した。次いで反応液を密封チューブ内に入れて、150℃で10分間マイクロ波をかけた。次いで得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO4で洗浄し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残渣を分取HPLC(prep. HPLC)で精製して最終化合物1-190を得た(0.04 g, 9 %)。
【0368】
B51.最終化合物1-064
【0369】
【化103】

【0370】
中間化合物3(0.48 g, 1.89 mmol)および中間化合物45(0.59 g, 1.89 mmol)を、1,4-ジオキサン (4 ml)および飽和NaHCO3溶液(4 ml)中で混合した。得られた溶液を窒素流を使用して脱気し、これにPd(PPh3)4(0.22 g, 0.19 mmol)を添加した。次いで反応液を密封チューブ内に入れて、150℃で10分間マイクロ波をかけた。次いで得られた反応混合液をセライト詰め物に通してろ過し、AcOEtで洗浄した。ろ液を塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。このようにして得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー (DCM / MeOH混合液)で精製して最終化合物1-064を得た(0.16 g, 25 %)。
【0371】
以下の表中の最終化合物は、該当欄に「実験番号」と表示されているように、先の実施例に従って合成された。アスタリスクが表示された化合物は、実施例で例示されている。
【0372】
【表4】

【0373】
【表5】

【0374】
【表6】

【0375】
【表7】

【0376】
【表8】

【0377】
【表9】

【0378】
【表10】

【0379】
【表11】

【0380】
【表12】

【0381】
【表13】

【0382】
【表14】

【0383】
【表15】

【0384】
【表16】

【0385】
【表17】

【0386】
【表18】

【0387】
【表19】

【0388】
【表20】

【0389】
【表21】

【0390】
【表22】

【0391】
【表23】

【0392】
【表24】

【0393】
【表25】

【0394】
【表26】

【0395】
【表27】

【0396】
【表28】

【0397】
【表29】

【0398】
【表30】

【0399】
【表31】

【0400】
【表32】

【0401】
【表33】

【0402】
【表34】

【0403】
【表35】

【0404】
【表36】

【0405】
【表37】

【0406】
【表38】

【0407】
【表39】

【0408】
【表40】

【0409】
【表41】

【0410】
【表42】

【0411】
【表43】

【0412】
【表44】

【0413】
【表45】

【0414】
【表46】

【0415】
【表47】

【0416】
【表48】

【0417】
【表49】

【0418】
【表50】

【0419】
【表51】

【0420】
【表52】

【0421】
【表53】

【0422】
【表54】

【0423】
【表55】

【0424】
【表56】

【0425】
C.物理化学データ
LCMS法:
LCMS-一般的手順A
グラジエントHPLCは、以下のそれぞれの方法において特定されるように、脱気装置を有する四つ組ポンプ(quaternary pump)、オートサンプラー、カラムオーブン、光ダイオードアレー検出器(PDA 2996)およびカラムを備えるAlliance 2795XEにより行われた。カラムからの流れをMS検出器へと分割した。MS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が配置されていた。窒素が噴霧ガスとして使用された。マススペクトルは0.5秒の間に、50〜600で得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧は3.5 kVであり、供給源温度は140℃に維持された。データ収集は、Waters-Micromass MassLynx-Openlynxデータシステムで行った。
【0426】
LCMS-一般的手順B
グラジエントHPLCは、以下のそれぞれの方法において特定されるように、脱気装置を有するポンプ(四つ組または二つ組(quaternary or binary))、オートサンプラー、カラムオーブン、ダイオードアレー検出器(DAD)およびカラムを備える、Agilent Technologies製のHP 1100により行われた。カラムからの流れをMS検出器へと分割した。MS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が配置されていた。窒素が噴霧ガスとして使用された。供給源温度は140℃に維持された。データ収集はMassLynx-Openlynxソフトウェアで行った。
【0427】
LCMS-一般的手順C
グラジエントLCは、二つ組ポンプ(binary pump)、サンプルオーガナイザー(sample organizer)、カラムヒーター(55℃に設定)およびダイオードアレー検出器(DAD)を備えるAcquity UPLC (Waters)システムにより行われた。カラムからの流れをMS検出器へと分割した。MS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が配置されていた。マススペクトルは、0.02秒の滞留時間を使用して、0.18秒の間に、100〜1000を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧は3.5 kVであり、供給源温度は140℃に維持された。窒素が噴霧ガスとして使用された。データ収集はWaters-Micromass MassLynx-Openlynxデータシステムで行った。
【0428】
方法1
一般的手順Aに加えて:逆相HPLCを、流速1 ml/分で、Agilent Technologies製のZorbax-C18 カートリッジ(3.5 μm, 4.6 x 50 mm)により行った。カラムオーブンを25℃に設定した。二つの移動相(移動相 A:水+0.5%ギ酸; 移動相 B: アセトニトリル+0.5%ギ酸 )を使用した。まず、95 %のAおよび5 %のBを0.1分間維持した。次いで勾配をかけて、5分で100 %のBとし、6.0分まで維持し、6.5分で最初の状態に平衡化して、7.0分まで維持した。典型的な注入容量である5-20 μLが使用された。ES MS検出器を使用し、プラスおよびマイナスの両方のイオン化モードで検出した。コーン電圧は、プラスイオン化モードでは30 V、マイナスイオン化モードでは63 Vだった。
【0429】
方法2
一般的手順Aに加えて:逆相HPLCを、流速1.5 ml/分で、Agilent Technologies製のZorbax-C18カートリッジ(1.8 μm, 4.6 x 30 mm)により、行った。カラムオーブンを30℃に設定した。二つの移動相(移動相 A:水 water+0.05%ギ酸; 移動相 B: アセトニトリル+0.05 %ギ酸)を使用した。使用された勾配条件は:90 %のAおよび10 %のBから3.5分で100 %のB、3.7分まで維持し、3.8分で最初の状態に平衡化し、4.5分まで維持、である。典型的な注入容量である5-20 μLを使用した。ES MS検出器を使用し、プラスおよびマイナスの両方のイオン化モードで検出した。コーン電圧はプラスイオン化モードでは30 V、マイナスイオン化モードでは63 Vだった。
【0430】
方法3
一般的手順Bに加えて:逆相HPLCを、流速1.5 ml/分で、Advanced Chromatography Technologies製のACE-C 18 カラム(3.0 μm, 4.6 x 30 mm)により40℃で行った。使用された勾配条件は: 80 %のA (0.5 g/l 酢酸アンモニウム溶液), 10 %のB (アセトニトリル), 10 %のC (メタノール)から6.5 分の間に50 %のBおよび50 %のC,7分で100 %のB、7.5分で最初の状態に平衡化し、9.0分まで維持、である。注入容量5 μl。高分解能質量スペクトル(飛行時間型, TOF)が、プラスイオン化モードにおいてのみ、0.5秒の間に、0.1秒の滞留時間を使用して、100〜750を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧はプラスイオン化モードでは2.5 kVで、コーン電圧は20 Vだった。ロイシン−エンケファリンが、基準物質の較正のために使用された標準物質であった。
【0431】
方法4
一般的手順Bに加えて:方法3と同じである、ただし、使用した注入容量は10 μLである。
【0432】
方法5
一般的手順Bに加えて:逆相HPLCを、流速1.5 ml/分で、Advanced Chromatography Technologies製のACE-C 18 カラム(3.0 μm, 4.6 x 30 mm)により、40℃で行った。使用された勾配条件は: 80 %のA (0.5 g/l 酢酸アンモニウム溶液), 10 %のB (アセトニトリル), 10 %のC (メタノール)から6.5分の間に50 %のBおよび50 %のC、7分で100 %のB、そして7.5分で最初の状態に平衡化し、9.0分まで維持、である。注入容量 5 μl。低分解能質量スペクトル(ZQ検出器;四重極)が、0.3秒の滞留時間を使用して、1.0分の間に100〜1000を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧は3 kVだった。コーン電圧はプラスイオン化モードでは20 Vおよび50 Vであり、マイナスイオン化モードでは20 Vだった。
【0433】
方法6
一般的手順 Cに加えて: 逆相 UPLCを、流速0.8 ml/分で、架橋エチルシロキサン/シリカ (BEH) C18カラム(1.7 μm, 2.1 x 50 mm)により行った。二つの移動相(移動相 A: 水/メタノール 95/5に溶解した0.1 %ギ酸; 移動相 B:メタノール)を使用して、1.3分の間に95 %のAから5 %のA, 95 %のBという勾配条件をかけ、0.2分維持した。注入容量0.5 μlを使用した。コーン電圧はプラスイオン化モードでは10 Vで、マイナスイオン化モードでは20 Vだった。
【0434】
方法7
一般的手順 Bに加えて: 逆相HPLCを、流速1 ml/分で、Agilent 製の60℃のXDB-C18カートリッジ(1.8 μm, 2.1 x 30 mm)により、6O℃で行った。使用された勾配条件は: 90 %のA (0.5 g/l 酢酸アンモニウム溶液), 5 %のB (アセトニトリル), 5 %のC (メタノール)から6.5分の間に50 %のBおよび50 %のC、7分で100 %のB、そして7.5分で最初の状態に平衡化し、9.0分まで維持、である。注入容量2 μl。高分解能質量スペクトル(飛行時間型, TOF)が、プラスイオン化モードにおいてのみ、0.1秒の滞留時間を使用して、0.5秒の間に100〜750を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧は2.5 kVで、コーン電圧は20 Vだった。 ロイシン−エンケファリンが、基準物質の較正に使用された標準物質だった。
【0435】
方法8
一般的手順 Bに加えて:逆相HPLCを、流速1.5 ml/分で、Agilent製のXDB- C18カートリッジ(1.8 μm, 4.6 x 30 mm)により、60℃で行った。使用された勾配条件は: 80 %のA (0.5 g/l 酢酸アンモニウム溶液), 20 %のB (アセトニトリル/メタノール, 1/1の混合液)から6.5分の間に100 %のB、7分まで維持し、そして7.5分で最初の状態に平衡化し、9.0分まで維持、である。注入容量5 μl。低分解能質量スペクトル(ZQ検出器;四重極)が、0.3秒の滞留時間を使用して、1.0秒の間に100〜1000を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧は3 kVだった。コーン電圧はプラスイオン化モードでは20 Vおよび50 Vで、マイナスイオン化モードでは20 Vだった。
【0436】
方法9
一般的手順 Bに加えて: 逆相HPLCを、流速1.5 ml/分で、Advanced Chromatography Technologies製のACE-C 18カラム(3.0 μm, 4.6 x 30 mm)により、40℃で行った。使用された勾配条件は: 80 %のA (0.5 g/l 酢酸アンモニウム溶液), 10 %のB (アセトニトリル), 10 %のC (メタノール)から6.5分の間に50 %のBおよび50 %のC、7分で100 %のB、そして7.5分で最初の状態に平衡化し、9.0分まで維持、である。注入容量5 μl。高分解能質量スペクトル(飛行時間型, TOF)が、0.3秒の滞留時間を使用して、0.5秒の間に100〜750を走査することにより得られた。キャピラリーニードル(capillary needle )の電圧はプラスイオン化モードでは2.5 kVで、マイナスイオン化モードでは2.9 kVだった。コーン電圧はプラスおよびマイナスの両方のイオン化モードで20 Vだった。ロイシン−エンケファリンが基準物質の較正に使用された標準物質だった。
【0437】
融点測定は、Buchi B-540またはMettler FP62のどちらかの上で、開口毛細管(open capillary tube)中で行った。
【0438】
【表57】

【0439】
【表58】

【0440】
【表59】

【0441】
【表60】

【0442】
【表61】

【0443】
【表62】

【0444】
【表63】

【0445】
【表64】

【0446】
【表65】

【0447】
【表66】

【0448】
【表67】

【0449】
【表68】

【0450】
【表69】

【0451】
【表70】

【0452】
【表71】

【0453】
【表72】

【0454】
【表73】

【0455】
【表74】

【0456】
D.薬理学的実験
本発明で提供される化合物は、mGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターである。これらの化合物は、グルタミン酸結合部位とは違うのアロステリック部位に結合することによって、グルタミン酸応答を増強しているように思われる。グルタミン酸濃度に対するmGluR2の応答は、式(I)の化合物が存在すると高まる。式(I)の化合物は、そのレセプターの機能を強める能力により、実質的にmGluR2に対して作用すると予想される。以下に記載される[35S]GTPγS結合アッセイ法を使用して、mGluR2についてテストしたポジティブアロステリックモジュレーターの挙動を表4に示す、このアッセイ法は、そのような化合物、より具体的には式(I)の化合物を同定するのに適している。
【0457】
[35S]GTPγS結合アッセイ
[35S]GTPγS結合は、機能性の膜に基づくアッセイで、G-タンパク質共役型レセプター(GPCR)の機能を研究するのに使用され、それによって、GTPの加水分解不能な形態である[35S]GTPγS (γ-放射性35Sで標識されたグアノシン5 '-三リン酸)の取り込みが測定される。G-タンパク質のαサブユニットは、グアノシン5'-二リン酸 (GDP)のグアノシン三リン酸 (GTP)による交換を触媒し、またアゴニストである[35S]GTPγSによりGPCRが活性化されると取り込まれるようになり、交換サイクルを続けるために開裂ができなくなる(Harper (1998) Current Protocols in Pharmacology 2.6.1-10, John Wiley & Sons, Inc.)。放射性の[35S]GTPγSの取り込み量はG-タンパク質活性の直接的な基準であり、したがってアゴニストの活性が測定できる。mGluR2レセプターは Gαi-タンパク質に優先的に共役することが示されており、これはこの方法には好ましい共役であるため、それは広く組換え細胞系列および組織の両方において、mGluR2レセプターの受容体活性化を研究するために広く使用されている(Schaffhauser et al 2003, Pinkerton et al, 2004, Mutel et al (1998) Journal of Neurochemistry. 71:2558-64; Schaffhauser et al (1998) Molecular Pharmacology 53:228-33)。ここで我々は、ヒトmGluR2レセプターを形質移入され、かつSchaffhauser et al ((2003) Molecular Pharmacology 4:798-810)から、本発明の化合物の正のアロステリック調節(PAM)特性の検出に適応するようにさせられた細胞由来の細胞膜を使用した[35S]GTPγS結合アッセイの利用を説明する。
【0458】
細胞膜の調製
CHO細胞をプレコンフルエント(pre-confluence)になるまで培養し、PBS中で洗浄する前に5 mMの酪酸で24時間刺激し、その後ホモジナイズ緩衝液(50 mM Tris-HCl緩衝液、 pH 7.4, 4℃)にかき集めて回収した。細胞消化物を、ultra-turraxホモジナイザーを用いて簡単にホモジナイズした(15秒)。ホモジネートを23 500gで10分間遠心し、上清を捨てた。ペレットを再びpH 7.4の5 mM Tris-HClに懸濁し、再び遠心した(30 000g, 20分、4℃)。最終ペレットをpH 7.4の50 mM HEPESに再懸濁し、使用までは適当な一定分量にして-80℃で保存した。タンパク質濃度はウシ血清アルブミンを標準としてブラッドフォード法(Bio-Rad, USA)により測定した。
【0459】
[35S] GTPγS結合アッセイ
ヒトmGluR2を含有する細胞膜中における正のmGluR2アロステリック調節因子の測定は、96-ウェル・マイクロプレートでプレインキュベーション(15 μg/アッセイウェル, 30分, 30℃)する前に解凍して簡単にホモジナイズした凍結細胞膜を使用して、アッセイ緩衝液(50 mM HEPES pH 7.4, 100 mM NaCl, 3 mM MgCl2, 50 μM GDP, 10 μg/mlのサポニン)中で、ポジティブアロステリックモジュレーターの濃度を上げながら(0.3 nM〜50 μM)、極少量の所定濃度のグルタミン酸とともに(PAMアッセイ)、あるいはグルタミン酸を添加せずに行われた。PAMアッセイのために、細胞膜を、EC25 濃度、すなわち公表されたデータ(Pin et al. (1999) Eur. J. Pharmacol. 375:277-294)のとおり、最大応答の25 %を示す濃度のグルタミン酸とプレインキュベートした。反応溶液の全容量を200 μlとするために[35S]GTPγS (0.1 nM, 最終濃度)を添加した後、マイクロプレートを短時間振とうし、さらに培養して(30分、30℃)活性化させ、[35S]GTPγSを取り込ませた。96-ウェル・プレートセルハーベスター(Filtermate, Perkin-Elmer, USA)を使用して、ガラス繊維ろ過プレート(Unifilter 96-ウェル GF/B ろ過プレート, Perkin-Elmer, Downers Grove, USA)マイクロプレートで急速に減圧ろ過して反応を停止させた。その後、300 μlの氷冷した洗浄緩衝液(Na2PO4・2H20 10 mM, NaH2PO4・H2O 10 mM, pH = 7.4)で三回洗浄した。フィルターをその後風乾し、40 μlの液体シンチレーション・カクテル(Microscint-O)をそれぞれのウェルに添加し、96-ウェルシンチレーションプレートリーダー(Top-Count, Perkin-Elmer, USA)中で、細胞膜に結合した[35S]GTPγSを測定した。非特異的な[35S]GTPγSの結合は、冷した10 μM GTPの存在下に測定した。データの一点あたり二つのサンプルを使用して、11個の濃度で各曲線を少なくとも一度作成した。
【0460】
データ解析
正のアロステリック調節(PAM)を測定するため、EC25添加されたmGluR2アゴニストであるグルタミン酸の存在下において、本発明の代表的な化合物の濃度−応答曲線を、Prism GraphPad ソフトウェア(Graph Pad Inc, San Diego, USA)を使用して作成した。その曲線を四変数ロジスティック方程式(Y=最小値(Bottom) + (最大値(Top)-最小値(Bottom))/(l+10^((LogEC50-X)*Hillの傾き)にあてはめて、EC50値を決定した。
【0461】
表8. 本発明に係る化合物の薬理学データ
所定EC25濃度のmGluR2アゴニスト(グルタミン酸)の存在下で、すべての化合物を試験し、正のアロステリック調節(GTPγS-PAM)を測定した。示された数値は、少なくとも一つの実験から得られた、11個の濃度における応答曲線の二つの数値の平均である。すべての化合物が、5.0よりも大きい、5.1 (弱い活性)〜7.6 (非常に高い活性)のpEC50値を示した。一つの実験におけるpEC50値の測定誤差は、log単位で約0.3と評価する。
【0462】
【表75】

【0463】
【表76】

【0464】
【表77】

【0465】
【表78】

【0466】
【表79】

【0467】
【表80】

【0468】
【表81】

【0469】
【表82】

【0470】
E.組成物例
これらの例全部にわたって使用される"活性成分" (a.i.)は、式(i)の最終化合物、その薬学的に受容できる酸もしくは塩基の付加塩、その立体化学異性体、そのN-オキシド体、その四級アンモニウム塩およびそのプロドラッグに関係している。
【0471】
本発明の製剤処方の典型例は以下のとおりである:
1.錠剤
活性成分 5〜50 mg
第二リン酸カルシウム 20 mg
ラクトース 30 mg
滑石 10 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
ジャガイモでんぷん 任意に200 mg
この例において、活性成分は、本発明のいずれの化合物、同量とも置き換えることができ、特に同量の例示されたいずれかの化合物と置き換えることができる。
【0472】
2.懸濁剤
経口投与のための水性懸濁剤は、1ミリリットル当たり活性化合物のうちのひとつを1〜5 mg、カルボキシメチルセルロースナトリウムを50 mg、安息香酸ナトリウムを1 mg、ソルビトールを500 mgおよび水を任意に1 ml含むように調製される。
【0473】
3.注射剤
非経口用の組成物は、10容量%のプロピレングリコールおよび水の中で、1.5重量%の本発明の活性成分を撹拌することにより調製される。
【0474】
4.軟膏
活性成分 5〜1000 mg
ステアリルアルコール 3 g
ラノリン 5 g
白色ワセリン 15 g
水 任意に100 g
この例において、活性成分はいずれの本発明化合物、同量とも置き換えることができ、特に同量の例示されたいずれかの化合物と置き換えることができる。
【0475】
合理的な変更は本発明の範囲からの逸脱とはみなされない。このように記載された発明は、当業者により多様に変更させられ得ることは自明であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I),
【化1】

で表わされる化合物、薬学的に許容されるその酸または塩基の付加塩、その立体化学的異性体形態、そのN-オキシド形態またはその第4級アンモニウム塩:
V1は、共有結合、炭素原子数1〜6で二価の飽和もしくは不飽和の直鎖または分岐の炭化水素基の群から選択される;
M1は、水素 ; シクロC3-7アルキル; アリール ; アルキルカルボニル; アルキルオキシ; アリールオキシ; アリールアルキルオキシ; アリールカルボニル; ヘキサヒドロチオピラニル(hexahydrothiopyranyl);および Het1の群から選択される;
L は、次の共有結合の群から選択される; -O-; -OCH2-; -OCH2CH2-; -OCH2CH2O-; -OCH2CH2OCH2- ; -S-; -NR7- ; -NR7CH2-; -NR7,シクロC3-7;-NR7CH2CH2-; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2- ; -CH2CH2-; -CH2CH2CH2 ; -C≡C-; -C=O-;および -C(R8)=C(R9)- ;ここで各 R7は互いに独立であり、水素およびC1-3アルキルの群から選択される; ならびにR8およびR9は互いに独立であり、水素、ハロおよびC1-3アルキルの群から選択される;
R2および R3 はそれぞれ互いに独立であり、水素、ハロおよびアルキルから選択される;
A は、Het2またはフェニルであり、各基は必要に応じてn個の基R4(nは整数で0, 1, 2または3に等しい)で置換されていてもよい;
R4は、次の群から選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; オキソ; ホルミル; エタノイル; カルボキシル; ニトロ; チオ; アルキル; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキル; ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-カルボニルアルキル; Het3-チオ; Het3-チオアルキル; Het3-スルホニル; アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールチオアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ;
ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd(ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される; さもなくば、2個の基R4は結合して、二価の基X1-C1-6-X2-を形成してもよい(ここで、C1-6は飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐の炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり、ならびにX1および X2 は互いに独立にC, OまたはNHである;前記二価の基は必要に応じてハロ, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ,カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミルおよびエタノイルの群から選択される、1個以上の基で置換されていてもよい;
Het1は、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択される[ここで各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される];
Het2は、次の群から選択される;ピペラジニル; ピペリジニル; チエニル; フラニル; lH-インダゾリル; lH-ベンズイミダゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; 2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル; ピロリジニル; アゼチジニル; 2,7-ジアザ-スピロ[3.5]-ノニル; ピリジニル; ピラゾリル;インドリニル; IH-インドリル; lH-インダゾリル; ベンゾモルフォリニル; チアゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル; 3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデシル; l,2,3,4,4a,5,6,10b-オクタヒドロ-ベンゾ[f] キノリニル; l,2,3,4,4a,10a-ヘキサヒドロ-ベンゾ[5,6][l,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-インデノ[2,l-c]- ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリニル; l,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[4,5]- フロ[2,3-c]ピリジニル; l,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピリジニル;[l,4]ジアゼピル; イソキサゾリル; インダニル; およびインドリル;
Het3は、次の群から選択される;ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル; テトラゾリル; インドリル; チエニル; フラニル; テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1 -ジオキシド; チアゾリル; チアジアゾリル; イソチアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イソキサゾリル; イミダゾリル; ピラゾリル; ベンゾイミダゾリル; ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル; ベンゾチアゾリル ;ベンゾフラニル; ベンゾモルフォリニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; チオナフチル インドリル; インドリニル; キノリル; イソキノリル; キノキサリル; フタラジル; ベンゾ[l,3]ジオキシル; およびキナゾリル; 各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される;
アリールは、ナフチル, フェニルまたはビフェニルである[各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される];ならびに
アルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり;あるいは飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基であり;あるいは、飽和で炭素原子数4 〜12の炭化水素基であり、少なくとも1つの飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基および少なくとも1つの飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を含む[ここで各炭素原子は、必要に応じて、ハロ, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, アミノ, オキソ, カルボキシル, ニトロ, チオ, ホルミル, エタノイル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基 の-OCH2CH2O- ;の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、ならびに
アルケニルは、1個以上の二重結合を追加的に含むアルキルである。
【請求項2】
V1が次の共有結合の群、-CH2-; -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH=CH- ; -CH2-CH2-CH2-CH2- ;-CH2-CH(CH3)-CH2- ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH2- ; および -CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-から選択されることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項3】
M1が、水素; シクロC3-7アルキル; フェニル; ビフェニル; フェニルオキシ; ベンジルオキシ; フラニル; およびピリジニルの群から選択され、ここで前記基のいずれの基は必要に応じて、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1個以上の基で置換されていてもよいことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
V1-M1は-CH2-CH2-CH2-CH3-; -CH2-CH(CH3)-CH3 ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH3; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH3 ; -CH2-CH2-CH(CH3)-CH3の群から選択され、あるいはV1は、次の共有結合の群; -CH2- , -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; および-CH2-CH=CH-の群から選択され、M1 は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、フラニルおよびピリジニルの群から選択される[ここで各基M1は、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1以上の基で置換されていてもよい] ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
R2およびR3が、独立に水素またはメチルである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
Lは、次の共有結合の群から選択される; -O- ; -OCH2- ; -OCH2CH2- ; -OCH2CH2O- ; -OCH2CH2OCH2- ; -NR7- ; -NR7CH2- ; -NR7-シクロC3-7 ; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2CH2- ; -C≡C- ; -C=O- ; および -CH=CH- ; [ここで各R7は、互いに独立に水素およびC1-3アルキルの群より選ばれる]ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
Aがフェニル、ピペラジニルおよびピペリジニルの群より選択されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
R4は次の群より選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; エタノイル; アルキル ; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル ; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル ; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ ; ポリハロC1-3アルキル ;ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-チオアルキル;アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ;
ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd [ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される];
あるいは2個の基R4は結合して、二価の基X1-C1-6-X2-を形成してもよい[ここで、C1-6は飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐の炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり、ならびにX1および X2 は互いに独立にCまたは Oである。]
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
2個の基R4は結合して、-CH2CH2-O- ; -O-CH2-O- ; および -O-CH2CH2-O-の群から選択される二価の基を形成してもよいことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Het1が、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択され、各基Het1は、必要に応じ1, 2または3個のポリハロC1-3アルキル置換基で置換されていてもよい請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Het3が、次の群から選択される請求項1〜10のいずれかに記載の化合物; ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル;テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1 -ジオキシド; チアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イミダゾリル;ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル;ベンゾフラニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル;インドリル; インドリニル;フタラジル; およびベンゾ[l,3]ジオキシル; 各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、ここで各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ,オキソ, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選択される。
【請求項12】
V1は次の共有結合の群、-CH2-; -CH2-CH2- ; -CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH=CH- ; -CH2-CH2-CH2-CH2- ;-CH2-CH(CH3)-CH2- ; -CH(CH3)-CH2-CH2-CH2- ; -CH2-CH(CH3-)CH2-CH2- ; および -CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-から選択され;M1は、水素; シクロC3-7アルキル; フェニル; ビフェニル; フェニルオキシ; ベンジルオキシ; フラニル; およびピリジニルの群から選択され、前記のM1は、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシおよびC1-3アルキルオキシの群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
Lは、次の共有結合の群から選択される; -O- ; -OCH2- ; -OCH2CH2- ; -OCH2CH2O- ; -OCH2CH2OCH2- ; -NR7- ; -NR7CH2- ; -NR7-シクロC3-7 ; -OCH2CH2N(R7)CH2- ; -CH2CH2- ; -C≡C- ; -C=O- ; および -CH=CH- ; ここで各R7は、互いに独立に水素およびC1-3アルキルの群より選ばれ;
R2およびR3は、おのおの互いに独立に水素, ハロまたはアルキルであり;
Aは、フェニル、ピペラジニルおよびピペリジニルの群より選択される[該基の各々は必要に応じて、n(nは整数で0または1に等しい)個の基R4で置換されていてもよい];
R4は次の群より選択される;ハロ; シアノ; ヒドロキシ; エタノイル; アルキル ; アルキルオキシ; アルキルオキシアルキル ; アルキルオキシカルボニル; アルキルオキシカルボニルアルキル; アルキルカルボニル ; アルキルカルボニルオキシ; アルキルカルボニルアルキルオキシ ; ポリハロC1-3アルキル ;ポリハロC1-3アルキルオキシ; ポリハロC1-3アルキルチオ; アルキルチオ; アルキルスルホニル; Het3 ; Het3-アルキル; Het3-オキシ; Het3-オキシアルキル; Het3-アルキルオキシ; Het3-オキシアルキルオキシ; Het3-カルボニル; Het3-チオアルキル;アリール; アリールアルキル; アリールオキシ; アリールオキシアルキル; アリールアルキルオキシ; アリールアルケニル; アリールカルボニルアルキル; アリールスルホニル; -NRaRb ; アルキル-NRaRb ; O-アルキル-NRaRb; -C(=O)-NRaRb; -C(=O)-アルキル-NRaRb ; およびO-アルキル-C(=O)-NRaRb ;
ここで、Raおよび Rbは、次の群から選択される;水素, アルキル,アルキルカルボニル, アリールアルキル, アルキルオキシアルキル, Het3, Het3アルキル, アルキルスルホニル, アルキル-NRcRdおよびC(=O)アルキル-NRcRd [ここでRcおよびRdは、水素, アルキルおよび アルキルカルボニルの群から選択される];さもなくば、2個の基R4は結合して、-CH2CH2-O- ; -O-CH2-O- ; および -O-CH2CH2-O-の群から選択される二価の基を形成してもよく;
Het1は、テトラヒドロピラニルおよびピリジニルの群から選択され、各基Het1は、必要に応じ1, 2または3個のポリハロC1-3アルキル置換基で置換されていてもよく;
Het2は、次の群から選択される;ピペラジニル; ピペリジニル; チエニル; フラニル; lH-インダゾリル; lH-ベンズイミダゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; 2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル; ピロリジニル; アゼチジニル; 2,7-ジアザ-スピロ[3.5]-ノニル; ピリジニル; ピラゾリル;インドリニル; IH-インドリル; lH-インダゾリル; ベンゾモルフォリニル; チアゾリル; 1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル; 3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデシル; l,2,3,4,4a,5,6,10b-オクタヒドロ-ベンゾ[f] キノリニル; l,2,3,4,4a,10a-ヘキサヒドロ- ベンゾ[5,6][l,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-インデノ[2,l-c]- ピリジニル; 2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリニル; l,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[4,5]- フロ[2,3-c]ピリジニル; l,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピリジニル; [l,4]ジアゼピル; イソキサゾリル; インダニル; およびインドリル;
Het3は、次の群から選択される;ピリジニル; ピリミジニル; ピリダジリル; ピラジニル; ピペリジニル; ピロリジニル; ピペラジニル; トリアゾリル; テトラヒドロピラニル; テトラヒドロ-チオピラン-1,1-ジオキシド; チアゾリル; オキサゾリル; モルフォリニル; オキサジアゾリル; イミダゾリル; ベンゾキサゾリル; ベンゾチエニル; ベンゾフラニル; 1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル; インドリル; インドリニル; フタラジル; およびベンゾ[l,3]ジオキシル[各基は、必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-6アルキル, ポリハロC1-3アルキル, シアノ, ヒドロキシ, オキソ, エタノイル, フェニル, ピロリジニル, ピペリジニル, ピリジニル, モルフォリニル, モノ- およびジ(アルキル)アミノ, およびC1-3アルキルオキシの群から選ばれる];
アリールは、フェニルまたはビフェニルである[各基は必要に応じて1, 2 または3個の置換基で置換されていてもよく、各置換基は互いに独立に、ハロ, C1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキル, ポリハロC1-3アルキルオキシ, シアノ, ニトロ, エチルオキシカルボニルおよびC1-3アルキルオキシの群から選択されル];ならびに
アルキルは、飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基であり;あるいは飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基であり;、あるいは、飽和で炭素原子数4 〜12個の炭化水素基であり、かつ、少なくとも1つの飽和で直鎖もしくは分岐した炭素原子数1 〜6の炭化水素基および少なくとも1つの飽和で炭素原子数3 〜7の環式炭化水素基を含む[ここで各炭素原子は、必要に応じて、シアノ, ヒドロキシ, カルボキシル, カルバモイル, フェニルおよび二価の基の-OCH2CH2O- の群から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい]、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
次の群から選択される:
4-(4-(N-アセチルメチル)フェニル)-3-シアノ-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-179);
4-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-シアノ-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-110);
3-シアノ-4-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-114);
3-シアノ-4-(4-ヒドロキシプロピルフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-095);
3-シアノ-4-(4-メトキシメチルフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH )-オン(化合物 1-103);
3-シアノ-4-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-113);
3-シアノ-4-(4-(N-モルホリル)フェニル)-l-(3-メチルブチル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-223);
3-シアノ-l-(3-メチルブチル)-4-(フェニルエチニル)ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1- 267);
3-シアノ-l-ブチル-4-[4-(2-メチル-ピリジン-4-イルオキシ)-フェニル]-ピリジン-2(lH)-オン(化合物 1-064); および
3-シアノ- 1 シクロプロピルメチル-4-(4-フェニル-ピペリジン- 1 -イル)-ピリジン-2(lH)-オン(化合物 4-047);
請求項1から12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が光学異性体として存在し、ラセミ混合物であるか個々の光学異性体である、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の化合物の治療有効量と、製薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項16】
薬物として使用する請求項1から14のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
ヒトを含む哺乳動物の状態を治療または予防するための薬物を製造するための請求項1から14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の医薬組成物の使用であって、その治療および予防が、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターの神経調節効果により影響されるか促進されることを特徴とするその使用。
【請求項18】
ヒトを含む哺乳動物のグルタミン酸機能障害と関係するさまざまな神経障害および精神障害を治療、予防、改善、制御またはそのリスクを減少させる薬物を製造するための請求項1から14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の医薬組成物の使用であって、その処置および予防が、mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターの神経調節効果により影響されるか促進されることを特徴とするその使用。
【請求項19】
前記の状態または障害が、不安障害、精神障害、人格障害、化学物質関連障害、摂食障害、気分障害、片頭痛、てんかんまたは痙攣性障害、幼児期障害、認知障害、神経変性、神経毒症状および虚血の群から選択される中枢神経系障害である、請求項17および18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
前記中枢神経系障害が、広場恐怖症、全般性不安障害(GAD)、強迫観念性障害(OCD)、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、対人恐怖およびその他の恐怖症の群から選択される不安障害である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記中枢神経系障害が、統合失調症、妄想性障害、統合失調性感情障害、統合失調症様障害および物質誘発性精神障害の群から選択される精神障害である、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
前記中枢神経系障害が、強迫性人格障害および分裂性統合失調型障害の群から選択される人格障害である請求項19に記載の使用。
【請求項23】
前記中枢神経系障害が、アルコール乱用、アルコール依存症、アルコール禁断症状、アルコール禁断譫妄、アルコール誘発性精神障害、アンフェタミン依存症、アンフェタミン禁断症状、コカイン依存症、コカイン禁断症状、ニコチン依存症、ニコチン禁断症状、オピオイド依存症およびオピオイド禁断症状の群から選択される化学物質関連障害である、請求項19に記載の使用。
【請求項24】
前記中枢神経系障害が、神経性食欲不振症および神経性過食症の群から選択される摂食障害である請求項19に記載の使用。
【請求項25】
前記中枢神経系障害が、双極性障害(IおよびII)、気分循環性障害、うつ病、気分変調性障害、大うつ病性障害および物質誘発性気分障害の群から選択される気分障害である請求項19に記載の使用。
【請求項26】
前記中枢神経系障害が、片頭痛である請求項19に記載の使用。
【請求項27】
中枢神経系障害が、非痙攣性全般てんかん、痙攣性全般てんかん、小発作性てんかん重積、大発作性てんかん重積、意識障害を伴うか伴わない部分てんかん、幼児けいれん、部分持続てんかん、およびその他の形態のてんかんの群から選択されるてんかんまたは痙攣性の障害である請求項19に記載の使用。
【請求項28】
前記幼児期障害が、注意欠陥/多動性障害である請求項19に記載の使用。
【請求項29】
前記中枢神経系障害が、譫妄、物質誘発持続性譫妄、認知症、HIV疾患による認知症、ハンチントン病による認知症、パーキンソン病による認知症、アルツハイマー型認知症、物質誘発持続性認知症および軽度認知障害の群から選択される認知障害である、請求項19に記載の使用。
【請求項30】
前記中枢神経系障害が、不安症、統合失調症、片頭痛、うつ病、およびてんかんの群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項31】
mGluR2ポジティブアロステリックモジュレーターが、約1μM以下のED50を有する、請求項17から30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
mGluR2レセプターをイメージングするためのトレーサーを調製するための請求項1から14に記載の化合物の使用。
【請求項33】
ヒトを含む哺乳動物の請求項17から30のいずれかに挙げた状態を治療または予防するための薬物を製造するための、mGluR2のオルトステリックアゴニストと組み合わせた請求項1から14のいずれかに記載の化合物の使用であって、その治療および予防が、mGluR2アロステリックモジュレーターの神経調節効果により影響されるか促進されることを特徴とするその使用。

【公表番号】特表2009−530248(P2009−530248A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558820(P2008−558820)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052442
【国際公開番号】WO2007/104783
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(508278538)オルソー−マクニール−ジャンセン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド. (9)
【出願人】(507088783)アデックス ファーマ エス エー (14)
【Fターム(参考)】