説明

1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩

【課題】PI3K−AKT経路及びRas−Raf−MEK−ERK経路の少なくとも一方の経路に対し優れた阻害活性を有する化合物を提供する。
【解決手段】一般式[1](式中、R、R、R、R及びRは、水素原子又は−L−Z(式中、Zは、非芳香族複素環基などを;Lは、単結合などを示す。)などを、Rは、−L−Zなどを、R及びRは、水素原子などを、Qは、酸素原子などを示す。)で表される1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩は、PI3K−AKT経路及びRas−Raf−MEK−ERK経路に対し、優れた阻害活性を有し、PI3K−AKT経路及びRas−Raf−MEK−ERK経路が関与する疾患の予防又は治療などの処置に有用である。




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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[1]
【化1】


(式中、
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−SR
−N(R
−S(=O)
−C(=O)R
−C(=NR)R
−C(=N−OR)R
−S(=O)N(R
−C(=O)N(R
−C(=O)OR
−S(=O)OR
−C(=NR)N(R
−C(=NR)OR
−NRS(=O)
−NRC(=O)R
−NRC(=NR)R
−OC(=O)R
−OC(=NR)R
−OS(=O)
−NRC(=O)N(R
−NRC(=S)N(R
−NRC(=O)OR
−OC(=O)N(R若しくは
−L−Z
(式中、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
nは、
1又は2を;
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
Lは、
炭素原子、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種と水素原子とを含む2価の連結基又は
単結合を示す。)で表される1価の基を示し、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−L−Z(式中、L及びZは、前記と同様な意味を有する。)で表される1価の基を示す)を示し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基又は
置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
Qは、
酸素原子、
硫黄原子又は
水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基若しくは置換されてもよいC2−6アルキニル基を有する窒素原子を示す。
但し、以下の化合物A1〜A16を除く。)で表される1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【化2】

【請求項2】
、R、R及びRが、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
−OR
(式中、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基;
が、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−N(R
−C(=O)R
−C(=O)N(R
−NRC(=O)R若しくは
−Z
(式中、
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
は、それぞれ独立に、前記と同様の意味を有する。)で表される1価の基;
が、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−L−Z(式中、
は、
−S(O)N(R)−(式中、Rは、前記と同様の意味を有する。)若しくは
−C(=O)−で表される基又は
単結合を;Zは、前記と同様の意味を有する。)で表される1価の基を;
及びRが、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基;
Qが、
酸素原子又は
硫黄原子;
但し、Rが、エチル基、シクロプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基又は4−フェニルブチル基である場合、Rは、置換されてもよい非芳香族複素環基、置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基で置換されるヘテロアリール基又は置換されてもよい非芳香族複素環式C1−6アルキル基で置換されるヘテロアリール基
である、請求項1に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項3】
、R、R、R及びRが、水素原子;
が、水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいC1−3アルキル基又は−OR
(式中、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基
である、請求項1又は2に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項4】
が、
−NH(R9a)又は
−Za
(式中、
9aは、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
aは、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項5】
が、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
−Z(式中、
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項6】
が、置換されてもよいピラゾール基;
が、C5−8シクロアルキル基
である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項7】
Qが、酸素原子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩。
【請求項8】
一般式[1]
【化3】


(式中、
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−SR
−N(R
−S(=O)
−C(=O)R
−C(=NR)R
−C(=N−OR)R
−S(=O)N(R
−C(=O)N(R
−C(=O)OR
−S(=O)OR
−C(=NR)N(R
−C(=NR)OR
−NRS(=O)
−NRC(=O)R
−NRC(=NR)R
−OC(=O)R
−OC(=NR)R
−OS(=O)
−NRC(=O)N(R
−NRC(=S)N(R
−NRC(=O)OR
−OC(=O)N(R若しくは
−L−Z
(式中、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
nは、
1又は2を;
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
Lは、
炭素原子、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種と水素原子とを含む2価の連結基又は
単結合を示す。)で表される1価の基を示し、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−L−Z(式中、L及びZは、前記と同様な意味を有する。)で表される1価の基を示す)を示し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基又は
置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
Qは、
酸素原子、
硫黄原子又は
水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基若しくは置換されてもよいC2−6アルキニル基を有する窒素原子を示す。)で表される1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項9】
、R、R及びRが、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
−OR
(式中、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基;
が、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−N(R
−C(=O)R
−C(=O)N(R
−NRC(=O)R若しくは
−Z
(式中、
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
は、それぞれ独立に、前記と同様の意味を有する。)で表される1価の基;
が、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−L−Z(式中、
は、
−S(O)N(R)−(式中、Rは、前記と同様の意味を有する。)若しくは
−C(=O)−で表される基又は
単結合を;Zは、前記と同様の意味を有する。)で表される1価の基を;
及びRが、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基;
Qが、
酸素原子又は
硫黄原子
である、請求項8に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項10】
、R、R、R及びRが、水素原子;
が、水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいC1−3アルキル基又は−OR
(式中、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基
である、請求項8に記載の又は9に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項11】
が、
−NH(R9a)又は
−Za
(式中、
9aは、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
aは、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項12】
が、
置換されてもよいC1−6アルキル基又は
−Z(式中、
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項13】
が、置換されてもよいピラゾール基;
が、C5−8シクロアルキル基
である、請求項8〜12のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項14】
Qが、酸素原子である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有するPI3K阻害剤。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の1,5−ナフチリジン誘導体又はその塩を含有する悪性腫瘍の処置剤。
【請求項17】
治療上有効量の請求項8〜14のいずれか一項に記載のPI3K阻害剤をヒトに投与することを特徴とする、ヒトにおいてPI3Kを阻害する方法。
【請求項18】
一般式[2]
【化4】


(式中、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−SR
−N(R
−S(=O)
−C(=O)R
−C(=NR)R
−C(=N−OR)R
−S(=O)N(R
−C(=O)N(R
−C(=O)OR
−S(=O)OR
−C(=NR)N(R
−C(=NR)OR
−NRS(=O)
−NRC(=O)R
−NRC(=NR)R
−OC(=O)R
−OC(=NR)R
−OS(=O)
−NRC(=O)N(R
−NRC(=S)N(R
−NRC(=O)OR
−OC(=O)N(R若しくは
−L−Z
(式中、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
nは、
1又は2を;
Zは、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を;
Lは、
炭素原子、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種と水素原子とを含む2価の連結基又は
単結合を示す。)で表される1価の基を示し、
は、
ハロゲン原子、
置換されてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基又は
置換されてもよいアリールスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物を一般式[3]
【化5】


(式中、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC2−6アルケニル基、
置換されてもよいC2−6アルキニル基又は
−OR
−SR
−N(R
−S(=O)
−C(=O)R
−C(=NR)R
−C(=N−OR)R
−S(=O)N(R
−C(=O)N(R
−C(=O)OR
−S(=O)OR
−C(=NR)N(R
−C(=NR)OR
−NRS(=O)
−NRC(=O)R
−NRC(=NR)R
−OC(=O)R
−OC(=NR)R
−OS(=O)
−NRC(=O)N(R
−NRC(=S)N(R
−NRC(=O)OR
−OC(=O)N(R若しくは
−L−Z
(式中、R、L、Z及びnは、前記と同様な意味を有する。)で表される1価の基を示し、
10は、カルボキシル保護基を示す。)で表される化合物と反応させ、一般式[4]
【化6】


(式中、R、R、R及びRは、前記と同様な意味を有する。)で表される化合物を得た後、一般式[4]で表される化合物をハロゲン化剤、スルホン酸無水物又はスルホン酸ハロゲン化物と反応させ、一般式[5]
【化6】


(式中、Xは、ハロゲン原子、置換されてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基又は置換されてもよいアリールスルホニルオキシ基を;R、R、R及びRは、前記と同様な意味を有する。)で表される化合物を得た後、一般式[5]で表される化合物を臭素化剤と反応させることを特徴とする、一般式[6]
【化7】


(式中、R、R、R、R及びXは、前記と同様な意味を有する。)で表される化合物の製造法。
【請求項19】
が、ハロゲン原子;
が、ハロゲン原子
である、請求項18に記載の製造法。
【請求項20】
、R及びRが、水素原子;
が、水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいC1−3アルキル基又は−OR
(式中、
は、
水素原子、
置換されてもよいC1−6アルキル基、
置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、
置換されてもよい非芳香族複素環基、
置換されてもよいアリール基又は
置換されてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される1価の基;
である、請求項18又は19に記載の製造法。

【公開番号】特開2013−49669(P2013−49669A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167339(P2012−167339)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】