説明

1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサンの結晶形態

1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサンの新規な結晶形態および多形形態は有利な特性を有し、医薬および皮膚用組成物において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサンの結晶形態および/または多形形態(特にそのジカルボン酸形態)、それらの製造法、それらの使用およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
細胞接着分子が関与する機能は血流から周囲の組織への循環白血球(白血球)の遊走(血管外遊出)を引き起こす複雑なカスケードの一部である。生理学的に、白血球の血管外遊出はヒトを含む生物の恒常性および免疫監視において非常に重要である。例えば、リンパ球は構成的に血流からリンパ組織に移行して有害な抗原を監視する。しかしながら、病的な状況下、例えば血管系の局所もしくは全身性炎症および/または損傷において、この基本的な過程は接着分子E−およびP−セレクチンの表面発現の増加により少なくとも部分的に無調節になる。その結果、過剰の白血球の血管外遊出は病的な細胞浸潤を引き起こし、続いて幾つかの臨床的に関連する環境で組織損傷をもたらす。
【0003】
急性肺損傷(ALI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、気管支喘息(喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、関節リウマチおよび敗血症のような疾患状態はすべて各組織に浸潤する病理学的に活性化した白血球により誘発され、持続される組織炎症と関係がある。さらに、過度の白血球浸潤は臓器移植、心肺バイパス手術または経皮経管的血管形成術と関連している虚血再潅流障害(IRI)の原因に寄与する。
【0004】
浸出させるために、白血球は血管内皮と結合して最後に周囲の組織に移動しなければならない。したがって、白血球は内皮に付着し、その上でロールする必要がある(連結およびローリング)。この血管外遊出の初期事象は細胞接着分子のセレクチンファミリーが関与する。内皮と直接結合する他に、白血球は内皮とすでに結合している他の白血球、白血球粒子、血小板または血小板由来の粒子に付着することができる。
【0005】
白血球およびセレクチンの相互作用が関与するローリングおよび結合の他に、セレクチンとの結合はシグナル伝達もまた引き起こす(非特許文献1)。セレクチンと結合する小分子もまた同様にシグナル伝達を誘発することが証明されている(非特許文献2)。
【0006】
さらに、セレクチンは肺の白血球の保持にも関与する(非特許文献3)。
【0007】
接着分子のセレクチンファミリーは3種の構造的に関連するカルシウム依存性炭水化物に結合する細胞表面タンパク質E−、P−およびL−セレクチンからなる。E−セレクチンは炎症を起こした内皮で発現し、P−セレクチンは炎症を起こした内皮と血小板で発現し、そしてL−セレクチンは白血球で発現する。セレクチンはアミノ末端レクチン領域、上皮成長因子(EGF)様領域、様々な数の補体受容体に関連する反復配列、疎水性膜貫通領域およびC−末端細胞質領域で構成される。白血球の接着をもたらす結合相互作用は白血球の表面上におけるセレクチンのレクチン領域と様々な炭水化物リガンドの接触が関与すると考えられる。すべてのこれらのセレクチンは殆んどの白血球の表面に存在するグリコシル部分である炭水化物シアリルLewis X(sLex)と低親和性で結合することができる。構造的に関連するグリコシル部分、シアリルLewis a(sLea)はガン細胞の表面上に多く存在する(非特許文献4、5)。P−セレクチンの場合、特異的な高親和性の糖タンパク質リガンドが開示されており(非特許文献6)、いわゆるP−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)はそのsLex部分とそのペプチド成分の一部、特に硫酸化チロシン残基により高親和性のセレクチン結合に寄与する(非特許文献7)。
【0008】
PSGL−Iは最も高い親和性でP−セレクチンと結合する最も重要なセレクチンリガンドの1つであるが、E−およびL−セレクチンとも結合する(非特許文献8)。それは主に白血球で発現するホモ二量体型シアロムチンである。炎症性疾患において、無調節の血管外遊出はE−およびP−セレクチンの細胞表面発現の増大により少なくとも部分的に関与する。それらの低い基本的発現とは対照的に、E−およびP−セレクチンの発現は炎症中に上方に調節され、炎症組織への白血球の実質的な動員をもたらす。セレクチンが関与する細胞接着は感染と戦うのに必要であるが、そのような細胞接着が望ましくない、または過剰である様々な状況が存在し、修復の代りに重度の組織損傷をもたらす。多くの急性および慢性の炎症性疾患(例えば喘息、COPD、乾癬など)の場合、相当する接着分子、特にE−およびP−セレクチンの組織発現の著しい増加と同時に起こる活性化した白血球の組織への浸潤の関連性が明らかにされている(非特許文献9、10、11)。
【0009】
白血球の浸潤はまた、移植および移植拒絶の過程で炎症性症状に関与する。また、血液凝固の過程はさらに白血球−白血球および白血球−血小板の結合により促進され、それは白血球がL−セレクチンおよびその相当するリガンドのP−糖タンパク質リガンド−1(PSGL−I)の両方を有するため起こり、PSGL−Iを通して相互作用することができ、またP−セレクチンを有する血小板と結合することができる。
【0010】
さらに、セレクチンは皮膚の老化を引き起こす微小炎症過程に関与する(非特許文献12)。皮膚に対する内因性および外因性要因の効果による皮膚の老化の兆候はしわや小じわの外観、色素沈着によるシミの外観と共にしわくちゃな外観をもたらす皮膚の黄変、一般に角質層と表皮の肥厚および真皮の菲薄化をもたらす皮膚の厚さの変化、弾力性、柔軟性および堅さの損失を引き起こすエラスチンおよびコラーゲン繊維の崩壊、並びに毛細血管拡張症の外観を特徴とする。
【0011】
これらの兆候の幾つかは特に内因性または生理的老化、すなわち加齢による“正常な”老化と関係があり、一方、外因性老化、すなわち一般の環境により引き起こされる老化に特有なものもあり、そのような老化は特に日光、人工的な光源または他の放射線に対する暴露による光老化である。皮膚の老化を引き起こす他の要因は大気汚染、創傷、感染症、外傷性傷害、酸素欠乏、タバコの煙、ホルモン状態、神経ペプチド、電磁場、重力、ライフスタイル(例えば過度の飲酒)、同じ表情の繰り返し、寝るときの体勢および心理的ストレス因子である。皮膚の老化の内因性および外因性要因は共通の機構を共有する(非特許文献13)。これらの要因はセレクチンが関与する微小炎症サイクルを誘発する。
【0012】
炎症性または微小炎症性の疾患が関与する様々な兆候または症状の治療、予防および/または診断において新規な非常に強い抗炎症性および抗微小炎症性化合物として強力な薬剤、化粧品(スキンケア用品を含む)および皮膚用薬剤が必要とされている。
【0013】
市場に出ている殆どの使用可能な坑炎症療法薬は幾つかの深刻な欠点/副作用を有するコルチコステロイドまたはNSAID(非ステロイド系坑炎症剤)からなり、炎症カスケードの種々の工程を標的にする。とりわけ皮膚の老化を予防または治療することを目的としている様々な化粧品および皮膚用薬剤組成物(スキンケア用品を含む)が知られている。しかしながら、これらの化合物は使用者にとって不快なチクチクする感じや発赤の副作用もある。したがって、少なくとも既知化合物と同程度に有効であり、それらの欠点を示さないアンチエイジング剤がまだ必要とされる。
【0014】
炎症性または微小炎症性の兆候または症状を治療、予防または診断するための確立された方法と違って、セレクチン機能を調節することは微小炎症/炎症カスケードに非常に早い段階で介在するという新しい概念であり、そして炎症性または微小炎症性の兆候または症状を本発明に従って治療、予防および/または診断することは他の方法で知られている欠点のない方法を示す。
【0015】
化合物1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシル−オキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)は例えば特許文献1、2、3;非特許文献14、15に開示されており、それらは参照により本明細書に加入される。式Iの化合物は幾つかの有用な薬理学的特性を有する。それはpan−セレクチン拮抗薬として作用し、白血球の血管外遊出を阻害する。白血球の血管外遊出は殆んどの炎症性疾患または症状の発症において重要な段階であるため、式(I)の化合物は様々な炎症性および微小炎症性の兆候および症状において開発される機会がある。式(I)の化合物は炎症性疾患の予防、治療および診断、さらに微小炎症性症状が関与する美容的および皮膚的症状の治療および予防に使用することができる。
【化1】

【0016】
式(I)の化合物はまた、細胞−細胞接着と関係がある他の疾患を治療するために投与することができる。式(I)の化合物はE−セレクチンまたはP−セレクチンまたはL−セレクチンの結合を調節するため、この相互作用に関連する疾患は潜在的にこの結合の相互作用を調節することにより治療することができる。
【0017】
式(I)の化合物はまた、例えば肺および結腸ガンを含む種々のガンの治療、診断および予防において有用である。さらに、式(I)の化合物は例えば肺疾患のようにセレクチンが介在する白血球の保持が関与する疾患または症状の治療、診断および予防に使用することができる(非特許文献3)。
【0018】
式(I)の化合物およびその生理学的に許容される塩は様々な炎症性または微小炎症性の疾患または症状を予防、治療および診断するための活性製薬成分(API)として適している。このために式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容される塩は好ましくはそれらの組成物に合わせた医薬製剤の形態および特定の症例において要求される薬効に合わせた投与形態で使用される。
【0019】
例えば、それは(1)錠剤(例えば圧縮錠、多層錠、糖衣錠、フィルムコート錠、腸溶性錠剤、チュアブル錠、遅延放出錠剤、持続放出錠剤、舌下錠、口腔錠または発泡錠)またはカプセル剤(例えば硬カプセル剤または軟ゼラチンカプセル剤)のような固体製剤の形態、(2)経口液剤、乳剤および懸濁剤、非経口液剤、例えば凍結乾燥粉末やすぐに使用できる注射剤を含む注射剤および注入剤、または点眼剤のような液体製剤の形態、あるいは(3)軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤またはマイクロエマルジョン製剤のような局所投与用半固体製剤の形態で使用することができる。
【0020】
さらに、リポソームおよび関連する形態、ミセル溶液、ミクロスフェア、ナノ粒子または治療システム、例えば経皮治療システム、インプラントまたはポンプ、吸入投与形態、生分解性または生体内分解性ポリマー系、外科用または食用フォーム、軟ゲルまたはヒドロゲル、マイクロスポンジのような特殊な製剤もまた可能な投与形態である。
【0021】
さらに、式(I)の化合物は外因性および内因性要因により生じる皮膚の老化を治療するために使用することができる。皮膚の老化の兆候はしわや小じわの外観、色素沈着によるシミの外観と共にしわくちゃな外観をもたらす皮膚の黄変、一般に角質層と表皮の肥厚および真皮の菲薄化をもたらす皮膚の厚さの変化、弾力性、柔軟性および堅さの損失を引き起こすエラスチンおよびコラーゲン繊維の崩壊、並びに毛細血管拡張症の外観を特徴とする。
【0022】
驚くべきことに、式(I)の化合物は特に反応条件および/または結晶化条件の調整により製造することができ、それらの物理化学的特性が異なる多くの様々な結晶変態で存在できることがわかった。これらの結晶変態は例えばそれらの溶解度、溶解速度または製剤過程中における挙動が異なり、単一の親化合物から出発して様々な特性プロファイルを有する医薬製剤の製造を可能にする。
【0023】
本明細書で開示される結晶形態は以前に開示されている式(I)の化合物の固体形態とは異なる。公表された説明によれば、式(I)の化合物は115〜117℃の融点を有する白色の固体として単離されており特許文献1又は非特許文献16、下記で示される融点と比べて異なる物理化学的特性を有する様々な固体形態を示している。本発明において、「多形」なる用語は真の多形、非晶質形態、多形および疑似多形の混合物、例えば水和物および溶媒和物を説明するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】US 5 919 768
【特許文献2】US 5 712 387
【特許文献3】EP−A 0 840 606
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】E. Crockett−Torabi, J. Leukocyte Biol, 1998, 63, 1−14.
【非特許文献2】B. Brenner et al, PNAS 1996, 93, 15376−15381.
【非特許文献3】D. Bock et al., Curr. Respir. Med. Rev., 2006, 2, 339−354.
【非特許文献4】K. Okazaki et al., J. Surg. Res., 1998, 78(1), 78−84.
【非特許文献5】R. P. McEver et al., Glycoconjugate Journal, 1997, 14(5), 585−591.
【非特許文献6】R.P. McEver, R.D. Cummings, J.Clin.Invest., 1997, 100, 485−492.
【非特許文献7】R.P. McEver, Ernst Schering Res. Found. Workshop, 2004, 44, 137−147.
【非特許文献8】G. Constantin; Drug News Perspect; 2004; 17(9); 579−586.
【非特許文献9】Muller et al., J. Pathol, 2002, 198(2), 270−275.
【非特許文献10】Di Stefano et al., Am. J. Respir. Crit. Care. Med., 1994, 149(3) 803−810.
【非特許文献11】Terajima et al., Arch. Dermatol. Res., 1998, 290, 246−252.
【非特許文献12】P. U. Giacomoni et al., Micron 2004, 35, 179−184.
【非特許文献13】P. U. Giacomoni et al., Biogerontology 2004, 2, 219−229.
【非特許文献14】I. Scott et al., Carbohydrate Research 317 (1−4), 1999, 210−216.
【非特許文献15】T. Kogan et al., J. Medicinal Chemistry 41(7), 1998, 1099−1111.
【非特許文献16】T.P. Kogan et al, J. Med. Chem. 1998, 41, 1099−1111.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6の多形群から選択された式(I)の化合物の多形に関する。本発明はまた、形態1で構成され、さらにCuKα1(Cupric Kα1)に基づいて次の回折角(2θ):約4.8°に(強いピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形に関する。表示したX線回折データは透過型のStoe粉末X線回折装置・P型(STOE & Cie社製;ドイツ・ダルムシュタット)において結晶粉末から得られた。測定の幾つかはCuKα1放射線(40kV、40mA)を使用するSiemens D5000回折計において行なった。表示したX線反射の回折角2θおよび表示した相対反射強度は0.5°の倍数に丸めた値である。
【0027】
本明細書において最大反射強度の50%より大きい丸めた相対強度を有するX線反射を強いX線反射とみなす。最大反射強度の15%以上50%以下の丸めた相対強度を有するX線反射を中程度の強さのX線反射とみなす。最大反射強度の25%より大きく50%以下の丸めた相対強度を有するX線反射をより強い中程度のX線反射とみなす。
【0028】
形態2で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約17.4°(強いピーク)および約15.1°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形もまた本発明の対象である。
【0029】
本発明の他の態様は形態3で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約4.2°(中程度のピーク)、約4.3°(中程度のピーク)および約4.8°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0030】
本発明の他の態様は形態4で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約16.8°(強いピーク)、約26.5°(強いピーク)、約19.7°(より強い中程度のピーク)および約21.5°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0031】
本発明の他の態様は形態5で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.2°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約21.4°(強いピーク)、約16.5°(より強い中程度のピーク)、約18.7°(より強い中程度のピーク)、約20.0°(より強い中程度のピーク)および約20.6°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0032】
本発明の他の態様は形態6で構成され、さらにこの非晶質形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):19.6°(1個の幅広いピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする多形である。
【0033】
本発明の他の態様は形態1で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約4.8°(強いピーク)、約16.6°(中程度のピーク)および約16.8°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0034】
本発明の他の態様は形態2で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約17.4°(強いピーク)、約9.9°(中程度のピーク)、約10.3°(中程度のピーク)、約13.8°(中程度のピーク)、約15.0°(中程度のピーク)、約16.3°(中程度のピーク)、約16.6°(中程度のピーク)、約18.7°(中程度のピーク)、約19.1°(中程度のピーク)、約19.2°(中程度のピーク)、約19.8°(中程度のピーク)、約20.1°(中程度のピーク)、約20.4°(中程度のピーク)、約20.7°(中程度のピーク)、約21.5°(中程度のピーク)、約24.3°(中程度のピーク)、約24.8°(中程度のピーク)、約25.5°(中程度のピーク)および約26.5°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0035】
本発明の他の態様は形態3で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約4.2°(中程度のピーク)、約4.8°(中程度のピーク)、約7.2°(中程度のピーク)、約9.9°(中程度のピーク)、約10.3°(中程度のピーク)、約10.6°(中程度のピーク)、約11.7°(中程度のピーク)、約13.8°(中程度のピーク)、約15.1°(中程度のピーク)、約16.3°(中程度のピーク)、約16.6°(中程度のピーク)、約16.9°(中程度のピーク)、約17.4°(中程度のピーク)、約18.8°(中程度のピーク)、約19.1°(中程度のピーク)、約19.3°(中程度のピーク)、約19.8°(中程度のピーク)、約20.0°(中程度のピーク)、約20.1°(中程度のピーク)、約20.4°(中程度のピーク)、約20.7°(中程度のピーク)、約21.5°(中程度のピーク)、約24.3°(中程度のピーク)、約24.8°(中程度のピーク)、約25.5°(中程度のピーク)および約26.5°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0036】
本発明の他の態様は形態4で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約4.3°(強いピーク)、約16.8°(強いピーク)、約26.5°(強いピーク)、約11.7°(より強い中程度のピーク)、約18.2°(より強い中程度のピーク)、約19.7°(より強い中程度のピーク)および約21.5°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0037】
本発明の他の態様は形態5で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.2°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約21.4°(強いピーク)、約10.2°(より強い中程度のピーク)、約16.5°(より強い中程度のピーク)、約17.3°(より強い中程度のピーク)、約18.7°(より強い中程度のピーク)、約20.0°(より強い中程度のピーク)、約20.6°(より強い中程度のピーク)、約23.4°(より強い中程度のピーク)および約23.6°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする結晶多形である。
【0038】
本発明の特定の対象は実質的に図1と一致するX線粉末回折パターンを与える結晶多形である。
【0039】
実質的に図2と一致するX線粉末回折パターンを与える結晶多形もまた本発明の対象である 。
【0040】
本発明の他の対象は実質的に図3と一致するX線粉末回折パターンを与える結晶多形である。
【0041】
本発明の他の対象は実質的に図4と一致するX線粉末回折パターンを与える結晶多形である。
【0042】
本発明の他の対象は実質的に図5と一致するX線粉末回折パターンを与える結晶多形である。
【0043】
本発明の他の対象は実質的に図6と一致するX線粉末回折パターンを与える非晶質多形である。
【0044】
2つのX線粉末回折パターン図は通常、両方の回折パターンの強度および中程度の反射が同一であるか、または最大2θ±0.2°の範囲内で2θ角を示す場合、実質的に一致している。
【0045】
形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6をさらに特性付けするのに役立つX線回折図に関する詳細は下記で説明する。
【0046】
表示した条件下で得られるX線回折図を図1〜6に示す。これらの図において、回折角2θ(°)を横座標にプロットし、相対強度(%)を縦座標にプロットする。
【0047】
式(I)の化合物の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6はすべて白色の固体であり、非常にろ過性である。
【0048】
本発明の形態1は白色の粉末であり、そのため水または界面活性剤のような幾つかの媒質に対する溶解度は良好であり(例えばマイクロエマルジョンの製造)、または粉末吸入に適している。一方、本発明の形態2および形態3は白色の自由流動性固体であり、そのため製造工程中の取り扱いは容易であり、あるいは薬剤、スキンケア用品、化粧品または皮膚用製品に加工処理するのに適している。固体は保存に関して通常の温度で、さらに中位から高い大気湿度で安定である。
【0049】
結晶変態に応じて、それらは薬剤に関連する特性、例えば水に対する溶解度が異なる。したがって、それらは特に医薬製剤に使用するのに、特に例えば非経口投与用の固体、半固体または液体製剤の製造だけでなく、経口的または局所的に投与される薬用投与形態の製造にも有利に適している。
【0050】
本発明は溶媒を含まない形態および溶媒和物、例えば水和物、あるいはイソプロパノールまたはエタノールのようなアルコールとの付加物の形態の式(I)の化合物の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6を含む。
【0051】
形態1で構成され、3404cm-1、2931cm-1、1707cm-1、1500cm-1、1479cm-1、1245cm-1、1228cm-1、1136cm-1、1095cm-1、1050cm-1、818cm-1、801cm-1および690cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える結晶多形もまた本発明の対象である。
【0052】
本発明はまた、形態2で構成され、3246cm-1、2933cm-1、1728cm-1、1478cm-1、1226cm-1、1066cm-1、1017cm-1、982cm-1、800cm-1、686cm-1および605cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える結晶多形に関する。
【0053】
本発明はまた、形態6で構成され、3387cm-1、2928cm-1、2855cm-1、1710cm-1、1607cm-1、1478cm-1、1223cm-1、1115cm-1、977cm-1、890cm-1、797cm-1および703cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える非晶質多形に関する。
【0054】
形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の多形の薬理学的特性、並びに疾患の治療、診断および/または予防におけるそれらの利用可能性は同じではない。
【0055】
しかしながら、これらの物質が溶解した形態で血液(循環)、リンパ系、標的器官または標的細胞に同じ濃度で存在する場合、それらは固体の元の形態と無関係に同じ特性を有する傾向がある。したがって、これらの多形はとりわけUS 5 919 768、US 5 712 387およびEP−A 0 840 606に記載のような相当する特性を有する。
【0056】
その中に記載されている式(I)の化合物と同様に、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および非晶質形態6のような式(I)の化合物の多形はセレクチンの作用を調節する。
【0057】
形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6の作用は例えばUS 5 919 768、US 5 712 387またはEP−A 0 840 606に記載されている病態モデルにおいて調査することができる。結晶形態の活性は従来技術で知られている他の方法を使用して示すこともできる。
【0058】
本発明はまた、医薬組成物の製造における式(I)の化合物の結晶多形の使用に関する。溶解度の差に応じて、多形形態は種々の製剤を与えることができる。式(I)の化合物の結晶多形の使用量は医薬組成物を使用して所望の結果を達成するのに必要な量に相当する。
【0059】
その量は大幅に変えることができる。それは使用される誘導体、適用される個体およびこの適用の回数に依存する。本発明の医薬組成物において一桁分を提供するために、一般に式(I)の化合物の結晶多形は0.001〜40質量%、好ましくは0.005〜30質量%、より好ましくは0.01〜20質量%の量で投与することができるが、医薬製剤の性質に応じてその含有量は例えば40質量%より高くてもよい。
【0060】
形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および/または形態6のような式(I)の化合物の多形および少なくとも1種の他の薬学的に許容しうる成分を含有する医薬組成物もまた本発明の対象である。
【0061】
医薬組成物は例えば式(I)の化合物の多形、例えば形態1および薬学的に許容しうる成分、または形態2および薬学的に許容しうる成分、または形態3および薬学的に許容しうる成分を、あるいは例えば形態1および2、または形態1および3、または形態2および3のような2種の本発明の結晶多形をそれぞれ薬学的に許容しうる成分と一緒に含有する。
【0062】
医薬組成物は当業者に知られている標準法を使用して製造することができる。このために、1種またはそれ以上の本発明の式(I)の化合物の多形は1種またはそれ以上の薬剤成分と一緒に適当な投与形態にされる。
【0063】
本発明の医薬組成物は例えば注射剤として、固体または液体形態で経口投与用として、経直腸または局所投与用等として1種またはそれ以上の式(I)の化合物の多形を1種またはそれ以上の生理学的に許容しうる担体、補助剤またはビヒクル(本明細書ではこれらをまとめて成分と呼ぶ)と一緒に製剤化したものを包含する。
【0064】
本組成物は例えばヒトおよび動物に経口的、経直腸的、非経口的(静脈内的、筋肉内的または皮下的)、嚢内的、膣内的、腹腔内的、局所的(散剤、軟膏剤または点滴剤)、または口腔的に、または吸入により(ネブライザーで、または鼻腔用スプレーとして)投与することができる。
【0065】
注射剤として適した組成物は滅菌した生理学的に許容しうる水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液および無菌の注射可能な溶液または懸濁液に再構成される滅菌粉末からなる。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの適当な混合物、植物油(例えばオリーブ油または菜種油)および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。適切な流動性は例えばレシチンのようなコーティングを使用して、分散液の場合は必要な粒度を維持して、また界面活性剤を使用して維持することができる。
【0066】
これらの組成物は保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のような補助剤を含有することもできる。微生物の作用は様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などにより確実に防止することができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含有することもまた望ましい。注射剤の持続的吸収は吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0067】
必要に応じて、より有効な分布のために、式(I)の化合物の結晶多形をポリマーマトリックス、リポソームおよびミクロスフェアのような徐放性もしくは持続放出または標的化デリバリーシステムに組み込むことができる。それらは例えば細菌を保持するフィルターを通してろ過することにより、あるいは滅菌水または使用する直前に他の注射用滅菌媒質の形態で滅菌剤を加えることにより滅菌することができる。
【0068】
経口投与用固体投与形態にはカプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤がある。 そのような固体投与形態において、活性化合物は少なくとも1種の不活性な慣用の賦形剤(または担体)、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムまたは(a)充填剤または増量剤、例えばスターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴム、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたは タピオカスターチ、アルギン酸、特定のケイ酸塩複合体および炭酸ナトリウム、(e) 溶解抑制剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイト、並びに(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投与形態は緩衝剤を含有してもよい。
【0069】
同じタイプの固体組成物はラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して軟質および硬質ゼラチンカプセルのフィラーとして利用することもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤のような固体投与形態はコーティング剤およびシェル、例えば腸溶性コーティング剤および他の当該技術分野で周知のものを使用して製造することができる。それらは乳白剤を含有することができ、さらに活性化合物または化合物を腸管の特定部位に遅らせて放出するような組成物であってよい。使用することができる包埋組成物の例はポリマー物質およびワックスである。
【0070】
活性化合物は適切ならば1種またはそれ以上の上記賦形剤を使用してマイクロカプセル化した形態であってもよい。
【0071】
経口投与用液体投与形態には薬学的に許容しうる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤がある。活性な式(I)の化合物の結晶多形の他に、液体投与形態は当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、菜種油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合物などを含有することができる。
【0072】
このような不活性希釈剤の他に、本組成物は補助剤、例えば湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、芳香剤および香料を含有することもできる。
【0073】
懸濁剤は活性化合物の他に、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカントまたはこれらの物質の混合物などのような懸濁化剤を含有することができる。
【0074】
経直腸投与用組成物は好ましくは坐剤であり、本発明の化合物を適当な非刺激性賦形剤または担体、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスと混合することにより製造することができ、それらは常温では固体であるが体温では液体であり、そのため直腸腔または膣腔で溶けて活性な薬剤成分を放出する。
【0075】
本発明の化合物を局所投与するための投与形態には軟膏剤、散剤、スプレー剤および吸入剤がある。
【0076】
活性な薬剤成分は滅菌条件下で生理学的に許容しうる担体、さらに必要に応じて保存剤、緩衝剤または推進剤と混合される。眼科用製剤、眼軟膏剤、懸濁剤、散剤および液剤もまた本発明の範囲内に包含されることを意図される。
【0077】
本発明の式(I)の化合物の多形はリポソームの形態で投与することもできる。当該技術分野で知られているように、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは水性媒質中に分散された単膜または多重膜水和液晶により形成する。リポソームの形成が可能な非毒性の生理学的に許容しうる代謝性脂質を使用することができる。リポソーム形態の本発明の組成物は本発明のセレクチン結合阻害剤の他に、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい脂質は天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は当該技術分野で周知である。
【0078】
本発明の組成物における活性な薬剤成分の実際の投与量は特定の組成物および投与方法において所望の治療効果を達成するのに有効である活性な薬剤成分の量を得るために変えることができる。
【0079】
したがって、選択される投与量は所望の治療効果、投与経路、必要な治療期間および他の要因に依存する。単回または分割投与で患者に投与される本発明の化合物の総日用量は体重1kgあたり約0.3mg〜約50mgの範囲である。投与単位組成物は日用量を調合するために使用することができる総投与量の約数を含有することができる。しかしながら、ヒトであれ他の動物であれ特定の患者に対する特定の投与量は体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の時間および経路、吸収率、排泄率、他の薬物との併用、および治療する特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存する。
【0080】
形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および/または形態6のような少なくとも1種の式(I)の化合物の多形を含有する医薬組成物を使用して炎症性の疾患または症状を治療、診断および/または予防することができる。したがって、本発明の他の目的は炎症性疾患または症状の治療、診断および/または予防における形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の(結晶)多形を含有する医薬組成物の使用である。
【0081】
さらに、医薬組成物は他の活性な薬剤成分を含有することができる。したがって、本発明は形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の(結晶)多形および少なくとも1種の他の活性な薬剤成分を含有する医薬組成物に関する。
【0082】
使用することができる、好ましいがそれでも任意の活性な薬剤成分は薬物応用において一般的または好適であるすべての活性な薬剤成分である。
【0083】
可能な他の活性な薬剤成分の典型例は抗炎症活性を有する他の物質、例えば:
ヒスタミン受容体標的分子(例えば2−メチルヒスタミン、ジマプリット、イメチット、ケトフィフェン(ketofifen)、プロメタジン)、キニン調節剤、エイコサノイド合成の調節剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えばアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ピロキサム、ジフルニサル、セレコキシブ、アパゾン)、キサンチンオキシダーゼ標的分子(例えばアロプリノール)、
β2アドレナリン受容体標的分子(例えばアルブテロール、レバルブテロール、メタプロテレノール、テルブタリン、ピルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、フォルモテロール、アルフォルモテロール、カルモテロール、インダカテロール、サルブタモール、GSK−159797、GSK−685698、GSK−597901、GSK−159802、642444、678007、LAS−34273、LAS−35201、TD−5742)、ムスカリン性受容体調節剤(例えば臭化チオトロピウム、臭化イプラトロピウム、AD237)、ロイコトリエン受容体調節剤(例えばザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト)、LTB4調節剤(例えばLY293111、SB201146、BIIL315ZW)、LTB4合成の調節剤(例えばBAYxl005)、ロイコトリエン合成の調節剤(例えばジレウトン)、遺伝子組換え型モノクローナル抗IgE抗体(例えばオマリズマブ)、IL−1受容体調節剤、グルココルチコイド(例えばコルチゾール、コルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、フルオシノニド、フルオコルトロン、ジフルコルトロン−21−吉草酸エステル、シクレソニド、パルミチン酸ロレポニド(roleponide palmitate)、フランカルボン酸モメタゾン)、
PDE4調節剤(例えばシロミラスト、ロフルミラスト、BAY 19−8004、NVP−ABE 171)、IL−2転写の調節剤(例えばシクロスポリンA、タクロリスムス、シロリムス)、IL−2受容体調節剤(例えばバシリキシマブ、ダクリズマブ)、レチノイド酸受容体(RAR)の調節剤(例えばアシトレチン、タザロテン、アダパレン、Ro444753)、RXR調節剤(例えばベキサロテン)、CXCR2調節剤(例えばSB225002、SB265610)、CCR3調節剤(例えばRo1164875、Ro3202947)、ケモカイン受容体調節剤(例えばSB297006、SB238437、UCB35625)、サイトカイン調節剤(例えばSCH55700、インフィキシマブ(infiximab)、エタネルセプト、BION−1)、サイトカイン受容体調節剤(例えばアルトルシンセプト(altrucincept))、サイトカイン(例えばIL−IO、IL−12)、アデノシン受容体調節剤(例えばEPI2010、 CGS21680、 GW328267)、補体系調節剤(例えばC5a/C3a受容体拮抗薬)、ICAMファミリー調節剤、VCAM−1調節剤、PECAM−1調節剤、
インテグリン調節剤(例えばナタリズマブ、エファリズマブ)、TNF/TNF受容体の調節剤(例えばインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ)、TNF−α変換酵素(TACE)の調節剤(例えばPKF242−484、PKF241−466)、マトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)の調節剤(例えばPKF 242−484、PKF241−466、BAY15−7496、RS113456)、セリンプロテアーゼ調節剤(例えばZD0892)、エラスターゼ調節剤(例えばONO6818)、糖タンパク質調節剤(例えばインテグリリン)、JAMファミリー調節剤、MIF調節剤、信号経路の調節剤(例えばシロミラスト、ロフミラスト、シルデナフィル、ゲフィチニブ、エルロチニブ)、NF−kB経路の調節剤、P38分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路の調節剤(例えばSB203580、SB239063)、Jak/STAT経路の調節剤、
プロテインキナーゼ調節剤(例えばラパマイシン)、プロテアソーム/シグナロソームの調節剤(例えばベルケイド)、スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節剤(例えばFTY720)、IL−17経路の調節剤、Toll様受容体の調節剤、増殖剤活性化受容体(PPAR)(例えばロシグリタゾン)の調節剤、血小板活性化因子(PAF)経路の調節剤、5HT3調節剤(例えばオンダンセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン)、INF−γ調節剤、IL2Rα鎖の調節剤(例えばバシリキシマブ、ダクリズマブ)、CD3(T−細胞)の調節剤(例えばOKT3=ムロノマブ(muronomab) CD3)、グリコシル化調節剤、iNOS調節剤、
トリプターゼ調節剤(例えばAPC366、AMG−126737、MOL6131)、ATP−感受性カリウムチャンネル開口薬(例えばSDZ217−744、KCO912)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばGATA−3)、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、テオピリン(theopylline)、ポリフェノール(例えば没食子酸およびその誘導体、 エピカテキン、エピガロカテキン)、ビタミンD誘導体(例えばカルシトリオール、カルシポトリオール、タカルシトール)、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、ビタミンA誘導体(例えばトレチノイン、イソトレチノイン)、ジトラノール、アゼライン酸、ベンゾリパーオキシド(benzolyperoxide)、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、および5−アミノ−サリチル酸の誘導体(例えばスルファサラジン、オルサラジン)である。
【0084】
抗酸化剤が添加剤または活性な薬剤成分として使用される場合、考えられる他の有利な医薬組成物もまた得られる。本発明によれば、医薬組成物は1種またはそれ以上の抗酸化剤を含有することができる。使用することができる、好ましいがそれでも任意の抗酸化剤は薬物応用において一般的または好適であるすべての抗酸化剤、例えば:
アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カモシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびその誘導体、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル)およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチルメチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、
非常に低い耐量のスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、 ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノン、ユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、フェルリ酸およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤシン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体 (例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベン酸化物、トランス−スチルベン酸化物)、並びに本発明に適したこれらの列挙された活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0085】
本発明の他の態様は炎症性の疾患または症状の治療、診断および/または予防における形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の(結晶)多形および少なくとも1種の他の活性な薬剤成分を含有する医薬組成物の使用である。
【0086】
慢性の閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺障害(ALI)、心肺バイパス、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症性ショック、敗血症;乾癬、アトピー性皮膚炎および関節リウマチのような慢性の炎症性疾患;心臓発作、卒中、アテローム性動脈硬化症および臓器移植後に起こる再潅流傷害;外傷性ショック、多臓器不全、多発性硬化症のような自己免疫疾患、経皮経管的血管形成、喘息、炎症性腸疾患、クローン病、並びにsLeaが介在する細胞接着が関与するガンの転移を治療、診断および/または予防するための形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の(結晶)多形および少なくとも1種の他の薬学的に許容しうる成分を含有する医薬組成物、あるいは形態1、形態2、形態3、形態4、形態5または形態6のような式(I)の化合物の結晶多形、少なくとも1種の他の薬学的に許容しうる成分および少なくとも1種の他の活性な薬剤成分を含有する医薬組成物もまた本発明の対象である。
【0087】
それぞれの場合において、有効量の式(I)の化合物の多形がそのような治療の必要な患者に単独で、または薬学的に活性な組成物の一部として投与される。式Iの化合物の結晶変態と例えば他の抗炎症剤を併用してそのような投与の必要な患者に投与することもまた認められる。 式(I)の化合物の結晶多形は細胞−細胞接着と関係がある他の疾患を治療するために投与することもできる。
【0088】
式(I)の化合物はE−セレクチンまたはP−セレクチンまたはL−セレクチンの結合を調節するため、この相互作用に関連するいかなる疾患も潜在的にこの結合の相互作用を調節することにより治療することができる。また、式(I)の化合物の結晶多形は特定のガンの転移のようなsLeaが介在する細胞接着が関与する症状の予防、診断および治療に使用することができる。さらに、式(I)の化合物の結晶多形は例えば肺疾患のようにセレクチンが介在する白血球の保持が関与する疾患または症状の治療、診断および/または予防に使用することができる。
【0089】
本発明の他の態様は次の工程のうち少なくとも1つが適用されることを特徴とする請求項1記載の多形の製造法である:
a) 式(I)の化合物を加熱しながら水、有機溶媒、界面活性剤、イオン性液体または何れかの前記媒質の混合物に溶解し、その後溶液を冷却しながら沈殿または結晶化させる;あるいは
b) 式(I)の化合物を加熱しながら水、有機溶媒、界面活性剤、イオン性液体または何れかの前記媒質の混合物に溶解し、その後蒸発により結晶化させる;あるいは
c) 式(I)の化合物を溶媒に溶解し、その後溶液に貧溶媒(anti solvent)を加えて急速沈殿または結晶化させる;あるいは
d) 種結晶を加えて式(I)の化合物の溶液から結晶化させる;あるいは
e) 式(I)の化合物を塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウムなど)の水溶液で摩砕し、次に吸着剤(例えば機能性樹脂、木炭、溶融アルミナなど)で処理し、その後酸(例えば塩酸、硫酸など)の水溶液を加えて沈殿させる;あるいは
f) 式(I)の化合物を熱および/または圧力および/または蒸気にさらす。
【0090】
本発明はまた、次のプロセス工程が適用されることを特徴とする式(I)の化合物の形態1の製造法に関する:
a) 式(I)の化合物を反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物に加える。
b) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する。
c) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する。
d) 懸濁液をろ過する。
e) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
f) ろ過により得られた湿潤ろ過ケークを反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物中で懸濁させる。
g) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する。
h) 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をその反応器から他の反応器に移す。
i) ろ過ラインを予めその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
j) 混合物を真空下で濃縮する。
k) 水を加えて溶液のKarl Fischer値を30%〜60%に設定する。
l) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する。
m) 懸濁液をろ過する。
n) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
o) 水を入れた反応器に上記工程14からのろ過ケークを加える。
p) (式(I)の化合物の量に関して)少なくとも2モル当量の1M水酸化ナトリウム水溶液(純粋な水酸化ナトリウムを水に溶解して調製した)を加え、混合物を撹拌して完全に溶解する。
q) 吸着剤(1〜10モル当量)を反応混合物に加える。
r) 反応混合物を(HPLCによる純度のプロセス管理で)99.0%以上の純度に達するまで撹拌する。
s) 反応混合物を最大孔径1μmのフィルターF1を通してその反応器から他の反応器R2にろ過する。
t) ろ過ケークを水で洗浄し、その洗浄液をF1からR2まで通す。
u) F1を通して水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物をR2に入れる。
v) (工程16の水酸化ナトリウムの量に関して)等モル量の塩酸溶液を加える。
w) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する。
x) 懸濁液をろ過する。
y) ろ過ケークを予めF1を通してろ過した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
z) 生成物をKarl Fischer法による含水量が3%未満になるまで約40℃〜60℃の温度で真空乾燥して式(I)の化合物の形態1を得る。
【0091】
本発明はまた、次のプロセス工程が適用されることを特徴とする式(I)の化合物の形態2の製造法に関する:
a) 式(I)の化合物を反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物に加える。
b) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する。
c) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する。
d) 懸濁液をろ過する。
e) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度まで冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
f) ろ過により得られた湿潤ろ過ケークを反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物中で懸濁させる。
g) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する。
h) 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をその反応器から他の反応器に移す。
i) ろ過ラインを予めその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
j) 混合物を真空下で濃縮する。
k) 水を加えて溶液のKarl Fischer値を30%〜60%に設定する。
l) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する。
m) 懸濁液をろ過する。
n) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
o) 生成物をKarl Fischer法による含水量が3%未満になるまで約40℃〜60℃の温度で真空乾燥して式(I)の化合物の形態2を得る。
【0092】
本発明はまた、次のプロセス工程が適用されることを特徴とする式(I)の化合物の形態3の製造法に関する:
A) 反応器R1において上記形態2の製造からのろ液および洗浄液を集め、合一する。
B) 混合物を真空下で濃縮する。
C) R1において反応混合物を0℃〜15℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜15℃で3日間まで撹拌する。
D) 懸濁液をろ過する。
E) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する。
F) 生成物をKarl Fischer法による含水量が3%未満になるまで約40℃〜60℃の温度で真空乾燥して式(I)の化合物の形態3を得る。
【0093】
多形形態の形態1、形態2および形態3のX線回折測定
本発明の1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2および形態3のX線回折図はCuKα1放射線を使用して透過型のStoe粉末X線回折装置・P型(STOE & Cie社製;ドイツ・ダルムシュタット)において結晶粉末から得た。
【0094】
下記に、X線反射をX線回折反射が起こる回折角2シータ(=2Θまたは2θ)を度(°)で表し、その後に反射の相対強度を最大反射強度に対する百分率で括弧書きするという形で示し、その最大強度を100%に設定した。相対強度は最大反射強度の0.5%の倍数に丸める。これらの丸めた相対強度はまた、上記及び特許請求の範囲を通してX線反射の強さを強い、中程度に強いに分類する際の基礎となる。回折角は0.5°の倍数に丸める。
【0095】
a) 式(I)の化合物の形態1のX線反射(2θ[°](相対強度[%]))
4.8°(100.0%)、11.4°(4.6%)、11.6°(6.5%)、11.6°(6.5%)、11.8°(5.7%)、11.9°(5.0%)、12.1°(4.5%)、12.2°(4.1%)、12.5°(4.0%)、12.6°(3.8%)、13.1°(3.7%)、13.3°(4.2%)、13.4°(4.3%)、13.6°(4.5%)、14.0°(3.5%)、14.3°(3.5%)、14.6°(3.5%)、14.7°(3.5%)、15.1°(3.1%)、15.4°(3.5%)、15.5°(3.3%)、15.9°(3.5%)、16.4°(8.3%)、16.6°(17.7%)、16.8°(15.1%)、17.1°(4.9%)、17.3°(4.1%)、17.6°(4.5%)、17.7°(6.7%)、18.1°(4.5%)、18.1°(4.3%)、18.3°(3.7%)、19.6°(3.5%)、19.7°(3.4%)、19.8°(3.0%)、20.1°(3.8%)、20.1°(3.8%)、20.2°(3.8%)、20.6°(4.8%)、20.7°(5.8%)、20.9°(3.9%)、21.2°(3.1%)、21.6°(3.3%)、21.7°(3.3%)、21.8°(3.0%)、22.8°(4.0%)、22.9°(3.9%)、23.2°(5.3%)、23.3°(5.7%)、23.4°(5.6%)、23.8°(3.2%)、24.1°(3.8%)、24.2°(3.8%)、24.6°(7.0%)、26.0°(7.4%)、26.0°(7.0%)、26.2°(5.9%)、27.2°(2.9%)、32.9°(1.6%)、33.0°(2.1%)、33.1°(1.9%)、34.7°(2.2%)、34.8°(2.2%)、35.1°(2.3%)、35.2°(2.2%)、35.4°(2.3%)、35.5°(2.3%)、37.0°(2.5%)、37.1°(2.3%)、37.2°(1.9%)、37.8°(1.6%)、37.9°(1.60%)、42.2°(1.9%)、42.4°(2.4%)、42.5°(2.2%)、42.6°(1.9%)、48.9°(1.6%)、49.0°(1.6%)。
【0096】
b) 式(I)の化合物の形態2のX線反射(2θ[°](相対強度[%]))
5.3°(55.6%)、5.6°(100.0%)、7.2°(12.8%)、9.4°(11.6%)、9.8°(11.5%)、9.9°(18.3%)、10.3°(29.0%)、10.6°(13.5%)、11.1°(9.4%)、11.7°(12.7%)、12.8°(12.4%)、13.0°(10.3%)、13.8°(40.2%)、14.6°(11.4%)、15.1°(28.9%)、15.4°(13.2%)、15.6°(13.2%)、15.8°(10.7%)、15.9°(12.3%)、16.3°(29.2%)、16.6°(42.0%)、17.0°(8.5%)、17.4°(50.9%)、17.8°(10.7%)、18.8°(47.1%)、19.1°(30.7%)、19.2°(17.6%)、19.8°(15.3%)、20.0°(14.3%)、20.1°(19.6%)、20.4°(17.2%)、20.7°(26.7%)、21.1°(8.4%)、21.5°(45.1%)、21.9°(10.5%)、22.1°(7.2%)、22.2°(10.0%)、22.6°(7.4%)、23.3°(8.7%)、23.6°(9.6%)、23.8°(7.3%)、23.9°(9.4%)、24.3°(15.2%)、24.6°(8.6%)、24.8°(19.4%)、25.0°(13.1%)、25.5°(15.7%)、25.7°(11.7%)、25.8°(9.8%)、26.3°(10.1%)、26.5°(22.0%)、26.8°(9.0%)、27.0°(8.3%)、27.2°(6.3%)、27.4°(7.0%)、27.7°(8.4%)、27.9°(8.5%)、28.3°(7.7%)、28.7°(7.1%)、28.9°(5.1%)、29.7°(5.1%)、30.2°(6.1%)、30.8°(5.5%)、31.2°(5.2%)、31.8°(6.0%)、32.2°(9.2%)、32.4°(3.9%)、32.5°(4.0%)、3.6°(5.9%)、34.0°(6.0%)、34.3°(5.3%)、34.8°(4.3%)、34.8°(3.6%)、35.2°(6.7%)、35.5°(4.7%)、35.8°(4.6%)、36.2°(4.5%)、36.4°(5.2%)、36.8°(3.9%)、37.0°(4.8%)、37.4°(7.5%)、37.7°(9.7%)、37.8°(8.9%)、38.1°(4.9%)、38.4°(4.9%)、38.7°(4.2%)、38.9°(6.1%)、39.1°(5.0%)、39.8°(6.0%)、40.1°(4.1%)、40.2°(4.2%)、40.6°(5.9%)、40.7°(5.2%)、41.4°(4.6%)、42.0°(4.3%)、42.6°(3.9%)、43.6°(4.0%)、43.8°(3.4%)、44.4°(4.6%)、44.8°(3.2%)、45.2°(3.1%)、46.2°(3.1%)、46.6°(2.9%)、47.0°(2.6%)、47.8°(3.3%)、48.1°(3.4%)、48.5°(3.7%)、48.7°(3.4%)、49.0°(4.0%)。
【0097】
c) 式(I)の化合物の形態3のX線反射(2θ[°](相対強度[%]))
4.2°(17.6%)、4.3°(20.6%)、4.8°(29.1%)、5.3°(56.0%)、5.6°(100.0%)、7.3°(15.3%)、9.4°(14.3%)、9.9°(20.6%)、10.3°(30.7%)、10.6°(16.4%)、11.7°(17.7%)、12.8°(14.4%)、12.9°(13.4%)、13.8°(37.9%)、14.1°(11.0%)、14.6°(13.4%)、15.1°(29.1%)、15.4°(14.5%)、15.7°(14.4%)、15.9°(14.3%)、16.3°(30.4%)、16.6°(44.4%)、16.9°(15.8%)、17.4°(48.6%)、17.8°(13.6%)、18.8°(46.0%)、19.1°(32.0%)、19.3°(18.9%)、19.8°(17.4%)、20.0°(17.9%)、20.1°(21.7%)、20.4°(18.5%)、20.7°(29.1%)、20.9°(8.6%)、21.1°(10.3%)、21.6°(47.7%)、21.9°(12.4%)、22.2°(11.3%)、22.6°(9.1%)、22.7°(9.2%)、22.9°(7.5%)、23.3°(10.8%)、23.5°(11.1%)、23.9°(11.2%)、24.3°(16.3%)、24.4°(10.4%)、24.8°(20.2%)、25.0°(14.3%)、25.5°(17.0%)、25.7°(13.0%)、25.9°(11.0%)、26.3°(12.8%)、26.5°(25.1%)、26.7°(10.3%)、26.8°(10.6%)、27.0°(10.4%)、27.2°(7.8%)、27.4°(8.5%)、27.7°(9.8%)、27.9°(9.6%)、28.3°(9.0%)、28.7°(8.0%)、28.9°(6.2%)、29.1°(5.4%)、29.3°(5.2%)、29.7°(5.9%)、29.8°(6.1%)、30.2°(7.1%)、30.6°(4.6%)、30.8°(6.4%)、31.1°(5.9%)、31.6°(5.5%)、31.8°(7.1%)、32.2°(9.9%)、32.5°(5.0%)、33.0°(4.7%)、33.6°(6.7%)、33.7°(5.8%)、34.0°(6.6%)、34.3°(6.2%)、34.8°(5.2%)、34.8°(5.1%)、35.1°(5.5%)、35.2°(7.7%)、35.5°(5.9%)、35.7°(5.4%)、35.8°(5.8%)、36.3°(5.8%)、36.4°(5.8%)、36.7°(4.8%)、37.0°(5.8%)、37.1°(5.4%)、37.4°(8.2%)、37.7°(10.4%)、37.8°(10.1%)、38.1°(5.6%)、38.3°(5.8%)、38.5°(4.7%)、38.7°(4.9%)、38.8°(7.0%)、39.1°(5.6%)、39.8°(6.5%)。
【0098】
多形形態の形態4、形態5および形態6のX線回折測定
本発明の1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態4、形態5および形態6のX線回折図はSiemens D5000回折計においてCuKα1放射線(40kV、40mA)、Θ−Θゴニオメーター、V20可変発散および入射スリット、二次グラファイトモノクロメーターおよびシンチレーションカウンターを使用して収集した。
【0099】
下記に、X線反射をX線回折反射が起こる回折角2シータ(=2Θまたは2θ)を度(°)で表し、その後に反射の相対強度を最大反射強度に対する百分率で括弧書きするという形で示し、その最大強度を100%に設定した。相対強度は最大反射強度の0.5%の倍数に丸める。これらの丸めた相対強度はまた、上記及び特許請求の範囲を通してX線反射の強さを強い、中程度に強いに分類する際の基礎となる。回折角は0.5°の倍数に丸める。
【0100】
a) 式(I)の化合物の形態4のX線反射(2θ[°](相対強度[%]))
4.1°(17.3%)、4.2°(42.1%)、4.3°(52.9%)、4.4°(44.3%)、4.5°(21.2%)、4.6°(12.3%)、4.7°(10.5%)、4.8°(9.7%)、8.4°(9.7%)、8.5°(11.6%)、8.6°(7.3%)、11.4°(10.4%)、11.5°(19.7%)、11.6°(28.6%)、11.7°(31.2%)、11.8°(27.3%)、11.9°(24.1%)、12.0°(16.7%)、12.1°(13.4%)、12.2°(13.0%)、12.3°(11.0%)、12.4°(9.7%)、12.5°(8.9%)、16.1°(10.9%)、16.2°(14.1%)、16.3°(21.1%)、16.4°(36.9%)、16.5°(58.1%)、16.6°(79.9%)、16.7°(95.9%)、16.8°(100.0%)、16.9°(92.0%)、17.0°(70.2%)、17.1°(47.1%)、17.2°(31.5%)、17.3°(22.3%)、17.4°(17.3%)、17.7°(15.7%)、17.8°(20.8%)、17.9°(23.5%)、18.0°(26.2%)、18.1°(27.6%)、18.2°(29.5%)、18.3°(26.0%)、18.4°(20.6%)、19.0°(21.3%)、19.1°(25.4%)、19.2°(28.6%)、19.3°(31.3%)、19.4°(34.5%)、19.5°(38.0%)、19.6°(40.2%)、19.7°(43.4%)、19.8°(42.5%)、19.9°(40.0%)、20.0°(37.7%)、20.1°(31.4%)、20.2°(26.7%)、21.2°(26.3%)、21.3°(31.9%)、21.4°(33.4%)、21.5°(37.0%)、21.6°(34.4%)、21.7°(28.9%)、21.8°(23.9%)、25.4°(24.5%)、25.5°(24.6%)、25.6°(26.2%)、25.7°(28.0%)、25.8°(31.4%)、25.9°(34.1%)、26.0°(40.7%)、26.1°(45.2%)、26.2°(50.9%)、26.3°(56.4%)、26.4°(62.5%)、26.5°(64.2%)、26.6°(60.2%)、26.7°(54.2%)、26.8° 46.5%)、26.9°(38.6%)、27.0°(33.7%)、27.1°(31.3%)、27.2°(29.5%)、27.3°(25.5%)、27.4°(23.0%)、27.5°(21.4%)。
【0101】
b) 式(I)の化合物の形態5のX線反射(2θ[°](相対強度[%]))
5.0°(7.5%)、5.1°(33.1%)、5.2°(68.2%)、5.3°(63.0%)、5.4°(32.0%)、5.5°(66.6%)、5.6°(70.4%)、5.7°(32.5%)、9.2°(6.9%)、9.3°(8.3%)、9.4°(5.6%)、9.7°(7.0%)、9.8°(12.0%)、9.9°(13.2%)、10.0°(10.6%)、10.1°(22.2%)、10.2°(28.2%)、10.3°(21.7%)、10.4°(14.7%)、10.5°(17.4%)、10.6°(12.2%)、10.7°(6.1%)、11.4°(5.3%)、11.5°(9.9%)、11.6°(14.4%)、11.7°(13.0%)、11.8°(6.8%)、12.6°(6.5%)、12.7°(6.3%)、13.6°(9.7%)、13.7°(13.6%)、13.8°(12.8%)、14.4°(12.4%)、14.5°(14.8%)、14.6°(9.9%)、14.9°(13.9%)、15.0°(17.0%)、15.1°(14.1%)、15.6°(10.1%)、15.7°(18.4%)、15.8°(24.3%)、15.9°(21.6%)、16.0°(13.7%)、16.1°(13.8%)、16.2°(17.4%)、16.3°(22.8%)、16.4°(36.7%)、16.5°(45.7%)、16.6°(40.7%)、16.7°(24.6%)、16.8°(12.9%)、17.0°(11.5%)、17.1°(20.6%)、17.2° 31.0%)、17.3°(33.1%)、17.4°(23.2%)、17.5°(15.1%)、18.4°(15.8%)、18.5°(30.2%)、18.6° 45.4%)、18.7°(47.4%)、18.8°(36.8%)、18.9°(29.8%)、19.0°(28.2%)、19.1°(25.6%)、19.2°(19.2%)、19.3°(13.7%)、19.5°(12.5%)、19.6°(17.7%)、19.7°(28.7%)、19.8°(37.8%)、19.9°(47.0%)、20.0°(49.5%)、20.1°(43.9%)、20.2°(34.5%)、20.3°(31.2%)、20.4° 39.4%)、20.5°(46.5%)、20.6°(47.0%)、20.7°(35.6%)、21.0°(24.0%)、21.1°(28.0%)、21.2°(48.8%)、21.3°(85.8%)、21.4°(100.0%)、21.5°(90.4%)、21.6°(54.2%)、21.7°(32.5%)、21.8°(28.5%)、21.9°(26.7%)、22.0°(22.1%)、22.1°(18.7%)、22.2°(17.5%)、22.3°(14.6%)、22.4°(13.9%)、22.5°(14.6%)、22.6°(12.6%)、22.7°(11.0%)、22.8°(10.4%)、23.0°(13.3%)、23.1°(17.3%)、23.2°(22.6%)、23.3°(29.3%)、23.4°(31.1%)、23.5°(29.2%)、23.6°(23.9%)、23.7°(23.7%)、23.8°(23.0%)、24.3°(20.6%)、24.4°(22.2%)、24.5°(22.4%)、24.6°(22.9%)、24.7°(22.9%)、24.8°(24.0%)、24.9°(20.9%)、25.4°(16.3%)、25.5°(17.1%)、25.6°(16.5%)、26.0°(19.5%)、26.1°(25.5%)、26.2°(29.5%)、26.3°(30.0%)、26.4°(24.1%)、26.6°(21.8%)、27.1°(20.2%)、27.2°(21.4%)、27.3°(21.0%)、27.4°(18.4%)、27.5°(15.9%)、27.6°(12.6%)、27.7°(12.6%)、28.1°(12.9%)、28.2°(14.0%)、28.3°(14.9%)、28.4°(14.6%)、28.5°(14.2%)、28.7°(11.8%)、29.4°(8.7%)、29.5°(9.5%)、29.6°(8.2%)。
【0102】
c) 非晶質固体が観察された。式(I)の化合物の形態6のX線回折図は19.6°(2θ)で幅広いピークを示す。
【0103】
多形形態のATR−FT−IR測定
本発明の1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2および形態3のIRスペクトルは減衰全反射型フーリエ変換赤外分光光度計Spectrum One(Perkin Elmer Instruments社製;ドイツ・ロドゴウ−ユエゲシャイム)により得た。IR測定のために、5mgの固体試料をATR検出ヘッドの上部に載せ、検出ヘッドのダイヤモンド窓に調整ネジで僅かに押した。下記に、IRバンドを4000cm-1〜550cm-1の範囲内でIR透過が起こる波数を表し、その後に透過の相対強度を全透過(100%)に対する百分率で括弧書きするという形で示す。相対強度は0.1%の倍数に丸める。2%の閾値を適用する;1回の測定につき4回のIRスキャンを行なった。波数は1cm-1の倍数に丸める。
【0104】
a) 式(I)の化合物の形態1の主要な波数(v[cm-1](相対強度[%]))
3404 (64.5)、2931 (64.0)、1707 (41.3)、1608 (70.0)、1500 (62.0)、1479 (61.6)、1445 (66.3)、1435 (66.7)、1400 (62.9)、1358 (67.0)、1272 (60.0)、1245 (53.8)、1228 (52.5)、1166 (70.1)、1136 (49.1)、1095 (57.4)、1050 (44.3)、1004 (54.5)、977 (39.8)、930 (67.3)、915 (66.2)、900 (65.3)、854 (69.2)、828 (63.8)、818 (52.8)、801 (58.0)、770 (69.8)、725 (68.8)、706 (61.4)、690 (57.1)、615 (60.1)、602 (67.0)、595 (68.5)、591 (64.7)、586 (61.0)、579 (67.4)、573 (64.0)、568 (70.3)、563 (69.5)、557 (72.6)。
【0105】
b) 式(I)の化合物の形態2の主要な波数(v[cm-1](相対強度[%]))
3246 (67.2)、2933 (71.8)、2857 (75.1)、1728 (57.3)、1601 (75.4)、1499 (67.4)、1478 (62.8)、1459 (69.9)、1402 (73.0)、1323 (73.1)、1226 (46.5)、1148 (69.4)、1119 (55.4)、1096 (59.6)、1077 (56.4)、1066 (44.0)、1048 (51.8)、1017 (31.2)、997 (52.7)、982 (45.7)、920 (73.7)、899 (75.4)、875 (73.4)、843 (67.1)、826 (68.9)、817 (71.2)、800 (52.7)、785 (74.4)、759 (77.0)、747 (73.6)、720 (66.3)、704 (62.6)、686 (53.6)、660 (65.2)、640 (66.9)、627 (70.4)、605 (55.1)、580 (74.9)、575 (78.5)、568 (73.3)、561 (77.4)、555 (76.2)。
【0106】
c) 式(I)の化合物の形態6の主要な波数(v[cm-1](相対強度[%]))
3387 (88.6%)、2928 (87.5%)、2855 (91.4%)、1710 (82.4%)、1607 (94.0%),1500 (87.9%)、1478 (85.9%)、1367 (88.0%)、1223 (73.8%)、1115 (74.8%)、1065 (73.6%)、1048 (75.9%)、1010 (64.5%)、977 (68.0%)、908 (84.0%)、890 (82.7%)、848 (85.1%)、821 (81.2%)、797 (79.1%)、779 (84.6%)、771 (86.0%)、762 (86.7%)、752 (86.0%)、745 (85.5%)、736 (85.5%)、727 (84.1%)、719 (84.2%)、703 (75.1%)、685 (77.0%)、677 (77.5%)、668 (78.8%)、659 (80.5%)。
【0107】
有機溶媒に対する多形形態の熱力学的溶解度測定
幾つかの有機溶媒に対する1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2、形態4および形態6の熱力学的溶解度は最大の最終濃度を与えるのに十分な化合物を懸濁することにより測定した。式(I)の化合物の形態Bの標準溶液(0.25mg/ml)に関して逆相HPLCによりグラジエント液を使用して定量化した。懸濁液を振騰しながら27℃で24時間平衡化した。ガラス繊維Cフィルターを通してすべての懸濁液をろ過した。次にろ液を50:50のエタノール:水で適切なファクターで希釈し、それとは別に乳濁液の生成を回避するためにエタノールで希釈したミリスチン酸イソプロピルを加えた。
【0108】
溶解度は標準溶液の主要ピークと同じ保持時間で現れたピークにより決まるピーク面積を使用して計算した。その結果を下表に示す:
【表1】

【0109】
形態4はエタノール、形態6はIPA、そして形態1はトリアセチン、プロピレングリコールおよびPEG300に対する最大の溶解度を示す。種々の溶媒中における多形変換は本試験で得られる溶解度値に少なくとも部分的に影響を与える。
【0110】
水に対する多形形態の熱力学的溶解度測定
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2および形態3の水に対する熱力学的溶解度は振騰フラスコ法を使用して測定した。試料をセーフロックチューブ(エッペンドルフ社製、ドイツ)中の純水に激しく振騰しながら加えて白色の沈殿を生成した。飽和溶液を700RPMで操作されるエッペンドルフ・サーモミキサーにおいて25℃で一晩インキュベートした。懸濁液を室温において13.000RPMで遠心分離して透明にし、上澄みを注意して集めた。その上澄みをさらにMillipore溶解度フィルタープレート(Millipore社製、フランス・モルスハイム)を通して真空ろ過することにより精製した。
【0111】
純水に対するろ液のUV吸収はSpectramax250(Molecular Devices社製、カリフォルニア州サニーベール)においてSoftmax Pro v.4.8ソフトウエアで操作し、ADMEパッケージのアプリケーション“Mscreen solubility quantify”を使用して測定した。試料濃度はアセトニトリル:純水(1:1 容量:容量)中で式(I)の化合物の5点線形較正線を使用して計算した。測定は3回行なった。
【0112】
得られた溶解度(mg/L)を下表に示す:
【表2】

【0113】
示差走査熱量測定(DSC)
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6に関するDSCデータは50本掛けオートサンプラーを備えたTA Instruments社製のQ1000で収集した。認証インジウムを使用してエネルギーおよび温度について機器を較正した。典型的には、ピンホール付きアルミニウムパンにおいて0.5〜3mgの各試料を10℃/分で25℃〜235℃に加熱した。試料への窒素パージを30ml/分で維持した。
【0114】
a) 式(I)の化合物の形態1
136℃で開始する単独の吸熱ピークが観察された(図7)。
b) 式(I)の化合物の形態2
約75℃の浅い吸熱ピークおよび158℃で開始する吸熱ピークが観察された(図8)。
c) 式(I)の化合物の形態3
3つの吸熱ピークが観察された。最初のピークは約74℃で、その後2つのピークは138℃および158℃で開始した(図9を参照)。
d) 式(I)の化合物の形態4
2つの吸熱ピークが観察された。1つは39℃で開始し、続いて132℃の融解が観察された(図10)。
e) 式(I)の化合物の形態5
熱分析は158℃で開始する単独の融解を示した(図11)。
f) 式(I)の化合物の形態6
熱分析は40〜80℃で幅広い吸熱ピークを示した(図12)。
【0115】
熱重量分析(TGA)
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2、形態3、形態4および形態6に関するTGAデータは16本掛けオートサンプラーを備えたTA Instruments社製のQ500 TGAで収集した。認証アルメルを使用して温度について機器を較正した。典型的には、予め風袋を計った白金るつぼおよびアルミニウムDSCパンに5〜30mgの各試料を負荷し、それを10℃/分で周囲温度〜350℃に加熱した。試料への窒素パージを60ml/分で維持した。
【0116】
a) 式(I)の化合物の形態1
形態1の熱分析は高温での分解前に重量損失がないことを示している(図13)。
b) 式(I)の化合物の形態2
形態2の熱分析は約75℃で2.1%の重量損失があるため当該物質が溶媒和していることを示している(図14)。
c) 式(I)の化合物の形態3
形態3の熱分析は約57℃で1.8%の重量損失があるため当該物質が溶媒和していることを示している(図15)。
d) 式(I)の化合物の形態4
形態4の熱分析はTGAサーモグラムにより3水和物を示す約3個の水分子(理論値5.9%)を示す6.2%の重量損失を示すため形態4が水和物であることを示唆している(図16)。この想定はKarl Fischer滴定の結果により支持される。
e) 式(I)の化合物の形態6
熱分析は32〜71℃で約2.9%の重量損失があるため形態6が水和物であることを示唆している。70〜110℃で約2.3%の第2の重量損失が観察された(図17)。
【0117】
Karl Fischer法による水分測定
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態2および形態4の含水量はKarl Fischer法によりMettler Toledo DL39電量計でHydranal Coulomat AG試薬およびアルゴンパージを使用して測定した。秤量した固体試料を水の侵入を回避するサブシールに接続しているプラチナTGAパン上の容器に入れた。1回の滴定につき約10mgの試料を使用し、2回繰り返し測定した。
【0118】
a) 式(I)の化合物の形態2
2.2%の含水量が観察された。TGAおよびDSC分析の結果を考慮して、形態2は式(I)の化合物の一水和物であると考えられる。
b) 式(I)の化合物の形態4
6.9%の含水量が観察された。TGAおよびDSC分析の結果を考慮して、形態2は式(I)の化合物の三水和物であると考えられる。
【0119】
多形形態の融点
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1、形態2および形態3に関する毛細管融点は当業者に公知の標準法を使用して測定した。1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態4および形態5の融点はDSC法により測定した。
【0120】
a) 式(I)の化合物の形態1
平均して、式(I)の化合物の形態1は次の温度範囲で溶融する:134℃〜139℃。
b) 式(I)の化合物の形態2
平均して、式(I)の化合物の形態2は次の温度範囲で溶融する:158℃〜161℃。
c) 式(I)の化合物の形態3
平均して、式(I)の化合物の形態3は次の温度範囲で溶融する:161℃〜165℃。
d) 式(I)の化合物の形態4
水の喪失後、形態4は132℃で溶融した。溶融前の水の喪失を防ぐために、DSC実験は密封したパンで行なった。形態4の融点は86℃で測定した。
e) 式(I)の化合物の形態5
式(I)の化合物の形態5は158℃で溶融する。
【0121】
本発明の他の特徴は次の実施例の説明過程で明らかになるが、それらは単に本発明を説明するためのものである。
【0122】
本明細書に添付した図面において、結晶変態をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】形態1の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図2】形態2の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図3】形態3の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図4】形態4の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図5】形態5の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図6】形態6の結晶変態を示す図であり、その相対強度(%)は2θの関数として表される。
【図7】形態1の示差走査熱量測定(DSC)を示す図であり、熱流量(W/g)は温度(℃)の関数として示される。
【図8】形態2の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図9】形態3の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図10】形態4の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図11】形態5の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図12】形態6の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図13】形態1の熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。重量(%)は温度(℃)の関数として示される。
【図14】形態2の熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。
【図15】形態3の熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。
【図16】形態4の熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。
【図17】形態6の熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。
【実施例】
【0124】
〔実施例1〕式(I)の化合物の形態1の生成
次のプロセス工程が適用される:
1. イソプロピルアルコールおよび水を反応器R1に入れる。
2. 撹拌しながら式(I)の化合物を加える。
3. 反応混合物を約45℃〜60℃に加熱する。
4. 反応混合物を約45℃〜60℃で撹拌して溶解する。
5. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも60〜120分間冷却する。
6. 反応混合物を15℃/20℃で少なくとも90〜150分間撹拌する。
7. 懸濁液をろ過する。
8. ろ過ケークを予め10℃〜20℃の温度に冷却したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で2回洗浄する。
9. イソプロピルアルコールおよび水をR1に入れる。
10. ろ過により得られる湿った生成物をR1中で懸濁する。
11. 反応混合物を約45℃〜60℃に加熱する。
12. 反応混合物を約45℃〜60℃で撹拌して溶解する。
13. 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をR1から反応器R2に移す。
14. ろ過ラインを予め約45℃〜60℃に加熱したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で洗浄する。
15. 反応混合物を真空下で濃縮する。
16. 水を加えて40%〜50%のKarl Fischer溶液を調製する。
17. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも60〜120分間冷却する。
18. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも90〜150分間冷却する。
19. 懸濁液をろ過する。
20. ろ過ケークを予め10℃〜20℃の温度に冷却したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で2回洗浄する。
21. 生成物をKarl Fischer法により含水量が1.5%未満になるまで約50℃の温度で真空乾燥する。
上記手順に従って、式Iの化合物はHPLCにより測定して80%を越える純度で得られる。
【0125】
1. 水を反応器R1に入れる。
2. 上記工程21からの乾燥した生成物を撹拌しながら加える。
3. (式(I)の化合物の量に関して)少なくとも2モル当量の1M水酸化ナトリウム水溶液(純粋な水酸化ナトリウムを水に溶解して調製した)を加える。
4. 反応混合物を撹拌して完全に溶解する。
5. D型樹脂(XAD 16)(式(I)の化合物の量に関して50質量%)をR1の内容物に加える。
6. 反応混合物を少なくとも2時間撹拌する。HPLCによるプロセス管理(99.0%以上の純度)のために試料を採取する。
7. 最大孔径1μmのフィルターF1を通して反応混合物をR1から反応器R2にろ過する。
8. ろ過ケークを水で2回洗浄し、その洗浄液をF1からR2まで通す。
9. F1を通してイソプロピルアルコールをR2に入れる。
10. F1を通して(上記工程3の水酸化ナトリウムの量に関して)等モル量の1M塩酸溶液(塩酸を水に溶解して調製した)を加える。
11. 反応混合物を0℃/10℃に冷却する(結晶化が起こる)。
12. 反応混合物を0℃/10℃で少なくとも2時間〜5時間撹拌する。
13. 懸濁液をろ過する。
14. ろ過ケークを予めF1を通してろ過したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で2回洗浄する。
15. 生成物をKarl Fischer法により含水量が1.5%未満になるまで約50℃の温度で真空乾燥する。
上記手順に従って、式Iの化合物は70%(w/w)を越える収率、HPLCにより測定して99.0%を越える純度および形態1の結晶変態で得られる。
【0126】
〔実施例2〕式(I)の化合物の形態2の生成
次のプロセス工程が適用される:
1. イソプロピルアルコールおよび水を反応器R1に入れる。
2. 撹拌しながら式(I)の化合物を加える。
3. 反応混合物を約45℃〜60℃に加熱する。
4. 反応混合物を約45℃〜60℃で撹拌して溶解する。
5. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも60〜120分間冷却する。
6. 反応混合物を15℃/20℃で少なくとも90〜150分間撹拌する。
7. 懸濁液をろ過する。
8. ろ過ケークを予め10℃〜20℃の温度に冷却したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で2回洗浄する。
9. イソプロピルアルコールおよび水をR1に入れる。
10. ろ過により得られる湿った生成物をR1中で懸濁する。
11. 反応混合物を約45℃〜60℃に加熱する。
12. 反応混合物を約45℃〜60℃で撹拌して溶解する。
13. 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をR1から反応器R2に移す。
14. ろ過ラインを予め約45℃〜60℃に加熱したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で洗浄する。
15. 反応混合物を真空下で濃縮する。
16. 水を加えて40%〜50%のKarl Fischer溶液を調製する。
17. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも60〜120分間冷却する。
18. 反応混合物を10℃/20℃に少なくとも90〜150分間撹拌する。
19. 懸濁液をろ過する。
20. ろ過ケークを予め10℃〜20℃の温度に冷却したイソプロピルアルコールおよび水の混合物で2回洗浄する。
21. 生成物をKarl Fischer法により含水量が1.5%未満になるまで約50℃の温度で真空乾燥する。
上記手順に従って、式Iの化合物は70%(w/w)を越える収率、HPLCにより測定して99.0%を越える純度および形態2の結晶変態で得られる。
【0127】
〔実施例3〕式(I)の化合物の形態3の生成
次のプロセス工程が適用される:
1. 反応器R1において形態2の生成(上記参照)からのろ液および洗浄液を集め、合一する。
2. 混合物を真空下で濃縮する。
3. R1において反応混合物を0℃〜10℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜10℃で36時間撹拌する。
4. 懸濁液をろ過する。
5. ろ過ケークを予め0℃〜10℃の温度に冷却した水およびイソプロピルアルコールの混合物で3回洗浄する。
6. 生成物をKarl Fischer法により含水量が2%未満になるまで約50℃の温度で真空乾燥する。
上記手順に従って、式Iの化合物は70%(w/w)を越える収率、HPLCにより測定して98.0%を越える純度および形態3の結晶変態で得られる。
【0128】
〔実施例4〕式(I)の化合物の形態1の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態1は当業者に公知の方法に従って形態4を86℃で脱溶媒和することにより製造した。
【0129】
〔実施例5〕式(I)の化合物の形態2の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態2は主として当業者に公知の方法に従って室温で0.2mlの溶媒に対して30mgの式(I)の化合物の割合で形態6のスラリーを調製し、その後、その試料を50℃に加温することにより製造した。スラリーを形成した試料を4時間毎に室温〜50℃の加熱/冷却を行なって4日間熟成させた。50℃で形成した溶液を最初に室温まで冷却し、次に室温で蒸発乾固した。
ここで、次の溶媒を使用して形態1を製造することができる:ジオキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、IPA(イソプロピルアルコール)、THF(テトラヒドロフラン)、DCM(ジクロロメタン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、MEK(メチルエチルケトン)、n−プロパノール、エタノール、メタノール、50%水性エタノール。
【0130】
〔実施例6〕式(I)の化合物の形態2の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態2は当業者に公知の方法に従って形態5を40℃および75%の相対湿度に1日保持することにより製造した。
【0131】
〔実施例7〕式(I)の化合物の形態2の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態2は当業者に公知の方法に従って形態4および/または形態5を40℃以上の温度において5%または50%酢酸イソプロピル水溶液(IPAc)中でスラリーにすることにより、あるいは形態4および/または形態5を40℃より高い温度において10%酢酸イソプロピル水溶液(IPAc)中でスラリーにすることにより製造される。
【0132】
〔実施例8〕式(I)の化合物の形態3の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態3は室温で0.2mlの溶媒に対して30mgの式(I)の化合物の割合で形態6のスラリーを調製し、その後、その試料を50℃に加温することにより製造した。スラリーを形成した試料を4時間毎に室温〜50℃の加熱/冷却を行なって4日間熟成させた。50℃で形成した溶液を最初に室温まで冷却し、次に室温で蒸発乾固した。
ここで、次の溶媒を使用して形態3を製造することができる:MeCN(シアン化メチル、アセトニトリル)、アセトン、1−ブタノール、ギ酸エチル、IPAc(酢酸イソプロピル)またはMTBA(第3ブチルメチルエーテル)。
【0133】
〔実施例9〕式(I)の化合物の形態4の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態4は当業者に公知の方法に従って室温で0.2mlの50%IPA水溶液または水に対して30mgの式(I)の化合物の割合で形態6のスラリーを調製し、その後、その試料を50℃に加温することにより製造した。スラリーを形成した試料を4時間毎に室温〜50℃の加熱/冷却を行なって4日間熟成させた。50℃で形成した溶液を最初に室温まで冷却し、次に室温で蒸発乾固した。
【0134】
〔実施例10〕式(I)の化合物の形態4の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態4は当業者に公知の方法に従って形態1を40℃および75%の相対湿度に保持することにより製造した。
【0135】
〔実施例11〕式(I)の化合物の形態5の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の形態5は形態2を当業者に公知の方法に従って100℃で脱溶媒和することにより製造した。
【0136】
〔実施例12〕式(I)の化合物の形態6の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の非晶質形態(形態6)は一般に当業者に公知の方法に従って形態1のメタノール溶液を20mg/mlの濃度で凍結乾燥することにより、または形態3をアセトン/水混合物に溶解し、透明な溶液を凍結乾燥することにより製造する。
【0137】
〔実施例13〕式(I)の化合物の形態6の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサンの非晶質形態(形態6)は当業者に公知の方法に従って形態1および形態2の混合物を凍結乾燥することにより製造する。100mgの物質を50℃で確実に完全溶解するために振騰しながら最少量のアセトン/水(1:1;40ml)またはt−ブタノール(50ml)に溶解した。次に、試料を熱ろ過し、迅速に−78℃まで冷却し、その後一晩凍結乾燥して溶媒を除去した。
【0138】
〔実施例14〕式(I)の化合物の形態6の生成
1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサン(式(I)の化合物)の非晶質形態(形態6)は当業者に公知の方法に従って形態1および形態2の混合物を急速に蒸発させることにより製造する。100mgの物質を15mlのメタノールに溶解し、その後、ろ過して残留する結晶を除去した。次に、試料を50℃で真空蒸発させて溶媒をできるだけ速く除去した。
【0139】
〔実施例15〕式(I)の化合物の形態1のマイクロエマルジョンの製造
次の組成を有する1650gのマイクロエマルジョンは当業者に公知の方法に従って1.0%の1,6−ビス[3−(3−カルボキシメチルフェニル)−4−(2−α−D−マンノピラノシルオキシ)−フェニル]ヘキサンの形態1、8%のTagat(登録商標)O2 V(界面活性剤;Goldschmidt社製)、12%のSynperonic(登録商標)PE/L101(ポロキサマー331、界面活性剤;Uniqema社製)、5%の三酢酸グリセリル(トリアセチン)および加えて全部で100%となる割合のプロピレングリコール/0.005N塩酸(2:1)を混合することにより製造した。配合物のpH値を4.0に調整した。他の形態と比べてプロピレングリコールおよびトリアセチンの両方に対して最高の溶解度を示す形態1を使用するマイクロエマルジョンの製造は最良の結果を与えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多形形態1、形態2、形態3、形態4、形態5および形態6からなる群より選択された式(I):
【化1】

の化合物の多形。
【請求項2】
形態1、形態2または形態3で構成される請求項1記載の結晶多形。
【請求項3】
形態1で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約4.8°(強いピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項4】
形態2で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約17.4°(強いピーク)および約15.1°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項5】
形態3で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約4.2°(中程度のピーク)、約4.3°(中程度のピーク)および約4.8°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項6】
形態4で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約16.8°(強いピーク)、約26.5°(強いピーク)、約19.7°(より強い中程度のピーク)および約21.5°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項7】
形態5で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.2°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約21.4°(強いピーク)、約16.5°(より強い中程度のピーク)、約18.7°(より強い中程度のピーク)、約20.0°(より強い中程度のピーク)および約20.6°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項8】
形態6で構成され、さらにこの非晶質形態で約19.6°の回折角(2θ)で幅広いピークを示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1記載の結晶多形。
【請求項9】
形態1で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約4.8°(強いピーク)、約16.6°(中程度のピーク)および約16.8°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1または3記載の結晶多形。
【請求項10】
形態2で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約17.4°(強いピーク)、約9.9°(中程度のピーク)、約10.3°(中程度のピーク)、約13.8°(中程度のピーク)、約15.0°(中程度のピーク)、約16.3°(中程度のピーク)、約16.6°(中程度のピーク)、約18.7°(中程度のピーク)、約19.1°(中程度のピーク)、約19.2°(中程度のピーク)、約19.8°(中程度のピーク)、約20.1°(中程度のピーク)、約20.4°(中程度のピーク)、約20.7°(中程度のピーク)、約21.5°(中程度のピーク)、約24.3°(中程度のピーク)、約24.8°(中程度のピーク)、約25.5°(中程度のピーク)および約26.5°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1または4記載の結晶多形。
【請求項11】
形態3で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.3°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約4.2°(中程度のピーク)、約4.8°(中程度のピーク)、約7.2°(中程度のピーク)、約9.9°(中程度のピーク)、約10.3°(中程度のピーク)、約10.6°(中程度のピーク)、約11.7°(中程度のピーク)、約13.8°(中程度のピーク)、約15.1°(中程度のピーク)、約16.3°(中程度のピーク)、約16.6°(中程度のピーク)、約16.9°(中程度のピーク)、約17.4°(中程度のピーク)、約18.8°(中程度のピーク)、約19.1°(中程度のピーク)、約19.3°(中程度のピーク)、約19.8°(中程度のピーク)、約20.0°(中程度のピーク)、約20.1°(中程度のピーク)、約20.4°(中程度のピーク)、約20.7°(中程度のピーク)、約21.5°(中程度のピーク)、約24.3°(中程度のピーク)、約24.8°(中程度のピーク)、約25.5°(中程度のピーク)および約26.5°(中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1または5記載の結晶多形。
【請求項12】
形態4で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約4.3°(強いピーク)、約16.8°(強いピーク)、約26.5°(強いピーク)、約11.7°(より強い中程度のピーク)、約18.2°(より強い中程度のピーク)、約19.7°(より強い中程度のピーク)および約21.5°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1または6記載の結晶多形。
【請求項13】
形態5で構成され、さらにこの結晶形態でCuKα1に基づいて次の回折角(2θ):約5.2°(強いピーク)、約5.6°(強いピーク)、約21.4°(強いピーク)、約10.2°(より強い中程度のピーク)、約16.5°(より強い中程度のピーク)、約17.3°(より強い中程度のピーク)、約18.7°(より強い中程度のピーク)、約20.0°(より強い中程度のピーク)、約20.6°(より強い中程度のピーク)、約23.4°(より強い中程度のピーク)および約23.6°(より強い中程度のピーク)を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1または7記載の結晶多形。
【請求項14】
実質的に図1と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1、3または9の何れかの項記載の結晶多形。
【請求項15】
実質的に図2と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1、4または10の何れかの項記載の結晶多形。
【請求項16】
実質的に図3と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1、5または11の何れかの項記載の結晶多形。
【請求項17】
実質的に図4と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1、6または12の何れかの項記載の結晶多形。
【請求項18】
実質的に図5と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1、7または13の何れかの項記載の結晶多形。
【請求項19】
実質的に図6と一致するX線粉末回折パターンを与える請求項1または8記載の非晶質多形。
【請求項20】
形態1で構成され、3404cm-1、2931cm-1、1707cm-1、1500cm-1、1479cm-1、1245cm-1、1228cm-1、1136cm-1、1095cm-1、1050cm-1、818cm-1、801cm-1および690cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える請求項1記載の結晶多形。
【請求項21】
形態2で構成され、3246cm-1、2933cm-1、1728cm-1、1478cm-1、1226cm-1、1066cm-1、1017cm-1、982cm-1、800cm-1、686cm-1および605cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える請求項1記載の結晶多形。
【請求項22】
形態6で構成され、3387cm-1、2928cm-1、2855cm-1、1710cm-1、1607cm-1、1478cm-1、1223cm-1、1115cm-1、977cm-1、890cm-1、797cm-1および703cm-1のピークを含有する赤外線スペクトルを与える請求項1記載の非晶質多形。
【請求項23】
医薬組成物の製造における請求項1〜22の何れかの項記載の式(I)の化合物の多形の使用。
【請求項24】
請求項1〜22の何れかの項記載の多形および少なくとも1種の他の薬学的に許容しうる成分を含有する医薬組成物。
【請求項25】
炎症性の疾患または症状を治療、診断および/または予防するための請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1〜22の何れかの項記載の多形、少なくとも1種の他の活性な薬剤成分および少なくとも1種の他の薬学的に許容しうる成分を含有する医薬組成物。
【請求項27】
炎症性の疾患または症状を治療、診断および/または予防するための請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
慢性の閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺障害(ALI)、心肺バイパス、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症性ショック、敗血症;乾癬、アトピー性皮膚炎および関節リウマチのような慢性の炎症性疾患;心臓発作、卒中、アテローム性動脈硬化症および臓器移植後に起こる再潅流傷害、外傷性ショック、多臓器不全、多発性硬化症のような自己免疫疾患、経皮経管的血管形成、喘息、炎症性腸疾患、クローン病、並びにsLeaが介在する細胞接着が関与するガンの転移を治療、診断および/または予防するための請求項24記載の医薬組成物。
【請求項29】
次の工程:
式(I)の化合物を加熱しながら水、有機溶媒、界面活性剤、イオン性液体またはこれらの何れかの媒質の混合物に溶解し、その後溶液を冷却しながら沈殿または結晶化させる;あるいは
式(I)の化合物を加熱しながら水、有機溶媒、界面活性剤、イオン性液体またはこれらの何れかの媒質の混合物に溶解し、その後蒸発により結晶化させる;あるいは
式(I)の化合物を溶媒に溶解し、その後溶液に貧溶媒を加えて急速に沈殿または結晶化させる;あるいは
種結晶を加えて式(I)の化合物の溶液から結晶化させる;あるいは
式(I)の化合物を塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウムなど)の水溶液で摩砕し、次に吸着剤(例えば機能性樹脂、木炭、溶融アルミナなど)で処理し、その後酸(例えば塩酸、硫酸など)の水溶液を加えて沈殿させる;あるいは
式(I)の化合物を熱および/または圧力および/または蒸気に暴露する;
のうちの少なくとも1つが適用されることを特徴とする請求項1記載の多形の製造法。
【請求項30】
次の処理工程:
a) 式(I)の化合物を反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物に加える;
b) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する;
c) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する;
d) 懸濁液をろ過する;
e) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
f) ろ過により得られた湿潤ろ過ケークを反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物中で懸濁させる;
g) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する;
h) 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をその反応器から他の反応器に移す;
i) ろ過ラインを予めその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
j) 混合物を真空下で濃縮する;
k) 水を加えて溶液のKarl Fischer値を30%〜60%に設定する;
l) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する;
m) 懸濁液をろ過する;
n) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
o) 水を入れた反応器に上記工程14からのろ過ケークを加える;
p) (式(I)の化合物の量に関して)少なくとも2モル当量の1M水酸化ナトリウム水溶液(純粋な水酸化ナトリウムを水に溶解して調製した)を加え、混合物を撹拌して完全に溶解する;
q) 吸着剤(1〜10モル当量)を反応混合物に加える;
r) 反応混合物を(HPLCによる純度のプロセス管理で)99.0%以上の純度に達するまで撹拌する;
s) 反応混合物を最大孔径1μmのフィルターF1を通してその反応器から他の反応器R2にろ過する;
t) ろ過ケークを水で洗浄し、その洗浄液をF1からR2まで通す;
u) F1を通して水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物をR2に入れる;
v) F1を通して(工程16の水酸化ナトリウムの量に関して)等モル量の1M塩酸溶液(塩酸を水に溶解して調製した)を加える;
w) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する;
x) 懸濁液をろ過する;
y) ろ過ケークを予めF1を通してろ過した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
z) 生成物をKarl Fischer法による含水量が1.5%未満になるまで約50℃の温度で真空乾燥する;
が適用されることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の多形の製造法。
【請求項31】
次の処理工程:
a) 式(I)の化合物を反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物に加える;
b) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する;
c) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する;
d) 懸濁液をろ過する;
e) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度まで冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
f) ろ過により得られた湿潤ろ過ケークを反応器において水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物中で懸濁させる;
g) 混合物をその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱し、撹拌して溶解する;
h) 最大孔径1μmのフィルターを通して反応混合物をその反応器から他の反応器に移す;
i) ろ過ラインを予めその大気圧での沸点より約10℃低い温度に加熱した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
j) 混合物を真空下で濃縮する;
k) 水を加えて溶液のKarl Fischer値を30%〜60%に設定する;
l) 反応混合物を0℃〜25℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜25℃で30分間から20時間まで撹拌する;
m) 懸濁液をろ過する;
n) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
o) 生成物をKarl Fischer法による含水量が3%未満になるまで約40℃〜60℃の温度で真空乾燥する;
が適用されることを特徴とする請求項1または4記載の多形の製造法。
【請求項32】
次の処理工程:
a) 反応器R1において形態2の製造からのろ液および洗浄液を集め、合一する;
b) 混合物を真空下で濃縮する;
c) R1において反応混合物を0℃〜15℃の温度に冷却し、反応混合物を0℃〜15℃で3日間まで撹拌する;
d) 懸濁液をろ過する;
e) ろ過ケークを予め0℃〜25℃の温度に冷却した水および低級アルコール(例えばエタノールまたはイソプロピルアルコール)の混合物で洗浄する;
f) 生成物をKarl Fischer法による含水量が3%未満になるまで約40℃〜60℃の温度で真空乾燥する;
が適用されることを特徴とする請求項1または5記載の多形の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−502682(P2010−502682A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527151(P2009−527151)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059410
【国際公開番号】WO2008/028966
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(508084917)レボタール・バイオファーマシューティカルズ・アーゲー (5)
【Fターム(参考)】