説明

10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物、その製造法及びその重合物

【課題】高屈折率を有し、紫外域の吸収や蛍光性が無く透明性にすぐれ、廃棄の際には環境への悪影響が無く、高圧水銀ランプなどを用いた工業的に有利な紫外線硬化装置で重合可能な化合物とその製造法、及びその化合物を含む重合性組成物を提供する。
【解決手段】10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタのアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を炭酸エステル化することによる10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の製造法及び、該(メタ)アクリレート化合物並びに該(メタ)アクリレート化合物を含む紫外線硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物、その製造法、及び該(メタ)アクリレート化合物を重合してなる重合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学分野においてガラス代替材料としてプラスチックが盛んに用いられている。例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等がよく知られている。これらのプラスチック材料は、軽量性、安全性、意匠性を有している反面、屈折率は無機ガラスより低いため、分厚くなりやすいという欠点がある。そこで、近年、高屈折率を有するプラスチック材料に対する要望が高くなってきている。特に、高屈折率プラスチック材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク、ホログラム、光ファイバー、光道波路等への検討が盛んに行われている。
【0003】
プラスチックの屈折率とその原料となるモノマーの屈折率には正の相関関係にあり、高屈折率のプラスチックを得るためにはそのプラスチックを構成するモノマーが高屈折率であることが必要である。
【0004】
モノマーの屈折率を高くする方法としては、分子構造中にハロゲン原子(フッ素を除く)や硫黄原子、更には芳香環を導入することが既に広く知られている。例えば、ハロゲン原子の有する高い固有屈折率を利用し、ビフェニル環にハロゲン原子を導入した高屈折率重合体が報告されている(特許文献1)。しかし、ハロゲン化することによって、得られた重合体の耐光性が著しく劣化し、また、高比重であるという欠点があった。又ハロゲン以外に高い固有屈折率を有する硫黄原子を有する単量体組成物も報告されている(特許文献2)。しかし、硫黄原子を有するモノマー組成物は高い屈折率、優れた耐衝撃性を有するものの、同様に得られた重合体の耐光性が著しく劣り、また、硫黄特有の不快臭を発する等の問題があった。更に、硫黄原子を有するモノマー組成物を用いたプラスチックが廃棄物として処理されるとき、有害なガスや硫黄化合物を生じることが懸念される。
【0005】
一方、モノマーの屈折率を高くする方法として、従来からベンゼン環、ビフェニル環を導入することが知られている。ベンゼン環、ビフェニル環を有するプラスチック材料は、軽量で透明性に優れ、比較的屈折率が高いプラスチック材料が得られる(特許文献3等)。しかし、ベンゼン環を用いた場合、ハロゲン原子や硫黄原子を含まないモノマーでは屈折率が1.54を超えるものを得ることは困難であった。
【0006】
また、モノマーの屈折率を高くする方法として、ナフタレン環を導入したアクリレート化合物について報告がなされている(特許文献4,5)。しかしながら、ナフタレン環を含むアクリレート化合物は350nm近辺にUV吸収を持つため、光硬化させる場合に光源として最も一般的な高圧水銀ランプを用いた場合、高圧水銀ランプの366nm付近の光が吸収される、いわゆる内部フィルタリング効果を有するため、光硬化が遅くなるという欠点があった。また、高圧水銀ランプの短波長成分を吸収し分解着色するという欠点があった。そのため、従来は、400nm付近の波長を含む紫外LEDランプなどにより、イルガキュア819やダロキュアTPO(イルガキュア、ダロキュアはチバスペシャリティケミカルズ社の登録商標)等のホスフィンオキサイド系の光ラジカル重合開始剤を用いて光硬化させている(特許文献5)。
【0007】
しかしながら、紫外LEDランプは、光硬化用の光源としては未だ普及しておらず、工業用の大型の装置を作成し難いという欠点を有している。また、ホスフィンオキサイド系の光ラジカル重合開始剤は、リン化合物を含有しているため、高価であるという欠点を有する。
【0008】
また、更に高い屈折率を得るため、アントラセン環、フルオレン環を有するモノマーの開発も検討されている(特許文献6,7,8)。更に、アントラセン環やフルオレン環等をエステル交換によりポリマーに導入する試みもなされている(特許文献9)。
【0009】
しかしながら、アントラセン環やフルオレン環の導入により、高い屈折率のプラスチック材料が得られるが、フルオレン環を導入した場合は、紫外領域に吸収があるため、光照射により着色しやすく、耐光性に問題がある。また、アントラセン環を導入した場合はアントラセン環が蛍光を発するため、光学材料分野での適用は困難である等の問題がある。
【0010】
また、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物はナフタレン環とアントラセン環の中間の構造を持っているが、その類似化合物として1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン環を有するアクリレート化合物については、その合成例が報告されている。しかし、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物とは構造が異なるうえ、当該1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン環を有するアクリレート化合物あるいはその重合物の屈折率に関しては何ら述べられておらず、その示唆もない(特許文献10)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平05−170702号公報
【特許文献2】特開2002−20433号公報
【特許文献3】特開2003−064296号公報
【特許文献4】特開2001−276587号公報
【特許文献5】特開2008−81682号公報
【特許文献6】特開2004−083855号公報
【特許文献7】特開平06−220131号公報
【特許文献8】特開2007−99637公報
【特許文献9】特開2006−312709号公報
【特許文献10】特開2008−169324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
よって、アントラセン環やフルオレン環にみられるような紫外域の吸収や蛍光の問題が無く、透明性に優れ、かつ、一般的で最も広く用いられている高圧水銀ランプなどの光源で重合可能であり、光ラジカル重合開始剤も特殊な重合開始剤を用いなくとも重合可能なアクリレート化合物の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、多環式芳香族骨格を有するアクリレート化合物の構造と光硬化性に関して鋭意検討した結果、一般式(1)に示す10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物が高圧水銀ランプにより容易に重合すること、更に、得られた重合物が透明でかつ高い屈折率を有していることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
第1発明では、一般式(1)で示される10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を提供する。
【0015】
【化1】

【0016】
(一般式(1)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基のいずれかを示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【0017】
第2発明では、一般式(2)で示される10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を炭酸エステル化することよりなる第1発明に記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供する。
【0018】
【化2】

【0019】
(一般式(2)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【0020】
第3発明では、一般式(3)で示される10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物を(メタ)アクリル化することよりなる第1発明に記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供する。
【0021】
【化3】

【0022】
(一般式(3)中、R1、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基のいずれかを示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【0023】
第4発明では、少なくとも第1発明に記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する重合性組成物を提供する。
【0024】
第5発明では、第4発明に記載の重合性組成物と、さらに10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物とを含有することを特徴とする重合性組成物を提供する。
【0025】
第6発明では、第4発明又は第5発明のいずれかに記載の重合性組成物を重合してなる重合物を提供する。
【0026】
本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリル表す。
【0027】
また、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン骨格における置換基の位置番号は、下記のように付する。
【0028】
【化4】

【0029】
また、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物とは、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン骨格の10位にアルキルオキシカルボニルオキシ基またはアリールオキシカルボニルオキシ基が置換され、9位に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換された構造の化合物を称する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、新規な化合物であり、かつ、最も一般的な紫外光源である高圧水銀ランプにより容易に重合する。また、重合により得られた重合物は透明であり、高い屈折率を示す、工業的に有用な化合物である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
((メタ)アクリレート化合物)
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(1)に示される構造を有する化合物である。
【0032】
【化5】

【0033】
(一般式(1)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基のいずれかを示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【0034】
一般式(1)中、Xで表されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0035】
一般式(1)中、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0036】
一般式(1)に示す10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、Xが水素原子の場合は、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0037】
更には、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン環にアルキル基が置換した化合物としては、まず6位がアルキル基で置換されている例として、6−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6,11−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6,11−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0038】
また更に、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0039】
また、5位がアルキル基で置換されている例として、5−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、1,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、1,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、2,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、2,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0040】
また、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0041】
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン環にハロゲン原子が置換した化合物、すなわちXがハロゲン原子である化合物とすることもできる。ハロゲン原子を含むという欠点を有するが、屈折率としては高く、やはり、新規な化合物であり、かつ、最も一般的な紫外光源である高圧水銀ランプにより容易に重合する化合物となる。例えば、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0042】
また、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0043】
また、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−クロロ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0044】
また、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(1−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−ブロモ−10−(2−ナフチルオキシフカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0045】
なお、メチルシクロペンタジエン、又はそのダイマーを熱分解して得られたメチルシクロペンタジエンを本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の合成原料として用いた時は、一般式(1)におけるRからRのいずれか一つにメチル基が置換した化合物の混合物となることがある。これは、一般的に入手可能なメチルシクロペンタジエン又はそのダイマーがメチル基の置換位置が異なる異性体の混合物であることが多いためである。しかし、これらの混合物を用いて反応することによって得られた場合でも、特定の位置にメチル基が置換した化合物を単離精製することなく、このRからRのいずれか一つにメチル基が置換した化合物の混合物として用いても、本発明の効果を発現することができる。
【0046】
前記の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物のうち、Xが水素原子であり、RからRのすべてが水素原子あるいはRからRのいずれか一つがメチル基で他のすべてが水素原子であり、Rが水素原子かメチル基であり、Rがメチル基、エチル基又はフェニル基である化合物が、合成が容易であり、かつ、得られる生成物の屈折率が高いことから特に好ましい。
【0047】
[製造方法]
10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、下図にしめすように二つのルートで得ることができる。一つは、まず1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ(メタ)アクリル化し、ついで、炭酸エステル化するルートAであり、二つ目は一つ目と順序が反対の方法であって、まず、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ炭酸エステル化し、ついで(メタ)アクリル化するルートBである。
【0048】
【化6】

【0049】
<ルートA>
まず、ルートAについて述べる。ルートAにおいて、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(2)に示された10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を炭酸エステル化することより得ることができる。また、当該10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ(メタ)アクリル化することにより得ることができる。
【0050】
【化7】

【0051】
一般式(2)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0052】
一般式(2)中、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
【0053】
すなわち下記反応式に示すように、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ(メタ)アクリル化して10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物となす第1反応と、得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレートを炭酸エステル化する第2反応より、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレートを合成することができる。
【0054】
【化8】

【0055】
上記反応式中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0056】
【化9】

【0057】
上記反応式中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0058】
出発原料として使用する1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物は、次のように合成することができる。すなわち、対応する1,4−ナフトキノン化合物とシクロペンタジエン化合物とをディールス・アルダー反応させることにより、まず1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を得る。そして、当該1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を接触水素化することにより、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物とし、そして、当該1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を更にエノール化することにより、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物を得ることができる。
【0059】
1,4−ナフトキノン化合物と、シクロペンタジエン化合物とのディールス・アルダー反応は従来公知の方法で行うことができる。例えば、特開平6-312950号公報の工程1に記載の方法により合成できる。
【0060】
シクロペンタジエン化合物としては、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン等を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することもできる。また、シクロペンタジエン化合物は、対応するジシクロペンタジエン化合物を加熱し、シクロペンタジエン化合物に分解して用いてもよい。
【0061】
例えば、ジシクロペンタジエンを150度以上に加熱すると熱分解して、シクロペンタジエンとなる。これを冷却することにより、シクロペンタジエンを単離することができる。メチルシクロペンタジエンも同様にして、メチルジシクロペンタジエンを熱分解して得ることができる。このようにして得たシクロペンタジエンあるいはメチルシクロペンタジエンは、室温で徐々に再び二量化するため、すぐに次の反応に用いることが好ましい。シクロペンタジエンあるいはメチルシクロペンタジエンをナフトキノン化合物と混合すると発熱を伴って、ディールス・アルダー反応を起こし、環状付加物を生成する。メチルシクロペンタジエンがメチル基の置換位置の異なる異性体の混合物となっているものの場合は、ディールス・アルダー反応物がシクロペンタジエンを用いた時に比べ、低融点物となる場合が多いが、以下の接触水素化反応、エノール化反応、(メタ)アクリル化反応及び炭酸エステル化反応において、ほぼ同様の反応で10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を合成することができる。
【0062】
1,4−ナフトキノン化合物とシクロペンタジエン化合物とのディールス・アルダー反応物を接触水素化して得られた1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。すなわち、第1反応の原料である1,4−ナフトキノン化合物に対応して、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6−エチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5−エチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、11−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6,11−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6−エチル−11−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5,11−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5−エチル−11−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、1−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、1,6−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6−エチル−1−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、1,5−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5−エチル−1−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、2−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、2,6−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、6−エチル−2−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、2,5−ジメチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン、5−エチル−2−メチル−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン等が挙げられる。
【0063】
次に、水素化について説明する。1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物は、接触水素化触媒の存在下、容易に2、3位の二重結合を接触水素化することができる。触媒としては炭素−炭素二重結合の接触水素化反応に一般的に使用される触媒が使用可能であり、例えば、パラジウム担持活性炭、ラネーニッケル、ラネーコバルト、酸化白金、白金担持活性炭、ニッケル珪藻土、銅クロマイトなどの不均一系触媒;又はクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、白金−スズ錯体、第三級ホスフィン−コバルトカルボニル錯体などの均一系触媒を挙げることができる。当該接触水素化反応は水素ガスの存在下に行う。使用する触媒の種類によっては常圧で行うことも可能であるが、加圧下で行うことが反応速度が大である場合が多いため望ましい。加圧下で行う場合には、30MPa以下、好ましくは20MPa以下、更に好ましくは10MPa以下であるのが、反応装置、操作性等の面で工業的に有利である。
【0064】
接触水素化により得られた1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物をエノール化する方法としては酸触媒又は無機塩基存在下の2種類の方法で行うことができる。
【0065】
まず、酸触媒を用いるエノール化の方法について述べる。1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物のエノール化は、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物と酸触媒とを溶媒中で加熱することにより行う。用いることができる酸触媒としては、硫酸、塩化水素、硝酸、p−トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸、燐酸等が挙げられる。
【0066】
酸触媒を用いるエノール化において、用いることができる溶媒としては、特に種類を選ばないが、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸,プロピオン酸等の有機酸等が好適に用いられる。特に芳香族系溶媒を使用した場合は、反応終了後、反応液を冷却すると1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物が析出してくるので、特に望ましい。
【0067】
酸触媒を用いるエノール化の温度は、50℃以上、150℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上、120℃以下である。50℃以下では反応時間がかかりすぎ、150℃以上では生成物の純度が低下するので、共に望ましくない。エノール化の反応時間は反応温度によるが、通常、30分から3時間程度である。反応終了後、反応液を冷却するか又は、n−ヘキサン等の貧溶媒に投入することにより、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物が析出する。
【0068】
次に無機塩基を用いたエノール化の方法について述べる。1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を水若しくは水溶性溶媒又は水と水溶性溶媒の混合液中に分散させ、次いで1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物の2倍モル以上の無機塩基を添加し、加熱して、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物の無機塩基塩溶液とする。次いで、該無機塩基塩溶液に酸を加えて中和することにより、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物が得られる。
【0069】
無機塩基を用いたエノール化において、用いる無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0070】
水溶性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒が使用される。中でも、反応収率の高さから、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
【0071】
反応温度としては、20℃以上、100℃以下が好ましい。より好ましくは50℃以上、80℃以下である。20℃以下では反応時間がかかりすぎ、100℃以上では、生成物の純度が低下し、共に好ましくない。
【0072】
反応時間としては、反応温度にもよるが、通常30分以上、2時間以下である。無機塩基を添加すると、水溶液の色が赤くなり、該水溶液を加熱するにつれて次第に1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物の結晶が溶けて、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物の無機塩基塩が生成して赤い水溶液となる。該無機塩基塩水溶液に硫酸、塩化水素、硝酸、p−トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸、燐酸等の酸を加えて、水溶液のpHを弱酸性にすると、水溶液の赤色が消えて、灰白色の1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物のスラリーが大量に析出する。これを濾過等により、分離することにより、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物を得ることができる。
【0073】
次に、第1反応について説明する。得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物と(メタ)アクリル化剤とを無機塩基の存在下で反応させることにより10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
【0074】
用いる1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。すなわち、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、6−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、5−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール等が挙げられる。
【0075】
(メタ)アクリル化剤としては、ハロゲン化(メタ)アクリロイルを用いることができる。ハロゲン化(メタ)アクリロイルとしては、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、臭化アクリロイル、臭化メタクリロイル等が挙げられる。その中でも特に塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルが収率よく目的物が得られるため、好ましい。
【0076】
たとえば、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物に塩化アクリロイルを反応させると、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート化合物が得られる。一方、塩化メタクリロイルを反応させると、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート化合物が得られる。
【0077】
用いるハロゲン化(メタ)アクリロイルの添加量は1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物1モルに対して、通常1.0モル倍以上2.5モル倍未満、好ましくは1.2モル倍以上2.0モル倍未満である。1.0モル倍より少なすぎる場合は、原料の1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物が未反応のまま残ってしまい、一方、2.5モル倍より多すぎる場合は、ハロゲン化(メタ)アクリロイルが一部重合し、得られた10−アルコキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の純度が低下してしまい、いずれも好ましくない。
【0078】
用いる無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
【0079】
用いる無機塩基の添加量は、ハロゲン化(メタ)アクリロイル1モルに対して、通常1.0モル倍以上1.5モル倍未満である。塩基の使用量が少なすぎると、ハロゲン化(メタ)アクリロイルの滴下中に水層のpHが酸性になり、選択率が低下する場合がある。一方、塩基の使用量が多すぎると、ハロゲン化(メタ)アクリロイルが分解する場合などがあり好ましくない。
【0080】
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物とハロゲン化(メタ)アクリロイルとの反応は、通常は溶媒の存在下で行なう。溶媒の種類は特に制限されないが、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なうことが好ましい。
【0081】
水相及び有機相からなる二相系で(メタ)アクリル化する場合、通常は溶媒として、水と、有機相を形成する一又は二以上の有機溶媒とを併用することが好ましい。有機相を形成する有機溶媒の種類は特に制限されないが、比較的低い極性を示し、水に対して混和性を示さない有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。単独で用いる場合は、トルエンが好ましく、二種以上を組み合わせて用いる場合の有機溶媒の組み合わせとしては、トルエンとキシレン又はトルエンとヘプタンの組み合わせが好ましい。
【0082】
水相と有機相との混合比率は、特に制限されるものではないが、水相及び有機相の合計容積に対して、水相の容積比率が、通常50vol%以上、95vol%以下の範囲であることが好ましい。水相の容積比率が50vol%より少なすぎ、又は95vol%より多すぎると、得られる10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の選択率が低下するため、いずれも好ましくない。
【0083】
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物とハロゲン化(メタ)アクリロイルとの反応において、反応温度の制御及び選択率向上の観点から、原料であるハロゲン化(メタ)アクリロイルを1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物と有機溶媒等との溶液中に攪拌しながら滴下する方法が好ましい。
【0084】
また、(メタ)アクリル化反応は冷却しながら行なうことが好ましい。具体的には、反応温度を通常10℃以下、特に5℃以下で、水相が凝固しない温度以上とすることが好ましい。発熱により反応温度が上昇しすぎると、得られる10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の選択率が低下し、また、得られる10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物が加水分解してしまう場合があり、いずれも好ましくない。
【0085】
(メタ)アクリル化反応に要する時間は、特に限定されないが、通常0.1時間以上2時間未満、特に0.2時間以上0.5時間未満の範囲が好ましい。反応終了後は、できるだけ早く反応をクエンチ(停止)することが好ましい。
【0086】
反応のクエンチの方法は、例えば、反応系(水相)に希塩酸(濃度が1〜3モル/L)、希硫酸(濃度0.5〜1.5モル/L)等の酸を加えて酸性にすることにより行なう。反応終了後、必要に応じて、粗精製、再結晶精製等の後処理を行なってもよい。
【0087】
反応生成物の粗精製は、例えば、以下の手順により行なうことができる。例えば、反応系に酢酸エチル等の抽出溶媒を加えて混合し、二層分離を行なう。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)等の乾燥剤を加えて乾燥した上で、溶媒を留去することにより、粗精製物を得ることができる。粗精製物の再結晶精製は、例えば、粗精製物を再結晶用の溶媒に加えて加熱溶解させた後、放冷して再結晶させることにより行なう。再結晶用の溶媒としては、例えば、トルエン、トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒、トルエンとエタノールとの混合溶媒等を使用することが出来る。
【0088】
次に、上記反応によって得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を炭酸エステル化剤によって10位のヒドロキシ基を炭酸エステル化する。
【0089】
原料として用いられる10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物としては、例えば次の化合物が挙げられる。
【0090】
すなわち、Xが水素原子の場合は、Xが水素原子の場合は、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0091】
Xがアルキル基の場合は、6−メチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−メチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−メチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、6−エチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート、5−エチル−10−ヒドロキシ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート等が挙げられる。
【0092】
第2反応で使用される炭酸エステル化剤としては、クロロ炭酸メチル、ブロモ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、ブロモ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、ブロモ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸−i−プロピル、ブロモ炭酸−i−プロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、ブロモ炭酸−n−ブチル、クロロ炭酸−i−ブチル、ブロモ炭酸−i−ブチル、クロロ炭酸フェニル、ブロモ炭酸フェニル、クロロ炭酸−2−ナフチル、ブロモ炭酸−2−ナフチル、クロロ炭酸−1−ナフチル、ブロモ炭酸−1−ナフチル等が挙げられる。
【0093】
10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物に対する炭酸エステル化剤の添加量は、1モル倍から2モル倍が好ましく、より好ましくは1.1モル倍から1.5モル倍である。1モル倍未満の場合は未反応の10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物が残留し、また、2モル倍を超える場合は、炭酸エステル化剤が多量に反応物に残るため、生成物が結晶化し難くなり、いずれも好ましくない。
【0094】
第2反応で使用される塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン等が挙げられる。塩基の使用量は通常、原料の10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物に対して、等モルから3モル倍量添加する。
【0095】
第2反応は、一般的に溶媒中で行われる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。アシル化剤を溶媒として用いることができる場合もある。溶媒中の10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の濃度としては、通常0.2モル濃度以上が好ましい。
【0096】
溶媒が芳香族系溶媒の場合は、第二反応の原料である10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の溶媒に対する溶解度が低くスラリー状態となる場合があるが、反応が進行するにともない、可溶化してくるのが一般である。
【0097】
第2反応において、反応温度は0℃から80℃、好ましくは0℃から20℃である。反応温度が低すぎると反応に時間がかかり、また80℃を超えると不純物濃度が増え、いずれの場合も好ましくない。
【0098】
第2反応において、反応時間は反応温度によるが、通常、15分から3時間程度である。反応終了後、水又はメタノールを加えて未反応のアシル化剤を加水分解した後、濾液に水を添加して析出した 塩酸塩を濾過して除去するとともに生成物を晶析させ、析出した結晶を濾過して白色あるいは黄白色粉末を得る。
【0099】
<ルートB>
上記では10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を得るためのルートAについて述べてきたが、次に、ルートBについて述べる。ルートBにおいて、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレートは、下記一般式(3)に示される10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物を(メタ)アクリル化することより得ることができる。また、当該10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物は、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ炭酸エステル化することにより得ることができる。
【0100】
【化10】

【0101】
一般式(3)に於いて、R1、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基、アリール基を示し、Xは、水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0102】
一般式(3)中、Rで表されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、2−ナフチル基、1−ナフチル基等が挙げられる。また、これらの基は、さらに置換基を有していてもよい。
【0103】
一般式(3)中、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
【0104】
一般式(3)に示す10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(メトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール等である。
【0105】
Xがアルキル基の場合で、まず6位がアルキル基で置換されている例として、6−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−メチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,6−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール等が挙げられる。
【0106】
また、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール 、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−−メチル−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、6−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール等が挙げられる。
【0107】
また、5位がアルキル基で置換されている例として、5−メチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−メチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5,11−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、1,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、2,5−ジメチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール等が挙げられる。
【0108】
また、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−−メチル−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−11−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(メトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(エトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(フェノキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(トリルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール、5−エチル−10−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール等が挙げられる。
【0109】
ルートBにおいては、下記反応式に示すように、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物をモノ炭酸エステル化して10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物となす第3反応と、得られた10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物を(メタ)アクリル化する第4反応より、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を合成することができる。
【0110】
【化11】

【0111】
上記反応式中、R1、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0112】
【化12】

【0113】
上記反応式中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。
【0114】
第3反応において、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物がモノ炭酸エステル化され、対応する10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物が得られる。
【0115】
第3反応における10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物の製造方法は、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物とハロゲン化炭酸エステルとをアルカリの存在下で反応させることからなる。
【0116】
第3反応において、使用される炭酸エステル化剤としては、クロロ炭酸メチル、ブロモ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、ブロモ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、ブロモ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸−i−プロピル、ブロモ炭酸−i−プロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、ブロモ炭酸−n−ブチル、クロロ炭酸−i−ブチル、ブロモ炭酸−i−ブチル、クロロ炭酸フェニル、ブロモ炭酸フェニル、クロロ炭酸トリル、ブロモ炭酸トリル、クロロ炭酸−1−ナフチル,ブロモ炭酸−1−ナフチル、クロロ炭酸−2−ナフチル,ブロモ炭酸−2−ナフチル等が挙げられる。
【0117】
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物とハロゲン化炭酸エステルとの使用比率は、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物に対するハロゲン化炭酸エステルのモル比で、1モル倍から2.5モル倍が好ましく、より好ましくは1.2モル倍から2.0モル倍である。ハロゲン化炭酸エステルの比率が低過ぎると、未反応の1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物量が多くなり、原料回収等の処理が必要となる場合がある。一方、ハロゲン化炭酸エステルの比率が高過ぎると、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物の両方の水酸基がアシル化されたジエステル体の副生量が増加する傾向がある。
【0118】
第3反応で使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
【0119】
アルカリの使用比率は、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物に対する無機塩基の当量比で、通常1.0モル倍以上、1.5モル倍未満の範囲とすることが好ましい。無機塩基の比率が低過ぎると、ハロゲン化炭酸エステルの滴下中に水層のpHが酸性になり、選択率が著しく低下する場合がある。一方、無機塩基の比率が高過ぎると、炭酸エステル化剤の分解が増える場合がある。
【0120】
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物とハロゲン化炭酸エステルとの反応は、通常は反応溶媒の存在下で行なう。反応溶媒の種類は特に制限されないが、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なうことが好ましい。
【0121】
水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合、通常は反応溶媒として、水と、有機相を形成する一又は二以上の有機溶媒とを併用する。有機相を形成する有機溶媒の種類は特に制限されないが、比較的低い極性を示し、水に対して混和性を示さない有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して用いてもよい。中でも、トルエン、キシレン、ヘプタンが好ましく、トルエンを単独で、或いはヘプタンと混合して用いることが特に好ましい。
【0122】
反応温度の制御および選択率向上の観点から、ハロゲン化炭酸エステルを滴下する方法が好ましい。特に、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合には、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物を水相及び有機相の二相系溶媒に溶解させ、容器中で攪拌等の手法により混合しながら、ハロゲン化炭酸エステルを滴下して反応させることが好ましい。
【0123】
第3反応においては、反応系の温度は反応系を冷却しながら反応を行なうことが好ましい。具体的には、反応系の温度を通常10℃以下、中でも5℃以下で、水層が凝固しない温度以上とすることが好ましい。反応時の温度が高過ぎると、選択率が低下する傾向があり、また、反応生成物である10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物の加水分解が生じる場合がある。
【0124】
第3反応において、反応時間は通常5分以上、中でも10分以上、また、通常1時間以下、中でも30分以下の範囲が好ましい。上述の反応時間の経過後は、できるだけ早く反応をクエンチ(停止)することが好ましい。
【0125】
反応生成物の粗精製は、例えば、以下の手順により行なうことができる。例えば、反応系に酢酸エチル等の抽出溶媒を加えて混合し、二層分離を行なう。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)等の乾燥剤を加えて乾燥した上で、溶媒を留去することにより、粗精製物を得ることができる。粗精製物の再結晶精製は、例えば、粗精製物を再結晶用の溶媒に加えて加熱溶解させた後、放冷して再結晶させることにより行なう。再結晶用の溶媒としては、例えば、トルエン、トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒、トルエンとエタノールとの混合溶媒等を使用することが出来る。
【0126】
次に、第4反応においては、塩基存在下、又は塩基非存在下、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物が(メタ)アクリル化され、対応する10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物が得られる。
【0127】
使用される(メタ)アクリル化剤としてはアクリル酸ハライド、メタクリル酸ハライドが用いられる。具体的な化合物としてはアクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイドが挙げられる。中でも、選択率、収率の高いことから、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドが好ましい。
【0128】
10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物に対する(メタ)アクリル化剤の添加量は、1モル倍から2モル倍が好ましく、より好ましくは1.1モル倍から1.7モル倍である。1モル倍より低いと未反応の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物が残留し、また、2モル倍を超える場合は、(メタ)アクリル化剤が多量に反応物に残るため、生成物が結晶化し難くなり、いずれも好ましくない。
【0129】
第4反応で使用される塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン等が挙げられる。塩基の使用量は通常、原料の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物に対して、等モルから3モル倍量添加する。
【0130】
第4反応は、一般的に溶媒中で行われる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。アルカノイル化剤又はアリールカルボニル化剤を溶媒として用いることができる場合もある。溶媒中の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物の濃度としては、通常0.2モル濃度以上が好ましい。
【0131】
溶媒が芳香族系溶媒の場合は、第4反応の原料である10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物の溶媒に対する溶解度が低くスラリー状態となる場合があるが、反応が進行するにともない、可溶化してくるのが一般である。
【0132】
第4反応において、反応温度は0℃から80℃、好ましくは0℃から20℃である。反応温度が低すぎると反応に時間がかかり、また80℃を超えると不純物濃度が増え、いずれの場合も好ましくない。
【0133】
第4反応において、反応時間は反応温度にもよるが、通常15分から2時間程度である。反応終了後、水又はメタノールを加えて未反応の(メタ)アクリル化剤を加水分解した後、濾液に水を添加して析出した 塩酸塩を濾過して除去するとともに生成物を晶析させ、析出した結晶を濾過して白色あるいは黄白色粉末を得る。
【0134】
第2反応、第4反応で得られた化合物の同定は、H−NMRスペクトル、IRスペクトルを用いて行い、相当する10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物であることを確認した。
【0135】
[重合性組成物]
かくして得られた10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、ラジカル重合により重合物とすることができる。本発明の化合物のラジカル重合を促進するためには、ラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。そして、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物とラジカル重合開始剤を混合することによりラジカル重合性組成物とすることができる。
【0136】
このようなラジカル重合開始剤には、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とがある。紫外線や可視光線等の活性エネルギー線による光ラジカル重合は、硬化が速く、効率よく透明性の高い重合物を得ることができるので、特に本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を光学用途に用いる場合は、光ラジカル重合によることが好ましい。
【0137】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2,4,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,5−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−イソプロピルチオキサントン、2−t−ブチルアントラキノン等が挙げられる。実際の工業製品としてはチバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア651、イルガキュア184、ダロキュア1173、イルガキュア907、イルガキュア369、ダロキュアTPO、イルガキュア819が挙げられる(イルガキュア、ダロキュアはチバスペシャリティケミカルズ社の登録商標)。
【0138】
本発明の重合性組成物において、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を単独で用いて、重合物とすることもできるが、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物以外の通常のラジカル重合性化合物を加えて共重合性の重合性組成物として共重合させることも出来る。
【0139】
共重合させるラジカル重合性化合物として、例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート更には、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、p−トリルアクリレート、p−トリルメタクリレート、m−トリルアクリレート、m−トリルメタクリレート、o−トリルアクリレート、o−トリルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ビフェニル−4−イル−アクリレート、ビフェニル−4−イル−メタクリレート、4−フェノキシフェニルアクリレート、4−フェノキシフェニルメタクリレート、2−フェノキシフェニルアクリレート、2−フェノキシフェニルメタクリレート、2−(ビフェニル−2−イルオキシ)エチルアクリレート、2−(ビフェニル−2−イルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0140】
これらのラジカル重合性化合物と本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物とを共重合することにより、当該10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物単独での重合に比べ、得られる重合物の屈折率向上のほか、耐溶剤性、硬度、あるいは酸素非透過性などを高めることができる。
【0141】
また、2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチルアクリレート、2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチルメタクリレート等のビフェニル系アクリレート、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス{4−[2−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]フェニル}フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等のフルオレン系アクリレート等の屈折率の高いラジカル重合性化合物と共重合させることもできる。
【0142】
光ラジカル重合開始剤の添加濃度は、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物および必要に応じて併用されるラジカル重合性化合物の合計重量に対して0.1〜5重量%の範囲から選ばれ、好ましくは0.5〜2重量%である。0.1重量%より少ないと重合速度が遅く、5重量%より多いと重合物の物性が悪化するので好ましくない。
【0143】
また、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は熱ラジカル重合開始剤を用いて重合物となす事も出来る。
【0144】
熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ系化合物等のどちらでも使用可能である。有機過酸化物としては、例えばt− ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t− ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート類等のパーオキシ エステル類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ) −3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、 ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド 類等を挙げることができる。またアゾ系化合物の開始剤 としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス (シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾニトリル類を挙げることができる。
【0145】
本発明の重合性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、希釈剤、着色剤、有機又は無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤等の各種樹脂添加剤を配合してもよい。
【0146】
[重合方法]
当該ラジカル重合性組成物の重合はフィルム状で行うことも出来るし、塊状に硬化させることも可能である。フィルム状に重合させる場合は、液状の当該重合性組成物をたとえばポリエステルフィルムなどの基材に、たとえばバーコーターなどを用いて膜厚5〜300μmになるように塗布する。本発明の10−アシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、薄膜だけでなく500μmというような厚膜においても容易に重合させることができる。
【0147】
このようにして調製した塗布膜に活性エネルギー線を照射することにより重合させることができる。用いられる光源としては、使用する光ラジカル重合開始剤によって異なるが、250〜500nmの波長の活性エネルギー線が用いられる。したがって、上記の波長の活性エネルギー線を照射できる光源として、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDランプ、青色LEDランプ、白色LEDランプ等の光源が使用可能である。また、太陽光線を使用することもできる。特に、本発明の10−アシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、UV硬化装置として最も広く用いられている光源である高圧水銀ランプ(波長366nm)をもちいて重合させることができることから、工業的に非常に有用な化合物である。
【0148】
本発明の重合性組成物の光ラジカル重合の判定は、タック・フリーテスト(指触テスト)に基づいて行った。すなわち、光照射によりフィルム表面の光ラジカル重合性組成物のタック(べたつき)が取れるまでの時間を硬化時間とした。
【0149】
このようにして得られた、10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を重合させて得られるフィルム、シート及び塊状物は、高い屈折率を示し、またその構造から、紫外線吸収性、高い耐熱性、高硬度、高光沢性等が期待できる工業的に有用なものである。
【0150】
下記の実施例により本発明を例示するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。また、特記しない限り、すべての部および百分率は重量基準である。
【実施例】
【0151】
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)屈折率:アッベ屈折率計:エルマー社製、形式ER−7MW−H
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(4)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
【0152】
(合成例1)1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンの合成
ジシクロペンタジエン120g(和光純薬製)を容積が300mlのナス型フラスコに量り取り、フリードリッヒ冷却管を備えた蒸留装置にて185℃のオイルバスで加熱し、熱分解して溜出してきたシクロペンタジエン(溜出温度40℃)を塩化メチレン60g(和光純薬製)の入った容積が200mlのナスフラスコで捕集した。捕集するナスフラスコはドライアイス・アセトンで冷却しながら行った。上記の方法で捕集したシクロペンタジエン64gの塩化メチレン溶液を容積が500mlの四つ口フラスコに移し入れ、ドライアイス・アセトンで−60℃に冷却した。当該シクロペンタジエン64gの塩化メチレン溶液に撹拌しながら、1,4−ナフトキノン128g(川崎化成工業製)と塩化メチレン200g(和光純薬製)のスラリーを15分掛けて添加した。添加終了後、ドライアイス・アセトンの冷却を止め、発熱反応により内温が45℃まで上昇し、内温が下降するまで撹拌を続けた。内温が下がり始めたらバス温度を35℃に調整し、30分間攪拌した。反応液を容積が1Lのナス型フラスコに移し、これにメタノール300ml(和光純薬製)を加えた後、反応液中の塩化メチレン250gを50℃に加熱して溜去し、結晶を晶析させた。析出した結晶を吸引濾過し、得られた結晶をメタノール50mlで三回洗浄した。得られた結晶は白色結晶170gであった。この結晶を同定したところ、1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンであった。原料1,4−ナフトキノンに対する収率は94モル%であった。
【0153】
(合成例2)1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンの合成
合成例1と同様にしてで得られた1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン70gを容積が300mlのガラス製オートクレーブに量り取り、溶媒としてオルソキシレン150g(和光純薬製)、水添触媒としてパラジウムカーボン(Pd/C)1gを加え、0.2MpaGの条件下で水素を供給し、水素化反応させた。反応終了後、Pd/Cを濾過し、反応液を減圧濃縮し、オルソキシレン130gを溜去させ、メタノール50gを加え晶析させた。析出した結晶を吸引濾過し、メタノール50mlで洗浄・乾燥し、白色結晶72gを得た。この結晶を同定したところ、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンであった。1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンに対する収率は85モル%であった。
【0154】
(1)融点:116−117℃
(2)IR(KBr,cm−1):2980,2960,2880,1670,1590,1478,1452,1322,1302,1262,1168,1050,998,900,820,757,730,540
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.11−1.21(m.2H),1.41−1.46(m.1H),1.46−1.54(m,2H),1.58−1.65(m,1H),3.03(s,2H),3.20(s,2H),7.72−7.80(m,2H),8.08−8.16(m,2H).
【0155】
(合成例3)アルカリ性条件下での1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールの合成
温度計、攪拌機付きの容積が300mlの三口フラスコ中で、合成例2で得られた1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン11.3g(50ミリモル)を脱気した水100g中十分にリスラリーした。該スラリーに水酸化ナトリウム6.0g(150ミリモル)の脱気水20gの溶液を加えた。薄赤くなったスラリーを60℃で30分加熱して真っ赤な溶液となった。該溶液を氷水で冷やした後、1000mlの酸性水溶液に添加した。すると、白い沈殿が多量に生成するので、この沈殿を吸引濾過によりろ別し、得られた結晶を乾燥し、白い粉末を10.6g得た。この粉末を同定したところ、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールであることがわかった。原料である1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンに対する収率は94モル%であった。
【0156】
(1)融点:157−159℃
(2)IR(KBr,cm−1):3260,2970,2880,1612,1450,1390,1320,1296,1272,1224,1172,1158,1083,1040,972,928,878,772,758,645.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.30−1.37(m,1H),1.60−1.71(m,2H),1.78−1.85(m,1H),1.92−2.03(m,2H),3.62(s,2H),4.72(s,2H),7.39−7.48(m,2H),8.01−8.09(m,2H).
【0157】
(合成例4)酸性条件下における1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールの合成
温度計、攪拌機付きの容積が100mlの三つ口フラスコに合成例2で得られた1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン5.65g(25ミリモル)と、トルエン20g、メタンスルホン酸50mgを加え、窒素雰囲気下 105℃で1時間加熱して反応した。この反応液を冷却した後、n−ヘキサン200mlに投入し、白い沈殿を得た。この白い沈殿を吸引濾過によりろ別し、得られた結晶を乾燥し、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールの白い粉末を4.09g得た。原料である1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオンに対する収率は72モル%であった。
【0158】
(合成例5)10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの合成(第1反応)
温度計、攪拌機付きの容積が300mlの三つ口フラスコに、窒素雰囲気下、合成例3と同様にして得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール4.52g(20ミリモル)の水40gスラリーを加える。そこへ、水酸化ナトリウム1.0g(25ミリモル)の水6g溶液を加えた。赤色の溶液となるので、該溶液を氷水で冷やし、そこへ塩化アクリロイル2.75g(30ミリモル)のトルエン8g、ヘキサン4gの混合液を加え、良く攪拌した。すると、直ちに溶液の色が消えて無色となった。その後、水層を捨て、残りの有機層を水15mlで良く洗った。ついで、残りのスラリーを吸引濾過し、ろ別した固形分を最初に水洗い、次にトルエン洗いした。トルエン洗いと同時に固形分の色は黄色から白色になった。この固形分を乾燥して、白色の粉末を1.78g得られた。この白色の粉末を同定したところ、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートであることがわかった。原料である1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールに対する収率は32モル%であった。
【0159】
(1)融点:140−142℃
(2)屈折率:n=1.651
(3)IR(KBr,cm−1):3480,2980,2950,2874,1720,1660,1620,1590,1403,1378,1312,1262,1250,1217,1170,1080,1040,974,802,762,752,570.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.31−1.48(m,2H),1.60−1.68(m,1H),1.79−1.88(m,1H),1.88−2.00(m,2H),3.47(s,1H),3.60(s,1H),5.04(s,1H),6.10(d,J=9H,1H),6.49(dd,J=17Hz,J=9Hz,1H),6.74(d,J=17Hz,1H),7.40−7.48(m,2H),7.67−7.76(m,1H),8.02−8.12(m,1H).
【0160】
(合成例6)10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第1反応)
温度計、攪拌機付きの容積が300mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、合成例3と同様にして得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール4.52g(20ミリモル)を水40gでスラリー化したものを加える。そこへ水酸化ナトリウム1.0g(25ミリモル)の水6g溶液を加えた。すると、赤色の溶液となるので、該溶液を氷水で冷やし、そこへ塩化メタクリロイル3.12g(30ミリモル)のトルエン8g、n−ヘキサン4gの混合液を加え、良く攪拌した。攪拌5分後、溶液の色が消えて無色となった。水層を捨て、残りの有機層のスラリーを水15mlで良く洗った。ついで、残りの有機層のスラリーを吸引濾過し、固形分を最初に水洗い、次にトルエン洗いした。トルエン洗いと同時に固形分の色は黄色から白色になった。この固形分を乾燥して、白色の粉を3.51g得られた。この白色の粉を同定したところ、10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタアクリレートであることがわかった。原料である1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールに対する収率は59モル%であった。
【0161】
(1)融点:142−143℃
(2)屈折率:n=1.635
(3)IR(KBr,cm−1):3490,3070,2980,2950,2850,1720,1640,1590,1438,1380,1302,1288,1268,1217,1160,1145,1120,1095,955,957,760,550.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.32−1.48(m,2H),1.60−1.67(m,1H),1.80−1.88(m,1H),1.88−2.00(m,2H),2.16(s,3H),3.43(s,1H),3.58(s,1H),4.96(s,1H),5.83(s,1H),6.51(s,1H),7.38−7.47(m,2H),7.68−7.74(m,1H),8.04−8.12(m,1H).
【0162】
(合成例7)10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの合成(第3反応)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、合成例3と同様にして得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール2.26g(10ミリモル)を水20gでスラリー化したものを加える。そこへ、水酸化ナトリウム0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。液の色が赤っぽくなったので更に、50℃で30分加熱したところ、赤い溶液となった。該溶液を氷水で冷やし、そこへ、クロロ炭酸エチル1.3g(12ミリモル)のトルエン5g液を加え、良く攪拌した。攪拌3分後、液の色が消えて無色となった。14分後白色の沈殿が生じた。水層を捨て、残りのスラリー層を水10mlで良く洗った。ついで、残りのスラリーを吸引濾過し、固形分を最初に水洗い、次にトルエン洗いした。トルエン洗いと同時に固形分の色は黄色から白色になった。この固形分を乾燥して、10−エトキシカルボニルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの白色粉を2.02g(6.8ミリモル)得た。原料1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールに対する収率は68モル%であった。
【0163】
(1)融点:105−106℃
(2)屈折率:n=1.615
(3)IR(KBr、cm−1):3450,2960,2940,2875,1735,1662,1592,1471,1371,1308,1284,1260,1220,1175,1090,1030,982,962,892,868,780,768.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.32−1.50(m,5H),1.64(d,J=8Hz,1H),1.85(d,J=8Hz,1H),1.89−2.02(m,2H),3,56(s,1H),3.60(s,1H),4.36(q,J=8Hz,2H),4.97(s,1H),7.38−7.50(m,2H),7.77−7.84(m,1H),8.02−8.14(m,1H).
【0164】
(合成例8)10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの合成(第3反応)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、合成例3と同様にして得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール 2.26g(10ミリモル)を水20gでスラリー化したものを加える。そこへ、水酸化ナトリウム 0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。液の色が赤っぽくなったので更に、50℃で30分加熱したところ、赤い溶液となった。該溶液を氷水で冷やし、そこへ、クロロ炭酸−n−プロピル1.84g(15ミリモル)のトルエン6g液を加え、良く攪拌した。 攪拌3分後、液の色が消えて無色となった。14分後白色の沈殿が生じた。水層を捨て、残りのスラリー層を水10mlで良く洗った。ついで、残りのスラリーを吸引濾過し、固形分を最初に水洗い、次にトルエン洗いした。トルエン洗いと同時に固形分の色は黄色から白色になった。この固形分を乾燥して、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの白色粉を1.91g(6.1ミリモル)得た。原料1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールに対する収率は61モル%であった。
【0165】
(1)融点:110−112℃
(2)屈折率:n=1.604
(3)IR(KBr、cm−1):3480,3075,2975,2880,1740,1666,1594,1462,1400,1380,1356,1310,1260,1174,1092,1032,964,948,898,770,650.
(5)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.03(t,J=8Hz,3H),1.31−1.39(m,1H),1.39−1.48(m,1H),1.64(d,J=8Hz,1H),1.75−1.88(m,3H),1.89−1.99(m,2H),3.56(s,1H),3.59(s,1H),4.26(t,J=8Hz,2H),4.98(s,1H),7.39−7.49(m,2H),7.77−7.83(m,1H),8.04−8.11(m,1H).
【0166】
(合成例9)10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの合成(第3反応)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、合成例3と同様にして得られた1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール2.26g(10ミリモル)を水20gでスラリー化したものを加える。そこへ、水酸化ナトリウム0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。液の色が赤っぽくなったので更に、50℃で30分加熱したところ、赤い溶液となった。該溶液を氷水で冷やし、そこへ、クロロ炭酸フェニル 2.1g(14ミリモル)のトルエン5g液を加え、良く攪拌した。攪拌3分後、液の色が消えて無色となった。14分後白色の沈殿が生じた。水層を捨て、残りのスラリー層を水10mlで良く洗った。ついで、残りのスラリーを吸引濾過し、固形分を最初に水洗い、次にトルエン洗いした。トルエン洗いと同時に固形分の色は黄色から白色になった。この固形分を乾燥して、10−フェノキシカルボニルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールの白色粉を1.95g(6.5ミリモル)得た。原料1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールに対する収率は65モル%であった。
【0167】
(1)融点:166−168℃
(2)屈折率:n=1.635
(3)IR(KBr、cm−1):3460,2990,2960,2880,1750,1594,1495,1260,1230,1210,1176,1085,768,722.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.31−1.39(m,1H),1.44−1.52(m,1H),1.68(d,J=8Hz,1H),1.87(d,J=8Hz,1H),1.91−2.02(m,2H),3.60(s,1H),3.64(s,1H),5.00(s,1H),7.21−7.36(m,3H),7.36−7.53(m,4H),7.89−7.96(m,1H),8.97−8.14(m,1H).
【0168】
(実施例1)10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例5と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート2.80g(10ミリモル)にトルエン20gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸メチル1.30g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水10gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール40g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの白色結晶を2.4g(7.1ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は71モル%であった。
【0169】
(1)融点:163−164℃
(2)屈折率:n=1.613
(3)IR(KBr、cm−1):2995,2975,2940,2860,1768,1741,1636,1610,1446,1410,1360,1300,1283,1260,1240,1170,1142,1086,1008,986,963,937,804,772,762.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.49(d,J=9Hz,2H),1.64(d,J=8Hz,1H),1.88(d,J=8Hz,1H),1.94(d,J=9Hz,2H),3.46(s,1H),3.58(s,1H),3.96(s,3H),6.11(d,J=9Hz,1H),6.49(dd,J=17Hz,J=9Hz),6.73(d,J=17Hz,1H),7.41−7.50(m,2H),7.73−7.80(m,1H),7.84−7.90(m,1H).
【0170】
(実施例2)10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例5と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート2.80g(10ミリモル)にトルエン20gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸エチル1.36g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水10gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール45g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの白色結晶を2.0g(5.7ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は57モル%であった。
【0171】
(1)融点:99−100℃
(2)屈折率:n=1.594
(3)IR(KBr、cm−1):2990,2976,2940,2880,1760,1746,1636,1404,1360,1281,1240,1144,1082,1032,1008,992,981,774,560.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.43(t,J=8Hz,3H),1.50(d,J=9Hz,2H),1.64(d,J=8Hz,1H),1.89(d,J=8Hz,1H),1.94(d,J=9Hz,2H),3.46(s,1H),3.57(s,1H),4.37(q,J=8Hz,2H),6.11(d,J=9Hz,1H),6.49(dd,J=17Hz,J=9Hz),6.73(d,J=17Hz,1H),7.41−7.48(m,2H),7.74−7.80(m,1H),7.85−7.92(m,1H).
【0172】
(実施例3)10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例6と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート2.94g(10ミリモル)にトルエン20gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸メチル1.30g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水11gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール45g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を2.0g(5.7ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は57モル%であった。
【0173】
(1)融点:96−97℃
(2)屈折率:n=1.596
(3)IR(KBr、cm−1):2980,2960,2860,1768,1740,1636,1442,1362,1260,1245,1170,1130,1114,1022,940,770.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.48(d,J=9Hz,2H),1.65(d,J=8Hz,1H),1.89(d,J=8Hz,1H),1.94(d,J=9Hz,2H),2.16(s,3H),3.45(s,1H),3.57(s,1H),3.86(s,3H),5.86(s,1H),6.52(s,1H),7.41−7.49(m,2H),7.75−7.80(m、1H),7.84−7.89(m,1H).
【0174】
(実施例4)10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例6と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート2.94g(10ミリモル)にトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸エチル1.41g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン4g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水13gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール75g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を2.8g(7.7ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は77モル%であった。
【0175】
(1)融点:98−99℃
(2)屈折率:n=1.587
(3)IR(KBr,cm−1):2980,2950,2876,1763,1740,1635,1478,1450,1400,1360,1240,1170,1120,1028,943,868,765.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.42(t,J=8Hz,3H),1.50(d,J=8Hz,2H),1.64(d,J=8Hz,1H),1.88(d,J=8Hz,1H),1.93(d,J=8Hz,2H),2.16(s,3H),3.45(s,1H),3.57(s,1H),4.38(q,J=8Hz,2H),5.86(s,1H),6.50(s,1H),7.40−7.49(m,2H),7.72−7.77(m,1H),7.84−7.90(m,1H).
【0176】
(実施例5)10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例6と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート2.94g(10ミリモル)にトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸−n−プロピル1.59g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水12gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール75g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を2.0g(5.3ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は53モル%であった。
【0177】
(1)融点:80−81℃
(2)屈折率:n=1.580
(3)IR(KBr,cm−1):2980,2930,2880,1764,1740,1635,1460,1360,1290,1260,1235,1170,1130,1115,1057,939,763.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.04(t,J=8Hz,3H),1.50(d,J=8Hz,2H),1.66(d,J=9Hz,1H),1.77−1.86(m,2H),1.89(d,J=8Hz,1H),1.93(d,J=9Hz,2H),2.17(s,3H),3.44(s,1H),3.58(s,1H),4.28(t,J=8Hz,2H),5.86(s,1H),6.51(s,1H),7.41−7.49(m,2H),7.74−7.79(m,1H),7.85−7.90(m,1H).
【0178】
(実施例6)10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例6と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート2.94g(10ミリモル)にトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸−i−プロピル1.59g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水13gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール75g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を3.0g(7.9ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は79モル%であった。
【0179】
(1)融点:143−144℃
(2)屈折率:n=1.585
(3)IR(KBr、cm−1):2990,2950,2880,1762,1737,1636,1468,1240,1130,1112,1093,946,914,772,760.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.41(d,J=8HZ,6H),1.50(d,J=8Hz,2H),1.64(d,J=9Hz,1H),1.89(d,J=9Hz,1H),1.94(d,J=8Hz,2H),2.16(s,3H),3.44(s,1H),3.56(s,1H),5.02(m,1H),5.86(s,1H),6.52(s,1H),7.41−7.49(m,2H),7.74−7.80(m,1H),7.84−7.90(m,1H).
【0180】
(実施例7)10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第2反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例6と同様にして得られた10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート2.94g(10ミリモル)にトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、クロロ炭酸フェニル2.0g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン6g液を氷水で冷やしながら添加した。アミンの添加と同時にスラリーは均一溶液となったが、しばらくしてトリエチルアミンの臭素酸塩の沈殿が生じゾル状となった。室温で1時間攪拌したのち、水13gを加えトリエチルアミンの臭素酸塩を溶解させ二層となした。水層を捨て、トルエン層にメタノール85g加え濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を3.4g(8.2ミリモル)得た。原料10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートに対する収率は82モル%であった。
【0181】
(1)融点:80−81℃
(2)屈折率:n=1.605
(3)IR(KBr、cm−1):3075,2980,2960,2920,2880,1781,1740,1592,1492,1460,1360,1308,1230,1208,1165,1130,960,950,758,722,688,497.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.46−1.59(m,2H),1.60(d,J=8Hz,1H),1.88−2.02(m,3H),2.16(s,3H),3.46(s,1H),3.66(s,1H),5.86(s,1H),6.52(s,1H),7.23−7.35(m,3H),7.38−7.44(m,4H),7.80(d,J=9Hz,1H),7.99(d,J=9Hz,1H).
【0182】
(実施例8)10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの合成(第4反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例7と同様にして得られた10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール2.98g(10ミリモル)にトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、塩化アクリロイル1.09g(12ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.1g(11ミリモル)のトルエン5g溶液を氷水で冷やしながら添加した。一旦溶けて、直ちに塩化アンモニウムの析出が多量に出た。室温で30分攪拌したのち、水8gを加え、塩化アンモニウム塩の結晶を溶解し、2層となした。水層を捨て、トルエン層を水洗いし、次いでメタノール40g加え、濃縮した。結晶が析出するので、吸引濾過・乾燥し、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートの白色結晶を1.8g(5.1ミリモル)得た。原料10−ベンゾイルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールに対する収率は51モル%であった。
【0183】
得られた結晶を分析したところ、実施例2で得られた10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートと同じ、融点、屈折率、IRスペクトル、H−NMRスペクトルを示した。
【0184】
(実施例9)10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第4反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例7と同様にして得られた10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール2.98g(10ミリモル)をトルエン18gを加えてスラリーとし、次いで、塩化メタクリロイル1.55g(15ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g溶液を氷水で冷やしながら添加した。一旦溶けて、直ちに塩化アンモニウムの析出が多量に出た。室温で30分攪拌したのち、水12gを加え、塩化アンモニウム塩の結晶を溶解し、2層となした。水層を捨て、トルエン層を水洗いし、次いでメタノール50g加え、濃縮した。結晶が析出するので、吸引濾過・乾燥し、10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を1.28g(3,3ミリモル)得た。原料10−ベンゾイルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールに対する収率は33モル%であった。
【0185】
得られた結晶を分析したところ、実施例4で得られた10−(エトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートと同じ、融点、屈折率、IRスペクトル、H−NMRスペクトルを示した。
【0186】
(実施例10)10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第4反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例8と同様にして得られた10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール3.14g(10ミリモル)をトルエン20gを加えて溶解し、次いで、塩化メタクリロイル1.34g(13ミリモル)を加えた。 該溶液にトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g溶液を氷水で冷やしながら添加した。 直ちに塩化アンモニウムの析出が多量に出た。室温で30分攪拌したのち、水12gを加え、塩化アンモニウム塩の結晶を溶解し、2層となした。水層を捨て、トルエン層を水洗いし、次いでメタノール50g加え、濃縮した。結晶が析出するので、吸引濾過・乾燥し、10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を1.6g(4.2ミリモル)得た。原料10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールに対する収率は42モル%であった。
【0187】
得られた結晶を分析したところ、実施例5で得られた10−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートと同じ、融点、屈折率、IRスペクトル、H−NMRスペクトルを示した。
【0188】
(実施例11)10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの合成(第4反応)
温度計、攪拌機つきの200ml三口フラスコ中で、合成例9と同様にして得られた10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール3.46g(10ミリモル)をトルエン15gを加えてスラリーとし、次いで、塩化メタクリロイル1.34g(13ミリモル)を加えた。該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン5g溶液を氷水で冷やしながら添加した。一旦溶けて、直ちに塩化アンモニウムの析出が多量に出た。室温で40分攪拌したのち、水10gを加え、塩化アンモニウム塩の結晶を溶解し、2層となした。水層を捨て、トルエン層を水洗いし、次いでメタノール50g加え、濃縮した。結晶が析出するので、吸引濾過・乾燥し、10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートの白色結晶を2.g(5.8ミリモル)得た。原料10−ベンゾイルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オールに対する収率は58モル%であった。
【0189】
得られた結晶を分析したところ、実施例7で得られた10−(フェノキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートと同じ、融点、屈折率、IRスペクトル、H−NMRスペクトルを示した。
【0190】
実施例1〜7で得られた本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の融点と屈折率を表1に示した。
【0191】
【表1】

【0192】
表1の屈折率の値からわかるように、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、いずれも1.58以上という高い屈折率を示している。そのことから、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を重合した重合体もまた高屈折率を示し、工業的に有用な化合物であることがいえる。
【0193】
(実施例12)10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの光重合
実施例3と同様にして得られた10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレート20部、トリメチロールプロパントリアクリレート80部に対し2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア369)0.5部を混合し、60℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた光ラジカル重合性組成物の融液をガラスプレパラートの上に膜厚が800μmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、60℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプ(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を10分間照射し、光重合硬化物を得た。その屈折率nを測定したところ1.533であった。
【0194】
(比較例1)トリメチロールプロパントリアクリレートの光重合
10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−メタクリレートを用いず、トリメチロールプロパントリアクリレート100部とした以外は、実施例12と同様に行った。得られた光重合硬化物の屈折率nを測定したところ1.516であった。
【0195】
実施例12と比較例1で次のことが明らかである。ラジカル重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート80部と本発明の10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレート20部の混合物を重合した結果、重合物の屈折率(n)は1.533であり、トリメチロールプロパントリアクリレートの単独重合した時に得られる重合物の屈折率(n)1.516より、0.017高くなっていることから、本発明の10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートは、高圧水銀ランプでも重合可能であること、そして、本発明の10−(メトキシカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−アクリレートは、トリメチロールプロパントリアクリレートのような既存のラジカル重合性化合物と共重合させることができ、得られる重合物の屈折率を高める効果があることが分かる。よって、本発明の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物は、高屈折率な重合体を合成するうえで、工業的に有用な化合物であるといえる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物。
【化1】


(一般式(1)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基のいずれかを示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【請求項2】
一般式(2)で示される10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物を炭酸エステル化することよりなる請求項1記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
【化2】


(一般式(2)中、R1、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【請求項3】
一般式(3)で示される10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−オール化合物を(メタ)アクリル化することよりなる請求項1記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
【化3】


(一般式(3)中、R1、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基のいずれかを示し、Xは水素原子又はアルキル基のいずれかを示す。)
【請求項4】
少なくとも請求項1に記載の10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する重合性組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の重合性組成物と、さらに10−(置換カルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9−イル−(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物とを含有することを特徴とする重合性組成物。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれかに記載の重合性組成物を重合してなる重合物。

【公開番号】特開2013−10841(P2013−10841A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143697(P2011−143697)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】