説明

11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤の合成

糖尿病、メタボリック症候群、肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧、高血圧に関連する心血管障害、高脂血症、グルココルチコイドが神経機能にもたらす悪影響(例えば、認識機能障害、認知症、および/または鬱病)、眼圧上昇、種々の形態の骨疾患(例えば、骨粗鬆症)、結核、らい病(ハンセン病)、乾癬、および創傷治癒遅延(例えば、耐糖能異常および/または2型糖尿病の患者の場合)を含む種々の疾患状態の治療に有望な、11β−HSD1阻害剤および対応する中間体の合成が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2007年7月26日に出願された米国仮出願第60/962,058号、2007年10月31日に出願された同第61/001,253号および2008年5月1日に出願された同第61/049,650号の利益を主張する。上記出願の全技術は本明細書中に参考により援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)の阻害剤は、2007年7月26日に出願された米国仮特許出願第60/962,058号、2007年10月31日に出願された米国仮特許出願第61/001,253号、2008年5月1日に出願された米国仮特許出願第61/049,650号、および2008年7月25日に出願された国際出願PCT/US2008/ (代理人管理番号4108.1002−007))に詳細に記載される多くの疾患および障害の治療のための見込みのある薬物であり、これらのすべては、その全体を本明細書中に参考により援用される。
【0003】
例えば、11β−HSD1阻害剤は、糖尿病、メタボリック症候群、肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧、高血圧に関連する心血管障害、高脂血症、グルココルチコイドが神経機能にもたらす悪影響(例えば、認識機能障害、認知症および/または鬱病)、眼圧上昇、種々の形態の骨疾患(例えば、骨粗鬆症)、結核、らい病(ハンセン病)、乾癬、および創傷治癒遅延(例えば、耐糖能異常および/または2型糖尿病の患者の場合)の治療に有望である。
【0004】
11β−HSD1阻害剤合成の改良法、例えば、11β−HSD1阻害剤を経済的に、かつ効率よく合成する方法が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、11β−HSD1阻害剤(例えば、本明細書で開示したオキサジノン化合物および三級アルコールオキサジノン化合物)を経済的に、かつ効率よく合成する方法を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、構造式(I)で示すオキサジノン化合物を調製する方法である。
【0007】
【化1】

式中、Rは、(a)存在しないか、または(b)場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルケニル、場合により置換された(C〜C)アルキニル、場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシおよび場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合であるか、または(b)(C〜C)アルキレンもしくは(C〜C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらは、それぞれ、メチル、エチル、トリフルオロメチルおよびオキソから独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されており;
は、場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたヘテロシクリルから選択され;
は、場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルケニル、場合により置換された(C〜C)アルキニル、場合により置換された(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシおよび場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルから選択され;
は、(a)結合であるか、または(b)(C〜C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素はCyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換された単環のシクロアルキルまたは場合により置換された単環のヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、SもしくはNR(ここで、Rは、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである)であるか、または(b)(C〜C)アルキレンもしくは(C〜C)アルコキシであり、これらは、それぞれ、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されており;
Cyは、(a)水素であるか、または(b)場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロアルキルもしくは場合により置換されたヘテロシクリルである。
【0008】
この方法は、β−ハロアルコール化合物(例えば、構造式(II)で示すβ−ハロアルコール化合物)
【0009】
【化2】

と、構造式(III)で示すイソシアネート化合物
【0010】
【化3】

とを反応させる工程を含み、上式中、Xは脱離基である。
【0011】
本発明の別の実施形態は、構造式(IV)
【0012】
【化4】

で示すエポキシド化合物を調製する方法である。
この方法は、以下の構造式で示す2−メチル−3−プロペニル中間体をエポキシ化試薬で酸化する工程を含む。
【0013】
【化5】

構造式(IV)および(V)中のA、A、Cy、Cy、R、RおよびEは、構造式(I)で定義したとおりである。
【0014】
本発明の別の実施形態は、構造式(VI)
【0015】
【化6】

で示す三級アルコールオキサジノン化合物を調製する方法である。
この方法は、構造式(IV)で示すエポキシド化合物のエポキシド基を、還元剤で還元する工程を含む。構造式(VI)中のA、A、Cy、Cy、R、RおよびEは、構造式(V)で定義したとおりである。
【0016】
別の代替となる実施形態では、構造式(VI)で示す三級アルコールオキサジノン化合物を、図2に示す合成スキームにしたがって、構造式VIIの化合物を用いて調製してもよい。
【0017】
【化7】

実施例22には、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンを調製する図2の合成工程の詳細を示す。
【0018】
構造式(VII)中のA、A、Cy、Cy、R、RおよびEは、構造式(I)で定義したとおりである。
【0019】
本発明の別の実施形態は、構造式(IV)で示すエポキシド化合物またはその塩である。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態は、構造式(V)で示す2−メチル−3−プロペニル中間体またはその塩である。
【0021】
本発明の他の実施形態は、本発明の方法で調製されるエポキシド化合物およびその塩、ならびに2−メチル−3−プロペニル中間体およびその塩、特に、上述の実施形態に対応するエポキシド化合物および2−メチル−3−プロペニル中間体である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本明細書に開示した方法を用いる、11β−HSD1阻害剤である特定の三級アルコールオキサジノン化合物の合成法を示す模式図である。
【図2】図2は、本明細書に開示した方法を用いる、11β−HSD1阻害剤である特定の三級アルコールオキサジノン化合物の合成法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、11β−HSD1阻害剤(例えば、本明細書で開示したオキサジノン化合物および三級アルコールオキサジノン化合物)を合成する方法を提供する。
【0024】
構造式(I)で示すオキサジノン化合物(例えば、化合物5および6(図参照))を、構造式(II)で示すβ−ハロアルコール化合物と、構造式(III)で示すイソシアネート化合物とを反応させることによって調製してもよい。上述のβ−ハロアルコール化合物も、イソシアネート化合物も、当該技術分野で既知の方法を用い、市販の化合物から調製してもよい(実施例の章を参照)。
【0025】
構造式(VI)で示す三級アルコールオキサジノン化合物(例えば、化合物8(図1参照))を、以下のように調製する。まず、構造式(V)で示す2−メチル−3−プロペニル中間体をエポキシ化試薬で酸化し、構造式(IV)で示すエポキシド化合物を得る。この2−メチル−3−プロペニル中間体は、上の段落で記載した方法を用いて調製可能なオキサジノン化合物であり、ここでRは2−メチル−3−プロペニルである。第2の工程では、上述のエポキシド化合物のエポキシド基を還元剤で還元し、上述の三級アルコールオキサジノン化合物を形成する。
【0026】
構造式(I)で示すオキサジノン化合物および構造式(VI)で示す三級アルコールオキサジノン化合物(式中、Cyは、脱離基(例えば、−Br)で置換され、1個以上のさらなる置換基で場合により置換されたフェニルである)を用い、例えば、米国特許仮出願番号第60/962,058号(2007年7月26日出願)の実施例111に記載がある「鈴木」カップリング反応を用いて、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤を調製してもよい。あるいは、構造式(I)および(VI)でそれぞれ示すオキサジノン化合物(式中、Cyは、脱離基(例えば、−Br)で置換され、1個以上のさらなる置換基で場合により置換されたフェニルである)を用い、脱離基(例えば、−Br)をボロン酸またはボロン酸エステルに変換し、その後、Cy−ClまたはCy−Brとの「鈴木」カップリング反応によって、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤を調製してもよい(実施例23参照)。あるいは、本発明の方法を用いて、すでにビアリール基を含有するイソシアネート化合物から、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤を得てもよい。種々のビアリール化合物の合成法を、実施例の章に記載する。
【0027】
上述の合成法の各反応について、詳細を以下に記載する。以下の記載において、A、A、Cy、Cy、R、RおよびEは、別の記載がない限り、上述の意味を有する。以下に記載する合成中間体および最終生成物が、所望な反応を妨害する可能性がある反応性の官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホンアミド基、アミド基およびカルボン酸基)を含有する場合、中間体を保護した形態で使用することが有益な場合がある。保護基を選択し、導入し、その後に除去する方法は、当業者に周知である(T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons,Inc.,New York 2007、その全内容は本明細書に参考として組み込まれる)。このような保護基の操作方法は、以下の記載では当然想定されるものであるため、明示していない。用語「保護された」は、本明細書で化学基を示す用語と組み合わせて用いる場合(例えば、保護されたピペリジニル)、その化学基が官能基を有しており、その官能基が所望の反応を妨害する可能性がある場合に、あらかじめ保護基と反応させておいた化学基を指す(例えば、ピペリジンの場合、環窒素原子)。
【0028】
(オキサジノン化合物)
上述のように、構造式(II)で示すβ−ハロアルコール化合物と、構造式(III)で示すイソシアネート化合物とを反応させることによって、構造式(I)で示すオキサジノン化合物を調製する。典型的には、β−ハロアルコールとイソシアネート化合物との反応は、塩基存在下で行う。さらに典型的には、この反応は、非求核性塩基存在下で行う。最も典型的には、この反応は、非求核性アミン塩基存在下で行う。適切な非求核性アミド塩基としては、限定されないが、リチウムアミド(LiNH)、ナトリウムアミド(NaNH)、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、ケイ素含有アミド(例えば、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド)、リチウムテトラメチルピペリジドおよびリチウムテトラメチルピペリジンが挙げられる。他の非求核性塩基としては、限定されないが、水素化ナトリウム、ナトリウムtert−ペントキシドおよびナトリウムtert−ブトキシドが挙げられる。非求核性アミン塩基の例としては、限定されないが、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、2,8,9−トリメチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンなどが挙げられる。最も典型的には、塩基は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。β−ハロアルコール化合物またはイソシアネート化合物のどちらかを過剰に使用してもよいが、イソシアネート化合物を過剰に用いるのが一般的である。典型的には、β−ハロアルコールに対し、約1〜約10当量の塩基を用いるが、さらに典型的には、約1〜約6当量の塩基を用い、さらにより典型的には、約1〜約5当量の塩基を用いる。典型的には、この反応は、非プロトン性で非求核性の無水溶媒中で、β−ハロアルコール化合物濃度が約0.01M〜5Mで行う。しかし、より典型的には、β−ハロアルコール化合物濃度は、約0.05M〜2Mである。適切な溶媒としては、限定されないが、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチル−メチルエーテルおよび1,4−ジオキサン)および非エーテル系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド)などが挙げられる。適切な反応温度は、一般的に、0℃付近からその溶媒の沸点付近までの温度である。さらに典型的には、反応温度は、還流させるのに十分な温度である(例えば、テトラヒドロフランの場合、約68℃)。
【0029】
(エポキシド化合物)
構造式(V)で示す2−メチル−3−プロペニル中間体のプロペニル基をエポキシ化試薬で酸化することによって、構造式(IV)で示すエポキシド化合物を調製する。この2−メチル−3−プロペニル中間体は、上の段落で記載した方法を用いて調製可能なオキサジノン化合物である(例えば、式IIの化合物と式IIIの化合物との反応)。適切なエポキシ化試薬としては、限定されないが、過酸化物(例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド)、過カルボン酸(例えば、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酢酸、過トリフルオロ酢酸)、ビス(モノペルオキシフタル酸)マグネシウム六水和物、ペルオキシ一硫酸カリウム(場合により、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−β−D−エリトロ−2,3−ヘキソジウロ−2,6−ピラノース存在下で使用)、ジメチルジオキシランなどが挙げられる。典型的に、上述のエポキシ化試薬は過カルボン酸であり、最も典型的には、3−クロロ過安息香酸である。典型的には、2−メチル−3−プロペニル中間体に対し、約1〜約10当量のエポキシ化試薬を使用し、さらに典型的には、約1〜約6当量のエポキシ化試薬を用い、最も典型的には、約1〜約2当量のエポキシ化試薬を用いる。典型的には、この反応は、非プロトン性で非求核性の溶媒中で、2−メチル−3−プロペニル中間体の濃度が約0.01M〜5Mで行う。しかし、典型的には、2−メチル−3−プロペニル中間体の濃度は、約0.05M〜2Mである。適切な溶媒としては、限定されないが、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタン)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)またはヘキサメチルリン酸トリアミド、およびエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)および1,4−ジオキサン)が挙げられる。典型的には、溶媒は、ハロゲン系溶媒である。さらに典型的には、溶媒は、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンである。最も典型的には、溶媒はジクロロメタンである。適切な反応温度は、一般的に、0℃付近から使用溶媒の沸点付近までの温度である。最も典型的には、反応は周囲温度で行われる。
【0030】
(三級アルコールオキサジノン化合物)
構造式(IV)で示すエポキシド化合物のエポキシド基を還元剤で還元することによって、構造式(VI)で示す三級アルコールオキサジノン化合物を調製する。適切な還元剤としては、限定されないが、水素化トリエチルホウ素リチウム、LiAlH、LiBH、水素化リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウム(トリエチルボラン存在下)、水素化トリ−sec−ブチルほう素カリウムまたは水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。他の適切な還元剤としては、限定されないが、BH・EtN−LiClO、ジ−tert−ブチルビフェニルリチウム、水素またはパラジウム/活性炭存在下のギ酸ナトリウムが挙げられる。最も典型的には、還元剤は、水素化トリエチルホウ素リチウム(super hydride)である。典型的には、エポキシド化合物に対し、約1〜約10当量の還元剤を使用し、さらに典型的には、約1〜約6当量の還元剤を用い、最も典型的には、約1〜約2当量の還元剤を用いる。典型的には、この反応は、非プロトン性で非求核性の無水溶媒中で、エポキシド化合物の濃度が約0.01M〜5Mで行う。しかし、より典型的には、エポキシド化合物の濃度は、約0.05M〜2Mである。適切な溶媒としては、限定されないが、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチル−メチルエーテルおよび1,4−ジオキサン)および非エーテル系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド)などが挙げられる。典型的には、溶媒はエーテル系溶媒である。最も典型的には、溶媒は、無水テトラヒドロフランである。適切な反応温度は、一般的には、0℃付近から周囲温度付近までの温度である。
【0031】
先の3つの段落で記載した構造式(I)で示すオキサジノン化合物、構造式(IV)で示すエポキシド化合物および構造式(VI)で示す三級アルコールオキサジノン化合物を調製するプロセス、ならびに構造式(I)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)で示す化合物を調製するプロセスについては、以下の好ましい実施形態でさらに記載する。RおよびXは、オキサジノン化合物を調製する場合のみ記載する。
【0032】
第1の好ましい実施形態では、Cy、Cy、R、RおよびXは、構造式(I)〜(VI)で定義されるとおりであり(「課題を解決するための手段」を参照)、Rは、存在しないか、または(C〜C)アルキルであり;Aは、結合、CHもしくはCHCHであるか、またはRが存在する場合にはCHであり;Aは、結合、O、OCHCOまたはCHであり;Xは、Cl、Br、Iもしくは−OSOR(Rは、1個以上のFで場合により置換された(C〜C)アルキルである)であるか、またはハロゲン、(C〜C)アルキルもしくはNOで場合により置換されたフェニルであり;Eは、結合であるか、または(C〜C)アルキレンである。
【0033】
第2の好ましい実施形態では、R、R、R、XおよびEは、第1の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Aは、結合であるか、またはRが存在する場合にはCHであり;Aは結合であり;Cyは水素であり;Cyは、Cl、Br、IまたはOSOCFで置換されたフェニルであり、1個以上のさらなる置換基で場合により置換されている。
【0034】
第3の好ましい実施形態では、A、Cy、R、R、R、XおよびEは、第2の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Aは、−CHであり、Rは存在しており、Cyは、以下の構造式で示され、
【0035】
【化8】

Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMeまたはOSOMeであり、rは、0、1、2または3であり;Gは、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、シアノおよびニトロからなる群から選択される。
【0036】
第4の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第3の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、メチルまたはエチルである。
【0037】
第5の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、X、E、r、GおよびZは、第4の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、フェニル、チエニルまたはピリジルであり、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C〜C)アルキル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護されたカルボン酸およびSOMeで場合により置換されており;オキサジノン化合物を調製する場合、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニルまたはエトキシエチルであり、それぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、シアノ(C〜C)アルキル、保護された(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C〜C)アルキル、保護されたMeSONH(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CMe(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CHMe(C〜C)アルキル、および保護されたHNC(=O)CH(C〜C)アルキルから独立して選択される2個までの基で場合により置換されている。
【0038】
第6の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第5の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニル、MeSONHCHCHCH、保護されたHNC(=O)CHCH、保護されたHNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルメチルである。
【0039】
第7の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第6の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、ハロ、シアノ、保護されたCONH、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびSOMeから選択される1個、2個または3個の置換基で場合により置換されたフェニルである。
【0040】
第8の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第7の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物を調製する場合、Rは、アリル、2−メチル−3−プロペニル、保護されたHNC(=O)CMeCHまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0041】
第9の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第7の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、2−メチル−3−プロペニルまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0042】
第10の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、GおよびZは、第9の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、フェニルまたはフルオロフェニルである。
【0043】
第11の好ましい実施形態では、A、A、R、R、R、XおよびEは、第9の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Cyは、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニルであり、それぞれ、1〜4個の基で場合により置換されており;Cyは、フェニル、チエニル、ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニルおよびオキソジヒドロピラジニルであり、それぞれ、1〜4個の基で場合により置換されており;CyおよびCyの環炭素原子の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンゾキシカルボニル、保護されたCONH、保護された(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C〜C)アルキルアミノカルボニル、保護された(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C〜C)アルキル}{(C〜C)シクロアルキル}アミノカルボニルおよび保護された(C〜C)アルキルカルボニルアミノから選択され、Cyの置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される。オキサジノン化合物の調製プロセスについて、Cyに置換可能な環窒素原子が存在する場合、それぞれ、Aに結合しているか、保護されているか、または置換されている。
【0044】
第12の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第11の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、メチルまたはエチルである。
【0045】
第13の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、XおよびEは、第12の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、フェニル、チエニルまたはピリジルであり、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C〜C)アルキル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護されたカルボン酸およびSOMeで場合により置換されており;オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニルまたはエトキシエチルであり、それぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、シアノ(C〜C)アルキル、保護された(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C〜C)アルキル、保護されたMeSONH(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CMe(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CHMe(C〜C)アルキルおよび保護されたHNC(=O)CH(C〜C)アルキルから独立して選択される2個までの基で場合により置換されている。
【0046】
第14の好ましい実施形態では、A、A、Cy、R、R、R、XおよびEは、第13の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Cyは、場合により置換されており、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される。
【0047】
第15の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第14の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、ビニル、アリル、3−プロペニル−2−メチル、MeSONHCHCHCH、保護されたHNC(=O)CHCH、保護されたHNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルメチルである。
【0048】
第16の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第15の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、ハロ、シアノ、保護されたCONH、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびSOMeから選択される1個、2個または3個の置換基で場合により置換されたフェニルである。
【0049】
第17の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第16の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、アリル、3−プロペニル−2−メチル、保護されたHNC(=O)CMeCHまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0050】
第18の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第17の好ましい実施形態で定義したとおりであり、オキサジノン化合物の調製に関して、Rは、3−プロペニル−2−メチルまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0051】
第19の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、第18の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Rは、フェニルまたはフルオロフェニルである。
【0052】
第20の好ましい実施形態では、A、A、Cy、Cy、R、R、R、XおよびEは、第19の好ましい実施形態で定義したとおりであり、Cyで示した基の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニルおよび(C〜C)アルキルカルボニルからなる群から選択され;Cyの置換可能な環炭素原子の適切な置換基は、フッ素、塩素、シアノ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護された(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C〜C)アルキルアミノカルボニル、保護された(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C〜C)アルキル}{(C〜C)シクロアルキル}アミノカルボニルおよび保護された(C〜C)アルキルカルボニルアミノからなる群から選択される。
【0053】
第21の好ましい実施形態では、オキサジノン化合物の調製に関して、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、上述の好ましい実施形態のいずれかで定義されるとおりであり、Rは、2−メチル−3−プロペニルである。
【0054】
第22の好ましい実施形態では、オキサジノン化合物の調製に関して、A、A、Cy、Cy、R、R、XおよびEは、上述の好ましい実施形態のいずれかで定義されるとおりであり、Rは3−プロペニルである。
【0055】
第23の好ましい実施形態では、A、A、Cy、R、R、XおよびEは、上述の好ましい実施形態のいずれかで定義されるとおりであり、Cyは、以下の構造式の1つで示される。
【0056】
【化9】

2aは、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたは(C〜C)ハロアルキルであり;G2bは、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)ハロアルコキシ、CONH、(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C〜C)アルキルアミノカルボニルまたは(C〜C)アルキルカルボニルアミノである。
【0057】
本発明の他の実施形態は、本発明の方法で調製されるエポキシド化合物およびその塩、ならびに2−メチル−3−プロペニル中間体およびその塩、特に、上述の好ましい実施形態に対応するエポキシド化合物および2−メチル−3−プロペニル中間体である。
以下のそれぞれの化合物は、適切な出発物質を選択することによって調製することができる。
(S)−3−((S)−1−(4−(1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,2−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,2−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−(シクロプロピルメチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−シクロプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(1−(シクロプロピルメチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
N−エチル−5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピコリンアミド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルピコリンアミド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルピコリンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(1,5,6−トリメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)イソニコチノニトリル
N−tert−ブチル−6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(2−エトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(6−エトキシ−5−メチルピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−5−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
N−シクロプロピル−6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボキサミド
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルチアゾール−5−カルボキサミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルニコチンアミド
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メチルピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
4−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)プロピル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン1−オキシド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボニトリル
5−フルオロ−2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピリジン1−オキシド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(5−メチルピラジン−2−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルニコチンアミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリミジン−5−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)プロピル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(5−フルオロピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリミジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピリミジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メチルピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピラジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
4−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン1−オキシド
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
4−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン1−オキシド
4−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2−メチルピリジン1−オキシド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン。
【0058】
本明細書で使用する場合、「β−ハロアルコール化合物」は、構造式(II)で示す化合物を指す。
【0059】
【化10】

式中、Xは、ハロゲンだけではなく、本明細書に記載される任意の適切な脱離基を含む。
【0060】
適切な脱離基としては、限定されないが、ハロゲン化物、アルキルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)およびフェニルスルホネートが挙げられ、これらは、場合により、メチル、ハロゲン、ニトロなどで置換されており、例えば、メタンスルホネート(メシレート)、p−トルエンスルホネート(トシレート)、p−ブロモベンゼンスルホネート(ブロシレート)、p−ニトロベンゼンスルホネート(ノシレート)などが挙げられる。典型的には、脱離基は、Cl、Br、Iもしくは−OSOR(Rは、1個以上のFで場合により置換された(C〜C)アルキルであるか、またはハロゲン、(C〜C)アルキルもしくはNOで場合により置換されたフェニルである。最も典型的には、脱離基は、Cl、Br、Iまたは−OSORである。
【0061】
用語「ビアリール基」は、本明細書で使用する場合、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリールが、別の場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリールに結合している基を指す(例えば、ビフェニル)。
【0062】
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、炭素原子を1〜10個含む、直鎖または分枝鎖の飽和ヒドロカルビル基を指し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
【0063】
用語「シクロアルキル」は、炭素原子を3〜10個含む、単環、二環または三環の飽和炭化水素環を意味し、例えば、シクロプロピル(c−Pr)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、スピロ[4.4]ノナン、アダマンチルなどが挙げられる。
【0064】
用語「アリール」は、フェニル基、ナフチル基、インダニル基またはテトラヒドロナフタレン基といった芳香族基を意味する。アリール基は、1〜4個の置換基で場合により置換されている。置換基の例としては、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミドおよびN,N−ジアルキル置換アミドが挙げられる。
【0065】
用語「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、場合により、飽和環または不飽和環に縮合していてもよい5員環および6員環のヘテロ芳香族基を意味し、例えば、2−チエニルまたは3−チエニル、2−フラニルまたは3−フラニル、2−ピローリルまたは3−ピローリル、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジル、2−ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニルまたは5−ピリミジニル、3−ピリダジニルまたは4−ピリダジニル、1H−インドール−6−イル、1H−インドール−5−イル、1H−ベンズイミダゾール−6−イル、1H−ベンズイミダゾール−5−イル、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニルまたは8−キナゾリニル、2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニルまたは8−キノキサリニル、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、5−キノリニル、6−キノリニル、7−キノリニルまたは8−キノリニル、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、4−イソキノリニル、5−イソキノリニル、6−イソキノリニル、7−イソキノリニルまたは8−イソキノリニル、2−チアゾリル、4−チアゾリルまたは5−チアゾリル、2−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリルまたは5−ピラゾリル、2−イミダゾリル、3−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリルのようなヘテロ芳香族基が挙げられる。ヘテロアリールは、場合により置換されている。置換基の例としては、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミドおよびN,N−ジアルキル置換アミドが挙げられ、または、オキソによってN−オキシドを形成する。
【0066】
用語「ヘテロシクリル」は、N、OおよびSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、4員環、5員環、6員環および7員環の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環を意味する。ヘテロシクリルの例としては、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、1−メチルピロリジン−2−オン、ピペリジン、ピペリジン−2−オン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン、1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン、1,4−ジヒドロ−4−オキソピリジン、ピペラジン−2−オン、3,4,5,6−テトラヒドロ−4−オキソピリミジン、3,4−ジヒドロ−4−オキソピリミジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、オキサゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、モルホリン、N−メチルモルホリン、モルホリン−3−オン、1,3−オキサジナン−2−オン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアオキサゾール1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシド、ヘキサヒドロ−1,2,6−チアジアジン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアジアゾール1,1−ジオキシド イソチアゾリジン1,1−ジオキシド、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル、5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルおよび5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルが挙げられる。ヘテロシクリルは、1〜4個の置換基で場合により置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびオキソが挙げられる。
【0067】
用語「アルコキシ基」(本明細書では、「アルコキシ」と記載することもある)は、本明細書で使用する場合、アルキル−O−基またはシクロアルキル−O−基を指し、好ましいアルキル基およびシクロアルキル基、およびこれらの基の任意の置換基は、上述のものである。アルコキシ基は、1つ以上の置換基で置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0068】
用語「アルケニル基」(本明細書では、「アルケニル」と記載することもある)は、本明細書で使用する場合、1個以上の二重結合を含む、直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を指す。典型的には、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含む(すなわち、(C〜C12)−アルケニル)。適切なアルケニル基としては、限定されないが、n−ブテニル、シクロオクテニルなどが挙げられる。アルケニル基は、1つ以上の置換基で置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0069】
用語「アルキニル」基(本明細書では、「アルキニル」と記載することもある)は、本明細書で使用する場合、1個以上の三重結合を含む、直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を指す。アルキニル基の三重結合は、別の不飽和基と共役していてもよいし、共役していなくてもよい。適切なアルキニル基としては、限定されないが、(C〜C)−アルキニル基が挙げられ、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル−および4−ブチル−2−ヘキシニルが挙げられる。アルキニル基は、1つ以上の置換基で置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0070】
用語「アルキレン基」(本明細書では、「アルキレン」と記載することもある)は、本明細書で使用する場合、−[CH−で示す基を指し、zは正数であり、好ましくは、1〜8であり、さらに好ましくは、1〜4である。
【0071】
「シクロアルキルアルキル」、「アルコキシアルキル」などの用語、つまり、上に定義した用語の組み合わせからなる用語は、その用語によって示される基を含有する基を指す。例えば、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルは、炭素原子数がa〜bのアルコキシ基を含み、このアルコキシ基が炭素原子数がc〜dのアルキル基に共有結合している基である。
【0072】
上述の基は、場合により置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。適切な置換基は、本明細書に記載の反応を実質的に妨害しない、すなわち、収率を実質的に低下させない(例えば、低下率が50%を超えない)か、またはかなりの量の副生成物を生じない(例えば、副生成物は、生成物の理論収率の少なくとも50%である)置換基である。しかし、「妨害する」置換基であっても、この置換基を先に保護された形態に変換するのであれば、使用してもよい。適切な保護基は、当該技術分野で既知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)に開示されている。
【0073】
上述の基に適した置換基としては、例えば、別の記載がない限り、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、シアノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C〜C)アルキル、MeSONH(C〜C)アルキル、HNC(=O)CMe(C〜C)アルキル、HNC(=O)CHMe(C〜C)アルキル、HNC(=O)CH(C〜C)アルキル、−OR、−NR、−COOR、−CONR、−SOR(kは、0、1または2である)が挙げられ、Rは、それぞれ独立して、−H、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。
【0074】
開示した化合物またはその医薬的に許容される塩が、名称または構造で示されている場合、その化合物の溶媒和物もしくは水和物、または生理学的に許容される塩も含む意味であることは、理解しておいていただきたい。「溶媒和物」は、結晶化の際に、溶媒分子が結晶格子に組み込まれた結晶形態を指す。溶媒和物は、水または非水系溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミンおよびEtOAc)を含んでいてもよい。結晶格子に組み込まれた溶媒分子が水である溶媒和物は、典型的には、「水和物」と呼ぶ。水和物は、化学量論量の水和物に加え、種々の量の水を含有する組成物も含む。
【0075】
開示したある化合物は、種々の立体異性体形態で存在してもよい。立体異性体は、空間配置だけが異なる化合物である。エナンチオマーは、鏡像体を重ね合わせることができない立体異性体対であり、通常エナンチオマーはキラル中心として作用する不斉置換炭素原子を含有するからである。「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることのできない鏡像体対の一方の分子を意味する。ジアステレオマーは、鏡像体とは無関係の立体異性体であり、通常ジアステレオマーは2個以上の不斉置換炭素原子を含有するからである。構造式の記号「*」は、その場所にキラル炭素中心が存在することを示す。「R」および「S」は、1個以上のキラル炭素原子の周囲にある置換基の立体配置を示す。したがって「R*」および「S*」は、1個以上のキラル炭素原子の周囲にある置換基の相対的な立体配置を示す。
【0076】
異性体特異的な合成によって、または異性体混合物から分割することによって、本発明の化合物を個々の異性体として調製してもよい。従来の分割技術としては、光学活性な酸を用いて異性体対の片方の異性体の遊離塩基の塩を形成する(その後、分別晶出し、遊離塩基を再生させる)方法、光学的に活性なアミンを用いて異性体対の片方の異性体の酸性塩形態を形成する(その後、分別晶出し、遊離酸を再生させる)方法、光学活性な酸、アミンもしくはアルコールを用いて異性体対の片方の異性体のエステルもしくはアミドを形成する(その後、クロマトグラフィーで分離し、キラル補助剤を除去する)方法、または種々の周知のクロマトグラフィー法を用い、出発物質もしくは最終生成物のうち、いずれかの異性体混合物を分割する方法が挙げられる。
【0077】
開示した化合物の立体化学を、名称または構造で示している場合、その名称または構造で示した立体異性体は、他の異性体に対する相対純度が少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99重量%または少なくとも99.9重量%である。1種類のエナンチオマーを名称または構造で示している場合、その名称または構造で示した立体異性体は、光学純度が少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99%重量または少なくとも99.9重量%である。重量%であらわす光学純度は、あるエナンチオマーの重量が、そのエナンチオマーと光学異性体の合計重量に占める割合である。
【0078】
開示した化合物を、名称または構造で示しているものの、立体化学を記載しておらず、その化合物が、少なくとも1個のキラル中心を有している場合、その名称または構造には、対応する他の光学異性体を含まない化合物の1種類のエナンチオマー、その化合物のラセミ体混合物、および対応する他の光学異性体と比べ、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物が含まれることを理解していただきたい。
【0079】
開示した化合物を、名称または構造で示しているものの、立体化学を記載しておらず、その化合物が、少なくとも2個のキラル中心を有している場合、その名称または構造には、他のジアステレオマーを含まない1種類のジアステレオマー、他のジアスレテオマー対を含まない1種類のジアスレテオマー対、ジアステレオマー混合物、ジアスレテオマー対の混合物、他のジアスレテオマーと比べ、あるジアスレテオマーを豊富に含む混合物、および他のジアスレテオマー対と比べ、あるジアスレテオマー対を豊富に含むジアスレテオマー対混合物が含まれることを理解していただきたい。
【0080】
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩の形態で存在してもよい。医薬用途では、本発明の化合物の塩は、毒性のない「医薬的に許容される塩」を指す。医薬的に許容される塩形態には、医薬的に許容される酸性塩/アニオン性塩または塩基性塩/カチオン性塩が含まれる。
【0081】
医薬的に許容される塩基性塩/カチオン性塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ジエタノールアミン塩、n−メチル−D−グルカミン塩、L−リジン塩、L−アルギニン塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、ピペラジン塩およびトリエタノールアミン塩が挙げられる。
【0082】
医薬的に許容される酸性塩/アニオン性塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩およびトリエチオジド塩が挙げられる。
【0083】
ヒドロキシル基−OHの保護基、ヒドロキシル基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第2章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、ヒドロキシル基をエーテルとして保護してもよい。このような保護基の例としては、限定されないが、メチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、[3,4−ジメトキシベンジル)オキシ]メチル、p−ニトロベンジルオキシメチル、o−ニトロベンジルオキシメチル、[(R)−1−(2−ニトロフェニル)エトキシ]メチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアヤコールメチル、[(p−フェニルフェニル)オキシ]メチル、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−シアノエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、メントキシメチル、O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、フルオラステトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル、1−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル、1−(4−クロロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、2−ブロモエチル、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、1−メチル−1−フェノキシエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,−ジアニシル−2,2,2,−トリクロロエチル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニルイソプロピル、1−(2−シアノエトキシ)エチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(ベンジルチオ)エチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−1’−シクロプロピルメチル、アリル、プレニル、シンナミル、2−フェナリル、プロパルギル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,6−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ペンタジエニルニトロベンジル、ペンタジエニルニトロピペロニル、ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、2,6−ジフルオロベンジル、p−シアノベンジル、フルオラスベンジル、4−フルオラスアルコキシベンジル、トリメチルシリルキシリル、p−フェニルベンジル、2−フェニル−2−プロピル(クミル)、p−アシルアミノベンジル、p−アジドベンジル、4−アジド−3−クロロベンジル、2−トリフルオロメチルベンジルおよび4−トリフルオロメチルベンジル、p−(メチルスルフィニル)ベンジル、p−シレタニルベンジル、4−アセトキシベンジル、4−(2−トリメチルシリル)エトキシメトキシベンジル、2−ナフチルメチル、2−ピコリルおよび4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、2−キノリニルメチル、6−メトキシ−2−(4−メチルフェニル(pheny))−4−キノリンメチル、1−ピレニルメチル、ジフェニルメチル、4−メトキシジフェニルメチル、4−フェニルジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、トリス(4−t−ブチルフェニル)メチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、4,4’−ジメトキシ−3”−[N−(イミダゾリルメチル)トリチル、4,4’−ジメトキシ−3”−[N−(イミダゾリルエチル)カルバモイル]トリチル、ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、4−(17−テトラベンゾ[a,c,g,i]フルオレニルメチル)−4,4”−ジメトキシトリチル、9−アントリル,9−(9−フェニル)キサンテニル、9−フェニルチオキサンチル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、4,5−ビス(エトキシカルボニル−[1,3]−ジオキソラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルテキシルシリル、2−ノルボルニルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジ−t−ブチルメチルシリル、ビス(t−ブチル)−1−ピレニルメトキシシリル、トリス(トリメチルシリル)シリル、シシル(sisyl)、(2−ヒドロキシスチリル)ジメチルシリル、(2−ヒドロキシスチリル)ジイソプロピルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリル、t−ブトキシジフェニルシリル、1,1,3,3−テトライソプロピル−3−[2−(トリフェニルメトキシ)エトキシ]ジシロキサン−1−イル、フルオラスシリルが挙げられる。あるいは、適切な保護基によって、ヒドロキシル基を以下のエステルとして保護する。例えば、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、酢酸エステル、クロロ酢酸エステル、ジクロロ酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル、トリクロロアセトアミダート、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、フェノキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、フェニル酢酸エステル、p−P−フェニル酢酸エステル、ジフェニル酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、二本鎖型フルオラスプロパノイル(bisfluorous chain type propanoyl)(Bfp−OR)、4−ペンテン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル(レブリン酸エステル)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、5−[3−ビス(4−メトキシフェニル)ヒドロキシメチルフェノキシ]レブリン酸エステル、ピバル酸エステル、1−アダマンタントエート、クロトン酸エステル、4−メトキシクロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−フェニル安息香酸エステル、2,4,6−トリメチル安息香酸エステル(メシトエート)、4−ブロモ安息香酸エステル、2,5−ジフルオロ安息香酸エステル、p−ニトロ安息香酸エステル、ピコリン酸エステル、ニコチン酸エステル、2−(アジドメチル)安息香酸エステル、4−アジド酪酸エステル、(2−アジドメチル)フェニル酢酸エステル、2−{[(トリチルチオ)オキシ]メチル}安息香酸エステル、2−{[(4−メトキシトリチルチオ)オキシ]メチル}安息香酸エステル、2−{[メチル(トリチルチオ)アミノ]メチル}安息香酸エステル、2{{[4−メトキシトリチル)チオ]メチルアミノ}−メチル}安息香酸エステル、2−(アリルオキシ)フェニル酢酸エステル、2−(プレニルオキシメチル)安息香酸エステル、6−(レブリニルオキシメチル)−3−メトキシ−2−ニトロ安息香酸エステルおよび6−(レブリニルオキシメチル)−3−メトキシ−4−ニトロ安息香酸エステル、4−ベンジルオキシ酪酸エステル、4−トリアルキルシロキシ酪酸エステル、4−アセトキシ−2,2−ジメチル酪酸エステル、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸エステル、2−ヨード安息香酸エステル、4−ニトロ−4−メチルペンタン酸エステル、o−(ジブロモメチル)安息香酸エステル、2−ホルミルベンゼンスルホン酸エステル、4−メチルチオメトキシ)酪酸エステル、2−メチルチオメトキシメチル)安息香酸エステル、2−(クロロアセトキシメチル)安息香酸エステル、2[(2−クロロアセトキシ)エチル]安息香酸エステル、2−[2−(ベンジルオキシ)エチル]安息香酸エステル、2−[2−(4−メトキシベンジルオキシ)エチル]安息香酸エステル、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸エステル、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸エステル、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸エステル、クロロジフェニル酢酸エステル、イソ酪酸エステル、モノスクシノエート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテン酸エステル(チグロ酸エステル)、o−(メトキシカルボニル)安息香酸エステル、p−P−安息香酸エステル、α−ナフトエ酸エステル、硝酸エステル、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、2−クロロ安息香酸エステル。スルホン酸エステル、スルフェン酸エステルおよびスルフィン酸エステルとして、例えば、硫酸エステル、アリルスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル(メシレート)、ベンジルスルホン酸エステル、トシル酸エステル、2−[(4−ニトロフェニル)エチル]スルホン酸エステル、2−トリフルオロメチルスルホン酸エステル、4−モノメトキシトリチルスルフェン酸エステル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸エステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−オン−1−スルフィン酸エステル、ホウ酸エステル、ジメチルホスフィノチオイル。炭酸エステルとして、例えば、炭酸アルキルメチル、メトキシメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート、炭酸エチル、炭酸ブロモエチル、2−(メチルチオメトキシ)エチルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカーボネート、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート、2−[ジメチル(2−ナフチルメチル)シリル]エチルカーボネート、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート、cis−[4−[[(−メトキシトリチル)スルフェニル]オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル]オキシカーボネート、炭酸イソブチル、炭酸t−ブチル、炭酸ビニル、炭酸アリル、炭酸シンナミル、炭酸プロパルギル、炭酸p−クロロフェニル、炭酸p−ニトロフェニル、4−エトキシル−1−ナフチルカーボネート、6−ブロモ−7−ヒドロキシクマリン−4−イルメチルカーボネート、炭酸ベンジル、o−ニトロベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、p−メトキシベンジルカーボネート、3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アントラキノン−2−イルメチルカーボネート、2−ダンシルエチルカーボネート、2−(4−ニトロフェニル)エチル、2−(2,4−ニトロフェニル)エチル、2−(2−ニトロフェニル)プロピル、2−(3,4−メチレンジオキシ−6−ニトロフェニルプロピル、2−シアノ−1−フェニルエチルカーボネート、2−(2−ピリジル)アミノ−1−フェニルエチ
ルカーボネート、2−[N−メチル−N−(2−ピリジル)]アミノ−1−フェニルエチルカーボネート、炭酸フェナシル、3’,5’−ジメトキシベンゾインカーボネートとしては、メチルジチオカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート。カルバミン酸エステル、例えば、ジメチルチオカルバメート、N−フェニルカルバメートおよびN−メチル−N−(o−ニトロフェニル)カルバメート。
【0084】
カルボニル基の保護基、カルボニル基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第4章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、カルボニル基をアセタールまたはケタールとして保護してもよい。このようなアセタールおよびケタールの例としては、アクリル酸のアセタールおよびケタール(例えば、ジメチル、ジイソプロピル、ビス(2,2,2−トリクロロエチル))、環状アセタールおよび環状ケタール(例えば、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサパンなど)、キラルアセタールおよびキラルケタール(例えば、(4R、5R)−ジフェニル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、trans−1,2−シクロヘキサンジオールケタールなど)、ジチオアセタールおよびジチオケタール(例えば、S,S’−ジメチル、S,S’−ジエチル、S,S’−ジプロピル、1,3−ジチアンなど)、およびモノチオアセタールおよびモノチオケタールが挙げられる。
【0085】
カルボキシル基の保護基、カルボキシル基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第5章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、カルボキシル基をエステルとして保護してもよい。これらのエステルとしては、限定されないが、置換メチルエステル(例えば、9−フルオレニルメチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチルなど)、二置換エチルエステル(例えば、2,2,2−トリクロロエチル、2−ハロエチル、2−(トリメチルシリル)エチルなど)、2,6−ジアルキルフェニルエステル(例えば、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル、ペンタフルオロフェニルなど)、置換ベンジルエステル(例えば、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、9−アントリルメチルなど)、シリルエステル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなど)が挙げられる。あるいは、例えば、保護基は、カルボキシル基を、アミド(例えば、N,N−ジメチル、ピロリジニル、ピペリジニルなど)またはヒドラジド(例えば、N−フェニル)にして保護してもよい。
【0086】
アミノ基の保護基、アミノ基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第7章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、アミノ基を、カルバメート(例えば、9−フルオレニルメチル、2,2,2−トリクロロエチル、4−フェニルアセトキシベンジル、2−メチルチオエチル、m−ニトロフェニルなど)またはアミド(例えば、ホルムアミド、アセトアミド、3−フェニルプロパンアミド)として保護してもよい。
【0087】
芳香族ヘテロ環(例えば、イミダゾール、ピロールおよびインドール)の保護基、芳香族ヘテロ環を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第7章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、芳香族ヘテロ環を、N−スルホニル誘導体(例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、メタンスルホンアミド、メシチレンスルホンアミドなど)、カルバメート(例えば、ベンジル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチルなど)、N−アルキル誘導体およびN−アリール誘導体、N−トリアルキルシリル誘導体、N−アリル誘導体、N−ベンジル誘導体、アミノアセタール誘導体またはアミドとして保護してもよい。
【0088】
アミド基の保護基、アミド基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第7章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、アミド基を、N−メチルアミド、N−アリルアミド、N−t−ブチルアミドなどとして保護してもよい。
【0089】
スルホンアミド基の保護基、スルホンアミド基を保護し、脱保護する反応および条件は、当該技術分野で周知であり、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons(2007)の第7章および引用文献に開示されている。例えば、保護基は、スルホンアミド基を、N−t−ブチルスルホンアミド、N−ジフェニルメチルスルホンアミド、N−ベンジルスルホンアミドなどとして保護してもよい。
本発明の実施形態の例について、以下に記載する。
【0090】
以下の省略語の意味を以下に示す。
【0091】
【数1】

【0092】
【数2】

【実施例】
【0093】
(図1の化合物8の合成)
図1は、11β−HSD1阻害剤として知られる特定の三級アルコールオキサジノン化合物(化合物8)の好ましい合成法を示す。図1の化合物3〜8を、実施例1〜4に記載したように合成した。
【0094】
(実施例1)
【0095】
【化11】

1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(3)。削り状マグネシウム(46.7g、1.94mol)をTHF1500mL中で攪拌して懸濁させ(KF<100ppm)、窒素下、1M DIBAL−Hヘキサン溶液53.0mLを室温で投入した。次いで、内温を30℃未満に維持しながら、β−メチルアリルクロリド(160g、1.77mol)を入れた。得られた溶液を室温で2時間攪拌した。1.1’−ビピリジン存在下、この溶液を徐々に加え、対応するGrignard試薬を濃度0.8Mで得た。乾燥フラスコに無水CeCl 307.0g(1.25mol)を入れ、窒素下室温で、上述のGrignard試薬1556.8mL(0.8M、1.25mol)を加えた。得られたスラリーを−10℃まで冷却し、0.5時間攪拌した。THF200mL中のケトン200g(1.19mol)を、内温を0℃未満に保ちつつ、上述のスラリーに加えた。混合物を0.5時間攪拌した後、内温を30℃未満に保ちつつ、1M HCl 1200mLを加えると、透明溶液が得られた。この相を取り出し、水層をEtOAc(500mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去して粗生成物を得て、この物質をTHFを用いて取り出し、KF<500ppmになるように調整した。粗生成物(306g、83wt%、収率95%)を次のカップリング反応に直接使用した。3の分析データ:H−NMR分光法(500MHz、CDCl)δ 7.38−7.37(d. J=7.8 Hz、2H)、7.33(t、J=7.9 Hz、2H)、7.24(t、J=7.4 Hz、1 H)、4.91(s、1H)、4.76(s、1H)、3.57(ddd、J=5.6、10.7、および10.7、1H)、3.13(ddd、J=4.7、10.7および10.7 Hz、1H)、2.66(d、J=13.3 Hz、1H)、2.54(d、J=11.3 Hz、1H)、2.53(s、1H)、2.36(ddd、J=5.4、10.6および13.9 Hz. 1H)、2.29(ddd、J=5.6、11.3および13.3 Hz、1H)、1.29(s、3H)。13C−NMR分光法(125 MHz、CDCl)δ 144.3、141.4、128.0、126.6、124.8、116.1、74.2、51.2、46.0、39.9、23.9。
【0096】
(実施例2)
【0097】
【化12】

1−ブロモ−4−((S)−1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(4)。10Lのジャケット付反応器に、炭酸水素ナトリウム241g(2.87mol、2.30当量)および脱イオン水5Lを投入した。得られた溶液を、固体が溶解するまで(均一になるまで)10〜20分間攪拌した。この透明溶液に、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン250g(1.25mol、1.00当量)のジクロロメタン1.00L溶液を加えた。この反応器にジクロロメタン4Lをさらに加えた。二相溶液を攪拌し、Tint=2〜3℃まで冷却した。この反応器に、トリホスゲン(126g、424mmol、0.340当量)をほぼ等量ずつ2回に分けて加えた(1回目と2回目の間は約6分間あけた)。トリホスゲンを加えると、わずかに発熱したことを注記しておく。濁った溶液が得られ、この溶液をTint=2〜5℃で30分間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって変換率が99A%を超えていることがわかった(220nm)。ジクロロメタン層を取り出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた溶液をセライト栓に通し、約1.5Lになるまで濃縮すると、微細な白色固体粒子が生成した。この溶液を濾過し、減圧下で粘性油状物になるまで濃縮し、生成物239gを得た(93.7wt%、収率79.4%)。この物質をさらに精製することなく、次のカップリング反応で使用した。4の分析データ:1H−NMR分光法(400 MHz、CD2Cl2)δ 7.53(d、J=11.4 Hz、2 H)、7.26(d、J=8.2 Hz、2 H)、4.80(q、J=6.7 Hz、1H)、1.59(d、J=6.7 Hz、3 H)。
【0098】
(実施例3)
【0099】
【化13】

(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(6)。乾燥した10Lのジャケット付反応器に、窒素雰囲気下、1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(3、167g、81.7wt%、610mmol、1.00当量)、1−ブロモ−4−((S)−1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(4、219g、93.7wt%、911mmol、1.50当量)、無水テトラヒドロフラン(3.00L)を投入し、次いで1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、409mL、2.73mol、4.50当量)を投入した。得られた溶液を攪拌し、19時間還流させ(Tint=67〜69℃、Text=75℃)、この時点で、HPLC分析によって、1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(3)が約1A%(220nm)残っていることが示されている。暗色溶液をTint=20〜25℃まで冷却した。テトラヒドロフラン2Lを減圧下で蒸留して除去した。残った暗色溶液を、酢酸エチル4.0Lおよびヘキサン1.0Lで希釈した。得られた溶液を1.0M塩酸水溶液4.0Lで洗浄した(注:洗浄液はわずかに発熱)。この水溶液を取り出し、残った有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で油状物になるまで濃縮した。得られた物質をフラッシュシリカクロマトグラフィー(5−30%酢酸エチル/ヘキサン、シリカ1.74kg)で処理し、物質137.8gを得た(59wt%、ジアスレレオマー比3.1:1で、所望なジアスレレオマー6が多い、収率32.3%)。この物質をさらに精製することなく、次のエポキシ化反応で使用した。
【0100】
(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(6)の分析データ:1H−NMR分光法(500 MHz、CD2Cl2)δ 7.42−7.35(m、3 H)、7.33−7.31(m、2H)、7.25−7.23(m、2H)、6.80−6.74(m、2)、5.55(q、J=7.1 Hz、1 H)、5.37−5.36(m、1H)、4.89(s、1H)、4.69(s、1H)、2.96−2.93(m、1H)、2.61(dd、J=13.8および26.4 Hz、2 H)、2.37−2.25(m、3H)、1.68(s、3H)、1.50(d、J=7.1 Hz、3 H)。13C−NMR分光法(125 MHz、CD2Cl2)δ 152.5、141.5、140.1、138.3、130.6、128.1、128.0、126.9、124.4、120.2、115.3、82.4、52.1、50.1、35.6、29.8、23.4、14.5。
【0101】
(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(5)の分析データ:1H−NMR分光法(400MHz、CD2Cl2)δ 7.50−7.48(m、2H)、7.43−7.39(m、2H)、7.35−7.32(m、3H)、7.20−7.18(m、2H)、5.60(q、J=7.1 Hz、1H)、4.85(s、1H)、4.66(s、1H)、2.73−2.67(m、2H)、2.60(dd、J=13.9および19.4 Hz、2H)、2.28(dt、J=3.3および13.7 Hz、1H)、2.14−2.05(m、1H)、1.66(s、3H)、1.24(d、J=7.2 Hz、3 H)。13C−NMR分光法(100 MHz、CD2Cl2)δ 153.4、142.5、141.0、140.1、131.8、129.3、128.9、127.8、125.3、121.5、116.3、83.9、53.2、51.0、36.6、31.3、24.3、15.4.
(実施例4)
【0102】
【化14】

(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(8;BI00135541)。1.0Lの二口丸底フラスコに、(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(6、135.8g、59wt%、ジアステレオマー比3.1:1、193mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(700mL)を投入し、次いで3−クロロ過安息香酸(MCPBA、70%、95.3g、386mmol、2.0当量)を投入した。得られた溶液を室温で(Tint=20〜25℃)1時間攪拌し、この時点で、HPLC分析によって変換率が99A%(220nm)を超えていることが示されている。得られた溶液をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)700mLで希釈し、30wt%チオ硫酸ナトリウム溶液500mLで1回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mLで1回洗浄した。MCPBAのHPLCサンプルに対応する、有機溶液のHPLC痕跡量のピークが、2.5A%未満(220nm)になるまで、上の一連の洗浄工程を繰り返した。この実施例では、上述の洗浄工程を3回繰り返した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で油状物になるまで濃縮した。得られた物質を無水テトラヒドロフラン200mLで希釈し、減圧下で粘性油状物になるまで濃縮し、(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−オキシラニルメチル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(7)を得て、これを次の還元反応に直接使用した。
【0103】
2.0Lの三口丸底フラスコを乾燥器で乾燥し、これに未精製(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−オキシラニルメチル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(7)および無水テトラヒドロフラン750mLを入れた。得られた溶液を攪拌し、Tint=2〜3℃まで冷却した。この透明溶液を攪拌し、1.0M水素化トリエチルホウ素リチウム−テトラヒドロフラン溶液(Super Hydride、348mL、348mmol、1.8当量)を加えた。この添加は発熱反応であり、Tint=8℃未満に維持しながら添加した。得られた溶液をTint=2〜3℃で1.5時間攪拌し、2.5時間かけてTint=10〜13℃まで加温し、この時点で、HPLCによって変換率が約94A%(220nm)であることが示されている。この溶液を攪拌し、過酸化水素溶液(水400mLで希釈した35wt%水溶液95.7mL、1.08mol、5.60当量)を加えた。この添加は、大きく発熱する反応であり、Tint=25℃未満に維持しながら添加した。得られた溶液をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)1.00Lで希釈し、水1.00Lで洗浄し、次いで約30wt%チオ硫酸ナトリウム溶液500mLで洗浄した。この有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュシリカクロマトグラフィー(10−60%酢酸エチル、シリカ600g)で処理し、両ジアステレオマー混合物(ジアステレオマー比1.98:1)からなる物質68g、所望のジアステレオマー41g(ジアステレオマー比>99:1)を得た。この混合画分からなる物質を、酢酸イソプロピル(IPAC)250mLおよびヘプタン(貧溶媒)200mLから再結晶化させ、これを濾過すると、生成物31.3gが得られた(220nmで95.7A%、ジアステレオマー比74:1)。2つのサンプルを合わせ、生成物72.3gを得た(2工程の操作で収率83.6%)。8の分析データ:1H−NMR分光法(400MHz、CDCl3)δ 7.37−7.29(m、5H)、7.25−7.21(m、2H)、6.82−6.79(m、2H)、5.61(q、J=6.9 Hz、1H)、2.83(ddd、J=2.5、5.4および11.6 Hz、1H)、2.39(ddd、J=5.7、12.0および14.1 Hz、1H)、2.27(ddd、J=2.6、4.8および14.0 Hz、1H)、2.21−2.14(m、3H)、2.08(s、1H)、1.49(d、J=7.0 Hz、3H)、1.18(s、3H)、1.13(s、3H)。13C−NMR分光法(100MHz、CDCl3)δ 153.2、142.6、138.5、131.6、129.13、129.10、128.0、125.3、121.6、84.2、71.4、54.1、53.3、36.4、33.6、32.1、30.8、15.6。
【0104】
(オキサジノンの合成:β−ハロアルコールおよびイソシアネートの反応)
(実施例5)
6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0105】
【化15】

(工程1.1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール)
1,1’−ビ−2−ナフトール(0.2280g、0.80mmol、0.26当量)、CHCl(5mL)およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.2243g、0.79mmol、0.26当量)溶液に、2−プロパノール(3.1620g、52.6mmol、17当量)、テトラアリルスタンナン(1.2538g、4.43mmol、1.43当量)および3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(0.5760g、3.09mmol、1.0当量)を連続して加えた。窒素下、この反応混合物を室温で22時間攪拌した。飽和NHCl水溶液を加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーでヘキサン/酢酸エチルで溶出させて精製し、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オールを油状物として得た。
(工程2.6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン)
THF(2mL)中の1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(0.0889g、0.39mmol、1.0当量)、(S)−(−)α−メチルベンジルイソシアネート(0.0823g、0.56mmol、1.44当量)およびDBU(0.1397g、0.92mmol、2.36当量)の混合物を加熱して17時間還流させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーでヘキサン/酢酸エチルで溶出させて精製し、生成物0.0990g(75%)をジアステレオマー混合物として得た。選んだ画分には、個々のジアステレオマーが含まれていた。
【0106】
異性体1:(R)−6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=1.89分、m/z=340(M+1)。H NMR(CDCl)7.36−7.27(m、7H)、7.10−7.05(m、2H)、5.79−5.67(m、2H)、5.09−4.98(m、2H)、2.72−2.68(m、2H)、2.64−2.53(m、2H)、2.22−2.16(m、1H)、2.09−2.01(m、1H)、1.26(d、J=7.3 Hz、3H)。
【0107】
異性体2:(S)−6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=1.86分、m/z=340(M+1)。H NMR(CDCl)7.29−7.24(m、2H)、7.14−7.08(m、3H)、7.05−7.00(m、2H)、6.88−6.85(m、2H)、5.77−5.63(m、2H)、5.10−5.00(m、2H)、2.93−2.88(m、1H)、2.65−2.52(m、2H)、2.32−2.17(m、3H)、1.51(d、J=7.0 Hz、3H)。
【0108】
(実施例6)
6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0109】
【化16】

(工程1.1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール)
250−mLフラスコに、無水CeCl(5.58g、22.6mmol)およびTHF(40mL)を投入した。混合物を室温で3.5時間激しく攪拌した。この懸濁物を−78℃まで冷却し、アリルマグネシウムブロミド溶液(THF溶液中1.0M、21mL、21.0mmol)を加えた。−78℃で2時間攪拌した後、3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(2.522g、13.5mmol)のTHF(30mL)溶液をカニューレで加えた。反応混合物を一晩(18時間)攪拌しながら、ゆっくりと8℃まで加温した。飽和NaHCO水溶液を加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーでヘキサン/酢酸エチルで溶出させて精製し、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(3.0049g、97%)を油状物として得た。LC−MS法1 t=1.79分、m/z 213、211(M−OH)H NMR(400 MHz、CDCl)δ 7.37−7.32(m、2H)、7.07−7.02(m、2H)、5.57−5.47(m、1H)、5.20−5.19(m、1H)、5.16(m、1H)、3.59−3.52(m、1H)、3.24−3.18(m、1H)、2.70(dd、J=13.8、5.9 Hz、1H)、2.50(dd、J=13.8、8.5 Hz、1H)、2.29(t、J=7.9 Hz、2H)、2.22(s、1H);19F NMR(376 MHz、CDCl)δ −116.52(m)。
【0110】
(工程2.(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンおよび(S)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン)
THF(10mL)中の1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(0.4129g、1.8mmol、1.0当量)、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルイソシアネート(0.5005g、2.2mmol、1.2当量)およびDBU(0.7375g、4.8mmol、2.7当量)の混合物を加熱して25時間還流させた。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAcで抽出した(2回)。有機相を合わせ、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をさらに精製することなく、次の工程で直接使用した。
【0111】
分析サンプルを、シリカゲルクロマトグラフィーでヘキサン/酢酸エチルで溶出させて精製し、6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモ-フェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンの2種類のジアステレオマーを得た。
【0112】
異性体1:(S)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1 t=2.03分、m/z 420、418(MH);H NMR(400 MHz、CDCl)δ 7.46(d、J=8.2 Hz、2H)、7.31−7.28(m、2H)、7.17(d、J=8.2 Hz、2H)、7.07(t、J=8.5 Hz、2H)、5.76−5.66(m、2H)、5.10−4.99(m、2H)、2.75−2.52(m、4H)、2.23−2.19(m、1H)、2.08−2.00(m、1H)、1.24(d、J=7.0 Hz、3H);19F NMR(376 MHz、CDCl)δ −115.07(m)。
【0113】
異性体2:(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1 t=1.98分、m/z 420、418(MH);H NMR(400 MHz、CDCl)δ 7.25−7.20(m、4H)、7.05−7.01(m、2H)、6.71(d、J=8.5 Hz、2H)、5.74−5.64(m、1H)、5.58(q、J=7.0 Hz、1H)、5.09−4.99(m、2H)、2.92−2.87(m、1H)、2.63−2.50(m、2H)、2.33−2.16(m、3H)、1.47(d、J=7.0 Hz、3H);19F NMR(376 MHz、CDCl)δ −114.91(m)。
【0114】
(実施例7)
6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0115】
【化17】

(工程1.2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール)
乾燥THF(250mL)中のアセトフェノン(30g、0.25mol)溶液に、−78℃で、1Mアリルマグネシウムブロミド(1.25L、1.25mol)を滴下した。滴下完結後、混合物を室温で3時間攪拌した。飽和NHCl水溶液(30mL)を加えて反応を停止させた。混合物をEtOAc(200mL)で抽出した。有機層を塩水(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮し、2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール(40.2g)を得て、これを精製することなく、次の工程で使用した。
【0116】
(工程2.3−フェニルブタン−1,3−ジオール)
乾燥CHCl(1L)中の2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール(74g、0.457mol)溶液を、混合物が青色になるまで、−78℃でオゾン処理した。この系に酸素を流し、過剰のオゾンを除去した。この混合物に、−20℃でNaBH(42.8g、1.143mol)を何回かにわけて加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物に水を加えて反応を停止させ、層分離させた。水層をCHClで抽出した(2回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮し、3−フェニルブタン−1,3−ジオール(67.8g)を得て、これを精製することなく、次の工程で使用した。
【0117】
(工程3.3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル4−メチルベンゼンスルホネート)
乾燥CHCl(500mL)中の3−フェニルブタン−1,3−ジオール(68g、0.41mol)溶液に、0℃で、TsCl(78g、0.41mol)およびトリエチルアミン(71mL、0.45mol)の乾燥CHCl(500mL)溶液を加えた。この混合物を一晩攪拌した。この混合物に水を注ぎ、分離させた。水層をCHCl(200mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル4−メチルベンゼンスルホネート(62g、42%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ=1.55(s、3H)、1.93(w、1H)、2.19−2.24(q、2H)、2.45(s、3H)、3.87−4.01(m、1H)、4.09−4.16(m、1H)、7.19−7.34(m、7H)、7.68−7.76(d、2H)。
【0118】
(工程4.6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オン)
CHCl(15mL)中の3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル4−メチルベンゼンスルホネート(1g、3.12mmol)およびDBU(1.4g、9.26mmol)溶液に、0℃でCHCl(5mL)中の3−メチルフェニルイソシアネート(623mg、4.68mmol)溶液を0.5時間かけて加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで分取HPLCで精製し、6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LC−MS法2、t=2.706分、m/z=282.H NMR(CDCl)1.75(s、3H)、2.30(s、3H)、2.35−2.50(m、2H)、3.30(m、1H),3.50(m、1H)、6.95(m、2H)、7.05(m、1H)、7.20−7.30(m、1H)、7.35(m、1H)、7.42−7.50(m、4H)。
【0119】
(工程5.6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オンのエナンチオマー)
ChiralPak−AD、400×内径25mm、20μm(Daicel Chemical Industries、Ltd)カラムを用い、流速70mL/分、ノズル圧100bar、35℃に維持したキラル分取SFCで、MeOH溶液中70:30の超臨界CO/0.1%ジエチルアミンで溶出し、2種類の異性体を得た。
【0120】
異性体1(90mg)から、以下のスペクトルデータが得られた:H NMR(400MHz、CDCl):δ=1.62(m、1H)、1.76(s、3H)、2.31(s、3H)、2.48(m、2H)、3.28(m、1H)、3.50(m、1H)、6.95(m、1H)、7.04(m、1H)、7.23(t、1H)、7.35(m、1H)、7.44(m、4H)。
【0121】
異性体2(100mg)から、以下のスペクトルデータが得られた:(400MHz、CDCl):δ=1.62(m、1H)、1.76(s、3H)、2.31(s、3H)、2.48(m、2H)、3.28(m、1H)、3.50(m、1H)、6.95(m、1H)、7.04(m、1H)、7.23(t、1H)、7.35(m、1H)、7.44(m、4H)。
【0122】
(実施例8)
6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0123】
【化18】

1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(126mg、0.55mmol)、(S)−(+)−1−シクロヘキシルエチルイソシアネート(160mg、1.44当量)およびプロトンスポンジ(271mg、2.3当量)を乾燥THF(5mL)に溶解し、加熱して3時間還流させた。この混合物を0℃まで冷却し、NaH(22mg、1.0当量)をゆっくりと加えた。5分後、混合物を加熱して一晩還流させた。LC−MSから、反応が完結していることがわかった。この混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、1%HCl水溶液で洗浄し(15mL×2回)、飽和NaHCO水溶液(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。濾過し、濃縮した後、残渣を、シリカカートリッジ12gを用いたクロマトグラフィーで、ヘキサン中、10〜45%EtOAcの勾配がついた溶出液で溶出させ2種類の異性体生成物を得た。
【0124】
異性体1:(R)−6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(57.5mg、30%)。LC−MS法1、t=2.05分、m/z=346.H NMR(CDCl)7.29(m、2H)、7.02(m、2H)、5.70(m、1H)、5.05(dd、2H)、3.94(m、1H)、3.06(m、1H)、2.68−2.49(m、3H)、2.33(m、1H)、2.14(m、1H)、1.17(d、3H)、0.78(m、2H)
異性体2:(S)−6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(56mg、29%)。LC−MS法1、t=2.06分、m/z=346.H NMR(CDCl)7.27(m、2H)、7.03(t、2H)、5.71(m、1H)、5.05(dd、2H)、3.95(m、1H)、2.92(m、1H)、2.72(m、1H)、2.57(m、2H)、2.22(m、2H)、1.49(d、1H)、1.32(m、1H)、0.86(d、3H)。
【0125】
(実施例9)
6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0126】
【化19】

(工程1)
乾燥トルエン(20mL)中の2−フェニルシクロプロパンカルボン酸(1.0g、6.17mmol)溶液に、N下でトリエチルアミン(934mg、9.26mmol)およびDPPA(2.0g、7.41mmol)を加え、反応混合物を3時間還流させた。この溶液を濃縮し、(2−イソシアナトシクロプロピル)ベンゼン(800mg)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0127】
(工程2)
THF(15mL)中の(2−イソシアナトシクロプロピル)ベンゼン(800mg、5.03mmol)溶液に、DBU(1.61g、10.48mmol)および1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(880mg、4.19mmol)を加え、混合物を一晩還流させた。この溶液をEtOAcで希釈し、1N HClで洗浄した(15mL×2回)。水相をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取TLCで精製し、6−アリル−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、6%)を得た。H NMR(CDCl):1.05−1.21(m、3H)、1.36−1.42(m、1H)、2.13−2.34(m、1H)、2.39−2.61(m、2H)、2.92−3.15(m、1H)、3.76−4.01(m、1H)、4.95−5.10(m、2H)、5.42−5.73(m、1H)、6.95−6.99(m、1H)、7.10−7.24(m、10H)。
【0128】
(工程3)
乾燥THF(5mL)中の6−アリル−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.60mmol)溶液に、N下0℃で、1M BH/THF(1.8mL、1.8mmol)を滴下した。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を再び0℃まで冷却し、水(0.1mL)、3M NaOH水溶液(0.1mL)および30% H(0.3mL)を連続して加えた。この混合物を室温でさらに2時間攪拌した後、1N HCl水溶液(0.5mL)を加えた。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取TLCで精製し、次いで分取HPLCで精製し、2種類の異性体を得た。
【0129】
異性体1(20mg、9%):LC−MS法3 t=1.151、分、m/z=352.2;H NMR(CDCl)0.83(m、2H)、1.12(m、1H)、1.23(m、4H)、1.68(m、1H)、1.97(m、2H)、2.16(m、1H)、2.21(m、1H)、2.84(m、1H)、3.13(m、1H)、3.52(m、2H)、4.14(m、1H)、7.03(m、2H)、7.11(m、1H)、7.17(m、2H)、7.29(m、4H)、7.46−7.63(m、1H)。
【0130】
異性体2(15mg、7%):LC−MS法3 t=1.149、分、m/z=352.2;H NMR(CDCl)0.85(m、2H)、1.11(m、1H)、1.26(m、3H)、1.67(m、2H)、1.96(m、2H)、2.18(m、1H)、2.27(m、1H)、2.83(m、1H)、3.13(m、1H)、3.52(m、2H)、4.15(m、1H)、7.02(m、2H)、7.11(m、1H)、7.15(m、2H)、7.26(m、3H)、7.29(m、2H)、7.46−7.63(m、1H)。
【0131】
(実施例10)
(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0132】
【化20】

(工程1)
塩化メチレン(50mL)および飽和NaHCO(50mL)の混合液中の(S)−1−フェニルプロパン−1−アミン(3.00g、14mmol)溶液に、0℃でトリホスゲン(1.40g、4.60mmol)を加えた。この混合物を15分間攪拌した。有機相を分離し、濃縮し、(S)−(1−イソシアナトプロピル)ベンゼン(3.0g、88%)を得た。H NMR(CDCl):δ=0.93(q、3H)、1.81(m、2H)、4.50(m、1H)、7.13(m、2H)、7.22(m、1H)、7.50(m、2H)。
【0133】
(工程2)
テトラヒドロフラン(20mL)中の(S)−(1−イソシアナトプロピル)ベンゼン(3.0g、12.5mmol)、1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(3.6g、12.5mmol)およびDBU(3.80g、25mmol)の混合物を加熱して一晩還流させた。この混合物を1N HClで洗浄し、EtOAcで抽出した。有機相を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(1.0g、20%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ=0.92(t、3H)、1.72−2.00(m、4H)、2.06−2.31(m、4H)、2.53(m、2H)、2.82(m、1H)、4.99(m、2H)、5.32(m、1H)、5.69(m、1H)、6.72(m、1H)、7.12(m、4H)、7.25(m、4H)。
【0134】
(工程3)
テトラヒドロフラン(10mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、0.242mmol)溶液に、窒素下0℃で、BH THF(3mL、1mol/L)を加えた。得られた混合物を2時間攪拌した。次いで水を加え、次いで3mol/L NaOHおよびH(3mL)を加えて反応を停止させた。5% HClを用い、この混合物のpHを7未満に調整した。有機相を分離し、EtOAcで抽出し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCで精製し、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(15mg、15%)を得た。LC−MS法3 t=1.36、分、m/z=432、434;H NMR(CDCl):δ=0.99(t、3H)、1.29(m、1H)、1.63(m、1H)、1.98(m、4H)、2.20−2.42(m、2H)、2.48(m、1H)、3.08(m、1H)、3.49(m、1H)、5.30(m、1H)、6.92(m、2H)、7.26(m、4H)、7.35(m、2H)。
【0135】
(実施例11)
(R)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0136】
【化21】

(工程1)
TFAA(134mL、948mmol)をCHCl(600mL)に溶解し、氷水浴で冷却した。CHCl(200mL)中の(S)−1−フェニルプロパン−1−アミン(112.8g、930mmol)溶液を滴下し、氷浴をはずした。反応混合物を周囲温度で3時間攪拌した。次いで、上述の混合物を氷浴で冷却し、MsOH(160mL、2.5mol)を滴下し、次いでDBDMH(130g、454mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、その後、水および塩水を加えて反応を停止させた。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、(R)−N−(1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(120g、44%)をオフホワイト色固体として得た。H NMR(CDCl):1.56(m、3H)、1.86(m、2H)、5.11(m、1H)、6.63(m、1H)、7.18(m、2H)、7.50(m、2H)。
【0137】
(工程2)
(R)−N−(1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(20g、68mmol)をメタノール(200mL)に溶解し、氷水浴で冷却した。次いで、この混合物にNaOH水溶液(2M、100mL)を加えた。この反応混合物を周囲温度で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、CHClと水とに分配した。水層にCHClを加えて抽出し、有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(9.8g、73%)を得た。H NMR(DMSO):1.19(m、3H)、3.92(m、1H)、7.28(m、2H)、7.42(m、2H)。
【0138】
(工程3)
CHCl(10mL)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−アミン(5g、25mmol)溶液に、飽和NaHCO(10mL)水溶液を加え、0℃でトリホスゲン(2.45g、8mmol)を加えた。次いで、窒素下、反応混合物を0℃で15分間攪拌した。反応混合物をCHClで2回抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、(R)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン(2.5g、44%)を得て、これを精製することなく次の工程で使用した。
【0139】
(工程4)
無水THF(40mL)中の(R)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン(2.5g、11mmol)溶液に、周囲温度で1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(1.69g、7mmol)およびDBU(5.68g、33mmol)を加え、反応混合物を一晩還流させた。反応混合物を1N HCl水溶液およびEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製し、2種類の異性体を得た。
【0140】
異性体1:(R)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(334mg、7%)。H NMR(CDOD):1.50(m、3H)、2.16−2.38(m、2H)、2.46(m、1H)、2.60(m、2H)、3.10(m、1H)、5.05(m、2H)、5.48(m、1H)、5.66(m、1H)、6.82(m、2H)、7.08(m、2H)、7.26(m、4H)。
【0141】
異性体2:(S)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。
【0142】
(工程5)
乾燥CHCl(20mL)中の(R)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(334mg、0.80mmol)溶液を、反応混合物が青色になるまで、−78℃でオゾン処理した。この混合物に酸素を流し、過剰のオゾンを除去した。この混合物に、0℃でNaBH(273mg、7mmol)を加え、窒素下、反応混合物を周囲温度で4時間攪拌した。この反応混合物を水で洗浄し、CHClで2回抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCで精製し、(S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(118mg、35%)を得た。H NMR(CD3OD):1.50(m、3H)、2.12(m、2H)、2.29(m、2H)、2.50(m、1H)、3.10(m、1H)、3.33(m、1H)、3.68(m、1H)、4.56(m、1H)、5.50(m、1H)、6.86(m、2H)、7.10(m、2H)、7.30(m、4H)。
【0143】
(工程6)
ジオキサン(8mL)中の(S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(109mg、0.26mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(49mg、0.31mmol)およびPd(PPh(30mg、0.03mmol)溶液に、0℃でCsCO溶液(2M、1mL)を加えた。次いで、窒素下、この反応混合物を一晩還流させた。反応混合物を水で洗浄し、CHClで2回抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCで精製し、(S)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(49mg、42%)を得た。LC−MS法3 tR=1.41、分、m/z=456;H NMR(CDOD):1.55(m、3H)、2.12(m、2H)、2.22−2.46(m、3H)、2.52(m、1H)、3.12(m、1H)、3.33(m、1H)、3.68(m、1H)、5.56(m、1H)、7.08(m、6H)、7.08(m、2H)、7.35(m、5H)。443−155−3。
【0144】
(S)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンから、すぐ上に記載した工程5および6に記載したのと似た手順にしたがって、(R)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンを調製した。LC−MS法3 t=1.47、分、m/z=456;H NMR(CDOD)1.35(m、3H)、2.18(m、2H)、2.40(m、1H)、2.51(m、1H)、2.82(m、2H)、3.33(m、1H)、3.71(m、1H)、4.22−4.48(m、1H)、5.62(m、1H)、7.03(m、2H)、7.18(m、2H)、7.38(m、4H)、7.50(m、3H)。
【0145】
(実施例12)
(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0146】
【化22】

(工程1)
塩化メチレン(600mL)および飽和NaHCO水溶液(600mL)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(40g、0.2mol)溶液に、0℃でトリホスゲン(27g、0.025mol)を加えた。この混合物を15分間攪拌した。有機相を分離し、乾燥し、濃縮し、1−ブロモ−4−(1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(35g、未精製)を得た。
【0147】
(工程2)
THF(400mL)中の1−クロロ−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(27.5g、130mmol)、(S)−(−)−1−(−ブロモフェニル)エチルイソシアネート(35g、160mmol)およびDBU(80g、325mmol)の混合物を加熱して25時間還流させた。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAcで抽出した(3回)。有機相を合わせ、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(30g、収率45%)を得た。
【0148】
(工程3)
(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンから、実施例78に記載したのと似た手順にしたがって、表題化合物を調製した。LC−MS法2 t=1.36分、m/z=440.1;H NMR(CDCl)1.26−1.39(m、1H)、1.42(d、3H)、1.58−1.71(m、1H)、1.85−1.95(m、2H)、2.11−2.45(m、3H)、2.79(m、1H)、3.52(m、2H)、5.54(m、1H)、6.67(d、2H)、7.12−7.31(m、7H)。
【0149】
(鈴木合成法を用いたビアリール類の合成)
(実施例13)
3−(ビフェニル−3−イル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0150】
【化23】

THF(2mL)中の3−(3−ブロモフェニル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(50mg、0.14mmol)およびフェニルボロン酸(35mg、0.29mmol)溶液に、HO(2mL)中のNaHCO(31mg、0.29mmol)溶液を加え、次いでPd(PPh)Cl(9mg、0.01mmol)を加えた。この混合物を一晩還流させた。この混合物を濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで分取HPLCで精製し、3−(ビフェニル−3−イル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、20%)を得た。H NMR:(400MHz、CDCl):δ 1.71(s、3H)、2.40(m、1H)、2.48(m、1H)、3.31(m、1H)、3.54(m、1H)、7.08(m、1H)、7.30(m、3H)、7.7.32−7.42(m、8H)、7.46(m、2H).LC−MS法3、t=1.362分、m/z=344.H NMR(CDCl)1.75(s、3H)、2.32−2.43(m、1H)、2.50(m、1H)、3.20(m、1H)、3.52(m、1H)、7.10(d、1H)、7.25−7.45(m、11H)、7.50(d、2H)。
【0151】
(実施例14)
6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0152】
【化24】

(工程1.6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
1,4−ジオキサン(1.5ml)中の6−アリル−3−(3−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(50mg、0.134mmol)および2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(40mg、0.215mmol)、KCO(0.5mL、2M)溶液に、N下0℃で、Pd(PhCl(10mg、20%)をゆっくりと加えた。この混合物を一晩還流させた。この混合物を濃縮して粗生成物を得て、これをTLCおよび分取HPLCで精製し、6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、18%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ=2.40(m、2H)、2.55−2.72(m、2H)、3.26(m、1H)、3.47(m、1H)、5.05(m、2H)、5.76(m、1H)、6.76−6.90(m、2H)、7.04(m、1H)、7.28(m、4H)、7.36(m、2H)。
【0153】
(実施例15)
6−(2−アミノエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0154】
【化25】

(工程1.3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
1,4−ジオキサン(3ml)中の3−(3−ブロモフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.538mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(128mg、0.806mmol)およびKCO水溶液(1mL、2M)溶液に、N下0℃で、Pd(PhCl(20mg、10%)をゆっくりと加えた。この混合物を一晩還流させた。この混合物を濃縮して粗生成物を得て、これをTLCおよび分取HPLCで精製し、3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、91%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl):δ=2.12−2.35(m、2H)、2.51(m、2H)、3.26(m、1H)、3.47−3.6(m、2H)、4.25(m、1H)、6.83(m、2H)、7.06(m、1H)、7.26−7.51(m、8H)。
【0155】
(工程2.2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチルメタンスルホネート)
乾燥CHCl(4mL)中の3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.49mmol)溶液に、0〜−5℃でEtN(0.234mL、1.46mmol)を加えた。乾燥CHCl(1mL)中の塩化メタンスルホニル(67mg、0.59mmol)溶液を同温度にて滴下した。滴下後、混合物を室温まで徐々に加温した。反応が完結したら、水(10mL)を加え、混合物をCHClで抽出した(10mL×3回)。有機層を合わせ、10%クエン酸水溶液で洗浄し、飽和NaHCO水溶液および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチルメタンスルホネート(230mg、97%)を得て、これを精製することなく次の工程で使用した。
【0156】
(工程3.6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
無水DMF(5mL)中の2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチルメタンスルホネート(230mg、0.47mmol)溶液に、NaN(92mg、1.42mmol)を加えた。反応混合物を一晩で70℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(30mL)および水(20ml)で希釈した。有機相を水で洗浄し(20mL×3回)、NaSOで乾燥し、蒸発させ、6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、49%)を得た。
【0157】
(工程4.3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
THF/HO 20:1(3mL)中の6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、0.23mmol)溶液に、PPh(72mg、0.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、6−(2−アミノエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(30mg、31%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ=2.20−2.51(m、2H)、2.51−2.60(m、2H)、2.72(m、1H)、3.00(m、1H)、3.24(m、1H)、3.53(m、1H)、6.85−6.99(m、2H)、7.14(m、1H)、7.31−7.50(m、8H)。
【0158】
(実施例16)
6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0159】
【化26】

(工程1.6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン)
THF(10mL)中の6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(0.3860g、0.92mmol、1.0当量)溶液に、窒素雰囲気下、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(0.2708g、1.71mmol、1.86当量)、2M NaCO水溶液(8mL)および(PhP)PdCl(0.0308g、0.0438mmol、0.047当量)を加えた。混合物を100℃で2日間攪拌した。次いで、塩水を加え、混合物をEtOで抽出し(3回)、エーテル抽出物を合わせ、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をさらに精製することなく、次の工程で直接使用した。LC−MS t=2.13分、3分のクロマトグラフィーにおいて2.17分、m/z 452(MH)。
【0160】
分析サンプルを、シリカゲルクロマトグラフィーで分離した。
【0161】
異性体1:(S)−6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=2.17分、m/z=452.H NMR(CDCl)7.47(d、J=8.2 Hz、2H)、7.42−7.30(m、5H)、7.08(t、J=8.2 Hz、2H)、6.98−6.88(m、2H)、5.82−5.68(m、2H)、5.08(d、J=10.2 Hz、1H)、5.02(d、J=17.0 Hz、1H)、2.78−2.71(m、2H)、2.66−2.54(m、2H)、2.25−2.20(m、1H)、2.13−2.05(m、1H)、1.30(d、J=7.0 Hz、3H)。
【0162】
異性体2:(R)−6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=2.13分、m/z=452。H NMR(CDCl)7.33−7.23(m、5H)、7.03(t、J=8.2 Hz、2H)、6.96−6.86(m、4H)、5.77−5.67(m、2H)、5.10(d、J=10.3 Hz、1H)、5.04(d、J=17.3 Hz、1H)、2.99−2.94(m、1H)、2.66−2.54(m、2H)、2.41−2.34(m、1H)、2.30−2.17(m、2H)、1.55(d、J=7.0 Hz、3H)。
【0163】
(実施例17)
3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0164】
【化27】

ジオキサン(5mL)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(60mg、0.14mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(26mg、0.17mmol)およびPd(PPh(16mg、0.01mmol)溶液に、0℃でCsCO溶液(2M、1mL)を加えた。次いで、窒素下、反応混合物を一晩還流させた。反応混合物を水で洗浄し、CHClで2回抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCで精製し、(S)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(17mg、26%)を得た。H NMR(CDOD):0.96(m、3H)、2.01(m、2H)、2.12(m、2H)、2.30(m、2H)、2.48(m、1H)、3.10(m、1H)、3.33(m、1H)、3.65(m、1H)、5.38(m、1H)、7.02(m、4H)、7.08(m、2H)、7.28(m、4H)、7.42(m、1H).443−114−3。
【0165】
すぐ上に記載した手順と似た手順にしたがって、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンから、(R)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンを調製した。H NMR(CDOD):0.62(m、3H)、1.76(m、1H)、1.92(m、1H)、2.12(m、3H)、2.56(m、1H)、2.78(m、1H)、2.89(m、1H)、3.33(m、1H)、3.71(m、1H)、5.38(m、1H)、7.05(m、2H)、7.16(m、2H)、7.44(m、7H)。
【0166】
(実施例18)
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0167】
【化28】

(工程1)
1,4−ジオキサン中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(1.0g、2.5mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(420mg、3.0mmol)溶液に、Pd(PPhCl(100mg)を加えた。CsCO(5mL)をゆっくりと加えた。混合物を加熱して2時間還流させた。この混合物に水を加えて反応を停止させ、分離し、EtOAcで2回抽出し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して残渣を得て、これをTLCで精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(768mg、73%)を得た。
【0168】
(工程2)
(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(300mg、0.71mmol)溶液に、KMnO(66mg、0.42mmol)およびNaIO(537mg、2.52mmol)の水溶液を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮し、CHClで抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(218mg、70%)を得た。
【0169】
(工程3)
無水THF(10mL)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(218mg、0.5mmol)溶液を、0℃でBH(3.0mL)に加え、還流状態で2時間攪拌した。次いで、反応混合物に水を加えて反応を停止させ、分離し、EtOAcで2回抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これをTLCで精製し、(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(85mg、40%)を得た。LC−MS法3 t=1.35、分、m/z=426、448; H NMR(CDOD):1.50(m、3H)、2.15(m、2H)、2.30(m、1H)、2.40(m、1H)、2.60(m、1H)、3.15(m、1H)、3.45(m、1H)、3.70(m、1H)、5.60(m、1H)、6.90(m、1H)、7.00(m、1H)、7.10(m、4H)、7.35(m、3H)、7.55(m、2H)。
【0170】
すぐ上に記載した手順と似た手順にしたがって、(R)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オンを調製した。LC−MS法3 t=1.4、分、m/z=426、448;H NMR(CDOD)1.38(d、3H)、2.01(m、1H)、2.18(m、3H)、2.41(m、1H)、2.86(m、1H)、3.02(m、1H)、3.41(m、1H)、3.72(m、1H)、5.62(m、1H)、6.98(m、1H)、7.03(m、1H)、7.15(m、1H)、7.36(m、3H)、7.58(m、4H)。
【0171】
(実施例19)
(R)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0172】
【化29】

(工程1)
1,4−ジオキサン(10mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(150mg、0.375mmol)および6−アミノピリジン−3−イルボロン酸(56mg、0.45mmol)、Pd(PhP)Cl(15mg)およびCsCO水溶液(0.5mL、2M)の混合物を攪拌し、加熱して2時間還流させた。有機相を分離し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCで精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(90mg、60%)を得た。
【0173】
(工程2)
テトラヒドロフラン(10mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(90mg、0.23mmol)溶液に、窒素雰囲気下、0℃でBH THF(3.0mL、1mol/L、4mmol)を加えた。得られた混合物を2時間攪拌した。水を加えて反応を停止させた。次いで、この混合物に、NaOH(2mL、3mol/L)およびH(1mL)を加えた。反応が終了したら、この混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCで精製し、(R)−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(40mg、41%)を得た。
【0174】
(工程3)
(R)−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(40mg、0.09mmoL)を3.5M HSO(10mL)に溶解し、0℃で2M NaNO(10mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、NaOH溶液で処理した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCで精製し、(R)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、20%)を得た。LC−MS法2 t=1.66、分、m/z=433、455;H NMR(CDCl):1.36(m、2H)、1.50(m、3H)、1.68(m、2H)、1.92(m、2H)、2.10−2.30(m、3H)、2.84(m、1H)、3.50(m、2H)、5.12(m、1H)、6.62(m、1H)、6.86(m、2H)、7.08(m、2H)、7.18−7.32(m、5H)、7.46(m、1H)、7.62(m、1H)。
【0175】
(実施例20)
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0176】
【化30】

(工程1)
1,4−ジオキサン(50mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(5.83g、15mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(3g、22mmol)、PdCl(PPh(1g、1.4mmol)およびCsCO水溶液(2M、8.0mL)の混合物を加熱して2時間還流させた。この混合物を濾過し、濾液をEtOAcで抽出した(3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取TLCで精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(5.3g、88%)を得た。
【0177】
(工程2)
アセトン(20mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(3g、7.23mmol)溶液に、0℃で、HO(15mL)中のKMnO(685mg、4.34mmol)およびNaIO(5.6g、26mmol)溶液を滴下した。この混合物を4時間攪拌した。TLCによって、出発物質が消失していることが確認されたら、沈殿物を濾過によって除去し、減圧下でアセトンを除去した。得られた混合物に1M NaOH水溶液を加えてpH=13まで塩基性にし、エーテルで洗浄した(50mL×3回)。水相に1N HCl水溶液を加えて、pH=1まで酸性にし、CHClで抽出した(15mL×3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮し、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(2.8g、90%)を得た。
【0178】
(工程3)
MeOH(15mL)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(1g、2.3mmol)溶液に、N雰囲気下、0℃で塩化チオニル(408mg、3.5mmol)を滴下した。一晩還流させた後、混合物を濃縮して粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーで精製し、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸メチル(680mg、68%)を得た。
【0179】
(工程4)
乾燥THF(5mL)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸メチル(180mg、0.4mmol)溶液に、N下、−78℃で、メチルマグネシウムブロミド(1.5mL、3M、4.5mmol)を−78℃で滴下した。滴下後、この混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、水を加えて反応を停止させ、混合物を酢酸エチルで3回抽出した(5mL×3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCで精製し、(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(2.48mg、1%)を得た。H NMR(CDCl):1.05(s、1H)、1.13(s、3H)、1.50(d、3H)、2.14−2.23(m、2H)、2.25−2.40(m、1H)、2.80(m、1H)、5.63(m、1H)、6.94(m、2H)、7.02(m、2H)、7.18−7.30(m、7H)、7.38(m、2H).LC−MS法3 t=1.51、分、m/z=448、470。
【0180】
(実施例21)
5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
【0181】
【化31】

(工程1)
乾燥THF(15mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(1g、2.4mmol)溶液に、0℃でBH・THF(5mL、1M)を滴下した。、室温で2時間攪拌した後、反応混合物を0℃まで冷却し、水(1mL)、NaOH水溶液(0.5mL、3M)、H(0.5mL、30%)を連続して加えた。この混合物を室温で2〜3時間攪拌し、水(8mL)で希釈した。0.5N HClを加え、pHを6〜7に調整した。層分離させ、水相をEtOAcで抽出した(10mL×3回)。有機層を合わせ、飽和NaHCO水溶液(20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して粗生成物を得て、これを分取TLCで精製し、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(400mg、38%)を得た。
【0182】
(工程2)
1,4−ジオキサン(6mL)中の(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(250mg、0.6mmol)、5−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イルボロン酸(163mg、0.9mmol)、PdCl(PPh(50mg、20%)およびCsCO水溶液(2M、2mL)の混合物を、N下、加熱して100℃で一晩還流させた。この混合物を濾過し、濾液をEtOAcで3回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCで精製し、5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(220mg、未精製)を得た。
【0183】
(工程3)
5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(30mg、0.1mmol)を、EtOH(5mL)中の無水NHに溶解した。次いで、混合物を室温で一晩攪拌した。真空下で溶媒を除去して粗生成物を得て、これを分取HPLCで精製し、5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド(10mg、34%)を得た。LC−MS法2 t=1.022分、m/z=478;H NMR(CDOD):1.31(m、1H)、1.56(m、3H)、1.59(m、1H)、1.91(m、2H)、2.17−2.28(m、1H)、2.33(m、1H)、2.44(m、1H)、3.14(m、1H)、3.44(m、2H)、5.60(m、1H)、7.04−7.17(m、4H)、7.29(m、2H)、7.49(m、2H)、8.41(m、1H)、8.86(m、1H)、8.97(m、1H)。
【0184】
(実施例22)
(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0185】
【化32】

(工程1:(S)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン)
塩化メチレン(3L)およびNaHCO水溶液(3L)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(240g、1.2mol)溶液に、0℃でトリホスゲン(118g、0.396mol)を加えた。この混合物を15分間攪拌した。有機相を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮し、1−ブロモ−4−(1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(170g、63%)を得た。
【0186】
(工程2:1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール)
無水THF(1200mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(170g、1.01mol)溶液に、窒素下、−78℃でアリルマグネシウムブロミド(1.2L、1mol/L)を加えた。得られた混合物を−78℃で30分間攪拌した。NaHCO水溶液を加えて反応を停止させた。有機相を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1)で精製し、1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(180g、86%)を得た。H NMR(CDCl):2.27(m、2H)、2.51(m、1H)、2.74(m、1H)、3.22(m、1H)、3.58(m、1H)、5.16(m、2H)、5.53(m、1H)、7.23(m、1H)、7.39(m、4H)。
【0187】
(工程3:(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
THF(1700mL)中の1−クロロ−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(105g、0.050mmol)、(S)−(−)−1−(−ブロモフェニル)エチルイソシアネート(170g、0.752mol)およびDBU(228g、1.5mol)の混合物を加熱して一晩還流させた。この混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAcで抽出した(3回)。有機相を合わせ、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=20:1〜5:1)で精製し、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100g、34%)を得た。H NMR(CDCl):1.39(d、3H)、2.14(m、1H)、2.24(m、2H)、2.48−2.61(m、3H)、2.82(m、2H)、5.01(m、2H)、5.52(q、1H)、5.73(m、1H)、6.62(d、2H)、7.12(m、2H)、7.28(m、2H)。
【0188】
(工程4:(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンおよび3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナール)
乾燥DMF(150mL)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(31g、78mmol)およびCuCl(19.3g、195mmol)溶液に、室温でHO(50mL)およびPdCl(4.10g、23mmol)を加えた。加えた後、混合物を酸素下で一晩攪拌した。TLCによって出発物質が消失したことが確認されたら、固体を濾別した。水(200mL)およびEtOAc(200mL)を加え、有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(40mL×3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜1:1)で精製し、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンおよび3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナールの混合物(26g、81%)を得た。
【0189】
(工程5:(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
t−BuOH(250mL)および2−メチル−2−ブテン(50mL)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンおよび3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナール(20g、48.2mmol)の混合物に、0℃で、HO(300mL)中のNaClO(19.3g、0.213mol)およびNaHPO(28g、0.179mol)溶液を加えた。得られた混合物を0℃で1時間攪拌した。この混合物を水(100mL)で処理し、CHClで抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮すると残渣が残り、この残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜2.5:1)で精製し、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10.0g、83%)を得た。H NMR(CDCl):1.49(d、3H)、2.12(s、3H)、2.33(m、2H)、2.63(m、1H)、2.86−3.08(m、3H)、5.57(q、1H)、6.66(d、2H)、7.19(m、2H)、7.33(m、5H)。
【0190】
(工程6:(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン)
無水THF(200mL)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(20g、46.4mmol)溶液に、窒素下、−78℃でメチルマグネシウムブロミド(31mL、144mmol)を滴下した。次いで、この混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を氷水浴の下、NaHCO水溶液(50mL)を加えて反応を停止させた。有機層を分離した。水層をEtOAc(150mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜2:1)で精製し、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(13g、65%)を得た。EtOHから再結晶化させた後、純粋な化合物4gを得た。H NMR(CDCl):1.06(s、3H)、1.12(s、3H)、1.44(d、3H)、2.14(m、3H)、2.21(m、1H)、2.33(m、1H)、2.76(m、1H)、5.54(q、1H)、6.74(d、2H)、7.16(d、2H)、7.28(m、5H)。
【0191】
(実施例23:逆の鈴木反応(Reverse Suzuki))
6−(4−{1−[6−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−オキソ−6−フェニル−[1,3]オキサジナン−3−イル]−エチル}−フェニル)−N−メチル−ニコチンアミド
【0192】
【化33】

(工程1)
乾燥DMSO(20mL)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(6.6g、15.2mmol)および4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(6.1g、24.3mmol)溶液に、KOAc(4.8g、48.6mmol)およびPd(dppf)Cl(372mg、0.46mmol)を加えた。加えた後、混合物を20時間かけて100℃まで加温した。TLCによって、出発物質が消失していることが確認されたら、固体を濾別した。水(60mL)およびEtOAc(20mL)を加え、層を分離させ、水層をEtOAcで抽出した(15mL×3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(4.4g、60%)を得て、これをカラムで精製した。H NMR(CDCl):1.03(s、3H)、1.12(s、3H)、1.22(s、12H)、1.49(d、3H)、2.13(m、4H)、2.26(m、1H)、2.73(m、1H)、5.64(q、1H)、6.91(d、2H)、7.38(m、5H)、7.51(d、2H)。
【0193】
(工程2)
乾燥1,4−ジオキサン(5mL)中の(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(500mg、1.04mmol)および6−ブロモニコチン酸メチル(292mg、1.35mmol)溶液に、CsCO(1mL、2mmol)およびPd(PPhCl(50mg)を加えた。加えた後、混合物にマイクロ波を照射し、30分で110℃まで加温した。TLCによって、出発物質が消費されたことが確認されたら、固体を濾別した。水(20mL)およびEtOAc(10mL)を加え、層分離させ、水層をEtOAcで抽出した(10mL×3回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(507mg、89%)を得て、これを分取TLCで精製した。H NMR(CDCl):1.13(s、3H)、1.19(s、3H)、1.61(d、3H)、2.24(m、4H)、2.37(m、1H)、2.88(m、1H)、4.02(s、3H)、5.76(q、1H)、7.11(d、2H)、7.29−7.47(m、6H)、7.78(m、1H)、7.82(m、2H)、8.38(d、1H)、9.31(s、1H)。
【0194】
(工程3)
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(150mg、0.307mmol)をNHMe/MeOH(10mL)に溶解した。この混合物を室温で一晩攪拌した。真空下で溶媒を除去して粗生成物を得て、これを分取HPLCおよびキラルHPLCで精製し、6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルニコチンアミド(54mg、36%)を得た。LC−MS法2 t=1.117分、m/z=430.1;H NMR(CDOD)0.93(s、3H)、1.27(s、3H)、1.59(d、3H)、2.16(s、2H)、2.22−2.37(m、1H)、2.41−2.60(m、2H)、2.99(s、3H)、3.11(m、1H)、5.60(m、1H)、7.12(d、1H)、7.29(m、5H)、7.80(m、2H)、8.01(d、1H)、8.41(d、1H)、9.03(s、1H)。
【0195】
本明細書で引用したあらゆる特許、公開特許明細書および参考文献に教示されている内容は、その内容全体が参考として組み込まれる。
【0196】
本発明を、実施形態の例を参照して特定的に図示し、記載してきたが、添付した特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細に関して種々の変更がなされてもよいことを当業者に理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式で示すオキサジノン化合物を調製する方法であって、
【化34】

〔式中、
は、(a)存在しないか、または(b)場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルケニル、場合により置換された(C〜C)アルキニル、場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシもしくは場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合であるか、または(b)(C〜C)アルキレンもしくは(C〜C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらは、それぞれ、メチル、エチル、トリフルオロメチルまたはオキソから独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されており;
は、場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたヘテロシクリルから選択され;
は、場合により置換された(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルケニル、場合により置換された(C〜C)アルキニル、場合により置換された(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシおよび場合により置換された(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルから選択され;
は、(a)結合であるか、または(b)(C〜C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素はCyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換された単環のシクロアルキルまたは場合により置換された単環のヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、SもしくはNR(ここで、Rは、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである)であるか、または(b)(C〜C)アルキレンもしくは(C〜C)アルコキシであり、これらは、それぞれ、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で場合により置換されており;
Cyは、(a)水素であるか、または(b)場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロアルキルもしくは場合により置換されたヘテロシクリルである。〕
前記方法は以下の構造式で示すβ−ハロアルコール化合物
【化35】

〔式中、Xは脱離基である〕
と、以下の構造式で示すイソシアネート化合物
【化36】

とを反応させ、該オキサジノン化合物を形成する工程を含む、方法。
【請求項2】
が、存在しないか、または(C〜C)アルキルであり;
が、結合、CHもしくはCHCHであるか、またはRが存在する場合にはCHであり;
が、結合、O、OCHCOまたはCHであり;
Xが、Cl、Br、Iもしくは−OSOR(Rは、1個以上のFで場合により置換された(C〜C)アルキルである)であるか、またはハロゲン、(C〜C)アルキルもしくはNOで場合により置換されたフェニルであり;
Eが、結合であるか、または(C〜C)アルキレンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、結合であるか、またはRが存在する場合にはCHであり;
は結合であり;
Cyは水素であり;
Cyが、Cl、Br、IまたはOSOCFで置換されたフェニルであり、1個以上のさらなる置換基で場合により置換されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記イソシアネート化合物が、以下の構造式
【化37】

〔式中、
Zが、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMeまたはOSOMeであり;
rが、0、1、2または3であり;
が、それぞれ独立して、(C〜C)アルキル、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、シアノおよびニトロからなる群から選択される。〕
で示される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
が、メチルまたはエチルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
が、フェニル、チエニルまたはピリジルであり、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C〜C)アルキル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護されたカルボン酸およびSOMeで場合により置換されており;
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニルまたはエトキシエチルであり、それぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、シアノ(C〜C)アルキル、保護された(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C〜C)アルキル、保護されたMeSONH(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CMe(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CHMe(C〜C)アルキルおよび保護されたHNC(=O)CH(C〜C)アルキルから独立して選択される2個までの基で場合により置換されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
が、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニル、MeSONHCHCHCH、保護されたHNC(=O)CHCH、保護されたHNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルメチルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
が、ハロ、シアノ、保護されたCONH、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびSOMeから選択される1個、2個または3個の置換基で場合により置換されたフェニルである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
が、アリル、2−メチル−3−プロペニル、保護されたHNC(=O)CMeCHまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
が、2−メチル−3−プロペニルまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
が、フェニルまたはフルオロフェニルである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Cyが、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニルであり、それぞれ、1〜4個の基で場合により置換されており;
Cyが、フェニル、チエニル、ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニルおよびオキソジヒドロピラジニルであり、それぞれ、1〜4個の基で場合により置換されており;CyおよびCyの環炭素原子の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンゾキシカルボニル、保護されたCONH、保護された(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C〜C)アルキルアミノカルボニル、保護された(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C〜C)アルキル}{(C〜C)シクロアルキル}アミノカルボニルおよび保護された(C〜C)アルキルカルボニルアミノから選択され、Cyの置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルからなる群から選択され、Cyに、置換可能な環窒素原子が存在する場合、この置換可能な環窒素原子は、Aに結合しているか、保護されているか、または置換されている、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
が、メチルまたはエチルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
が、フェニル、チエニルまたはピリジルであり、それぞれ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C〜C)アルキル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護されたカルボン酸およびSOMeで場合により置換されており;
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニルまたはエトキシエチルであり、それぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護されたヒドロキシ(C〜C)アルキル、シアノ(C〜C)アルキル、保護された(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C〜C)アルキル、保護されたMeSONH(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CMe(C〜C)アルキル、保護されたHNC(=O)CHMe(C〜C)アルキルおよび保護されたHNC(=O)CH(C〜C)アルキルから独立して選択される2個までの基で場合により置換されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
Cyが、場合により置換されており、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
が、ビニル、アリル、3−プロペニル−2−メチル、MeSONHCHCHCH、保護されたHNC(=O)CHCH、保護されたHNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルメチルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
が、ハロ、シアノ、保護されたCONH、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびSOMeから選択される1個、2個または3個の置換基で場合により置換されたフェニルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
が、アリル、3−プロペニル−2−メチル、保護されたHNC(=O)CMeCHまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
が、3−プロペニル−2−メチルまたは2−シアノ−2−メチルプロピルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
が、フェニルまたはフルオロフェニルである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Cyで示した基の置換可能な環窒素原子の適切な置換基が、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニルおよび(C〜C)アルキルカルボニルからなる群から選択され;Cyの置換可能な環炭素原子の適切な置換基は、フッ素、塩素、シアノ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、保護されたCONH、保護された(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C〜C)アルキルアミノカルボニル、保護された(C〜C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C〜C)アルキル}{(C〜C)シクロアルキル}アミノカルボニルおよび保護された(C〜C)アルキルカルボニルアミノからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記β−ハロアルコール化合物が、以下の構造式
【化38】

で示され、以下の構造式で示す2−メチル−3−プロペニル中間体
【化39】

を形成する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記β−ハロアルコール化合物が、以下の構造式
【化40】

で示され、以下の構造式で示す3−プロペニル中間体
【化41】

を形成する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記イソシアネートとβ−ハロアルコールとの反応が、塩基存在下で行われる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記塩基が、非求核性アミン塩基である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記塩基が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである、請求項25に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−534656(P2010−534656A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518233(P2010−518233)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/009048
【国際公開番号】WO2009/017671
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(507114738)ビテ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】