説明

111In封入リポソーム

【課題】腫瘍への高い集積性を保持し、かつ、肝臓及び脾臓からのクリアランス性能を向上させた111In封入リポソームを提供する。
【解決手段】本発明は、リン脂質を用いて製造されたリポソーム中に111Inとエチレンジシステインとの錯体を封入させた111In封入リポソームである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、111In封入リポソームに関する。
【背景技術】
【0002】
PETやSPECTに代表される核医学画像診断は、非侵襲的にがんを診断する画像診断法の一つとして、広く用いられている。この方法は、放射性同位元素で標識された薬剤(放射性医薬品)を被験者に投与し、当該放射性医薬品から直接的又は間接的に放出されるγ線を専用のカメラで捉え、画像再構成を行う方法である。
【0003】
がん画像診断に用いる放射性医薬品の一つとして、放射性同位元素で標識したリポソームが考案され、臨床応用に向けて検討が行われている。リポソームの放射性同位元素による標識は、リポソームの脂質膜に放射性同位元素の錯体を結合させる方法と、リポソーム内の水性コア内に放射性同位元素の水溶性錯体を封入する方法により行われる。これらの方法のうち、放射性同位元素の錯体を生体内において安定に維持する点で、後者の方が優れた方法であるといえる。
【0004】
水性コア内に放射性同位元素の水溶性錯体を封入したリポソームとして、非特許文献1には、111Inや67Gaとニトリロトリ酢酸(nitrilotriacetic acid、以下、NTA)との錯体を封入したリポソームを始め、種々の放射性同位元素封入リポソームが開示されている。
【0005】
非特許文献2には、ニトリロ三酢酸(NTA)をリポソームに封入し、111Inとアセチルアセトンとの錯体を配位子交換反応させることにより、111Inをリポソームに封入させて得られた、111In−NTA封入リポソームが記載されている。
【0006】
非特許文献3は、A23187との配位子交換により得られた111In−NTA封入リポソームに関する技術を開示するものであるが、非特許文献2によれば、111In−NTAでは腫瘍集積が認めらない一方、111In−NTA封入リポソームでは、腫瘍集積が認められたとされている。
【0007】
しかしながら、111In−NTA封入リポソームは、肝臓や脾臓に取り込まれた後代謝されて111In−NTAを放出し、そのまま肝臓や脾臓に滞留してしまうといった問題が指摘されていた。このような問題点を克服した例として、特許文献1には99mTcとエチレンジシステイン(以下、EC)との錯体を封入したリポソーム(99mTc−EC錯体封入リポソーム)が開示されている。この文献において、99mTc−EC錯体封入リポソームは、111In−NTA封入リポソームと異なり肝臓や脾臓から速やかに排出され、肝臓及び脾臓からのクリアランス性能が改善された事が開示されている。
【0008】
なお、リポソームに放射性同位元素の錯体を封入する方法としては、直接導入法やアクティブローディング法等の方法がこれまでに開示されているが(特許文献1、非特許文献1)、リポソーム内により多くの放射性同位元素の錯体をより短い時間で導入できる点で、アクティブローディング法の方が優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2003/072142号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Izumi Ogihara−Umeda and Hideo Nishigori,"Radiolabeled Loposomes for Daignostic Imaging",in MML Series vol.3"Radiolabeled and Magnetic Particulates in Medicine&Boilogy"(Reza Arshady Eds.),UK,Citus Books,2001
【非特許文献2】Paul L.Beaumier et al,The Journal of Nuclear Medicine,vol.23,810−815
【非特許文献3】Richard T.Proffitt et al,The Journal of Nuclear Medicine,vol.24,45−51
【非特許文献4】Yuejin Li et al,Inorg.Chem.,vol,35,404−414
【非特許文献5】Carolyn J.Anderson et al,Nucl.Med.Biol.vol.22,165−173
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、99mTc−EC錯体封入リポソームは、肝臓や脾臓から速やかにクリアランスされるといった、優れた性能を有している。しかし、リポソームへの錯体の導入にはある程度の時間を有するので、十分に高い比放射能を実現するためには、より半減期の長い111Inの錯体を用いることが望ましいといえる。また、リポソームが腫瘍に十分量集積し、かつバックグラウンドとなる血中放射活性が消失して、十分な腫瘍コントラストを得られるようになるまでに、時間がかかる。そのため、半減期6時間の99mTcでは、がんの描画が難しい。したがって、半減期が長いことは、得られた画像における腫瘍のコントラストを向上させる上でも、有利である。
【0012】
ところが、111In錯体を封入されたリポソームであって、99mTc−EC錯体封入リポソームのように優れた肝臓及び脾臓からのクリアランス性能を有したものは、これまでに開示されていなかった。
【0013】
111In−EC錯体は公知であるが(非特許文献4、5)、非特許文献5では、bifunctional cheleatingとして111In錯体を用いる技術に着目されているのみであり、111In錯体を単独の錯体として用いることには着目されていない。また、リポソームに111In−ECを封入することは何ら開示されていない。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、腫瘍への高い集積性を保持し、かつ、肝臓及び脾臓からのクリアランス性能を向上させた111In封入リポソームを提供する事を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは検討を重ねた結果、111Inとエチレンジシステインとの錯体(111In−EC錯体)を封入したリポソーム(111In−EC錯体封入リポソーム)が、腫瘍への高い集積性を保持しながら、優れた肝臓及び脾臓からのクリアランス性能を有する事を見出し、本発明を完成させた。
【0016】
これまで、111In−EC錯体は99mTc−EC錯体と錯体構造が大きく異なるため、111In−EC錯体は99mTc−EC錯体において見られたような優れた肝臓や脾臓からのクリアランス性能は有さないものと考えられていた。そのため、111In−EC錯体封入リポソームを作成して体内動態を検討するといったことは、これまで試みられたことは無かった。本発明者らはこのような従来からの知見に反して検討を行い、111In−EC錯体封入リポソームであっても、肝臓及び脾臓からの優れたクリアランス性能を有している事を見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明は、リン脂質を用いて製造されたリポソーム中に111Inとエチレンジシステイン(EC)との錯体を封入させた111In封入リポソームを提供するものである。
【0018】
また、本発明は、上記の111In封入リポソームを含む、放射性医薬組成物を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、上記の111In封入リポソームを含む、腫瘍用画像化剤を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、リン脂質を用いて製造されたリポソーム中に111Inを封入させた111In封入リポソームの製造方法であって、
エチレンジシステインを封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームと、
エチレンシステインよりも脂溶性が高い有機配位子を含む111In錯体と、
を混合し、
前記EC封入リポソーム中のエチレンジシステインと前記有機配位子との配位子交換により、前記EC封入リポソームにさらに111Inを封入させる、111In封入リポソームの製造方法を提供するものである。
【0021】
さらに本発明は、エチレンジシステインを封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームを有する第1の容器と、
エチレンシステインよりも脂溶性が高く、かつ、111Inに配位結合して111In錯体を形成するための有機配位子を有する第2の容器と、
を備え、
前記111In錯体と、前記EC封入リポソームとを混合し、前記EC封入リポソーム中のエチレンジステインと前記有機配位子との配位子交換により、前記EC封入リポソームにさらに111Inを封入させるためのキットを提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る111In封入リポソームは、腫瘍への高い集積性を保持し、かつ、肝臓及び脾臓からの良好なクリアランス性能を有している。本発明に係る111In封入リポソームは、生体内で安定な111In−EC錯体として速やかに尿中に排泄させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】111In−EC錯体封入リポソーム投与マウス(◆)及び111In−NTA錯体封入リポソーム投与マウス(■)における各臓器の放射能量の測定結果を示す図である。a)は、肝臓の結果を示す図であり、b)は、脾臓の結果を示す図であり、c)は腫瘍の結果を示す図であり、d)は血液の結果を示す図である。
【図2】a)は、111In−EC錯体封入リポソーム投与後の担がんマウスにおける、尿中及び糞中における放射能量の経時変化(◆:尿中、■:糞中)を示す図である。b)は、111In−NTA錯体封入リポソーム投与後の担がんマウスにおける、尿中及び糞中における放射能量の経時変化(◆:尿中、■:糞中)を示す図である。
【図3】(a)は、111In−EC錯体封入リポソーム投与24時間後の担がんマウスにおける尿のHPLCチャートを示す図である。(b)は、111In−EC錯体/マウス尿混液のHPLCチャートを示す図である。
【図4】111In−EC錯体封入リポソームを投与した担がんマウスにおけるSPECT/CT画像を示す図である。a)が投与1時間後を示し、b)が投与26時間後を示す。
【図5】111In−NTA錯体封入リポソームを投与した担がんマウスにおけるSPECT/CT画像を示す図である。a)が投与1時間後を示し、b)が投与24時間後を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明によると、リン脂質を用いて製造されたリポソームに111In−EC錯体を封入した111In封入リポソームが提供される。本発明の111In封入リポソームは、ECを封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームと、ECよりも脂溶性が高い有機配位子を含む111In錯体と、を混合し、ECリポソーム中のエチレンジシステインと有機配位子との配位子交換により、EC封入リポソームにさらに111Inを封入させることが好ましい。ECよりも脂溶性が高い有機配位子(以下、「脂溶性リガンド」ともいう。)であれば、インキュベーション環境下において111Inをリポソームの水性コア内のエチレンジシステインに受け渡し得る111In錯体を形成でき、いわゆるアクティブローディング法を用いて、111Inをリポソームに導入することができる。したがって、より短時間で、より多くの111In−EC錯体をリポソーム内に封入する事ができる。
【0025】
脂溶性リガンドとしては、上述したように、111Inとの間で形成された錯体が、インキュベーション環境下において111Inをリポソームの水性コア内のエチレンジシステインに受け渡し得る錯体となるようなものが用いられる。このようなリガンドとしては、例えば、111Inとの錯体が、インキュベーション環境下において、111In−EC錯体よりも、錯体安定度定数が低くなるようなリガンドが挙げられる。好ましくは、8−ヒドロキシキノリン、トロポロン、又はアセチルアセトンを用いることができ、特に好ましくは8−ヒドロキシキノリンを用いることができる。
【0026】
EC封入リポソーム、及び、脂溶性リガンドを含む111In錯体を用いた配位子交換反応は、水中で、インキュベートをすることにより行うことが好ましいが、インキュベートの条件は、特に限定する必要は無く、リポソームの作成に用いたリン脂質の種類等に応じて適宜設定する事ができる。
【0027】
以下に、EC封入リポソーム、及び、脂溶性リガンドを含む111In錯体の好ましい態様における製造方法についてそれぞれ説明し、次いで、本発明に係る111In−EC錯体封入リポソームの好ましい態様における製造方法について説明する。
【0028】
(EC封入リポソームの製造方法)
EC封入リポソームは、当業者により通常用いられるリポソーム形成性物質を原料として、公知の方法(例えば、特許文献1明細書記載の方法)に従って製造する事ができる。以下、好ましい態様における製造方法の例を、記載する。
【0029】
EC封入リポソームの製造においては、まず、リポソーム形成性物質を溶媒に溶解し、フラスコ等の容器内で溶媒を減圧下で留去して、当該容器の内壁に脂質の薄膜を形成する。
【0030】
ここで、リポソーム形成性物質としては、生体内において安定なリポソームを形成する目的から、リン脂質が好ましく用いられる。リン脂質としては、リポソームの作成において当業者の間で通常用いられるものであれば、特に限定する必要は無い。例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエアノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルジオリピン、大豆レチシン、卵黄レシチン等を用いることができる。
【0031】
リン脂質を溶解する溶媒としては、リン脂質を溶解できる種々の溶媒を用いることができる。例えば、クロロホルム、メチルクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。好ましくは、クロロホルム、メタノール、又はこれらの混合液を用いることができる。
【0032】
また、リン脂質を上記溶媒に溶解する際には、所望によりリポソームの構造を安定化するための安定化剤や、酸化防止剤を含有させても良い。安定化剤としては、リポソームの製造において通常用いられる公知の物質を用いることができ、好ましくはコレステロールを用いることができる。添加する安定化剤の量は、形成したリポソームが脆くなりすぎない量とする必要があり、例えばコレステロールの場合は、リン脂質に対してモル比にして(リン脂質:コレステロール=)1:1以下とし、好ましくは2:1とする。
【0033】
EC封入リポソームの製造においては、別に、エチレンジシステイン溶液を調製する。エチレンジシステイン溶液は、生理食塩液と等張となるように調整することが望ましい。この目的において、エチレンジシステインを溶解する液を生理食塩液としても良いが、より比重の重い他の生体認容性物質の溶液に溶解しても良い。より比重の重い他の生体認容性物質の溶液を用いることにより、後の111In−EC錯体封入リポソームの精製工程を、遠心分離機等を用いて迅速に行うことが可能となる。比重の重い他の生体認容性物質の溶液としては、5%(w/v)マンニトール溶液又は10%(w/v)スクロースを好ましく用いることができる
【0034】
リン脂質の薄膜とエチレンジシステイン溶液が調製できたら、リン脂質の薄膜を形成したフラスコにエチレンジシステイン溶液を加えて薄膜を膨潤させ、リン脂質の相転移温度まで溶液を加温して静置することにより、懸濁液としてEC封入リポソームを得る。
【0035】
この懸濁液をメンブランフィルターに通液してリポソームの大きさをそろえ、ゲルろ過フィルターに付して、遊離のエチレンジシステインを除去する事により、EC封入リポソームが得られる。得られたEC封入リポソームは、使用時まで生理食塩液に懸濁させておくのが望ましい。
【0036】
なお、EC錯体リポソームは、平均直径50〜150nmの範囲で調製することが好ましく、より好ましくは平均直径80〜130nmに調製する。こうすることで、腫瘍への集積性を向上させることができる。
【0037】
111Inと脂溶性リガンドとの錯体の調製)
リポソーム内への111Inの導入に用いる脂溶性リガンドとは、エチレンジシステインよりも脂溶性の高い有機配位子であるが、具体的には、111Inとの間で形成された錯体が、後述するインキュベーション環境下において111Inをリポソームの水性コア内のエチレンジシステインに受け渡し得る錯体となるようなものを脂溶性リガンドとして用いることができる。これは、後のインキュベーションにおいてトランスキレーションによってリポソーム内で111In−EC錯体が形成されるようにするためである。この様なリガンドとしては、好ましくは、8−ヒドロキシキノリン、トロポロン、又はアセチルアセトンを用いることができ、特に好ましくは8−ヒドロキシキノリンを用いることができる。また、インキュベーション環境下、具体的には、水中、かつ、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH5〜6において、ECよりも111Inに対する錯体安定度定数が小さい他の脂溶性リガンドを用いても良い。
【0038】
111Inと脂溶性リガンドとの錯体は、定法に従って調製される。例えば、所望の放射能濃度の[111In]塩化インジウム(111InCl3)を、水、アルコール等の水溶性有機溶媒、又はこれらの混合液に溶解した8−ヒドロキシキノリンと混合し、さらに、必要に応じて、緩衝液を加えてpHを好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH5〜6に調整し、静置することにより、得ることができる。
【0039】
例えば、111Inと8−ヒドロキシキノリンとの錯体の場合は、所望の放射能濃度の[111In]塩化インジウム(111InCl3)を、エタノール等に溶解した8−ヒドロキシキノリンと混合し、さらにpH5〜6の酢酸緩衝液等を加えて静置することにより、得ることができる。
【0040】
111In‐EC封入リポソームの調製)
好ましい態様において、111In‐EC封入リポソームは、上記で調製した111Inと脂溶性リガンドとの錯体と、EC封入リポソームとを混合し、一定条件下でインキュベートすることによって得ることができる。
【0041】
インキュベーションに使用する溶媒としては、水、アルコール等の水溶性有機溶媒又はこれらの混合物が好ましく、水が特に好ましい。水は、塩を含んだものであってよく、pHとしては、5〜8の生体内に近い条件が好ましい。また、111Inと脂溶性リガンドとの錯体の調製で使用した溶媒、及び、EC封入リポソームを懸濁させている生理食塩液をそのまま用いることができる。ECと脂溶性リガンドとの配位子交換反応を効率よく行うため、111Inと脂溶性リガンドとの錯体と、EC封入リポソームとを混合した後に、pHや濃度の調整を行ってもよい。
【0042】
このときの温度は調製時に適宜設定されるが、リポソームの安定性を考慮すると、用いたリン脂質の相転移温度以下の温度とすることが好ましい。また、反応効率を上げてインキュベーション時間を短縮するためには、常温(15〜25℃)以上の温度を用いることが望ましい。例えば、リン脂質としてジステアロイルホスファチジルコリンを用いた場合であれば、好ましくは25〜60℃とすることができ、より好ましくは40〜60℃とすることができ、特に好ましくは40℃とすることができる。
【0043】
インキュベーション時間についても、適宜設定する事ができる。このとき、インキュベーション時間を長くするほど111Inがより多くリポソーム内に取り込まれるが、同時に111Inの放射能が減衰してしまうので、注意する必要がある。インキュベーション温度を40℃とした場合であれば、20〜40分、例えば30分とすれば十分である。
【0044】
その後、遠心分離機等を用いて外水相の111Inと111In‐EC錯体封入リポソーム画分とを分離し、沈殿として得られた111In‐EC錯体封入リポソーム画分を得る。
【0045】
111In‐EC錯体封入リポソームの使用方法)
次に、111In‐EC錯体封入リポソームの使用方法について述べる。
111In‐EC錯体封入リポソームは、ヒトなどの哺乳類への投与に適した形態で含む放射性医薬組成物として使用することができる。放射性医薬組成物は、水や生理食塩液に111In‐EC錯体封入リポソームを懸濁させたものであることが好ましい。かかる放射性医薬組成物は、緩衝剤、薬学的に許容される安定剤又は酸化防止剤などの追加成分を適宜含んでいてもよい。
【0046】
こうした放射性医薬組成物は、他のSPECT診断剤と同様、所望の放射能濃度に調整された液を、静脈内投与又は局所投与して、画像化剤として用いることができる。放射能量は、汎用のSPECTカメラによって画像化できる量であれば良い。本発明の111In‐EC錯体封入リポソームを含む放射性医薬組成物は、特に、腫瘍の画像化剤として好適であり、汎用のSPECTカメラを用い、定法を用いて撮像及び画像再構成を行うことによって、腫瘍診断に適した診断画像を得ることができる。
【0047】
111In‐EC錯体封入リポソームを製造するためのキット)
次に、111In‐EC錯体封入リポソームを製造するためのキットについて説明する。このキットは、
(i)エチレンジシステイン(EC)を封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームを有する第1の容器、および
(ii)上記脂溶性リガンドを有する第2の容器、
を備えるものである。
このキットは、111In錯体と、EC封入リポソームとを混合し、EC封入リポソーム中のエチレンジステインと有機配位子との配位子交換により、EC封入リポソームにさらに111Inを封入させるためのキットであるが、こうした11In‐EC錯体封入リポソームを製造するための一連の操作方法を記載した使用説明書を含むことがより好ましい。
【0048】
第1の容器中、EC封入リポソームは、生理食塩水で懸濁させてあってもよいし、凍結乾燥させておいて、使用時に生理食塩水で懸濁させてもよい。
【0049】
第2の容器中、脂溶性リガンドは、溶媒に溶解されていてもよいし、乾燥状態であってもよい。脂溶性リガンドが乾燥状態の場合は、別途、脂溶性リガンドを溶解させるための溶媒を封入した第3の容器を用意してもよい。溶媒としては、有機配位子を溶解させるものであればよく、水、アルコール等の水溶性有機溶媒、これらの混合液が挙げられる。
【0050】
第2の容器は、111In錯体を形成させた脂溶性リガンドを有するものであってもよいし、111Inを含む第4の容器を用意してもよい。
【0051】
上記の第1〜第4の容器は、バイアル、シリンジなどの様々な形態の容器とすることができる。これらの容器は、別々の容器にしてもよいし、単一の容器の中に別々の区画として存在していてもよい。
【実施例】
【0052】
(実施例1)111In‐EC錯体封入リポソームの調製
(エチレンジシステインの合成)
エチレンジシステイン(N,N'−ethylene dicysteine、EC)の合成はBrondeauらの方法(Blondeau et al.,Canadian J.Chem.45:49−52,1967)に準じて行った。L−チオプロリン(thiazolidine−4−carboxylic acid,東京化成工業株式会社製)のアンモニア溶液に金属ナトリウムを加え撹拌した後、塩化アンモニウムを加え室温で一晩撹拌し、生成した結晶を水に溶解し塩酸で析出させることによって得た(融点251−254℃)。
【0053】
(EC封入リポソーム溶液の調製)
ナス型フラスコ内で、クロロホルムに溶解させたジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)(日本油脂株式会社製)とコレステロール(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)をモル比2:1(20μmol:10μmol)で混合させた後、エバポレーターを用いて、60℃、減圧下で溶媒を留去することにより、フラスコ内壁に脂質の薄膜を形成させた。さらに、エバポレーターで4時間以上減圧下に置き、溶媒を完全に留去した。別に、エチレンジシステインを5%(w/v)マンニトール水溶液に加え、1mol/L水酸化ナトリウムを少量加えて溶解し、10mmol/LのEC溶液を調製した。調製したEC溶液2mLを脂質の薄膜を形成した上記フラスコに添加し、65℃湯浴にて脂質薄膜を膨潤させ、多重膜リポソーム(MLV)を懸濁液として得た。リポソーム形成装置(製品名:The Extruder、日油リポソーム株式会社製)に、ポリカーボネート・メンブランフィルター(製品名:Nuclepore(登録商標)、Whatman社製)孔径0.1μm2枚、0.2μm1枚を重ねてセットし、加圧ろ過を繰り返し、単膜リポソーム(SUV)を得た。得られたリポソームは生理食塩水で膨潤したSephadex(登録商標)G−50 fine(GE ヘルスケア株式会社製)を担体とするカラム(1.5cmφ×30cm)に付し、生理食塩水で溶出して精製した。得られたリポソーム画分を424,000×gで20分間遠心分離し、得られた沈殿を生理食塩水1.5mLで再懸濁してEC封入リポソーム溶液を調製した。得られたEC封入リポソームの平均直径を動的光散乱(形式:Microtrac UPA 日機装株式会社製、溶媒:水、測定温度25℃、測定時間:180秒×3)にて測定したところ、104.8nmであった。
【0054】
111In−オキシンの調製)
111In溶液(塩化インジウム(111In)注、日本メジフィジックス株式会社製)600μLと8−ヒドロキシキノリン(和光純薬株式会社製)のエタノール溶液(51mmol/L)15μLを混和し、これに0.5mol/L酢酸緩衝液(pH5.5)200μLを加え、40℃で30分間インキュベーションし、111In−オキシン溶液を調製した。
【0055】
111In−EC錯体封入リポソームの調製)
111In−EC錯体封入リポソームは配位子交換反応により調製した。上記で調製したEC封入リポソーム溶液1.5mLを、上記で調製した111In−オキシン溶液(全量)に加え、40℃で30分インキュベーションした後、424,000×g、20分間、遠心し、111In−EC錯体封入リポソーム画分を沈殿として分離した。これを生理食塩水で再懸濁して111In−EC封入リポソームを得た。未封入の111In−オキシンは上清として除去した。得られた111In−EC錯体封入リポソームにつき、下記式(1)に従って標識率を測定したところ、80〜90%であった。放射能は、キューリーメータ(形式:IGC−7、アロカ株式会社製)で測定した。
【0056】
【数1】

【0057】
(参考例1)111In−EC錯体/マウス尿混液の調製
5%(w/v)マンニトール溶液に少量の水酸化ナトリウムを滴下してpHを8とした液にECを溶解し、10mmol/L EC溶液を調製した。
111In溶液(塩化インジウム(111In)注、日本メジフィジックス株式会社製)300 μLと0.2mol/L酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)200μLを混合し、これに上記10mmol/L EC溶液を60μL加えて111In−EC錯体溶液を調製した。溶液中の111In−EC錯体の存在、及び、111In−EC錯体以外の111Inの化学形が溶液中に存在しないことは、TLCで確認した。
別に、健常マウスを代謝ケージ内に置き、排泄された尿を採取した。採取したマウスの尿を精製水で20倍に希釈した後、フィルター(孔径0.2μm)にて濾過した(以下、希釈マウス尿という)。
上で調製した111In−EC錯体溶液20μLを希釈マウス尿250μLと混合し、111In−EC錯体/マウス尿混液とした。
なお、TLCを用いた111In−EC錯体の分析条件は下記のとおりである。
TLCプレート:シリカゲルプレート(製品名:Silica gel 60、メルク株式会社製)
展開相:エタノール/0.4mol/L酢酸緩衝液(pH6)の混合液(3:1)
検出:フルオロイメージアナライザー(形式:FLA−7000, 富士フイルム株式会社製)
【0058】
(実施例2)111In−EC錯体封入リポソーム内における111Inの化学形分析
111In−EC錯体封入リポソーム溶液200μLと生理食塩水で飽和させた1−オクタノール500μLを混合し、5分間激しく揺とうした後、5分間静置し、遠心分離(1,000rpm×5分)して、水相とオクタノール相に分離した。それぞれの相中の放射活性を測定し、111Inの水相への移行を確認した。さらに、水相をHPLCによって分析し、水相内における111Inの化学形を同定した。その結果、水相内の111Inが、111In−EC錯体の形で存在している事が確認された。本実験においては、リポソーム水性コア内に存在していた111Inは、全て水相に移行している。当該水相中の111Inが111In−EC錯体の形で存在していた事から、111In−EC錯体封入リポソームの水性コア内に存在している111Inは、111In−EC錯体の形で存在していることが確認された。
【0059】
なお、111In−EC錯体のHPLCの測定条件は、以下のとおりである。
カラム:COSMOSIL 5C18−MS−II(4.6mm×150mm、ナカライテスク株式会社製)
移動相:0.01mol/L酢酸アンモニウム水溶液(pH:6.8)とアセトニトリルとの混合溶媒(体積比95:5)
検出器:ガンマ線検出装置(ポジトロンスペクトロメータ)(形式:JSM−1405、アロカ株式会社製)
【0060】
(実施例3)Sarcoma180担がんマウスにおける111In−EC錯体封入リポソームの体内動態及び排泄の観察
Sarcoma180担がんモデルは、ddYマウス(7〜9週齢、体重30〜40g)の肢皮下にSarcoma180細胞2×106個を移植して作成し、移植後8〜12日後に実験に供した。リン脂質濃度5μmol/mLとなるように生理食塩水で希釈した111In−EC錯体封入リポソーム溶液0.2mL(0.2〜1MBq)をSarcoma180担がんマウスに尾静脈より投与した。投与1、6、12、24、48時間後に断頭によって屠殺した後、各組織を摘出し重量測定を行い、さらに放射能をオートガンマカウンター(形式:2480WIZARD、株式会社パーキンエルマージャパン製)で測定した。
【0061】
各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%AD/g tissue)として表した。結果を図1a)〜d)のうち、◆で示す。a)は、肝臓の結果を示す図であり、b)は、脾臓の結果を示す図であり、c)は腫瘍の結果を示す図であり、d)は血液の結果を示す図である。図1は、マウス5匹の平均を示した。
【0062】
また、投与6、18、24時間後に、尿中及び糞中への放射能の排泄量を測定し、投与した量に対する比率で評価した。結果を図2a)で示す。図2a)中、◆が尿中における放射能量の経時変化を示し、■が糞中における放射能量の経時変化を示す。図2は、マウス3匹の平均を示した。
【0063】
さらに、111In−EC錯体封入リポソーム溶液投与24時間後のマウスの尿を回収し、投与24時間後に尿中に存在する放射能の化学形の分析を行った。採取した尿を精製水で20倍に希釈し、0.2μmのフィルター(Millex(登録商標)−LG,MILLIPORE)でろ過後、HPLCによって111In−EC錯体を分析した。なお、111In−EC錯体のHPLCの条件は、実施例2で示したとおりである。結果を図3(a)に示す。なお、図3(b)は、参考例1で調製した111In−EC錯体/マウス尿混液を同条件で測定したHPLCチャートである。
【0064】
図1a)及びb)で示されるように、111In−EC錯体封入リポソームは、肝臓及び脾臓に一旦は取り込まれるものの、時間の経過に伴って速やかにクリアランスされる事が確認された。また、図1c)で示されるように、111In−EC錯体封入リポソームは、投与後腫瘍に取り込まれ、その後も滞留している事が確認された。
【0065】
また、図2a)で示すように、111In−EC錯体封入リポソームは、投与後24時間にかけて、約50%が尿中及び糞中に排泄され、そのうちほとんどが尿中に排泄されていた。この結果から、111In−EC錯体封入リポソームは、速やかに尿及び糞により排泄される事が示された。
【0066】
図3で示されるように、111In−EC錯体封入リポソーム投与マウスは、尿中において、111Inが遊離することなく、111In−EC錯体の状態で存在している事が確認された。
【0067】
(実施例4)Sarcoma180担がんマウスにおけるSPECT/CTイメージング
111In−EC錯体封入リポソームを投与した担がんマウスにおける腫瘍集積を小動物用nanoSPECT/CT装置(Bioscan社製)を用いて画像化した。具体的には、実施例1で調製した111In−EC封入リポソーム(18.5MBq)を、実施例2と同様な方法で作製した担がんマウス(7〜9週齢、体重30〜40g)に尾静脈から投与し、投与後1及び26時間後に画像を収集した。4検出器を用いて、総収集方向28、1方向につき150秒の収集を行い、OSEM法を土台とするInVivoScopeソフトウエア(Bioscan社)を用いて、画像再構成を行った。Subset/Iterationを7/1−3,14/4−6,28/7−9(収集方向数28)とし、voxel sizeを0.3mm、filter sizeをvoxel sizeの35%とした。
【0068】
得られたSPECT/CT画像を、図4に示す。図4a)は投与1時間後の、図4b)は投与26時間後の画像を示す。図示するように、111In−EC錯体封入リポソーム投与マウスでは、一旦は肝臓及び脾臓への集積が見られるものの、その後クリアランスされ、投与後26時間ではほとんど肝臓及び脾臓への集積は見られず、膀胱への集積が確認された。また、111In−EC錯体封入リポソーム投与マウスでは、投与後26時間にかけて111Inが腫瘍に集積している事が確認され、投与26時間後では、腫瘍のコントラストが良好な画像が得られていた。
【0069】
(比較例1)111In‐NTA錯体封入リポソームの調製
ECの代わりにニトリロ三酢酸(NTA)を用い、上記実施例1と同様の方法を行って111In−NTA錯体を封入したリポソーム(111In−NTA錯体封入リポソーム)を調製した。具体的には、ECの代わりにNTAを用いてNTA封入リポソーム溶液を調製し、111In−オキシン溶液との配位子交換反応により、111In‐NTA錯体封入リポソームを得た。なお、NTA封入リポソームの調製に際しては、エチレンジシステインを5%(w/v)マンニトール水溶液に溶解して得た溶液の代わりに、ニトリロ三酢酸を5%(w/v)マンニトール含有50mmol/L HEPES緩衝液(pH7.4)に溶解した液(10mmol/L)を用いた。
【0070】
(比較例2)Sarcoma180担がんマウスにおける111In−NTA錯体封入リポソームの体内動態及び排泄の観察
比較例1で調製した111In−NTA錯体封入リポソームを用いた以外は実施例3と同様な方法で、Sarcoma180担がんマウスにおける111In−NTA錯体封入リポソームの体内動態及び排泄を観察した。
【0071】
各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%AD/g tissue)として表した。結果を図1a)〜d)のうち、■で示す。図1は、マウス5匹の平均を示した。
【0072】
また、投与6、18、24時間後に、尿中及び糞中への放射能の排泄量を測定し、投与した量に対する比率で評価した。結果を図2b)で示す。図2b)中、◆が尿中における放射能量の経時変化を示し、■が糞中における放射能量の経時変化を示す。図2は、マウス3匹の平均を示した。
【0073】
図1a)及びb)で示されるように、111In−NTA錯体封入リポソームでは、肝臓及び脾臓に移行した111Inがそのまま滞留していた。また、図2に示すように、111In−NTA錯体封入リポソームでは、投与後24時間かけ、10%程度しか尿中及び糞中に輩出されていなかった。
【0074】
(比較例3)Sarcoma180担がんマウスにおけるSPECT/CTイメージング
実施例2記載の方法により調製した111In−NTA錯体封入リポソームを投与した担がんマウスにおける腫瘍集積を、実施例4と同様にして画像化した。ただし、画像収集は、投与後1及び24時間後に行った。
【0075】
得られたSPECT/CT画像を図5に示す。図5a)は投与1時間後の、図5b)は投与24時間後の画像を示す。図5に示すように、111In−NTA錯体封入リポソーム投与マウスでは、111Inが投与後肝臓及び脾臓に移行し、その後も肝臓及び脾臓内に滞留している事が確認された。
【0076】
以上の実施例の結果から、111In−EC錯体封入リポソームによって腫瘍が良好に描出される事、及び、111In−EC錯体封入リポソームは投与後速やかに111In−EC錯体として尿中排泄される事が、確認された。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、放射性医薬品の分野において、利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン脂質を用いて製造されたリポソーム中に111Inとエチレンジシステインとの錯体を封入させた111In封入リポソーム。
【請求項2】
エチレンジシステイン(EC)を封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームと、
エチレンシステインよりも脂溶性が高い有機配位子を含む111In錯体と、
を混合し、EC封入リポソーム中のエチレンジシステインと前記有機配位子との配位子交換により、前記EC封入リポソームにさらに111Inを封入させて得られた、請求項1に記載の111In封入リポソーム。
【請求項3】
前記有機配位子が、8−ヒドロキシキノリン、トロポロン及びアセチルアセトンからなる群から選択される、請求項2に記載の111In封入リポソーム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか1項に記載の111In封入リポソームを含む、放射性医薬組成物。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか1項に記載の111In封入リポソームを含む、腫瘍用画像化剤。
【請求項6】
リン脂質を用いて製造されたリポソーム中に111Inを封入させた111In封入リポソームの製造方法であって、
エチレンジシステイン(EC)を封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームと、
エチレンシステインよりも脂溶性が高い有機配位子を含む111In錯体と、
を混合し、
前記EC封入リポソーム中のエチレンジシステインと前記有機配位子との配位子交換により、前記EC封入リポソームにさらに111Inを封入させる、111In封入リポソームの製造方法。
【請求項7】
前記有機配位子が、8−ヒドロキシキノリン、トロポロン及びアセチルアセトンからなる群から選択される、請求項6に記載の111In封入リポソームの製造方法。
【請求項8】
エチレンジシステイン(EC)を封入し、リン脂質を用いて製造されたEC封入リポソームを有する第1の容器と、
エチレンシステインよりも脂溶性が高く、かつ、111Inに配位結合して111In錯体を形成するための有機配位子を有する第2の容器と、
を備え、
前記111In錯体と、前記EC封入リポソームとを混合し、前記EC封入リポソーム中のエチレンジステインと前記有機配位子との配位子交換により、前記EC封入リポソームにさらに111Inを封入させるためのキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−71891(P2013−71891A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209657(P2011−209657)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(510097747)独立行政法人国立がん研究センター (35)
【Fターム(参考)】