説明

17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシンを含有する医薬製剤

(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した17-AAGを約1mg/mL〜約5mg/mLの量で含む医薬製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(“l7-AAG”)を含有する医薬製剤及びその調製方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲルダナマイシンは、天然物のアンサマイシン系に属し、ベンゼノイド環(典型的にはベンゾキノン環又はヒドロキノン環)が2つのメタ位で結合してマイクロラクタムを形成することを特徴とする。ゲルダナマイシンの他に、アンサマイシンとしては、マクベシン、ハービマイシン、TAN-420、レブラスタチンが挙げられる。
ゲルダナマイシンとその誘導体は、アンサマイシンの中で最も広範囲に研究されている。ゲルダナマイシンはもともと抗生物質活性のスクリーニングの結果として同定されたものであるが、それに対する現在の関心は主に腫瘍細胞に対する細胞毒性、それ故、抗癌剤としての可能性に基づいている。シグナル変換、細胞周期制御及び転写調節に関与する重要なタンパク質を含む、広範囲のタンパク質(“クライアントタンパク質”)の折りたたみ、活性化及び組立てに関与する熱ショックタンパク質-90(“Hsp90”)の阻害剤である。ゲルダナマイシンがHsp90に結合すると、Hsp90-クライアントタンパク相互作用が破壊され、クライアントタンパク質を正しく折りたたむことを妨げるとともにプロテアソーム仲介破壊が受けやすくなる。Hsp90クライアントタンパク質は、癌に含まれる多くの変異した又は過剰発現したタンパク質: p53、Bcr-Ablキナーゼ、Raf-lキナーゼ、Aktキナーゼ、Npm-Alkキナーゼp185ErB2トランスメンブランキナーゼ、Cdk4、Cdk6、Weel(細胞周期依存性キナーゼ)、Her2/Neu(ErbB2)、低酸素誘導因子-1α(HIF-lα)である。しかしながら、ゲルダナマイシンの肝毒性と不十分なバイオアべイラビリティによって、臨床候補として中断されている。
しかし、ゲルダナマイシンのような生物活性を有し、特性のより薬学的に許容できるスペクトルをもつゲルダナマイシン誘導体又は類似体の開発においては、関心が持続している。ゲルダナマイシンの17位は、化学的に言えば、そこのメトキシ基が求核基によって容易に置き換えられ、17-置換-17-デメトキシゲルダナマイシンへ都合のいい入り口になることから、ゲルダナマイシン誘導体の合成に魅力的な中心であった。更に、構造活性相関(SAR)研究から、化学的及び立体的に多様な17-置換基を抗腫瘍活性を破壊せずに導入することができることが示された。Sasaki et al.、米国特許第4,261,989号(1981); Schnur et al.、米国特許第5,932,566号(1999); Schnur et al., J. Med. Chem., 38, 3806-3812 (1995); Schnur et al., J Med. Chem. 38, 3813-3820 (1995); Santi et at.、米国特許出願公開第2003/0114450号(2003)を参照のこと; これらの開示内容は本願明細書に含まれるものとする。SARの結論は、17-置換基が結合ポケットから溶媒に突き出ることを示す、Hsp90とゲルダナマイシン誘導体(17-DMAG、下記)間の複合体のX線結晶共構造によって支持されている(Jez et al., Chemistry & Biology, 10, 361-368 (2003))。従って、17位は、特性調整置換基、例えば、可溶化基の導入に魅力的なものである。最もよく知られた17-置換ゲルダナマイシン誘導体は、上記で引用されたSasaki et al.で最初に開示された17-AAGであり、現在臨床試験中である。他の注目すべき17-置換ゲルダナマイシン化合物は、17-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン((“17-DMAG”)(Snader et al.、国際出願公開第02/079167号(2002)、この明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする)であり、これも臨床試験中である。
【0003】
ゲルダナマイシン自体や17-AAGのようなゲルダナマイシン化合物を含有する、特に非経口投与用の医薬製剤の調製における制限は、極めて難水溶性なことであり、17-AAGの場合中性pHでわずかに約0.1mg/mLである。(17-DMAGは、アルキルアミノ基を有し、より可溶である。) この問題に取り組み、Tabibi et al.の国際出願公開第00/37050号(2000)には、(a)薬剤、(b)薬剤のための水混和性有機溶媒、(c)界面活性剤、及び(d)水を含む17-AAGのような水不溶性薬剤のための製剤が開示されている。水混和性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールであり得る。界面活性剤は、好ましくはリン脂質(特に卵リン脂質)である。
問題の他の開示は、Ulm et al.の国際出願公開第03/086381号(2003)であり、(a)エタノールに溶解したアンサマイシンを準備する工程; (b)工程(a)の生成物と中鎖トリグリセリドとを混合して第一混合物を形成する工程; (c)第一混合物からエタノールを実質的に除去する工程; (d)工程(c)の生成物と、乳化剤及び安定剤とを合わせて第二混合物を形成する工程; 及び(e)第二混合物を乳化する工程によるアンサマイシンのための医薬製剤を調製する方法が開示されている。乳化された第二混合物は、任意に凍結乾燥され、次に、再水和されてもよい。個々の組合わせにおいて、中鎖トリグリセリドはカプリル酸及び/又はカプロン酸を含み、乳化剤はホスホチジルコリンを含み、安定剤はスクロースを含む。上述の明細書の記載は、本願明細書に含まれるものとする。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、17-AAGの医薬製剤、17-AAGをそれを必要としている患者に投与する方法、及び17-AAGを含む医薬製剤の調製方法を提供する。
一態様においては、本発明は、静脈内投与に適している17-AAGを含む製剤を提供する。前記製剤は、(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で17-AAGを含む。
他の態様においては、本発明は、17-AAGをそれを必要としている患者に投与する方法であって、
(a)(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で17-AAGを含む医薬製剤を準備する段階;
(b)静脈内経路によって静脈内で患者に送達するように適合した装置に医薬製剤を含ませる段階; 及び
(c)静脈内で患者に製剤を投与する段階
を含む、前記方法を提供する。
更に他の態様においては、本発明は、17-AAGを含む医薬製剤の調製方法であって、
(a)17-AAGの量を準備する段階;
(b)17-AAGと非プロトン性極性溶媒である第一成分とを合わせて非プロトン性極性溶媒中の17-AAGの水溶液を得る段階; 及び
(c)前記水溶液を第二成分と合わせる段階であって、第二成分が約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物を約90.0〜99.9容積%の量で含む前記段階
を含み、それによって医薬製剤を形成する、前記方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
定義
非プロトン性極性溶媒は、O-H基を含まないが、かなり大きな双極子を有する溶媒である。非プロトン性極性溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド(即ち、DMSO)、N,N-ジメチルアセトアミド(即ち、DMA)、N,N-ジメチルホルムアミド(即ち、DMF)、N-メチルピロリドン(即ち、NMP)が挙げられるがこれらに限定されない。
イントラリピド、10%か又は20%は、ダイズ油、リン脂質(レシチン)、グリセリン及び注射用蒸留水を含む。1リットルのイントラリピド10%は、以下: 100gの精製ダイズ油、12gの精製卵リン脂質、22gの無水グリセリン、及び1リットルの容積までの水を含有する。pHを、水酸化ナトリウムで約8まで調整する。1リットルのイントラリピド20%は、以下: 200gの精製ダイズ油、12gの精製卵リン脂質、22gの無水グリセロール、及び1リットルの容積までの水を含有する。pHを、水酸化ナトリウムで約8まで調整する。イントラリピドは、典型的には、25℃未満の制御温度で保存される。
リポシンII、10%か又は20%は、ベニバナ油、ダイズ油、リン脂質(レシチン)、グリセリン及び注射用蒸留水を含む。リポシンII 10%は、注射用蒸留水中、5質量%のベニバナ油、5質量%のダイズ油、乳化剤として添加される1.2質量%までの卵ホスファチド、及び2.5質量%のグリセリンを含有する。pHを、水酸化ナトリウムで6〜9に調整することができる。リポシンII 20%は、注射用蒸留水中、10質量%のベニバナ油、10質量%のダイズ油、1.2質量%の卵ホスファチド、及び2.5質量%のグリセリンを含有する。pHを、水酸化ナトリウムで6〜9に調整することができる。
【0006】
レシチンは、リン酸のコリンエステルに結合したステアリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸のジグリセリドの混合物である。市販のレシチンは、典型的にはダイズレシチンであり、11.7%のパルミチン酸、4.0%のステアリン酸、8.6%のパルミトレイン酸、9.8%のオレイン酸、55.0%のリノール酸、4.0%のリノレン酸、及び5.5%のC20〜C22酸を含有する。卵レシチンは、レシチンの1つの適切な種類である。
リノール酸は、式C18H32O2の脂肪酸である。
リノレン酸は、式C18H30O2の脂肪酸である。
長鎖トリグリセリドは、支配的な成分として長さが炭素12〜22個、好ましくは長さが炭素16〜20個の範囲にある脂肪酸を含むトリグリセリド組成物である。
中鎖トリグリセリドは、支配的な成分として長さが炭素7〜11個、好ましくは長さが炭素8〜10個の範囲にある脂肪酸を含むトリグリセリド組成物である。
オレイン酸は、式C18H34O2の脂肪酸である。
パルミチン酸は、式C16H32O2の脂肪酸である。
ベニバナ油は、パルミチン酸(6.4%)、ステアリン酸(3.1%)、アラキドン酸(0.2%)、オレイン酸(13.4%)、リノール酸(76.6-79.0%)、及びリノレン酸(0.04-0.13%)のトリグリセリドの混合物である。
ゴマ油は、主にオレイン酸及びリノール酸酸のトリグリセリドを含む。しかしながら、それは17-AAGの安定性に悪影響を与えると思われ、このために望ましくない。
ステアリン酸は、式C18H36O2の脂肪酸である。
ダイズ油は、オレイン酸(26%)、リノール酸(49%)、リノレン酸(11%)、及び飽和酸(14%)のトリグリセリドの混合物である。
50/50混合物のダイズ油/ベニバナ油は、約65.8%のリノール酸、17.7%のオレイン酸、8.8%のパルミチン酸、3.4%のステアリン酸、及び4.2%のリノレン酸から構成されるトリグリセリドを含む。
【0007】
説明
本発明の医薬製剤は、17-AAGを含み、静脈内投与に適している。本製剤は、(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した17-AAGを約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で含む。
製剤における17-AAGの濃度は、典型的には約1.25mg/mL〜4.0mg/mLである。製剤における非プロトン性極性溶媒がDMSOである場合、17-AAGの濃度は、しばしば約2.0mg/mL〜約3.0mg/mLの範囲にあり; 非プロトン性極性溶媒がDMAである場合、濃度は、しばしば約1.50mg/mL〜約3.0mg/mLの範囲にある。
非プロトン性極性溶媒は、典型的には約0.5〜約5.0容積%の量で製剤に含まれる。このような溶媒の濃度は、より高濃度で毒性があるためにFDA許容限度内に維持される。例えば、DMAの許容用量は約14.8g/m2である。しばしば、非プロトン性極性溶媒の濃度は、約1.0〜約4.0容積%の範囲内にある。
賦形剤の第二成分は、典型的には約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリド含む水性混合溶媒である。適切な第二成分の例としては、以下: イントラリピド10%; イントラリピド20%; リポシンII 10%; 及びリポシンII 20%が挙げられるがこれらに限定されない。これらの混合物について、トリグリセリド含量は、しばしば約7.5〜約30容積%の範囲にある。
リン脂質、好ましくは卵リン脂質は、賦形剤の任意の第三成分である。第二成分がイントラリピド又はリポシンIIである場合、リン脂質濃度は、しばしば約0.8〜約3.0容積パーセントの範囲にあり、1.0〜2.0容積パーセントが好ましい。
本発明の適切な17-AAGの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
製剤1は、以下を含む。
a) 約1mg/mL〜約3mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤2は、以下を含む。
a) 約2.0mg/mL〜約3.0mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤3は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤4は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤5は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤6は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸、オレイン酸及びパルミチン酸を含む。
製剤7は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む。
【0009】
製剤8は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである;
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む; 及び
d) 第三成分、リン脂質は、約1.0パーセント〜2.0容積パーセントの量で有する。
製剤9は、以下を含む。
a) 約2.25mg/mL〜約2.75mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMSOである;
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む; 及び
d) 約1.0〜2.0容積パーセントの量で含まれる第三成分、卵リン脂質; 及び
e) 約2.0〜3.0容積%の量のグリセリン。
製剤10は、以下を含む。
a) 約1.0mg/mL〜約3.0mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMAである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤11は、以下を含む。
a) 約1.5mg/mL〜約3mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMAである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤12は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約1.0〜約4.0容積%の量で含まれるDMAである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
【0010】
製剤13は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMAである; 及び
c) 第二成分は、約7.5〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤14は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMAである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である。
製剤15は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で有するDMAである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸、オレイン酸及びパルミチン酸を含む。
製剤16は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で有するDMAである; 及び
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む。
製剤17は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で有するDMAである;
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む; 及び
d) 約1.0パーセント〜2.0容積パーセントの量で含まれる第三成分、リン脂質。
製剤18は、以下を含む。
a) 約1.65mg/mL〜約2.50mg/mLの濃度の17-AAG;
b) 第一成分は、約2.0〜約3.5容積%の量で含まれるDMAである;
c) 第二成分は、約15.0〜30.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物であり、ここで、トリグリセリドの脂肪酸成分は、リノール酸(50%〜75%の脂肪酸)、オレイン酸(15%〜25%の脂肪酸)及びパルミチン酸(7%〜10%の脂肪酸)を含む;
d) 約1.0〜2.0容積パーセントの量で含まれる第三成分、卵リン脂質; 及び、
e) 約2.0〜3.0容積%の量のグリセリン。
【0011】
本発明の製剤は、種々の温度である時間は安定である。例えば、製剤1、2、3、4、5、6、7、8、9の-室温、4℃、-20℃における-17-AAGは、7時間かかって、5%未満、好ましくは2.5%未満、より好ましくは1%未満が分解し; 製剤10、11、12、13、14、15、16、17、18の17-AAGも、同様の安定性を示す。更にまた、製剤1〜18の-室温、4℃、-20℃における-17-AAGは、14時間かかって、5%未満、好ましくは2.5%未満、より好ましくは1%未満が分解する。
従来技術の製剤と比較して、本製剤は多くの利点を与える。調製され保存されることが簡単であり、その臭いのために患者の受入れが悪いことがあり得るDMSOの過剰量の使用が避けられる。本製剤は、更に、許容しうる注入時間(例えば、90分)以内に17-AAGの必要な量の送達を可能にする。
本発明は、また、17-AAGをそれを必要としている患者に投与するための方法であって、
(a) (i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で17-AAGを含む医薬製剤を準備する段階;
(b) 静脈内経路によって患者に送達することができる装置に医薬製剤を含める段階; 及び(c) 患者に製剤を静脈内に投与する段階
を含む、前記方法を提供する。
患者に投与される17-AAG製剤の例としては、上記製剤1〜18が挙げられるが、これらに限定されない。医療用チューブが取り付けられたIVバッグを含む、いかなる適切な装置も、製剤を静脈内に送達するために用いることができる。最後に、静脈内送達の速度は、周知の方法を用いる当業者によって容易に決定され得る。
本発明は、更に、17-AAGを含む医薬製剤の調製方法であって、
(a) 17-AAGの量を準備する段階;
(b) 17-AAGと非プロトン性極性溶媒である第一成分とを合わせて溶液を得る段階;
(c) その溶液と第二成分とを合わせる段階であって、第二成分が、約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物を最終製剤の約90.0〜99.9容積%の量で含む、前記段階;
を含み、それによって医薬製剤を形成する、前記方法を提供する。
【0012】
準備される17-AAGの量は、典型的には約1.0mg/mL〜5mg/mLの濃度が製剤になるような量である。第一成分がDMSOである場合、約2.0mg/mL〜約3.0mg/mLの濃度の製剤になる量がしばしば準備され; 第一成分がDMAである場合、約1.50mg/mL〜約3.0mg/mLの濃度の製剤になる量がしばしば準備される。
調製について、17-AAGを第一成分-非プロトン性極性溶媒、例えば、DMSO又はDMA-に溶解して溶液を得る。その溶液を、典型的には実質的な量の水を、長鎖トリグリセリドとリン脂質とともに含む成分と合わせる。適切な成分の例としては、イントラリピド10%; イントラリピド20%; リポシンII 10%; リポシンII 20%が挙げられるが、これらに限定されない。溶液と賦形剤とを合わせる際にある程度の沈殿が生じるにちがいないが、得られた製剤は、通常はろ過される。この方法によって調製される製剤の例としては、上記1〜18が挙げられるが、これらに限定されない。
ゲルダナマイシンは、産生微生物、ストレプトマイセス・ヒグロスコピクス変異株ゲルダヌス(Streptomyces hygroscopicus var.geldanus)NRRL 3602を培養することによって得られる周知の天然物である。17-AAGは、Sasaki et al.、米国特許第4,261,989号(1981)に記載されるように、ゲルダナマイシンとアリルアミンとの反応によって、ゲルダナマイシンから半合成的に製造される、その明細書の開示内容は本願明細書に含まれるものとする。
本発明の薬剤溶液製剤によって投与される17-AAGは、頭部、頚部、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺、及びパラガングリオーマの腫瘍を含む頭部と頚部の癌; 肝臓と胆道系の癌、特に肝細胞癌; 腸癌、特に結腸直腸癌; 卵巣癌; 小細胞及び非小細胞肺癌; 乳癌肉腫、例えば、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、胎児性横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、神経線維肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、胞状軟部肉腫、中枢神経系の新生物、特に脳癌; リンパ腫、例えば、ホジキンのリンパ腫、辺縁リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜随伴リンパ組織リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B-系統大細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、T細胞形成手術の大細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない過剰増殖疾患のような疾患を治療するために使用し得る。臨床的に、本明細書に記載される組成物の方法及び使用の実施によって、がん腫のサイズ又は数の減少及び/又は随伴する症状(適用できる場合)の減少が得られる。病理学的に、本明細書に記載される組成物の方法及び使用の実施によって、病理学的に関連した応答、例えば: 癌細胞増殖の阻止、癌又は腫瘍のサイズの減少、転移の予防、腫瘍脈管形成の阻止を生じる。このような疾患の治療方法は、発明の組合わせの治療的に有効な量を患者に投与することを含む。本方法は、必要に応じて繰り返すことができる。
【0013】
細胞の過剰増殖を特徴とする非癌疾患もまた、本発明に従って投与される17-AAGによって治療し得る。このような疾患の具体例としては、萎縮性胃炎、炎症性溶血性貧血、移植片拒絶、炎症性好中球減少症、水疱性類天疱瘡、小児脂肪便症、脱髄性神経障害、皮膚筋炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、多発性硬化症、心筋炎、筋炎、鼻ポリープ、慢性副鼻腔炎、尋常性天疱瘡、原発性糸球体腎炎、乾癬、外科的接着、狭窄又は再狭窄、強膜炎、強皮症、湿疹(アトピー性皮膚炎、刺激物皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を含む)、歯周疾患(歯周炎)、多発性嚢胞腎、I型糖尿病挙げられるが、これらに限定されない。
他の例としては、脈管炎(例えば、巨細胞性動脈炎、側頭動脈炎、高安動脈炎)、結節性多発性動脈炎、アレルギー性血管炎又は肉芽腫症(チャーグ・ストラウス疾患)、多発血管炎オーバーラップ症候群、過敏性血管炎(ヘーノホ・シェーンライン紫斑病)、血清病、薬剤誘発性脈管炎、感染性脈管炎、新生物性脈管炎、結合組織障害に伴う脈管炎、補体系の先天性欠損に伴う脈管炎、ヴェゲナー肉芽腫症、川崎病、中枢神経系の脈管炎、バージャー病、又は全身性硬化症; 胃腸管疾患(例えば、膵臓炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、原発性硬化性胆管炎)、特発性を含むあらゆる原因の良性狭窄(例えば、胆管、食道、十二指腸、小腸又は結腸の狭窄); 呼吸器疾患(例えば、喘息、過敏性肺炎、石綿沈着症、ケイ粉症又は塵肺症の他の形、慢性気管支炎又は慢性的閉塞性気道疾患); 鼻涙管疾患(例えば、特発性を含む全ての原因の狭窄); オイスタヒイ管疾患(例えば、特発性を含む全ての原因の狭窄)が挙げられる。
17-AAGは、アルキル化剤、脈管形成阻害剤、代謝拮抗物質、DNA切断剤、DNA架橋剤、DNAインターカレーター、DNA副溝結合剤、熱ショックタンパク質90阻害剤、ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤、微小管安定剤、ヌクレオシド(プリン又はピリミジン)類似体、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼ(I又はII)阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤を含む。個々の抗癌剤又は細胞毒性剤としては、β-ラパコン、17-DMAG、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ビスルファン、カリケアマイシン、カンプトセシン、カペシタビン、カリスタチンA、CC-1065、シスプラチン、クリプトフィシン、ダウノルビシン、ディスコデルモリド、ドセタキセル、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、ダインマイシンA、エポチロン、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲルダナマイシン、ジェミヂタビン、ヒドロキシ尿素、イマチニブ、IFN、インターロイキン、イリノテカン、レプトマイシンB、メトトレキセート、マイトマイシンC、オキサリプラチン、パクリタキセル、スポンジスタチン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、チオテパ、トポテカン、トリコスタチンA、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンが挙げられる。
【0014】
併用抗癌剤又は細胞毒性剤は、キナゾリン、特に、4-アニリノキナゾリン、例えば、イレッサ(AstraZeneca; N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-[3(4-キナゾリンアミン)、タルセバ(Roche/Genentech); N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)-4-キナゾリンアミン一塩酸塩); フェニルアミノピリミジン、例えば、グリーベック(Novartis); 4-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-N-[4-メチル-3-[[4-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド); ピロロピリミジンやピラゾロピリミジン、例えば、BIBX 1382 (Boehringer Ingelheim; N8-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-2-(1-メチル-4-ピペリジニル)ピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,8-ジアミン); インドールやオキシインドール、例えば、セマキシニブ(Pharmacia); 3-[(3,5-ジメチル-1 H-ピロール-2-イル)メチレン]-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-オン);ベンジリデンマロノニトリル;フラボン、例えば、フラボピリドール(Aventis); 2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(3S,4R)-3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル]-4H-1-ベンゾピラン-4-オン); スタウロスポリン、例えば、CEP-701(Cephalon); 抗体、例えば、ヘルセプチン(Genentech); リボザイム、例えば、Angiozyme(Ribozyme Pharmaceuticals)を含むプロテインキナーゼ阻害剤であり得る。
本発明の薬剤溶液製剤を用いて、17-AAGは、投与の回数によって約4mg/m2〜約4000mg/m2の範囲にある服用量で投与することができる。17-AAGのための好ましい投薬法は、毎週約450mg/m2である(Banerji et al., Proc. Am, Soc. Clin. Oncol. , 22, 199 (2003, abstract 797), "A Pharmacokinetically (PK)-pharmacodynamically (PD) Guided Phase I Trial of the Heat Shock Protein 90 (HSP90) Inhibitor l7-Allyl-l7-demethoxygeldanamycin (17AAG)")。或いはまた、約308mg/m2の用量を、毎週投与することができる。Goetz et al., Eur. J. Cancer, 38 (Supp. 7), S54-S55 (2002), "A phase I trial of 17-Allyl-Amino-Geldanamycin (17-AAG) in patients with advanced cancer"を参照のこと。
本発明の実施は、更に、具体的な説明によって示され、限定しない以下の実施例によって理解することができる。
【実施例】
【0015】
一般的な実験の項
以下に記載する実験に用いられる機器及び試薬は、利用できる場合、指示した販売業者から入手した。水浴(VWR Polyscience Model 1167); 天秤(Mettler-Toledo AT261 Delta Range); 遠心分離機(Sorval Super T21); HPLC (Agilent 1100 Series); 逆相カラム(Agilent ZORBAX Eclipse(登録商標) C8 Column); ガードカラム(Agilent ZORBAX Eclipse(登録商標) XDB-C8 Column); 浸透圧計(Wescor VaproTM 蒸気圧浸透圧計); ジメチルアセトアミド(Sigma); ジメチルスルホキシド(J.T. Baker); ベニバナ油(市販); ダイズ油(市販); ゴマ油(市販); Miglyol 810(Sasol North America)。
【0016】
実施例1
各種油における17-AAGの溶解度
1mgの17-AAG標準品を、まず最初に1mLの100%メタノールに溶解した。試料をメタノールで0.4mg/mL濃度に希釈し、標準品として用いた。17-AAGを、各種有機溶媒又は油に溶解した。製剤を、均一性を確実にするために少し撹拌し、続いて0.2μm PVDFシリンジフィルタでろ過した。17-AAG貯蔵製剤を、それぞれの溶媒で希釈して、初期濃度と純度及び17-AAGの回収をRP-HPLC分析によって求めた。
20mgの17-AAGを異なるバイアルに取り、0.2mLの各種油を表1に示されるように添加した。試料を撹拌して17-AAGを溶解した。調製時に、試料は種々の程度の沈降を示し、続いて0.2μm PVDFフィルタでろ過し、RP-HPLCで分析した。
【0017】
表1: 17-AAG/油製剤の外観、溶解度、純度。

【0018】
実施例2
17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価
17-AAG保存品を100%DMA(50mg/mL又は120mg/mL)中で調製した。表2〜5に示される製剤を2種類の異なる方法によって調製した。いずれも17-AAG/溶媒保存品を過剰の油に徐々に添加する(方法I)か、又は油を17-AAG/溶媒保存品のアリコートに添加した(方法II)。例えば、溶媒と油(方法I)は、以下のように調製した。20μL又は50mg/mLの17-AAG/DMA保存品を500μLのベニバナ油を含有するバイアルに撹拌条件下で添加した。油と溶媒(方法II)は、500μLの油を20μLの50mg/mL17-AAG/DMA保存品を含有するバイアルに5分間かけて滴下することによって調製した。試料を、電磁撹拌プレート上で30分間撹拌した。調製時に、DMA試料は、種々の程度の沈降を示した。続いて、製剤を0.2μm PVDFフィルタを用いてろ過し、RP-HPLCによって分析した。室温で24時間インキュベーションした後に試験した製剤のいずれも外観の変化が見られなかった。
表2は、DMAを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。50mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法Iに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(2mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0019】
表2: 17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価。RPHPLC分析(17-AAG/DMA保存品: 50mg/mL)、方法I。

【0020】
表3は、DMAを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。50mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法Iに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(2mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0021】
表3: 17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価。RPHPLC分析(17-AAG/DMA保存品: 50mg/mL)、方法II。

【0022】
表4は、DMAを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。120mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法Iに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(48mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0023】
表4: 17-AAG溶解度に対するDMAの組合わせの評価(17-AAG/DMA保存品: 120mg/mL)、方法I。

【0024】
表5は、DMAを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。120mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法IIに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(8mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0025】
表5: 17-AAG溶解度に対するDMAの組合わせの評価(17-AAG/DMA保存品: 120mg/mL)、方法II。

【0026】
実施例3
17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価
17-AAG保存品を100%DMA(50mg/mL又は120 mg/mL)中で調製した。表6〜9に示される製剤を2種類の異なる方法によって調製した。いずれも17-AAG溶媒保存品を過剰の油に徐々に添加する(方法I)か、又は油を17-AAG/溶媒保存品のアリコートに添加した(方法II)。例えば、溶媒と油(方法I)は、以下のように調製した。20μL又は50mg/mLの17-AAG/DMA保存品を500μLのベニバナ油を含有するバイアルに撹拌条件下で添加した。油と溶媒(方法II)は、500μLの油を20μLの50mg/mL17-AAG/DMA保存品を含有するバイアルに5分間かけて滴下することによって調製した。試料を、電磁撹拌プレート上で30分間撹拌した。調製時に、製剤は、最初に小さい油滴を形成し、10分後に沈殿した。続いて、製剤を0.2μm PVDFフィルタを用いてろ過し、RP-HPLCによって分析した。DMA含有製剤はろ過後でさえ油滴形成を示した。従って、油滴を含まない上澄みをRP-HPLCに装填した。室温で24時間インキュベーションした後に試験した製剤のいずれも外観の変化が見られなかった。
表6は、各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。50mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法Iに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(2mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0027】
表6: 17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価(17-AAG/DMA保存品: 50mg/mL)、方法I。

【0028】
表7は、DMSOを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。50mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法IIに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(2mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0029】
表7: 17-AAG溶解度に対する油と組合わせたDMAの評価(17-AAG/DMA保存品: 50mg/mL)、方法II。

【0030】
表8は、DMAを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。200mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法Iに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(8mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0031】
表8: 17-AAG溶解度に対するDMAの組合わせの評価(17-AAG/DMA保存品: 120mg/mL)、方法I。

【0032】
表9は、DMSOを各種油と組合わせて用いた17-AAG溶解度の評価に関するデータを示すものである。200mg/mLの17-AAG/DMA保存溶液を用いる方法IIに従って組合わせを調製した。17-AAGの溶解度を目標濃度(8mg/mL)で割ることによって回収パーセントを算出した。
【0033】
表9: 17-AAG溶解度に対するDMAの組合わせの評価(17-AAG/DMA保存品: 200mg/mL)、方法II。

【0034】
実施例4
17AAG溶解度に対する溶媒と油の組み合わせの評価
17-AAG保存品を、100%のDMA(50mg/mL又は120mg/mL)か又はDMSO(50mg/mL又は200mg/mL)中で調製した。製剤は、以下の通りに調製した。17-AAG/溶媒保存品の10又は20μLアリコートを500μLの油を含有するバイアルに添加し、完全な均一性を確実にするために20秒間撹拌した。続いて試料を室温でインキューベートし、2時間の間モニタした。
表10は、機械的応力なしで調製したDMAと油の組み合わせを含有する17-AAG製剤の外観及び溶解度プロフィルを示すものである。調製時に、DMA試料は沈降をほとんど又は全く示さなかった。
【0035】
表10:17-AAG溶解度に対する溶媒と油の組合わせの評価

【0036】
表11は、機械的剪断なしで調製したDMSOと油の組み合わせを含有する17-AAG製剤の外観及び溶解度プロフィルを示すものである。調製時に、DMSO試料は、小さい油滴を示した。室温の2時間インキュベートした後、使用保存濃度にかかわりなく、DMA/油製剤と比較して、DMSO/油組み合わせを含有するバイアルの底部に沈降した。
【0037】
表11: 17-AAG溶解度に対する溶媒と油の組合わせの評価

【0038】
実施例5
10%イントラリピドにおける17-AAGの溶解度と安定性
17-AAGの異なる保存濃度を、以下のように100%DMAか又はDMSO中で調製した: 17-AAG/DMA-50、55、60、65mg/mL; 17-AAG/DMSO-50、55、60、65mg/mL。
各々の17-AAG/溶媒保存品の異なるアリコートを1mLの10%イントラリピド中で混合することによって下記表12〜15に示される製剤を調製した。例えば、50/25の17-AAG/DMA/10%イントラリピドの組合わせを以下のように調製した。25μLの50mg/ML17-AAG/DMA保存品を1mLの10%イントラリピドを含有するバイアルに徐々に添加した。バイアルを20秒間連続して逆にすることによって試料を混合した。全ての製剤を室温で24時間インキューベートして脂質エマルジョンにおける17-AAGの安定性をモニタした。
下記の表12は、50mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0039】
表12: 外観による10%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0040】
下記の表13は、55mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0041】
表13: 外観による10%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0042】
下記の表14は、55mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0043】
表14: 外観による10%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0044】
下記の表15は、65mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0045】
表15: 外観による10%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0046】
実施例6
10%リポシン2における17-AAGの溶解度と安定性
17-AAGの異なる保存濃度を、以下のように100%DMAか又はDMSO中で調製した: 17-AAG/DMA-50、55、60、65mg/mL; 17-AAG/DMSO-50、55、60、65mg/mL。各々の17-AAG/溶媒保存品の異なるアリコートを1mLの10%リポシンII中で混合することによって下記表16〜18に示される製剤を調製した。例えば、50/25の17-AAG/DMA/10%リポシンIIの組合わせを以下のように調製した。25μLの55mg/ML17-AAG/DMA保存品を1mLの10%イントラリピドIIを含有するバイアルに徐々に添加した。バイアルを20秒間連続して逆にすることによって試料を混合した。全ての製剤を室温で24時間インキューベートして脂質エマルジョンにおける17-AAGの安定性をモニタした。
下記の表16は、55mg/mL17-AAG保存品から調製し10%リポシンIIと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0047】
表16: 外観による10%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0048】
下記の表17は、60mg/mL17-AAG保存品から調製し10%リポシンIIと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0049】
表17: 外観による10%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0050】
下記の表18は、65mg/mL17-AAG保存品から調製し10%リポシンIIと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0051】
表18: 外観による10%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0052】
実施例7
10%又は20%イントラリピドにおける17-AAGの溶解度と安定性
17-AAGの異なる保存濃度を、以下のように100%DMAか又はDMSO中で調製した: 17-AAG/DMA-70、80、90、95mg/mL; 17-AAG/DMSO-70、80、90、95、100mg/mL。各々の17-AAG/溶媒保存品の異なるアリコートを1mLの10%又は20%イントラリピド中で混合することによって下記表19〜20に示される製剤を調製した。例えば、70/25の17-AAG/DMA/イントラリピドの組合わせを以下のように調製した。25μLの70mg/ML17-AAG/DMA保存品を1mLのイントラリピドを含有するバイアルに徐々に添加した。バイアルを40秒間連続して逆にすることによって試料を混合した。全ての製剤を室温で24時間インキューベートして脂質エマルジョンにおける17-AAGの安定性をモニタした。
下記の表19は、70mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0053】
表19: 10%イントラリピドで希釈後の外観による10%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0054】
下記の表20は、70-80mg/mL17-AAG保存品から調製し10%イントラリピドと配合した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0055】
表20: 外観による20%イントラリピドにおける17-AAGの安定性。

【0056】
実施例8
10%又は20%リポシンIIにおける17-AAGの溶解度と安定性
17-AAGの異なる保存濃度を、以下のように100%DMAか又はDMSO中で調製した: 17-AAG/DMA-70、80、90、95、100mg/mL; 17-AAG/DMSO-70、80、90、95、100mg/mL。各々の17-AAG/溶媒保存品の異なるアリコートを1mLの10%又は20%イントラリピド中で混合することによって下記表21〜23に示される製剤を調製した。例えば、70/25の17-AAG/DMA/リポシンIIの組合わせを以下のように調製した。25μLの70mg/ML17-AAG/DMA保存品を1mLのリポシンIIを含有するバイアルに徐々に添加した。バイアルを40秒間連続して逆にすることによって試料を混合した。全ての製剤を室温で24時間インキューベートして脂質エマルジョンにおける17-AAGの安定性をモニタした。
下記の表21は、70又は80mg/mL17-AAG保存品と10%リポシンIIから調製された17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0057】
表21: 外観による10%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0058】
下記の表22は、70-80mg/mL17-AAG保存品と20%ルポシンIIから調製した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0059】
表22: 20%リポシンIIで希釈後の外観による20%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0060】
下記の表23は、90-100mg/mL17-AAG保存品と20%ルポシンIIから調製した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの目視観察を示すものである。
【0061】
表23: 外観による20%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0062】
実施例9
17-AAG脂質エマルジョンの安定性
光学顕微鏡を用いて17-AAGを脂肪エマルジョンに添加した後にエマルジョン粒径を測定した。17-AAGエマルジョンの10μLアリコートをRP-HPLCに装填した。17-AAGエマルジョンの10μLアリコートを除去し、Wescor VaproTM 蒸気圧浸透圧計を用いて量を測定することにより、容量オスモル濃度を求めた。
下記の表24は、17-AAGの添加の前後の脂質エマルジョンの顕微鏡所見を示すものである。光学顕微鏡を用いて、エマルジョンの油滴を、3種類の異なるサイズ: 小さい液滴(≦200nm); 中の液滴(200-400nm)又は大きい液滴(≧400nm)に分類した。
【0063】
表24: 顕微鏡所見による脂質エマルジョンにおける17-AAGの安定性。

【0064】
下記の表25は、55、70又は100mg/mL17-AAG保存品と20%リポシンIIを調製した17-AAG/DMA又はDMSOエマルジョンの安定性を示す。
【0065】
表25: 20%リポシンIIで希釈後の外観による20%リポシンIIにおける17-AAGの安定性。

【0066】
下記の表26は、薬剤を含まない市販の脂質エマルジョンのオスモル濃度を示すものである。
【0067】
表26: 薬剤を含まない市販の脂質エマルジョンのオスモル濃度。

【0068】
表27: 17-AAG/DMSOエマルジョンのオスモル濃度。

【0069】
表28: 17-AAG/DMAエマルジョンのオスモル濃度。

【0070】
実施例10
17-AAGエマルジョン
下記の表29と表30は、最終用量/注入される活性成分と不活性成分の容積による種々の17-AAG製剤/エマルジョンを示すものである。
【0071】
表29: 脂肪エマルジョン中の種々の17-AAG製剤/エマルジョンにおける17-AAG及びDMSOの最終濃度。


【0072】
表30: 脂肪エマルジョン中の種々の17-AAG製剤/エマルジョンにおける17-AAG及びDMAの最終濃度

【0073】
実施例11
17-AAG製剤の短期安定性
100mg/mLの17-AAG保存品を100%DMAか又はDMSO中で調製した。17-AAG/溶媒製剤のアリコートを、ガラスバイアルに入れ、アルミホイルで覆い、-20℃、4℃又は室温(即ち、RT)で28日間インキューベートした。試料を各時点(7、14、21又は28日目)で取り、続いて各々の試料からのアリコートを希釈し、RP-HPLCによって分析して、保存溶液の回収パーセントと純度を求めた。保存試料を20%リポシンIIに希釈することによって17-AAG/DMA又はDMSO試験試料の安定性を調べた。17-AAGエマルジョンを室温で24時間インキューベートして、RP-HPLCによって回収パーセントを求めた。
下記の表31は、4℃、室温、又は-20℃でインキューベートした100mg/mL17-AAG濃度でのDMAか又はDMSOにおける17-AAG保存品の28日安定性データを示すものである。時間 = 0、7時間、14時間、21時間、28時間後に回収パーセントと純度を分析した。t7〜t28 製剤のAUPをt0 製剤のAUPで割ることによって回収パーセントを算出した。
【0074】
表31: RP-HPLC分析による17-AAG製剤についての短期安定性

【0075】
表31続き

【0076】
下記の表32は、4℃、室温、又は-20℃でインキューベートした100mg/mL17-AAG濃度でのDMAか又はDMSOにおける17-AAG保存品の24時間安定性データを示すものである。
【0077】
表32: 20%リポシンIIにおいてRTで24時間インキュベートした後の17-AAG脂質エマルジョン安定性。

【0078】
下記表33は、RTで24時間インキュベートした後の20%リポシンにおける17-AAG/DMA又はDMSO脂質エマルジョンの回収パーセントを示すものである。
【0079】
表33: 20%リポシンIIにおけるRTで24時間インキュベートした後の17-AAG脂質エマルジョン安定性。

【0080】
上記の発明の詳細な説明には、主に又は独占的に本発明の具体的な部分又は態様と関係する一部が含まれている。このことは明瞭さと便宜上のものであること、具体的な特徴が開示されている以外の一部で適切なものであってもよいこと、また、本明細書の開示内容には異なる一部に見られる情報の適切な組み合わせが全て含まれていることは、理解されるべきある。同様に、本明細書の種々の説明は、本発明の個々の実施態様に関するが、個々の特徴が具体的な実施態様に関連して開示される場合、このような特徴は、適切な程度まで、他の実施態様に関連して、他の特徴と組合わせて、又は一般の本発明において使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した17-AAGを約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で含む医薬製剤。
【請求項2】
非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド又はそれらの組合わせである、請求項1記載の医薬製剤。
【請求項3】
第二成分の長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、リノール酸、オレイン酸及びパルミチン酸を含む、請求項1記載の医薬製剤。
【請求項4】
製剤が、更に、リン脂質を含み、リン脂質が、約0.8〜3.0容積パーセントの量で含まれる卵リン脂質である、請求項1記載の医薬製剤。
【請求項5】
17-AAGが、約1.50mg/mL〜3.0mg/mLの量で製剤に含まれる、請求項2記載の医薬製剤。
【請求項6】
長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、約50質量%〜約70質量%のリノール酸、約15質量%〜約25質量%のオレイン酸及び約7質量%〜約10質量%のパルミチン酸を含む、請求項5記載の医薬製剤。
【請求項7】
非プロトン性極性溶媒の濃度が約1.0%〜約4.0容積%の範囲にある、請求項6記載の医薬製剤。
【請求項8】
製剤が、更に、グリセリンを含み、グリセリンが、約2.0〜約3.0容積%の量で含まれる、請求項7記載の医薬製剤。
【請求項9】
17-AAGをそれを必要としている患者に投与する方法であって、
(a)(i)非プロトン性極性溶媒である第一成分を約0.1〜約10容積%の量で; 及び(ii)約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物である第二成分を約90.0〜99.9容積%の量で含む賦形剤に溶解した約1.0mg/mL〜約5.0mg/mLの濃度で17-AAGを含む医薬製剤を準備する段階;
(b)静脈内経路によって静脈内で患者に送達するように適合した装置に医薬製剤を含ませる段階; 及び
(c)静脈内で患者に製剤を投与する段階
を含む、前記方法。
【請求項10】
非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド又はそれらの組合わせである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
第二成分の長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、リノール酸、オレイン酸及びパルミチン酸を含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
賦形剤が、更に、リン脂質を含み、リン脂質が、約0.8〜3.0容積パーセントの量で含まれる卵リン脂質である、請求項9記載の方法。
【請求項13】
17-AAGが、約1.50mg/mL〜3.0mg/mLの量で製剤に含まれる、請求項10記載の方法。
【請求項14】
長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、約50%〜約70%のリノール酸、約15%〜約25%のオレイン酸及び約7%〜約10%のパルミチン酸を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
非プロトン性極性溶媒の濃度が約1.0%〜約4.0容積%の範囲にある、請求項14記載の方法。
【請求項16】
製剤が、更に、グリセリンを約2.0〜約3.0容積%の量で含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
17-AAGが、約4mg/m2〜約4000mg/m2の量で投与される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
17-AAGが、毎週約450mg/m2の量で投与される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
17-AAGが、毎週約308mg/m2の量で投与される、請求項16記載の方法。
【請求項20】
17-AAGを含む医薬製剤の調製方法であって、
(a)17-AAGの量を準備する段階;
(b)17-AAGと非プロトン性極性溶媒である第一成分とを合わせて溶液を得る段階;
(c)その溶液と第二成分とを合わせる段階であって、第二成分が約5.0〜約55.0容積%の長鎖トリグリセリドを含む水性混合物を最終製剤の約90.0〜99.9容積%の量で含む、前記段階
を含み、それによって医薬製剤を形成する、前記方法。
【請求項21】
非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド又はそれらの組合わせである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
第二成分の長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、リノール酸、オレイン酸及びパルミチン酸を含む、請求項20記載の方法。
【請求項23】
賦形剤が、更に、リン脂質を含み、リン脂質が、約0.8〜3.0容積パーセントの量で含まれる卵リン脂質である、請求項20記載の方法。
【請求項24】
17-AAGが、製剤における濃度が約1.50mg/mL〜3.0mg/mLであるように準備される、請求項21記載の方法。
【請求項25】
長鎖トリグリセリドの脂肪酸が、約50%〜約70%のリノール酸、約15%〜約25%のオレイン酸、及び約7%〜約10%のパルミチン酸を含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
非プロトン性極性溶媒が、製剤における濃度が約1.0%〜約4.0容積%の範囲にあるように準備される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
賦形剤が、更に、グリセリンを約2.0〜約3.0容積%の量で含む、請求項26記載の方法。

【公表番号】特表2008−531708(P2008−531708A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558167(P2007−558167)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007210
【国際公開番号】WO2006/094029
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(504269110)コーザン バイオサイエンシス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】