説明

2−アシルアミノチアゾール誘導体又はその塩

【課題】優れたヒトc-mpl-Ba/F3細胞増殖作用、及び巨核球コロニー形成促進作用に基づく血小板増多活性を有する、2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。血小板減少症治療に有用な化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【解決手段】式(I)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする血小板増多剤。
【化1】


式中の記号は請求項1に記載の通り。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、殊に血小板減少症治療剤として有用な新規2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその塩及び該化合物を有効成分とする医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
血小板は生理的止血および病的血栓形成に主要な働きを果たす無核の血球細胞であり、生体内において、血小板は前駆細胞である巨核球から絶えず産生される。血小板産生は他の血球と同様に多能性幹細胞に由来し、多能性幹細胞は巨核球系の前駆細胞になり、それから巨核芽球、前巨核球、巨核球になる。この巨核球の成熟の過程において未熟な巨核球は細胞分裂を伴わずにDNA合成だけを行って多倍数体となる。その後、細胞質の成熟が始まり、血小板分離膜が形成され、細胞質が断裂して血小板が放出される。
【0003】
一方、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、又は悪性腫瘍の化学療法、放射線療法等における種々の造血障害による血小板の減少は出血傾向を招く等の重篤な症状を引き起こすため、それらの治療を目的に血小板を増多させる様々な技術の開発の試みが行われてきた。現在、血小板減少症治療の有力な手段は血小板輸血であるが、十分量の血小板が供給されている状況ではなく、また、移入した血小板の寿命が短い等の理由により、血小板減少症を十分に改善することは困難である。さらに、血小板輸血にはウイルス感染、同種抗体の産生、移植細胞対宿主病(Graft Versus Host Disease:GVHD)等の問題点がある。このため、種々の症状あるいは治療によって引き起こされる造血機能の抑制状態を緩和し、血小板数の回復を促進させる薬剤の開発が期待されている。
【0004】
そのような中、巨核球系細胞への分化に関与する主要な因子であり、c-Mplリガンドであるトロンボポエチン(以下TPO)がクローニングされ、巨核球系細胞の分化・増殖を刺激して血小板産生を促進することが報告された(Kaushansky K. et. al., Nature, 369, 568-571, 1994:非特許文献1)。TPOはすでに血小板増多剤として臨床試験が行われており、ヒトでの有用性と忍容性が確認されつつある。しかし、TPOの一種であるPEG-rHuMGDF(TPOのN末端から163番目のアミノ酸がポリエチレングリコールで修飾されたもの)の臨床試験において、中和抗体が確認された(Li J. et. al., Blood, 98, 3241-3248, 2001:非特許文献2、及びBasser R. L. et. al., Blodd, 99, 2599-2602, 2002:非特許文献3)ため、TPOの免疫原性が懸念されている。また、TPOは蛋白質であるため、消化管内で分解されてしまい、経口投与薬剤としては実用的ではない。同様の理由で低分子ペプチドも経口投与薬剤としては実用的ではないと考えられる。このような状況下、血小板減少症治療を目的とした、免疫原性が少なく経口投与可能な非ペプチド性c-Mplリガンドの開発が進められている。
【0005】
上記のような化合物としては、特開平11-152276号(特許文献1)に記載のベンゾジアゼピン誘導体、国際公開WO 99/11262号(特許文献2)に記載のアシルヒドラゾン誘導体、国際公開WO 00/35446号(特許文献3)に記載のジアゾナフタレン誘導体、国際公開WO 98/09967号(特許文献4)に記載のピロロカルバゾール誘導体、特開平10-212289号(特許文献5)に記載のピロロフェナンスリジン誘導体、特開2000-44562(特許文献6)に記載のピロロフタルイミド誘導体が知られている。
【0006】
また、国際公開WO 01/07423号(特許文献7)には、下記一般式(VII)で示される化合物が血小板増多作用を有することが記載されている。
【化1】

【0007】
(式中の記号は、該公報参照)
該公報では、X1として置換されていてもよいチアゾール、Y1として-NHCO-を含む化合物についての記載がある。しかし、本発明においては、該公報におけるチアゾリル基のごときA1基を有する置換基で本発明化合物中のAr1若しくはAr2が置換されることはない。しかも、該公報においては、チアゾール5位に窒素原子が直接置換している化合物については、実施例その他による具体的開示は一切ない。
【0008】
また、国際公開WO 01/53267号(特許文献8)には、下記一般式(VIII)で示される化合物が血小板増多作用を有することが記載されている。
【化2】

【0009】
(式中の記号は、該公報参照)
該公報では、X1として置換されていてもよいチアゾール、Y1として-NHCO-を含む化合物についての記載がある。しかし、本発明においては、該公報におけるW1基を有する置換基で本発明化合物中のAr1若しくはAr2基が置換されることはない。しかも、該公報においては、チアゾール5位に窒素原子が直接置換している化合物については、実施例その他による具体的開示は一切ない。
【0010】
また、上記特許文献7、上記特許文献8の他に、本発明にかかる2-アシルアミノチアゾール化合物は、特許3199451号(特許文献9)にコレシストキニン及びガストリン受容体拮抗剤として、あるいはChemical and Pharmaceutical Bulletin, 25, 9, 2292-2299,1977(非特許文献4)に抗炎症特性を有する化合物として開示があるが、いずれも本発明にかかる血小板増多作用については全く触れられていない。
【特許文献1】特開平11-152276号公報
【特許文献2】国際公開第99/11262号パンフレット
【特許文献3】国際公開第00/35446号パンフレット
【特許文献4】国際公開第98/09967号パンフレット
【特許文献5】特開平10-212289号公報
【特許文献6】特開2000-44562公報
【特許文献7】国際公開第01/07423号パンフレット
【特許文献8】国際公開第01/53267号パンフレット
【特許文献9】特許第3199451号公報
【非特許文献1】ネイチャー(Nature)、1994年、第369号、p.568-571
【非特許文献2】ブラッド(Blood)、2001年、第98巻、p.3241-3248
【非特許文献3】ブラッド(Blood)、2002年、第99巻、p.2599-2602
【非特許文献4】ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical and Pharmaceutical Bulletin)、1977年、第25巻、第9号、p.2292-2299
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のような状況下、血小板減少症治療を目的とした、免疫原性が少なく経口投与可能な非ペプチド性c-Mplリガンドの開発が切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、血小板増多作用を有する化合物について鋭意研究し、新規な2-アシルアミノチアゾール誘導体が優れた血小板増多作用を有することを見いだし、本発明を完成させた。
【0013】
即ち、本発明によれば、以下の(1)〜(17)が提供される。
【0014】
(1)式(I)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする血小板増多剤。
【化3】

【0015】
[式中の記号は以下の意味を示す。
【0016】
Ar1:それぞれ置換されていてもよいアリール、単環芳香族ヘテロ環、又は二環系縮合ヘテロ環(但し、R1が低級アルキル、-CO-低級アルキル、-COO-低級アルキル、-OH、-O-低級アルキル、-OCO-低級アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいアリール若しくはピリジルであり、かつ、R2が下記式(II)で示される基であるとき;低級アルキル、-CO-低級アルキル、-COO-低級アルキル、-OH、-O-低級アルキル、-OCO-低級アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル若しくはピリジルを除く。)。
【0017】
R1:それぞれ置換されていてもよいアリール又は単環芳香族ヘテロ環。
【0018】
R2:式(II)、式(III)又は式(IV)で示される基。
【化4】

【0019】
[式中の記号は以下の意味を示す。
【0020】
n:1〜3の整数。
【0021】
m:1〜3の整数。
【0022】
ここで、n又はmが2以上の整数である場合、CR20R21及びCR22R23はそれぞれ異なる基を示してもよい。
【0023】
X:O、S、N-R26、C(-R27)-R28で示される基。
【0024】
E、G、J、L:それぞれ独立にN又はC-R29で示される基(但し、これらのうち少なくとも一つはC-R29を示す。)。
【0025】
R20、R21、R22、R23、R26、R27、R28、R29:同一又は異なって、-H;-OH;-O-低級アルキル;置換されていてもよい低級アルキル;置換されていてもよいシクロアルキル;置換されていてもよいアリール;置換されていてもよいアリールアルキル;置換されていてもよい芳香族ヘテロ環;置換されていてもよい芳香族ヘテロ環アルキル;置換されていてもよい非芳香族ヘテロ環;置換されていてもよい低級アルケニル;置換されていてもよい低級アルキリデン;-COOH;-COO-低級アルキル;-COO-低級アルケニル;-COO-低級アルキレン-アリール;-COO-低級アルキレン-芳香族ヘテロ環;ハロゲン、-OH、-O-低級アルキル又は-O-アリールでそれぞれ置換されていてもよい低級アルキル及びシクロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいカルバモイル若しくはアミノ;-NHCO-低級アルキル;又はオキソ。
【0026】
R24、R25:同一又は異なって、-H、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、又は置換されていてもよい非芳香族ヘテロ環。]]
なお、式(I)で示される化合物におけるAr1として、Ar1の中で好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又は単環芳香族ヘテロ環であり;
その中でさらに好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり;
その中で特に好ましくは、2位及び6位が無置換であり、3位が-H、-F、-Cl又は-Brで置換されており、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、4位が置換されているフェニル、あるいは、2位及び4位が無置換であり、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、6位が置換されているピリジン-3-イルであり;
その中で最も好ましくは、-O-RY、-NH-RY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で4位が置換されているフェニル、あるいは、-O-RY、-NH-RY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で6位が置換されているピリジン-3-イルである。
【0027】
ここで、「RY」とは、-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、-CO2H、-CO2-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいカルバモイル、シアノ、アリール、芳香族ヘテロ環、非芳香族ヘテロ環、及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい低級アルキルを示す(以下同様)。
【0028】
また、式(I)で示される化合物におけるR1として、好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又はチエニルであり;さらに好ましくは、ハロゲン及びトリフルオロメチルからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル又はチエニルであり;特に好ましくは、1つ乃至3つのハロゲンでそれぞれ置換されたフェニル又はチエニル(ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい)である。
【0029】
また、式(I)で示される化合物におけるR2として、好ましくは、式(II)で示される基であり;さらに好ましくは、式(II)で示される基のうち、nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基であり;特に好ましくは、4-(ピペリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-プロピルピペリジン-1-イル、4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル、又は4-プロピルピペラジン-1-イルである。
【0030】
(2)R1が1つ乃至3つのハロゲンでそれぞれ置換されたフェニル又はチエニル(ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい)であり;R2が(1)記載の式(II)で示される基であり、nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基であり;Ar1がそれぞれ置換されていてもよいフェニル又はピリジルである(1)記載の医薬組成物。
【0031】
(3)血小板減少症治療剤である(1)又は(2)記載の医薬組成物。
【0032】
(4)c-Mplリガンドである(1)又は(2)記載の医薬組成物。
【0033】
(5)式(V)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
【化5】

【0034】
[式中の記号は以下の意味を示す。
【0035】
Ar2:(1)記載のAr1で示される基。但し、インドール-2-イルを除く。
【0036】
R3:(1)記載のR1で示される基。
【0037】
R4:(1)記載のR2で示される基。但し、式(IV)で示される基を除く。]
なお、式(V)で示される化合物におけるAr2として、Ar2の中で好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又は単環芳香族ヘテロ環であり;
その中でさらに好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり;
その中で特に好ましくは、2位及び6位が無置換であり、3位が-H、-F、-Cl又は-Brで置換されており、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、4位が置換されているフェニル、あるいは、2位及び4位が無置換であり、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、6位が置換されているピリジン-3-イルであり;
その中で最も好ましくは、-O-RY、-NH-RY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で4位が置換されているフェニル、あるいは、O-RY、-NH-RY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で6位が置換されているピリジン-3-イルである。
【0038】
また、式(V)で示される化合物におけるR3として、好ましくは、それぞれ置換されていてもよいフェニル又はチエニルであり;さらに好ましくは、ハロゲン及びトリフルオロメチルからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル又はチエニルであり;特に好ましくは、1つ乃至3つのハロゲンでそれぞれ置換されたフェニル又はチエニル(ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい)である。
【0039】
また、式(V)で示される化合物におけるR4として、好ましくは、式(II)で示される基であり;さらに好ましくは、式(II)で示される基のうち、nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基であり;特に好ましくは、4-(ピペリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-プロピルピペリジン-1-イル、4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル、又は4-プロピルピペラジン-1-イルである。
【0040】
(6)Ar2がそれぞれ置換されていてもよいフェニル又は単環芳香族ヘテロ環である(5)記載の化合物。
【0041】
(7)R3がそれぞれ置換されていてもよいフェニル又はチエニルであり、R4が(1)記載の式(II)で示される基であり、Ar2がそれぞれ置換されていてもよいフェニル又はピリジルである(6)記載の化合物。
【0042】
(8)nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基である(7)記載の化合物。
【0043】
(9)R3が1つ乃至3つのハロゲンでそれぞれ置換されたフェニル又はチエニル(ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい)である(8)記載の化合物。
【0044】
(10)R4が4-(ピペリジン-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-プロピルピペリジン-1-イル、4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル、又は4-プロピルピペラジン-1-イルである(9)記載の化合物。
【0045】
(11)Ar2が、2位及び6位が無置換であり、3位が-H、-F、-Cl又は-Brで置換されており、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、4位が置換されているフェニル;あるいは、2位及び4位が無置換であり、5位が-F、-Cl又は-Brで置換されており、6位が置換されているピリジン-3-イル;である(10)記載の化合物。
【0046】
(12)Ar2が、-O-RY、-NHRY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で4位が置換されているフェニル;あるいは、-O-RY、-NHRY、置換されていてもよいピペリジン-1-イル及び置換されていてもよいピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で6位が置換されているピリジン-3-イル;である(11)記載の化合物。
【0047】
(13)(5)乃至(12)のいずれかに記載の化合物のうち、化合物群X及び化合物群Yからなる群より選択される化合物又はその製薬学的に許容される塩。好ましくは、化合物群Xから選択される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【0048】
ここで、「化合物群X」とは、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-3-フルオロ-4-ヒドロキシベンズアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペリジノ)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]イソキノリン-6-カルボキサミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(3-ヒドロキシプロポキシ)ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ニコチンアミド、
1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(4-シアノピペリジノ)-3,5-ジフルオロベンズアミド、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-6-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-ヒドロキシメチルピペリジノ)ニコチンアミド、
1-(3-クロロ-5-{[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(3-クロロ-5-{[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-{4-[(2-メトキシエチル)カルバモイル]ピペリジノ}ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-{4-[(3-メトキシプロピル)カルバモイル]ピペリジノ}ニコチンアミド、及び、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[4-(モルホリノカルボニル)ピペリジノ]ニコチンアミドからなる化合物群であり、「化合物群Y」とは、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-メトキシエトキシ)ベンズアミド、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]キノリン-6-カルボキサミド、
3-クロロ-N-[4-(5-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-5-フルオロ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(3-ヒドロキシプロポキシ)ベンズアミド、
3,5-ジクロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
3-ブロモ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド、
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾオキサゾール-6-カルボキサミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-ヒドロキシベンズアミド、
(+-)-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-ヒドロキシピペリジノ)ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-ヒドロキシピペリジノ)ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(3-オキソピペラジン-1-イル)ニコチンアミド、
6-(4-カルバモイルピペリジノ)-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
(±)-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]ニコチンアミド、
(±)-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[(テトラヒドロ-3-フリル)メトキシ]ニコチンアミド、
6-(4-カルバモイルピペリジノ)-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(4-ヒドロキシピペリジノ)ベンズアミド、
1-(2-ブロモ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(2-ブロモ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド、
1-(4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボン酸、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(4-シアノピペリジノ)ベンズアミド、
1-(4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(4-ヒドロキシピペリジノ)ベンズアミド、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)ピペリジン-4-カルボン酸、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(4-シアノピペリジノ)-5-フルオロベンズアミド、
1-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-6-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド、
1-(3-クロロ-5-{[4-(3-クロロフェニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)ニコチンアミド、
[1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-イル]酢酸、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-{4-[(ジメチルアミノ)カルボニル]ピペリジノ}ニコチンアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-{4-[(メチルアミノ)カルボニル]ピペリジノ}ニコチンアミド、
[4-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペラジン-1-イル]酢酸、
6-[4-(アセチルアミノ)ピペリジノ]-5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ニコチンアミド、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-5-フルオロ-4-[4-(メトキシアセチル)ピペラジン-1-イル]ベンズアミド、
[4-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-6-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル]酢酸、
3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-5-フルオロ-4-(4-スルファモイルピペラジン-1-イル)ベンズアミド、
4-[4-(カルバモイルメチル)ピペラジン-1-イル]-3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-5-フルオロベンズアミド、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[4-(プロピルカルバモイル)ピペリジノ]ニコチンアミド、及び、
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-{4-[(2-エトキシエチル)カルバモイル]ピペリジノ}ニコチンアミドからなる化合物群である。
【0049】
(14)(5)乃至(13)のいずれかに記載の化合物を有効成分とする医薬組成物。
【0050】
(15)血小板増多剤である(14)記載の医薬組成物。
【0051】
(16)血小板減少症治療剤である(14)記載の医薬組成物。
【0052】
(17)c-Mplリガンドである(14)記載の医薬組成物。
本発明化合物の化学構造上の特徴は、2位がアシルアミノ基で置換され、5位が直接窒素原子で置換されている2-アシルアミノチアゾール誘導体である点にある。また、本発明化合物の薬理学上の特徴は、ヒトc-mpl-Ba/F3細胞増殖活性、ヒトCD34+細胞の巨核球への分化促進活性、及びマウス経口投与試験における良好な経口活性を示し、その結果、血小板増多作用を有する点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
式(I)又は式(V)で示される化合物について、さらに説明すると次の通りである。
【0054】
本明細書中、「低級」なる語は、特に断らない限り炭素数1乃至6個の直鎖状又は分枝状の炭素鎖を意味する。
【0055】
従って、「低級アルキル」とは、C1-6のアルキルを示し、具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルが挙げられ、好ましくはC1-3アルキルのメチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。
【0056】
「低級アルケニル」とは、C2-6のアルケニルを示し、具体的には例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルが挙げられ、好ましくはC2-3アルケニルのエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、3-プロペニルである。
【0057】
「低級アルキリデン」とは、C1-6のアルキリデンを示し、具体的には例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデンが挙げられ、好ましくはC1-3アルキリデンのメチリデン、エチリデン、1-プロピリデン、2-プロピリデンである。
【0058】
「低級アルキレン」とは、C1-6アルキルの2価基であり、好ましくはC1-4アルキレンのメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、テトラメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレンである。
【0059】
「シクロアルキル」とは、C3-8の炭素環を意味し、これらは部分的に不飽和結合を有していてもよい。従って、具体的には例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロブテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニルが挙げられる。
【0060】
「アリール」とは、C6-14の単環乃至3環の芳香環を意味し、好ましくはフェニル、ナフチルであり、さらに好ましくはフェニルである。
【0061】
「アリールアルキル」とは、上記「低級アルキル」に上記「アリール」が置換した基を意味し、具体的には例えばベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、ナフチルメチル、1-ナフチルエチル、2-ナフチルエチルが挙げられる。
【0062】
「単環芳香族ヘテロ環」とは、窒素、酸素、硫黄を含んでいてもよい5〜6員環芳香族ヘテロ環又はそれらの部分的に水素化された環の1価基を意味し、具体的には例えばチエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルが挙げられる。
【0063】
「二環系縮合へテロ環」とは、アリール若しくは単環芳香族ヘテロ環と縮合した、窒素、酸素、硫黄を含んでいてもよい芳香族ヘテロ環又はそれらの部分的に水素化された環の1価基を意味し、具体的には例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、1,2-ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、インドリニル、イソインドリニル、1,2-ジヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジニル、1,4-ジヒドロ-2H-3,1-ベンゾオキサジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル等が挙げられる。
【0064】
「芳香族ヘテロ環」とは、上記「単環芳香族ヘテロ環」及び「二環系縮合ヘテロ環」を合わせたものを意味する。
【0065】
「芳香族ヘテロ環アルキル」とは、上記「低級アルキル」に上記「芳香族ヘテロ環」が置換した基を意味し、具体的には例えばチエニルメチル、フリルメチル、ピリジルメチル、チアゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イミダゾリルメチル、チエニルエチル、フリルエチル、ピリジルエチル等が挙げられる。
【0066】
「非芳香族ヘテロ環」とは、アリール若しくは単環芳香族ヘテロ環と縮合していてもよい、窒素、酸素、硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有する縮合していてもよい非芳香族複素環の1価基を意味し、具体的には例えばアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、インドリニル、イソインドリニル等が挙げられる。
【0067】
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
【0068】
「リガンド」とは、酵素、レセプター、蛋白質等と結合する低分子物質を指し、アゴニスト、アンタゴニストが含まれ、好ましくはアゴニストである。
【0069】
本明細書において「置換されていてもよい」の語の許容される置換基としては、それぞれの基の置換基として通常用いられる置換基であればいずれでもよく、各々の基に1つ以上置換基を有していてもよい。
【0070】
R1における「それぞれ置換されていてもよいアリール又は単環芳香族ヘテロ環」、R20、R21、R22、R23、R26、R27、R28、R29における「置換されていてもよいシクロアルキル」「置換されていてもよいアリール」「置換されていてもよいアリールアルキル」「置換されていてもよい芳香族ヘテロ環」「置換されていてもよい芳香族ヘテロ環アルキル」「置換されていてもよい非芳香族ヘテロ環」及びR24、R25における「置換されていてもよいシクロアルキル」「置換されていてもよい非芳香族ヘテロ環」において許容される置換基としては、以下の(a)乃至(h)に示される基が挙げられる。ここで、「RZ」とは、-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいカルバモイル、アリール、芳香族ヘテロ環及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい低級アルキルを示す(以下同様)。
【0071】
(a)ハロゲン;
(b)-OH、-O-RZ、-O-アリール、-OCO-RZ、オキソ(=O);
(c)-SH、-S-RZ、-S-アリール、-SO-RZ、-SO-アリール、-SO2-RZ、-SO2-アリール、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいスルファモイル;
(d)1つ又は2つのRZで置換されていてもよいアミノ、-NHCO-RZ、-NHCO-アリール、-NHCO2-RZ、-NHCONH2、-NHSO2-RZ、-NHSO2-アリール、-NHSO2NH2、ニトロ;
(e)-CHO、-CO-RZ、-CO2H、-CO2-RZ、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいカルバモイル、シアノ;
(f)-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、ハロゲン及びRZからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいアリール若しくはシクロアルキル;
(g)-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、ハロゲン及びRZからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよい芳香族ヘテロ環若しくは非芳香族ヘテロ環;
(h)上記(a)乃至(g)に示される置換基より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい低級アルキル。
【0072】
R20、R21、R22、R23、R26、R27、R28、R29における「置換されていてもよい低級アルキル」「置換されていてもよい低級アルケニル」「置換されていてもよい低級アルキリデン」及びR24、R25における「置換されていてもよい低級アルキル」において許容される置換基としては、上記(a)乃至(g)に示される基が挙げられる。
【0073】
Ar1における「それぞれ置換されていてもよいアリール、単環芳香族ヘテロ環又は二環系縮合へテロ環」において許容される置換基としては、オキソ(但し、オキソは二環系縮合ヘテロ環にのみ許容される);及び一般式(VI)で示される基が挙げられる。
【化6】

【0074】
[式中の記号は以下の意味を示す。
【0075】
-A-:単結合、又は置換されていてもよい環状アミンジイル(但し、窒素原子で置換しているものに限る)。
【0076】
-B-:単結合、-O-、-NH-、-N(-RZ)-、-NHCO-、-CO-、-CONH-、又は-CON(-RZ)-。
【0077】
-C-:単結合;又はハロゲン及び-OHからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよい低級アルキレン若しくは低級アルケニレン。
【0078】
-D-:単結合、-NHCO-、-NHSO2-、-CO-、又は-SO2-。
【0079】
-E:-H;ハロゲン;-OH;-O-RZ;-O-CO-RZ;1つ若しくは2つのRZで置換されていてもよいアミノ;-RZ;シアノ;それぞれ置換されていてもよいアリール、シクロアルキル、芳香族ヘテロ環若しくは非芳香族ヘテロ環。
【0080】
但し、一般式(VI)で示される基として、-CH2-(非芳香族ヘテロ環)、-CH=(非芳香族ヘテロ環)を除き(但し、いずれも、該非芳香族ヘテロ環の炭素原子でメチンに置換しているものに限る);
Ar1がそれぞれ置換されていてもよいアリール若しくは単環芳香族ヘテロ環である場合には、さらに、-A-及び-B-が単結合であり、-C-が単結合若しくはハロゲン及び-OHからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよいエチレン若しくはビニレンであり、-D-が-CO-である基;-A-及び-B-が単結合であり、-C-が単結合若しくはハロゲン及び-OHからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよいエチレン若しくはビニレンであり、-D-が-SO2-であり、-Eが1つ若しくは2つのRZで置換されていてもよいアミノである基;-A-及び-B-が単結合であり、-C-が単結合若しくはハロゲン及び-OHからなる群より選択される1以上の基でそれぞれ置換されていてもよいエチレン若しくはビニレンであり、-D-が単結合であり、-Eがそれぞれ置換されていてもよいアリール、部分的に水素化されていない単環芳香族ヘテロ環、若しくは部分的に水素化されていない単環芳香族ヘテロ環と縮合している環の1価基である基;-A-が単結合であり、-B-が-CO-である基;-A-、-B-、-C-及び-D-が単結合であり、-Eがそれぞれ置換されていてもよいアリール、部分的に水素化されていない単環芳香族ヘテロ環、若しくは部分的に水素化されていない単環芳香族ヘテロ環と縮合している環の1価基である基;を除く。]
なお、-A-における「環状アミンジイル(但し、窒素原子で置換しているものに限る)」とは、縮合環及びスピロ環を含み、少なくとも1つの窒素原子を有し、さらに窒素、酸素、硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有していてもよい環員数3〜8(縮合環又はスピロ環の場合、環員数は5〜15)の芳香族若しくは非芳香族環状アミンの2価基を意味し、少なくとも1つ有する窒素原子が直接Ar1に置換している基を示す。具体的には例えば、アゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、アゼパン、ジアゼパン、N-メチルジアゼパン、モルホリン、チオモルホリン、イソインドリン、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン、1-オキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン、1-オキサ-8-アザスピロ[4,5]ウンデカン等の2価基が挙げられる。
【0081】
-A-における「置換されていてもよい環状アミンジイル」及び、-Eにおける「それぞれ置換されていてもよいアリール、シクロアルキル、芳香族ヘテロ環若しくは非芳香族ヘテロ環」において許容される置換基としては、上記(a)乃至(h)に示される基、及び上記(a)乃至(g)に示される基で置換されていてもよい低級アルキリデンが挙げられる。
【0082】
一般式(I)又は(V)で示される本発明の化合物には、置換基の種類によっては、不斉炭素原子を含む場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものをすべて包含する。また、本発明化合物は互変異性体が存在する場合があるが、本発明にはこれらの異性体の分離したもの、あるいは混合物が含有される。このような互変異性体として、例えば2-ヒドロキシピリジンと2-ピリドン間の互変異性体が挙げられる。また、ラベル体、即ち、本発明化合物の1つ以上の原子を放射性同位元素若しくは非放射性同位元素で置換した化合物も本発明に包含される。
【0083】
また、本発明の化合物は、塩を形成する場合もあり、かかる塩が製薬学的に許容されうる塩である限りにおいて本発明に包含される。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸などの有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属を含む無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明は本発明化合物及びその製薬学上許容される塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形を有する物質も包含する。なお、本発明化合物には、生体内において代謝されて前記一般式(I)又は(V)を有する化合物又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて包含される。本発明のプロドラッグを形成する基としては、Prog. Med. 5:2157-2161(1985)に記載されている基や、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻 分子設計163-198ページに記載されている基が挙げられる。
【0084】
製造法
本発明化合物及びその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。以下に代表的な製法を例示する。なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えば水酸基やカルボキシル基、アミノ基などを挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis (third edition)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
【0085】
(第1製法)
【化7】

【0086】
(式中、R1、R2、Ar1は前記と同様の意味を示す。以下同様。)
本製法は、化合物(1e)又はその反応性誘導体と、化合物(1d)又はその塩とを、常法によりアミド化し、必要により保護基を除去することにより、本発明化合物(I)又は(V)を製造する方法である。
【0087】
化合物(1e)の反応性誘導体としては、メチルエステル、エチルエステル、tert-ブチルエステルなどの通常のエステル;酸クロライド、酸ブロマイドの如き酸ハライド;酸アジド;N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、p-ニトロフェノールやN-ヒドロキシスクシンイミド等との活性エステル;対称型酸無水物;アルキル炭酸、p-トルエンスルホン酸などとの混合酸無水物等が挙げられる。
【0088】
また、化合物(1e)を遊離酸で反応させるとき、あるいは活性エステルや酸ハライドを単離せずに反応させるときなどは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ジエチルホスホリルシアニドや1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)などの縮合剤、ピリジン溶媒中オキシ塩化リンを用いて反応させるのが好適である。
【0089】
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤によっても異なるが、通常ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却乃至室温下あるいは室温乃至加熱下に行われる。
【0090】
なお、反応に際して、化合物(1e)を過剰に用いたり、N-メチルモルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの塩基の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、ピリジン塩酸塩、ピリジン p-トルエンスルホン酸塩、N,N-ジメチルアニリン塩酸塩などの弱塩基と強酸からなる塩を用いてもよい。ピリジンは溶媒とすることもできる。
【0091】
特に、アセトニトリル、DMF等の溶媒中、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン等の塩基を用いて、又はピリジンを溶媒として用いて反応させるのが好適である。
【0092】
この反応に用いられる原料化合物(1d)は、化合物(1a)の5位をハロゲン化することにより化合物(1b)を合成し、次いで化合物(1c)を作用させることにより製造できる(必要なら任意の段階で保護基を除去する)。なお、化合物(1b)は単離することなく次の反応に用いることもできる。
【0093】
ハロゲン化の工程で用いられるハロゲン化剤としては、芳香環上水素のハロゲン置換反応に通常用いられるハロゲン化剤であればいずれでもよく、塩素、臭素などのハロゲン単体や、ジオキサンジブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド、ピロリドンヒドロトリブロミドなどのピリジン、α-ピロリドン、4級アンモニウム、ジオキサン等の過臭化物等が好適に用いられるが、N-ブロモコハク酸イミドやN-クロロコハク酸イミド等のイミド系ハロゲン化剤、塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素酸、臭化銅(II)、塩化銅(II)等のハロゲン化銅(II)等の金属試薬を用いることもできる。
【0094】
ハロゲン化剤としてハロゲン単体若しくは過臭化物を用いる場合は、ハロゲン化炭化水素類;エーテル類;メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、2-プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;芳香族炭化水素類;酢酸;酢酸エチル(EtOAc)等のエステル類などの反応に不活性な有機溶媒中において化合物(1a)に作用させればよい。このとき、必要により少量のハロゲン化水素などの触媒の存在下で行ってもよく、反応温度は-30 ℃乃至使用する溶媒の還流温度で行うのが好ましい。
【0095】
ハロゲン化剤として、ハロゲン化水素を用いる場合には、その酸性溶液若しくは水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液中において化合物(1a)に作用させることにより行うことができ、このときの反応温度は-30 ℃乃至使用する溶媒の還流温度で行うのが好ましい。また、金属試薬を用いる反応は、通常、化合物(1a)をハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、酢酸、エステル類などの反応に不活性な有機溶媒又は水又はこれらの混合溶媒に溶解し試薬を作用させ、必要により少量のハロゲン化水素などの触媒の存在下で、室温乃至加熱下に実施するのが有利である。
【0096】
このようにして得られた化合物(1b)に対し、DMF、N-メチル-2-ピロリドン、DMSO等の非プロトン性極性溶媒、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、芳香族炭化水素類などの反応に不活性な有機溶媒又は水又はこれらの混合溶媒中、化合物(1c)を作用させることにより、化合物(1d)が合成される。このときの反応温度は室温乃至使用する溶媒の還流温度で行うのが好ましい。
【0097】
なお、反応に際して、化合物(1c)を過剰に用いたり、N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの塩基の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
【0098】
(第2製法)
【化8】

【0099】
本製法は、第1製法に示した方法で合成される化合物(1b)と化合物(1e)又はその反応性誘導体とを常法によりアミド化し、化合物(2a)を合成し、次いで化合物(1c)を作用させ、必要により保護基を除去することにより、本発明化合物(I)又は(V)を製造する方法である。
【0100】
いずれの工程も第1製法に示した方法を適用することができる。
【0101】
さらに、式(I)又は式(V)で示されるいくつかの化合物は、以上のように得られた化合物から公知のアルキル化、アシル化、置換反応、酸化、還元、加水分解等、当業者が通常採用しうる工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。
【0102】
このようにして製造された本発明化合物は、遊離のまま、又は常法による造塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
【0103】
各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用して常法により単離できる。例えばラセミ混合物は、例えば酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法などの一般的なラセミ体分割法により、光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオ混合物は、例えば分別結晶化又は各種クロマトグラフィーなどにより分離できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
【0104】
本発明化合物の薬理作用は以下の試験により確認された。
【0105】
(i)ヒトc-mpl-Ba/F3細胞増殖試験
96ウェルマイクロプレートに、2×105 cells/mlのヒトc-mpl-Ba/F3細胞を、各濃度の被験化合物を添加した10%牛胎児血清含有RPMI1640培地(100 μl/ウェル)にて37 ℃で培養した。培養開始24時間後にWST-1/1-methoxy PMS(細胞計測キット,同仁)の10 μl/ウェルを添加した。添加直後及び2時間後にA450/A650の吸光度をマイクロプレートリーダー(Model 3350: Bio-Rad)にて測定し、2時間での吸光度の増加を各被験化合物の増殖活性とした。その結果を表1に示す。
【0106】
なお、表中の語句は以下の意味を示す。
【0107】
pot.:実施例9の化合物(実施例9の化合物及びrhTPOにおいてはrhTPO)の最大細胞増殖活性値の30%の細胞増殖を促進する被験化合物濃度。
【0108】
Efficacy:実施例9の化合物(実施例9の化合物及びrhTPOにおいてはrhTPO)の最大細胞増殖活性値を100%としたときの被験化合物の最大細胞増殖活性値。
【表1】


【0109】
表中、比較化合物1とは、上記特許文献7記載の化合物番号A-1の化合物であり、比較化合物2とは、上記特許文献8記載の化合物番号A-14の化合物であり、比較化合物3とは、上記特許文献8記載の化合物番号J-14の化合物である。比較化合物1〜3の構造を以下に示す。
【化9】

【0110】
上記の結果より、本発明化合物がヒトc-Mplを介したBa/F3細胞増殖作用を有することが確認された。
【0111】
(ii)巨核球コロニー形成促進作用測定試験
ヒトCD34+細胞をMegaCultTM-C(StemCell Technologies社)を用いて2 well chamberスライドにて被験物質存在下で10-14日間、37 ℃で培養した。添付の説明書に従って、脱水、固定した後、抗glycoprotein IIb/IIIa抗体にて染色した。染色された巨核球細胞の3個以上の集団を1コロニーとし、1 wellあたりのコロニー数を顕鏡にて測定した。各被験化合物のEC30値を用量曲線より算出した。
【0112】
その結果、実施例9の化合物のEC30値は12 nM、実施例66の化合物のEC30値は47 nM、実施例250の化合物のEC30値は26 nMであった。
【0113】
以上の結果、本発明化合物は優れた巨核球コロニー形成促進作用を有することが確認された。
【0114】
(iii)マウス経口投与試験
雄性ICRマウスに、0.5%メチルセルロース水溶液にて溶解若しくは懸濁させた被験化合物を、100 mg/kg又は10 mg/kgを経口投与した。投与2時間後に、腹部下大静脈より1/10容3.8%クエン酸ナトリウムを抗凝固剤として採血した。12,000 rpmで3分間遠心分離して得られた血漿を56 ℃で30分間加温したものを(i)記載のヒトc-mpl-Ba/F3細胞増殖試験の系に最終濃度10%血漿になるように添加し、細胞増殖活性を測定した。各被験化合物の最大の細胞増殖活性を100%としたときの各血漿の細胞増殖活性(%)を求めた。その結果を表2に示す。
【表2】

【0115】
上記の結果より、本発明化合物がマウスにて経口活性を有することが確認された。特に、比較化合物では、100 mg/kgにおいても経口活性を示さなかったのにもかかわらず、本発明化合物では、10 mg/kgにおいても良好な経口活性を有することが見出されたことは極めて意外であり、これはチアゾール5位の直接結合する窒素原子の導入により達成されたものと考えられる。なお、比較化合物2及び比較化合物3では、実施例化合物と同じ投与量(10 mg/kg p.o.)においても細胞増殖活性は<10%であった。
【0116】
また、ヒト造血幹細胞を移植後、ヒト血小板産生が認められたマウスに対し、本発明化合物を投与することにより、血小板増多活性が認められることが確認された。
【0117】
本発明の医薬は、一般式(I)又は(V)で示される本発明化合物の1種又は2種以上と、通常製剤化に用いられる、薬剤用担体、賦形剤、その他添加剤を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、静注、筋注等の注射剤、又は座剤、経鼻、経粘膜、経皮などによる非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0118】
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の活性物質が、少なくとも1種の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性のフィルムで被覆してもよい。
【0119】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0120】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、例えばラクトースのような安定剤、例えばグルタミン酸やアスパラギン酸のような溶解補助剤等のような補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0121】
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重あたり約0.0001〜50 mg/kg、好ましくは約0.001〜10 mg/kgが適当で、さらに好ましくは0.01〜1 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2乃至4回に分けて投与する。静脈投与される場合は、1日の投与量は体重あたり約0.0001〜1 mg/kg、好ましくは約0.0001〜0.1 mg/kgが適当で、1日1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
【実施例】
【0122】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例において使用される原料化合物には新規な物質も含まれており、そのような原料化合物の公知物からの製造法を参考例として説明する。
【0123】
参考例1
4-クロロ-2-アセチルチオフェン4.18 g、ジエチルエーテル30 mlの溶液に氷冷下にて臭素1.5 mlを加え、室温にて2時間攪拌した。反応液に水を加え分液し、得られる有機層を飽和食塩水(brine)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去しブロム体を得た。ブロム体のEtOH 30 mlの溶液に室温でチオ尿素2.1 gを加え、80 ℃にて一晩攪拌した。析出する固体をろ過し得られる溶液を減圧留去しクロロホルムを加えた後、炭酸カリウム水溶液(aq)、brineで有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をヘキサン:EtOAc=1:1の溶液で洗浄し、2.57 gの2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾールを得た。
【0124】
上記参考例1の方法と同様にして表3に示す参考例2〜8を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0125】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
【0126】
Rf:参考例番号、
Data:物理学的データ(MS:FAB-MS(M+H)+;MN:FAB-MS(M-H)-;MM:FAB-MS(M)+;NMR:(CH3)4Siを内部標準とし、特に記載がない場合はDMSO-d6を測定溶媒とする1H-NMRにおけるピークのδ(ppm))、
structure:化学構造、
R1、R2、Ar:一般式中の置換基(Me:メチル、Et:エチル、nPr:ノルマルプロピル、nBu:ノルマルブチル、tBu:ターシャリーブチル、cHex:シクロヘキシル、cHep:シクロヘプチル、allyl:アリル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、cyano:シアノ、Ac:アセチル、Boc:tert-ブチルオキシカルボニル、Fur:フラニル、The:チエニル、azet:アゼチジン-1-イル、pyrr:ピロリジン-1-イルpipe:ピペリジン-1-イル、pipa:ピペラジン-1-イル、mor:モルホリン-4-イル、tmor:チオモルホリン-4-イル、imid:イミダゾール-1-イル、TBS:ターシャリーブチルジメチルシリル。置換基の前の数字は置換位置を示し、従って、例えば5-Cl-3-Theは5-クロロチオフェン-3-イルを、4-cHex-pipaは4-シクロヘキシルピペラジン-1-イルを示す)、
を示す。
【表3】

【0127】
参考例9
2-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール6.0 g、THF 100 mlの溶液に臭素1.60 mlを滴下し、室温にて90分間攪拌した。反応液を留去後、DMF 100 ml、1-シクロヘキシルピペラジン10.4 g、トリエチルアミン17.2 mlを加え90 ℃にて31時間攪拌した。反応液を減圧留去し飽和NaHCO3 aqを加えた後、クロロホルムにて抽出、brineで有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム-MeOH=100:1〜100:3)にて精製し、11.26 gの2-アミノ-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾールを得た。
【0128】
上記参考例9の方法と同様にして表4に示す参考例10〜40を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0129】
参考例41
参考例1の化合物0.5 g、DMF 5 mlの溶液に氷冷下にてN-ブロモスクシンイミド0.45 gを加え、同温にて50分間攪拌した。反応液にシクロヘキシルピペラジン0.6 g、トリエチルアミン0.6 mlを順に加え、70℃にて3日間攪拌した。反応液を減圧留去しクロロホルムを加えた後、炭酸カリウムaq、brineで有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−EtOAc=1:1)にて精製し、300 mgの2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾールを得た。
【0130】
上記参考例41の方法と同様にして表4に示す参考例42〜71を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【表4】



【0131】
参考例72
参考例69の化合物830 mgのTHF 10 ml、EtOH 2 ml溶液に1M NaOH aq 6 ml加え、室温で1晩攪拌した。溶媒を留去したのち水を加えジエチルエーテルにて抽出した。残った水層に1M HCl aqを6.5 ml加え、生じた沈殿を濾取し減圧下乾燥し、1-[2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-5-イル]ピペリジン-3-カルボン酸726 mgを得た。
【0132】
上記参考例72の方法と同様にして表5に示す参考例73を、対応する原料を使用して製造した。
【表5】

【0133】
参考例74
参考例72の化合物683 mgのDMF 20ml溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)359 mg、WSC・HCl 506 mg、ジメチルアミン塩酸塩432 mg、トリエチルアミン1.11 mlを加え室温で一晩攪拌した。減圧下溶媒を留去したのち飽和NaHCO3 aqを加え、生じた沈殿物を濾取した。このものをクロロホルムに溶解し、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムで抽出した。MgSO4で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をクロロホルム:MeOH(100:1〜50:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し1-[2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-5-イル]-N,N-ジメチルピペリジン-3-カルボキサミド628 mgを得た。
【0134】
上記参考例74の方法と同様にして表6に示す参考例75を、対応する原料を使用して製造した。
【表6】

【0135】
参考例76
参考例74の化合物608 mgのTHF 10ml溶液をLAH 143mgのTHF 10ml懸濁液に加え、1晩加熱還流した。室温まで冷却し、水0.14 ml、2M NaOH aq 0.14 ml、水0.42 mlを加えた。生じた沈殿を濾去し、減圧下溶媒を留去し得られた得られた残渣をクロロホルム:MeOH(20:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]ピペリジン-1-イル}チアゾール156mgを得た。
【0136】
上記参考例76の方法と同様にして表7に示す参考例77を、対応する原料を使用して製造した。
【表7】

【0137】
参考例78
3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸 メチルエステル2.50 g、DMF 25 ml溶液に炭酸カリウム2.78 g、2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチルブロミド4.31 mlを加え50 ℃で15時間加熱攪拌した。反応液を留去しEtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−EtOAc=10:1〜5:1)にて精製し、4.88 gの4-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]-3-クロロ安息香酸 メチルエステルを得た。
【0138】
上記参考例78の方法と同様にして表8に示す参考例79〜89を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0139】
参考例90
3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸 メチルエステル1.5 g、THF 20 mlの溶液に、1-tert-ブトキシ-2-プロパノール1.8 ml、トリフェニルホスフィン3.16 g、ジエチルアゾジカルボキシレート1.9 mlを加え、室温下1時間攪拌した。反応液を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−EtOAc=100:1〜5:1)にて精製し、2.3 gの4-(1-tert-ブトキシ-2-プロポキシ)-3-クロロ安息香酸 メチルエステルを得た。
【0140】
上記参考例90の方法と同様にして表8に示す参考例91〜93を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0141】
参考例94
6-キノリンカルボン酸4.0 gをMeOH 30 mlに縣濁させ、氷冷下にて濃硫酸2.0 mlを加え、70℃にて22時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し水を加え、炭酸カリウムで中和することで析出する固体をろ過、乾燥することで6-キノリンカルボン酸 メチルエステル4.28 gを得た。得られたエステル体0.5 gをホルムアミド5 mlに溶解させ、室温にて濃硫酸0.15 ml、硫酸鉄7水和物0.05 g、31%過酸化水素水0.4 mlを順に加え、80 ℃にて50分間攪拌した。反応液に水を加え、炭酸カリウムでアルカリ性にした。10% MeOH-クロロホルムを加え、不溶物をセライトろ過した。得られたろ液を分液し、得られる有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することによって得られる残留物をEtOHで洗浄することによって6-メトキシカルボニル-2-キノリンカルボキサミドを0.15 gを得た。
【0142】
参考例95
5-メチルピラゾール-3-カルボン酸 エチルエステル1.96 g、DMF 40 ml溶液に炭酸カリウム2.64 g、3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロピルブロミド3.53 mlを加え50 ℃で18時間加熱攪拌した。反応液を留去しEtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−EtOAc=15:1〜5:1)にて精製し、1.39 gの1-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ]-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸 エチルエステルを得た。
【0143】
参考例96
3-クロロ-4-ホルミル安息香酸 メチルエステル0.50 g、塩化メチレン10 ml溶液に酢酸0.5 ml、2-メトキシエチルアミン0.3 ml、トリアセトキシボロヒドリド0.85 gを加え室温で1日間攪拌した。反応液に水を加え、炭酸カリウムで中和後、EtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去することによって、ベンジルアミン体を得た。
【0144】
ベンジルアミン体のTHF 10 ml溶液にジ-tert-ブチルジカーボネート0.70 gを加え室温で一晩攪拌した。反応液を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン-EtOAc=10:1〜8:1)にて精製し、0.87 gのN-(2-クロロ-4-メトキシカルボニルベンジル)-N-(2-メトキシエチル)カルバミン酸 tert-ブチルエステルを得た。
【0145】
上記参考例96の方法と同様にして表8に示す参考例97を、対応する原料を使用して製造した。
【0146】
参考例98
3,4,5-トリフルオロ安息香酸1.52 g、ジクロロメタン15 ml溶液に、氷冷下塩化オキザリル0.92 mlを加え、同温にて30分間、さらに室温にて80分間攪拌した。DMFを数滴加えた後、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣に氷冷下ピリジン20 ml、2-tert-ブトキシエタノール3.40 ml、DMAPスパチュラ1杯を加え、室温下1晩攪拌した。反応液を減圧留去後、飽和NaHCO3 aqを加え、EtOAcで抽出し、水、brineにて洗浄後、MgSO4で乾燥した。減圧下溶媒を留去し、粗製の3,4,5-トリフルオロ安息香酸 2-tert-ブトキシエチルエステルを2.10g得た。tert-ブトキシカリウム1.03 gのTHF 15 ml溶液に氷冷下2-tert-ブトキシエタノール1.50 mlを加え、そのまま40分間攪拌した。反応液を-78 ℃に冷却し、粗製の3,4,5-トリフルオロ安息香酸 2-tert-ブトキシエチルエステル2.10 gのTHF 5 ml溶液を加え、氷冷下1時間、室温で30分間攪拌した。飽和塩化アンモニウムaqを加え、EtOAcで抽出し、水、brineにて洗浄後、MgSO4で乾燥した。減圧下溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン-EtOAc=100:1〜20:1)にて精製し、2.24 gの4-(2-tert-ブトキシエトキシ)-3,5-ジフルオロ安息香酸 2-tert-ブトキシエチルエステルを得た。
【0147】
参考例99
3-クロロ-4-フルオロ安息香酸 tert-ブチルエステル1.15 g、DMSO 20 ml溶液に炭酸カリウム1.3 g、イソニペコチン酸エチル1.4 gを加え80 ℃で2日間加熱攪拌した。反応液にEtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−EtOAc=20:1〜10:1)にて精製し、1.42 gのN-(4-tert-ブトキシカルボニル-2-クロロフェニル)イソニペコチン酸 エチルエステルを得た。
【0148】
上記参考例99の方法と同様にして表8に示す参考例100〜108を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0149】
参考例109
3-クロロ-4-(4-ヒドロキシピペリジノ)安息香酸 メチルエステル0.70 g、塩化メチレン15 ml溶液に2,6-ルチジン1.5 ml、tert-ブチルジメチルシリルトリフレート2.7 gを加え室温で2週間攪拌した。反応液にEtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン-EtOAc=50:1)にて精製し、0.93 gの4-(4-tert-ブチルジメチルシリルオキシピペリジノ)-3-クロロ安息香酸 メチルエステルを得た。
【0150】
参考例110
1-(4-エトキシカルボニル-2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド1.50 g、THF 20 ml溶液に-78 ℃でトリエチルアミン2.0 ml、トリフルオロ酢酸無水物0.9 mlを加え室温で6時間攪拌した。反応液を留去しEtOAcを加え、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン-EtOAc=5:1〜4:1)にて精製し、1.43 gの4-(4-シアノピペリジノ)-3-フルオロ安息香酸エチルを得た。
【0151】
参考例111
N-(4-tert-ブトキシカルボニル-2-フルオロフェニル)イソニペコチン酸 エチルエステル 0.50 g、DMF 5 ml溶液にN-クロロスクシンイミド0.21 gを加え室温で1日間攪拌した。反応液を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン-EtOAc=5:1〜1:1)にて精製し、0.51 gのN-(4-tert-ブトキシカルボニル-2-クロロ-6-フルオロフェニル)イソニペコチン酸 エチルエステルを得た。
【0152】
上記参考例111の方法と同様にして表8に示す参考例112〜113を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【表8】




【0153】
参考例114
参考例78の化合物2.16 g、MeOH 20 ml-THF 15 ml溶液に1M NaOH aq 7.5 mlを加え、室温にて3日間攪拌した。反応液を留去し、5%硫酸水素カリウムaqを加え酸性にした後、クロロホルム-2-プロパノール(3:1)にて抽出した。有機層をbrineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し、4-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]-3-クロロ安息香酸1.17 gを得た。
【0154】
上記参考例114の方法と同様にして表9に示す参考例115〜138を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
【0155】
参考例139
3,4,5-トリフルオロベンゾイルクロリド1.56 gに、2-メトキシエタノール6.32 ml、炭酸セシウム6.53 gを加え、100 ℃にて20時間攪拌した。反応液にTHF 50 mlを加え、濾過、濾液を留去し、無色固体4.36 gを得た。このものをTHF 15 mlに溶解し、2-メトキシエタノール3.16 ml、カリウム tert-ブトキシド1.35 gを加え、室温にて4日間攪拌した。反応液に5%硫酸水素カリウムaqを加えた後、EtOAcにて抽出し、有機層をbrineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し、3,5-ジフルオロ-4-(2-メトキシエトキシ)安息香酸1.76 gを得た。
【0156】
参考例140
参考例94の化合物0.3 gをTHF-MeOH混合溶媒10 ml(1:1)に縣濁させ、室温にて1M NaOH aq 1.5 mlを加え、同温にて3日間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、水を加え1M HCl aq 1.5 mlで中和することによって得られる固体をろ過、乾燥することで2-カルバモイルキノリン-6-カルボン酸0.29 gを得た。
【0157】
参考例141
参考例130の化合物410 mg、ピリジン10 ml溶液に無水酢酸0.24 mlを加え室温で15時間攪拌した。反応液を留去しEtOAcを加え、1M HCl aq、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム-MeOH=100:1〜50:1)にて精製し、351 mgの4-[2-(アセチルオキシ)エトキシ]-3-メチル安息香酸を得た。
【0158】
上記参考例141の方法と同様にして表9に示す参考例142を、対応する原料を使用して製造した。
【0159】
参考例143
2-クロロイソニコチン酸2.00 gに、エチレングリコール15 ml、カリウム tert-ブトキシド4.28 gを加え、150 ℃にて6日間攪拌した。反応液を5%硫酸水素カリウムaqにあけた後、EtOAcにて抽出し、有機層をbrineにて洗浄後、MgSO4で乾燥、溶媒を留去し、2-(2-ヒドロキシエトキシ)イソニコチン酸0.54 gを得た。
【0160】
参考例144
1-{4-[(アリルオキシ)カルボニル]フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル4.74 gのTHF 75 ml溶液にモルホリン2.10 ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム390 mgを加え、60 ℃で1.5時間攪拌した。減圧下溶媒を留去したのちEtOAcを加え、飽和NaHCO3 aqで3回洗浄した。集めた飽和NaHCO3 aqに濃HCl を加え、生じた沈殿を濾取し減圧下乾燥し、4-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]安息香酸2.73 gを得た。
【0161】
上記参考例144の方法と同様にして表9に示す参考例145を、対応する原料を使用して製造した。
【0162】
参考例146
参考例99の化合物1.42 gを塩化メチレン5 mlに溶解させ、氷冷下にてトリフルオロ酢酸5 mlを加え、室温にて1日間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、水を加えNaOH aqで中和することによって得られる固体をろ過、乾燥することで3-クロロ-4-(4-エトキシカルボニルピペリジノ)安息香酸1.16 gを得た。
【0163】
上記参考例146の方法と同様にして表9に示す参考例147を、対応する原料を使用して製造した。
【0164】
参考例148
参考例144の化合物1.12 gのDMF 20 ml溶液にN-ブロモスクシンイミド775 mgを加え、室温で70分間、50 ℃で2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去したのち水を加え生じた沈殿を濾取した。飽和NaHCO3 aq、EtOAc、HCl を加えた後クロロホルムで抽出し、MgSO4で乾燥した。減圧下溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム-メタノール=100:1〜30:1)にて精製し、3-ブロモ-4-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]安息香酸1.29 gを得た。
【表9】





【0165】
参考例149
参考例9の化合物2.00 g、4-ホルミル安息香酸1.14 g、DMF 30 mlの溶液に、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)992 mg、WSC・HCl 1.39 gを加え室温で一晩攪拌した。反応液を減圧留去後、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムで抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をクロロホルム:MeOH(100:1〜30:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びヘキサン:EtOAc(5:1〜1:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し1.32 gのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-ホルミルベンズアミドを得た。
【0166】
上記参考例149の方法と同様にして表10に示す参考例150を、対応する原料を使用して製造した。
【表10】


【0167】
実施例1
参考例9の化合物300 mg、ピリジン5 mlの溶液に氷冷下で4-シアノベンゾイルクロリド280 mgを加え、室温に昇温後3日間攪拌しその後50 ℃で1日間攪拌した。反応液を減圧留去しクロロホルムを加えた後、飽和NaHCO3 aq、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をEtOAcから再結晶することで230 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-シアノベンズアミドを得た。この化合物80 mgのEtOAc 5 ml溶液に、0.4M HCl-EtOAc溶液を0.4 ml加え一晩攪拌した後ろ過し、57 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-シアノベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0168】
実施例2
参考例24の化合物500 mg、DMF 10 ml溶液に、2-メトキシイソニコチン酸300 mg、WSC・HCl 376 mg、HOBt 265 mgを加え、室温にて4日間攪拌した。反応液を留去、EtOAcを加え、飽和NaHCO3 aq、brineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc=8:1〜2:1)にて精製、このものをEtOAc 10 mlに溶解し、0.4M HCl-EtOAc溶液を0.46 ml加えしばらく攪拌した後、析出物を濾取、72 mgのN-[4-(5-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0169】
実施例3
参考例28の化合物342 mg、DMF 10 ml溶液に、2-メトキシイソニコチン酸306 mg、WSC・HCl 383 mg、HOBt 270 mg、4-(ジメチルアミノ)ピリジン244 mgを加え、50 ℃にて3日間攪拌した。反応液を留去、EtOAcを加え、飽和NaHCO3 aq、brineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc=8:1)にて精製、このものをEtOAc 30 mlに溶解し、0.1M HCl-EtOAc溶液を4.1 ml加えしばらく攪拌した後、析出物を濾取、120 mgのN-[4-(5-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-プロピルピペリジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0170】
実施例4
参考例78の化合物1.72 g、MeOH 17 ml-THF 10 mlの混合溶媒の溶液に1M NaOH aq 6 mlを加え、室温にて3日間攪拌した。反応液に1M HCl aq 5.5 mlを加えた後、溶媒を減圧留去し、4-[2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]-3-クロロ安息香酸の粗生成物を得た。このものに参考例78の化合物720 mg、DMF 20 ml、WSC・HCl 959 mg、HOBt 676 mg、4-(ジメチルアミノ)ピリジン611 mgを加え、50 ℃にて22時間、90 ℃にて20時間攪拌した。反応液を留去し、飽和NaHCO3 aqを加えた後、EtOAcにて抽出し、有機層を、飽和NaHCO3 aq、brineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をクロロホルム-MeOH(100:1〜10:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びヘキサン:EtOAc(2:1〜1:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製、3-クロロ-4-{2-[3-クロロ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゾイルオキシ]エトキシ}-N-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]ベンズアミド38 mgを得た。このものに、MeOH 0.5 ml、THF 1 ml、1M NaOH aq 225 μlを加え、室温にて5日間攪拌した。反応液にEtOAcを加えた後、飽和NaHCO3 aq、brineにて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:0〜100:2)にて精製、このものをEtOAc 5 mlに溶解し、0.1M HCl-EtOAc溶液を1.0 mlを加えしばらく攪拌した後、析出物を濾取、18 mgの3-クロロ-N-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0171】
実施例5
参考例41の化合物1.0 g、ピリジン30 mlの溶液に、5,6-ジクロロニコチン酸602 mgを加え、-25 ℃においてオキシ塩化リン0.27 mlを加え、室温に昇温後4時間攪拌した。反応液を減圧留去し、水、炭酸カリウムを加えた後、クロロホルムにて抽出、有機層をbrineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc=200:1〜100:1)にて精製し、1.21 gの5,6-ジクロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ニコチンアミドを得た。
【0172】
実施例6
実施例246の化合物100 mgのEtOH 5 ml溶液に、4M HCl-EtOAc溶液を0.2 ml加え、27時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えた後、飽和NaHCO3 aq、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:1〜5:1)にて精製、このものをMeOH 15 mlに溶解し、4M HCl-EtOAc溶液を10 ml加えしばらく攪拌した後、溶媒を減圧留去、ジエチルエーテルで洗浄し28 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-ヒドロキシニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0173】
実施例7
実施例233の化合物183 mgにトリフルオロ酢酸を5 ml加え40時間攪拌後、溶媒を減圧留去、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:1〜20:1)にて精製し、50 mgの3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(1-ヒドロキシ-2-プロポキシ)ベンズアミド トリフルオロ酢酸塩を得た。
【0174】
実施例8
実施例218の化合物0.34 gをMeOH 5 mlに縣濁させ、氷冷下にて濃HCl 1 mlを加え50℃で一晩攪拌した。反応液にさらに濃HCl 0.5 mlを加え、50℃にて5時間攪拌し、60 ℃にて一晩攪拌した。反応液を室温まで放冷し、析出する固体をろ過、乾燥することでN-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-3-フルオロ-4-ヒドロキシベンズアミド 塩酸塩0.33 gを得た。
【0175】
実施例9
実施例230の化合物187 mgをMeOH 10 mlに溶解し、濃HCl を3.5 ml加え18時間攪拌した後、析出物を濾過、ジエチルエーテルで洗浄し90 mgの3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0176】
実施例10
実施例101の化合物5.23 gのTHF 100 ml溶液に0 ℃にて、水素化トリブチルスズ17.0 gを加え、-78 ℃に冷却、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム670 mgを加え、徐々に室温まで昇温し1.5時間攪拌した。反応液に酢酸1.6 mlを加え、室温で15分間攪拌後、減圧下溶媒を留去、得られた残渣にヘキサンを加え、析出物を濾取、減圧下乾燥し4.30 gのN-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 酢酸塩を得た。
【0177】
実施例11
実施例136の化合物0.15 gをTHF 5.0 mlに溶解させ、-78 ℃にてブチルリチウム(1.55M)を計1.3 ml加え、同温にてのべ4時間半攪拌し、原料の消失を確認した。酢酸0.5 mlを加え反応を止め、室温まで昇温した。反応液に水を加え、炭酸カリウムでアルカリ性として、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を濃縮することによって得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによってN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド0.12 gを得た。得られた化合物をEtOAc 2 mlに溶解させ、氷冷下にて1M HCl-EtOAc溶液0.25 mlを加え、室温にて一晩攪拌した。析出する固体をろ過、乾燥することによってN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩98 mgを得た。
【0178】
実施例12
40%水素化ナトリウム48 mg、エチレングリコール1 mlの溶液に、室温下、実施例5の化合物100 mgを加え、50 ℃に昇温後4日間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えた後、飽和NaHCO3 aq、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=200:1〜20:1)にて精製、このものをEtOAc 5 mlに溶解し、0.1M HCl-EtOAc溶液を0.8 ml加えしばらく攪拌した後、溶媒を減圧留去、ジエチルエーテルで洗浄し、34 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(2-ヒドロキシエトキシ)ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0179】
実施例13
実施例5の化合物750 mg、THF 10 mlの溶液に、室温下イソニペコチン酸エチル2.1 mlを加え、50 ℃に昇温後5時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えた後、飽和NaHCO3 aq、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=200:1〜100:1)にて精製し、881 mgの1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
【0180】
実施例14
実施例10の化合物231 mg、ベンズアルデヒド80 μlを1,2-ジクロロエタン9 ml-酢酸3 mlに溶解し、0 ℃で酢酸水素化ホウ素ナトリウムを210 mgを加え、0℃で30分間、室温で30分間攪拌した。反応液に飽和NaHCO3 aq、1M NaOH aqを加え、アルカリ性にした後、クロロホルムにて抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣に酢酸5 ml、ベンズアルデヒド計160 μl、酢酸水素化ホウ素ナトリウムを計404 mgを加え、50 ℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に飽和NaHCO3 aqを加え、不溶物を濾取した。クロロホルムを加え溶解し、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムにて抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣にをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc=4:1)により精製した。このものをEtOAcに溶解後、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取、64 mgのN-[5-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0181】
実施例15
実施例243の化合物0.35 g、EtOAc 5 mlの溶液に、氷冷下4M HCl-EtOAcを加え、室温で1日間攪拌した。析出する固体をろ過することで345 mgの4-アミノメチル-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0182】
実施例16
実施例13の化合物30 mg、MeOH 1 mlの溶液に、室温下1M NaOH aq 0.12 mlを加え、24時間攪拌した。反応液を減圧留去後、得られた残渣をEtOAc 5 mlに溶解し、1M HCl aq 0.2 mlを加えしばらく攪拌した後、溶媒を減圧留去、ジエチルエーテルで洗浄し、20 mgの1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩を得た。
【0183】
実施例17
実施例143の化合物180 mg、DMF 5 ml懸濁液に1,1’-カルボニルジイミダゾール100 mgを加え、室温で4時間攪拌後、28%アンモニア水1 mlを加え、室温で1時間半攪拌した。反応液に水を加えクロロホルムにて抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去、得られた残渣をエタノールで洗浄した。このものをEtOHに懸濁後、1M HCl-EtOAc溶液0.35 mlを加え一晩攪拌し析出物を濾取、151 mgのN-[4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-カルバモイルメチルベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0184】
実施例18
実施例147の化合物138 mgに水3 ml、濃HCl 3 mlを加え80 ℃で17時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、沈殿を濾取し、水で洗浄、このものに1M NaOH aq、MeOH、ジエチルエーテルを加え、不溶物を濾去、得られた濾液をジエチルエーテル抽出後、水層に濃HClを加え、析出物を濾取、減圧下乾燥し101 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-[(3,4-ジオキソ-2-ヒドロキシシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ]ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0185】
実施例19
実施例198の化合物430 mgに水15 ml、濃HCl 15 mlを加え80 ℃で3.5時間攪拌した。反応液を0 ℃に冷却後、水50 ml加え、沈殿物を濾取、減圧下乾燥し101 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-2,3-ジヒドロキシキノキサリン-6-カルボキサミド 塩酸塩を得た。
【0186】
実施例20
参考例149の化合物100 mg、MeOH 5 mlの溶液に、0 ℃下水素化ホウ素ナトリウム24 mgを加え室温で1時間攪拌、DMF 2 mlを加え1時間攪拌、水素化ホウ素ナトリウム36 mgを加えさらに1時間攪拌した。反応液を1M HCl aqに注いだ後、飽和NaHCO3 aqにて溶液をアルカリ性にし、クロロホルムで抽出、有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:1〜20:1)にて精製し、このものをEtOAcに溶解後、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、73 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-ヒドロキシメチルベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0187】
実施例21
実施例141の化合物279 mg、トルエン10 ml懸濁液にアジ化トリブチルスズ1.81 gを加え、14時間加熱還流した。ジエチルエーテル、1M NaOH aq、EtOAc、濃HCl を加え、生じた沈殿を濾取、減圧下乾燥後、1M NaOH aq、MeOHを加え溶解し、ジエチルエーテルで洗浄した。0 ℃冷却下水層に濃HClを加え、析出物を濾取、138 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)ベンズアミドを得た。
【0188】
実施例22
実施例149の化合物0.15 gをTHF 10 mlに溶解させ、氷冷下にてトリエチルアミン0.1 ml、クロロ蟻酸メチル40 mgのTHF 2 ml溶液を順に加え、室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、水を加え、EtOAcで抽出した。得られる有機層をbrineで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を濃縮することによって得られる残留物をEtOAcから再結晶することによってN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(メトキシカルボニルアミノメチル)ベンズアミド0.12 gを得た。得られた化合物をEtOAc 5 mlに縣濁させ、氷冷下にて0.4M HCl-EtOAc溶液0.6 mlを加え一晩攪拌した。析出する固体をろ過、乾燥することによって115 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(メトキシカルボニルアミノメチル)ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0189】
実施例23
実施例149の化合物0.15 gをTHF 5 mlに縣濁させ、氷冷下にてトリエチルアミン0.2 ml、メタンスルホニルクロライド35 mgのTHF 2 ml溶液を順に加え、室温で3時間攪拌した。反応液を濃縮し、水を加え、EtOAcで抽出した。得られた有機層をbrineで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を濃縮することによって得られる残留物をEtOAc-ヘキサン混合溶媒から再結晶することによってN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(メタンスルフォニルアミノメチル)ベンズアミド0.12 gを得た。得られた化合物をEtOAc 5 mlに縣濁させ、氷冷下、1M HCl-EtOAc溶液0.2 mlを加え一晩攪拌した。析出する固体をろ過、乾燥することによって111 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-(メタンスルフォニルアミノメチル)ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0190】
実施例24
実施例168の化合物57 mg、ピリジン2 ml溶液に0 ℃において塩化オキソ酢酸メチル18 μlを加え、0 ℃から室温にて2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去後、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムにて抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム-MeOH=100:1)により精製した。このものにジイソプロピルエーテルを加え、析出物を濾取、19 mgのメチル N-(4-{[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}フェニル)オキサマートを得た。
【0191】
実施例25
実施例168の化合物71 mg、DMF 5 mlの懸濁液に、3-メトキシプロピオン酸71 mg、HOBt 120 mg、WSC・HCl 180 mgを加え、室温から50 ℃にてのべ29日間攪拌した。減圧下溶媒を留去後、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムにて抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:1〜50:1)にて精製した。さらにMeOH、1M HCl aqを加えた後、ODSカラムクロマトグラフィー(0.001M HCl aq-MeOH=2:1〜1:1)にて精製後、飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を留去、ジイソプロピルエーテルを加え、生じた析出物を濾取、20 mgのN-[5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-4-[(3-メトキシプロパノイル)アミノ]ベンズアミドを得た。
【0192】
実施例26
実施例83の化合物1.00 gの酢酸15 ml溶液に水酸化パラジウム-炭素(20重量%)を計886 mg加え、水素雰囲気下、のべ2日間攪拌した。反応液をセライト濾過後、酢酸を留去、得られた残渣に飽和NaHCO3 aqを加え、析出物を濾取、減圧下乾燥し505 mgのN-[4-(4-フルオロフェニル)-5-(ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミドを得た。
【0193】
実施例27
実施例26の化合物202 mg、炭酸カリウム207 mg、DMF 15 ml懸濁液に0 ℃下臭化アリル46 μlを加え、徐々に昇温、室温で一晩攪拌した。減圧下溶媒を留去後、水を加え、クロロホルムにて抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=300:0〜100:1)により精製した。このものをEtOAcに溶解し、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取、165 mgのN-[5-(4-アリルピペラジン-1-イル)-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0194】
実施例28
実施例56の化合物178 mgのクロロホルム4 ml溶液に氷冷下m-クロロ過安息香酸(mCPBA)90 mgを加え、室温で一晩攪拌した。MeOH、飽和NaHCO3 aq、クロロホルムを加え、不溶物を濾去したのち、クロロホルムで抽出した。MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=300:1〜100:1)により精製した。このものをEtOAcに懸濁し、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、N-[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(1-オキシドチオモルホリノ)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩39 mgを得た。
【0195】
実施例29
実施例75の化合物185 mgの酢酸4 ml溶液に過酸化水素水(30%) 100 μlを加え、室温で一晩攪拌した。飽和NaHCO3 aq、1M NaOH aq、1M HCl aqを加え、生じた沈殿を濾取した。このものにクロロホルム、MeOHを加え溶解したのち飽和NaHCO3 aqを加え、クロロホルムで抽出した。MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=300:1〜100:1)により精製した。このものをEtOAcに懸濁し、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、N-{4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-[4-(1-オキシドチオモルホリノ)ピペリジノ]チアゾール-2-イル}-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩47 mgを得た。
【0196】
実施例30
参考例41の化合物268 mg、ピリジン8 mlの溶液に、参考例127の化合物241 mgを加え、-25℃下オキシ塩化リン72 μlを加え、室温に昇温後1.5時間攪拌した。反応液を減圧留去し、水、炭酸カリウムを加えた後、クロロホルムにて抽出、有機層をbrineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=200:1〜100:1)にて精製し、このものをEtOAcに溶解後、0.1M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、137 mgの3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0197】
実施例31
実施例244の化合物132 mg、MeOH 5 mlの溶液に、炭酸カリウム61 mgを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧留去し、水を加えた後、クロロホルムにて抽出、有機層をbrineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=200:1〜50:1)にて精製し、このものをEtOAcに溶解後、0.1M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、77 mgのN-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0198】
実施例32
実施例56の化合物255 mgのクロロホルム10 ml溶液にmCPBA 303 mgを加え、室温で3日間攪拌した。MeOH、飽和NaHCO3 aq、クロロホルムを加え、不溶物を濾去したのち、クロロホルムで抽出した。MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=300:1)により精製した。このものをEtOAcに懸濁し、0.5M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取し、N-[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)チアゾール-2-イル]-2-メトキシイソニコチンアミド 塩酸塩130 mgを得た。
【0199】
実施例33
実施例210の化合物0.35 g、DMF 15 ml溶液に室温で、トリエチルアミン0.2 ml、ジフェニルフォスフィノフェロセン32 mg、酢酸パラジウム13 mgを加え、一酸化炭素雰囲気下70 ℃で一日間攪拌した。減圧下溶媒を留去後、水を加え、クロロホルムにて抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:0〜98:2)により精製した。このものをMeOH 5 mlに溶解し、4M HCl-EtOAc溶液0.1 mlを加え、析出物を濾取、102 mgのN-[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-2-メトキシカルボニルキノリン-6-カルボキサミド 塩酸塩を得た。
【0200】
実施例34
実施例213の化合物0.27 g、トリフルオロ酢酸10 ml溶液に室温で、ペンタメチルベンゼン0.36 gを加え、室温で6日間攪拌した。減圧下溶媒を留去後、水を加え、炭酸カリウムで中和した。クロロホルムにて抽出、有機層をMgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:0〜97:3)により精製した。このものをEtOAc 5 mlに溶解し、1M HCl-EtOAc溶液0.47 mlを加え、析出物を濾取、148 mgのN-[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-7-ヒドロキシキノリン-3-カルボキサミド 塩酸塩を得た。
【0201】
実施例35
実施例217の化合物0.30 g、MeOH 5 ml溶液に室温で、濃HCl 2.0 mlを加え、70 ℃で3日間攪拌した。室温まで放冷し、析出物を濾取、122 mgの4-アミノ-3-クロロ-N-[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]ベンズアミド 塩酸塩を得た。
【0202】
実施例36
実施例5の化合物350 mgに、DMF 5 ml、ピペリジン-4-イル酢酸 エチルエステル0.5 ml、トリエチルアミン1.0 mlを加え80℃にて8.5時間攪拌した。反応液を留去し、水40 mlを加え、クロロホルムにて抽出し、有機層をbrineで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去した。このものにEtOH 10 mlを加え溶解し、室温で1M NaOH aq 0.5 mlを加え室温にて2日間攪拌したのち、1M NaOH aq 0.5 mlを加え室温にて5時間攪拌した。反応液に室温で1M HCl aq 3 mlを加えしばらく攪拌し、析出した固体を濾過、乾燥することによって58 mgの[1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)-4-ピペリジル]酢酸 塩酸塩を得た。
【0203】
実施例37
実施例356の化合物272 mgに、THF 10 ml、1,4-ジオキサン10 ml、シアン酸カリウム50.5 mg、1M HCl 0.5 mlを加え、40 ℃で5時間、80 ℃で13時間攪拌した後、室温で1M HCl 2 mlを加え、80 ℃で10分間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に飽和NaHCO3 aq 40 mlを加え、クロロホルムで抽出し、有機層をbrineで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( クロロホルム-MeOH=5:1〜1:1)にて精製した。このものをMeOH 60 ml、クロロホルム80 ml、1,4-ジオキサン10 mlに溶解し、4M HCl-EtOAc 4 mlを加えしばらく攪拌したのち、溶媒を減圧留去、ジエチルエーテルで洗浄し、102 mgの4-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペラジン-1-カルボキサミド 塩酸塩を得た。
【0204】
実施例38
実施例331の化合物1.20 g、THF 40 mlの溶液に、トリエチルアミン1.29 mlを加え、氷冷下トリフルオロ酢酸無水物0.57 mlを加え、室温に昇温後3日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、飽和NaHCO3 aqを加えた後、クロロホルム-MeOH(7:3)にて抽出、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc=6:1〜1:1、ヘキサン-THF=1:1〜0:1)にて精製、このものをクロロホルムで洗浄し、882 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-シアノピペリジン-1-イル)ニコチンアミドを得た。
【0205】
このうち120 mgをTHF-MeOHに懸濁させ、0.1M HCl-EtOAc溶液を加え、溶媒を減圧留去、EtOH−ジエチルエーテルを加え析出物を濾取、106 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-シアノピペリジン-1-イル)ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0206】
実施例39
実施例16の化合物300 mg、THF 6 mlの溶液に、N-メチルモルホリン56 μlを加え、-15 ℃にてクロロぎ酸イソブチル60 μlを加え2時間攪拌した。このものにメタンスルホンアミド219 mg、THF 4 mlの溶液に、水素化ナトリウム74 mgを加え室温下2時間攪拌した懸濁液に加え、室温にて2時間、50 ℃にて20時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した固体をろ取、THFにて洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:0〜5:1)にて精製した。このものをEtOHに懸濁させ、0.4M HCl-EtOAc溶液を加え、析出物を濾取、119 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[4-(N-メタンスルフォニルカルバモイル)ピペリジン-1-イル]ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0207】
実施例40
実施例16の化合物300 mg、THF 6 mlの溶液に、N-メチルモルホリン56 μlを加え、-15 ℃にてクロロぎ酸イソブチル60 μlを加え1.5時間攪拌した。このものに、メタンスルホンアミド96 mg-THF 4 ml溶液、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン348 μlを加え室温下19時間、50℃にて2日間攪拌した。反応液に飽和NaHCO3 aqを加えた後、EtOAcにて抽出、brineで有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-THF=2:1〜0:1)にて精製後、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=100:0〜100:3)にて精製した。このものをクロロホルム-EtOHに溶解させ、0.1M HCl-EtOAc溶液を加え、溶媒を減圧留去、EtOH-ジエチルエーテルを加え析出物を濾取、30 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-(4-(3-[2-(メタンスルフォニルイミノ)アゼピン-1-イル]プロピルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル)ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0208】
実施例41
実施例16の化合物のTHF溶液(0.0856 mM)1.8 mlに、サルコシンエチルエステル 塩酸塩70 mg、PS-DCC(1.35 mmol/g)342 mg、HOBtのTHF溶液(0.77 mM)0.2 ml、トリエチルアミン60 μlを加え、室温で一晩攪拌した。反応液にTHF 2 ml、PS-イソシアナート(1.25 mmol/g)370 mg、PS-トリスアミン(3.75 mmol/g)205 mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=99:1〜97:3)で精製した。このものをEtOAc 2 mlに溶解し、室温で4M HCl-EtOAc1 mlを加え、15分間攪拌し、析出した固体を濾取した。このものをEtOH 2 mlに溶解し、室温で1M NaOH aq 0.2 mlを加え、50 ℃で160分攪拌したのち、室温で1M HCl aq 0.6 mlを加え一晩攪拌した後、析出した固体を濾取し、49 mgの[{[1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)-4-ピペラジル]カルボニル}(メチル)アミノ]酢酸 塩酸塩を得た。
【0209】
実施例42
実施例16の化合物のTHF溶液(0.0856 mM)1.8 mlに、モルホリン39 mg、PS-DCC(1.35 mmol/g)342 mg、HOBtのTHF溶液(0.77 mM)0.2 mlを加え、室温で一晩攪拌した。反応液にTHF 2 ml、PS-イソシアナート(1.25 mmol/g)370 mg、PS-トリスアミン(3.75 mmol/g)205 mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-MeOH=99:1〜97:3)で精製した。このものをEtOAc 2 mlに溶解し、室温で4M HCl-EtOAc 1 mlを加え、15分間攪拌し、析出した固体を濾取し、84 mgの5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]-6-[4-(モルホリノカルボニル)ピペリジノ]ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
【0210】
以下の表11〜21に、実施例化合物の構造と物理的性状を示す。なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
【0211】
Ex:実施例番号(Exの欄に実施例番号のみが記載されている場合、その化合物が塩酸塩であることを示し、実施例番号のあとに斜線(/)及び記号が記載されている場合、それぞれ、/AcOH:酢酸塩;/TFA:トリフルオロ酢酸塩;/free:フリー体;を示す)、
Syn:製造方法(数字はその番号を実施例番号として有する実施例と同様に合成したことを示す)、
RA, RB, RC, RD, RE, RF, RG, RH, RI:一般式中の置換基(nPen:ノルマルペンチル、cPen:シクロペンチル、vinyl:ビニル、naph:ナフチル、Ms:メタンスルホニル、oxo:オキソ、Py:ピリジル、pra:ピラゾール-3-イル、ttrz:テトラゾール-5-イル、bimid:ベンゾイミダゾール-1-イル、oxido:オキシド、di及びtri:それぞれジ及びトリ(2つ又は3つの該置換基が置換していることを示す)を示す。
【表11】


【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】


【表18】



【表19】


【表20】


【表21】


【0212】
以下の表22に、いくつかの実施例化合物のNMRデータを示す。
【表22】






【0213】
以下の表23〜33に、他の本発明化合物の構造を示す。これらは、上記の製造法や、実施例記載の方法、若しくは当業者にとって自明である方法、又はこれらの変法を用いることにより容易に製造することができる。
【0214】
なお、表中、Noは化合物番号を示し、RJ, RK, RL, RM, RN, RO, RP, RQ, RR, RS, RT, RAA, RBB, RCC, RDD, REE, RFF, RGGは一般式中の置換基を示す。従って、例えば表23において「(No:RJ) = (A0001:HO-CH2-O)」とは、「化合物番号A0001の化合物は一般式中の置換基RJとしてヒドロキシメトキシ基を有する」ことを示す。
【表23】




【表24】

【表25】


【表26】






【表27】



【表28】

【表29】

【表30】


【表31】

【表32】

【表33】


【産業上の利用可能性】
【0215】
本発明の化合物及びその塩は優れた血小板増多作用を有する。従って、本発明化合物は再生不良性貧血、骨髄異形成症候群における血小板減少症、悪性腫瘍の化学療法、放射線療法による血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、肝疾患における血小板減少症、HIVによる血小板減少症等、種々の血小板減少症の治療及び/又は予防に有用であり、また、化学療法や放射線療法により血小板減少が生じる可能性がある場合、それらの療法を施す前にあらかじめ投与しておくこともできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする血小板増多剤。
【化1】

[式中の記号は以下の意味を示す。
Ar1:それぞれ無置換であるか又は置換されているアリール、単環芳香族ヘテロ環、又は二環系縮合ヘテロ環(但し、R1がそれぞれ無置換であるか、又は低級アルキル、-CO-低級アルキル、-COO-低級アルキル、-OH、-O-低級アルキル、-OCO-低級アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されたアリール若しくはピリジルであり、かつ、R2が下記式(II)で示される基であるとき;それぞれ無置換であるか、又は低級アルキル、-CO-低級アルキル、-COO-低級アルキル、-OH、-O-低級アルキル、-OCO-低級アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されたフェニル若しくはピリジルを除く。)。
R1:それぞれ無置換であるか又は置換されているアリール若しくは単環芳香族ヘテロ環。
R2:式(II)、式(III)又は式(IV)で示される基。
【化2】

[式中の記号は以下の意味を示す。
n:1〜3の整数。
m:1〜3の整数。
ここで、n又はmが2以上の整数である場合、CR20R21及びCR22R23はそれぞれ異なる基を示してもよい。
X:O、S、N-R26、C(-R27)-R28で示される基。
E、G、J、L:それぞれ独立にN又はC-R29で示される基(但し、これらのうち少なくとも一つはC-R29を示す。)。
R20、R21、R22、R23、R26、R27、R28、R29:同一又は異なって、-H;-OH;-O-低級アルキル;無置換又は置換された低級アルキル;無置換又は置換されたシクロアルキル;無置換又は置換されたアリール;無置換又は置換されたアリールアルキル;無置換又は置換された芳香族ヘテロ環;無置換又は置換された芳香族ヘテロ環アルキル;無置換又は置換された非芳香族ヘテロ環;無置換又は置換された低級アルケニル;無置換又は置換された低級アルキリデン;-COOH;-COO-低級アルキル;-COO-低級アルケニル;-COO-低級アルキレン-アリール;-COO-低級アルキレン-芳香族ヘテロ環;それぞれ無置換であるか又は低級アルキル及びシクロアルキル(それぞれ無置換であるか又はハロゲン、-OH、-O-低級アルキル若しくは-O-アリールで置換されている)からなる群より選択される1つ以上の基で置換されているカルバモイル若しくはアミノ;-NHCO-低級アルキル;又はオキソ。
R24、R25:同一又は異なって、-H、無置換若しくは置換された低級アルキル、無置換若しくは置換されたシクロアルキル、又は無置換若しくは置換された非芳香族ヘテロ環。]]
【請求項2】
R1が1つ乃至3つのハロゲンで置換されたフェニル又はチエニル(ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい)であり;R2が請求項1記載の式(II)で示される基であり、nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基であり;Ar1がそれぞれ無置換又は置換されたフェニル又はピリジルである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
血小板減少症治療剤である請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
c-Mplリガンドである請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項5】
式(V)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
【化3】

[式中の記号は以下の意味を示す。
Ar2:請求項1記載のAr1で示される基。但し、インドール-2-イルを除く。
R3:請求項1記載のR1で示される基。
R4:請求項1記載のR2で示される基。但し、式(IV)で示される基を除く。]
【請求項6】
Ar2がそれぞれ無置換であるか又は置換されているフェニル又は単環芳香族ヘテロ環である請求項5記載の化合物。
【請求項7】
R3がそれぞれ無置換又は置換されたフェニル又はチエニルであり、R4が請求項1記載の式(II)で示される基であり、Ar2がそれぞれ無置換又は置換されたフェニル又はピリジルである請求項6記載の化合物。
【請求項8】
nが2であり、mが2であり、XがN-R26又はC(-R27)-R28で示される基である請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R3がそれぞれ無置換であるか、又は1つ乃至3つのハロゲンで置換されているフェニル又はチエニルであり、この際ハロゲンが2つ又は3つ置換する場合、同一のハロゲンでもそれぞれ異なるハロゲンでもよい請求項8記載の化合物。
【請求項10】
Ar2が、-O-RY、-NH-RY、無置換又は置換されたピペリジン-1-イル及び無置換又は置換されたピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で4位が置換されているフェニル;あるいは、-O-RY、-NH-RY、無置換又は置換されたピペリジン-1-イル及び無置換又は置換されたピペラジン-1-イルからなる群より選択される基で6位が置換されているピリジン-3-イル;であり、ここで、RYとは、無置換であるか、又は、-OH、-O-低級アルキル、無置換又は1つ若しくは2つの低級アルキルで置換されたアミノ、-CO2H、-CO-低級アルキル、無置換又は1つ若しくは2つの低級アルキルで置換されたカルバモイル、シアノ、アリール、芳香族ヘテロ環、非芳香族ヘテロ環及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されている低級アルキルを示す、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれかに記載の化合物を有効成分とする医薬組成物。
【請求項12】
血小板増多剤である請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
血小板減少症治療剤である請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
c-Mplリガンドである請求項11記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2008−111001(P2008−111001A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23950(P2008−23950)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【分割の表示】特願2003−562111(P2003−562111)の分割
【原出願日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】