説明

2−アニリノ−4−アミノアルキレンアミノピリミジン

本発明は、プロテインキナーゼC-α(PKC-α)のインヒビターである2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノピリミジンに関する。本発明のPKC-αインヒビターは、心筋の細胞内カルシウムサイクルを改善し、心筋の収縮及び弛緩性能を改善し、それにより心不全の進行を遅延するために重要である。さらに、本発明は、前記2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノ-ピリミジンを含む組成物、及び心不全の進行を制御、寛解又は遅延する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2006年6月15日に申請した米国仮出願第60/813,875号の特権を請求する。その内容は、本明細書に含まれるものとする。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、プロテインキナーゼC-α(PKC-α)のインヒビターである2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノピリミジンに関する。本発明のPKC-αインヒビターは、心筋の細胞内カルシウムサイクルを改善し、心筋の収縮及び弛緩性能を改善し、それにより心不全の進行を遅延するために重要である。さらに、本発明は、前記2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノ-ピリミジンを含む組成物、及び心不全の進行を制御、寛解又は遅延する方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
多くの生物学的活性物質、例えば、ホルモン、神経伝達物質及びペプチドは、細胞内メディエーター、例えば環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン一リン酸(cGMP)、ジアシルグリセロール(DAG)及びカルシウムを介して機能を発揮することが知られている。多くの場合、これらのメディエーターは、タンパクリン酸化/脱リン酸化に重要な細胞内キナーゼ又はホスファターゼを活性化又は不活性化し、従って細胞プロセス(processes)及び機能の調整に重要な役割を担っている。カルシウムのプロテインキナーゼC(PKC)ファミリー及び/又は脂質活性セリン-トレオニンキナーゼは、ほとんど全ての膜関連シグナル伝達経路1のダウンストリームに作用する。約12の異なるアイソザイムは、PKCファミリーを含み、それらの活性の特徴により広く分類される。従来のPKCアイソザイム(PKCα、βI、βII及びγ)は、カルシウム-及び脂質-活性であり、一方、新規アイソザイム(ε、θ、η及びδ)及び非典型的アイソザイム(ζ、ι、ν及びμ)は、カルシウム非依存性であるが、全く異なる脂質2(distinct lipids)により活性化される。例えば、Gαq-結合G-タンパク結合レセプター(GPCR)の刺激は、ホスホリパーゼC(PLC)の活性化を可能にし、それは、またイノシトールリン脂質の加水分解を媒介し、その結果として、イノシトール1,4,5-トリホスフェート(IP3)及びDAGを産生する。IP3及びDAGは、それぞれカルシウム(カルシウム感受性酵素)を動員することにより又はPKCを直接活性化することにより、異なるイソ型のPKCを活性化することが可能である。一度活性化されると、PKCイソ酵素は、RACKs(活性化Cキナーゼ用レセプター;Receptor for Activated C Kinases)(特定の基質認識及びその後のシグナル伝達3が可能になる)と呼ばれるドッキングプロテインとの直接的な相互作用により分離した細胞下位に転座する。
【0004】
PKC活性における変化は、ヒトの疾患、特に、糖尿病、多くの型の癌、ミクロアルブミン尿症、内皮機能障害、脳血管疾患、卒中、冠動脈性心疾患、循環器病及び後遺症(例えば、不整脈、突然死、梗塞サイズの増大、鬱血性心不全、アンギナ)、心筋の虚血状態、高血圧、脂質疾患、虚血性再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈/脈管疾患、糖尿病の微小血管合併症(神経障害、腎障害、網膜症)、再狭窄、腎臓病、血液凝固疾患、炎症性疾患及び心不全の一因となることが指摘されており、また、これらのセッティング(settings)におけるPKCの阻害は、ヒトの疾患を治療又は予防するために使用可能である。心疾患においてPKCの調節をサポートした場合、PKC活性は、心肥大、拡張型心筋症、虚血性傷害及びマイトジェン刺激に関連していた。
【0005】
心疾患は、先進工業国における主な死因である。歴史的に心不全(HF)は、高血圧、冠状動脈性心疾患、遺伝性疾患、弁の奇形、糖尿病又は心筋症による産物であった。心不全の根本原因は多面的であるが、弛緩及び/又は収縮機能の障害により一様に特徴付けられ、また、心室(chamber)拡大を伴い、それは最終的に症候性心不全(疲労、肺水腫、循環のうっ滞(circulatory congestion)等)を表す。
【0006】
心不全による死亡の危険性は、心不全の緩和な症候を有する患者において年5〜10%であり、進行性の心不全の患者では年30〜40%に増加し、5年での全死亡率は50%である。最近主流の心不全治療は、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(ACEI、ARB、アルドステロンインヒビター)、利尿剤、ジゴキシン及びβ-アドレナリン系レセプターブロッカーで作用する薬剤である。多くの薬剤クラスが心不全患者の治療に使用されるという事実にもかかわらず、心不全の新規ケースは、年当たり10%を超えて伸びている。
【0007】
非代償性心疾患(ADHF)の患者は、その治療が医師にとって難題であり、心拍出量の容量過負荷及び/又は減少を伴って存在し得る。ADHF患者の初期治療としては、静脈内利尿剤(intravenous diuretics)、血管拡張剤、ナトリウム排泄増加ペプチド及び筋収縮剤(inotropic agent)が挙げられる。これらの薬剤は広範囲に使用されているにもかかわらず、これらの薬剤の長期間安全性及び利点が問題であった。筋収縮の場合において、心筋酸素消費又は心拍数を増加することなしに、心拍出量及び心収縮性を増加する薬剤が望まれている。ADHF患者の可能な治療にもかかわらず、病院の再入院率は、6ヶ月以内で約50%であり、1年での死亡率は約20〜40%である。
【0008】
心臓の主な機能は、器官に適切な灌流を提供するのに必要な動脈圧を発生し、維持することである。従って、それは、心不全単独の症候の治療方法に頼るよりも、心不全の進行を惹起しその一因となる機構を解読するための深刻な調査領域となっている。心筋細胞(心臓収縮細胞)レベルにおいて、カルシウムサイクルの障害は、心不全の特徴であり、収縮異常がベースとなっている。カルシウムは、再構築プロセスに影響すると信じられているキナーゼ、ホスファターゼ及び転写因子の調節に重要な役割を担い、そのプロセスは細胞内カルシウムレベルにおける急性及び持続性の変化の両方が心機能及び再構築(即ち、壁の厚さ又は心室の容量の変化)に大きく影響するかも知れないことが指摘されている。この理論は、疾患の進行の遅延及び予防に取り組む新規療法の開発が、おそらく、心不全の緩和よりも心不全に対してより効果的であろうという説を支持すると考えられる。
【0009】
従って、心不全の様々な形態及び段階の患者を治療するための方法は限られており、心不全の症候、心不全の急性増悪及び慢性心不全及び他の心血管疾患を示す患者を予防又は治療するための新規、安全かつ有効な治療方法を開発するという動機がある。心不全の急性増悪の治療並びに慢性心不全の治療に有益な薬剤が望まれている。
1.モルケンチン(Molkentin)ら、(2001年) Annu. Rev. Physiol. 63:391〜426頁。
2.デンプセイ(Dempsey)ら、(2000年) Am. J. Physiol. Lung Mol. Physiol. 279:247〜251頁。
3.モチリー-ロゼン(Mochly-Rosen), D. (1995年) Science 268:247〜251頁。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、一定の2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノピリミジンがプロテインキナーゼC-α(PKC-α)の阻害に有効であり、それにより心筋収縮及び弛緩性能を改善し、心不全の進行を遅延することを見い出すことにより、前記必要性を解決する。
本発明は、三つの主要な態様を包含し、それぞれが、それらの独自の別々のカテゴリー、態様、反復及び具体的な反復例を有する。本発明の主な態様としては以下のものが挙げられる:
i) PKC-αの阻害に有効な物質である新規組成物;
ii) 物質の前記組成物を含む組成物又は医薬組成物(マトリックス);
iii)単独で又は組成物中又は医薬組成物(マトリックス)において投与するか否かにかかわらず、PKC-αインヒビターの投与により影響される心不全の進行の1以上の原因を制御、寛解又は緩和する方法;及び
(iv)本発明のPKC-αインヒビターの製造方法。
【0011】
本発明の第一の態様は、全体として、以下の一般式で表される化合物(全てのエナンチオマー及びジアステレオマーの形態を含む)及び医薬的に許容され得るそれらの塩に関する:
【化1】

【0012】
(式中、Rは以下の一般式で表される単位である:
【化2】

【0013】
R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれる:
i) 水素;又は
ii)C1-C4の置換又は非置換の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位であり:
-[C(R4aR4b)]n-
各R4は、以下のものから独立して選ばれる
i) 水素;又は
ii)C1-4のアルキル;
指数nは1〜4であり;また
R1は置換又は非置換アリールである)。
【0014】
本発明の第二の態様は、以下のものを含む組成物に関する:
a)有効量の本発明による1以上の化合物;及び
b)1以上の許容され得る賦形剤。
本発明の第三の主な態様は、使用方法に関する。下記のように、本発明のPKC-αインヒビターは、心筋収縮及び弛緩性能の改善に重要であり、それにより心不全の進行を遅延し、従って、ヒトへのそれらの投与は、急性心不全を患うヒトの有効な治療である。
【0015】
これら及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を読むことにより、当業者に明らかになると考えられる。本明細書中の全ての百分率、割合及び比率は、特に規定しない限り、質量による。全ての温度は、特に規定しない限り摂氏(℃)で表す。記載の全ての文献は、関連性のある部分において、本明細書に含まれるものとし;いずれかの文献の記載は、本発明の先行技術であるとの承認事項と解釈されるべきではない。
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特に、幾つかの未検討の医薬の必要性を取り扱う:
1)心不全の患者において心筋の収縮/弛緩パラメータを改善し、症候の低減を導く;また
2)心不全患者において逆の心筋の再構築を減弱化し、最終的に患者の生存を延長する。
これら及び他の未検討の医薬の必要性は、本発明のPKC-αインヒビターにより解決され、それらは、筋小胞体Ca+取り込みを損なうことからプロテインキナーゼC-αを遮断することができる。心不全患者にPKC-αインヒビターを提供することにより、患者は、心臓機能の改善を生じ、従って、心筋収縮及び弛緩の性能を改善し、心不全の進行の遅延を生じ得ると信じられる。
【0017】
以下の化学体系は、本発明の範囲を記載し、可能にするため、また本発明の化合物を含む単位を特に指摘し、明確に請求するために、本明細書全体に使用される。用語「ヒドロカルビル」は、いずれかの炭素原子ベースの単位(有機分子)を表し、前記単位は、1以上の有機官能基を所望により含み、例えば無機原子は、塩、特にカルボン酸塩、四級アンモニウム塩を含む。広い意味において用語「ヒドロカルビル」は、「非環式ヒドロカルビル」及び「環状ヒドロカルビル」のクラスであり、それらの用語は、環式及び非環式クラスにヒドロカルビル単位を分けるために使用される。
【0018】
以下の定義に関する場合、「環式ヒドロカルビル」単位は、環(ヒドロカルビル及びアリール環)中に炭素原子のみを含んでいてもよいか又は環(複素環及びヘテロアリール)において1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。「ヒドロカルビル」環に関して、環中の最も少ない炭素原子数は3;シクロプロピルである。「アリール」環に関して、環中の最も少ない炭素数は6;フェニルである。「複素環」に関して、環中の最も少ない炭素数は1;ジアジリニル、エポキシである。「ヘテロアリール」環に関して、環中の最も少ない炭素数は1;1,2,3,4-テトラゾリルである。以下は、本明細書に使用する用語「非環式ヒドロカルビル」及び「環式ヒドロカルビル」の非制限的な記載である。
【0019】
A.置換及び非置換のC1-C20 非環式ヒドロカルビル:
本発明の目的に関して、用語「置換及び非置換C1-C20非環式ヒドロカルビル」は3つのカテゴリーの単位を包含する:
1) C1-C20の線状又は分岐のアルキルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、イソブチル(C4)、tert-ブチル(C4)等;置換されているC1-C20の線状又は分岐のアルキルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;ヒドロキシメチル(C1)、クロロメチル(C1)、トリフルオロメチル(C1)、アミノメチル(C1)、1-クロロエチル(C2)、2-ヒドロキシエチル(C2)、1,2-ジフルオロエチル(C2)、3-カルボキシプロピル(C3)等。
【0020】
2) C2-C20の線状又は分岐のアルケニルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;エテニル(C2)、3-プロペニル(C3)、1-プロペニル(また2-メチルエテニル)(C3)、イソプロペニル(また2-メチルエテン-2-イル)(C3)、ブテン-4-イル(C4)等;置換されているC2-C20の線状又は分岐のアルケニルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;2-クロロエテニル(また2-クロロビニル)(C2)、4-ヒドロキシブテン-1-イル(C4)、7-ヒドロキシ-7-メチル-オクト-4-エン-2-イル(C9)、7-ヒドロキシ-7-メチルオクト-3,5-ジエン-2-イル(C9)等。
3) C2-C20の線状又は分岐のアルキニルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;エチニル(C2)、2-プロピニル(またプロパルギル)(C3)、1-プロピニル(C3)及び2-メチル-4-ヘキシン-1-イル(C7);置換されているC2-C20の線状又は分岐のアルキニルとしては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;5-ヒドロキシ-5-メチル-3-ヘキシニル(5-hydroxy-5-methylhex-3-ynyl)(C7)、6-ヒドロキシ-6-メチル-3-ヘプチ-2-イル(6-hydroxy-6-methylhept-3-yn-2-yl)(C8)、5-ヒドロキシ-5-エチル-3-ヘプチニル(C9)等。
【0021】
B.置換及び非置換のC1-C20の環状ヒドロカルビル:
本発明の目的に関して、用語「置換及び非置換のC1-C20の環状ヒドロカルビル」は、5つのカテゴリー単位を包含する:
1) 用語「炭素環式」は、「炭素原子3〜20を含む環を包含し、前記環を含む原子は、炭素原子に限定され、さらに各環は、1以上の水素原子を置換できる1以上の成分で独立して置換され得る」と本明細書に定義される。以下のものは、「置換及び非置換のC3-C20の炭素環」の非限定的な例であり、以下のカテゴリー単位を包含する:
i) 単一の置換又は非置換の炭化水素環を有する炭素環としては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;シクロプロピル(C3)、2-メチル-シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、2,3-ジヒドロキシシクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロペンタジエニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロオクタニル(C8)、デカリニル(C10)、2,5-ジメチルシクロペンチル(C5)、3,5-ジクロロシクロヘキシル(C6)、4-ヒドロキシシクロヘキシル(C6)及び3,3,5-トリメチルシクロ-1-ヘキシル(C6)。
【0022】
ii) 2以上の置換又は非置換の縮合炭化水素環を有する炭素環としては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;オクタヒドロペンタレニル(C8)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イル(C9)、デカヒドロアズレニル(C10);ビシクロ[6.2.0]デカニル(C10)、デカヒドロナフタレニル(C10)及びドデカヒド-1H-フルオレニル(C13)。
iii) 置換又は非置換の二環炭化水素環である炭素環としては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3-ジメチル[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル及びビシクロ[3.3.3]ウンデカニル。
【0023】
2) 用語「アリール」は、少なくとも1のフェニル又はナフチル環を含む単位であり、フェニル又はナフチル環と縮合しているヘテロアリール又は複素環はなく、さらに、各環は、1以上の水素原子で置き換えることができる1以上の成分で独立して置換され得る」と本明細書において定義される。
以下のものは、「置換及び非置換のC6-C14のアリール環」の例であるが、それらに限定されず、以下のカテゴリー単位を包含する:
i) C6又はC10の置換又は非置換のアリール環;置換又は非置換のいずれであってもよいフェニル及びナフチル環としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない;フェニル(C6)、ナフチレン-1-イル(C10)、ナフチレン-2-イル(C10)、4-フルオロフェニル(C6)、2-ヒドロキシフェニル(C6)、3-メチルフェニル(C6)、2-アミノ-4-フルオロフェニル
(C6)、2-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル(C6)、2-シアノフェニル(C6)、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル(C6)、3-メトキシフェニル(C6)、8-ヒドロキシナフチレン-2-イル(C10)、4,5-ジメトキシナフチレン-1-イル(C10)、及び6-シアノ-ナフチレン-1-イル(C10)。
ii) 1又は2の飽和環と縮合したC6又はC10のアリール環としては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない、ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエニル(C8)及びインダニル(C9)。
【0024】
3) 用語「複素環の」及び/又は「複素環」は、少なくとも1の環中の少なくとも1の原子が、窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)又はN、O及びSの混合物から選ばれるヘテロ原子であり、さらに、ヘテロ原子を含む環が芳香族環ではない、原子数3〜20の1以上のC1-C20環を含む単位」と、本明細書において定義される。以下のものは、「置換及び非置換のC1-C20の複素環」の例であるが、それらに限定されず、以下のカテゴリーの単位を包含する:
i) 1以上のヘテロ原子を含む単環を有する複素環単位の例としては以下のものが挙げられるがそれらに限定されない、ジアジリニル(C1)、アジリジニル(C2)、ウラゾリル(C2)、アゼチジニル(C3)、ピラゾリジニル(C3)、イミダゾリジニル(C3)、オキサゾリジニル(C3)、イソキサゾリニル(C3)、イソキサゾリル(C3)、チアゾリジニル(C3)、イソチアゾリル(C3)、イソチアゾリニル(C3)、オキサチアゾリジノイル(C3)、オキサゾリジノイル(C3)、ヒダントイニル(C3)、テトラヒドロフラニル(C4)、ピロリジニル(C4)、モルホリニル(C4)、ピペラジニル(C4)、ピペリジニル(C4)、ジヒドロピラニル(C5)、テトラヒドロピラニル(C5)、ピペリジン-2-オニル(バレロラクタム)(C5)、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピニル(C6)、2,3-ジヒドロ-1H-インドール(C8)及び1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン(C9)。
【0025】
ii) 2以上の環を有し、そのうちの1つが複素環である複素環単位としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない;ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル(C7)、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル(C7)、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インドリル(C8)、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル(C9)及びデカヒドロ-1H-シクロオクタ[b]ピロリル(C10)。
4) 用語「ヘテロアリール」は、「5〜20原子を含む1以上のC1-C20環を含み、少なくとも1の環中の少なくとも1の原子が窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)、又はN、O及びSの混合物から選ばれるヘテロ原子であり、ヘテロ原子を含む環のさらに少なくとも1が芳香環である」と本明細書において定義される。以下のものは、「置換及び非置換のC1-C20複素環」の例であるがそれらに限定されず、以下の単位のカテゴリーを含む:
i) 単環を含むヘテロアリール環としては、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;1,2,3,4-テトラゾリル(C1)、[1,2,3]トリアゾリル(C2)、[1,2,4]トリアゾリル(C2)、トリアジニル(C3)、チアゾリル(C3)、1H-イミダゾリル(C3)、オキサゾリル(C3)、フラニル(C4)、チオフェネイル(C4)、ピリミジニル(C4)、2-フェニルピリミジニル(C4)、ピリジニル(C5)、3-メチルピリジニル(C5)及び4-ジメチルアミノピリジニル(C5)。
ii) 2以上の縮合環を含み、その一つがヘテロアリール環であるヘテロアリール環としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:7H-プリニル(C5)、9H-プリニル(C5)、6-アミノ-9H-プリニル(C5)、5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジニル(C6)、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル(C6)、ピリド[2,3-d]ピリミジニル(C7)、2-フェニルベンゾ[d]チアゾリル(C7)、1H-インドリル(C8)、4,5,6,7-テトラヒドロ-1-H-インドリル(C8)、キノキサリニル(C8-)、5-メチルキノキサリニル(C8)、キナゾリニル(C8)、キノリニル(C9)、8-ヒドロキシ-キノリニル(C9)及びイソキノリニル(C9)。
【0026】
5) C1-C6テザード(tethered)環状ヒドロカルビル単位(C3-C10炭素環単位、C6又はC10アリール単位、C1-C10複素環単位、又はC1-C10ヘテロアリール単位)であって、C1-C6アルキレン単位の方法により、分子の他の成分、単位又はコアに連結されている。テザード環状ヒドロカルビル単位の例としては以下の一般式を含むベンジルC1-(C6)が挙げられるがそれらに限定されない:
【化3】

【0027】
(式中、Raは、所望により1以上の独立して選択された水素の置換基である)。さらなる例としては、他のアリール単位、特に、(2-ヒドロキシフェニル)ヘキシルC6-(C6);ナフタレン-2-イルメチルC1-(C10)、4-フルオロベンジルC1-(C6)、2-(3-ヒドロキシ-フェニル)エチルC2-(C6)、並びに、置換及び非置換のC3-C10アルキレン炭素環単位、例えばシクロプロピルメチルC1-(C3)、シクロペンチルエチルC2-(C5)、シクロヘキシルメチルC1-(C6)が挙げられる。このカテゴリーには、置換及び非置換のC1-C10アルキレン-ヘテロアリール単位、例えば以下の一般式を有する2-ピコリルC1-(C6)単位が含まれる:
【化4】

【0028】
(式中、Raは前記のものと同じである)。さらに、C1-C12テザード環状ヒドロカルビル単位としては、C1-C10アルキレン複素環単位及びアルキレンヘテロアリール単位が挙げられ、以下のものが挙げられるがそれらに限定されない;アジリジニルメチルC1-(C2)及びオキサゾール-2-イルメチルC1-(C3)。
本発明の目的に関して、縮合環単位、並びにスピロ環、二環等であって、単一のヘテロ原子を含むものは、ヘテロ原子含有環に対応する環ファミリーに属すると考えられる。例えば、以下の一般式を有する1,2,3,4-テトラヒドロキノリンは、本発明の目的に関して、複素環単位と考えられる。
【化5】

【0029】
以下の一般式を有する6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピリミジンは、本発明の目的に関して、ヘテロアリール単位と考えられる。
【化6】

【0030】
縮合環単位が飽和及びアリール環の両方においてヘテロ原子を含む場合、アリール環は、環が帰属するカテゴリーのタイプに影響し、それを決定する。例えば、以下の一般式を有する1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,8]ナフチリジンは、本発明の目的に関して、考えられるヘテロアリール単位である。
【化7】

【0031】
用語「置換」は、本明細書の全体に使用される。用語「置換」は、「以下に定義するように置換基又はいくつかの置換基により置換される1以上の水素原子を有する非環状又は環状のいずれかのヒドロカルビル成分」と本明細書に定義される。その単位は、水素原子を置換する場合、一度にヒドロカルビル成分の1水素原子、2水素原子又は3水素原子を置換することができる。さらに、これらの置換基は、2隣接炭素上の2水素原子を置換し、前記置換基、新規成分又は単位を形成できる。例えば、単一の水素原子置換を要求する置換単位としては、ハロゲン、ヒドロキシル等が挙げられる。2水素原子置換としては、カルボニル、オキシミノ等が挙げられる。隣接炭素原子の2水素原子置換としてはエポキシ等が挙げられる。3水素置換としては、シアノ等が挙げられる。用語「置換」は、本明細書の全体に使用され、ヒドロカルビル成分、特に、芳香環、アルキル鎖が置換により置き換えられる1以上の水素原子を有することができることを示すように使用される。成分が「置換」と記載される場合、幾つかの水素原子は置換されていてもよい。例えば、4-ヒドロキシフェニルは「置換芳香族炭素環」であり、(N,N-ジメチル-5-アミノ)オクタニルは「置換C8アルキル単位」であり、3-グアニジノプロピルは「置換C3アルキル単位」であり、また2-カルボキシピリジニルは「置換ヘテロアリール単位」である。
【0032】
以下のものは、カテゴリーの非限定例であり、環式又は非環式ヒドロカルビル単位(以下、R5単位と記載し、非限定的な例において以下に提供する)の水素原子と好適に置換可能な単位の例であり、R6は水素、C1-C10の線状又は分岐のアルキル、C2-C10の線状又は分岐のアルケニル、C2-C10の線状又は分岐のアルキニル、及びC6-又はC10のアリールである。
本発明によるR5単位としては、以下のものが挙げられる:
i) -NHCOR6;例えば-NHCOCH3、-NHCOCH2CH3、-NHCOC6H5;
ii) -COR6;例えば、-COCH3、-COCH2CH3、-COCH2CH2CH3;
iii) -CO2R6;例えば、-CO2CH3、-CO2CH2CH3、-CO2CH2CH2CH3;
iv) -OCOR6;例えば、-OCOCH3、-OCOCH2CH3、-OCOCH2CH2CH3;
v) -C(=NH)NH2;
vi) -NHC(=NH)NH2;
vii) -N(R6)2;例えば、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-NH(CH2CH3);
viii) -NHC6H5;
ix) C1-C4の線状、分岐又は環状のアルキル;例えばメチル、エチル;
【0033】
x) -CON(R6)2;例えば、-CONH2、-CONHCH3、-CON(CH3)2;
xi) -CONHNH2;
xii) -NHCN;
xiii) -CN;
xiv) ハロゲン:-F、-Cl、-Br及び-I;
xv) -NHN(R6)2;例えば、-NHNH2、-NHNHCH3、-NHN(CH3)2;
xvi) -OR6;例えば、-OH、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH2CH2CH3;
xvii) -NO2;
xviii)-CHmXn;式中、Xはハロゲン、mは0〜2、m+n=3である;例えば-CH2F、-CHF2、-CF3、-CCl3又は-CBr3;及び
xix) -SO2N(R6)2;例えば、-SO2NH2;-SO2NHCH3;-SO2NHC6H5
本発明の目的に関して、用語「化合物」及び「類似体」は、本明細書に記載の物質の新規組成物と同じものを意味し、全てのエナンチオマー形態、ジアステレオマー形態、塩等を表し、用語「化合物」及び「類似体」は、本明細書全体を通して交換可能に使用される。
【0034】
本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩としては、医薬的に許容され得る無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが挙げられる。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。他の酸、例えば、シュウ酸は、それら自体医薬的に許容され得るものではないが、本発明の化合物及びそれらの医薬的に許容され得る酸付加塩を得る中間体として有用な塩の製造に使用してもよい。好適な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN-(C1-C4アルキル)4+塩が挙げられる。
【0035】
本発明の化合物は、コアの骨格を有する2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)-アミノピリミジンである:
【化8】

【0036】
(式中、Rは以下の一般式を有するアミノ単位である:
【化9】

【0037】
(式中、R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれる:
i) 水素;又は
ii) C1-C4の置換又は非置換の線状、分岐又は環状のアルキル。)
R単位の第一の態様は、R2及びR3が水素、メチル(C1)又はエチル(C2)から独立して選ばれるアミノ単位に関し、前記単位は以下の一般式を有する:
i) -NH2;
ii) -NHCH3;
iii)-N(CH3)2;
iv) -NH(CH2CH3);
v) -N(CH2CH3)2;及び
vi) -N(CH3)(CH2CH3)。
【0038】
R単位の第二の態様は、R2及びR3が水素、n-プロピル(C3)又はイソプロピル(C3)から独立して選ばれるアミノ単位に関し、前記単位は以下の一般式を有する:
i) -NH(CH2CH2CH3);
ii) -N(CH2CH2CH3)2;
iii)-NH[CH(CH3)2];
iv) -N[CH(CH3)2]2;及び
v) -N(CH2CH2CH3)[CH(CH3)2]。
vi)
【0039】
R単位の第三の態様は、R2がメチル(C1)又はエチル(C2)から選ばれ、R3がn-プロピル(C3)又はイソ-プロピル(C3)から選ばれるアミノ単位に関し、前記単位は、以下の一般式を有する:
i) -N(CH3)(CH2CH2CH3);
ii) -N(CH2CH3)(CH2CH2CH3);
iii)-N(CH3)[CH(CH3)2];及び
iv) -N(CH2CH3)[CH(CH3)2]2
v)
【0040】
R単位の第四の態様は、R2及びR3がn-ブチル(C4)、イソブチル(C4)、sec-ブチル(C4)及びtert-ブチル(C4)から独立して選ばれるアミノ単位に関し、前記単位は非限定的に以下の一般式を有する:
i) -NH(CH2CH2CH2CH3);
ii) -N(CH2CH2CH2CH3)2;
iii) -NH[CH2CH(CH3)2];
iv) -N[CH2CH(CH3)2]2;
v) -NH[CH(CH3)CH2CH3];
vi) -N[CH(CH3)CH2CH3]2;
vii) -NH[C(CH3)3];
viii)-N[C(CH3)3]2
ix) -N(CH2CH2CH2CH3)[CH2CH(CH3)2];
x) -N(CH2CH2CH2CH3)[CH(CH3)CH2CH3];及び
xi) -N(CH2CH2CH2CH3)[C(CH3)3]。
【0041】
R1は以下の一般式を有する置換又は非置換アリールである:
【化10】

【0042】
(式中、R5は、1以上(1〜5)の所望により存在し、独立して選ばれる前記のような及び以下のカテゴリー、態様、反復、例及び表に記載される水素に関する置換基を表す)。
R1単位の第一のカテゴリーは、以下のものから選ばれる1以上のR5単位により置換されているアリール単位に関する:
i) C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル;例えばメチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)等;
ii) ハロゲン、例えば-F、-Cl、-Br、及び-I;
iii)-OR6;例えば-OCH3 (C1)、-OCH2CH3 (C2)、-OCH2CH2CH3 (C3)、-OCH(CH3)2 (C3)等;
iv) -SO2N(R6)2;例えば-SO2NH2、-SO2NHCH3、-SO2NHC6H5等;
v) -CHmXn;式中、各Xは、独立してF、Cl、Br又はIであり、mは0〜2であり、m+n=3であり;例えば-CH2F、-CHF2、-CF3、-CCl3、-CBr3等であり;また
vi) -NO2;
(式中、各R6は、独立して水素又はC1-C4の線状、分岐又は環状アルキルである。)
【0043】
R1単位の第一のカテゴリーの第一の態様は、以下のものから選ばれる置換フェニル単位に関する:3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロ-4-メチル-フェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロ-メチル-4-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-エチルフェニル及び3-イソプロピルフェニル。
R1単位の第一のカテゴリーの第二の態様は、以下のものから選ばれる置換フェニル単位に関する:2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,6-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,6-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル及び2,4,6-トリクロロフェニル。
【0044】
R1単位の第一のカテゴリーの第三の態様は、以下のものから選ばれる置換フェニル単位に関する:2-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,4,5-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジエチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,5-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、3,4-ジエチルフェニル、2,3,4-トリエチルフェニル、2,3,5-トリエチルフェニル、2,3,6-トリエチルフェニル、2,4,5-トリエチルフェニル及び2,4,6-トリエチルフェニル。
【0045】
R1単位の第一のカテゴリーの第四の態様は、以下のものから選ばれる置換フェニル単位に関する:2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,6-ジメトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニル、2,3,5-トリメトキシフェニル、2,3,6-トリメトキシ-フェニル、2,4,5-トリメトキシフェニル、2,4,6-トリメトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2,3-ジヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、2,5-ジヒドロキシフェニル、2,6-ジヒドロキシフェニル、3,4-ジヒドロキシフェニル、2,3,4-トリヒドロキシフェニル、2,3,5-トリヒドロキシフェニル、2,3,6-トリヒドロキシフェニル、2,4,5-トリヒドロキシフェニル及び2,4,6-トリヒドロキシフェニル。
【0046】
しかし、特に例示されていないR5単位の他のコンビネーションは、R1の第一のカテゴリー内に包含される。
R1単位の第二のカテゴリーは、1以上のR5単位により置換されているアリール単位に関し、それらは置換又は非置換のC6(フェニル)又はC10(ナフチル)アリール単位である。
このカテゴリーの第一の態様は、ビフェニルであるR1単位(R5はフェニルである)に関し、例えば以下の一般式の化合物である:
【化11】

【0047】
このカテゴリーの第二の態様は、置換ビフェニルであるR1単位に関し、その非限定的な例としては以下のものが挙げられる:2'-フルオロ-ビフェニル-2-イル、2'-フルオロ-ビフェニル-3-イル、2'-フルオロ-ビフェニル-4-イル、3'-フルオロ-ビフェニル-2-イル、3'-フルオロ-ビフェニル-3-イル、3'-フルオロ-ビフェニル-4-イル、4'-フルオロ-ビフェニル-2-イル、4'-フルオロ-ビフェニル-3-イル、4'-フルオロ-ビフェニル-4-イル、2'-クロロ-ビフェニル-2-イル、2'-クロロ-ビフェニル-3-イル、2'-クロロ-ビフェニル-4-イル、3'-クロロ-ビフェニル-2-イル、3'-クロロ-ビフェニル-3-イル、3'-クロロ-ビフェニル-4-イル、4'-クロロ-ビフェニル-2-イル、4'-クロロ-ビフェニル-3-イル、4'-クロロ-ビフェニル-4-イル、2'-メチル-ビフェニル-2-イル、2'-メチル-ビフェニル-3-イル、2'-メチル-ビフェニル-4-イル、3'-メチル-ビフェニル-2-イル、3'-メチル-ビフェニル-3-イル、3'-メチル-ビフェニル-4-イル、4'-メチル-ビフェニル-2-イル、4'-メチル-ビフェニル-3-イル及び4'-メチル-ビフェニル-4-イル。
【0048】
しかし、特に例示されていないR5単位の他のコンビネーションは、R1の第二のカテゴリーに包含される。
R1単位の第三のカテゴリーは、1以上のR5単位により置換されているフェニルに関し、それらは置換又は非置換のC3、C4又はC5ヘテロアリール単位である。
このカテゴリーの第一の態様は、C4又はC5ヘテロアリール置換フェニル単位である-R1単位に関し、R5は、例えばピリジン-2-イルであり、以下の一般式を有する化合物を形成する:
【化12】

【0049】
R1の非限定例又はこのカテゴリーとしては、2-ピリジン-2-イル-フェニル、3-ピリジン-2-イル-フェニル、4-ピリジン-2-イル-フェニル、2-ピリジン-3-イル-フェニル、3-ピリジン-3-イル-フェニル、4-ピリジン-3-イル-フェニル、2-ピリジン-4-イル-フェニル、3-ピリジン-4-イル-フェニル、4-ピリジン-4-イル-フェニル、2-ピリミジン-2-イル-フェニル、3-ピリミジン-2-イル-フェニル、4-ピリミジン-2-イル-フェニル、2-ピリミジン-3-イル-フェニル、3-ピリミジン-3-イル-フェニル、4-ピリミジン-3-イル-フェニル、2-ピリミジン-4-イル-フェニル、3-ピリミジン-4-イル-フェニル及び4-ピリミジン-4-イル-フェニル。
【0050】
このカテゴリーの第二の態様は、C3-ヘテロアリール置換フェニルであるR1単位に関し、R5は、例えば、2-メチル-チアゾール-4-イルであり、以下の一般式の化合物を形成する。
【化13】

【0051】
R1の第三のカテゴリーのこの態様の非限定的な例としては、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル等が挙げられる。
Lは以下の一般式の結合単位である:
-[C(R4aR4b)]n-
(式中、各R4a及びR4b単位は、以下のものから独立して選ばれる:
i) 水素;又は
ii) C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル;例えばメチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソ-プロピル(C3)、シクロプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、イソ-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)及びtert-ブチル(C4);
指数nは1〜4である。指数nは、L結合単位を含む単位数を示し、例えば、一般式-CH2-(メチレン)を有する結合単位の指数nは1と等しい。一般式-CH2CH2-(エチレン)を有する結合単位又は一般式-CH(CH3)CH2-(2-プロピレン)を有する単位それぞれの指数nは、2と等しい。
【0052】
L単位の第一のカテゴリーは、以下のものから選ばれる非置換アルキレン単位に関する:
i) -CH2-、メチレン;
ii) -CH2CH2-、エチレン;
iii)-CH2CH2CH2-、プロピレン;及び
iv) -CH2CH2CH2CH2-、ブチレン。
【0053】
L単位の第一のカテゴリーの第一の態様は、以下の一般式に例示するように、-CH2CH2CH2-、プロピレンである結合基を含む。
【化14】

【0054】
L単位の第一のカテゴリーの第二の態様は、結合基-CH2CH2-、エチレンを含む。
L単位の第二のカテゴリーは、以下のものから選ばれるアルキル置換アルキレン単位に関する:
i) -CH(CH3)CH2-、1-メチルエチレン;
ii) -CH2CH(CH3)-、2-メチルエチレン;
iii)-CH(CH3)CH2CH2-、1-メチルプロピレン;
iv) -CH2CH(CH3)CH2-、2-メチルプロピレン;及び
v) -CH2C(CH3)2CH2-、2,2-ジメチルプロピレン。
【0055】
L単位の第二のカテゴリーの第一の態様は、-CH(CH3)CH2CH2-、1-メチルプロピレンである結合基を含む;以下の一般式により例示される:
【化15】

【0056】
(前記一般式は、結合単位のR及びSエナンチオマーの両方を含む)
合成方法
本発明の化合物は、以下の一般的な方法により製造することが可能であり、反応条件を必要に応じて調整する配合者及び当業者は、実験を行うことなしに達成することができると考えられる。
【0057】
工程1:中間体2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オンの製造
この化合物は、本発明により達成されるそれぞれの類似体の製造に使用可能である。一般的な方法は以下のとおりである。
【化16】

【0058】
H2O(75mL)に水酸化ナトリウム(8g、200mmol)を含む溶液に、室温で、チオ尿素(14.2g、100mmol)を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌した。THF(10mL)中のヨウ化メチル(6.86mL、110mmol)を、ゆっくりと滴下して加え、混合物を18時間室温で撹拌した。混合物を氷酢酸でpH5に酸性化して白色固形物を形成した。この点において、混合物を氷浴中で冷却し、最終生成物を白色固形物として分離した後、約2時間静置し、ろ過により収集することが可能である。結晶の第一の群は、所望の生成物を60%より多い収率で一般的に生成した。1H NMR (DMSO-d6、300 MHz): δ2.45 (s, 3H)、6.07 (d, J= 6.6 Hz, 1H)、7.85 (d, J = 6.6 Hz, 1H)。
工程2:2-アニリノ中間体の形成
【化17】

【0059】
2-(置換又は非置換フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン:ジグリム(diglyme)(60mL)中に2-(メチル-チオ)ピリミジン-4(3H)-オン(14.2g、100mmol)を含む溶液に、最適な置換又は非置換アニリン(200mmol)を加えた。得られた混合物を加熱し、約18時間還流及び撹拌した。混合物を室温まで冷ました固形物として一般的に形成した生成物を、溶媒(ペンタン、ヘキサン又はイソペンタン)で洗った。しかし、溶媒を反応混合物に加え、必要に応じて結晶を生じた。
工程3.4-クロロ-2-アニリノ中間体の形成
【化18】

【0060】
2-(置換又は非置換フェニルアミノ)-4-クロローピリミジン:2-(置換又は非置換フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(5.02g、22.6mmol)及びN,N-ジメチル-アニリン(450mL)に、オキシ塩化リン(450mL)に加えた。得られた混合物を15分間加熱還流し、室温に冷まし、真空下で濃縮した。残渣を1M NaOH(水性)でpH 7に中和した。有機層をEtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し (MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカ(ヘキサン中5% EtOAc)で都合よく精製し、所望の化合物を得ることができる。
或いは、4-クロロ-2-アニリノ中間体を以下の方法で合成可能である:
2-(置換又は非置換フェニルアミノ)-4-クロロ-ピリミジン:トルエン(30mL)中の2-(置換又は非置換フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(3.00 g、13.5mmol)に、N,N-ジメチル-アニリン(3.57mL、28.4mmol)及びオキシ塩化リン(1.24 mL, 13.5 mmol)を加えた。得られた混合物を15分間還流加熱し、室温に冷まし、1M NaOH(水性)でpH 7に中和した。有機層をEtOAc (3×250 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカ(ヘキサン中5% EtOAc)で都合よく精製し、望ましい化合物を得た。
【0061】
工程4.本発明の最終化合物(類似体)の形成
【化19】

【0062】
THF(500mL)中に工程(2)で形成した2-(置換又は非置換のフェニルアミノ)-4-クロロ-ピリミジン-4(3H)-オンを含むものにジイソプロピルエチルアミン(200mmol)、その後所望のジアミン(200mmol)を加えた。得られた混合物を約18時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、真空下で濃縮した。形成した残渣を水で希釈し、溶媒で抽出した。合わせた有機層を乾燥し (MgSO4)、真空下で濃縮した。この残渣を結晶化するか、シリカで精製し、最終化合物を得た。
以下のスキームI〜IVは、本発明の様々なカテゴリーにより含まれる化合物の製造例を図により提供した。
本発明の類似体(化合物)は、いくつかのカテゴリーに整理され、本明細書に例示的に表していない類似体の製造に関する合理的な合成戦略を提供することにおいて、配合者を補助する。カテゴリーの配列は、本明細書に記載の物質のいずれかの組成に関する効力の増加又は減少を暗示していない。
【0063】
類似体カテゴリー
本発明のカテゴリーIを含む化合物は、以下の一般式で表される2-(置換フェニルアミノ)-4-(アミノ-又は置換アミノ-プロピレン)アミノピリミジンである。
【化20】

(式中、R、R1及びR2は表Iに記載の通りである)。
【0064】

【0065】

【0066】
本発明のカテゴリーIを含む化合物は、スキームI中に以下に概説する方法により製造することができる。
【化21】

試薬及び条件: (a) NaOH、THF、H2O、MeI、rt、18時間。
【0067】
【化22】

試薬及び条件:(b)ジグリム、還流、18時間。
【0068】
【化23】

試薬及び条件(c):POCl3、N,N-ジメチルアニリン、還流、15分。
【0069】
【化24】

試薬及び条件(d):DIPEA、THF、還流、18時間
【0070】
実施例1
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン(4)
2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(1)の製造:室温でH2O (55 mL)中に水酸化ナトリウム(6.24g、156.07mmol)を含む溶液に、チオ尿素(10g、78.03mmol)を加えた。得られた混合物を20分間室温で撹拌した。THF(10mL)中のヨウ化メチル(5.45mL、87.40mmol)をゆっくり滴下して加え、その混合物を室温で18時間撹拌した。氷酢酸でpH5に混合物を酸性化して白色固形物を形成した。混合物を0℃(氷浴)で2時間静置し、ろ過し、所望の化合物7.4g(収率67%)を白色固形物として得た。1H NMR (DMSO-d6、300MHz):δ2.45 (s, 3H)、6.07 (d, J= 6.6 Hz, 1H)、7.85 (d,J = 6.6 Hz, 1H)。
【0071】
2-(3-クロロフェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(2)の製造:ジグリム(20mL)中に2-(メチル-チオ)ピリミジン-4(3H)-オン、1 (4.88g、34.37mmol)を含む溶液に、3-クロロアニリン(4.3mL、68.74mmol)を加えた。得られた混合物を加熱還流し、18時間撹拌した。混合物を室温に冷ますことにより、固形物を形成した。固形物をヘキサンで洗い、所望の化合物5.0g(収率66%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ5.91 (d, J= 5.7 Hz, 2H)、 7.05 (d, J = 7.5Hz, 1H)、7.11 (br s, 1H)、7.32 (t,J = 7.8, 15.9 Hz, 1H)、7.45(d, J = 7.8 Hz, 1H)、7.86 (d, J = 4.5 Hz, 1H)、7.94 (s, 1H)。
【0072】
4-クロロ-N-(3-クロロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3)の製造:
トルエン(30mL)中の2-(3-クロロフェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、2、(3.00g, 13.5 mmol)にN,N-ジメチル-アニリン(3.57mL、28.4mmol)及びオキシ塩化リン(1.24mL、13.5 mmol)を加えた。得られた混合物を15分間加熱還流し、室温に冷まし、1M NaOH (水性)でpH7に中和した。有機層をEtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し (MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカで精製し(ヘキサン中の5% EtOAc)で精製し、所望の化合物2.0g(収率61%)を得た。 1H NMR (DMSO-d6、300 MHz):δ 7.06-7.04 (m, 2H), 7.34 (t, J = 8.1, 1H), 7.65-7.61 (m, 1H), 7.93(m, 1H), 8.50 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 10.26 (s, 1H)。
【0073】
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン(4)の製造:THF(10mL)に4-クロロ-N-(3-クロロフェニル)ピリミジン-2-アミン、3, (0.517 g, 2.16mmol)にジイソプロピルエチルアミン(0.754mL、4.32mmol)、その後3-ジメチル-アミノプロピルアミン(0.544mL、4.32mmol)を加えた。得られた混合物を、18時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、真空下で濃縮した。残渣を水10mLで希釈し、EtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。この残渣をシリカで精製し (CH2Cl2中5% MeOH、0.7% Et3N)、黄色固形物として所望の化合物を得た。化合物をCH2Cl2 及びMeOHから好都合に再結晶し、白色固形物0.206g(収率40%)が得られた。1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ1.85-1.95 (m, 2H)。2.40 (s, 6H)、2.59-2.65(m, 2H)、3.40-3.51 (m, 2H)、5.99 (d, J = 6.3 Hz, 1H)、6.95 (d, J= 8.1 Hz, 1H)、7.24 (t, J = 8.1 Hz, 1H)、7.40 (d, J= 6.9 Hz, 1H)、7.78 (d, J = 5.7 Hz, 1H)、8.03 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 306 (M+1)。
【0074】
以下のものは、本発明のカテゴリーIを含む化合物の非制限的な例であり、その特徴は本明細書に特に例示しない化合物の化学式を確立することにおいて配合者を補助すると考えられる。
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR(CD3OD, 300MHz):δ1.30 (t, J = 7.5 Hz, 6H)、2.15 (m, 2H)、3.18 (m, 6H)、3.60 (t, J = 5.7 Hz, 1H)、6.15 (d, J = 5.7 Hz, 1H)、6.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.23 (dd, J = 8.1, 8.4 Hz, 1H)、7.40 (d, J = 8.4 Hz, 1H)、7.81 (br d, J = 5.7, 1H)、 8.15 (s, 1H). MS (ESI, pos. ion) m/z: 334 (M+1)。
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-メトキシフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩:1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ1.27 (t, J = 7.5 Hz, 6H)、2.03-2.10 (m, 2H)、2.89 (s, 3H)、3.18-3.24 (m, 2H)、3.59-3.63 (m, 2H)、3.86 (s, 3H)、6.28 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、6.90 (d, J= 8.4 Hz, 1H)、7.05 (d, J = 8.1 Hz, 2H)、7.18 (s, 1H)、7.39 (t, J = 7.8 Hz, 1H)、7.67 (d, J= 7.2 Hz, 1H)。 MS (ESI, pos. ion) m/z: 302 (M+1)。
【0075】
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩:1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ1.98 (m, 2H)、2.33 (s, 3H)、2.72 (s, 6H)、3.09 (m, 2H)、3.45 (m, 2H)、6.24 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、6.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H)、7.29 (t, J = 7.5 Hz, 1H)、7.40-7.43、(m, 4H)、7.84 (d, J = 6.9 Hz, 1H)、9.17 (br sm 1H)、10.47 (br s, 2H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 286 (M+1)。
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ1.63-1.72 (m, 2H)、2.13 (s, 6H)、 2.26-2.31 (m, 2H)、3.32-3.34 (m, 2H)、5.98 (d, J = 5.7 Hz, 1H)、7.17 (d, J = 7.8 Hz, 1H)、7.30 (br s, 1H)、7.43 (t, J = 7.8 Hz, 1H)、7.83 (br s, 1H)、8.48 (br s, 1H)、9.35 (br s, 1H)。19F 101.76 (s, 3F)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 340 (M+1)。
【0076】
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(メチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ 2.02-2.11 (m, 2H)、2.72 (s, 3H)、3.06-3.11 (m, 2H)、 3.60-3.65 (m, 2H)、6.32-6.34 (m, 1H)、7.29-7.51 (m, 3H)、7.72-7.79 (m, 2H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 292 (M+1)。
N4-(3-アミノプロピル)-N2-(3-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン:1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ1.90-1.97 (m, 2H)、2.89 (m, 2H)、3.46-3.52 (m, 2H)、6.35 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、7.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H)、7.42-7.53 (m, 2H)、7.88-7.92 (m, 2H)、 8.12 (br s, 3H)、9.62 (br s, 1H)、11.15 (br s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 278 (M+1)。
【0077】
N2-(3,4-ジフルオロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン:1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ1.68 (m, 2H)、2.13 (s, 6H)、2.27 (m, 2H)、3.32 (m, 2H)、5.95 (d, J = 5.4 Hz, 1H)、7.20-7.29 (m, 2H)、7.37-7.41 (m, 2H)、7.79 (m, 1H)、8.07-8.14 (m, 1H)、9.18 (s, 1H)。19F (DMSO-d6, 300 MHz): δ13.61 (m, 1F)、 24.856 (m, 1F)。MS (ESI, pos. ion) m/z:308.27 (M+1)。
N2-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (CD3OD, 300 MHz):δ1.85 (m, 2H)、2.28 (s, 6H)、2.32 (s, 3H)、2.48 (t, 2H)、3.46 (m, 2H)、5.96 (d, J = 6.3 Hz, 1H)、7.16 (d, J = 8.1Hz, 1H)、7.29 (d, J = 5.4 Hz, 1H)、7.75 (d, J = 5.1Hz, 1H)、8.00 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 320 (M+1)。
【0078】
N2-(3,4-ジクロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン:1H NMR(CDCl3, 300 MHz):δ1.85 (m, 2H)、2.34 (s, 6H)、2.52 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、3.50 (m, 2H)、5.91 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、6.21 (s, 1H)、7.10 (s, 1H)、7.30 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、7.92 (d, J = 5.7 Hz, 1H)、8.13 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z:340 (M+1)。
N2-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ1.79-1.86 (m, 2H)、2.30 (s, 6H)、2.46 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、3.46 (m, J = 6.0 Hz, 2H)、5.89 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、6.13 (s, 1H)、7.06 (t, J = 6.0 Hz, 1H)、7.17 (s, 1H)、7.27 (m, 1H)、7.26 (d, J = 6.6 Hz, 1H)、7.29 (s, 1H)、7.92 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、8.02 (d, J = 6.6 Hz, 1H)。C15H19ClFN5に関するHRMS計算値324.1391 m/z (M+1)+; 観察値324.1399 m/z。
【0079】
N2-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン:1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ1.80 (m, 2H)、2.27 (s, 6H)、2.45 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、3.49 (bs, 2H)、5.91 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、6.37 (t, J = 4.8 Hz, 1H))、7.37 (d, J = 8.7 Hz, 1H)、7.58 (d, J = 8.7 Hz, 1H)、7.94 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 1H)、8.34 (bs, 2H)。C16H19ClF3N5 に関するHRMS計算値374.1359 m/z (M+H)+; 観察値374.1357 m/z。
【0080】
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-エチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (CD3OD, 300 MHz):δ1.29 (t, J = 7.8 Hz, 3H)、2.07 (m, 2H)、2.71 (q, J = 7.8 Hz, 2H))、2.85 (s, 6H)、3.16 (m, 2H)、3.60 (t, J = 6.6 Hz, 2H)、6.24 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、7.16 (m, 1H)、7.34 (s, 1H)、7.38 (m, 2H)、7.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H)。 C17H25N5 に関するHRMS計算値300.2188 m/z (M+1)+;観察値300.2194 m/z。
N2-(2-フルオロ-3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン 1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ1.75-1.82 (m, 2H)、2.28 (s, 6H)、2.44 (t, J = 6.3 Hz, 2H)、3.46 (s, 2H)、5.92 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、6.02 (bs, 1H)、6.97-7.08、(m, 3H)、7.95 (d, J = 5.1 Hz, 1H)、8.49 (t, J = 7.8 Hz, 1H)。C15H19N5FCl に関するHRMS計算値324.1391 m/z (M+H)+;観察値324.1394 m/z。
【0081】
本発明のカテゴリーIに包含されるさらなる化合物は、十分に例示されていないが、以下のものが挙げられる:
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-アミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
及び
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン。
【0082】
本発明のカテゴリーIIを含む化合物は、以下の一般式で表される2-(置換フェニルアミノ)-4-(アミノ又は置換アミノ-エチレン、又は置換アミノブチレン)-アミノピリミジンである:
【0083】
【化25】

(式中、R2、R3、R5及びLを、以下の表IIに定義する)。
【0084】

【0085】
本発明のカテゴリーIIを含む化合物は、以下のスキームII及びIII及び実施例3及び4に概説する方法により製造可能である。
【化26】

試薬及び条件:(a)ジグリム、還流、18時間。
【0086】
【化27】

試薬及び条件(b):POCl3、N,N-ジメチルアニリン、還流、15分間。
【0087】
【化28】

試薬及び条件(c):DIPEA、THF、還流、20時間。
【0088】
実施例2
N4-[3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-N2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩(7)
2-(3-トリフルオロメチルフェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(5)の製造:ジグリム(25mL)中に2-(メチル-チオ)ピリミジン-4(3H)-オン、1、(5g、35.21mmol)を含む溶液に3-トリフルオロメチルアニリン(5.26mL、42.25mmol)を加えた。得られた混合物を18時間加熱還流し、撹拌した。室温に混合物を冷まして固形物を形成した。その固形物をヘキサンで洗い、所望の化合物1.9g(収率21%)を得た。MS (ESI, pos. ion) m/z: 256 (M+1)。
【0089】
4-クロロ-N-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン-2-アミン(6)の製造:2-(3-クロロ-フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、5、(1.9g、7.4mmol)及びN,N-ジメチルアニリン(2 mL)に、オキシ塩化リン(20mL)を加えた。得られた混合物を加熱し、15分間還流し、室温に冷まし、真空下で濃縮した。残留物を1M NaOH (水性)でpH7に中和した。有機層を酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカで精製し(ヘキサン中5% EtOAc)、所望の化合物0.62g (収率31%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ7.07 (d, J = 6.3 Hz, 1H)、7.34 (d, J = 8.4 Hz, 1H)、7.55 (t, J = 8.1 Hz, 1H)、7.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H)、8.20 (s, 1H)、8.52 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、10.40 (s, 1H)。 19F NMR (DMSO-d6, 282 MHz): δ101.67 (s, 3F)。
【0090】
N4-[3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-N2-[3-(トリフルオロ-メチル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩(7)の製造:4-クロロ-N-(3-(トリフルオロ-メチル)フェニル)ピリミジン-2-アミン、6、(200 mg、0.73 mmol)、N1,N1,2,2-テトラメチル-プロパン-1,3-ジアミン(0.232 mL、1.46mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.254mL、1.46 mmol)をTHF(5mL)に溶解し、20時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、EtOAcと水に分配した。有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮し、シリカで精製し(0.7%添加トリエチルアミンでCH2Cl2中、5%MeOH 〜 6%MeOH)、油を得た。その油をMeOH (0.5 mL)及びEt2O (20 mL)に溶解し、0℃に冷ました。この溶液に、ジオキサン(0.25mL)中の4M HCl溶液を一度に加えた。形成した白色沈殿物をろ過により回収し、減圧下で乾燥し、所望の化合物を白色固形物として得た:1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ1.09 (s, 6H)、2.81 (s, 3H)、2.83 (s, 3H)、3.11 (d, J = 4.2 Hz, 2H)、3.38-3.50 (m, 2H)、6.48 (d, J = 7.2 Hz, 1H)、7.51 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、7.66 (t, J = 7.5 Hz, 1H)、7.74 (d. J = 6.6 Hz, 1H)、7.91 (d, J = 7.2 Hz, 1H)、8.20 (s, 1H)、9.67 (bs, 1H)、10.80 (bs, 1H); C18H24F3N5に関する HRMS計算値368.2062 m/z (M+H)+;観察値368.2072 m/z。
【0091】
スキームIII
【化29】

試薬及び条件(a):DIPEA、THF、還流、18時間
【0092】
実施例3
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン (8)
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン(8)の製造: THF (4 mL)中に4-クロロ-N-(3-クロロフェニル)ピリミジン-2-アミン(0.2 g, 0.84 mmol)を含む溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.29 mL、1.67 mmol)、その後4-ジメチルアミノブチルアミン(0.2g、1.67 mmol)を加えた。得られた混合物を6時間加熱還流した。さらに2当量の4-ジメチルアミノブチルアミン(0.2g、1.67mmol)を加え、反応物を18時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、真空下で濃縮した。残渣を水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×25mL)。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。この残渣をシリカで精製し(0.7% Et3N を含むCH2Cl2中の5% MeOH)、所望の化合物7mg (収率3%)を得た。1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ1.62-1.66 (m, 4H)、2.26 (s, 6H)、2.39-2.44 (m, 2H)、3.46-3.48 (m, 2H)、5.97 (d, J= 5.7 Hz, 1H)、6.93 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.22 (t, J= 8.1 Hz, 1H)、7.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.75 (d, J = 5.7 Hz, 1H)、8.06 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 320 (M+1)。
【0093】
以下のものは、本発明のカテゴリーIIを含む化合物の非制限的な例であり、その特徴は、本明細書に特に例示されていない化合物の化学式を確立することにおいて配合者を補助すると考えられる。
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ピリミジン-2,4-ジアミン。 1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ2.33 (s, 6H)、2.62 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、3.58 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、5.99 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、6.95 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.23 (t, J = 8.1 Hz, 1H)、7.44 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.78 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、7.95 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 292 (M+1)。
N4-(3-アミノプロピル)-N2-(3-クロロフェニル)-N4-メチルピリミジン-2,4-ジアミン: 1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ1.88-1.92 (m, 2H)、2.78-2.84 (m, 2H)、3.13 (s, 3H)、 3.62-3.68 (m, 2H)、3.43 (br s, 1H)、7.06-7.08 (m, 1H)、7.30-7.38 (m, 1H)、7.50-7.53 (m, 1H)、7.93-8.04 (m, 4H)、10.25 (br s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 292 (M+1)。
【0094】
本発明のカテゴリーIIに包含されるさらなる化合物は、十分に例示されていないが、以下のものが挙げられる:
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
【0095】
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
及び
N4-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン。
【0096】
本発明のカテゴリーIIIを含む化合物は、以下の一般式で表される2-(置換フェニルアミノ)-4-(アミノ-又は置換 アミノ-プロピレン)アミノピリミジンである:
【化30】

(式中、R5は、置換又は非置換アリール、置換又は非置換のヘテロアリール、又は置換又は非置換の複素環であり、R1及びR2は以下の表IIIに定義される。)
【0097】

【0098】

【0099】
本発明のカテゴリーIIIを含む化合物は、スキームIV及びV及び実施例4及び5に以下に概説する以下の方法により製造することができる。
【化31】

試薬及び条件:(a)ジグリム、還流、18時間
【0100】
【化32】

試薬及び条件(b):POCl3、N,N-ジメチルアニリン、還流、1時間。
【0101】
【化33】

試薬及び条件(c):DIPEA、THF、還流、48時間
【0102】
実施例4
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-m-ビフェニルピリミジン-2,4-ジアミン 塩酸塩(11)
2-(3-ビフェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(9)の製造: ジグリム(5mL)中に2-(メチルチオ)-ピリミジン-4(3H)-オン、1、(790mg、5.5 mmol)を含む溶液に、3-アミノ-ビフェニル (1.91 g、11.2 mmol)を加えた。得られた混合物を18時間還流しながら撹拌した。混合物を室温に冷まし、ヘキサンを加え、沈殿物を形成し、ろ過により回収し、さらに精製することなしに使用される所望の化合物1.34g(収率92%)を得た。MS (ESI, pos. ion) m/z: 264 (M+1)。
【0103】
4-クロロ-N-(3-ビフェニル)ピリミジン-2-アミン(10)の製造:2-(3-ビフェニル-アミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、9、(1.34g、5.0mmol)及びN,N-ジメチルアニリン(1.5mL)に、オキシ塩化リン(10mL)を加えた。得られた混合物を加熱還流し、1時間撹拌し、室温に冷まし、真空下で濃縮した。残渣を1M NaOH(水性)でpH7に中和した。有機層をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層を鹹水で1回洗い、乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカで精製し(ヘキサン中5% EtOAc)、所望の化合物780mg(収率54%)を得た。MS(ESI、 pos. ion) m/z: 282 (M+1)。
【0104】
N2-(3-ビフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩 (11)の調製:THF(5mL)中の4-クロロ-N-(3-ビフェニル)ピリミジン-2-アミン、10、(102 mg、0.38mmol)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.84mmol)、その後3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン(0.15mL、1.2mmol)を加えた。得られた混合物を、48時間加熱還流した。反応物を室温に冷まし、真空下で濃縮し、残渣を得、シリカにより精製し (MeOH 中、95:3:2 CH2Cl2/MeOH/7N NH3)、所望の化合物61mg(収率48%)を得た。ジオキサン(4M)中、中性の化合物のHClでの処理により、塩酸塩を形成することができた。1H NMR (CD3OD, 300 MHz): δ(ppm) 1.74 (m, 2H)、2.15 (s, 6H)、2.27 (t, J = 6.0 Hz, 2H)、3.40 (m, 2H)、5.94 (d, J = 6.0 Hz, 1H)、7.19 (d, J = 7.2 Hz, 1H)、7.34 (m, 2H)、7.42 (m, 2H)、7.53 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、7.61 (m, 2H)、7.76 (d, J = 5.4 Hz, 1H)、8.12 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 348 (M+1)。
【0105】
【化34】

試薬及び条件:(a)ジグリム、還流、18時間
【0106】
【化35】

試薬及び条件(b):POCl3、N,N-ジメチルアニリン、還流、15分。
【0107】
【化36】

試薬及び条件(c):DIPEA、THF、還流、20時間。
【0108】
実施例5
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩(13)
2-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(11)の製造: ジグリム(9mL)中の2-(メチル-チオ)ピリミジン-4(3H)-オン、1、(1 g、14.08 mmol)に、3-(2-メチルチアゾール-4-イル)ベンゼンアミン(3.20g、16.90mmol)を加えた。得られた混合物を18時間、加熱還流及び撹拌した。混合物を室温に冷まし、固形物を形成した。固形物をヘキサンで洗い、所望の化合物1.0グラム(収率25%)を得た。MS (ESI, pos. ion) m/z: 285 (M+1)。
【0109】
4-クロロ-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-2-アミン(12)の製造:2-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、11、(1.0 g、3.5mmol)及びN,N-ジメチル-アニリン(1mL)にオキシ塩化リン(9.5mL)を加えた。得られた混合物を15分間加熱還流し、室温に冷まし、真空下で濃縮した。残渣を1M NaOH (水性)でpH7に中和した。有機層を酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を乾燥し (MgSO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカで精製し(ヘキサン中、5% EtOAc)、所望の化合物0.50g(収率47%)を得た。1H NMR (DMSO-d6、300MHz):δ2.73 (s, 3H)、6.98 (d, J = 5.1 Hz, 1H)、7.37 (t, J = 8.1 Hz , 1H)、7.57 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.72 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.83 (s, 1H)、8.25 (s, 1H)、8.46 (d, J = 5.1 Hz, 1H)、10.08 (s, 1H)。MS (ESI, pos. ion) m/z: 303 (M+1)。
【0110】
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン塩酸塩(13)の製造:4-クロロ-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-2-アミン、12、(400mg、1.30mmol)、N1,N1-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン(0.25mL, 2.0 mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン (0.46 mL, 2.6 mmol)をTHF(10mL)に溶解し、20時間還流加熱した。反応物を室温に冷まし、EtOAc及び水に分配した。有機層を乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮し、シリカで精製し(0.7%添加トリエチルアミンを含むCH2Cl2中、5%MeOH〜6%MeOH)、オイルを得た。そのオイルをMeOH(0.5mL)及びEt2O(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、ジオキサン(0.25mL)中の4M HClの溶液を一度に加えた。形成した白色固形物をろ過により回収し、減圧下で乾燥し、白色固形物として所望の化合物を得た:1H NMR (CD3OD, 300 MHz)δ2.03-2.08 (m, 2H)、2.79 (s, 6H)、2.80 (s, 3H)、3.10-3.15 (m, 2H)、3.65 (t, J = 6.6 Hz, 2H)、6.30 (d, J = 7.5 Hz, 1H)、7.45 (d, J = 7.8 Hz, 1H)、7.54 (t, J = 7.8 Hz, 1H)、7.70 (d. J = 7.5 Hz, 1H)、7.77 (s, 1H)、7.82 (d, J = 7.8 Hz, 1H)、8.19 (s, 1H); C19H24N6Sに関して計算したHRMS、369.1861 m/z (M+H)+; 観察値369.1855 m/z。
【0111】
本発明の化合物はプロテインキナーゼC-α(PKC-α)のインヒビターであり、従って、それらは心筋収縮及び弛緩性能の改善及び心不全の進行の遅延が可能なPKC-αインヒビターである。その化合物は、従来のPKC、例えばPKC-β又はPKc-γの追加のイソ型を潜在的に阻害する。これは、望ましいことではなく、薬理学的効果の増強を導くことができる。
疾患のレベル、例えば、PKC-α活性による心不全の相対的な程度は、患者により変わると考えられ、また他の悪い環境、特に他の疾患状態(糖尿病、高血圧等)の存在に基づくか、又は患者は他の状態、例えば糖尿病を患っているかも知れない。従って、配合者は、治療レベルを得るために本明細書に記載の化合物の異なるレベル又は量を使用することが要求されるかも知れない。配合者は、当業者に公知のいずれかの試験方法により、この量を決定することができる。
配合物
また、本発明は、本発明によるPKC-αインヒビターを含む組成物又は配合物に関する。一般的に、本発明の組成物は以下のものを含む:
a)有効量の1以上の2-アリールアミノ-4-(アミノアルキレン)アミノピリミジン又は本発明によるそれらの塩であって、PKC-αの阻害に有効なもの;及び
b)1以上の賦形剤。
【0112】
本発明の目的において、用語「賦形剤」及び「キャリヤー」は、本発明の記述全体を通して交換可能に使用される。賦形剤及びキャリヤーの一態様は、医薬の用語においてそれらの定義に関連し、その点において当該用語は、「安全及び有効な医薬組成物の実際の配合に使用される成分」として定義される。
賦形剤は、送達用の全体のビヒクルの一部としてだけでなく、活性成分のレシピエントによる有効な吸収を達成するための手段として使用する安全、安定及び官能性の医薬を送達することに第一に使用されると、配合者は理解すると考えられる。賦形剤は、不活性充填剤として単純かつ直接的に役割を担っていてもよく、又は本明細書に使用される賦形剤は、胃に安全な成分の送達を保証するためにpH安定化システム又はコーティングの一部であってもよい。本発明の化合物が、細胞の強度、薬物動態学的性能を改善、また経口バイオアベイラビリティを改善させるという実際の利益を、配合者は得ることができる。
本発明による組成物の非制限的な例としては以下のものが挙げられる:
a)本発明による1以上のPKC-αインヒビター約0.001mg〜約1000mg;及び
b)1以上の賦形剤。
【0113】
本発明による他の態様は、以下の組成に関する:
a)本発明による1以上のPKC-αインヒビター約0.01mg〜約100mg;及び
b)1以上の賦形剤。
本発明によるさらなる態様は、以下の組成に関する:
a)本発明による1以上のPKC-αインヒビター約0.1mg〜約10mg;及び
b)1以上の賦形剤。
本発明に使用する用語「有効量」は、「望ましい結果を達成するために必要な投与及び期間に有効な1以上のPKC-αインヒビターの量」を意味する。有効量は、当技術分野に公知の因子、例えば、治療されるべきヒト又は動物の疾患状態、年齢、性別及び体重により変わってもよい。特定の投与措置は、本明細書の例に記載されているかも知れないが、最適な治療応答を提供するために、投与措置を変えてもよいことは、当業者に明らかと考えられる。例えば、いくつかの分割した量を一日で投与してもよく、又はその量を治療状況の緊急性により示される場合に比例して減少させてもよい。さらに、本発明の組成物を、治療量を達成するのに必要な頻度で投与することもできる。
【0114】
使用方法
また、本発明は、心不全患者における心筋収縮/弛緩パラメータを改善及び/又は有害な心臓リモデリングを減弱化及び心不全悪化の進行を予防又は遅延する方法に関する。本発明の方法は、1以上の本発明のPKC-αインヒビターを含む有効量の組成物をヒト又は高等哺乳類に投与する工程を含む。
また、本発明は、慢性又は急性心不全を治療又は予防する方法に関し、前記方法は、医薬的に許容され得る量の請求項1に記載の化合物又は治療上許容され得るそれらの塩を、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系に作用する選択される薬剤、利尿剤、ジゴキシン又はβ-アドレナリンレセプターブロッカー、ナトリウム利尿ペプチド及び筋収縮剤との組み合わせにおいて、それらを必要な患者に投与するための工程を含む。
また、本発明は、PKC-αの阻害が利益を提供する心疾患の治療用医薬の製造における、本発明による2-アリールアミノ-4-(アミノ-アルキレン)アミノ-ピリミジン又はそれらの塩の使用に関する。
【0115】
方法
PKC-α阻害活性の評価
PKCα酵素活性の測定は、完全長ヒトPKCα酵素(Upstate Biotechnology)を使用し、キナーゼアッセイバッファー(0.09 mg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)、210μMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、360μM CaCl2、1mM トリス-HCl、pH=7.5、0.5mM MgCl2、0.015 mg/ml ホスファチジルセリン及び0.015 mg/mlジアシルグリセロール)中、最終濃度0.12μg/mlで行った。反応は、アデノシン三リン酸(ATP;最終濃度45μM)及びニューログラニン(Promega; 最終濃度22μM)のアミノ酸28〜43 (Ala-Ala-Lys-Ile-Gln-Ala-Ser-Phe-Arg-Gly-His-Met-Ala-Arg-Lys-Lys)からなるペプチド基質の添加により開始した。24℃で30分のインキュベーションの後、MALDIマトリックス溶液(50%アセトニトリル/H2O、0.1%TFA、5mMリン酸アンモニウム中、5mg/ml α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸)50μLへの反応混合物5μLの添加により反応を終わらせた。終了した反応混合物2マイクロリットルを、MALDI―TOF質量スペクトロメータ標的プレートに移した。
全てのスペクトルを陰イオン反射モードにおいてNd:YAGレーザー(355 nm、3 nsパルス幅、200 Hz 反復率)を備えたアプライドバイオシステム4700 Proteomics Analyzer MALDI-TOF MSに集めた。そのシステムを4700エクスプローラーソフトウエア、バージョン3.0で作動させた。オートメート化獲得パラメータを調整し、定義の成功基準内でそれらの個々のスペクトルのみを捕獲し平均化した。特に、基質ペプチドのシグナル強度を、最少閾値3000カウント及び最大強度65,000カウントにセットした。これは、ゼロスペクトルと飽和スペクトルのどちらも最終読出しに平均化されないことを確実にした。1000〜1500の間のレーザーショットは、各サンプルについて平均化した。データを3連続日から3通りに集め、酵素反応のプレパレーションに関する最大可変性、MALDI標的プレートへのサンプルの移行、データ収集、及びデータ抽出を取り込んだ。
【0116】
各ペプチド基質に関する同位体クラスター領域及び生成物ピークは、4700エクスプロールソフトウェア内に提供される自動分析機能を同時に使用して、10×10配列スペクトルデータから、マイクロソフトエクセルワークシートに抽出した。その同位体クラスター領域は、ペプチドの分子量及び一般的な原子組成をベースとしたソフトウエアアルゴリズムにより定義される。生成物に対する基質の変換百分率(%C)は、以下の式により表すように、生成物(P)のクラスター領域を、基質(S)と生成物のクラスター領域の合計により割り、100を掛けることで計算した:
%C=P/(P+S)×100
容量依存阻害の研究について、阻害は、最大活性%(%MA)としてプロットした。式1は生成物対基質の比の測定であり、その後、%Cについて解いた。しかし、酵素活性の阻害の測定のために、活性(%C)が低減された程度を測定しなければならない。従って、容量依存阻害データは、%MAとしてプロットされ、最大活性は、インヒビターなしでのコントロール反応において測定した%Cであり、以下の式により表される:
%MA=(インヒビターでの%C/インヒビターなしの%C)×100
【0117】
心筋細胞におけるPKCαインヒビターの評価
細胞におけるPKCα活性の測定は、マウスHL-1心房心筋細胞を使用して測定した。1日目、HL-1細胞を96穴組織培養プレート中、18,000細胞/穴でプレーティングした。細胞を、10%ウシ胎児血清、200mMグルタミン及び1%抗生物質/抗菌剤で補足した0.1ml Claycomb成長培地(ノルエピネフリンなし)において培養した。2日目、細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)100μlで1回洗い、200mMグルタミンを補足した無血清Claycomb培地100μlで置き換えた。化合物試験に関して、培地を除去し、最終容量50μlの異なる濃度の化合物を含有する、200mMグルタミンを補足した無血清Claycomb培地で置き換えた。化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、最終DMSO濃度を0.5%に維持した。その後、プレートを30分間、37℃で、5%CO2インキュベータ中でインキュベートした。その後、培地を除去し、プレートを、氷冷したPBS 100μlで1回濯いだ。PBSを除去し、蒸留水中に1:1希釈され、最終濃度0.3%β-メルカプトエタノール、50μg/mlフェニルメチルスルホニルフッ素(PMSF)10mMベンズアミジン、10nMオカダ酸、20μg/mlロイペプチン及び20μg/ml大豆トリプシンインヒビターを含むBPERII清浄剤(Pierce)からなる氷冷溶解緩衝液10μlと置換えた。プレートを10〜20分間、4℃で穏やかに混合した。次に、0.1mg/ml BSA、250μM EDTA、400μM CaCl2からなる同時活性化緩衝液90μlを、各穴に加えた。細胞ライセート/同時活性化緩衝溶液25マイクロリットルを各穴から除去し、0.1mg/mlウシ血清アルブミン、235μM EDTA、400μM CaCl2、1mM トリス-HCl、pH=7.5、0.5 mM MgCl2、0.015mg/ml ホスファチジルセリン及び0.015mg/ml ジアシルグリセロール、20μM ATP及びEGFレセプターのオクタペプチド断片(Arg-Lys-Arg-Thr-Leu-Arg-Arg-Leu)2μMからなる基質溶液25μlの添加により、酵素活性を測定した。24℃、30分間のインキュベーションの後、反応混合物5μLのMALDIマトリックス溶液(50%アセトニトリル/H2O中の5mg/ml α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸、0.1%TFA、5mM リン酸アンモニウム)50μLへの添加により、反応を停止した。その停止した反応混合物2マイクロリットルを、MALDI-TOF質量スペクトロメータ標的プレートに移した。単離PKCα阻害アッセイについて前記したように、%最大活性として、質量スペクトロメトリーにより、用量依存阻害を測定した。
【0118】
麻酔ラットにおけるPKCαインヒビターのインビボ評価
心筋梗塞(MI)後の急性心不全(HF)ラットにおいて、心筋収縮及び血行動態への作用について、選択したPKCαインヒビターを評価した。雄性Sprague-Dawleyラットをイソフルランで麻酔し、挿管し、人工呼吸器に置き、実験コースの間、麻酔のサージカルプレーン(surgical plane)に維持した。左心室機能(+dP/dt、LVDP)、動脈圧の測定のために、その動物に機器を装備し、不整脈の発生についてECGをモニターした。第四肋間腔で開胸術を行い、心臓を可視化し、心膜を開け、左前下行枝(LAD)冠動脈周辺をその起源から約3〜4mm縫合を行った。血行動態値が安定化した時、LADを持続的に結紮し、心筋梗塞を生じさせた。深刻な不整脈を、リドカインの投与により処置した。一般的に、結紮後約40〜60分間で心機能は安定化し、ベースラインの血行動態値を測定した。N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン、100及び300nmol/kg/分を10分間それぞれ投薬し、また血行動態パラメータをそれぞれの投薬後に測定した。処置効果を、処置前ベースライン値に標準化し、百分率で表した。統計上の有意性(p<0.05)を、一元ANOVA及びダネットの多重比較試験を使用して評価した。
【0119】
麻酔ラットにおけるPKCαインヒビターのインビボ評価
選択されたPKCαインヒビターを、心収縮性及び血行動態への作用について心筋梗塞(MI)ラットで評価した。
体重225〜500gmの雄性Sprague-Dawley又はLewisラットを、イソフルランで麻酔し、MIを以下のように生じさせた。第四肋間腔で開胸術を行い、心臓を可視化し、心膜を開け、左前下行枝(LAD)冠動脈周辺をその起源から約3〜4mm縫合を行った。血行動態値を安定化した場合、LADを持続的に結紮し、心筋梗塞を生じさせた。深刻な不整脈を、リドカインの投与により処置した。一般的に、結紮後約40〜60分間で心機能は安定化し、ベースラインの血行動態値を測定した。
【0120】
心収縮性及び血行動態におけるインヒビターの作用を、以下のようにMIラットで評価した。その動物をイソフルランで麻酔した。大腿動脈を単離し、全身血圧の測定のためにカニューレ挿入した。頚静脈を単離し、インヒビターの静脈内注入のためにカニューレ挿入した。右頚動脈を単離し、Millar伝導性カテーテルを心臓の左心室(LV)に挿入した。LV収縮期圧、拡張末期圧、+dP/dtmax、-dP/dtmin及び心拍数をLV圧波形から誘導した。平均動脈圧を全身血圧波形から誘導した。データは、持続的に記録し、コンピューター化データ獲得ソフトウェア(Notocord又はPowerlab)を使用して誘導した。
安定化期間の後、PKC-αインヒビターを、MIラットにおいて以下の注入量で注入した:10、30、100、300及び1000 nmol/kg/分。各用量の注入を、少なくとも5分間行った。試験注入の終わりに、ドブタミン5.0μg/kg/分を注入した。処置効果を、処置前ベースライン値に標準化し、百分率で表した。統計上の有意性(p<0.05)を、一元ANOVA及びダネットの多重比較試験を使用して評価した。
表IVに、本発明の代表的な化合物のPKC-αIC50値の非制限的な例を示した。
【0121】

【0122】
本発明の特定の態様を説明し、記載したが、様々な他の変更及び修飾を本発明の意図及び範囲から逸脱することなしに行うことが可能なことは当業者に自明と考えられる。従って、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内の全てのそのような変更及び修飾を網羅することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式で表される化合物:
【化1】

(式中、Rは以下の一般式で表される単位であり:
【化2】

R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-C4の置換又は非置換の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位である:
-[C(R4aR4b)]n-
それぞれのR4a及びR4bは、以下のものから独立して選ばれ
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
指数nは1〜4であり;
R1は置換又は非置換アリールである;
但し、N2-(4-クロロフェニル)-N4-[(2-ジエチルアミノ)エチル]-ピリミジン-2,4-ジアミン、N2-(4-クロロフェニル)-N4-[(3-ジエチルアミノ)プロピル]-ピリミジン-2,4-ジアミン及びN2-(4-メチルフェニル)-N4-[(2-ジエチルアミノ)エチル]-ピリミジン-2,4-ジアミンは除く)。
【請求項2】
R2及びR3が、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルからそれぞれ独立して選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-NH(CH2CH3)、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)、-NH(CH2CH2CH3)、-N(CH3)(CH2CH2CH3)、-N(CH2CH3)(CH2CH2CH3)及び-N(CH2CH2CH3)2から選ばれる単位である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Rが、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-NH(CH2CH3)及び-N(CH2CH3)2から選ばれる単位である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、以下のものから選ばれる1以上の単位で置換されているフェニル単位である、請求項1に記載の化合物:
i) C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル;
ii) ハロゲン;
iii)-OR6;
iv) -SO2N(R6)2;
v) -CHmXn;式中、各Xは、独立してF、Cl、Br又はIであり、mは0〜2であり、m+n=3であり;及び
vi) -NO2;
(各R6は、独立して水素、C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル又はフェニルである。)
【請求項6】
R1が、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロ-4-メチルフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチル-4-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、3-メチルフェニル、3-エチルフェニル及び3-イソプロピルフェニルから選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R1が、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、 4-フルオロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,6-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,6-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル及び2,4,6-トリクロロフェニルから選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、2-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチル-フェニル、2,6-ジメチルフェニル、3,4-ジメチル-フェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチル-フェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,4,5-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジエチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,5-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、3,4-ジエチルフェニル、2,3,4-トリエチルフェニル、2,3,5-トリエチルフェニル、2,3,6-トリエチルフェニル、2,4,5-トリエチルフェニル及び2,4,6-トリエチルフェニルから選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,6-ジメトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニル、2,3,5-トリメトキシフェニル、2,3,6-トリメトキシ-フェニル、2,4,5-トリメトキシフェニル、2,4,6-トリメトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2,3-ジヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、2,5-ジヒドロキシフェニル、2,6-ジヒドロキシフェニル、3,4-ジヒドロキシ-フェニル、2,3,4-トリヒドロキシフェニル、2,3,5-トリヒドロキシ-フェニル、2,3,6-トリヒドロキシフェニル、2,4,5-トリヒドロキシフェニル及び2,4,6-トリヒドロキシフェニルから選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-メトキシフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2--(3-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(メチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-アミノプロピル)-N2-(3-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3, 4-ジフルオロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3,4-ジクロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-エチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-[3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-N2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;及び
N4-(3-アミノプロピル)-N2-(3-クロロフェニル)-N4-メチルピリミジン-2,4-ジアミンから選ばれる化合物。
【請求項11】
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
及び
N4-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミンから選ばれる化合物。
【請求項12】
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)エチル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-(3-クロロフェニル)-N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(3-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-クロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジクロロフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(4-メチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,3-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,5-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(2,6-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;及び
N4-(3-(ジメチルアミノ)ブチル)-N2-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-2,4-ジアミンから選ばれる化合物。
【請求項13】
以下の一般式で表される化合物:
【化3】

{式中、R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれる:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状又は分岐のアルキル;及び
R5は、以下のものから選ばれる:
i) C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル;
ii) ハロゲン;
iii)-OR6;
iv) -SO2N(R6)2;
v) -CHmXn;式中、各Xは、独立してF、Cl、Br又はIであり、mは0〜2であり、m+n=3である;
vi) -NO2;及び
vii)フェニル;
(式中、各R6は、独立して水素又はC1-C4の線状、分岐又は環状アルキルであり;N2-(4-クロロフェニル)-N4-[(3-ジエチルアミノ)プロピル]-ピリミジン-2,4-ジアミンは除く)}。
【請求項14】
R2及びR3が、それぞれ独立して水素、メチル又はエチルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R5が、3-クロロ、4-クロロ、3,4-ジクロロ、3-クロロ-4-メチル-、3-クロロ-4-フルオロ、3,4-ジフルオロ、3-トリフルオロ-メチル、3-トリフルオロメチル-4-クロロ、3-メトキシ、3-メチル、3-エチル及び3-イソ-プロピルから選ばれる、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
R5が、2-フルオロ、3-フルオロ、4-フルオロ、2,3-ジフルオロ、2,4-ジフルオロ、2,5-ジフルオロ、2,6-ジフルオロ、2-クロロ、2,3-ジクロロ、2,4-ジクロロ、2,5-ジクロロ 及び2,6-ジクロロから選ばれる、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
R5が、2-メトキシ、4-メトキシ、2,3-ジメトキシ、2,4-ジメトキシ、2,5-ジメトキシ、2,6-ジメトキシ、3,4-ジメトキシ、2-ヒドロキシ、3-ヒドロキシ、4-ヒドロキシ、2,3-ジヒドロキシ、2,4-ジヒドロキシ、2,5-ジヒドロキシ、2,6-ジヒドロキシ及び3,4-ジヒドロキシから選ばれる、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
以下の一般式で表される化合物:
【化4】

{式中、R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれる:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状又は分岐のアルキル;
R5は、以下のものから選ばれる:
i) C1-C4の線状、分岐又は環状アルキル;
ii) ハロゲン;
iii)-OR6;
iv) -SO2N(R6)2;
v) -CHmXn;式中、各Xは、独立してF、Cl、Br又はIであり、mは0〜2であり、m+n=3である;
vi) -NO2;及び
vii)フェニル;
(式中、各R6は、独立して水素又はC1-C4の線状、分岐又は環状アルキルであり;
Lは、以下のものから選ばれる;
i) -CH2-、メチレン;
ii) -CH2CH2-、エチレン;
iii) -CH(CH3)CH2-、1-プロピレン;
iv) -CH2CH(CH3)-、2-プロピレン;
v) -CH2CH2CH2CH2-、ブチレン
vi) -CH(CH3)CH2CH2-、1-ブチレン;
vii) -CH2CH(CH3)CH2-、2-ブチレン;及び
viii)-CH2C(CH3)2CH2-、2,2-ジメチルプロピレン;
但し、N2-(4-クロロフェニル)-N4-[(2-ジエチルアミノ)エチル]-ピリミジン-2,4-ジアミン及びN2-(4-メチルフェニル)-N4-[(2-ジエチルアミノ)エチル]-ピリミジン-2,4-ジアミンは除く}。
【請求項19】
以下のものを含む組成物:
A)以下の一般式で表される化合物:
【化5】

(式中、Rは以下の一般式で表される単位であり:
【化6】

R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位であり:
-[C(R4aR4b)]n-
それぞれのR4a及びR4bは、以下のものから独立して選ばれり
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
指数nは1〜4であり;
R1はアリールである)及び
B)バランスキャリヤー及び賦形剤。
【請求項20】
以下の一般式により表される化合物を含む組成物を、急性心不全を患うヒトに投与することを含む、心不全患者における心筋収縮/弛緩パラメータの改善方法:
【化7】

{式中、Rは以下の一般式により表される単位であり:
【化8】

R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位であり:
-[C(R4aR4b)]n-
それぞれのR4a及びR4bは、以下のものから独立して選ばれ;
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
指数nは1〜4であり;また
R1はアリールである}。
【請求項21】
以下の一般式で表される1以上のPKC-αインヒビターを含む組成物の有効量を、ヒトに投与することを含む、慢性又は急性心不全の治療方法:
【化9】

{式中、Rは以下の一般式により表される単位であり:
【化10】

R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位であり:
-[C(R4aR4b)]n-
それぞれのR4a及びR4bは、以下のものから独立して選ばれ;
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
指数nは1〜4であり;また
R1はアリールである}。
【請求項22】
医薬の製造における化合物の使用であって、前記化合物は以下の一般式により表される:
【化11】

{式中、Rは以下の一般式により表される単位であり:
【化12】

R2及びR3は、以下のものからそれぞれ独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
Lは、以下の一般式で表される結合単位であり:
-[C(R4aR4b)]n-
それぞれのR4a及びR4bは、以下のものから独立して選ばれ:
i) 水素;又は
ii)C1-4の線状、分岐又は環状アルキル;
指数nは1〜4であり;また
R1はアリールである}。
【請求項23】
糖尿病、多くの型の癌、ミクロアルブミン尿症、内皮機能障害、脳血管疾患、卒中、冠動脈性心疾患、脳血管疾患及び後遺症(例えば、不整脈、突然死、梗塞サイズの増大、鬱血性心不全、アンギナ)、心筋の虚血状態、高血圧、脂質疾患、虚血性再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈/脈管疾患、糖尿病の微小血管合併症(神経障害、腎障害、網膜症)、再狭窄、腎臓病、血液凝固疾患、炎症性疾患、心肥大、拡張型心筋症、虚血性傷害及びマイトジェン刺激から選ばれる疾患又は病状の治療又は予防方法であって、請求項1に記載の化合物の治療量を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む、前記方法。
【請求項24】
請求項1に記載の1以上のPKC-αインヒビターを含む組成物の有効量を、ヒトに投与することを含む、急性心不全の治療方法。
【請求項25】
請求項1に記載の1以上のPKC-αインヒビターを含む組成物の有効量を、ヒトに投与することを含む、慢性心不全に関する方法。
【請求項26】
慢性又は急性の心不全の治療又は予防方法であって、医薬的に許容され得る量の請求項1に記載の化合物又は治療上許容され得るそれらの塩を、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系に作用する選択される薬剤、利尿剤、ジゴキシン又はβ-アドレナリンレセプターブロッカー、ナトリウム利尿ペプチド及び筋収縮剤との組み合わせにおいて、それらを必要な患者に投与する工程を含む、前記方法。
【請求項27】
請求項1に記載の化合物との組み合わせに使用される薬剤が、ACEI、ARB又はアルドステロンインヒビターから選ばれるレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系である、請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2009−540012(P2009−540012A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515619(P2009−515619)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/071073
【国際公開番号】WO2007/146977
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】