説明

2−アミノキノリン誘導体

一般式[I]


[式中、R及びRは、低級アルキル基、低級シクロアルキル基等を表すか、R及びRが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に脂肪族含窒素複素環を形成し、R、R、R、R及びRは、水素原子、低級アルキル基等を表し、Rは、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基等を表し、nは0〜4の整数を表す。]で表される2−アミノキノリン誘導体を提供する。この化合物はメラニン凝集ホルモン受容体の拮抗剤として作用し、中枢性疾患、循環器系疾患、代謝性疾患用の医薬品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬の分野において有用な2−アミノキノリン誘導体に関する。この化合物は、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗物質として作用し、各種の循環器系疾患、神経系疾患、代謝系疾患、生殖系疾患、呼吸器疾患、消化管疾患等の予防剤又は治療剤として有用である。
【背景技術】
メラニン凝集ホルモン(Melanin Concentrating Hormone;以下「MCH」と称す)は、1983年、川内らにより鮭の下垂体より初めて単離された環状のペプチドホルモン/神経ペプチドである[ネイチャー(Nature)、305巻、321頁(1983年)]。魚類では、メラニン細胞刺激ホルモンと機能的に拮抗して、黒色素胞内のメラニン顆粒の凝集を引き起こし、体色の変化に関与することが知られている[インターナショナル・レヴュー・オブ・サイトロジー(International Review of Cytology)、126巻、1頁(1991年);トレンヅ・イン・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(Trends in Endocrinology and Metabolism)、5巻、120頁(1994年)]。又、哺乳動物においては、MCHを含有するニューロンの細胞体は視床下部外側野および不確帯に局在するが、その神経線維は脳内の非常に広い範囲に投射しており[ザ・ジャーナル・オブ・コンパラティブ・ニューロロジー(The Journal of Comparative Neurology)、319巻、218頁(1992年)]、MCHは生体において種々の中枢機能を司っているものと考えられる。
視床下部外側野は、古くより摂食中枢として知られており、さらに近年、MCHのエネルギー恒常性制御への関与を示唆する分子生物学的・薬理学的知見が多く蓄積してきている。すなわち、遺伝的肥満モデル動物であるob/obマウス、db/dbマウス、A/aマウス、Zucker fattyラットや絶食したマウスの脳内において、MCH前駆体のmRNAの発現が亢進することが報告されている[ネイチャー(Nature)、380巻、243頁(1996年);ダイアベテス(Diabetes)、47巻、294頁(1998年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、268巻、88頁(2000年);モレキュラー・ブレイン・リサーチ(Molecular Brain Research)、92巻、43頁(2001年)]。
MCHをラットの脳室内に急性投与すると、摂食の亢進が観察され[ネイチャー(Nature)、380巻、243頁(1996年)]、慢性投与すると、過食を伴って肥満を呈する[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、99巻、3240頁(2002年)]。さらに、MCH前駆体遺伝子を欠失したマウスでは、野生型マウスに比べて摂食量の低下や体重当たりの酸素消費量の上昇が見られ、体脂肪の減少による低体重が観察されている[ネイチャー(Nature)、396巻、670頁(1998年)]。
反対に、MCH前駆体を過剰に発現するトランスジェニックマウスは、過食を伴う肥満とインスリン抵抗性を呈する[ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)、107巻、379頁(2001年)]。その結果、MCHは、肥満形成における重要な因子であると共に、肥満をもリスク・ファクターとする代謝異常疾患や呼吸器疾患への関与が示唆される。その他、MCHには、不安惹起作用、癲癇、記憶・学習、利尿作用、ナトリウム・カリウムの排泄作用、オキシトシン分泌作用や、生殖・性機能への関与などが知られている[ペプタイヅ(Peptides)、17巻、171頁(1996年);ペプタイヅ(Peptides)、18巻、1095頁(1997年);ペプタイヅ(Peptides)、15巻、757頁(1994年);ジャーナル・オブ・ニューロエンドクリノロジー(Journal of Neuroendocrinology)、8巻、57頁(1996年);クリティカル・レヴューズ・イン・ニューロバイオロジー(Critical Reviews in Neurobiology)、8巻、221頁(1994年)]。
MCHは、主として中枢神経系に存在するMCH受容体を介して多様な薬理作用を惹起する。MCHの受容体としては、1型受容体(MCH−1R又はSLC−1)および2型受容体(MCH−2R又はSLT)の少なくとも2種類の受容体が知られている[ネイチャー(Nature)、400巻、261頁(1999年);ネイチャー(Nature)、400巻、265頁(1999年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、261巻、622頁(1999年);ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology)、1巻、267頁(1999年);フェブス・レターズ(FEBS Letters)、457巻、522頁(1999年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、283巻、1013頁(2001年);ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)、276巻、20125頁(2001年);プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、98巻、7564頁(2001年);プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、98巻、7576頁(2001年);ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)、276巻、34664頁(2001年);モレキュラー・ファーマコロジー(Molecular Pharmacology)、60巻、632頁(2001年)]。
なかでも齧歯類に観察される薬理作用は、主としてMCH−1Rを介して惹起される[ゲノミクス(Genomics)、79巻、785頁(2002年)]。MCH−1Rの遺伝子欠損マウスにMCHを慢性投与しても過食及び肥満が観察されないことから、MCHによるエネルギー代謝制御はMCH−1Rを介して惹起されることが知られている。さらに、MCH−1Rの欠損は、マウスの活動量を亢進することが知られており[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、99巻、3240頁(2002年)]、行動異常を伴う中枢性疾患、例えば注意欠陥・多動性障害、統合失調症うつ病等のへの関与も強く示唆される[モレキュラー・メディシン・トゥデイ(Molecular Medicine Today)、6巻、43頁(2000年);トレンヅ・イン・ニューロサイエンス(Trends in Neuroscience)、24巻、527頁(2001年)]。
又、尋常性白斑患者の血清中にMCH−1Rに対する自己抗体が存在することが報告されている[ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)、109巻、923頁(2002年)]。更に、ある種の癌細胞におけるMCH−1Rの発現が報告されており、又、MCH及びMCH−1Rの生体内の発現部位からも、癌、睡眠・覚醒、薬物依存症、消化管疾患への関与も示唆されている[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、289巻、44頁(2001年);ニューロエンドクリノロジー(Neuroendocrinology)、61巻、348頁(1995年)、エンドクリノロジー(Endocrinology)、137巻、561頁(1996年)、ザ・ジャーナル・オブ・コンパラティブ・ニューロロジー(The Jounal of Comparative Neurology)435巻、26頁、(2001年)]。
MCHの機能は、MCHがMCH受容体に結合することにより発現される。したがって、MCHの受容体結合を阻害すれば、MCHの作用発現を阻止することができる。その結果、MCHの受容体結合に拮抗する物質は、MCHが関与する各種疾患、例えば肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として有用である。
従来公知のメラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤としては、例えば国際公報WO01/21577号、国際公報WO02/06245号、国際公報WO02/02744号、国際公報WO01/82925号、特開2002−3370号等に記載がある。
例えば特開2002−3370号では、下記化合物が開示されている。

しかしながら上記明細書は、Ar部分は単環式芳香環であり、本発明の二環式芳香環であるキノリン環は含まれない。更に、Ar1に相当する部位には本発明の特徴であるフェニルピリミジン環が開示されておらず、本発明化合物とは構造が異なるものである。更に、上記明細書からは、Arを二環式芳香族であるキノリン環を採用し、且つ、Ar1部分にフェニルピリミジン骨格を採用する組み合わせは容易に成し得るものではない。
又、国際公報WO01/82925号には下記化合物が開示されている。

しかしながら、ここではArとアミノ基の間にY(炭素数1〜6のスペーサー)が存在し、本発明化合物とは構造が異なる。
本発明は、MCHがMCH−1Rに結合することを拮抗する作用を有する2−アミノキノリン誘導体を提供するとともに、これを用いた肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者らは、MCH−1RへのMCHの結合を阻害する化合物を開発すべく鋭意検討を行い、2位にアミノ基を有するキノリン骨格の6位にアミド基を介して特定のフェニルピリミジン基を有する化合物が新規物質であり、MCH−1R拮抗作用を有し、且つ、薬物動態に優れることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1) 一般式[I]

[式中、R及びRは、各々独立して、
1)水酸基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい、低級アルキル基、
2)Rで置換されていてもよい3〜6員のシクロアルキル基、及び
3)Rで置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクロアルキル基、よりなる群から選択される置換基を表すか、又は
4)RとRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の脂肪族含窒素複素環を形成し、該脂肪族含窒素複素環における1又は2個の任意の水素原子はRで置換されていてもよく、
、R、R及びRは、各々独立して、
1)水素原子、
2)水酸基、
3)ハロゲン原子、及び
4)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、よりなる群から選択される置換基を表し、
は、
1)水素原子、又は
2)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基を表し、
は、
1)ハロゲン原子、
2)低級アルキル基、及び
3)低級アルキルオキシ基、よりなる群から選択される置換基を表し、
は、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、低級アルキルオキシカルボニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、モノ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニル(低級アルキル)アミノ基、オキソ基及び2−オキソピロリジニル基よりなる群から選択される置換基を表し、
nは、0、1、2、3又は4を表す。]で表される2−アミノキノリン誘導体又は薬学上許容される塩、を提供する。
更に、本発明は、
(2) (1)に記載の化合物を有効成分とするメラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤、
(3) (1)に記載の化合物を有効成分とする肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎及び肝硬変に代表される代謝系疾患;狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、冠状動脈硬化症、高血圧、腎臓病及び電解質異常に代表される循環器系疾患;過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症及びアルコール依存症に代表される中枢及び末梢神経系疾患;不妊症、早産及び性機能障害に代表される生殖系疾患;消化管疾患;呼吸器疾患;癌又は皮膚色素沈着の予防剤又は治療剤、
(4) (1)に記載の化合物又は薬学上許容される塩、及び医薬上許容される担体を含有する医薬組成物、
(5) 一般式[I]

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びnは、(1)に記載のものと同義である。]で表される化合物の製造方法であって、
一般式[II]

[式中、R、R、R、R及びRは、(1)に記載のものと同義である。]で表される化合物と一般式[III]

[式中、R、R、R及びnは、(1)に記載のものと同義である。]で表される化合物をアミド化反応する工程、を包含する方法、を提供する。
以下に、本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
「低級アルキル基」には、炭素数1〜6のアルキル基、即ち炭素数1〜6の直鎖状又は炭素数3〜6の分岐鎖状のアルキル基が包含され、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が例示される。
「低級シクロアルキル基」には、炭素数3〜6のシクロアルキル基が包含され、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が例示される。
「低級シクロアルキルオキシ基」は、酸素原子に炭素数3〜6のシクロアルキル基が結合した基であり、具体的にはシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基が例示される。
「低級ヘテロシクロアルキル基」は、炭素数3〜6のシクロアルキル基中の任意の炭素原子の1又は2個が、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子に置換されている基を意味し、具体的にはアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、1−チア−4−アザシクロヘキシル基等が例示される。
「オキソ基」とは、2つの置換基がそれらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成する基を意味し、例えば、Rの場合、2つのRとそれらが結合する炭素原子とがカルボニル基をなす場合をいう。
「フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基」には、低級アルキル基又はフッ素原子で置換されている低級アルキル基が包含され、具体的には前記低級アルキル基の他に、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジフルオロエチル基等が例示される。
「ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基」には、低級アルキル基又はハロゲン原子で置換されている低級アルキル基が包含され、具体的には前記低級アルキル基の他に、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジフルオロエチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、1,2−ジクロロエチル基等が例示される。
「フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基」には、酸素原子に低級アルキル基又はフッ素原子で置換されている低級アルキル基が置換した基が包含され、具体的には低級アルキルオキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等が挙げられ、又、フッ素原子で置換されている低級アルキルオキシ基としてフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基等が例示される。
「モノ低級アルキルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が例示される。
「ジ低級アルキルアミノ基」は、アミノ基の2つの水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が例示される。
「低級アルキルオキシカルボニル基」は、カルボニル基に低級アルキルオキシ基が置換した基であり、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基が例示され、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基等が例示される。
「低級アルキルオキシカルボニルアミノ基」は、アミノ基に低級アルキルオキシカルボニル基が結合した基であり、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニルアミノ基が例示され、具体的にはメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロピルオキシカルボニルアミノ基、イソプロピルオキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、イソブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−ペンチルオキシカルボニルアミノ基等が例示される。
「低級アルキルオキシカルボニル(低級アルキル)アミノ基」は、モノ低級アルキルアミノ基の窒素原子上の水素原子の代わりに低級アルキルオキシカルボニル基が結合した基であり、具体的にはメトキシカルボニル(メチル)アミノ基、エトキシカルボニル(メチル)アミノ基、n−プロピルオキシカルボニル(メチル)アミノ基等が例示される。
「低級アルキルカルボニル基」は、カルボニル基に低級アルキル基が結合した基であり、具体的には炭素数1〜6のアルキルカルボニル基が例示され、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が例示される。
「低級アルキルカルボニルアミノ基」は、アミノ基に低級アルキルカルボニル基が結合した基であり、具体的にはアセトアミノ基、プロピオニルアミノ基、イソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリルアミノ基、ピバロイルアミノ基等が例示される。
「低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基」は、低級アルキルアミノ基の窒素原子上の水素原子が低級アルキルカルボニル基と置換した基であり、具体的にはメチルカルボニル(メチル)アミノ基、エチルカルボニル(メチル)アミノ基、n−プロピルカルボニル(メチル)アミノ基等が例示される。
「低級アルキルカルボニルオキシ基」は、酸素原子に低級アルキルカルボニル基が結合した基であり、具体的にはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が例示される。
「モノ低級アルキルカルバモイル基」は、カルバモイル基の水素原子の1つが低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、sec−ブチルカルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基等が例示される。
「ジ低級アルキルカルバモイル基」は、カルバモイル基の2つの水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基、ジ(n−プロピル)カルバモイル基、メチルプロピルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基等が例示される。
「モノ低級アルキルカルバモイルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つがモノ低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的にはメチルカルバモイルアミノ基、エチルカルバモイルアミノ基、n−プロピルカルバモイルアミノ基、イソプロピルカルバモイルアミノ基、n−ブチルカルバモイルアミノ基、sec−ブチルカルバモイルアミノ基、tert−ブチルカルバモイルアミノ基等が例示される。
「ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つがジ低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的にはジメチルカルバモイルアミノ基、ジエチルカルバモイルアミノ基、ジ(n−プロピル)カルバモイルアミノ基、ジイソプロピルカルバモイルアミノ基、ジ(n−ブチル)カルバモイルアミノ基、ジ(sec−ブチル)カルバモイルアミノ基、ジ(tert−ブチル)カルバモイルアミノ基等が例示される。
「モノ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基」は、低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の1つの水素原子にモノ低級アルキルカルバモイル基が置換した基であり、具体的にはモノメチルカルバモイル(メチル)アミノ基、モノエチルカルバモイル(メチル)アミノ基、モノ(n−プロピル)カルバモイル(メチル)アミノ基等が例示される。
「ジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基」は、低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の1つの水素原子にジ低級アルキルカルバモイル基が置換した基であり、具体的にはジメチルカルバモイル(メチル)アミノ基、ジエチルカルバモイル(メチル)アミノ基、ジ(n−プロピル)カルバモイル(メチル)アミノ基等が例示される。
「モノ低級アルキルカルバモイルオキシ基」は、酸素原子にモノ低級アルキルカルバモイル基が結合した基であり、具体的にはメチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイルオキシ基、n−プロピルカルバモイルオキシ基、イソプロピルカルバモイルオキシ基、n−ブチルカルバモイルオキシ基、sec−ブチルカルバモイルオキシ基、tert−ブチルカルバモイルオキシ基等が例示される。
「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」は、酸素原子にジ低級アルキルカルバモイル基が結合した基であり、具体的にはジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基、エチルメチルカルバモイルオキシ基、ジ(n−プロピル)カルバモイルオキシ基、メチルプロピルカルバモイルオキシ基、ジイソプロピルカルバモイルオキシ基等が例示される。
「低級アルキルスルホニル基」は、スルホニル基に低級アルキル基が結合した基であり、具体的にはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基等が例示される。
「低級アルキルスルホニルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキルスルホニル基と置換した基であり、具体的にはメチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基等が例示される。
「モノ低級アルキルスルファモイル基」は、スルファモイル基の1つの水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはモノメチルスルファモイル基、モノエチルスルファモイル基、モノ(n−プロピル)スルファモイル基、モノイソプロピルスルファモイル基、モノ(n−ブチル)スルファモイル基、モノ(sec−ブチル)スルファモイル基、モノ(tert−ブチル)スルファモイル基等が例示される。
「ジ低級アルキルスルファモイル基」は、スルファモイル基の2つの水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的にはジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジ(n−プロピル)スルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、ジ(n−ブチル)スルファモイル基、ジ(sec−ブチル)スルファモイル基、ジ(tert−ブチル)スルファモイル基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルスルファモイルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的にはモノメチルスルファモイルアミノ基、モノエチルスルファモイルアミノ基、モノ(n−プロピル)スルファモイルアミノ基、モノイソプロピルスルファモイルアミノ基、モノ(n−ブチル)スルファモイルアミノ基、モノ(sec−ブチル)スルファモイルアミノ基、tert−ブチルスルファモイルアミノ基等が例示される。
「ジ低級アルキルスルファモイルアミノ基」は、アミノ基の1つの水素原子がジ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的にはジメチルスルファモイルアミノ基、ジエチルスルファモイルアミノ基、エチルメチルスルファモイルアミノ基、ジ(n−プロピル)スルファモイルアミノ基、メチルプロピルスルファモイルアミノ基、ジイソプロピルスルファモイルアミノ基等が例示される。
「モノ低級アルキルスルファモイル(低級アルキル)アミノ基」は、「モノ低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子が低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的にはモノメチルスルファモイル(メチル)アミノ基、モノエチルスルファモイル(メチル)アミノ基、モノ(n−プロピル)スルファモイル(メチル)アミノ基等が例示される。
「ジ低級アルキルスルファモイル(低級アルキル)アミノ基」は、「モノ低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子がジ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的にはジメチルスルファモイル(メチル)アミノ基、ジエチルスルファモイル(メチル)アミノ基、ジ(n−プロピル)スルファモイル(メチル)アミノ基等が例示される。
「4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の脂肪族含窒素複素環」としては、例えば架橋の脂肪族含窒素複素環として2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ペプタン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、オクタヒドロピロロ[3.4−b]ピロール、オクタヒドロピロロ[3.4−c]ピロール、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、デカヒドロピロロ[3.4−d]アゼピン等が例示され、
非架橋の脂肪族含窒素複素環として、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環、ヘプタメチレンイミン環、モルホリン環等が例示され、
スピロ環の脂肪族含窒素複素環として、2−アザスピロ[4.4]ノナン、1−オキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン、2−オキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン、1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、3−オキサ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン、2−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン等が例示される。
一般式[I]で表される化合物の「薬学上許容される塩」としては、医薬として許容されうる慣用的なものを意味し、アミノ基における酸付加塩若しくは含窒素複素環における酸付加塩が例示される。
該酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、くえん酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩、メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が例示される。
一般式[I]で表される化合物
一般式[I]で表される化合物においてR又はRとしては、各々独立して、
1)水酸基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい、低級アルキル基、
2)Rで置換されていてもよい3〜6員のシクロアルキル基、及び
3)Rで置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクロアルキル基、よりなる郡から選択される置換基を表すか、又は
4)RとRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の含窒素脂肪族複素環を形成し、該含窒素脂肪族複素環における1又は2個の任意の水素原子はRで置換されていてもよい。
又はRとして具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、ピロリジン−3−イル基、N−アセチルピロリジン−3−イル基、N−メトキシカルボニルピロリジン−3−イル基、N−イソプロピルカルボニルピロリジン−3−イル基、N−メチルスルホニルピロリジン−3−イル基等が例示され、
とRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の含窒素脂肪族複素環を形成する場合の環として具体的には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、2−アザスピロ[4.4]ノナン、1−オキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン、2−オキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン、1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、3−オキサ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン、2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン、デカヒドロピロロ[3.4−d]アゼピン、2−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ペプタン、オクタヒドロピロロ[3.4−b]ピロール、オクタヒドロピロロ[3.2−b]ピロール、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、オクタヒドロピロロ[1.2−a]ピラジン、オクタヒドロピロロ[3.4−d]アゼピン、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン等が例示される。
は、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、低級アルキルカルボニルカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、モノ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニル(低級アルキル)アミノ基及び2−オキソピロリジニル基よりなる群から選択される置換基を表す。
として好ましくは、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、アミノ基、t−ブチルカルボニルアミノ基、t−ブチルカルボニル(メチル)アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピル(メチル)アミノ基、1−メチル−1−アミノエチル基、1−メチル−1−ヒドロキシエチル基、メチルカルボニル(メチル)アミノ基、メチルカルボニル(エチル)アミノ基、エチルカルボニル(メチル)アミノ基、エチルカルボニル(エチル)アミノ基、イソプロピルカルボニル(メチル)アミノ基、イソプロピルカルボニル(エチル)アミノ基、メトキシカルボニル(メチル)アミノ基、エトキシカルボニル(メチル)アミノ基、t−ブチルオキシカルボニルアミノ基、メチルスルホニル(メチル)アミノ基、メチルスルホニル(エチル)アミノ基、エチルスルホニル(メチル)アミノ基、ジメチルスルファモイル(メチル)アミノ基、ジメチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル(メチル)アミノ基、2−オキソピロリジニル基、2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル基等が例示される。
又はRとして好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、ピロリジン−3−イル基、N−アセチルピロリジン−3−イル基、N−メトキシカルボニルピロリジン−3−イル基、N−イソプロピルカルボニルピロリジン−3−イル基、N−メチルスルホニルピロリジン−3−イル基等が推奨され、
そしてRとRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に形成される脂肪族含窒素複素環として好ましくは、式(A)

[式中、Rは、Rを表すか、又は2つのRが一緒になって−(CH)x−(NH)−(CH)y−を形成し、そして該置換基中の任意の水素原子は、低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基又はオキソ基で置換されていてもよく、x及びyは、独立して0、1、2、3又は4を表し、且つ3≦x+y≦4を満たし、そしてmは、0、1又は2を表す。]で表される置換基が推奨される。
としては、低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルスルホニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルオキシカルボニル(低級アルキル)アミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基等が推奨される。
そして、m=2の場合、2つのRは、各々独立しており、2つのRが一緒になって、

よりなる郡から選択される基を形成してもよく、ここでR10としては低級アルキル基又は低級アルキルカルボニル基等が例示される。
として好ましくは、メチルカルボニル(メチル)アミノ基、エチルカルボニル(メチル)アミノ基、メチルカルボニル(エメチル)アミノ基、エチルカルボニル(エチル)アミノ基、イソプロピルカルボニル(メチル)アミノ基、イソプロピルカルボニル(エチル)アミノ基、メタンスルホニル(メチル)アミノ基、エタンスルホニル(メチル)アミノ基、メトキシカルボニル(メチル)アミノ基、エトキシカルボニル(メチル)アミノ基、2−ピロリジノン−1−イル基等が例示され、R10として好ましくはメチル基、エチル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等が推奨される。
及びRの組み合わせとして好ましくは、
・R:低級アルキル基、R:水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基、
・R:低級アルキル基、R:テトラヒドロフラニル基、
・R:低級アルキル基、R:Rで置換されていてもよいピロリジニル基、
・R:メチル基、R:イソプロピル基、
・R:メチル基、R:テトラヒドロフラニル基、
・R:メチル基、R:N−アセチルピロリジン−3−イル基、
・R:メチル基、R:N−メチルピロリドン−4−イル基、
・R:メチル基、R:N−メチルスルホニルピロリジン−3−イル基、等が推奨される。
そして、式(A)で表される置換基として好ましくは、1−メチル−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−イル基、7−メチル−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル基、3−[アセチル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[プロピオニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[イソブチリル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−{[(ジメチルアミノ)カルボニル](メチル)アミノ}ピロリジン−1−イル基、6−アセチルデカヒドロピロロ[3.4−d]アゼピン−2−イル基、2−オキソ[1.3’]ビピロリジニル−1’−イル基等が推奨される。
式(A)で表される置換基として特に好ましくは以下のものが推奨される。

、R、R及びRは、各々独立して、
1)水素原子、
2)水酸基、
3)ハロゲン原子、及び
4)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、よりなる郡から選択される置換基を表す。
、R、R又はRとして好ましくは、水素原子、フッ素原子又はメチル基が例示され、より好ましくはいずれも水素原子が推奨される。
は、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基を表し、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基等が推奨される。
としては、nが2、3又は4の場合は各々独立して、
1)ハロゲン原子、
2)低級アルキル基、及び
3)低級アルキルオキシ基、よりなる郡から選択される置換基を表し、
好ましくはフッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基等が例示され、より好ましくはフッ素原子又はメトキシ基が推奨される。
また、nとして好ましくは、0、1又は2が推奨される。
一般式[I]で表される化合物のなかでも、特に一般式[I−1]

[式中、R、R、R、R、R、R、R、m及びnは、前記に同じである。]で表される化合物が推奨される。
一般式[I−1]で表される化合物は、優れたMCH−1R拮抗作用を示し、且つ経口吸収性および脳内移行性に優れている。また、他のレセプターに対する選択性も高く、医薬として優れた効果を有する。
一般式[I]で表される化合物として具体的には、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(1−メチル−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(7−メチル−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−[2−(6−アセチルデカルデヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−イル)−6−キノリニル]−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−フェニル−N−(2−[(3R)−3−[プロピオニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[[(ジメチルアミノ)カルボニル)](メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−(4−フルオロフェニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[メチル(テトラヒドロ−3−フラニル)アミノ]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(3−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、等が推奨される。
一般式[I]で表される化合物として具体的には、表1に記載のものが例示される。

一般式[I]で表される化合物の製造方法
一般式[I]で表される化合物は、例えば以下の製造方法を適宜組み合わせることにより製造可能である。
製造方法1
反応式1

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びnは、前記に同じである。]
すなわち、一般式[II]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とをアミド化することにより一般式[I]で表される化合物を得ることができる。
アミド化は、従来公知の方法によって行うことが可能であり、一般式[II]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを縮合剤の存在下で反応させる方法、又は一般式[III]で表される化合物のカルボン酸部分を従来公知の方法により活性化させ反応性誘導体とし、次いで該誘導体と一般式[II]で表される化合物とをアミド化する方法、が例示される(いずれの方法も、「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫他、丸善株式会社、1983年)を参照のこと)。
1)縮合剤の存在下でアミド化する方法
一般式[II]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを、例えばN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(以下、「HoBt」ということがある)の存在下又は非存在下で、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(以下、「EDCl」ということがある)等の縮合剤を用いてアミド化する方法が例示される。
一般式[III]で表される化合物の使用量としては、一般式[II]で表される化合物1モルに対し、0.9モル〜2.0モルが例示され、好ましくは1.0モル〜1.5モルが推奨される。
又、縮合剤の使用量としては、一般式[III]で表される化合物1モルに対し、1.0モル〜2.0モルが例示され、好ましくは1.0モル〜1.5モルが推奨される。
又、HoBtを使用する場合の使用量としては、一般式[II]で表される化合物1モルにつき0.9モル〜2.0モルが例示され、好ましくは1.0モル〜1.2モルが推奨される。
更に、反応促進の目的で、ジメチルアミノピリジンを一般式[II]で表される化合物1モルに対し0.1モル〜1.0モル、好ましくは0.1モル〜0.5モル加えても良い。
アミド化反応は、有機溶媒中で行うことが好ましく、該溶媒としては例えば1,4−ジオキサン(以下、「ジオキサン」という)、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という)、ジエチルエーテル等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素のハロゲン化炭化水素;ピリジン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という)、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という)等が挙げられる。
反応温度としては、0℃〜80℃が例示され、好ましくは20℃〜50℃が推奨され、又、反応時間としては1時間〜48時間が例示される。
2)反応性誘導体を経由してアミド化する方法
一般式[III]で表される化合物(カルボン酸)を、
a)塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩素化剤により酸塩化物とする方法(酸塩化物法)、
b)イソブチルクロロホルメート、メチルクロロホルメート等を用いた混合酸無水物とする方法(混酸無水物)、又は
c)p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル等の活性エステルとする方法(活性エステル)、等の方法により「反応性誘導体」とした後、得られた反応性誘導体を、単離して又は単離することなく、一般式[II]で表される化合物とアミド化反応させることにより目的とする化合物を得ることができる。尚、反応性誘導体の調製は、例えば「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫他、丸善株式会社、1983年)に記載されている方法に準じて行うことができる。
反応性誘導体の使用量としては、一般式[II]で表される化合物1モルに対し0.8モル〜3.0モルが例示され、好ましくは1.1モル〜1.3モルが推奨される。
本反応は、塩基性触媒の存在下で行うことにより反応を加速することができる。該塩基性触媒としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基等が例示される。
塩基性触媒の使用量としては、前記反応性誘導体1モルにつき0.1モル〜2.0モルが例示され、好ましくは0.1モル〜1.2モルが推奨される。
反応溶媒としては、前記に記載のものを使用することが可能であり、又、反応温度としては−50℃〜80℃が例示され、好ましくは0℃〜30℃が推奨される。反応時間としては、約30分〜24時間が例示され、好ましくは30分〜15時間が推奨される。
又、反応性誘導体を用いるアミド化反応においても、ジメチルアミノピリジンを用いても良い。
上記方法で得られた一般式[I]で表される化合物を含む混合溶液を従来公知の方法により抽出・精製することにより一般式[I]で表される化合物を単離することができる。
製造方法2
製造方法2は、一般式[II]で表される化合物の製造方法である。
反応式2

[式中、Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を表し、R、R、R、R及びRは、前記に同じである。]
工程2−1:
化合物と化合物とを、好ましくは不活性溶媒の存在下で、20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃にて、10分〜48時間、好ましくは1時間〜24時間加熱することにより化合物を得る。この反応は、封管(sealed tube)中で行うことができる。
不活性溶媒としては、例えばジオキサン、THF、アセトニトリル、DMF、DMSO、アセトン等が例示され、好ましくはジオキサン、DMF、DMSO等が推奨される。
化合物の使用量としては、1モルの化合物に対し1モル〜50モルが例示され、好ましくは1モル〜10モルが推奨される。
続いて化合物を含む反応混合物から従来公知の方法により化合物を、好ましくは単離精製し、次工程に進む。ここで単離精製の方法としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー(プレパラティブTLC)等が例示できる。又、以下の工程においても同様である。
工程2−2
化合物のニトロ基を還元し、化合物を得る。還元方法は、例えばWO02/40019号に記載の方法を用いることができる。尚、Rが水素原子である場合、化合物が一般式[II]で表される化合物に相当する。
工程2−3
この工程は、1)化合物のアミノ基にBoc基を導入(t−butyloxy−carbonylation)する工程、2)得られた化合物をNaH等の塩基の存在下、R−Xと反応させる工程、3)得られた化合物のBoc基を脱保護する工程、を経由して一般式[II]で表される化合物を得るものである。いずれの工程も従来公知の方法で行うことが可能である。
尚、化合物は、公知の方法[Heterocycles、48巻,2637頁(1998年)]、またはそれに準ずる方法により調整可能である。一方、化合物としては、市販の化合物が利用可能であるほか、実施例に記載の方法により調製可能である。
製造方法3
製造方法3は、一般式[III]で表される化合物の製造方法である。
反応式3

[式中、Lは、水酸基、低級アルキルオキシ基等を表し、Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を表し、そしてR、R、R及びnは、前記に同じである。]
化合物と化合物を、溶媒中、パラジウム触媒および塩基存在化で反応させ、一般式[III]で表される化合物を製造することができる。この反応(鈴木カップリング)は、例えばTetrahedron、58巻、9633頁(2002年)に記載の方法を参照できる。
パラジウム触媒としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム等が挙げられ、塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。
溶媒としては、t−ブタノール、エタノールなどのアルコール;THF、1,2−ジメトキシエタン(DME)などのエーテル;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素又はこれらの混合溶媒が推奨される。
化合物の使用量としては、1モルの化合物に対し0.9モル〜2.0モルが例示され、好ましくは1.0モル〜1.5モルが推奨される。又、パラジウム触媒の使用量としては、1モルの化合物に対し、0.01モル〜0.5モルが例示され、塩基の使用量としては、1モルの化合物に対し、1モル〜5モルが例示される。
反応温度としては、室温〜150℃が例示され、好ましくは70℃〜150℃が推奨される。又、反応時間としては、通常1時間〜24時間が例示される。
尚、化合物は、市販品を使用することが可能であり、一方、化合物は、市販品を使用することが可能であるほか、公知の方法[例えばJournal of Chemical Society、3129頁(1953年)]により調製可能である。
上記の各製造方法において、反応物質中に反応に関与しないアミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、カルボニル基等が存在する場合、当該アミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、カルボニル基は、適宜、アミノ基の保護基、水酸基の保護基、カルボキシル基の保護基又はオキソ基若しくはカルボニル基の保護基で保護した後に製造方法1から3のいずれかの反応を行い、反応後に当該保護基を除去することができる。
「アミノ基の保護基」としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイル基;ベンゾイル基;フェニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルキルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;フタロイル基等が挙げられ、特にアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、フタロイル基等が推奨される。
「水酸基の保護基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルキルオキシメチル基;テトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基等のアシル基等が挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリチル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アセチル基等が推奨される。
「カルボキシル基の保護基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基等の低級ハロアルキル基;2−プロペニル基等の低級アルケニル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基、tert−ブチル基、2−プロペニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベンズヒドリル基等が推奨される。
「オキソ基又はカルボニル基の保護基」としては、エチレンケタール、トリメ
又、保護基の除去方法は、保護基の種類及び一般式[I]で表される化合物の安定性等により異なるが、例えば文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981年)参照]又はそれに準じる方法に従って、例えば酸又は塩基を用いる加溶媒分解、即ち、例えば0.01モルから大過剰の酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸等、又は等モルから大過剰の塩基、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を作用させる方法;水素化金属錯体等を用いる化学的還元又はパラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル触媒等を用いる接触還元等により行われる。
上記方法で得られた化合物は、従来公知の分離手段により容易に単離精製できる。かかる手段としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等が例示できる。
本発明の化合物は、その置換基の態様によって光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合があるが、本発明の化合物はこれら全ての立体異性体、互変異性体及びそれらの混合物をも包含する。
一般式[I]で表される化合物を含有する医薬組成物
一般式[I]で表される化合物は、経口又は非経口的に投与することができ、その投与に適する形態に製剤化することにより、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患;例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患;例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患;例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患;その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として、特に肥満症の予防剤又は治療剤として供することができる。
本発明の化合物を臨床的に用いるにあたり、その投与形態に合わせ医薬上許容される担体を加えて各種製剤化の後投与することも可能である。その際の担体としては、製剤分野において従来公知の各種の添加剤が使用可能であり、例えばゼラチン、乳糖、白糖、酸化チタン、デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水りん酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、アラビアゴム、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルシクロデキストリン等が挙げられる。
これらの担体と本発明の化合物との混合物として製剤化される剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐剤等の固形製剤;又は例えばシロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤等が挙げられ、これらは、製剤分野における従来公知の方法に従って調製することができる。尚、液体製剤にあっては、用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であってもよい。特に注射剤の場合、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は懸濁させてもよく、更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
これらの製剤は、本発明の化合物を医薬組成物全体の1.0〜100重量%、好ましくは1.0〜60重量%の割合で含有することができ、又、医薬上許容される担体を0〜99.0重量%、好ましくは40〜99.0重量%含有することができる。これらの製剤は、治療上有効な他の化合物、例えば糖尿病治療剤、高血圧治療剤、動脈硬化症治療剤等を含んでいてもよい。
本発明の化合物を上記疾患・疾病の予防剤又は治療剤として使用する場合、その投与量及び投与回数は、患者の性別、年齢、体重、症状の程度及び目的とする治療効果の種類及び範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成人1日あたり0.01〜400mgを1〜数回に分けて、又、非経口投与の場合は、0.002〜100mgを1〜数回に分けて投与するのが好ましい。又、症状によっては予防的に投与することも可能である。
コンビネーション療法
本発明の化合物は、高血圧、肥満に関連する高血圧、高血圧関連疾病、心臓肥大、左心室肥大、代謝性疾患、肥満、肥満関連疾病等に有効な薬剤(以下、「併用用薬剤」という。)と組み合わせて使用することができる。係る薬剤は、前記疾病の予防又は治療において、同時に、別々に、又は順次に投与することが可能である。本発明の化合物を1又は2以上の併用用薬剤と同時に使用する場合、単一の投与形態である医薬組成物とすることができる。しかしながら、コンビネーション療法においては、本発明の化合物を含む組成物と併用用薬剤とを、投与対象に対し、異なった包装として、同時に、別々に、または順次に投与してもよい。それらは、時間差をおいて投与してもよい。
併用用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用用薬剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用用薬剤とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、1)本発明の化合物と併用用薬剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、2)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、3)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、4)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、5)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用用薬剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。本発明の化合物と併用用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
本発明で用いられる併用用薬剤としては、例えば「糖尿病治療薬」、「高脂血症治療薬」、「高血圧治療薬」、「抗肥満薬」等が挙げられる。これらの併用用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組合わせて用いてもよい。
上記「糖尿病治療薬」としては、例えば1)グリダゾン類(glitazones)[例えばシグリタゾン(ciglitazone)、ダルグリタゾン(darglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、イサグリタゾン(isaglitazone)(MCC−555)等]、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、トログリタゾン(troglitazone)、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD、GW−0207、LG−100641、LY−300512等のPPARγアゴニスト;2)メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)、フェンホルミン(phenformin)等のビグアナイド剤;3)プロテインチロシンホスファターゼー1B阻害剤;4)アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネス(diabinese)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリピジド(glipizide)、グリブリド(glyburide)、グリメピリド(glimepiride)、グリクラジド(gliclazide)、グリペンチド(glipentide)、グリキドン(gliquidone)、グリソラミド(glisolamide)、トラザミド、トルブタミド等のスルホニルウレア;5)レパグリニド(repaglinide)、ナテグリニド(nateglinide)等のメグリチニド(meglitinides)類;6)アカルボース(acarbose)、アジポシン(adiposine)、カミグリボース(camiglibose)、エミグリテート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)、ボグリボース(voglibose)、プラジミシン−Q(pradimicin−Q)、サルボスタチン(salbostatin)、CKD−711、MDL−25,673、MDL−73,945、MOR14等のα−グルコシドヒドロキシラーゼ阻害薬;7)テンダミスタット(tendamistat)、トレスタチン(trestatin)、A1 3688等のα−アミラーゼ阻害剤;8)リノグリリド(linogliride)、A−4166等のインスリン分泌促進剤;9)クロモキシル(clomoxir)、エトモキシル(etomoxir)等の脂肪酸酸化抑制剤;10)ミダグリゾール(midaglizole)、イサグリドール(isaglidole)、デリグリドール(deriglidole)、イダゾキサン(idazoxan)、エアロキサン(earoxan)、フルパロキサン(fluparoxan)等のA2アンタゴニスト;11)ビオタ(biota)、LP−100、ノバラピド(novarapid)、insulin detemir、インスリンリプロ(insulin lispro)、insulin glargine、インスリン亜鉛、Lys−Pro−インスリン、GLP−1(73−7)、GLP1アミド(7−36)等のインスリンまたはインスリンミメティックス;12)JT−501、ファルグリタゾール(farglitazar)等の非チアゾリジンジオン;13)CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90及びSB219994等のPPARα/γ双アゴニスト等が挙げられる。
上記「高脂血症治療薬」としては、例えば、1)コレステリルアミン、コレセヴェレム(colesevelem)、コレスチポール(colestipol)、交差デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、コレスチッド(colestid登録商標)、ロコレスト(LoCholest登録商標)、キエストラン(Questran登録商標)等の胆汁酸吸収促進剤;2)アトルバスタチン(atorvastatin)、イタバスタチン(itavastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、リバスタチン(rivastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、ZD−4522等のHMG−CoA還元酵素阻害薬;3)HMG−CoA合成阻害剤;4)スナトールエステル、β−シトステロール、ステロールグルコシド、エゼチミベ(ezetimibe)等のコレステロール吸収阻害剤;5)アバシミベ(avasimibe)、エフルシミベ(eflucimibe)、KY−505、SMP−709等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵素阻害剤;6)JTT705、トルセトラピブ(torcetrapib)、CP532632、BAY−63−2149、SC−591、SC−795等のCETP阻害剤;7)スクワレン合成阻害剤、8)プロブコール等の抗酸化剤、9)ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、ジェンカベン(gemcabene)、ジェンフィブロジル(gemfibrozil)、GW−7647、BM−170744、LY−518674、フィブリック酸誘導体[例えばアトロミド(Atromid登録商標)、ロピド(Lopid登録商標)、トリコール(Tricor登録商標等)]等のPPARαアゴニスト;10)GW−4064、SR−103912等のFXRレセプターアンタゴニスト;11)GW3965、T9013137、XTCO−179628等のLXRレセプターアゴニスト;12)ナイアシン等のリポプロテイン合成阻害剤;13)レニン−アンジオテンシン系阻害剤;14)ミクロゾーム性トリグリセリド輸送阻害剤;15)BARA1453、SC435、PHA384640、S−435、AZD7706等の胆汁酸再吸収阻害剤;16)GW501516、GW590735等のPPARδアゴニスト;17)トリグリセリド合成阻害剤;18)LAB687、CP346086等のMTTP阻害剤;19)低密度リポプロテイン受容体インデューサー;20)スクワレンエポキシダーゼ阻害剤;21)血小板凝集阻害剤;22)MK−591等の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク阻害剤;等が挙げられる。
上記「高血圧治療薬」としては、例えば1)クロロチアリドン、クロロチアジド、ジクロロフェナミド、ヒドロフルオロチアジド、インダパミド(indapamide)、ヒドロクロロチアジド等のチアジド系;ブメタニド(bumetanide)、エサクリニック酸(ethacrynic acid)、フロセミド、トルセミド等のループ系、アミロリド、トリアムテレン等のナトリウム系、スピロノラクトン、エピレノン等のアルドステロンアンタゴニスト系等の利尿剤;2)アセブトロール(acebutolol)、アテノロール、ベタゾロール(betaxolol)、ベバントロール(bevantolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ボピンドロール(bopindolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール(celiprolol)、エスモロール(esmolol)、インデノロール(indenolol)、メタプロロール(metaprolol)、ナドロール(nadolol)、ネビボロール(nebivolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、タータトロール(tertatolol)、チリソロール(tilisolol)、チモロール等のβ−アドレナリンブロッカー;3)アムロジピン(amlodipine)、アラニジピン(aranidipine)、アゼルニジピン(azelnidipine)、バルニジピン(barnidipine)、ベニジピン(benidipine)、ベプリジル(bepridil)、シナルジピン(cinaldipine)、クレビジピン(clevidipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、エホニジピン(efonidipine)、フェロジピン(felodipine)、ガロパミル(gallopamil)、イスラジピン(isradipine)、ラシジピン(lacidipine)、レミルジピン(lemildipine)、レルカニジピン(lercanidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ジフェニピン(nifedipine)、ニルヴァジピン(nilvadipine)、ニモデピン(nimodepine)、ニソルジピン(nisoldipine)、ニトレジピン(nitrendipine)、マニジピン(manidipine)、プラニジピン(pranidipine)、バラパミル(verapamil)等のカルシウムチャンネルブロッカー;4)ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、イミダプリル、ロシノプリル、モエキシプリル(moexipril)、キナプリル(quinapril)、キナプリラット(quinaprilat)、ラミプリル(ramipril)、ペリンドプリル(perindopril)、ペリンドロプリル(perindropri)、カニプリル(quanipril)、スピラプリル(spirapril)、テノカプリル(tenocapril)、トランドラプリル(trandolapril)、ゾフェノプリル(zofenopril)等のアンジオテンシン変換酵素阻害薬;5)オマパトリラット(omapatrilat)、カドキサトリル(cadoxatril)、エカドトリル、フォシドトリル(fosidotril)、サンパトリラット(sampatrilat)、AVE7688、ER4030等の中性エンドペプチダーゼ阻害剤;6)テゾセンタン(tezosentan)、A308165、YM62899等のエンドセリンアンタゴニスト;7)ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル、ニコチニルアルコール等の血管拡張剤;8)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プラトサルタン(pratosartan)、タソサルタン(tasosartan)、テルミサルタン(telmisartan)、バルサルタン、EXP−3137、FI6828K、RNH6270等のアンジオテンシンII拮抗薬;9)ニプラジロール、アロチノロール、アモスラロール等のα/βアドレナリンブロッカー;10)テラゾシン、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナフトピジル、インドラミン、WHIP164、XENO10等のα1ブロッカー;11)ロフェキシジン(lofexidine)、チアメニジン(tiamenidine)、モキソニジン(moxonidine)、リレメニジン(rilmenidine)、グアノベンズ(guanobenz)等のα2アゴニスト;12)アルドステロン阻害剤等が挙げられる。
上記「抗肥満薬」としては、例えば1)パロセチン(paroxetine)、フルオキセチン(fluoxetine)、フェンフルラミン(fenfluramine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、セルトラリン(sertraline)、イミプラミン等の5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤;2)GW320659、デシプラミン、タルスプラム(talsupram)、ノミフェンシン等のノルエピネフリントランスポーター阻害剤;3)リモナバント(Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、BAY−65−2520(バイエル)、SLV−319(ソルベイ)、その他USP5,532,237、USP4,973,587、USP5,013,837、USP5,081,122、USP5,112,820、USP5,292,736、USP5,624,941、USP6,028,084、WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO01/96330、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO02/076949、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO03/006007、WO03/007887及びEP−658546に開示化合物等のカンナビノイド1受容体1(CB−1)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;4)WO01/87355、WO02/08250等に開示化合物等のグレリンアンタゴニスト;5)チオペラミド、3−(1Hイミダゾール−4−イル)プロピル N−(ペンテニル)カーボネート、クロベンプロピット(clobenpropit)、ヨードフェンプロピット、イモプロキシフェン、GT2395、A331440、WO02/15905に開示化合物、0−[3−(1H−イミダゾ−4−イル)プロパノール]カーバメート、ピペラジン含有H3受容体アンタゴニスト(Lazewska,D.et al.,Pharmazie,56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体(Sasse,A.et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカーバメート(Reidemeister,S.et al.,Pharmazie,55:83−6(2000))、プロキシフェン誘導体(Sasse,A.et al.,J.Med.Chem..43:3335−43(2000))等のヒスタミン(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;6)T−226296(Takeda)、SNAP−7941(Synaptic)、その他WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027及び特開2001−226269号に開示の化合物等のMCH−1Rアンタゴニスト;7)MCH−2Rアゴニスト/アンタゴニスト;8)3−クロロ−5−(1−(6−[2−(5−エチル−4−メチル−チアゾール−2−イル)−エチル]−4−モルホリニル−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチル)フェニル]カルバミン酸イソプロピルエステル、BIBP3226、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879、その他USP6001836、WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示化合物等のNPY1アンタゴニスト;9)L−152804、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR235,208、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104、H409/22、その他USP6,140,354、USP6,191,160、USP6,258,837、USP6,313,298、USP6,337,332、USP6,329,395、USP340,683、USP6,326,375、USP6,329,395、USP6,337,332、USP6,335,345、EP−01010691、EP−01044970、WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/27063、WO00/107409、WO00/185714、WO00/185730、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO1/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/20488、WO02/22592、WO02/48152、WO02/49648、WO02/094789及びNorman et al.,J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示の化合物等のNPY5アンタゴニスト;10)ヒト組換えレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)、組換えメチオニルレプチン(アムゲン)等のレプチン;11)USP5,552,524、USP5,552,523、USP5,552,522、USP5,521,283、WO96/23513、WO96/23514、WO96/23515、WO96/23516、WO96/23517、WO96/23518、WO96/23519及びWO96/23520に開示化合物等のレプチン誘導体;12)ナルメフェン(Revex登録商標)、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、WO00/21509の開示化合物等のオピオイドアンタゴニスト;13)SB−334867A、その他WO01/96302、WO01/68609、WO02/51232、WO02/51838及びWO03/023561に開示化合物等のオレキシンアンタゴニスト;14)ボンベシン受容体サブタイプ3アゴニスト;15)AR−R15849、GI−181771、JMV−180、A−71378、A−71623、SR−146131、その他USP−5739106に開示化合物等のコレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト;16)GI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンダイド(butabindide)、PD170,292、PD149164(ファイザー)等のCNTF(ciliary neurotrophic factors);17)axokine(Regeneron)、その他WO94/09134、WO98/22128、WO99/43813に開示の化合物等のCNTF誘導体;18)NN703、ヘキサレリン(hexarelin)、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、L−163,255、USP6358951、アメリカ特許庁出願番号2002/049196、同2002/022637、WO01/56592、WO02/32888に開示の化合物等の成長ホルモン分泌受容体アゴニスト;19)BVT933、DPCA37215、IK264、PNU22394、WAY161503、R−1065、YM348、その他USP3,914,250、WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457に開示の化合物等のセロトニンレセプター2Cアゴニスト;20)メラノコルチン3受容体アゴニスト;21)CHIR86036(Chiron)、ME−10142、ME−10145(Melacure)、その他WO99/64002、WO00/74679、WO01/991752、WO01/74844、WO01/70708、WO01/70337、WO01/91752、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/12166、WO02/11715、WO02/12178、WO02/15909、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO03/007949及びWO03/009847に開示の化合物等のメラノコルチン4受容体アゴニスト;22)シブトラミン(Meridia登録商標/Reductil登録商標)及びその塩、その他USP4,746,680、USP4,806,570、USP5,436,272、アメリカ特許庁出願番号2002/0006964、WO01/27068及びWO01/62341に開示の誘導体等のモノアミン再吸収阻害剤;23)デキシフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フルオレチン(fluoxetine)、その他USP6,365,633、WO01/27060及びWO01/162341に開示のセロトニン再取り込み阻害剤;24)グルカゴン様ペプチド1(glucagon−like peptidel)アゴニスト;25)トピラメート(Topiramate)(Topimax登録商標);26)フィトファーム化合物57(phytopharm)(例えば、CP644,673);27)アセチルCoAカルボキシラーゼ2(ACC2)阻害剤;28)AD9677/TAK677(大日本製薬/武田薬品)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、W427353、トレカドリン(Trecadrine)、ZenecaD7114、SR59119A、その他USP5705515、USP5451677、WO01/74782及びWO02/32897、に開示化合物等のβアドレナリンレセプター3アゴニスト;29)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1阻害剤;30)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤;31)カルレニン(Cerulenin)、C75等の脂肪酸合成阻害剤;32)テオフィリン、ペントキシフィレン(pentoxifylline)、ザプリナスト(zaprinast)、シルデナフィル(sildenafil)、アミリノン(amrinone)、ミルリノン(milrinone)、シルスタミド(cilostamide)、ロピプラム(rolipram)、及びシロミラスト(cilomilast)等のホスホジエステラーゼ阻害剤;32)KB−2611(KaroBioBMS)、その他WO02/15845、特開2000−256190に開示の化合物等のサイロイドホルモンβアゴニスト;33)フィタニン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−トプロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイック酸(retinoic acid)、その他WO99/00123に開示の化合物等のフィタニック酸(phytanic acid);34)オレオイルエストロン、その他del Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示の化合物等のアシルエストロゲン;35)グルココルチコイドアンタゴニスト;36)BVT3498、BVT2733、その他WO01/90091、WO01/90090、WO01/90092に開示化合物等の11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型阻害剤;37)ステアリルcoA脱飽和剤1阻害剤(stearoyl−CoA desaturase−1);38)イソロイシンチアゾリジド(isoleucine thiazolidide)、バリンピロリジド(valine pyrrolidide)、NVP−DPP728、AF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、その他WO03/004498、WO03/004496、EP1258476、WO02/083128、WO02/062764、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/000180及びWO03/000181に開示の化合物等のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;39)テトラヒドロリプタチン(orlistat/Xenical登録商標)、TritonWR1339、RHC80267、リプスタチン、ティサポニン(tea saponin)、ジエチルウンベリフェリルホスフェート(diethylumbelliferyl phosphate)、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン(valilactone)、エステラシン(esteracin)、エベラクトンA(ebelactone A)、エベラクトンB(ebelactoneB)、RHC80267、その他WO01/77094、USP4,598,089、USP4,452,813、USP5,512,565、USP5,391,571、USP5,602,151、USP4,405,644、USP4,189,438及びUSP4,242,453に開示の化合物等のリパーゼ阻害剤;39)脂肪酸トランスポーター阻害剤;40)ジカルボキシレートトランスポータ阻害剤;41)グルコーストランスポーター阻害剤;42)ホスフェートトランスポーター阻害剤等が挙げられる。
上記組み合わせ薬剤は、本発明の化合物と上記併用薬剤との1種又は2種以上を併用することにより得られる。又、上記組み合わせ薬剤は、糖尿病治療薬及び高脂血症治療薬からなる郡から選択される1種又は2種以上の薬剤と組み合わせることにより、代謝性疾患の予防又は治療に有用である。そして特に高血圧治療薬及び抗肥満薬を含有する組み合わせは、糖尿病治療薬及び/又は高脂血症治療薬を加えることにより、相乗的効果をもって代謝性疾患の予防又は治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、高脂肪食で飽食させたラットに本発明の化合物を経口投与し、その1時間後にMCHを脳室内投与した後、2時間のラットの摂餌量を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、実施例で用いた各種試薬は、特に記載しない限り市販品を使用した。尚、マススペクトルはエレクトロスプレイイオン化法(ESI)で測定した。
参考例1
1−メチル−7−(6−ニトロ−2−キノリニル)−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン
(1)ジイソプロピルアミン(12ml)のTHF(200ml)溶液に、氷冷下、n−ブチルリチウム(2.6M−ヘキサン溶液、32ml)を加え、同温で20分間撹拌した。該溶液を−78℃に冷却後、1−(tert−ブチル)3−メチル 1,3−ピロリジンジカルボキシレート(13.0g)のTHF溶液(30ml)を滴下し、同温で1時間撹拌した。次いで反応液にアリルブロミド(10ml)を加え、−78℃で1時間、更に室温で1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)に付し、1−(tert−ブチル)3−メチル 3−アリル−1,3−ピロリジンジカルボキシレート(13.3g)を黄色油状物として得た。
(2)上記(1)で得られた化合物(13.3g、49mmol)のTHF−メタノール(50ml−50ml)溶液に4N水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を5N塩酸水溶液で中和し、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をトルエン(100ml)に溶解し、該溶液にフェニルホスホリルアジド(13.5g)、トリエチルアミン(6.9ml)を加え、80℃で1時間撹拌した。続いて反応液にベンジルアルコール(6.6ml)を加え100℃で一晩撹拌した。反応液を減圧下留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)に付し、tert−ブチル 3−アリル−3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−1−ピロリジンカルボキシレート(13.0g)を無色油状物として得た。
(3)上記(2)で得た化合物(10.2g)のTHF(130ml)溶液に氷冷下、9−BBN(2M−THF溶液、113ml)を加え室温で一晩撹拌した。更に、反応液に氷冷下、メタノール(2ml)、3N水酸化ナトリウム水溶液(20ml)、30%過酸化水素水(20ml)を順次加え、室温で3時間撹拌した。続いて反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)に付し、tert−ブチル 3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(3−ヒドロキシプロピル)−1−ピロリジンカルボキシレート(7.9g)を無色油状物として得た。
(4)上記(3)で得た化合物(3.2g)のDMF(30ml)溶液に氷冷下、イミダゾール(860mg)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(1.5g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をDMF(30ml)に溶解し、該溶液に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油状、500mg)を加え、同温で1時間撹拌した。更に反応液にヨードメタン(1.3ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣にテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M−THF溶液、15ml)を加え、室温で1時間撹拌した。更に反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)に付し、tert−ブチル 3−[[(ベンジルオキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−(3−ヒドロキシプロピル)−1−ピロリジンカルボキシレート(3.4g)を無色油状物として得た。
(5)オキザリルクロライド(1.5ml)の塩化メチレン(100ml)溶液を−78℃に冷却した後、DMSO(1.5ml)を加え同温で30分撹拌した。続いて該溶液に上記(4)で得た化合物(3.4g)の塩化メチレン(15ml)溶液を滴下し、トリエチルアミン(7ml)を加え室温で1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をtert−ブタノール水溶液(75%、200ml)に溶解し、該溶液に氷冷下、2−メチル−2−ブテン(4.5ml)、リン酸二水素ナトリウム(2.0g)、亜塩素酸ナトリウム(2.8g)を順次加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(30ml)に溶解し、該溶液にトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(2M−ヘキサン溶液、20ml)を加え室温で30分撹拌した。反応液を減圧留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付し、tert−ブチル 3−([(ベンジルオキシ)カルボニル](メチル)アミノ)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−ピロリジンカルボキシレート(3.2g)を無色油状物として得た。
(6)上記(5)で得た化合物(1.0g)のメタノール(30ml)溶液に水酸化パラジウム(200mg)を加え、水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応液を濾過し、溶媒を減圧留去後、残渣にトルエン(60ml)を加え100℃で2時間撹拌した。トルエンを減圧留去後、4N塩酸−ジオキサン溶液(20ml)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧留去した後、残渣に2−クロロ−6−ニトロキノリン(620mg)、炭酸カリウム(830mg)、イソプロパノール(20ml)を加え、得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)に付し、表題化合物(740mg)を黄色固体として得た。
ESI−MS Found:m/z 327[M+H]+
参考例2
7−メチル−2−(6−ニトロ−2−キノリニル)−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン
(1)3−ピロリジノール(4.0g)のジオキサン−水(10:1、50ml)混合溶液を5℃に冷却し、pH8〜9を保ちながら4−ニトロベンジルクロロホルメート(10.9g)のジオキサン(20ml)溶液を滴下した。5℃で10分間攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄することにより3−ヒドロキシ−1(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン(6.6g)を淡黄色固体として得た。
(2)上記(1)で得た化合物(6.3g)とトリエチルアミン(26.5ml)のDMSO(87ml)溶液を10℃に冷却し、ピリジン三酸化硫黄錯体(11.3g)を加えた。室温で終夜攪拌した後、反応液に水を加えジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2〜2:3)に付し、1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−3−ピロリジノン(4.5g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):2.65(2H,m),3.88(4H,m),5.24(2H,s),7.53(2H,d,J=7.5Hz),8.22(2H,d,J=7.5Hz).
(3)水素化ナトリウム(60%油状、1.6g)をTHF(50ml)に懸濁させ、0℃に冷却した。該懸濁液にトリエチルホスホノアセテート(9.7g)のTHF(10ml)溶液を10℃以下で滴下した。0〜5℃で30分間攪拌した後、反応液に上記(2)で得た化合物(3.5g)のTHF(10ml)溶液を10℃以下で滴下した。室温で4時間攪拌した後、反応液に水を加え、減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:2)に付し、p−ニトロベンジル 3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−3−(ニトロメチル)−1−ピロリジンカルボキシレート(4.2g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):1.28(3H,t,J=7.5Hz),2.73(1H,m),3.19(2H,m),3.65(1H,m),4.14(2H,q,J=7.5Hz),4.21(2H,brs),5.21(2H,s),5.67(1H,m),7.52(2H,d,J=7.5Hz),8.22(2H,d,J=7.5Hz).
(4)上記(3)で得た化合物(3.9g)のニトロメタン(160ml)溶液に1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(0.8ml)を加え、終夜加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:2)に付し、p−ニトロベンジル 3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−3−(ニトロメチル)−1−ピロリジンカルボキシレート(1.37g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):1.28(3H,t,J=7.5Hz),2.04(2H,m),2.63(2H,m),3.60(4H,m),4.18(2H,q,J=7.5Hz),4.70(2H,m),5.21(2H,s),7.51(2H,d,J=7.5Hz),8.22(2H,d,J=7.5Hz).
(5)上記(4)で得た化合物(500mg)の50%メタノール水溶液(80ml)に鉄粉(425mg)および塩化アンモニウム(815mg)を加え50分間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、セライトで濾過した。ろ液を減圧下濃縮し、アセトン(20ml)を加え、上澄液をデカンテーションにより除去した。残渣にDMF(20ml)を加えセライトで濾過した。ろ液を減圧下濃縮し、3−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナンを得た。これを精製せずに次の反応に用いた。
(6)上記(5)で得た化合物のDMF(10ml)に溶液に、2−クロロ−6−ニトロキノリン(250mg)および炭酸カリウム(248mg)を加え90℃で終夜攪拌した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)に付し、2−(6−ニトロ−2−キノリニル)−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン(44mg)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):2.17(1H,d,J=8.3Hz),2.21(1H,d,J=8.3Hz),2.43(1H,d,J=15Hz),2.51(1H,d,J=15Hz),3.41(1H,d,J=11Hz),3.47(1H,d,J=11Hz),3.73(4H,m),6.82(1H,d,J=8.2Hz),7.68(1H,d,J=9.0Hz),7.97(1H,d,J=9.0Hz),8.31(1H,dd,J=8.2,2.2Hz),8.55(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS Found:m/z 313[M+H]+
(7)上記(6)で得た化合物(44mg)のDMF(4ml)溶液に窒素気流下、水素化ナトリウム(60%油状、17mg)を加え室温で25分間攪拌した。反応液にヨウ化メチル(99mg)のDMF(1ml)溶液を加え30分間攪拌した。続いて反応液に水を加え、クロロホルム−メタノール(10:1)混合溶媒で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=10:1)に付し、表題化合物(27mg)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):2.14(1H,d,J=8.3Hz),2.18(1H,d,J=8.3Hz),2.49(1H,d,J=15Hz),2.56(1H,d,J=15Hz),2.81(3H,s),3.39(1H,d,J=11Hz),3.55(1H,d,J=11Hz),3.75(4H,m),6.79(1H,d,J=8.2Hz),7.65(1H,d,J=9.0Hz),7.95(1H,d,J=9.0Hz),8.28(1H,dd,J=8.2,2.2Hz),8.51(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS Found:m/z 327[M+H]+
参考例3
(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]イソブチルアミド
(1)(3R)−(−)−1−ベンジル−3−(メチルアミノ)ピロリジン(20.0g)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液にトリエチルアミン(29.3ml)及びジtert−ブチル−ジカーボネート(34.4g)を0℃にて加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣に4N塩酸−酢酸エチル溶液(29.0ml)を加え、生じた白色結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄後、濾過した。生成物を乾燥し、tert−ブチル(3R)−N−(1−ベンジル−3−ピロリジニル)−N−メチルカルバメート塩酸塩(24.2g)を白色結晶として得た。
ESI−MS Found:m/z 235[M+H]+
(2)上記(1)で得た化合物(22.0g)のメタノール(225ml)溶液に窒素雰囲気下10%パラジウム炭素(7.2g)を加え、1気圧の水素雰囲気下、終夜攪拌した。反応系を窒素置換することにより反応を停止し、反応液をセライト濾過し、減圧濃縮した。生成物を乾燥しtert−ブチル(3R)−N−メチル−N−(3−ピロリジニル)カルバメート塩酸塩(15.9g)を白色結晶として得た。
ESI−MS Found:m/z 201[M+H]+
(3)2−クロロ−6−ニトロアミノキノリン(7.13g)のDMF(110ml)溶液に炭酸カリウム(14.2g)及び上記(2)で得た化合物(8.90g)を加え、90℃にて終夜攪拌した。反応液に水(400ml)を加え、生じた結晶を濾過した。生成物を乾燥し、tert−ブチル(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]カルバメート(11.4g)を黄色結晶として得た。
ESI−MS Found:m/z 273[M+H]+
(4)上記(3)で得た化合物(11.2g)をトリフルオロ酢酸(110ml)に溶解し、20分間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣のクロロホルム(60ml)溶液に0℃にてトリエチルアミン(8.4ml)及びイソブチリルクロリド(3.8ml)を加え、1時間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95/5)に付し、表題化合物(10.3g)を黄色結晶として得た。
ESI−MS Found:m/z 243[M+H]+
参考例4
2−(6−ニトロ−2−キノリニル)−6−アセチルデカルデヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン
2−(t−ブトキシカルボニル)−6−ベンジルデカルデヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン(この化合物は、WO99/40070号に記載の方法で調製した。)(680mg)のメタノール(15ml)溶液にパラジウム炭素(500mg)を加え水素気流下(50psi)、室温で終夜攪拌した。パラジウム炭素をセライト濾過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をクロロホルム(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(516mg)およびアセチルクロライド(200mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をトリフルオロ酢酸(5ml)に溶解させ室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をDMF(10ml)溶液に溶解し、該溶液に2−クロロ−6−ニトロキノリン(283mg)および炭酸カリウム(1.17g)を加え、90℃で終夜攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)に付し、表題化合物(424mg)を得た。
ESI−MS Found:m/z 355[M+H]+
参考例5
(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]アセトアミド
参考例3−(4)で用いたイソブチリルクロリドの代わりにアセチルクロリドを用いる他は参考例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):2.05−2.40(5H,m),2.85−3.05(3H,m),3.40−4.10(4H,m),4.50−5.55(1H,m),6.75−6.90(1H,m),7.60−7.75(1H,m),7.90−8.05(1H,m),8.20−8.40(1H,m),8.50−8.65(1H,m).
参考例6
(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]プロパンアミド
参考例3−(4)で用いたイソブチリルクロリドの代わりにプロピオニルクロリドを用いる他は参考例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):1.10−1.30(3H,m),2.10−2.60(4H,m),2.85−3.05(3H,m),3.40−4.10(4H,m),4.50−5.55(1H,m),6.75−6.90(1H,m),7.60−7.75(1H,m),7.90−8.05(1H,m),8.20−8.40(1H,m),8.50−8.65(1H,m).
参考例7
(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]メタンスルホンアミド
参考例3−(4)で用いたイソブチリルクロリドの代わりにメタンスルホニルクロリドを用いる他は参考例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):2.15−2.45(2H,m),2.85−3.00(3H,m),3.55−3.75(4H,m),3.80−4.10(2H,m),4.65−4.80(1H,m),6.75−6.90(1H,m),7.60−7.75(1H,m),7.90−8.05(1H,m),8.20−8.35(1H,m),8.50−8.60(1H,m).
参考例8
2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−6−ニトロキノリン
3−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナンの代わりにN−イソプロピル(メチル)アミンを用いる他は参考例2−(6)と同様にして、表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 246[M+H]+
参考例9
N−2−[メチル(テトラヒドロ−3−フラニル)アミノ]−6−ニトロキノリン
3−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナンの代わりにN−メチル(テトラヒドロ−3−フラニル)アミンを用いる他は参考例2−(6)と同様にして、表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 274[M+H]+
参考例10
5−フェニルピリミジン−2−カルボン酸
5−ブロモピリミジン−2−カルボン酸(5.01g)及びフェニルボロン酸(3.61g)のエチレングリコールジメチルエーテル(150ml)溶液に2M炭酸ナトリウム水溶液(100ml)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.42g)を加え、80℃にて5時間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水を加え、水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。水層に10%リン酸水溶液を加えてpH4にした後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水にて洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物(3.66g)を白色結晶として得た。
ESI−MS Found:m/z 201[M+H]+
ESI−MS Found:m/z 199[M−H]−
参考例11
5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボン酸
フェニルボロン酸を4−フルオロフェニルボロン酸に代える他は参考例10と同様にして表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 219[M+H]+
ESI−MS Found:m/z 217[M−H]−
参考例12
5−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボン酸
フェニルボロン酸を3−フルオロフェニルボロン酸に代える他は参考例10と同様にして表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 219[M+H]+
ESI−MS Found:m/z 217[M−H]−
【実施例1】
5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(1−メチル−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例1で得られた化合物(80mg)のメタノール(5ml)溶液にパラジウム炭素(10mg)を加え、水素雰囲気下室温で1時間撹拌した。反応液を濾過し溶媒を減圧留去後、残渣をクロロホルム(10ml)に溶解し、該溶液に参考例11で得られた化合物(53mg)、トリエチルアミン(70ul)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド(41mg)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)に付し、表題化合物(64mg)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.95−2.10(2H,m),2.13−2.24(1H,m),2.36−2.55(3H,m),2.87(3H,s),3.60−3.78(3H,m),3.85−3.94(1H,m),6.74(1H,d,J=9.2Hz),7.22−7.30(2H,m),7.60−7.75(4H,m),7.96(1H,d,J=9.2Hz),9.07(2H,s),10.01(1H,s).
【実施例2】
5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(7−メチル−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド塩酸塩
参考例1で得られた化合物の代わりに参考例2で得られた化合物を用いる他は実施例1と同様の操作を行った後、得られた化合物を4N塩酸−酢酸エチルで処理し表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):2.15(2H,m),2.44(2H,brs),2.75(3H,s),3.56(2H,m),3.85(4H,m),7.27(1H,m),7.45(2H,m),8.01(2H,m),8.17(2H,m),8.46(1H,m),8.62(1H、brs),9.36(2H、s),11.18(1H、s).
ESI−MS Found:m/z 497[M+H]+
【実施例3】
N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物(10.2g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液に窒素雰囲気下20%水酸化パラジウム炭素(4.19g)を加え、1気圧の水素雰囲気下にて終夜攪拌した。反応系を窒素置換して反応を停止した後、反応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に0℃にて参考例10で得られたフェニルピリミジンカルボン酸(5.97g)及びトリエチルアミン(8.3ml)を加えた後、更に2−クロロ−1,3−ジメチル−イミダゾリニウムクロリド(6.55g)のジメチルホルムアミド(30ml)溶液を滴下し、1時間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水を加えた後、水で希釈し、生じた固体を濾過した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)に付し、酢酸エチルから再結晶することにより、表題化合物(7.65g)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO,δppm):1.05−1.08(6H,m),2.05−2.25(2H,m),2.78(3/2H,s),2.96(3/2H,s),2.82−3.10(1H,m),3.35−3.55(2H,m),3.65−3.87(2H,m),4.78−4.89(1/2H,m),5.13−5.25(1/2H,m),6.88−6.93(1H,m),7.51−7.60(4H,m),7.90−7.92(3H,m),8.01(1H,d,J=8.8Hz),8.36(1H,d,J=2.4Hz),9.34(2H,s),10.85(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 496[M+H]+
【実施例4】
N−[2−(6−アセチルデカルデヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−イル)−6−キノリニル]−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例4で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):1.70−1.82(5H,m),2.01(3H,s),2.48 and 3.18(4H,m),3.32−3.67(5H,m),6.84(1H,d,J=8.7Hz),7.54(4H,m),7.91(3H,m),8.30(2H,m),9.34(2H,s),10.83(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 507[M+H]+
【実施例5】
N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例5で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):1.95−2.30(5H,m),2.70−2.95(3H,m),3.25−3.35(3H,m),3.35−3.60(2H,m),3.60−3.90(2H,m),4.60−5.25(1H,m),6.85−6.95(1H,m),7.45−7.65(4H,m),7.85−8.10(4H,m),8.36(1H,s),9.36(2H,s),10.85(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 467[M+H]+
【実施例6】
5−フェニル−N−(2−[(3R)−3−[プロピオニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例6で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):0.95−1.10(3H,m),2.00−2.25(2H,m),2.25−2.50(2H,m),2.70−2.95(3H,m),3.35−3.60(2H,m),3.60−3.85(2H,m),4.65−5.30(1H,m),6.85−6.95(1H,m),7.45−7.65(4H,m),7.85−8.10(4H,m),8.36(1H,s),9.36(2H,s),10.84(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 481[M+H]+
【実施例7】
N−(2−[(3R)−3−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例7で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):2.10−2.30(2H,m),2.79(3H,s),2.99(3H,s),3.40−3.60(2H,m),3.70−3.90(2H,m),4.45−4.60(1H,m),6.85−6.95(1H,m),7.45−7.65(4H,m),7.85−8.10(4H,m),8.36(1H,s),9.36(2H,s),10.85(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 503[M+H]+
【実施例8】
N−(2−[(3R)−3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
(1)N−(2−[(3R)−3−[tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例3−(3)で得られたtert−ブチル(3R)−N−メチル−N−[1−(6−ニトロ−2−キノリニル)−3−ピロリジニル]カルバメートを用いる他は実施例3と同様にして、表題化合物を得た。
(2)N−(2−[(3R)−3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3−(3)で得られた化合物の代わりに上記(1)で得られた化合物を用い、イソブチリルクロリドの代わりにクロル炭酸メチルを用いる他は参考例3−(4)と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):2.18−2.27(2H,m),2.90(3H,s),3.53−3.61(2H,m),3.75(3H,s),3.82−3.90(2H,m),5.00(1H,br.s),6.75(1H,d,J=9.2Hz),7.52−7.59(3H,m),7.65−7.74(4H,m),7.94(1H,d,J=9.2Hz),8.43(1H,s),9.12(2H,s),10.04(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 483[M+H]+
【実施例9】
N−(2−[(3R)−3−[[(ジメチルアミノ)カルボニル)](メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3−(3)で得られた化合物の代わりに実施例8−(1)で得られた化合物を用い、イソブチリルクロリドの代わりにジメチルカルバモイルクロリドを用いる他は参考例3−(4)と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.59(6H,s),2.12−2.21(1H,m),2.24−2.35(1H,m),2.82(3H,s),3.49−3.62(2H,m),3.82−3.90(1H,m),3.92−4.00(1H,m),4.46−4.54(1H,m),6.75(1H,d,J=9.2Hz),7.50−7.57(3H,m),7.64−7.72(4H,m),7.92(1H,d,J=8.8Hz),8.40(1H,brs),9.11(2H,s),10.02(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 496[M+H]+
【実施例10】
N−(2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例3で得られた化合物の代わりに参考例8で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.24(6H,d,J=6.8Hz),3.01(3H,s),4.98(1H,septet,J=6.8Hz),6.91(1H,d,J=9.2Hz),7.49−7.57(3H,m),7.62−7.69(4H,m),7.89(1H,d,J=9.2Hz),8.38(1H,s),9.10(2H,s),10.00(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 398[M+H]+
【実施例11】
5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例1で得られた化合物の代わりに参考例3で得られた化合物を用いる他は実施例1と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO,δppm):1.00−1.07(6H,m),2.06−2.25(2H,m),2.77(3/2H,s),2.82−2.91(1/2H,m),2.96(3/2H,s),3.00−3.11(1/2H,m),3.37−3.57(2H,m),3.66−3.84(2H,m),4.78−4.88(1/2H,m),5.12−5.23(1/2H,m),6.88−6.94(1H,m),7.40−7.44(2H,m),7.54(1H,d,J=9.2Hz),7.90(1H,dd,J=9.2,2.0Hz),7.96−8.02(3H,m),8.34(1H,d,J=2.0Hz),9.33(2H,s),10.83(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 513[M+H]+
【実施例12】
N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−(4−フルオロフェニル)−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例1で得た化合物の代わりに参考例5で得られた化合物を用いる他は実施例1と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,d6−DMSO,δppm):1.95−2.25(5H,m),2.70−2.95(3H,m),3.25−3.35(3H,m),3.35−3.60(2H,m),3.60−3.90(2H,m),4.60−5.30(1H,m),6.85−6.95(1H,m),7.35−7.60(3H,m),7.85−8.10(4H,m),8.36(1H,s),9.35(2H,s),10.85(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 485[M+H]+
【実施例13】
5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[メチル(テトラヒドロ−3−フラニル)アミノ]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド
参考例1で得た化合物の代わりに参考例9で得られた化合物を用いる他は実施例1と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.94−2.04(1H,m),2.32−2.42(1H,m),3.10(3H,s),3.75−3.96(3H,m),4.08−4.15(1H,m),5.64−5.74(1H,m),6.94(1H,d,J=9.2Hz),7.22−7.30(2H,m),7.60−7.74(4H,m),7.94(1H,d,J=9.2Hz),8.41(1H,s),9.06(2H,s),10.00(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 444[M+H]+
【実施例14】
5−(3−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド
5−フェニルピリミジン−2−カルボン酸の代わりに参考例12で得られた化合物を用いる他は実施例3と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO,δppm):1.01−1.07(6H,m),2.07−2.25(2H,m),2.77(3/2H,s),2.83−2.91(1/2H,m),2.95(3/2H,s),3.00−3.08(1/2H,m),3.38−3.56(2H,m),3.66−3.85(2H,m),4.78−4.88(1/2H,m),5.12−5.23(1/2H,m),6.89−6.94(1H,m),7.34−7.39(1H,m),7.54(1H,d,J=8.8Hz)7.62(1H,dd,J=8.0,6.0Hz),7.78(1H,d,J=8.0Hz),7.85(1H,dt,J=10.4,2.0Hz),7.90(1H,dd,J=9.2,2.0Hz),8.01(1H,d,J=8.8Hz),8.34(1H,d,J=2.0Hz),9.38(2H,s),10.84(1H,s).
ESI−MS Found:m/z 513[M+H]+
薬理試験例
本発明の化合物の医薬としての有用性は、例えば下記の薬理試験例により証明される。
試験例1:MCH結合阻害試験
ヒトMCH−1RをコードするcDNA配列[フェブス・レターズ(FEBS Letters)、398巻、253頁(1996年)、ビオキミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophisica Acta)、1401巻、216頁(1998年)]を、プラスミドベクターpEF/mic/cyto(インビトロジェン社製)にクローニングした。得られた発現ベクターをリポフェクトアミン・プラス試薬(ライフ・テクノロジー社製)を用いて宿主細胞CHO−K1(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)にトランスフェクトし、MCH−1R発現細胞を得た。
このMCH−1Rを発現させた細胞から調製した膜標品を被検化合物及び50pMの[125I]MCH(NEN社製)とともに、アッセイ緩衝液(10mM塩化マグネシウム、2mMエチレンジアミン四酢酸、0.01%バシトラシン及び0.2%ウシ血清アルブミンを含む50mM Tris緩衝液、pH7.4)中で25℃、1時間インキュベーションした後、グラスフィルターGF/C(ワットマン社製)にて濾過した。グラスフィルターを10mM塩化マグネシウム、2mMエチレンジアミン四酢酸及び0.04%Tween−20を含む50mM Tris緩衝液、pH7.4にて洗浄後、グラスフィルター上の放射活性を求めた。非特異的結合は1μMヒトMCH存在下で測定し、特異的[125I]MCH結合に対する被験化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた。その結果を表2に示す。

試験例2(MCHにより誘発される摂食行動に対する拮抗試験)
ケタミン・キシラジン麻酔下(74および11mg/kg腹腔内単回投与)、雄性SDラット(9−12週令)の第3脳室に脳定位固定的に慢性ガイドカニューレ(26ゲージ)を挿入、歯科用レジンで固定した。ガイドカニューレの先端の位置はbregmaより後方2.2mm、正中線上、頭蓋表面より深さ8mmとした。2週間の回復期間をおいた後、ラットに高脂肪食を約4時間与えて飽食させた。その後、マイクロシリンジに接続した内針(33ゲージ)をガイドカニューレに挿入し、メラニン凝集ホルモン(MCH、5μg/1μL/head、人工脳脊髄液に溶解)を第3脳室内に投与した。実施例3の化合物(10又は30mg/kg)を、MCH投与の1時間前に0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して経口投与した。引き続きラットに高脂肪食を与え、MCH投与後2時間の摂餌量を測定した。
図1は、高脂肪食で飽食させたラットに本発明の化合物を経口投与し、その1時間後にMCHを脳室内投与した後、2時間のラットの摂餌量を示した図である。即ち、1)実施例3の化合物を投与しない場合、2)実施例3の化合物を10mg/kg投与した場合、3)実施例3の化合物を30mg/kg投与した場合、の各々について、2時間あたりのラットの摂食量(g)を示す。
図1に示すとおり、本発明の化合物は、第3脳室内に投与したMCHによる摂食量の増加を用量依存的に抑制した。尚、MCH及び本発明の化合物の代わりに人工脳脊髄液(aCSF)のみ投与した場合の摂食量をリファレンスとした。
【産業上の利用可能性】
本発明の化合物は、MCH−1R拮抗作用を有し、例えば肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患;例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患;例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患;例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患;その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として有用である。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]

[式中、R及びRは、各々独立して、
1) 水酸基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい、低級アルキル基、
2) Rで置換されていてもよい3〜6員のシクロアルキル基、及び
3) Rで置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクロアルキル基、よりなる群から選択される置換基を表すか、又は
4) RとRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の脂肪族含窒素複素環を形成し、該脂肪族含窒素複素環における1又は2個の任意の水素原子はRで置換されていてもよく、
、R、R及びRは、各々独立して、
1) 水素原子、
2) 水酸基、
3) ハロゲン原子、及び
4) ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、よりなる群から選択される置換基を表し、
は、
1) 水素原子、又は
2) ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基を表し、
は、各々独立して、
1) ハロゲン原子、
2) 低級アルキル基、及び
3) 低級アルキルオキシ基、よりなる群から選択される置換基を表し、
は、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、低級アルキルオキシカルボニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、モノ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルホニル(低級アルキル)アミノ基、オキソ基及び2−オキソピロリジニル基よりなる群から選択される置換基を表し、
nは、0、1、2、3又は4を表す。]で表される2−アミノキノリン誘導体又は薬学上許容される塩。
【請求項2】
が、低級アルキル基であり、Rが、水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基、テトラヒドロフラニル基、及びRで置換されていてもよいピロリジニル基、よりなる群から選択されるものである請求の範囲第1項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項3】
とRとが一緒になってそれらが結合する窒素原子と共に形成する4〜11員の架橋、非架橋若しくはスピロ環の脂肪族含窒素複素環が、式[A]

[式中、Rは、Rを表すか、又は2つのRが一緒になって−(CH)x−(NH)−(CH)y−を形成し、そして該置換基中の任意の水素原子は、低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基又はオキソ基で置換されていてもよく、x及びyは、独立して0、1、2、3又は4を表し、且つ3≦x+y≦4を満たし、そしてmは、0、1又は2を表す。]で表される、請求の範囲第1項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項4】
が、低級アルキルカルボニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルスルホニル(低級アルキル)アミノ基、低級アルキルオキシカルボニル(低級アルキル)アミノ基及びジ低級アルキルカルバモイル(低級アルキル)アミノ基よりなる群から選択され、そしてm=1である請求の範囲第3項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項5】
m=2の場合、2つのRが一緒になって、

[式中、R10は、低級アルキル基又は低級アルキルカルボニル基を表す。]よりなる郡から選択される基を形成する、請求の範囲第3項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項6】
式[A]で表される脂肪族含窒素複素環が、1−メチル−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−イル基、7−メチル−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル基、3−[アセチル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[プロピオニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[イソブチリル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン−1−イル基、3−{[(ジメチルアミノ)カルボニル](メチル)アミノ}ピロリジン−1−イル基、6−アセチルデカヒドロピロロ[3.4−d]アゼピン−2−イル基及び2−オキソ[1.3’]ビピロリジニル−1’−イル基よりなる群から選択される、請求の範囲第3項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項7】
が、フッ素原子又はメトキシ基である請求の範囲第1項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項8】
一般式[I]で表される化合物が、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(1−メチル−2−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(7−メチル−8−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−イル)−6−キノリニル]−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−[2−(6−アセチルデカルデヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−イル)−6−キノリニル]−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−フェニル−N−(2−[(3R)−3−[プロピオニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[メトキシカルボニル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[[(ジメチルアミノ)カルボニル)](メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−6−キノリニル)−5−フェニル−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・N−(2−[(3R)−3−[アセチル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−5−(4−フルオロフェニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、
・5−(4−フルオロフェニル)−N−(2−[メチル(テトラヒドロ−3−フラニル)アミノ]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、及び
・5−(3−フルオロフェニル)−N−(2−[(3R)−3−[イソブチリル(メチル)アミノ]−1−ピロリジニル]−6−キノリニル)−2−ピリミジンカルボキサミド、よりなる群から選択される請求の範囲第1項に記載の化合物又は薬学上許容される塩。
【請求項9】
請求の範囲第1項〜第8項に記載の化合物を有効成分とするメラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤。
【請求項10】
請求の範囲第項1項〜第8項に記載の化合物を有効成分とする肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎及び肝硬変に代表される代謝系疾患;狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、冠状動脈硬化症、高血圧、腎臓病及び電解質異常に代表される循環器系疾患;過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症及びアルコール依存症に代表される中枢及び末梢神経系疾患;不妊症、早産及び性機能障害に代表される生殖系疾患;消化管疾患;呼吸器疾患;癌又は皮膚色素沈着の予防剤又は治療剤。
【請求項11】
肥満症の予防剤又は治療剤である請求の範囲第10項に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項12】
請求の範囲第1項〜第8項に記載の化合物又は薬学上許容される塩、及び医薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項13】
一般式[I]

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びnは、請求の範囲第1項に記載のものと同義である。]で表される化合物の製造方法であって、
一般式[II]

[式中、R、R、R、RおよびRは、請求の範囲第1項に記載のものと同義である。]で表される化合物と一般式[III]

[式中、R、R、R及びnは、請求の範囲第1項に記載のものと同義である。]で表される化合物をアミド化反応する工程、を包含する方法。

【国際公開番号】WO2004/103992
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506399(P2005−506399)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007217
【国際出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(000005072)萬有製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】