説明

2−エチルアミノピリジン誘導体の調製方法

【課題】農薬を調製するための中間体化合物として有用な2−アミドエチルピリジン誘導体の提供。
【解決手段】一般式(III)で表される2−アミドエチルピリジン誘導体(式中、pは、1〜4の整数、Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル基など、Rは、C〜C−アルキル基を表す。)。特に、pが2であり、Xが、他とは独立に塩素またはCFであり、3位および/または5位においてXにより置換されている2−アミドエチルピリジン誘導体であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬を調製するための中間体化合物として有用な2−エチルアミノピリジン誘導体の2−ハロゲノピリジン誘導体から出発する新規な調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願WO2004/016088は、2−ハロゲノピリジン誘導体から出発して2−エチルアミノピリジン誘導体を生成し、次いでこれらの2−エチルアミノピリジン誘導体をハロゲノベンゾイル誘導体とカップリングするN−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体の調製法を開示している。この方法の1つのステップは、金属触媒存在下のプロトン性溶媒中での2−メチルシアノピリジン誘導体の2−エチルアミノピリジンへの還元からなる。
【0003】
この特許出願に開示されている方法には、2−メチルシアノピリジン誘導体を還元して2−エチルアミノピリジンを生成するステップの収率が低く、工業規模では受け入れられないという欠点がある。
【0004】
この特許出願に開示されている方法には、また、2−ハロゲノピリジン誘導体から出発する2−メチルシアノピリジン誘導体の調製のために2つの別々のステップが必要であるという欠点もある。これは結果的に方法の経費を増大させ、その全体的な収率を低下させるため、工業規模では受け入れられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004/016088号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
われわれは今やこれらの問題を克服し、工業規模の操業に適する2−エチルアミノピリジン誘導体を調製する代替方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、一般式(I)
【0008】
【化1】

の2−エチルアミノピリジン誘導体またはこれの塩の調製方法に関するものであり、
式中、
・pは、1、2、3または4に相当する整数であり;
・Xは、同じか異なり、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノシクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルバモイル、ジ−C〜C−アルキルカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)オキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)−C〜C−アルコキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C〜C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、(C〜C−アルコキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルケニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルキニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニルまたはフェニルアミノであり;
2−ピリジンのN−オキシドに関しては、
前記方法は:
(A)・反応スキーム1による第1ステップ:
【0009】
【化2】

(式中:・Xおよびpは、上で定義したものであり;
・Rは、C〜C−アルキルであり;
・Halは、ハロゲン原子を表し;
このステップは、
a)2−ハロゲノピリジン誘導体とシアノ酢酸アルキルとを、塩基/2−ハロゲノピリジン誘導体のモル比が1〜4である塩基が存在する極性溶媒中で、2−ハロゲノピリジン誘導体/シアノ酢酸アルキルのモル比が1〜10で反応させ;
b)続いて反応混合物のpH値が1〜5になるまで酸を加えて;
2−メチルシアノピリジン誘導体を提供することを含む。)
(B)・反応スキーム2による第2ステップ:
【0010】
【化3】

(式中:・X、pは、上で定義したものであり;
・Rは、C〜C−アルキルを表し;
・Rは、ハロゲン原子または−OCOAlk基を表し;
・Alkは、C〜C−アルキルを表し;
このステップは、
ステップ1で得られた2−メチルシアノピリジン誘導体を、式RCORのアシル化剤および触媒の存在する溶媒中、4〜40バールの水素圧下で接触還元反応させて2−エチルアミノピリジル誘導体を提供することを含む。)
(C)・反応スキーム3による第3ステップ:
【0011】
【化4】

(式中:・Xおよびpは、上で定義したものであり;
・Rは、C〜C−アルキルを表し;
このステップは、
ステップ2で得られた2−エチルアミノピリジン誘導体を、これに1〜20モル当量の酸を加えることにより20℃から還流するまでの温度で、水中で加水分解して一般式(I)の化合物を提供することを含む。)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的に対しては、
・ハロゲン原子は、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子またはフッ素原子であり得、好ましくは、ハロゲン原子は、塩素原子を意味し;
・カルボキシは、−C(=O)OHを意味し;
・カルボニルは、−C(=O)−を意味し;
・カルバモイルは、−C(C=)NHを意味し;
・N−ヒドロキシカルバモイルは、−C(C=)NHOHを意味し;
・アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基ならびにこれらの用語を包む部分は線状または分枝状であり得る。
【0013】
本発明による一般式(I)の化合物の調製の間、2−ハロゲノピリジン誘導体から出発する2−メチルシアノピリジン誘導体の調製は1ステップだけで行われる。さらに、2−メチルシアノピリジン誘導体の2−エチルシアノピリジン誘導体ヘの還元ステップの収率は、65%から95%である。上記方法は、したがって、工業規模で使用することができる。
【0014】
本発明によれば、2−ピリジル部分は、(X)により任意の位置で置換されていてよく、ここで、Xおよびnは、上で定義されているものである。好ましくは、本発明は、一般式(I)の2−エチルアミノピリジン誘導体の調製法に関するものであり、ここでさまざまな特徴は以下であるように、単独または組み合わせて選択することができる:
・pに関して、pは、1、2または3である。好ましくは、pは2である。
・Xに関して、Xは、他とは独立に、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであるものとして選択される。より好ましくは、Xは、他とは独立に、塩素またはCFであるものとして選択され;
・Xにより置換される2−ピリジル部分の位置に関して、この2−ピリジル部分は、3位および/または5位でXにより置換される。好ましくは、この2−ピリジル部分は、3位および5位でXにより置換される。
【0015】
本発明の方法は、
・N−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチルアミン、または
・N−2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチルアミン
の調製に対して特に適している。
【0016】
本発明による方法の第1ステップ(ステップA)は、2−ハロゲノピリジン誘導体とシアノ酢酸アルキルとを、塩基/2−ハロゲノピリジン誘導体のモル比が1〜4である塩基が存在する極性溶媒中で、2−ハロゲノピリジン誘導体/シアノ酢酸アルキルのモル比が1〜10で反応させ、続いて反応混合物のpH値が1〜5になるまで酸を加えて、2−メチルシアノピリジン誘導体を提供することを含む。好ましくは、ステップAは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・極性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エーテル溶媒、アミド溶媒または尿素溶媒であるように選択される。より好ましくは、この溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アニソール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2−2イミダゾリノン(DMA)であるように選択される。さらにより好ましくは、この溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−2イミダゾリノン(DMA)またはジメチルスルホキシド(DMSO)であるように選択される。
・2−ハロゲノピリジン誘導体/シアノ酢酸アルキルのモル比は、1から5である。
・シアノ酢酸アルキルは、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルまたはシアノ酢酸t−ブチルであるように選択される。
・塩基は、アルカリ土類金属塩基、アルカリ金属水素化物塩基、水酸化物塩基、アミド塩基、アルコラート塩基、酢酸塩塩基、炭酸塩塩基、重炭酸塩塩基または第三級アミン塩基であるように選択される。より好ましくは、塩基は、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムt−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)またはジアザビシクロウンデセン(DBU)を含む炭化水素ベースであるように選択される。さらにより好ましくは、塩基は、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたは水素化ナトリウムであるように選択される。
・塩基/2−ハロゲノピリジン誘導体のモル比は、1から2.5である。
・添加される酸は、無機酸である。適当な無機酸としては、HClおよびHSOが挙げられる。より好ましくは、HClが添加される。
・この酸は、反応混合物のpH値が2から4になるまで、より好ましくは2になるまで加えられる。
【0017】
ステップAは、特定の温度条件を必ずしも必要としないが、好ましくは、ステップAは、0℃から還流するまでの温度で行われ、より好ましくは、ステップAは、0℃から100℃の温度で行われる。
【0018】
本発明による方法の第2ステップ(ステップB)は、ステップ1で得られた2−メチルシアノピリジン誘導体を、式RCORのアシル化剤および触媒の存在する溶媒中、4〜40バールの水素圧下で接触還元反応させて2−エチルアミノピリジル誘導体を提供することを含む。好ましくは、ステップBは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・触媒は、金属触媒である。適当な金属触媒としては、ラネーニッケルのようなニッケル系、白金系またはパラジウム系触媒、アルミナ上のロジウム、木炭上のパラジウム、炭酸カルシウム上のパラジウム、シリカ上のパラジウム、水酸化パラジウム、木炭上の白金またはアルミナ上の白金が挙げられる。より好ましくは、木炭上のパラジウムが使用される。
・溶媒は、有機酸である。より好ましくは、溶媒は、C〜C−アルカン酸またはギ酸である。適当なC〜C−アルカン酸としては、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸またはヘキサン酸が挙げられる。さらにより好ましくは、溶媒は酢酸である。
・アシル化剤は、C〜C−アルカン酸無水物または無水ギ酸である。適当なC〜C−アルカン酸無水物としては、無水酢酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水ペンタン酸または無水ヘキサン酸が挙げられる。さらにより好ましくは、アシル化剤は無水酢酸である。
・水素圧は、4〜35バールである。
【0019】
ステップBは、特定の温度条件を必ずしも必要としないが、好ましくは、ステップBは、16℃から70℃までの温度で行われ、より好ましくは、ステップBは、20℃から40℃までの温度で行われる。
【0020】
本発明による方法の第3ステップ(ステップC)は、ステップ2で得られた2−エチルアミノピリジン誘導体を、これに1〜20モル当量の酸を加えることにより20℃から還流するまでの温度で、水中で加水分解して一般式(I)の化合物を提供することを含む。好ましくは、ステップCは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・添加される酸は無機酸である。適当な無機酸としては、HCl、HPO、HSO、HBr、HIまたはHFが挙げられる。より好ましくは、この酸は、HClまたはHSOである。さらにより好ましくは、この酸は、HClである。
・2〜10モル当量の酸が、ステップ2(ステップB)で得られた2−エチルアミノピリジン誘導体に添加される。より好ましくは、5モル当量の酸が、ステップ2(ステップB)で得られた2−エチルアミノピリジン誘導体に添加される。
・この反応は、還流温度で行われる。
【0021】
上で定義した一般式(I)の化合物は、既知の農薬化合物の調製のための有用な中間体である。これらの既知の農薬化合物は、上で定義した一般式(I)の化合物をハロゲン化ベンゾイル誘導体とカップリングすることにより調製することができる。かくして、本発明は、また、反応スキーム4によるさらなるステップ(D)
【0022】
【化5】

[式中:・Xおよびpは、上で定義したものであり;
・Aは、フェニル基または同じであっても異なってもよい1個、2個もしくは3個のヘテロ原子を有する5員、6員もしくは7員の非縮合複素環(この複素環は、炭素原子によって結合している)を表し、この基のそれぞれは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルケニル、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニルまたはC〜C−アルキルスルホンアミドであるように選択された1個または複数の置換基により場合によって置換されている]
を含み、上記方法のステップ3で得られた2−エチルアミノピリジンと塩基が存在する有機溶媒中に含まれているハロゲン化カルボキシル誘導体とがカップリング反応して、一般式(II)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボオキサミド誘導体が生成することを含む方法にも関する。
【0023】
本発明によれば、Aは、5員環の非縮合複素環を表し得る。Aが5員複素環である本発明の方法により調製される化合物の具体例としては、以下の一般式(II)の化合物が挙げられる。
Aが、一般式(A−1)
【0024】
【化6】

の複素環を表し、
式中、
・RおよびRは、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0025】
Aが、一般式(A−2)
【0026】
【化7】

の複素環を表し、
式中、
・Rは、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・RおよびRは、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0027】
Aが、一般式(A−3)
【0028】
【化8】

の複素環を表し、
式中、
・Rは、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R10は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0029】
Aが、一般式(A−4)
【0030】
【化9】

の複素環を表し、
式中、
・R11およびR12は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルキルスルホニル、ハロゲン原子またはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルあるいはハロゲン原子またはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているピリジルであり得;
・R13は、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルあるいは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであることができる。
【0031】
Aが、一般式(A−5)
【0032】
【化10】

の複素環を表し、
式中、
・R14およびR15は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R16は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0033】
Aが、一般式(A−6)
【0034】
【化11】

の複素環を表し、
式中、
・R17は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R18およびR20は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R19は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、C〜C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルスルホニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているベンゾイルであることができる。
【0035】
Aが、一般式(A−7)
【0036】
【化12】

の複素環を表し、
式中、
・R21は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、C〜C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルスルホニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているベンゾイルであり得;
・R22、R23およびR25は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはC〜C−アルキルカルボニルであることができる。
【0037】
Aが、一般式(A−8)
【0038】
【化13】

の複素環を表し、
式中、
・R25は、水素原子またはC〜C−アルキルであり得;
・R26は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0039】
Aが、一般式(A−9)
【0040】
【化14】

の複素環を表し、
式中、
・R27は、水素原子またはC〜C−アルキルであり得;
・R28は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0041】
Aが、一般式(A−10)
【0042】
【化15】

の複素環を表し、
式中、
・R29は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであり得;
・R30は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0043】
Aが、一般式(A−11)
【0044】
【化16】

の複素環を表し、
式中、
・R31は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R32は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0045】
Aが、一般式(A−12)
【0046】
【化17】

の複素環を表し、
式中、
・R33は、水素原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基またはアミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
・R34は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたはC〜C−アルキルチオであり得;
・R35は、水素原子、フェニル、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであることができる。
【0047】
Aが、一般式(A−13)
【0048】
【化18】

の複素環を表し、
式中、
・R36は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニルまたはアミノカルボニルC〜C−アルキルであり得;
・R37は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシまたはC〜C−アルキルチオであり得;
・R38は、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルまたはハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシアルキルもしくはニトロ基により場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0049】
Aが、一般式(A−14)
【0050】
【化19】

の複素環を表し、
式中、
・R39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニルまたはアミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
・R40は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R41は、水素原子、フェニル、ベンジル、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであることができる。
【0051】
Aが、一般式(A−15)
【0052】
【化20】

の複素環を表し、
式中、
・R42は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R43は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0053】
Aが、一般式(A−16)
【0054】
【化21】

の複素環を表し、
式中、R44およびR45は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されている複素環であることができる。
【0055】
Aが、一般式(A−17)
【0056】
【化22】

の複素環を表し、
式中、
・R46は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R47は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0057】
Aが、一般式(A−18)
【0058】
【化23】

の複素環を表し、
式中、R48は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0059】
Aが、一般式(A−19)
【0060】
【化24】

の複素環を表し、
式中、
・R49は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R50は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0061】
Aが、一般式(A−20)
【0062】
【化25】

の複素環を表し、
式中、R51は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0063】
本発明によれば、Aは、また、6員環の非縮合複素環を表す。本発明の方法により調製されるAが6員複素環である化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0064】
Aが、一般式(A−21)
【0065】
【化26】

の複素環を表し、
式中、
・R52は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
・R53、R54およびR55は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニルまたはC〜C−アルキルスルホニルであることができる。
【0066】
Aが、一般式(A−22)
【0067】
【化27】

の複素環を表し、
式中、
・R56は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルケニルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルオキシ、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルチオであり得;
・R57、R58およびR59は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているN−モルホリン、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているチエニルであることができる。
【0068】
Aが、一般式(A−23)
【0069】
【化28】

の複素環を表し、
式中、R60、R61、R62およびR63は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニルまたはC〜C−アルキルスルホニルであることができる。
【0070】
Aが、一般式(A−24)
【0071】
【化29】

の複素環を表し、
式中、
・R64は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R65は、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、1〜3個のハロゲン原子により場合によって置換されているベンジル、1〜3個のハロゲン原子により場合によって置換されているベンジルオキシカルボニルまたは複素環であることができる。
【0072】
Aが、一般式(A−25)
【0073】
【化30】

の複素環を表し、
式中、
・R66は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
・R67は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはベンジルであることができる。
【0074】
Aが、一般式(A−26)
【0075】
【化31】

の複素環を表し、
式中、
・Xは、硫黄原子、−SO−、−SO−または−CH−であり得;
・R68は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R69およびR70は、同じか異なるものであってよく、水素原子またはC〜C−アルキルであることができる。
【0076】
Aが、一般式(A−27)
【0077】
【化32】

の複素環を表し、
式中、
・R71は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0078】
Aが、一般式(A−28)
【0079】
【化33】

の複素環を表し、
式中、
・R72は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0080】
Aが、一般式(A−29)
【0081】
【化34】

の複素環を表し、
式中、
・R73は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0082】
本発明によれば、Aは、また、場合によって置換されているフェニル基を表すことができる。好ましくは、本発明は、Aがフェニル基である一般式(II)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボオキサミド誘導体の調製法に関するものであり、ここでさまざまな特徴は、以下であるように、単独または組み合わせて選択することができる:
・Aは、1個または2個の置換基により置換される。より好ましくは、Aは、1個の置換基により置換される。
・各置換基は、他とは独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであるように選択される。より好ましくは、各置換基は、他とは独立に、塩素またはCFであるように選択される。
・フェニル部分は、オルト位で置換される。
【0083】
このような方法は、以下の式(II)の化合物の調製に対して特に適する:
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド;または
・N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド
【0084】
本発明による方法の第4ステップ(ステップD)は、上で定義した一般式(II)の化合物を提供する、ステップCで得られた2−エチルアミノピリジンのハロゲン化ベンゾイル誘導体とのカップリング反応を含む。このようなカップリング反応は、既知の方法により行うことができる。上記カップリング反応は、例えば、参照により本明細書に組み込まれているSchotten Ber.1884,17,2544およびBaumann Ber.1886,19,3218に記載されているSchotten−Baumann反応により実施することができる。
【0085】
本発明による一般式(I)および式(II)の化合物は、上で説明した方法により調製することができる。とは言え、本人の一般的知識および入手できる出版物に基づいて、熟練者であれば化合物のそれぞれの仕様に従ってこの方法を合成に望ましいものに修正することができる。
【0086】
一般式(I)の化合物の調製のために使用される中間体のいくつかは、新規である。それ故、本発明は、また、一般式(I)の化合物の調製のために有用な新規な中間体化合物にも関する。したがって、本発明によれば、一般式(III)
【0087】
【化35】

(式中:
・Xおよびpは、上で定義されているものであり;
・Rは、C〜C−アルキル基を表す。)
の化合物が提供される。
【実施例】
【0088】
本発明を、ここで以下の実施例に関して説明する。
【0089】
3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−エチルアミン−ピリジニルの調製
ステップ1:3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−メチルシアノピリジンの調製
磁性バー、温度計および還流凝縮器を備えた2つ口丸底フラスコに、NMP(14.6%W/V)KOH(2.2当量)中の2,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)−ピリジンを仕込んだ。この溶液を70℃に加熱し、シアノ酢酸エチル(1.2当量)をゆっくりと添加した。添加後、この反応媒体を3時間加熱した。36%HCl水溶液を加えてpH2を得、この混合物を130℃に2時間加熱した。20℃で1NのNaOH水溶液を加え、水相をメチルt−ブチルエーテル(MTBE)で3回抽出した。有機相を合わせて水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、乾燥するまで濃縮した。単離収率は、94%であった。
NMR H(300Mz,CDCl):4.15(s,2H,C)、8.0(s,1H,Hpyr.)、8.79(s,1H,Hpyr.)。
【0090】
ステップ2:3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−エチルアセトアミド−ピリジニルの調製
水素化反応器に、3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−メチルシアノピリジン(7g、31.4mMol)、Pd/C5%(1.05g)、AcO(12.8g、125.8mMol、4当量)、AcOH(60m1)を仕込んだ。この反応器を、30バールの水素下20℃で5時間撹拌した。水素を除去し、触媒を濾別し、溶媒を蒸発させた。8.4gの粗製所望生成物が得られた。HPLC滴定収率=71%。マススペクトル:266DA、MH:267
【0091】
ステップ3:3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−エチルアミン−ピリジニルの調製
磁性バー、温度計および還流凝縮器を備えた2つ口丸底フラスコに、上記の粗製3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−エチルアセトアミド−ピリジニル(22.2mMol)、水(50ml)、37%HCl(4.3g、5当量)を仕込んだ。この溶液を5時間還流させた。水相をCHClにより3回(3×20ml)室温で洗浄した。水相をHPLCにより滴定した。溶液中で滴定された収率は92%である。
マススペクトル分析:224DA、MH:225。
【0092】
これらの条件下で、2−メチルシアノピリジン誘導体(ステップ2およびステップ3)から出発する2−エチルアミノピリジル誘導体調製の全体的収率は、工業規模で受け入れられる65%である。
【0093】
特許出願WO2004/016088に開示されている方法を用いることによる比較例を実施した:
WO2004/016088に開示されている方法による3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−メチルシアノピリジンから出発する3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−エチルアミン−ピリジルの調製
水素化反応器に、3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−メチルシアノピリジン(1.5g、6.72mMol)、Pd/C5%、AcOH(7m1)を仕込んだ。この反応器を、6バールの水素下20℃で15時間撹拌した。水素を除去し、触媒を濾別し、溶媒を蒸発させた。1.4gの粗製所望生成物が得られた。HPLCによる滴定収率は、19%である。
マススペクトル:224DA、MH:225。
【0094】
これらの条件下で、2−メチルシアノピリジン誘導体から出発する2−エチルアミノピリジル誘導体調製の全体的収率は、工業規模では受け入れられない19%である。
【0095】
上記のステップ3は、殺菌剤として知られるN−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミドを調製するためのさらなるステップにより完了することができる:
【0096】
ステップ4:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
磁性バー、温度計および還流凝縮器を備えた2つ口丸底フラスコに、上記の水溶液を仕込み、THF(80ml)中の2−トリフルオロメチル安息香酸塩化物(1.2当量)溶液を加え、続いて2NのNaOH水溶液をpH8になるまで加えた。1時間後、水相をiPrO(40ml)で抽出し、有機相を混合し、1NのHCl水溶液(2×40ml)および水(40ml)で洗浄した。有機相を、HPLCで滴定した。溶液中で滴定した収率は90%であった。
【0097】
有機溶液にヘプタン(70ml)を加え、THFおよびiPrOを蒸留して所望の化合物の沈殿を得た。濾過後、ケーキをヘプタン/CHCl(90/10)で洗浄し、乾燥した。単離収率は80%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

の2−エチルアミノピリジン誘導体またはこの塩の調製方法であり、
[式中、
・pは、1、2、3または4に等しい整数であり;
・Xは、同じか異なっており、および水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノシクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルバモイル、ジ−C〜C−アルキルカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)オキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)−C〜C−アルコキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C〜C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、(C〜C−アルコキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルケニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルキニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニルまたはフェニルアミノであり;および
2−ピリジンのN−オキシドに関して、
前記方法は:
(A)・反応スキーム1による第1ステップ:
【化2】

(ここで・Xおよびpは、上で定義したものであり;
・Rは、C〜C−アルキルであり;
・Halは、ハロゲン原子を表し;
a)2−ハロゲノピリジン誘導体とシアノ酢酸アルキルとを、塩基/2−ハロゲノピリジン誘導体のモル比が1ないし4である塩基が存在する極性溶媒中で、2−ハロゲノピリジン誘導体/シアノ酢酸アルキルのモル比が1ないし10で反応させ;
b)続いて反応混合物のpH値が1ないし5になるまで酸を加えて;
2−メチルシアノピリジン誘導体を提供することを含む。)
(B)・反応スキーム2による第2ステップ:
【化3】

(ここで・X、pは、上で定義したとおりであり;
・Rは、C〜C−アルキルを表し;
・Rは、ハロゲン原子または−OCOAlk基を表し;および
・Alkは、C〜C−アルキルを表し;
ステップ1で得られた2−メチルシアノピリジン誘導体を、式RCORのアシル化剤および触媒の存在する溶媒中、4ないし40バールの水素圧下で接触還元反応させて2−エチルアミノピリジル誘導体を提供することを含む。)
(C)・反応スキーム3による第3ステップ:
【化4】

(ここで・Xおよびpは、上で定義したとおりであり;および
・Rは、C〜C−アルキルを表し;
ステップ2で得られた2−エチルアミノピリジン誘導体を、これに1ないし20モル当量の酸を加えることにより20℃ないし還流温度で、水中で加水分解して一般式(I)の化合物を提供することを含む。)
を含む。]。
【請求項2】
pが2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、他とは独立に塩素またはCFであるように選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
2−ピリジル部分が、3位および/または5位においてXにより置換されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
式(I)の化合物が、
・N−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチルアミン、または
・N−2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチルアミン
であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップAが、0℃ないし還流温度で行われることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップBが、16℃ないし70℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
反応スキーム4によるさらなるステップ(D)
【化5】

[ここで・Xおよびpは、上で定義したとおりであり;
・Aは、フェニル基または同じであっても異なってもよい1個、2個もしくは3個のヘテロ原子を有する5員、6員もしくは7員の非縮合複素環(複素環は、炭素原子によって結合している)を表し、この基のそれぞれは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルケニル、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニルまたはC〜C−アルキルスルホンアミドであるように選択された1個以上の置換基により場合によって置換されており;
上記方法のステップ3で得られた2−エチルアミノピリジンと塩基の存在下、有機溶媒中に含まれているハロゲン化カルボキシル誘導体とがカップリング反応して、一般式(II)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボオキサミド誘導体が生成することを含む。]
を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
Aがフェニル基であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Aが、1個または2個の置換基により置換されていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Aの各置換基が、互いに独立して塩素またはCFであるように選択されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
Aがオルト位において置換されていることを特徴とする、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
式(II)の化合物が、
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド;または
・N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド
であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
一般式(III)
【化6】

(式中、
・Xおよびpは、請求項1、2、3または4で定義されているとおりであり;
・Rは、C〜C−アルキル基を表す。)
の化合物。

【公開番号】特開2011−207896(P2011−207896A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−113886(P2011−113886)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【分割の表示】特願2007−547474(P2007−547474)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】