説明

2−オキソ−1−ピロリジン誘導体を含む医薬組成物

本発明は医薬化合物の即時放出形態に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2−オキソ−1−ピロリジン誘導体を含む医薬組成物、その製造方法およびその治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
公開番号WO01/62726を有する国際特許出願は2−オキソ−1−ピロリジン誘導体およびそれらの製造方法を開示している。この出願書は特に、国際的に非公式の名前であるブリバラセタム(Brivaracetam)として知られている化合物(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピル−ピロリジン−1−イル]ブタンアミドを開示している。
【0003】
公開番号WO2005/121082を有する国際特許出願は2−オキソ−1−ピロリジン誘導体の製造方法および特に、国際的に非公式の名前であるセレトラセタム(Seletracetam)として知られている(2S)−2−[(4R)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブタンアミドの製造方法を開示している。
【0004】
従って、2−オキソ−1−ピロリジン誘導体は医薬業界で特に有用である。
【0005】
ブリバラセタムはてんかん症の処置に有効である。臨床試験により二次的全身化を付随するか、または付随しない難治性部分発症性痙攣発作を伴う成人患者の補助的処置におけるブリバラセタム(5、20および50mg/日)の効力および安全性が評価されている。ブリバラセタムはまた、ヘルペス発症後の神経痛を有する患者の処置に有効である。
【0006】
セレトラセタムはてんかん症の処置に有効である。てんかん症に対しセレトラセタムを用いる2つの研究が行われ、3種までの共働性抗てんかん症医薬を現時点で服用していた高度に難治性の成人患者における部分的発症性痙攣発作の補助的処置に対するセレトラセタムの効力および安全性が評価された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは経口投与し、医薬活性物質の即時放出(immediate release)を得ることができる医薬組成物にある。
【0008】
考慮されているブリバラセタムおよびセレトラセタムはBCS Iとして分類されており、組成物のGuidance for Industry Immediate Release Solid Oral Dosage Forms, In Vitro Dissolution Testing(工業的即時放出固形経口投薬形態用指針、インビトロ溶解試験)(Center for Drug Evaluation and Research November 1995)に従うインビトロ溶解の結果(USP <711 >装置 n°2)はDissolution Documentation(溶解資料)のケースAに記載の試験の評価基準、すなわち0.1 N HCI 900ml中で15分間の間に85%が溶解するという評価基準に.適合しなければならない。この評価基準に適合しなかった場合、ケースBまたはCにかかわり記載されている試験に適合しなければならない。
【0009】
一般用語として、即時放出の用語はここで、修飾または制御放出ではなく、適当な緩衝水性媒質中で45分間のインビトロ溶解放出値(USP <711 >装置 n°2)を有するものであると理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は粒子を含む経口医薬組成物であって、粒子が活性成分および粒子の総重量に基づき0.1重量%〜60重量%の量の少なくともシクロデキストリン剤(cyclodextrin agent)を含み、上記活性成分が式(I)で表される2−オキソ−1−ピロリジン誘導体である経口医薬組成物に関する:
【化1】


式中、
はC1−10アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
はC1−10アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
Xは−CONR、−COOH、−COORまたは−CNであり;
はC1−10アルキルであり;
は水素またはC1−10アルキルであり;
は水素またはC1−10アルキルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用されているものとして、「活性成分」の用語は治療効果を有する物質または医薬であると定義される。活性成分はまた、治療効果を有する物質の混合物であることができる。
【0012】
本発明による医薬組成物中に存在する活性成分の量は当該組成物が投与される患者および処置される疾病に依存して変えることができる。
【0013】
本発明による経口組成物は固体形態である。
【0014】
本明細書で使用されているものとして、「アルキル」の用語は直鎖状(非分枝状)、分枝鎖状または環状分子を有する飽和一価炭化水素基またはその組合せを表す。好適なアルキルは炭素1〜10個を有する。さらに好適なアルキルは炭素1〜4個を有する。場合により、アルキル基はハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、アシル、シアノ、アシルオキシ、酸、アミドまたはアミノ基からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよい。好適なアルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロエチルである。
【0015】
本明細書で使用されているものとして、「アルケニル」の用語は少なくとも1個の二重結合を有する未置換であるか、または置換されている分枝鎖状、非分枝鎖状または環状炭化水素基またはその組合せを表す。好適なアルケニルは炭素2〜6個を含む。さらに好適なアルケニルは炭素2〜4個を有する。「アルケニル」基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、アシル、シアノ、アシルオキシ、カルボン酸、アミドまたはアミノ基からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよい。
【0016】
本明細書で使用されているものとして、「ハロゲン」の用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を表す。
【0017】
本明細書で使用されているものとして、「ヒドロキシ」の用語は式−OHで表される基を表す。
【0018】
本明細書で使用されているものとして、「アルコキシ」の用語は式−OR(式中、Rは上記定義のとおりのC1−4アルキルである)で表される基を表す。
【0019】
本明細書で使用されているものとして、「アシル」の用語は式−RCO(式中、Rは上記定義のとおりのC1−4アルキルである)で表される基を表す。
【0020】
本明細書で使用されているものとして、「エステル」の用語は式−COOR(式中、Rは上記定義のとおりのC1−4アルキルである)で表される基を表す。
【0021】
本明細書で使用されているものとして、「シアノ」の用語は式−CNで表される基を表す。
【0022】
本明細書で使用されているものとして、「アシルオキシ」の用語は式−O−COR(式中、Rは上記定義のとおりのC1−4アルキルまたはアリール基である)で表される基を表す。
【0023】
本明細書で使用されているものとして、「アリール」の用語は芳香族炭化水素から1個の水素を除去して誘導される有機基、例えばフェニルを表す。
【0024】
本明細書で使用されているものとして、「カルボン酸」の用語は式−COOHで表される基を表す。
【0025】
本明細書で使用されているものとして、「アミノ」の用語は式−NH、NHRまたはNR(式中、RおよびRは本明細書において上記定義のとおりのアルキル基である)で表される基を表す。
【0026】
本明細書で使用されているものとして、「アミド」の用語は式−CO−NH、−CO−NHRまたは−CO−NR(式中、RおよびRは本明細書において上記定義のとおりのアルキル基である)で表される基を表す。
【0027】
本明細書で使用されているものとして、「スルホネート基」の用語は式−O−SO−R(式中、Rは本明細書において上記定義のとおりのアルキルまたはアリールである)で表される基を表す。好適なスルホネート基はメタンスルホネート、パラ−トルエンスルホネート基またはトリフルオロメタンスルホネートである。
【0028】
一態様において、本発明の第一態様に従う場合、RはH、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルである。本発明の第一態様に従う別の態様において、Rは水素、n−プロピルまたは2,2−ジフルオロビニルである。
【0029】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、RはC1−4アルキルである。本発明の第一態様に従うもう一つの態様において、Rはエチルである。
【0030】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、Xは−CONR、−COOHまたは−COOR(式中、RはC1−4アルキルである)である。本発明の第一態様に従う別の態様において、Xは−CONRである。
【0031】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、Xは−CONRまたは−COOR(式中、RはC1−4アルキルである)である。本発明の第一態様に従う別の態様において、Xは−COOR(式中、RはC1−4アルキルである)である。
【0032】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、Xは−CONRまたは−COOR(式中、RはC1−4アルキルである)である。本発明の第一態様に従う別の態様において、Xは−COOR(式中、RはC1−4アルキルである)である。
【0033】
特別の態様において、Rはメチルである。
【0034】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、Rは水素またはC1−4アルキルである。本発明の第一態様に従う別の態様において、Rは水素である。
【0035】
本発明の第一態様に従う態様の一つにおいて、Rは水素またはC1−4アルキルである。本発明の第一態様に従う別の態様において、Rは水素である。
【0036】
好ましくは、Rはn−プロピルまたは2,2−ジフルオロビニルであり;Rはエチルであり;およびXは−CONHである。
【0037】
さらに好ましくは、活性成分はブリバラセタムおよびセレトラセタムの中から選択される。最良の結果はブリバラセタムを用いて得られた。
【0038】
「粒子」の用語は顆粒、微小顆粒、巨大顆粒、ペレットを包含する。
【0039】
通常、本発明による医薬組成物は粒子を含有し、この粒子は少なくとも活性成分および少なくともシクロデキストリン剤を含む。粒子を含有する種々の形態の医薬組成物、例えば錠剤、粉末、顆粒、カプセルが存在する。粒子はまた、サシェ剤、例えば投薬量の活性成分を含有するサシェ剤であることができる。従って、当該製剤は取り扱いやすく、また非常に容易に分割することができ、そして投薬することができる。
【0040】
本明細書で使用されているものとして、「シクロデキストリン剤」の用語は、通常それぞれ、アルファ、ベータまたはガンマシクロデキストリンとして知られている6、7または8アルファ−D−グルコピラノース単位により形成されている環状オリゴ糖であって、医薬として許容される賦形剤であると定義される。これは充填剤として添加される。通常、シクロデキストリン剤はアルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン、メチルベータシクロデキストリン、スルホブチルベータシクロデキストリン、ガンマシクロデキストリンおよびヒドロキシプロピルガンマシクロデキストリンの中から選択される。一般に、シクロデキストリン剤はベータシクロデキストリンである。好ましくは、シクロデキストリン剤は無定形シクロデキストリンとは相違する結晶構造を有するベータシクロデキストリンである。好適な態様において、シクロデキストリン剤は4〜18%、好ましくは5〜16%(重量/重量)、さらに好ましくは10〜16%(重量/重量)の水含有量を有するベータシクロデキストリンである。最良の結果は10〜14%(重量/重量)の水含有量を有するベータシクロデキストリンを用いて得られた。
【0041】
さらに好ましくは、シクロデキストリン剤は登録商標クレプトース(Kleptose)(登録商標)またはベータデックス(Betadex)(登録商標)またはカバマックス(Cavamax)(登録商標)W7として販売されているベータシクロデキストリンである。
【0042】
通常、本発明による医薬組成物は粒子の総重量に基づき0.1〜50重量%のシクロデキストリン剤を含む。特に、本発明による医薬組成物は0.1〜45重量%のシクロデキストリン剤を含む。好ましくは、本発明による医薬組成物は粒子の重量に基づき0.5〜40重量%のシクロデキストリン剤、さらに好ましくは1.0〜30重量%のシクロデキストリン剤、最も好ましくは1.0〜15.0重量%のシクロデキストリン剤を含む。最良の結果は4.0〜11.0重量%の範囲のシクロデキストリン剤により得られた。
【0043】
本発明の粒子はまた、崩壊剤、希釈剤、処理助剤、潤滑剤、滑剤およびその混合物を賦形剤として含むことができる。
【0044】
本発明の粒子は崩壊剤を賦形剤として含むことができる。
【0045】
本明細書で使用されているものとして、「崩壊剤」の用語は、錠剤の崩壊および活性成分の水または胃腸液中における分散を促進する助剤であると定義される。崩壊剤は単独化合物の形態で、または化合物の混合物の形態で医薬組成物中に存在させることができる。
【0046】
崩壊剤の例には、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、ナトリウムクロスカルメロース(これは架橋したナトリウムカルボキシメチルセルロースとも称される)、および架橋したポリビニルピロリドンがある。本発明による好適な崩壊剤は架橋したポリビニルピロリドン、ナトリウムデンプングリコレートおよびナトリウムクロスカルメロースである。さらに好適な崩壊剤はナトリウムクロスカルメロース(架橋したカルボキシメチルセルロース)である。
【0047】
好ましくは、本発明の粒子は粒子の重量に基づき崩壊剤を0.5〜25重量%、さらに好ましくは崩壊剤を1.0〜15重量%、最も好ましくは崩壊剤を1.5〜8重量%の量で含む。最良の結果は崩壊剤2.0〜5重量%の範囲の場合に得られた。
【0048】
本発明の粒子はまた、賦形剤として希釈剤を含むことができる。
【0049】
本明細書で使用されているものとして、「希釈剤」の用語は、組成物に望まれる容積または重量を得るために充填剤として使用される助剤であると定義される。希釈剤は医薬組成物中に単独化合物の形態で、または化合物の混合物の形態で顆粒内に存在させることができる。
【0050】
希釈剤の例には、これらに制限されないものとして、乳糖、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、微結晶セルロース、ケイ酸化微結晶セルロース、セルロースアセテート、デキストロース、マンニトール、ナトリウムホスフェート、カリウムホスフェート、カルシウムホスフェート、フラクトース、マルトース、ソルビトールまたはスクロースがある。好適な希釈剤は乳糖およびデンプンである。さらに好ましい希釈剤は乳糖一水和物、無水乳糖またはその混合物である。最良の結果は乳糖一水和物を用いて得られた。
【0051】
通常、本発明による粒子は希釈剤を粒子の重量に基づき5〜95重量%の量で含む。好ましくは、粒子は希釈剤を粒子の総重量に基づき10〜90重量%の量で含む。さらに好ましくは、粒子は希釈剤を粒子の重量に基づき30〜90重量%の量で含む。
【0052】
本発明の粒子はまた、潤滑剤を賦形剤として含むことができる。
【0053】
潤滑剤の例には、これらに制限されないものとして、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、水素添加ヒマシ油がある。本発明に従う好ましい潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0054】
通常、本発明に従う粒子は潤滑剤を粒子の総重量に基づき0〜5.50重量%の量で含む。好ましくは、粒子は潤滑剤を粒子の重量に基づき0.001〜2.50重量%の量で含む。さらに好ましくは、粒子は潤滑剤を粒子の総重量に基づき0.01〜2.0重量%の量で含む。
【0055】
本発明において、顆粒の外側に存在する固形連続相中の分散相として上記粒子を含むことが好ましい。この固形外側相はマトリックス相(例えば、錠剤)または賦形剤の混合物(例えば、カプセルまたはサシェ)であることができる。
【0056】
本発明の粒子はまた、別種の不活性成分、例えば崩壊剤、希釈剤、処理助剤、潤滑剤、滑剤およびその混合物を賦形剤として含む外側相を含むことができる。粒子は外側相と混合する。
【0057】
潤滑剤の例には、これらに制限されないものとして、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、水素添加ヒマシ油がある。本発明に従う好適な潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0058】
通常、本発明による医薬組成物は潤滑剤を組成物の総重量に基づき0〜5.50重量%の量で含む。好ましくは、本発明による医薬組成物は潤滑剤を0.5〜2.50重量%の量で含む。さらに好ましくは、本発明による医薬組成物は潤滑剤を組成物の総重量に基づき0.5〜2.0重量%の量で含む。
【0059】
本発明による医薬組成物は崩壊剤を賦形剤として含むことができる。
【0060】
崩壊剤の例には、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、ナトリウムクロスカルメロース(これは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロースとも称される)、およびポリビニルピロリドンがある。本発明に従う好適な崩壊剤はポリビニルピロリドン、ナトリウムデンプングリコレートおよびナトリウムクロスカルメロースである。さらに好ましくは、崩壊剤はナトリウムクロスカルメロース(架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)である。
【0061】
好ましいものとして、本発明による医薬組成物は、組成物の総重量に基づき、崩壊剤を0〜7.0重量%、さらに好ましくは崩壊剤を1.5〜6.0重量%、
最も好ましくは崩壊剤を3.0〜5.0重量%の量で含む。
【0062】
本発明による医薬組成物はまた、外側相を含むことができる。この外側相は希釈剤、潤滑剤および/または滑剤を賦形剤として含むことができる。好ましくは、この外側相は活性成分を含んでいない。
【0063】
希釈剤の例には、これらに制限されないものとして、乳糖、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、微結晶セルロース、ケイ酸化微結晶セルロース、セルロースアセテート、デキストロース、マンニトール、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、フラクトース、マルトース、ソルビトールまたはスクロースがある。好適な希釈剤は乳糖およびデンプンである。さらに好ましい希釈剤は乳糖一水和物、無水乳糖またはその混合物である。最良の結果は無水乳糖を用いて得られた。
【0064】
通常、本発明による医薬組成物は希釈剤を組成物の総重量に基づき5〜90重量%の量で含む。好ましくは、希釈剤を10〜90重量%の量で含む。さらに好ましくは、希釈剤を組成物の総重量に基づき15〜60重量%の量で含む。
【0065】
本発明による医薬組成物の外側相はまた、潤滑剤を含むことができる。
【0066】
潤滑剤の例には、これらに制限されないものとして、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸、水素添加ヒマシ油がある。本発明に従う好適な潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0067】
通常、本発明による医薬組成物は潤滑剤を組成物の総重量に基づき0.25〜5.50重量%の量で含む。好ましくは、組成物は潤滑剤を0.5〜2.50重量%の量で含む。さらに好ましくは、組成物は潤滑剤を組成物の総重量に基づき0.5〜2.0重量%の量で含む。
【0068】
本発明による医薬組成物はまた、滑剤を含むことができる。
【0069】
滑剤の例には、これらに制限されないものとして、コロイド状二酸化ケイ素およびタルクがある。本発明に従う好適な滑剤はコロイド状二酸化ケイ素である。
【0070】
通常、本発明に従う医薬組成物は滑剤を組成物の総重量に基づき0〜5.00重量%の量で含む。好ましくは、組成物は滑剤を0〜2.50重量%の量で含む。さらに好ましくは、組成物は滑剤を組成物の総重量に基づき0〜2.0重量%の量で含む。
【0071】
本発明の一態様において、医薬組成物は粒子を含み、この粒子は活性成分としてブリバラセタムおよび粒子の総重量に基づき0.1重量%〜60重量%の量の少なくともシクロデキストリン剤を含む。特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
0.1〜60重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
0.5〜25重量%の崩壊剤;および
5〜95重量%の希釈剤;
を含む。
【0072】
特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
0.1〜50重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
1.0〜15重量%の崩壊剤;および
10〜90重量%の希釈剤;
を含む。
【0073】
特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
1.0〜30重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
1.5〜8重量%の崩壊剤;および
30〜90重量%の希釈剤;
を含む。
【0074】
本発明のもう一つの態様において、本発明による医薬組成物は、活性成分として、ブリバラセタム;粒子の総重量に基づき0.1〜60重量%の少なくともシクロデキストリン剤、ナトリウムクロスカルメロース;および乳糖一水和物を含む粒子を含む。
【0075】
特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
0.1〜60重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
0.5〜25重量%のナトリウムクロスカルメロース;および
5〜95重量%の乳糖一水和物;
を含む。
【0076】
特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
0.1〜50重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
2.0〜15重量%のナトリウムクロスカルメロース;および
10〜90重量%の乳糖一水和物;
を含む。
【0077】
特に、本発明による医薬組成物は粒子を含み、この粒子は、
活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき、
1.0〜30重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
2.0〜8重量%のナトリウムクロスカルメロース;および
30〜90重量%の乳糖一水和物;
を含む。
【0078】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子を含み、この粒子はブリバラセタム10.00mg、ベータシクロデキストリン2.70mg、乳糖一水和物19.40mgおよびナトリウムクロスカルメロース1.00mgを含む。
【0079】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子を含み、この粒子はブリバラセタム10.00mg、ベータシクロデキストリン2.70mg、無水乳糖19.30mg、乳糖一水和物19.40mgおよびナトリウムクロスカルメロース2.00mgを含む。
【0080】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子を含み、この粒子はブリバラセタム25.00mg、ベータシクロデキストリン6.75mg、乳糖48.50mgおよびナトリウムクロスカルメロース2.50mgを含む。
【0081】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子を含み、この粒子はブリバラセタム50.00mg、ベータシクロデキストリン13.50mg、乳糖97.00mgおよびナトリウムクロスカルメロース5.00mgを含む。
【0082】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子および医薬として許容される添加剤を含む錠剤であり、当該粒子はブリバラセタム10.00mg、ベータシクロデキストリン2.70mg、乳糖一水和物19.40mgおよびナトリウムクロスカルメロース1.00mgを含み;および当該添加剤はナトリウムクロスカルメロース1.00mg、無水乳糖19.30mgおよびステアリン酸マグネシウム0.60mgを含む。
【0083】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子および医薬として許容される添加剤を含む錠剤であり、当該粒子はブリバラセタム10.00mg、ベータシクロデキストリン2.70mg、乳糖一水和物45.00mgおよびナトリウムクロスカルメロース2.00mgを含み;および当該添加剤はナトリウムクロスカルメロース2.00mg、無水乳糖45.10mgおよびステアリン酸マグネシウム1.20mgを含む。
【0084】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子および医薬として許容される添加剤を含む錠剤であり、当該粒子はブリバラセタム25.00mg、ベータシクロデキストリン6.75mg、乳糖一水和物48.50mgおよびナトリウムクロスカルメロース2.50mgを含み;および当該添加剤はナトリウムクロスカルメロース2.50mg、無水乳糖48.25mgおよびステアリン酸マグネシウム1.50mgを含む。
【0085】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子および医薬として許容される添加剤を含む錠剤であり、当該粒子はブリバラセタム50.00mg、ベータシクロデキストリン13.50mg、乳糖一水和物97.00mgおよびナトリウムクロスカルメロース5.00mgを含み;および当該添加剤はナトリウムクロスカルメロース5.00mg、無水乳糖96.50mgおよびステアリン酸マグネシウム3.00mgを含む。
【0086】
本発明の好適な態様において、組成物は粒子および医薬として許容される添加剤を含む錠剤であり、当該粒子はブリバラセタム9.2mg、ベータシクロデキストリン2.50mg、乳糖一水和物41.5mgおよびナトリウムクロスカルメロース1.80mgを含み;および当該添加剤はナトリウムクロスカルメロース1.80mg、無水乳糖41.6mg、コロイド状二酸化ケイ素0.5mgおよびステアリン酸マグネシウム1.10mgを含む。
【0087】
本発明による医薬組成物は通常、乾式顆粒化によって製造する。
【0088】
本発明による粒子の製造方法は、
活性成分、およびシクロデキストリン剤および賦形剤を混合する第一工程;
生成する混合物を圧縮および/または密集する第二工程;および
当該混合物を粉砕し、粒子を得る第三工程;
を含む。
【0089】
本発明による錠剤の製造方法は、
得られた粒子および賦形剤を混合する第四工程;および
当該最終混合物を圧縮および/または密集し、錠剤を得る第五工程;
を含む。
【0090】
乾式顆粒化による製造方法は、活性成分、およびシクロデキストリン剤、ならびに希釈剤および崩壊剤を混合する初期混合工程を含む。生成する混合物をローラー型圧縮機または錠剤形成機を用いて圧縮し、次いで粉砕し、粒子を得る。得られた粒子、希釈剤および崩壊剤をブレンダーで混合し、次いで潤滑剤を添加し、次いで混合する。最終混合物を圧縮し、錠剤を得る。錠剤芯をコーティング懸濁液または溶液を用いてコーティングすることもできる。
【0091】
これらの粒子は活性成分、希釈剤、シクロデキストリン剤および崩壊剤を含み、また潤滑剤を含むことができる。粒子は次のとおりにして製造する:活性成分、希釈剤、シクロデキストリン剤および崩壊剤を遊星型ミキサーを用いて混合する。次いで潤滑剤を添加することができる。混合物を混合する。この予備混合物を次いで、ローラー型圧縮機を用いて圧縮し、生成するリボン状生成物を必要に応じて篩い分けし、粒子を得る。錠剤が要求される場合、粒子は次いで、圧縮剤および任意に潤滑剤と混合する。最終混合物を次いで、錠剤形成機で圧縮し、錠剤芯を得る。
【0092】
錠剤製造用の主要工程は下記のとおりである:
−シクロデキストリン剤、クロスカルメロースナトリウム、乳糖一水和物および活性成分を混合する;この混合操作は拡散型ミキサー、対流型ミキサーおよび/または空気圧型ミキサーを用いて達成することができる。
−圧縮:圧縮はスラッグ形成(slugging)またはローラー圧縮による錠剤プレスおよび/または乾式顆粒形成機を用いて行うことができる。
−粉砕:乾式顆粒形成機によって得られるリボン状生成物の粉砕は、0.22mm〜5mm、さらに好ましくは0.33mm〜4mmからなるスクリーン開口サイズを有するスクリーニングミルを用いて行うことができる。
−無水乳糖、クロスカルメロースナトリウムおよび任意に、ステアリン酸マグネシウムを添加する。
−混合:混合操作は拡散型ミキサー、対流型ミキサーおよび/または遊星型ミキサーを用いて行うことができる。
−任意に、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)を添加することができる。
−最終混合。
−圧縮:錠剤形成操作は錠剤プレスを用いて行うことができる。
−薄膜コーティング:この操作はパンコーターまたは気体懸濁に基づくコーターおよびさらに好ましくは、有孔パンコーターを用いて行うことができる。
【0093】
驚くべきことに、シクロデキストリン剤が乾式顆粒形成法用の結合剤として使用される。活性成分とシクロデキストリン剤との間に包接複合体は形成されない。本発明者は本発明による医薬組成物に使用されるシクロデキストリン剤の驚くほどの結合効果を見出した。シクロデキストリン剤は圧縮後に得られるリボン状生成物の粘着性を減少させ、圧縮後に輪郭の明確な粒子をもたらす。
【0094】
本発明による医薬組成物が錠剤である場合、製造方法は追加の薄膜コーティング工程を含むことができ、この工程は水、好ましくは精製水を薄膜コーティング剤に添加し、生成する懸濁液および/または溶液を錠剤上に噴霧する。
【0095】
もう一つの態様において、本発明は疾病の処置または予防に有用なブリバラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0096】
「疾病」の用語について、我々は、てんかん誘発症、痙攣発作障害、痙攣、パーキンソン氏病、ドパミン代替治療により誘発されたジスキネジー、神経弛緩薬の投与により誘発された遅発性ジスキネジー、ハンティントン舞踏病およびその他の神経学的障害、例えば双極性障害、躁病、うつ病、不安症、注意欠陥過活動障害(ADHD)、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経およびその他の神経痛、慢性の痛み、神経障害性痛み、脳虚血、心臓不整脈、ミオトニー、コカインおよびその他の物質の乱用(例えば、アルコール、ベンゾジアゼピン、アヘン、大麻、バルビツール酸類、アンフェタミン類、その他の興奮剤)、卒中、ミオクロヌス、ジストロフィー、ディスキネシー、振せん、本態性振せん、単純または複合チック、ツーレット症候群、不穏下肢症候群およびその他の運動障害、新生児脳出血、筋萎縮性側湾症、痙性および変性疾病からなる群から選択される疾病であると理解する。
【0097】
本明細書で使用されているものとして、「処置」の用語は、治療的処置および予防的処置を包含する。
【0098】
「治療」の用語は、障害または症状の現存する徴候的事変の処置における効果を意味する。
【0099】
「予防」の用語は、障害または症状の発現または再発の防止を意味する。
【0100】
本発明はまた、医薬組成物を用いることによるヒト患者の処置方法に関する。
【0101】
本発明はまた、前記病気を治療するための医薬として使用するための医薬組成物に関する。
【0102】
本発明はまた、前記病気を治療するための医薬の製造における医薬組成物の使用に関する。
【0103】
好ましくは、上記疾病は、てんかん症、パーキンソン氏病、ジスキネジー、偏頭痛、振せん、本態性振せん、双極性障害、慢性の痛み、神経障害性痛み、あるいは気管支、喘息またはアレルギー症状から基本的になる群から選択される。特に好適な上記疾病はてんかん症である。
【0104】
本発明による医薬組成物の調製に使用される乾式顆粒化方法は容易であり、迅速であり、価格的に効率がよい方法であり、また活性医薬成分を劣化、例えば加水分解による劣化から保護することができる。
【0105】
賦形剤の量は錠剤重量を少なくするためにできるだけ少なくするという目標があった。
【0106】
本発明による医薬組成物のもう一つの利点は、比例的組成が可能であり、従って同一混合物を必要とされる投薬量に応じてサイズおよび量を増加させた錠剤芯として圧縮することができることにある。
【0107】
本発明による医薬組成物にシクロデキストリン剤を添加することによって、良好な圧縮様相、圧縮能力および/または最終的インビトロ溶解成果が得られる。シクロデキストリン剤は高度の圧縮可能効果を示し、錠剤の製造に高い圧縮圧力を必要としない。
【0108】
ブリバラセタムは非常に粘着性の化合物である(接着能力)。シクロデキストリン剤の主要利点は圧縮操作、特に回転型圧縮操作中における粘着を減少させることにある。
【0109】
もう一つの利点は医薬の溶解を改善することにある。
(例)
【0110】
下記例は説明の目的でのみ提供されており、本発明をいかなる点でも限定しようとするものでも、制限するものとも考えられるべきではない。当業者であれば下記例における慣用の変更および修正を本発明の精神または範囲から逸脱することなく行うことができることは明白である。
【0111】
(例)
(例1)
下記組成(表1)を用い、乾式顆粒化方法により錠剤を製造する。
錠剤 1:100mg組成物
成分 錠剤A%
ブリバラセタム 37.0
乳糖一水和物 48.5
ベータシクロデキストリン 10.0
ナトリウムクロスカルメロース 3.7
ステアリン酸マグネシウム 0.8
【0112】
粒子は活性成分、希釈剤、シクロデキストリン剤および崩壊剤の一部分および潤滑剤の一部分を含む。外側相は崩壊剤の第二の一部分および潤滑剤の第二の一部分を含む。
【0113】
粒子は下記のとおりに製造する。活性成分としてのブリバラセタム、乳糖一水和物、シクロデキストリン剤および半分の量のナトリウムクロスカルメロースを適当なブレンダーを用いて混合する。混合物を混合し、均質混合物を得る。この混合物を次いで、圧縮機または錠剤形成機を用いて圧縮し、生成するリボン状生成物または原料錠剤芯を篩い分けし、粒子を得る。これらの粒子を次いで、半分の量のナトリウムクロスカルメロースおよびステアリン酸マグネシウムと混合し、均質混合物を得る。この最終混合物を次いで、錠剤形成機において圧縮し、錠剤芯を得る。
【0114】
表2:ブリバラセタム100mgの即時放出性錠剤の結果%(パドル法、水性緩衝液900ml、50rpm)
【表1】

【0115】
表2はインビトロ溶解要件に応じるブリバラセタムの即時放出を示している。
【0116】
錠剤の水中におけるインビトロ溶解様相をUSP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒質900ml、リン酸塩緩衝剤pH6)に従い測定する。溶解は37℃で行った。
【0117】
本発明による医薬組成物中にシクロデキストリン剤を添加することによって、良好な圧縮様相、圧縮能力がもたらされる。シクロデキストリン剤は高い圧縮可能性を示し、錠剤の調製に高い圧縮圧力を必要としない。
【0118】
シクロデキストリン剤は回転圧縮期間中における粘着を減少させることができる。
(例2)
【0119】
下記組成(表3)を用いて乾式顆粒化方法により錠剤を製造する。
錠剤 3:5mg組成物
成分 錠剤B%
ブリバラセタム 9.3
無水乳糖 41.8
乳糖一水和物 41.7
ベータシクロデキストリン 2.5
ナトリウムクロスカルメロース 3.7
ステアリン酸マグネシウム 1.1
【0120】
粒子は下記のとおりに製造する。活性成分としてのブリバラセタム、乳糖一水和物、シクロデキストリン剤および半分の量のナトリウムクロスカルメロースを適当なブレンダーを用いて混合する。混合物を混合し、均質混合物を得る。この混合物を次いで、圧縮機または錠剤形成機を用いて圧縮し、生成するリボン状生成物または原料錠剤芯を篩い分けし、粒子を得る。これらの粒子を次いで、無水乳糖およびステアリン酸マグネシウムとともに半分の量のナトリウムクロスカルメロースと混合し、均質混合物を得る。この最終混合物を次いで、錠剤形成機において圧縮し、錠剤芯を得る。
【0121】
表4:ブリバラセタム5mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、500ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm)。
【表2】

【0122】
表4はインビトロ溶解要件に応じるブリバラセタムの即時放出を示している。
(例3)
【0123】
錠剤C、D、E、FおよびGを下記芯組成を用い乾式顆粒形成法により製造する。
【0124】
方法は例2に記載の方法と同一である。錠剤芯の製造後、これらの錠剤芯を適当な装置を用いてオパドライ(Opadry)(登録商標)ホワイトの水性懸濁液で薄膜コーティングし、薄膜コーティングを施した錠剤を得る。
【0125】
表5:錠剤C、D、E、FおよびG粒子の芯組成
粒子
【表3】

【0126】
混合物(外側相)
【表4】

【0127】
コーティング
【表5】

【0128】
【表6】

【0129】
オパドライ(Opadry)(登録商標)ホワイトは活性主成分の苦い味を遮蔽するのに使用された薄膜コーティング剤である。この薄膜コーティング剤の錠剤芯上の量は約5%(重量/重量)である。この薄膜コーティング剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール(Macrogol)4000(これはPEG3350としても知られている)、サッカリンナトリウム、二酸化チタンの混合物から構成されている。
【0130】
表6:コーティングした錠剤C:ブリバラセタム5mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表7】

【0131】
表7:コーティングした錠剤D:ブリバラセタム10mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表8】

【0132】
表8:コーティングした錠剤E:ブリバラセタム10mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表9】

【0133】
表9:コーティングした錠剤F:ブリバラセタム25mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表10】

【0134】
表10:コーティングした錠剤G:ブリバラセタム50mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表11】

【0135】
錠剤C、D、E、FおよびGはインビトロ溶解要件に応じたブリバラセタムの即時放出を示す。
(例4)
【0136】
錠剤HおよびIを下記芯組成を用い乾式顆粒形成法により製造する(表13)。
表13.錠剤HおよびI
【表12】

【0137】
錠剤の製造方法の主要工程は下記のとおりである:
−シクロデキストリン剤、全部の賦形剤およびブリバラセタムを混合する:混合操作は適当なミキサーを用いて行い、均質混合物を得る。
−圧縮:圧縮は乾式顆粒形成機または錠剤形成機を用いて行うことができる。
−粉砕:得られたリボン状生成物を次いで、粉砕する。
−圧縮:錠剤形成操作は錠剤プレスを用いて行うことができる。
【0138】
錠剤はインビトロ溶解要件に応じる備えたブリバラセタムの即時放出を示す。
【0139】
表14:錠剤H:ブリバラセタム10mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表13】

【0140】
表15:錠剤I:ブリバラセタム25mg即時放出性錠剤の結果%(パドル法、900ml、リン酸塩緩衝液pH6.4、50rpm;6個の錠剤で行った)。
【表14】


(例5)
【0141】
下記組成(表16)を用いて乾式顆粒化方法により顆粒を製造する。
表16
成分 顆粒%
ブリバラセタム 16.7
乳糖一水和物 75.4
ベータシクロデキストリン 4.5
ナトリウムクロスカルメロース 3.4
【0142】
顆粒は活性成分、賦形剤およびシクロデキストリン剤を含む。
【0143】
顆粒は下記のとおりに製造する。活性成分、賦形剤およびシクロデキストリン剤を遊星型ミキサーを用いて混合する。混合物を混合する。この予備混合物をローラー型圧縮機を用いて圧縮し、次いで生成するリボン状生成物を篩い分けし、顆粒を得る。
【0144】
これらの顆粒を次いで、カプセルに入れる。カプセルはインビトロ溶解要件に応じるブリバラセタムの即時放出を示す。
(例6)
【0145】
下記組成(表17)を用いて乾式顆粒化方法により顆粒を製造する。
表17
成分 錠剤B%
セレトラセタム 10.3
無水乳糖 41.2
乳糖一水和物 41.2
ベータシクロデキストリン 2.5
ナトリウムクロスカルメロース 3.7
ステアリン酸マグネシウム 1.1
【0146】
顆粒は例5に記載のとおりに製造する。
カプセルはインビトロ溶解要件に応じるセレトラセタムの即時放出を示す。
(例7)
【0147】
下記組成(表18)を用いて乾式顆粒化方法により錠剤を製造する。
表18:組成物50mg
成分 錠剤%
ブリバラセタム 18.5
乳糖一水和物 35.9
ベータシクロデキストリン 5.0
ナトリウムクロスカルメロース 3.7
ステアリン酸マグネシウム 1.1
無水乳糖 35.8
【0148】
試験結果は即時放出錠剤がインビトロ溶解要件に応じることを示す。
(例8)
【0149】
錠剤(%)
ブリバラセタム 9.2
乳糖一水和物 41.5
ベータシクロデキストリン 2.5
ナトリウムクロスカルメロース 3.6
無水乳糖 41.6
ステアリン酸Mg 1.1
コロイド状二酸化ケイ素 0.5
【0150】
粒子は活性成分、希釈剤、シクロデキストリン剤および崩壊剤の一部分を含む。外側相は崩壊剤の第二の一部分および潤滑剤および滑剤を含む。
【0151】
粒子は下記のとおりに製造する。活性成分としてのブリバラセタム、乳糖一水和物、シクロデキストリン剤および半分の量のナトリウムクロスカルメロースを遊星型ミキサーを用いて混合する。混合物を混合する。この混合物をローラー型圧縮機を用いて圧縮し、生成するリボン状生成物を篩い分けし、粒子を得る。これらの粒子を次いで、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素とともに半分の量のナトリウムクロスカルメロースと混合する。この最終混合物を次いで、錠剤形成機において圧縮し、錠剤芯を得る。
【0152】
錠剤の製造方法の主要工程は下記のとおりである:
−シクロデキストリン剤、クロスカルメロースナトリウム、乳糖一水和物およびブリバラセタムの混合:混合操作は拡散型ミキサー、対流型ミキサーおよび/または遊星型ミキサーを用い達成することができる。
−圧縮:圧縮はスラグ形成(slagging)またはローラー圧縮による乾式顆粒形成機または錠剤形成機を用いて行うことができる。
−粉砕:得られたリボン状生成物の乾式顆粒化による粉砕は0.33mm〜4mmからなるスクリーン開口サイズを有する選別ミルを用いて行うことができる。
−無水乳糖、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムを添加する。
−混合:混合操作は拡散型ミキサー、対流型ミキサーおよび/または遊星型ミキサーを用い達成することができる。
−圧縮:錠剤形成操作は錠剤プレスを用いて行うことができる。
−薄膜コーティング:この操作はパンコーターまたは気体懸濁型コーター、さらに好ましくは有孔パンコーターを用いて行うことができる。
【0153】
上記錠剤の崩壊時間は、Eur.Ph.2.9.1.に従い測定して、1分〜53秒である。すなわち、試験結果は当該即時放出錠剤がインビトロ溶解要件に適合することを示している。
(例9)
【0154】
全部の実験は、Guidelines of the local Ethical committee for Animal Experimetation(動物実験用地方倫理委員会指針)に従い行った。
【0155】
海馬片におけるてんかん様症状応答(epiletiform responses):レベチラセタム(Levetiracetam)は灌流液中の高−K+/低−Ca2+濃度によりラット海馬片に誘発されたてんかん様症状応答およびビククリン(bicuculline)により誘発されたてんかん様症状応答を減少させる。高−K+/低−Ca2+濃度により、またはビククリンにより誘発されたてんかん様症状応答に対するブリバラセタムの効果を従来報告されている標準的方法に従いスプラギュー−ダウレイ(Sprague-Dawley)ラットから調製された横行海馬片(transverse hippocampal slices)で試験した。てんかん様症状応答は、人工脳脊髄液(ACSF)(K+3mM;Ca2+2.4mM)ないし高−K+/低−Ca2+液(HKLCF)(K+ 7.5mM;Ca2+ 0.5mM)または5Mビククリンメチオダイド(BMI)含有ACSFのどちらかを通すことによって誘発させた。
【0156】
細胞外領域電位(FPs)を2M NaCl充填ガラス微小電極を付けた海馬片のCA3領域で記録した。被験片がACSFである場合、最高振幅の50〜70%の単独集団スパイク(population spike)(PS)を発生させる定電流横方向パルスによる海馬ふさ(fimbrial)刺激に対する応答として10分間の間隔で発生したFPsを記録した。HKLCFの場合、自発的活性の2分間をまた、発生した応答の記録と記録との間の各10分間の中頃の時点で記録した。
【0157】
ACSFからHKLCFまたは5M BMI含有ACSFのどちらかに移行する前の2分の時点で、海馬片の浴液にブリバラセタムまたはレベトラセタムのどちらかを添加し、装置全体を灌流液中に保持した。
【0158】
マウスにおける聴原性痙攣発作:聴覚刺激に対し野生的走行、慢性的および持続的痙攣で応答する遺伝的に音感受性の雄マウス(16〜28g;各郡n=10)を使用した。聴原性痙攣発作は30秒間適用された聴覚刺激(90dB、10〜20kHz)により誘発させた。これらのマウスは、塩類溶液、ブリバラセタム(腹腔内投与、30分)またはレベトラセタム(腹腔内投与、60分)のいずれかで前処置し、次いで慢性的痙攣に対して防護されているマウスの集団を抗痙攣活性を評価するための目標点として使用した。
【0159】
マウスにおいて化学的に誘発された痙攣発作:ペンチレンテトラゾール83mg/kg、皮下投与を使用し、ブリバラセタムの抗痙攣性を評価した。痙攣性誘発投与量が4回の実験の全部において動物の97%に慢性的痙攣を誘発させる投与量であるとして、塩類溶液処置した動物における投与量−効果曲線に基づき投与量を選択した。化学痙攣誘発剤を投与した直後に、マウスは個別に小型の檻(25x13x8cm)に入れ、全部で4回の実験における慢性的痙攣の存在を60分間にわたり観察した。この期間中、持続性痙攣(後肢の伸張)の発生および死亡率をまた記録した。慢性的痙攣に対応して防護されたマウスの割合を計算し、抗痙攣活性の目標点として使用した。
【0160】
結果
海馬片におけるてんかん様症状応答:ラット海馬片の灌流液を正常ACSFからHKLCFに変えると、定電流海馬ふさ刺激の応答としてCA3領域にてんかん様症状FPsの増加が生じる。HKLCFのみに曝した対照片において、PS1振幅は漸進的に増加し、20分以内に平坦値に達した(4.250.77mv)。すなわち、ACSF灌流下に記録された数値のほぼ二倍高くなった(2.180.15mv;n=10の被験片にかかわる平均値d)。また、反復PS(すなわち、PS2、PS3等)の定電流単独刺激発生バースト(burst)はHKLCF灌流の最初の30分間で単独PS1から7.62.3PS/発生バーストの平均値まで数的に格別に増加し、記録の終了時点まで僅かに増加を続け、80分のHKLCF灌流後に8.81.6PS/発生バーストに達した。ブリバラセタムおよびレベトラセタムは両方共に、これらのてんかん様症状応答を減少させた。15分間にわたりHKLCFを灌流させると、HKLCF単独に曝された10個の対照片の中の4個に自発的フィールドバースト(field burst)が生じた。他方、25分間のHKLCF灌流から記録終了時点まで、対照片の全部が規則的フィールドバーストを示した。ブリバラセタム(3.2M)はこの自発的バーストの割合を減少させたが、レベトラセタム(32M)はそうではなかった。
【0161】
インビボ試験:充分に扁桃−キンドリングしたラットにおいて、ブリバラセタムは21.2mg/kgの投与量から運動性発作重篤度の格別の抑制を誘発させた。他方、レベトラセタムは170mg/kgの投与量から類似の作用を誘発させた。ブリバラセタムはまた、最高被験投与量(212.3mg/kg)において排泄後持続時間を減少させたのに対し、レベトラセタムは1700mg/kgまで、このパラメーターに不活性であった。
【0162】
聴原性痙攣発作感受性マウスはブリバラセタムおよびレベトラセタムによって慢性的痙攣の発現に対し防護された。マウスにおける発作誘発前の30分の時点で腹腔内投与されたブリバラセタムはまた、ペンチレンテトラゾールにより誘発された慢性的痙攣に対し防護を示し、およびマウスにおける最大電気ショックにより誘発された持続的後肢伸張に対し防護を示したが、高いED50値を有していた。
【0163】
ブリバラセタムは2.1mg/kgの投与量からGAERSラットにおける自発的SWDを抑制し、完全抑制は最高被験投与量(67.9mg/kg)で明らかになった。
【0164】
マウスの角膜キンドリング(corneal kindling)中におけるブリバラセタムによる前処置は全身的運動性発作の発生数の有意の減少をもたらした。レベトラセタムの場合、さらに高い投与量で類似の発生数減少が観察された。処置中断後の継続する角膜刺激は最高投与量のブリバラセタムにより予め処置された群における全身的運動性発作の発生数の持続的減少を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を含む経口医薬組成物であって、当該粒子が活性成分および賦形剤として粒子の総重量に基づき0.1重量%〜60重量%の量の少なくともシクロデキストリン剤を含み、上記活性成分が式(I)で表される2−オキソ−1−ピロリジン誘導体である経口医薬組成物:
【化1】


式中、
はC1−10アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
はC1−10アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
Xは−CONR、−COOH、−COORまたは−CNであり;
はC1−10アルキルであり;
は水素またはC1−10アルキルであり;
は水素またはC1−10アルキルである。
【請求項2】
が水素、n−プロピルまたは2,2−ジフルオロビニルであり;Rがエチルであり;およびXが−CONHである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
シクロデキストリン剤がアルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン、メチルベータシクロデキストリン、スルホブチルベータシクロデキストリン、ガンマシクロデキストリンおよびヒドロキシプロピルガンマシクロデキストリンの中から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
シクロデキストリン剤がベータシクロデキストリンである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
粒子が粒子の総重量に基づき1.0〜30重量%の量でシクロデキストリン剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
粒子が賦形剤として崩壊剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
崩壊剤がナトリウムクロスカルメロースである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
粒子が粒子の総重量に基づき0.5〜25重量%の崩壊剤を含む、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項9】
粒子が賦形剤として希釈剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
希釈剤が乳糖一水和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
粒子が粒子の総重量に基づき5〜95重量%の量で希釈剤を含む、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
粒子を含み、当該粒子が、
−活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき
−1〜60重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
−0.5〜25重量%の崩壊剤;および
−5〜95重量%の希釈剤;
を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
粒子を含み、当該粒子が、
−活性成分として、ブリバラセタム;
粒子の総重量に基づき
−0.1〜60重量%の少なくともシクロデキストリン剤;
−0.5〜25重量%のナトリウムクロスカルメロース;
−5〜95重量%の乳糖一水和物;
を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の組成物の製造方法であって、少なくとも乾式顆粒化工程を包含する方法。
【請求項15】
−活性成分、およびシクロデキストリン剤および賦形剤を混合する第一工程;
−生成する混合物を圧縮および/または密集する第二工程;および
−当該混合物を粉砕し、粒子を得る第三工程;
を包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
−得られた粒子および賦形剤を混合する第四工程;および
−当該最終混合物を圧縮および/または密集し、錠剤を得る第五工程;
を包含する、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516302(P2012−516302A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546825(P2011−546825)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050892
【国際公開番号】WO2010/094535
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(507073918)ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム (70)
【Fターム(参考)】