説明

2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールと2種の酸化ベースを含有するケラチン繊維の酸化染色用組成物及び染色方法

【課題】2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールと少なくとも2種の互いに異なる酸化ベースを組み合わせることによる、毛髪が受けうる種々の攻撃に対して耐性がある、ケラチン繊維の酸化染色陽組成物の提供。
【解決手段】修正剤として2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/またはその酸付加塩類の少なくとも1種と少なくとも2種の互いに異なる酸化ベースを含有する組成物において、該組成物が2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミンとテトラアミンピリジンとを同時には含有していないことを特徴とする組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明の主題事項は、少なくとも2種の互いに異なる酸化ベースと組み合わせて、修正剤として2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールを含有する、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトのケラチン繊維を酸化染色するための組成物、及び酸化剤と共にこの組成物を使用する染色方法にある。
【0002】
ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を、酸化染料先駆物質、特に、一般に、酸化ベースとして知られているオルト−又はパラ−フェニレンジアミン類、オルト−又はパラ−アミノフェノール類、又は複素環化合物、例えばピリミジン誘導体を含有する染色用組成物で染色することが知られている。酸化染料先駆物質すなわち酸化ベースは、酸化物質と組み合わされて、酸化カップリングプロセスにより、着色した化合物及び着色する化合物を生じる無色かわずかに着色した化合物である。
また、芳香族のメタ−ジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類及びある種の複素環化合物から特に選択することができる適切に選択されたカプラー又は修正剤と酸化ベースを組み合わせることにより、酸化ベースにより得られる色調を変化させることができることも知られている。
酸化ベース及び修正剤に含まれる様々な分子により、豊富なカラーパレットを得ることが可能になる。
【0003】
しかし、これら酸化染料により得られる、いわゆる「永久的な」着色は、いくつかの要求を満足させるものでなくてはならない。すなわち、毒物学的な欠点がなく、所望の強さの色調が得られ、外的要因(光、悪天候、洗浄、パーマネントウエーブ処理、発汗又は摩擦)に対し良好に作用するものでなくてはならない。
また、染料は、白髪をカバーするものでなければならず、最後に、可能な限り、非選択的、すなわち、実際には髪の先端と末端の間で敏感化度(すなわち傷み具合)が異なりうる、同じケラチン繊維に沿って可能な限り色差が小さくなるようにしなければならない。
【0004】
特に、独国特許出願第3016008号において、酸化染色に従来から使用されている酸化ベース、例えばある種のパラ−フェニレンジアミン類又はパラ−アミノフェノール類と組み合わせて、修正剤として2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール又は2−メチル−5−クロロ−3−アミノフェノールを含有するケラチン繊維の酸化染色用組成物が、既に調製されている。しかしながら、このような組成物では、毛髪が受けるであろう種々の攻撃、特にシャンプー及びパーマネントによる変形処理に対する得られた色調の挙動の観点において完全には満足のいくものではなかった。
また、国際特許出願第96/15765号及び国際特許出願第96/15766号において、修正剤として2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールと、特定の酸化ベース、例えば2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン及び/又はテトラアミノピリミジンとある特定のパラ−アミノフェノール類、例えば3−メチル−4−アミノフェノール、2−アリル−4−アミノフェノール又は2−アミノメチル−4−アミノフェノールとの特定の組合せを含有するケラチン繊維の酸化染色用組成物も作製されている。しかしながら、このような組成物もまた、特に得られた色調の強さの観点から完全には満足のいくものではなかった。
【0005】
本出願人は、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールと少なくとも2種の互いに異なる酸化ベースを組み合わせることによって、毛髪が受けうる種々の攻撃に対して特に耐性がある、強力な新規の染料を得ることができることを見出した。
この発見が、本発明の基礎をなすものである。
【0006】
よって、本発明の第1の主題事項は、染色に適した媒体中に:
−修正剤として、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/又はその酸付加塩類の少なくとも1種;
−少なくとも2つの互いに異なる酸化ベース;
を含有してなることを特徴とする、ケラチン繊維、特に、毛髪等のヒトのケラチン繊維の酸化染色用組成物において、2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン及びテトラアミノピリミジンを同時に含有していない組成物にある。
本発明の酸化染色用組成物により、あまり選択性を示さず、大気の要因、例えば、光や悪天候、また発汗や髪が受けうる種々の処理(洗髪、パーマネントによる変形処理)の双方に対し優れた耐性特性を有する種々の色調の強い色を得ることができる。
【0007】
本発明の染色用組成物に使用可能な酸化ベース類は、好ましくは、パラ−フェニレンジアミン類、複塩基類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環酸化ベース類から選択される。
本発明の染色用組成物における酸化ベースとして使用可能なパラ−フェニレンジアミン類としては、特に、次の式(I):
【化4】

[− Rは、窒素含有、フェニル又は4’−アミノフェニル基で置換されたC−Cアルキル基又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル基、水素原子を表し;
− Rは、窒素含有基で置換されたC−Cアルキル基又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル基、水素原子を表し;
− Rは、C−Cカルバモイルアミノアルコキシ基又はC−Cメシルアミノアルコキシ基、C−Cアセチルアミノアルコキシ基、C−Cヒドロキシアルコキシ基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル基、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素原子等のハロゲン原子、水素原子を表し;
− Rは、水素又はハロゲン原子又はC−Cアルキル基を表す]
で示される化合物及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
上述した式(I)の窒素含有基として、特に、アミノ、モノ(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
【0008】
上述した式(I)のパラ−フェニレンジアミン類としては、特に、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン、4−アミノ−3−クロロ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン、2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−ヒドロキシエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−アセチルアミノエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)アミノ−パラ−フェニレンジアミン及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
上述した式(I)のパラ−フェニレンジアミン類の中でも、特に、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−ヒドロキシエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−アセチルアミノエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン及びそれらの酸付加塩類が非常に好ましい。
【0009】
複塩基類とは、アミノ及び/又はヒドロキシル基を担持した、少なくとも2つの芳香核を有する化合物を意味すると理解されるものである。
本発明の染色用組成物における酸化ベースとして使用可能な複塩基類としては、特に、次の式(II):
【化5】

[− Z及びZは、同一でも異なっていてもよく、結合手Y又はC−Cアルキル基で置換可能なヒドロキシル又は−NH基を表し;
− 結合手Yは、一又は複数のヒドロキシル又はC−Cアルコキシ基で置換されていてもよく、一又は複数のへテロ原子、例えば酸素、硫黄又は窒素原子及び/又は一又は複数の窒素含有基が挿入されるか又は末端に有していてもよい、1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖を表し;
− R及びRは、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cアミノアルキル基又は結合手Yを表し;
− R、R、R、R10、R11及びR12は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、結合手Y又はC−Cアルキル基を表し;
分子当り単一の結合手Yのみを有すると理解されるもの]
に相当する化合物及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0010】
上述した式(II)の窒素含有基として、特に、アミノ、モノ(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、トリ(C−C)アルキルアミノ、モノヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
上述した式(II)の複塩基類としては、特に、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ジエチル−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
これら式(II)の複塩基類の中でも、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン又はそれらの酸付加塩類の一つが特に好ましい。
【0011】
本発明の染色用組成物における酸化ベースとして使用可能なパラ−アミノフェノール類としては、特に、次の式(III):
【化6】

[− R13は、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cアミノアルキル基又はヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル基を表し、
− R14は、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cアミノアルキル基、C−Cシアノアルキル基又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基を表し、
13又はR14基の少なくとも1つは水素原子を表す]
に相当する化合物及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0012】
上述した式(III)のパラ−アミノフェノール類としては、特に、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(メトキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−[(β−ヒドロキシエチル)アミノメチル]フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0013】
本発明の染色用組成物の酸化ベースとして使用可能なオルト−アミノフェノール類としては、特に、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、5−アセタミド−2−アミノフェノール及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0014】
本発明の染色用組成物の酸化ベースとして使用可能な複素環塩基類としては、特に、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
ピリジン誘導体としては、特に、例えば英国特許第1026978号及び英国特許第1153196号に開示されている化合物、例えば2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−(β−メトキシエチル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、3,4−ジアミノピリジン及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0015】
ピリミジン誘導体としては、特に、独国特許第2359399号又は日本国特許第88−169571号及び日本国特許第91−333495号又は国際特許出願第96/15765号に開示されている化合物、例えば2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノピリミジン及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
ピラゾール誘導体としては、特に、独国特許第3843892号及び独国特許第4133957号及び国際特許出願第94/08969号、国際特許出願第94/08970号、仏国特許公開第2733749号及び独国特許第19543988号に開示されている化合物、例えば4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(ヒドロキシメチル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−(メチルアミノ)ピラゾール、3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール及びそれらの酸付加塩類を挙げることができる。
【0016】
ピラゾロピリミジン誘導体としては、特に、次の式(IV):
【化7】

{− R15、R16、R17及びR18は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C−Cアルキル基、アリール基、C−Cヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cアミノアルキル基(アミンがアセチル、ウレイド又はスルホニル基で保護されたものであってもよい)、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル基、ジ[(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル基(ジアルキル基は5又は6員環の複素環又は炭素環を形成可能である)又はヒドロキシ(C−C)アルキル−もしくはジ[ヒドロキシ(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル基を表し;
− X基は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C−Cアルキル基、アリール基、C−Cヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cアミノアルキル基、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル基、ジ[(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル基(ジアルキルは5又は6員環の複素環又は炭素環を形成可能である)、ヒドロキシ(C−C)アルキル−もしくはジ[ヒドロキシ(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル基、アミノ基、(C−C)アルキル−もしくはジ[(C−C)アルキル]アミノ基、ハロゲン原子、カルボン酸基又はスルホン酸基を表し;
− iは0、1、2又は3であり;
− pは0又は1であり;
− qは0又は1であり;
− nは0又は1であり;
− p+qの合計は0ではなく;
− p+qが2である場合、nは0であり、NR1516及びNR1718基は(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)又は(3,7)位を占め、
− p+qが1である場合、nは1であり、NR1314(又はNR1516)基及びOH基は(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)又は(3,7)位を占める}
に相当するピラゾロ[1,5−a]ピリミジン類、それらの酸又は塩基との付加塩類及び互変異性平衡が存在する場合にはそれらの互変異性体を挙げることができる。
上述した式(IV)のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン類が、窒素原子に対して2、5又は7のα位の一つにヒドロキシル基を含有しているようなものの場合、例えば次の式:
【化8】

で示されるような互変異性平衡が存在する。
【0017】
上述した式(IV)のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン類としては、特に:
− ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;
− 2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;
− ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;
− 2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;
− 3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール;
− 3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オール;
− 2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ)エタノール;
− 2−(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミノ)エタノール;
− 2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
− 2−[(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
− 5,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;
− 2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;
− 2,5,N7,N7−テトラメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;
及びそれらの付加塩類及び互変異性平衡が存在する場合にはそれらの互変異性体を挙げることができる。
【0018】
上述した式(IV)のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン類は次の参考文献:
− Beiersdorf−Lilly社の欧州特許第628559号、
− R.Vishdu及びH.NavedulのIndian J.Chem.、第34b巻(6)、514頁、1995年、
− N.S.Ibrahim、K.U.Sadek及びF.A.Abdel−AlのArch.Pharm.、第320巻、240頁、1987年、
− R.H.Springer、M.B.Scholten、D.E.O’Brien、T.Novinson、J.P.Miller及びR.K.RobinsのJ.Med.Chem.、第25巻、235頁、1982年、
− T.Novinson、R.K.Robins及びT.R.MatthewsのJ.Med.Chem.、第20巻、296頁、1977年、
− ICN・Pharmaceuticalsの米国特許第3907799号、
に開示されている合成法に従い、アミノピラゾールを環化することにより調製することができる。
【0019】
また上述した式(IV)のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン類は、次の参考文献:
− A.McKillop及びR.J.Kobileckiの複素環、第6巻(9)、1355頁、1977年、
− E.Alcade、J.De Mendoza、J.M.Marcia−Marquina、C.Almera及びJ.ElgueroのJ.Heterocyclic Chem.、第11巻(3)、423頁、1974年、
− K.Saito、I.Hori、M.Higarashi及びH.MidorikawaのBull.Chem.Soc.Japan、第47巻(2)、476頁、1974年、
に記載されている合成法に従い、ヒドラジンを環化することにより調製することもできる。
【0020】
2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/又は酸付加塩又は塩類は、染色用組成物の全重量に対して好ましくは約0.0001〜5重量%、より好ましくは約0.005〜3重量%である。
本発明の組み合わせた酸化ベース類は、染色用組成物の全重量に対して好ましくは約0.0005〜12重量%、より好ましくは約0.005〜6重量%である。
本発明の染色用組成物は、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール以外の他の修正剤及び/又は直接染料を、特にハイライトで色調を富ませたり、色調を変化させたりするために含有することができる。
【0021】
本発明の染色用組成物(酸化ベース及び修正剤)に使用可能な酸付加塩類は、特に、塩酸塩類、臭化水素酸塩類、硫酸塩類及び酒石酸塩類、乳酸塩類及び酢酸塩類から一般的に選択される。
染色に適した媒体(又はビヒクル)は、一般的に、水、又は水に十分に溶解しない化合物を溶解させるための少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物からなる。有機溶媒としては、例えば、C−Cの低級アルカノール類、例えばエタノール及びイソプロパノール、グリセロール、グリコール類及びグリコールエーテル類、例えば2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、及び芳香族アルコール類、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、これらの類似物及び混合物を挙げることができる。
溶媒類は、染色用組成物の全重量に対して、好ましくは約1〜40重量%、さらに好ましくは約5〜30重量%の割合で存在する。
【0022】
本発明の染色用組成物のpHは、一般的に約3〜12、好ましくは約5〜11である。これは、ケラチン繊維の染色において通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤で、所望の値に調節することができる。
酸性化剤としては、例えば、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、カルボン酸類、例えば酒石酸、クエン酸又は乳酸、又はスルホン酸類を挙げることができる。
塩基性化剤としては、例えば、アンモニア水、アルカリ性炭酸塩類、アルカノールアミン類、例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン及びそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び次の式(V):
【化9】

[Rは、C−Cアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり;R19、R20、R21及びR22は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC−Cアルキル又はC−Cヒドロキシアルキル基を表す]
で示される化合物を挙げることができる。
【0023】
また、本発明の染色用組成物は、従来より毛髪の染色用組成物に使用されている種々のアジュバント類、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性の界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性のポリマー類又はそれらの混合物、無機又は有機の増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、コンディショニング剤、例えば揮発性又は非揮発性で、変性した又は変性していないシリコーン類、皮膜形成剤、セラミド類、防腐剤又は乳白剤を含有してもよい。
もちろん、当業者であれば、本発明の組合せに固有の有利な特性が、考えられる添加により悪影響を全く受けないか、実質的には受けないように留意して、これらの任意の付加的な化合物又は化合物類を選択するであろう。
【0024】
本発明の染色用組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリーム又はゲルの形態、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪を染色するのに適した任意の他の形態で提供することができる。
また、本発明の他の主題事項は、上述した染色用組成物を使用する、ケラチン繊維、特に、毛髪等のヒトのケラチン繊維の染色方法にある。
この方法は、上述した染色用組成物を繊維に適用し、染色用組成物の使用時にのみ添加されるか、同時に又は続いて別個に適用される酸化組成物中に存在する酸化剤を使用して、酸性、中性又はアルカリ性のpHで発色させるものである。
【0025】
本発明の染色方法の特に好ましい実施態様では、染色に適した媒体中に、発色させるのに十分な量の少なくとも1つの酸化剤を含有せしめてなる酸化組成物と、上述した染色用組成物とを使用時に混合する。ついで、得られた混合物をケラチン繊維に適用し、約3〜50分、好ましくは約5〜30分間放置した後、毛髪をすすいで、シャンプーで洗髪し、再度すすいで乾燥させる。
上述した酸化組成物中に存在する酸化剤は、ケラチン繊維の酸化染色に対して従来から使用されている酸化剤から選択することができ、このようなものとしては、過酸化水素、過酸化水素尿素(urea hydrogen peroxide)、アルカリ金属の臭素塩類、過塩類、例えば過ホウ酸塩及び過硫酸塩、又は過酸類が挙げられる。過酸化水素が特に好ましい。
上述した酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染色用組成物と混合した後に得られる、ケラチン繊維に適用される組成物のpHが、好ましくは約3〜12、さらに好ましくは約5〜11になるような値である。これは、ケラチン繊維の染色に通常使用される、上述したような酸性化剤又は塩基性化剤により、所望の値に調節される。
また、上述した酸化組成物は、毛髪の染色用組成物に従来から使用されている上述したような種々のアジュバントを含有してもよい。
【0026】
最終的にケラチン繊維に適用される組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリーム又はゲルの形態、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪を染色するのに適した任意の他の形態で提供することができる。
本発明の他の主題事項は、染色用多区分具又はキットもしくは任意の他の包装システムで、第1の区分が上述した染色用組成物を収容し、第2の区分が上述した酸化組成物を収容する複数の区分を有するものにある。これらには、毛髪に所望の混合物を付着させるための手段を備えることができ、このようなものとしては、例えば、本出願人の仏国特許第2586913号に開示されているものが挙げられる。
次の実施例は本発明を例証するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0027】
比較染色実施例1及び2
次の本発明の染色用組成物を調製した(含有量はグラム):
【表1】

):本発明の一部とならない実施例
★★共通の染料用ビヒクル
− 2molのグリセロールでポリグリセロー
ル化されたオレイルアルコール 4.0g
− 78%の活性物質(A.M.)を含有する、
4molのグリセロールでポリグリセロー
ル化されたオレイルアルコール 5.69g(活性物質)
− オレイン酸 3.0g
− Akzo社からエトミーン(Ethomeen)O12
(登録商標)の商品名で販売されている2
molのエチレンオキシドを含有するオレ
イルアミン 7.0g
− 55%の活性物質を含有する、ジエチルア
ミノプロピルラウリルアミノスクシナマー
ト、ナトリウム塩 3.0g(活性物質)
− オレイルアルコール 5.0g
− オレイン酸ジエタノールアミド 12.0g
− プロピレングリコール 3.5g
− エチルアルコール 7.0g
− ジプロピレングリコール 0.5g
− プロピレングリコールモノメチルエーテル 9.0g
− 35%の活性物質を含有する、メタ重亜硫
酸ナトリウム水溶液 0.455g(活性物質)
− 酢酸アンモニウム 0.8g
− 抗酸化剤、金属イオン封鎖剤 適量
− 香料、防腐剤 適量
− 20%のNHを含有するアンモニア水 10.0g
【0028】
使用時に、上述した各々の染色用組成物を、10容量の過酸化水素水溶液(3重量%)からなる半重量の酸化組成物と混合した。
各々の得られた組成物を、白髪を90%含有するナチュラルなグレイの髪の束と、白髪を90%含有するパーマネントウエーブ処理が施されたグレイの髪の束に30分間適用した。ついで、髪の束をすすぎ、通常のシャンプーを用いて洗髪を行い、乾燥した。
組成物1及び2で染色された各々の髪の束の色を、CM2002ミノルタ(登録商標)色差計により、マンセル系にて評価した。
マンセル表記法により、色を、HV/Cにより定義する。なお、3つのパラメーターは、それぞれ、色調又は色相(H)、強度又は明度(V)、及び純度又は色度(C)を示し、この表現における斜線は、単に協約上のものであって、割合を示すものではない。
ナチュラルなグレイの髪の束の色とパーマネントウエーブ処理が施されたグレイの髪の束の色の違いは、例えば、「色彩、工業及び技術(Couleur, Industrie et Technique)」(第5巻、14−17頁、1978年)に記載されているニッカーソン(Nickerson)の式:
ΔE=0.4C△H + 6△V + 3△C
を適用して算出した。
この式において、ΔEは2つの髪の束の色差を表し、△H、△V及び△Cは、H、V及びCのパラメータの絶対値の変動を表し、Cは、色差の評価を所望している髪の束の純度を表す。
このように算出され、△Eで表される色差は、着色の選択度合いを反映するものであり、△E値が低下すると低減する。
【0029】
結果を次の表に示す:
【表2】

これらの結果には、実施例1である本発明の染色用組成物、すなわち2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール、パラ−フェニレンジアミン及びテトラアミノピリミジンの特定の組合せを含有する組成物を使用して得られた色が、国際特許出願第96/15765号に開示されているテトラアミノピリミジン及び2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノールの組合せを含有しているために本発明の一部とならない実施例2の組成物を使用して得られた色よりも、選択的でないことが示されている。
【0030】
染色実施例3ないし5
次の本発明の染色用組成物を調製した(含有量はグラム):
【表3】

★★★共通の染料用ビヒクルNo.2
− 96゜エタノール 18g
− メタ重亜硫酸ナトリウムの35%水溶液 0.68g
− ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリ
ウム塩 1.1g
− 20%のNHを含有するアンモニア水 10g
★★★★共通の染料用ビヒクルNo.3
− 96゜エタノール 18g
− メタ重亜硫酸ナトリウムの35%水溶液 0.68g
− ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリウ
ム塩 1.1g
− KPO/KHPO(1.5M/1M)
バッファー 10g
【0031】
使用時に、上述した各々の染色用組成物を、20容量の過酸化水素水溶液(6重量%)からなる同重量の酸化組成物と混合した。
各々の得られた組成物を、白髪を90%含有するナチュラルなグレイの髪の束に30分間適用した。ついで、髪の束をすすぎ、通常のシャンプーを用いて洗髪を行い、乾燥した。
得られた色調を次の表に表す:
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
染色に適した媒体中に:
−修正剤として、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/又はその酸付加塩類の少なくとも1種;
−少なくとも2つの互いに異なる酸化ベース;
を含有してなる毛髪等のヒトのケラチン繊維の酸化染色用組成物において、該組成物が2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミンとテトラアミノピリミジンとを同時には含有していないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
酸化ベース類が、パラ−フェニレンジアミン類、複塩基類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環酸化ベース類から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
パラ−フェニレンジアミン類が、次の式(I):
【化1】

[− Rは、窒素含有、フェニル又は4’−アミノフェニル基で置換されたC−Cアルキル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル基又は水素原子を表し;
− Rは、窒素含有基で置換されたC−Cアルキル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cアルキル基又は水素原子を表し;
− Rは、C−Cカルバモイルアミノアルコキシ基、C−Cメシルアミノアルコキシ基、C−Cアセチルアミノアルコキシ基、C−Cヒドロキシアルコキシ基、C−Cモノヒドロキシ−アルキル基、C−Cアルキル基、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素原子等のハロゲン原子又は水素原子を表し;
− Rは、水素又はハロゲン原子又はC−Cアルキル基を表す]
で示される化合物及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のパラ−フェニレンジアミン類が、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン、4−アミノ−3−クロロ−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン、2−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−ヒドロキシエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン、2−(β−アセチルアミノエチルオキシ)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)アミノ−パラ−フェニレンジアミン及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
複塩基類が、次の式(II):
【化2】

[− Z及びZは、同一でも異なっていてもよく、結合手Y又はC−Cアルキル基で置換可能なヒドロキシル又は−NH基を表し;
− 結合手Yは、一又は複数のヒドロキシル又はC−Cアルコキシ基で置換されていてもよく、一又は複数の酸素、硫黄又は窒素原子等のへテロ原子及び/又は一又は複数の窒素含有基が挿入されるか又は末端に有していてもよい、1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖を表し;
− R及びRは、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cアミノアルキル基又は結合手Yを表し;
− R、R、R、R10、R11及びR12は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、結合手Y又はC−Cアルキル基を表し;
分子当り単一の結合手Yのみを有すると理解されるもの]
に相当する化合物及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
式(II)の複塩基類が、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ジエチル−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
パラ−アミノフェノール類が、次の式(III):
【化3】

[− R13は、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、C−Cアミノアルキル基又はヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル基を表し、
− R14は、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cモノヒドロキシアルキル基、C−Cポリヒドロキシアルキル基、C−Cアミノアルキル基、C−Cシアノアルキル基又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基を表し、
13又はR14基の少なくとも1つは水素原子を表す]
に相当する化合物及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
パラ−アミノフェノール類が、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(メトキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(アミノ−メチル)フェノール、4−アミノ−2−[(β−ヒドロキシエチル)アミノメチル]フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
オルト−アミノフェノール類が、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、5−アセタミド−2−アミノフェノール及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
複素環塩基類が、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体及びそれらの酸付加塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/又は酸付加塩又は塩類が、染色用組成物の全重量に対して0.0001〜5重量%であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール及び/又は酸付加塩又は塩類が、染色用組成物の全重量に対して0.005〜3重量%であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
組み合わせた酸化ベース類が、染色用組成物の全重量に対して0.0005〜12重量%であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
組み合わせた酸化ベース類が、染色用組成物の全重量に対して0.005〜6重量%であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
酸付加塩類が、塩酸塩類、臭化水素酸塩類、硫酸塩類及び酒石酸塩類、乳酸塩類及び酢酸塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
染色に適した媒体(又はビヒクル)が、水、又は、水と、C−Cの低級アルカノール類、グリセロール、グリコール類及びグリコールエーテル、芳香族アルコール類、それらの類似物及び混合物から選択される少なくとも1つの有機溶媒との混合物からなることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
3〜12のpHを示すことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
液体、クリーム又はゲルの形態、又はヒトの毛髪等のケラチン繊維を染色するのに適した任意の他の形態で提供されることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の少なくとも1種の染色用組成物をケラチン繊維に適用し、染色用組成物の使用時にのみ添加されるか、同時に又は続いて別個に適用される酸化組成物中に存在する酸化剤を使用して、酸性、中性もしくはアルカリ性のpHで発色させることを特徴とするヒトの毛髪等のケラチン繊維の染色方法。
【請求項20】
酸化組成物中に存在している酸化剤が、過酸化水素、過酸化水素尿素、アルカリ金属の臭素塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過塩類、又は過酸類から選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の染色用組成物を収容する第1の区分と、酸化組成物を収容する第2の区分の複数の区分を有することを特徴とする染色用多区分具又はキット。

【公開番号】特開2007−56028(P2007−56028A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−266293(P2006−266293)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【分割の表示】特願平11−516364の分割
【原出願日】平成10年7月16日(1998.7.16)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】