説明

2−セレノフェン−4−キノロンの化合物および抗癌剤としてのこの使用

【課題】新規な中間体である、2−セレノフェン−4−キノロンを提供する。
【解決手段】テトラベンジルピロホスフェートと反応させて、リン酸ジベンジルエステルを形成し、さらにこれを水素化して、ジベンジル基をHに置換した後、Amberlite IR−120(Na形態)と反応させて2ナトリウム塩を形成することによって、2−アリール−4−キノロンをホスフェートに変換する。予備スクリーニングの結果から、これらのホスフェートは、顕著な抗癌活性を示すことが明らかであった。新規な中間体である、2−セレノフェン−4−キノロン及び2−フェニル−4−キノロンのN,N−ジアルキルアミノアルキル誘導体もまた合成される。これらの新規な中間体は、顕著な抗癌活性を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な2−アリール−4−キノロンのホスフェート誘導体、および新規な中間体である、2−セレノフェン−4−キノロン及び2−フェニル−4−キノロンのN,N−ジアルキルアミノアルキル誘導体に関するものであり;ならびに、特にヒトの癌の治療におけるこれらの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
キノロン誘導体は、細菌のDNAギラーゼに作用する物質として最初に発見され、このため、抗細菌剤として開発された。近年、DNAトポイソメラーゼIIがこのクラスのキノロン化合物の薬理学的なターゲットとして現れた。我々は、新規な抗有糸分裂剤として機能すると思われる一連の置換2−フェニル−4−キノロン(A)を合成した。[Kuo,S.C., Lee,H.Z., Juang,J.P., Lin,Y.T., Wu,T.S., Chang,J.J., Lednicer,D., Paull,K.D., Lin,C.M., Hamel,E. Synthesis and cytotoxicity of 1,6,7,8−substituted 2−(4’−substituted phenyl)−4−quinolones and related compounds: identification as antimitotic agents interacting with tubulin. J. Med. Chem. 1993,36,1146−56;Li,L., Wang,H.K., Kuo,S.C., Wu,T.S., Mauger,A., Lin.C.M., Hamel,E. Lee,K.H. Antitumor agents. 155. Synthesis and biological evaluation of 3’,6,7− substituted 2−phenyl−4−quinolones as antimicrotubule agents. J. Med. Chem. 1994,37,3400−7]。後に、我々は、2−フェニルナフチリジン−4−オン(B)[Chen,K., Kuo,S.C., Hsieh,M.C., Mauger,SA., Lin,C.M., Hamel,E., Lee,K.H. Antitumor agents. 174. 2’,3’,4’,5,6,7−Substituted 2−phenyl−1,8−naphthyridin−4− ones: their synthesis, cytotoxicity, and inhibition of tubulin polymerization. J. Med. Chem. 1997,40,2266−75]、2−フェニル−4−キナゾロン(C)[Xia,Y., Yang,Z.Y., Hour,M.J., Kuo,S.C., Xia,P., Bastow,K.F., Nakanishi,Y., Namrpoothiri,P., Hackl,T., Hamel,E., Lee,K.H. Antitumor Agents. Part 204: Synthesis and Biological Evaluation of Substituted 2−Aryl Quinazolinones, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001,11,1193−6; Hour,M.J., Huang,L.J., Kuo,S.C., Xia,Y., Bastow,K.F., Nakanishi,Y., Hamel,E., Lee,K.H. 6−Alkylamino− and 2,3−dihydro−3’−methoxy−2−phenyl−4− quinazolinones and related compounds: their synthesis, cytotoxicity, and inhibition of tubulin polymerization. J. Med. Chem. 2000,43,4479−87]およびテトラヒドロ−2−フェニル−4−キノロン(D)[Xia,Y., Yang,Z.Y., Xia,P., Bastow,K.F., Tachibana,Y., Kuo,S.C., Hamel,E., Hackl.T., Lee,K.H. Antitumor agents. 181. Synthesis and biological evaluation of 6,7,2’,3’,4’−substituted−1,2,3,4−tetrahydro−2−phenyl−4−quinolones as a new class of antimitotic antitumor agents. J. Med. Chem. 1998, 41. 1155−62]等の、多くの関連する類似体を合成し続け、これにより、我々は、構造と活性との関係(structure and activity relationships)(SAR)を確立することが可能になった。これらの類似体の中から、我々は、3’,6位で2置換された2−フェニル−4−キノロン(A−1)等の強力な細胞毒性のあるかなりの数の化合物を発見した[Li,L., Wang,H.K., Kuo,S.C., Wu,T.S., Lednicer,D., Lin,C.M., Hamel,E., Lee,K.H. Antitumor agents. 150. 2’,3’,4’,5’,5,6,7−substituted 2−phenyl−4− quinolones and related compounds: their synthesis, cytotoxicity, and inhibition of tubulin polymerization. J. Med. Chem. 1994,37,1126−35]。しかしながら、強力な細胞毒性を有する化合物のほとんどは、非常に親油性であるため、インビボや臨床研究用には適さなかった。ゆえに、我々は、インビボや臨床研究に適した薬物動態特性を改善するために、これらの2−アリール−4−キノロン骨格の親水性の誘導体を合成しようと試みてきた。
【0003】
【化1】

【発明の概要】
【0004】
発明の要約
本発明の好ましい実施形態としては、下記項目(ただし、下記に限定されるものではない)がある:
1.下記式Ia、IbまたはIc:
【0005】
【化2】

【0006】
ただし、R’、R’、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【0007】
【化3】

【0008】
ただし、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、nおよびYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【0009】
【化4】

【0010】
またはRおよびRは一緒に、−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義であり;ならびにRおよびR’は、それぞれ独立して、H、Li、Na、K、N1011またはベンジルであり、この際、R10およびR11は、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、n、m、RおよびRは、上記と同様の定義である、を有する2−アリール−4−キノロンのホスフェート誘導体。
【0011】
2.式Iaを有する、上記1.に記載のホスフェート誘導体。
【0012】
3.R’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’、R’、R’およびR’の一は、F、OCHもしくは(CHNRであり、かつ、他は、Hであり、この際、n、RおよびRは、上記1.と同様の定義である、上記2.に記載のホスフェート誘導体。
【0013】
4.R、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、R、およびRの一は、F、OCH、Y(CHCHもしくは(CHNRであり、かつ、他は、Hである;またはRおよびRはHであり、かつ、RおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、Y、RおよびRは、上記1.と同様の定義である、上記2.に記載のホスフェート誘導体。
【0014】
5.RおよびR’は双方ともHであるまたは双方ともNaである、上記2.に記載のホスフェート誘導体。
【0015】
6.RおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はFである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0016】
7.RおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はFである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0017】
8.RはFであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0018】
9.R、R、RおよびRはすべてHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0019】
10.RはOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はFであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0020】
11.RおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はOCHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0021】
12.RはCHN(Cであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はFであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0022】
13.RはCHN(Cであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0023】
14.RはOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はCHN(Cであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、上記5.に記載のホスフェート誘導体。
【0024】
15.式Ibを有する、上記1.に記載のホスフェート誘導体。
【0025】
16.R、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、RおよびRの一は、FもしくはOCHであり、かつ他はHである;またはRおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、nは上記1.と同様の定義である、上記15.に記載のホスフェート誘導体。
【0026】
17.R’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’およびR’の一はFもしくはOCHであり、かつ他はHである、上記15.に記載のホスフェート誘導体。
【0027】
18.RおよびR’はベンジルである、上記15.に記載のホスフェート誘導体。
【0028】
19.R’、R’、R’、RおよびRはすべてHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−である、上記18.に記載のホスフェート誘導体。
【0029】
20.活性成分としての、治療上有効な量の上記1.〜19.のいずれかに記載の2−アリール−4−キノロンのホスフェート誘導体またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【0030】
21.該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌または白血病癌である、上記20.に記載の薬剤組成物。
【0031】
22.該固形癌細胞は、ヒトの乳癌または結腸癌である、請求項21の薬剤組成物。
【0032】
23.下記式IIbまたはIIc:
【0033】
【化5】

【0034】
ただし、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、または(CHNRであり、この際、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、n及びYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【0035】
【化6】

【0036】
またはRおよびRは一緒に、−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義である。
を有する2−セレノフェン−4−キノロンの化合物。
【0037】
24.R、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、RおよびRの一は、FもしくはOCHであり、かつ他はHである;またはRおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、nは、上記19.と同様の定義である、上記23.に記載の化合物。
【0038】
25.R’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’およびR’の一はFもしくはOCHであり、かつ他はHである、上記24.に記載の化合物。
【0039】
26.式IIbを有する、上記23.に記載の化合物。
【0040】
27.R’、R’、R’、RおよびRはすべてHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−である、上記26.に記載の化合物。
【0041】
28.活性成分としての、治療上有効な量の上記23.〜27.のいずれかに記載の2−セレノフェン−4−キノロンの化合物またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【0042】
29.該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌または白血病癌である、上記28.に記載の薬剤組成物。
【0043】
30.下記式IIa:
【0044】
【化7】

【0045】
ただし、R’、R’、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【0046】
【化8】

【0047】
ただし、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、n及びYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり; R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【0048】
【化9】

【0049】
またはRおよびRは一緒に−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義であり;
ここで、R、R、RおよびRの一は(CHNRである、またはR’、R’、R’、R’およびR’の一は(CHNRである、この際、qは、1〜4の整数であり、ならびにRおよびRは、上記と同様の定義である。
を有する2−フェニル−4−キノロンの化合物。
【0050】
31.Rは、(CHNRであり、かつR、RおよびRはHであり、この際、q、RおよびRは上記30.の定義と同様である、上記30.に記載の化合物。
【0051】
32.R’は(CHNRであり、かつR’、R’、R’およびR’はHであり、この際、q、RおよびR上記30.の定義と同様である、上記30.に記載の化合物。
【0052】
33.RはCHN(Cであり、R’はFであり、ならびにR’、R’、R’およびR’はHである、上記31.に記載の化合物。
【0053】
34.RはCHN(Cであり、R’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、上記31.に記載の化合物。
【0054】
35.RはOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はCHN(Cであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、上記32.に記載の化合物。
【0055】
36.活性成分としての、治療上有効な量の上記30.〜35.のいずれかに記載の2−フェニル−4−キノロンの化合物またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【0056】
37.該固形癌細胞は白血病癌である、上記36.に記載の薬剤組成物。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図面の簡単な説明
【図1】図1は、マウス異種移植モデルでのMCF7腫瘍の成長に関する化合物I−1および化合物I−1−bの効果を示す。メスのSCID マウスに、MCF7トランスフェクタントを注射して腫瘍の異種移植を誘導した。マウスを5群に分けた。第2〜第5群には、毎週、3回、化合物I−1(15mg/kg)、I−1(30mg/kg)、I−1−b(22.5mg/kg)、及びI−1−b(45mg/kg)を、それぞれ、腹腔内に投与した。データは、腫瘍重量の平均(g)±S.E.Mで表わす。*コントロールに比してp<0.05である。
【図2】図2は、動物の生存率に関する化合物I−1−bの効果を示す。BALB/cマウスに、化合物I−1−b(5mg/kg/日及び10mg/kg/日 QD×7)での処置を始める前7日間、CT−26腫瘍細胞を腹腔内に注射した。
【図3】図3は、ヒトの乳癌細胞の生存率に関するキノロン誘導体の効果を示す。MCF7細胞を、DMSO(コントロール)または様々な濃度(0.125μM〜10μM)のキノロン誘導体で、48時間処理した後、細胞の生存率をMTTアッセイによって測定した。3回別個の実験を行った結果を平均し、図に示されるように、平均値±標準誤差として表わした。
【0058】
発明の詳細な説明
下記実施例1〜6に示されるように、2−フェニル−4−キノロン(I−1〜I−6)を、アルカリの存在下で、テトラベンジルピロホスフェートと反応させて、相当するリン酸ジベンジルエステル(I−1−a〜I−6−a)を得た。アルコール中で化合物(I−1−a〜I−6−a)を接触水素化することによって、相当するリン酸モノエステル(I−1−b〜I−6−b)を得、これは、水溶性塩(I−1−c〜I−6−c)としてもよい。
【0059】
実施例1
【0060】
【化10】

【0061】
ジベンジル2−(2’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 2-(2'-fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−1−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−1(64.5mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0062】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−1−aを得た(69.1mg、67%)。
【0063】
【化11】

【0064】
2−(2’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[2-(2'-Fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−1−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−1−a(97.7mg、0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HCl(dil HCl)で酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−1−bを得た(63.5mg、97.2%)。
【0065】
【化12】

【0066】
2−(2’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェートナトリウム塩[Sodium 2-(2'-fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−1−c)
化合物I−1−bを、20mlのAmberlite IR−120(Na形態)および20mlの水の混合物に添加した後、室温で6時間、攪拌した。次に、この混合物を濾過して、Amberliteを除去した後、凍結乾燥することによって、I−1−cを得た(49.1mg、69%)。
【0067】
【化13】

【0068】
実施例2
【0069】
【化14】

【0070】
ジベンジル2−(3’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 2-(3'-fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−2−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−2(64.5mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0071】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−2−aを得た(85.6mg、83%)。
【0072】
【化15】

【0073】
2−(3’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[2-(3'-Fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−2−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−2−a(97.7mg、0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HClで酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−2−bを得た(60.8mg、93.1%)。
【0074】
【化16】

【0075】
2−(3’−フルオロフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェートナトリウム塩[Sodium 2-(3'-fluorophenyl)-6,7-methylenedioxyquinoline 4-yl-phosphate](I−2−c)
化合物I−2−bを、20mlのAmberlite IR−120(Na形態)および20mlの水の混合物に添加した後、室温で6時間、攪拌した。次に、この混合物を濾過して、Amberliteを除去した後、凍結乾燥することによって、I−2−cを得た(68.2mg、71%)。
【0076】
【化17】

【0077】
実施例3
【0078】
【化18】

【0079】
ジベンジル6−フルオロ−2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 6-fluoro-2-phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−3−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−3(55.0mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0080】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−3−aを無色の油状化合物として得た(84.4mg、89%)。
【0081】
【化19】

【0082】
6−フルオロフェニル−2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェート[6-Fluoro-2-phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−3−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−3−a(89.8mg、0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HClで酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−3−bを得た(50.5mg、88%)。
【0083】
【化20】

【0084】
6−フルオロフェニル−2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェートナトリウム塩[Sodium 6-Fluoro-2-phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−3−c)
化合物I−3−bを、20mlのAmberlite IR−120(Na形態)および20mlの水の混合物に添加した後、室温で6時間、攪拌した。次に、この混合物を濾過して、Amberliteを除去した後、凍結乾燥することによって、I−3−cを得た(41.9mg、73%)。
【0085】
【化21】

【0086】
実施例4
【0087】
【化22】

【0088】
ジベンジル2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 2-phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−4−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−4(50.8mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0089】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−4−aを無色の油状化合物として得た(71.3mg、78%)。
【0090】
【化23】

【0091】
2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェート[2-Phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−4−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−4−a(86.6mg、0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HClで酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−4−bを得た(48.9mg、90.3%)。
【0092】
【化24】

【0093】
6−フルオロ−2−フェニルキノリン−4−イル−ホスフェートナトリウム塩[Sodium 6-fluoro-2-phenylquinolin-4-yl-phosphate](I−4−c)
化合物I−4−bを、20mlのAmberlite IR−120(Na形態)および20mlの水の混合物に添加した後、室温で6時間、攪拌した。次に、この混合物を濾過して、Amberliteを除去した後、凍結乾燥することによって、I−4−cを得た(41.2mg、74%)。
【0094】
【化25】

【0095】
実施例5
【0096】
【化26】

【0097】
ジベンジル6−メトキシ−2(3’−フルオロフェニル)−キノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 6-methoxy-2(3-’fluorophenyl)-quinolin-4-yl-phosphate](I−5−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−5(61.9mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0098】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−5−aを無色の油状化合物として得た(85.4mg、85%)。
【0099】
【化27】

【0100】
6−メトキシ−2(3’−フルオロフェニル)−キノリン−4−イル−ホスフェート[6-Methoxy-2(3-’fluorophenyl)-quinolin-4-yl-phosphate](I−5−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−5−a(95.2mg、0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HClで酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−5−bを得た(56.5mg、89.9%)。
【0101】
【化28】

【0102】
実施例6
【0103】
【化29】

【0104】
ジベンジル2−(3’− メトキシフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 2-(3'-methoxyphenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−6−a)
水素化ナトリウム(13.7mg、0.57mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−6(67.9mg、0.23mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(100mg、0.19mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0105】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、化合物I−6−aを無色の油状化合物として得た(88.6mg、84%)。
【0106】
【化30】

【0107】
2−(3’− メトキシフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[2-(3'-Methoxyphenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−6−b)
無水MeOH(10ml)における化合物I−6−a(97.74mg,0.18mmol)の懸濁液を、室温で10分間、10%Pd/C(50mg)の存在下で水素化した。触媒及び沈澱物を集め、10%NaHCO溶液に溶解した後、濾過した。濾液を希釈HClで酸性にした後、固体を濾過によって集め、アセトンで洗浄して、化合物I−6−bを得た(63.5mg、94%)。
【0108】
【化31】

【0109】
2−(3’− メトキシフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェートナトリウム塩[Sodium 2-(3'-methoxyphenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−6−c)
化合物I−6−bを、20mlのAmberlite IR−120(Na形態)および20mlの水の混合物に添加した後、室温で6時間、攪拌した。次に、この混合物を濾過して、Amberliteを除去した後、凍結乾燥することによって、I−6−cを得た(53.9mg、76%)。
【0110】
【化32】

【0111】
下記実施例7では、新規な中間体、2−セレノフェン−4−キノロン(I−7−d)を合成した。2−セレノフェン−4−キノロン(I−7−d)を、アルカリの存在下で、テトラベンジルピロホスフェートと反応させて、相当するリン酸ジベンジルエステル(I−7−e)を得た。
【0112】
実施例7
【0113】
【化33】

【0114】
セレノフェン−2−カルボン酸[Selenophene-2-carboxylic acid](I−7−a)
(Et)O(150ml)におけるセレノフェン(20g、152.7mmol)の溶液に、TMEDA(25.5ml、170.0mmol)およびn−ブチルリチウム(ヘキサンにおける2.5M溶液 66.1ml、152.8mmol)を添加した。得られた溶液を、還流しながら(at reflux)1.5時間加熱した後、アセトン/CO浴で冷却し、その後、粉砕固体二酸化炭素(40g、909.1mmol)を加えた。この反応混合物を室温に戻して、10%KOH溶液を添加することによって、急冷した。水層を、8M HClでpH 3まで酸性にし、(Et)Oで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮することによって、化合物I−7−aを得た(24.6g、92.1%)。
【0115】
【化34】

【0116】
N−(5−アセチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)セレノフェン−2−カルボキサミド[N-(5-acetylbenzo[d][1,3]dioxol-6-yl)selenophene-2-carboxamide](I−7−c)
I−7−a(2g、11.40mmol)を、塩化チオニル(4.1ml、56.18mmol)と共に20時間還流することによって次の塩素化用に採取して、I−7−bを得、これを、さらに精製することなく、100mlトルエン中で2−アミノ−(4,5−メチレンジオキシ)−アセトフェノン[2-amino-(4,5-methylenedioxy)-acetophenone](1.63g、9.12mmol)及びトリエチルアミン(2ml、14.80mmol)で処理し、3時間還流した。この反応混合物を真空中で濃縮して、固体物質を、エタノールで連続して洗浄し、80℃で2時間乾燥することによって、未精製化合物I−7−cを得た(2.7g、74%)。
【0117】
【化35】

【0118】
2−(2’−セレノフェニル)−6,7−(メチレンジオキシ)−4−キノロン[2-(2'-Selenophenyl)-6,7-(methylenedioxy)-4-quinolone](I−7−d)
I−7−c(2.7g、8.0mmol)を100ml t−BuOHに懸濁した。カリウムtert−ブトキシド(4.49g,40mmol)を加え、この混合物を24時間還流しながら加熱した。この混合物を室温まで冷却し、100mlのNHCl水溶液に注いだ。黄褐色の固体を集め、蒸留水で洗浄することにより、化合物I−7−d(3.1g、85%)を得た。
【0119】
【化36】

【0120】
ジベンジル2−(2’−セレノフェニル)−6,7−メチレンジオキシキノリン−4−イル−ホスフェート[Dibenzyl 2-(2'-selenophenyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-yl-phosphate](I−7−e)
水素化ナトリウム(30mg、1.25mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)における化合物I−7−d(100.0mg、0.32mmol)の攪拌溶液に0℃で添加した。1時間後、テトラベンジルピロホスフェート(204.6mg、0.38mmol)を加え、20分間攪拌し続けた。
【0121】
この混合物を濾過し、濾液を35℃未満の温度で真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮することによって、固体を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた。CHClで溶出することにより、黄色の化合物I−7−eを得た(151.8mg、82%)。
【0122】
【化37】

【0123】
実施例8
【0124】
【化38】

【0125】
6−メチル−2−フェニルキノリン−4(1H)−オン[6-Methyl-2-phenylquinolin-4(1H)-one](I−8−a)
p−トルイジン(2.14g、0.02mole)、ベンゾイル酢酸エチル(4.9g、0.025mole)、及びポリリン酸(PPA)の混合物を、攪拌しながら130℃に加熱した。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、4M NaOHで中和した。黄色の固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、さらにエタノールで再結晶化することによって、化合物I−8を白色固体として得た(2.9g、48.9%)。
【0126】
【化39】

【0127】
4−(ベジルオキシ)−6−メチル−2−フェニルキノリン[4-(Benzyloxy)-6-methyl-2-phenylquinoline](I−8−b)
I−8−a(700mg、3mmole)を、乾燥DMF(30ml)に溶解し、NaH(360mg、15mmole)を室温で30分間攪拌しながら少しずつ(protionwise)加えた。次に、塩化ベンジル(750mg、6mmole)を滴下し、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を氷水に注ぎ、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣を、n−ヘキサン−EtOAc(3:1)で溶出することによりシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−CHClで再結晶化することにより、I−8−bを白色結晶として得た(536mg、54.9%)。
【0128】
【化40】

【0129】
N−{[4−(ベンジルオキシ)−2−フェニルキノリン−6−イル]メチル}−N−エチルエタンアミン[N-{[4-(Benzyloxy)-2-phenylquinolin-6-yl]methyl}-N-ethyl ethanamine](I−8−d)
I−8−b(650mg、2mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(NBS、360mg、2mmol)、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、30mg、0.19mmol)を乾燥した丸底フラスコに加え、これにアルゴンをパージした。50mlの乾燥ベンゼンを、30分間室温で攪拌しながら、アルゴン雰囲気中でこの反応混合物に加えた後、1時間、80℃で還流し、さらに室温まで冷却することによって、I−7−cを得、これを、さらに精製せずに、ジエチルアミン(3.0ml、29.0mmole)で処理した後、1時間還流した。蒸発により溶剤を除去した後、混合物をEtOAc及び50ml 10% HClで分画した後、酸性層を10% NaHCOでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣をCHCl−メタノール(3:1)で溶出することによってシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−8−dを淡黄色の固体として得た(120mg、15.1%)。
【0130】
【化41】

【0131】
6−[(ジエチルアミノ)メチル]−2−フェニルキノリン−4(1H)−オン[6-[(Diethylamino)methyl]-2-phenylquinolin-4(1H)-one](I−8−e)
I−8−d(120mg、0.3mmol)を氷酢酸(5ml)に溶解した。この溶液を60℃に加熱しながら、HBr(3ml)を加え、この混合物を3時間、90℃に加熱した。反応終了後、この反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。酸性層を10% NaHCOを加えることでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた、残渣をn−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−8−dを灰色の固体として得た(55mg、59.9%)。
【0132】
【化42】

【0133】
実施例9
【0134】
【化43】

【0135】
2−(2−フルオロフェニル)−6−メチルキノリン−4(1H)−オン[2-(2-Fluorophenyl)-6-methylquinolin-4(1H)-one](I−9−a)
p−トルイジン(2.14g、0.02mole)、2−フルオロ−エチルベンゾイルアセテート(2-fluoro-ethyl benzoylacetate)(5.25g、0.025mole)、及びポリリン酸(PPA)の混合物を、攪拌しながら130℃に加熱した。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、4M NaOHで中和した。黄色の固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、さらにエタノールで再結晶化することによって、化合物I−9−aを白色固体として得た(2.6g、51.3%)。
【0136】
【化44】

【0137】
4−(ベンジルオキシ)−2−(2−フルオロフェニル)−6−メチルキノリン[4-(Benzyloxy)-2-(2-fluorophenyl)-6-methylquinoline](I−9−b)
I−9−a(750mg、3mmole)を、乾燥DMF(30ml)に溶解し、NaH(360mg、15mmole)を室温で30分間攪拌しながら少しずつ(protionwise)加えた。次に、塩化ベンジル(750mg、6mmole)を滴下し、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を氷水に注ぎ、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣を、n−ヘキサン−EtOAc(3:1)で溶出することによりシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−CHClで再結晶化することにより、I−9−bを白色結晶として得た(515mg、50.0%)。
【0138】
【化45】

【0139】
N−{[4−(ベンジルオキシ)−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−6−イル]メチル}−N−エチルエタンアミン[N-{[4-(Benzyloxy)-2-(2-fluorophenyl)quinolin-6-yl]methyl}-N- ethylethanamine](I−9−d)
I−9−b(680mg、2mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(NBS、360mg、2mmol)、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、30mg、0.19mmol)を乾燥した丸底フラスコに加え、これにアルゴンをパージした。50mlの乾燥ベンゼンを、30分間室温で攪拌しながら、アルゴン雰囲気中でこの反応混合物に加えた後、1時間、80℃で還流し、さらに室温まで冷却することによって、I−9−cを得、これを、さらに精製せずに、ジエチルアミン(3.0ml、29.0mmole)で処理した後、1時間還流した。蒸発により溶剤を除去した後、混合物をEtOAc及び50ml 10% HClで分画した後、酸性層を10% NaHCOでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣をCHCl−メタノール(3:1)で溶出することによってシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−9−dを黄色の固体として得た(120mg、15.1%)。
【0140】
【化46】

【0141】
6−[(ジエチルアミノ)メチル]−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−4(1H)−オン[6-[(Diethylamino)methyl]-2-(2-fluorophenyl)quinolin-4(1H)-one](I−9−e)
I−9−d(120mg、0.3mmol)を氷酢酸(5ml)に溶解した。この溶液を60℃に加熱しながら、HBr(3ml)を加え、この混合物を3時間、90℃に加熱した。反応終了後、この反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。酸性層を10% NaHCOを加えることでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた、残渣をn−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−8−eを灰色の固体として得た(58mg、59.6%)。
【0142】
【化47】

【0143】
実施例10
【0144】
【化48】

【0145】
エチル3−メチル−ベンゾイル−アセテート[Ethyl 3-methyl-benzoyl-acetate](1−10−a)
無水トルエン(50ml)中でNaH(564mg、48.5mmol)およびCO(OEt)(5.73g、48.5mmol)を激しく攪拌した懸濁液に、還流下で、トルエンにおける3−メチルアセトフェノン(4.33g,32.3mmole)の溶液を滴下した。この混合物を還流して、添加し終わってから30分間攪拌した。室温まで冷却したら、混合物を氷酢酸で酸性にした。氷冷水を加えた後、混合物をトルエンで抽出した。有機層をMgSOで乾燥して、蒸発させた。さらに、残渣をさらにCHCl−n−ヘキサン(3:2)で溶出することによってシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、1−10−bを淡黄色の液体として得た(3.13g、46.9%)。
【0146】
【化49】

【0147】
6−メトキシ−2−m−トリルキノリン−4(1H)−オン[6-Methoxy-2-m-tolylquinolin-4(1H)-one](I−10−b)
p−アニシジン(2.14g、0.02mole)、I−10−a(5.1g、0.025mole)、及びポリリン酸(PPA)の混合物を、攪拌しながら130℃に加熱した。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、4M NaOHで中和した。黄色の固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、さらにエタノールで再結晶化することによって、化合物I−9−aを藤色の固体として得た(2.6g、25.8%)。
【0148】
【化50】

【0149】
4−(ベンジルオキシ)−6−メトキシ−2−m−トリルキノリン[4-(Benzyloxy)-6-methoxy-2-m-tolylquinoline](I−10−c)
I−10−b(795mg、3mmole)を、乾燥DMF(30ml)に溶解し、NaH(360mg、15mmole)を室温で30分間攪拌しながら少しずつ(protionwise)加えた。次に、塩化ベンジル(750mg、6mmole)を滴下し、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を氷水に注ぎ、CHClで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣を、n−ヘキサン−EtOAc(3:1)で溶出することによりシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−CHClで再結晶化することにより、I−10−cを白色結晶として得た(530mg、49.7%)。
【0150】
【化51】

【0151】
N−{[3−(4−(ベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−2−イル)フェニル]メチル}−N−エチルエタンアミン[N-{[3-(4-(Benzyloxy)-6-methoxyquinolin-2-yl)phenyl)methyl}-N-ethylethanamine](I−10−e)
I−10−c(530mg、2mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(NBS、360mg、2mmol)、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、30mg、0.19mmol)を乾燥した丸底フラスコに加え、これにアルゴンをパージした。50mlの乾燥ベンゼンを、30分間室温で攪拌しながら、アルゴン雰囲気中でこの反応混合物に加えた後、1時間、80℃で還流し、さらに室温まで冷却することによって、I−10−dを得、これを、さらに精製せずに、ジエチルアミン(3.0ml、29.0mmole)で処理した後、1時間還流した。蒸発により溶剤を除去した後、混合物をEtOAc及び50ml 10% HClで分画した後、酸性層を10% NaHCOでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。さらに、残渣をCHCl−メタノール(3:1)で溶出することによってシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、n−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−10−eを黄色の固体として得た(25mg、2.9%)。
【0152】
【化52】

【0153】
2−{3−[(ジエチルアミノ)メチル]フェニル}−6−メトキシキノリン−4(1H)−オン[2-{3-[(Diethylamino)methyl]phenyl}-6-methoxyquinolin-4(1H)-one](I−10−f)
I−10−e(42mg、0.1mmol)を氷酢酸(5ml)に溶解した。この溶液を60℃に加熱しながら、HBr(3ml)を加え、この混合物を3時間、90℃に加熱した。反応終了後、この反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。酸性層を10% NaHCOを加えることでpH 7〜8に中和し、EtOAcで抽出した(100ml×5)。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた、残渣をn−ヘキサン−EtOAcで再結晶化することによって、I−10−fを灰色の固体として得た(20.8mg、61.9%)。
【0154】
【化53】

【0155】
抗癌活性
インビボでの抗腫瘍活性への化合物I−1及びI−1−bの効果
(I)MCF−7腫瘍異種移植モデルに関する化合物I−1及びI−1−bの効果
I−1 材料および方法
メスGALB/cAnN−Foxn1.E SCIDマウス(18〜20g;6〜8週齢)を、the National Animal Centerから購入し、施設の規則に従って加圧換気ケージ(pressurized ventilated cage)で飼育した。腫瘍を移植する2日前に、マウスの皮下にエストラジオール(0.7mg)を埋め込んだ。MCF−7細胞(2´10)を、マウスの右脇腹の皮下に接種した。150−mmの腫瘍小結節が現れた後、30匹の腫瘍を持っているマウスを、ベヒクル(PBS)、I−1またはI−1−bで処置するために、任意に5群に分けた。第1群には、ベヒクルのみを投与した。第2〜第5群には、それぞれ、毎週3回、下記の処置を腹腔内に投与した:I−1(15mg/kg)、I−1(30mg/kg)、I−1−b(22.5mg/kg)、およびI−1−b(45mg/kg)。毎週、マウスの体重を計り、キャリパーを用いて、腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさを、下記式で算出した:(L+W)/2、この際、Lは、長さであり、Wは、幅である。処置最終日に、マウスを剖検し、腫瘍を切除し、秤量し、切片化した:そして、腫瘍切片をOCT化合物に包埋して、−70℃に凍結した。
【0156】
I−2 結果
I−1またはI−1−bの効果をインビボで調べた、30匹のメスSCIDマウスに、それぞれ、MCF7細胞を皮下注射した。これらのマウスを5群に分け(1群当たり6匹)、ベヒクル単独、I−1(15または30mg/kg)、I−1−b(22.5または45mg/kg)で処置した。図1に示されるように、このインビボ腫瘍モデルでは、コントロールマウスに比べて、45mg/kgのI−1−bで処置したマウスでは、腫瘍容積が有意に減少した(P<0.001)。これらの結果から、I−1−bは、マウス異種移植モデルでMCF7腫瘍の成長を有意に阻害することが示される。
【0157】
(II)CT−26腹腔内腫瘍モデル関する化合物I−1及びI−1−bの効果
II−1 材料および方法
30匹の6週齢のBalb/cマウスを、the National Animal Centerから購入し、施設の規則に従って加圧換気ケージ(pressurized ventilated cage)で飼育した。CT−26(1×10)細胞を0日に腹腔内に注射した。動物を抗腫瘍効能研究用に任意に割り当てた(n=10)。腫瘍を接種してから7日後に、5及び10mg/kgのI−1−bをマウスに経口投与した(QDを7回)。この動物の生存率及び体重をモニターした。
【0158】
II−2 結果
II−2−1 処置後のマウスの様子
賦形剤コントロール群のマウスは明らかに腹水症を示したが、一方、化合物I−1−b(5mg/kg/day、QD×7)およびI−1−b(10mg/kg/day、QD×7)を経口投与したマウスは、腹水症の発達の抑制が見られた。
【0159】
II−2−2 処置後のマウスの平均寿命
図2に示されるように、賦形剤コントロール群のマウスはすべて40日後に死亡したものの、化合物I−1−b(5mg/kg/day、QD×7)およびI−1−b(10mg/kg/day、QD×7)を投与したマウスは、それぞれ、投与してから45日および50日後にすべて死亡した。平均寿命が、I−1−b(10mg/kg/day、QD×7)の投与量では140%ほど延び、(5mg/kg/day、QD×7)の投与量では120%ほど延びた。最大許容投与量は得られなかった。
【0160】
細胞生存率アッセイ(MTTアッセイ)
細胞を、24穴マイクロタイタープレート(2×10細胞/穴)に一晩播種した後、DMSO(コントロール)または様々な濃度の試験化合物で処置し、48時間、インキュベートした。細胞成長への試験化合物の効果をMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)アッセイによって試験した。簡潔にいうと、40μlのMTT溶液(2mg/ml、Sigma Chemical Co.)を各穴に加え、最終容積を500μlとして、37℃で1時間インキュベートした。上清を吸引して、代謝的に生存している細胞によって形成されるMTT−ホルマザン結晶を、200μlのDMSOに溶解した。最後に、O.D.550nmの吸光度を、酵素免疫吸着法(ELISA)リーダーで検出した。
【0161】
結果:
ヒト乳癌MCF−7細胞に対する化合物I−1−b、I−2−b、I−3−b、I−4−b、I−5−b、I−7−d、I−7−eの細胞毒性効果
化合物I−1−b、I−2−b、I−3−b、I−4−b、I−5−b、I−7−d、I−7−eの細胞毒性効果を、ヒト乳癌MCF−7細胞で調べた。図3に示されるように、0.125〜10μMのこれらの化合物で処置することによって、細胞の生存率が用量依存的に減少した。これらの結果から、化合物I−1−b、I−2−b、I−3−b、I−4−b、I−5−b、I−7−d、I−7−eは、MCF−7細胞に対して顕著な細胞毒性を示すことが分かる。したがって、これらの新規な2−アリール−キノリンの誘導体は、癌の治療のための潜在的な治療剤として報告される。
【0162】
化合物I−7−dの細胞毒性活性
化合物I−7−dのインビトロでの細胞毒性活性を、HCT−116、Hep G2、NCI−H226、A549、A498及びHL−60細胞で試験した。表1に示されるように、化合物I−7−dは、上記6種の癌細胞系のほとんどに対して顕著な阻害効果を示し、HCT−116及びHL−60細胞に対して非常に活性がある。化合物I−7−dは、HCT−116に対して0.9μMのIC50をおよびHL−60細胞に対して0.5μMのIC50を示す。化合物I−7−dは、新規な抗癌剤として開発される魅力的な候補である。
【0163】
【表1】

【0164】
化合物I−8−e、I−9−eおよびI−10−fの細胞毒性活性
化合物I−8−e、I−9−eおよびI−10−fのインビトロでの細胞毒性活性を、HL−60細胞で試験した。表2に示されるように、化合物I−8−e及びI−9−eは、HL−60癌細胞系に対して顕著な阻害効果を示す。HL−60細胞に対して、化合物I−8−eは、15μMのIC50を示し、および化合物I−9−eは、5.8μMのIC50を示した。化合物I−9−eは、新規な抗癌剤として開発される魅力的な候補である。
【0165】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Ia、IbまたはIc:
【化1】

ただし、R’、R’、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【化2】

ただし、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、nおよびYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【化3】

またはRおよびRは一緒に、−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義であり;ならびに
およびR’は、それぞれ独立して、H、Li、Na、K、N1011またはベンジルであり、この際、R10およびR11は、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、n、m、RおよびRは、上記と同様の定義である、
を有する2−アリール−4−キノロンのホスフェート誘導体。
【請求項2】
式Iaを有する、請求項1に記載のホスフェート誘導体。
【請求項3】
’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’、R’、R’およびR’の一は、F、OCHもしくは(CHNRであり、かつ、他は、Hであり、この際、n、RおよびRは、請求項1と同様の定義である、請求項2に記載のホスフェート誘導体。
【請求項4】
、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、R、およびRの一は、F、OCH、Y(CHCHもしくは(CHNRであり、かつ、他は、Hである;またはRおよびRはHであり、かつ、RおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、n、Y、RおよびRは、請求項1と同様の定義である、請求項2に記載のホスフェート誘導体。
【請求項5】
およびR’は双方ともHであるまたは双方ともNaである、請求項2に記載のホスフェート誘導体。
【請求項6】
およびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はFである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項7】
およびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はFである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項8】
はFであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項9】
、R、RおよびRはすべてHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項10】
はOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はFであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項11】
およびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−であり;ならびにR’、R’、R’およびR’はすべてHであり、かつR’はOCHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項12】
はCHN(Cであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はFであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項13】
はCHN(Cであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項14】
はOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はCHN(Cであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、請求項5に記載のホスフェート誘導体。
【請求項15】
式Ibを有する、請求項1に記載のホスフェート誘導体。
【請求項16】
、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、RおよびRの一は、FもしくはOCHであり、かつ他はHである;またはRおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、nは請求項1と同様の定義である、請求項15に記載のホスフェート誘導体。
【請求項17】
’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’およびR’の一はFもしくはOCHであり、かつ他はHである、請求項15に記載のホスフェート誘導体。
【請求項18】
およびR’はベンジルである、請求項15に記載のホスフェート誘導体。
【請求項19】
’、R’、R’、RおよびRはすべてHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−である、請求項18に記載のホスフェート誘導体。
【請求項20】
活性成分としての、治療上有効な量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の2−アリール−4−キノロンのホスフェート誘導体またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【請求項21】
該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌または白血病癌である、請求項20の薬剤組成物。
【請求項22】
該固形癌細胞は、ヒトの乳癌または結腸癌である、請求項21の薬剤組成物。
【請求項23】
下記式IIbまたはIIc:
【化4】

ただし、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、または(CHNRであり、この際、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、n及びYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【化5】

またはRおよびRは一緒に、−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義である。
を有する2−セレノフェン−4−キノロンの化合物。
【請求項24】
、R、R、およびRはすべてHである;またはR、R、RおよびRの一は、FもしくはOCHであり、かつ他はHである;またはRおよびRはHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CHO−であり、この際、nは、請求項19と同様の定義である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
’、R’およびR’はすべてHである;またはR’、R’およびR’の一はFもしくはOCHであり、かつ他はHである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式IIbを有する、請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
’、R’、R’、RおよびRはすべてHであり、かつRおよびRは一緒に−O(CH)O−である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
活性成分としての、治療上有効な量の請求項23〜27のいずれか1項に記載の2−セレノフェン−4−キノロンの化合物またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【請求項29】
該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌または白血病癌である、請求項28に記載の薬剤組成物。
【請求項30】
下記式IIa:
【化6】

ただし、R’、R’、R’、R’およびR’は、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【化7】

ただし、nは、0〜4の整数であり、Yは、OまたはSであり、Xは、F、Cl,またはBrであり、ならびにRおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHYH、(CHN(C2n+1)(C2m+1)または(CHCHであり、この際、n及びYは、上記と同様の定義であり、ならびにmは、0〜4の整数であり;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、(CHCH、(CHYH、Y(CHCH、Y(CHYH、Y(CHNR、X、(CHNR
【化8】

またはRおよびRは一緒に−Y(CHY−であり、この際、n、Y、X、RおよびRは、上記と同様の定義であり;
ここで、R、R、RおよびRの一は(CHNRである、またはR’、R’、R’、R’およびR’の一は(CHNRである、この際、qは、1〜4の整数であり、ならびにRおよびRは、上記と同様の定義である、
を有する2−フェニル−4−キノロンの化合物。
【請求項31】
は、(CHNRであり、かつR、RおよびRはHであり、この際、q、RおよびRは請求項30の定義と同様である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
’は(CHNRであり、かつR’、R’、R’およびR’はHであり、この際、q、RおよびRは請求項30の定義と同様である、請求項30に記載の化合物。
【請求項33】
はCHN(Cであり、R’はFであり、ならびにR’、R’、R’およびR’はHである、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
はCHN(Cであり、R’、R’、R’、R’およびR’はすべてHである、請求項31に記載の化合物。
【請求項35】
はOCHであり、かつR、RおよびRはHであり;ならびにR’はCHN(Cであり、かつR’、R’、R’およびR’はHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項36】
活性成分としての、治療上有効な量の請求項30〜35のいずれか1項に記載の2−フェニル−4−キノロンの化合物またはこの製薬上許容できる塩を、該活性成分のための製薬上許容できる担体または希釈剤と混合してなる、固形癌細胞を殺すための薬剤組成物であって、該固形癌細胞は、ヒトの乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、胃癌、前立腺癌、回盲癌(ileocecal carcinoma)、グリア芽腫、骨肉腫、鼻咽頭の扁平上皮癌、肝臓癌または白血病癌(leukemia cancer)である、薬剤組成物。
【請求項37】
該固形癌細胞は白血病癌である、請求項36に記載の薬剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32357(P2013−32357A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173103(P2012−173103)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2009−540310(P2009−540310)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(504292314)チャイナ メディカル ユニヴァーシティ (3)
【氏名又は名称原語表記】China Medical University
【住所又は居所原語表記】No.91,Syueshih Road,China Medical University,Taichung,Taiwan
【Fターム(参考)】