説明

2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体の調製方法

【課題】N−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体の新規な調製方法の提供。
【解決手段】式(II)の中間体及び式(III)の中間体を用いた式(I)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体またはこの塩の調製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬化合物として有用であるN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体の、ハロゲノベンゾイル誘導体から出発してN−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体を生成し、次にこれを2−ピリジル酢酸エステル誘導体とカップリングする新規な調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願WO2004/016088は、2−ハロゲノピリジン誘導体から出発して2−エチルアミノピリジン誘導体を生成し、次いでこれらの2−エチルアミノピリジン誘導体をハロゲノベンゾイル誘導体とカップリングするN−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体の調製法を開示している。
【0003】
この特許出願に開示されている方法は、この方法のステップの1つが、2−エチルアミノピリジン誘導体を生成させるために2−メチルシアノピリジンを還元することからなるという欠点を与えている。かかるステップは、困難であり、その収率は工業規模では受け入れられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/016088号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
われわれは今やこれらの問題を克服し、工業規模の操業に適するN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体を調製する代替方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、一般式(I)
【0007】
【化1】

のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体またはこれの塩の調製方法に関するものであり、
式中、
・pは、1、2、3または4に相当する整数であり;
・Xは、同じか異なり、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノシクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルバモイル、ジ−C〜C−アルキルカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)オキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)−C〜C−アルコキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C〜C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、(C〜C−アルコキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルケニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルキニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニルまたはフェニルアミノであり;
・Rは、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはC〜C−アルコキシカルボニルであり;
・Rは、水素原子またはシクロプロピル基であり;
・Aは、フェニル基または同じであっても異なってもよい1個、2個もしくは3個のヘテロ原子を有する5員、6員もしくは7員の非縮合複素環(この複素環は、炭素原子によって結合している)を表し、この基のそれぞれは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルケニル、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニルまたはC〜C−アルキルスルホンアミドであるように選択された1個または複数の置換基により場合によって置換されており;
これの2−ピリジンのN−オキシドに関しては、
前記方法は:
(A)・反応スキーム1による第1ステップ:
【0008】
【化2】

(式中:・AおよびRは、上で定義したものであり;
・Halは、ハロゲン原子を表し;
ハロゲノベンゾイル誘導体とRNH水溶液とのRNH水溶液/ハロゲノベンゾイル誘導体モル比が1〜10におけるカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。);
(B)・反応スキーム2による第2ステップ:
【0009】
【化3】

(式中、R、RおよびAは、上で定義したものであり;
ステップ1で得られたカルボキサミド誘導体とアルデヒド基との、アルデヒド基/カルボキサミド誘導体モル比が1〜10における、極性溶媒中、20℃から還流温度でのN−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。);
(C)・反応スキーム3による第3ステップ:
【0010】
【化4】

(式中:・R、RおよびAは、上で定義したものであり;
・Acは、アセチル基を表し;
ステップ2で得られたN−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体と無水酢酸(AcO)または塩化アセチル(AcCl)との、AcOまたはAcCl/N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体モル比が1〜10における、有機溶媒中、無機または有機塩基の存在下でのN−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。);
(D)・反応スキーム4による第4ステップ:
【0011】
【化5】

(式中:・X、R、R、PおよびAは、上で定義したものであり;
・Acは、アセチル基を表し;
・Rは、水素原子またはCOAlkを表し;
・Alkは、C〜C−アルキル基を表し;
ステップ3で得られたN−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体と酢酸2−ピリジル誘導体との、N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体/酢酸2−ピリジル誘導体モル比が1〜5における、有機溶媒中、塩基の存在下での2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。);
(E)・ステップ4で得られた2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体の式(I)の化合物への脱カルボキシル化を含む第5ステップ
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的に対しては、
・ハロゲン原子は、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子またはフッ素原子であり得、好ましくは、ハロゲン原子は、塩素原子を意味し;
・カルボキシは、−C(=O)OHを意味し;
・カルボニルは、−C(=O)−を意味し;
・カルバモイルは、−C(C=)NHを意味し;
・N−ヒドロキシカルバモイルは、−C(C=)NHOHを意味し;
・アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基ならびにこれらの用語を包む部分は線状または分枝状であり得、
・「触媒量」で使用される化合物とは、化合物が、それぞれの試薬または中間体化合物の0.01〜0.2モル当量、好ましくは、0.01〜0.1モル当量の量で使用されることを意味する。
【0013】
本発明による一般式(I)の化合物を調製する間は、2−メチルシアノピリジン誘導体を2−エチルアミノピリジン誘導体に還元する必要はなく、それによって本発明による方法によって得られる生成物の収量が増大する。上記方法は、したがって、工業規模で使用することができる。
【0014】
本発明によれば、2−ピリジル部分は、(X)により任意の位置で置換されていてよく、ここで、Xおよびpは、上で定義されているものである。好ましくは、本発明は、一般式(I)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体の調製法に関するものであり、ここでさまざまな特徴は以下であるように、単独または組み合わせて選択することができる:
・pに関して、pは、1、2または3である。好ましくは、pは2である。
・Xに関して、Xは、他とは独立に、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであるものとして選択される。より好ましくは、Xは、他とは独立に、塩素またはCFであるものとして選択され;
・Xにより置換される2−ピリジル部分の位置に関して、この2−ピリジル部分は、3位および/または5位でXにより置換される。好ましくは、この2−ピリジル部分は、3位および5位でXにより置換される。
【0015】
本発明によれば、式(I)の化合物の「エチルアミド」部分は、RおよびRにより置換されており、RおよびRは、上で定義されているものである。好ましくは、本発明は、一般式(I)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体に関するものであり、ここでさまざまな特徴が以下の単独または組合せのものとして選択することができる:
・Rに関して、Rは、水素原子、メチル基、CF、CHF、CClFまたはCClである。より好ましくは、Rは、水素原子であり;
・Rに関して、Rは、水素原子である。
【0016】
本発明によれば、Aは、5員環の非縮合複素環を表し得る。Aが5員複素環である本発明の方法により調製される化合物の具体例としては、以下の一般式(I)の化合物が挙げられる。
Aが、一般式(A−1)
【0017】
【化6】

の複素環を表し、
式中、
・RおよびRは、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0018】
Aが、一般式(A−2)
【0019】
【化7】

の複素環を表し、
式中、
・Rは、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・RおよびRは、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0020】
Aが、一般式(A−3)
【0021】
【化8】

の複素環を表し、
式中、
・Rは、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R10は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0022】
Aが、一般式(A−4)
【0023】
【化9】

の複素環を表し、
式中、
・R11およびR12は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルキルスルホニル、ハロゲン原子またはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルあるいはハロゲン原子またはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているピリジルであり得;
・R13は、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルあるいは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであることができる。
【0024】
Aが、一般式(A−5)
【0025】
【化10】

の複素環を表し、
式中、
・R14およびR15は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R16は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0026】
Aが、一般式(A−6)
【0027】
【化11】

の複素環を表し、
式中、
・R17は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R18およびR20は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R19は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、C〜C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルスルホニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているベンゾイルであることができる。
【0028】
Aが、一般式(A−7)
【0029】
【化12】

の複素環を表し、
式中、
・R21は、水素原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルスルホニル、ジ(C〜C−アルキル)アミノスルホニル、C〜C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルスルホニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているベンゾイルであり得;
・R22、R23およびR25は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはC〜C−アルキルカルボニルであることができる。
【0030】
Aが、一般式(A−8)
【0031】
【化13】

の複素環を表し、
式中、
・R25は、水素原子またはC〜C−アルキルであり得;
・R26は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0032】
Aが、一般式(A−9)
【0033】
【化14】

の複素環を表し、
式中、
・R27は、水素原子またはC〜C−アルキルであり得;
・R28は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0034】
Aが、一般式(A−10)
【0035】
【化15】

の複素環を表し、
式中、
・R29は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであり得;
・R30は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0036】
Aが、一般式(A−11)
【0037】
【化16】

の複素環を表し、
式中、
・R31は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C〜C−アルキルアミノ、ジ(C〜C−アルキル)アミノ、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R32は、水素原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0038】
Aが、一般式(A−12)
【0039】
【化17】

の複素環を表し、
式中、
・R33は、水素原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基またはアミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
・R34は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたはC〜C−アルキルチオであり得;
・R35は、水素原子、フェニル、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであることができる。
【0040】
Aが、一般式(A−13)
【0041】
【化18】

の複素環を表し、
式中、
・R36は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニルまたはアミノカルボニルC〜C−アルキルであり得;
・R37は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシまたはC〜C−アルキルチオであり得;
・R38は、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルまたはハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシアルキルもしくはニトロ基により場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0042】
Aが、一般式(A−14)
【0043】
【化19】

の複素環を表し、
式中、
・R39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニルまたはアミノカルボニル−C〜C−アルキルであり得;
・R40は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R41は、水素原子、フェニル、ベンジル、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルキルチオ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ−C〜C−アルキルであることができる。
【0044】
Aが、一般式(A−15)
【0045】
【化20】

の複素環を表し、
式中、
・R42は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R43は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0046】
Aが、一般式(A−16)
【0047】
【化21】

の複素環を表し、
式中、R44およびR45は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されている複素環であることができる。
【0048】
Aが、一般式(A−17)
【0049】
【化22】

の複素環を表し、
式中、
・R46は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R47は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0050】
Aが、一般式(A−18)
【0051】
【化23】

の複素環を表し、
式中、R48は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0052】
Aが、一般式(A−19)
【0053】
【化24】

の複素環を表し、
式中、
・R49は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R50は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルであることができる。
【0054】
Aが、一般式(A−20)
【0055】
【化25】

の複素環を表し、
式中、R51は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0056】
本発明によれば、Aは、また、6員環の非縮合複素環を表す。本発明の方法により調製されるAが6員複素環である化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0057】
Aが、一般式(A−21)
【0058】
【化26】

の複素環を表し、
式中、
・R52は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
・R53、R54およびR55は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニルまたはC〜C−アルキルスルホニルであることができる。
【0059】
Aが、一般式(A−22)
【0060】
【化27】

の複素環を表し、
式中、
・R56は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルケニルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、ハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルオキシ、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているフェニルチオであり得;
・R57、R58およびR59は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニルまたはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているN−モルホリン、またはハロゲン原子もしくはC〜C−アルキルにより場合によって置換されているチエニルであることができる。
【0061】
Aが、一般式(A−23)
【0062】
【化28】

の複素環を表し、
式中、R60、R61、R62およびR63は、同じか異なるものであってよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルフィニルまたはC〜C−アルキルスルホニルであることができる。
【0063】
Aが、一般式(A−24)
【0064】
【化29】

の複素環を表し、
式中、
・R64は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R65は、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、1〜3個のハロゲン原子により場合によって置換されているベンジル、1〜3個のハロゲン原子により場合によって置換されているベンジルオキシカルボニルまたは複素環であることができる。
【0065】
Aが、一般式(A−25)
【0066】
【化30】

の複素環を表し、
式中、
・R66は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルチオまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシであり得;
・R67は、ハロゲン原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはベンジルであることができる。
【0067】
Aが、一般式(A−26)
【0068】
【化31】

の複素環を表し、
式中、
・Xは、硫黄原子、−SO−、−SO−または−CH−であり得;
・R68は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであり得;
・R69およびR70は、同じか異なるものであってよく、水素原子またはC〜C−アルキルであることができる。
【0069】
Aが、一般式(A−27)
【0070】
【化32】

の複素環を表し、
式中、
・R71は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0071】
Aが、一般式(A−28)
【0072】
【化33】

の複素環を表し、
式中、
・R72は、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0073】
Aが、一般式(A−29)
【0074】
【化34】

の複素環を表し、
式中、
・R73は、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであることができる。
【0075】
本発明によれば、Aは、また、場合によって置換されているフェニル基を表すことができる。好ましくは、本発明は、Aがフェニル基である一般式(I)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体の調製法に関するものであり、ここでさまざまな特徴は、以下であるように、単独または組み合わせて選択することができる:
・Aは、1個または2個の置換基により置換される。より好ましくは、Aは、1個の置換基により置換される。
・各置換基は、他とは独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C−アルキルまたは1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルであるように選択される。より好ましくは、各置換基は、他とは独立に、塩素またはCFであるように選択される。
・フェニル部分は、オルト位で置換される。
【0076】
本発明の方法は、
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド;または
・N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド
の調製に対して特に適している。
【0077】
本発明による方法の第1ステップ(ステップA)は、RNH水溶液/ハロゲノベンゾイル誘導体モル比が1〜10において、カルボキサミド誘導体を提供するハロゲノベンゾイル誘導体とRNH水溶液との反応を含む。好ましくは、RNH水溶液/ハロゲノベンゾイル誘導体モル比は、1〜5である。
【0078】
ステップAは、溶媒の使用を必ずしも必要としないが、好ましくは、ステップAは、溶媒の存在下で行われる。より好ましくは、この溶媒は、水と有機溶媒の混合物であるように選択される。適当な有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)またはトルエンが挙げられる。
【0079】
ステップAは、特定の温度条件を必ずしも必要としないが、好ましくは、ステップAは、0℃から還流までの温度で行われる。より好ましくは、ステップAは、20℃から還流するまでの温度で行われる。さらにより好ましくはステップAは、60℃から還流までの温度で行われる。
【0080】
本発明による方法の第2ステップ(ステップB)は、ステップAで得られたカルボキサミド誘導体とアルデヒド基との、アルデヒド基/カルボキサミド誘導体モル比が1〜10における、極性溶媒中、20℃から還流温度での、N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。好ましくは、ステップBは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・アシル基/カルボキサミド誘導体モル比は、1から5である。
・極性溶媒は、水またはアルコールであるように選択される。
・反応は、還流温度で行われる。
【0081】
ステップBは、必ずしも塩基の存在下では行われないが、好ましくは、ステップBは、触媒量の無機塩基の存在下で行われる。より好ましくは、この無機塩基は、KCO、NaCOまたはKOHであるように選択される。
【0082】
本発明による方法の第3ステップ(ステップC)は、ステップ2で得られたN−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体とAcOまたはAcClとの、AcOまたはAcCl/N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体モル比が1〜10における、有機溶媒中、無機または有機塩基の存在下での、N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。好ましくは、ステップCは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・AcOまたはAcCl/N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体モル比が1〜5、より好ましくは1。
・この反応は、AcOと行われる。
・無機塩基は、NaCO、LiCO、KCO、LiOAc、NaOAcまたはKOAcであるように選択される。より好ましくは、無機塩基は、NaCOまたはNaOAcであるように選択される。
・有機塩基は、NEtまたはN,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)であるように選択される。より好ましくは、有機塩基は、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)であるように選択される。
・AcOまたはAcClは、化学量論的量で導入される。
・塩基は、化学量論的量または触媒量で導入される。より好ましくは、塩基は、触媒量で導入される。
【0083】
ステップCは、特定の温度条件を必要としないが、好ましくは、ステップCは、0℃から50℃の温度で、より好ましくは、5℃から35℃の温度で、さらにより好ましくは、室温で行われる。
【0084】
本発明による方法の第4ステップ(ステップD)は、ステップCで得られたN−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体と酢酸2−ピリジル誘導体との、N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体/酢酸2−ピリジル誘導体モル比が1〜5における、有機溶媒中、塩基の存在下での、2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体を提供する反応を含む。好ましくは、ステップDは、単独または組合せで選択される以下の条件で行うことができる:
・N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体/酢酸2−ピリジル誘導体モル比は1である。
・塩基は、アルカリ土類金属塩基、アルカリ金属水素化物塩基、水酸化物塩基、アミド塩基、アルコラート塩基、酢酸塩塩基、炭酸塩塩基、重炭酸塩塩基または第三級アミン塩基であるように選択される。より好ましくは、塩基は、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムt−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)またはジアザビシクロウンデセン(DBU)を含む炭化水素ベースであるように選択される。さらにより好ましくは、塩基は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミンまたはカリウムt−ブタノラートであるように選択される。
・有機溶媒は、脂肪族溶媒、脂環式溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒または尿素溶媒であるように選択される。より好ましくは、有機溶媒は、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アニソール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2,2−イミダゾリノンもしくはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)であるように選択される。さらにより好ましくは、有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)であるように選択される。
【0085】
ステップDは、特定の温度条件を必ずしも必要としないが、好ましくは、ステップDは、0℃から80℃の温度で、より好ましくは、5℃から50℃の温度で行われる。
【0086】
本発明による方法の第5ステップ(ステップE)は、ステップDで得られた2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体の上で定義した一般式(I)の化合物への脱カルボキシル化を含む。該脱カルボキシル化反応は、既知の方法により行うことができる。該脱カルボキシル化反応は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるA.P.Synthesis,1982,805,893に記載されているKrapcho反応により実施することができる。
【0087】
本発明による一般式(I)の化合物は、上で説明した方法により調製することができる。とは言え、本人の一般的知識および入手できる出版物に基づいて、熟練者であれば化合物のそれぞれの仕様に従ってこの方法を合成に望ましいものに修正することができる。
【0088】
一般式(I)の化合物の調製のために使用される中間体のいくつかは、新規である。それ故、本発明は、また、一般式(I)の化合物の調製のために有用な新規な中間体化合物にも関する。かくして、本発明によれば、一般式(II)
【0089】
【化35】

(式中、
・R、RおよびAは、上で定義したものであり;
・Acは、アセチル基を表す。)
の化合物が提供される。
【0090】
本発明によれば、一般式(III)
【0091】
【化36】

(式中、
・X、R、R、R、pおよびAは上で定義したものであり;
・Alkは、C〜C−アルキル基を表す。)
の化合物も提供される。
【実施例】
【0092】
本発明をここで以下の実施例を参照して説明する。
【0093】
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
ステップ1:2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、2−トリフルオロメチル安息香酸クロリド(5.6g、26.9mmol)およびテトラヒドロフラン(20ml)を仕込んだ。15分間の間にアンモニア20%の水溶液(20ml、107.6mmol)を20℃で加えた。この反応混合物を2時間撹拌した。水相を次にジクロロメタンで4回(4×50ml)抽出し、有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
4.43gの白色固体が得られた(単離収率=87%)。
NMR H(CDCl,300MHz):5.6〜6.2(br,2H,NH);7.5〜7.8(m,4H,ハロ)
【0094】
ステップ2:N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
磁性バー、温度計および還流冷却器を備えた2つ口丸底フラスコに、2−トリフルオロメチルベンズアミド(5.59g、29.6mmol)、水(35ml)、KCO(0.118g、0.855mmol)およびホルムアルデヒド(3.82g、127.3mmol)を仕込んだ。この反応混合物を100℃で15分間加熱した。水相をAcOEtで4回(4×200ml)室温で抽出し、有機相を混合し、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
5.8gの白色固体が得られた(単離収率=90%)。
NMR H(CDCl,300MHz):3.7(t,1H);4.9(t,2H,CH);6.8(s,1H);7.5〜7.7(m,4H,ハロ)。
質量スペクトル:[M+1]=220。
【0095】
ステップ3:N−アセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
1)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(3g、13.7mmol)、CHCl(20ml)およびNEt(1.93ml、13.7mmol)を仕込んだ。この溶液を5℃まで冷却し、AcO(1.93ml、13.7mmol)をゆっくりと加えた。この反応混合物を5℃で2時間と20℃で1時間撹拌した。この反応混合物を水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
3.5gの白色固体が得られた(単離収率=80%)。
NMR H(CDCl,300MHz):2.1(s,3H,CH);5.4(d,2H,CH);7.0(s,1H);7.5〜7.7(m,4H,ハロ)。
【0096】
2)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、MeCN(30ml)およびKCO(5.53g、40mmol)を仕込んだ。この溶液を5℃まで冷却し、AcO(2.35ml、23mmol)をゆっくりと加えた。この反応混合物を5℃で6時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、残渣を少量のMeCNで洗浄し、濾液を真空下で乾燥するまで濃縮した。
5gの白色固体が得られた。
純度(HPLC):89.9%で、86%の単離収率を与えた。
マススペクトル:[M+1]=262、基準ピーク=[M+1−AcOH]。
【0097】
3)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、MeCN(30ml)およびKCO(2.76g、20mmol)、およびNEt(0.2g、2mmol)を仕込んだ。この溶液を5℃まで冷却し、AcO(2.35ml、23mmol)をゆっくりと加えた。この反応混合物を5℃で2時間と室温で3時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、残渣を少量のMeCNで洗浄し、濾液を真空下で乾燥するまで濃縮した。
5.38gの白色固体が得られた。2mmolのNEt×AcOHのために0.32gを差し引かなければならず5.06gを与えた。
純度(HPLC):93.3%で、90%の単離収率を与えた。
【0098】
4)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、MeCN(30ml)およびKCO(2.76g、20mmol)、およびDABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)(0.224g、2mmol)を仕込んだ。この溶液を5℃まで冷却し、AcO(2.35ml、23mmol)をゆっくりと加えた。この反応混合物を5℃で2時間と室温で3時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、残渣を少量のMeCNで洗浄し、濾液を真空下で乾燥するまで濃縮した。
5.57gの白色固体が得られた。2mmolのDABCO×2AcOHのために0.46gを差し引かなければならず5.11gを与えた。
純度(HPLC):92.8%で、91%の単離収率を与えた。
【0099】
5)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaCO(2.12g、20mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
5.8gの無色の油状物が得られた。純度(HPLC):53.75%(DMACが34.6%)で、60%の単離収率を与えた。
【0100】
6)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびLiCO(1.478g、20mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6.2gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):56%(DMACが18.9%)で、66.5%の単離収率を与えた。
【0101】
7)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaCO(1.06g、10mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
5.45gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):85.45%(DMACが10.7%)で、89%の単離収率を与えた。
【0102】
8)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaCO(0.53g、5mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6.2gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):81.5%(DMACが15%)で、97%の単離収率を与えた。
【0103】
9)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaCO(0.265g、2.5mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6.6gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):63%(DMACが30.8%)で、80%の単離収率を与えた。
【0104】
10)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびKCO(0.691g、5mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6.55gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):63%(DMACが30.6%)で、79%の単離収率を与えた。
【0105】
11)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaOAc(1.641g、20mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):84.9%(DMACが8%)で、97.5%の単離収率を与えた。
【0106】
12)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、N−ヒドロキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(4.38g、20mmol)、DMAC(30ml)およびNaOAc(0.41g、5mmol)を仕込んだ。AcO(2.35ml、23mmol)を室温でゆっくりと加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いでこの反応混合物を濾過し、残渣を少量のDMACで洗浄した。濾液に水を加えた。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で濃縮し、濾液を真空下で濃縮した。
6.1gの無色の油状物が得られた。
純度(HPLC):85.3%(DMACが6.7%)で、99.6%の単離収率を与えた。
精製した生成物は、58〜59℃の融点を示した。
【0107】
ステップ4:3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルエチル(ジエチルエステル)2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸エチルエステルの調製
1)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、2,3−ジクロロ5−トリフルオロメチルピリジル(2.67g、12.4mmol)、NMP(20ml)およびNaOH(1.19g、31mmol)を仕込んだ。マロン酸ジエチル(2.39g、14.8mmol)を20℃でゆっくりと加えた。この反応混合物を20時間撹拌した。この反応混合物をCHClで希釈し水で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
3.57gの白色固体が得られた(単離収率=85%)。
マススペクトル:[M+1]=339。
【0108】
2)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、2,3−ジクロロ5−トリフルオロメチルピリジン(5.4g、25mmol)、DMAC(20ml)およびNaOH(2.4g、40mmol)を仕込んだ。マロン酸ジエチル(4.8g、30mmol)を20℃でゆっくりと加えた。温度を70℃に上げ、この反応混合物を70℃で3時間撹拌した。次いでこの反応混合物を室温まで冷却し、200mlの水と混合した。この反応混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
9.66gの有機油状物が得られた。
純度(GC):78.7%(16.3%DMAC)で、約89%の単離収率を与えた。
マススペクトル:[M+1]=340(35Cl)。
沸点=87〜90℃/0.06〜0.07ミリバール。
融点:45.5〜47%(シクロヘキサン)。
NMR H(CDCl,400MHz):1.30(t,6H,2CH);4.31(m,4H,2CH);5.25(s,1H,CH);7.96(d,1H,ハロ);8.76(d,1H,ハロ)。
【0109】
3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルエチル(ジエチルエステル)2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
1)
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、NaH(60%油状物、0.06g、1.47mmol)およびTHF(10ml)を仕込んだ。3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸エチルエステル(0.321g、1.23mmol)およびNアセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(0.418g、1.23mmol)のTHF中の溶液を20℃でゆっくりと加えた。この反応混合物を1時間撹拌した。水をゆっくりと加え、水相をCHClで抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
0.78gの白色固体が得られた(単離収率=88%)。
NMR H(CDCl,300MHz):1.3(t,6H,2CH);4.3(m,4H,2CH);4.6(d,2H,CH);6.9(t,1H,CH);7.4〜7.6(m,4H,ハロ);8.0(s,1H,ハロ);8.6(s,1H,ハロ)。質量スペクトル:[M+1]=541。
【0110】
2)
磁性バーおよび温度計を備えた丸底フラスコに、NaOH(0.24g、6mmol)、DMAC(10ml)、3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸エチルエステル(1.67g、5mmol)およびN−アセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(1.31g、5mmol)を仕込んだ。この反応混合物を90℃まで加熱し、この温度で3時間撹拌した。次いでこの混合物を室温まで冷却した。水をゆっくりと加え、水相をCHClで抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
2.74gが得られた。
純度(HPLC):94.3%で、95.5%の単離収率を与えた。
融点:76〜80℃。
【0111】
3)
磁性バーおよび温度計を備えた丸底フラスコに、NaOH(0.04g、1mmol)、DMAC(10ml)、3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸エチルエステル(1.67g、5mmol)およびN−アセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(1.31g、5mmol)を仕込んだ。この反応混合物を70℃まで加熱し、この温度で5時間撹拌した。次いでこの混合物を室温まで冷却した。水をゆっくりと加え、水相をCHClで抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
2.88gが得られた。
純度(HPLC):82.2%で、87.5%の単離収率を与えた。
【0112】
4)
磁性バーおよび温度計を備えた丸底フラスコに、NaOAc(0.41g、5mmol)、DMAC(10ml)、3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸エチルエステル(1.67g、5mmol)およびN−アセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(1.31g、5mmol)を仕込んだ。この反応混合物を70℃まで加熱し、この温度で5時間撹拌した。次いでこの混合物を室温まで冷却した。水をゆっくりと加え、水相をCHClで抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
2.76gが得られた。
純度(HPLC):86.9%で、88.7%の単離収率を与えた。
【0113】
ステップ4:3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルエチル(ジエチルエステル)2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸メチルエステルの調製
磁性バー、温度計および滴下ロートを備えた2つ口丸底フラスコに、DMAC(200ml)およびNaOH(12g、300mmol)を仕込んだ。次いで、マロン酸ジメチル(20.4g、150mmol)を65〜70℃の温度で加えた。その後、2,3−ジクロロ5−トリフルオロメチルピリジン(27g、125mmol)を同じ温度でゆっくりと加えた。温度を90℃まで上げ、この反応混合物を90℃で1時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、250mlの水と混合した。この混合物をCHClで抽出し、有機相を水で洗浄した。この有機相をMgSO上で乾燥し、真空下で濃縮した。
39.2gの有機油状物が得られた。
純度(GC):88.65%(5.8%DMAC)で、約89%の単離収率を与えた。
マススペクトル(GC/MS):311(M35Cl);276(M−Cl、基準ピーク)
NMR H(CDCl,400MHz):3.83(s,6H,2CH);5.30(s,1H,CH);7.97(1H,ハロ);8.76(d,1H,ハロ)。
沸点:91〜94℃/0.18ミリバール
融点:49.5〜50.5℃(シクロヘキサン)。
【0114】
3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルエチル(ジメチルエステル)2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
磁性バーおよび温度計を備えた丸底フラスコに、NaOH(0.24g、6mmol)、DMAC(10ml)、3−クロロ5−トリフルオロメチル2−ピリジルマロン酸メチルエステル(1.56g、5mmol)およびN−アセトキシメチル2−トリフルオロメチルベンズアミド(1.31g、5mmol)を仕込んだ。この反応混合物を90℃まで加熱し、この温度で2時間撹拌した。次いでこの混合物を室温まで冷却した。水をゆっくりと加え、水相をCHClで抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
2.5gが得られた。
純度(HPLC):84.1%で、82%の単離収率を与えた。
マススペクトル:[M+1]=513(35Cl)
マススペクトル(GC/MS)=512(M35Cl)、173(基準ピーク)。
【0115】
ステップ5:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミドの調製
磁性バー、温度計および還流冷却器を備えた2つ口丸底フラスコに、3−クロロ−5−トリフルオロメチル2−ピリジルエチル(ジエチルエステル)2−トリフルオロメチルベンズアミド(0.610g、1.13mmol)、KCl(0.028g、0.37mmol)、32%HCl水溶液(0.17ml、1.5mmol)およびNMP(15ml)を仕込んだ。この反応混合物を180℃で24時間加熱した。20℃で水を加え、水相をCHClで3回抽出した。有機相を一緒にし、MgSO上で乾燥し、真空下で乾燥するまで濃縮した。
0.5gの黄色固体が得られた(単離収率=66%)。
マススペクトル:[M+1]=396。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体またはこれの塩の調製方法であり、
式中、
・pは、1、2、3または4に等しい整数であり;
・Xは、同じか異なっており、および水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C〜C−アルキル基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルケニルオキシ、C〜C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキニルオキシ、C〜C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノシクロアルキル、C〜C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニル、C〜C−アルキルカルバモイル、ジ−C〜C−アルキルカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)オキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルバモイル、(N−C〜C−アルキル)−C〜C−アルコキシカルバモイル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C〜C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニル、(C〜C−アルコキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルケニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(C〜C−アルキニルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C〜C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニルまたはフェニルアミノであり;
・Rは、水素原子、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルまたはC〜C−アルコキシカルボニルであり;
・Rは、水素原子またはシクロプロピル基であり;および
・Aは、フェニル基または同じであっても異なってもよい1個、2個もしくは3個のヘテロ原子を有する5員、6員もしくは7員の非縮合複素環(複素環は、炭素原子によって結合している)を表し、この基のそれぞれは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C〜C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルケニル、C〜C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルファニル、C〜C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C〜C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C〜C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C〜C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC〜C−ハロゲノアルキルスルホニルまたはC〜C−アルキルスルホンアミドであるように選択された1個以上の置換基により場合によって置換されており;
さらには、2−ピリジンのN−オキシド、
前記方法は:
(A)・反応スキーム1による第1ステップ:
【化2】

(ここで・AおよびRは、上で定義したとおりであり;
・Halは、ハロゲン原子を表し;
NH水溶液/ハロゲノベンゾイル誘導体モル比が1ないし10におけるハロゲノベンゾイル誘導体とRNH水溶液との反応を含み、カルボキサミド誘導体を提供する。);
(B)・反応スキーム2による第2ステップ:
【化3】

(ここで、R、RおよびAは、上で定義したとおりであり;
極性溶媒中、20℃から還流温度で、アルデヒド基/カルボキサミド誘導体モル比が1ないし10における、ステップ1で得られたカルボキサミド誘導体とアルデヒド基との反応を含み、N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する。);
(C)・反応スキーム3による第3ステップ:
【化4】

(ここで・R、RおよびAは、上で定義したとおりであり;および
・Acは、アセチル基を表し;
有機溶媒中、無機または有機塩基の存在下で、AcOまたはAcCl/N−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体モル比が1ないし10における、ステップ2で得られたN−ヒドロキシメチルカルボキサミド誘導体と無水酢酸(AcO)または塩化アセチル(AcCl)との反応を含み、N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体を提供する。);
(D)・反応スキーム4による第4ステップ:
【化5】

(ここで・X、R、R、PおよびAは、上で定義したとおりであり;
・Acは、アセチル基を表し;
・Rは、水素原子またはCOAlkを表し;および
・Alkは、C〜C−アルキル基を表し;
有機溶媒中、塩基の存在下で、N−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体/酢酸2−ピリジル誘導体モル比が1ないし5における、ステップ3で得られたN−アセトキシメチルカルボキサミド誘導体と酢酸2−ピリジル誘導体との反応を含み、2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体を提供する。);
(E)・ステップ4で得られた2−ピリジルエチルカルボキサミド誘導体の一般式(I)の化合物への脱カルボキシル化を含む第5ステップ
を含む、調製方法。
【請求項2】
pが2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、他とは独立に塩素またはCFであるように選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
2−ピリジル部分が、3位および/または5位においてXにより置換されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
が、水素原子、メチル基、CF、CHF、CClFまたはCClであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
が水素原子であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
Aがフェニル基であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
Aが、1個または2個の置換基により置換されていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Aの各置換基が、互いに独立して塩素またはCFであるように選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
Aがオルト位において置換されていることを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
式(I)の化合物が、
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
・N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド;または
・N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド
であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップAが水および有機溶媒の混合物の存在下で行われることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ステップAが、0℃ないし還流温度で行われることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ステップBが、触媒量の無機塩基の存在下で行われることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ステップCが、0℃から50℃までの温度で行われることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
ステップCにおいて、触媒量の塩基が導入されることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
ステップDが、0℃から80℃までの温度で行われることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
一般式(II)
【化6】

(式中、
・R、RおよびAは、請求項1、5、6および7から10のいずれかにおいて定義されているとおりであり;および
・Acは、請求項1で定義されているとおりである。)
の化合物。
【請求項19】
一般式(III)
【化7】

(式中、
・X、R、R、pおよびAは、請求項1、2、3、5、6および7から10のいずれかにおいて定義されているとおりであり;
は、請求項1において定義されているとおりであり;および
・Alkは、C〜C−アルキル基を表す。)
の化合物。

【公開番号】特開2011−236216(P2011−236216A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−131476(P2011−131476)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【分割の表示】特願2007−547473(P2007−547473)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】