説明

2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール1,1,3,3−テトラオキシド誘導体、その製造方法並びにそれを用いたモノフルオロメチル基含有化合物類の製造方法

【課題】医農薬の合成中間体として有用なモフルオロメチル基導入剤として2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール1,1,3,3−テトラオキシド誘導体、その製造方法並びにそれを用いたモノフルオロメチル基含有化合物類の製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)


(式中、R、R、R並びにRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を示す)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール1,1,3,3−テトラオキシド誘導体、この製造方法及びこれをモノフルオロメチル化剤として用いた各種モノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体、その製造方法並びにそれを用いたモノフルオロメチル基含有化合物類の製造方法に関する。モノフルオロメチル基含有化合物は医農薬の合成中間体として用いられる有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
本発明の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体は知られていない。
【0003】
モノフルオロメチル基導入のための従来技術としては、1−フルオロ−1,1−ビス(フェニルスルホニル)メタン及びそれを用いた、アリル位にアセトキシ基を有する化合物のアセトキシ基をモノフルオロメチル基に変換する方法が知られている(特許文献1)。また、同剤を用いた芳香族シラン化合物類のシリル基をモノフルオロメチル基へ変換する方法及びアセチレン化合物への付加反応が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−230961号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Jinbo Hu, et.al., J. Org. Chem., 2008, 73, 5699-5713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の特許文献1及び非特許文献1に記載の1−フルオロ−1,1−ビス(フェニルスルホニル)メタンはモノフルオロメチル基に変換されるフルオロメチレン基の含量が低く、また適用可能な反応がアリル位にアセトキシ基を有する化合物のアセトキシ基をモノフルオロメチル基に変換する反応、芳香族シラン化合物類のシリル基をモノフルオロメチル基へ変換する方法並びにアセチレン化合物への付加反応に限られるのみであり、アニオン種を用いる代表的な反応であるケトンやアルデヒド類等のカルボニル基含有化合物へのアルドール付加反応は適用不可であった。さらに付加物より脱スルホン化しモノフルオロメチル基へ誘導する際、反応方法によっては分解物が多量に発生し、高収率でモノフルオロメチル化体を得ることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、モノフルオロメチル基に変換されるフルオロメチレン基の含量が高い新規な2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を見出し、また該化合物が、高収率で容易に製造可能であることを見出した。さらに得られた2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体はアニオン種を用いる代表的な反応であるのアルドール付加反応が実施可能であることを見出した。加えて、付加物からモノフルオロメチル基への誘導が副生物の発生がなく高収率で実施可能であることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
[1] 下記一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、R、R、R並びにRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を示す)
で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体。
【0011】
[2] 前記一般式(1)において、R、R、R並びにRが全て水素原子であることを特徴とする2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド。
【0012】
[3] 下記一般式(2)
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を親電子フッ素化剤でフッ素化することを特徴とする項1または項2に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0015】
[4] 項1または項2に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からなるからなるモノフルオロメチル基導入剤。
【0016】
[5] 下記一般式(3)
【0017】
【化3】

【0018】
(式中Rは水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはベンジル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐若しくは環式のアルキル基、フェニル基、アセトキシ基、メトキシ基、エトキシ基または炭素数3〜10の直鎖、分岐若しくは環式のアルキルオキシ基を示す)
で表されるアセテート類と項1、項2または項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、金属触媒存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(4)
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0021】
[6] 項5においてR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基であることを特徴とする2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0022】
[7] 項6に記載の一般式(3)で表されるアセテート類と項1、項2または項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、金属触媒存在下反応させ、前記一般式(4)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を得た後、還元することを特徴とする下記一般式(5)
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、R、R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【0025】
[8] 項6に記載のR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基である2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(6)
【0026】
【化6】

【0027】
(式中、R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【0028】
[9] 前記一般式(3)で表されるアセテート類と項1、項2または項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、光学活性配位子及び金属触媒存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(7)
【0029】
【化7】

【0030】
(*は不斉炭素を示し、R、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0031】
[10] 項9においてR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基であることを特徴とする光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0032】
[11] 項9に記載の一般式(7)で表される光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造の後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(8)
【0033】
【化8】

【0034】
(式中、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性モノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【0035】
[12] 項10に記載のR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基である光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(9)
【0036】
【化9】

【0037】
(*、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性モノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【0038】
[13] 下記一般(10)
【0039】
【化10】

【0040】
(式中R並びにRは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基またはフェニルエチレン基を示し、RとRが同時に水素原子であることはない)
で表されるカルボニル基含有化合物と項1、項2または項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、塩基存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(11)
【0041】
【化11】

【0042】
(式中、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0043】
[14] 項12において、R、R、R、R並びにRが水素原子であることを特徴とする2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【0044】
[15] 項12に記載の2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造の後、還元することを特徴とする下記一般式(11)
【0045】
【化12】

【0046】
(式中R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【0047】
[16] 項13に記載のR、R、R、R、並びにRが水素原子である2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、還元することを特徴とする下記一般式(12)
【0048】
【化13】

【0049】
(式中Rは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0050】
本発明により、従来より知られているモノフルオロメチル化剤よりもより適用可能な反応が幅広く、またモノフルオロメチル基に変換されるフルオロメチレン基の含量が高く、さらに不斉反応にも適用可能で、より工業的なモノフルオロメチル化剤を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0052】
炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基とは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。
【0053】
炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルオキシ基とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などを挙げることができる。
【0054】
置換基を有してもよいフェニル基とは、無置換又はベンゼン環上の任意の水素が1〜5置換されたフェニル基であり、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基または炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキルオキシ基を挙げることができる。
【0055】
ハロゲン原子とは、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。
【0056】
炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基とは、例えば、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、3−メチルブチル基、4−メチルペンチル基、5−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、7−メチルオクチル基、8−メチルノニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などを挙げることができる。
【0057】
炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキルオキシ基とは、例えばn−プロポキシ基、iso−プロプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3−メチルブトキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、7−メチルオクチルオキシ基、8−メチルノニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルメトキシ基を挙げることができる。
【0058】
本発明の、前記一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体としては、具体的には例えば、2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−メチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−メチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−エチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−エチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−n−プロピルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−n−プロピルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−iso−プロピルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−iso−プロピルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−n−ブチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−n−ブチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−tert−ブチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−tert−ブチルベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−メトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−メトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−エトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−エトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−n−プロポキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−n−プロポキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−iso−プロポキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−iso−プロポキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−n−ブトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−n−ブトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−tert−ブトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−tert−ブトキシベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−フルオロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−フルオロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−クロロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−クロロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−ブロモベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−ブロモベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−ニトロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−ニトロベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(1−シアノベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド、2−フルオロ−1,3−(2−シアノベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド等があげられる。
【0059】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体は、該当する1,3−(4−シアノベンゾ)ジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を有機溶媒中、親電子フッ素化剤でフッ素化すること等により製造可能である。
【0060】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造に適用可能な親電子フッ素化剤としては、具体的には例えば、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボーレート)、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム テトラフルオロボーレート、N−フルオロピリジニウム テトラフルオロボーレート、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウム テトラフルオロボーレート、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート、N−フルオロピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート、1,1´−ジフルオロ−2,2´−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボーレート)、N−フルオロ−4,6−ジメチルピリジニウム−2−スルホネート、N−フルオロ−4−メチルピリジニウム−2−スルホネート、N−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジニウム−2−スルホネート、N−フルオロ−3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジニウム−2−スルホネート、N−フルオロ−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジニウム−2−スルホネート等があげられ、反応に具する1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、0.6〜2.0モル量使用可能である。
【0061】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造に適用可能な溶剤としては、反応に不活性なものであればあらゆるものが使用可能であるが、具体的には例えば、ジクロロメタン、クルロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類があげられ、単独または混合して用いても良い。溶剤の使用量としては、反応に具する1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、10〜1000重量倍量使用可能である。
【0062】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造に際して、塩基を用い1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の塩を調製した後、前記親電子フッ素化剤と反応させても良く、適用可能な塩基としては、具体的には例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等があげられ、反応に具する1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、0.8〜2モル量使用する。塩基を使用し塩を調製する際の反応温度は−20〜50℃の温度範囲で0.5〜8時間反応で反応は完結する。
【0063】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造の反応温度及び時間は、反応に具する基質、使用する親電子フッ素化剤の種類、塩基の使用の有無、使用溶剤の種類により異なるが、通常−20〜80℃の温度範囲でかつ使用溶剤の沸点以下の温度で、1〜24時間反応させることにより目的物の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を得ることができる。
【0064】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体は、求核的反応でモノフルオロメチル基前駆体の導入剤として用いられる。適用可能な反応としては従来の剤で可能であったアリルアセテート類より誘導されるπ−アリル錯体への付加反応が可能の他に従来の剤では不可能であったカルボニル含有化合物へのアルドール付加反応が可能である。
【0065】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテートとの反応は、反応に不活性な溶剤中、金属触媒存在下実施可能である。
【0066】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体をモノフルオロメチル基前駆体の導入剤として用いることが可能なアリルアセテート類としては、特に規定はないが具体的には例えば、1−アセトキシ−2−プロペン、1−アセトキシ−2−ブテン、1−アセトキシ−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−オクテン、1−アセトキシ−2−ノネン、1−アセトキシ−2−デセン、1−アセトキシ−3−シクロヘキシル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン、1−アセトキシ−2−メチル−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−メチル−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−メチル−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−メチル−2−オクテン、1−アセトキシ−2−メチル−2−ノネン、1−アセトキシ−2−メチル−2−デセン、1−アセトキシ−2−エチル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−2−ブテン、1−アセトキシ−2−エチル−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−エチル−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−エチル−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−エチル−2−オクテン、1−アセトキシ−2−エチル−2−ノネン、1−アセトキシ−2−エチル−2−デセン、1−アセトキシ−3−シクロヘキシル−2−エチル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−ブテン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−オクテン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−ノネン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−2−デセン、1−アセトキシ−3−シクロヘキシル−2−n−プロピル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−ブテン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−オクテン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−ノネン、1−アセトキシ−2−iso−プロピル−2−デセン、1−アセトキシ−3−シクロヘキシル−2−iso−プロピル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−ブテン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−ペンテン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−ヘキセン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−ヘプテン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−オクテン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−ノネン、1−アセトキシ−2−フェニルメチル−2−デセン、1−アセトキシ−3−シクロヘキシル−2−フェニルメチル−2−プロペン、1−アセトキシ−3−フェニル−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−フェニル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−メチル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−フェニル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−エチル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−フェニル−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1−アセトキシ−
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1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−2−ノネン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−2−デセン、1,1−ジアセトキシ−3−シクロヘキシル−2−iso−プロピル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−プロペン、

1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−ブテン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−ペンテン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−ヘキセン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−ヘプテン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−オクテン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−ノネン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−2−デセン、1,1−ジアセトキシ−3−シクロヘキシル−2−フェニルメチル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−エチル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プ

ロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−n−プロピル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−iso−プロピル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−フェニル−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−クロロフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−ブロモフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−エチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−iso−プロピルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(2−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(3−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−ペンチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−ヘキシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−ヘプチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−オクチルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−ノニルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−フェニルメチル−3−(4−n−デシルフェニル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(1−ナフチル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−3−(2−ナフチル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(1−ナフチル)−2−プロペン、1,1−ジアセトキシ−2−メチル−3−(2−ナフチル)−2−プロペン等があげられる。
【0067】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテート類との反応において、一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体は、反応に具するアリルアセテート類に対して、0.8〜1.5モル量使用する。
【0068】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテート類との反応に使用可能な金属触媒としては、π−アリル錯体が形成可能な金属触媒で、具体的に例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、1,2−フェニルスルフィニル)エタンパラジウム(II)ジアセテート、アリルパラジウム(II)クロリド(ダイマー)、ベンジルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジム(II)ジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジム(0)等があげられ、反応に具するアリルアセテート類に対して0.001〜0.5モル量使用する。
【0069】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテート類との反応に適用可能な塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等があげられ、反応に具する一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、0.9〜1.5モル量使用する。
【0070】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテート類との反応に適用可能な溶剤としては、反応の不活性なものであればあらゆるものが使用可能であるが、具体的には例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があげられ、反応に具する一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、5〜100重量倍量使用する。
【0071】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とアリルアセテート類との反応温度及び時間は、使用する一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の種類、アリルアセテート類の種類、触媒の種類及び用いる溶剤の種類により異なるが、通常0〜80℃の温度範囲で1〜48時間反応させることにより反応は完結する。
【0072】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とジアリルアセテート類との反応は不斉反応も可能で、その際、光学活性配位子を使用する。適用可能なキラル配位子としては、特に規定はないが具体的には例えば、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(以下(R)−(+)−BINAPと略す)、(R)−(+)−2−ジフェニルホスフィノ−2´−メトキシ−1,1´−ビナフチル、(R)−(+)−2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル等あげられ、使用する金属触媒に対して0.9〜1.5モル量使用し、得られる生成物の立体は(S)体を与える。光学活性配位子として鏡像体である、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル,(S)−(−)−2−ジフェニルホスフィノ−2´−メトキシ−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル等を用いた場合は、生成物の立体は(R)体を与える。
【0073】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体がモノフルオロメチル基前駆体の導入剤として用いことが可能なカルボニル基含有化合物としては、特に規定はないが例えば、アセトアルデヒド、n−プロピオアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−フルオロベンズアルデヒド、3−フルオロベンズアルデヒド、4−フルオロベンズアルデヒド、2−クロロベンズアルデヒド、3−クロロベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、2−ブロモベンズアルデヒド、3−ブロモベンズアルデヒド、4−ブロモベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、2−エチルベンズアルデヒド、3−エチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、2−n−プロピルベンズアルデヒド、3−n−プロピルベンズアルデヒド、4−n−プロピルベンズアルデヒド、2−iso−プロピルベンズアルデヒド、3−iso−プロピルベンズアルデヒド、4−iso−プロピルベンズアルデヒド、2−n−ブチルベンズアルデヒド、3−n−ブチルベンズアルデヒド、4−n−ブチルベンズアルデヒド、2−tert−ブチルベンズアルデヒド、3−tert−ブチルベンズアルデヒド、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−n−ペンチルベンズアルデヒド、3−n−ペンチルベンズアルデヒド、4−n−ペンチルベンズアルデヒド、4−n−ヘキシルベンズアルデヒド、4−n−ヘプチルベンズアルデヒド、4−n−オクチルベンズアルデヒド、4−n−ノニルベンズアルデヒド、4−n−デシルベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、3−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、2−エトキシベンズアルデヒド、3−エトキシベンズアルデヒド、4−エトキシベンズアルデヒド、2−n−プロポキシベンズアルデヒド、3−n−プロポキシベンズアルデヒド、4−n−プロポキシベンズアルデヒド、2−iso−プロポキシベンズアルデヒド、3−iso−プロポキシベンズアルデヒド、4−iso−プロポキシベンズアルデヒド、2−n−ブトキシベンズアルデヒド、3−n−ブトキシベンズアルデヒド、4−n−ブトキシベンズアルデヒド、2−tert−ブトキシベンズアルデヒド、3−tert−ブトキシベンズアルデヒド、4−tert−ブトキシベンズアルデヒド、2−n−ペントキシベンズアルデヒド、3−n−ペントキシベンズアルデヒド、4−n−ペントキシベンズアルデヒド、4−n−ヘキシルオキシベンズアルデヒド、4−n−ヘプチルオキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシベンズアルデヒド、4−n−ノニルオキシベンズアルデヒド、4−n−デシルオキシベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、4−メチルシンナムアルデヒド、4−エチルシンナムアルデヒド、4−n−プロピルシンナムアルデヒド、4−iso−プロピルシンナムアルデヒド、4−n−ブチルシンナムアルデヒド、4−tert−ブチルシンナムアルデヒド、4−n−ペンチルシンナムアルデヒド、4−n−ヘキシルシンナムアルデヒド、4−n−ヘプチルシンナムアルデヒド、4−n−オクチルシンナムアルデヒド、4−n−ノニルシンナムアルデヒド、4−n−デシルシンナムアルデヒド、4−メトキシシンナムアルデヒド、4−エトキシシンナムアルデヒド、4−n−プロポキシシンナムアルデヒド、4−iso−プロポキシシンナムアルデヒド、4−n−ブトキシシンナムアルデヒド、4−tert−ブトキシシンナムアルデヒド、4−n−ペンチルオキシシンナムアルデヒド、4−n−ヘキシルオキシシンナムアルデヒド、4−n−ヘプチルオキシシンナムアルデヒド、4−n−オクチルオキシシンナムアルデヒド、4−n−ノニルオキシシンナムアルデヒド、4−n−デシルオキシシンナムアルデヒド、2−フルオロシンナムアルデヒド、3−フルオロシンナムアルデヒド、5−フルオロシンナムアルデヒド、2−クロロシンナムアルデヒド、3−クロロシンナムアルデヒド、5−クロロシンナムアルデヒド、2−ブロモシンナムアルデヒド、3−ブロモシンナムアルデヒド、5−ブロモシンナムアルデヒド、アセトン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オン、ヘキサン−2−オン、ヘプタン−2−オン、オクタン−2−オン、ノナン−2−オン、デカン−2−オン、アセトフェノン、2−フルオロアセトフェノン、3−フルオロアセトフェノン、4−フルオロアセトフェノン、2−クロロアセトフェノン、3−クロロアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、2−ブロモアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−ブロモアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、4−エチルアセトフェノン、4−n−プロピルアセトフェノン、4−iso−プロピルアセトフェノン、4−n−ブチルアセトフェノン、4−tert−ブチルアセトフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、4−n−デシルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、4−エトキシアセトフェノン、4−n−プロポキシアセトフェノン、4−iso−プロポキシアセトフェノン、4−n−ブトキシアセトフェノン、4−tert−ブトキシアセトフェノン、4−n−ペンチルオキシアセトフェノン、4−n−ヘキシルオキシアセトフェノン、4−n−ヘプチルオキシアセトフェノン、4−n−オクチルオキシアセトフェノン、4−n−ノニルオキシアセトフェノン、4−n−デシルオキシアセトフェノン、(1−ナフト)フェノン、(2−ナフト)フェノン、ベンゾフェノン等があげられる。
【0074】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とカルボニル基含有化合物との反応において、一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体はカルボニル基含有化合物に対して0.8〜2.0モル量使用する。
【0075】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とカルボニル基含有化合物の反応により一般式(6)で表される付加体を得る反応は、反応に不活性な有機溶媒中、塩基存在下実施することが可能である。
【0076】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とカルボニル基含有化合物の反応により一般式(6)で表される付加体を得る反応に適用可能な塩基としては、特に規定はないが具体的には、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等があげられ、反応に具する一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、0.9〜1.5モル量使用する。また、逆反応を阻害する目的でトリメチルシリルクロライドを0.9〜1.5モル量添加して実施しても良い。
【0077】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とカルボニル基含有化合物の反応により一般式(6)で表される付加体を得る反応に適用可能な溶剤としては、反応に不活性なものであれば特に規定はないが例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があげられ、反応に具する一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、5〜100重量倍量使用する。
【0078】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体とカルボニル基含有化合物の反応により一般式(6)で表される付加体を得る反応温度及び時間は、反応に具する基質の種類、溶剤の種類及び用いる塩基の種類により異なるが、0〜80℃の温度範囲で1〜48時間で反応が完結する。
【0079】
本発明の一般式(4)、一般式(7)及び一般式(11)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からモノフルオロメチル基含有化合物への誘導は、還元反応を行うことにより脱スルホン化が可能である。
【0080】
本発明の一般式(4)、一般式(7)及び一般式(11)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からモノフルオロメチル基含有化合物へ誘導において、適用可能な還元方法としては、パラジウム金属触媒等を用いる接触水素化、リチウム、ナトリウム、カリウム並びにマグネシウム等の金属による還元、水素化ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、ヨウ化サマリウム(II)等の還元剤による還元があげられる。パラジウム金属触媒等による接触水素化は、反応に具する基質に対して。パラジウム金属触媒等を0.001〜0.5モル使用し、常圧または加圧下、過剰の水素を用い実施する。金属よる還元及び還元剤による還元を行う場合は、金属または還元剤を反応に具する2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して、1〜20モル量使用する。
【0081】
本発明の一般式(4)、一般式(7)及び一般式(11)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からモノフルオロメチル基含有化合物へ誘導の還元反応において使用可能な溶剤は、反応に不活性なものであれば特に規定はないが、用いるパラジウム金属触媒等、金属または還元剤の種類に異なる例えば、パラジウム金属触媒等を使用する際は、酢酸、メタノール等、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、水素化ナトリウム並びに水素化アルミニウムリチウム等を使用する際はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ヨウ化サマリウム(II)等を使用する際はメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤があげられる。溶剤の使用量としては、反応に具する2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して5〜200重量倍量使用する。
【0082】
本発明の一般式(4)、一般式(7)及び一般式(11)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からモノフルオロメチル基含有化合物へ誘導の還元反応の反応温度及び時間は、用いる還元方法の違いにより異なるが、通常−80〜80℃の温度範囲で0.1〜24時間反応することにより目的物を得ることが可能である。
【0083】
本発明の一般式(4)、一般式(7)及び一般式(11)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からモノフルオロメチル基含有化合物へ誘導において、エステル基を含有する化合物の加水分解を行う場合は、還元反応の前後のどちらで実施しても問題ないが、生成物の安定性の面で、加水分解の後、還元反応を行うことが好ましい。エステル基の加水分解は、メタノール等アルコール系溶剤中、大過剰の塩酸または硫酸を用い、50〜100℃の温度範囲で10〜48時間反応を行っても良いし、またアルコール−水系溶剤を用い、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物で加水分解しても良い。アルカリ金属水酸化物を用いる場合はアルカリ金属水酸化物を反応に具する2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して1.2〜3.0モル量使用し、−10〜60℃の温度範囲で0.5〜8時間反応を行うことにより目的物を得ることができる。加水分解に使用する溶剤は、反応に具する2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体に対して5〜100重量倍量使用する。
【0084】
本発明の一般式(1)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)、一般式(7)、一般式(8)、一般式(9)、一般式(11)、一般式(12)並びに一般式(13)で表される化合物は、反応終了後、通常の後処理操作で単離可能で、高純度品を得る目的でシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精製しても良い。
【実施例】
【0085】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0086】
参考例1
1,2−ベンゼンジチオールの調製
【0087】
【化14】

【0088】
攪拌子を備えた500mlのナス型フラスコにN,N,N,N−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン(30ml,0.2mol)、n−ブチルリチウム(1.6M,250ml,2.2mol)を秤りとり、アルゴンを充填した。これにヘキサン91mlを加え0℃に氷冷し、チオフェノール(18.7ml,0.182mol)を加えて氷冷下で1時間攪拌した後、室温に昇温し、さらに12時間攪拌した。再び−20℃に冷却して、これによく砕いた硫黄粉末(5.84g,0.182mol)を加え2時間攪拌し、その後室温に昇温して12時間攪拌した。反応終了後、反応液に冷却した3N−塩酸をpHが約2になるまで加えた後、ヘキサン層は分取し、水層はジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層はまとめて減圧下で溶剤を留去し、目的生成物を得た(16.783g,収率65%)。
H−NMR(200MHz;CDCl):δ3.71(2H,s,SH*2),7.02−7.07(2H,m,Ar),7.32−7.36(2H,m,Ar)
b.p.:68−72 ℃(180Pa)
【0089】
参考例2
1,3−ベンゾジチオールの調製
【0090】
【化15】

【0091】
攪拌子を備えた500mlのナス型フラスコに、参考例1で調製したジチオ−ル(14.3g,101mmol)、炭酸カリウム(20.8g,151mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(200ml)を加え、室温下溶解させた後、ブロモクロロメタン(9.8ml,151mmol)をゆっくりと滴下した。次いで加熱し110℃で3時間撹拌を行った。反応終了後、水を加え、水層をジエチルエーテル、塩化メチレンで抽出し、減圧下で濃縮し目的物を得た12.5g,収率81%)。
H−NMR(200MHz;CDCl):δ4.47(2H,s,CH),6.97−7.03(2H,m,Ar),7.16−7.24(2H,m,Ar)
b.p.:97.5−98.5 ℃(290Pa)
【0092】
参考例3
1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシオキシドの調製
【0093】
【化16】

【0094】
攪拌子を備えた500mlのナス型フラスコに参考例2で調製した1,3−ベンゾジチオール(12.5 g,81.0mmol)、酢酸130mlおよび35%−過酸化水素水溶液を58ml加え、室温下で2時間攪拌した後50℃に昇温し、同温度で一晩反応させた。反応終了後、0 ℃に冷却し、析出した沈殿をろ取、水洗することにより目的物を白色固体として得た(13.8g,収率86%)。
H−NMR(200MHz;CDCl):δ4.70(2H,s,CH),7.90−8.03(4H,m,Ar)
【0095】
実施例1
2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
【0096】
【化17】

【0097】
攪拌子を備えた50mlのナス型フラスコに、水素化ナトリウム NaH(60% oil dispersion,81.6mg,2.04mmol)およびテトラヒドルフラン7.5mlを入れ0 ℃に冷却した後に、参考例3で得られた1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシオキシド(445mg,2.04mmol)を加え、次いで室温で30分攪拌し1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシオキシドのナトリウム塩懸濁液を得た。
【0098】
別に用意した攪拌子を備えた50mlのナス型フラスコにN−フルオロ-N'−(クロロメチル)トリエチレンジアミン ビス(テトラフルオロボラート)(Selectfluor、723mg,2.04mmol)及びアセトニトリル(8ml)を仕込み、0℃に冷却し、次いでこれに先に調製した1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシオキシドのナトリウム塩懸濁液を滴下した後、室温で3時間反応を行った。反応終了後、水を添加、水素を塩化メチレンで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮、次いでカラムクロマトグラフィー(へキサン:塩化メチレン=2:8)で精製し、白色個体を得た(191mg,収率40%)。
H−NMR(200MHz;CDCl):δ5.91(1H,d,J=51.6Hz,CH),7.96−8.08(4H,m,Ar)
19F−NMR(188MHz;CDCl):δ−165.3 (d,J =51.3Hz)
MS:235(235.96)negative
【0099】
実施例2
2−フルオロ−2−[1−アセトキシ−3−(2−ナフチル)−2−プロペニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
【0100】
【化18】

【0101】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコにJ.Am.Chem.Soc.,2001,123(16),3671−3686に記載の方法で調製した3,3−ジアセトキシ−1−(2−ナフチル)−1−プロペン(242mg,0.85mol)、アリルパラジウム(II)クロリド(ダイマー)([Pd(C)Cl]2,23.4mg,0.064mmol)およびジクロロメタン(0.85ml)を仕込み、室温で5分間攪拌した後、これに実施例1で調製した環状モノフルオロメチル化剤(222mg,0.94mmol)及び炭酸カリウム(345mg,2.56mmol)を加え、室温下で20時間反応を行った。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え,水層をジクロロメタンで抽出、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し目的物の2−フルオロ−2−[1−アセトキシ−3−(2−ナフチル)−2−プロペニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(239mg,0.52mmol,収率61%)を得た。
H−NMR(CDCl,200MHz)δ:2.24(s.,3H),6.36(dd,J=8.4,15.8Hz,1H),6.74(dd,J=8.6,25Hz,1H),7.27(d,J=15.6Hz,1H),7.45−7.85(m,7H),7.92−8.08(m,4H)
19F−NMR(CDCl,188MHz)δ:−160.28(d,J=25.2Hz,1F)
【0102】
実施例3〜6
実施例2と同じ反応装置を用い、3,3−ジアセトキシ−1−(2−ナフチル)−1−プロペンを同じ方法で調製した表1中に示した化合物に替えた以外、実施例2と同じ反応操作を行い、目的物の2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を得た。結果を表1中に示した。
【0103】
【表1−1】

【0104】
【表1−2】

【0105】
実施例7
2−フルオロ−2−(フェニルヒドロキシメチル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
【0106】
【化19】

【0107】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコに、環状モノフルオロメチル化試薬(23.6mg,0100mmol)、塩化メチレン (0.3ml)、ベンズアルデヒド(12μl,0.119mmol)、トリメチルシリルクロリド(12.6μl,0.100mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO,22.4mg,0.200mmol)を加え、室温に24時間反応を行った。反応後、6N HClを加え、30分撹拌した後、塩化メチレンで抽出、有機層は合わせて硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物の2−(フェニルヒドロキシメチル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(27.1mg,0.079mmol,収率80%)を得た。
白色固体
H−NMR(200MHz,CDCl):δ=6.11(d,J=25.2Hz,1H),7.25−7.50(m,3H),7.64−7.67(m,2H),7.90−8.00(m,3H),8.07−8.11(m,1H)
19F−NMR(188MHz,CDCl):δ=164.0(d,J=25.2Hz,1F)
【0108】
実施例8
2−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−3−フェニル−2−プロペニル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
実施例2と同じ装置を用い、ベンズアルデヒドをシンナムアルデヒドに替えた以外、実施例2と同じ操作を行い目的物の2−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−3−フェニル−2−プロペニル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(21.9mg,0.059mmol,収率60%)。
白色固体
H−NMR(200MHz,CDCl)δ=2.78(br.,1H),5.71(dd,J=7.9,23.9Hz,1H),6.37(dd,J =7.5,15.7Hz,1H),7.03(d,J=16.0Hz,1H),7.30−7.50(m,5H),7.91−8.10(m,4H)
19F−NMR(188MHz,CDCl)δ=−164.7(d,J =23.3Hz,1F)
【0109】
実施例9
(E)−1−フルオロ−4−フェニル−3−ブテン−2−オールの調製
【0110】
【化20】

【0111】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコに、窒素置換した後、実施例8で得られた2−フルオロ−2−(フェニルヒドロキシメチル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(41.2mg,0.11mmol)に凍結脱気をしたメタノ−ル(2.0ml)を加え、−60℃に冷却した後、ヨウ化サマリウム(II)/テトラヒドロフラン(0.1M,6.7ml)を滴下し、−40℃に昇温しながら1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液と次亜硫酸ナトリウムを加え、不溶物をろ過した後、酢酸エチルで水層を抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。エバポレーターにより、溶媒の留去を行った、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)によって精製を行い、3(14.8mg,収率81%)を得た。
分子量: 166.19
H NMR(CDCl,200MHz)δ:2.51(brs.,1H),4.35(ddd,J=47.6, 9.6,7.2 Hz,1H),4.46(ddd,J=47.0,9.4,3.4Hz,1H),4.47−4.70(brm.,1H),6.15(dd,J=16.0,6.0 Hz,1H),6.74(d,J=16.2Hz,1H)
13C NMR(CDCl,150.9MHz)δ:71.8(d,J=20.2Hz),86.4(d,J=173.5Hz),125.7(d,J=8.1Hz),126.9,128.4,129.0,133.4,136.4
19F NMR(CDCl,188MHz)δ:−224.4(dt,J=47.0,16.0Hz)
IR(KBr):3334,2988,2946,2919,2848,1495,1450,1324,1135,1079,1017,971,885,755,695
MS(ESI,m/z)=167.0(M+H
【0112】
比較例1
実施例7と同じ反応装置を用い、2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドを1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに替えた以外、実施例1と同じ反応操作を行ったが、反応が進行せず目的物の2−フルオロ−2−(フェニルヒドロキシメチル)−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドは得られなかった。
【0113】
実施例10
2−フルオロ−2−[(1S)−1−アセトキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
【0114】
【化21】

【0115】
攪拌子を備えた10mlのフラスコに3,3−ジアセチル−1−フェニル−1−プロピレン2(200mg,0.85mmol)に[Pd(C)Cl](23.4mg,0.064mmol)、(R)−BINAP(79.8mg,0.13mmol)、CHCl(0.85ml)を加え、室温にて5分間攪拌した後、1b(222mg,0.94mmol)、炭酸カリウム(354mg,2.56mmol)を加えて、20時間攪拌した。この後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し目的物の2−フルオロ−2−[(1S)−1−アセトキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドを270mg(77%,91%ee)得た。
分子量:410.44
=0.18(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)
H−NMR(CDCl,200MHz)δ:2.22(s,3H),6.24(dd,J=15.8,8.5Hz,1H),6.69(dd,25,8.5 Hz,1H),7.11(dd,J=15.8Hz,1H),7.31−7.50(m,5H),7.93−8.08(m,4H)
19F−NMR(CDCl,188MHz)δ:−160.35(d,J=25.2Hz,1F)
HPLC AD−H column(n−hexane/i−PrOH=95/5,flow rate 2.0ml/min,λ=254nm,τmin=31.7min,τmaj=34.8)
【0116】
実施例11
2−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドの調製
【0117】
【化22】

【0118】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコに、MeOH(5ml)、実施例10で得られた2−フルオロ−2−[(1S)−1−アセトキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(265mg,0.64mmol)を仕込み、懸濁させ、次いで3N−塩酸を(1.3ml)を加えて、加熱還流させた。24時間後、溶媒を留去した後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、目的物の2−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシドを230.4 mg(98%,91%ee)得た。
分子量:368.40
=0.13(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)
H−NMR(CDCl,200MHz)δ:2.78(br.,1H),5.71(dd,J=23.9,7.9Hz,1H),6.37(dd,15.7,7.5Hz,1H),7.03(d,J=16.0,6.0Hz,1H),7.30−7.50(m,5H),7.91−8.10(m,4H)
19F−NMR(CDCl,188MHz)δ:−164.7(d,23.3Hz)
HPLC AD−H column(n−hexane/i−PrOH=70/30,flow rate 1.0ml/min,λ =254nm,τmin=23.1min,τmaj=19.7)
【0119】
実施例12
(3S)−(E)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−1−ブテンの調製
【0120】
【化23】

【0121】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコに、実施例11で調製した2−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシ−3−フェニル−2−ブテニル]−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド(41.2mg,0.11mmol,91%ee)及びMeOH(2.0ml)を添加し、−40℃に冷却した後、ヨウ化サマリウム(II)/テトラヒドロフラン(0.1M,6.7ml)をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで水層を抽出し、有機層にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、抽出を行った後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。エバポレーターにより、溶媒の留去を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=95:5)によって生成物の精製を行い、目的物の(3S)−(E)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−1−ブテンを15.0mg(81%,90%ee)得た。
分子量:166.19
=0.50(ジクロロメタン:メタノール=95:5)
H−NMR(CDCl,200MHz)δ:2.21(brd.,1H),4.21−4.64(ddd,J=47.8,9.6,7.5Hz,2H),4.59(brm.,1H),6.15(dd,J=16.0,6.0Hz,1H),6.74(16.2Hz)
19F−NMR(CDCl,188MHz)δ:−224.6(dt,47.3,16.0Hz)
MS(ESI,m/z)=166(M−H)
HPLC OJ−H column(n−hexane/i−PrOH=85/15,flow rate0.5ml/min,λ=254nm,τmin=16.5min,τmaj=18.2)
【0122】
参考例4
(3S)−3−アセトキシ−4−フルオロ−1−フェニル−4,4−ビス(フェニルスルホニル)−1−ブテンの調製
【0123】
【化24】

【0124】
攪拌子を備えた10mlのフラスコに3,3−ジアセチル−1−フェニル−1−プロピレン(23.4mg,0.1mmol)、アリルパラジウム(II)クロリド([Pd(C)Cl],1.1mg,0.003mmol)、(R)−(+)−2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(以下MeO−BIPHEPと略す、5.8mg,0.01mmol)、ジメトキシエタン(0.1ml)を加え、室温にて5分間攪拌した後、1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(1)(37.7mg,0.12mmol)、炭酸セシウム(58.6mg,0.18mmol)を加え、同温度で6時間攪拌反応を行った。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=9:1)で精製し目的物の(3S)−3−アセトキシ−4−フルオロ−1−フェニル−4,4−ビス(フェニルスルホニル)−1−ブテンを45.3mg(93%,94%ee)得た。
分子量:488.55
=0.35(ヘキサン:アセトン=7:3)
H−NMR(CDCl,200MHz)δ:1.87(s,3H),6.31(m,3H),7.27−7.75(m,11H),7.98(dd,J=20.8,8.0Hz,4H)
13C−NMR(CDCl,50.3MHz)δ:21.1,72.6(d,J=23.1Hz),112.3(d,J=268.2Hz),119.1,127.4,128.8,128.9,129.0,129.2,131.5(dd,J=20.0,1.2Hz),135.5,136.2,136.4,138.6,168.6
19F−NMR(CDCl,188MHz)δ:−137.3(d,5.3Hz,1F)
IR(KBr)3071,2929,1741,1583,1449,1352,1222,1153,1098,978,757,680,590,537cm−1
MS(ESI,m/z)=527.0(M+K),511.0(M+Na
HPLC AD−H column(n−hexane/i−PrOH=80/20,flow rate 0.3ml/min,λ =254nm,τmin=75.3min, τmaj=45.9)
【0125】
比較例2
【0126】
【化25】

【0127】
攪拌子を備えた5mlの丸底フラスコに、参考例4で調製した(3S)−3−アセトキシ−4−フルオロ−1−フェニル−4,4−ビス(フェニルスルホニル)−1−ブテン(200mg,0.41mmol,94%ee)にMeOH(10ml)を加え、−40℃に冷却した後、ヨウ化サマリウム(II)/テトラヒドフラン(0.1M,41ml)をゆっくり滴下し、6時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで水層を抽出し、有機層にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、抽出を行った後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。エバポレーターにより、溶媒の留去を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって完全な塩の除去を行った。次に、マグネシウムリボン(164mg,6.73mmol)を窒素雰囲気下において、ヒートガンによる活性化を行い、室温で放冷させた後、0 ℃に冷却し、これにMeOH(0.5ml)を加えた後、乾燥しておいた粗生成物のMeOH(2.0ml)溶液を加え、攪拌した。1時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで水層を抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。エバポレーターにより、溶媒の留去を行った後、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=95:5)によって生成物の精製を行い、目的物の(3S)−(E)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−1−ブテンを得たが、単離収率30%と低収率であった(20.4mg,93%ee)。
【0128】
比較例3
参考例4で調製した(3S)−3−アセトキシ−4−フルオロ−1−フェニル−4,4−ビス(フェニルスルホニル)−1−ブテンを実施例11と同じ操作で脱アセチル化反応を行ったが副反応が優先し、目的物の(3S)−3−ヒドロキシ−4−フルオロ−1−フェニル−4,4−ビス(フェニルスルホニル)−1−ブテンは全く得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の一般式(1)で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体はモノフルオロメチル基導入剤として優れている。該化合物を用いることにより誘導されるモノフルオロメチル基含有化合物は医農薬の合成中間体として用いられる有用な化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(式中、R、R、R並びにRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を示す)
で表される2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体。
【請求項2】
前記一般式(1)において、R、R、R並びにRが全て水素原子であることを特徴とする2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド。
【請求項3】
下記一般式(2)
【化2】

(式中、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を親電子フッ素化剤でフッ素化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体からなるからなるモノフルオロメチル基導入剤。
【請求項5】
下記一般式(3)
【化3】

(式中Rは水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはベンジル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐若しくは環式のアルキル基、フェニル基、アセトキシ基、メトキシ基、エトキシ基または炭素数3〜10の直鎖、分岐若しくは環式のアルキルオキシ基を示す)
で表されるアセテート類と請求項1、請求項2または請求項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、金属触媒存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(4)
【化4】

(式中、R、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項6】
請求項5においてR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基であることを特徴とする2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の一般式(3)で表されるアセテート類と請求項1、請求項2または請求項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、金属触媒存在下反応させ、前記一般式(4)で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を得た後、還元することを特徴とする下記一般式(5)
【化5】

(式中、R、R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載のR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基である2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(6)
【化6】


(式中、R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【請求項9】
前記一般式(3)で表されるアセテート類と請求項1、請求項2または請求項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、光学活性配位子及び金属触媒存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(7)
【化7】

(*は不斉炭素を示し、R、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項10】
請求項9においてR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基であることを特徴とする光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の一般式(7)で表される光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造の後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(8)
【化8】

(式中、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性モノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載のR、R、R並びにRが水素原子、Rがアセトキシ基である光学活性2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、加水分解、次いで還元することを特徴とする下記一般式(9)
【化9】

(*、R並びにRは前記に同じ)
で表される光学活性モノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【請求項13】
下記一般(10)
【化10】

(式中R並びにRは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基またはフェニルエチレン基を示し、RとRが同時に水素原子であることはない)
で表されるカルボニル基含有化合物と請求項1、請求項2または請求項4に記載の2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を、塩基存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(11)
【化11】

(式中、R、R、R、R、R並びにRは前記に同じ)
で表される2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項14】
請求項12において、R、R、R、R並びにRが水素原子であることを特徴とする2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体の製造方法。
【請求項15】
請求項12に記載の2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造の後、還元することを特徴とする下記一般式(11)
【化12】

(式中R並びにRは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【請求項16】
請求項13に記載のR、R、R、R、並びにRが水素原子である2−置換−2−フルオロ−1,3−ベンゾジチオール 1,1,3,3−テトラオキシド誘導体を製造した後、還元することを特徴とする下記一般式(12)
【化13】

(式中Rは前記に同じ)
で表されるモノフルオロメチル基含有化合物の製造方法。


【公開番号】特開2010−202539(P2010−202539A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47754(P2009−47754)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【出願人】(591180358)東ソ−・エフテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】