説明

2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの塩、それらの製造法、並びにそれらの除草剤および植物成長調節剤としての使用

本発明は2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの塩、それらの製造法、並びに単独でまたは薬害軽減剤および/または他の除草剤と組合せて除草剤として、特に有用な植物栽培、永年作物または非農耕地の望ましくない有害植物を選択的に防除するための除草剤として、さらに植物成長調節剤としてのそれらの使用、特定の作物栽培において望ましくない有害植物(例えば広葉/イネ科の雑草)に対処するための、またはレディミックスまたはタンクミックスとして同時および/または逐次施用するための作物保護調節剤としてのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの塩、それらの製造法、並びに単独でまたは薬害軽減剤および/または他の除草剤と組合せて除草剤として、特に有用な植物の作物、永年作物または非農耕地の望ましくない有害植物を選択的に防除するための除草剤として、さらに植物成長調節剤としてのそれらの使用、特定の作物植物において望ましくない有害植物(例えば広葉/イネ科の雑草)を防除するための、あるいはレディミックスまたはタンクミックスとして同時および/または連続施用するための作物保護剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
置換されたフェニルスルホニル尿素は除草特性を有することが知られている。これらは例えば単置換または多置換フェニル誘導体である(例えば特許文献1〜10)。特許文献11から、さらにフェニル環で沃素化されたスルホンアミドは除草特性を有することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 4127405
【特許文献2】WO 9209608
【特許文献3】BE 853374
【特許文献4】WO 9213845
【特許文献5】EP 84020
【特許文献6】WO 9406778
【特許文献7】WO 02072560
【特許文献8】US 4169719
【特許文献9】US 4629494
【特許文献10】DE 4038430
【特許文献11】WO 2006/114220
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
驚くべきことに、今般、2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの塩が除草剤および/または植物成長調節剤として特に有利に適していることを見い出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの農薬的に活性な塩を提供する。
【0006】
本発明は好ましくは一般式(I)
【化1】

[式中、カチオン(M+)は
(a) アルカリ金属イオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、あるいは
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム、あるいは
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛または鉄、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、そして窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換される環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) ホスホニウムイオン、あるいは
(f) スルホニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウム、あるいは
(g) オキソニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウム、あるいは
(h) 環系に1〜10個の炭素原子を有し、場合により単縮合または多縮合しており、そして/または(C1−C4)−アルキルにより単置換または多置換される飽和または不飽和/芳香族の含窒素複素環式イオン性化合物である]の化合物を提供する。
【0007】
さらに、好ましくはカチオン(M+)が(a) アルカリ金属イオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、あるいは
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム、あるいは
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛または鉄、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシ−(C1−C2)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C2)−アルコキシ−(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシ、(C1−C2)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、そして窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) 第4ホスホニウムイオン、好ましくはテトラ−((C1−C4)−アルキル)ホスホニウムまたはテトラフェニルホスホニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により単置換または多置換され、あるいは
(f) 第3スルホニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムまたはトリフェニルスルホニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により単置換または多置換され、あるいは
(g) 第3オキソニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により単置換または多置換され、あるいは
(h) 次の複素環式化合物、例えばピリジン、キノリン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、イミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)からなる群からのカチオンである式(I)の化合物である。
【0008】
好ましくは、カチオン(M+)がナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、NH4+イオン、(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、ビス−N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリス−N,N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、2−(2−ヒドロキシエタ−1−オキシ)エタ−1−イルアンモニウムイオン、ジ(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムイオンまたはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、1−フェニルエチルアンモニウムイオン、2−フェニルエチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、モルホリニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウムイオンである式(I)の化合物である。
【0009】
好ましくは、さらにカチオン(M+)がナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンまたはNH4+イオンである式(I)の化合物である。
【0010】
特に好ましくは、カチオン(M+)がナトリウムイオン、カリウムイオンまたはNH4+イオンである式(I)の化合物である。
【0011】
非常に特に好ましくは、カチオン(M+)がナトリウムイオンまたはカリウムイオンである式(I)の化合物である。
【0012】
式(I)および後に続くすべての式において、炭素を含有する基、例えばアルキル、アルコキシはそれぞれ直鎖状または分枝状であり、例えばメチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチルである。
【0013】
シクロアルキルは好ましくは3〜6個の炭素原子を有する炭素環式飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0014】
置換基の性質および結合に応じて、式(I)の化合物は立体異性体として存在することができる。式(I)はそれらの特異的な三次元形状により定義されるすべての可能な立体異性体、例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、Z−およびE−異性体を包含する。
【0015】
例えば1個またはそれ以上のアルケニル基が存在する場合、ジアステレオマー(ZおよびE異性体)が存在しうる。例えば1個またはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、エナンチオマーおよびジアステレオマーが存在しうる。立体異性体は製造から得られる混合物から慣用の分離法を使用して、例えばクロマトグラフィー分離法により得ることができる。光学的に活性な出発物質および/または補助物質を使用して立体選択的反応により選択的に立体異性体を製造することもできる。したがって、本発明はまた、それらの立体異性体を図示しないが一般式(I)により包含されるすべての立体異性体およびそれらの混合物に関する。
【0016】
「アルキル」のような一般用語に包含される基またはそれらの基の範囲の上記例は完全列挙を構成しない。一般用語はまた、下記で挙げられる好ましい化合物群の基の範囲、特に表に記載の例からの特定の基を包含する基の範囲についての定義を包含する。
【0017】
上記で定義された一般のまたは好ましい基は式(I)の最終生成物、それぞれの製造において必要な出発物質または中間体の両方に適用される。これらの基の定義は必要に応じて互いに組合せることができ、すなわち特定の好ましい範囲の中の組合せを含む。
【0018】
本発明はまた、
a) 2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)
【化2】

を式(III)
【化3】

(式中、R*は置換または未置換(C1−C20)−炭化水素基、例えばアリールまたはアルキル、好ましくは場合により置換されるフェニルまたは場合により置換される(C1−C4)−アルキルである)の複素環カルバメートと反応させ、または
【0019】
b) 式(IV)
【化4】

(式中、R**は置換または未置換(C1−C20)−炭化水素基、例えばアリールまたはアルキル、好ましくは場合により置換されるフェニルまたは場合により置換される(C1−C4)−アルキルである)のスルホニルカルバメートを式(V)
【化5】

の2−アミノ−4−メトキシ−6−メチルトリアジンと反応させ、または
【0020】
c) 2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネート(VI)
【化6】

を式(V)のアミノ複素環と反応させ、または
【0021】
d) 2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)を塩基の存在下でイソシアネート(VII)
【化7】

と反応させ、または
【0022】
e) 式(V)のアミノ複素環を最初に炭酸エステル、例えば炭酸ジフェニルと塩基触媒下で反応させ、そして生成した中間体をワンポット反応で2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)と反応させ(変法a)を参照)(JP1989221366を参照)、または
【0023】
f) 式(VIII)
【化8】

(式中、Halはハロゲン原子、好ましくは塩素(VIIIa)またはフッ素(VIIIb)または臭素(VIIIc)である)のハロゲン化2−ヨードベンゼンスルホニルをシアン酸塩、例えば金属シアン酸塩、特にアルカリ金属シアン酸塩、例えばシアン酸ナトリウムと反応させて式(VI)のイソシアネートまたはその溶媒和(安定化)誘導体を得、次に式(V)のアミノ複素環と反応させ、
【0024】
g) 2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)を式(IIIa)
【化9】

(式中、R*は置換または未置換(C1−C20)−炭化水素基、例えばアリールまたはアルキル、好ましくは場合により置換されるフェニルまたは場合により置換される(C1−C4)−アルキルである)の複素環ビスカルバメートと反応させ(WO 96/22284を参照)、
【0025】
h) 2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)を最初に炭酸エステル、例えばジフェニルカルバメートと塩基触媒下で反応させ、そして生成した中間体をワンポット反応で式(V)のアミノ複素環と反応させる(変法b)を参照)ことからなる本発明の塩、特に一般式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
【0026】
変法a)による式(II)および(III)の化合物の反応は好ましくは塩基触媒下、不活性有機溶媒、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、ジオキサンまたはTHF中、0℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは室温で行なわれる。ここで使用される塩基は例えば有機アミン塩基、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、アルカリ金属t−ブトキシド、例えばNaO−t−ブトキシド、またはアルカリ金属水酸化物、例えばNaOH、特にR* = (置換)フェニルの場合(EP−A−44807を参照)、またはトリアルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウム、後者は特にR*=アルキルの場合(EP−A−166516を参照)である。ここで、当該塩基は例えば式(II)の化合物に基づいて1〜3モル当量の範囲で使用される。
【0027】
2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートは新規化合物であり、その製造および式(I)の化合物を製造するための使用と同様に本発明の主題の一部を形成する。
【0028】
2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)は例えば下記のスキーム1〜7に示されるように得ることができる。
【0029】
【化10】

【0030】
商業的に入手できる2−ニトロアニリン(IX)から出発して例えばアミノ基を塩酸の存在下、−10℃〜10の温度でアルカリ金属亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウムによりジアゾ化し、次に得られるジアゾ基を例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたは酢酸のような希釈剤の存在下、さらに例えば塩化銅(I)および/または塩化銅(II)の存在下のような触媒の存在下、−10℃〜50℃の温度で二酸化硫黄により変換して塩化2−ニトロベンゼンスルホニル(IXa)を得ることができる(MeerweinのChem. Ber., 90, 841(1957年)を参照)(スキーム1)。別法として、二酸化硫黄の代りにSO2源としてNa2S2O5(メタ重亜硫酸ナトリウム)を使用することもできる。(IXa)をt−ブチルアミンで処理することにより、N−t−ブチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(X)を得ることができる。スルホンアミドの生成は例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トルエンまたはジメチルホルムアミド(DMF)のような不活性溶媒中、−70℃〜使用される溶媒の沸点、好ましくは25℃で行なわれる。ここで、アミンを使用される塩化スルホニルに基づいて1.5〜2.5当量の量で使用することが好ましい。
【0031】
【化11】

【0032】
(X)のN−t−ブチル2−アミノベンゼンスルホンアミド(XI)への還元は既知方法と同様にして行なわれる(Houben−Weylの“Methoden der Organischen Chemie” [有機化学の方法], 第4版, 第XI/1巻, 第360頁, Thieme Verlag Stuttgart(1957年)を参照)(スキーム2)。
【0033】
【化12】

【0034】
アニリン(XI)をジアゾ化反応において慣用の条件下でジアゾ化し、次にN−t−ブチル2−ヨードベンゼンスルホンアミド(XII)に変換することができる。ジアゾ化は例えば水溶液中で酸H+X-(式中、X-は好ましくはCl-、I-またはHSO4-である)の存在下、適当ならば反応条件下で不活性な有機溶媒を使用して亜硝酸塩により行なわれる。ジアゾ化は例えばNaNO2(亜硝酸ナトリウム)のようなアルカリ金属亜硝酸塩をアニリン(XI)1モルにつき1.0〜1.2モルの亜硝酸塩、好ましくは1.01〜1.05モルの亜硝酸塩の量で使用して行なわれる。適当な酸は鉱酸または強力な有機酸であり;好ましくは塩酸または硫酸である。溶媒は水、または水と反応条件下で不活性な有機溶媒の混合物である。反応温度は一般に−5℃〜50℃、好ましくは10℃〜20℃である。得られるジアゾニウム塩の沃素化合物(XII)への変換は一般に単離することなく、ジアゾ化と同じ水性溶媒、または水性/有機溶媒、または溶媒混合物中で行なわれる。反応の間、ジアゾニウム基は(酸のX-がI-である場合)ジアゾニウム塩のアニオンにより、または(X-がI-ではない場合)沃化物、例えばアルカリ金属沃化物、好ましくは 沃化ナトリウムまたは沃化カリウムを加えた反応により沃素原子と交換される。ここで、沃化物の量は例えば最初に使用されるアニリン(XI)1モルにつき1.1〜1.5モルの沃化物である。ここで、反応温度は一般に10℃〜40℃、好ましくは15℃〜30℃(例えばDE 19625831およびBioorg. Med. Chem., 12, 2079(2004年)を参照)(スキーム3)。
【0035】
【化13】

【0036】
2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)を得るための(XII)のt−ブチル保護基の除去は例えば強酸で処理することにより行なわれる(WO 89/10921を参照)。適当な強酸は例えばH2SO4またはHClのような鉱酸、あるいはトリフルオロ酢酸のような強力な有機酸である。反応は例えば−20℃〜それぞれの反応混合物の還流温度、好ましくは0℃〜40℃で行なわれる。反応はニートで、あるいは不活性溶媒、例えばジクロロメタンまたはトリクロロメタン中で行なうことができる(スキーム4)。
【0037】
【化14】

【0038】
N−t−ブチル2−ヨードベンゼンスルホンアミド(XII)はN−t−ブチルベンゼンスルホンアミド(XIV)を金属化することにより得ることもでき、それは商業的に入手できる塩化ベンゼンスルホニル(XIII)をt−ブチルアミン(スキーム1を参照)と、有機金属化合物、例えばヘキサン中のアルキル−またはアリールリチウム、好ましくはn−またはsec−ブチルリチウムと、適当ならば(他の)不活性希釈剤、例えばテトラヒドロフランの存在下、不活性ガスの雰囲気下、例えばアルゴンまたは窒素下、−70℃〜20℃の温度で反応させ−すなわち(XIV)のSO2NH−t−ブチル基のオルト位にある水素原子が金属原子と交換される−、次に同じ反応溶媒中、沃素と−100℃〜40℃の温度、好ましくは−70℃〜20℃で反応させ、それにより金属原子を沃素と置換することにより得ることができる(スキーム5)(V. SnieckusらのJ. Org. Chem., 66, 3662(2001年)およびSynlett, (9), 1294(2000年)もまた参照)。
【0039】
【化15】

【0040】
2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)はまた、2−ヨードアニリン(XV)のアミノ基をジアゾ化し、次に得られるジアゾ基を(スキーム1により詳しく記載されているようにして)クロロスルホニル基と交換することにより製造される塩化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIa)をアンモニアと反応させることにより得ることもできる(スキーム6)。このために、アンモニアガスを不活性溶媒、好ましくはジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中にアンモニアが取り込まれなくなるまで導入する。
【0041】
別法として、塩化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIa)を(スキーム1〜5と同様にして)t−ブチルアミンと反応させることによりN−t−ブチル2−ヨードベンゼンスルホンアミド(XII)に変換することもできる。次に(スキーム4と同様にして)酸を使用してt−ブチル保護基を除去して2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)を得る。
【0042】
一般式(IV)のスルホニルカルバメートはそれ自体知られている反応と同様にして製造される(EP−A−120 814を参照)。例えば、式(VI)の2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートを不活性溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはジクロロメタン中、フェノールとの円滑な反応で式(IV)のカルバメートに変換することもできる。式(V)のアミノ複素環は合成で知られている化学物質であり、そのうち幾つかは商業的に入手できる。
【0043】
式(IV)のスルホニルカルバメートと式(V)のアミノ複素環の反応は知られている方法により行なわれる(例えばWO 2003 091228を参照)(スキーム7)。
【0044】
【化16】

【0045】
式(VI)の2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートは新規化合物であり、そのため本発明の主題の一部を形成する。それは2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)からそれ自体知られている方法により製造することができる(DE 3208189、EP 23422、EP 64322、EP 44807、EP 216504を参照)。式(VI)のスルホニルイソシアネートは2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)をホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンと、適当ならばアルキルイソシアネート、例えばブチルイソシアネートの存在下、適当ならば反応補助物質、例えば第3アミン、好ましくはジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、さらに希釈剤、例えばトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンの存在下、80℃〜150℃の温度で反応させ、そして揮発性成分を反応終了後に適当ならば減圧下で留去すると得られる(スキーム8)。
【0046】
【化17】

【0047】
式(VI)の2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートと式(V)のアミノトリアジンの反応は例えば知られている方法に従って行なわれる(WO 2003 091228を参照)(スキーム9)。
【0048】
【化18】

【0049】
一般式(VII)のイソシアネートは例えば(Angew. Chem., 83, 第407頁(1971年);EP 388 873と同様にして)(V)型のアミノ複素環から塩化オキサリルまたはホスゲンで処理することにより得られる。(VII)型のイソシアネートと2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)の反応は例えば変法c)と同様にして行なわれる(スキーム10)。
【0050】
【化19】

【0051】
フッ化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIb)は文献から知られている様々な方法により製造することができる:i) 2−ヨードベンゼンスルホンアミド(II)をアルカリ金属亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、その後フッ化水素と反応させる(J. Am. Chem. Soc., 73, 1857(1951年));ii) 塩化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIa)をフッ化カリウムと反応させる(J. Chem. Soc, Perkin Trans. 1, 5, 875(1998年));iii) 2−ヨードベンゼンスルホン酸(XVII)をフルオロスルホン酸と反応させる(US 2686202)。
臭化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIc)は例えば塩化2−ヨードベンゼンスルホニル(VIIIa)を臭化水素と酢酸中で反応させることにより合成することができる(Dokl. Akad. Nauk SSR, 103, 627(1955年))。
【0052】
変法f)の一態様において、ハロゲン化スルホニル(VIII)をシアン化物と反応させることにより得られる反応混合物は式(I)の前駆体(中性化合物)を合成するための式(V)のアミノトリアジンとのカップリングに直接使用される(WO 2003 091228およびUS 5550238を参照)。
【0053】
本発明の塩、特に式(I)の塩は中性形態のスルホニル尿素またはスルホニル尿素の金属塩、特にアルカリ金属塩から(例えばEP−A−30138、EP−A−7687を参照)、またはスルホンアミド塩から例えば下記のようにして製造することができる:
【0054】
1. 式M+B-(式中、B-は例えば水素化物、ヒドロキシまたはアルコキシアニオン、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシまたはt−ブトキシである)の適当な塩基による中性スルホニル尿素(XX)の脱プロトン化(スキーム11)。
【0055】
【化20】

【0056】
このために、式(I)のスルホニル尿素を不活性溶媒または溶媒混合物中に溶解または懸濁し、1当量のM+B-と−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜50℃の温度で反応させる。
【0057】
2. 式(Ia)(式中、Met+は金属カチオン、好ましくはアルカリ金属イオン、例えばNa+またはK+である)のスルホニル尿素金属塩と式M+X-(式中、M+はアンモニウムイオンであり、そしてX-はアニオン、例えばハロゲンアニオン、例えばF-、Cl-またはBr-、あるいはリン酸塩、硫酸塩またはカルボキシレートアニオンであり、この定義には例えば界面活性剤化学において慣用の無機および有機塩(例えば有機リン酸塩アニオン、ホスホン酸塩アニオン、硫酸塩アニオン、スルホン酸塩アニオン、カルボキシレート)が含まれる)の適当な試薬の反応(スキーム12)。
【0058】
【化21】

【0059】
このために、本発明の金属塩、例えばスルホニル尿素のアルカリ金属塩(例えばMet+ =Na+、K+)を不活性溶媒または溶媒混合物中に溶解し、1当量の試薬M+X-と反応させる。反応が終了した後、副生成物として得られる塩、例えばアルカリ金属塩(例えばNaCl)はろ過により除去することができる。
【0060】
3. a) 式M+X-(式中、M+はアンモニウムイオンであり、そしてX-はアニオン、例えばハロゲンアニオン、例えばF-、Cl-またはBr-、あるいはリン酸塩、硫酸塩またはカルボキシレートアニオンであり、この定義には例えば界面活性剤化学において慣用の無機および有機塩(例えば有機リン酸塩アニオン、ホスホン酸塩アニオン、硫酸塩アニオン、スルホン酸塩アニオン、カルボキシレート)が含まれる)およびb) 式 Met+B-(式中、Met+は金属カチオン、特にアルカリ金属カチオン、例えばNa+またはK+であり、そしてB-は適当な塩基、例えばヒドロキシまたはアルコキシアニオン、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシまたはn−ブトキシ、またはアルコキシル化、例えばエトキシル化またはプロポキシル化(C8−C40)−アルコールのアニオンである)の適当な試薬を使用して中性スルホニル尿素(XX)を出発とする現場での脱プロトン化およびカチオン交換(スキーム13)。
【0061】
【化22】

【0062】
このために、中性スルホニル尿素(XX)を不活性溶媒または溶媒混合物中に溶解し、それぞれ1当量の試薬M+X-およびMetBと反応させる。反応が終了した後、副生成物として得られる金属塩、特にアルカリ金属塩(例えばNaCl)はろ過により除去することができる。
【0063】
4. 中性スルホニル尿素(XX)と適当な両性イオンの反応、例えば(スキーム14)
【化23】

(ここで、Rは(C1−C20)−炭素基、例えば(C1−C10)−アルキルであり、R'およびR''は同一または異なって水素または(C1−C30)−炭化水素基、例えば(C1−C10)−アルキルであり、そしてmは0〜100の整数である)。
【0064】
このために、中性スルホニル尿素(XX)を例えばスキーム14に示されるような両性イオンと−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜80℃の温度において不活性溶媒、例えばメタノール、テトラヒドロフランまたは塩化メチレン、あるいは溶媒混合物中、等モル比で反応させる。
【0065】
5. 式(IIa)のスルホンアミド塩とイソシアネート(VII)の反応(スキーム15)。
【化24】

【0066】
反応は不活性溶媒または溶媒混合物、例えばテトラヒドロフラン中、−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜70℃の温度でイソシアネート(VII)を等モル量の式(IIa)のスルホンアミド塩と反応させることにより行なわれる。ここで、式(IIa)のスルホンアミド塩は直接使用することができ、または例えば相当する式(II)のスルホンアミドを適当な塩基M+X-(ここでM+はアンモニウムイオンであり、そしてX-は例えばヒドロキシまたはアルコキシアニオンである)と反応させることにより現場で生成することができる。
【0067】
6. 式(IIa)のスルホンアミド塩と一般式(III)のカルバメートの反応(スキーム16)
【化25】

【0068】
反応は不活性溶媒(または溶媒混合物)、例えばテトラヒドロフラン中、−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜70℃の温度で式(III)のカルバメートを等モル量の式(IIa)のスルホンアミド塩と反応させることにより行なわれる。ここで、式(IIa)のスルホンアミド塩は直接使用することができ、または例えば相当するスルホンアミドを適当な塩基M+X-(ここでM+はアンモニウムイオンであり、そしてX-は例えばヒドロキシまたはアルコキシアニオンである)と反応させることにより現場で生成することができる。
【0069】
7. 中性スルホニル尿素(XX)と第1、第2または第3アミンNRR'R''の反応(スキーム17)。ここで、R、R'およびR''は:
(a) H、
(b) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルまたはベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、そして窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(c) 環系に1〜10個の炭素原子を有し、場合により単縮合または多縮合しており、そして/または(C1−C4)−アルキルにより単置換または多置換される飽和または不飽和/芳香族の含窒素複素環式イオン性化合物からなる群から選択される同一または異なる基である。
【0070】
【化26】

【0071】
この反応は不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレンまたはメタノール、あるいは溶媒の混合物中、−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜50℃の温度で行なわれる。
【0072】
上記変法で言及される「不活性溶媒」とはそれぞれ当該反応条件下で不活性であるが、すべての反応条件下で不活性である必要がない溶媒を意味する。
【0073】
上記反応により合成することができる一連の本発明の塩、特に式(I)の塩はさらに並列的に製造することができ、これは手動、半自動または全自動で行なうことができる。この場合、例えば反応の手順、生成物または中間体の後処理または精製を自動化することができる。全体として、これは例えば例えばS.H. DeWittの“Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity: Automated Synthesis”, 第1巻, Verlag Escom, 第69〜77頁(1997年)に記載のような手順を意味すると理解される。
【0074】
マイクロ波合成を行なうために、マイクロ波装置、例えばCEM社(Mikrowellen−Analysentechnik, Carl−Friedrich−Gaus−Str. 9, 47475 Kamp−Lintfort, Germany)製の“Discover”型を使用することができる。
【0075】
並列型反応手順および後処理のために、例えばStem社(Woodrolfe Road, Tollesbury, Essex, England)、H+P Labortechnik社(Bruckmannring 28, 85764 Oberschleisheim, Germany)またはRadleys社(Shirehill, Saffron Walden, Essex, CB 11 3AZ, England)により供給されるような多くの商業的に入手できる装置を使用することができる。一般式(I)の化合物または製造中に得られる中間体の並列型精製のために、とりわけクロマトグラフィー装置、例えばISCO社(4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USA)製のものを使用することができる。
【0076】
記載した装置は個々の工程段階は自動化されるが工程段階の間に手動操作を行なう必要があるモジュール手順を可能にする。これは当該自動化モジュールが例えばロボットにより操作される部分的または完全に統合された自動化システムの使用により回避することができる。そのような自動化システムは例えばZymark社(Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USA)から得ることができる。
【0077】
記載した方法の他に、本発明の塩、特に一般式(I)の化合物は固相法により完全にまたは部分的に製造することができる。このために、当該手順に適合させた合成の個々の中間体またはすべての中間体は合成樹脂に結合している。固相合成法は技術文献、例えばBarry A. Buninの“The Combinatorial Index”, Academic Press(1998年)に詳しく記載されている。
【0078】
固相合成法の使用は文献で知られている多くの方法を可能にし、それは手動で、または自動化して行なうことができる。例えば“ティーバッグ法”(HoughtenのUS 4,631,211;HoughtenらのProc. Natl. Acad. Sci., 82, 5131〜5135(1985年))はIRORI社(11149 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA)製の装置を使用して部分的に自動化することができる。固相平行合成法の自動化は例えばArgonaut Technologies社(887 Industrial Road, San Carlos, CA 94070, USA)またはMultiSynTech社(Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germany)製の装置により上手く行なわれる。
【0079】
本明細書に記載した方法による製造はライブラリーと呼ばれる化合物コレクションの形態で本発明の塩、特に式(I)の化合物を与える。本発明はまた、少なくとも2種の本発明の化合物、特に式(I)の化合物からなるライブラリーを提供する。
【0080】
本発明の塩、特に式(I)の化合物は広範スペクトルの経済的に重要な単子葉および双子葉の有害植物に対して優れた除草活性を有する。活性な化合物はまた、地下茎からのシュート、根茎および他の多年生器官を発生して防除するのが困難な多年生雑草に対して有効に作用する。これに関して、当該物質が播種前、発芽前または発芽後に施用されるかどうかは重要ではない。
【0081】
本発明の化合物により防除することができる単子葉および双子葉植物の雑草植物相の幾つかの代表的なものについて個々に具体例として記載することができるが、これは特定の種に制限するものではない。
【0082】
本発明の塩、特に式(I)の化合物が発芽前に土壌表面に施用される場合、雑草種子の発芽が完全に防止されるか、または雑草は子葉期に達するまで成長するが、そこで成長は停止して結局は3〜4週間後に完全に死滅する。
【0083】
活性な化合物が発芽後に植物の葉の部分に施用される場合も、処理後急速に成長が劇的に停止し、雑草植物は施用時の成長段階に留まるか、または一定期間後に完全に死滅し、結果として作物にとって有害な雑草による競合が非常に早い段階で継続的に排除される。本発明の塩、特に式(I)の化合物は単子葉および双子葉植物の雑草に対して優れた除草活性を示し、経済的に重要な作物の植物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、サトウキビ、亜麻および他の農園作物に対する被害は全くないか、あるとしてもごく僅かである。これらの理由で、本発明の化合物は農業上有用な作物において望ましくない植物の成長を選択的に防除するのに非常に適している。
【0084】
さらに、本発明の塩、特に式(I)の化合物はそれらの環境特性、特に輪作特性に関して、すなわちそうでなければ本発明の式(I)の化合物に対して感受性のある作物、例えばテンサイ、ヒマワリまたはアブラナ科植物、例えば菜種、カラシナおよび野生のカブにおいて非常に有利な性質を有する。
【0085】
また、本発明の塩、特に式(I)の化合物は作物に対して著しい成長調節特性を示す。これらは植物代謝を調節するように介入するので、例えば乾燥および成長阻害を誘発することにより植物成分の標的制御のために、また収穫を容易にするために使用することができる。その上、これらは植物を死滅させることなく望ましくない栄養成長を一般的に調節および阻害するのにも適している。栄養成長の阻害は倒伏を減少または完全に防止することができるため、多くの単子葉および双子葉作物において重要な役割を果たす。
【0086】
また、それらの除草および植物成長調節特性のため、活性な化合物は知られている、またはまだ開発中の遺伝子操作植物の作物における有害植物を防除するのに使用することもできる。一般に、トランスジェニック植物は非常に有利な特性、例えば特定の農薬、特に特定の除草剤に対する耐性、植物病害またはその病原体、例えば特定の昆虫または微生物、例えば真菌、細菌またはウイルスに対する耐性を有する。他の特別な特性は例えば収穫物の量、質、貯蔵安定性、組成および特定成分に関するものである。例えば、デンプン含量が高い、またはデンプンの質が変化したトランスジェニック植物、あるいは収穫物の脂肪酸組成が異なるものが知られている。同様に、それらの除草および植物成長調節特性のため、活性な化合物は知られている、またはまだ開発中の突然変異株選択により得られる植物の作物における有害植物を防除するのに使用することもできる。
【0087】
有用植物および観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、キビ、イネ、マニオクおよびトウモロコシのような穀物、または他に菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウおよび他のタイプの野菜の作物における本発明の塩、特に式(I)の化合物の使用が好ましい。
【0088】
好ましくは、本発明の塩、特に式(I)の化合物は除草剤の植物毒性に対して耐性のある、または遺伝子操作により耐性にされた、または突然変異株選択により得られる有用植物の作物における除草剤として使用することができる。同様に、本発明の塩、特に式(I)の化合物は好ましくは例えばWO 2007/024782に記載のような遺伝子操作により耐性にされた植物と突然変異株選択により得られた植物の異種交配種である有用植物の作物における除草剤として使用することができる。
【0089】
知られている植物と比較して改質された特性を有する新規な植物を生成するための慣用の方法には例えば従来の育種方法および突然変異体の発生がある。別法として、改質された特性を有する新規な植物は遺伝子組換え法により生成することができる(例えばEP−A−0221044、EP−A−0131624を参照)。例えば、次の幾つかのケースが開示されている:
・植物中で合成されたデンプンを改質するための作物の遺伝子組換えによる改質(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
・グルホシネート型(例えばEP−A−0242236、EP−A−242246を参照)またはグリホサート型(WO 92/00377)またはスルホニル尿素型(EP−A−0257993、US−A−5013659)の特定の除草剤に対して耐性のあるトランスジェニック作物、
・特定の害虫に対して植物を耐性にするバチルスチューリンゲンシス毒(Bacillus thuringiensis toxins;Bt毒)を産生する能力のあるトランスジェニック作物、例えば綿(EP−A−0142924、EP−A−0193259)、
・改質された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物(WO 91/13972)。
【0090】
改質された特性を有する新規なトランスジェニック植物を生成することができる多くの分子生物学的方法は原則として知られている:例えばSambrookらのMolecular Cloning, A
Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY(1989年);またはWinnackerの“Gene und Klone” [Genes and Clones], VCH Weinheim, 第2版(1996年);またはChristouの“Trends in Plant Science”, 1, 423〜431(1996年)を参照。
【0091】
このような組換え操作を行なうために、核酸分子をプラスミドに導入してDNA配列の組換えによる突然変異生成または配列変化を可能にすることができる。上記の標準的な方法を使用して、例えば塩基交換を行なう、部分配列を除去する、あるいは天然または合成配列を加えることができる。DNAフラグメントを互いに結合させるために、アダプターまたはリンカーをフラグメントに取り付けることができる。
【0092】
遺伝子産物の活性が低下した植物細胞は例えば少なくとも1個の適当なアンチセンスRNA、センスRNAを発現して共抑制効果を発揮することにより、または少なくとも1個の適当に構成されたリボザイムを発現して前記遺伝子産物の転写産物を特異的に切断することにより生成することができる。
【0093】
このために、存在するフランキング配列をすべて含む遺伝子産物の全コード配列を含むDNA分子、さらにコード配列の一部だけを含むDNA分子を共に使用することができるが、これらの部分は細胞でアンチセンス効果を引き起こすのに十分な程長い必要がある。また、遺伝子産物のコード配列と高度な相同性を有するが、完全に同一ではないDNA配列を使用することもできる。植物において核酸分子を発現させる場合、合成タンパク質を植物細胞の任意の区画に局在化させることができる。だが、局在化を特定の区画で行なうために、例えばコード領域を確実に特定の区画に局在化させるDNA配列と結合させることができる。このような配列は当業者に知られている(例えばBraunらのEMBO J. 11, 3219〜3227(1992年);WolterらのProc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 846〜850(1988年);SonnewaldらのPlant J. 1, 95〜106(1991年)を参照)。トランスジェニック植物細胞は知られている方法により再生させて無傷植物を得ることができる。原則として、トランスジェニック植物は何れかの望ましい植物種の植物、すなわち単子葉および双子葉植物の両方である。このようにして、相同(=天然)遺伝子または遺伝子配列の過剰発現、抑制または阻害、あるいは異種(=外来)遺伝子または遺伝子配列の発現により改質された特性を有するトランスジェニック植物を得ることができる。
【0094】
本発明の塩、特に式(I)の化合物は好ましくはスルホニル尿素、グルホシネート−アンモニウムまたはグリホサート−イソプロピルアンモニウムおよび類似活性化合物の群からなる群より選択される除草剤に対して耐性のあるトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種/ハイブリッドにおいて使用することができる。
【0095】
本発明の活性な化合物がトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種において使用される場合、他の作物で観察される有害植物に対する効果に加えて、それぞれのトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種での施用に特異的な効果、例えば防除することができる雑草スペクトルの変化または特に拡大、施用に使用することができる施用量の変化、好ましくはトランスジェニック作物が耐性を示す除草剤との良好な組合せ能力、そしてトランスジェニック作物の成長および収穫量への影響が生じることが多い。
【0096】
したがって、本発明はまた、トランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種において有害植物を防除するための除草剤としての本発明の塩、特に式(I)の化合物の使用を提供する。
【0097】
本発明の化合物は様々な慣用の製剤、例えば水和剤、乳剤、散布液、粉剤または粒剤の形態で施用することができる。したがって、本発明はまた、式(I)の化合物を含有する除草性で植物の成長を調節する組成物を提供する。
【0098】
本発明の塩、特に式(I)の化合物は一般的な生物学的および/または物理化学的パラメーターに応じて様々な方法で製剤化することができる。適当な製剤には例えば水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶液剤、乳剤(EC)、エマルション(EW)、例えば水中油型および油中水型エマルション、噴霧液、懸濁製剤(SC)、油または水を基剤とする分散製剤、油剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣剤、散布および土壌施用のための粒剤;微粒剤、噴霧粒剤、コーティング粒剤および吸着粒剤の形態の粒剤(GR)、顆粒水和剤(WG)、顆粒水溶剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤およびワックスがある。
【0099】
これらの個々の製剤タイプは原則として知られており、例えばWinnacker−Kuechlerの“Chemische Technologie” [Chemical technology], 第7巻, C. Hanser Verlag Munich,
第4版(1986年);Wade van Valkenburgの“Pesticide Formulations”, Marcel Dekker, N.Y.(1973年);K. Martensの“Spray Drying” Handbook, 第3版, G. Goodwin Ltd. London(1979年)に記載されている。
【0100】
必要な製剤化補助剤、例えば不活性物質、界面活性剤、溶媒および他の添加剤もまた知られており、例えばWatkinsの“Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”, 第2版, Darland Books, Caldwell N.J.;H.v. Olphenの“Introduction to Clay Colloid Chemistry”, 第2版, J. Wiley & Sons, N.Y.;C. Marsdenの“Solvents Guide”, 第2版, Interscience, N.Y.(1963年);McCutcheonの“Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.;SisleyおよびWoodの“Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y.(1964年);Schoenfeldtの“Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte” [Surface−active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart(1976年);Winnacker−Kuechlerの“Chemische Technologie”, 第7巻, C. Hanser Verlag Munich, 第4版(1986年)に記載されている。
【0101】
これらの製剤に基づいて、他の農薬的に活性な物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤および殺菌剤、さらに薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤と組合せた製剤を例えばレディミックスまたはタンクミックスの形態で製造することもできる。
【0102】
水和剤は水中に均一に分散させることができ、活性化合物に加えて希釈剤または不活性物質の他にイオン性および/または非イオン性界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えばポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ポリエトキシル化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、ナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、ナトリウムジブチルナフタレンスルホネートまたはナトリウムオレイルメチルタウリネートを含有する製剤である。水和剤を製造するために、除草性活性化合物は例えばハンマーミル、ファンミル(fan mill)およびエアジェットミルのような慣用の装置で微粉砕され、同時にまたは続いて製剤化補助剤と混合される。
【0103】
乳剤は1種またはそれ以上のイオン性および/または非イオン性界面活性剤(乳化剤)を加えて有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、さらに比較的高い沸点の芳香族化合物または炭化水素、または有機溶媒の混合物中に活性化合物を溶解することにより製造される。使用できる乳化剤の例はカルシウムドデシルベンゼンスルホネートのようなカルシウムアルキルアリールスルホネート、または非イオン性乳化剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド−エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
【0104】
粉剤は活性化合物を微細な固体物質、例えばタルク、天然クレー、例えばカオリン、ベントナイトおよびピロフィライト、または珪藻土と一緒に粉砕することにより得られる。
【0105】
懸濁製剤は水または油を基剤とすることができる。それらは例えば場合により他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を加えて慣用の工業用ビーズミルで湿式粉砕することにより製造することができる。
【0106】
エマルション、例えば水中油型エマルション(EW)は例えば水性有機溶媒、必要に応じて他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を使用して撹拌器、コロイドミルおよび/または静的ミキサーにより製造することができる。
【0107】
粒剤は活性化合物を吸着性の粒状不活性物質上に噴霧することにより、あるいは粘着剤、例えばポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレートまたは鉱油を使用して活性化合物の濃縮物を担体、例えば砂、カオリナイトまたは粒状不活性物質の表面に塗布することにより製造することができる。また、適当な活性化合物を粒状肥料の製造において慣用の方法で、必要に応じて肥料との混合物として造粒することもできる。
【0108】
顆粒水和剤は一般に固体の不活性物質を使用することなく噴霧乾燥、流動床造粒、ディスク造粒、高速ミキサーを使用する混合および押出のような慣用の方法により製造される。
【0109】
ディスク、流動床、押出機および噴霧による粒剤の製造については、例えば“Spray−Drying Handbook”, 第3版, G. Goodwin Ltd., London(1979年);J.E. Browningの“Agglomeration”, Chemical and Engineering 1967, 第147頁以下;“Perry's Chemical Engineer's Handbook”, 第5版, McGraw−Hill, New York, 第8〜57頁(1973年)に記載の方法を参照。
【0110】
作物保護組成物の製造に関する詳細については、例えばG.C. Klingmanの“Weed Control as a Science”, John Wiley and Sons, Inc., New York, 第81〜96頁(1961年)およびJ.D. Freyer, S.A. Evansの“Weed Control Handbook”, 第5版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 第101〜103頁(1968年)を参照。
【0111】
農薬製剤は一般に0.1〜99質量%、好ましくは0.1〜95質量%、特に好ましくは0.5 〜90質量%の本発明の塩、特に式(I)の化合物を含有する。水和剤では、活性化合物の濃度は例えば約10〜90質量%であり、100質量%までの残りは慣用の製剤化成分で構成される。乳剤の場合、活性化合物の濃度は約1〜90質量%、好ましくは5〜80質量%である。粉剤タイプの製剤は1〜30質量%の活性化合物、好ましくは通常5〜20質量%の活性化合物を含有し;噴霧液剤は約0.05〜80質量%、好ましくは2〜50質量%の活性化合物を含有する。顆粒水和剤において、活性化合物の含量は活性化合物が液体または固体のどちらの形態で存在するか、またどの造粒補助剤、充填剤などが使用されるかに部分的に依存する。顆粒水和剤では、活性化合物の含量は例えば1〜95質量%、好ましくは10〜80質量%である。
【0112】
さらに、活性化合物の前記製剤はそれぞれ慣用の粘着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤、溶剤、充填剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発抑制剤、並びにpHおよび粘度の調整剤を含有することができる。
【0113】
使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を使用することもできる。適当な液体溶媒は本質的に芳香族化合物、例えばキシレン、トルエン、アルキルナフタレン、塩素化芳香族化合物または塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンまたはパラフィン、例えば鉱油留分、鉱油および植物油、アルコール、例えばブタノールまたはグルコール、そのエーテルおよびエステル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強力な極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド、または水である。
【0114】
適当な固体担体は例えばアンモニウム塩および地中の天然鉱物、例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、および地中の合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナおよびケイ酸塩であり;粒剤に適した固体担体は例えば破砕および断片化天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石およびドロマイト、さらに無機および有機ミールの合成顆粒、有機材料、例えば大鋸屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸およびタバコの茎の顆粒;適当な乳化剤および/または発泡剤は例えば非イオン性およびアニオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸 エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキル硫酸塩、アリールスルホネート、さらにタンパク加水分解物であり;適当な分散剤は例えばリグノ亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースである。
【0115】
カルボキシメチルセルロースや粉末、顆粒またはラテックス形態の天然および合成ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテート、さらに天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチン、および合成リン脂質のような増粘剤を製剤中で使用することができる。
【0116】
本発明の組合せ除草剤の除草作用は例えば界面活性剤により、好ましくは脂肪アルコールポリグリコールエーテル群の湿潤剤により改善することができる。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは好ましくは脂肪アルコール基に10〜18個の炭素原子を、そしてポリグリコールエーテル部分に2〜20個のエチレンオキシド単位を含有する。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは非イオン性形態またはイオン性形態、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)またはアンモニウム塩、あるいはアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩として使用することができる脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩、例えばC12/C14−脂肪アルコールジグルコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant社)として存在することができる;例えばEP−A−0476555、EP−A−0048436、EP−A−0336151またはUS−A−4,400,196、さらにProc. EWRS Symp. “Factors Affecting Herbicidal Activity and Selectivity”, 227〜232(1988年)を参照。非イオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテルは例えば2〜20個、好ましくは3〜15個のエチレンオキシド単位を含有する例えば(C10−C18)−、好ましくは(C10−C14)−脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えばイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル)、例えばGenapol(登録商標)X−シリーズのもの、例えばGenapol(登録商標)X−030、Genapol(登録商標)X−060、Genapol(登録商標)X−080またはGenapol(登録商標)X−150(すべてClariant社製)である。
【0117】
本発明はさらに、脂肪アルコール基に好ましくは10〜18個の炭素原子、またポリグリコールエーテル部分に2〜20個のエチレンオキシド単位を含有し、非イオン性またはイオン性形態(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)として存在することができる脂肪アルコールポリグリコールエーテル群からの上記湿潤剤と成分AおよびBの組合せを包含する。好ましくは3〜15個のエチレンオキシド単位を有するC12/C14−脂肪アルコールジグルコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant社)およびイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル、例えばGenapol(登録商標)X−シリーズのもの、例えばGenapol(登録商標)X−030、Genapol(登録商標)X−060、Genapol(登録商標)X−080およびGenapol(登録商標)X−150(すべてClariant社製)である。さらに、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)はまた、多くの他の除草剤、とりわけイミダゾリノン群の除草剤の浸透剤および活性促進剤として使用するのに適していることが知られている(例えばEP−A−0502014を参照)。
【0118】
さらに、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)はまた、多くの他の除草剤、とりわけイミダゾリノン群の除草剤の浸透剤および活性促進剤として使用するのに適していることが知られている(例えばEP−A−0502014を参照)。
【0119】
本発明の組合せ除草剤の除草作用は植物油を使用することにより促進することもできる。植物油なる用語は油性植物種の油、例えば大豆油、菜種油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、パーム油、アザミ油またはヒマシ油、特に菜種油、さらにそれらのエステル交換製品、例えば菜種油メチルエステルまたは菜種油エチルエステルのようなアルキルエステルを意味すると理解される。
【0120】
植物油は好ましくはC10−C22−、好ましくはC12−C20−脂肪酸のエステルである。C10−C22−脂肪酸エステルは例えば不飽和または飽和C10−C22−脂肪酸、特に偶数の炭素原子を有するもの、例えばエルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、特にC18−脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸のエステルである。
【0121】
C10−C22−脂肪酸エステルの例はグリセロールまたはグルコールを例えば油性植物種の油中に含まれるC10−C22−脂肪酸と反応させることにより得られるエステル、あるいは例えば上記グリセロール−またはグルコール−C10−C22−脂肪酸エステルのC1−C20−アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノール)でのエステル交換により得られるC1−C20−アルキル−C10−C22−脂肪酸エステルである。エステル交換は例えばRompp Chemie Lexikon, 第9版, 第2巻, 第1343頁, Thieme Verlag Stuttgartに記載のような既知方法により行なうことができる。
【0122】
好ましいC1−C20−アルキル−C10−C22−脂肪酸エステルはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステルおよびドデシルエステルである。好ましいグルコール−およびグリセロール−C10−C22−脂肪酸エステルはC10−C22−脂肪酸、特に偶数の炭素原子を有するもの、例えばエルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、特にC18−脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の均一または混合グルコールエステルおよびグリセロールエステルである。本発明の除草剤組成物において、 植物油は例えば商業的に入手できる油含有製剤化添加剤、特に菜種油を基剤とするもの、例えばHasten(登録商標)(Victorian Chemical社(豪)、以後Hastenと呼ぶ、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance(仏)、以後ActirobBと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako−Binol(登録商標)(Bayer AG(独)、以後Rako−Binolと呼ぶ、主成分:菜種油)、Renol(登録商標)(Stefes(独)、以後Renolと呼ぶ、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes(独)、以後Meroと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)の形態で存在することができる。
【0123】
他の態様において、本発明は好ましくは商業的に入手できる油含有製剤化添加剤、特に菜種油を基剤とするもの、例えばHasten(登録商標)(Victorian Chemical社(豪)、以後Hastenと呼ぶ、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance(仏)、以後ActirobBと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako−Binol(登録商標)(Bayer AG(独)、以後Rako−Binolと呼ぶ、主成分:菜種油)、Renol(登録商標)(Stefes(独)、以後Renolと呼ぶ、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes(独)、以後Meroと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)の形態である菜種油のような上記植物油との組合せを包含する。
【0124】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーおよび有機色素、例えばアリザリン色素、アゾ色素および金属フタロシアニン色素のような着色剤、並びに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩のような微量栄養素を使用することができる。
【0125】
本発明の塩、特に式(I)の化合物はそのままで、または他の農薬的に活性な化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤と組合せた製剤の形態で、例えば最終製剤またはタンクミックスとして使用することができる。
【0126】
混合製剤またはタンクミックス中において本発明の塩、特に式(I)の化合物の組合せ相手として適当なのは例えばその作用が例えばアセト乳酸シンターゼ、アセチル−補酵素Aカルボキシラーゼ、PS I、PS II、HPPDO、フィトエンデサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、グルタミンシンテターゼ、セルロース生合成、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンテターゼの阻害に基づく知られている、好ましくは除草活性な化合物である。作用機構が知られていない、または異なる場合もある、このような化合物、さらに他の使用可能な化合物は例えばWeed Research 26, 441〜445(1986年)、あるいは英国作物保護協議会により出版された“The Pesticide Manual”, 第12版(2000年)、第13版(2003年)または第14版(2006/2007年)、または相当する“e−Pesticide Manual”、バージョン4(2006年)(以後“PM”とも略される)およびその中で引用された文献に記載されている。“一般名称”のリストはインターネットで“The Compendium of Pesticide Common Names”から入手することもできる。文献から知られており、式(I)の化合物と組合せることができる除草剤の例は次の活性化合物(注:除草剤は国際標準化機構(ISO)に従って一般名称により、または化学名により、適当ならば慣用のコード番号と共に示され、それぞれ特に断りがなければ酸、塩、エステルおよび異性体、例えば立体異性体および光学異性体のようなすべての使用形態、特に工業用形態を包含する。スルホニル尿素のようなスルホンアミドの場合、塩はスルホンアミド基の水素原子とカチオンの交換により形成する塩もまた含む。ここでは一例であるが、場合によっては多くの適用形態が挙げられる)である:アセトクロル;アシベンゾラル−S−メチル;アシフルオルフェン(−ナトリウム);アクロニフェン;AD−67;AKH7088、すなわち[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸および[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸メチル;アラクロール;アロキシジム(−ナトリウム);アメトリン;アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン;アミノピラリド;アミトロール;ペラルゴン酸アンモニウム;AMS、すなわちスルファミン酸アンモニウム;アンシミドール;アニロホス;アシュラム;アトラジン;アビグリシン;アザフェニジン、アジムスルフロン(DPX−A8947);アジプロトリン;バルバン;BAS516H、すなわち5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン;ベフルブタミド(UBH−509)、ベナゾリン(−エチル);ベンカルバゾン;ベンフルラリン;ベンフレセート;ベンスルフロン(−メチル);ベンスリド;ベンタゾン;ベンズフェンジゾン;ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ;ベンゾフルオル;ベンゾイルプロパ(−エチル);ベンズチアズロン;ビアラホス;ビフェノックス;ビスピリバック(−ナトリウム)(KIH−2023);硼砂;ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキシノン;ブタクロール;ブタフェナシル;ブタミホス;ブテナクロル(KH−218);ブチダゾール;ブトラリン;ブトロキシジム;ブチレート;カフェンストロール(CH−900);カロキシジム;カルベタミド;カルフェントラゾン(−エチル);カテキン;CDAA、すなわち2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド;CDEC、すなわち2−クロルアリルジエチルジチオカルバメート;クロルメスロン;クロメトキシフェン;クロランベン;クロラジホップ−ブチル;クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナク;クロルフェンプロップ;クロルフルレコール(−メチル);クロルフルレノール(−メチル);クロリダゾン;クロリムロン(−エチル);クロルメコート(−クロリド);クロルニトロフェン;;クロルフタリム(MK−616);クロロトルロン;クロロクスロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタール−ジメチル;クロルチアミド;クロルトルロン、シニドン(−メチルおよび−エチル)、シンメチリン;シノスルフロン;クレフォキシジム、クレトジム;クロジナホップおよびそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);クロフェンセット;クロマゾン;クロメプロップ;クロプロップ;クロプロキシジム;クロピラリド;クロピラスルフロン(−メチル);クロランスラム(−メチル);クミルロン(JC940);シアナミド;シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン(AC104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップおよびそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH−112);シペルコート;シプラジン;シプラゾール;ダイムロン;2,4−D;2,4−DB;ダラポン;ダミノジド;ダゾメット;n−デカノール;デスメジファム;デスメトリン;ジ−アレート;ジカンバ;ジクロベニル;ジクロルミド;ジクロルプロップ(−P)(塩);ジクロホップおよびそのエステル、例えばジクロホップ−メチル;ジクロホップ−P(−メチル);ジクロスラム、ジエタチル(−エチル);ジフェノクスロン;ジフェンゾコート(−メチルスルフェート);ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル(−ナトリウム);ジメフロン;ジメピペレート、ジメタクロル;ジメタメトリン;ジメタゾン;ジメテナミド(SAN−582H);ジメテナミド−P;ジメチルアルシン酸;ジメチピン;ジメトラスルフロン;ジメキシフラム;ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジコート塩;ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル;EL77、すなわち5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;エンドタル;エポプロダン;EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロン−メチル;エテフォン;エチジムロン;エチオジン;エトフメセート;エトキシフェンおよびそのエステル(例えばエチルエステル、HN−252);エトキシスルフロン、エトベンザニド(HW52);F5231、すなわちN−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオルプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド;フェンクロラゾール(−エチル);フェンクロリム;フェノプロップ;フェノキサン、フェノキサプロップおよびフェノキサプロップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフェノキサプロップ−P−エチルおよびフェノキサプロップ−エチル;フェノキシジム;フェントラザミド;フェヌロン;硫酸第一鉄;フラムプロップ(−メチルまたは−イソプロピルまたは−イソプロピル−L);フラムプロップ−M(−メチルまたは−イソプロピル);フラザスルフロン;フロアズレート(JV−485);フロラスラム;フルアジホップおよびフルアジホップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフルアジホップ−ブチルおよびフルアジホップ−P−ブチル;フルアゾレート;フルカルバゾン(−ナトリウム);フルセトスルフロン;フルクロラリン;フルフェナセット;フルフェンピル(−エチル);フルメトラリン;フルメツラム;フルメツロン;フルミクロラック(−ペンチル)、フルミオキサジン(S−482);フルミプロピン;フルオメツロン、フルオロクロリドン、フルオロジフェン;フルオログリコフェン(−エチル);フルポキサム(KNW−739);フルプロパシル(UBIC−4243);フルプロパノエート;フルピルスルフロン(−メチル)(−ナトリウム);フルレノール(−ブチル);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル(−メプチル);フルルプリミドール;フルルタモン;フルチアセット(−メチル)(KIH−9201);フルチアミド;フルキソフェニム;ホメサフェン;ホラムスルフロン;ホルクロルフェヌロン;ホサミン;フリルオキシフェン;ジベレリン酸;グルホシネート(−アンモニウム);グリホサート(−イソプロピルアンモニウム);ハロサフェン;ハロスルフロン(−メチル);ハロキシホップおよびそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)およびそのエステル;HC−252;ヘキサジノン;HNPC−C9908、すなわちメチル2−[[[[[4−メトキシ−6−(メチルチオ)−2−ピリミジニル]アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]ベンゾエート;イマザメタベンズ(−メチル);イマザモックス;イマザピック;イマザピル;イマザキンおよび塩、例えばアンモニウム塩;イマゼタピル;イマゾスルフロン;イナベンフィド;インダノファン;ヨードスルフロン−メチル(−ナトリウム);イオキシニル;イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサクロルトール;イソキサフルトール;イソキサピリホップ;カルブチラート;ラクトフェン;レナシル;リヌロン;マレイン酸ヒドラジド(MH);MBTA;MCPA;MCPB;メコプロップ(−P);メフェナセト;メフルイジド;メピコート(−クロリド);メソスルフロン(−メチル);メソトリオン;メタム;メタミホップ;メタミトロン;メタザクロル;メタベンズチアズロン;メタム;メタゾール;メトキシフェノン;メチルアルソン酸;メチルシクロプロペン;メチルダイムロン;メチルイソチオシアネート;メタベンズチアズロン;メトベンズロン;メトブロムロン;(アルファ−)メトラクロル;メトスラム(XRD511);メトクスロン;メトリブジン;メトスルフロン−メチル;モリネート;モナリド;モノカルバミドジヒドロゲンスルフェート;モノリヌロン;モヌロン;モノスルフロン;MT128、すなわち6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、すなわちN−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタンアミド;ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC310、すなわち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフェノレート混合物;ニトロフルオルフェン;ノナン酸;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オルトスルファムロン;オキサベトリニル;オリザリン;オキサジアルギル(RP−020630);オキサジアゾン;オキサスルフロン;オキサジクロメフォン;オキシフルオルフェン;パクロブトラゾール;パラコート(−ジクロリド);ペブレート;ペラルゴン酸;ペンジメタリン;ペノクスラム;ペンタクロロフェノール;ペンタノクロル;ペントキサゾン;ペルフルイドン;ペトキサミド;フェニソファム;フェンメジファム;ピクロラム;ピコリナフェン;ピノキサデン;ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロル;プリミスルフロン(−メチル);プロベナゾール;プロカルバゾン−(ナトリウム);プロシアジン;プロジアミン;プロフルラリン;プロホキシジム;プロヘキサジオン(−カルシウム);プロヒドロジャスモン;プログリナジン(−エチル);プロメトン;プロメトリン;プロパクロール;プロパニル;プロパキザホップおよびそのエステル;プロパジン;プロファム;プロピソクロル;プロポキシカルバゾン(−ナトリウム)(MKH−6561);プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA−152005);プリナクロール;ピラクロニル;ピラフルフェン(−エチル)(ET−751);ピラスルホトール;ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン(−エチル);ピラゾキシフェン;ピリバムベンズ−イソプロピル(ZJ0702);ピリバムベンズ−プロピル(ZJ0273);ピリベンゾキシム;ピリブチカルブ;ピリダフォル;ピリデート;ピリフタリド;ピリミノバック(−メチル)(KIH−6127);ピリミスルファン(KIH−5996);ピリチオバク(−ナトリウム)(KIH−2031);ピロキサスルホン(KIH−485);ピロキソホップおよびそのエステル(例えばプロパルギルエステル);ピロクスラム;キンクロラック;キンメラック;キノクラミン、キノホップおよびそのエステル誘導体、キザロホップおよびキザロホップ−Pおよびそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル;キザロホップ(P−テフリルおよび−エチル);レンリジュロン;
リムスルフロン(DPX−E9636);S275、すなわち2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール; セクブメトン;セトキシジム;シズロン;シマジン;シメトリン;シントフェン;SN106279、すなわち2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]−プロパン酸および2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]−プロパン酸メチル;スルコトリオン;スルフェントラゾン(FMC−97285、F−6285);スルファズロン;スルホメツロン(−メチル);スルホセート(ICI−A0224);スルホスルフロン;TCA(−ナトリウム);テブタム(GCP−5544);テブチウロン;テクナセン;テフリルトリオン;テンボトリオン;テプラロキシジム;テルバシル;テルブカルブ;テルブクロル;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH450、すなわちN,N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド;テニルクロル(NSK−850);チアフルアミド、チアザフルロン;チアゾピル(Mon−13200);チジアジミン(SN−24085);チジアズロン;チエンカルバゾン(−メチル);チフェンスルフロン(−メチル);チオベンカルブ;Ti−35;チオカルバジル;トプラメゾン;トラルコキシジム;トリ−アレート;トリアスルフロン;トリアジフラム;トリアゾフェナミド;トリベヌロン(−メチル);トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;トリフロキシスルフロン(−ナトリウム)、トリフルラリン;トリフルスルフロンおよびエステル(例えばメチルエステル、DPX−66037);トリメツロン;トリネキサパック;トリトスルフロン;チトデフ;ユニコナゾール;ベルノレート;WL110547、すなわち5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1H−テトラゾール;D−489;ET−751;KIH−218;KIH−485;KIH−509;KPP−300;LS82−556;NC−324;NC−330;DPX−N8189;SC−0774;DOWCO−535;DK−8910;V−53482;PP−600;MBH−001;TH−547;SYN−523;IDH−100;SYP−249;HOK−201;IR−6396;MTB−951;NC−620。
【0127】
特に重要なのは有用植物および観賞植物の作物における有害植物の選択的な防除である。本発明の塩、特に式(I)の化合物は多くの作物において非常に良好か十分な選択性を示すが、原理上はある種の作物に対して植物毒性が生じることもあり、特に選択性が低い他の除草剤との混合物の場合はそうである。これに関して、本発明の塩、特に式(I)の化合物またはそれらの組合せと他の除草剤または農薬および薬害軽減剤を含有する本発明の塩、特に式(I)の化合物の組合せは特に重要である。解毒的に活性な量で使用される薬害軽減剤は例えば穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、イネ、キビ)、テンサイ、サトウキビ、菜種、綿および大豆のような経済的に重要な作物、好ましくは穀物において使用される除草剤/農薬の植物毒性的副作用を軽減する。
【0128】
薬害軽減剤は好ましくは下記化合物からなる群より選択される:
【0129】
A) 式(S−I)
【化27】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
nAは0〜5、好ましくは0〜3の自然数であり;
RA1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、ニトロまたは(C1−C4)−ハロアルキルであり;
WAは1〜3個のヘテロ環原子NまたはOを有し、少なくとも1個の窒素原子および多くても1個の酸素原子が環中に存在する部分的に不飽和または芳香族の5員の複素環からなる群からの未置換または置換された二価の複素環基、好ましくは(WA1)〜(WA4)
【化28】

からなる群からの基であり、
【0130】
mAは0または1であり;
RA2はORA3、SRA3またはNRA3RA4、あるいは少なくとも1個の窒素原子と好ましくはOおよびSからなる群からの3個までのヘテロ原子を有し、窒素原子を通して(S−I)のカルボニル基に結合しており、未置換であるか、または(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシおよび場合により置換されるフェニルからなる群からの基により置換された飽和または不飽和の3〜7員の複素環、好ましくは式ORA3、NHRA4またはN(CH3)2、特に式ORA3の基であり;
RA3は水素、あるいは好ましくは全部で1〜18個の炭素原子を有する未置換または置換された脂肪族炭化水素基であり;
RA4は水素、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルコキシ、あるいは置換または未置換フェニルであり;
RA5はH、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル)、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C8)−アルキル、シアノまたはCOORA9であり、ここでRA9は水素、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−ヒドロキシアルキル、(C3−C12)−シクロアルキルまたはトリ−(C1−C4)−アルキルシリルであり;
RA6、RA7、RA8は同一または異なって水素、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル、(C3−C12)−シクロアルキル、あるいは置換または未置換フェニルである]の化合物、好ましくは:
a) ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボキシレート(S1−1)(“メフェンピル−ジエチル”、Pestic. Man.を参照)のような化合物、およびWO 91/07874に記載のような関連化合物;
b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−2)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−3)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボキシレート(S1−4)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−5)のような化合物、並びにEP−A−333131およびEP−A−269806に記載のような関連化合物;
c) トリアゾールカルボン酸型の化合物、好ましくはフェンクロラゾール(−エチルエステル)、すなわちエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(S1−6)のような化合物、並びにEP−A−174562およびEP−A−346620に記載のような関連化合物;
d) 5−ベンジル−または5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型、あるいは5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−7)またはエチル5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−8)のような化合物およびWO 91/08202に記載のような関連化合物、あるいはエチル5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボキシレート(S1−9)(“イソキサジフェン−エチル”)またはn−プロピル5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボキシレート(S1−10)、または特許出願WO−A−95/07897に記載のようなエチル5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−11);
【0131】
B) 式(S−II)
【化29】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RB1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、ニトロまたは(C1−C4)−ハロアルキルであり;
nBは0〜5、好ましくは0〜3の自然数であり;
RB2 はORB3、SRB3またはNRB3RB4、あるいは少なくとも1個の窒素原子と好ましくはOおよびSからなる群からの3個までのヘテロ原子を有し、窒素原子を通して(S−II)のカルボニル基に結合しており、未置換であるか、または(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシまたは場合により置換されるフェニルからなる群からの基により置換された飽和または不飽和の3〜7員の複素環、好ましくは式ORB3、NHRB4またはN(CH3)2、特に式ORB3の基であり;
RB3は水素、あるいは好ましくは全部で1〜18個の炭素原子を有する未置換または置換された脂肪族炭化水素基であり;
RB4は水素、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルコキシ、あるいは置換または未置換フェニルであり;
TBは未置換であるか、あるいは1または2個の(C1−C4)−アルキル基により、または[(C1−C3)−アルコキシ]カルボニルにより置換される(C1−またはC2)−アルカンジイル鎖である]のキノリン誘導体、好ましくは:
a) 8−キノリンオキシ酢酸型の化合物(S2)、好ましくは1−メチルヘキサ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(一般名“クロキントセット−メキシル”(S2−1)(Pestic. Man.を参照)、1,3−ジメチルブタ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−2)、4−アリルオキシブチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−3)、1−アリルオキシプロパ−2−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−4)、エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−5)、メチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−6)、アリル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−7)、2−(2−プロピリデンイミノキシ)−1−エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−8)、2−オキソプロパ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−9)、並びにEP−A−86750、EP−A−94349およびEP−A−191736またはEP−A−0 492366に記載のような関連化合物、さらにWO−A−2002/034048に記載のようなそれらの水和物および塩;
b) (5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸型の化合物、好ましくは(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸メチルエチルのような化合物、およびEP−A−0 582 198に記載のような関連化合物;
【0132】
C) 式(S−III)
【化30】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RC1は(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−ハロアルケニル、(C3−C7)−シクロアルキル、好ましくはジクロロメチルであり;
RC2、RC3は同一または異なって水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C2−C4)−ハロアルケニル、(C1−C4)−アルキルカルバモイル−(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニルカルバモイル−(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ジオキソラニル−(C1−C4)−アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジル、置換または未置換フェニルであるか、あるいはRC2およびRC3は一緒になって置換または未置換複素環式環、好ましくはオキサゾリジン、チアゾリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジンまたはベンゾキサジン環を形成する]の化合物、好ましくは:
発芽前の薬害軽減剤(土壌に作用する薬害軽減剤)として頻繁に使用されるジクロロアセトアミド型の活性化合物、例えば“ジクロルミド”(Pestic.Man.を参照)(=N,N−ジアリル−2,2−ジクロロアセトアミド)、“R−29148”(=3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン;Stauffer社)、“R−28725”(=3−ジクロロアセチル−2,2,−ジメチル−1,3−オキサゾリジン;Stauffer社)、“ベノキサコル”(Pestic.Man.を参照)(=4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾキサジン)、“PPG−1292”(=N−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド;PPG Industries社)、“DK−24”(=N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド;Sagro−Chem社)、“AD−67”または“MON4660”(=3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザ−スピロ[4,5]デカン;Nitrokemia社またはMonsanto社)、“TI−35”(=1−ジクロロアセチルアゼパン;TRI−Chemical RT社)、“ジクロノン”(ジシクロノン)または“BAS145138”または“LAB145138”(=3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン;BASF社)および“フリラゾール”または“MON13900”(Pestic. Man.を参照)(=(RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン);
【0133】
D) 式(S−IV)
【化31】

[式中、XDはCHまたはNであり;
RD1はCO−NRD5RD6またはNHCO−RD7であり;
RD2はハロゲン、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニルまたは(C1−C4)−アルキルカルボニルであり;
RD3は水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニルまたは(C2−C4)−アルキニルであり;
RD4はハロゲン、ニトロ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C3−C6)−シクロアルキル、フェニル、(C1−C4)−アルコキシ、シアノ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニルまたは(C1−C4)−アルキルカルボニルであり;
RD5は水素、(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C5−C6)−シクロアルケニル、フェニル、または窒素、酸素および硫黄からなる群からのvD個のヘテロ原子を含有する3〜6員のヘテロシクリルであり、ここで最後に挙げた7個の基はハロゲン、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシ、(C1−C2)−アルキルスルフィニル、(C1−C2)−アルキルスルホニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシカルボニル、(C1−C4)−アルキルカルボニルおよびフェニル、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からのvD個の置換基により置換され;
RD6は水素、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニルまたは(C2−C6)−アルキニルであり、ここで最後に挙げた3個の基はハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオからなる群からのvD個の基により置換され、あるいは
RD5およびRD6はそれらを有する窒素原子と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル基を形成し;
RD7は水素、(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキルであり、ここで最後に挙げた2個の基はハロゲン、(C1−C4)−アルコキシ、ハロゲン−(C1−C6)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオ、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からのvD個の置換基により置換され;
nDは0、1または2であり;
mDは1または2であり;
vDは0、1、2または3である]のN−アシルスルホンアミドおよびそれらの塩、好ましくは例えばWO 97/45016から知られている下記式(S−V)
【0134】
【化32】

[式中、RD7は(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキルであり、ここで最後に挙げた2個の基はハロゲン、(C1−C4)−アルコキシ、ハロゲン−(C1−C6)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオ、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からのvD個の置換基により置換され;
RD4はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、CF3であり;
mDは1または2であり;
vDは0、1、2または3である]のN−アシルスルホンアミド型の化合物;さらに
【0135】
例えばWO 99/16744から知られている下記式(S−VI)、
【化33】

のアシルスルファモイルベンズアミド、例えば
RD5 = シクロプロピルおよび(RD4) = 2−OMe (“シプロスルファミド”、S3−1)、
RD5 = シクロプロピルおよび(RD4) = 5−Cl−2−OMe(S3−2)、
RD5 = エチルおよび(RD4) = 2−OMe(S3−3)、
RD5 = イソプロピルおよび(RD4) = 5−Cl−2−OMe(S3−4)、そして
RD5 = イソプロピルおよび(RD4) = 2−OMe(S3−5)である化合物;さらに
【0136】
例えばEP−A−365484から知られている式(S−VII)
【化34】

[式中、RD8およびRD9は互いに独立して水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C6)−アルケニル、(C3−C6)−アルキニルであり、
RD4はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、CF3であり、
mDは1または2である]のN−アシルスルファモイルフェニル尿素型の化合物、特に
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、
1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−ナフトイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素;
【0137】
G) ヒドロキシ芳香族物質および芳香族−脂肪族カルボン酸誘導体の類からの活性化合物、例えばWO 2004084631、WO 2005015994、WO 2006007981、WO 2005016001に記載のような3,4,5−トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシサリチル酸、4−フルオロサリチル酸、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボキサミド、2−ヒドロキシ桂皮酸、2,4−ジクロロ桂皮酸;
H) 1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン類からの活性化合物、例えばWO 2005112630に記載のような1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−チオン、1−(2−アミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン塩酸塩、1−(2−メチルスルホニルアミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロ−キノキサリン−2−オン;
I) 有害植物に対する除草作用に加えて、さらにイネのような作物で薬害軽減作用を示す活性化合物、例えば除草剤モリネートによる被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ジメピペレート”または“MY−93”(Pestic. Man.を参照)(=S−1−メチル−1−フェニルエチルピペリジン−1−チオカルボキシレート)、除草剤イマゾスルフロンによる被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ダイムロン“または“SK23”(Pestic. Man.を参照)(=1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トリル尿素)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“クミルロン”=“JC−940”(=3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素;JP−A−60087254を参照)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“メトキシフェノン”または“NK049”(=3,3'−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“CSB”(=1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091−06−4;Kumiai社);
【0138】
K) WO−A−1998/38856に記載のような式(S−IX)
【化35】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RK1、RK2は互いに独立してハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ニトロであり、
AKはCOORK3またはCOORK4であり、
RK3、RK4は互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、シアノアルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキルまたはアルキルアンモニウムであり、
nK1は0または1であり、
nK2、nK3は互いに独立して0、1または2である] の化合物、好ましくはメチル(ジフェニルメトキシ)アセテート(CAS登録番号:41858−19−9);
【0139】
L) WO A−98/27049に記載のような式(S−X)
【化36】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
XLはCHまたはNであり;
nLはX=Nの場合、0〜4の整数であり、そして
X=CHの場合、0〜5の整数であり、
RL1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるフェノキシであり、
RL2は水素または(C1−C4)−アルキルであり、
RL3は水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルまたはアリールであり、ここで上記の炭素を含有する基はそれぞれ未置換であるか、またはハロゲンおよびアルコキシからなる群からの1個またはそれ以上の、好ましくは3個までの同一または異なる基により置換される]の化合物またはその塩;
【0140】
M) 3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン類からの活性化合物、例えばWO−A−1999000020に記載のような1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−エチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号:219479−18−2)、1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号:95855−00−8);
【0141】
N) WO−A−2007023719およびWO−A−2007023764に記載のような式(S−XI)または(S−XII)
【化37】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RN1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF3、OCF3であり、
Y、Zは互いに独立してOまたはSであり、
nNは0〜4の整数であり、
RN2は(C1−C16)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルであり、
RN3は水素、(C1−C6)アルキルである]の化合物;
O) 1,8−ナフタル酸無水物、
O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート(ジスルホトン)、
4−クロロフェニルメチルカルバメート(メフェネート)、
O,O−ジエチルO−フェニルホスホロチオエート(ジエトレート)、
4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−酢酸(CL−304415、CAS登録番号:31541−57−8)、
2−プロペニル1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオエート(MG−838、CAS登録番号:133993−74−5)、
メチル[(3−オキソ−1H−2−ベンゾチオピラン−4(3H)−イリデン)メトキシ]アセテート(WO−A−98/13361から;CAS登録番号:205121−04−6)、
シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(シオメトリニル)、
1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(オキサベトリニル)、
4'−クロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノンO−1,3−ジオキソラン−2−イルメチルオキシム(フルキソフェニム)、
4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(フェンクロリム)、
ベンジル2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(フルラゾール)、
2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG−191)からなる群からの1種またはそれ以上の化合物であり、農業で慣用の立体異性体および塩を含む。
【0142】
他の知られている活性化合物、例えば殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、鳥忌避剤、植物栄養素および土壌構造改良剤との混合物もまた可能である。
【0143】
幾つかの薬害軽減剤はすでに除草剤として知られており、したがって有害植物に対する除草作用に加えて、さらに作物の保護作用を示す。
【0144】
除草剤(混合物)と薬害軽減剤の重量比は一般に除草剤の施用量および当該薬害軽減剤の効力に依存し、広い範囲内で変動し、例えば200:1〜1:200、好ましくは100:1〜1:100、特に20:1〜1:20の範囲である。式(I)の化合物またはそれらの混合物と同様にして、薬害軽減剤は他の除草剤/農薬と一緒に製剤化して提供することができ、除草剤と一緒に最終製剤またはタンクミックスとして使用することができる。
【0145】
式(I)の化合物の必要な施用量はとりわけ温度、湿度および使用される除草剤の種類のような外的条件に応じて変動する。それは広い範囲内で変動し、例えば0.001〜10000g/haまたはそれ以上の活性物質であるが、好ましくは0.5〜5000g/ha、特に好ましくは0.5〜1000g/ha、そして非常に特に好ましくは0.5〜500g/haである。
【0146】
本発明の活性化合物は例えば次の植物に関連して使用することができる:
双子葉植物の雑草:Abutilon、Amaranthus、Ambrosia、Anoda、Anthemis、Aphanes、Atriplex、Bellis、Bidens、Capsella、Carduus、Cassia、Centaurea、Chenopodium、Cirsium、Convolvulus、Datura、Desmodium、Emex、Erysimum、Euphorbia、Galeopsis、Galinsoga、Hibiscus、Ipomoea、Kochia、Lamium、Lepidium、Lindernia、Matricaria、Mentha、Mercurialis、Mullugo、Myosotis、Papaver、Pharbitis、Plantago、Polygonum、Portulaca、Ranunculus、Raphanus、Rorippa、Rotala、Rumex、Salsola、Senecio、Sesbania、Sida、Sinapis、Solanum、Sonchus、Sphenoclea、Stellaria、Taraxacum、Thlaspi、Trifolium、Urtica、Veronica、Viola、Xanthium属。
双子葉植物の作物:Arachis、Cucumis、Cucurbita、Daucus、Glycine、Gossypium、Linum、Lycopersicon、Nicotiana、Pisum、Solanum、Vicia属。
単子葉植物の雑草:Aegilops、Agropyron、Agrostis、Alopecurus、Apera、Avena、Brachiaria、Bromus、Cenchrus、Commelina、Cynodon、Cyperus、Dactyloctenium、Digitaria、Echinochloa、Eleocharis、Eleusine、Eragrostis、Eriochloa、Festuca、Fimbristylis、Heteranthera、Imperata、Ischaemum、Leptochloa、Lolium、Monochoria、Panicum、Paspalum、Phalaris、Phleum、Poa、Rottboellia、Sagittaria、Scirpus、Setaria、Sorghum属。
単子葉植物の作物:Allium、Ananas、Asparagus、Avena、Hordeum、Oryza、Panicum、Saccharum、Secale、Sorghum、Triticale、Triticum、Zea属。
【0147】
しかしながら、本発明の活性化合物の使用はこれらの属に決して制限されず、同様に他の植物まで及ぶ。
【0148】
本発明の塩、特に式(I)の化合物はまた、その濃度に応じて例えば工業地域および線路、さらに植林の有無に関らず道路および領域において雑草を完全に防除するのに適している。同様に、本発明の活性化合物は多年生作物、例えば森林、装飾樹植栽地、果樹園、ブドウ園、柑橘類、ナッツ園、バナナ農園、コーヒー農園、茶園、ゴム園、アブラヤシ農園、ココア農園、ソフトフルーツ植栽地およびホップ畑、芝生、芝土および放牧地において雑草を防除するために、さらに1年生作物において雑草を選択的に防除するために使用することができる。
【0149】
本発明の塩、特に式(I)の化合物は土壌および植物の地上部で使用すると強力な除草活性および幅広い活性スペクトルを示す。ある程度まで、それらは発芽前および発芽後の施用、さらに連続施用により単子葉および双子葉植物の作物において単子葉および双子葉植物の雑草を選択的に防除するのにも適している。
【0150】
本発明の塩、特に式(I)の化合物は後続作物に対する好ましい効果(輪作特性)を有し、すなわち本発明の塩、特に式(I)の化合物に対して感受性のある様々な後続作物、例えばテンサイ、ヒマワリまたはアブラナ科植物、例えば菜種、カラシナおよび野生のカブにおいて、たとえあったとしても極めて低い植物毒性が(例えば(a) 薄緑色から黄色の葉脈、(b) 植物全体の黄変、(c) 植物成長の遅延、(d) 植物の若い部位または植物全体の発達異常の形態で)観察されている。
【0151】
本発明の活性化合物の製造および使用を次の実施例により詳しく説明する。
A. 合成例
2−ヨードベンゼンスルホンアミド
−70℃でテトラヒドロフラン中の61.5ml(98.45ミリモル)のn−ブチルリチウム溶液(1.6モル)を150mlの無水テトラヒドロフラン中の10g(46.88ミリモル)のN−t−ブチルベンゼンスルホンアミドの溶液にゆっくりと加えた。次に、溶液を−30℃に一時的に加温し、再び−70℃に冷却し、次に80mlのテトラヒドロフラン中に溶解した13.09g(51.57ミリモル)のヨウ素を加えた。この添加後、溶液を室温にゆっくりと加温し、この温度で3時間攪拌した。次に、溶液を50%濃度のチオ硫酸ナトリウム水溶液および水で洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させた。これにより4.3g(理論量の27%)のN−t−ブチル−2−ヨードベンゼンスルホンアミドを得た。
室温で4.3g(12.68ミリモル)のN−t−ブチル−2−ヨードベンゼンスルホンアミドを15mlのトリフルオロ酢酸中で6時間攪拌した。溶液を蒸発させて得られた固体を水で洗浄した。これにより3.1g(理論量の86%)の2−ヨードベンゼンスルホンアミドを得た。
【0152】
2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネート
2.1g(21.2ミリモル)のn−ブチルイソシアネートおよび0.04g (0.35ミリモル)の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを50mlのキシレン中の5.0g(17.66ミリモル)の2−ヨードベンゼンスルホンアミドの溶液に加え、混合物を150℃(還流)で1時間攪拌した。次に、120〜125℃で10mlのキシレン中の2.27g(11.48ミリモル)のクロロギ酸トリクロロメチルの溶液を1.5時間かけて滴下して加えた。次に、混合物を150℃で1時間攪拌した。最後に、溶媒およびすべての揮発性成分を減圧下蒸留により除去した。残留物(5.0g)をさらに精製することなく次の反応に使用した。
2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートは2238cm-1に強度のNCO振動バンドが存在するためIR分光法により検出することができる。1H−NMRデータ:(400MHz, CDCl3, δ, ppm):8.19 (dd, J=1.6, 7.6, 1H);8.17 (dd, J=1.6, 7.6, 1H);7.57 (dt, J=1.6, 8.0, 1H);7.33 (dt, J=2.0, 8.0, 1H)。
【0153】
2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミド
最初に250mg(0.88ミリモル)の2−ヨードベンゼンスルホンアミドおよび253mg(0.97ミリモル)の2−(N−フェニルオキシカルボニル)アミノ−4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジンを3mlのアセトニトリル中に入れた。次に、0.26ml(1.77ミリモル)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを加え、溶液を室温で1時間攪拌した。2N塩酸を使用して、溶液をゆっくりとpH1に調整した。沈殿した固体を吸引ろ過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより360mg(理論量の90%)の2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0154】
2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩(=下表1の化合物I−2)
0.47g(11.69ミリモル)の水酸化ナトリウムを500mlのアセトニトリルおよび50mlの水中の5.0g(11.13ミリモル)の2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの溶液に加えた。溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、高真空下で乾燥させた後、ナトリウム塩を定量的収率で得た。1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.97 (br. s, 1H);8.03 (dd, J=1.7, 7.9, 1H);7.94 (dd, J=1.1, 7.8, 1H);7.44 (dt, J=1.2, 7.4, 1H);7.10 (dt, J=1.7, 7.4, 1H);3.83 (s, 3H);2.29 (s, 3H)。
【0155】
同様にして次の化合物が得た:
水酸化カリウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドカリウム塩(=下表1の化合物I−3)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):9.06 (br. s, 1H);8.04 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);7.94 (dd, J=1.0, 7.8, 1H);7.45 (dt, J=1.2, 7.7, 1H);7.11 (dt, J=1.5, 7.6, 1H);3.84 (s, 3H);2.29 (s, 3H)。
【0156】
水酸化リチウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドリチウム塩(=下表1の化合物I−1)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):9.56 (br. s, 1H);8.05 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);7.95 (dd, J=1.1, 7.8, 1H);7.46 (ddd, J=1.2, 7.4, 7.8, 1H);7.11 (dt, J=1.7, 7.7, 1H);3.86 (s, 3H);2.30 (s, 3H)。
【0157】
水酸化マグネシウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドマグネシウム塩(=下表1の化合物I−4)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.96 (br. s , 1H);8.05 (dd, J=1.6,
7.9, 1H);7.94 (dd, J=1.1, 7.8, 1H);7.44 (dt, J=1.2, 7.7, 1H);7.10 (dt, J=1.7, 7.5, 1H);3.84 (s, 3H);2.30 (s, 3H)。
【0158】
水酸化カルシウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドカルシウム塩(=下表1の化合物I−5)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.87 (br. s, 1H);8.02 (dd, J=1.7, 7.9, 1H);7.93 (dd, J=1.2, 7.8, 1H);7.43 (dt, J=1.2, 7.7, 1H);7.08 (dt, J=1.7, 7.6, 1H);3.83 (s, 3H);2.28 (s, 3H)。
【0159】
2−アミノエタノールとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミド−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウム塩(=下表1の化合物I−19)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.03 (dd, J=1.7, 7.9, 1H);7.93 (dd, J=1.2, 7.8, 1H);7.71 (br. s, 1H);7.44 (dt, J=1.2, 7.8, 1H);7.09 (dt, J=1.7, 7.6, 1H);5.11 (br. s, 1H);3.83 (s, 3H);3.57 (t, J=5.3, 2H);2.85 (t, J=5.5, 2H);2.28 (s, 3H)。
【0160】
2,2'−イミノジエタノールとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドビス−N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウム塩(=下表1の化合物I−20)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.02 (dd, J=1.7, 7.9, 1H);7.93 (dd, J=1.2, 7.8, 1H);7.43 (dt, J=1.2, 7.7, 1H);7.08 (dt, J=1.7, 7.5, 1H);5.13 (br. s, 2H);3.83 (s, 3H);3.64 (t, J=5.2, 4H);2.98 (t, J=5.5, 4H);2.28 (s, 3H)。
【0161】
2,2,2'''−ニトリロトリエタノールとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドトリス−N,N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウム塩(=下表1の化合物I−21)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):9.05 (br. s, 1H);8.05 (dd, J=1.4, 7.8, 1H);7.97 (br. d, J=8.1, 1H);7.47 (br. t, J=7.6, 1H);7.14 (br. t, J=8.2, 1H);4.99 (br. s, 3H);3.86 (s, 3H);3.65 (br. s, 6H);3.08 (br. s, 6H);2.31 (s, 3H)。
【0162】
アンモニアとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドアンモニウム塩(=下表1の化合物I−6)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):9.33 (br. s, 1H);8.08 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);8.00 (d, J=7.6, 1H);7.50 (t, J=7.8, 1H);7.18 (br. t, J=7.3, 1H);7.12 (br. s, 3H);3.87 (s, 3H);2.34 (s, 3H)。
【0163】
イソプロピルアミンとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドイソプロピルアンモニウム塩(=下表1の化合物I−15)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):9.06 (br. s, 1H);8.04 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);7.95 (dd, J=0.9, 7.7, 1H);7.63 (br s, 3H);7.46 (dt, J=1.0, 7.8, 1H);7.12 (dt, J=1.1, 7.4, 1H);3.84 (s, 3H);3.26 (spt, J=6.6, 1H);2.30 (s, 3H);1.15 (d, J=6.5, 6H)。
【0164】
水酸化テトラエチルアンモニウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドテトラエチルアンモニウム塩(=下表1の化合物I−12)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.78 (br. s, 1H);8.02 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);7.93 (dd, J=1.1, 7.8, 1H);7.43 (ddd, J=1.3, 7.4, 7.8, 1H);7.08 (ddd, J=1.7, 7.4, 7.7, 1H);3.82 (s, 3H);3.19 (m, 8H);2.27 (s, 3H);1.15 (m, 12H)。
【0165】
水酸化テトラプロピルアンモニウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドテトラプロピルアンモニウム塩(=下表1の化合物I−14)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.76 (br. s, 1H);8.02 (dd, J=1.6, 7.9, 1H);7.92 (dd, J=1.1, 7.8, 1H);7.43 (ddd, J=1.3, 7.4, 7.8, 1H);7.08 (ddd, J=1.7, 7.4, 7.7, 1H);3.82 (s, 3H);3.12 (m, 8H);2.27 (s, 3H);1.60 (m, 8H);0.89 (t, J=7.3, 12H)。
【0166】
水酸化テトラブチルアンモニウムとの反応による2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドテトラブチルアンモニウム塩(=下表1の化合物I−18)。
1H−NMRデータ:(300MHz, d6−DMSO, δ, ppm):8.76 (br. s, 1H);8.02 (dd, J=1.7, 7.9, 1H);7.92 (dd, J=1.2, 7.8, 1H);7.42 (dt, J=1.3, 7.7, 1H);7.07 (dt, J=1.7, 7.6, 1H);3.82 (s, 3H);3.16 (m, 8H);2.26 (s, 3H);1.57 (m, 8H);1.31 (m, 8H);0.93 (t, J=7.5, 12H)。
【0167】
下表1に記載の化合物は直接前記のようにして、または前記実施例と同様にして得られる。
【0168】
【表1】

【0169】
【表2】

【0170】
B. 製剤例
a) 粉剤は、10質量部の本発明の塩、特に式(I)の化合物、および不活性物質としての90質量部のタルクを混合し、その混合物をハンマーミルで粉砕することにより得られる。
b) 容易に水に分散しうる水和剤は、25質量部の本発明の塩、特に式(I)の化合物、不活性物質としての64質量部のカオリン含有石英、10質量部のリグノスルホン酸カリウム、並びに湿展剤および分散剤としての1質量部のナトリウムオレイルメチルタウリドを混合し、その混合物をピン付きディスクミルで粉砕することにより得られる。
c) 容易に水に分散しうる分散製剤(dispersion concentrate)は20質量部の本発明の塩、特に式(I)の化合物を、6質量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル(Triton(登録商標)X207)、3質量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)および71質量部のパラフィン系鉱油(沸点範囲:例えば約255℃〜277℃より大)と混合し、その混合物をボールミルで5ミクロン以下の粉末度に粉砕することにより得られる。
d) 乳剤は15質量部の式(I)の化合物、溶剤としての75質量部のシクロヘキサノンおよび乳化剤としての10質量部のオキシエチレン化ノニルフェノールから得られる。
e) 顆粒水和剤は75質量部の本発明の化合物、 特に式(I)の化合物、10質量部のリグノスルホン酸カルシウム、5質量部のラウリル硫酸ナトリウム、3質量部のポリビニルアルコールおよび7質量部のカオリンを混合し、その混合物をピン付きディスクミルで粉砕し、その粉末を造粒液としての水に噴霧して流動床中造粒することにより得られる。
f) 顆粒水和剤はまた、25質量部の本発明の化合物、 特に式(I)の化合物、5質量部のナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、2質量部のナトリウムオレイルメチルタウリド、1質量部のポリビニルアルコール、17質量部の炭酸カルシウムおよび50質量部の水をコロイドミルで均一化および予粉砕し(precomminuting)、続いてその混合物をビーズミルで粉砕し、得られた懸濁液を噴霧塔で単一材料(single-material)ノズルにより噴霧(atomixing)および乾燥することにより得られる。
【0171】
C. 生物学的試験
1. 発芽前除草作用
単子葉および双子葉雑草の種子または根茎片をボール紙製のポットに入れた砂壌土に置き、覆土した。次に、水和剤または乳剤の形態で製剤化した本発明の化合物を様々な薬量の水性懸濁液またはエマルションとして100〜800L/haの水(換算)の施用割合で覆土表面に施用した。
処理後、ポットを温室に入れ、雑草にとって良好な成長条件下に保った。3〜4週間の試験期間後、試験植物の発芽後の植物または発芽の被害を未処理対照と比較して視覚的に採点した。その結果からわかるように、本発明の化合物は広範スペクトルのイネ科雑草および広葉雑草に対して良好な発芽前除草活性を示す。
例えば、表1の化合物No. I−1、I−2、I−3、I−4、I−12、I−18、I−19はMatricaria inodora、Papaver rhoeas、Stellaria mediaおよびViola tricolorのような有害植物に対して発芽前法により1ヘクタールあたり0.08kg以下の活性物質の施用割合で施用すると非常に良好な除草活性を示した。
【0172】
2. 発芽後除草作用−温室
単子葉および双子葉雑草の種子または根茎片をプラスチックポットに入れた砂壌土に置き、覆土し、温室に入れて良好な成長条件下で育成した。播種してから3週間後、試験植物を3葉期に処理した。水和剤または乳剤の形態で製剤化した本発明の化合物を様々な薬量で100〜800L/haの水(換算)の施用割合で植物の緑色部分に散布した。試験植物を温室で最適な成長条件下に約10〜28日間静置した後、製剤の活性を未処理対照と比較して視覚的に採点した。発芽後法により施用しても、本発明の組成物は広範スペクトルの経済的に重要なイネ科雑草および広葉雑草に対して良好な除草活性を示した。
例えば、表1の化合物No. I−1、I−2、I−3、I−4、I−12、I−18、I−19はAmaranthus retroflexus、Lolium multiflorum、Abuthilon theophrasti、Matricaria inodora、Ipomoea purpurea、Panicum minor、Stellaria media、Solanum nigrum、Veronica persicaおよびViola tricolorのような有害植物に対して発芽後法により1ヘクタールあたり0.08kg以下の活性物質の施用割合で施用すると非常に良好な除草活性を示した。
【0173】
3. 発芽後除草作用−圃場試験
試験の説明
直接比較において、圃場試験条件下(施用時:被験雑草の3〜5葉段階)、DE 27 15 786から知られている遊離酸“2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミド”の雑草防除の活性を本発明の2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの個々の塩(化合物I−3(2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドのカリウム塩)およびI−4(2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドのマグネシウム塩))と比較し、施用後25日に評価を行なった。活性に関して、単子葉雑草の代表例(Panicum minor)および双子葉雑草の代表例(Solanum nigrum)を共に下記のスキームに従って採点した:
0% = 防除なし
100% = 完全防除
【0174】
得られた結果を下記の表A−1に示す。それは明らかに単子葉雑草および双子葉雑草の両方に関して本発明の式(I)の化合物により雑草防除が改善されたことを証明している。
【表3】

【0175】
別の直接比較において、圃場試験条件下(施用時:被験雑草の2〜4葉段階)、DE 27 15 786から知られている遊離酸“2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミド”の雑草防除の活性を様々な施用割合で本発明の2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドのNa+塩(本発明の化合物I−2)と比較し、施用後28日に評価を行なった。活性に関して、雑草Chenopodium album、Fagopyran repensおよびPennisetum glaucaを下記のスキームに従って採点した:
0% = 防除なし
100% = 完全防除
【0176】
得られた結果を下記の表A−2に示す。それは明らかに遊離酸と比較して本発明の化合物I−2により雑草防除が改善されたことを証明している。
【表4】

【0177】
4. 作物との適合性
温室での更なる試験において、比較的多数の作物および雑草の種子を砂壌土に置いて覆土した。幾つかのポットを直ちにセクション1に記載のようにして処理し、他のポットを植物が2〜3枚の本葉を出すまで温室に置き、次にセクション2に記載のようにして様々な薬量の本発明の化合物を散布した。温室に置いて施用してから4〜5週間後の視覚的採点により、たとえ高活性化合物薬量で本発明の化合物を発芽前法および発芽後法により施用してもイネ科作物、例えばオオムギ、オートムギ、ライムギまたはコムギに被害を与えないことを見出した。幾つかの本発明の塩は高い選択性を示し、そのため農作物において望ましくない植生を防除するのに適している。
【0178】
5. 移植特性
更なる試験において、様々な薬量の試験物質を土壌中に施用した。続いて、処理した土壌で満たしたプラスチックポットに様々な作物を播種し、22℃/14℃の昼/夜リズムを使用して温室で栽培した。4週間後、植物を下記のスキームに従って評価した:
0% = 被害なし
100% = 全被害
【0179】
表B1−1〜B1−5はテンサイについて異なる施用量の(a) 本発明の化合物I−2および(b) メトスルフロン−メチルを使用した試験の結果を示す。
【0180】
【表5】

【0181】
表B2−1〜B2−5はアブラナ(Brassica napus)について種々の施用割合の(a) 本発明の化合物I−2および(b) メトスルフロン−メチルを使用した試験の結果を示す。
【0182】
【表6】

【0183】
表B3−1〜B3−5はソラマメ(Vicia faba)について種々の施用割合の(a) 本発明の化合物I−2および(b) メトスルフロン−メチルを使用した試験の結果を示す。
【0184】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−ヨード−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイル]ベンゼンスルホンアミドの農薬的に活性な塩。
【請求項2】
一般式(I)
【化1】

[式中、カチオン(M+)は
(a) アルカリ金属イオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、または
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムもしくはマグネシウム、または
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛もしくは鉄、または
(d) 場合により1、2、3もしくは全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、ここで該基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる基により置換され、そしてここで各場合に窒素原子の2個の置換基は場合により一緒になって未置換のもしくは置換される環を形成するアンモニウムイオン、または
(e) ホスホニウムイオン、または
(f) スルホニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウム、または
(g) オキソニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウム、または
(h) 環系に1〜10個の炭素原子を有し、そして場合により単縮合または多縮合し、そして/もしくは(C1−C4)−アルキルにより単置換または多置換される飽和もしくは不飽和/芳香族の含窒素複素環式イオン性化合物である]を有する請求項1記載の農薬的に活性な塩。
【請求項3】
カチオン(M+)は
(a) アルカリ金属イオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、または
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムもしくはマグネシウム、または
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛もしくは鉄、または
(d) 場合により1、2、3もしくは全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシ−(C1−C2)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C2)−アルコキシ−(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一もしくは異なる基により置換され、ここで該基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシ、(C1−C2)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個もしくはそれ以上の同一もしくは異なる基により置換され、そしてここで各場合に窒素原子の2個の置換基は場合により一緒になって未置換のもしくは置換され環を形成するアンモニウムイオン、または
(e) 第4ホスホニウムイオン、好ましくはテトラ−((C1−C4)−アルキル)ホスホニウムもしくはテトラフェニルホスホニウムであり、ここで(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる基により単置換もしくは多置換され、または
(f) 第3スルホニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムもしくはトリフェニルスルホニウムであり、ここで(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる基により単置換もしくは多置換され、または
(g) 第3オキソニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムであり、ここで(C1−C4)−アルキル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる基により単置換もしくは多置換され、または
(h) 次の複素環式化合物、例えばピリジン、キノリン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、イミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の群からのカチオン、である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
カチオン(M+)はナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、NH4+イオン、(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、ビス−N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリス−N,N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、2−(2−ヒドロキシエタ−1−オキシ)エタ−1−イルアンモニウムイオン、ジ(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムイオンまたはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、1−フェニルエチルアンモニウムイオン、2−フェニルエチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、モルホリニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウムイオンである請求項2記載の化合物。
【請求項5】
カチオン(M+)はナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンまたはNH4+イオンである請求項2記載の化合物。
【請求項6】
カチオン(M+)はナトリウムイオンまたはカリウムイオンである請求項2記載の化合物。
【請求項7】
請求項2記載の化合物を製造する方法。
【請求項8】
少なくとも1種の請求項1〜6の何れかの項記載の化合物を望ましくない植物および/またはそれらの生育地で作用させることからなる望ましくない植生を防除する方法。
【請求項9】
望ましくない植物を防除するための請求項1〜6の何れかの項記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項10】
請求項1〜6の何れかの項記載の化合物および常用の増量剤および/または界面活性剤を含む、除草剤組成物。
【請求項11】
式(VI)
【化2】

の2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネート。
【請求項12】
式(II)
【化3】

のヨードベンゼンスルホンアミドをホスゲン、ジホスゲンまたはチオホスゲンと80℃〜150℃の温度で反応させることを含む2−ヨードベンゼンスルホニルイソシアネートを製造する方法。
【請求項13】
請求項1〜6の何れかの項記載の化合物および1つまたはそれ以上の他の農薬的に活性な化合物を含む除草剤組成物。

【公表番号】特表2011−500745(P2011−500745A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530339(P2010−530339)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008947
【国際公開番号】WO2009/053058
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】