説明

2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体とその付加塩及びそれらを有効成分とするPDE阻害剤

【課題】 ホスホジエステラーゼ阻害作用を有する医薬品の提供。
【解決手段】下記一般式(1)


で表される2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として有用な2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体とその付加塩並びに水和物に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は生体内のセカンドメッセンジャーであるcyclic AMP(cAMP)及びcyclic GMP(cGMP)を分解する酵素である。現在までに、PDEは1〜11までのタイプが見つかっており、タイプ毎にcAMPを特異的に分解するか、cGMPを特異的に分解するかあるいは両方を分解するかが決まっている。各タイプのPDE組織分布には差がみられ、臓器の種類により、様々なタイプのPDEにより細胞反応がコントロールされていると考えられている。
【0003】
PDE阻害剤の開発はこれまでに数多く行われており、例えばPDE3阻害剤は狭心症、心不全、高血圧症などの治療薬や血小板凝集抑制薬あるいは抗喘息薬として、またPDE4阻害剤は気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病、うつ病などの治療薬として期待されている。PDE5阻害剤は男性性機能障害治療薬としてすでに臨床において利用されている。さらに最近ではPDE10A modulatorとして、minocyclineをハンチントン病患者に試用して有効であったという報告があり(特許文献1)、PDE10阻害剤がハンチントン病、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病、統合失調症などの各種精神障害治療薬として有効であることを示した公開特許公報も開示されてきている(特許文献2)。また、肥満やメタボリックシンドロームに対しても有効であることを示す国際公開パンフレットもごく最近開示された(特許文献3)。
【0004】
PDE阻害作用を有するピラゾロピリジン誘導体が特許文献4,5,6、7及び8に開示されているが、本出願化合物の特徴でもあるピラゾロピリジン環の3位でピラゾロン環と連結し、かつそのピラゾロン環2位にアルキル基を介してピリダジノン環又はピラゾロン環を有する化合物は知られていなかった。一方、フタラジノン環2位にアルキル基を有してPDE阻害作用を有する化合物が特許文献9及び10に開示されているが、本発明化合物は、これらで開示された化合物と全く構造を異にする新規化合物である。
【0005】
【特許文献1】WO01024781号パンフレット
【特許文献2】特開2002−363103号公報
【特許文献3】WO05120514号パンフレット
【特許文献4】再公表WO98/14448号公報
【特許文献5】特開平10−109988号公報
【特許文献6】特開2006−117647号公報
【特許文献7】WO2006095666号公報
【特許文献8】特開2006−169138号公報
【特許文献9】WO2001019818号パンフレット
【特許文献10】WO9947505号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、優れたホスホジエステラーゼ阻害作用を有し、かつ副作用の軽減された2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ホスホジエステラーゼ阻害活性を有し、かつ安全性の高い化合物を創製すべく鋭意研究を重ねた結果、公知のPDE阻害剤とは構造を異にした新規な2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体がPDE阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は
1)
一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を、
は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルカノイル基、ヒドロキシ基又はカルボキシル基を、
及びRは同一又は異なって炭素数1〜6のアルキル基を、
及びRは同一又は異なって水素原子又はハロゲン原子を、
Aは下記一般式、
【0011】
【化2】

【0012】
[式中、Rは炭素数1〜6のアルキリル基を、
【0013】
【化3】

【0014】
は単結合又は二重結合を示す]で表される置換基又は下記一般式
【0015】
【化4】

【0016】
[式中、R及びRは炭素数1〜6のアルキル基を示す]で表される置換基を、
nは1〜5の整数を示す。]
で表されることを特徴とする2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0017】
2) 前記一般式(1)で示される化合物が、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
である上記1)記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0018】
3)上記1)〜2)の何れかに記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分とするホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、
【0019】
4)上記1)〜2)の何れかに記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬、に関するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、新規な2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体に優れたPDE阻害作用を有することを見出したものである。このようなPDE阻害作用を有する化合物は、狭心症、心不全、高血圧症などの治療薬や血小板凝集抑制薬あるいは気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、ハンチントン病、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病、うつ病、統合失調症などの各種精神障害、肥満、メタボリックシンドローム等の予防又は治療薬、男性性機能障害治療薬などとして有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の一般式(1)において、「炭素数1〜6のアルキル基」とは、直鎖もしくは分岐した炭素数1〜6の炭化水素であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はt−ブチル基などを挙げることができる。
【0022】
「炭素数1〜6のアルコキシ基」とは、炭化水素部が直鎖もしくは分岐した炭素数1〜6のアルキルエーテル基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルコキル基である。例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基又はt−ブトキシ基などを挙げることができる。
【0023】
「置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基」とは、直鎖もしくは分岐した炭素鎖上にハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有するものを挙げることができる。
【0024】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0025】
「炭素数1〜6のアルカノイル基」とは、直鎖もしくは分岐した炭素数1〜6のアルカノイル基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルカノイル基である。例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基又はイソブチリル基などを挙げることができる。
【0026】
「炭素数3〜8のシクロアルキル基」とは、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基などの炭素数3〜8の環状炭化水素を挙げることができる。
【0027】
「炭素数2〜4のアルケニル基」とは、直鎖もしくは分岐した不飽和2重結合を有する炭素数2〜4の炭化水素であり、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、 2−メチルアリル基又はイソブチリル基などが挙げられる。
【0028】
本発明における薬理学的に許容される塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの酸付加塩を挙げることができる。
【0029】
本発明によれば、一般式(1)で表される化合物は以下に示す合成経路により製造することができる。
【0030】
<合成経路A>
【0031】
【化5】

【0032】
合成経路Aにおいて、一般式(3)
【0033】
【化6】

【0034】
[式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、メトキシメチルオキシ基又は水酸基を示し、R、R、R、R及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(2)
【0035】
【化7】

【0036】
[式中、R、R、R及びRは前述の通り]
で表される化合物と一般式(4)
【0037】
【化8】

【0038】
[式中、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基又はパラトルエンスルホニルオキシ基を示し、Xは前述の通り]
で表される化合物を塩基の存在下、作用させることによって製造することができる(工程A−1)。
【0039】
反応はn−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドなどを塩基として用い、テトラヒドロフラン(THF)又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などを反応溶媒として、0℃〜100℃にて行うことができる。
【0040】
合成経路Aで一般式(1)で表される化合物は、一般式(3)で表される化合物と一般式(5)
【0041】
【化9】

【0042】
[式中、R、R、Aは前述の通り]
で表される化合物を反応させることによって製造することができる(工程A−2)。
【0043】
反応は一般式(3)で表される化合物のXが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基又はパラトルエンスルホニルオキシ基の場合、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどを塩基として用い、THF又はDMFなどを反応溶媒として、0℃〜100℃にて行うことができる。
【0044】
また、一般式(3)で表される化合物のXがt−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基又はトリイソプロピルシリルオキシ基の場合、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化水素酸又はフッ化水素酸ピリジニウムなどを、THFなどを溶媒として0℃〜常温にて作用させてまず水酸基に変換する必要がある。Xがテトラヒドロピラニルオキシ基又はメトキシメチルオキシ基の場合は例えば、濃塩酸、臭化水素酸などの酸類を酢酸などの溶媒中、0℃〜100℃で作用させることによって水酸基へと変換することができる。得られた水酸化体を塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子に変換する場合、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン又はトリフェノキシホスフィンなどの存在下、塩素、四塩化炭素、N−クロロコハク酸イミドなどの塩素化剤、臭素、四臭化炭素、N−ブロモコハク酸イミドなどの臭素化剤、又はヨウ素、N−ヨードコハク酸イミドなどのヨウ素化剤を、トルエン、塩化メチレン又はTHFなどの溶媒中、0℃〜常温にて作用させて行うことができる。
【0045】
また、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基又はパラトルエンスルホニルオキシ基に変換する場合、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はピリジンなどの塩基存在下、対応するスルホニルクロリド又はスルホニルアンヒドリドを、塩化メチレン又はTHFなどの溶媒中、0℃〜常温にて行うことができる。このようにして変換された化合物は、一般式(5)で表される化合物とn−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの塩基の存在下に、THF又はDMFなどを溶媒として用い、0℃〜100℃にて反応させることができる。
【0046】
<合成経路B>
【0047】
【化10】

【0048】

合成経路Bで一般式(6)
【0049】
【化11】

【0050】
[式中、R、R、A、X及びnは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(5)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物を塩基の存在下、作用させることによって製造することができる(工程B−1)。
反応は工程A−1と同様に行うことができる。
【0051】
合成経路Bで一般式(1)で表される化合物は、一般式(6)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を反応させることによって製造することができる(工程B−2)。
【0052】
反応は一般式(6)で表されるの化合物のXが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基又はパラトルエンスルホニルオキシ基の場合、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどを塩基として用い、THF又はDMFなどを反応溶媒として、0℃〜100℃にて行うことができる。
【0053】
また、一般式(6)で表される化合物のXがt−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基又はトリイソプロピルシリルオキシ基の場合、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化水素酸又はフッ化水素酸ピリジニウムなどを、THFなどを溶媒として0℃〜常温にて作用させてまず水酸基に変換する必要がある。Xがテトラヒドロピラニルオキシ基又はメトキシメチルオキシ基の場合は例えば、濃塩酸、臭化水素酸などの酸類を酢酸などの溶媒中、0℃〜100℃で作用させることによって水酸基へと変換することができる。得られた水酸化体を塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子に変換する場合、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン又はトリフェノキシホスフィンなどの存在下、塩素、四塩化炭素、N−クロロコハク酸イミドなどの塩素化剤、臭素、四臭化炭素、N−ブロモコハク酸イミドなどの臭素化剤、又はヨウ素、N−ヨードコハク酸イミドなどのヨウ素化剤を、トルエン、塩化メチレン又はTHFなどの溶媒中、0℃〜常温にて作用させて行うことができる。
【0054】
また、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基又はパラトルエンスルホニルオキシ基に変換する場合、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はピリジンなどの塩基存在下、対応するスルホニルクロリド又はスルホニルアンヒドリドを、塩化メチレン又はTHFなどの溶媒中、0℃〜常温にて行うことができる。このようにして変換された化合物は、一般式(2)の化合物とn−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの塩基の存在下に、THF又はDMFなどを溶媒として用い、0℃〜100℃にて反応させることができる。
【0055】
一般式(1)で表される化合物の中、Aが
【0056】
【化12】

【0057】
[式中、Rは前述の通り]
である化合物、即ち一般式(1a)
【0058】
【化13】

【0059】
[R、R、R、R、R、R、R及びnは前述の通り]
で表される化合物、及びAが
【0060】
【化14】

【0061】
[式中、Rは前述の通り]
で表される化合物、即ち一般式(1b)
【0062】
【化15】

【0063】
[R、R、R、R、R、R、R及びnは前述の通り]
で表される化合物は下記合成経路に示すように相互変換が可能である。
【0064】
<合成経路C>
【0065】
【化16】

【0066】
合成経路Cで一般式(1a)で表される化合物は一般式(1b)で表される化合物を還元することによって製造することができる(工程C−2)。
反応は、酢酸中、亜鉛を加え80℃〜90℃にて行うことができる。
【0067】
合成経路Cで一般式(1b)で表される化合物は一般式(1a)で表される化合物を酸化することによって製造することができる(工程C−1)。
【0068】
反応は、酢酸中、臭素を加え50℃〜60℃にて反応させるか、アセトニトリル中、塩化銅(II)を常温〜加熱還流下に反応させることができる。また、m−ニトロベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウム水溶液中にて常温下〜加熱還流下作用させて行うこともできる。
【実施例】
【0069】
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
また、本実施例に用いられている一般式(2)で表される中間体等は、特開2006−169138号のパンフレット中の化合物を利用することができる。
【0070】
<実施例1>
6−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0071】
【化17】

【0072】
アルゴンガス雰囲気下にて、市販の4−メトキシプロピオフェノン(25.0 g)をTHF(750 mL)に溶解し、氷冷下にてリチウムビストリメチルシリルアミド(1.00 mol/L THF溶液、153 mL)を滴下し、同温で30分間攪拌した。その後、同温度にてブロモ酢酸t‐ブチル(33.7 mL)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。抽出層を水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた茶褐色油状物をアセトニトリル(250 mL)に溶解し、モンモリロナイト KSF(30.0 g)を加え、加熱還流下にて7時間攪拌した。不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧留去して茶褐色油状物を得た。これをエタノール(300 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(22.0 mL)を加え、加熱還流下にて2.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、残渣に氷水を加え、生じた固体を濾取した。得られた固体を水、冷エタノール、ジイソプロピルエーテルの順に洗浄し、目的物 (26.7 g)を無色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) :δ 1.25 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.46 (1H,
d, J = 17.1 Hz), 2.71 (1H, dd, J = 17.1, 6.7 Hz), 3.32-3.36 (1H, m), 3.85 (3H,
s), 4.16 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.93-6.95 (2H, m), 7.69-7.72 (2H, m), 8.44 (1H,
brs).
【0073】
<実施例2>
6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0074】
【化18】

【0075】
実施例1の化合物
(26.3 g)をジクロロメタン(500 mL)に溶解し、氷冷下にて塩化アルミニウム(323 g)を加え、常温にて40時間攪拌した。反応液を氷水中に注いだ後、THFにて抽出し、抽出層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を減圧留去後、生じた固体をジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取することで、目的物(20.9 g)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.04 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.18 (1H,
d, J = 15.9 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 15.9, 1.8 Hz), 3.28-3.33 (1H, m), 3.31 (3H,
s), 6.78-6.80 (2H, m), 7.59-7.63 (2H, m), 9.78 (1H, s), 10.8 (1H, s).
【0076】
<実施例3>
6−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2H−ピリダジン−3−オン
【0077】
【化19】

【0078】
実施例1の化合物 (6.50 g)を0.5 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(350 mL)に溶解し、パラニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(6.70 g)を加え、加熱還流条件下4時間攪拌した。反応液を6 mol/L塩酸で中和後、析出した固体を濾取して、目的物(3.90 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.20 (3H, s), 3.86 (3H, s), 6.83 (1H,
s), 6.97 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.35 (2H, d, J = 8.6 Hz).
【0079】
<実施例4>
6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−2H−ピリダジン−3−オン
【0080】
【化20】

【0081】
実施例3の化合物(3.90 g)をジクロロメタン(180 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(24.1 g)を加え、常温にて8時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去することで目的物(2.40 g)を黄色固体として得た。
LRMS (EI+)
:202 [M+].
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.89 (3H, s), 6.56 (1H, s), 6.60
(1H, d, J = 8.6 Hz), 7.05 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0082】
<実施例5>
6−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニル)−5−メチル−2H−ピリダジン−3−オン
【0083】
【化21】

【0084】
実施例4の化合物 (300 mg)をDMF(8.0 mL)に溶解し、0℃にてイミダゾール(111 mg)、 塩化t−ブチルジメチルシリル(246 mg)を加え、常温にて4時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(208 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.21 (6H, s), 0.95 (9H, s), 2.10
(3H, d, J = 1.2 Hz), 6.79 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.91 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.36
(2H, d, J = 8.6 Hz), 13.08 (1H, s).
【0085】
<実施例6>
2−t−ブトキシカルボニル−6−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニル)−5−メチル−2H−ピリダジン−3−オン
【0086】
【化22】

【0087】
アルゴン雰囲気下、実施例5の化合物(207 mg)をアセトニトリル(6.5 mL)に溶解し、ジ-t-ブチルジカーボネート(170 mg)及び、N,N-ジメチルアミノピリジン(9.50 mg)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、目的物(159 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.22 (6H, s), 0.99 (9H, s), 1.63
(9H, s), 2.15 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.76 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.89 (2H, d, J =
8.6 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.6 Hz).
【0088】
<実施例7>
2−t−ブトキシカルボニル−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−2H−ピリダジン−3−オン
【0089】
【化23】

【0090】
アルゴン雰囲気下、実施例6の化合物(159 mg)をTHF(4.0 mL)に溶解し、0℃にてテトラブチルアンモニウムフルオリド (1.0 mol/L THF溶液、0.763 mL)を加え、常温にて40分攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル, 2-1→1-1)で精製し、目的物(32.2 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ1.53 (9H, s), 2.11 (3H, s), 6.83
(2H, d, J = 8.6 Hz), 6.92 (1H, s), 7.30 (2H, d, J = 8.6 Hz).
【0091】
<実施例8>
4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸 t−ブチルエステル
【0092】
【化24】

【0093】
アルゴン雰囲気下、4−メトキシアセトフェノン(15.0 g)をTHF(500 mL)に溶解し、0℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン (1.0 mol/L 、THF溶液、119.9 mL)を加え、常温にて30分攪拌した。反応液に0℃にてブロモ酢酸t-ブチル(16.2
mL)を加え、常温にて3時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出層を、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで目的物(27.4 g)を赤色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 1.45 (9H, s), 2.67 (2H, t, J = 6.7
Hz), 3.21 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.87 (3H, s), 6.93(2H, d, J = 8.9 Hz), 7.96 (2H,
d, J = 8.9 Hz).
【0094】
<実施例9>
6−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0095】
【化25】

【0096】
実施例8の化合物(27.4 g)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(30 mL)を加え、16時間放置した後、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物をエタノール(200 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(14.5 mL)を加え、加熱還流条件下2.5時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、固体を濾取することで目的物(18.9 g)を黄色固体として得た。
LRMS (EI+)
: 204 [M+].
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.60 (2H, t, J = 8.3 Hz), 2.97 (2H,
t, J = 8.3 Hz), 3.85 (3H, s), 6.93 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.67 (2H, d, J = 9.2
Hz), 8.47 (1H, brs).
【0097】
<実施例10>
6−(4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0098】
【化26】

【0099】
実施例9の化合物(6.00 g)をジクロロメタン(300 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(78.4 g)を加え、常温にて16時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで目的物(4.50 g)を黄色固体として得た。
LRMS (EI+)
: 190 [M+].
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 2.38 (2H, t, J = 8.3 Hz), 2.86 (2H,
t, J = 8.3 Hz), 6.77 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.57 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.77 (1H,
s), 10.73 (1H, s).
【0100】
<実施例11>
6−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン
【0101】
【化27】

【0102】
実施例10の化合物(8.50 g)を0.5
mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(500 mL)に溶解し、パラニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(10.3 g)を加え、加熱還流条件下1.5時間攪拌した。反応液を6 mol/L塩酸で中和し、析出した固体を濾取した。得られた固体をジクロロメタン(400
mL)に溶解し、塩化アルミニウム(108 g)を加え、常温にて19時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、ジエチルエーテルで洗浄して、目的物(3.29 g)を黄色固体として得た。
LRMS (EI+)
: 188 [M+].
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 6.82 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.90 (1H,
d, J = 9.8 Hz), 7.66 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.92 (1H, d, J = 9.8 Hz), 9.79 (1H,
brs).
【0103】
<実施例12>
6−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン
【0104】
【化28】

【0105】
実施例11の化合物を用いて、実施例5と同様な方法により、目的物を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.24 (6H, s), 1.02 (9H, s), 6.93
(2H, d, J = 8.6 Hz), 7.05 (1H, d, J = 10.0 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.72
(1H, d, J = 10.0 Hz).
【0106】
<実施例13>
2−t−ブトキシカルボニル−6−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン
【0107】
【化29】

【0108】
実施例12の化合物を用いて、実施例6と同様な方法により、目的物を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.22 (6H, s), 0.99 (9H, s), 1.66
(9H, s), 6.91 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.98 (1H, d, J = 9.8 Hz), 7.62 (1H, d, J =
9.8 Hz), 7.69 (2H, d, J = 8.6 Hz).
【0109】
<実施例14>
2−t−ブトキシカルボニル−6−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン
【0110】
【化30】

【0111】
実施例13の化合物を用いて、実施例7と同様な方法により、目的物を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 1.55 (9H, s), 6.84 (2H, d, J = 8.6
Hz), 7.05 (1H, d, J = 10.4 Hz), 7.70 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.01 (1H, d, J = 10.4
Hz), 9.93 (1H, s).
【0112】
<実施例15>
3−(4−メトキシフェニル)−3−オキソプロピオン酸メチルエステル
【0113】
【化31】

【0114】
4−メトキシアセトフェノン(7.00 g)を炭酸ジメチル(100 mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(5.60 g)及びメタノールを数滴加えた後、加熱還流条件下1.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで目的物(9.70 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 3.75 (3H ,s), 3.88 (3H, s), 3.97
(2H, s), 6.95 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.93 (2H, d, J = 8.9 Hz).
【0115】
<実施例16>
5−(4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0116】
【化32】

【0117】
アルゴン雰囲気下、実施例15の化合物(9.70 g)をDMF(150
mL)に溶解し、0℃にて60%水素化ナトリウム(2.50 g)を加え、常温にて30分攪拌した。反応液に0℃にてヨードメタン(3.9 mL)を加え、常温にて1時間攪拌した後、再度0℃にて60%水素化ナトリウム(2.50 g)を加え、常温にて30分攪拌した後、0℃にてヨードメタン(3.9 mL)を加え、常温にて1.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、固体を得た。得られた固体をエタノール(100 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(6.70 mL)を加え、加熱還流条件下9時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧下に留去後、残渣をヘキサンにて洗浄し、目的物
(6.60 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.51 (6H, s), 3.86 (3H, s), 6.95
(2H, d, J = 9.2 Hz), 7.74 (2H, d, J = 9.2 Hz).
【0118】
<実施例17>
5−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0119】
【化33】

【0120】
実施例16の化合物(6.60 g)をジクロロメタン(300 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(80.6 g)を加え、常温にて22時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルで洗浄して目的物
(5.10 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO, 400 MHz): δ6.93 (6H, s), 6.42 (2H, d, J = 8.2
Hz), 7.26 (2H, d, J = 8.6 Hz), 9.48 (1H, s), 10.91 (1H, s).
【0121】
<実施例18>
3−フルオロ−4−メトキシプロピオフェノン
【0122】
【化34】

【0123】
3−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド (5.00 g)をTHF(150 mL)に溶解し、−78℃にてエチルマグネシムブロミド (0.96 mol/L THF溶液40.6 mL)を加え、常温にて5時間攪拌した。反応液に1.0 mol/L塩酸を加えて、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して油状物を得た。アルゴン雰囲気下、DMSO(7.6 mL)をジクロロメタン(40 mL)に溶解し、ジクロロメタン(20 mL)に溶解した塩化オギザリル(6.2 mL)を−78℃にて滴下し、同温で15分攪拌した。この反応液に、先に得られた油状物のジクロロメタン(40 mL)溶液を、−78℃にて滴下し、同温で30分攪拌した後、同温でトリエチルアミン(18 mL)を滴下し、ゆっくりと常温まで昇温した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)で精製し、目的物(3.88 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.22 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.94 (2H,
q, J = 7.3 Hz), 3.96 (3H, s), 7.00 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.69-7.77 (2H, m).
【0124】
<実施例19>
4−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソブタン酸
【0125】
【化35】

【0126】
アルゴン雰囲気下、実施例18の化合物(1.90 g)をTHF(75
mL)に溶解し、−78℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン
(1.0 mol/L THF溶液、11.5 mL)を加え、常温にて30分攪拌した。反応液に−78℃にてブロモ酢酸メチル(0.825 mL)を加え、常温にて5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(1.98 g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.22 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.45 (1H,
dd, J = 16.5, 5.5 Hz), 2.95 (1H, dd, J = 16.5, 8.6 Hz), 3.65 (3H, s), 3.83-3.89
(1H, m), 3.96 (3H, s), 7.02 (1H, t, J = 8.2 Hz), 7.73 (1H, dd, J = 11.9, 2.1
Hz), 7.79 (1H, m).
【0127】
<実施例20>
6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0128】
【化36】

【0129】
実施例19の化合物(1.98
g)をエタノール(50 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(2.26 mL)及び酢酸(2.68 mmol)を加え、加熱還流条件下7.5時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(1.70 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.24 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.48 (1H,
d, J = 17.1 Hz), 2.71 (1H, dd, J = 17.1, 6.7 Hz), 3.26-3.33 (1H, m), 3.94 (3H,
s), 6.98 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.6, 1.2 Hz), 7.56 (1H, dd, J =
11.6, 1.2 Hz), 8.52 (1H, brs).
【0130】
<実施例21>
6−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0131】
【化37】

【0132】
アルゴン雰囲気下、実施例20の化合物(1.70 g)をジクロロメタン(50 mL)に溶解し、塩化アルミニウム (19.2 g)を加え、常温にて6時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的物(1.33 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 0.68 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.84 (1H,
d, J = 16.5 Hz), 2.28 (1H, dd, J = 16.5, 6.7 Hz), 2.92-3.00 (1H, m), 6.63 (1H,
t, J = 8.6 Hz), 7.07 (1H, dd, J = 8.6, 1.0 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 13.1, 2.1
Hz), 9.91 (1H, s), 10.51 (1H, s).
【0133】
<実施例22>
2−フルオロ−4−メトキシプロピオフェノン
【0134】
【化38】

【0135】
市販の2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(5.00 g)をTHF(150 mL)に溶解し、−78℃にてエチルマグネシムブロミド (0.96 mol/L THF溶液、40.6 mL)を加え、常温にて4時間攪拌した。反応液に1.0 mol/L塩酸を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して油状物を得た。得られた油状物をジメチルスルフォキシド(50 mL)に溶解し、トリエチルアミン(12.0 mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(6.80 g)を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチル:ヘキサン(1:4)で抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、目的物(1.27 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.19 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.92-2.99
(2H, m), 3.86 (3H, s), 6.61 (1H, dd, J = 13.4, 2.4 Hz), 6.75 (1H, dd, J = 8.6,
2.4 Hz), 7.90 (1H, t, J = 8.6 Hz).
【0136】
<実施例23>
6−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0137】
【化39】

【0138】
アルゴン雰囲気下、実施例22の化合物(670 mg)をTHF(35
mL)に溶解し、0℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン
(1.0 mol/L、THF溶液、4.0 mL)を加え、常温にて30分攪拌した後、0℃にてブロモ酢酸t-ブチル(0.591 mL)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5 mL)を加え、常温にて16時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧下に留去し、残渣をエタノール(35 mL)に溶解し、酢酸(1.85 mL)及びヒドラジン一水和物(0.714 mL)を加え、加熱還流条件下6時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した残渣を、NHタイプシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル, 1-1)で精製し、目的物(585 mg)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.20 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.43 (1H,
dd, J = 17.1, 3.0 Hz), 2.73 (1H, dd, J = 17.1, 6.4 Hz), 3.27-3.31 (1H, m), 3.84
(3H, s), 6.64 (1H, dd, J = 13.4, 2.4 Hz), 6.74 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 7.55
(1H, t, J = 8.6 Hz), 8.48 (1H, brs).
【0139】
<実施例24>
6−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0140】
【化40】

【0141】
アルゴン雰囲気下、実施例23の化合物(584 mg)をジクロロメタン(25 mL)に溶解し、塩化アルミニウム (7.20 g)を加え、常温にて15時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去した残渣を、ジエチルエーテルで洗浄して、目的物(430 mg)を黄色固体として得た。
LRMS (EI+)
: 222 [M+].
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ1.02 (3H, d, J = 6.7 Hz), 2.20 (1H,
dd, J = 16.5, 3.0 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 17.1, 6.7 Hz), 3.08-3.13 (1H, m), 6.59
(1H, dd, J = 13.4, 2.4 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 7.44 (1H, t, J =
9.2 Hz), 10.23 (1H, s), 10.89 (1H, s).
【0142】
<実施例25>
6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0143】
【化41】

【0144】
アルゴン雰囲気下、3−フルオロ−4−メトキシアセトフェノン(5.00 g)をTHF(150 mL)に溶解し、0℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン (1.0 mol/L THF溶液、31.2 mL)を加え、常温にて30分攪拌した後、0℃にてブロモ酢酸t-ブチル(4.61
mL)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10 mL)を加え、常温にて7時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去後、残渣をエタノール(150 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(4.33 mL)を加え、加熱還流条件下3時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)で精製し、目的物(3.88 g, 57%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.61 (2H, t, J = 7.9 Hz), 2.95 (2H,
t, J = 7.9 Hz), 3.93 (3H, s), 6.97 (1H, dd, J = 8.6, 8.6 Hz), 7.41 (1H, dd, J =
8.6, 2.4 Hz), 7.53 (1H, dd, J = 12.8, 2.4 Hz), 8.57 (1H, brs).
【0145】
<実施例26>
6−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0146】
【化42】

【0147】
アルゴン雰囲気下、
実施例25の化合物(3.88 g)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(45.3 g)を加え、常温にて15時間攪拌した。反応液に氷水を加えた後、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、目的物(3.42 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 2.39 (2H, t, J = 8.3 Hz), 2.87 (2H,
t, J = 8.3 Hz), 6.96 (1H, dd, J = 8.6, 8.6 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz),
7.49 (1H, dd, J = 12.8, 2.4 Hz), 10.24 (1H, brs), 10.81 (1H, brs).
【0148】
<実施例27>
2,4,5−トリフルオロ安息香酸 t−ブチルエステル
【0149】
【化43】

【0150】
2,4,5−トリフルオロ安息香酸(5.00 g, 28.4 mmol)をt-ブタノール(140 mL)に溶解し、ジt-ブチルジカーボネート(12.4 g)及び、N,N-ジメチルアミノピリジン(347 mg)を加え、常温にて19時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を1 mol/L 塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=99:1)で精製し、目的物(6.04 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.59 (9H, s), 6.96 (1H, ddd, J =
9.9, 6.3, 3.2 Hz), 7.71 (1H, ddd, J = 12.8, 6.4, 4.0 Hz).
【0151】
<実施例28>
2,5−ジフルオロ−4−メトキシ安息香酸 t−ブチルエステル
【0152】
【化44】

【0153】
メタノール(0.996 mL)を50%水酸化ナトリウム水溶液(70 mL)に溶解し、硫酸テトラブチルアンモニウム(2.78 g)及び実施例27の化合物(5.72 g)のトルエン(170
mL)溶液を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、目的物(3.43 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.58 (9H, s), 3.92 (3H, s), 6.68
(1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz), 7.59 (1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz).
【0154】
<実施例29>
2,5−ジフルオロ−4,N−ジメトキシ−N−メチルベンズアミド
【0155】
【化45】

【0156】
実施例28の化合物 (3.43 g)をジクロロメタン(50 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(20 mL)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮後、残渣をジクロロメタン(70 mL)に溶解し、0℃にてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.76 g)、トリエチルアミン(3.14 mL)及び、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(16.6 g)を加え、常温にて8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、目的物(3.15
g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 3.34 (3H, s), 3.59 (3H, s), 3.91
(3H, s), 6.71 (1H, dd, J = 10.4, 7.5 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 10.4, 6.1 Hz).
【0157】
<実施例30>
2,5−ジフルオロ−4−メトキシアセトフェノン
【0158】
【化46】

【0159】
アルゴン雰囲気下、実施例29の化合物(1.50 g)をTHF(30
mL)に溶解し、0℃にてメチルマグネシウムブロミド (0.84
mol/L THF溶液、17.0 mL)を加え、常温にて1.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、目的物(1.12 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.60 (3H, d, J = 5.5 Hz), 3.94 (3H,
s), 6.70 (1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz), 7.64 (1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz).
【0160】
<実施例31>
6−(2,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0161】
【化47】

【0162】
アルゴン雰囲気下、実施例30の化合物(1.12 g)をTHF(30
mL)に溶解し、0℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン
(1.0 mol/L THF溶液, 6.32 mL)を加えて常温にて30分攪拌した後、0℃にてブロモ酢酸t-ブチル(1.16 mL)を加えて常温にて5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10 mL)を加え、常温にて2.5時間攪拌した。反応液に炭酸カリウム及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで洗浄後、水層を1.0 mol/L塩酸にて酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した。残渣をエタノール(20 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(0.564 mL)及び酢酸(1.46 mL)を加え、加熱還流条件下10時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、目的物(478 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.57-2.59 (2H, m), 2.98-3.03 (2H,
m), 3.91 (3H, s), 6.70 (1H, dd, J = 12.2, 7.3 Hz), 7.43 (1H, dd, J = 12.2, 7.3
Hz), 8.50 (1H, s).
【0163】
<実施例32>
6−(2,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0164】
【化48】

【0165】
アルゴン雰囲気下、実施例31の化合物(478 mg)をジクロロメタン(20 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(5.31 g)を加え、常温にて17時間攪拌した。反応液に氷水を加え、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をジエチルエーテルで洗浄することで目的物(391 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 2.39 (2H, t, J = 8.3 Hz), 2.83-2.85
(2H, m), 6.79 (1H, dd, J = 12.2, 7.3 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 12.2, 7.3 Hz),
10.76 (1H, s), 10.94 (1H, s).
【0166】
<実施例33>
(2,3−ジフルオロフェノキシ)トリイソプロピルシラン
【0167】
【化49】

【0168】
2,3−ジフルオロフェノール(10.0 g)をDMF(40 mL)に溶解し、トリイソプロピルシリルクロリド(16.5 mL) 及びイミダゾール(5.24 g)を加え、常温にて18時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=99:1)で精製し、目的物(21.0 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 1.12 (18H, t, J = 3.7 Hz),
1.27-1.32 (3H, m), 6.72-6.75 (2H, m), 6.88-6.90 (1H, m).
【0169】
<実施例34>
2,3−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシ安息香酸
【0170】
【化50】

【0171】
アルゴン雰囲気下、実施例33の化合物(4.00 g)をTHF(20
mL)に溶解し、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(2.60
mL)を加えた後、−78℃にてn-ブチルリチウム (2.71 mol/L ヘキサン溶液、5.41 mL)を加えて同温で2時間攪拌した。反応液に−78℃にて二酸化炭素を吹き込みながら30分攪拌した後、常温で1 mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(3.94 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.11 (18H, d, J = 7.3 Hz),
1.26-1.35 (3H, m), 6.77 (1H, ddd, J = 8.6, 7.3, 1.8 Hz), 7.68-7.69 (1H, m).
【0172】
<実施例35>
2,3−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシアセトフェノン
【0173】
【化51】

【0174】
実施例34の化合物 (3.11 g)をジクロロメタン(50 mL)に溶解し、0℃にてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.10 g)、トリエチルアミン(1.97 mL)及び、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(2.71 g)を加え、常温にて4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を、テトラヒドロフラン(50 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、0℃にてメチルマグネシウムブロミド (0.84 mol/L THF溶液、25.7 mL)を加え、常温にて1.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製し、目的物(1.80 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.11 (18H, d, J = 7.3 Hz),
1.25-1.34 (3H, m), 2.61 (3H, d, J = 4.9 Hz), 6.76 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 1.8
Hz), 7.56-7.57 (1H, m).
【0175】
<実施例36>
6−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0176】
【化52】

【0177】
アルゴン雰囲気下、実施例35の化合物(1.80 g)をTHF(30
mL)に溶解し、0℃にてリチウムヘキサメチルジシラザン
(1.0 mol/L THF溶液、6.30 mL)を加え常温にて30分攪拌した後、0℃にてブロモ酢酸t-ブチル(1.05 mL)を加え常温にて3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10 mL)を加え、常温にて16時間攪拌した。反応液に炭酸カリウム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで洗浄し、水層を1.0 mol/L塩酸にて酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をエタノール(40 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(0.799 mL)及び酢酸(2.07 mL)を加え、加熱還流条件下5.5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過した。濾液の溶媒を減圧下留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、目的物(432 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.40 (2H, t, J = 8.3 Hz), 2.85 (2H,
dt, J = 8.3, 1.6 Hz), 6.80 (1H, ddd, J = 8.6, 8.6, 1.8 Hz), 7.24 (1H, ddd, J =
8.6, 8.6, 2.4 Hz), 10.73 (1H, s), 10.94 (1H, s).
【0178】
<実施例37>
3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−メチル−3−オキソプロピオン酸 メチルエステル
【0179】
【化53】

【0180】
実施例18の化合物 (1.95 g)を炭酸ジメチル(50 mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(1.28 g)及びメタノールを触媒量加え、加熱還流条件下4時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:1)で精製し、目的物(2.20 g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.48 (3H, d, J = 7.3 Hz), 3.69 (3H,
s), 3.96 (3H, s), 4.32 (1H, q, J = 7.3 Hz), 7.01 (1H, t, J = 8.2 Hz), 7.72 (1H,
dd, J = 12.2, 2.1 Hz), 7.76-7.79 (1H, m).
【0181】
<実施例38>
3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−3−オキソプロピオン酸 メチルエステル
【0182】
【化54】

【0183】
アルゴン雰囲気下、実施例37の化合物(2.20 g)をDMF
(50 mL)に溶解し、0℃にて60%水素化ナトリウム(440 mgl)を加え、常温にて30分攪拌した後、0℃にてヨードメタン(0.685 mL)を加え、常温にて2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、目的物(2.10 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ1.53 (6H, s), 3.66 (3H, s), 3.94
(3H, s), 6.95 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.58-7.65 (2H, m).
【0184】
<実施例39>
5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0185】
【化55】

【0186】
実施例38の化合物 (2.10 g)をエタノール(40 mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(1.20 mL)を加え、加熱還流条件下8時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的物(1.59 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.50 (6H, s), 3.94 (3H, s), 6.99
(1H, t, J = 8.6 Hz), 7.49 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.57 (1H, dd, J = 12.2, 1.8 Hz),
8.49 (1H, brs).
【0187】
<実施例40>
5−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0188】
【化56】

【0189】
アルゴン雰囲気下、実施例39の化合物(1.59 g)をジクロロメタン(50 mL)に溶解し、塩化アルミニウム (17.9 g)を加え、常温にて6時間攪拌した。反応液に水を加えて、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、ジエチルエーテルで洗浄して、目的物(1.30 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.32 (6H, s), 7.00 (1H, t, J = 8.9
Hz), 7.45 (1H, dd, J = 7.9, 2.1 Hz), 7.52 (1H, dd, J = 12.5, 2.1 Hz), 10.37
(1H, s), 11.41 (1H, s).
【0190】
<実施例41>
3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−3−オキソプロピオン酸メチルエステル
【0191】
【化57】

【0192】
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(1.48 mL)をTHF(20 mL)に溶解し、−78℃にてn-ブチルリチウム (2.71
mol/L ヘキサン溶液、3.87 mL)を加え、0℃にて25分攪拌した後、−78℃にてメチルイソブチレート(1.12 mL, 9.73 mmol)を加え、常温にて30分攪拌した。反応液に−78℃にて市販の2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(1.25 g)のTHF(20 mL)溶液を加え、0℃にて4時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。得られた化合物をDMSO(40 mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.2 mL)及び三酸化硫黄・ピリジン錯体(6.40 g)を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチル:ヘキサン(1:4)で3回抽出し、合わせた抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、目的物(1.23 g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 1.49 (6H, s), 3.68 (3H, s), 3.85
(3H, s), 6.57 (1H, dd, J = 13.4, 2.4 Hz), 6.76 (1H, dd, J = 9.2, 2.4 Hz), 7.86
(1H, t, J = 9.2 Hz).
【0193】
<実施例42>
5−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0194】
【化58】

【0195】
実施例41の化合物 (1.23 g)をエタノール(25 mL)に溶解し、酢酸(2.43 mL)及び、ヒドラジン一水和物(940 mL)を加え、加熱還流条件下8時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮した残渣を、NHタイプシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。得られた固体をジクロロメタン(40 mL)に溶解し、塩化アルミニウム (10.9 g)を加え、常温にて10時間攪拌した。反応液に水を加えてTHFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、ジエチルエーテルで洗浄して、目的物(295 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.19 (6H, s), 6.61 (1H, dd, J =
13.1, 2.4 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 9.2, 2.4 Hz), 7.50 (1H, t, J = 8.6 Hz), 10.32
(1H, s), 11.42 (1H, s).
【0196】
<実施例43>
2,5−ジフルオロ−4−メトキシベンジルアルコール
【0197】
【化59】

【0198】
実施例28の化合物 (8.10 g)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(20 mL)を加え、常温にて6時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をアルゴン雰囲気下、THF(250 mL)に溶解し、0℃にてボラン・テトラヒドロフラン錯体 (1.0 mol/L THF溶液、42.6 mL)を加え、常温にて8時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することで、目的物(5.74 g, 93%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 3.88 (3H, s), 4.67 (2H, s),
6.70 (1H, dd, J = 11.0, 6.7 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 11.3, 6.7 Hz).
【0199】
<実施例44>
2,5−ジフルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド
【0200】
【化60】

【0201】
実施例43の化合物 (5.74 g)をジクロロメタン(300 mL)に溶解し、活性二酸化マンガン(28.7 g)を加え、60℃にて3.5時間攪拌した。セライトを用いて不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧留去することで目的物(5.48 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 3.97 (3H, s), 6.74 (1H, dd, J =
11.0, 6.7 Hz), 7.57 (1H, dd, J = 11.0, 6.7 Hz), 10.21 (1H, d, J = 3.1 Hz).
【0202】
<実施例45>
3−(2,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸 メチルエステル
【0203】
【化61】

【0204】
アルゴン雰囲気下、実施例44の化合物(2.94 g)をジエチルエーテル(150 mL)に溶解し、ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール(5.22
mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(3.26 mL)を常温で加え、常温にて1.5時間攪拌した。反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、目的物(4.24 g)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.14 (6H, s), 3.36 (1H, brs), 3.74
(3H, s), 3.87 (3H, s), 5.19 (1H, s), 6.64 (1H, dd, J = 11.3, 7.0 Hz), 7.14 (1H,
dd, J = 12.2, 7.0 Hz).
【0205】
<実施例46>
5−(2,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0206】
【化62】

【0207】
アルゴン雰囲気下、実施例45の化合物(4.24 g)をDMSO(100
mL)に溶解し、トリエチルアミン(22.9 mL)、及び三酸化硫黄ピリジン錯体(13.1 g)を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に1 mol/L 塩酸を加え、ヘキサン-酢酸エチル(4-1)で3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)で精製し、黄色油状物を得た。得られた油状物をエタノール(100 mL)に溶解し、酢酸(10.3 mL)、及びヒドラジン一水和物(0.399 mL)を加え、加熱還流条件下8時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1)で精製し、目的物(1.01 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.42 (6H, s), 3.93 (3H, s), 6.74
(1H, dd, J = 12.2, 7.3 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz), 8.66 (1H, s).
【0208】
<実施例47>
5−(2,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0209】
【化63】

【0210】
アルゴン雰囲気下、実施例46の化合物(1.01 g)をジクロロメタン(40 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(11.9 g)を加え、常温にて7時間攪拌した。反応液に氷水を加え、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣を再度ジクロロメタン(40 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(11.9 g)を加え、常温にて22時間攪拌した。反応液に氷水を加え、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的物(430 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (3H, s), 1.21 (3H, s), 6.84
(1H, dd, J = 7.3, 12.2 Hz), 7.46 (1H, dd, J = 7.3, 12.2 Hz), 10.92 (1H, brs),
11.54 (1H, s).
【0211】
<実施例48>
2,3−ジフルオロ−4−トリイソプロピルシリルオキシベンズアルデヒド
【0212】
【化64】

【0213】
アルゴン雰囲気下、実施例34の化合物(3.31 g)をTHF(75
mL)に溶解し、0℃にてボラン・テトラヒドロフラン錯体
(1.0 mol/L THF溶液、12.0 mL)を加え、常温にて24時間攪拌した。反応液に氷水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をクロロホルム(75 mL)に溶解し、活性二酸化マンガン(8.70 g)を加え、60℃にて6時間攪拌した。セライトを用いて不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧留去することで、目的物(3.09 g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.11 (18H, d, J = 7.3 Hz),
1.29-1.32 (3H, m), 6.80 (1H, ddd, J = 8.6, 7.3, 1.8 Hz), 7.53 (1H, ddd, J =
8.6, 7.3, 2.4 Hz), 10.19 (1H, s).
【0214】
<実施例49>
2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド
【0215】
【化65】

【0216】
アルゴン雰囲気下、実施例48の化合物(3.09 g)をTHF(50
mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルライド (1.0 mol/L THF溶液、12.8 mL)を加え、常温にて20分攪拌した。反応液に1.0 mol/L塩酸を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をアセトン(50 mL)及びDMF(20 mL)に溶解し、炭酸カリウム(2.72 g)及びヨードメタン(0.918 mL)を加え、常温にて5.5時間攪拌した。セライトを用いて不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、目的物(1.30 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 4.00 (3H, s), 6.86 (1H, ddd, J =
9.2, 6.7, 1.8 Hz), 7.64 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 1.8 Hz), 10.20 (1H, s).
【0217】
<実施例50>
3−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸メチルエステル
【0218】
【化66】

【0219】
アルゴン雰囲気下、実施例49の化合物(1.30 g)をジエチルエーテル(70 mL)に溶解し、ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール(2.30 mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.44 mL)を常温で加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、目的物(1.98 g)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.15 (3H, s), 1.16 (3H, d, J = 2.4
Hz), 3.37 (1H, d, J = 4.9 Hz), 3.75 (1H, s), 3.91 (3H, s), 5.20 (1H, d, J = 4.9
Hz), 6.79 (1H, ddd, J = 8.6, 7.9, 2.4 Hz), 7.13 (1H, ddd, J = 8.6, 7.3, 2.4
Hz).
【0220】
<実施例51>
3−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチル−3−オキソプロピオン酸 メチルエステル
【0221】
【化67】

【0222】
アルゴン雰囲気下、実施例50の化合物 (1.98 g)をDMSO(50
mL)に溶解し、トリエチルアミン(10.1 mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(5.75 g)を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に1 mol/L 塩酸を加え、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)で3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、目的物(1.24 g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.50 (6H, s), 3.70 (3H, s), 3.96
(3H, s), 6.82 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 1.8 Hz), 7.63 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 2.4
Hz).
【0223】
<実施例52>
5−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0224】
【化68】

【0225】
実施例51の化合物(1.12 g)をエタノール(20
mL)に溶解し、酢酸(1.55 mL)、及びヒドラジン一水和物(0.60
mL)を加え、加熱還流条件下10時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、目的物(425 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ 1.42 (3H, s), 1.43 (3H, s), 3.97
(3H, s), 6.82 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 1.8 Hz), 7.40 (1H, ddd, J = 9.2, 7.3, 2.4
hz), 8.64 (1H, s).
【0226】
<実施例53>
5−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン
【0227】
【化69】

【0228】
アルゴン雰囲気下、実施例52の化合物(425 mg)をジクロロメタン(15 mL)に溶解し、塩化アルミニウム(4.45 g)を加え、常温にて15時間攪拌した。反応液に氷水を加え、THFで抽出し、抽出層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的物(210 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (6H, s), 6.83-6.84 (1H, m),
7.31 (1H, ddd, J = 9.2, 8.6, 1.8 Hz), 10.87 (1H, s), 11.53 (1H, s).
【0229】
<実施例54>
(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジフェニルシラン
【0230】
【化70】

【0231】
アルゴンガス雰囲気下にて、2−ブロモエタノール(3.00 mL)をDMF(40.0 mL)に溶解し、氷冷下にてイミダゾール(4.32 g)及びtert‐ブチルジフェニルシリルクロリド (11.6 mL)を加え、常温にて1.5時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 50 : 1)にて精製し、目的物(15.1 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.07 (9H, s), 3.42 (2H, t, J = 6.1 Hz),
3.92 (2H, t, J = 6.1 Hz), 7.39-7.44 (6H, m), 7.66-7.68 (4H, m).
【0232】
<実施例55>
6−[4−[2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)エトキシ]フェニル]−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0233】
【化71】

【0234】
アルゴンガス雰囲気下にて、実施例2の化合物(3.00 g)をDMF(50.0 mL)に溶解し、実施例54の化合物 (5.87 g)及び炭酸カリウム(4.06 g)を加え、常温にて1.5時間、60℃にて6.5時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
= 2 : 1)にて精製し、目的物(5.73 g)を無色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.69 (9H, s), 1.25 (3H, d, J = 7.3
Hz), 2.46 (1H, d, J = 17.1 Hz), 2.71 (1H, dd, J = 17.1, 7.3 Hz), 3.31-3.35 (1H,
m), 4.01 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.12 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.89-6.91 (2H, m),
7.37-7.44 (6H, m), 7.66-7.72 (6H, m), 8.48 (1H, brs).
【0235】
<実施例56>
2−t−ブトキシカルボニル−6−[4−[2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)エトキシ]フェニル]−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0236】
【化72】

【0237】
アルゴンガス雰囲気下にて、実施例55の化合物(5.73 g)をアセトニトリル(100 mL)に溶解し、ジ‐tert‐ブチル‐ジ‐カーボネート(3.08 g)及び触媒量の4‐ジメチルアミノピリジンを加え、常温にて2時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
= 4 : 1)にて精製し、目的物(6.90 g)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.07 (9H, s), 1.25 (3H, d, J = 6.7
Hz), 1.66 (9H, s), 2.57 (1H, dd, J = 16.5, 1.2 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 16.5, 6.7
Hz), 3.35-3.38 (1H, m), 4.01 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.12 (2H, t, J = 5.5 Hz),
6.89-6.91 (2H, m), 7.37-7.44 (6H, m), 7.69-7.72 (4H, m), 7.75-7.78 (2H, m).
【0238】
<実施例57>
2−t−ブトキシカルボニル−6−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0239】
【化73】

【0240】
アルゴンガス雰囲気下にて、実施例56の化合物(6.90 g)をTHF(60.0
mL)に溶解し、氷冷下にてテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.00 mol/L THF溶液、14.0 mL)を加え、常温にて4時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
= 1 : 2)にて精製し、目的物(3.33 g)を無色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.25 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.62 (9H,
s), 2.57 (1H, dd, J = 16.5, 1.8 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 16.5, 6.7 Hz), 3.33-3.40
(1H, m), 3.98-4.01 (2H, m), 4.11-4.15 (2H, m), 6.95-6.97 (2H, m), 7.78-7.81
(2H, m).
【0241】
<実施例58>
2−t−ブトキシカルボニル−6−[4−(2−ヨードエトキシ)フェニル]−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0242】
【化74】

【0243】
実施例57の化合物(500 mg)をTHF(10.0
mL)に溶解し、イミダゾール (147 mg)、トリフェニルホスフィン (567 mg)及びヨウ素(402 mg)を加え、常温にて1時間攪拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出層を水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)にて精製し、目的物(645 mg)を無色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.25 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.62 (9H,
s), 2.57 (1H, dd, J = 16.5, 1.8 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 16.5, 6.7 Hz), 3.35-3.39
(1H, m), 3.44 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.92-6.95 (2H, m),
7.78-7.81 (2H, m).
【0244】
<実施例59>
2−(4−ブロモブチル)−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0245】
【化75】

【0246】
アルゴンガス雰囲気下にて、5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン(100 mg)をDMF (300 mL)に溶解し、氷冷下にて60%水素化ナトリウム(16.3 mg)を加え、常温にて30分間攪拌した。その後、氷冷下にて1,4‐ジブロモブタン(221 μL)を加え、常温にて3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル=2 : 1)にて精製し、目的物(138 mg)を無色油状物として得た。
LRMS (ESI+):
404 [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) :δ 1.36 (6H, s), 1.40 (6H, d, J = 7.3
Hz), 1.94-1.97 (4H, m), 3.18-3.25 (1H, m), 3.46-3.49 (2H, m), 3.82-3.85 (2H,
m), 6.76-6.80 (1H, m), 7.14-7.19 (1H, m), 7.49-7.52 (1H, m), 8.43-8.45 (1H, m).
【0247】
<実施例60>
2−(4−ブロモブチル)−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0248】
【化76】

【0249】
5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オンを用い、実施例59と同様に反応させ目的物を黄色油状物として得た。
LRMS (EI+):
408 [M+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37 (6H,
s), 1.92-1.96 (4H, m), 2.89 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.46-3.49 (2H, m),3.81-3.84
(2H, m), 7.13-7.16 (1H, m), 7.57-7.61 (1H, m), 8.37-8.61 (1H, m).
【0250】
<実施例61>
2−(4−ブロモブチル)−5−(6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0251】
【化77】

【0252】
5−(6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オンを用い、実施例59と同様に反応させ目的物を黄色粉末として得た。
LRMS (EI+):
396 [M+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.51 (6H, s), 1.94-1.97 (4H, m),
3.47-3.50 (2H, m),3.81-3.84 (2H, m), 7.34 (1H, dd, J = 1.8, 9.2 Hz), 8.18 (1H,
s), 8.28 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.58 (1H, d, J = 1.8 Hz).
【0253】
<実施例62>
2−(4−ブロモブチル)−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0254】
【化78】

【0255】
5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オンを用い、実施例59と同様に反応させ目的物を黄色粉末として得た。
LRMS (EI+):
410 [M+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.39 (6H, s), 1.93-1.98 (4H, m),
2.56 (3H, s), 3.48 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.83 (2H, t, J = 6.7 Hz), 7.19 (1H, dd,
J = 1.8, 9.2 Hz), 7.67 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.44 (1H, d, J = 1.8 Hz).
【0256】
<実施例63>
2−(4−ブロモブチル)−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0257】
【化79】

【0258】
5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オンを用い、実施例59と同様に反応させ目的物を黄色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (3H, t, J = 8.0 Hz), 1.36 (6H,
s), 1.94-1.96 (4H, m), 2.89 (2H, q, J = 8.0 Hz), 3.46-3.49 (2H, m), 3.81-3.84 (2H,
m), 7.17 (1H, dd, J = 1.8, 9.8 Hz), 7.54 (1H, d, J = 9.8 Hz), 8.47 (1H, d, J =
1.8 Hz).
【0259】
<実施例64>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0260】
【化80】

【0261】
アルゴンガス雰囲気下にて、実施例59の化合物(69.0 mg)及び実施例53の化合物(40.8 mg)をDMF (2.00 mL)に溶解し、炭酸カリウム(47.1 mg)を加え、60℃にて5時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル=1 : 4)にて精製し、目的物(53.0 mg)を無色アモルファスとして得た。
HRMS (ESI+):
565.27088 (-2.99 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.37 (6H, s), 1.39 (6H, d, J = 7.3
Hz), 1.40 (6H, s), 1.92-2.05 (4H, m), 3.18-3.25 (1H, m), 3.88 (2H, t, J = 6.7
Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.77-6.82 (2H, m), 7.17-7.19 (1H, m), 7.32-7.36
(1H, m), 7.51 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.45 (1H, d, J = 6.7 Hz), 8.67 (1H, brs).
【0262】
<実施例65>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0263】
【化81】

【0264】
実施例59の化合物と実施例36の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
元素分析(%):C29H32F2N6O3として
計算値 C 63.26
H 5.86 N 15.26 実測値 C 63.16 H 5.87 N 15.19
HRMS (ESI+):
551.25737 (-0.85 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (6H, s), 1.39 (6H, d, J = 7.3
Hz), 1.92-2.02 (4H, m), 2.57-2.61 (2H, m), 2.97-3.01 (2H, m), 3.18-3.25 (1H,
m), 3.88 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.15 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.76-6.80 (2H, m),
7.14-7.18 (1H, m), 7.29-7.34 (1H, m), 7.49-7.52 (1H, m), 8.44-8.45 (1H, m),
8.55 (1H, brs).
【0265】
<実施例66>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0266】
【化82】

【0267】
実施例60の化合物と実施例53の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
HRMS (ESI+):
569.24597 (-2.83 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (3H, t, J = 8.0 Hz), 1.38 (6H,
s), 1.40 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.91-2.03 (4H, m), 2.89 (2H, q, J = 8.0 Hz),
3.88 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.78-6.82 (1H, m), 7.14-7.17
(1H, m), 7.33-7.35 (1H, m), 7.59 (1H, dd, J = 5.5, 9.8 Hz), 8.38-8.40 (1H, m),
8.73 (1H, brs).
【0268】

<実施例67>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0269】
【化83】

【0270】
実施例60の化合物と実施例36の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
HRMS (ESI+):
555.23315 (-0.32 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37 (6H,
s), 1.90-2.02 (4H, m), 2.57-2.61 (2H, m), 2.89 (2H, q, J = 8.0 Hz), 2.97-3.01
(2H, m), 3.87 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.11 (2H, t, J = 6.7 Hz), 6.75-6.80 (1H, m),
7.12-7.17 (2H, m), 7.30-7.34 (1H, m), 7.58 (1H, dd, J = 5.5, 9.8 Hz), 8.37-8.39
(1H, m), 8.51 (1H, brs).
【0271】
<実施例68>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0272】
【化84】

【0273】
実施例61の化合物と実施例53の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
元素分析(%):C27H27ClF2N6O3として
計算値 C 58.22
H 4.89 N 15.09 実測値 C 58.02 H 4.88 N 14.77
HRMS (ESI+):
577.18813 (+0.19 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.40 (6H, s), 1.51 (6H, s),
1.90-2.05 (4H, m), 3.87 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.1 Hz),
6.77-6.82 (1H, m), 7.32-7.35 (1H, m), 8.18 (1H, s), 8.28 (1H, d, J = 9.2 Hz),
8.58 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.64 (1H, brs).
【0274】
<実施例69>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0275】
【化85】

【0276】
実施例61の化合物と実施例36の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
元素分析(%):C26H25ClF2N6O3として
計算値 C 57.51
H 4.64 N 15.48 実測値 C 57.40 H 4.72 N 15.09
LRMS (ESI+):
543 [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.50 (6H, s), 1.89-2.05 (4H, m),
2.59 (2H, t, J = 8.0 Hz), 2.95-3.00 (2H, m), 3.86 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.16
(2H, t, J = 6.1 Hz), 6.74-6.79 (1H, m), 7.28-7.34 (2H, m), 8.17 (1H, s), 8.26
(1H, d, J = 9.2 Hz), 8.51 (1H, brs), 8.58 (1H, d, J = 1.8 Hz).
【0277】
<実施例70>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0278】
【化86】

【0279】
実施例62の化合物と実施例53の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
HRMS (ESI+):
571.20161 (-1.98 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.40 (6H, s)×2, 1.91-2.05 (4H, m), 2.56 (3H, s), 3.88 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.17
(2H, t, J = 6.1 Hz), 6.78-6.82 (1H, m), 7.19 (1H, dd, J = 1.8, 9.2 Hz),
7.32-7.37 (1H, m), 7.66 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.44 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.61
(1H, brs).
【0280】
<実施例71>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0281】
【化87】

【0282】
実施例62の化合物と実施例36の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
元素分析(%):C27H27ClF2N6O3として
計算値 C 58.22
H 4.89 N 15.09 実測値 C 58.21 H 5.08 N 14.75
LRMS (ESI+):
557 [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.58 (6H, s), 1.90-2.03 (4H, m),
2.56 (3H, s), 2.57-2.61 (2H, m), 2.97-2.99 (2H, m), 3.87 (2H, t, J = 6.7 Hz),
4.15 (2H, t, J = 6.7 Hz), 6.75-6.79 (1H, m), 7.19 (1H, dd, J = 1.8, 9.8 Hz),
7.30-7.34 (1H, m), 7.66 (1H, d, J = 9.8 Hz), 8.44 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.53
(1H, brs).
【0283】
<実施例72>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0284】
【化88】

【0285】
実施例63の化合物と実施例53の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
元素分析(%):C29H31ClF2N6O3として
計算値 C 59.54
H 5.34 N 14.36 実測値 C 59.33 H 5.39 N 13.99
LRMS (ESI+):
585 [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37 (6H,
s), 1.41 (6H, s), 1.91-2.05 (4H, m), 2.89 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.88 (2H, t, J =
6.7 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.78-6.82 (1H, m), 7.17 (1H, dd, J = 1.8,
9.8 Hz), 7.33-7.37 (1H, m), 7.54 (1H, d, J = 9.8 Hz), 8.48 (1H, d, J = 1.8 Hz),
8.63 (1H, brs).
【0286】
<実施例73>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0287】
【化89】

【0288】
実施例63の化合物と実施例36の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。
HRMS (ESI+):
571.20152 (-2.07 mmu) [M+H+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.35 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37 (6H,
s), 1.90-2.02 (4H, m), 2.57-2.61 (2H, m), 2.89 (2H, q, J = 7.3 Hz), 2.97-3.01
(2H, m), 3.87 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.15 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.75-6.80 (1H, m),
7.16 (1H, dd, J = 1.8, 8.6 Hz), 7.29-7.34 (1H, m), 7.53 (1H, d, J = 8.6 Hz),
8.47 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.50 (1H, brs).
【0289】
<実施例74>
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
【0290】
【化90】

【0291】
実施例63の化合物と実施例2の化合物を用い、実施例64と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS (EI+):
548.2285 (-1.8 mmu) [M+]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.24 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.35 (3H,
t, J = 7.3 Hz), 1.36 (6H, s), 1.86-1.91 (2H, m), 1.96 2.03 (2H, m), 2.46 (1H,
d, J = 17.1 Hz), 2.71 (2H, dd, J = 6.7, 17.1 Hz), 2.86-2.91 (2H, m), 3.30-3.35
(1H, m), 3.87 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.07 (2H, t, J = 6.7 Hz), 6.91-6.94 (2H, m),
7.15 (1H, dd, J = 1.8, 9.8 Hz), 7.51-7.53 (1H, m), 7.66-7.70 (2H, m), 8.44 (1H,
br s), 8.47 (1H, d, J = 1.8 Hz).
元素分析(%):C29H33ClN6O3として
計算値 C 53.44
H 6.06 N 15.31 実測値 C 63.14 H 6.04 N 15.18
【0292】
<実施例75>
(+)−6−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0293】
【化91】

【0294】
実施例48の化合物を高速液体クロマトグラフィー(Daicel Chiralpak AS-H
column, eluent: ヘキサン / エタノール =
40 / 60, flow rate: 3.00 ml / min, detection: 293 nm)により光学分割を行い、前溶出部分から(+)体を無色粉末として得た。
旋光度:[α]D23
+449 (c 0.53, DMSO).
【0295】
<実施例76>
(−)−6−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0296】
【化92】

【0297】
実施例48の化合物を高速液体クロマトグラフィー(Daicel Chiralpak AS-H
column, eluent: ヘキサン / エタノール =
40 / 60, flow rate: 3.00 ml / min, detection: 293 nm)により光学分割を行い、後溶出部分から(−)体を無色粉末として得た。
旋光度:[α]D23 -467 (c 0.52, DMSO).
【0298】
<実施例77>
(+)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0299】
【化93】

【0300】
実施例224の化合物(150 mg)をジクロロメタン(5.00 mL)に溶解し、氷冷下にて塩化アルミニウム(1.83 g)を加え、常温にて22時間攪拌した。反応液を氷水中に注いだ後、THFにて抽出し、抽出層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を減圧留去後、生じた固体をジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取することで、目的物(117 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 1.04 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.18
(1H, d, J = 15.9 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 1.8, 15.9 Hz), 3.28-3.33 (1H, m), 3.31
(3H, s), 6.78-6.80 (2H, m), 7.59-7.63 (2H, m), 9.78 (1H, s), 10.8 (1H, s).
光学純度はHPLCにより測定した

分析条件:カラム;Daicel
Chiralpak AS column(0.46 cmφ x
25 cm)、展開溶媒:ヘキサン / エタノール = 40 /
60、流速:0.5 ml/min.、検出:UV (293
nm).
保持時間:12.1
min.(98 %ee).
【0301】
<実施例78>
(−)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
【0302】
【化94】

【0303】
実施例225の化合物(150 mg)を用いて、実施例226と同様の方法により、目的物 (112 mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 1.04 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.18
(1H, d, J = 15.9 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 1.8, 15.9 Hz), 3.28-3.33 (1H, m), 3.31
(3H, s), 6.78-6.80 (2H, m), 7.59-7.63 (2H, m), 9.78 (1H, s), 10.8 (1H, s).
光学純度はHPLCにより測定した

分析条件:カラム;Daicel
Chiralpak AS column(0.46 cmφ x
25 cm)、展開溶媒:ヘキサン / エタノール = 40 /
60、流速:0.5 ml/min.、検出:UV (293
nm).
保持時間:21.5
min. (>99 %ee).
【0304】
<実験例1> ホスホジエステラーゼ阻害活性
PDE3A触媒領域(以下Catと略す)及び PDE4Bcatの cDNAはヒト由来のRNAよりそれぞれRT-PCRを行い単離した。各単離したcDNA断片をGateway system (Invitrogen社製)及びBac-to-Bac(登録商標)
Baculovirus Expression system (Invitrogen社製)で昆虫細胞Sf9に導入し、目的の各PDEタンパクを発現させた。これら組み換えPDE3Acat、PDE4Bcat、PDE5Acat及び PDE10A1はこれらPDEタンパクを高発現したSf9細胞の培養上清もしくは細胞抽出液からそれぞれイオン交換クロマトグラフィーで精製し、以下に示す実験に用いた。
【0305】
被験化合物は4
mmol/L溶液を段階的に15%DMSO溶液で4倍希釈し、15 nmol/Lから4
mmol/Lまでの濃度の溶液を用意した(実験での最終濃度は1.5 nmol/Lから400μmol/L)。これら被験化合物溶液 10μL、緩衝液[40 mmol/L Tris-HCl (pH 7.4), 10 mmol/L MgCl2 ]で希釈した[3H] cAMP及び2×10-6unit量(1 unitはpH 7.5、30℃の条件下で1 μmol/LのcAMPを1分間に分解するPDE量を示す)の各ヒト由来組み換えPDEタンパク40 μLを96穴プレートに添加し、30℃で20分間反応した。その後65℃で2分間反応させた後、1 mg/mL 5'nucleotidase(Crotalus atrox venom,
Sigma社製) 25 μLを添加し、30℃で10分間反応した。反応終了後、Dowex溶液[300 mg/mL Dowex 1x8-400 (Sigma Aldrich社製),
33% Ethanol] 200μLを添加し、4℃で20分間振動混合した後MicroScint 20(Packard社製) 200μLを添加し、シンチレーションカウンター(Topcount、Packard社製)を用いて測定した。IC50値の算出はGraphPad Prism v3.03 (GraphPad Software社製)を用いて行った。
【0306】
なお、IC50値≧0.1μmol/L(−)、0.1μmol/L>IC50値≧0.01μmol/L (+)、0.01μmol/L>IC50値≧0.001μmol/L(++)、0.001μmol/L>IC50値 (+++)として表記した。
【0307】
結果を表1に示す。
【0308】
【表1】

【0309】
<実験例2>モルモットにおけるヒスタミン誘発気道収縮反応
モルモットをペントバルビタール(30 mg/kg, i.p.)で麻酔し、 左外頚静脈に静脈投与用カニューレ、右内頚動脈に採血及び血圧測定用カニューレ、 気管に気管カニューレを挿入した。60 times/min、10 mL/kg/strokeの条件で人工呼吸し、気管カニューレの側枝からオーバフローする空気 (エアフロー)をbronchospasm
transducer(Ugo-Basile)にて測定し、Power Lab (ADInstruments
Japan)を介してコンピューターに記録した。ガラミン(10 mg/kg, i.v.)にて不動化した後、10分おきにヒスタミン (12.5 μg/kg, i.v.)を投与した。ヒスタミンによる気道収縮が安定した後、DMSOに溶解した被検化合物(0.1 mg/kg, i.v. 又は0.3 mg/kg, i.v.)を投与し、投与30秒後のヒスタミンによる気道収縮反応を測定し、
被検化合物の気道収縮抑制作用を調べた。気道収縮をエアフロー値で記録し、結果は投与30秒後のヒスタミンによるエアフローの最大値を投与前の最大値に対する割合で表した。なお、抑制率≧90%を(+++)、90%>抑制率≧70%を(++)、70%>抑制率≧30% を(+)として表記した。また、[ ]内表示は0.3
mg/kg投与、それ以外は0.1 mg/kg投与の結果を表記した。
【0310】
結果を表2に示す。
【0311】
【表2】

【0312】
以上のように、一般式(1)で表される本発明化合物はPDE阻害活性を有し、各種動物実験モデルにおいてその有効性が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0313】
上述のように、本発明は、新規な2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体とその付加塩が優れたPDE阻害作用を有することを見出したものである。このようなPDE阻害剤作用を有する化合物は、狭心症、心不全、高血圧症などの治療薬や血小板凝集抑制薬あるいは気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、ハンチントン病、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病、うつ病、統合失調症などの各種精神障害、肥満、メタボリックシンドローム等の予防又は治療薬、ならびに男性性機能障害治療薬として有用である。











【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を、
は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルカノイル基、ヒドロキシ基又はカルボキシル基を、
及びRは同一又は異なって炭素数1〜6のアルキル基を、
及びRは同一又は異なって水素原子又はハロゲン原子を、
Aは下記一般式
【化2】

[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を、
【化3】

は単結合又は二重結合を示す]で表される置換基又は下記一般式
【化4】

[式中、R及びRは炭素数1〜6のアルキル基を示す]で表される置換基を、
nは1〜5の整数を示す。]
で表されることを特徴とする2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項2】
前記一般式(1)で示される化合物が、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(6−クロロ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4,4−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン、
2−[4−[2,3−ジフルオロ−4−(4−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)フェノキシ]ブチル]−5−(2−エチル−6−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4,4−ジメチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
である請求項1記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項3】
請求項1〜2の何れか1項に記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分とするホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤。
【請求項4】
請求項1〜2のいずれか1項に記載の2−置換−5−(ピラゾロピリジン−3−イル)ピラゾロン誘導体、その光学異性体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬。

【公開番号】特開2008−222648(P2008−222648A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64567(P2007−64567)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】