説明

2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法

【課題】有機紫外線吸収剤や医薬品、機能性材料の合成中間体として有用な2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を、工業的に実施容易な条件で高収率かつ高純度で合成可能な製造方法を提供する。
【解決手段】式(1):


で表される2−アミノベンゾヘテラゾール化合物に対して、式(2):


で表される2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物を反応させて、式(3):


で表される2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機紫外線吸収剤や医薬品、機能性材料の合成中間体として有用な2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を製造する方法としては、芳香族アミン化合物(ベンゼン環を構成する隣接炭素原子上に、ヒドロキシル基またはメルカプト基と、アミノ基とがそれぞれ結合している)と2−ベンゾヘテラゾールカルバモニトリルとを反応させる方法(非特許文献1)、芳香族アミン化合物(ベンゼン環を構成する隣接炭素原子上に、ヒドロキシル基またはメルカプト基と、アミノ基とがそれぞれ結合している)とS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾヘテラゾリル)カルボンイミドジチオエートを反応させる方法(非特許文献2、3)、2−アミノベンゾヘテラゾールを酸存在下にて脱アンモニア縮合させる方法(特許文献1)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,369,323号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J. Heterocyclic Chem., 1975, 12, 37
【非特許文献2】Synthesis, 1982, 1066
【非特許文献3】Synthesis, 1987, 368
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
芳香族アミン化合物と2−ベンゾヘテラゾールカルバモニトリルとを反応させる方法においては、反応を進行させるために高温条件下での撹拌が必要である。また、原料である2−ベンゾヘテラゾールカルバモニトリルは入手が困難であり、合成する際には有害かつ臭気のあるメチルメルカプタンが副生するなどの不具合がある。
【0006】
また、芳香族アミン化合物とS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾヘテラゾリル)カルボンイミドジチオエートとを反応させる方法においても、反応を進行させるためには高温条件下での撹拌が必要であり、反応時に有害かつ臭気のあるメチルメルカプタンが副生する。また、ベンゼン環上に電子供与性置換基を有する場合には収率が非常に低いなどの不具合がある。
【0007】
一方、2−アミノベンゾヘテラゾールを酸存在下にて反応させる方法においては、反応を進行させるためには高温条件下にて長時間の撹拌が必要であることから、工業的に有利な製造方法とは言い難い。また、イミノ基に関して対称な化合物、例えば、2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾチアゾール等は合成可能であるものの、イミノ基に関して非対称な置換基を有する化合物、例えば、2−[2−(6−メトキシベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾチアゾール等や、イミノ基に関して非対称な5員環を有する化合物、例えば、2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール等は選択的に合成することが困難という不具合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、有機紫外線吸収剤や医薬品、機能性材料の合成中間体として有用な2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を、工業的に実施容易な条件で高収率に合成可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(1):
【0010】
【化1】

(式中、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rは存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。)で表される2−アミノベンゾヘテラゾール化合物に対して、式(2):
【0011】
【化2】

(式中、Xは塩素原子または臭素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rは存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。)で表される2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物を反応させることを特徴とする、式(3):
【0012】
【化3】

(式中、YおよびRは、式(1)で示したものであり、YおよびRは、式(2)で示したものである。)で表される2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、工業的に実施容易な条件で2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を高収率かつ高純度で製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いられる2−アミノベンゾヘテラゾール化合物は、式(1):
【0015】
【化4】

で表される。
【0016】
式(1)中、Yは酸素原子または硫黄原子である。
【0017】
また、式(1)中、Rは、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。
【0018】
式(1)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基がより好ましい。
【0019】
式(1)中、Rに帰属される、前記の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0020】
式(1)中、Rに帰属される、前記のハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が好ましく、クロロ基がより好ましい。
【0021】
式(1)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0022】
式(1)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、1−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、1−ヘプチルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基、1−(2−エチルヘキシル)スルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基、1−(2−エチルヘキシル)スルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基がさらに好ましい。
【0023】
式(1)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基としては、例えば、ベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−エチルベンゼンスルホニル基、4−プロピルベンゼンスルホニル基、2,3−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,4−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,5−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,6−ジメチルベンゼンスルホニル基、3,4−ジメチルベンゼンスルホニル基、3,5−キシレンスルホニル基、2,4,5−トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−エチルベンゼンスルホニル基が好ましい。
【0024】
式(1)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基としては、例えば、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−n−プロピルアミノスルホニル基、N−イソプロピルアミノスルホニル基、N−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−メチルエチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−エチルイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジシクロヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジシクロヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基が好ましく、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基がより好ましい。
【0025】
式(1)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基としては、例えば、モルホリノスルホニル基、2−メチルモルホリノスルホニル基、3−メチルモルホリノスルホニル基、2−エチルモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルモルホリノスルホニル基、3−フェニルモルホリノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、モルホリノスルホニル基、2−メチルモルホリノスルホニル基、3−メチルモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルモルホリノスルホニル基が好ましい。
【0026】
式(1)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基としては、例えば、ピペリジノスルホニル基、2−メチルピペリジノスルホニル基、3−メチルピペリジノスルホニル基、4−メチルピペリジノスルホニル基、2−エチルピペリジノスルホニル基、4−n−プロピルピペリジノスルホニル基、3−n−ブチルピペリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピペリジノスルホニル基、2,6−ジメチルピペリジノスルホニル基、4−フェニルピペリジノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ピペリジノスルホニル基、2−メチルピペリジノスルホニル基、3−メチルピペリジノスルホニル基、4−メチルピペリジノスルホニル基が好ましい。
【0027】
式(1)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基としては、例えば、ピロリジノスルホニル基、2−メチルピロリジノスルホニル基、3−メチルピロリジノスルホニル基、2−エチルピロリジノスルホニル基、3−n−プロピルピロリジノスルホニル基、3−n−ブチルピロリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピロリジノスルホニル基、2,5−ジメチルピロリジノスルホニル基、3−フェニルピロリジノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ピロリジノスルホニル基、2−メチルピロリジノスルホニル基が好ましい。
【0028】
式(1)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基としては、例えば、チオモルホルノスルホニル基、2−メチルチオモルホリノスルホニル基、3−メチルチオモルホリノスルホニル基、2−エチルチオモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルチオモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルチオモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、3−フェニルチオモルホリノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、チオモルホルノスルホニル基、2−メチルチオモルホリノスルホニル基、3−メチルチオモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルチオモルホリノスルホニル基が好ましい。
【0029】
本発明に用いられる2−アミノベンゾヘテラゾール化合物は、市販されているものをそのまま使用してもよいし、任意の公知の方法により適宜製造したものを使用してもよい。
【0030】
2−アミノベンゾヘテラゾール化合物の製造方法としては特に限定されず、例えば、Rがイソプロピル基であり、Yが硫黄原子である2−アミノ−6−イソプロピルベンゾチアゾールは、4−イソプロピルアニリンをチオシアン酸カリウムおよび臭素と反応させる方法(EP No. 282,971)等によって製造することができる。また、例えば、Yが酸素原子である2−アミノベンゾオキサゾールは、2−アミノフェノールをチオシアン酸アンモニウムと反応後、酸化鉛によって閉環する方法(J. Pharm. Sci., 53, 5, 538)等によって製造することができる。
【0031】
本発明に用いられる2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物は、式(2):
【0032】
【化5】

で表される。
【0033】
式(2)中、Xは塩素原子または臭素原子であり、Yは、酸素原子または硫黄原子である。
【0034】
また、式(2)中、Rは、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。
【0035】
式(2)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基がより好ましい。
【0036】
式(2)中、Rに帰属される、前記の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0037】
式(2)中、Rに帰属される、前記のハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が好ましく、クロロ基がより好ましい。
【0038】
式(2)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0039】
式(2)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、1−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、1−ヘプチルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基、1−(2−エチルヘキシル)スルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基、1−(2−エチルヘキシル)スルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、1−ヘキシルスルホニル基、1−オクチルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基がさらに好ましい。
【0040】
式(2)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基としては、例えば、ベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−エチルベンゼンスルホニル基、4−プロピルベンゼンスルホニル基、2,3−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,4−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,5−ジメチルベンゼンスルホニル基、2,6−ジメチルベンゼンスルホニル基、3,4−ジメチルベンゼンスルホニル基、3,5−キシレンスルホニル基、2,4,5−トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−エチルベンゼンスルホニル基が好ましい。
【0041】
式(2)中、Rに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基としては、例えば、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−イソプロピルアミノスルホニル基、N−n−プロピルアミノスルホニル基、N−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−メチルエチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−エチルイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジシクロヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジシクロヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基が好ましく、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノスルホニル基、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミノスルホニル基がより好ましい。
【0042】
式(2)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基としては、例えば、モルホリノスルホニル基、2−メチルモルホリノスルホニル基、3−メチルモルホリノスルホニル基、2−エチルモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルモルホリノスルホニル基、3−フェニルモルホリノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、モルホリノスルホニル基、2−メチルモルホリノスルホニル基、3−メチルモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルモルホリノスルホニル基が好ましい。
【0043】
式(2)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基としては、例えば、ピペリジノスルホニル基、2−メチルピペリジノスルホニル基、3−メチルピペリジノスルホニル基、4−メチルピペリジノスルホニル基、2−エチルピペリジノスルホニル基、4−n−プロピルピペリジノスルホニル基、3−n−ブチルピペリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピペリジノスルホニル基、2,6−ジメチルピペリジノスルホニル基、4−フェニルピペリジノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ピペリジノスルホニル基、2−メチルピペリジノスルホニル基、3−メチルピペリジノスルホニル基、4−メチルピペリジノスルホニル基が好ましい。
【0044】
式(2)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基としては、例えば、ピロリジノスルホニル基、2−メチルピロリジノスルホニル基、3−メチルピロリジノスルホニル基、2−エチルピロリジノスルホニル基、3−n−プロピルピロリジノスルホニル基、3−n−ブチルピロリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピロリジノスルホニル基、2,5−ジメチルピロリジノスルホニル基、3−フェニルピロリジノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、ピロリジノスルホニル基、2−メチルピロリジノスルホニル基が好ましい。
【0045】
式(2)中、Rに帰属される、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基としては、例えば、チオモルホルノスルホニル基、2−メチルチオモルホリノスルホニル基、3−メチルチオモルホリノスルホニル基、2−エチルチオモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルチオモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルチオモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、3−フェニルチオモルホリノスルホニル基等が挙げられる。原料の入手性および合成の簡便さの観点から、チオモルホルノスルホニル基、2−メチルチオモルホリノスルホニル基、3−メチルチオモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルチオモルホリノスルホニル基が好ましい。
【0046】
本発明に用いられる2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物は、市販されているものをそのまま使用してもよいし、任意の公知の方法により適宜製造したものを使用してもよい。
【0047】
2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物の製造方法としては特に限定されず、例えば、Yが硫黄原子である2−クロロベンゾチアゾールは、2−メルカプトベンゾチアゾールを塩素と反応させる方法(特開61−106563)等によって製造することができる。また、例えば、Rがメトキシ基でありYが酸素原子である2−クロロ−5−メトキシベンゾオキサゾールは、2−アミノ−4−メトキシフェノールをエチルキサントゲン酸カリウムにより閉環させた後、塩化チオニルと反応させる方法(J. Org. Chem., 1996, 61, 3289)等によって製造することができる。
【0048】
前記の2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物の使用量は、特に限定されないが、収率、容積効率および経済性の観点から、2−アミノベンゾヘテラゾール化合物1.0モルに対して、0.5〜2.0モルであることが好ましく、0.6〜1.8モルであることがより好ましく、0.8〜1.5モルであることがさらに好ましい。使用量が2.0モルを超えると副反応が起こり、収率が低下するおそれがあり、容積効率および経済性に劣るおそれがある。また、0.5モル未満であると、容積効率および経済性に劣るおそれがある。
【0049】
本発明において、式(1)で表される2−アミノベンゾヘテラゾール化合物と式(2)で表される2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物を反応させることにより、式(3):
【0050】
【化6】

で表される2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を得ることができる。
【0051】
式(3)中、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rに帰属される、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基としては、それぞれ前記Rについて例示したものが挙げられる。
【0052】
式(3)中、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rに帰属される、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基としては、それぞれ前記Rについて例示したものが挙げられる。
【0053】
前記の2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の合成は好ましくは塩基性条件下で行われる。使用される塩基としては塩基度が大きい化合物であればその使用に特に制限はなく、無機塩基でも有機塩基でも構わない。無機塩基としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。有機塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、有機強塩基が挙げられる。中でも塩基としてより好ましくは、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物塩であり、最も好ましくはアルカリ金属水酸化物塩である。なお、これら塩基は、単独で用い得ることは勿論のこと、二種以上のものを選択して併用してもよい。
【0054】
アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが挙げられる。原料の入手性の観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。
【0055】
金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどが挙げられる。原料の入手性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0056】
脂肪族アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。芳香族アミンとしては、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミノピリジンなどが挙げられる。
【0057】
有機強塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)や1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(DBN)などが挙げられる。
【0058】
なお、無機塩基を反応系に添加する際の形態は、固体でも水溶液でも構わないが、より好ましくは水溶液の形態である。水溶液で添加する際の濃度は10%以上、特に25%以上の高濃度であることが容積効率および反応を良好に進行させることからより好ましい。
【0059】
前記塩基の使用量は、特に限定されないが、収率、容積効率および経済性の観点から、2−アミノベンゾヘテラゾール化合物1.0モルに対して、10.0モル以下であることが好ましく、1.0〜7.0モルであることがより好ましく、1.0〜5.0モルであることがさらに好ましい。前記塩基は10.0モルを超えて使用した場合、使用量に見合う収率の向上は見られず、経済性および容積効率に劣るおそれがある。
【0060】
2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の合成反応は、必ずしも相間移動触媒を必要としないが、反応を促進させる目的で相間移動触媒を用いることもできる。相間移動触媒としては、従来公知の相間移動触媒であれば、如何なるものであっても用いることができ、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、ポリエチレングリコール、およびクラウンエーテル等が挙げられ、好ましくは4級アンモニウム塩および4級ホスホニウム塩が挙げられる。なお、これら相間移動触媒は、単独で用い得ることは勿論のこと、二種以上のものを選択して併用してもよい。
【0061】
4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、塩化テトラドデシルアンモニウム、塩化テトラヘキサデシルアンモニウム、塩化テトラオクタデシルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化メチルトリエチルアンモニウム、塩化ドデシルトリエチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリデシルメチルアンモニウム、塩化トリドデシルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルヘキサデシル、塩化ベンジルジメチルオクタデシル、塩化ベンジルジメチルテトラデシル、塩化1−メチルピリジニウム、塩化1−ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4―ジメチルピリジニウム、塩化トリメチルシクロプロピルアンモニウム、またはこれらの塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、ヨウ化物塩、硫酸水素塩となった化合物が挙げられる。原料の入手性や取扱い簡便さの観点から、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリブチルアンモニウムが好ましい。
【0062】
4級ホスホニウム塩としては、例えば、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化テトラオクチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウム、塩化トリエチルメチルホスホニウム、塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、塩化メチルトリフェニルホスホニウム、塩化エチルトリフェニルホスホニウム、塩化プロピルトリフェニルホスホニウム、塩化ブチルトリフェニルホスホニウム、塩化ヘキシルトリフェニルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルホスホニウム、またはこれらの塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、ヨウ化物塩となった化合物が挙げられる。原料の入手性や取扱い簡便さの観点から、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウムが好ましい。
【0063】
前記相間移動触媒の使用量は、特に限定されないが、操作性を向上させる観点および経済性の観点から、2−アミノベンゾヘテラゾール化合物1.0モルに対して、1.0モル以下であることが好ましく、0.7モル以下であることがより好ましく、0.4モル以下であることがさらに好ましい。前記相間移動触媒は1.0モルを超えて使用した場合、使用量に見合う収率の向上は得られず、経済性および容積効率に劣るおそれがある。
【0064】
前記反応に用いられる溶媒は、当該反応に対して不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトンおよびシクロペンチルメチルエーテル等を挙げることができる。なお、これら溶媒は、単独で用い得ることは勿論のこと、任意の混合割合の混合溶媒として用いてもよい。
【0065】
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、操作性を向上させる観点および経済性の観点から、2−アミノベンゾヘテラゾール化合物100重量部に対して、100〜10000重量部であることが好ましく、150〜5000重量部であることがより好ましく、200〜1000重量部であることがさらに好ましい。
【0066】
前記の反応温度は、特に限定されないが、0〜120℃であることが好ましく、20〜90℃であることがより好ましい。反応温度が120℃を超えると副反応が起こり、収率が低下するおそれがあり、0℃未満であると、反応速度が実用上、遅くなりすぎるおそれがある。反応時間は、反応温度によって異なるため、一概には言えないが、1〜48時間であることが好ましく、2〜30時間であることがより好ましい。
【0067】
このようにして得られた2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物は、析出物をそのまま濾過、もしくは有機溶媒で抽出後に濃縮すること等により単離することができる。精製の必要がある場合には、例えば、再結晶またはカラム精製等、通常の有機化合物の精製において用いられる方法と同様の方法を用いて精製することができる。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0069】
[実施例1]
2−アミノベンゾチアゾール15.0g(0.10モル)、2−クロロベンゾオキサゾール18.4g(0.12モル)、1,2−ジエトキシエタン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム6.4g(0.02モル)、50%水酸化カリウム水溶液33.7g(0.30モル)を加えた後、60℃まで昇温し、12時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール22.9gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して85.8%であった。純度は、高速液体クロマトグラフにて測定し、99.5%であった。
【0070】
[実施例2]
2−アミノベンゾチアゾール15.0g(0.10モル)、2−クロロベンゾオキサゾール15.4g(0.10モル)、N,N−ジメチルホルムアミド100gを仕込み、炭酸カリウム4.1g(0.03モル)、水10g、50%水酸化ナトリウム水溶液16.0g(0.20モル)を加えた後、室温(25℃)で3時間撹拌した。次いで、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した後、析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール16.5gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して61.7%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、99.3%であった。
【0071】
[実施例3]
2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール18.0g(0.10モル)、2−クロロベンゾオキサゾール18.4g(0.12モル)、イソブチルメチルケトン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム6.4g(0.02モル)、50%水酸化カリウム水溶液33.7g(0.30モル)を加えた後、60℃まで昇温し、10時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、微黄色の2−[2−(6−メトキシベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾオキサゾール25.3gを得た。収率は2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾールに対して85.0%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.5%であった。
【0072】
[実施例4]
2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール18.0g(0.10モル)、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール20.7g(0.11モル)、1,2−ジエトキシエタン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム3.2g(0.01モル)、50%水酸化カリウム水溶液22.4g(0.20モル)を加えた後、60℃まで昇温し、5時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の6−クロロ−2−[2−(6−メトキシベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾオキサゾール24.9gを得た。収率は2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾールに対して75.2%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.7%であった。
【0073】
[実施例5]
2−アミノ−5,6−ジメチルベンゾチアゾール17.8g(0.10モル)、2−クロロベンゾオキサゾール18.4g(0.12モル)、イソブチルメチルケトン100gを仕込み、臭化テトラブチルホスホニウム6.8g(0.02モル)、50%水酸化カリウム水溶液33.7g(0.30モル)を加えた後、60℃まで昇温し、8時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の2−[2−(5,6−ジメチルベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾオキサゾール23.8gを得た。収率は2−アミノ−5,6−ジメチルベンゾチアゾールに対して85.0%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.2%であった。
【0074】
[実施例6]
2−アミノ−6−(メチルスルホニル)ベンゾチアゾール22.8g(0.10モル)、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール18.8g(0.10モル)、1,2−ジエトキシエタン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム3.2g(0.01モル)、30%水酸化カリウム水溶液56.1g(0.30モル)を加えた後、50℃まで昇温し、6時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、微黄色の6−クロロ−2−[2−(6−メチルスルホニルベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾオキサゾール27.7gを得た。収率は2−アミノ−6−(メチルスルホニル)ベンゾチアゾールに対して72.8%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.0%であった。
【0075】
[実施例7]
2−アミノベンゾチアゾール15.0g(0.10モル)、2−クロロベンゾチアゾール20.4g(0.12モル)、エチルメチルケトン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム6.4g(0.02モル)、50%水酸化カリウム水溶液44.9g(0.40モル)を加えた後、75℃まで昇温し、16時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾチアゾール21.5gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して75.9%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、99.4%であった。
【0076】
[実施例8]
2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール18.0g(0.10モル)、2−ブロモベンゾチアゾール25.7g(0.12モル)、エチルメチルケトン100gを仕込み、塩化トリオクチルメチルアンモニウム12.1g(0.03モル)、50%水酸化カリウム水溶液44.9g(0.40モル)を加えた後、75℃まで昇温し、15時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、微黄色の2−[2−(6−メトキシベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾチアゾール21.7gを得た。収率は2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾールに対して69.1%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、99.3%であった。
【0077】
[実施例9]
2−アミノ−6−(メチルスルホニル)ベンゾチアゾール22.8g(0.10モル)、2,6−ジクロロベンゾチアゾール20.4g(0.10モル)、1,2−ジエトキシエタン100gを仕込み、臭化テトラブチルホスホニウム6.8g(0.02モル)、30%水酸化カリウム水溶液74.8g(0.40モル)を加えた後、75℃まで昇温し、8時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、微黄色の6−クロロ−2−[2−(6−メチルスルホニルベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾチアゾール25.9gを得た。収率は2−アミノ−6−(メチルスルホニル)ベンゾチアゾールに対して65.5%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.1%であった。
【0078】
[実施例10]
2−アミノ−5−クロロベンゾオキサゾール16.9g(0.10モル)、2−クロロベンゾオキサゾール18.4g(0.12モル)、1,2−ジエトキシエタン100gを仕込み、臭化テトラブチルアンモニウム6.4g(0.02モル)、50%水酸化ナトリウム水溶液24.0g(0.30モル)を加えた後、60℃まで昇温し、8時間保温した。その後、反応液を室温まで冷却し、pH=7になるまで塩酸を滴下し中和した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、白色の5−クロロ−2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール22.0gを得た。収率は2−アミノ−5−クロロベンゾオキサゾールに対して77.0%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.6%であった。
【0079】
[比較例1]
2−アミノベンゾチアゾール90.1g(0.60モル)をDMF566gに溶解させ、氷浴下で20モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液36mL(水酸化ナトリウム0.72モル相当)を滴下し、次いで二硫化炭素91.4g(1.2モル)を滴下し、さらに20モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液36mL(水酸化ナトリウム0.72モル相当)を滴下した後に、ヨウ化メチル178.8g(1.26モル)を滴下した。室温で2時間攪拌した後に、この反応液を水3000gの中に滴下した。析出物を濾別し、水で洗浄後、乾燥し、S,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエート107.2gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して70.2%であった。
【0080】
2−アミノフェノール21.8g(0.20モル)をDMF944gに溶解させ、ここに5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液40mL(水酸化ナトリウム0.20モル相当)を加え、室温で30分間攪拌し、次いでここに前記の得られたS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエート50.9g(0.20モル)をDMF1416gに溶解させた溶液を滴下した。次いで153℃まで昇温し、窒素雰囲気下で6時間還流させた後、室温まで冷却し、この反応液を水2000g中に滴下した。析出物を濾別し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール30.0gを得た。収率はS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエートに対して56.1%であり、2−アミノベンゾチアゾールに対しては39.4%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、97.4%であった。
【0081】
[比較例2]
比較例1において2−アミノベンゾチアゾール90.1g(0.60モル)に代えて、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール98.5g(0.60モル)を用いた以外は比較例2と同様にして、S,S’−ジメチル−N−[2−(6−メチルベンゾチアゾリル)]カルボンイミドジチオエート114.2gを得た。収率は2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾールに対して70.9%であった。
【0082】
比較例1においてS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエート50.9g(0.20モル)に代えて、ここで得られたS,S’−ジメチル−N−[2−(6−メチルベンゾチアゾリル)]カルボンイミドジチオエート53.7g(0.20モル)を用いた以外は比較例2と同様にして、2−[2−(6−メチルベンゾチアゾリル)アミノ]ベンゾオキサゾール29.4gを得た。収率はS,S’−ジメチル−N−[2−(6−メチルベンゾチアゾリル)]カルボンイミドジチオエートに対して52.3%であり、2−アミノベンゾチアゾールに対しては37.1%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、97.0%であった。
【0083】
[比較例3]
フェノール18.8g(0.20モル)を50℃まで加熱し溶融させ、ここに2−アミノベンゾチアゾール45.1g(0.30モル)を加えた後、さらに180℃まで加熱し、20時間保温した。その後、反応液を80℃まで冷却し、エタノール60gを滴下し、さらに1時間保温した。その後、室温まで冷却し、析出物を濾別し、エタノールで洗浄後、乾燥し、白色の2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾチアゾール32.1gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して75.5%であった。純度は高速液体クロマトグラフにて測定し、98.9%であった。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

【0087】
比較例1および2では、2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾール化合物を2段階で合成しているのに対し、実施例では市販原料を用いて1段階で2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を合成できる。
【0088】
また、比較例では153℃以上の高温で反応させているのに対し、実施例では25℃〜75℃という低温で反応が進行する。
【0089】
比較例1および2では、反応時間が比較的短時間ではあるものの2−アミノベンゾチアゾール化合物に対する収率が低い。一方、実施例では、収率が良好な比較例3よりも短時間で、イミノ基に関して非対称な化合物を含む2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を収率良く合成できることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明では、工業的に実施容易な条件で2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物を高収率かつ高純度で製造できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(式中、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rは存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。)で表される2−アミノベンゾヘテラゾール化合物に対して、式(2):
【化2】

(式中、Xは塩素原子または臭素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子であり、Rは存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のフルオロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基である。)で表される2−ハロゲノベンゾヘテラゾール化合物を反応させることを特徴とする、式(3):
【化3】

(式中、YおよびRは、式(1)で示したものであり、YおよびRは、式(2)で示したものである。)で表される2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法。
【請求項2】
反応が塩基性化合物の存在下で行われることを特徴とする請求項1に記載の2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法。
【請求項3】
反応が相間移動触媒存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の2−(2−ベンゾヘテラゾリルアミノ)ベンゾヘテラゾール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2013−107828(P2013−107828A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251804(P2011−251804)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【Fターム(参考)】