説明

2つのネットワークを含む電気通信システム

本発明は電気通信システム、特に、複数の携帯通信装置を有するモバイルネットワークと、シグナリングエージェント、複数のディレクトリエージェント、及び該モバイルネットワークが接続できる複数の離間した接続ポイントを含む固定ネットワークとを含む、電気通信システムに関する。使用中、各ディレクトリエージェントは、そのディレクトリエージェントに関連付けられるそれぞれの移動体通信装置にデータを送るための、ルーティングテーブルを記憶する。該モバイルネットワークの該接続ポイントが変化すると、該モバイルネットワークは該シグナリングエージェントにアドレス変更メッセージを送信する。それに応じて、該シグナリングエージェントは各ディレクトリエージェントに該アドレスの変更を送信するように構成されているので、その結果それぞれが、該モバイルネットワークの該変更された接続ポイントを考慮に入れるために、ルーティングテーブルを更新できる。該シグナリングエージェントが提供されているため、各携帯装置はそれ自体そのディレクトリエージェントに、いつ該モバイルネットワークが移動するのかを通知する必要がなく、該モバイルネットワークが移動するときの、該モバイルネットワークと該固定ネットワークとの間のシグナリングの量は、削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信システムに関し、特にモバイルネットワークを含む電気通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯通信装置がネットワーク上の異なるポイントに接続することは公知である。したがって、例えば、ユーザはポータブルコンピュータを1つの接続ポイントに接続し、別の接続ポイントが設けられている新しい地理的なロケーションに移動し、その新しい接続ポイントでコンピュータをネットワークに接続することができる。複数のユーザが例えば電車や航空機等の1台の共通の乗り物でいっしょに移動するとき、それぞれのユーザの通信装置が該乗り物内のローカルエリアネットワーク(LAN)等のローカルネットワークに接続されることが有利な場合がある。互いに通信できるだけではなく、ユーザは通常該ローカルネットワークから共通のサービスを受けることができる。更に、メインネットワークへの接続が無線リンクを通して行われ、ローカルネットワークが送信機/受信機を含む場合、通信装置はローカルネットワークによって提供される送信機/受信機を利用してよい。
【0003】
メインネットワーク上の異なる接続ポイントで通信装置に接続できるように、「ホームエージェント」等のディレクトリファシリティをメインネットワークに設けることができる。通常、通信装置ごとのディレクトリファシリティは、通信装置の現在の接続ポイントへのデータのルーティングを容易にするために使用できる情報を記憶する。ディレクトリファシリティは現在の接続ポイントに対応するアドレスを含んでよい、あるいはディレクトリファシリティは更なるルーティング情報を検出できるロケーションを示す別のアドレスを含んでよい。通信装置の接続ポイントが変化すると、通信装置は通常、それが関連付けられているディレクトリファシリティにメッセージを送信し、その結果ディレクトリファシリティに記憶されるルーティング情報は、通信装置の接続ポイントの変更を反映するように更新できる。
【発明の開示】
【0004】
しかしながら、複数の通信装置がローカルネットワーク又はモバイルネットワークの一部として共に移動する場合、接続ポイントが変更されたときに通信装置とそのそれぞれのディレクトリファシリティの間で必要とされるシグナリングの量は望ましくない場合がある。
【0005】
本発明の1態様によると、複数の携帯通信装置と、該携帯通信装置との間でデータを送るために使用するときに配置されるルータ手段とを有するモバイルネットワークと、シグナリングエージェント、複数のディレクトリエージェント、及びメインネットワークと通信するためにモバイルネットワークが接続できる複数の離間した接続ポイントを含むメインネットワークとを含む、電気通信システムが提供され、使用中各ディレクトリエージェントは、そのディレクトリエージェントに関連付けられるそれぞれの移動体通信装置にデータを送るためのルーティング情報を記憶し、モバイルネットワークの接続のポイントが変化したことを推論できるシグナリングメッセージに応答して、シグナリングエージェントは各ディレクトリエージェントへそれぞれの更新メッセージを送信するように構成され、該更新メッセージはそれぞれ更新されたルーティング情報を含み、その結果、該更新されたルーティング情報の受信時に、モバイルネットワークの接続の変更されたポイントを考慮に入れるために、各ディレクトリエージェントが記憶されているルーティング情報を更新できる。
【0006】
シグナリングエージェントはそれぞれの更新メッセージを各ディレクトリエージェントに送信するように構成されているため、各通信装置がこのようなメッセージ自体をこれのそれぞれのディレクトリエージェントに送信する必要性は低くなる。これによりモバイルネットワークがその接続ポイントを変更するときにディレクトリファシリティを更新するために生成されるシグナリングの量は、各通信装置がそれぞれのディレクトリエージェントに接触を試みる場合に生成されるであろうシグナリングと比べて少なくなる。このような通信装置はそれぞれ同時にその接続ポイントを変更する可能性があるため、トラフィックの削減は、モバイルネットワークの一部として移動する通信装置の場合に特に重要になる。
【0007】
シグナリングメッセージは代わりにモバイルネットワークの現在の接続ポイントのノードによって送信されてよいが、好ましくは、モバイルネットワークはシグナリングメッセージを(生成する、及び/又は)送信するように構成される。シグナリングメッセージは好ましくは、モバイルネットワークの変更された接続ポイントの位相的な位置を示す情報を含むであろう。例えばシグナリングメッセージは、現在の接続ポイントに対応するルータブルな(routable)ネットワークアドレスを含んでよい。
【0008】
各ディレクトリエージェントによって記憶される該それぞれのルーティング情報は、好ましくは、そのディレクトリエージェントに関連付けられる該又は各携帯通信装置の接続ポイントが推論できる、あるいはデバイスのロケーション(例えば位相的なロケーション)を推論できる情報を含むであろう。接続ポイントは直接的に又は間接的に推論されてよい。例えば、ディレクトリエージェントは中間ルータの該アドレスを記憶してよく、該中間ルータ自体がモバイルネットワークの現在の接続ポイントの記録を記憶している。
【0009】
モバイルネットワークをメインネットワーク上の接続ポイントに一時的に接続できるようにするために、接続ポイントには好ましくはそれぞれの無線通信手段が備えられ、モバイルネットワークは、接続ポイントと携帯電話の間の通信のためにその間に無線リンクを形成できるように、更なる無線通信手段を含む。これにより、メインネットワークとモバイルネットワークの間に便利にリンクを形成し、遮断することができる。代わりに、リンクは電気的であってよく、接続ポイントはそれぞれ解除できる電気コネクタ手段を有する。
【0010】
接続ポイントは、好ましくは静止型であってよく、それぞれの接地基地局により提供されてよい。しかしながら、接続ポイントは衛星ノードによって形成でき、該ノードは静止衛星のように接地基準点に対して移動している、又は代わりに静止しているかのどちからである。好ましい実施形態では、メインネットワークは接地ネットワークであり、シグナリングエージェントと少なくとも1つのディレクトリエージェントが1つ又は複数の接地ノードで提供される。これは便宜的にシグナリングエージェントを既存の(修正された)ネットワークの一部として使用できるようにする。
【0011】
携帯装置のノードは、好ましくは各携帯装置のそれぞれのディレクトリエージェントのアイデンティティ及び/又はネットワークロケーションを示す、それぞれの又は集合的な登録メッセージを送信するように構成される。シグナリングエージェントは、更新されたルーティング情報をディレクトリエージェントのそれぞれに送信するために、このアイデンティティ及び/又はロケーション情報を記憶して、使用してよい。このようにしてシグナリングエージェントは、モバイルネットワークがその接続ポイントを変更するたびに、モバイルネットワークがこのアイデンティティ/ロケーション情報を送信する必要性を減らす。これは、例えばネットワークエージェントが異なる地理的な位置に位置する場合等、ディレクトリエージェントがそれぞれ異なるネットワークアドレスを有する場合に特に有利である。ディレクトリエージェント間の分離は少なくとも1km又は10km、あるいは100kmである場合もある。
【0012】
登録メッセージは好ましくは、携帯装置と接触することを希望する可能性がある、あるいは例えばその携帯装置と現在通信中である、あらゆる発呼者ノード(複数の場合がある)の表示も含む。これは、発呼者ノードがルート最適化をサポートするように構成されている場合に有効であり、その場合、更新メッセージは発呼者ノードに送信され、その結果該発呼者ノードはデータを、それが通信する相手の携帯装置の新しいロケーションに直接的に送ることができる。
【0013】
複数のシグナリングエージェントが提供されてよく、それぞれが複数の携帯装置を代行する。複数のシグナリングエージェントは、例えばモバイルネットワークが、ポータブル「ラップトップ」コンピュータ又は携帯電話等の異なるクラスの携帯装置を有し、各クラスのデバイスが異なるシグナリング要件を有する場合に、有用である。
【0014】
メインネットワークは好ましくは所定の位相的な構造を有する。通常、ネットワークは複数のノードと該ノードを接続するための複数のリンクとによって形成され、メインネットワークの中の各ノードは、そこにデータを送るためのそれぞれのネットワークアドレスを有する。各ノードはルータ又は他のデータ処理装置であってよく、ネットワーク経路の交差点に位置する必要はない。例えば、ノードは、コンピュータ端末又は他の通信装置等の端末装置によって形成されてよい。好ましくはシグナリングエージェント及び各ディレクトリエージェントは1つ又は複数のノードで実現され、該ノード及び/又はエージェントはそれぞれ、それぞれのノード及び/又はエージェントの該それぞれの位相的な位置を示すネットワークアドレスを有する。既定のエージェントの機能性は2つ又は複数のノード間で分散されてよく、そのノードは同じ場所に配置される必要はない。メインネットワークは2つ以上のサブネットワークを含んでよく、該サブネットワークは例えば異なる管理者によって管理されている。ディレクトリエージェントは同じサブネットワークに位置してよく、あるいはディレクトリエージェントはサブネットワーク間で分散されてよい。
【0015】
モバイルネットワークが移動すると、好ましくはモバイルネットワークの携帯装置は共に移動し、携帯装置間のあらゆる相対的な移動は、モバイルネットワークの移動と重ね合わされる。したがって、携帯装置の移動は1つの共通の基準点の移動により説明されてよく、その共通基準点に対する装置のあらゆる移動は、基準点自体の移動と比べて小さい。携帯装置をサポートするために可動サポート手段が提供されてよく、その結果サポート手段の移動は携帯装置の共通した移動を引き起こすであろう。該サポート手段はプラットホーム又は電車などの車両であってよい。好ましくはモバイルネットワークの位相的な構造は、モバイルネットワークが移動しても同じままとなる。モバイルネットワークはローカルエリアネットワークであってよい。代わりに、モバイルネットワークは、複数の携帯装置が共に接続され、人物に付される、パーソナルエリアネットワーク(PAN)であってよい。PANを形成する装置は無線リンクによって接続されてよく、臨機応変にそれら自体の間で接続を形成してよい(例えば、モバイルルータとして動作する装置の1つ、又は代わりに装置は、互いに又はユーザによってモバイルルータに接続される必要がある)。PANは、人物に装置を解除可能に接続するための接続手段を含んでよい。
【0016】
モバイルネットワークは、モバイルネットワークの中でデータを送るために、携帯装置を接続するための2台又は3台以上のルーティング装置を有してよい。携帯装置とルータ間の接続はそれぞれの電気接続、又は無線リンクによって形成されてよい。モバイルネットワーク内で接続されている装置は、装置がネットワークに入る、又は出るときに変化する可能性があるが、モバイルネットワークの位相的な構造は、モバイルネットワークが移動しても好ましくは未変更のままである。
【0017】
メインネットワークを通して効率的にデータを送るために、メインネットワーク内のノードのアドレスは好ましくは互いに対して階層構造で配列され、各アドレスは構成要素の並べられた組を含み、各ノードはそれと関連付けられる階層レベルを有し、アドレスの各構成要素は階層レベルに対応し、1つの階層レベルでの高レベルノードは、更に低い階層レベルである複数の低レベルノードに接続され、それぞれの低い方のレベルのノードのアドレスは、高レベルのノードのレベルに対応する構成要素の値が各低レベルノードに共通である。このようなシステムでは、高レベルノードとそれに接続されている低い方のレベルのノードのそれぞれのアドレスは同じプレフィックスを共有し、先行する構成要素はアドレスごとに同じである。異なるノードを区別するには、各ノードのアドレスは好ましくは異なる後続の構成要素を有するであろう。すなわち、サフィックスはアドレスごとに異なる。このようなシステムの例は、IPv6又はIPv4等のインターネットプロトコルに従って実行されているシステムを含む。このようなシステムでは、データは好ましくはデータパケットとして運ばれてよく、各パケットはペイロード部分と、該パケットの宛先アドレスが記憶されるアドレス部分とを有する。
【0018】
好ましくは、各携帯装置はネットワークアドレス、名前、又はそれと関連付けられた他の識別子等の識別子を有し、この識別子は、モバイルネットワークがある接続ポイントから別の接続ポイントに移動するにつれて携帯装置によって保持され、各携帯装置のディレクトリエージェントは、その装置の識別子と、モバイルネットワークの現在の接続ポイントを示す(又は現在の接続ポイントにルータブルな、あるいは現在の接続ポイントを通した)一時アドレスとの間のマッピングを記憶する。一実施形態では、携帯装置の識別子はネットワークアドレスである。携帯装置のネットワークアドレスとその関連するディレクトリエージェントは好ましくは位相的に関連しているので、その結果ディレクトリエージェントはその携帯装置にアドレス指定されるデータを妨害し、このデータを携帯装置に向けて送信することができる。しかしながら、携帯装置の識別子が、例えばDNS名又はSIP URIという名である場合、携帯装置のネットワークアドレスとその関連付けられたディレクトリエージェントが位相的に関連する可能性は低い。
【0019】
携帯装置用のディレクトリエージェントがその装置に向かって容易にデータを送ることができるように、及び/又は携帯装置用のディレクトリエージェントがポータブルノードの現在の一時アドレスと通信することを希望するノードに更に容易に知らせることができるように、シグナリングエージェントは、好ましくは各エージェントにメッセージを送信することによってディレクトリエージェントを更新し、既定のディレクトリエージェントのメッセージは、このエージェントに関連付けられた該又は各携帯装置の該現在の(一時)アドレスを含む。異なるメッセージが異なるディレクトリエージェントにアドレス指定されてよい、あるいは代わりにシグナリングエージェントが、1つの集合メッセージを全てのディレクトリエージェントに一斉送信してよい。
【0020】
好ましい実施形態では、モバイルネットワークの携帯装置とルータ手段には関連する一時アドレスが割り当てられ、関連アドレスは1つの共通したプレフィックス部分を有する。現在の接続ポイントと関連付けられた一時アドレスは、好ましくはモバイルネットワークに割り当てられているアドレスのプレフィックス部分と同じであるプレフィックス部分を有する。プレフィックス部分は好ましくは接続ポイントの位相的な位置を示し、同じプレフィックスの付いたアドレスをモバイルネットワークへ割り当てることは、データのモバイルネットワークへのルーティングを容易にする。このような状況では、モバイルネットワークからのシグナリングメッセージは好ましくは少なくとも1つのアドレスを含み、該アドレスは共通したプレフィックス部分を有する。同様に、シグナリングエージェントから各ディレクトリエージェントへの更新メッセージは、好ましくは共通のプレフィックス部分を有するアドレスを含む。ディレクトリエージェントのための更新メッセージは携帯装置自体の一時アドレスを含んでよいか、あるいは代わりに、更新メッセージはモバイルネットワークのルータ手段に割り当てられる一時アドレスを含んでよく、その場合、ルータ手段は好ましくは入信パケットを開き、モバイルネットワークの携帯装置の内のどれにそのパケットをアドレス指定する必要があるのかを決定するように構成される。
【0021】
本発明の更なる態様は添付の特許請求の範囲で述べられる。本発明は、例証として、以下の図面を参照して更に詳しく説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1を参照すると、モバイルネットワーク12が固定された(メイン)ネットワーク14と通信できる従来のネットワークシステム10を有し、固定されたネットワークが一般的に静止している複数のノード13を有することが公知である(図1は、本発明によるシステムを示しているが、従来技術を説明するにも使用され、従来の技術と本発明において同様である構成要素には類似した参照符号が付されている)。モバイルネットワーク12は複数の移動可能な、あるいはそれ以外の場合移動性のノード16(携帯装置)を含み、それぞれは、それぞれの接続22によってモバイルネットワーク12に接続される。モバイルノードは、例えば携帯電話又は「ラップトップ」コンピュータ等のコンピュータ装置又は他の携帯通信装置であってよく、モバイルルータへのそれぞれの接続22は有線接続又は無線接続である。モバイルネットワーク12が移動すると、モバイルノード16はルータ20と共に移動し、その結果モバイルノードはルータ20とのそれぞれの接続22を保持する。例えば、モバイルルータ20は電車又は他の車両システムに含まれてよく、モバイルノードはそれぞれ電車上の乗客によって運ばれる個人通信装置であってよい。このようなモバイルネットワーク12は車両ネットワークとしても公知である。ノード間の何らかの相対的な移動は、乗客が電車内を移動するにつれて発生する可能性があるが、明らかに、モバイルノードは電車が移動するにつれて、通常モバイルルータ20と共通して移動する。モバイルネットワーク12の構成は通常一時的となる。他のノードはネットワークに加わり、(例えば、乗客が電車に乗り込むときに)新しい接続22を形成してもよいが、ルータ20との接続22を中止し、(例えば、乗客が電車を降りるときに)ネットワークを離れるモバイルノードもある。
【0023】
モバイルルータ20は、無線リンク28上で固定ネットワーク14の基地局30と通信するための無線送信機/受信機ステージを有する(図1の例では、モバイルネットワーク12は基地局BS−Aの範囲内に入る)。
【0024】
モバイルネットワーク12が第1の移動局BS−Aの範囲内のある点から、第2の基地局BS−Bの範囲内のある点に移動するとき、ハンドオーバプロセスが発生し、BS−Aとの無線リンク28が中断され、BS−Bとの新しい無線リンクが形成され、その結果モバイルネットワークがBS−Bに「アタッチする」。発呼者ノードC1が、例えばMN1等のモバイルノードの1つと通信するためには、発呼者ノードC1とモバイルノードMN1の間のデータは固定ネットワーク14を通して、特に、モバイルネットワークが移動するにつれ、モバイルネットワークの位置に依存する正しい基地局30を通して、送られなければならない。複数のシステム/プロトコルが正しい基地局を通してデータを送るために存在する。IPv6(インターネットプロトコルバージョンv6)システムでは、割り当て装置32によって、(基地局30を含む)各ノード13に恒久的なIPアドレスが割り当てられる。各アドレスは複数の、つまりIPv6の場合16の構成要素を有し、各構成要素は異なる階層レベルに属している。アドレスはa.b.c.d...,の形で表現でき、各文字が1つの構成要素に対応し、アルファベットの上の方の文字が下の方のレベルの構成要素に対応する。固定ネットワーク14の接続形態(topology)は、それぞれが次に上のレベルにある共通ノードに接続される低い方のレベルのノードのアドレスが1つの構成要素を共用するように配置される。共用される構成要素のレベルは共通ノードのレベルに対応する。これにより、パケットにより搬送される宛先ノードのIPアドレスのみに基づいて、固定ネットワークのノード間でパケットを送信できる。
【0025】
モバイルルータ20とモバイルノード16はそれぞれ、(アドレス割り当て装置32によって)それらに割り当てられるパーマネントアドレスを有する。しかしながら、これらのノードは固定した位相的な位置を有さないため、ネットワークシステム10の中では、これらのノードのIPアドレスは、通常は固定ネットワークの他のノードに関してこれの位置を示さず、従ってモバイルノードのIPアドレスは通常、それ自体このノードのこれの位置にアドレス指定されるパケットには十分ではない。
【0026】
モバイルノードをネットワークシステム内で「発見できる」ようにするために、したがってパケットをモバイルノードに送ることができるようにするために、基地局30は通常それに接続されるノードに一時アドレスを割り当てる。IPv6では、このようなアドレスは通常「共有気付アドレス(co-located care of address)」であってよく、これはその基地局が割り当て装置32によって過去に割り当てられたスペアv6アドレスの集合から、モバイルノードに割り当てられている。基地局によって割り当てられる気付アドレスは基地局自体のパーマネントアドレスと共通した構成要素を有し、アドレスの中のこの構成要素の位置は基地局の階層位置に対応し、その結果宛先が割り当てられた気付アドレスの1つであるパケットを発行側の基地局に送ることができる。基地局が適切なモバイルノードにパケットを送ることができるようにするために、基地局は、各モバイルノードの気付アドレスを、モバイルルータ20が受信するように構成される無線チャネルにマッピングするテーブルを維持する。各基地局BS−A、BS−Bは、通常それぞれのアクセスルータAR−A、AR−Bを介して固定ネットワークに接続され、アクセスルータは気付アドレスを記憶し、割り当ててよく、基地局は単にアクセスルータからのメッセージを送信するために役立つ。
【0027】
各モバイルノードはこれと関連付けられたホームエージェント(HA)ノードを有し、該ホームエージェントは、それが関連付けられているモバイルノードのパーマネントアドレスに送信されるパケットを妨害できるように位相的に配置されている(簡単にするために、ホームエージェントノードにはそれと関連付けられる1つのモバイルノードしかないと仮定される)。ホームエージェントは、対応テーブルの中に、これのモバイルノードのパーマネントアドレスと該モバイルノードに現在割り当てられている気付アドレスとの間の、マッピングを記憶する(したがって、各ホームエージェントは一方では該ホームエージェントと関連付けられたモバイルノードの識別子と、他方では関連付けられたモバイルノードにデータを送るための他のルーティング情報のための一時アドレスの間のマッピングを記憶する。ホームエージェントが複数のモバイルノードのために動作する場合、ホームエージェントは、モバイルノードごとにこのようなマッピングを記憶する)。ホームエージェントがこのモバイルノードについてあらゆるパケットを妨害する場合、ホームエージェントは、それが妨害する各パケットを、宛先アドレスがモバイルノードの気付アドレスであるパケットの中にカプセル化し、それによってホームエージェントとモバイルネットワークとの間に「トンネル(tunnel)」を確立するように構成される。ホームエージェントは、次にモバイルネットワークに向かってカプセル化されたパケットを送信する。気付アドレスが、モバイルノードが接続される基地局の位相的な位置を示すため、カプセル化されたパケットは通常のようにモバイルノードに送ることができる。
【0028】
モバイルノードが図1のモバイルルータMR等の別のモバイルノードを通して送られるモバイルネットワークの場合には、モバイルノードが接続される基地局BS−Aは、アドレスの集合をモバイルネットワークに、ノードMN1からMN3ごとに1つずつ割り当てる。モバイルネットワーク12に割り当てられるアドレスは、好ましくは基地局のアドレス内の相応して設置される構成要素と共通して、ある構成要素を有する(つまり、アドレスは同じプレフィックスを有する)。プレフィックスは(基地局でのマッピングを通して)それと関連付けられた無線チャネルを有し、該無線チャネルはモバイルルータ20によって受信され、その結果モバイルノードMN1からMN3のいずれかにアドレス指定されたパケットが、基地局BS−Aによってモバイルルータに送信されるのは避けられない。同様にモバイルルータは、(例えば、そのパーマネントアドレスによって識別可能な)各モバイルノードへの接続と、このモバイルノードと関連付けられている気付アドレスとの間のマッピングを記憶する。ホームエージェントHA1が設けられているシステムによって、発呼者ノードC1は、発呼者ノードC1がMN1の現在位置の知識を必要としなくてもMN1等のモバイルノードと接触できる。発呼者ノードC1は単に、それが通信する相手のモバイルノードMN1のパーマネントアドレスにパケットを送信するだけである。
【0029】
各モバイルノードは1つの共通したホームエージェントを共用してよいが、異なるモバイルノードは多くの場合それぞれ、図1に示されているようなそれらに関連付けられたそれぞれのホームエージェントを有し、ホームエージェントHA1、HA2、及びHA3はそれぞれモバイルノードMN1、MN2、MN3に提供される。通常、ホームエージェントは互いに関連していないアドレスを有する。各ホームエージェント(及び同様にシグナリングエージェント)は通常、1台又は複数台のプロセッサとメモリを含むハードウェアで実現され、該ハードウェアは好ましくはノードのコンピュータ装置の一部である。
【0030】
例えばMN1等のモバイルノードが、例えば基地局BS−Bを通して新しいポイントでネットワーク14に接続するとき、モバイルノードMN1はこれのホームエージェントHA1に新しい気付アドレスを登録し、ホームエージェントはその対応テーブルを、モバイルノードのパーマネントアドレスを新しい気付アドレスにマッピングするように更新する。同様に、モバイルネットワーク12の一部であるそれぞれの他のモバイルノードMN2、MN3は、それがネットワーク上の新しいポイントに接続するときにそれの新しい気付アドレスを登録する。しかしながら、モバイルネットワークのモバイルノードMN1からMN3が通常いっしょに移動するモバイルネットワークのケースでは、特にモバイルノードからのトラフィックが図1に図示されるように1つの共通したモバイルルータMRを通して送られる場合、モバイルノードが実質的に同時に新しい基地局に接続する可能性が高い。したがって、モバイルノードは、実質的に同時にモバイルルータと新しい基地局との間の無線リンク28上で、そのそれぞれのホームエージェントに対して登録信号の送信を試みる可能性が高い。このようなシグナリングは、このリンクが固定ネットワークのノード間のケーブルリンクに比べて相対的に低い帯域幅であるため、無線リンク28上では望ましくない場合がある。
【0031】
モバイルネットワーク12と固定ネットワーク14間で必要とされるシグナリングの量、特にモバイルネットワーク12が固定ネットワーク14で新しいポイントに接続するときの該2つのネットワーク間の無線リンク上でのシグナリングの量を削減するためには、固定ネットワーク内にシグナリングエージェント34が設けられる。シグナリングエージェントは、モバイルノードがネットワーク上の新しいポイントに接続すると各モバイルノード(例えばMN1)についてホームエージェント(例えばHA1)に通知し、ホームエージェントに、ホームエージェントが新規に配置されるモバイルノードに対してパケットを「通過させる(tunnel)」ために必要とされる更新されたアドレス情報を与えるように、構成される。各モバイルノードからの別のメッセージとは対照的に、シグナリングエージェント34がモバイルノードの新しいロケーションを通知されるために、ただ1つのシグナルメッセージだけがモバイルネットワークから必要とされるので、モバイルネットワークと基地局間の無線リンク上で使用される帯域幅の量は削減される。次に、基地局はより効率的に他のノード又はモバイルネットワークと通信するために使用可能な制限された帯域幅を使用できる。シグナリングエージェントの存在により節約される帯域幅の量は、モバイルネットワーク上に多くのモバイルノードがある場合に特に重要になる。図1には3つのノードだけしか表示されていないが、モバイルネットワークは少なくとも10のモバイルノード、又は少なくとも100のモバイルノード、又は少なくとも1000のモバイルノードさえも有してよい。
【0032】
図2に図示されるように、モバイルルータ20は無線段階26からモバイルノード16の1つ又は複数に受信されるパケットを送るため、及び外に向かう伝送のためにモバイルノードから無線段階26にパケットを導くための、ルーティング段階36を有する。ルーティング段階36、無線段階26、及びシグナリング段階40は同じノード内の同じ場所に配置される必要はない。モバイルネットワークはこれらの段階の複数のインスタンスを含んでよい。例えば、衛星ノードと通信する無線段階と、GPRS基地局と通信する別の無線段階があってよい。しかしながら、モバイルネットワークは好ましくは3つ全ての段階を含むモバイルルータ20を有する。ルーティング段階36は、モバイルネットワークの部分を形成するモバイルノード16ごとに、それのモバイルノードのパーマネントアドレス(又は別のアイデンティティの表示)を、(a)モバイルルータ20がそのノードに通信できるチャネル又は他のポートに、及び(b)そのノードに一時的に割り当てられる気付アドレスにマッピングする、ルーティングテーブル38を記憶する。加えて、モバイルルータ20は、シグナリングエージェント34にシグナリング情報を生成/転送するためのシグナリング段階40を有する。
【0033】
シグナリングエージェント34及び/又はシグナリング段階40の動作は、以下のステップ(順に実行される必要はない)を参照して後述される。つまり、モバイルノード16とシグナリング段階40がシグナリングエージェント34に登録する登録ステップと、モバイルノード16とシグナリング段階40が、シグナリングエージェントがもはやそれらの代わりに信号を送信しないことをシグナリングエージェント34に知らせる、登録解除ステップと、シグナリングステップがシグナリングエージェントに、モバイルネットワークが新しい基地局の範囲内のポイントに移動したことを知らせる、移動更新段階と、シグナリングエージェントがモバイルノード(及び場合によっては、シグナリング段階)の代わりにメッセージを送信するシグナリングステップである。
【0034】
登録ステップでは、(従来の技術のように、一旦固定ネットワーク14とモバイルネットワーク12間で通信が可能になると)シグナリング段階40はシグナリング段階のアイデンティティを示すメッセージをシグナリングエージェント34に送信する。シグナリングエージェントは複数のモバイルネットワークを代行してよく、各モバイルネットワークが独自のシグナリング段階を有するため、この情報は、シグナリングエージェントにとっては有効である。入信トラフィックが、図1に示されるようにシグナリング段階と同じ位置に配置される単一ルータを介してモバイルネットワークに入る場合、シグナリング段階のアイデンティティは、モバイルルータ20のパーマネントアドレスにすぎない(つまり、モバイルルータの「ホーム」アドレスで、ホームアドレスはモバイルルータのホームエージェントに位相的に配置されている)。代わりに、シグナリング段階がモバイルルータと同じ位置に配置されないが、別のノード上に配置される場合には、シグナリング段階は、モバイルネットワークの構成に応じて、例えばそのノードIPアドレス又はMACアドレスによって識別されてよい。モバイルネットワーク12の中の各モバイルノード16は、シグナリングエージェントにメッセージを送信することによりシグナリングエージェント34に登録し、このメッセージはそれのパーマネントアドレス等のモバイルノードの識別子を含む。モバイルルータはシグナリングエージェント34に、そのルータに関連付けられるシグナリング段階のアドレスも示す。シグナリング段階はモバイルルータとは別個であってよいが、簡単にするために、シグナリング段階40がルーティング段階と同じ位置に配置され、その結果ルーティング段階36とシグナリング段階40の機能性はモバイルルータ20内で結合されると仮定する。この場合、シグナリング段階のアイデンティティはモバイルルータ20のパーマネントアドレスである。モバイルノードがIPv6イネーブルされていない(その場合、変換手段が必要とされる場合がある)可能性があるので、各モバイルノードは、シグナリングエージェント34とホームエージェントの間の通信にどのプロトコル(つまり、モバイルノードが通常使用するように構成されるプロトコル)が使用されなければならないのかを、シグナリングエージェント34に更に示す。
【0035】
各モバイルノードはシグナリングエージェント34に、モバイルネットワークが新しい基地局に接続するときに、モバイルノードの気付アドレスで更新されなければならないノードのそれぞれのアドレスを示すリストを送信する。モバイルノードごとに、モバイルノードの新しい気付アドレスについて知らされなければならない「受信側ノード」はそのモバイルノードのホームエージェントを含み、その結果ホームエージェントは、必要なときに、その対応テーブルをモバイルノードの現在の気付アドレスで更新できる。モバイルノード向けの受信側ノードのこのリストは、好ましくは、そのモバイルノードと通信している、あるいは通信することになる「発呼側ノード」等の他のノードのアドレスも含む。このような発呼側ノードは、その会員名簿上のノードに周期的にニュースアイテムを送信するニュースプロバイダを含むことができる。代わりに、発呼者ノードはモバイルノードと通信する携帯電話であってよい。いずれのケースでも、シグナリングエージェントが、モバイルノードの新しい気付アドレスでこれらの発呼者ノードを更新できることが有効であろう。ルート最適化が発生し、発呼者ノードとモバイルノードの間にトンネルが確立され、次に発呼者ノードがモバイルノードの新しい気付アドレスを知らされた場合には、新しいトンネルがそのモバイルノードのホームエージェントに最初に接触することなく直接確立できる。
【0036】
前述された登録方法の代替策として、モバイルルータ20は(モバイルノードがモバイルルータに登録された後に)シグナリングエージェント34に登録してよく、モバイルルータは、シグナリングエージェントに、モバイルルータに登録される各モバイルノードのパーマネントアドレスを示すメッセージを送信してよい(各モバイルノードの登録メッセージを単に送ることと対照的に)。更なる代替策として、モバイルルータはモバイルノードの登録メッセージを妨害し、モバイルノードの代わりに登録メッセージ自体を送信してよい。このようにして、シグナリングエージェント34は、それが代行する各モバイルノード16のアイデンティティを示す情報を記憶できる。
【0037】
モバイルノードがシグナリングエージェント34の存在を発見するためには、シグナリングエージェントは、該モバイルネットワーク12に入る各モバイルノードにメッセージを送信してよい。このメッセージはシグナリングエージェント34のアドレスを示し、好ましくはシグナリングエージェントの能力の他の表示だけではなく、シグナリングエージェント34が送信できる移動性管理メッセージのタイプを示す。代わりに、シグナリングエージェント34は各モバイルノードのメモリに過去に入力された「周知の」アドレスで到着可能であってよい。どちらにしても、モバイルノードが、例えばモバイルルータ20に接続することによってモバイルネットワーク12に進入すると、モバイルノードはシグナリングエージェントに登録しようと試みることができる。
【0038】
移動性更新ステップは、モバイルネットワーク12が固定ネットワーク14上でのその接続ポイントを変更するとき、例えばモバイルルータ20がBS−Aと通信するのを中止し、代わりにBS−Bと通信するときに行われる。これが発生すると、モバイルルータ20とモバイルノード16は基地局BS−Aによって過去にそれらに割り当てられた気付アドレスを失い、気付アドレスはそれぞれ基地局BS−Bによって発行される新しいアドレスのセットによって置き換えられる。移動性更新が発生するときにモバイルルータ20からシグナリングエージェント34に送信されるメッセージ(複数の場合がある)は、モバイルノードが基地局によってどのように気付アドレスを割り当てられるのかに依存する。基地局がアドレスのセットをモバイルルータに配信し、このアドレスが1つの共通したプレフィックスによって関連付けられている一実施形態では、以下のステップが実行される。つまり、(i)各モバイルノードは(例えば基地局で)気付アドレスを発行され、この気付アドレスは該共通のプレフィックスを含み、アドレスのサフィックスはアドレス重複のリスクを削減するために(モバイルノードのMACアドレス等の)モバイルノードの一意の識別子に関連付けられる。(ii)登録段階では、モバイルルータはシグナリングエージェント34に、接続ポイントの変更時に、各モバイルノードがこれのサフィックスを保持し、各モバイルノードの新しい気付アドレスが既存のサフィックスが後に続く新しいロケーションのための新しいプレフィックスを有することを知らせる。(iii)モバイルネットワークの接続ポイントが変化するとき、新しいロケーションの新しいプレフィックスの付いたシグナリングメッセージはシグナリングエージェントに送信される。及び(iv)(各モバイルノードの表示と、登録段階で受信されたそのモバイルノードのためのサフィックスの間のマッピングを記憶した)シグナリングエージェントは、次に各モバイルノードの気付アドレスを形成するために、新しいプレフィックスと既存のサフィックスをモバイルノードごとに結合し、シグナリングエージェントは次に新しい気付アドレスが付いたそれぞれの更新メッセージを、各ホームエージェントに送信する。モバイルルータが固定ネットワーク14内の新しいポイントに接続するたびに、各気付アドレス全体と対照的にそれぞれの新しい気付アドレスのプレフィックスだけが送信される必要があるため、これにより、更新ステップを実行するときに無線リンク28上で必要とされるシグナリングの量は削減される。
【0039】
別の実施形態では、モバイルルータは、基地局から受信する気付アドレスの指定されたサフィックスを要求しない。移動性更新ステップでは、モバイルルータは次に、それ自体に及びモバイルノード16に割り当てられた新しい気付アドレス全体を、シグナリングエージェントに知らせる。
【0040】
シグナリングエージェント34は一旦、モバイルノードの少なくともいくつかの新しい気付アドレスを示す情報をモバイルルータから受信すると、シグナリングエージェント34は、シグナリングエージェントが各モバイルノードのそれぞれのホームエージェントに、モバイルノードの新しい気付アドレスを知らせる、シグナリングステップを実行できる。それを行うために、シグナリングエージェントは登録段階で過去に受信されたホームエージェントのアドレスをメモリロケーションから取り出し、そのモバイルノードの新しい気付アドレスをホームエージェントに示す「バインディングエージェント」情報を各ホームエージェントに送信する。ホームエージェントがモバイルネットワーク12内の複数のモバイルノードを代行している場合、シグナリングエージェントはホームエージェントに更新メッセージを送信し、この更新メッセージは、シグナリングエージェントが代行している(そのそれぞれのパーマネントアドレスにより識別される)モバイルノードのリストを識別する識別子(リスト中のパーマネントアドレスは登録段階でシグナリングエージェントに過去に送信された)と、各モバイルノードの新しい気付アドレスと、更新が前述されたリスト用である旨の表示を含む。
【0041】
更新メッセージは、好ましくはシグナリング段階34によって、ノードC1又はC2等の1つ又は複数の対応または「発呼者」ノードにも送信される。携帯装置のホームエージェントは、発呼者ノードがモバイルネットワークの接続ポイントでのあらゆる変更に気付かずに、発呼者ノードがその携帯装置に達することを可能にするが、発呼者ノードはルート最適化を実行するように構成されてよく、その結果発呼者ノードはホームエージェントを通してではなくむしろ直接的に携帯装置にメッセージを送信する。このような状況では、携帯装置の新しい気付アドレスを含む、シグナリングエージェントからの更新メッセージは、新たなルート最適化を実行し、携帯装置の新しいロケーションに直接的にパケットを送信するために、発呼者ノードによって使用できる。
【0042】
一旦モバイルノードがシグナリングエージェントに無事に登録すると、モバイルネットワークが固定ネットワーク上でのその接続ポイントを変更したために、モバイルノードが新しい気付アドレスを受信するときに、シグナリングエージェントがその代わりに要求されるようにそのディレクトリエージェント(複数の場合がある)に更新メッセージを送信するため、モバイルノードは更新メッセージをそのそれぞれのホームエージェントに送信するのを中止することが、明らかに有利である場合がある。
【0043】
メインネットワークは複数のシグナリングエージェント34を含んでよい。シグナリングエージェントに現在登録しているモバイルルータ20は、別のシグナリングエージェントに登録してよい。このような再登録は、例えば第1のシグナリングエージェントからの要求に続いて実行できるであろう。代わりに、モバイルルータは、例えばそれが第2のシグナリングエージェントに著しく近い、あるいは第2のシグナリングエージェントがよりよいの能力を有する、又はその使用が安価であるために、再登録を決定できる。好ましくは第2のシグナリングエージェントは、これに現在登録しているモバイルノード16について第1のシグナリングエージェントから情報を取得するであろう。好ましくは、再登録は第1のシグナリングエージェントからの登録抹消を伴うが、これは必須ではない。
【0044】
いくつかのモバイルノード16は、別のシグナリングエージェントに登録される同じモバイルネットワーク12内の、1のシグナリングエージェントと他方のモバイルノード16に登録できる。例えばシグナリングエージェントは、例えば、モバイルIPv4とモバイルIPv6等のディレクトリエージェントへの、様々な種類の更新メッセージングをサポートできる可能性がある。この場合、モバイルルータは各シグナリングエージェントに登録され、モバイルネットワークが固定ネットワーク14上での接続ポイントを変更すると各メッセージ(複数の場合がある)を送信する。
【0045】
モバイルネットワーク12が固定ネットワーク14をまさに離れようとするときに、登録抹消がどのようにして行われるのかは、登録が過去にどのように達成されたのかに左右される。例えば、各モバイルノードが(モバイルルータを通して)直接的に登録された場合には、各モバイルノードは、それがモバイルノードのホームエージェントに更新メッセージを送信するようにもはや要求されなくなったことをシグナリングエージェントに示すメッセージを、シグナリングエージェントに送信することによって、直接的に登録解除する。たとえモバイルネットワークが固定ネットワーク14に接続されたままであってもモバイルノードがモバイルネットワークを離れようとする場合には、モバイルノードは登録抹消メッセージも送信する。モバイルノードがモバイルネットワークをまさに離れようとするときの登録抹消メッセージは、このような登録抹消を使用せずに、シグナリングエージェントがホームエージェントに対し、モバイルノードのロケーションをもはや示さない更新済みアドレスを送信し続けてよいため、重要となる。
【0046】
図3は、追加のネットワークシステムを示す。固定ネットワーク14は1つ又は複数のサブネットワークを含んでよい。例えば、図3に示されるように、固定ネットワークは接地ネットワーク141とトランスポートネットワーク142とを含んでよく、それぞれトランスポートネットワークと接地ネットワークはそれぞれの境界線ルータ151、152を有し、リンク153は接地ネットワークとトランスポートネットワーク間での通信を可能にするために境界線ルータの間に設けられている。ホームエージェントは全てが同じサブネットワークになくてもよい。例えばHA1は接地ネットワーク141内にあってよく、HA2はトランスポートネットワーク142内にあってよい。
【0047】
モバイルネットワークがパーソナルエリアネットワーク(PAN)である場合には、ネットワークは非常に局所化され、ただ一人の人物と密接に関連付けられるノードのグループによって形成され、単一の装置としていっしょに移動し、ノードはPAN内の別のノードとの通信を希望する場合がある。それはメインネットワーク内のノードとの通信も希望する場合がある。このような通信は、メインネットワークとのゲートウェイとして動作するPAN内のノードの1つを通して行われるであろう。
【0048】
別の実施形態では、モバイルノード(MN)は基地局から一時アドレスを取得しない。代わりにMNは、「プライベートアドレス」、すなわちアドレスだけが有意義であるモバイルルータ20からのアドレスを取得し、モバイルネットワーク24内で使用される必要がある。モバイルルータは「ネットワークアドレストランスレータ」(NAT)機能性を含み、それによって、モバイルネットワーク内で使用されるMNのプライベートアドレスとパブリックアドレとの間のマッピングを記憶し、その結果モバイルルータは各MNに1つ割り当てるほど十分なパブリックアドレスを有する。パブリックアドレスは、メインネットワーク内でMNが知られるアドレスである。このアドレスに送信されるパケットは、そのマッピングテーブルの中でこのアドレスを調べ、モバイルネットワーク24内でMNに到達できるプライベートアドレスに該アドレスを変更するモバイルルータ20に到達する。反対のマッピングプロセスが逆方向(すなわち、MNがメインネットワーク内のノードにパケットを送信する)で発生する。モバイルネットワークが新しい基地局に移動すると、それはパブリックアドレスの新しい組を取得する。MNのプライベートアドレスは変化しないが、モバイルルータはMNのプライベートアドレスにマッピングするために、そのパブリックアドレスの内、新しいパブリックアドレスを選択することにより、そのマッピングテーブルを更新する。モバイルルータはシグナリングエージェント34に、各MNの新しいパブリックアドレスについて知らせるメッセージを送信する。シグナリングエージェント34はMNの各ホームエージェントを更新する。モバイルルータが各MNに1つのパブリックアドレスを割り当てるほど十分なパブリックアドレスを有していない場合には、モバイルルータは「ネットワークアドレスポートトランスレータ(NAPT)」機能性を含み、それによりモバイルネットワーク内で使用されるMNのプライベートアドレスと、ポート番号と結合されるパブリックアドレスとの間のマッピングを記憶する。例えば一実施形態では、同じパブリックアドレスは全てのMNに使用される。モバイルネットワークが新しい基地局に移動すると、それは新しいパブリックアドレスを取得する。モバイルルータはシグナリングエージェント34にメッセージを送信し、この新しいパブリックアドレスを知らせる。シグナリングエージェント34は、MNのHAのそれぞれをこの新しいパブリックアドレスで更新する。代わりに、MNのパーマネントホームアドレスは、それがあたかも「プライベートアドレス」であるかのようにモバイルネットワーク24内で使用できる。このような状況では、モバイルルータ20はNAT又はNAPTの機能性を有する。
【0049】
モバイルネットワーク12又は、固定ネットワーク14の一部又は全ては、IPv4プロトコルに従って動作してよい。モバイルネットワーク12が、IPv4を使用して動作する固定ネットワークのそれらの部分に接続されると、モバイルノードは好ましくは共有されていない気付アドレスを割り当てられ、その結果モバイルネットワークに接続された基地局は、モバイルノードの気付アドレスと無線チャネルとの間のマッピングを記憶しないが、代わりにパケットをカプセル開放し(decapsulate)、それをモバイルノードの気付アドレスとそのパーマネントアドレスの間のマッピング(パーマネントアドレスと正しい無線チャネルとの間に設けられているマッピング)を使用して、正しいモバイルノードに送信する。
【0050】
別の考えられる実施形態では、各モバイルノードが(モバイルネットワークが固定ネットワーク14上での接続ポイントを変更したために)新しい気付アドレスを有すると知らされると、それは、例えばそのホームエージェントに、そのディレクトリエージェント(複数の場合がある)に対する更新メッセージ、及びルート最適化が使用される場合には「発呼者ノード」C1、C2も送信する(いくつかの他の実施形態では、モバイルノードはこのような更新メッセージを送信しない)。モバイルルータは、(i)このような更新メッセージを認識し、(ii)他の類似する更新メッセージと共にそれを一時的に記憶し、(iii)一時的に記憶された更新メッセージのいくつか又は全てを含む新しいメッセージを作成し、(iv)シグナリングエージェントに新しいメッセージを送信する、そのルーティング段階36と関連付けられる更なる妨害段階99を有する。このメッセージの受信時、シグナリングエージェントは、それがつまり正常としてディレクトリエージェント(複数の場合がある)に送るオリジナルの更新メッセージを抽出する。好ましくは、該妨害段階99は、パケット内のプロトコル番号を調べることによって、パケットが(例えば通常のデータパケットではなく)更新メッセージであることを認識する。つまり妨害段階99は注意をするプロトコル番号で事前に構成されるか、あるいはそれ以外の場合モバイルノードがそれを知らせるかのどちらかである。代わりに、妨害段階99は、パケット内の宛先アドレスを調べることによって、パケットが(例えば通常のデータパケットではなく)更新メッセージであることを認識し、モバイルノードはアドレスの妨害段階にそのホームエージェントを早期に知らせていた。これによりモバイルノードがシグナリングエージェント34に登録する必要性は低くなるが、接続ポイントが変化するたびに、シグナリング段階40がシグナリングエージェントに新しいロケーション識別子を与えるだけの場合に必要とされる帯域幅と比較して、無線リンク上でのトラフィックの量が増加する可能性がある。
【0051】
別の実施形態では、類似した開始段階101がシグナリングエージェントの中に含まれ、この段階(i)は移動性更新メッセージ(例えば肯定応答)に対する応答を認識し、(ii)メッセージを更新するために他の類似する応答と共にそれを一時的に記憶し、(iii)一時的に記憶された応答メッセージのいくつか又は全てを含む新しいメッセージを作成し、(iv)モバイルルータに新しいメッセージを送信する。このメッセージを受信すると、モバイルルータは、それが次に正常としてモバイルノード(複数の場合がある)に送信するオリジナルの応答を抽出する。開始段階は、パケットがプロトコル番号(及びどのモバイルルータがそれを宛先アドレスを通して送信する必要があるのか)を通して、(例えば通常のデータパケットではなく)応答であることを認識してよい。応答メッセージを妨害できるようにするために、シグナリングエージェントは、例えばそれが基地局に位置する等、応答が続く順方向経路上にある。
【0052】
ノード間の安全な通信を可能にするために、通常、メッセージが送信される前にセキュリティ関係性が確立される。例えば、セキュリティ関係性は、共有秘密鍵又は共有鍵を使用することによって、モバイルノードとシグナリングエージェントの間で確立されてよい。同様に、セキュリティ関係性はモバイルルータとシグナリングエージェントとの間に確立されてよい。共有鍵はトークンの形をとってよく、このトークンはモバイルノードによってシグナリングエージェントに送信され、その結果シグナリングエージェントが関連するホームエージェントにトークンを与えることができる。通常、各モバイルノードはそのそれぞれのホームエージェントに、シグナリングエージェントがホームエージェントに送信するトークンの詳細を提供し、その結果ホームエージェントはシグナリングエージェントを認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によるネットワークシステムを示す図である。
【図2】図1に示されているモバイルルータを更に詳細に示す図である。
【図3】追加のネットワークシステムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯通信装置、及び前記携帯通信装置にデータを送信し、且つ前記携帯通信装置からデータを送信するために使用されるときに配置されるルータ手段を有するモバイルネットワークと、シグナリングエージェント、複数のディレクトリエージェント、及び前記モバイルネットワークがメインネットワークと通信するために接続できる複数の離間された接続ポイントを含むメインネットワークとを含む、電気通信システムであって、使用中、各ディレクトリエージェントはこのディレクトリエージェントと関連付けられるそれぞれの移動体通信装置にデータを送信するためのルーティング情報を記憶し、前記モバイルネットワークの接続ポイントが変化したことが推論できるシグナリングメッセージに応じて、前記シグナリングエージェントが各ディレクトリエージェントにそれぞれの更新メッセージを送信するように構成され、前記更新メッセージが、前記更新されたルーティング情報の受信時に、各ディレクトリエージェントが、前記モバイルネットワークの前記変化した接続ポイントを考慮に入れるように、前記記憶されたルーティング情報を更新できるように更新されたルーティング情報を含む、電気通信システム。
【請求項2】
ディレクトリエージェントごとに、ディレクトリエージェントによって記憶される前記それぞれのルーティング情報は、前記ディレクトリエージェントに関連付けられる前記又は各携帯通信装置の接続ポイントを推論できる情報を含む、請求項1に記載の電気通信システム。
【請求項3】
前記シグナリングメッセージは、前記モバイルネットワークが接続される前記変化した接続ポイントの位相的な位置を示す、請求項1又は2に記載の電気通信システム。
【請求項4】
前記モバイルネットワークは、前記シグナリングメッセージを送信するように構成される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項5】
前記接続ポイントにそれぞれの無線通信手段が備えられ、前記モバイルネットワークは、接続ポイントとモバイルネットワークの間に、これらの間の通信のために無線リンクを形成できるように更なる無線通信手段を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項6】
前記接続ポイントは静止している、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項7】
前記接続ポイントはそれぞれの接地基地局に設けられる、請求項6に記載の電気通信システム。
【請求項8】
前記シグナリングエージェントと少なくとも1つのディレクトリエージェントが、それぞれ1つ又は複数の接地ノードに設けられる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項9】
少なくともいくつかのディレクトリエージェントが、互いに異なる地理的な位置に位置する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項10】
複数のシグナリングエージェントが前記メインネットワークに設けられ、各シグナリングエージェントが前記モバイルネットワークのそれぞれの複数の携帯装置の代わりに更新メッセージを送信するように構成され、各更新メッセージが更新されたルーティング情報を含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項11】
前記メインネットワークは所定の位相的構造を有する、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項12】
前記メインネットワークは、複数のノード及び前記ノードを接続するための複数のリンクから形成され、前記メインネットワークの各ノードがそこへデータを送るためのそれぞれのネットワークアドレスを有する、請求項11に記載の電気通信システム。
【請求項13】
前記ノードのそれぞれのアドレスは、前記メインネットワークの中のこれらのそれぞれ位相的な位置を示す、請求項12に記載の電気通信システム。
【請求項14】
前記ノードのアドレスは互いに対して階層構造で配列され、各アドレスが構成要素の順序付けられた組を含み、各ノードがこれと関連付けられた階層レベルを有し、アドレスの各構成要素が階層レベルに対応し、1つの階層レベルの高レベルノードが、低い方の階層レベルにある複数の低レベルのノードに接続され、前記それぞれの低い方のレベルのノードのアドレスが、前記高い方のレベルのノードのレベルに対応する構成要素の前記値が、それぞれの低い方のレベルのノードに共通となる、請求項13に記載の電気通信システム。
【請求項15】
各ディレクトリエージェントがそれぞれのノードに位置し、異なるように配置されるディレクトリエージェントがこれと関連付けられる異なるネットワークアドレスを有する、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項16】
それぞれの携帯装置がこれと関連付けられたネットワークアドレスを有し、このネットワークアドレスが、前記モバイルネットワークがある接続ポイントから別の接続ポイントに移動するにつれて前記携帯装置によって保持され、各携帯装置のための前記ディレクトリエージェントは、その携帯装置の前記ネットワークアドレスと前記モバイルネットワークの現在の接続ポイントを示す一時アドレスとの間のマッピングを記憶する、請求項12乃至請求項15のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項17】
前記モバイルネットワークは、これの接続ポイントを変更するときに前記シグナリングエージェントにシグナリングメッセージを送信するように構成され、前記シグナリングメッセージは少なくとも1つのアドレスを含み、前記アドレスは前記変化した接続ポイントの前記位相的な位置を示すプレフィックス部分を有し、前記シグナリングエージェントから各ディレクトリエージェントへの前記更新メッセージはそれぞれのアドレスを含み、前記アドレスはそれぞれ前記変化した接続ポイントを示す前記プレフィックス部分を含む、請求項16に記載の電気通信システム。
【請求項18】
電気通信システムで使用するためのシグナリングエージェントであって、前記電気通信システムはメインネットワークとモバイルネットワークを含み、前記モバイルネットワークは、複数の携帯通信装置と、前記携帯通信装置にデータを送信し、且つ前記携帯通信装置からデータを送信するために使用するときに配置されるルータ手段とを含み、前記メインネットワークは、前記モバイルネットワークが前記メインネットワークと通信するために接続できる複数の離間した接続ポイントと、前記携帯通信装置がそれぞれ、これと関連付けられるディレクトリエージェントを有する複数のディレクトリエージェントを含み、各ディレクトリエージェントがこのディレクトリエージェントと関連付けられる前記又は各携帯通信装置にデータを送信するためのルーティング情報を記憶し、前記シグナリングエージェントは、前記モバイルネットワークの前記接続ポイントが変化したことを推論できるシグナリングメッセージに応じて、各ディレクトリエージェントにそれぞれの更新メッセージを送信するように構成され、各更新メッセージが、前記更新されたルーティング情報の受信時に、各ディレクトリエージェントが前記モバイルネットワークの前記変化した接続ポイントを考慮するために、前記ルーティング情報を更新できるように更新されたルーティング情報を含む、シグナリングエージェント。
【請求項19】
各ディレクトリエージェントがモバイルネットワークのそれぞれの携帯通信装置にデータを送信するためのルーティング情報を記憶する複数のディレクトリエージェントと、使用中モバイルネットワークがメインネットワークと通信するために接続できる複数の離間した接続ポイントと、シグナリングエージェントとを含むネットワークであって、前記シグナリングエージェントは、前記モバイルネットワークの前記接続ポイントが変化したことを推論できるシグナリングメッセージに応じて各ディレクトリエージェントにそれぞれの更新メッセージを送信するように構成され、各更新メッセージが、前記更新されたルーティング情報の受信時に、各ディレクトリエージェントが前記モバイルネットワークの前記変化した接続ポイントを考慮に入れるために、前記ルーティング情報を更新できるように更新されたルーティング情報を含む、ネットワーク。
【請求項20】
各携帯装置に関して、前記シグナリングエージェントは、一方でその携帯装置のための識別子と、他方でその携帯装置と関連付けられる前記ディレクトリエージェントの前記ネットワーク内の位相的な位置を示すアドレス情報の間のマッピングを維持する、請求項19に記載のネットワーク。
【請求項21】
前記モバイルネットワークは、前記携帯装置をサポートするためのサポート手段を含み、前記サポート手段は前記携帯装置のそれぞれに共通であり、その結果前記サポート手段の移動により前記携帯装置の共通の移動を引き起こす、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項22】
前記モバイルネットワークは伝達手段を含む、請求項20に記載の電気通信システム。
【請求項23】
前記モバイルネットワークは、前記シグナリングエージェントに1つ又は複数の登録メッセージを送信するように構成され、前記登録メッセージ(複数の場合がある)が、前記シグナリングエージェントが更新メッセージを送信する各ディレクトリエージェントのアイデンティティ表示を含む、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項24】
前記モバイルネットワークがパーソナルエリアネットワークである、請求項1から17のいずれか1項に記載の電気通信システム。
【請求項25】
シグナリングエージェントと、それぞれがデクレィトリエージェントに関連付けられたそれぞれの携帯通信装置にデータを送信するためのルーティング情報を記憶する複数のディレクトリエージェントと、複数の携帯装置を有するモバイルネットワークがメインネットワークと通信するために接続できる複数の離間した接続ポイントとを含むネットワークを動作する方法であって、
(i)携帯装置と関連付けられる各ディレクトリエージェントの、アイデンティティ及び/又はネットワークロケーションの表示を記憶するステップと、
(ii)前記モバイルネットワークの現在の接続ポイントを示す一時アドレス情報を、前記モバイルネットワークから受信するステップと、
(iii)前記一時アドレス情報を受信することに応じて、それぞれのディレクトリエージェントに更新メッセージを送信するためにアイデンティティ及び/又はネットワークロケーションの前記記憶されている表示を使用し、前記更新メッセージは、それぞれ前記更新されたルーティング情報の受信時に、各ディレクトリエージェントが前記モバイルネットワークの前記変化した接続ポイントを考慮に入れるために、前記記憶されているルーティング情報を更新できるように、更新されたルーティング情報を含むステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506294(P2007−506294A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525888(P2006−525888)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003853
【国際公開番号】WO2005/027562
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】