説明

2つのボトムホールアセンブリを有する掘削システム

本発明は、主ドリル孔を包囲する地層中に横孔を掘削するのに、小径BHAの展開にそれほどの中断を必要としない有用な装置及び方法に関する。本発明による掘削装置は、1次掘削アセンブリの一部分を形成するドリルカラーを有し、ドリルカラーは、その側部に、外向きに開口した溝を有する。掘削装置は、更に、2次掘削アセンブリを有し、2次掘削アセンブリは、管状のドリルストリングと、ドリルストリング内に設けられた掘削モータと、掘削モータに連結されたドリルビットとを有し、ドリルストリングは、その一端がドリルカラーに連結され、ドリルビットは、ドリルストリングの他端に取付けられる。2次掘削アセンブリは、ドリルビットが上記溝内に着座する第1位置と、ドリルビットがドリルカラーの側部の溝から横方向に突出する第2位置との間を移動可能であるように、ドリルカラー内に取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主ドリル孔を包囲する地層中に横ドリル孔を掘削するのに有用な装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多数の横孔(主ドリル孔から延びる多数の小径のドリル孔)が、多数の場所で掘削されている。この主要な動機付けは、全体的な掘削費を最小にしながら、貯留部との接触を向上させることにある。また、これらの使用は、海洋プラットフォームでの限られたテンプレートの利用によって制限されることによっても動機付けされることがある。多くの場合、多数の横孔の掘削は、多くの時間を消費する多数回のトリップ(trip)又は管の揚げ降しを伴う複雑な作業が必要である。横孔の仕上げも複雑な作業であり、親孔との交差部が、横孔の質を定め且つ産出を管理する方法を定める重要な要素である。
【0003】
最近、ほとんど掘削装置によって支持することなしに、小径の横孔を迅速に掘削する幾つかの技術が開発された。横孔を、ワイヤラインケーブルを介して作動されるシステムによって掘削する幾つかの方法が提案された。かかる方法によれば、地表までの連結装置としてのドリルストリング又はコイルチューブ材を用いることなしに、横孔を掘削することができる。かかる技術の例は、欧州特許第1559864号明細書、国際公開第2004/072437号パンフレット、及び同第2004/011766号パンフレットに見られる。また、長い孔(典型的には、長さが1メートル、直径が数センチメートル)を掘削する多数の掘削ツールが知られている。
【0004】
先行技術のシステムの一例は、コープロ・システムズ・リミテッド(Corpro Systems Ltd)製のSCORE100型ツールであり、このツールは、主(1次)ボトムホールアセンブリ(主BHA)から動作する。主BHAは、修正されたドリルカラーを有し、ドリルカラーは、一体形ホイップストックを収容する。特別なドリルカラーを主ドリル孔内の必要深さに位置決めして、ワイヤラインケーブルに取付けられた特別な小径BHAを、主ドリルストリングの内側で下降させる。この小径BHAは、コアバレルと、コアバレルを回転させる小型掘削モータと、アンカ(固定具)と、前進移動(侵入(ROP)及びビット荷重(WOB(Weight-on-bit))を生じさせる押圧システムと、流れを小型モータに差し向けるように膨らまし可能なパッカを有する。次いで、かかるシステム自体を、ドリルカラーの内側に固定し、ビット荷重を生じさせるジャキシステムによって前方に押す。地表ポンプは、泥水の流れを生じさせ、この泥水の流れは、小型モータを作動させると共に、小径の横孔を掃除する。軸線方向押込みの開始時、小径BHAの先端部を、一体形ホイップストックによって主BHAの外側に押し、次いで、開放孔から地層に入れる。横孔の軸線は、典型的には、主ドリル孔の軸線に対して3〜6°傾斜している。かかるシステムは、100フィート(30.5m)まで小径の孔を掘削することができる。かかるシステムは、典型的には、心抜きのために用いられる。ワイヤラインケーブル及び掘削ツールは、特にROP及びビット荷重のためのプロセスのダウンホール制御を行う。ワイヤラインケーブル及び掘削ツールはまた、ゆっくりとした移動を確保するために、ドリルカラー内におけるシステムの固定を制御する。横孔又は心抜きプロセスが完了したら、ワイヤラインケーブルを用いて、小径BHAを引揚げる。カラーの窓は、典型的には、アルミニウムボールで塞がれ、小径BHAによって孔あけされる。欧州特許第1247936号明細書は、この技術の他の詳細を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1559864号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/072437号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/011766号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第1247936号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、小径BHAを展開するのにそれほどの中断を必要とすることなしに、横孔の効果的な掘削に利用できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、掘削装置であって、1次掘削アセンブリの一部分を形成するドリルカラーを有し、ドリルカラーは、その側部に、外向きに開口した溝を有し、掘削装置は、更に、2次掘削アセンブリを有し、2次掘削アセンブリは、管状のドリルストリングと、ドリルストリング内に設けられた掘削モータと、掘削モータに連結されたドリルビットとを有し、管状のドリルストリングは、その一端がドリルカラーに連結され、ドリルビットは、ドリルストリングの他端に取付けられ、2次掘削アセンブリは、ドリルビットが前記溝内に着座する第1位置と、ドリルビットが前記ドリルカラーの側部の溝から横方向に突出する第2位置との間を移動可能であるように、ドリルカラー内に取付けられる、掘削装置を提供する。
【0008】
本発明の特に好ましい1つの実施形態では、2次掘削アセンブリは、ドリルカラー内に摺動可能に取付けられたピストンを有し、管状のドリルストリングは、ドリルカラーの内側を延び、ドリルストリングの一端は、ピストンに連結され、第1位置と第2位置との間を移動中、ピストンは、ドリルカラー内で前進させられる。
【0009】
好ましくは、溝は、ドリルカラーの外面まで傾斜した傾斜下端部を有する。溝は、ドリルカラーに連結された掘削ツールのツールフェースに合わせられ、その結果、ツールフェースを特定の方向に差し向けることにより、それに対応する仕方で溝の向きが定められるのがよい。ドリルカラーは、摺動シャッタを有し、摺動シャッタは、溝が覆われる第1の位置と、溝が開口する第2の位置との間を移動可能であるのがよい。溝は、摺動シールを更に有するのがよく、2次掘削アセンブリをその第2位置に移動させるとき、ドリルストリングは、摺動シールを貫いて突出する。
【0010】
掘削装置は、更に、2次掘削アセンブリを第2位置から第1位置に移動させる引込めシステムを有するのがよい。
【0011】
好ましくは、ドリルビットを掘削モータに連結するようにドリルストリングの中を延びる伝動シャフトが設けられる。ドリルビットは、支持ハウジングを有し、支持ハウジングは、ドリルビットと伝動シャフトとの間の連結部を含むのがよい。支持ハウジングはまた、測定装置、例えばLWD(logging while drilling)センサ又はMWD(measurement while drilling)センサを収容するのがよい。
【0012】
ピストンは、典型的には、流体がドリルカラーに沿って流れることを、ピストンを移動させることなしに可能にする圧力リリーフ弁を更に有する。
【0013】
掘削モータは、モータ速度に従ってバイパスの開度を制御するレギュレータを有するのがよい。掘削モータは、サイレンを有し、サイレンは、ピストンに連結されたステータと、ステータに隣接して取付けられ且つドリルビットに連結されたロータを含むのが特に好ましい。この場合、ロータは、捩りばねを介してドリルビットに連結されるのがよい。また、ロータをステータに対する開放位置に押圧する手段、例えば磁石を設けることが好ましい。
【0014】
更に、サイレンの作動によって引き起こされる圧力パルスを検出して信号を生じさせる圧力検出器と、その信号を用いて2次掘削アセンブリの作動を制御する制御システムとが設けられるのがよい。
【0015】
ピストンは、好ましくは、バイパスを有し、バイパスは、ピストンを移動させることなしに、流体がドリルカラーに沿って流れることを可能にする。
【0016】
1つの実施形態では、2次掘削アセンブリが第2位置に向かって移動するとき、ロータ及びステータの角度方向位置を調節する手段が設けられる。この手段は、カム面を構成する溝をドリルカラーに有するのがよく、2次掘削アセンブリが移動しているとき、ロータ位置決めキーがカム面に沿って摺動する。
【0017】
ドリルカラーは、2次掘削アセンブリに作用することができる作動可能なクランプ装置を有するのがよく、2次掘削アセンブリをドリルカラーにクランプするようにクランプ装置を作動させることにより、2次掘削アセンブリを移動させるドリルカラーの移動を可能にし、2次掘削アセンブリを解放するようにクランプ装置を作動させることにより、1次掘削アセンブリと2次掘削アセンブリの独立した移動を可能にする。1つの実施形態では、クランプ装置は、2次掘削アセンブリに作用する1対の回動式偏心体を有する。
【0018】
2次掘削アセンブリの作動によって生じるトルクに抵抗する手段を有することが好ましい。抵抗手段は、ドリルストリングに設けられた細長いキーを含み、細長いキーは、それに対応するドリルカラーの溝に係合する。好ましくは、抵抗手段は、掘削モータの上方に位置するドリルストリングの延長部を有し、延長部は、ドリルストリングに設けられた細長いキーを有し、細長いキーは、それに対応するドリルカラーの溝に係合する。また、好ましくは、抵抗手段は、非円形断面を有するドリルストリングを有し、ドリルストリングは、それに対応するように形作られたシールを貫き且つ摺動する。
【0019】
更に、2次掘削アセンブリを第2位置から第1位置に移動させる回収ラインを連結するための取付け箇所を、2次掘削アセンブリに有するのがよい。
【0020】
更に、2次掘削アセンブリを第2位置から第1位置に移動させるドリルカラー内の流体の流れをピストンの下側に差し向けるように作動可能な2次ピストンバイパス及び弁装置を有するのがよい。
【0021】
別の実施形態としての掘削アセンブリは、2次掘削アセンブリを溝から押出すように作動可能な制御機構を更に有する。この場合、2次掘削アセンブリは、枢動部を介してドリルカラーに連結されるのがよく、ドリルストリングは、可撓性であるのがよい。
【0022】
変形実施形態では、2次掘削アセンブリは、ドリルカラー内に設けられたクローラ装置を有し、管状のドリルストリングの一端は、クローラ装置に連結され、ドリルストリングは、ドリルカラーの内側を延び、第1位置と第2位置との間での移動中、クローラ装置は、ドリルカラー内で前進させられる。
【0023】
上述の掘削アセンブリでは、1次掘削アセンブリは、窓を孔ケーシングに孔あけするように構成され、2次掘削アセンブリは、窓を通って前進させられる。
【0024】
また、上述した掘削装置を用いてドリル孔を掘削する方法であって、主ドリル孔を掘削する工程と、掘削装置を主ドリル孔内の予め決められた箇所に位置決めする工程と、2次掘削アセンブリを作動させ、それにより、ドリルビットを前進させて第1位置から遠ざけ、主ドリル孔を包囲する地層中に横方向に掘削し、横ドリル孔を形成する工程と、2次掘削アセンブリを第2位置に引込める工程と、を有する方法が提供される。
【0025】
1次掘削アセンブリを用いて主ドリル孔を掘削するのがよい。
【0026】
この方法は、更に、2次掘削アセンブリが地層中を掘削している間、ドリルカラーを前進させる工程を有するのがよい。一例では、この方法は、更に、2次掘削アセンブリが地層中を掘削している間、主ドリル孔内において短い距離にわたってドリルカラーの前進と引込めを交互に実施する工程を有するのがよい。
【0027】
主ドリル孔がケーシングで内張りされている場合、この方法は、好ましくは、更に、1次掘削アセンブリを用いてケーシングに窓を開け、その後、2次掘削アセンブリを作動させて、窓の中に通し、地層の中を掘削させる工程を有する。
【0028】
本発明は、主BHA(1次掘削アセンブリ)と、その中に設置された小径BHA(2次掘削アセンブリ)の組合せに基づく。主BHAは、実質的に従来方式でのドリル孔の掘削を可能にする。主BHAは、例えば回転式の操縦可能なシステム又はモータ、MWD装置及び/又はLWD装置等のような装置を有するのがよい。主BHAは、小径BHAを含む特別なドリルカラーを有する。特に、特別なカラーは、小径BHAが主BHAの内側ボアからその外側に移動することができるようにする窓又は溝を有する。修正されたホイップストックを窓カラー内に組込むのがよい。
【0029】
横孔の掘削中、主BHAは、準静止状態にある。小径BHAは、好ましくは操縦可能なモータを有し、このモータを前方に押すことができ、かかるモータは、地層に入る。次に、適正な操縦により、小径横孔を主ドリル孔から離れる方向に掘削するのがよい。掘削は、通常、摺動モードで行われる。横孔掘削を完了したら、小径BHAを主BHA内に引込める。次に、主BHAは、主ドリル孔内での通常の活動、例えばより深いところへの掘削を再開することができる。
【0030】
好ましい解決策では、具体例は、機械式システムを利用している。
【0031】
また、2つのBHAシステムは、ケーシングが設けられた孔の中で作動可能である。この場合、第1のビットは、ケーシングに窓を開けるミルに置き換えられる。この場合、小径BHAは、トリップ(管の揚げ降し)無しに横孔を掘削することができる。
【0032】
基本的な技術的思想の特定の改造例としては、小径BHAは、物理検層(logging)を主ドリル孔から離れて実施できるよう計装されるのがよいこと、2つのBHAにより多数の貯留部適用例を向上させると共に開発できること、産出流体が横孔に入り、そして主ドリル孔中に流れ込んでいる状態で、特別な結合部を具体化して主ドリル孔から横孔内への循環を保証するのがよいことが挙げられる。この技術は、重油適用例及び地層中での産出流体の特別な処理にとって特に興味のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を用いて掘削された横ドリル孔を示す図である。
【図2】本発明を用いて掘削された横ドリル孔を示す図である。
【図3】本発明による装置の1つの実施形態を示す図である。
【図4】本発明による装置の1つの実施形態を示す図である。
【図5】図3及び図4の実施形態の一部の詳細図である。
【図6】図3及び図4の実施形態の一部の詳細図である。
【図7】本発明による装置の第2の実施形態を示す図である。
【図8】図7のサイレンの平面図である。
【図9】図7のサイレンについての回転数に対する開度%を示すグラフである。
【図10】図7のサイレンについてのモータ回転数に対する時間平均開度%を示すグラフである。
【図11】図7のサイレンについてのモータ回転数に対する時間平均圧力差(Δ圧力)を示すグラフである。
【図12】様々なモータ曲線についての回転数に対するビット荷重を示すグラフである。
【図13】本発明による装置の第3の実施形態のサイレンについての時間に対する変調信号を示すグラフである。
【図14】本発明による装置の第3の実施形態の一部を示す図である。
【図15】本発明による装置の第4の実施形態を示す図である。
【図16】好ましい方法による本発明の実施形態の作動を示す図である。
【図17】本発明による装置の第5の実施形態を示す図である。
【図18】本発明による装置を用いて掘削された孔経路を示す図である。
【図19】本発明による装置を用いて掘削された孔経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の目的は、横孔及び/又は主ドリル孔の連続して行われる掘削作業と掘削作業の間のトリップ(菅の揚げ降し)を必要とすることなしに、多数の小径の横孔10を主ドリル孔12から掘削するためのシステムを提供することにある(図1及び図2参照)。
【0035】
横孔10の長さは、典型的には、15〜100フィート(4.57〜30.48m)の範囲内であり、直径は、1.5〜3.5インチ(3.81〜8.89cm)の範囲で変化し、上下方向の隔たり14は、1m未満である。横孔の経路は、主ドリル孔に対してほぼ垂直な方向に達するほぼ一定の半径のものであり、この場合、横孔の曲率半径は、典型的には、10〜50フィート(3.05〜15.24m)であり、これは、主ドリル孔12から遠ざかって最大20mまでの侵入深さ16(図1参照)に至っている。他の適用例に関し、横孔の経路は、真っ直ぐであってもよく(図2参照)、主ドリル孔12から2〜7°の角度18だけ傾斜した軸線を有している。
【0036】
主BHAは、達成すべき目的に応じて、在来の構成要素で主に構成される。BHAは、明白なこととして、底部から始まるビットを有する。BHAは、回転式の操縦可能システム又は操縦可能なモータと、スタビライザと、撓み継手を有するのがよい。掘削目的に必要であれば、MWD及びLWDツールも追加されるのがよい。小径BHAシステムは、図3に示すように、特別なドリルカラー内に含まれる。
【0037】
2つのBHAは、主BHA20と、小径BHA22を含む。主BHA20は、主ドリル孔24を掘削し、小径BHA22は、横孔を掘削する。2つのBHAの幾つかの構成要素は、主BHA20内に直接設けられている。特に、横窓28を有する特別なカラー26により、小径BHA22が主BHA20から出て、主ドリル孔24の一方の側の開口孔24及び地層30に入ることを可能にする。この窓付きカラー26は、外溝32を有し、外溝32は、その下端が傾斜スライド部(即ち、ホイップストック)34で終端している。窓を横孔掘削の開始前に正確な向きに差し向けるために、窓28のツールフェースは、通常、主BHA20のMWD式ツールフェースに合わせられる。
【0038】
小径BHA22は、主BHA20の内側で摺動する連続システムである。その最下端部は、窓付きカラー26の外溝32内に位置している。小径BHAは、窓付きカラー26の外溝32の一番上に設けられた軸線方向摺動シール34を経て、主BHA20の内側から外側に進む。小径BHA22は、下から上に向かって、ドリルビット36と、延長された伝動シャフト39によってドリルビット36を回転駆動することができる掘削モータ38と、ドリルストリング40と、小径BHA22をカラー26から押出すことができるシステム(この実施形態では、フローバイパス43を有する液圧ピストン42であるが、機械式システムでもよい。)と、小径BHA22の作動の制御を可能にする制御ユニット44(この制御ユニットは、機械式又は電気機械式のいずれかである)と、小径BHA22を必要なときに主カラー22の内側に引込めることを可能にするシステム(この実施形態では、スリックラインが小径BHAを引揚げツールでつかんでそれを引き戻すことを可能にするスリックラインツールフック46が設けられているが、後で説明するように他の方法でもよい。)と、小径BHA22が不作動であるべきときに、小径BHA22を主BHA20内にロックすることを可能にするラッチシステム(図示せず)とを有している。
【0039】
使用にあたり(図4参照)、掘削流体を主BHA20に沿ってポンプ送りすると、小径BHA22が摺動ピストン42によって前方に押され、ピストンに働く流体圧力により、小径BHA22のためのビット荷重を生じさせる。小径BHA22のビット36を、最初、傾斜面(即ち、ホイップストック)34によって横方向に押す。幾分かの変位又は押込み後、小径BHA22の前端部は、地層30内に位置し、摺動モードにおける操縦可能なモータとして作用する。次に、この前端部は、傾き、横孔経路は、主ドリル孔24から遠ざかる。
【0040】
小径BHA22は、修正された操縦可能なモータを収容する。ビット(典型的には、直径が1.5〜3.5インチ(3.81〜8.89cm))が、従来の小型の操縦可能なモータのビットボックス/支持ハウジングとほぼ同じビットボックス/支持ハウジング48に取付けられる。また、曲がりハウジングを支持ハウジング48の上に設置し、その結果、モータが横孔50を必要な方向に操縦する。曲がりハウジングが主ドリル孔24を含む平面内に位置していれば、横孔50の平面も、主24を含んでいる。かかる曲がりハウジングの向きであれば、掘削作業者は、カラーをドリル孔内に位置決めするとき、窓付きカラー26の方位角を考慮する必要があるに過ぎず、次いで、システムは、横孔50を同一平面内に掘削する。
【0041】
モータ部分38を支持ハウジング48内のシャフトに連結するドリルストリング40は、曲がりハウジングの上方に設けられている。このことは、30メートル(又はこれ以上)までの長さを可能にする。この長さにより、モータ出力部分38は、主BHA20の内側に留まり、横孔50の急カーブ内のところで撓まない。かかる設計であれば、モータ38は、孔の曲率に起因する問題を生じさせない。
【0042】
長い伝動シャフト39は、孔の曲率に従うように横方向に可撓性である。更に、長い伝動シャフト39は、ロータとビット駆動シャフトとの間の在来の自在継手に取って代わっている。この伝動シャフトは、曲げ(回転中の疲労と関連したまげ)並びに掘削トルクに起因する応力レベルに耐えるようにチタンで作られるのがよい。モータ38は又、モータ38の前後の流体圧力差に起因する下向きの力を生じさせる。また、この下向きの力は、長い伝動シャフト39に付与され、シャフトに座屈を生じさせる傾向があり、従って、シャフトは、その長さ全体にわたってラジアル軸受(図示せず)によって支持されなければならないことがある。また、長い伝動シャフト39の捩り共振を減衰するのに捩り減衰システム52(図5参照)が必要とされることがある。
【0043】
孔の小さい曲率に対応するために、支持ハウジング48は、比較的短い。しかしながら、支持ハウジングは、更に、必要ならば、幾つかの測定装置を支持する小型のハウジング56を有するのがよい。
【0044】
かかるモータシステムであれば、横孔50は、摺動モードで掘削される。モータシステムは、ほぼ一様な形成速度を有する。幾つかの場合、横孔50を主ドリル孔24とほぼ平行に(即ち、僅か数度のずれで)掘削することが適当である。この適用例では、ハウジング48内で曲がらない直線モータを用いるのがよい。ずれは、一体形ホイップストック34の勾配によって達成される。
【0045】
長いモータは、支持ハウジング48とモータ出力部分38との間にドリルストリング40を含む。ドリルストリング40は、典型的には、1.2〜2.5インチ(3.05〜6.35cm)の直径を有する。このドリルストリングは、回転せず、ビット36のためのビット荷重を伝達するに過ぎず、トルクは、長い内部伝動シャフト39を介して伝達される。このドリルストリング40は、地層30との接触を最小にしながらカーブを通過するように可撓性である。幾つかの適用例では、この管は、高度な可撓性のためにチタン又は複合材(繊維及びエポキシ)で作られるのがよい。楕円形部分は、ビット荷重を適正に伝達し、曲率平面内において横方向に可撓性であることを確保すると考えられる。
【0046】
明らかなこととして、モータ38及びドリルストリング40は、主カラー26の内側で摺動するのに十分小径でなければならない。主BHA20の直径が6.75インチ(17.15cm)であれば、ドリルストリング40の直径は、2・3/8インチ(6.03cm)又は2・7/8インチ(7.30cm)であるのがよい。他の寸法も適当である場合がある。
【0047】
図6で理解できるように、特別なドリルカラー26により、小径BHA22を主BHA20の外に移動させることを可能にする。このカラーは、外溝32を有し、外溝32の最下部は、傾斜面(一体形ホイップストック)34によって終端している。外溝の最上部は、小径の軸線方向ボア及び密封シール34を有し、小径BHA22をボアの中に通し且つ摺動させる。ビット36、モータの曲がりハウジング、及び支持ハウジング48は、典型的には、地中30への掘削が行われていないとき、外溝32内に位置したままであり、他方、ドリルストリング40は、窓付きカラー26の摺動シール領域34内を摺動する。このシール34は、その最も単純な形態では、きつい孔であるのがよい。これにより、カラー26の内部を流れる泥水58は、主ビット(図示せず)に向かって下方に推進されるようになる。オプションとして、引揚げ可能なプラグ60をシール部分34にを設けてもよい。
【0048】
支持部分(又は曲がりハウジング)48の特定の接触面が、傾斜面34上を摺動して曲がりハウジング48をカラー26の外側に押出し、ビット36を強制的に地層に入れる。このプロセスにより、案内(摺動)面の摩耗を最小にするという利点が得られる。この案内方法はまた、岩石用掘削ビットにも有用であり、その理由は、ビットの歯が、金属案内面との接触に起因して破損しないからである。
【0049】
小径BHA22を完全に引込めると、ビット36は、カラー26の内側の溝32に係合し、その結果、ビットは半径方向に移動することができない。ビット36は、主カラー26の直径の範囲内に留まる。これにより、主BHA20が主ドリル孔24内で移動しているとき又は回転しているとき、ビット36が地層壁に接触することを回避する。カラーの外溝32は、数メートルにわたって延びている。ドリルストリング40が横孔50に係合しているとき、主BHA20は、ドリルストリング40の剪断のおそれなしに、主ドリル孔24内で軸線方向に数メートル移動することができる。
【0050】
この考えでは、小径BHAのためのビット荷重は、摺動ピストン42に付与される圧力によって生じる。この摺動ピストンは、カラー26のボア内で摺動し、小径BHA22の最上部に連結されている。ピストン42はまた、ピストン42に作用する圧力が維持されている間、流体が主BHA20の下方に依然として流れるフローバイパス43を有している。設計に応じて、ピストンに作用する流体圧力は、10〜15平方インチ(64.5〜96.8cm2)の表面にわたって作用することができる。従って、500psi(34.5MPa)までの圧力が、摺動ピストン42の前後に現われる場合がある。この組合せは、5000〜7500ポンド(2268〜3402kg)までの大きい下向きの力を生じさせる。これは考慮しているドリルビットサイズ(直径が2.5〜3.5インチ(6.35〜8.89cm))よりも極めて大きいので、ほとんどの場合、低い圧力が必要とされる。
【0051】
上述した設計によれば、横孔50を掘削している間、典型的には全流量の30%がモータの中を通過することが予想される。もしもモータ38がストール状態に(動かなく)なった場合、小径BHA22前後の圧力降下が増大し、摺動ピストン42のフローバイパスポート43を通る流量が増大し、このことは、圧力が増大し、それに応じてビット荷重が増大することを意味する。このことは、小径BHA22の制御を、ストール状態にあるときのように潜在的に困難にし、ビット荷重は、非常に僅かしか増大せず、ビットを更に妨害し、ストール状態を維持する。この状況を回避するために、モータ回転数(RPM)が減少しているとき(又はストール状態が生じたとき)のビット荷重の減少を確保する流量制御弁を、摺動ピストン内に設けるのがよい。
【0052】
図7は、本発明で用いられるモータ部分の特に好ましい形態の一部を示す。モータ38は、掘削適用例に用いられる典型的なモワノー(Moineau )型のモータを有する。このモータのロータ(図示せず)は、回転弁62を駆動し、回転弁62は、MWD式遠隔計測法に通常用いられるサイレンシステムに類似したロータ64及びステータ66を有している。この回転弁62は、摺動ピストン42に連結されたバイパス70内に位置し、ステータ66は、バイパス70に固定されている。回転弁62は、バイパス70の中を流れる流量を制御することによって、摺動ピストン42の前後の圧力降下を制御する。摺動ピストン42の表面に付与される圧力は、小径BHA22のためのビット荷重を生じさせる。サイレン62のロータ64は、捩りばね68を介してモータ38に連結されている。更に、サイレン62のロータ64及びステータ66は、磁石72,74(図8参照)を有し、磁石72、74は、ロータ64の羽根を、ステータ66の開口部内に位置させるようにではなく、ステータ66の羽根と整列させるように押圧することによって、サイレンを開放したままに付勢する。サイレンロータが開位置に留まる傾向があるので、モータ38が一定速度で回転しているとき、サイレンロータ64は、非定常の回転になる(図9参照)。特に、モータ38が回転していないとき、結合されたばね68の捩りによって、サイレン62は開いている。
【0053】
この挙動により、サイレン62の時間平均開度は、回転していないときの100%から高速時におけるほぼ50%まで変化する(図10参照)。流れの切替えは、典型的には、10〜75ヘルツである。しかしながら、小径BHAの慣性によるビット荷重の容易な時間平均化のために、高周波数の流れの切替えが好ましい。
【0054】
サイレン62の前後の「時間平均」された圧力降下は、図11に示すように、モータの回転数と共に変化する。時間平均圧力降下を、サイレン62の機械式設計(ばね68の剛性、ロータ64の質量、磁石の力等)によって調節することができる。図10は、時間平均開度が低いと(即ち、モータ及びロータの回転数が高いと)、ビット荷重が高い(図11)ことを示している。
【0055】
高いビット荷重の効果は、モータ38の回転数を減少させることである。回転数(RPM)が十分に減少すれば、サイレン62は、ビット荷重を自動的に減少させ(図10及び図11)、その結果、モータを適当な回転数のままにすることを可能にする平衡状態が見られる。モータがストール状態に近い場合、回転数は非常に低く、サイレンは再び開き、ビット荷重は劇的に減少する。結論として、モータは、モータの従来の曲線(回転数に対する流量を表す曲線)に応じた作動点を有する。回転数応答も、ビットの特性並びに岩石の性質に依存する。
【0056】
図12は、2つの場合について、モータ曲線と制御関数の組合せを示す。理解できるように、制御曲線は、回転数が0である(モータのストール点にある)ときにビット荷重が依然として存在することを示している。これは、流体圧力がカラーの窓内の摺動シールの部分に依然として付与され、BHAを前方に押す事実に起因している。制御関数曲線は、できるだけ水平であるべきであり、即ち、サイレンの制御面積は、摺動シールの面積よりも広くあるべきである。更に、サイレン62によって生じる圧力パルスは、小径BHA(小型モータ及び小型ビット)22の前後の圧力降下よりも大き9あるべきである。例えば、小径BHA22内の圧力降下は、500psi(34.5MPa)のオーダであり、サイレン内の圧力パルスは、1000psi(69MPa)である。シール面積に対する制御面積の比は、2であるのがよく、それにより、作動のための力の比を4倍にする。
【0057】
モータが、ビット荷重制御システムによる解除なしにストール位置にブロックされた場合、後で説明するように、モータ38を再始動させるために、小径BHA22を底から引揚げる必要がある。
【0058】
別の制御方法は、遠心力レギュレータを用いることである。モータ38は、フローバイパスポートに連結されている遠心力レギュレータを、その上端部から駆動するよう構成されるのがよい。高い回転数では、レギュレータは、フローバイパスポートを閉鎖し、摺動ピストン42前後の圧力降下を増大させ、それにより、ビット荷重を増大させ、これにより、回転数を減少させる効果が得られる。モータの回転数が減少する場合、逆の効果が起こり、即ち、遠心力レギュレータは、弁を更に開き、ピストン前後の圧力降下を減少させ、それにより、ビット荷重を減少させる。このビット荷重の減少により、モータの回転数を増大させ、その適正な作動点を見出すことを可能にする。
【0059】
提案されている調整システムは両方とも、自動調整式である。これらは、人の介在を必要としない。
【0060】
ビット荷重は、主BHA20内に設けられ且つ小径BHA22を作動的にクランプするクランプ装置を用いて制御されてもよい。この構成では、主BHA20は、小径BHA22を典型的には1又は2メートルの距離にわたって前方に押す。これは、下方向にのみ作用するクランプシステムによって達成され、即ち、主BHA20が下方に移動するとき、主BHAは、小径BHA22をつかみ、BHA20,22の両方が一緒に移動する。1又は2メートル(典型的な場合)のストローク後、大径BHA20を、1又は2メートルにわたり上方に移動させると、クランプシステムは、この運動中、小径BHA22を解放する。小径BHA22は、モータ前後の流体圧力に起因して、その深さ(典型的には、ビットが底部にある位置)に留まる。BHA20を適正な距離(1又は2メートル)だけ持上げたら、主BHA20を再び下方に移動させ、小径BHA22を再びクランプさせる。この設計であれば、主BHA20は、短いストローク(典型的には、1又は2メートル)だけ上下に移動しなければならない。主BHA20を下方に移動させるたびに、小径BHA22も下方に移動する。
【0061】
クランプシステムは、掘削作業の終わりに主BHA20の内側への小径BHA22の引込みを可能にするために、制御ユニットによって作動停止されなければならない。
【0062】
クランプシステムは、2つの偏心部(例えば、内面仕上げ済みの孔用のトラクタの接触経路)で構成されるのがよい。これら偏心部は、好ましくは、局所的な変形を回避するために、ドリルストリングと等しい接触面積を有する。
【0063】
摺動モードで掘削するとき、モータ38がその適正な回転数で作動することが重要である。この問題に取組むために、サイレンによる掘削流体中の音響信号の変調を利用するのがよい。変調された信号の周波数は、モータ回転数に対して正比例している。この信号は、表面のところで検出され、その周波数は、モータ回転数の測定値である。この信号が、モータが不正確に動作していることを指示したら、掘削作業者は、適正な是正措置を取ることができる。
【0064】
ビット荷重調整のために用いられるサイレンは、地表への信号発生器の役割を果たすのがよく、即ち、特別なサイレンが、システムに達する全流れの中に又は部分流れ(例えば、モータを横切る流れ)の中に設けられるのがよい。
【0065】
また、横孔の掘削中に孔が達成されるかどうかを決定することが重要である。用いられる制御システムに応じて、この情報を得ることができる。例えば、横孔掘削中、スリックラインが小径BHA22の最上部に連結される場合、横方向の孔がスリックラインの運動を介して検出される。別の方法は、ビット荷重制御システムのサイレンのステータの角度方向位置を、180°の信号変調に対応する角度(これは、2つの隣接した羽根の間の角度方向距離の半分に一致する)だけ変更することである。このシフトは、時間に対する信号を表すグラフ(図13)において、急激な信号シフトXとして現われる。この角度方向のシフトは、ステータの反作用トルクキー78が摺動する主カラー26の溝76の経路を変化させることによって得られ、溝76は、カム面を構成する。キー溝76は、例えば、0.5フィート(15.24cm)の真直ぐな部分で形成され、傾斜部分が真直ぐな部分を連結し、傾斜部分は、溝を適当な距離80だけシフトさせ、ステータの角度方向のシフト、従って信号を与える(図14)。かくして、ピークXが、小径BHA22の0.5フィートの孔あけごとに現われる。システムの大きい機械的回転を回避するために、機械的な位相ずれを左右交互に行うことが必要な場合がある。
【0066】
小径BHAがその押込みストロークの終わりに位置していることを検出する追加の方法が必要とされる。簡単な方法は、ボアと、その中を摺動するピストンとの間に隙間を設けることであり、その結果、ピストンが隙間に達したとき、ピストンの前後の圧力降下を劇的に減少させ、これを、地表で見ることができる。主BHAを小さい押込み量(例えば、1フィート(0.305m))だけ下降させることによって、主ピストンをボアに再び係合させ、圧力降下を再び確立するのがよい。連続運動によって、掘削作業者は、ストローク検出の終わりを完全に確認することができる。
【0067】
設計に応じて、摺動ピストンのストロークは、1本のカラーの長さ(例えば、10m)よりも短くてもよいし、30m以上であってもよい。
【0068】
摺動ピストン42は、主カラー26のボアの中を直接的に摺動する中実のピストンで構成されるのがよい。摺動ピストン42は、パッキン又はOリング等のゴム要素でシールされてもよいし、小さい隙間を有するようにボア内に挿入されてもよく、この小さい隙間は、そこで圧力降下が生じるので、フローチョークとして作用する。より多くの融通性のために、ピストンは、カラーボア内で摺動するゴム製のカップを有するのがよい。このゴム製のカップは、カラーとカラーの間の細いピンの直径に適合されるのがよい。このシステムは、ゴム製のカップがカラーピン部分内に位置していないときに大径のボアに適合できるので、より良好なシール及び潜在的により大きいビット荷重を提供する。
【0069】
モータ38は、小径BHA22のための掘削トルクを生じさせる。明らかなこととして、主ドリルカラー26に伝達されなければならない反作用トルクがあり、それと同時に、主BHA20の内側での小径BHA22の軸線方向押込みを可能にする。3つのシステムは、次のことに特に好ましいものであると考えられる。
【0070】
第1に、ドリルストリング40が、主カラー26の案内システムのスロット内で摺動する長いキーを(その長さにわたって)備えることである。
【0071】
第2に、小さい管が、モータ38の上方に取り付けられることである。この管は、ドリルストリング40に等しい長さ(又は、小径BHA22の最大掘削可能長さ)を有する。この管は、主カラー26のボアの内側で小径BHA22と共に軸線方向に移動する。この管は、その長さ全体にわたってキー溝を有する。小径BHA22が主カラー26内に引込められたとき、キーが、モータ30のすぐ上の位置でカラー26に取けられる。
【0072】
第3に、ドリルストリング40の形状が、楕円形であることである。この楕円形パターンは、主カラー26の同じ形状の案内システムの中に摺動する。このパターンにより、小径BHA22から主カラー26へのトルクの伝達を可能にする。両方の楕円形が明確に規定されているので、密封も可能である。
【0073】
小径BHA22を完全に引込めると、モータ38を駆動する流体の流れを停止させなければならない。これは、小径BHA22の最上部のところに設けられたシールシステムによって達成され、即ち、小径BHA22を完全に引込めると、シールブロックが、小径BHA22に連結されたフローチャネルの最上部のところに着座し、その結果、流れることができなくなる。
【0074】
小径BHA22を主BHA20の内側に引込めることができるということが必要である。この操作のために、幾つかのシステムの使用が可能である。
【0075】
1つは、引揚げツールを備えたスリックラインの使用に基づく。スリックラインをドリルストリングの内側に下降させ、摺動ピストン42の最上部に設けられた特別なフック46をつかむ(図3参照)。次いで、スリックラインを上方に引き、これにより、スリックラインは、主BHA20の内側への引込みを確保する。完全に引込めた後、引揚げツールを解放し、次いで、スリックラインをドリルストリングから取出す。スリックラインは、小径横孔の掘削全体の間、小径BHA22に連結されたままであるのがよい。
【0076】
別の解決策は、システム内の圧力差を利用して、上向きの力を生じさせ、小径BHA22を引込めることである。このシステムを図15に示す。このシステムであれば、ビット荷重用ピストン42のノズル内の流れを、フローフラップ82の位置に応じて逆にすることができる。フローフラップ82が開かれているとき、泥水の一部分は、モータ通路84の中を流れ、ビット36を回転駆動する。主流れは、1次バイパスポート86及び2次バイパスポート88を経て主BHA20に進む。この流れは、ビット荷重用ピストン42の前後に圧力差を生じさせ、ビット荷重用ピストン42を下方に押し、ビット36を下方に押す。フローフラップ82は、制御ユニット44によって開閉されるのがよい。フローフラップ82を閉じると、僅かな流れがバイパス連結部90を経て上方に移動する。次に、この流れは、2次バイパス88の中を通って上方に進み、最終的には、モータ通路84を下方に流れ、モータ38及びビット36まで流れるが、この流れは無視できる。主流れは、主BHA20の前後に圧力差が生じさせる。この圧力は、今や、摺動ピストン42に働く上向きの力を引起こし、その結果、小径BHA22は、主BHA20の内側で引戻される。
【0077】
2つのフローフラップシステムが用いられるとき、逆の効果は、極めて強力であることがあり、フローフラップの第2の部分(図示せず)は、1次バイパス86の中を通る流れを遮断することを可能にする。2つのフラップは、常に、互いに反対の位置にあり、即ち、一方が開放し、他方が閉じている。
【0078】
本発明では、いくつかの制御ユニット技術を適用することができる。1つの方法は、ラッチ及びフローフラップ弁82を制御するスリックラインを用いることである。作業の開始時、スリックラインを適正な順序に従って引張ることにより、小径BHAをラッチ解除し、フローフラップ弁82を切替える。作業の終了時、同じスリックラインを用いることにより、小径BHA22を引込め、フローフラップ弁82を再び切替え、小径BHA22を主BHA20内に再びラッチ留めする。
【0079】
変形例として、制御ユニット44は、液圧式及び機械式指令に基づいてもよい。次のような様々な方法を採用することができる。
回転を組合せた上下移動を用いるJ字形スロット機構を備えた摺動マンドレル。
泥水の流れが最初に確立されたかどうかに応じて圧縮されたり圧縮されなかったりする摺動マンドレル。
パッドを備えたスリーブ上の抵抗(drag)を保証するための回転。この回転は、泥水の流れが正しい順序で開始された場合にのみ達成できる。
流量の変化による液圧ビット設定値。このシステムは、典型的には、流れ期間の開始時に作動する。次いで、所定のタイミングで、流れがない状態から流れが多い状態にし、更に流れが中程度の状態にすることによって、又は、これとは異なる順序によって、システムが横孔掘削を開始させたり、掘削を終了させたりすることを可能にする。
【0080】
かかるシステムであれば、小径BHA22が引込みラッチ留めモードにあるべきか、掘削のために自由な状態にあるべきかを決定することが容易である。液圧機械式制御ユニットの主要な利点は、設計、保守及び操作が単純であるということにある。
【0081】
電気式制御システムも使用可能である。電気式制御システムは、設定及び制御のために双方向遠隔計測法に基づくことがある。電気式制御システムは、電気ワイヤラインケーブルを介して制御されるのがよい。これにより、十分な融通性と速いデータ通信速度が得られ、これは、横孔の掘削中に測定が行われる場合に有益である。
【0082】
横孔の掘削は、いくらか(数分から1時間)の時間がかかる。この間、主BHA20は、静止モードのままになる。このことにより、主BHA20が固着状態になる恐れが無視できないので、極めて危険である。この危険を最小にするために、システムは、主BHA20を主ドリル孔24内で常に移動させるよう設計されている。主BHA20は、短い距離にわたって(典型的には、数メートルの範囲内で)上方向(20A)及び下方向(20B)に移動させられる。この移動を可能にするのは、窓付きカラー20の外溝32のおかげである。小径BHA22が傾斜プレート34からの横方向の押しを必要としなくなったらすぐに、即ち、ビット36が地層30に完全に係合したらすぐに、主BHA20をゆっくりと下方に移動させる。このとき、ビット36はそれ自体、横孔50内で案内される。明らかなことは、主BHA20の下方向の移動は、窓付きカラー20の外溝32の上端によって制限される。また、注目すべきことは、窓付きカラー20の外溝32の側壁が解放された場合、主BHA20も、左右方法に僅かに振動させられる(典型的には、45°)。掘削流体が、主BHAのビット(図示せず)の中を流れ、その結果、良好な循環が主ドリル孔24の長さ全体にわたって確保される。これはまた、管が動かなくなる恐れを制限する役割を果たす。循環はまた、横孔内に生じた掘削屑を地表まで持上げる役割を果たす。
【0083】
小さい横孔内において、掘削流体の循環速度は、掘削屑を横孔の長さにわたって主ドリル孔まで持上げるのに適した速度に維持される。また、掘削屑の掃除及び横孔内での管の固着の恐れを制限するために、小径BHAは上下に移動するのがよい。
【0084】
小径BHAが横孔内で動かなくなってしまったら、主BHAを上方に引張って、小径BHAを、主ドリル孔と横孔との間の交差部のところで切離す。これにより、主BHAを自由にすることを可能にし、損失を限定する。
【0085】
小径BHAは、様々な種類の測定器具(例えば、方向、傾斜、局所抵抗率、交差ドリル孔抵抗率、交差ドリル孔音波等)を支持することができる。
【0086】
幾つかの設計変更により、主ドリルストリングの中を通るスリックラインを用いて、小径BHAを引揚げることができる。小径BHAの底部の周りの引揚げプラグ60(図6)により、ビットからフローフラップ弁及び制御ユニットまでの全ての部品を引揚げることを可能にする。小径BHAを引揚げる機能により、破損した小径BHAの交換、又は、他のツールを横孔内に設置するための窓の開放を可能にする。他のツールは、機械式であってもよいし、電気式であってもよい。他のツールは、スリックライン又はワイヤラインケーブルによって下降させられるのがよい。これらのツールの幾つかにより、横孔内での技術的介在(例えば、単純化された構成要素の交換)又は細いワイヤラインツールを介する小径横孔内での物理検層を可能にする。
【0087】
図17は、設計が単純化された本発明の別の実施形態を示す。小径BHA90は、ドリルカラー94の外溝92内に拘束され、枢動部96によって連結されている。小径BHA90はまた、可撓性である。横孔を掘削すべきとき、機械式制御機構98が、小径BHA90の前部を外側に押す。それと同時に、小型モータ100の中を通る掘削流体の流れを開始させる。小径BHA90が地層に入り始めるとき、主BHA102をゆっくりと前方に移動させ、地層中への小径BHA90の押込みを可能にする。小径BHA90が曲がりハウジングを有している場合、横孔は、主ドリル孔から離れるように差し向けられる。
【0088】
本発明の別の実施形態は、小径BHAを前進させるクローラ又はトラクタを、主BHA内で使用する。このシステムを、主ドリルストリング内のワイヤラインケーブルによって作動させるのがよい。制御ユニットは、掘削流体の流れを小径BHAに向かって差し向ける。システムが非常に可撓性であるので、小径BHAは、長い距離にわたって移動することができる。電気的制御ユニットの変形例として、これも、MWD式及び回転式の操縦可能なシステム技術に基づいている。ワイヤラインケーブルを用いる場合、ワイヤラインケーブル(及びオプションとして、制御ユニット)を横孔掘削に先立って下降させ、作業の最後に回収する。
【0089】
上述した2つのBHAシステムの変形例を、ケーシングが設けられたドリル孔内で用いてもよい。この適用例では、BHAビットは、窓用粉砕(milling)ビット(及びホイップストック)によって置き換えられる。
【0090】
別の実施形態は、2つの小径BHAを有し、その一方は、粉砕ビットを有し、その他方は、掘削ビットを有する。制御ユニットの設定は、2つの小径BHAの設定の混乱を避けるために、僅かながら複雑である。実際、かかるシステムは、3つの考えられるビットの展開の仕方を有し、即ち、
(a)両方の小径BHAを引込め、主BHAに設けられたビットで掘削/粉砕を行う、
(b)頂部小径BHAを掘削モードにし、底部小径BHAを引込める、
(c)頂部小径BHAを引込め、底部小径BHAを粉砕モードにする。
【0091】
横孔は、図1及び図2に示した形状よりも複雑な形状を有する場合がある。1つの実施形態では、これは、例えば、反作用トルク延長部のキーを案内する溝の特別な形状によって、機械的に達成される。
【0092】
幾つかの分野の適用例について、横孔104は、図18に示すように、S字形であることが必要である場合がある。これにより、横孔の端部が主ドリル孔106とほぼ平行になる。この経路を提供するため、小径BHAのツールフェースを押込みの中間で180°回転させる。モータ反作用は、上方「反作用」トルク延長部を介してカラーに伝達され、キー溝は、カラー内で180°の螺旋を作る。「反作用」トルク延長部からのキーがこの位置に達すると、小径BHAは、それ自体半回転させられる。小径BHAの他方の末端部のところの曲がりハウジングの強い捩りを回避するために、螺旋のピッチは、好ましくは、数メートルの距離にわたって大きくされる。
【0093】
他の適用例に関し、図19に示すように、コルクスクリュー(螺旋)形状の横孔108を主ドリル孔100の周りに掘削することが有益な場合がある。このパターンを達成するために、曲がりハウジングの方位角は、連続的に調節され、それにより、モータをその現在の平面から遠ざけるように操縦する。このツールフェース設定を達成するために、「反作用」トルク延長部の反作用トルクキーを案内するキー溝は、適当な螺旋形のものである。例えば、横孔は、半径5メートルの「円筒面」上で15メートルのピッチで掘削される。このことは、横孔が主ドリル孔に対して45°の角度で傾けられることを意味する。各回転は、約21メートルの押込みが必要であり、横孔は、2条であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削装置であって、
1次掘削アセンブリの一部分を形成するドリルカラーを有し、前記ドリルカラーは、その側部に、外向きに開口した溝を有し、
更に、2次掘削アセンブリを有し、前記2次掘削アセンブリは、管状のドリルストリングと、前記ドリルストリング内に設けられた掘削モータと、前記掘削モータに連結されたドリルビットとを有し、前記管状のドリルストリングは、その一端が前記ドリルカラーに連結され、前記ドリルビットは、前記ドリルストリングの他端に取付けられ、
前記2次掘削アセンブリは、前記ドリルビットが前記溝内に着座する第1位置と、前記ドリルビットが前記ドリルカラーの側部の溝から横方向に突出する第2位置との間を移動可能であるように、前記ドリルカラー内に取付けられる、掘削装置。
【請求項2】
前記2次掘削アセンブリは、前記ドリルカラー内に摺動可能に取付けられたピストンを有し、
前記管状のドリルストリングは、前記ドリルカラーの内側を延び、前記ドリルストリングの一端は、前記ピストンに連結され、
前記第1位置と前記第2位置との間を移動中、前記ピストンは、前記ドリルカラー内で前進させられる、請求項1に記載の掘削装置。
【請求項3】
前記溝は、前記ドリルカラーの外面まで傾斜した傾斜下端部を有する、請求項1又は2に記載の掘削装置。
【請求項4】
前記溝は、前記ドリルカラーに連結された掘削ツールのツールフェースに合わせられ、その結果、前記ツールフェースを特定の方向に差し向けることにより、それに対応する仕方で前記溝の向きが定められる、請求項1〜3の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項5】
前記ドリルカラーは、摺動シャッタを有し、前記摺動シャッタは、前記溝が覆われる第1の位置と、前記溝が開口する第2の位置との間を移動可能である、請求項1〜4の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項6】
更に、前記2次掘削アセンブリを前記第2位置から前記第1位置に移動させる引込めシステムを有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項7】
前記溝は、摺動シールを有し、
前記2次掘削アセンブリをその第2位置に移動させるとき、前記ドリルストリングは、前記摺動シールを貫いて突出する、請求項1〜6の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項8】
更に、伝動シャフトを有し、前記伝動シャフトは、前記ドリルビットを前記掘削モータに連結するように前記ドリルストリングの中を延びる、請求項1〜7の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項9】
前記ドリルビットは、支持ハウジングを有し、前記支持ハウジングは、前記ドリルビットと前記伝動シャフトとの間の連結部を含む、請求項8に記載の掘削装置。
【請求項10】
前記支持ハウジングは、更に、曲がりハウジングを含む、請求項9に記載の掘削装置。
【請求項11】
前記支持ハウジングは、更に、測定装置を収容する、請求項9又は10に記載の掘削装置。
【請求項12】
前記ピストンは、更に、圧力リリーフ弁を有し、前記圧力リリーフ弁は、流体が前記ドリルカラーに沿って流れることを、前記ピストンを移動させることなしに可能にする、請求項1〜11の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項13】
前記掘削モータは、レギュレータを有し、前記レギュレータは、モータ速度に従ってバイパスの開度を制御する、請求項12に記載の掘削装置。
【請求項14】
前記掘削モータは、サイレンを有し、前記サイレンは、前記ピストンに連結されたステータと、前記ステータに隣接して取付けられ且つ前記ドリルビットに連結されたロータを含む、請求項1〜13の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項15】
前記ロータは、捩りばねを介して前記ドリルビットに連結される、請求項14に記載の掘削装置。
【請求項16】
更に、前記ロータを、前記ステータに対する開放位置に押圧する手段を有する、請求項14又は15に記載の掘削装置。
【請求項17】
前記押圧手段は、前記ロータ及び前記ステータに設けられた磁石を含む、請求項16に記載の掘削装置。
【請求項18】
更に、前記サイレンの作動によって引き起こされる圧力パルスを検出して信号を生じさせる圧力検出器と、前記信号を用いて前記2次掘削アセンブリの作動を制御する制御システムと、を有する請求項14〜17の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項19】
前記ピストンは、バイパスを有し、前記バイパスは、前記ピストンを移動させることなしに、流体が前記ドリルカラーに沿って流れることを可能にする、請求項1〜18の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項20】
前記2次掘削アセンブリが前記第2位置に向かって移動するとき、前記ロータ及び前記ステータの角度方向位置を調節する手段を有する、請求項14〜19の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項21】
前記調節手段は、前記ドリルカラーに設けられ且つカム面を構成する溝を有し、
前記2次掘削アセンブリが移動するとき、ロータ位置決めキーが前記カム面に沿って摺動する、請求項20に記載の掘削装置。
【請求項22】
前記ドリルカラーは、前記2次掘削アセンブリに作用することができる作動可能なクランプ装置を有し、
前記2次掘削アセンブリを前記ドリルカラーにクランプするように前記クランプ装置を作動させることにより、前記2次掘削アセンブリを移動させる前記ドリルカラーの移動を可能にし、
前記2次掘削アセンブリを解放するように前記クランプ装置を作動させることにより、前記1次掘削アセンブリと前記2次掘削アセンブリの独立した移動を可能にする、請求項1〜21の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項23】
前記クランプ装置は、前記2次掘削アセンブリに作用する1対の回動式偏心体を有する、請求項22に記載の掘削装置。
【請求項24】
更に、前記2次掘削アセンブリの作動によって生じるトルクに抵抗する手段を有する、請求項1〜23の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項25】
前記抵抗手段は、前記ドリルストリングに設けられた細長いキーを含み、前記細長いキーは、それに対応する前記ドリルカラーの溝に係合する、請求項24に記載の掘削装置。
【請求項26】
前記抵抗手段は、前記掘削モータの上方に位置する前記ドリルストリングの延長部を有し、前記延長部は、前記ドリルストリングに設けられた細長いキーを有し、前記細長いキーは、それに対応する前記ドリルカラーの溝に係合する、請求項25に記載の掘削装置。
【請求項27】
前記抵抗手段は、非円形断面を有するドリルストリングを有し、前記ドリルストリングは、それに対応するように形作られたシールを貫き且つ摺動する、請求項24に記載の掘削装置。
【請求項28】
更に、前記2次掘削アセンブリを前記第2位置から前記第1位置に移動させる回収ラインを連結するための取付け箇所を、前記2次掘削アセンブリに有する、請求項1〜27の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項29】
更に、前記2次掘削アセンブリを前記第2位置から前記第1位置に移動させる前記ドリルカラー内の流体の流れを前記ピストンの下側に差し向けるように作動可能な2次ピストンバイパス及び弁装置を有する、請求項1〜28の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項30】
更に、前記2次掘削アセンブリを前記溝から押出すように作動可能な制御機構を有する、請求項1に記載の掘削装置。
【請求項31】
前記2次掘削アセンブリは、枢動部を介して前記ドリルカラーに連結される、請求項30に記載の掘削装置。
【請求項32】
前記ドリルストリングは、可撓性である、請求項30又は31に記載の掘削装置。
【請求項33】
前記2次掘削アセンブリは、前記ドリルカラー内に設けられたクローラ装置を有し、
前記管状のドリルストリングの一端は、前記クローラ装置に連結され、前記ドリルストリングは、前記ドリルカラーの内側を延び、
前記第1位置と前記第2位置との間での移動中、前記クローラ装置は、前記ドリルカラー内で前進させられる、請求項1に記載の掘削装置。
【請求項34】
前記1次掘削アセンブリは、窓を孔ケーシングに孔あけするように構成され、前記2次掘削アセンブリは、前記窓を通って前進させられる、請求項1〜33の何れか1項に記載の掘削装置。
【請求項35】
請求項1〜34の何れか1項に記載の掘削装置を用いてドリル孔を掘削する方法であって、
主ドリル孔を掘削する工程と、
前記掘削装置を前記主ドリル孔内の予め決められた箇所に位置決めする工程と、
前記2次掘削アセンブリを作動させ、それにより、前記ドリルビットを前進させて前記第1位置から遠ざけ、前記主ドリル孔を包囲する地層中に横方向に掘削し、横ドリル孔を形成する工程と、
前記2次掘削アセンブリを前記第2位置に引込める工程と、を有する方法。
【請求項36】
前記1次掘削アセンブリを用いて前記主ドリル孔を掘削する工程を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
更に、前記2次掘削アセンブリが地層中を掘削している間、前記ドリルカラーを前進させる工程を有する、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
更に、前記2次掘削アセンブリが前記地層中を掘削している間、前記主ドリル孔内において短い距離にわたって前記ドリルカラーの前進と引込めを交互に実施する工程を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記主ドリル孔は、ケーシングで内張りされ、
更に、前記1次掘削アセンブリを用いて前記ケーシングに窓を開け、その後、前記2次掘削アセンブリを作動させて、前記窓の中を通し、前記地層の中を掘削させる工程を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
更に、前記2次掘削アセンブリを使用して、S字形の横ドリル孔を掘削する工程を有する、請求項35〜39の何れか1項に記載の方法。
【請求項41】
更に、前記2次掘削アセンブリを使用して、螺旋経路を有する横ドリル孔を掘削する工程を有する、請求項35〜39の何れか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2010−538187(P2010−538187A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522849(P2010−522849)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/RU2007/000473
【国際公開番号】WO2009/028979
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】