説明

2つの異種のアクセスポイント間でフローを転送するための方法

本発明は、IPコアネットワークへの現在のネットワークのアクセスポイントと訪問先ネットワークのアクセスポイントとの間でフローを転送するための方法に関する。この方法は、転送決定エンティティ(HOD*)と第1実行エンティティ(HOE*)との対によって実施される。第1実行エンティティは、少なくとも1つの他の実行エンティティ(HOE)を含む現在のネットワークの実行エンティティの階層を考慮に入れながら、決定エンティティからの転送実行命令を実行メッセージに変換する。フロー識別子と端末識別子との所与の対について転送決定が行われると、決定エンティティは、実行命令(HO_Decision)を第1実行エンティティに送信する。第1実行エンティティは、現在のネットワークに関連する階層の実行エンティティがサポートする複数のモビリティプロトコルから1つを選択し、少なくとも1つの実行エンティティを階層内で選択してそれぞれの実行メッセージを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関する。本発明は、より詳細には、端末が移動しているとき、IPプロトコルに関連する所謂パケットモードプロトコルを使用する、様々な技術の無線アクセスネットワーク間のハンドオフ技法に関する。この種のハンドオフは、フローをハンドオフすることに関係することを踏まえ、より詳細には垂直ハンドオフと称される。このハンドオフは、2つの異なるアクセスネットワーク間、すなわち異なる技術の2つのアクセスポイント間で行われる。電気通信ネットワークの慣例的表現によれば、コアネットワークと、アクセスネットワークを相互連結するこのコアネットワークにアクセスするためのアクセスネットワークとが区別され、これらの様々なネットワークは、データを転送するためにIPプロトコルを使用する。
【0002】
本発明は、決定エンティティに関連するハンドオフ決定連鎖と、実行エンティティに関連する実行連鎖との間のインターフェースに位置する。これら2つの連鎖は独立しており、かつ様々なエンティティにおいて実施可能であり、本発明は、これらのエンティティ間の対話方法を決定する。本発明は、移動体、移動端末、または移動ノードという用語によって分け隔てなく表される端末のモビリティ管理に影響を及ぼし、階層型トンネルを使用する技法を用いる。
【0003】
セルラネットワークにおけるモビリティ管理は、主にセル間ハンドオフ管理に基づく。このハンドオフは、移動端末が、到達可能のままでありながら、あるアクセスポイントのカバレッジから別のアクセスポイントに切り替えることを可能にする。このハンドオフ手順は、前のアクセスポイントから新たなアクセスポイントに呼をハンドオフするために必要なシグナリングを導入することを、ネットワーク内の管理者に要求することを必然的に伴う。本発明によれば、ハンドオフは、あるアクセスポイントの無線カバレッジから、異なる技術の別のアクセスポイントに切り替える端末のモビリティ管理を意味する。しかし本発明は、技術内ハンドオフの場合、より詳細には、異なるIPドメインに接続するアクセスポイントによって範囲が定められる、例えばWiFiタイプの2つの無線アクセスポイント間の技術内ハンドオフの場合に等しく適用される。このアクセスポイントの変更は、サービスの継続性が保証された状態で行わなければならない。
【0004】
本発明は、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、HSDPAネットワークなどのモバイル無線形式ネットワーク、およびWIFI型ネットワークやWIMAX型ネットワークに等しく適用される。
【背景技術】
【0005】
IPに基づくプロトコルに向けたネットワークにおけるトレンドは、モバイルIP(MIP)などのIP機構によるモビリティ管理を可能にする。このプロトコルは、移動体が自らのIPアドレスを変えずに、異なるIPドメイン内で自らのアクセスポイントを変えることを可能にする。IPドメインは、そのIPアドレスが1つのおよび同じサブネットワークに属する、インターネットの隣接した部分として定義することができる。IPネットワークにおけるモビリティ管理は、移動体がアクセスネットワーク(離脱ネットワーク:detachment networkとも称される)の変更を検出すること、移動体が新たなIP構成を取得すること、およびホームエージェントHAと称される、図1に示すネットワーク内の中心点に新たな位置を登録することに基づく。次いで後者は、IPカプセル化でIPを使用することにより、移動体からホームネットワークとも称される加入ネットワークに到達するパケットを、その移動体が訪れるネットワークにルーティングする。しかし、モバイルIPプロトコルはアクセスポイントが頻繁に変わることに適していないため、マクロモビリティとマイクロモビリティとを分ける選択肢が提案されている。マイクロモビリティは、1つのおよび同じIPアクセスネットワーク内における移動体の迅速かつ頻繁な局所的移動に相当するのに対し、マクロモビリティは、IPアクセスネットワークの変更を伴う端末の移動に相当する。この分離は、位置更新の遅延を減らし、その結果としてデータパケットの損失を減らすことを可能にする。いくつかのプロトコルがこの選択肢を採用しており、それらのうちで有名なものはHMIPおよびセルラIPプロトコルである。
【0006】
より最近では、電気通信事業者は、PMIP(プロキシMIP)と称される、MIPと同じ原理に基づく新たなモビリティプロトコルに向かっている。PMIPは、シグナリング交換に端末が関与することを必要とせずに端末のモビリティをネットワークが引き継ぐことを可能にする。端末は、自らの接続(またはアクセス)ルータによって識別される必要があり、後者は、その端末が依然としてその加入ネットワーク内にいることを「その端末に信じさせる」、つまりこの接続ルータは、ホームエージェントで位置を更新し、典型的にはデフォルトゲートウェイまたはデフォルトルータのIPアドレスである、その端末の新たなデフォルトルートをその端末に知らせる。
【0007】
マルチベンダ無線ネットワークの状況におけるモビリティ管理は、次の2つの主要なステップを含む。
技術Aのネットワークのアクセスポイントから、技術Bのネットワーク内に位置する別のアクセスポイントに切り替えるためのハンドオフの決定を行うステップ。この決定は、事業者やユーザの基本設定、アプリケーションの要件、ネットワークの能力など、様々なパラメータを考慮に入れる。このハンドオフの決定は、制御プレーン内で行われる。
ネットワーク内の移動ノードの位置を更新すること(または新たな位置を登録すること)、ならびに新たなアクセスポイントとの間のユーザデータおよびシグナリングのルーティングを更新することを引き受ける、ハンドオフの決定を実行するステップ。このハンドオフの実行は、データプレーン内で実施される。
【0008】
従来の電気通信ネットワークと異なり、IPネットワークでは制御プレーンとデータプレーンとが一緒にまとめられており、シグナリングは帯域内(in-band)である。これは、ルートをセットアップするためのデータパケットおよびシグナリングが、ネットワークの同じノードを通過することを意味する。さらに、IPネットワーク内では、ハンドオフを決定し実行するのは通常同じエンティティであるのに対し(例えば移動ノードによるMIPプロトコルの実行)、電気通信ネットワーク(事業者ネットワーク)内では、ハンドオフの決定を行うエンティティは、ハンドオフを実行するエンティティと異なる。またほとんどの場合、これらのエンティティはネットワーク内で集中化され、それらのエンティティの構成は、ネットワーク内で固定(fix)され、使用される実行プロトコルに依拠する。
【0009】
ハンドオフの最終的な決定および最終的な実行は、ネットワーク側かそれとも移動体側か、これらの機能が実施される場所に応じて次のようないくつかの実施形態に従って行うことができる。
モード1:移動体によってハンドオフを制御し、移動体内でハンドオフを実行する。後者は、ユーザ/事業者の基本設定、アクセスネットワークの特性、およびアプリケーションの特性を考慮に入れるプロファイルを保持することができる。
モード2:ネットワークによって(典型的にはモビリティマネージャを用いてまたは決定エンティティ連鎖により、ネットワークの1つまたは複数の機能エンティティによって)ハンドオフを制御し、移動体内でハンドオフを実行する。
モード3:移動体によってハンドオフを制御し、ネットワーク内で(ネットワークの1つまたは複数の機能エンティティによって)ハンドオフを実行する。
モード4:ネットワークによって(ネットワークの1つまたは複数の機能エンティティによって)ハンドオフを制御し、ネットワーク内で(ネットワークの1つまたは複数の機能エンティティによって)ハンドオフを実行する。
【0010】
このモードは動的に決定することができる。したがって、IETFの中で進行する一部の作業は、移動ノードが、MIPプロトコルを使用してハンドオフの実行を自ら引き受けるのか、それともPMIPプロトコルを使用してこの実行を行うようネットワークに要求するのかを、接続ネットワークに信号で伝えるべきだと推奨する。他の作業によれば、ネットワークが、PMIPプロトコルを使用してハンドオフを実行する自らの能力を公示し、移動ノードは、このサービスを使用することに関する自らの選択を表明する。モビリティ管理のためのトンネルの階層を定義するために、3GPPモバイルネットワークの新たなアーキテクチャ(LTE/SAE)に関係する一部の3GPP仕様を使用することができる。3GPPアクセスネットワーク内のハンドオフもしくは3GPPアクセスネットワーク間のハンドオフ、または3GPPシステム間のハンドオフもしくは3GPPシステム間でないハンドオフが行われているのかに応じて、いくつかのモビリティシナリオを示す。
【0011】
ネットワーク内で利用できるモビリティ管理プロトコルに応じて、様々な種類のいくつかのトンネルによりトンネルの階層を形成することができる。トンネルは、パケットに関連するそれぞれのモビリティプロトコルを必ずしも知らないルータを通過させることにより、2つのノード間でIPパケットを正しくルーティングすることを確実にするためにセットアップされる。「トンネリング」とは、別のIPパケット(例えばMIPやPMIP)内にまたは別の種類のパケット(例えばGTP)内に、IPパケットをカプセル化/非カプセル化する方法である。例えば、および図1を参照すると、移動体は、SAE(System Architecture Evolution(すなわち3GPPのガイドラインによる(4Gと称される)次世代ネットワーク))ネットワーク内のそのアンカポイント(この場合はサービングゲートウェイSGW)の範囲までは、特定のPMIPトンネルを介して到達可能であり、リンクレベルにおけるそのアクセスポイント(この場合はeNodeB)の範囲までは、特定のGTPトンネルを介して到達可能である。アンカポイントとは、移動体が他のネットワークに接続することを可能にする、アクセスネットワークへの入口点であり、移動体と別のネットワークのノードとの間のトラフィックはこのアンカポイントを義務的に通過する。
【0012】
マルチベンダネットワークの場合、いくつものハンドオフ決定モードまたはハンドオフ実行モードが相伴って存在する場合がある。このことは、モビリティ管理における、モードの選択ならびに決定エンティティおよび実行エンティティの選択の問題をとりわけ提起する。最近、諸作業は、2つの可能なハンドオフ実行モードしか保持しないことを提案し、そのモードとはつまり、ネットワークによるプロキシMIPまたは端末によるMIPであり、このモードのうちの一方または他方を活動化する決定は移動端末が行う。移動端末は、ネットワークによってPMIPがサポートされていることを知り、自らがPMIPを活動化したいことを表明することができ、ハンドオフ実行プロトコルを選択することに関して、ネットワークによるネゴシエーションまたは考えられる制御はない。例えば、3GPPが保持するある仕様は、ハンドオフの決定を行うことを担う制御プレーンエンティティにいずれかのプロトコルの活動化を制御させる手段を提供しない、いくつかのモビリティプロトコルの使用を組み合わせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、マルチベンダアクセスポイント間、すなわち異なる技術のアクセスポイント間で、これらのアクセスポイントが同じIPネットワークに属そうが異なるIPネットワークに属そうが、フローをハンドオフするための方法を提案し、モビリティプロトコルの選択に関する制約なしに、これら2つのアクセスポイント間で端末のモビリティを自動で制御することを可能にする。本発明は、ネットワークがマルチベンダアクセスポイント間で端末のどんなモビリティも制御できるようにする、集中的モビリティ管理をとりわけ可能にする。
【0014】
したがって、本発明の主題は、現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1のアクセスネットワークへの第1のアクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、そのコアネットワークへの第2のアクセスネットワークへの第2のアクセスポイントとの間で、フローをハンドオフするための方法であって、そのネットワークは様々な先出のネットワークおよびアクセスポイントで構成されており、端末と対応物との間に識別子がF_IDであるフローが確立され、端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、ハンドオフ決定エンティティHOD*と第1の実行エンティティHOE*とからなる一対のエンティティによって実施され、その第1の実行エンティティHOE*は、少なくとも1つの他の実行エンティティからなるネットワークの実行エンティティの階層を考慮に入れることにより、決定エンティティから生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換し、フロー識別子と端末識別子との所与の対(F_ID,MN_ID)についてハンドオフの決定を行った後、決定エンティティHOD*が少なくとも
第1の実行エンティティHOE*に実行命令を送信するステップであって、その実行命令はフロー識別子、端末識別子、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含む、実行命令を送信するステップ
を実行し、
第1の実行エンティティHOE*が、
ネットワークに関連する階層の実行エンティティがサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択するステップと、
そのモビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行エンティティをその階層内で選択するステップと、
その選択した実行エンティティに、フロー識別子、端末識別子、フロー方向インジケータ、モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、選択したプロトコルのインジケータ、端末のアドレス、デフォルトルータアドレス、ならびに実行エンティティが端末の更新アドレスを取得する責任および端末の位置を更新する責任を負うかどうかを、その実行エンティティに知らせるための2つのフラグAcqおよびLocUpdからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信するステップと
を実行することを含む、方法である。
【0015】
この方法は、一対の識別子(端末識別子、フロー識別子)のための様々なハンドオフ決定エンティティからなる決定連鎖と、IPコアネットワーク、アクセスネットワーク、アクセスポイント、および端末に分散し得るエンティティによって実施される、所与の端末のための様々なハンドオフ実行エンティティからなる実行連鎖との間の構成可能なインターフェースを決定する。
【0016】
選択されるプロトコルインジケータは、そのプロトコルを識別し、例えばMIPまたはPMIPに設定される。
【0017】
2つのフラグを組み合わせて使用することは、端末により、またはネットワークにより、あるいは端末およびネットワークによりハンドオフの実行を制御できるようにする。Acqフラグが1に設定される場合、実行エンティティは端末の更新アドレスを取得しなければならない。そうでない場合、実行エンティティは、端末の更新アドレスをアドレスフィールド内で見つける。LocUpdフラグが1に設定される場合、実行エンティティHOEは端末の位置を更新しなければならず、すなわち実行エンティティHOEは、モビリティプロトコルフィールド内で指定されるプロトコルのシグナリングメッセージを使用することにより、端末MNに到達するための新たなアドレスを別の実行エンティティHOE(MIPの場合のホームエージェントや、PMIPの場合のローカルモビリティアンカポイントなど、通常は上位のHOE)に知らせなければならない。これは、モビリティプロトコルのシグナリングメッセージを用いて行うことができる。端末の位置を更新することは、端末MNからのおよび端末MNへのパケットをルーティングするために、典型的にはこれら2つのエンティティHOE間に特定のトンネルをセットアップすることを伴う。LocUpdフラグが0に設定される場合、これは、位置の更新が別のHOEエンティティによって既に行われていることを意味する。これらのフラグに関して取る値は別の論理に等しく従うことができ、具体的には、比較値は1ではなく0に等しいように決めることができる。
【0018】
このプロトコルは、訪問先ネットワーク内の新たな位置に関係する端末のために新たなIP構成を取得し、訪問先ネットワーク内の端末の位置を更新することを可能にする。Acqフラグが0で初期化される場合、アドレスフィールドは端末MNのために既に取得されているアドレスを含む。さもなければ、アドレスフィールドはアドレスを含まない。
【0019】
デフォルトのリターンアドレスは、端末MNからのおよび端末MNへのパケットをルーティングするためのデフォルトルータである。
【0020】
本発明によるハンドオフ方法は、提起した問題を解決する。実際には、本発明によるハンドオフ方法は、モビリティプロトコルの識別子を考慮するため、具体的にはマルチベンダアクセスネットワーク間のハンドオフを制御することを可能にする。したがってこの方法は、端末のどんなモビリティも、1つのおよび同じネットワーク内の異なる技術のアクセスポイント間で発生しようと、異なる技術の2つのネットワークのアクセスポイント間で発生しようと管理できるようにする。この方法は、任意のモビリティ管理プロトコルの制御を可能にする。
【0021】
特定の実施形態によれば、本発明によるハンドオフ方法は、フロー方向インジケータが入力に設定される場合、かつPMIPプロトコルが選択される場合、第1の実行エンティティHOE*が、ハンドオフ実行メッセージをネットワークの実行エンティティに送信するものであり、フロー方向インジケータが出力に設定される場合、かつPMIPプロトコルが選択される場合、第1の実行エンティティHOE*が、ハンドオフ実行メッセージをネットワークの実行エンティティに送信し、ハンドオフ実行メッセージを端末の実行エンティティに送信してフローのパケットの向きを変えるものである。
【0022】
プロキシMIP(PMIP)プロトコルが選択される場合、フロー方向を使用することは、端末に実行メッセージを送信できるようにし、その実行メッセージは、その端末が、自らが送信するパケットを正しいネットワークインターフェースに転送できるようにする。
【0023】
特定の実施形態によれば、本発明によるハンドオフ方法は、ハンドオフの決定後、第1の実行エンティティHOE*が、ネットワークに関連する階層の実行エンティティによってサポートされるモビリティプロトコルを、これらの実行エンティティとメッセージを交換することによって動的に知るものである。
【0024】
この実施形態には、実行エンティティの階層の更新メッセージを制限する利点があり、それは更新がハンドオフの決定後に引き起こされるからである。この実施形態には、第1の実行エンティティが、最新の階層の知識に従ってモビリティプロトコルを選択する利点もあり、したがってその選択は、選択される実行エンティティがサポートするモバイルプロトコルにしか関係することができない。
【0025】
特定の実施形態によれば、本発明によるハンドオフ方法は、端末の更新アドレスを取得することおよび端末の位置を更新することを担う実行エンティティがネットワーク内に位置するものであり、端末の更新アドレスを取得することおよび端末の位置を更新することを担う実行エンティティが実行肯定応答を返した後、第1の実行エンティティHOE*が、端末アドレスフィールドおよびデフォルトルータアドレスフィールドが完成した状態で、実行メッセージを端末の実行エンティティに送信するものである。
【0026】
この実施形態によれば、選択する実行エンティティがネットワーク内に位置しても、この方法は依然として実行メッセージを端末の実行エンティティに送信する。このメッセージには、典型的には端末の加入ネットワークである端末の現在のネットワークにその端末が今もなお接続しているかどうかをその端末が知ることを可能にし、その端末にその端末のデフォルトゲートウェイを知らせる利点がある。端末にその端末のデフォルトゲートウェイを知らせることにより、ハンドオフを実行するための時間を節約できるようにし、その結果、起こり得るパケット損失のリスクを低減できるようにする。
【0027】
特定の実施形態によれば、本発明によるハンドオフ方法は、第1の実行エンティティHOE*が、端末内に位置し、IP-ユーザより下位の接続性を有するアクセスネットワークのエンティティによりハンドオフの決定後に供給され、かつ、その端末が接続するアクセスポイントによりその端末に伝送される情報により、実行エンティティの階層を知る。
【0028】
この実施形態は、実行エンティティの階層を知らせるために端末に伝送する情報を、IP-ユーザより下位の接続性を有するアクセスネットワークのエンティティが周期的に端末に送信する実施形態と比較して、この情報を最小限に抑える利点を提供する。
【0029】
本発明の別の主題は、本発明による方法を実施するためのデバイスである。
【0030】
したがって、現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1のアクセスネットワークへの第1のアクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、そのコアネットワークへの第2のアクセスネットワークへの第2のアクセスポイントとの間で、フローをハンドオフするための方法を実施することを目的とする本発明によるデバイスであって、そのネットワークは様々な先出のネットワークおよびアクセスポイントで構成されており、端末と対応物との間に識別子がF_IDであるフローが確立され、端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有する、デバイスが、ハンドオフ決定手段HOD*と第1の実行手段HOE*とを備え、その第1の実行手段HOE*は、少なくとも1つの他の実行手段からなるネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、決定手段から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換し、そのため、
フロー識別子と端末識別子との所与の対についてのハンドオフの決定後、決定手段HOD*は第1の実行手段HOE*に実行命令を送信することができ、その実行命令はフロー識別子、端末識別子、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含み、
その第1の実行手段HOE*は、
a.ネットワークに関連する階層の実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択すること、
b.そのモビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段HOEをその階層から選択すること、および
c.その選択した実行手段HOEに、フロー識別子、端末識別子、フロー方向インジケータ、モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、選択したプロトコルのインジケータ、端末のアドレス、デフォルトルータアドレス、ならびに実行手段が端末の更新アドレスを取得する責任および端末の位置を更新する責任を負うかどうかを、その実行手段に知らせるための2つのフラグAcqおよびLocUpdからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信すること
ができる。
【0031】
この主題によれば、決定手段HOD*と第1の実行手段HOE*とが、1つのおよび同じデバイス内に共同設置される。このデバイスは、典型的にはルータである。このデバイスは、場合によっては当然他の任意のネットワーク要素または移動体自体とすることができる。
【0032】
本発明の別の主題は、本発明による方法を実施するようになされる電気通信システムである。
【0033】
したがって、本発明による電気通信システムは、少なくとも1つのIP型コアネットワーク、そのコアネットワークへの第1のアクセスネットワークおよび第2のアクセスネットワーク、現在のネットワークと称される、端末が接続する第1のアクセスネットワークへの第1のアクセスポイント、ならびに訪問先ネットワークと称される第2のアクセスネットワークへの第2のアクセスポイントを含むネットワークを含み、第1のアクセスポイントと第2のアクセスポイントとの間でフローをハンドオフすることができ、端末と対応物との間に識別子がF_IDであるフローが確立され、端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、このネットワークはハンドオフ決定手段HOD*および第1の実行手段HOE*も含み、その第1の実行手段HOE*は、少なくとも1つの他の実行手段(HOE)からなるネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、決定手段から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換することができ、そのため、フロー識別子と端末識別子との所与の対についてハンドオフの決定を行った後、決定手段HOD*は、
第1の実行手段HOE*に実行命令を送信することであって、その実行命令はフロー識別子、端末識別子、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含む、実行命令を送信すること
ができ、そのため、その第1の実行手段HOE*は、
ネットワークに関連する階層の実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択すること、
そのモビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段をその階層から選択すること、
その選択した実行手段に、フロー識別子、端末識別子、フロー方向インジケータ、モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、選択したプロトコルのインジケータ、端末のアドレス、デフォルトルータアドレス(デフォルトルート)、ならびに実行手段が端末の更新アドレスを取得する責任および端末の位置を更新する責任を負うかどうかを、その実行手段に知らせるための2つのフラグAcqおよびLocUpdからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信すること
ができる。
【0034】
本発明の別の主題は、ハンドオフの実行を制御することができる実行デバイスである。
【0035】
したがって、少なくとも1つのIP型コアネットワーク、そのコアネットワークへの第1のアクセスネットワークおよび第2のアクセスネットワーク、現在のネットワークと称される、端末が接続する第1のアクセスネットワークへの第1のアクセスポイント、ならびに訪問先ネットワークと称される第2のアクセスネットワークへの第2のアクセスポイントを含むネットワークを含む電気通信システムを対象とした、本発明による実行デバイスHOE*であって、そのシステムは第1のアクセスポイントと第2のアクセスポイントとの間でフローをハンドオフすることができ、端末と対応物との間に識別子がF_IDであるフローが確立され、端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、このネットワークはハンドオフ決定手段HOD*も含む、本発明による実行デバイスHOE*は、
少なくとも1つの他の実行手段HOEからなる現在のネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、決定手段HOD*から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換すること、
ネットワークに関連する階層の実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択すること、
そのモビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段(HOE)をその階層から選択すること、
その選択した実行手段に、フロー識別子、端末識別子、フロー方向インジケータ、モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、選択したプロトコルのインジケータ、端末のアドレス、デフォルトルータアドレス、ならびに実行手段が端末の更新アドレスを取得する責任および端末の位置を更新する責任を負うかどうかを、その実行手段に知らせるための2つのフラグAcqおよびLocUpdからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信すること
ができる。
【0036】
好ましい実装形態によれば、このハンドオフ方法のステップは、チップなどの電子回路に組み込まれるハンドオフプログラムの命令によって決定され、その電子回路はネットワーク内に位置するルータなどの電子デバイスの中に配置することができる。本発明によるハンドオフ方法は、このプログラムを実行することによりその動作が制御されるプロセッサや等価物などの計算ユニットにこのプログラムをロードするとき、等しく実施することができる。
【0037】
その結果、本発明は、コンピュータプログラム、とりわけ本発明を実施するのに適した情報媒体上のまたは情報媒体中のコンピュータプログラムにも適用される。このプログラムは、任意のプログラミング言語を使用し、ソースコード、オブジェクトコード、または部分的にコンパイルされた形など、ソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形を取り、あるいは本発明による方法を実施するのに望ましい他の任意の形を取ることができる。
【0038】
その情報媒体は、このプログラムを記憶することができる任意のエンティティまたはデバイスとすることができる。例えば、この媒体には、ROM、例えばCD ROMや超小型回路ROM、さらには磁気記憶手段、例えばディスケット(フロッピー(登録商標)ディスク)やハードディスクなどの記憶手段が含まれ得る。
【0039】
あるいはこの情報媒体は、プログラムが組み込まれた集積回路とすることができ、この回路は、当該方法を実行するようにまたは当該方法を実行する際に使用されるようになされる。
【0040】
また、このプログラムは、電気ケーブルや光ケーブルを介して、無線によってまたは他の手段によって送ることができる、電気信号や光信号などの伝達可能な形式に変形することができる。本発明によるプログラムは、具体的にはインターネット型のネットワーク上でダウンロードすることができる。
【0041】
添付図面に照らし、非限定的な例として示す以下の説明から、本発明の他の特徴および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来技術による、いくつかのモビリティプロトコルを実装する、コアネットワーク、いくつかのアクセスネットワークおよびアクセスポイントからなるネットワークのマルチベンダアーキテクチャを示す図である。
【図2】本発明による方法を実行するための、いくつかのアクセスネットワークを伴うマルチベンダアーキテクチャを示す図である。
【図3】本発明による方法の一実施形態の流れ図である。
【図4】MIPプロトコルおよびPMIPプロトコルの場合の、実行命令メッセージHO_Decisionに含まれるフロー方向インジケータの影響を示す流れ図である。
【図5】ハンドオフ実行制御を決定するために、ハンドオフ実行メッセージの2つのフラグAcqおよびLocUpdを使用することを示す図である。
【図6】本発明による方法を実施するための様々なシナリオを示す図である。
【図7】本発明による方法を実施するための様々なシナリオを示す図である。
【図8】本発明による方法を実施するための様々なシナリオを示す図である。
【図9】本発明による方法を実施するための様々なシナリオを示す図である。
【図10】本発明によるシステムの特定の実施形態による、いくつかのモビリティプロトコルを実装する、コアネットワーク、いくつかのアクセスネットワーク、いくつかのアクセスポイントからなるネットワークを含み、様々な決定連鎖エンティティおよび実行連鎖エンティティをその中に示している電気通信システムのマルチベンダアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図2は、本発明による方法を実施するための、いくつかのアクセスネットワークを伴うマルチベンダアーキテクチャを示す図である。
【0044】
このネットワークは、コアネットワーク、アクセスネットワーク、これらのネットワークへのアクセスポイントを含む。
【0045】
第1のアクセスネットワークは、アクセスポイントPA1が使用するアクセスルータRA1を含む。
【0046】
第2のアクセスネットワークは、アクセスポイントPA2が使用するアクセスルータRA2を含む。
【0047】
移動ノードまたは移動端末と称される移動体MNは、異なる無線技術の少なくとも2つのアクセスインターフェースを有する。この移動体MNは、IPアクセスネットワークのあるアクセスポイントから別のアクセスポイントに変更するとき、ソース識別子(例えば加入ネットワークのIPアドレス)を変えない。本発明によれば、このエンティティMNは、一意識別子、MNのユーザIDに関連する。この説明図によれば、この移動体は、アクセスポイントPA1からアクセスポイントPA2に変更するとき、同じソース識別子を保つ。
【0048】
エンティティAMAは、このネットワーク内の移動ノードMNのIP接続のためのアンカポイントとして働き、その移動ノードの位置を追跡し続ける。このエンティティは、この例によればアクセスポイントPA1を介してアクセス可能な現在のネットワークとも称されるソースネットワークもしくは加入ネットワーク内に、またはこの移動体が訪問するネットワーク、この例によればPA2を介してアクセス可能な訪問先ネットワーク内に位置することができる。このネットワーク内にはいくつかのエンティティAMAがあってよく、それぞれのエンティティはネットワーク内のレベルに関連する。レベルiのAMAを、AMAiと表記する。ノードAMAiは、移動ノードに宛てられるパケットを、階層内のより低いレベルのエンティティAMA(すなわちAMAi-1)に返す。階層内で最も低いノードAMAは、その移動体に関連するフローのパケットを、その移動体とのIP-ユーザより下位のリンクを扱うハンドオフエンティティFNに返す。
【0049】
ハンドオフエンティティFNは、アンカポイントAMAと移動ノードMNとの間のIP-ユーザより下位の接続性を維持する、アクセスネットワーク内のエンティティである。したがって、それぞれのハンドオフエンティティFNが、エンティティAMAに依拠する。端末とその端末のトランスポートネットワークへの第1の接続点との間のネットワークの接続性(すなわちIP-ユーザより下位のリンク)を確実にするために、IP以外のプロトコルを使用することが考えられる。このエンティティFNは大抵、当該無線技術のアクセスルータ(例えばWiFiアクセスネットワークの場合はePDG)の中に、またはIP-トランスポートレベルトンネルの端部(例えばUMTSアクセスネットワークの場合はSGSN)に位置する。少なくとも、アクセス技術ごとにエンティティFNがなければならない。UMTSなどのセルラネットワークでは、IPプロトコルは次の2つのレベルにある。そのレベルとはつまり、GGSNとSGSNとの間のIP接続性を(GTPプロトコルにより)確実にするためのIP-トランスポートレベル、およびGGSNと移動端末との間の上位レイヤのIP-ユーザレベルである。IPモビリティ管理では、使用するのはIP-ユーザレベルである。
【0050】
この例によれば、ハンドオフ決定連鎖は、移動体識別子とフロー識別子との対(MNのユーザID、アプリケーションフローID)について、最終的なハンドオフの決定を行う少なくとも1つのエンティティHOD*を含み、この最終的な決定は、命令メッセージの形で実行連鎖に、より詳細にはエンティティHOE*であるこの連鎖への入口点に送信される。
【0051】
このエンティティHOE*は、先出の命令メッセージを受信した後、ハンドオフの実行を開始し、制御する。この例によれば、このエンティティHOE*はネットワーク内に位置する。このエンティティHOE*は、端末の中に等しく位置することもできる。実行連鎖は、この命令メッセージを、選択した実行プロトコルのメッセージに変換する少なくとも1つのエンティティHOEを含む、実行エンティティHOEの階層を含む。この選択は、典型的にはこのネットワークの事業者が行うネットワークパラメータの選択に従って行われる。このエンティティHOE*は、エンティティHOEの実行能力、より詳細にはそれらのエンティティHOEが実装するモビリティプロトコルを知っている。これらの実行エンティティは、アンカポイントAMA、ハンドオフエンティティFN、および/または移動体MNの形で実装される。この例によれば、これらのエンティティは、アンカポイントAMA、2つのハンドオフエンティティFN、および移動体MNの形で実装されている。
【0052】
図3は、図2に示すアーキテクチャによって実施される、本発明による方法の一実施形態の流れ図である。
【0053】
この方法1は、現在のネットワークと称される、端末MNが接続する(またはアンカする)第1のネットワークの第1のアクセスポイントPA1と、訪問先ネットワークと称される第2のネットワークの第2のアクセスポイントPA2との間で、フローをハンドオフする。現在のネットワークは、典型的には加入ネットワークである。図には示さないが、端末MNとこのネットワークにリンクする対応物との間に識別子がF_IDであるフローがセットアップされる。端末MNは、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有する。図2の例によれば、端末MNは、アクセスネットワーク1およびアクセスネットワーク2にそれぞれ対応する、少なくとも2つのアクセスインターフェースを有する。
【0054】
この方法1は、ハンドオフ決定エンティティHOD*と第1の実行エンティティHOE*とからなる、一対のエンティティによって実施される。
【0055】
決定エンティティHOD*が、移動体識別子とフロー識別子との対(MNのユーザID、フローID)についてハンドオフの決定を行うとき、その決定エンティティHOD*は、ネットワークの実行能力のデータベースを調べて、実行連鎖への入口点であり端末のモビリティを扱うエンティティHOE*を確認する。このエンティティHOE*は、端末の中にまたはネットワーク内に位置することができる。典型的には、エンティティHOD*はエンティティHOE*のアドレスで事前設定されており、したがって、このデータベースは概してこのエンティティHOD*とともに配置される。ただし、この実行能力のデータベースは、HLR内、HSS内などに等しくあってよい。
【0056】
第1の実行エンティティHOE*は、少なくとも1つの他の実行エンティティHOEからなる現在のネットワークの実行エンティティの階層を考慮に入れ、決定エンティティHOD*から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換する。
【0057】
この方法1は、少なくとも以下のステップ2、3、4、5を含む。
【0058】
ステップ2は、フロー識別子と端末識別子との所与の対F_ID、MN_IDについてハンドオフの決定が行われた後、決定エンティティHOD*が実行する。このステップ2は、実行命令HO_Decisionを第1の実行エンティティHOE*に送信することからなる。この実行命令は、フロー識別子、F_ID、端末識別子、MN_ID、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および端末レベルでのフロー方向インジケータ(フローは端末レベルで入力または出力である)、フロー方向からなるフィールドを少なくとも含む。
【0059】
次に続くステップ3、4、5は、第1の実行エンティティHOE*によって実行される。
【0060】
ステップ3は、現在のネットワークに関連する階層の実行エンティティHOEがサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択すること3からなる。第1のエンティティHOE*は、エンティティHOEの階層および実行能力を知っている。エンティティHOE*は、その実行能力から、適用しようとするモビリティプロトコルを選択する必要がある。
【0061】
ステップ4は、その選択したモビリティプロトコルを実行することを担う、ネットワークおよび/または端末内の少なくとも1つの実行エンティティHOEをその階層から選択すること4からなる。
【0062】
ステップ5は、その選択した実行エンティティHOEに、端末識別子、MN_ID、フロー識別子、F_ID、フロー方向インジケータ、Flow_direction、モビリティプロトコルを適用しなければならず、かつこれを介してフローを送信しなければならないネットワークインターフェースの識別子、Interface ID、選択したプロトコルのインジケータ、Mobility_Protocol、位置を更新するための端末のアドレス、Acquired Address、デフォルトルータアドレス、Default Route、ならびに実行エンティティが端末の更新アドレスを取得する責任を負うかどうかをその実行エンティティに知らせるためのフラグAcqおよび端末の位置を更新する責任を負うかどうかをその実行エンティティに知らせるためのフラグLocUpdという2つのフラグからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信すること5からなる。
【0063】
例えば、次の2つの可能なオプションがある。
第1のエンティティHOE*が、移動体MNによる実行を活動化することに決めた場合、その第1のエンティティHOE*は、その移動体MNの中に位置するエンティティHOEにハンドオフ実行メッセージを送信し、
第1のエンティティHOE*が、ネットワークによる実行を活動化することに決めた場合、その第1のエンティティHOE*は、そのネットワーク内に位置するエンティティHOE(例えば、新たなアクセスポイントにサービス提供するアクセスルータ)にハンドオフ実行メッセージを送信する。
【0064】
ハンドオフ実行メッセージは、そのメッセージを受信するノードHOEに、活動化すべきモビリティプロトコル、およびそのノードHOEが移動体MNの新たなアドレスを取得する責任および/または移動体MNの位置を更新する責任を負うかどうかを知らせる。このハンドオフの実行を制御するために、3つのフィールド、Mobility Protocol、Acquired Address、およびDefault Route、ならびに2つのフラグAcqおよびLocUpdを使用する。アドレスの取得および位置の更新は、適用しようとするモビリティプロトコルに従って行う必要がある。
【0065】
図4は、MIPプロトコルおよびPMIPプロトコルの場合の、実行命令メッセージHO_Decisionに含まれるフロー方向インジケータの影響を示す。Protocol_Mobilityフィールドは、Mobility_Protocolによって示されるフィールドと同じフィールドである。
【0066】
出力フローの7およびPMIPプロトコルを用いて実行する8の場合、第1の実行エンティティHOE*は、ハンドオフ実行メッセージをネットワーク内のエンティティHOEに、およびハンドオフ実行メッセージを移動体MNのHOEにどちらも送信し9、MNからのこの出力フローのパケットを、この移動体の正しいネットワークインターフェースに導くことを可能にする。実行プロトコルがMIPの場合10、第1の実行エンティティHOE*は、移動体MNのHOEへのハンドオフ実行メッセージのみを送信する11必要がある。MIPプロトコルの場合、端末は単独で自らの位置を自らのアンカポイントで更新しなければならない。PMIPの場合、位置を更新するのはネットワークエンティティだが、端末が出力フローを導くことができるよう、端末にも情報を与える必要があり、これらのメッセージは一緒になってIPハンドオフを完全に実行することを可能にする。
【0067】
入力フローの12およびPMIPプロトコルを用いて実行を行わなければならない13の場合、第1の実行エンティティHOE*は、ネットワークのHOEへのハンドオフ実行メッセージのみを送信する14必要がある。WiFiアクセスポイントからWiMAXアクセスポイントに切り替えるための決定が行われると、展開されるネットワークアーキテクチャは、そのアーキテクチャのパラメータが設定される方法に従って決定されるHOE、例えばASN GWに実行メッセージを送信するよう、第1の実行エンティティHOE*に要求する。さもなければ15、かつMIPプロトコルを用いて実行を行わなければならない場合、第1の実行エンティティHOE*はハンドオフ実行命令を移動体のHOEに送信する11。
【0068】
好ましい実施形態によれば、実行メッセージHO_Executionは、確認メッセージHO_Execution_Cfmによって肯定応答され、この確認メッセージHO_Execution_Cfmは、実行の結果(OK/NOK)および(HO_ExecutionのフラグAcqが1に設定される場合)位置を更新するために使用されるアドレス、Acquired Addressを含み、2つのフラグAcqおよびLocUpdを使用することにより、ハンドオフの実行を端末により、またはネットワークにより、あるいは端末およびネットワークにより、制御することができる。肯定応答メッセージHO_Execution_Cfmは、フロー識別子、F_ID、端末識別子、MN_ID、フロー方向インジケータ、Flow_direction、端末のアドレス、Acquired Address、および結果Resultからなるフィールドを少なくとも含む。
【0069】
好ましい実施形態によれば、このハンドオフの制御および実行は、以下の前に説明した3つのメッセージと、4つの汎用メッセージとを用いて行う。
【0070】
HO_Decision:前に説明したハンドオフ命令メッセージ。
【0071】
HO_Execution:前に説明したハンドオフ実行メッセージ。
【0072】
HO_Execution_Cfm:前に説明したハンドオフ実行確認メッセージ。
【0073】
ACQ_REQ:このメッセージは、移動体MNのアドレスを要求するために使用する。例えば、このメッセージは、IPプロトコルにおけるRouter Solicitationに相当する。
【0074】
ACQ_RSP:このメッセージは、移動体MNの新たなアドレスを送るために使用する。このメッセージは、例えばIPプロトコルにおけるRouter Advertisementに相当する。
【0075】
LOC_UPDATE:このメッセージは、移動体MNの位置をエンティティAMAで更新するために使用する。例えば、このメッセージは、IPモビリティプロトコルにおけるBinding Updateに相当する。
【0076】
LOC_RSP:MNの位置の更新を確認するために使用する。例えば、このメッセージは、IPモビリティプロトコルにおけるBinding Ackに相当する。
【0077】
図5は、ハンドオフ実行制御を決定するために、ハンドオフ実行メッセージの2つのフラグAcqおよびLocUpdを使用することを示す。
【0078】
フラグAcqが1に設定される場合16、エンティティHOEは移動体MNの位置を更新するための新たなアドレスを取得する必要がある17。さもなければ18、エンティティHOEは、移動体MNの新たなアドレスをアドレスフィールドAcquired_Address内で見つける19。
【0079】
フラグLocUpdが1にある場合20、エンティティHOEは、選択したプロトコル、Mobility_Protocolのシグナリングメッセージにより、別のエンティティHOEを用いて移動体の位置を更新しなければならない21。さもなければ22、エンティティHOEは、移動体MNの位置を更新する責任を自らが負わないことを知らされる23。
【0080】
図6から図9に示す、本発明による方法を実施するための様々なシナリオがある。これらの図面では、Mobility_Protocol、Acq、LocUpd、Acquired Address、およびDefault Routeフィールドを、P、A、L、ADDR、およびRとそれぞれ略す表記法を使用する。ハンドオフの実行は、移動端末の関与の有無にかかわらず行うことができる。
【0081】
ハンドオフの実行に端末が関与する場合、3つの異なるシナリオを区別することができる。
【0082】
図6に示すシナリオ1:ハンドオフ実行プロトコルがすべて(すなわちアドレスの取得および位置の更新が)、移動体MNによって実施される。この説明図によれば、エンティティHOEFN2およびAAA(認証・認可サーバ、AAAは認証、認可、およびアカウンティングを表す)は、本発明による方法に固有の機能を一切実行しない。図7に示すシナリオ2:アドレスの取得が移動体MNによって行われ、位置の更新がネットワークによって実行される。エンティティHOEMNによるアドレスの取得中に回復されるアドレスMNのCoAは、その後、エンティティHOEFN2による位置の更新のために使用される。この説明図によれば、エンティティAAAは、本発明による方法に固有の機能を一切実行しない。図8に示すシナリオ3:アドレスの取得がネットワークによって行われ、位置の更新が移動体MNによって実行される。この説明図によれば、エンティティAAAは、本発明による方法に固有の機能を一切実行しない。
【0083】
ハンドオフの実行に端末が関与しない場合、図9に示す以下のシナリオは、ハンドオフの実行がネットワークによって制御されることを示す。アドレスの取得および位置の更新は、ネットワークによって行われる。移動体MNに送信されるメッセージHO_Executionは、その移動体MNが自らの加入(ホーム)ネットワーク内に今もなおいるか(PMIPの場合)いないか(MIPの場合)をその移動体MNに知らせ、必要な場合、その移動体MNにその移動体MNのデフォルトゲートウェイを告示するために使用する。移動体MNに送信されるこのメッセージHO_Executionは、IPプロトコルにおけるRouter Advertisementメッセージに相当する。この説明図によれば、エンティティAAAは、本発明による方法に固有の機能を一切実行しない。
【0084】
図10は、本発明によるシステムの特定の実施形態による、いくつかのモビリティプロトコルを実装する、コアネットワーク、いくつかのアクセスネットワーク、およびいくつかのアクセスポイントからなるネットワークを含み、様々な決定連鎖エンティティおよび実行連鎖エンティティをその中に示す電気通信システムのマルチベンダアーキテクチャを示す図である。このアーキテクチャは4つのレベル、つまりコアネットワークレベルCN(コアネットワーク)、アクセスネットワークレベルRAN(無線アクセスネットワーク)、無線アクセスポイントレベルAP(アクセスポイント)、移動体レベルMN(移動ノード)の間で分散される。
【0085】
この図示のアーキテクチャの中で共存するモビリティプロトコルは、MIP、PMIP、HMIP、およびGTPである。
【0086】
ハンドオフ実行連鎖の様々なエンティティHOE*およびHOEは、いくつものレベルにわたって分散させることができる。この説明図によれば、これらのエンティティは4つのレベル、つまりコアネットワークCN、アクセスネットワークRAN、アクセスポイントAP/BS、移動体MNにわたって分散されている。
【0087】
エンティティHOE*は、ネットワーク内にまたは端末の中に位置することができる。ネットワーク内のエンティティHOEは、同じレベルのまたは異なるレベルの他の任意のエンティティHOEと通信することができる。
【0088】
本発明は、エンティティHOE*が、ネットワーク内に分散されかつ位置するエンティティHOEの階層を知っており、実行連鎖が少なくとも2つのエンティティ、つまり決定連鎖からハンドオフ命令を受信する第1の実行エンティティHOE*と、この命令を選択した実行プロトコルのメッセージに変換するエンティティHOEとを含む状況に置かれる。この知識は、ネットワーク内のエンティティHOE(AMA)の階層を周期的に告示することによって取得することができ、あるいはこれらのエンティティHOEは、もっと上の階層のエンティティHOEのリストで構成される。エンティティHOE*は、移動体MNの中に位置することができるため、HOEの階層は移動体MNにも告示する必要がある。このために、各FNはエンティティHOE(AMA、FN)の階層を、ハンドオフ命令とともに、またはネットワーク内で周期的に、移動体MNに告示する。これらの告示は、アクセスポイントによって中継される。
【0089】
エンティティHOE*は、エンティティHOEの実行能力も知っており、したがって、それらのエンティティHOEがどのモビリティプロトコルを実装するのかを知っている。この知識は、静的に(関係しているシステムのために一度だけ)または動的に(例えば移動体がエンティティHOEによって管理されなければならないたびに)取得することができる。静的に取得する場合、ネットワーク内に、実行能力を更新し告示するための機構がなければならない。動的に取得する場合、第1のエンティティHOE*は、第1の要求メッセージを使用して実行能力を要求することができる。ノードHOEは、自らがサポートするモビリティプロトコルのリストを含む第2のメッセージで応答する。
【0090】
マルチベンダネットワークシステムでは、異なる技術のいくつかのネットワークにアクセスできる移動体MNはいくつかの識別子を有することができ、その識別子は例えば、MNのユーザID、MNのNAI(ネットワークアクセス識別子)、MNのHoA(ホームアドレス)である。ただし、移動体MNは、ネットワークにより単一の識別子で知られている必要がある。移動体がこの識別子を用いてネットワーク内で自らを示すと、そのネットワークは、この識別子をモビリティプロトコルの実行に必要な別の識別子に変換できなければならない。
【0091】
移動体識別子の習得は、決定が行われる前に都度行うことができ、つまりエンティティHODが移動体MNにその識別子を要求する。別の機構は、移動体MNの初期識別子を決定メッセージとともに実行時に巡回させることであり得る。次いで、AAAタイプのサーバで実行するための、移動体の正しい識別子が探される。例えば、MNは、MNのユーザIDにより決定プロセスの間中、識別される。PMIPプロトコルを実行するようエンティティHOEに要求する前に、ネットワーク内のデータベースに問い合わせることにより、MNのユーザIDはMNのNAI(ネットワークアドレス識別子、PMIPプロトコルで使用される識別子)に変換されなければならない。実行プロトコルをカスケード実行する場合、最初の実行時に回復した識別子を2回目の実行時に使用する。
【0092】
図10に示す以下の3つの例は、本発明による方法の実施を、マルチベンダアクセスネットワーク間のハンドオフについての3つ具体的な事例で示す。最初の例は、UMTSネットワークからWiFiネットワークへの切り替えに関する。第2の例は、WiFiネットワークからWiMAXネットワークへの切り替えに関する。第3の例は、WiMAXネットワークからUMTSネットワークへの切り替えに関する。
【0093】
例1:UMTSネットワークからWi-Fiネットワークへの切り替え
移動体MNからのトラフィックを、UMTSネットワークのアクセスポイントNodeBから、WiFiネットワークのアクセスポイントWiFi APに切り替えるためのハンドオフの決定をエンティティHOD*が行う。2つの可能なシナリオがあり、そのシナリオとはつまり、実行が移動体によって実施されること、またはネットワークによって実施されることである。
【0094】
シナリオ1、移動体MNによる実行:
実施状況:
HOE*は、HOD*と同じ場所に配置される(これら2つのエンティティは、コアネットワークCN、アクセスネットワークRAN、アクセスポイントAP/BS、または移動体MN内に展開することができる)。
HOE*は、NodeBが、HOEFN2、HOEAMA1.1、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている。
HOE*は、WiFi APが、HOEFN3、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている。
a)移動体MNを管理するノードFNの実行能力の発見:
HOE*→HOEFN3:HOE_CTX_REQ
HOEFN3→HOE*:HOE_CTX_RSP(ここでは、FN3はどんなモビリティプロトコルも実行する能力がないと応答する)
b)実行プロトコルの選択:
HOE*は、デフォルトで、移動体MNがMIPプロトコルを実施することを知っている。さもなければ、HOE*は、以下のように移動体MNの実行能力を移動体MNに要求しなければならない。
HOE*→HOEMN:HOE_CTX_REQ
HOEMN→HOE*:HOE_CTX_RSP(MIP)
c)移動体MNへの完全なハンドオフ実行メッセージの送信:
MIPのモビリティを実行するために単一のノード、この場合は移動体MNが指定される:
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=MIP、Acq=1、LocUpd=1、Acquired Address=該当なし、Default Route=該当なし)
HOEMN→HOE*:HO_Execution_Cfm(MNのCoA、Result=OK)が、ハンドオフを実行した後に送信される
d)移動体MNによるハンドオフの実行:
HOEMN→HOEFN3:ACQ_REQ(MNのHoA)
HOEFN3:→HOEMN:ACQ_RSP(MNのCoA)
HOEMN→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、MNのCoA、フローID)
HOEAMA2.1→HOEMN:LOC_RSP
【0095】
シナリオ2、ネットワークによる実行
実施状況:
HOE*は、HOD*と同じ場所に配置される(これら2つのエンティティは、コアネットワークCN、アクセスネットワークRAN、アクセスポイントAP/BS、または移動体MN内に展開することができる)。
HOE*は、NodeBが、HOEFN2、HOEAMA1.1、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている。
HOE*は、WiFi APが、HOEFN3、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている。
HOE*は、識別子MNのHoAを知っており、さもなければ、HOE*は、それらの識別子を移動体MNまたはサーバAAAに要求する。
a)MNを管理するノードFNの能力の発見:
HOE*→HOEFN3:HOE_CTX_REQ
HOEFN3→HOE*:HOE_CTX_RSP(ここでは、FN3はどんなモビリティプロトコルも実行する能力がないと応答する)。
b)実行プロトコルの選択:
HOE*は、移動体MNに関してMIPプロトコルを実行することに決める。
c)移動体MNのアドレス取得:
HOE*→HOEFN3:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=MIP、Acq=1、LocUpd=1、Acquired Address=該当なし、Default Route=該当なし)
HOEFN3は、MNのアドレスCoAを取得する
HOEFN3→HOE*:HO_Execution_Cfm(MNのCoA、Result=OK)
d)ネットワークによる移動体MNの位置更新:
HOEFN3→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、MNのCoA、フローID)
HOEAMA2.1:→HOEFN3:LOC_RSP
e)ハンドオフ実行メッセージによる、移動体MNへのアドレス告示:
HOE*は、移動体MNにその移動体MNの新たなアドレスCoAを与え、そのため、移動体MNはこのアドレスを用いて自らのインターフェースを構成し、自らのデフォルトゲートウェイを発見することができ、これは、移動体MNが入力フローのIPパケットを非カプセル化し、出力フローを指定のインターフェースに導く準備をできるようにもする。
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=MIP_by_Net、Acq=0、LocUpd=0、Acquired Address=MNのCoA、Default Route=FN3のIP Addr)
【0096】
例2:WiFiネットワークからWiMAXネットワークへの切り替え
移動体MNのトラフィックを、アクセスポイントWiFi APから、アクセスポイントWiMAX APに切り替えるためのハンドオフの決定をエンティティHOD*が行う。
【0097】
実施状況:
HOE*は、HOD*と同じ場所に配置される(これら2つのエンティティは、コアネットワークCN、アクセスネットワークRAN、アクセスポイントAP/BS、または移動体MN内に展開することができる)。
HOE*は、WiFi APが、HOEFN3、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている
HOE*は、WiMAX APが、HOEFN4、HOEAMA1.2、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている
HOEFN4は、自らがHOEAMA1.2の制御下にあることを知っている
HOEAMA1.2は、自らがHOEAMA2.1の制御下にあることを知っている
HOE*は、識別子MNのNAIを知っており、さもなければ、HOE*は、それらの識別子を移動体MNまたはサーバAAAに要求する。
【0098】
実行シナリオ:
a)ノード(FN、AMA)の能力の発見:
HOE*→HOEFN4:HOE_CTX_REQ
HOEFN4→HOE*:HOE_CTX_RSP(ここでは、FN4はPMIPを行うことができると応答する)
HOEFN4と前のHOEFN3とは同じAMAによって制御されないため、HOE*は、階層的により高いAMA(すなわちHOEAMA1.2)の能力をHOEFN4に要求する
HOE*→HOEAMA1.2:HOE_CTX_REQ
HOEAMA1.2→HOE*:HOE_CTX_RSP(ここでは、AMA1.2はPMIPを行うことができると応答する)
HOEAMA1.2とHOEFN3とは同じAMA(すなわちHOEAMA2.1)によって制御されるため、HOE*は他の任意の能力要求を送信しない。
b)実行プロトコルの選択:
HOE*は、2つのPMIPプロトコルの実行を、HOEAMA1.2およびHOEFN4にそれぞれ委ねることに決定する。
c)完全なハンドオフ実行メッセージをHOEAMA1.2に送信する:
HOE*→HOEAMA1.2:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=PMIP、Acq=1、LocUpd=1、Acquired Address=MNのNAI、Default Route=該当なし)
HOEAMA1.2→HOE*:HO_Execution_Cfm(MNのHoA、Result=OK)
このハンドオフ実行メッセージは、ハンドオフ実行命令の後に送信されるため、位置を更新するためのアドレス、MNのHoAは、やり取りの中で後に使用される。HOE*は、移動体MNの識別子の変換を制御するための本発明による能力も有する。
d) HOEAMA1.2によるハンドオフの実行:
HOEAMA1.2→AAAサーバ:ACQ_REQ(MNのNAI)
AAAサーバ→HOEAMA1.2:ACQ_RSP(MNのNAI、MNのHoA)
HOEAMA1.2→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、AMA1.2、IP Addr、フローID)
HOEAMA2.1→HOEAMA1.2:LOC_RSP
e)HOEFN4へのハンドオフ実行メッセージの送信:
HOE*→HOEFN4:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=PMIP、Acq=0、LocUpd=1、Acquired Address=MNのHoA、Default Route=該当なし)
HOEFN4→HOE*:Ho_Execution_Cfm(Result=OK)
f)HOEFN4によるハンドオフの実行:
HOEFN4→HOEAMA1.2:LOC_UPDATE(MNのHoA、フローID)
HOEAMA1.2→HOEFN4:LOC_RSP
g)MNへのハンドオフ実行メッセージの送信:
これは、移動体にその移動体のアドレスHoAを告示し、その移動体が自らのデフォルトゲートウェイを発見できるようにし、さらにその移動体MNが、出力フローを指定のインターフェースに切り替えることも可能にする。
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=PMIP、Acq=0、LocUpd=0、Acquired Address=MNのHoA、Default Route=FN4のIP Addr)
HOEMN→HOE*:Ho_Execution_Cfm(Result=OK)
【0099】
例3:WiMAXネットワークからUMTSネットワークへの切り替え
移動体MNのトラフィックを、アクセスポイントWiMAX APから、アクセスポイントNodeBに切り替えるためのハンドオフの決定をHOD*が行う。
【0100】
実施状況:
HOE*は、HOD*と同じ場所に配置される(これら2つのエンティティは、コアネットワークCN、アクセスネットワークRAN、アクセスポイントAP/BS、または移動体MN内に展開することができる)
HOE*は、WiMAX APが、HOEFN4、HOEAMA1.2、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている
HOE*は、NodeBが、HOEFN2、HOEAMA1.1、HOEAMA2.1の制御下にあることを知っている
HOE*は、MNの識別子を知っており、さもなければ、HOE*は、それらの識別子をMNまたはサーバAAAに要求する。
【0101】
実行シナリオ:
a)ノード(FN、AMA)の能力の発見:
HOE*→HOEFN2:HOE_CTX_REQ
HOEFN2→HOE*:HOE_CTX_RSP(ここでは、FN2はGTPプロトコルを実施できると応答する)
HOEFN2と前のHOEFN4とは同じAMAによって制御されないため、HOE*は、HOEFN2より階層的に上のAMA(すなわちHOEAMA1.1)の能力について問い合わせる
HOE*→HOEAMA1.1:HOE_CTX_REQ
HOEFN2→HOE*:HOE_CTX_RSP(PMIPまたはHMIP)
HOEAMA1.1とHOEAMA1.2とは同じAMA(すなわちHOEAMA2.1)によって制御されるため、HOE*は他の任意の能力要求を送信しない。
b)移動体MNのアドレス取得:
このアドレス取得は、通常はUMTS接続の間に(より詳細には、PDPコンテキストを活動化する要求時に)行われる。
c)位置の更新およびGTPトンネルのセットアップ:
このステップは、通常はUMTS接続の間に行われる。
d)実行プロトコルの選択:
図10の例示的アーキテクチャでは、HOE*は以下の3つのサブシナリオのうちの1つを選択することができ、そのサブシナリオとは、ネットワークによって実行されるPMIP、HMIP、または端末によって実行されるHMIPである。
【0102】
サブシナリオ1:PMIP(HOE AMA1.1に実行を委ねる)
i)HOEAMA1.1へのハンドオフ実行メッセージの送信:
HOE*→HOEAMA1.1:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=PMIP、Acq=0、LocUpd=1、Acquired Address=MNのHoA、Default Route=該当なし)
アドレスMNのHoAは、UMTSネットワークへの接続中に回復される。
ii)HOEAMA1.1によるハンドオフの実行:
HOEAMA1.1→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、AMA1.1 IP Addr、フローID)
HOEAMA2.1→HOEAMA1.1:LOC_RSP
iii)移動体MNへのハンドオフ実行メッセージの送信:
これは、移動体MNが出力フローを指定のインターフェースに導くことを可能にする。移動体は、UMTSネットワークに接続することにより、自らのアドレスHoAおよび自らのデフォルトルータを既に知っているべきである。
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=PMIP、Acq=0、LocUpd=0、Acquired Address=該当なし、Default Route=該当なし)
【0103】
サブシナリオ2:ネットワークによって実行されるHMIP(HOE AMA1.1に実行を委ねる)
i)HOEAMA1.1へのハンドオフ実行メッセージの送信:
HOE*→HOEAMA1.1:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=HMIP_by_Net、Acq=0、LocUpd=1、Acquired Address=HOEAMA2.1 IP Addr、Default Route=該当なし)
MNのHoAは、UMTSネットワークへの接続中に回復される。
ii)HOEAMA1.1による位置の更新:
HOEAMA1.1→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、AMA1.1 IP Addr、フローID)
HOEAMA2.1→HOEAMA1.1:LOC_RSP
iii)MNへのハンドオフ実行メッセージの送信:
これは、移動体MNが出力フローを指定のインターフェースに導くことを可能にする。移動体は、UMTSネットワークに接続することにより、自らのアドレスHoAおよび自らのデフォルトルータを既に知っているべきである。
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=HMIP_by_Net、Acq=0、LocUpd=0、Acquired Address=該当なし、Default Route=該当なし)
【0104】
サブシナリオ3:MNによって実行されるHMIP
i)MNへのハンドオフ実行メッセージの送信:
これは、移動体MNが出力フローを指定のインターフェースに導くことも可能にする。移動体は、UMTSネットワークに接続することにより、自らのアドレスHoAおよび自らのデフォルトルータを既に知っているべきである。
HOE*→HOEMN:HO_Execution(MNのユーザID、フローID、フロー方向、インターフェースID、プロトコル=HMIP、Acq=0、LocUpd=1、Acquired Address=該当なし、Default Route=該当なし)
HOEMN→HOE*:Ho_Execution_Cfm(Result=OK)
ii)移動体MNによるハンドオフの実行:
移動体は、AMA1.1がAMA2.1の制御下にあることを知っているべきである。
HOEMN→HOEAMA2.1:LOC_UPDATE(MNのHoA、AMA1.1 IP Addr、フローID)
HOEAMA2.1→HOEMN:LOC_RSP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、前記コアネットワークへの第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントとの間で、フローをハンドオフするための方法(1)であって、前記ネットワークは様々な先出のネットワークおよびアクセスポイントで構成されており、前記端末と対応物との間に識別子がF_IDである前記フローが確立され、前記端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、ハンドオフ決定エンティティHOD*と第1実行エンティティHOE*とからなる一対のエンティティによって実施され、前記第1実行エンティティHOE*は、少なくとも1つの他の実行エンティティ(HOE)からなる前記ネットワークの前記実行エンティティの階層を考慮に入れることにより、前記決定エンティティから生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換し、フロー識別子と端末識別子との所与の対(F_ID,MN_ID)についてハンドオフの決定を行った後、前記決定エンティティHOD*が少なくとも
前記第1実行エンティティHOE*に実行命令(HO_Decision)を送信するステップであって、前記実行命令はフロー識別子(F_ID)、端末識別子(MN_ID)、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および前記端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含む、実行命令(HO_Decision)を送信するステップ
を実行し、
前記第1実行エンティティHOE*が、
前記ネットワークに関連する前記階層の前記実行エンティティがサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択するステップと、
前記モビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行エンティティ(HOE)を前記階層内で選択するステップと、
前記選択した実行エンティティ(HOE)に、前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、フロー方向インジケータ、前記モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、前記選択したプロトコルのインジケータ、前記端末のアドレス(Acquired Address)、デフォルトルータアドレス(Default Route)、および、前記実行エンティティが前記端末の更新アドレスを取得する責任を負うかどうかを前記実行エンティティに知らせるためのフラグ(Acq)および前記端末の位置を更新する責任を負うかどうかを前記実行エンティティに知らせるためのフラグ(LocUpd)という2つのフラグからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信するステップと
を実行することを含むことを特徴とするハンドオフ方法(1)。
【請求項2】
前記フロー方向インジケータが入力に設定される場合、かつPMIPプロトコルが選択される場合、前記第1実行エンティティHOE*が、ハンドオフ実行メッセージを前記ネットワークの実行エンティティ(HOE)に送信し、前記フロー方向インジケータが出力に設定される場合、かつ前記PMIPプロトコルが選択される場合、前記第1実行エンティティHOE*が、ハンドオフ実行メッセージを前記ネットワークの実行エンティティ(HOE)に送信し、ハンドオフ実行メッセージを前記端末の実行エンティティ(HOE)に送信して前記フローのパケットの向きを変えることを特徴とする請求項1に記載のハンドオフ方法(1)。
【請求項3】
ハンドオフの決定後、前記第1実行エンティティ(HOE*)が、前記ネットワークに関連する前記階層の前記実行エンティティによってサポートされる前記モビリティプロトコルを、これらの実行エンティティとメッセージを交換することによって動的に知ることを特徴とする請求項1または2に記載のハンドオフ方法(1)。
【請求項4】
前記端末の更新アドレスを前記取得することおよび前記端末の前記位置を前記更新することを担う前記実行エンティティ(HOE)が前記ネットワーク内に位置し、
前記端末の更新アドレスを前記取得することおよび前記端末の前記位置を前記更新することを担う前記実行エンティティが実行肯定応答を返した後、前記第1実行エンティティ(HOE*)が、端末アドレスフィールドおよびデフォルトルータアドレスフィールドが完成した状態で、実行メッセージを前記端末の実行エンティティに送信することを特徴とする請求項1から3のうちの一項に記載のハンドオフ方法(1)。
【請求項5】
前記第1実行エンティティ(HOE*)が、前記端末内に位置し、IP-ユーザより下位の接続性を有する前記アクセスネットワークのエンティティにより、ハンドオフの決定後に供給され、かつ、前記端末が接続する前記アクセスポイントにより前記端末に伝送される情報により、前記実行エンティティの前記階層を知ることを特徴とする請求項1から4のうちの一項に記載のハンドオフ方法(1)。
【請求項6】
現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、前記コアネットワークへの第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントとの間で、フローをハンドオフするための方法を実施することを目的とするデバイスであって、前記ネットワークは様々な先出のネットワークおよびアクセスポイントで構成されており、前記端末と対応物との間に識別子がF_IDである前記フローが確立され、前記端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有する、デバイスにおいて、ハンドオフ決定手段(HOD*)と第1実行手段(HOE*)とを備え、前記第1実行手段(HOE*)は、少なくとも1つの他の実行手段(HOE)からなる前記ネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、前記決定手段から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換し、そのため、
フロー識別子と端末識別子との所与の対(F_ID,MN_ID)についてのハンドオフの決定後、前記決定手段(HOD*)が前記第1実行手段(HOE*)に実行命令(HO_Decision)を送信する機能を有し、前記実行命令は前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および前記端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含み、
前記第1実行手段(HOE*)は、
a.前記ネットワークに関連する前記階層の前記実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択する機能と、
b.前記モビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段(HOE)を前記階層から選択する機能と、
c.前記選択した実行手段(HOE)に、前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、フロー方向インジケータ、前記モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、前記選択したプロトコルのインジケータ、前記端末のアドレス(Acquired Address)、デフォルトルータアドレス(Default Route)、および、実行手段が前記端末の更新アドレスを取得する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(Acq)および前記端末の位置を更新する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(LocUpd)という2つのフラグからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信する機能と
を有することを特徴とするデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つのIP型コアネットワーク、前記コアネットワークへの第1アクセスネットワークおよび第2アクセスネットワーク、現在のネットワークと称される、端末が接続する前記第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイント、および、訪問先ネットワークと称される前記第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントを含むネットワークを含む電気通信システムであって、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントとの間でフローをハンドオフする機能を有し、前記端末と対応物との間に識別子がF_IDである前記フローが確立され、前記端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、前記ネットワークはハンドオフ決定手段HOD*および第1実行手段HOE*も含み、前記第1実行手段HOE*は、少なくとも1つの他の実行手段(HOE)からなる前記ネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、前記決定手段から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換する機能を有し、
そのため、フロー識別子と端末識別子との所与の対(F_ID,MN_ID)についてハンドオフの決定を行った後、前記決定手段HOD*は、
前記第1実行手段HOE*に実行命令(HO_Decision)を送信することであって、前記実行命令は前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、現在のアクセスポイントの識別子、訪問先アクセスポイントの識別子、および前記端末レベルでのフロー方向インジケータからなるフィールドを少なくとも含む、実行命令(HO_Decision)を送信する機能を有し、
そのため、前記第1実行手段HOE*は、
前記ネットワークに関連する前記階層の前記実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択する機能と、
前記モビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段(HOE)を前記階層から選択する機能と、
前記選択した実行手段(HOE)に、前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、フロー方向インジケータ、前記モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、前記選択したプロトコルのインジケータ、前記端末のアドレス(Acquired Address)、デフォルトルータアドレス(Default Route)、および、前記実行手段が前記端末の更新アドレスを取得する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(Acq)および前記端末の位置を更新する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(LocUpd)という2つのフラグからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信する機能と
を有することを特徴とする電気通信システム。
【請求項8】
少なくとも1つのIP型コアネットワーク、前記コアネットワークへの第1アクセスネットワークおよび第2アクセスネットワーク、現在のネットワークと称される、端末が接続する前記第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイント、および、訪問先ネットワークと称される前記第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントを含むネットワークを含む電気通信システムを対象とした実行デバイスHOE*であって、前記システムは、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントとの間でフローをハンドオフする機能を有し、前記端末と対応物との間に識別子がF_IDである前記フローが確立され、前記端末は、互いに異なるデータ技術のアクセスネットワークへのアクセスインターフェースと同数の識別子MN_IDを有し、前記ネットワークはハンドオフ決定手段HOD*も含み、
少なくとも1つの他の実行手段HOEからなる前記現在のネットワークの実行手段の階層を考慮に入れることにより、前記決定手段HOD*から生じるハンドオフ実行命令を実行メッセージに変換する機能と、
前記ネットワークに関連する前記階層の前記実行手段がサポートする複数のモビリティプロトコルから1つのモビリティプロトコルを選択する機能と、
前記モビリティプロトコルを実行することを担う少なくとも1つの実行手段(HOE)を前記階層から選択する機能と、
前記選択した実行手段(HOE)に、前記フロー識別子(F_ID)、前記端末識別子(MN_ID)、フロー方向インジケータ、前記モビリティプロトコルを適用しなければならないネットワークインターフェースの識別子、前記選択したプロトコルのインジケータ、前記端末のアドレス(Acquired Address)、デフォルトルータアドレス(Default Route)、および、前記実行手段が前記端末の更新アドレスを取得する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(Acq)および前記端末の位置を更新する責任を負うかどうかを前記実行手段に知らせるためのフラグ(LocUpd)という2つのフラグからなるフィールドを少なくとも含む、それぞれの実行メッセージを送信する機能と
を有することを特徴とする実行デバイスHOE*
【請求項9】
情報媒体上のコンピュータプログラムであって、
現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、前記コアネットワークへの第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントとの間のハンドオフ方法を実施することを目的としたデバイスにロードされ実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載のフローハンドオフ方法(1)を実施するように構成されたプログラム命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
プログラム命令を格納した情報媒体であって、
フローハンドオフ方法を実施することを目的としたデバイスに前記プログラムがロードされ実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載の、現在のネットワークと称される、端末が接続するIP型コアネットワークへの第1アクセスネットワークへの第1アクセスポイントと、訪問先ネットワークと称される、前記コアネットワークへの第2アクセスネットワークへの第2アクセスポイントとの間でフローをハンドオフするための方法(1)を実施するように構成されたプログラム命令を含むことを特徴とする情報媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−517918(P2011−517918A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504505(P2011−504505)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050635
【国際公開番号】WO2009/136089
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】