説明

2またはそれ以上のフィラメント断面を有する不織布

【課題】より高い坪量を有する布と同じ特性を有するより軽い不織布や、さらには、カバレッジおよび厚さが増強しているにもかかわらず、強度および柔軟特性が維持されている不織布の提供。
【解決手段】フィラメントが互いに接合された特定の坪量を有する不織布であって、少なくとも2つの異なる断面を有するフィラメントから構成されていることを特徴とする。不織布は、ナイロンポリマーにより作製されているのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2001年8月17日に出願された特許仮出願第60/313,200号および2001年11月20日に出願された同第60/331,812号の利益を主張する。これらはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、2またはそれ以上のフィラメント断面を有するように作製された新規不織布に関する。複数のフィラメント断面を混合することにより、これらの新規布の好都合な特性が得られる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
不織布およびその多くの用途は、繊維技術分野の当業者には周知である。そのような布は、連続フィラメントおよび/または短繊維のウエブを形成し、繊維対繊維の接触点で繊維を結合させ必要な強度の布を提供することにより、調製することができる。「結合不織布」という用語は、本明細書において、繊維対繊維の結合の大部分が、接着剤をウエブに混入させて繊維を共に「接着させる」ことにより達成される接着剤による結合、あるいはウエブを加熱することによりまたは液体もしくはガス状接合剤を(通常加熱と共に)使用することにより繊維を粘着性とすることにより得られるような自己結合(autogenous bonding)、あるいは十分な結合を促進するためにウエブが機械的圧縮を受ける機械的結合、特に、自己結合である、不織布を示すために使用される。
【0004】
不織布の特性は幾つかの因子により決定され、それらの因子には、布を製造するために使用される方法、使用するポリマーまたはポリマーの組み合わせ、結合方法、結合パターン、布、布の構造、フィラメント断面、フィラメントデニール(dpf)、および布の坪量が挙げられるが、これらに限定されない。通常見られるのは、フィラメント断面が全て円形である、全て3葉形(trilobal)である、または全て中空であるフィラメントを用いて作製された不織布である。これらのフィラメント断面は、布に、不透明性またはカバレッジ(coverage)、厚さ、嵩高性、強度、手触りまたは柔軟性、光沢、コーティングを容易にする繊維表面積、引張り強度、水の吸収、および他の特性など、特定の性質を付与する。
【0005】
ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、または他の人造ポリマーから形成されたスパンボンド不織布が、多くの目的のために商業上広く使用されている。そのような布は、優れた強度、カバレッジ、手触り、および浸透特性を示し、従って建設用布、濾過材料、マットレスパッド、マットレスパッドスカート、医療用布、ならびに家具および寝具用裏当て材料において使用するのに望ましい。布は、溶融ポリマーを1または複数の紡糸口金を通して押出してフィラメントとする周知のスパンボンディング法により作製することができる。米国特許第3,968,307号(特許文献1)、同第4,052,146号(特許文献2)、同第4,406,850号(特許文献3)、同第4,424,257号(特許文献4)、同第4,424,258号(特許文献5)、同第4,830,904号(特許文献6)、同第5,534,339号(特許文献7)、同第5,783,503号(特許文献8)、同第5,895,710号(特許文献9)、同第6,074,590号(特許文献10)および同第6,207,276号(特許文献11)(参照として組み入れられる)において説明されているような二成分または多成分紡糸法を使用して、異なる断面の多成分フィラメントを製造することもできる。フィラメントを空気圧により細くし(attenuated)延伸し、収集表面上に堆積させ、ウエブを形成させる。その後ウエブを共に結合させ、強く密着した布を製造する。フィラメントの結合は、典型的には熱的にまたは化学的に、すなわち自己的に達成される。熱接着は、一対の協働する加熱カレンダーロールのニップ間でフィラメントのウエブを圧縮し、これにより厚さを設定することにより達成される。ナイロンフィラメントの自己結合では、フィラメントのウエブを化学接着ステーションまたはフィラメントを活性化剤(すなわち、HCl)および水蒸気に曝露する「ガスハウス」に移動させる。水蒸気はHClのフィラメント内への浸透を増強し、これによりフィラメントは粘着性となり結合しやすくなる。接着ステーションから離れると、ウエブはロール間を通過し、ロールはウエブを圧縮し、結合させることによって、厚さを設定する。布の毛羽立ち(すなわち、未結合フィラメントの存在)を最小に抑え、布に良好な強度特性を付与するには、十分な結合が必要である。自己結合は、スパンボンドナイロン産業布を形成するのに特に使用されている。機械的圧縮は通常、同様の坪量を有する布の嵩高または厚さを設定する。坪量、すなわち1平方面積あたりの質量を増加させることにより厚さおよび強度を増加させるのが一般的である。
【0006】
多くの用途では、コストの面から、製品特性要求に見合う最も軽い不織布が使用される。より軽い坪量で所望の特性を得て要求を満たす不織布が、コストが低い。そのような布を製造する方法もまた有益である。
【0007】
不織布の厚さまたは嵩高およびカバレッジまたは不透明さは通常坪量により決定される。坪量を増加させると、使用原料が増えるためにコストが増大する。これらの布を使用するいくつかの用途では、坪量を増大させずに厚さまたはカバレッジを増大させることが望ましい。厚さ、カバレッジおよび強度はフィラメント断面に影響を受けることがある。強度、嵩高またはカバレッジがより高い、より軽い布がより望ましく、コストがかからない。
【0008】
様々なコーティング用途においても不織布が使用される。コーティング材料は、より大きな繊維表面積を有する布上で、より効果的に捕捉・保持されるであろう。同じ所望の結果を得るのに使用するコーティングがより少ない布は、よりコスト的に効果的であり望ましい。
【0009】
3葉形フィラメントを用いて作製した布は、鏡のような反射を示す傾向がある。3葉形フィラメントは布におけるカバレッジまたは不透明さを増大させるのに有益であるが、これらの布の鏡のような反射または「光のような輝き」を減少させる必要がある。光輝く効果のない3葉形布のカバレッジを有する布もまた好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,968,307号
【特許文献2】米国特許第4,052,146号
【特許文献3】米国特許第4,406,850号
【特許文献4】米国特許第4,424,257号
【特許文献5】米国特許第4,424,258号
【特許文献6】米国特許第4,830,904号
【特許文献7】米国特許第5,534,339号
【特許文献8】米国特許第5,783,503号
【特許文献9】米国特許第5,895,710号
【特許文献10】米国特許第6,074,590号
【特許文献11】米国特許第6,207,276号
【発明の概要】
【0011】
簡単な概要
本発明は、少なくとも2つの異なる断面を有するフィラメントを含む不織布に関する。本発明はさらに、これらの布を作製するために使用される方法に関する。本明細書で特に例示した態様では、本発明の不織布はナイロンから作製される。不織布は、例えば、同じ紡糸口金における細孔の一部のフィラメント断面を変えることにより、またはスパンボンドビームの対向する側で異なるフィラメント断面を有する紡糸口金を使用することにより作製することができる。
【0012】
本発明はまた、より高い坪量を有する布と同じ特性を有するより軽い布を提供するための好都合な方法を提供する。好ましい態様では、改良されたナイロン不織布は少なくとも2つの異なる断面形状を有するフィラメントを用いることにより作製される。本発明の方法の重要な利点は、カバレッジおよび厚さが増強しているが、不織布の優れた強度および柔軟特性が維持されている布を提供することである。
【0013】
他の態様では、不織布はステープルヤーンを異なる断面のフィラメントと機械的にブレンドしウエブとすることにより作製することができる。その後、このウエブを、接着剤、または、カーディング、ニードルパンチング、エアレイイング(air laying)、ウエットレイイング(wet laying)、ヒドロエンタングリング(hydroentangling)、粉末もしくは接着剤接着、空気接着、熱接着および化学接着など(これらに限定されない)の機械的方法を用いて結合不織布にする。
【0014】
特定の態様では、本発明の布は円形、三日月形、多葉形(multilobal)、卵形、ダイヤモンド形の2またはそれ以上の断面、または空洞断面(中空フィラメント)を有するフィラメントを含む。多葉形フィラメントは少なくとも2つの葉、好ましくは3またはそれ以上の葉を有する。好ましい態様では、多葉形フィラメントは3葉形である。
【0015】
多葉形フィラメントを使用すると、これらのフィラメントはより大きな表面積を有するので、コーティングを最大化するのに特に好都合である。布は約0.5dpf〜約20dpfの範囲のdpfを有しうる。
【0016】
詳細な開示
本発明および好ましい態様の以下の詳細な説明において、本発明を説明する際に特定の用語を使用するが、これらは説明的な意味でのみ使用しており、限定目的で使用していない。この開示により利益を受ける当業者には、本発明がその精神および範囲内で多くの変更および改変を受けやすいことは明らかであると思われる。
【0017】
本発明は、単一の断面のフィラメントを有する布よりも良好な特性を提供する2またはそれ以上の異なる断面のフィラメントを有する不織布に関する。本明細書で使用されるように、2またはそれ以上の断面という場合、断面形状を示す。本発明はさらに、これらの布を作製するために使用される方法に関する。
【0018】
本発明の布は、例えば従来の不織布に比べ増大したカバレッジまたは不透明さを有し、より高い厚みを有するが、同じ坪量およびdpfでの柔軟性および強度が維持されている。好ましい態様では、円形フィラメントを3葉形フィラメントと混合し不織布を作製する。これらの布は、円形断面のみのフィラメントで作製された布に比べ、より大きな不透明性、より強い引張り特性を有し、より多くのコーティング材料を保持する。これは、3葉形フィラメントが布内で密集することにより強度を与え、光を反射することにより不透明性を与えるからである。これらの布はまた、3葉形フィラメントがより多くの表面積を有するため、より多くのコーティング材料を保持する。
【0019】
本発明の不織布は0.1オンス/平方ヤード〜7オンス/平方ヤードの坪量を有する。好ましい態様では、本明細書で説明されるように作製された布の重量は約0.5〜約2.5オンス/平方ヤードである。特定の態様では、布は約1.15オンス/平方ヤードである。本発明の布の特徴は、例えば、円形、三日月形、ダイヤモンド形、卵形、中空、および/または多葉形断面を有するフィラメントを使用して達成される。
【0020】
好ましい態様では、主繊維断面は、円形、多葉形、三日月形、中空、ダイヤモンド形、および卵形からなる群より選択される。本明細書で使用されるように、「主」断面という場合、数において、その断面が、他のいかなる単一の断面よりも、フィラメントのより大きな割合を占めることを意味する。好ましい態様では、主断面は、数において、フィラメントの少なくとも約10%を構成する。より好ましくは、主断面を有するフィラメントは、少なくとも15%を構成する。主断面を有するフィラメントは、数においてフィラメントの最大95%を占めても良い。このように、主断面を有するフィラメントは、数において、フィラメントの約10%〜約95%を構成しうる。割合は10〜95の間の任意のパーセンテージとすることができ、10〜95の間のそのようなパーセンテージはすべて、本主題により具体的に想定される。
【0021】
主フィラメントに加えて、残りのフィラメントは、好ましくは、円形、多葉形、三日月形、中空、ダイヤモンド形、および卵形からなる群より選択される。本明細書で使用されるように、中空フィラメントという場合、フィラメント内に1または複数の空隙があることを想定する。
【0022】
本発明はさらに、少なくとも2つの異なる断面を有するフィラメントを含むこれらの布を製造するための方法に関する。ポリカプロラクタム、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ナイロン10、ナイロン11、およびナイロン12などの(これらに限定されない)任意の人造(合成)ポリマーを使用することができる。人造ポリマーのブレンドまたは混合物を使用することもできる。当業者に周知の複合紡糸または多成分紡糸法を使用して、2またはそれ以上の異なる断面を有する少なくとも2つの異なるポリマー型のフィラメントを製造することができる。
【0023】
布は、例えば、異なる断面の細孔を有する紡糸口金を、スパンボンド機の異なる位置、両側、またはビーム上に取り付けることにより製造することができる。同じ紡糸口金内に異なる細孔断面または細孔サイズを有する紡糸口金を使用することもできる。布はまた、カーディング法を使用し、その後に不織ウエブを作製するための分散法を使用して、繊維を異なる断面のフィラメントとブレンドすることにより製造することもでき、そのような分散法としては、エアレイイングまたはウエットレイイング法、ニードルパンチングまたはヒドロエンタングリングが挙げられるがこれらに限定されるものではない。その後、接着剤または機械的方法を用いて、このウエブを不織布とする。機械的方法としては、粉末もしくは接着剤接着、空気接着、熱接着、または化学接着が挙げられるが、これらに限定されるものではない。フィラメント間の不連続結合は、布の面積の5%〜50%、より好ましくは16%〜24%を占めてもよい。
【0024】
本発明の布はまた、複数の連続フィラメントを押し出し、フィラメントを誘導してスロットまたはジェットなどの細長化装置(attenuation device)を通してフィラメントを延伸し、フィラメントを収集表面上に堆積させ、これによりウエブが形成され、フィラメントを自己的にまたは熱的に結合させて密着した強い布を形成させることにより、製造することもできる。特定の態様では、本発明の布の繊維(フィラメント)は縮らす必要はない。さらなる特定の態様では、繊維は溶融ブローされない。さらなる特定の態様では、フィラメントは連続している。
【0025】
当業者には認識されるように、本明細書でフィラメントの分子配向という場合、フィラメント内のポリマー鎖の整合または配列を意味する。フィラメントを延伸すると分子配向は増大する。スパンボンドフィラメントとは対照的に、溶融ブローフィラメントは延伸されず、そのためポリマー鎖の配向がほとんどまたは全く無い。
【0026】
本発明の特定の態様では、2またはそれ以上のフィラメント断面を有する布は、スロット延伸機構または細長化ジェットを採用するナイロンスパンボンド法を用いて製造することができる。典型的には、ナイロン化合物はナイロン6,6および/またはナイロン6である;しかしながら、ポリマー由来の他の人造繊維を使用することもでき、そのようなポリマーとしてはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、もしくは他のポリアミド、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、混合物、ブレンド、またはコポリマーは、米国特許第5,431,986号および同第5,913,993号に教示されているように使用することができる。これらの特許はどちらも参照として本明細書に組み入れられる。
【0027】
1つの態様では、ポリエチレン、ポリプロピレン、および/またはポリエステルをナイロン材料に添加することができる。これにより、より柔らかい感触が得られ、撥水性が増大する。ポリエチレンの場合、ポリエチレンは約5g/10分〜約200g/10分の間のメルトインデックス、および約0.85g/cc〜約1.1g/ccの間の密度を有するべきである。ポリエチレンは約0.05%〜約20%の濃度で添加することができる。
【0028】
本発明の方法により作製されたナイロンフィラメントは、化学的に、超音波により、または熱的に接着してもよい。1つの態様では、米国特許第3,853,659号(参照として本明細書に組み入れられる)において記述されているように、HClガスおよび水蒸気を適用して接着することができる。他の態様では、フィラメントは、例えば180℃〜約250℃の間の温度まで加熱してもよい。好ましくは、フィラメントは約200℃〜235℃の間の温度まで加熱される。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
本明細書で記述した実施例および態様は説明目的のものにすぎず、これらの実施例および態様に照らして様々な改変および変更が当業者に示唆され、そのような改変および変更が本願の精神および範囲内ならびに添付の請求の範囲内に含まれるものであることが理解されるべきである。
【0030】
実施例1
2またはそれ以上のフィラメント断面を有する不織布サンプルは、デュアル紡糸ビームの1つの側に円形細孔を有する紡糸口金を、もう一方の側に3葉形細孔を有する紡糸口金を取り付けることにより、ナイロン6,6ポリマーを用いて作製することができる。下記の表1に示すように、他の断面の組み合わせを使用することができる。紡糸口金の穴の数は、布中の最小フィラメントの1.5倍より小さいフィラメントを有する布を製造するように調節することができる。同じ数の穴および同じ紡糸口金スループットを有する紡糸口金により全てのフィラメントに対し同じdpfが得られる。ナイロン6,6ポリマーを約295℃の温度で溶融し押し出すことができる。その後フィラメントを、吸引ジェットまたはスロット装置を用いて空気圧により細くし、延伸し、レイダウンボックスまたは形成ボックス上に堆積させることができる。その後、得られたウエブをカレンダーに誘導し、そこで、約216℃の温度で表面積の約20%を不連続点で結合させる。いくらかの3葉形フィラメントを有する布は、円形フィラメントのみを含む布に比べ、同じ坪量でより高い不透明性を有することが期待される。
【0031】
(表1)実施例1に対する断面の可能な組み合わせ

【0032】
比較のために、CEREX Advanced Fabrics, Inc.により商品名「PBN-II」、30型および31型で市販されている布を、それぞれ、ウエブ全体で円形フィラメント、および、ウエブ全体で3葉形フィラメントを用いて作製する。
【0033】
実施例2
細孔の50%を超え95%未満が円形断面であり、残りが3葉形断面である1つの紡糸口金または複数の紡糸口金を取り付けることにより、ナイロン6,6ポリマーを使用して不織布サンプルを作製することができる。同じ紡糸口金に異なる断面を配置すると、全てのフィラメントに対し同じdpfが得られる。
【0034】
ナイロン6,6ポリマーは約295℃の温度で溶融し、押し出すことができる。その後、フィラメントを吸引ジェットまたはスロット装置を用いて空気圧により細くし、延伸し、レイダウンボックスまたは形成ボックス上に堆積させることができる。その後、得られたウエブをカレンダーに誘導し、そこで、表面積の約20%を約216℃の温度で、不連続点で結合させることができる。
【0035】
表1に示したように2つの異なる断面の組み合わせを使用して、サンプル布を作製することができる。任意の可能な組み合わせの中の1またはそれ以上の異なる断面を上記表1の項目に加えることにより、3またはそれ以上のフィラメント断面の組み合わせを作成することができる。異なる断面の各々を有するフィラメントは、フィラメントの総数の少なくとも5%またはそれ以上を構成しなくてはならない。任意の断面を有するフィラメントがウエブの総フィラメントの最大パーセントを占めることができる。例えば、布は40%の中空フィラメント、25%の円形フィラメント、25%の3葉形フィラメント、5%のダイヤモンド形フィラメント、および5%の卵形フィラメントから構成することができる。
【0036】
実施例3
得られたウエブを化学接着ステーションに誘導し、そこでウエブフィラメントを約39℃の温度でHClガスおよび水蒸気を用いて結合させることにより、ウエブを自己結合させることができることを除き、実施例1と同様にナイロン6,6もしくはナイロン6ポリマーまたはそれら両方の組み合わせを使用して不織布サンプルを作製することができる。フィラメントをガスハウス内で共に化学的に接着することにより布を作製する。その後、ウエブをロール処理にかけるとウエブは圧縮されさらに接着される。
【0037】
実施例4
得られたウエブを化学接着ステーションに誘導し、そこでウエブフィラメントを約39℃の温度でHClガスおよび水蒸気を用いて結合させることにより、ウエブを自己結合させることができることを除き、実施例2と同様にナイロン6,6もしくはナイロン6ポリマーまたはそれら両方の組み合わせを使用して不織布サンプルを作製することができる。フィラメントをガスハウス内で共に化学的に接着することにより布を作製する。その後、ウエブをロール処理にかけると、ウエブは圧縮されさらに接着される。
【0038】
実施例5
実施例1において記述されているように、スピンビームの各々の側に紡糸口金を取り付けることにより、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレンを用いて不織布サンプルを作製することができる。特定のポリマーを適当な温度で溶融し、押し出して、十分な紡糸性能を達成しなければならない。その後、フィラメントを吸引ジェットまたはスロット装置を用いて空気圧により細くし、延伸し、レイダウンボックスまたは形成ボックス上に堆積させることができる。その後、得られたウエブをカレンダーに誘導することができ、そこで、ポリマーを基本とするウエブを接着するのに必要とされる適当な温度で、表面積の約20%を不連続点で接着する。
【0039】
実施例6
人造ポリマーの混合物、ブレンド、またはコポリマーを使用して、上記実施例1〜5においで記述されているように不織布サンプルを作製することができる。
【0040】
実施例7
複合紡糸または2成分紡糸法を用いて、上記実施例1〜6においで記述されているように不織布サンプルを作製することができる。
【0041】
実施例8
表1で列挙した組み合わせの異なる断面を有するフィラメントのブレンドを用いて、フィラメントのウエブを作製することができる。異なる断面を有するフィラメントは、フィラメントの総数の少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%またはそれ以上を占めることができる。その後、接着剤、または、カーディング、ニードルパンチング、ウエットレイイング、エアレイイング、ヒドロエンタングリング、粉末もしくは接着剤接着、スルーエア接着、熱接着、または化学接着と通常呼ばれる方法を使用する機械的方法を用いて、ウエブを結合不織布とすることができる。
【0042】
実施例9
異なる断面の混合フィラメントを用いて、上記実施例1〜8で記述したように布を作製することができる。一定の断面によりスペクトル反射が引き起こされることがあり、これはいくつかの用途では望ましくない。スペクトル反射が好ましくない場合、少量の二酸化チタンを添加することができる。
【0043】
実施例10
細孔の少なくとも14.5%が円形断面であり、5%が3葉形断面であり、残りの細孔が卵形、多葉形、中空、三日月形、またはダイヤモンド形断面の組み合わせである、1つまたは複数の紡糸口金を取り付けることにより、ナイロン6,6ポリマーを使用して不織布サンプルを作製することができる。異なる断面を同じ紡糸口金に配置することにより全てのフィラメントに対し同じdpfが得られる。ナイロン6,6ポリマーは約295℃の温度で溶融し、押し出すことができる。その後、フィラメントを吸引ジェットまたはスロット装置を用いて空気圧により細くし、延伸し、レイダウンボックスまたは形成ボックス上に堆積させることができる。その後、得られたウエブをカレンダーに誘導することができ、そこで、約216℃の温度で約20%の表面積を不連続点で結合させる。他のパーセンテージの異なる断面を使用してサンプル布を作製することができる。任意の断面を有するフィラメントが、ウエブの総フィラメントの最も大きなパーセンテージを占めることができる。例えば、布は、40%の中空フィラメント、25%の多葉形、10%の円形フィラメント、10%の3葉形フィラメント、2%のダイヤモンド形フィラメント、8%の三日月形、および5%の卵形フィラメントから構成することができる。
【0044】
本明細書で記述した実施例および態様は説明目的のためのものにすぎず、これらの実施例および態様を考慮すると、当業者には様々な改変または変更が示唆され、これらの改変または変更は本願の精神および範囲内に含まれることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子配向を有する複数のポリマーフィラメントが互いに接合され、0.1オンス/平方ヤード〜7.0オンス/平方ヤードの間の坪量を有する不織ウエブが形成された不織布であって、2またはそれ以上の異なる断面を有するフィラメントを含む不織布。
【請求項2】
主フィラメントが、数でフィラメントの少なくとも約10%を構成する、請求項1記載の不織布。
【請求項3】
主フィラメントが、数でフィラメントの25%〜75%を構成する、請求項1記載の不織布。
【請求項4】
主フィラメントが、円形、多葉形、三日月形、中空、ダイヤモンド形、および卵形からなる群より選択される断面を有する、請求項1記載の不織布。
【請求項5】
主フィラメントが、円形断面を有する、請求項3記載の不織布。
【請求項6】
円形断面を有するフィラメントが、数でフィラメントの約10%〜約95%を構成する、請求項4記載の不織布。
【請求項7】
円形および多葉形フィラメントを含む、請求項1記載の不織布。
【請求項8】
多葉形フィラメントが3葉形である、請求項7記載の不織布。
【請求項9】
フィラメントが、ポリアミド、ポリカプロラクタム、ナイロン11、ナイロン12、もしくはナイロンコポリマー、またはこれらのナイロンポリマーの組み合わせから作製される、請求項1記載の不織布。
【請求項10】
フィラメントが、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールポリマー、またはこれらのポリマーの組み合わせから作製される、請求項1記載の不織布。
【請求項11】
フィラメントが、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールポリマー、またはこれらのポリマーの組み合わせから作製されるコンジュゲート繊維である、請求項1記載の不織布。
【請求項12】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも厚い、請求項1記載の不織布。
【請求項13】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも強い、請求項1記載の不織布。
【請求項14】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも柔らかい、請求項1記載の不織布。
【請求項15】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも不透明な、請求項1記載の不織布。
【請求項16】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも増強された吸い上げ性能を有する、請求項1記載の不織布。
【請求項17】
同じデニールおよび同じ坪量の円形断面フィラメントからなる不織布よりも増強された遮断性能を有する、請求項1記載の不織布。
【請求項18】
スパンボンド布のフィラメントが、布全体の不連続点で互いに自己結合される、請求項1記載の不織布。
【請求項19】
布面積の5%〜50%が布全体の不連続点で互いに結合される、請求項1記載の不織布。
【請求項20】
布面積の16%〜24%が布全体の不連続点で互いに結合される、請求項19記載の不織布。
【請求項21】
分子配向を有すると共に2またはそれ以上の異なる断面を有するフィラメントを含む不織布の製造方法であって、
異なる断面を有する紡糸口金を使用し、フィラメントを形成する過程、および複数のフィラメントを収集表面上に誘導しウエブを形成させる過程を含む、方法。
【請求項22】
不連続な結合部位が、不連続領域でフィラメントのウエブを加熱し、熱接着を形成させることにより布中で形成される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
不連続な熱接着が布面積の5%〜50%を占める、請求項22記載の方法。
【請求項24】
不連続な熱接着が布面積の16%〜24%を占める、請求項23記載の方法。
【請求項25】
フィラメント交差点で自己結合を形成することにより、布中に多種多様な不連続結合部位が形成される、請求項21記載の方法。
【請求項26】
フィラメントがナイロンであり、フィラメント交差点で自己結合を形成する過程が、フィラメントを粘着性のものとしフィラメント交差点で結合を形成させるガスとフィラメントとを接触させる過程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
同じ紡糸口金により、2またはそれ以上の異なる断面を有するフィラメントが形成される、請求項21記載の方法。
【請求項28】
異なる紡糸口金を使用して、2またはそれ以上の異なる断面を有するフィラメントを形成する、請求項21記載の方法。

【公開番号】特開2010−65376(P2010−65376A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261186(P2009−261186)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【分割の表示】特願2003−520887(P2003−520887)の分割
【原出願日】平成14年8月19日(2002.8.19)
【出願人】(504060643)セレックス アドバンスド ファブリクス インコーポレイティッド (1)
【Fターム(参考)】