説明

2位置ズームフォーカスを提供するためのシステム

ビデオ検査デバイスに2位置ズームフォーカス能力を提供するためのシステムであって、一実施形態では、1組の固定されたレールに取り付けられ、ズームレンズセルに接続された焦点レンズセルと1次アパーチャとを備える。一実施形態では、焦点レンズセルは、近位に位置するレンズ移動機構を活性化することによって、レールに沿って第1の位置に移動可能であり、また張力がかかったフォーカススプリングを緩めることによって第2の位置に移動可能である。一実施形態では、第1の焦点位置と第2の焦点位置の間の焦点レンズセルの移動によって、ズームレンズセルおよび2次アパーチャを、対応する第1のズームおよびアパーチャ位置と第2のズームおよびアパーチャ位置との間で移動させて、対象物体の拡大されていない画像および拡大された画像を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された主題は、一般にビデオ検査に関し、より詳細には、ビデオ検査デバイス用の2位置ズームフォーカス光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ内視鏡など検査デバイスは、対象物体を検査するために使用し、検査中および検査後に物体の傷および欠陥を識別し分析することができる。検査は、航空機エンジンおよび細管の内部など、小さい環境内で実施される場合が多い。一般に、これらの環境は、唯一の光源が内視鏡自体の光源(たとえば近くに位置するランプ、LEDもしくはレーザから、または遠位に位置するランプやLEDからの光を透過させる光ファイバ束)だけであり、照明が不十分である。ビデオ検査デバイスは、これらの環境において有効に操作するために、小さい直径、典型的には10mm未満のものであり、また小さい曲げ半径を含む位置を通り抜けるため、小さい遠位の固定長、典型的に20mm未満を示さなければならない。さらに、ビデオ検査デバイスは、対象物体のより完全なビューを提供し、それと同時に検査デバイスが物体の非常に近くに置かれたときに鮮明な画像を維持するための大きい被写界深度を提供するために、典型的には最大120度またはそれ以上の広い視野を提供することに汎用性があることを必要とする。物体を詳細に検査するには、物体を非常に近い距離から、典型的には5mm未満の距離から観察できることが必要である場合が多い。近距離では、照明光は典型的に、明るい高品質画像を生成するのに十分であるが、3D物体の表示には十分な被写界深度が必要である。一方、一般的なデバイスナビゲーションおよび検査のアプリケーションは、検査者がより遠くから物体を見ることが必要である。検査デバイスが所与の検査対象からさらに離れて置かれている場合、十分な画像輝度を維持することが問題となり得る。したがって、ビデオ検査デバイスは、デバイスが所与の検査対象に近づく、またはそこから遠ざかるにつれて変動する照明要件および被写界深度を補償することが可能なアパーチャを必要とする。
【0003】
今日のビデオ検査システムは典型的には、約40度から50度の固定の遠焦点の小さい視野を示す1次光学系からなる。1次光学系は、所与の内視鏡にとって可能な大きい被写界深度の、最高のコントラストおよび輝度の画像を提供する。この構成は、レンズ系をその被写界深度内で検査対象のより近くに押すことによって達成可能な制限された倍率変化に加えて、注目の物体を一般的にナビゲーションし、離れて一般的に検査することを可能にする。より近い焦点距離および/または最大120度のより広い視野で倍率増加を提供するために、プローブの光学特性を変更し、所望の視野および焦点距離を提供するために様々な光学系を検査プローブの前端に設置することができる。これらの光学系は、しばしばチップと呼ばれ、取外し可能であってよい。この配置の欠点は、各チップが個別の視野および焦点距離変更を提供するということである。さらに、ビデオ検査デバイスを操作する検査者は、倍率レベルを変更したい場合は検査部位からプローブを引き戻し、チップを変更し、プローブを再挿入することが必要である。これは、時間のかかる工程となることがあり、検査者が特定の関心部位の位置を再び見つけることができなくなることがある。あるいは、焦点を検査の前に設定できる手動で調整可能なチップもある。しかし、こうしたチップは、検査者がそれを使用する前に、どんな距離でチップの焦点を合わせるべきか分かっており、次いでその焦点を後に正確に設定できなければならないので、検査者が使用するのは難しいことがある。
【0004】
今日のビデオ検査デバイスは一般に、オートフォーカス機構がなく、典型的な検査距離範囲にわたって十分な画像品質を生成するのに十分な大きい被写界深度を有する固定の焦点距離を有するように設計された光学系を含む。この固定の焦点距離があることによって、限られた範囲を除いて、すべてのプローブ焦点距離が可能な最良の焦点、画像品質、コントラストおよび解像度をもつとは限らないことになる。さらに、大きい被写界深度を達成するために、小さい開口サイズが一般に使用され、画像輝度および達成可能な画像コントラストおよび解像度が減少する。一般に、アパーチャは、サイズおよび位置が固定であり、特定のレンズ系直径を考慮して所望の被写界深度を容易にし、かつ固定のFの数をもたらす所与のレンズ配置に関連するひずみおよび他の光学収差を最小限に抑えるように設計される。これは本質的に、遠い検査距離で明瞭で明るい画像を提供しながら、近い検査距離で許容可能な被写界深度内の良好な画像品質を達成するという矛盾する目標をもたらす。
【0005】
光学ズーミング、フォーカス調整およびアパーチャ変更を実施できるビデオ検査システムの設計は、部分的には、狭い直径の検査プローブに付随する空間制限、およびプローブの制限された空間内にその焦点距離を変更できる光学系を置くことができないという理由から制約を受ける。一部のデバイスは、内視鏡内に収容するのが難しい複数のレンズおよび/またはモータからなる高価で複雑な光学配置を使用して光学ズーム能力およびフォーカス調整能力を提供しようと試みる。いくつかの既存のビデオ検査デバイスはズーミング能力を提示するが、ズーム特徴は典型的には、デジタルズーム、電荷結合素子(CCD:charged coupled device)またはイメージャによって提供された解像度により制限される方法のものである。デジタルズーム系では、ズームレベルが上がるにつれて、解像度および画像品質は劣化する。
【0006】
ビデオ検査デバイスが動作する典型的なビデオ検査環境の物理的条件は、検査デバイスが汎用性のある、堅固なものであることを求める。空間制限のために、ビデオ検査デバイスの遠位端は、固定の厳密な長さのものでなければならない。さらに、高温のエンジンやタービンなど、最大摂氏80度の環境内でビデオ検査デバイスを操作することができることは、検査を実施する前にまずエンジンまたはタービンが冷却されるのを待つのとは対照的に、必要かつ費用効率の高いものであり得る。最後に、典型的なビデオ検査環境は、プローブが潜在的に落下を受け、または潜在的にプローブに他の物体が当たるという工業設定であり得るので、ビデオ検査デバイスは、厳しい環境および偶発的な誤処理に耐えることができるほど機械的に強くなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−069269号公報
【発明の概要】
【0008】
ビデオ点検デバイス分野外のカメラに用いられる従来のズームおよびフォーカス系は、その大きさ、および検査分野で遭遇する極端な環境で動作できないことによってその応用がビデオ検査分野に制限される。内視鏡検査環境で使用するのに適した少なくとも2つのズームフォーカス位置を光学系に設けるビデオ検査デバイスを提供することが有利である。
【0009】
対象物体を撮像するための光学系が開示され、この光学系は、焦点レンズセルおよびズームレンズセルが移動可能に取り付けられるレールと、少なくとも1つの焦点レンズと、焦点レンズ上の入射光の量を制限する1次アパーチャとを備える焦点レンズセルであって、レール上の第1の焦点位置とレール上の第2の焦点位置とを有し、第1の焦点位置が、第2の焦点位置とは異なる被写界深度を有する、焦点レンズセルと、少なくとも1つのズームレンズを備えるズームレンズセルであって、レール上の第1のズーム位置とレール上の第2のズーム位置とを有し、第1のズーム位置が第2のズーム位置とは異なる倍率を有する、ズームレンズセルと、焦点レンズセルの近くの2次アパーチャであって、焦点レンズセルの前で移動可能であり、第1のアパーチャ位置と第2のアパーチャ位置とを有し、第1のアパーチャ位置が、第2のアパーチャ位置とは異なる量の光が焦点レンズに入射することを可能にする、2次アパーチャと、レールに沿って軸方向に焦点レンズセルを移動させるレンズ移動機構とを備え、レンズ移動機構が、焦点レンズセルを第2の焦点位置から第1の焦点位置にレールに沿って軸方向に移動して、2次アパーチャを第2のアパーチャ位置から第1のアパーチャ位置にレールに沿って軸方向に移動させ、ズームレンズセルを第2のズーム位置から第1のズーム位置にレールに沿って軸方向に移動させて、被写界深度、倍率、および焦点レンズへの入射光の量を変更する。
【0010】
本開示の特徴を理解できるように、添付の図面にその一部が示されている特定の実施形態を参照することによって本発明の詳細な説明を得ることができる。しかし、本発明の範囲が他の同様に有効な実施形態を包含するものであるので、図面は、本開示の特定の実施形態を示すものにすぎず、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきでないことに留意されたい。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、一般には、本発明の特定の実施形態の特徴を示すことに重点を置いている。したがって、本発明についてさらに理解するために、図面と併せ読まれる下記の詳細な説明を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における例示的なビデオ検査デバイスを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における、プルブロック(pull block)が取り除かれた第1の位置の例示的な2位置ズームフォーカス光学系を示す内部透視図である。
【図3】本発明の一実施形態における、プルブロックが設置された第1の位置の例示的な2位置ズームフォーカス光学系を示す内部透視図である。
【図4】本発明の一実施形態における1次アパーチャおよび2次アパーチャを示す例示的な焦点レンズセルの透視図である。
【図5】本発明の一実施形態における、プルブロックが取り除かれた第2の位置の例示的な2位置ズームフォーカス光学系を示す内部透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の例示的なビデオ検査デバイス10を示している。ビデオ検査デバイス10は、挿入チューブ110と、挿入チューブ110の遠位端に位置するヘッドアセンブリ120とを備える細長いプローブ100を含むことができる。挿入チューブ110は、ヘッドアセンブリ120とプローブ電子機器140の間のすべての相互接続が通される柔軟な管状部であってよい。ヘッドアセンブリ120は、対象物体からの光をイメージャ124に誘導し収束させるためにズームフォーカスモジュール200を含んでよい。イメージャ124は、対象物体の画像を得るためのソリッドステートCCDまたはCMOS画像センサであってよい。
【0013】
チップ130は、ヘッドアセンブリ120の遠位端に置くことができる。チップ130は、対象物体からの光をイメージャ124に誘導し収束させるためにズームフォーカスモジュール200と連携して働くチップ表示光学系135(たとえばレンズ、ウィンドウまたはアパーチャ)を含むことができる。チップ130は、ビデオ検査デバイス10の光源がチップ130、またはプローブ100から対象物体に光を通過させる光通過素子(図示せず)から放射される場合、照明LED(図示せず)を含むこともできる。チップ130は、カメラビューおよび光出力を側面に向けるための導波管(たとえばプリズム)を含むことによって側視する能力を提供することもできる。チップ130に含まれてよい素子は、プローブ100にも含まれてよい。プローブ100とチップ130の両方の中のレンズ、導波管およびウィンドウは、成型グラス、磨きガラスまたは磨きサファイアで構成されてよい。
【0014】
イメージャ124は、複数の行および列で形成された複数のピクセルを含むことができ、イメージャ124の各ピクセルに入射する光を表すアナログ電圧の形の画像信号を生成することができる。画像信号は、信号バッファリングおよび調整のための電子機器を提供するイメージャハイブリッド126を介してイメージャハーネス112に伝播することができ、このイメージャハーネス112は、イメージャハイブリッド126とイメージャインターフェース電子機器142との間の制御信号およびビデオ信号のためのワイヤを提供する。イメージャインターフェース電子機器142は、電源と、イメージャクロック信号を生成するタイミング発生器と、イメージャビデオ出力信号をデジタル化するアナログフロントエンドと、デジタル化された画像ビデオデータをより有用なビデオ形式へと処理するデジタル信号プロセッサとを含んでよい。
【0015】
イメージャインターフェース電子機器142は、ビデオ検査デバイス10を操作するための機能の集合を提供するプローブ電子機器140の一部である。プローブ電子機器140は、プローブ100および/またはチップ130のための較正データを格納する較正メモリ148を含むこともできる。利得および露出設定を決定し設定するためにイメージャインターフェース電子機器142と通信し、較正メモリ148からの較正データを格納し読み出し、対象物体に送られた光を制御し、ビデオ検査デバイス10のCPU 150と通信するためのマイクロコントローラ146もまた、プローブ電子機器140に含まれてよい。
【0016】
マイクロコントローラ146と通信することに加えて、イメージャインターフェース電子機器142は、1つまたは複数のビデオプロセッサ160と通信することもできる。ビデオプロセッサ160は、イメージャインターフェース電子機器142からビデオ信号を受信し、一体型ディスプレイ170または外部モニタ172を含めて様々なモニタに出力信号を出力することができる。一体型ディスプレイ170は、様々な画像またはデータ(たとえば対象物体の画像、メニュー、カーソル、測定結果)を検査者に表示するためのビデオ検査デバイス10に組み込まれたLCD画面であってよい。外部モニタ172は、様々な画像またはデータを表示するためにビデオ検査デバイス10に接続されたビデオモニタまたはコンピュータタイプのモニタであってよい。
【0017】
ビデオプロセッサ160は、CPU 150への/からのコマンド、ステータス情報、ストリームビデオ、静止ビデオ画像およびグラフィカルオーバーレイを提供することができ、画像キャプチャ、画像強調、グラフィカルオーバーレイマージ、歪み補正、フレーム平均化、スケーリング、デジタルズーミング、オーバーレイ、マージ、フリッピング、動き検出、およびビデオフォーマット変換および圧縮を提供するFPGA、DSP画像または他の処理要素で構成されてもよい。
【0018】
CPU 150は、画像、ビデオおよびオーディオの記憶および呼戻し機能、ズームフォーカス制御、システム制御および測定処理を含めて多数の他の機能を提供することに加えて、画像、ジョイスティック180、ボタン182および/またはキーパッド184を介して入力を受信することによってユーザインターフェースを管理するために使用することができる。ジョイスティック180は、ユーザによって、メニュー選択、カーソル移動、スライダ調整、ズームフォーカスモジュール200の移動、およびプローブ100の明瞭度制御などの操作を実施するために操作することができ、またプッシュボタン機能を含んでよい。ボタン182および/またはキーパッド184は、メニュー選択、およびCPU 150へのユーザコマンド提供(たとえば静止ビデオ画像の凍結または保存)に使用することもできる。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態の例示的なズームフォーカスモジュール200の内部透視図を示している。中心軸201は、ズームフォーカスモジュール200の中心を通って縦方向に伸びている。ズームフォーカスモジュール200は、フレーム244によって接続されたキャリッジ遠位端242と近位端243を有し得るズームフォーカスキャリッジ240を含んでよく、このフレーム244は、ズームフォーカスモジュール200のコンポーネントをその中に移動可能に取り付けることができる剛構造を提供する。ズームフォーカスキャリッジ240は、様々な材料、たとえばステンレス鋼や合金で作ることができる。一実施形態では、ズームフォーカスキャリッジ240およびフレーム244は、単一の材料で構成される。さらに、少なくとも1つのレール245は、中心軸201に実質的に平行に近位端243と遠位端242の間で縦方向に延びることができる。一実施形態では、2つ以上の円筒形状のレール245は、ズームフォーカスキャリッジ240に固定可能に取り付けることができる。ズームレンズセル220は、キャリッジ遠位端242の近くに位置することができ、ズームレンズフレーム225に囲まれた少なくとも1つの光学ズームレンズ221(図示せず)を備えることができる。ズームレンズフレーム225は、様々な材料、たとえばステンレス鋼や合金で作ることができる。ズームレンズセル220は、ズームレンズフレーム225の外側表面に付けられた、1つまたは複数のズームフレームアーム226によってレール245に移動可能に取り付けることができる。一実施形態では、ズームフレームアーム226およびズームレンズフレーム225は、単一の材料で構成される。レール245は、光学ズーム能力を提供するためにズームレンズセル220がレール245に沿って実質的に中心軸201に平行に移動できるように、ズームフレームアーム226の開口部を通って伸びる。さらに、少なくとも1つのズームフレームスクリュアーム227を、ズームレンズフレーム225の外側表面に取り付けることができる。
【0020】
ズームレンズセル220に隣接して、焦点レンズセル230を置くことができ、この焦点レンズセル230は、焦点レンズフレーム235に囲まれた少なくとも1つの焦点レンズ231(図示せず)を備えることができる。焦点レンズフレーム235は、様々な材料、たとえばステンレス鋼、合金で作ることができる。一実施形態では、焦点レンズセル230は、ズームレンズセル220の近くに置くことができる。焦点レンズセル230は、焦点レンズフレーム235の外側表面に付けることができる少なくとも1つの焦点フレームレールアーム236によってレール245に移動可能に取り付けることができる。一実施形態では、縦方向に整列され、間隔をあけて位置する焦点フレームレールアーム236の2つ以上の対によって、焦点レンズセル230が2つ以上のレール245に取り付けられる。レール245は、光学焦点能力を提供するために焦点レンズセル230が、固定された近くに位置するイメージャ124に対してレール245に沿って、中心軸201に沿って縦方向に移動できるように、焦点フレームレールアーム236の開口部を通って、焦点レンズセル230に平行に延びる。さらに、ねじ切り穴を有する少なくとも1つの焦点フレームスクリュアーム237は、焦点レンズフレーム235の外側表面に取り付けることができる。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの縦方向に整列されたズーム調整ねじ260は、ズーム調整ねじ260の遠位端をズームレンズセル220に向かって焦点レンズセル230の遠位端を超えてズームフレームスクリュアーム227へと進めて、ズームレンズセル220を焦点レンズセル230と相互接続できるように、少なくとも1つの焦点フレームスクリュアーム237のねじ切り穴を通って、焦点レンズセル230の外側表面に沿って中心軸201に実質的に平行に伸びる。ズームレンズセル220は、ズーム調整ねじ260に沿って近位にスライドすることも、遠位にスライドすることもできるが、ズーム調整ねじ260の遠位端を超えて伸びることはできない。ズーム調整ねじ260は、さらに様々なレンズおよび部品公差に適応するように、製造中に焦点位置およびズーム位置を調整および較正することをも可能にする。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態におけるプルブロックが取り付けられた第1の位置の例示的な2位置ズームフォーカス光学系を示す内部透視図である。図3に示されたように、焦点レンズセル230の周囲には、1つまたは複数の円筒状プルブロック250がある。プルブロック250は、焦点レンズセル230を囲み、焦点レンズセル230およびフレーム244を収容するように形作られたくぼんだ内部空洞を有することができる。さらに、プルブロック250の内部表面に刻み目を付けることによって、プルブロック250がレール245上で、またそれに沿ってスライドすることが可能になる。プルブロック250の側面に沿って伸びる1つまたは複数の開口部255によって、焦点フレームレールアーム236は、摩擦でプルブロック250とかみ合い、焦点レンズセル230をプルブロック250と相互接続することが可能となる。レンズ制御ケーブル202の遠位端は、プルブロック250で終端されてよい。したがって、プルブロック250と焦点レンズセル230がかみ合うので、レンズ制御ケーブル202の遠位または近位の動きによって、プルブロック250と焦点レンズセル230の両方がレール245に沿って遠位または近位に動く。
【0023】
図4は、本発明の一実施形態における、1次アパーチャおよび2次アパーチャを示す例示的な焦点レンズセルの透視図である。図4を参照すると、焦点レンズ231(図示せず)からの中心軸201に沿って、1次アパーチャ290が遠位に置かれてよい。アパーチャ290の中心は、中心軸201と整列されてよい。一実施形態では、1次アパーチャ290は、焦点レンズセル230の一部であってよい。1次アパーチャ290は、所定量の光がズームレンズセル220から焦点レンズ231上に入射することを可能にする。焦点レンズフレーム235内の1次アパーチャ290から遠位には、焦点レンズフレーム235の側面を通って伸びる開口部を備える2次アパーチャスロット215が置かれてよい。焦点レンズフレーム235内の1次アパーチャ290から遠位には、第1の端を通って延びる2次アパーチャスロット215と、第2の端を通って延びるピボット穴293とを有する2次アパーチャアーム295も置かれてよい。ズーム調整ねじ260は、2次アパーチャアーム295が焦点レンズフレーム235内の2次アパーチャスロット215を通って、また1次アパーチャ290の前で、ズーム調整ねじ260に実質的に垂直に、ズーム調整ねじ260の周りで自由に回転できるように、ピボット穴293を通過する。1次アパーチャ290の前で回転されるとき、2次アパーチャ292の中心は、中心軸201と実質的に合わせることができる。一実施形態では、2次アパーチャ292は、中心軸201に沿って1次アパーチャ290の前で回転される場合、1次アパーチャ290より小さいことがあり、それによって、中心軸201に沿って1次アパーチャ290の前で回転されるとき、ズームレンズセル220から焦点レンズセル230に入射する光の量をさらに制限することができる。ズーム調整ねじ260に取り付けられた2次アパーチャアーム295の端から外側に伸びるのは、アパーチャピボットピン217であってよい。焦点レンズセル230、1次アパーチャ290、2次アパーチャ292およびズーム調整ねじ260はすべて相互接続されているので、レンズ制御ケーブル202が動くと、これらの構成要素すべてが、レール245に沿って実質的に中心軸201に平行にそろって動くことになる。
【0024】
図5は、本発明の一実施形態における、プルブロックが取り除かれた第2の位置の例示的な2位置ズームフォーカス光学系を示す内部透視図である。図5を参照すると、ズームフォーカスモジュール200を包んでいるのは、ズームフォーカスモジュール外側シェル210であってよい。ズームフォーカスモジュール外側シェル210は、様々な材料、たとえばステンレス鋼、合金またはプラスチックで作ることができ、検査環境の危険からズームフォーカスモジュール200の構成要素が保護される。一部の実施形態は、ズームフォーカスモジュール外側シェル210を囲む追加の外側シェルを含んでよい。この追加の外側シェルは、密封の遠位窓を含み、それによって液体がズームモジュール200を入らないようにし、追加の外側シェルの遠位端は、様々なチップ取付けに対応するようにねじ切りをすることができる。ズームフォーカスモジュール外側シェル210の遠位端の近くには、アパーチャカムスロット216が置かれてよい。アパーチャカムスロット216は、ズームフォーカスモジュール200の中心軸201に関して斜めにできる方向にズームフォーカスモジュール外側シェル210に沿って伸びるズームフォーカスモジュール外側シェル210内の狭い開口部であってよい。組み立てられるとき、アパーチャピボットピン217は、ズームフォーカスモジュール200内の中心軸201に沿って焦点レンズセル230が動くとアパーチャピボットピン217がアパーチャカムスロット216内でスライドして、ズーム調整ねじ260の周りで2次アパーチャアーム295を回転するように、アパーチャカムスロット216を通って延びる。アパーチャピボットピン217がアパーチャカムスロット216の近接端に位置する場合は、2次アパーチャ292は、回転させて1次アパーチャ290の前の中心軸201に合わせ、第1のアパーチャ位置にすることができる。アパーチャピボットピン217がアパーチャカムスロット216の遠位端に位置する場合は、2次アパーチャ292は、中心軸201から離れてズームフォーカスモジュール外側シェル210の内部壁に向かって回転させて、第2のアパーチャ位置にすることができる。
【0025】
図1から図4を再び参照すると、最も遠位に位置する焦点フレームレールアーム236とズームフレームアーム226の間のレール245の周りに、少なくとも1つのズームスプリング280が置かれてよい。一実施形態では、ズームスプリング280は、2つのレール245の各レールの周りに置くことができる。焦点レンズセル230の近位端とイメージャ124の間、最も近位の焦点フレームレールアーム236とズームフォーカスキャリッジ240の近位端243の間のレール245の周りに、少なくとも1つのフォーカススプリング270が置かれてよい。一実施形態では、フォーカススプリング270は、2つのレール245の各レールの周りに置かれてよい。一実施形態では、焦点レンズセル230がズームフォーカスモジュール200内で遠位に移動されるとき、ズームスプリング280を圧縮することができ、またフォーカススプリング270を緩めることができる。したがって、この実施形態では、焦点レンズセル230がズームフォーカスモジュール200内で近位に移動される場合、ズームスプリング280を緩めることができ、フォーカススプリング270を圧縮することができる。
【0026】
一実施形態では、レンズ移動機構144は、レンズ制御ケーブル202の近位端に取り付けることができ、レンズ制御ケーブル202に張力をかけ、所定の第1のズームフォーカス位置を達成するために中心軸201に沿ってズームフォーカスモジュール200内の所定距離で近位に、または所定の第2のズームフォーカス位置を達成するために所定距離で遠位に移動するように作動させることができる。一実施形態では、レンズ移動機構144は、電気モータであってよい。他の実施形態では、レンズ移動機構144は、空気アクチュエータであってもよいし、ソレノイドであってもよい。レンズ制御ケーブル202を近位に移動することによって、レンズ制御ケーブル202内に、フォーカススプリング270によって及ぼされた遠位に向けられた力より大きいことがある張力をもたらすことができ、それによって、焦点レンズセル230をキャリッジ近位端243に向かって引き、フォーカススプリング270を圧縮することができる。さらに、アパーチャピボットピン217は、アパーチャカムスロット216に沿って近位に移動して、2次アパーチャ292を第2のアパーチャ位置から、1次アパーチャ290の前の第1のアパーチャ位置へと回転することができる。焦点レンズセル230が近位に移動するときのズームスプリング280の減圧によって、ズームレンズセル220の近位端を焦点レンズセル230の遠位端に対して中心軸201に沿って遠位に押すことができる第1のズーム位置から、ズームレンズセル220を焦点レンズセル230の遠位端から、ズーム調整ねじ260の遠位端によって決まる距離に遠位に移動できる第2のズーム位置に、ズームレンズセル220を強制的に動かすことができる。
【0027】
これらの動作で、第1のズームフォーカス位置を達成することができ、すなわち焦点レンズセル230は、ズームフォーカスモジュール200内の中心軸201に沿って近い位置の第1の焦点位置に移動されており、2次アパーチャ295は、1次アパーチャ290前の第1のアパーチャ位置へと回転させることができ、ズームレンズセル220は、焦点レンズセル230から所定距離遠位に移動されて、第1のズーム位置に移動している。さらに、ズームレンズセル220がズーム調整ねじ260によって焦点レンズセル230に取り付けられるので、ズームレンズセル220は、焦点レンズセル230の遠位端から遠位に移動されるにもかかわらず、中心軸201に沿って所定距離近位に移動している。
【0028】
一実施形態では、第1のズームフォーカス位置で、ズームフォーカスモジュール200は、より小さい2次アパーチャ292を使用する対象物体の拡大画像を提供して、それによって、焦点レンズ231への入射光の量を制限することができる。そうする際に、ズームフォーカスモジュール200内の焦点レンズセル230およびズームレンズセル220の位置は、システムがイメージャ124上で対象物体のフォーカスされた拡大画像を生成する小さい被写界深度を有するように予め定めることができる。しかしながら、光学部品のそれぞれ異なる配置を有する異なる実施形態は、類似の移動を用いて反対の結果をもたらすことができ、すなわちズームフォーカスモジュール200内の焦点レンズセル230およびズームレンズセル220の位置は、イメージャ124上で対象物体のフォーカスされた、拡大されない画像を生成する大きい被写界深度をシステムが有するように予め定めてよいことが当業者には理解されよう。
【0029】
一実施形態では、レンズ移動機構144を非活性化することによって、レンズ制御ケーブル202の張力を緩め、焦点レンズセル230を遠位に移動させ、第2のズームフォーカス位置を達成することができる。レンズ移動機構144の非活性化の結果生じるフォーカススプリング270の減圧によって、ズーム調整ねじ260に沿って焦点レンズセル230を遠位に押すことができる。ズーム調整ねじ260を遠位に移動することによって、ズームレンズセル220の遠位端が第2のズーム位置を定義するズームフォーカスキャリッジ240の遠位端242に接触するまで、ズームレンズセル220が第1のズーム位置から遠位に移動されることになる。ズームスプリング280の圧縮に必要な力の量は、フォーカススプリング270の減圧によって及ぼされるものより小さいことがあるので、焦点レンズセル230は、遠位に移動し続け、ズームスプリング280を圧縮し、焦点レンズセル230の遠位端がズームレンズセル220の近位端と接触するときに停止する。さらに、アパーチャピボットピン217は、アパーチャカムスロット216に沿って遠位に移動して、2次アパーチャ292を1次アパーチャ290から離れて、第1のアパーチャ位置から第2のアパーチャ位置へと回転させることができる。これらの動作で、第2のズームフォーカス位置を達成することができ、すなわち焦点レンズセル230は、焦点レンズセル230の遠位端を中心軸201に沿ってズームレンズセル220の近位端に対して圧縮することができるように第1の焦点位置から第2の焦点位置に遠位に移動されており、2次アパーチャ292は、1次アパーチャ290から離れて、第1のアパーチャ位置から第2のアパーチャ位置へと回転させることができ、ズームレンズセル220は、ズームレンズセル220の遠位端がズームフォーカスキャリッジ240の遠位端242に接触できるように第1のズーム位置から第2のズーム位置に移動している。
【0030】
一実施形態では、第2のズームフォーカス位置で、ズームフォーカスモジュール200は、より大きい1次アパーチャ290を使用し、それによって焦点レンズ231への入射光の量を増加することによって、対象物体の明るい、拡大されていない画像を生成することができる。そうする際に、ズームフォーカスモジュール200内の焦点レンズセル230の位置およびズームレンズセル220の位置は、システムがイメージャ124上で対象物体のフォーカスされた明るい、拡大されていない画像を生成するために大きい被写界深度を有するように予め定めることができる。しかしながら、光学部品のそれぞれ異なる配置を有する異なる実施形態は、類似の移動を用いて反対の結果をもたらすことができ、すなわちズームフォーカスモジュール200内の焦点レンズセル230およびズームレンズセル220の位置は、イメージャ124上で対象物体のフォーカスされた、拡大された画像を生成するために小さい被写界深度をシステムが有するように予め定めてよいことが当業者には理解されよう。
【0031】
レンズ移動機構144をズームフォーカスモジュール200の外に置くことによって、ズームフォーカスモジュール200内に追加の空間を提供して、それによって、2位置ズームフォーカス能力を提供するより大きく、より単純で、より信頼できる、コスト効率の高い機構を使用することが可能になる。さらに、第2のズームフォーカス位置を達成するためにスプリングまたは他の弾性のあるデバイスを使用する実施形態によって、追加のレンズ移動機構を不要にすることができる。この手法は、より大きく、それほど複雑でない機構、電子機器、光学機器を可能にすることによって、光学系の信頼性および耐久性を向上させるだけでなく、コストをも減少させることもできる。
【0032】
本明細書に述べられた例示的な実施形態はすべて、ズームレンズセル220に近い焦点レンズセル230に焦点を当てているが、それだけに限らないがズームレンズセル220、焦点レンズセル230、1次アパーチャ290および2次アパーチャ292を含めて光学系の様々な構成要素の設計および構成を、同じ光学効果をもたらしながら再構成することができる代替実施形態を設計可能であることが当業者には理解されよう。
【0033】
本書は、最良の形態を含めて本発明を開示し、また任意のデバイスまたはシステムを作成し使用し、組み込まれたいずれかの方法を実施することを含めて当業者が本発明を実施することを可能にするためにも例を用いている。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の例を含み得る。他のこうした例は、特許請求の範囲の文言とは異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と僅かにしか異ならない均等な構造的要素を含む場合は、特許請求の範囲内のものとする。
【符号の説明】
【0034】
100 プローブ
110 挿入チューブ
112 イメージャハーネス
120 ヘッドアセンブリ
124 イメージャ
126 イメージャハイブリッド
130 チップ
135 チップ表示光学系
140 プローブ電子機器
142 イメージャインターフェース電子機器
144 レンズ移動機構
146 マイクロコントローラ
148 較正メモリ
150 CPU
160 ビデオプロセッサ
170 一体型ディスプレイ
172 外部モニタ
180 ジョイスティック
182 ボタン
184 キーパッド
200 ズームフォーカスモジュール
201 中心軸
202 レンズ制御ケーブル
210 ズームフォーカスモジュール外側シェル
215 2次アパーチャスロット
216 アパーチャカムスロット
217 アパーチャピボットピン
220 ズームレンズセル
221 光学ズームレンズ
225 ズームレンズフレーム
226 ズームフレームアーム
227 ズームフレームスクリュアーム
230 焦点レンズセル
231 焦点レンズ
235 焦点レンズフレーム
236 焦点フレームレールアーム
237 焦点フレームスクリュアーム
240 ズームフォーカスキャリッジ
242 遠位端
243 近位端
244 フレーム
245 レール
250 プルブロック
255 開口部
260 ズーム調整ねじ
270 フォーカススプリング
280 ズームスプリング
290 1次アパーチャ
292 2次アパーチャ
295 2次アパーチャアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体を撮像するための光学系であって、
焦点レンズセルおよびズームレンズセルが移動可能に取り付けられるレールであり、
前記焦点レンズセルが、少なくとも1つの焦点レンズと、前記焦点レンズ上の入射光の量を制限する1次アパーチャとを備え、前記焦点レンズセルが、前記レール上の第1の焦点位置と前記レール上の第2の焦点位置とを有し、前記第1の焦点位置が、前記第2の焦点位置とは異なる被写界深度を有し、
前記ズームレンズセルが、少なくとも1つのズームレンズを備え、前記ズームレンズセルが、前記レール上の第1のズーム位置と前記レール上の第2のズーム位置とを有し、前記第1のズーム位置が、前記第2のズーム位置とは異なる倍率を有する、レールと、
前記焦点レンズセルの近くの2次アパーチャであって、前記焦点レンズセルの前で移動可能であり、第1のアパーチャ位置と第2のアパーチャ位置とを有し、前記第1のアパーチャ位置が、前記第2のアパーチャ位置とは異なる量の光が前記焦点レンズに入射することを可能にする、2次アパーチャと、
前記レールに沿って軸方向に前記焦点レンズセルを移動させるレンズ移動機構とを備え、
前記レンズ移動機構が、前記焦点レンズセルを前記第2の焦点位置から前記第1の焦点位置に前記レールに沿って軸方向に移動して、前記2次アパーチャを前記第2のアパーチャ位置から前記第1のアパーチャ位置に前記レールに沿って軸方向に移動させ、前記ズームレンズセルを前記第2のズーム位置から前記第1のズーム位置に前記レールに沿って軸方向に移動させて、前記被写界深度、前記倍率、および前記焦点レンズへの前記入射光の量を変更する、光学系。
【請求項2】
フォーカススプリングをさらに備え、前記フォーカススプリングが、前記焦点レンズセルを前記第1の焦点位置から前記第2の焦点位置に前記レールに沿って軸方向に移動させ、前記2次アパーチャを前記第1のアパーチャ位置から前記第2のアパーチャ位置に移動させ、前記ズームレンズセルを前記第1のズーム位置から前記第2のズーム位置に前記レールに沿って軸方向に移動させて、前記被写界深度、前記倍率、および前記焦点レンズへの前記入射光の量を変更する、請求項1記載の光学系。
【請求項3】
前記レンズ移動機構が電気モータを備える、請求項1記載の光学系。
【請求項4】
前記レンズ移動機構が空気アクチュエータを備える、請求項1記載の光学系。
【請求項5】
前記レンズ移動機構がソレノイドを備える、請求項1記載の光学系。
【請求項6】
前記レンズ移動機構がさらに、前記焦点レンズセルを前記第1の焦点位置から前記第2の焦点位置に前記レールに沿って軸方向に移動させ、前記2次アパーチャを前記第1のアパーチャ位置から前記第2のアパーチャ位置に移動させ、前記ズームレンズセルを前記第1のズーム位置から前記第2のズーム位置に前記レールに沿って軸方向に移動させて、前記被写界深度、前記倍率、および前記焦点レンズへの前記入射光の量を変更する、請求項3記載の光学系。
【請求項7】
前記レンズ移動機構がさらに、前記焦点レンズセルを前記第1の焦点位置から前記第2の焦点位置に前記レールに沿って軸方向に移動させ、前記2次アパーチャを前記第1のアパーチャ位置から前記第2のアパーチャ位置に移動させ、前記ズームレンズセルを前記第1のズーム位置から前記第2のズーム位置に前記レールに沿って軸方向に移動させて、前記被写界深度、前記倍率、および前記焦点レンズへの前記入射光の量を変更する、請求項4記載の光学系。
【請求項8】
前記レンズ移動機構がさらに、前記焦点レンズセルを前記第1の焦点位置から前記第2の焦点位置に前記レールに沿って軸方向に移動させ、前記2次アパーチャを前記第1のアパーチャ位置から前記第2のアパーチャ位置に移動させ、前記ズームレンズセルを前記第1のズーム位置から前記第2のズーム位置に前記レールに沿って軸方向に移動させて、前記被写界深度、前記倍率、および前記焦点レンズへの前記入射光の量を変更する、請求項5記載の光学系。
【請求項9】
前記焦点レンズセルと前記ズームレンズセルを接続するズーム調整スクリュと、
前記焦点レンズセルと前記ズームレンズセルの間に位置するズームスプリングであって、前記ズームレンズセルの第2のズーム位置から前記第1のズーム位置への前記移動が、前記ズームスプリングによって、また前記焦点レンズセルの第2の焦点位置から前記第1の焦点位置への前記移動によって引き起こされる、ズームスプリングとをさらに備える、請求項1記載の光学系。
【請求項10】
前記焦点レンズセルと前記ズームレンズセルを接続するズーム調整スクリュと、
前記焦点レンズセルと前記ズームレンズセルの間に位置するズームスプリングであって、前記ズームレンズセルの第1のズーム位置から前記第2のズーム位置への前記移動が、前記ズームスプリングによって、また前記焦点レンズセルの第1の焦点位置から前記第2の焦点位置への前記移動によって引き起こされる、ズームスプリングとをさらに備える、請求項2記載の光学系。
【請求項11】
アパーチャカムスロットを有するズームフォーカスモジュール外側シェルをさらに備え、前記2次アパーチャがアパーチャピボットピンをさらに備え、前記アパーチャカムスロットに沿って前記アパーチャピボットピンが移動することによって前記2次アパーチャが前記第1のアパーチャ位置と前記第2のアパーチャ位置の間で移動することになる、請求項1記載の光学系。
【請求項12】
前記焦点レンズセルの2次アパーチャスロットをさらに備え、前記2次アパーチャの前記第2の位置から前記第1の位置への前記移動が、前記2次アパーチャスロットを通る前記2次アパーチャの回転である、請求項1記載の光学系。
【請求項13】
前記第1の焦点位置の前記被写界深度が、前記第2の焦点位置の前記被写界深度より小さい、請求項1記載の光学系。
【請求項14】
前記第1のズーム位置の前記倍率が、前記第2のズーム位置の前記倍率より大きい、請求項1記載の光学系。
【請求項15】
前記第1のアパーチャ位置の前記焦点レンズへの前記入射光の量が、前記第2のアパーチャ位置の前記焦点レンズへの前記入射光の量より小さい、請求項1記載の光学系。
【請求項16】
前記第1の焦点位置の前記被写界深度が、前記第2の焦点位置の前記被写界深度より小さい、請求項2記載の光学系。
【請求項17】
前記第1のズーム位置の前記倍率が、前記第2のズーム位置の前記倍率より大きい、請求項2記載の光学系。
【請求項18】
前記第1のアパーチャ位置の前記焦点レンズ上の前記入射光の量が、前記第2のアパーチャ位置の前記焦点レンズ上の前記入射光の量より小さい、請求項2記載の光学系。
【請求項19】
前記1次アパーチャが前記2次アパーチャより大きい、請求項1記載の光学系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515973(P2013−515973A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545949(P2012−545949)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/055607
【国際公開番号】WO2011/078921
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512163266)ジーイー・インスペクション・テクノロジーズ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】