2倍速データの出力装置及び出力方法
【課題】HDCAM SR(登録商標)フォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元可能にする。
【解決手段】テープ状記録媒体VTから、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生し、再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリー2に書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzでメモリー2から読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタ13,14に出力する。
【解決手段】テープ状記録媒体VTから、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生し、再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリー2に書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzでメモリー2から読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタ13,14に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VTRを2倍速再生する際のオーディオデータの出力装置及び出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルハイビジョン(1920H×1080V)に対応したVTRフォーマットとして、本出願人が提唱したHDCAM SR(登録商標)フォーマットが存在している。 HDCAM SRフォーマットでは、1フィールド分のビデオデータの記録領域がトラックの前後に分かれており、その間に1フィールド分のオーディオデータの記録領域が設けられる。オーディオデータのサンプリング周波数は、48kHzである。また、オーディオデータのチャンネル数は12chであり、1フィールド分のオーディオデータの記録領域に1チャンネル目〜12チャンネル目のデータが順番に記録される。
【0003】
フィールド周波数が59.94Hzのビデオデータを記録する場合、オーディオデータのサンプリングレートがフィールド周波数の整数倍にならず、そのままでは1フィールド分のオーディオデータのサンプル数が(1/59.94Hz)/(1/48kHz)=800.8と計算される。
【0004】
そこで、この場合には、図1に示すように、連続する5フィールドを単位として、1フィールド目のビデオデータ‘picture1’に対応して800サンプル分のオーディオデータ‘audio1(800)’を記録し、2〜5フィールド目のビデオデータ‘picture2’〜 ‘picture5’に対応してそれぞれ801サンプル分のオーディオデータ‘audio2(801)’〜‘audio5(801)’を記録するようにしている。
【0005】
図2は、このビデオデータ‘picture1’〜‘picture5’とオーディオデータ‘audio1(800)’〜‘audio5(801)’との磁気テープ上での記録位置を示す図である。1フィールド目のビデオデータ‘picture1’がトラックの前後に分かれて記録され(2分されたビデオデータを‘picture1(1/2)’,‘picture1(2/2)’と示している)、その間の領域にオーディオデータ‘audio1(800)’が記録される。2〜5フィールド目についても同じである。なお、図2では便宜上1フィールド分のビデオデータが記録されるトラックを1本のトラックのように描いているが、実際には12本のトラックを用いて1フィールド分のビデオデータが記録される。
【0006】
図2では図示を省略しているが、各ビデオデータ‘picture1’〜‘picture5’の記録位置の手前(磁気ヘッドで最初に読み出される位置)には、データの先頭を示すスタート信号が記録される。また、各オーディオデータ‘audio1(800)’〜‘audio5(801)’の記録位置の手前には、1単位となっている5フィールドのうちの何番目のフィールドに対応するオーディオデータであるかを識別する(したがってサンプル数が800であるか801であるかを識別する)5フィールドIDが記録される。5フィールドIDは、値が0〜4であり、1フィールド目に対応するオーディオデータである(サンプル数が800である)ことを値0で示し、2,3,4,5フィールド目に対応するオーディオデータである(サンプル数が801である)ことをそれぞれ値1,2,3,4で示すようになっている。
【0007】
HDCAM SRフォーマットでは、記録再生モードとしては、1倍速モード(ビデオデータのデータレート:440Mbps)と2倍速モード(ビデオデータのデータレート:880Mbps)とがサポートされている。したがって、1倍速で記録したデータを1倍速で再生するだけでなく、1倍速で記録したデータを2倍速で再生することも可能である。
【0008】
〔1倍速再生の場合〕
図3は、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータを1倍速で再生してSMPTE292MによるHD−SDI信号として伝送する場合の、HDCAM SRフォーマットのVTRにおけるオーディオデータの出力系を示すブロック図である。磁気テープTPから再生ヘッドPBによって読み出された信号に対し、復号部20で波形整形及び復号処理を施された後、ECCデコーダ21で誤り訂正される。そして、ECCデコーダ21から、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ22に出力される。
【0009】
オーディオプロセッサ22は、このオーディオデータを、ビデオデータに埋め込む(エンベッドする)オーディオデータとしてHD−SDIトランスミッタ23に出力する。
【0010】
図4は、ECCデコーダ21から出力されるオーディオデータと、HD−SDIトランスミッタ23から出力されるオーディオデータとを示す図である。図4(a)のように、ECCデコーダ21からは、‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…というように本来の順番で連続したオーディオデータがオーディオプロセッサ22に出力される。
【0011】
オーディオプロセッサ22は、このオーディオデータを‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…のままの順番でHD−SDIトランスミッタ23に出力する。図4(b)のように、HD−SDIトランスミッタ23から出力されるオーディオデータは、ビデオデータの隙間に埋め込まれているので見かけ上フィールド単位で区切られているが、やはり‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…というように本来の順番で連続している。
【0012】
図5は、オーディオプロセッサ22が出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。HD−SDI信号には16チャンネル分のオーディオデータを埋め込むことが可能である。HD−SDIトランスミッタ23には、この16チャンネル分のオーディオデータを入力するための8個の入力端子I1〜I8が設けられている。オーディオプロセッサ22は、このうちの6個の入力端子I1〜I6に対して、1サンプリング周期毎に、2チャンネル分を一塊としてオーディオデータを出力する。
【0013】
すなわち、オーディオプロセッサ22は、或るサンプリング周期SC1では、入力端子I1〜I6に対して下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータの一部であるch1_0と、チャンネルch2のデータの一部であるch2_0とを、入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch3のデータの一部であるch3_0と、チャンネルch4のデータの一部であるch4_0とを、入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch5のデータの一部であるch5_0と、チャンネルch6のデータの一部であるch6_0とを、入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch7のデータの一部であるch7_0と、チャンネルch8のデータの一部であるch8_0とを、入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch9のデータの一部であるch9_0と、チャンネルch10のデータの一部であるch10_0とを、入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch11のデータの一部であるch11_0と、チャンネルch12のデータの一部であるch12_0とを、入力端子I6に対して出力する。
【0014】
また、その次のサンプリング周期SC2では、オーディオプロセッサ22は、入力端子I1〜I6に対して下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータのうちch1_0に続くデータch1_1と、チャンネルch2のデータのうちch2_0に続くデータch2_1とを、入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch3のデータのうちch3_0に続くデータch3_1と、チャンネルch4のデータのうちch4_0に続くデータch4_1とを、入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch5のデータのうちch5_0に続くデータch5_1と、チャンネルch6のデータのうちch6_0に続くデータch6_1とを、入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch7のデータのうちch7_0に続くデータch7_1と、チャンネルch8のデータのうちch8_0に続くデータch8_1とを、入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch9のデータのうちch9_0に続くデータch9_1と、チャンネルch10のデータのうちch10_0に続くデータch10_1とを、入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch11のデータのうちch11_0に続くデータch11_1と、チャンネルch12のデータのうちch12_0に続くデータch12_1とを、入力端子I6に対して出力する。
【0015】
以下同様にして、1サンプリング周期毎に、チャンネルch1及びch2のデータを一塊として入力端子I1に対して出力し、チャンネルch3及びch4のデータを一塊として入力端子I2に対して出力し、チャンネルch5及びch6のデータを一塊として入力端子I3に対して出力し、チャンネルch7及びch8のデータを一塊として入力端子I4に対して出力し、チャンネルch9及びch10のデータを一塊として入力端子I5に対して出力し、チャンネルch11及びch12のデータを一塊として入力端子I6に対して出力していく。
【0016】
〔2倍速再生の場合〕
以上は1倍速再生の場合の説明であるが、次に、1倍速で記録したデータを2倍速で再生する場合について検討する。2倍速再生したビデオデータをHD−SDI信号として伝送する場合には、SMPTE372M(非特許文献1)によるデュアルリンクHD−SDIに準拠したLINK-AのHD−SDIトランスミッタとLINK-BのHD−SDIトランスミッタとが必要となる。
【0017】
【非特許文献1】SMPTE 372M PROPOSED SMPTE STANDARD for Television − Dual LINK 292M Interface for 1920×1080 Picture Raster
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図6は、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してHD−SDI信号として伝送する場合の、HDCAM SRフォーマットのVTRにおけるオーディオデータの出力系の一案を示すブロック図である(前出の図3と共通する部分には同一符号を付している)。
【0019】
磁気テープTPを走行させる回転ドラム(図示略)の回転周波数が、1倍速再生時の2倍にされる。そして、磁気テープTPから再生ヘッドPBによって2倍速で読み出された信号が、切替スイッチ10により、奇数番目のフィールドのデータ(前出の図1や図2に示した‘picture1’及び‘audio1(800)’, ‘picture3’及び‘audio3(801)’,‘picture5’及び‘audio5(801)’)の記録トラックからの信号と偶数番目のフィールドのデータ(図1や図2に示した ‘picture2’及び‘audio2(801)’,‘picture4’及び‘audio4(801)’)の記録トラックからの信号とに振り分けて、それぞれキャッシュメモリー11−1とキャッシュメモリー11−2とに書き込まれる。
【0020】
キャッシュメモリー11−1,11−2に書き込まれた信号は、それぞれ書き込み時の2分の1のレートでキャッシュメモリー11−1,11−2から読み出されることによって1倍速の信号に変換される。
【0021】
キャッシュメモリー11−1,11−2からのこの1倍速の信号は、それぞれ復号部20−1,20−2(図3の復号部20と同一構成のもの)で波形整形及び復号処理を施された後、それぞれECCデコーダ21−1,21−2(図3のECCデコーダ21と同一構成のもの)で誤り訂正される。
【0022】
ECCデコーダ21−1,21−2からは、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ12に出力される。このようにして、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生されたオーディオデータが、オーディオプロセッサ12に送られる。
【0023】
2倍速再生時のオーディオデータのデータ量は、1倍速再生時の2倍の24チャンネル分になる。1系統のHD−SDI信号に埋め込むことが可能なオーディオデータは16チャンネル分なので、オーディオプロセッサ12は、オーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIに準拠したLINK-AのHD−SDIトランスミッタ13とLINK-BのHD−SDIトランスミッタ14とに振り分けて出力する。
【0024】
図7は、ECCデコーダ21−1,21−2から出力されるオーディオデータと、HD−SDIトランスミッタ13,14から出力されるオーディオデータとを示す図である。図7(a)のように、ECCデコーダ21−1からは、‘audio1(800)’,‘audio3(801)’,‘audio5(801)’,‘audio7(801)’,…というように、奇数フィールドのビデオデータに対応したオーディオデータがオーディオプロセッサ12に出力される。
【0025】
図7(b)のように、ECCデコーダ21−2からは、ECCデコーダ21−1からのオーディオデータと並列して、‘audio2(801)’,‘audio4(801)’,‘audio6(801)’,‘audio8(801)’,…というように、偶数フィールドのビデオデータに対応したオーディオプロセッサ22に出力される。
【0026】
オーディオプロセッサ22は、ECCデコーダ21−1からのオーディオデータをそのままの順番でHD−SDIトランスミッタ13に出力し、ECCデコーダ21−2からのオーディオデータをそのままの順番でHD−SDIトランスミッタ14に出力する。
【0027】
HD−SDIトランスミッタ13,14は、各フィールドのビデオデータに、一定のサンプル数のオーディオデータを埋め込む。例えばこの一定のサンプル数が801サンプルであるとした場合、HD−SDIトランスミッタ13は、図7(c)のように、‘audio1(800)’は800サンプルであり1サンプル不足するので、次の‘audio3(801)’の先頭の1サンプル(図7(c)の[s1])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。
【0028】
また、これによって今度は‘audio3(801)’のほうが800サンプルとなって1サンプル不足するので、次の‘audio5(801)’の先頭の1サンプル(図7(c)の[s2])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。また、これによって今度は‘audio5(801)’のほうが800サンプルとなって1サンプル不足するので、次のオーディオデータ(図示略)の先頭の1サンプル(図7(c)の[s3])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。以下も、同様な処理を繰り返す。
【0029】
HD−SDIトランスミッタ14のほうは、図7(d)のように、‘audio2(801)’, ‘audio4(801)’は801サンプルなのでそのままビデオデータに埋め込んで出力するが、‘audio6(800)’が800サンプルであり1サンプル不足するので、次のオーディオデータ(図示略)の先頭の1サンプル(図7(d)の[s4])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。以下も、同様な処理を繰り返す。
【0030】
ところが、このようなオーディオデータを埋め込んだデュアルリンクHD−SDI信号がHD−SDIトランスミッタ13,14から出力されると、デュアルリンクHD−SDI信号を受信する側の機器(例えば番組制作システムに用いられるビデオサーバー)で、元通りの連続したオーディオデータを復元できなくなる。
【0031】
図8は、このHD−SDIトランスミッタ13,14の出力から受信側の機器で復元されるオーディオデータを示す図である。受信側の機器では、LINK-AのHD−SDIレシーバから出力されるオーディオデータと、LINK-BのHD−SDIレシーバから出力されるオーディオデータとを交互に並べていくことによってオーディオデータを復元する。しかし、このようにして復元されたオーディオデータは、‘audio1(800)’と‘audio2(801)’との間に‘audio3(801)’の先頭の1サンプルである[s1](図7(c)に示した[s1]と同じもの)が存在し、‘audio3(801)’と‘audio4(801)’との間に‘audio5(801)’の先頭の1サンプルである[s2](図7(c)に示した[s2]と同じもの)が存在し、…というように、時間的な順番が前後してしまうので、元通りの連続したオーディオデータにならない。
【0032】
本発明は、上述の点に鑑み、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側の機器で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
この課題を解決するため、本発明に係る2倍速データの出力装置は、
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う再生部と、
前記再生部によって並列的に再生される奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力するオーディオ処理部と
を備えたことを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る2倍速データの出力方法は、
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う第1のステップと、
前記第1のステップで並列的に再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出す第2のステップと、
前記第2のステップで前記メモリーから読み出したオーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する第3のステップと
を有することを特徴とする。
【0035】
この出力装置,出力方法では、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータに対応する48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータのうち、奇数フィールドに対応するオーディオデータと、偶数フィールドに対応するオーディオデータとが、並列的に再生されることによって2倍速再生された後、メモリーに書き込まれ、対応するフィールドの順番に96kHzでメモリーから読み出される。そして、このメモリーから読み出されたオーディオデータが、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力される。
【0036】
したがって、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタには、1倍速再生の場合について図4(b)に示したのと同じく、本来の順番で連続したオーディオデータが出力される。
【0037】
これにより、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。図9は、本発明を適用したHDCAM SRフォーマットのVTRにおける2倍速再生用のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。(前出の図6と共通する部分には同一符号を付している)。
【0040】
磁気テープTPを走行させる回転ドラム(図示略)の回転周波数が、1倍速再生時の2倍にされる。そして、磁気テープTPから再生ヘッドPBによって2倍速で読み出された信号が、切替スイッチ10により、奇数番目のフィールドのデータ(前出の図1や図2に示した‘picture1’及び‘audio1(800)’, ‘picture3’及び‘audio3(801)’,‘picture5’及び‘audio5(801)’)の記録トラックからの信号と偶数番目のフィールドのデータ(図1や図2に示した ‘picture2’及び‘audio2(801)’,‘picture4’及び‘audio4(801)’)の記録トラックからの信号とに振り分けて、それぞれキャッシュメモリー11−1とキャッシュメモリー11−2とに書き込まれる。
【0041】
キャッシュメモリー11−1,11−2に書き込まれた信号は、それぞれ書き込み時の2分の1のレートでキャッシュメモリー11−1,11−2から読み出されることによって1倍速の信号に変換される。
【0042】
キャッシュメモリー11−1,11−2からのこの1倍速の信号は、それぞれ復号部20−1,20−2で波形整形及び復号処理を施された後、それぞれECCデコーダ21−1,21−2で誤り訂正される。
【0043】
ECCデコーダ21−1,21−2からは、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ1に出力される。このようにして、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生されたオーディオデータが、オーディオプロセッサ1に送られる。
【0044】
また、ECCデコーダ21−1,21−2からは、各フィールドのデータの記録トラックの先頭位置から読み出されたスタート信号ST1,ST2(各フィールドのデータの先頭を示す信号)と、各フィールドのデータの記録トラックのオーディオデータの記録位置の手前から読み出された5フィールドID(オーディオデータのサンプル数が800であるか801であるかを識別するID)1D1,1D2とが、オーディオプロセッサ12に出力される。
【0045】
オーディオプロセッサ1の内部には、メモリー2と、このメモリー2を制御するメモリーコントローラ3とが設けられている。メモリーコントローラ3は、スタート信号ST1,ST2及び5フィールドID1D1,1D2を用いて、ECCデコーダ21−1,21−2からのオーディオデータをメモリー2に書き込む際のライトアドレスを生成し、そのライトアドレスの領域にECCデコーダ21−1,21−2からのオーディオデータを書き込む。
【0046】
図10(a)〜(h)は、メモリーコントローラ3が生成するメモリー2のライトアドレスを示す図である。或るフィールド周期FC1において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値0の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの800サンプルのオーディオデータ‘audio1(800)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス0〜799(図10(d))を生成する。
【0047】
また、このフィールド周期FC1において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値1の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio2(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス800〜1600(図10(h))を生成する。
【0048】
続いて、次のフィールド周期FC2において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値2の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio3(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス1601〜2401(図10(d))を生成する。
【0049】
また、このフィールド周期FC2において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値3の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio4(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス2402〜3202(図10(h))を生成する。
【0050】
続いて、次のフィールド周期FC3において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値4の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio5(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス3203〜4003(図10(d))を生成する。
【0051】
また、このフィールド周期FC3において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値0の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの800サンプルのオーディオデータ‘audio6(800)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス4004〜4803(図10(h))を生成する。
【0052】
続いて、次のフィールド周期FC4において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値1の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio7(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス4804〜5604(図10(d))を生成する。
【0053】
また、このフィールド周期FC4において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値2の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio8(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス5605〜6405(図10(h))を生成する。
【0054】
以下、このような処理を繰り返す。これにより、連続するオーディオデータであるオーディオデータ‘audio1(800) ’,‘audio2(801)’,‘audio3(801) ’,‘audio4(801) ,‘audio5(801)’,‘audio6(800) ’,‘audio7(801) ,‘audio8(801) ,…が、メモリー2の連続するライトアドレス0〜799,800〜1600,1601〜2401,2402〜3202,3203〜4003,4004〜4803,4804〜5604,5605〜6405,…の領域に書き込まれていく。
【0055】
メモリーコントローラ3は、このようにしてメモリー2に書き込んだオーディオデータを、書き込み時の2倍のレート(すなわち96kHz)で、且つ、リードアドレス0〜799,800〜1600,1601〜2401,2402〜3202,3203〜4003,4004〜4803,4804〜5604,5605〜6405,…0を順に生成することによって対応するフィールドの順番にメモリー2から読み出す。
【0056】
図10(i)〜(j)は、このリードアドレス及びメモリー2からの読み出しデータを示す図である。‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’, ,‘audio6(800)’,…というように本来の順番で連続したサンプリング周波数96kHzのオーディオデータが読み出される。
【0057】
図11は、図10のうちの図10(g),(c)及び(j)を抜き出すことにより、ECCデコーダ21−1,21−2から出力されるオーディオデータと、メモリー2から読み出されるオーディオデータとの関係を示した図である。ECCデコーダ21−1,21−2からは奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとが並列的に出力されるが、メモリー2からは本来の順番で連続するように並び替えられたオーディオデータ(ただしサンプリング周波数は2倍の96kHzのもの)が読み出される。
【0058】
オーディオプロセッサ1は、このオーディオデータを‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’, ,‘audio6(800)’,…のままの順番でHD−SDIトランスミッタ13,14に出力する。
【0059】
図12は、オーディオプロセッサ1が出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。LINK-A,LINK-BのHD−SDI信号にはそれぞれ16チャンネル分ずつのオーディオデータを埋め込むことが可能である。HD−SDIトランスミッタ13,14には、それぞれこの16チャンネル分のオーディオデータを入力するための8個の入力端子I1〜I8が設けられている。ただし、オーディオプロセッサ1から出力されるオーディオデータは、サンプリング周波数96kHzであることからデータ量が2倍になっているので、LINK-A,LINK-BのHD−SDI信号に埋め込むことのできるチャンネル数は半分の8チャンネル分となる。
【0060】
オーディオプロセッサ1は、メモリー2から読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてHD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8に対して出力し、9チャンネル目から12チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I8のうちの入力端子I1〜I4に対して出力する。
【0061】
すなわち、オーディオプロセッサ1は、或るサンプリング周期SC1では、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8及びHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して、下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータの一部であるch1_0及びそれに続くデータch1_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch2のデータの一部であるch2_0及びそれに続くデータch2_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch3のデータの一部であるch3_0及びそれに続くデータch3_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch4のデータの一部であるch4_0及びそれに続くデータch4_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch5のデータの一部であるch5_0及びそれに続くデータch5_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch6のデータの一部であるch6_0及びそれに続くデータch6_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I6に対して出力する。
・チャンネルch7のデータの一部であるch7_0及びそれに続くデータch7_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I7に対して出力する。
・チャンネルch8のデータの一部であるch8_0及びそれに続くデータch8_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I8に対して出力する。
・チャンネルch9のデータの一部であるch9_0及びそれに続くデータch9_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch10のデータの一部であるch10_0及びそれに続くデータch10_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch11のデータの一部であるch11_0及びそれに続くデータch11_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch12のデータの一部であるch12_0及びそれに続くデータch12_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I4に対して出力する。
【0062】
また、その次のサンプリング周期SC2では、オーディオプロセッサ1は、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8及びHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して、下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータch1_1に続くデータch1_2及びそれに続くデータch1_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch2のデータch2_1に続くデータch2_2及びそれに続くデータch2_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch3のデータch3_1に続くデータch3_2及びそれに続くデータch3_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch4のデータch4_1に続くデータch4_2及びそれに続くデータch4_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch5のデータch5_1に続くデータch5_2及びそれに続くデータch5_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch6のデータch6_1に続くデータch6_2及びそれに続くデータch6_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I6に対して出力する。
・チャンネルch7のデータch7_1に続くデータch7_2及びそれに続くデータch7_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I7に対して出力する。
・チャンネルch8のデータch8_1に続くデータch8_2及びそれに続くデータch8_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I8に対して出力する。
・チャンネルch9のデータch9_1に続くデータch9_2及びそれに続くデータch9_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch10のデータch10_1に続くデータch10_2及びそれに続くデータch10_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch11のデータch11_1に続くデータch11_2及びそれに続くデータch11_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch12のデータch12_1に続くデータch12_2及びそれに続くデータch12_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I4に対して出力する。
【0063】
以下同様にして、1サンプリング周期毎に、チャンネルch1〜ch8のデータをそれぞれ連続させてHD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8に対して出力し、チャンネルch9〜ch12のデータをそれぞれ連続させてHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して出力していく。
【0064】
このように、このオーディオデータの出力系からは、1倍速再生の場合について図4(b)に示したのと同じく、本来の順番で連続しオーディオデータがHD−SDIトランスミッタ13,14に出力される。
【0065】
これにより、HD−SDIトランスミッタ13,14から出力されるデュアルリンクHD−SDI信号を受信する側の機器(例えば番組制作システムに用いられるビデオサーバー)で、簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになる。(オーディオデータのサンプリング周波数は、必要に応じて、受信側の機器でメモリー等を用いて96kHzから48kHzに戻せばよい。)
【0066】
なお、以上の実施の形態では、2倍速再生を行う方法として、回転ドラムの回転周波数を1倍速再生時の2倍にし、磁気テープTPから2倍速で読み出された信号を、切替スイッチ10で奇数フィールドの信号と偶数フィールドの信号とに振り分けた後、キャッシュメモリー11−1,11−2で1倍速の信号に変換している。しかし、2倍速再生を行う別の方法として、回転ドラムの回転周波数を1倍速再生時と同じにしたまま、再生ヘッドの数を2倍にして、一方の再生ヘッドで奇数フィールドの信号を読み出すのと同時に、もう一方の再生ヘッドで偶数フィールドの信号を読み出すようにしてもよい。
【0067】
また、以上の実施の形態では、HDCAM SRフォーマットに本発明を適用している。しかし、本発明は、HDCAM SRフォーマット以外のVTRフォーマットであっても、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されるフォーマットであれば同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】フィールド周波数59.94Hzの場合の1フィールドあたりのオーディオデータの記録サンプル数を示す図である。
【図2】図1のビデオデータ,オーディオデータの磁気テープ上での記録位置を示す図である。
【図3】1倍速再生の場合のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。
【図4】図3のECCデコーダ,HD−SDIトランスミッタから出力されるオーディオデータを示す図である。
【図5】図3のオーディオプロセッサが出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。
【図6】2倍速再生の場合のオーディオデータの出力系の一案を示すブロック図である。
【図7】図6のECCデコーダ,HD−SDIトランスミッタから出力されるオーディオデータを示す図である。
【図8】図7のHD−SDIトランスミッタの出力から受信側の機器で復元されるオーディオデータを示す図である。
【図9】本発明を適用した2倍速再生用のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。
【図10】図9のメモリーのライトアドレス及びリードアドレスを示す図である。
【図11】図9のECCデコーダから出力されるオーディオデータと、図9のメモリーから読み出されるオーディオデータとの関係を示す図である。
【図12】図9のオーディオプロセッサが出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 オーディオプロセッサ、 2 メモリー、 3 メモリーコントローラ、 10 切替スイッチ、 11−1,11−2 キャッシュメモリー、 13 LINK-AのHD−SDIトランスミッタ、 14 LINK-BのHD−SDIトランスミッタ、 20−1,20−2 復号部、 21−1,21−2 ECCデコーダ、 TP 磁気テープ、 PB 再生ヘッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、VTRを2倍速再生する際のオーディオデータの出力装置及び出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルハイビジョン(1920H×1080V)に対応したVTRフォーマットとして、本出願人が提唱したHDCAM SR(登録商標)フォーマットが存在している。 HDCAM SRフォーマットでは、1フィールド分のビデオデータの記録領域がトラックの前後に分かれており、その間に1フィールド分のオーディオデータの記録領域が設けられる。オーディオデータのサンプリング周波数は、48kHzである。また、オーディオデータのチャンネル数は12chであり、1フィールド分のオーディオデータの記録領域に1チャンネル目〜12チャンネル目のデータが順番に記録される。
【0003】
フィールド周波数が59.94Hzのビデオデータを記録する場合、オーディオデータのサンプリングレートがフィールド周波数の整数倍にならず、そのままでは1フィールド分のオーディオデータのサンプル数が(1/59.94Hz)/(1/48kHz)=800.8と計算される。
【0004】
そこで、この場合には、図1に示すように、連続する5フィールドを単位として、1フィールド目のビデオデータ‘picture1’に対応して800サンプル分のオーディオデータ‘audio1(800)’を記録し、2〜5フィールド目のビデオデータ‘picture2’〜 ‘picture5’に対応してそれぞれ801サンプル分のオーディオデータ‘audio2(801)’〜‘audio5(801)’を記録するようにしている。
【0005】
図2は、このビデオデータ‘picture1’〜‘picture5’とオーディオデータ‘audio1(800)’〜‘audio5(801)’との磁気テープ上での記録位置を示す図である。1フィールド目のビデオデータ‘picture1’がトラックの前後に分かれて記録され(2分されたビデオデータを‘picture1(1/2)’,‘picture1(2/2)’と示している)、その間の領域にオーディオデータ‘audio1(800)’が記録される。2〜5フィールド目についても同じである。なお、図2では便宜上1フィールド分のビデオデータが記録されるトラックを1本のトラックのように描いているが、実際には12本のトラックを用いて1フィールド分のビデオデータが記録される。
【0006】
図2では図示を省略しているが、各ビデオデータ‘picture1’〜‘picture5’の記録位置の手前(磁気ヘッドで最初に読み出される位置)には、データの先頭を示すスタート信号が記録される。また、各オーディオデータ‘audio1(800)’〜‘audio5(801)’の記録位置の手前には、1単位となっている5フィールドのうちの何番目のフィールドに対応するオーディオデータであるかを識別する(したがってサンプル数が800であるか801であるかを識別する)5フィールドIDが記録される。5フィールドIDは、値が0〜4であり、1フィールド目に対応するオーディオデータである(サンプル数が800である)ことを値0で示し、2,3,4,5フィールド目に対応するオーディオデータである(サンプル数が801である)ことをそれぞれ値1,2,3,4で示すようになっている。
【0007】
HDCAM SRフォーマットでは、記録再生モードとしては、1倍速モード(ビデオデータのデータレート:440Mbps)と2倍速モード(ビデオデータのデータレート:880Mbps)とがサポートされている。したがって、1倍速で記録したデータを1倍速で再生するだけでなく、1倍速で記録したデータを2倍速で再生することも可能である。
【0008】
〔1倍速再生の場合〕
図3は、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータを1倍速で再生してSMPTE292MによるHD−SDI信号として伝送する場合の、HDCAM SRフォーマットのVTRにおけるオーディオデータの出力系を示すブロック図である。磁気テープTPから再生ヘッドPBによって読み出された信号に対し、復号部20で波形整形及び復号処理を施された後、ECCデコーダ21で誤り訂正される。そして、ECCデコーダ21から、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ22に出力される。
【0009】
オーディオプロセッサ22は、このオーディオデータを、ビデオデータに埋め込む(エンベッドする)オーディオデータとしてHD−SDIトランスミッタ23に出力する。
【0010】
図4は、ECCデコーダ21から出力されるオーディオデータと、HD−SDIトランスミッタ23から出力されるオーディオデータとを示す図である。図4(a)のように、ECCデコーダ21からは、‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…というように本来の順番で連続したオーディオデータがオーディオプロセッサ22に出力される。
【0011】
オーディオプロセッサ22は、このオーディオデータを‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…のままの順番でHD−SDIトランスミッタ23に出力する。図4(b)のように、HD−SDIトランスミッタ23から出力されるオーディオデータは、ビデオデータの隙間に埋め込まれているので見かけ上フィールド単位で区切られているが、やはり‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’,…というように本来の順番で連続している。
【0012】
図5は、オーディオプロセッサ22が出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。HD−SDI信号には16チャンネル分のオーディオデータを埋め込むことが可能である。HD−SDIトランスミッタ23には、この16チャンネル分のオーディオデータを入力するための8個の入力端子I1〜I8が設けられている。オーディオプロセッサ22は、このうちの6個の入力端子I1〜I6に対して、1サンプリング周期毎に、2チャンネル分を一塊としてオーディオデータを出力する。
【0013】
すなわち、オーディオプロセッサ22は、或るサンプリング周期SC1では、入力端子I1〜I6に対して下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータの一部であるch1_0と、チャンネルch2のデータの一部であるch2_0とを、入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch3のデータの一部であるch3_0と、チャンネルch4のデータの一部であるch4_0とを、入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch5のデータの一部であるch5_0と、チャンネルch6のデータの一部であるch6_0とを、入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch7のデータの一部であるch7_0と、チャンネルch8のデータの一部であるch8_0とを、入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch9のデータの一部であるch9_0と、チャンネルch10のデータの一部であるch10_0とを、入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch11のデータの一部であるch11_0と、チャンネルch12のデータの一部であるch12_0とを、入力端子I6に対して出力する。
【0014】
また、その次のサンプリング周期SC2では、オーディオプロセッサ22は、入力端子I1〜I6に対して下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータのうちch1_0に続くデータch1_1と、チャンネルch2のデータのうちch2_0に続くデータch2_1とを、入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch3のデータのうちch3_0に続くデータch3_1と、チャンネルch4のデータのうちch4_0に続くデータch4_1とを、入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch5のデータのうちch5_0に続くデータch5_1と、チャンネルch6のデータのうちch6_0に続くデータch6_1とを、入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch7のデータのうちch7_0に続くデータch7_1と、チャンネルch8のデータのうちch8_0に続くデータch8_1とを、入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch9のデータのうちch9_0に続くデータch9_1と、チャンネルch10のデータのうちch10_0に続くデータch10_1とを、入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch11のデータのうちch11_0に続くデータch11_1と、チャンネルch12のデータのうちch12_0に続くデータch12_1とを、入力端子I6に対して出力する。
【0015】
以下同様にして、1サンプリング周期毎に、チャンネルch1及びch2のデータを一塊として入力端子I1に対して出力し、チャンネルch3及びch4のデータを一塊として入力端子I2に対して出力し、チャンネルch5及びch6のデータを一塊として入力端子I3に対して出力し、チャンネルch7及びch8のデータを一塊として入力端子I4に対して出力し、チャンネルch9及びch10のデータを一塊として入力端子I5に対して出力し、チャンネルch11及びch12のデータを一塊として入力端子I6に対して出力していく。
【0016】
〔2倍速再生の場合〕
以上は1倍速再生の場合の説明であるが、次に、1倍速で記録したデータを2倍速で再生する場合について検討する。2倍速再生したビデオデータをHD−SDI信号として伝送する場合には、SMPTE372M(非特許文献1)によるデュアルリンクHD−SDIに準拠したLINK-AのHD−SDIトランスミッタとLINK-BのHD−SDIトランスミッタとが必要となる。
【0017】
【非特許文献1】SMPTE 372M PROPOSED SMPTE STANDARD for Television − Dual LINK 292M Interface for 1920×1080 Picture Raster
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図6は、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してHD−SDI信号として伝送する場合の、HDCAM SRフォーマットのVTRにおけるオーディオデータの出力系の一案を示すブロック図である(前出の図3と共通する部分には同一符号を付している)。
【0019】
磁気テープTPを走行させる回転ドラム(図示略)の回転周波数が、1倍速再生時の2倍にされる。そして、磁気テープTPから再生ヘッドPBによって2倍速で読み出された信号が、切替スイッチ10により、奇数番目のフィールドのデータ(前出の図1や図2に示した‘picture1’及び‘audio1(800)’, ‘picture3’及び‘audio3(801)’,‘picture5’及び‘audio5(801)’)の記録トラックからの信号と偶数番目のフィールドのデータ(図1や図2に示した ‘picture2’及び‘audio2(801)’,‘picture4’及び‘audio4(801)’)の記録トラックからの信号とに振り分けて、それぞれキャッシュメモリー11−1とキャッシュメモリー11−2とに書き込まれる。
【0020】
キャッシュメモリー11−1,11−2に書き込まれた信号は、それぞれ書き込み時の2分の1のレートでキャッシュメモリー11−1,11−2から読み出されることによって1倍速の信号に変換される。
【0021】
キャッシュメモリー11−1,11−2からのこの1倍速の信号は、それぞれ復号部20−1,20−2(図3の復号部20と同一構成のもの)で波形整形及び復号処理を施された後、それぞれECCデコーダ21−1,21−2(図3のECCデコーダ21と同一構成のもの)で誤り訂正される。
【0022】
ECCデコーダ21−1,21−2からは、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ12に出力される。このようにして、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生されたオーディオデータが、オーディオプロセッサ12に送られる。
【0023】
2倍速再生時のオーディオデータのデータ量は、1倍速再生時の2倍の24チャンネル分になる。1系統のHD−SDI信号に埋め込むことが可能なオーディオデータは16チャンネル分なので、オーディオプロセッサ12は、オーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIに準拠したLINK-AのHD−SDIトランスミッタ13とLINK-BのHD−SDIトランスミッタ14とに振り分けて出力する。
【0024】
図7は、ECCデコーダ21−1,21−2から出力されるオーディオデータと、HD−SDIトランスミッタ13,14から出力されるオーディオデータとを示す図である。図7(a)のように、ECCデコーダ21−1からは、‘audio1(800)’,‘audio3(801)’,‘audio5(801)’,‘audio7(801)’,…というように、奇数フィールドのビデオデータに対応したオーディオデータがオーディオプロセッサ12に出力される。
【0025】
図7(b)のように、ECCデコーダ21−2からは、ECCデコーダ21−1からのオーディオデータと並列して、‘audio2(801)’,‘audio4(801)’,‘audio6(801)’,‘audio8(801)’,…というように、偶数フィールドのビデオデータに対応したオーディオプロセッサ22に出力される。
【0026】
オーディオプロセッサ22は、ECCデコーダ21−1からのオーディオデータをそのままの順番でHD−SDIトランスミッタ13に出力し、ECCデコーダ21−2からのオーディオデータをそのままの順番でHD−SDIトランスミッタ14に出力する。
【0027】
HD−SDIトランスミッタ13,14は、各フィールドのビデオデータに、一定のサンプル数のオーディオデータを埋め込む。例えばこの一定のサンプル数が801サンプルであるとした場合、HD−SDIトランスミッタ13は、図7(c)のように、‘audio1(800)’は800サンプルであり1サンプル不足するので、次の‘audio3(801)’の先頭の1サンプル(図7(c)の[s1])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。
【0028】
また、これによって今度は‘audio3(801)’のほうが800サンプルとなって1サンプル不足するので、次の‘audio5(801)’の先頭の1サンプル(図7(c)の[s2])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。また、これによって今度は‘audio5(801)’のほうが800サンプルとなって1サンプル不足するので、次のオーディオデータ(図示略)の先頭の1サンプル(図7(c)の[s3])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。以下も、同様な処理を繰り返す。
【0029】
HD−SDIトランスミッタ14のほうは、図7(d)のように、‘audio2(801)’, ‘audio4(801)’は801サンプルなのでそのままビデオデータに埋め込んで出力するが、‘audio6(800)’が800サンプルであり1サンプル不足するので、次のオーディオデータ(図示略)の先頭の1サンプル(図7(d)の[s4])を取って、合計801サンプルとしてビデオデータに埋め込んで出力する。以下も、同様な処理を繰り返す。
【0030】
ところが、このようなオーディオデータを埋め込んだデュアルリンクHD−SDI信号がHD−SDIトランスミッタ13,14から出力されると、デュアルリンクHD−SDI信号を受信する側の機器(例えば番組制作システムに用いられるビデオサーバー)で、元通りの連続したオーディオデータを復元できなくなる。
【0031】
図8は、このHD−SDIトランスミッタ13,14の出力から受信側の機器で復元されるオーディオデータを示す図である。受信側の機器では、LINK-AのHD−SDIレシーバから出力されるオーディオデータと、LINK-BのHD−SDIレシーバから出力されるオーディオデータとを交互に並べていくことによってオーディオデータを復元する。しかし、このようにして復元されたオーディオデータは、‘audio1(800)’と‘audio2(801)’との間に‘audio3(801)’の先頭の1サンプルである[s1](図7(c)に示した[s1]と同じもの)が存在し、‘audio3(801)’と‘audio4(801)’との間に‘audio5(801)’の先頭の1サンプルである[s2](図7(c)に示した[s2]と同じもの)が存在し、…というように、時間的な順番が前後してしまうので、元通りの連続したオーディオデータにならない。
【0032】
本発明は、上述の点に鑑み、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側の機器で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
この課題を解決するため、本発明に係る2倍速データの出力装置は、
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う再生部と、
前記再生部によって並列的に再生される奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力するオーディオ処理部と
を備えたことを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る2倍速データの出力方法は、
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う第1のステップと、
前記第1のステップで並列的に再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出す第2のステップと、
前記第2のステップで前記メモリーから読み出したオーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する第3のステップと
を有することを特徴とする。
【0035】
この出力装置,出力方法では、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータに対応する48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータのうち、奇数フィールドに対応するオーディオデータと、偶数フィールドに対応するオーディオデータとが、並列的に再生されることによって2倍速再生された後、メモリーに書き込まれ、対応するフィールドの順番に96kHzでメモリーから読み出される。そして、このメモリーから読み出されたオーディオデータが、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力される。
【0036】
したがって、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタには、1倍速再生の場合について図4(b)に示したのと同じく、本来の順番で連続したオーディオデータが出力される。
【0037】
これにより、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、HDCAM SRフォーマットのVTRにおいてフィールド周波数59.94Hzのビデオデータを2倍速で再生してデュアルリンクHD−SDI信号として伝送する際に、受信側で簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。図9は、本発明を適用したHDCAM SRフォーマットのVTRにおける2倍速再生用のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。(前出の図6と共通する部分には同一符号を付している)。
【0040】
磁気テープTPを走行させる回転ドラム(図示略)の回転周波数が、1倍速再生時の2倍にされる。そして、磁気テープTPから再生ヘッドPBによって2倍速で読み出された信号が、切替スイッチ10により、奇数番目のフィールドのデータ(前出の図1や図2に示した‘picture1’及び‘audio1(800)’, ‘picture3’及び‘audio3(801)’,‘picture5’及び‘audio5(801)’)の記録トラックからの信号と偶数番目のフィールドのデータ(図1や図2に示した ‘picture2’及び‘audio2(801)’,‘picture4’及び‘audio4(801)’)の記録トラックからの信号とに振り分けて、それぞれキャッシュメモリー11−1とキャッシュメモリー11−2とに書き込まれる。
【0041】
キャッシュメモリー11−1,11−2に書き込まれた信号は、それぞれ書き込み時の2分の1のレートでキャッシュメモリー11−1,11−2から読み出されることによって1倍速の信号に変換される。
【0042】
キャッシュメモリー11−1,11−2からのこの1倍速の信号は、それぞれ復号部20−1,20−2で波形整形及び復号処理を施された後、それぞれECCデコーダ21−1,21−2で誤り訂正される。
【0043】
ECCデコーダ21−1,21−2からは、誤り訂正されたオーディオデータがオーディオプロセッサ1に出力される。このようにして、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生されたオーディオデータが、オーディオプロセッサ1に送られる。
【0044】
また、ECCデコーダ21−1,21−2からは、各フィールドのデータの記録トラックの先頭位置から読み出されたスタート信号ST1,ST2(各フィールドのデータの先頭を示す信号)と、各フィールドのデータの記録トラックのオーディオデータの記録位置の手前から読み出された5フィールドID(オーディオデータのサンプル数が800であるか801であるかを識別するID)1D1,1D2とが、オーディオプロセッサ12に出力される。
【0045】
オーディオプロセッサ1の内部には、メモリー2と、このメモリー2を制御するメモリーコントローラ3とが設けられている。メモリーコントローラ3は、スタート信号ST1,ST2及び5フィールドID1D1,1D2を用いて、ECCデコーダ21−1,21−2からのオーディオデータをメモリー2に書き込む際のライトアドレスを生成し、そのライトアドレスの領域にECCデコーダ21−1,21−2からのオーディオデータを書き込む。
【0046】
図10(a)〜(h)は、メモリーコントローラ3が生成するメモリー2のライトアドレスを示す図である。或るフィールド周期FC1において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値0の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの800サンプルのオーディオデータ‘audio1(800)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス0〜799(図10(d))を生成する。
【0047】
また、このフィールド周期FC1において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値1の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio2(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス800〜1600(図10(h))を生成する。
【0048】
続いて、次のフィールド周期FC2において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値2の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio3(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス1601〜2401(図10(d))を生成する。
【0049】
また、このフィールド周期FC2において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値3の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio4(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス2402〜3202(図10(h))を生成する。
【0050】
続いて、次のフィールド周期FC3において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値4の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio5(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス3203〜4003(図10(d))を生成する。
【0051】
また、このフィールド周期FC3において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値0の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの800サンプルのオーディオデータ‘audio6(800)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス4004〜4803(図10(h))を生成する。
【0052】
続いて、次のフィールド周期FC4において、ECCデコーダ21−1からスタート信号ST1(図10(a))が送られた後、ECCデコーダ21−1から値1の5フィールドID1D1(図10(b))が送られると、ECCデコーダ21−1からの801サンプルのオーディオデータ‘audio7(801)’(図10(c))を書き込むためのライトアドレス4804〜5604(図10(d))を生成する。
【0053】
また、このフィールド周期FC4において、ECCデコーダ21−2からスタート信号ST2(図10(e))が送られた後、ECCデコーダ21−2から値2の5フィールドID1D2(図10(f))が送られると、ECCデコーダ21−2からの801サンプルのオーディオデータ‘audio8(801)’(図10(g))を書き込むためのライトアドレス5605〜6405(図10(h))を生成する。
【0054】
以下、このような処理を繰り返す。これにより、連続するオーディオデータであるオーディオデータ‘audio1(800) ’,‘audio2(801)’,‘audio3(801) ’,‘audio4(801) ,‘audio5(801)’,‘audio6(800) ’,‘audio7(801) ,‘audio8(801) ,…が、メモリー2の連続するライトアドレス0〜799,800〜1600,1601〜2401,2402〜3202,3203〜4003,4004〜4803,4804〜5604,5605〜6405,…の領域に書き込まれていく。
【0055】
メモリーコントローラ3は、このようにしてメモリー2に書き込んだオーディオデータを、書き込み時の2倍のレート(すなわち96kHz)で、且つ、リードアドレス0〜799,800〜1600,1601〜2401,2402〜3202,3203〜4003,4004〜4803,4804〜5604,5605〜6405,…0を順に生成することによって対応するフィールドの順番にメモリー2から読み出す。
【0056】
図10(i)〜(j)は、このリードアドレス及びメモリー2からの読み出しデータを示す図である。‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’, ,‘audio6(800)’,…というように本来の順番で連続したサンプリング周波数96kHzのオーディオデータが読み出される。
【0057】
図11は、図10のうちの図10(g),(c)及び(j)を抜き出すことにより、ECCデコーダ21−1,21−2から出力されるオーディオデータと、メモリー2から読み出されるオーディオデータとの関係を示した図である。ECCデコーダ21−1,21−2からは奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとが並列的に出力されるが、メモリー2からは本来の順番で連続するように並び替えられたオーディオデータ(ただしサンプリング周波数は2倍の96kHzのもの)が読み出される。
【0058】
オーディオプロセッサ1は、このオーディオデータを‘audio1(800)’,‘audio2(801)’,‘audio3(801)’,‘audio4(801)’,‘audio5(801)’, ,‘audio6(800)’,…のままの順番でHD−SDIトランスミッタ13,14に出力する。
【0059】
図12は、オーディオプロセッサ1が出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。LINK-A,LINK-BのHD−SDI信号にはそれぞれ16チャンネル分ずつのオーディオデータを埋め込むことが可能である。HD−SDIトランスミッタ13,14には、それぞれこの16チャンネル分のオーディオデータを入力するための8個の入力端子I1〜I8が設けられている。ただし、オーディオプロセッサ1から出力されるオーディオデータは、サンプリング周波数96kHzであることからデータ量が2倍になっているので、LINK-A,LINK-BのHD−SDI信号に埋め込むことのできるチャンネル数は半分の8チャンネル分となる。
【0060】
オーディオプロセッサ1は、メモリー2から読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてHD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8に対して出力し、9チャンネル目から12チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I8のうちの入力端子I1〜I4に対して出力する。
【0061】
すなわち、オーディオプロセッサ1は、或るサンプリング周期SC1では、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8及びHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して、下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータの一部であるch1_0及びそれに続くデータch1_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch2のデータの一部であるch2_0及びそれに続くデータch2_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch3のデータの一部であるch3_0及びそれに続くデータch3_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch4のデータの一部であるch4_0及びそれに続くデータch4_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch5のデータの一部であるch5_0及びそれに続くデータch5_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch6のデータの一部であるch6_0及びそれに続くデータch6_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I6に対して出力する。
・チャンネルch7のデータの一部であるch7_0及びそれに続くデータch7_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I7に対して出力する。
・チャンネルch8のデータの一部であるch8_0及びそれに続くデータch8_1を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I8に対して出力する。
・チャンネルch9のデータの一部であるch9_0及びそれに続くデータch9_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch10のデータの一部であるch10_0及びそれに続くデータch10_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch11のデータの一部であるch11_0及びそれに続くデータch11_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch12のデータの一部であるch12_0及びそれに続くデータch12_1を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I4に対して出力する。
【0062】
また、その次のサンプリング周期SC2では、オーディオプロセッサ1は、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8及びHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して、下記のようにしてオーディオデータを出力する。
・チャンネルch1のデータch1_1に続くデータch1_2及びそれに続くデータch1_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch2のデータch2_1に続くデータch2_2及びそれに続くデータch2_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch3のデータch3_1に続くデータch3_2及びそれに続くデータch3_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch4のデータch4_1に続くデータch4_2及びそれに続くデータch4_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I4に対して出力する。
・チャンネルch5のデータch5_1に続くデータch5_2及びそれに続くデータch5_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I5に対して出力する。
・チャンネルch6のデータch6_1に続くデータch6_2及びそれに続くデータch6_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I6に対して出力する。
・チャンネルch7のデータch7_1に続くデータch7_2及びそれに続くデータch7_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I7に対して出力する。
・チャンネルch8のデータch8_1に続くデータch8_2及びそれに続くデータch8_3を、HD−SDIトランスミッタ13の入力端子I8に対して出力する。
・チャンネルch9のデータch9_1に続くデータch9_2及びそれに続くデータch9_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1に対して出力する。
・チャンネルch10のデータch10_1に続くデータch10_2及びそれに続くデータch10_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I2に対して出力する。
・チャンネルch11のデータch11_1に続くデータch11_2及びそれに続くデータch11_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I3に対して出力する。
・チャンネルch12のデータch12_1に続くデータch12_2及びそれに続くデータch12_3を、HD−SDIトランスミッタ14の入力端子I4に対して出力する。
【0063】
以下同様にして、1サンプリング周期毎に、チャンネルch1〜ch8のデータをそれぞれ連続させてHD−SDIトランスミッタ13の入力端子I1〜I8に対して出力し、チャンネルch9〜ch12のデータをそれぞれ連続させてHD−SDIトランスミッタ14の入力端子I1〜I4に対して出力していく。
【0064】
このように、このオーディオデータの出力系からは、1倍速再生の場合について図4(b)に示したのと同じく、本来の順番で連続しオーディオデータがHD−SDIトランスミッタ13,14に出力される。
【0065】
これにより、HD−SDIトランスミッタ13,14から出力されるデュアルリンクHD−SDI信号を受信する側の機器(例えば番組制作システムに用いられるビデオサーバー)で、簡単に元通りの連続したオーディオデータを復元できるようになる。(オーディオデータのサンプリング周波数は、必要に応じて、受信側の機器でメモリー等を用いて96kHzから48kHzに戻せばよい。)
【0066】
なお、以上の実施の形態では、2倍速再生を行う方法として、回転ドラムの回転周波数を1倍速再生時の2倍にし、磁気テープTPから2倍速で読み出された信号を、切替スイッチ10で奇数フィールドの信号と偶数フィールドの信号とに振り分けた後、キャッシュメモリー11−1,11−2で1倍速の信号に変換している。しかし、2倍速再生を行う別の方法として、回転ドラムの回転周波数を1倍速再生時と同じにしたまま、再生ヘッドの数を2倍にして、一方の再生ヘッドで奇数フィールドの信号を読み出すのと同時に、もう一方の再生ヘッドで偶数フィールドの信号を読み出すようにしてもよい。
【0067】
また、以上の実施の形態では、HDCAM SRフォーマットに本発明を適用している。しかし、本発明は、HDCAM SRフォーマット以外のVTRフォーマットであっても、フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されるフォーマットであれば同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】フィールド周波数59.94Hzの場合の1フィールドあたりのオーディオデータの記録サンプル数を示す図である。
【図2】図1のビデオデータ,オーディオデータの磁気テープ上での記録位置を示す図である。
【図3】1倍速再生の場合のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。
【図4】図3のECCデコーダ,HD−SDIトランスミッタから出力されるオーディオデータを示す図である。
【図5】図3のオーディオプロセッサが出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。
【図6】2倍速再生の場合のオーディオデータの出力系の一案を示すブロック図である。
【図7】図6のECCデコーダ,HD−SDIトランスミッタから出力されるオーディオデータを示す図である。
【図8】図7のHD−SDIトランスミッタの出力から受信側の機器で復元されるオーディオデータを示す図である。
【図9】本発明を適用した2倍速再生用のオーディオデータの出力系を示すブロック図である。
【図10】図9のメモリーのライトアドレス及びリードアドレスを示す図である。
【図11】図9のECCデコーダから出力されるオーディオデータと、図9のメモリーから読み出されるオーディオデータとの関係を示す図である。
【図12】図9のオーディオプロセッサが出力するオーディオデータのチャンネル毎の内訳を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 オーディオプロセッサ、 2 メモリー、 3 メモリーコントローラ、 10 切替スイッチ、 11−1,11−2 キャッシュメモリー、 13 LINK-AのHD−SDIトランスミッタ、 14 LINK-BのHD−SDIトランスミッタ、 20−1,20−2 復号部、 21−1,21−2 ECCデコーダ、 TP 磁気テープ、 PB 再生ヘッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う再生部と、
前記再生部によって並列的に再生される奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力するオーディオ処理部と
を備えたことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の2倍速データの出力装置において、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の2倍速データの出力装置において、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目以降のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の2倍速データの出力装置において、
前記再生部は、HDCAM SR(登録商標)フォーマットで記録されたビデオデータ及び12チャンネル分のオーディオデータを再生し、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目から12チャンネル目までのデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項5】
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う第1のステップと、
前記第1のステップで並列的に再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出す第2のステップと、
前記第2のステップで前記メモリーから読み出したオーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する第3のステップと
を有することを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項6】
請求項5に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項7】
請求項6に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目以降のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項8】
請求項6に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第1のステップで、HDCAM SRフォーマットで記録されたビデオデータ及び12チャンネル分のオーディオデータを再生し、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目から12チャンネル目までのデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項1】
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う再生部と、
前記再生部によって並列的に再生される奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出して、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力するオーディオ処理部と
を備えたことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の2倍速データの出力装置において、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の2倍速データの出力装置において、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目以降のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の2倍速データの出力装置において、
前記再生部は、HDCAM SR(登録商標)フォーマットで記録されたビデオデータ及び12チャンネル分のオーディオデータを再生し、
前記オーディオ処理部は、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目から12チャンネル目までのデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力装置。
【請求項5】
フィールド周波数59.94Hzのビデオデータが記録されるとともに、サンプリング周波数48kHzのnチャンネル分(nは9から16までの整数)のオーディオデータが、連続する5フィールドのうち、1フィールドに対応して800サンプル、残りの4フィールドに対応してそれぞれ801サンプル記録されたテープ状記録媒体から、奇数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータと、偶数フィールドのビデオデータ及びそれに対応するオーディオデータとを並列的に再生することによって2倍速再生を行う第1のステップと、
前記第1のステップで並列的に再生した奇数フィールドに対応するオーディオデータと偶数フィールドに対応するオーディオデータとを、メモリーに書き込んだ後、対応するフィールドの順番に96kHzで前記メモリーから読み出す第2のステップと、
前記第2のステップで前記メモリーから読み出したオーディオデータを、デュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する第3のステップと
を有することを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項6】
請求項5に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項7】
請求項6に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目以降のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【請求項8】
請求項6に記載の2倍速データの出力方法において、
前記第1のステップで、HDCAM SRフォーマットで記録されたビデオデータ及び12チャンネル分のオーディオデータを再生し、
前記第3のステップで、前記メモリーから読み出したオーディオデータのうち、1チャンネル目から8チャンネル目のデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Aのトランスミッタに出力し、9チャンネル目から12チャンネル目までのデータを、同じチャンネルのデータを連続させてデュアルリンクHD−SDIのLINK-Bのトランスミッタに出力する
ことを特徴とする2倍速データの出力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−94811(P2009−94811A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263620(P2007−263620)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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