説明

2剤式硬化性組成物、及びそれを用いて得たポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物

【課題】2剤に隔離されて貯蔵されている間は安定であり、更にそれらを混合することにより硬化が開始され、実質的に均一なポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物が形成される、2剤式硬化性組成物の提供。
【解決手段】a)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンとの架橋に用いられる水分硬化性シリル化ポリウレタン樹脂及び架橋剤を含有する、実質的に水分を含まない第1剤と、b)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンを含有する第2剤と、c)第1剤及び/又は第2剤に含有される縮合触媒と、任意に、d)充填剤、UV安定剤、抗酸化剤、付着促進剤、硬化促進剤、チキソトロープ剤、可塑剤、水分補足剤、色素、染料、界面活性剤、溶媒及び殺生物剤からなる群から選択される少なくとも1つの更なる成分であって、第1剤及び/又は第2剤中に存在し、それらの剤のいずれとも相溶性を有する、更なる成分を含んでなる、2剤式硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2剤式の、室温硬化性、貯蔵安定性を有する組成物であって、2剤を混合することにより急速に硬化し、ポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物が形成される組成物の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリシロキサン(シリコーン)及びポリウレタンは、それぞれ異なるものの、非常に有用な物理的・機械的特性をそれぞれ有するため、数多くの用途において広範囲にわたり使用されている。これらの両方のタイプの樹脂が有する望ましい特性を示す単一の組成物を開発する試みこれまで行われてきたが、いずれも不成功であったと考えられる。ポリシロキサンとポリウレタンとのコポリマーが公知ではあるが、それらは製造が困難であり、また製造コストが高いと考えられる。また、これらの樹脂は非常に相溶性が低く、それらを混合した直後に相分離が生じるため、ポリシロキサンとポリウレタンとの物理的に均一な混合は困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、2剤に隔離されて貯蔵されている間は安定であり、更にそれらを混合することにより硬化が開始され、実質的に均一なポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物が形成される、2剤式硬化性組成物の提供に関する。当該組成物は、以下の成分を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
a)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンとの架橋に用いられる水分硬化性シリル化ポリウレタン樹脂及び架橋剤を含有する、実質的に水分を含まない第1剤と、
b)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンを含有する第2剤と、
c)第1剤及び/又は第2剤に含有される縮合触媒と、任意に、
d)充填剤、UV安定剤、抗酸化剤、付着促進剤、硬化促進剤、チキソトロープ剤、可塑剤、水分補足剤、色素、染料、界面活性剤、溶媒及び殺生物剤からなる群から選択される少なくとも1つの更なる成分であって、第1剤及び/又は第2剤中に存在し、それらの剤のいずれとも相溶性を有する、更なる成分。
【0005】
本発明の用語「実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物」とは、水分硬化性(加水分解され、その後架橋されている)のシリル化ポリウレタン(SPU)樹脂を、架橋シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサン(SDPS)樹脂との良好な混合状態で含有する樹脂組成物のことを指し、当該組成物は、バルクにおいて実質的に均質な機械的性質を示す。現在のところ、架橋SPU樹脂及び架橋SDPS樹脂が樹脂混合物中で相互にいかなる様式で結合しているかは明らかとされておらず、今後の科学的な解明次第ではあるが、2つの樹脂間には、存在するとしてもごくわずかしが共有結合が存在しないと考えられる。
【0006】
当該樹脂は、本発明のポリウレタン−ポリシロキサンハイブリッド樹脂の実質的に均一な性質に起因する良好な物性を示す。例えば、樹脂混合物の架橋SPU樹脂成分の定型的な特性である高い柔軟性及び高い引張強度や、ハイブリッド樹脂の架橋SDPS成分の定型的な特性である良好な耐候性及び耐熱性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下により詳細に記載されているように、本発明に係る実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物は、2剤式の硬化性組成物を混合することによって調製される。硬化性組成物を構成する2剤(それぞれ「第1剤」及び「第2剤」)は、それぞれ隔離されている不特定の期間においては貯蔵安定性を示すが、混合された後は迅速に硬化し、本発明に係る樹脂混合物を形成する。
【0008】
A.硬化性組成物の第1剤
本発明に係る2剤式の硬化性組成物に含まれる第1剤は、シリル化ポリウレタン(SPU)樹脂と、ジオルガノポリシロキサンのための架橋剤(各ポリマー鎖端のケイ素原子がシラノール末端となっている(「シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサン」又はSDPS))と、任意に1つ以上の他の成分を含有し、それによって、硬化性組成物全体が、シーラント、接着剤又はコーティングとして所望の機能を最適に発揮できるようになる。
【0009】
硬化性組成物の第1剤に使用できる水分硬化性シリル化ポリウレタンは公知の材料であって、一般的には、(a)イソシアネート末端含有ポリウレタン(PU)プレポリマーと、適切なシラン(例えば、加水分解性の官能基(特にケイ素原子上の1〜3個のアルコキシ基)と、活性水素官能基(例えばメルカプト基、第一級アミン、及び好適には第二級アミン(イソシアネートとの反応に用いられる)の両方を有する)とを特異的に反応させること、又は、(b)ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーと、適切なイソシアネート末端含有シラン(例えば1〜3個のアルコキシ基を有する)と反応させることによって、調製することができる。これらの反応の詳細、並びにその反応において使用されるイソシアネート末端含有、及びヒドロキシル末端含有PUプレポリマーの調製のための反応に関しては、米国特許第4985491号、第5919888号、第6197912号、第6207794号、第6303731号、第6359101号及び第6515164号、並びに米国特許出願公開第2004/0122253号及び第2005/0020706号(イソシアネート末端含有PUプレポリマーについて)、米国特許第3786081号及び第4481367号(ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーについて)、米国特許第3627722号、第3632557号、第3971751号、第5623044号、第5852137号、第6197912号、第6207783号及び第6310170号(イソシアネート末端含有PUプレポリマーと反応性シラン(例えばアミノアルコキシシラン)との反応から得られる水分硬化性SPU樹脂について)、並びに、米国特許第4345053号、第4625012号、第6833423号及び米国特許出願公開第2002/0198352号(ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーとイソシアナトシランとの反応から得られる水分硬化性SPU樹脂について)に記載が存在する。上記の米国特許文献の全開示内容を本願明細書に援用する。
【0010】
(a)イソシアネート末端含有PURプレポリマーから得られる水分硬化性SPUR樹脂
イソシアネート末端含有PUプレポリマーは、1つ以上ポリオール(好適にはジオール)と、1つ以上のポリイソシアネート(好適にはジイソシアネート)とを、得られるプレポリマーがイソシアネート末端となるような比率において反応させることにより得られる。ジオールをジイソシアネートと反応させる場合、モル過剰のジイソシアネートを用いる。
【0011】
ポリオールの中で、イソシアネート末端含有PUプレポリマーの調製に利用できるものとしては、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル末端含有ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールとe−カプロラクトンとの反応により得られるポリエーテルエステルポリオール、1つ以上のアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド及びプロピレンオキシド)とヒドロキシル末端含有ポリカプロラクトンとの反応から得られるポリエステルエーテルポリオール、ヒドロキシル末端含有ポリブタジエンなどが挙げられる。
【0012】
特に適切なポリオールとしては、ポリ(オキシアルキレン)エーテルジオール(すなわちポリエーテルジオール)、特に、ポリ(オキシエチレン)エーテルジオール、ポリ(オキシプロピレン)エーテルジオール及びポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)エーテルジオール、ポリ(オキシアルキレン)エーテルトリオール、ポリ(テトラメチレン)エーテルグリコール、ポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリカプロラクトンジオール及びトリオールなどが挙げられる。本発明の一実施形態では、イソシアネート末端含有PUプレポリマーの調製において使用するポリオールは、約500〜25,000当量重量のポリ(オキシエチレン)エーテルジオールである。本発明の他の実施形態では、イソシアネート末端含有PUプレポリマーの調製において使用するポリオールは、約1,000〜20,000当量重量のポリ(オキシプロピレン)エーテルジオールである。様々な構造、分子量及び/又は官能性のポリオールの混合物を用いてもよい。
【0013】
ポリエーテルポリオールは、約8個までの官能基を有してもよいが、好適には2〜4個の官能基、より好適には2個の官能基(すなわちジオール)を有する。特に複合金属シアン化物(DMC)触媒、アルカリ金属水酸化物触媒又はアルカリ金属アルコキシド触媒の存在下で調製されるポリエーテルポリオールが適切であり、米国特許第3829505号、第3941849号、第4242490号、第4335188号、第4687851号、第4985491号、第5096993号、第5100997号、第5106874号、第5116931号、第5136010号、第5185420号及び第5266681号(これらの全開示内容を参照により援用する)を参照されたい。この種の触媒の存在下で生じるポリエーテルポリオールは、高い分子量及び低い不飽和度を有する傾向があり、その特性は、本発明の再帰反射物品の改良された性能の原因となる。ポリエーテルポリオールは好ましくは約1,000〜約25,000、好ましくは約2,000〜約20,000、より好ましくは約4,000〜約18,000の数平均分子量である。イソシアネート末端PUプレポリマーの調製に適する市販のジオールの例としては、ARCOL R−1819(8,000の数平均分子量)、E−2204(4,000の数平均分子量)、及びARCOL E−2211(11,000の数平均分子量)が挙げられる。
【0014】
多数のポリイソシアネートの中で、ジイソシアネート及びそれらの混合物を用いて、イソシアネート末端含有PUプレポリマーを調製するのが好ましい。一実施形態では、ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(「PMDI」)、パラフェニレンジイソシアネート、ナフチルエンジイソシアネート、液状カルボジイミド修飾MDI及びその誘導体、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(「TDI」)、特に2,6−TDI異性体、並びに、従来技術において公知の他の様々な脂肪族及び芳香族ポリイソシアネート、並びにそれらの組み合わせであってもよい。
【0015】
上記のイソシアネート末端含有PURプレポリマーとの反応に用いるシリル化反応用の反応物質は、イソシアネートとの反応性を有する官能基、及び少なくとも1つの容易に加水分解及びその後の架橋反応を受けうる基(例えばアルコキシ基)を含有する必要がある。特に有用なシリル化用の反応物質は、以下の一般式で表されるシランである。
X−R−Si(R(OR3−x
式中、Xはイソシアネートとの反応性を有する活性水素含有基(例えば−SH又は−NHR)であり、
は水素、最高8つの炭素原子を含んでなる一価の炭化水素基、又は−R−Si(R(OR3−yであり、
及びRは各々独立に、最高12の炭素原子を含んでなる同じ若しくは異なる二価の炭化水素基であって、任意に1つ以上のヘテロ原子を含んでなってもよく、
及びRは各々独立に、最高8つの炭素原子を含んでなる同じ若しくは異なる一価の炭化水素基であり、
及びRは各々独立に、最高6つの炭素原子を含んでなる同じ若しくは異なるアルキル基であり、
x及びyは各々独立に、0、1又は2である。
【0016】
本発明において使用される具体的なシランとしては、メルカプトシラン、例えば2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリsec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−t−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリオクトキシシラン、2−メルカプトエチルトリ−2’−エチルヘキソキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルシクロヘキソキシジメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピル−トリプロポキシシラン、3−メルカプト−3−エチルプロピル−ジメトキシメチルシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルジメトキシフェニルシラン、3−メルカプトシクロヘキシル−トリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリエトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルトリメトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルメトキシジメチルシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリプロポキシシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリオクトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトトリルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリメトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルフェニルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルフェニルトリエトキシシラン、並びに、アミノシラン、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシ−シラン、Nメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピル−メチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチル−ブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシ−シラン、N−(シクロヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリ−メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ−シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン及びN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリ−メトキシシランが挙げられる。
【0017】
イソシアネート末端含有PUプレポリマーの調製においては、通常触媒を用いる。好適には、縮合触媒を使用するが、その理由は、これらはまた、本発明の硬化性組成物中のSPU樹脂成分の硬化(加水分解後、及びその後の架橋)を触媒するからである。好適な縮合触媒としては、ジアルキルスズジカルボキシレート(例えばジブチルスズジラウレート及びジブチルスズアセタート)、第三級アミン、カルボン酸スズ塩(例えばオクタン酸スズ及び酢酸スズなどが挙げられる。本発明の一実施形態では、ジブチルスズジラウレート触媒が、PURプレポリマーの調製において用いられる。他の有用な触媒としては、ジルコニウム含有及びビスマス含有錯体(例えば、KAT XC6212、K−KAT XC−A209及びK−KAT 348(キングインダストリーズ社製))、アルミニウムキレート化合物(TYZER(登録商標)タイプ、デュポン社製、及びKRタイプ、Kenrich Petrochemical社製)、並びに他の有機金属触媒(例えばZn、Co、Ni、Feなどの金属を含有する触媒)などが挙げられる。
【0018】
(b)ヒドロキシル末端含有PURプレポリマーから調製される水分硬化性SPUR樹脂
本発明の硬化性組成の第1剤の水分硬化性SPU樹脂は、上記のように、イソシアナトシランと、ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーとの反応により調製できる。ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーは、イソシアネート末端含有PUプレポリマーの調製に関する上記の記載と実質的に同じ方法で、実質的に同じ材料(すなわちポリオール、ポリイソシアネート及び任意の触媒(好ましくは縮合触媒))を使用して得られるが、1つの大きな違いとしては、ポリオールとポリイソシアネートとのバランスが、得られるプレポリマーがヒドロキシル末端となるバランスであるということである。すなわち、例えばジオール及びジイソシアネートを用いる場合、前者をモル過剰とすることにより、ヒドロキシル末端含有PUプレポリマーが得られる。
【0019】
ヒドロキシル末端含有SPU樹脂において有用なシリル化用の反応体は、イソシアネート末端を有し、容易に加水分解される官能基(例えば1〜3個のアルコキシ基)である。適切なシリル化用の反応体は、以下の一般式で表されるイソシアナトシランである。
【化1】

式中、Rは最高12の炭素原子数のアルキレン基であって、任意に1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
各Rは最高8の炭素原子数の同じ若しくは異なるアルキル基又はアリール基であり、
各R10は最高6の炭素原子数の同じ若しくは異なるアルキル基であり、
yは0、1又は2である。
一実施形態では、Rは1〜4の炭素原子数であり、各R10は同じ若しくは異なるメチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、yは0である。
【0020】
本発明において、上記のヒドロキシル末端含有PUプレポリマーと反応させて水分硬化性SPU樹脂を得る際に使用できる具体的なイソシアナトシランとしては、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリエトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0021】
(c)架橋剤
硬化性組成物の第1剤中に含まれる架橋剤は、シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサン(SDPS)(硬化性組成物の第2剤に含まれる成分)の架橋に効果的である。一実施形態では、架橋剤は以下の一般式で表されるアルキルシリケートである。
(R11O)(R12O)(R13O)(R14O)Si
式中、R11、R12、R13及びR14は各々独立に選択される、最高約60の炭素原子数の一価の炭化水素基である。
【0022】
本発明において有用な架橋剤としては、テトラ−N−プロピルシリケート(NPS)、オルトケイ酸テトラエチル、メチルトリメトキシシラン及び同様のアルキル置換アルコキシシラン組成物が挙げられる。
【0023】
B.硬化性組成物に含まれる第2剤
硬化性組成物の第2剤中に含まれるシラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンポリマー(SDPS)は、以下の一般式で表されるものを選択するのが好適である。
D’
式中、下付添字a=2であり、b≧1であり、下付添字cは0又は正の数であり、
M=(HO)3−x−y1516SiO1/2 であり、
下付添字x=0、1又は2であり、下付添字yは0又は1であり、但しx+yは2以下であり、
15及びR16は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択され、
D=R1718SiO1/2 であり、
17及びR18は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択され、
D’=R1920SiO2/2 であり、
19及びR20は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択される。
【0024】
上記のSDPSポリマー、及び上記のようなアルキルシリケート架橋剤とそれらの架橋反応は、米国特許出願公開第2005/0192387号において詳細に開示され、その全開示内容は本願明細書に援用される。
【0025】
C.任意成分
任意に、硬化性組成物の第1剤及び/又は第2剤中には、1つ以上の追加的な成分(例えば充填剤、UV安定剤、抗酸化剤、付着促進剤、硬化促進剤、チキソトロープ剤、可塑剤、水分補足剤、色素、染料、界面活性剤、溶媒及び殺生物剤を含有させてもよいが、但し当該成分はそれぞれの剤に対して相溶性を有するのが好ましい。すなわち、例えば、充填剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、UV安定剤を用いる場合は通常第1剤に添加し、抗酸化剤を用いる場合は通常第1剤に添加し、付着促進剤を用いる場合は通常第1剤に添加し、硬化促進剤を用いる場合は通常第2剤に添加し、チキソトロープ剤を用いる場合は通常第1剤に添加し、可塑剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、水分補足剤を用いる場合は通常第1剤に添加し、色素を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、染料を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、界面活性剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、溶媒を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、殺生物剤を用いる場合は通常第2剤に添加してもよい。
【実施例】
【0026】
以下の実施例で、本発明の2剤式硬化性組成物、及びそれを用いて得られる実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物を例示する。
【0027】
<実施例1>:
この実施例では、イソシアネート末端含有PUプレポリマーとアミノシランとの反応に由来する水分硬化性SPU樹脂の調製に関して例示する。SPU樹脂を、実施例2から5の2剤式の組成物の第1剤、及び比較実施例1の1剤式の組成物の調製に用いた。
【0028】
SPU樹脂は、実質的に米国特許第6602964号(その全開示内容を本願明細書に援用する)に記載の二段階反応工程に従い調製した。第1段階では、微量のスズ触媒(ジブチルスズジラウレート、3.5ppm)の存在下で、ポリプロピレンエーテルジオール(Acclaim4200、400g)と、イソホロンジイソシアネート(IPDI、34.8g)と反応させることにより、イソシアネート末端含有PUプレポリマーを調製した。NCOの濃度が、滴定により測定して0.8%に低下するまで、70〜75℃でプレポリマー形成反応を実施した。第2段階(プレポリマーのシリル化)では、NCOが滴定によって検出できなくなるまで、17.6gのN−イソブチルアミノプロピル−トリメトキシシランをプレポリマーに添加し、残留する全てのNCOと反応させた。得られる水分硬化性SPU樹脂は、25℃で約100,000cpsの粘性を有した。
【0029】
<比較実施例1、実施例2から5>:
これらの実施例では、以下の材料を用いた。
【0030】
【表1】

【0031】
上記の材料を使用し、以下の一般手順に従い、実施例2から5の2剤式の硬化性組成物、及び比較実施例1の1剤式の硬化性組成物を調製した。
【0032】
A.2剤式の硬化性組成物(実施例2から5)
P−CaCO、SM−CaCO及びF−Silを、使用前に、120℃で少なくとも12時間、乾燥器中で乾燥させた。
【0033】
各々の2剤式硬化性組成物の第1剤は、P−CaCO、ジイソデシルフタラート可塑剤、F−Sil、TiOを、Speed Mixer DAC 400 FVで2,000回転/分で撹拌して混合し、更にSM−CaCO、SPU樹脂、抗酸化剤、UV安定剤、シランA、イソシアヌレート及びNPSを、表1に示す量で連続的に添加し、完全な混合状態となるまで混合して調製した。
【0034】
各々の2剤式硬化性組成物の第2剤は、2000回転/分で約2分間、Speed Mixerで、SDPS−1、SDPS−2及びP−CaCOを表1に示す量で混合し、更にDBTO縮合触媒を添加して調製した。更に、実質的に均一な混合が得られるまで、混合液をSpeed Mixerで混合した。
【0035】
B.1剤式の硬化性組成物(比較実施例1)
1剤式硬化性組成物は、NPSを含有せず、また最後にDBTO縮合触媒を添加する以外、上記の2剤式硬化性組成物の第1剤と同様に調製した。
【0036】
上記の2剤式硬化性組成物を1〜2分間、Speed Mixerで混合し、更にフィルム状に鋳型成型し、機械的強度及び耐候性試験に供した。鋳型成型したフィルム及び1剤式硬化性組成物(同様にフィルム状に鋳型成型した)を、一定条件下で硬化させた。
【0037】
表1:硬化性組成物の組成
【表2】

【0038】
硬化させたフィルムを用いて実施した機械的特性及び耐候性に関する試験結果を以下に示す。
【0039】
表2:試験結果
【表3】

【0040】
これらのデータが示すように、本発明(実施例2から5)の硬化性樹脂混合物は、比較実施例1の硬化樹脂と比較して、引張強さ、ヤング率及び伸張度(%)において劣るにもかかわらず、これらの諸特性は十分許容可能な数値を示しており、それらは、硬化性SPUR樹脂の含有率に起因すると考えられる。しかしながら、本発明の硬化樹脂は、比較実施例1の樹脂よりも耐候性に関して顕著に上回り、その特性は、樹脂中の架橋ポリシロキサン成分に起因すると考えられる。
【0041】
本発明の工程を、具体的な実施態様により記載したが、当業者であれば、それらは本発明の範囲内において様々に変形させることができ、その均等物で代用することができることを理解するであろう。更に、多くの修飾を施し、その基本的な範囲から逸脱することなく、具体的な状況又は材料に応じて、本発明の教示に適応させることも可能である。ゆえに本発明は、本発明の処理を実施するために考察される最良の形態として開示されている具体例に限定されるものではなく、むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲に包含される全ての実施態様を包含するものとして理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2剤に隔離されて貯蔵されている間は安定であり、更にそれらを混合することにより硬化が開始され、実質的に均一なポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物が形成される、2剤式硬化性組成物であって、
a)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンとの架橋に用いられる水分硬化性シリル化ポリウレタン樹脂及び架橋剤を含有する、実質的に水分を含まない第1剤と、
b)シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンを含有する第2剤と、
c)第1剤及び/又は第2剤に含有される縮合触媒と、任意に、
d)充填剤、UV安定剤、抗酸化剤、付着促進剤、硬化促進剤、チキソトロープ剤、可塑剤、水分補足剤、色素、染料、界面活性剤、溶媒及び殺生物剤からなる群から選択される少なくとも1つの更なる成分であって、第1剤及び/又は第2剤中に存在し、それらの剤のいずれとも相溶性を有する更なる成分を含んでなる2剤式硬化性組成物。
【請求項2】
前記シリル化ポリウレタン樹脂が、メルカプトシラン及びアミノシランからなる群から選択される少なくとも1つのシランと、イソシアネート末端含有ポリエーテルポリオールプレポリマーとの反応によって得られる、請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項3】
前記イソシアネート末端ポリエーテルポリオールプレポリマーが、モル過剰のジイソシアネートとポリエーテルジオールとの反応によって得られる、請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテルジオールが少なくとも1,000の数平均分子量を有し、ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフチルエンジイソシアネート、液体カルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,6−TDI異性体、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びその混合物からなる群のうちの少なくとも1つである、請求項3記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項5】
前記シランが以下の一般式で表される、請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
X−R−Si(R(OR3−X
(式中、Xはイソシアネートとの反応性を有する活性水素含有基であり、Rは最高12の炭素原子数の二価の炭化水素基であって、任意に1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、各Rは最高8の炭素原子数の同じ又は異なる一価の炭化水素基であり、各Rは最高6の炭素原子の同じ又は異なるアルキル基であり、xは0、1又は2である。)
【請求項6】
シランにおいて、Xが−SH又は−NHRであり、Rが水素、最高8の炭素原子数の一価の炭化水素基又は−R−Si(R(OR3−yであり、Rが最高12の炭素原子数の二価の炭化水素基であり、Rが最高8の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、Rが最高6の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、yが0、1又は2である、請求項5記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項7】
シランにおいて、Xが−SH又は−NHRであり、Rが水素又は最高8の炭素原子の一価の炭化水素基であり、Rが最高8の炭素原子を有し、Rが最高4の炭素原子数の同じ又は異なるアルキル基であり、xが0である、請求項6記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項8】
前記シランが、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリsec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−t−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリオクトキシシラン、2−メルカプトエチルトリ−2’−エチルヘキソキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルシクロヘキソキシジメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピル−トリプロポキシシラン、3−メルカプト−3−エチルプロピル−ジメトキシメチルシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルジメトキシフェニルシラン、3−メルカプトシクロヘキシル−トリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリエトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルトリメトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルメトキシジメチルシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリプロポキシシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリオクトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトトリルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリメトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルフェニルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシ−シラン、Nメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピル−メチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチル−ブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシ−シラン、N−(シクロヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリ−メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ−シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン及びN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリ−メトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つのである、請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項9】
前記シリル化ポリウレタン樹脂が、イソシアナトシランとヒドロキシル末端含有ポリエーテルポリオールとの反応によって得られる、請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項10】
前記ヒドロキシル末端ポリウレタンプレポリマーが、ジイソシアネートとモル過剰のポリエーテルジオールとの反応によって得られる、請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項11】
前記ポリエーテルジオールが少なくとも1,000の数平均分子量を有し、ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフチルエンジイソシアネート、液体カルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,6−TDI異性体、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びその混合物からなる群のうちの少なくとも1つである、請求項10記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項12】
前記イソシアナトシランが以下の一般式で表される、請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【化1】

(式中、Rは最高12の炭素原子数のアルキレン基であり、各Rは最高8の炭素原子数の同じ又は異なるアルキル又はアリール基であり、各R10は最高6の炭素原子数の同じ又は異なるアルキル基であり、yは0、1又は2である。)
【請求項13】
イソシアナトシランにおいて、Rが1〜4個の炭素原子を有し、各R10が同じ又は異なるメチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、yが0である、請求項12記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項14】
前記イソシアナトシランが、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、イソシアネート−n−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート−n−ブチルトリエトキシシラン及びイソシアナト−t−ブチルトリエトキシシランからなる群から選択される、請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項15】
前記シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンが以下の一般式で表される、請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
D’
(式中、下付添字a=2であり、b≧1であり、下付添字cは0又は正の数であり、
M=(HO)3−x−y1516SiO1/2 であり、
下付添字x=0、1又は2であり、下付添字yは0又は1であり、但しx+yは2以下であり、
15及びR16は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択され、
D=R1718SiO1/2 であり、
17及びR18は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択され、
D’=R1920SiO2/2 であり、
19及びR20は各々独立に、C−C60炭化水素基から選択される。)
【請求項16】
前記架橋剤がアルキルシリケートである、請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項17】
前記架橋剤がアルキルシリケートである、請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項18】
前記架橋剤がアルキルシリケートである、請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項19】
前記シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンが、25℃で約1,000〜約200,000cpsの粘性を有する、請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項20】
前記シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンが、25℃で約1,000〜約200,000cpsの粘性を有する、請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項21】
前記シラノール末端含有ジオルガノポリシロキサンが、25℃で約1,000〜約200,000cpsの粘性を有する、請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項22】
充填剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、UV安定剤を用いる場合は第1剤に添加し、抗酸化剤を用いる場合は第1剤に添加し、付着促進剤を用いる場合は第1剤に添加し、硬化促進剤を用いる場合は第2剤に添加し、チキソトロープ剤を用いる場合は第1剤に添加し、可塑剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、水分補足剤を用いる場合は第1剤に添加し、色素を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、染料を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、界面活性剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、溶媒を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、殺生物剤を用いる場合は第2剤に添加する請求項1記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項23】
充填剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、UV安定剤を用いる場合は第1剤に添加し、抗酸化剤を用いる場合は第1剤に添加し、付着促進剤を用いる場合は第1剤に添加し、硬化促進剤を用いる場合は第2剤に添加し、チキソトロープ剤を用いる場合は第1剤に添加し、可塑剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、水分補足剤を用いる場合は第1剤に添加し、色素を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、染料を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、界面活性剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、溶媒を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、殺生物剤を用いる場合は第2剤に添加する請求項2記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項24】
充填剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、UV安定剤を用いる場合は第1剤に添加し、抗酸化剤を用いる場合は第1剤に添加し、付着促進剤を用いる場合は第1剤に添加し、硬化促進剤を用いる場合は第2剤に添加し、チキソトロープ剤を用いる場合は第1剤に添加し、可塑剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、水分補足剤を用いる場合は第1剤に添加し、色素を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、染料を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、界面活性剤を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、溶媒を用いる場合は第1剤及び/又は第2剤に添加し、殺生物剤を用いる場合は第2剤に添加する請求項9記載の2剤式硬化性組成物。
【請求項25】
請求項1記載の2剤式硬化性組成物の第1剤及び第2剤による硬化により得られる、実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物。
【請求項26】
請求項2記載の2剤式硬化性組成物の第1剤及び第2剤による硬化により得られる、実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物。
【請求項27】
請求項9記載の2剤式硬化性組成物の第1剤及び第2剤による硬化により得られる、実質的に均一のポリウレタン−ポリシロキサン樹脂混合物。

【公表番号】特表2009−517534(P2009−517534A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543380(P2008−543380)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/045504
【国際公開番号】WO2007/064621
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】