2成分接着促進剤組成物および2つの区画を備えたパッケージの使用
【課題】長期間の保存に対して安定であり、製造が容易で、簡単かつ確実に表面に適用することができる接着促進剤組成物と、関連する容器を提供する。
【解決手段】表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、第一成分K1は、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、およびこれらの混合物からなる群から選択される加水分解性接着促進物質Aを少なくとも1種含み、第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含み、かつ、未開封状態において前記第一成分および前記第二成分が、少なくとも1つの隔壁3によって互いに隔てられた2区画1,2に存在する、2成分接着促進剤組成物。さらに、隔壁によって隔てられた2つの区画を有する容器5の使用、ならびに、容器と、隔壁によって互いに隔てられた区画に入った2成分接着促進剤組成物とを含むパッケージ6。
【解決手段】表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、第一成分K1は、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、およびこれらの混合物からなる群から選択される加水分解性接着促進物質Aを少なくとも1種含み、第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含み、かつ、未開封状態において前記第一成分および前記第二成分が、少なくとも1つの隔壁3によって互いに隔てられた2区画1,2に存在する、2成分接着促進剤組成物。さらに、隔壁によって隔てられた2つの区画を有する容器5の使用、ならびに、容器と、隔壁によって互いに隔てられた区画に入った2成分接着促進剤組成物とを含むパッケージ6。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物の分野に関連する。
【0002】
本発明は、2つの区画を備えた容器の使用にも関連する。
【背景技術】
【0003】
接着促進物質は、接着性、特に、接着剤およびシーリング剤の接着性を改良するために長い間使用されてきた。特に、シラン化合物およびチタネート化合物は、この種の接着促進物質として古くから知られている。とりわけ、材料および表面の性質により、および使用する接着剤およびシーリング剤により、特定の接着促進物質またはその混合物を選択する必要があることが明らかになってきた。これらの接着促進剤組成物は、接着またはシーリングを行う表面を前処理するためのプライマーまたは接着活性化剤として使用される。従来技術では、最初に、この種の接着促進物質は、不活性で揮発性の溶媒に溶解され、その結果湿気がない状態では長期間貯蔵することができる。この接着促進剤組成物を表面に適用すると、揮発性の溶剤が蒸発し、かつ、空気中の湿気が接着促進物質を加水分解して、それらの互いの縮合反応、さらに、適切な場合には、その表面上の極性基との縮合反応を引き起こす。しかし、この反応では、接着が発現するまでにある程度の時間を要する。
【0004】
これらの接着促進物質が水と接触すると、これらは加水分解され、縮合してオリゴマーおよび/またはポリマーを形成する。しかし、このようなオリゴマー、および特にこのようなポリマーを適用すると、接着促進効果が著しく貧弱であるか、あるいは接着促進効果が完全に失われることが非常に多い。接着促進剤組成物に非常に架橋が速い接着剤、特に非常に速いポリウレタン接着剤を適用した場合には、接着の発現が不十分であることが多いことが明らかになってきた。
【0005】
市場における優勢な傾向は揮発性の溶媒〔しばしばVOC(揮発性有機化合物)としても言及される溶媒〕から遠ざかっていることから、水性接着促進剤組成物を作り出すための方法が模索されてきた。この種の水性シランプライマーは、例えば、欧州特許第0577014B1号および欧州特許第0985718A2号に記載されている。米国特許第6,511,752号は、シラン/チタネート混合物をベースにした水性プライマーについて記載している。これらの公知の水性シラン組成物のいずれにも共通していることは、これらの調製には、非常に多数の追加の物質を使った、非常にコストのかかる不便な製造プロセスが必要となるという事実である。ある程度許容可能な貯蔵安定性を確保するために、これらのプロセスは、さらに特定のシラン類またはチタネート類に限られる。市場で入手可能な水性前処理製品の有効期間は非常に限られており、典型的には6ヶ月未満である。
【0006】
特に食品部門および製薬業界において、互いに隔てられた2つの収容部分を特徴とするさまざまなパッケージデザインがある。例えば、仏国特許2616322号は、2つの区画を備えた、活性成分の滅菌溶解装置を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0577014B1号公報
【特許文献2】欧州特許第0985718A2号公報
【特許文献3】米国特許第6,511,752号公報
【特許文献4】仏国特許2616322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、長期間の保存に対して安定であり、製造が容易で、簡単かつ確実に表面に適用することができる接着促進剤組成物を提供するとともに、関連する容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、この目的は、請求項1に記載した、表面処理用の2成分接着促進剤組成物により達成されることが判明した。
本発明の核心は、加水分解性接着促進物質少なくとも1種と、この接着促進物質と反応するかまたはこの接着促進物質の縮合を誘導もしくは触媒する化合物1種とが、隔壁により互いに隔てられた区画に貯蔵されていることにある。
【0010】
驚くべきことに、新しく生産された接着促進剤溶液で達成可能な結果は、あらかじめ長期間前に生産された同種の組成物で達成可能な結果より著しく優れていることが判明した。
【0011】
また、請求項18に記載した容器の使用、および請求項27に記載したパッケージも見いだした。
この種の容器は使用者にとって非常に使用しやすく、必要に応じ必要な時に、新しく調製した組成物を適用することができ、従って、これらの利点の恩恵を受けることができる。この容器は、原則として、水分の非存在下で安定な全ての接着促進物質に好適である。この結果、最適な接着促進物質または接着促進用組成物を、混合した組成物の貯蔵安定性を考慮することなしに使用することができるため、著しくより広範囲の接着促進物質が採用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、破断可能な隔壁を有する実施形態P1の断面図を示す。
【図2】図2は、破断補助部品、特に切断手段を有する実施形態P2の断面図を示す。
【図3】図3は、シールを有する実施形態P3の断面図を示す。
【図4】図4は、引き出し可能な隔壁を有する実施形態P4の断面図を示す。
【図5】図5は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図6】図6は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図7】図7は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図8】図8は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図9】図9は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図10】図10は、P2の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図11】図11は、P4の好ましい実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施の方法]
本発明は、2成分を含む、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、第一成分K1が、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、および前記化合物の混合物からなる群から選択される加水分解性接着促進物質Aを少なくとも1種含む、2成分接着促進剤組成物に関する。さらに、第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含む。未開封状態においては、この第一成分およびこの第二成分は、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画に存在する。
【0014】
本発明は、さらに、本明細書中で2成分接着促進剤組成物において詳細に記載する2成分K1、K2を貯蔵するための、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画を備えた容器の使用を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画を備えた容器と、本発明の2成分接着促進組成物から構成されているパッケージを提供する。
【0016】
第一の成分K1は、少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aを含む。
【0017】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aは、有機ケイ素化合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機ケイ素化合物はいずれも、原則として好ましい。好ましくは、この有機ケイ素化合物は、少なくとも1個、特に少なくとも2個の、酸素−ケイ素結合を介して直接ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有する。さらに、この有機ケイ素化合物は、ケイ素−炭素結合を介してケイ素原子に結合した置換基であって、任意選択で、オキシラン、ヒドロキシル、(メタ)アクリロイルオキシ、アミノ、メルカプト、およびビニル基を含む群から選択される官能基を有していてもよい置換基を、少なくとも1個有する。特に、加水分解性接着促進物質Aは、式(I):
【化1】
の化合物である。
【0018】
上記式中、置換基R1は、直鎖または分岐の、任意選択で環状であってもよい、C原子1個〜20個を有するアルキレン基であって、芳香族成分を有していても有していなくてもよく、任意選択で1以上のヘテロ原子、特に窒素原子を有していてもよいアルキレン基である。
【0019】
置換基R2は、C原子1個〜5個を有するアルキル基、特にメチル基またはエチル基である。
【0020】
さらに、置換基R3は、C原子1個〜8個を有するアルキル基、特にメチル基であり、置換基Xは、H、または、オキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルを含む群から選択される官能基である。
【0021】
最後に、aは、0、1、または2のいずれかである。好ましくは、a=0である。
【0022】
好ましい置換基R1は、メチレン、プロピレン、メチルプロピレン、ブチレン、またはジメチルブチレン基である。R1は、好ましくはプロピレン基である。
【0023】
好適な有機ケイ素化合物は、商業的に容易に入手でき、特に好ましくは、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、トリス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ドデシルトリアルコキシシラン、およびヘキサデシルトリアルコキシシランを含む群から選択され、特に上記の化合物のメトキシシラン類およびエトキシシラン類が好適である。
【0024】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aはまた、有機チタン合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機チタン化合物はいずれも、原則として好ましい。
【0025】
特に好ましい有機チタン化合物は、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、およびアセチルアセトナート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって、酸素−チタン結合を介して直接チタン原子に結合した官能基を、少なくとも1個有する有機チタン化合物である。
【0026】
特に好適であることが判明しているアルコキシ基は、特に、イソプロポキシ基およびいわゆるネオアルコキシ基、特に以下の式:
【化2】
のネオアルコキシ基である。
【0027】
特に好適であることが判明しているスルホン酸類は、特に、芳香族部分がアルキル基で置換された芳香族スルホン酸類である。考えられる好適なスルホン酸類は、以下の式:
【化3】
の基である。
【0028】
特に好適であることが判明しているカルボキシレート基は、特に、脂肪酸のカルボキシレート基である。考えられる好適なカルボキシレートは、ステアレートおよびイソステラレートである。
【0029】
上述の式のすべてにおいて、破線で表した結合はこの場合において、チタン原子への結合を示している。
【0030】
有機チタン化合物は、例えば、Kenrich Petrochemicals社またはDuPont社から商業的に入手可能である。好ましい有機チタン化合物の例としては、例えば、Kenrich Petrochemicals社の、Ken-React(登録商標)KR TTS、同KR 7、KR 9S、 KR 12、KR 26S、KR 33DS、KR 38S、KR 39DS、KR44、KR 134S、KR 138S、KR 158FS、KR212、KR 238S、KR 262ES、KR 138D、KR 158D、KR238T、KR 238M、KR238A、KR238J、KR262A、LICA 38J、KR 55、LICA1、LICA 09、LICA 12、LICA 38、LICA 44、LICA 97、LICA 99、KR OPPR、KROPP2、または、DuPont社の、Tyzor(登録商標)ET、同TPT, NPT、BTM AA、AA-75、AA-95、AA-105、TE、ETAMが挙げられる。特に好ましくは、Ken-React(登録商標)KR 7、同KR 9S、KR 12、KR 26S、KR 38S、KR44、LICA 09、LICA 44、およびDuPont社の、Tyzor(登録商標)ET、同TPT、NPT、BTM、AA、AA-75、AA-95、AA-105、TE、ETAMである。
【0031】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aはさらに、有機ジルコニウム化合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機ジルコニウム化合物は原則として好適である。特に好適な有機ジルコニウム化合物は、アルコキシ基、スルホナート基、カルボキシレート基、およびホスフェート基、またはこれらの基の混合を含む群から選択される官能基であって、酸素−ジルコニウム結合を介して直接ジルコニウム原子に結合した官能基を、少なくとも1個有する有機ジルコニウム化合物である。
【0032】
特に好適であることが判明しているアルコキシ基は、特に、イソプロポキシ基およびいわゆるネオアルコキシ基、特に以下の式:
【化4】
のネオアルコキシ基である。
【0033】
特に好適であることが判明しているスルホン酸類は、特に、芳香族部分がアルキル基で置換された芳香族スルホン酸類である。考えられる好適なスルホン酸類は、以下の式:
【化5】
の基である。
【0034】
特に好適であることが判明しているカルボキシレート基は、特に、脂肪酸のカルボキシレート基である。考えられる好適なカルボキシレートは、ステアレートおよびイソステラレートである。
【0035】
上述の式のすべてにおいて、破線で表した結合はこの場合において、ジルコニウム原子への結合を示している。
【0036】
有機ジルコニウム化合物は、例えば、Kenrich Petrochemicals社から商業的に入手可能である。好ましい有機ジルコニウム化合物の例としては、例えば、Ken-React(登録商標)NZ 38J、同NZ TPPJ、KZ OPPR、KZ TPP、NZ 01、NZ 09、NZ 12、NZ38、NZ 44、NZ 97が挙げられる。
【0037】
さらに、第一成分K1は、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種および/または有機ジルコニウム化合物少なくとも1種と、の混合物を含んでいてもよい。同様に、有機チタン化合物少なくとも1種と、有機ジルコニウム化合物少なくとも1種との混合物を含んでいてもよい。好ましい混合物は、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種との混合物である。
【0038】
特に好適な混合物は、有機ケイ素化合物の2種またはそれ以上の混合物、または、有機ケイ素化合物の1種と、有機チタン化合物もしくは有機ジルコニウム化合物1種との混合物である。
【0039】
特に好適であることが判明している有機ケイ素化合物の混合物は、式(I)の複数の接着促進物質A(このうち少なくとも1種が置換基Xとして置換基Hを有し、このうち少なくとも1種の置換基がオキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルを含む群から選択される官能基を有する)の混合物である。これらの混合物は、好ましくは、アルキルトリアルコキシシラン少なくとも1種と、アミノアルキルトリアルコキシシランおよび/またはメルカプトアルキルトリアルコキシシランと、の混合物を含む。
【0040】
第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含む。
【0041】
接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導または触媒する化合物Bは、有機スズ化合物または酸であることが好ましい。
【0042】
1つの好ましい実施態様では、化合物Bは、有機スズ化合物であり、好ましくは、ジアルキルスズジアセチルアセトナートまたはジアルキルスズジカルボキシレートであり、特に、ジブチルスズジラウレートまたはジブチルスズジアセテートである。好ましくは、化合物Bは、ジブチルスズジラウレートである。
【0043】
さらに好ましい実施態様では、化合物Bは、酸である。酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。酸は、典型的には、6未満のpKa1を有する。
【0044】
特に好適な無機酸は、リンを含む酸および硫黄を含む酸である。特に好適であることが判明している無機酸は、スルホン酸またはリン酸であり、特にスルホン酸である。
【0045】
特に好適な有機酸としては、蟻酸、酢酸、アミノ酸が挙げられる。酢酸は特に好適であることが判明している。
【0046】
第一のK1成分および/または第二のK2成分中にさらなる構成成分があってよい。本目的のための典型的な構成成分として特に、例えば、溶媒、バインダー、フィラー、混合助剤、および添加剤等を挙げることができる。好ましい溶媒は、揮発性溶媒、例えば、水、アルコール(特にエタノール、イソプロパノール、ブタノール)、アルデヒドまたはケトン(特にアセトン、メチルエチルケトン)、炭化水素(特にヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、トルエン、揮発油)、およびこれらの混合物等、特にエタノール、イソプロパノール、またはヘキサンである。
【0047】
好ましいバインダーは、特に、例えば、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂のプレポリマーおよび付加体等の皮膜形成バインダーである。イソシアネート基を含み、ポリオールおよびポリイソシアネートから製造されるポリウレタンプレポリマーが好ましい。
【0048】
好ましいフィラーは、必要に応じて表面処理された、カーボンブラック、熱分解法シリカ、チョークである。
【0049】
混合助剤は、好ましくは、ビーズ、特に金属ビーズまたはガラスビーズである。
【0050】
添加剤としては、特に、流動性調整剤、消泡剤、界面活性剤、殺生物剤、沈降防止剤、安定化剤、抑制剤、顔料、染料、腐食防止剤、および臭気剤が挙げられる。
【0051】
しかし、第一のK1成分および/または第二のK2成分の考えられる追加的な構成成分を選択する場合、これらの追加的な構成成分が、貯蔵安定性に問題を起こさないこと、あるいは、各成分中、特にA成分、および/またはB成分中に存在する化合物と反応しないことを心に留めておく必要がある。
【0052】
室温において、第一のK1成分および第二のK2成分は、液状と粉状の中間のコンシステンシーを有していて、これらの成分の少なくとも1つがある程度の液体画分を有していなければならない。特に好ましくは、第一のK1成分および第二のK2成分は、液体である。なぜなら、液体成分、特に高度に流動性のある液体成分は、高度にペースト状の成分より効率的に混合できるからである。好ましくは、第一のK1成分および第二のK2成分は、溶液、懸濁液、または分散液である。懸濁液または分散液である場合、その安定性が重要な特性である。この安定性は、例えば、溶媒、濃度、製造プロセスパラメーターを変更することにより、あるいは、好適な添加剤の使用、特に界面活性剤、乳化剤、共乳化剤または安定剤の使用により、当業者によって調整され得る。
【0053】
特に好適な第一のK1成分および第二のK2成分は、沈降または分離することなく、少なくとも6ヶ月、特に少なくとも9ヶ月の貯蔵安定性を有する。沈降または分離する場合がないことが好ましいが、わずかな沈降または分離は、それを振とう、特に10分未満の振とうにより元通りに戻すことが可能な場合には、なお弊害をもたらすものではない。
【0054】
2成分接着促進剤組成物の1つの好ましい態様では、第一成分は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物Aと、少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーとを含み、さらに、所望する場合はカーボンブラックと、所望する場合は揮発性溶媒とを含む。
【0055】
2成分接着促進剤組成物の別の好ましい態様では、第一成分は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物Aおよび/または少なくとも1種の有機チタン化合物および/または少なくとも1種の有機ジルコニウム化合物を含み、第二成分は、水および少なくとも1種の酸を含む。混合した2成分接着促進剤組成物のpHは、好ましくは2から8までの間であり、特に3から5までの間である。
【0056】
2つの成分K1および成分K2を配置する場所である区画は、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられている。区画および隔壁の考えられる好ましい実施形態を、以下に概略的に記載する。
本発明の典型的な実施形態を、以下に、図面を参照してより詳細に明らかにする。各図中で、類似した要素は同じ参照番号が付されている。力の方向は、矢印で示されている。これらの要素は、本発明の理解に直接重要な要素のみを示した。動作および圧力は矢印で示した。
【0057】
図1は、パッケージ6の実施形態P1、および、使用する容器5の実施形態P1をそれぞれ示す。この実施形態において、隔壁3は壊れやすい材料から製造される。図1aは、第一区画1が完全には第二区画に囲まれていない態様を示し、一方、図1bは、第一区画1が完全に第二区画に囲まれている態様を表している。この2つの区画の間の隔壁3は、圧力をかけると破れ、その結果、2つの成分K1およびK2が接触し、混合し、かつ/あるいは互いに反応することができる。圧力は、典型的には、区画の外壁4、4’への外部からの力の作用により生み出される。この力の作用は、容器への衝撃、または容器の曲げであることが好ましい。隔壁3の材料は、典型的には、ガラス、アルミニウム、アルミニウム合金、薄いプラスチック、または複合材料から製造される。この隔壁3は、単に意図的でない力の作用、例えば輸送途中で通常かかる力の作用等により破断しないような厚さに製造する必要がある。外壁4、4’は、隔壁3が破断するような圧力が加えられたときに、破れない、あるいは裂けないように設計する必要がある。外壁4、4’は、金属か、弾性のあるプラスチックで製造される。
【0058】
図2は、破断手段、特に切断手段7を備えた、パッケージ6の実施形態P2、および、使用するパック5の実施形態P2をそれぞれ示す。本実施形態では、圧力は、切断手段7によって隔壁3に加えられる。切断手段7は、それが可動性であり、固定された隔壁3に押し付けられるか、あるいは、切断手段7が固定されていて、隔壁3が切断手段7に押し付けられるかのいずれかである。圧力により、隔壁3は破れ、2つの成分K1およびK2が互いに接触し、かつ/あるいは反応する。パッケージの貯蔵状態においては、切断手段7は、隔壁3からある程度離れていることが好ましい。切断手段7および隔壁3は、互いに置き換えられ得る。このことは、圧力をかけ、外壁4、4’を変形させることによるかまたはネジにより達成することができる。外壁4、4’は、切断手段7によって隔壁3の貫通が引き起こされる圧力が加えられたときに、それ自身は裂けたり破れたりしないように設計される必要がある。外壁4、4’は、金属箔または弾性のあるプラスチックのいずれかで製造される。切断手段の性質は、原則として、設計によって非常に異なる可能性がある。例えば、図2a)は、切断手段7として、鋭くとがった先端を示している一方、図2b)は、破断補助部品として、球体を示している。好ましくは、切断手段7は、先端またはエッジである。このような先端またはエッジは、隔壁3の切断をより容易にする。したがって、図2a)のような実施形態が好ましい。
【0059】
図3は、パッケージ6の実施形態P3、および、使用するパック5の実施形態P3を示す。本実施形態では、隔壁はシール3’により実現されている。容器5の未開封状態では、シール3’は、2つの区画1、2を互いに隔てている。これは、未開封状態において、このシール3’が、外壁4、4’の少なくとも2つの壁部分8、8’によって締め付けられているという事実によって実現されている。少なくとも1つの壁部分8、8’は、外部からの影響によって移動可能であるように設計されている。このような可動性は、特に、ネジ9、9’を用いて実現される。使用を開始したい場合、壁部分8、8’を締め付けられたシール3’から取り外し、その結果、シール3’は密封機能を失い、通路が開かれ、2つの成分K1およびK2の互いの接触および/または反応が可能になる。本実施形態の1つの特定の態様においては、容器を開けて振とうすると、シール3’は十分に緩み、容器が1つの区画になる。
【0060】
シール3’は、弾力性のある材料、典型的には液体の密封のために使用される種類の材料から製造される。
【0061】
図3a)は、1つのネジ9を有する構造を示す一方、図3b)は、2つのネジ9、9’を有する構造を示す。図3b)は、図3a)より有利である。なぜなら、最初のステップで、第一区画に1つの成分、K1またはK2を注入し、その後、シール3’をネジ9によって取り付けて壁部分8によって固く締めることができ、あとの時点で、ふたの機能を有するこの部分を、パッケージの第二の部分にネジで取り付けることができるからである。これにより、他方の成分、K1またはK2を、ねじ9’と共に、したがって第二区画も共に、壁部分8’によって固く密閉することができる。
【0062】
図4は、パッケージ6の実施形態P4、および、使用するパック5の実施形態P4ををれぞれ示す。本実施形態では、隔壁3は引き出し可能な設計である。この例では、区画どうしの間に、薄い隔壁3が存在し、これは、外部からの介入によって引き出され、それにより2つの成分K1およびK2の互いの接触および/または反応が可能になる。この目的のため、隔壁が区画1、2の内壁と連結する領域内の連結点は、予め定められた破損点を有している。取り出しのために特に好適な実施形態は、隔壁3が引き裂きタブ16に連結している実施形態である。図4a)は、隔壁3だけが区画1、2の内壁に連結している態様を示す。この目的のため、隔壁が区画1、2の内壁に連結しているこの領域の連結点は、引き裂きタブ16が外壁に連結している領域と同様の態様で、予め定められた破損点を有している。図4b)では、隔壁が引き出されると、同時に、引き裂きタブ16および隔壁に連結したカバー11もパッケージから分離され、開口部10が形成され、ここから互いに接触した2つの成分を容器から取り出すことができる。
【0063】
図5は、実施形態P1の好ましい実施形態を示す。この実施形態では、1つの成分K1が入った第一区画1は、壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3から構成される。他方の成分K2が入った第二区画2は、同様に壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3から構成される。この2つのアンプルは、チューブ・イン・チューブ配置、または表示したようにアンプル・イン・アンプル配置で配置されることが好ましい。このアンプルの配置を、その外壁4が可撓性のあるプラスチックまたは厚紙から製造された容器に入れる。さらに、このプラスチック容器は、多孔性のカバー20、特にフェルトストリップまたはスポンジで覆われた開口部10を有している。パッケージを活性化させると、外壁4の屈曲またはプラスチックもしくは厚紙の外壁との衝撃によりガラスアンプルが壊れて開き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この反応混合物は、フェルトまたはスポンジ20に浸み込み、これらを表面に接触させることにより適用することができる。その上、このフェルトまたはスポンジは、容器5、6から生じた壊れたアンプルに起因する可能性があるいかなる破片をも避けることに役立つ。したがって、この実施形態P1は、2成分接着促進剤組成物の適用のための使い捨てのパッケージを構成する。特に、少量用に非常に好適である。特に、このパッケージは、車両の窓、特に自動車の窓の前処理に好適である。
【0064】
図6は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、成分K1が入った、壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3は、固定材14を有し、他方の成分K2が入ったボトル内に保持されている。図6a)は、水平方向のアンプル3を有する実施形態を示す。この例では、必要に応じて、剛性の手段、例えば、金属スパチュラによりアンプルが壊れるか、ボトルへの圧縮または衝撃によりアンプルの破裂が引き起こされて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。剛性の手段は、ボトルの開口部を通して導入することができる。この手段を取り出した後、必要であれば、ボトルを密閉して振とうすることができる。図6b)は、垂直方向のアンプル3を有する実施形態を示す。このアンプルは、ボトルの高さより長く、ふた12において固定材14中に突出するように設計される。ふた12は、ねじ9を有し、好ましくは、ふた12が誤って回されることを避ける安全タブ13を備えている。活性化を所望する場合は、安全タブ13を取り外し、ふた12を回すと、ふた12の底面がアンプル3の方向に移動してアンプルが圧力により破壊または破断されて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。このふたのシールは、さらに、ボトルが不浸透性であり、振とうすることができることを確実にする。図6a)および図6b)の両実施形態において、成分K1およびK2が混合された後にその反応混合物を適用するためのフェルトまたは細かい網20を、パッケージから生じた壊れたアンプルに起因する可能性があるいかなる破片をも避ける目的で取り付けることが好ましい。フェルトまたはスポンジは、2成分接着促進剤組成物が浸み込み、したがってその適用に非常に好適であるため、フェルトまたはスポンジを使用することが好ましい。フェルトまたはスポンジは、典型的には、ネジを有する成形部品に連結していて、ボトルのネジ9にねじで取り付けることができる。
【0065】
図7は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、区画1内に、少なくとも1つの金属ボールが混合補助部品17として存在する。振とうすると、2つの隔壁の間の隔壁3がこのボール17によって壊れ、または裂けて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。所望する場合は、ボール17は、隔壁3の引き裂きをより容易にするための先端またはエッジを備えていてもよい。隔壁3の厚さおよび性質、ならびに、使用するボール17の量および表面設計は、単にパッケージ6を振とうする事によって隔壁3の破壊が起こり得るが、例えば輸送中に起こるような単なる小さな振動の場合のように、望ましくない場合には破壊が起こらないように選択するべきである。区画の間の、外壁4、4’の間に広がる隔壁3を有する図7a)に示す態様と並んで、図7b)は、図6に示した、1成分を収容しているアンプル3の変更態様を示している。
【0066】
図8は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この実施形態では、1つの成分K1は、袋状構造体21を形成する区画1にパッケージされる。図8a)において、袋状構造体21は、その基部でそれが隔壁3に連結していて、その部分が予められた破損点を有するように設計されている。安全タブ13を取り去ることにより、ふた12はネジ9によって回し下げることができ、その結果、ふた12の底面が袋状構造体の方向に移動する。この手段によって、袋状構造体21は、予め定められた破損点が破裂するのに十分な圧力がかかるまで締め付けられ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この実施形態は、高度に流動性のある成分K1およびK2に対して特に好適である。別の可能性として、安全タブ13を取り去った後、ふた12をねじで取り外し、袋状構造体1、2を手作業で(手で)締め付けて、それが収容している成分を絞り出す。図8b)では、袋状構造体21がクランプクロージャー18を有する。区画1と区画2との間の通路の壁を締め付けることにより、この壁が、未開封状態で2つの区画1および2を互いに隔てる隔壁3を形成する。開封する場合、ふた12を、ネジ9を使用して取り外す。この後、クランプクロージャー18を取り外し、それによって、区画1および2の間の通路が開き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。これは、袋状構造体21をしぼり出すことによってさらに補助してもよい。両実施形態において、袋状構造体は、本接着促進剤組成物の適用を目的として、後でフェルトまたはスポンジを開口部10に(特にネジ9を用いて)取り付けることを可能にするため、それを容易に取り除くことができるように区画2の壁部分8に連結されるように設計される。
【0067】
図9は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、ボトル5または二重ホース・パウチ5という形態をとる。これは、ボトルまたはパウチの縦方向に配置した隔壁3により互いに隔てられた2つの区画1、2を有する。ボトル5またはパウチ5の外壁4、4’は、高度に弾力性のある材料で製造される一方、隔壁3は、剛性の材料製か非常に薄い層厚さであるかのいずれかである。ボトル5または二重パウチ5を軸方向にねじることにより、隔壁が非常に大幅に引き伸ばされ、または負荷がかかり、隔壁3が(図9’に示すように)破れて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。パウチまたはボトルは、その終端部に、固く締まっているふた12と共にネジ9を有していることが好ましい。混合または振とうを行った後、ふた12を開け、反応混合物を表面に適用することができる。さらに、好ましくは、ネジ9にフェルトをねじで留めることができる。
【0068】
図10は、実施形態P2の好ましい実施形態を示す。この例では、区画1は、ボトル5のふた12の一部を形成する。図10a)〜f)は、この状況における、様々な好ましい配置を示す。
【0069】
図10a)では、切断手段7は、例えば、輪の形態で壁部分8に接続しまたはその上にあり、区画1、2の隔壁3に向かって方向付けられている。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1、2を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能になる。切断手段7を、切断可能な材料で製造された隔壁3に接触させると、隔壁3は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。切断手段7が、図10a)に示すようにふた12の回転軸から外れて配置されている場合、さらにふたを回転させると隔壁3中に曲線の形で切り込みが入り、隔壁は折り返され、または切り取られることができ、成分K1およびK2の混合に非常に有利である。
【0070】
図10b)では、複数個の切断手段7がボトルの開口部の上に分配されて配置されている。切断手段同士の間には、区画1、2中の成分K1、K2のための通路が存在する。典型的には、この形式は、隔壁に対して方向付けられた先端部を有し、壁部分8の上にあるか、それに接続している穴あきプレートまたは網により達成される。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1、2を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能である。切断手段7が切断可能な材料から製造された隔壁3に接触すると、隔壁3は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この様に配置された切断手段7が複数あると、同時に多数の位置でいっせいに隔壁3に穴があけられ、したがって隔壁が効果的に破壊されるという利点がある。
【0071】
図10c)では、成分K1は、ふた12の一部を形成する異なる区画1、1’、1’’に入れられる。これらの区画1、1’、1’’は、切断可能または破断可能な材料から製造された、充填されたボールまたはパウチであってもよい。さらに、原則として、区画1、1’、1’’は、異なる成分K1、K1’、K1’’を収容することができる。したがって、3成分または多成分の接着促進剤組成物、例えば、互いと共に貯蔵するには好適ではない可能性、または比較的低い接着促進特性をもたらす可能性がある組成物が、このような方法で実現可能となり得る。複数個の切断手段7は、ボトルの開口部の上に分配されて配置される。切断手段同士の間には、区画1内の成分K1のための通路が存在する。典型的には、この形式は、隔壁に対して方向付けられた先端部を有し、壁部分8の上にあるか、それに接続している、穴あきプレートまたは網を用いて達成される。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能である。切断手段7が隔壁3に接触すると、隔壁3は切り裂かれ、または破裂し、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。
【0072】
図10d)では、成分K1は、切断可能なフィルムから製造された、ふた12の一部を形成する区画1内に貯蔵される。他方の区画2は、隔壁3’で密閉される。両区画において、切断手段7は2つの隔壁3、3’の近くに取り付けられる。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12を、ネジ9’を用いて回転させることが可能であり、その結果、切断手段7が互いに向かって移動し、この例では隔壁3、3’が切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。本実施形態は、区画1および2の両方にそれぞれ成分K1およびK2を注入することができ、さらに、両者を互いに不透過な状態で分離して貯蔵し得るという利点がある。
【0073】
図10e)では、1つの区画1が、典型的にはネジ9でボトルに連結された、ふた12の一部を形成する実施形態の1つを示す。ここで、このふたは、折り曲げて開けることができる保護カバー19を有している。このカバーの下には、1つの区画1がある。この区画は、例えば、高分子フィルム、金属箔、またはコンポジットシートなどの変形可能または切断可能な材料で製造される。この区画の内側には、保護カバーに向かい合う面上に、切断手段7が取り付けられる。この区画のこの一部は、典型的には、外側に向かって凸部を有する。混合したい場合、保護カバー19を(図10e’に示すように)折り曲げて開け、その後この凸部に圧力をかけると、切断手段7が隔壁3、3’に押し付けられ、これらの隔壁が破れ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。
【0074】
図10f)で説明された実施態様は、カバーを有する図10e)の実施態様に非常に類似している。この例では、1つの区画1はふた12の一部である。この区画は、切断可能な材料から製造される。他方の区画2は、同様に切断可能な材料から製造された隔壁3により閉じられている。未開封状態では、区画1および2の境界を定めるこの2つの隔壁3、3’は、非常に近くに、好ましくは互いに接触して配置される。安全タブ13を取り除き、ふた12を回転することにより、前記ふたを、区画1、2と共に、また切断手段7と共に、ねじ9’を用いて隔壁3の方向に移動させることができる。切断手段7が隔壁3と接触すると、後者は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この実施形態も、区画1および2の双方にそれぞれ成分K1およびK2を充填することができ、さらに、両者を互いに不透過性の状態で分離して貯蔵し得るという利点がある。
【0075】
図11は、実施形態P4の好ましい実施形態を示す。この例では、2つの区画1、2は、引き抜くことができる隔壁により互いに隔てられている。図11a)では、さらに、この隔壁3が、区画1、2のそれぞれの壁部分8および8’に連結されていて、開口部10のカバー11を形成している。引き抜きの際には、最初にカバー11をタブ16を用いて開ける。その後、隔壁3を、隔壁が区画1、2の内壁に連結した部分に配置された、予め定められた破損部により引き抜き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能にする。このふたをその後再びネジで取り付け、例えば振とうすることができる。さらに、適用の目的で、フェルトまたはスポンジを開口部10の上に備え付けること、特にネジ9を用いて取り付けることができる。
【0076】
図11b)では、引き抜くことができる隔壁3は、区画1、2の底部分に引き裂きタブ16を有するように設計されている。この引き裂きタブ16は、さらに、ボトルの開口部10を密閉するカバー11に連結される。ふた12を取り外した後、カバー11を取り除いた後、引き裂きタブ16を引っ張ること、あるいはタブ16を直接引っ張ることが可能であり、その結果、隔壁3が底部から、剥離により、区画の内壁から予め定められた破損部で引き離され、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この隔壁は、例えば、フィルムテープをボトルの内壁部分に軽く溶かして付けることにより製造することができる。引き裂きタブ16は、典型的には、このフィルムテープの残りの部分である。
【0077】
いずれの図においても、第一成分K1が第一区画1に存在し、第二成分K2が第二区画2に存在していてよく、あるいは、第一成分K1が第一区画2に存在し、第二成分K2が第二区画1に存在していてもよい。
【0078】
区画の大きさは、少なくとも1つの区画1、2が、その中に存在する成分K1、K2の体積よりも大きな体積を有するようなものが好ましい。特に好ましくは、前記成分によって占められていない体積が、少なくとも他方の成分の体積に相当する。
【0079】
さらに、第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2は、1/1000から1000/1までの間、特に1/200から1/10までの間または10/1から200/1までの間である。好ましくは、体積比K1/K2は、1/200から1/20までの間または20/1から200/1までの間である。
【0080】
少なくとも、第一成分K1が貯蔵される区画の壁は、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である材料、あるいは、少なくとも所望の貯蔵安定性に悪影響を与えない程度に不透過性である材料の1種以上でできていることが好ましい。この目的のためには、アルミニウム、ガラス、または複合材料が特に好ましい。したがって、例えば、成分K1は、アルミニウム・パウチ、またはアルミニウム−コーティングされたプラスチックのパウチに貯蔵することができる。この種の区画は、この壁がどの部分でも切断可能であり、したがってパウチの正確な位置決めが不要であるという利点がある。この種のパウチは、特に、図10の実施形態に好適である。
【0081】
パッケージ6は、区画1および2をK1およびK2で充填し、必要な場合には容器を組み立てることにより製造される。このパッケージは、良好な貯蔵安定性、典型的には、少なくとも6ヶ月、特に少なくとも9ヶ月の貯蔵安定性を有する。パッケージ6を接着促進剤を適用するために使用することとなる場合、これを特に明確に活性な状態にすることができる。この目的のため、隔壁3を取り外すか、切断して、成分K1およびK2の接触、混合および/または反応が可能になるようにしなければならない。混合は、振とうにより補助してもよい。その後、この方法で調製した接着促進剤組成物を、パッケージ6から取り出し、接着またはシーリングを行う表面に適用する。成分K1およびK2中の選択された成分の性質によって、最適な接着促進効果を達成するために、この2成分の接触時とこれらの適用時との間に短い時間、典型的には0.5時間未満の時間を経過させる必要があることがある。しかし、本接着促進剤組成物は、直ちに適用することが好ましい。表面は、非常にさまざまな材料でできていてよく、特に、ガラス、ガラス・セラミックス、金属、塗料、およびプラスチックが好ましい。必要に応じて、接着促進剤を適用する前に、さらなる化学的、物理的、または物理化学的な方法により、表面を前処理することが必要になる場合がある。適用のために、多孔質製カバー20、特にフェルトまたはスポンジを、開口部10を有するパッケージ6上に取り付けることが好ましい。この種の多孔質製カバー20は、典型的には、容器を有する組立体をエッジ部分で保護する成形部分に取り付ける。この組立体は、ネジ9によるねじ込み式接続方式を用いて実現することが好ましい。本2成分接着促進剤組成物は、1ミリメートル未満の膜厚、典型的には100マイクロメートル未満の膜厚で適用する。本接着促進剤組成物が、フィラーおよび/またはバインダーを含む場合、1から100マイクロメートルまでの間の膜厚、特に1から20マイクロメートルまでの間の膜厚が好ましい。本接着促進剤組成物が、フィラーもバインダーも含まない場合、膜厚は、化合物Aの1分子の単層の膜厚から50マイクロメートルまでの間、特に2ナノメートルから20マイクロメートルまでの間の膜厚、特に10ナノメートルから1マイクロメートルまでの間の膜厚が好ましい。
【実施例】
【0082】
[製造、実施例1〜5]
【表1】
【0083】
成分K1およびK2は、攪拌しながら混合することによって互いに別個に製造した。第一成分K1の3成分の混合は、窒素下で行った。
【0084】
これらの成分を混合し、30分後にその混合物をさまざまな基材に、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布することにより、適用した。その後、接着剤を10分後に適用した。
【0085】
[製造、実施例6]
実施例6は、Sika(登録商標) Aktivator(Sika Schweiz AG社から商業的に入手可能)をベースにした。Sika(登録商標) Aktivatorは、有機ケイ素化合物Aと、有機チタン化合物Aと、揮発性溶媒とを含む接着促進剤組成物である。このSika(登録商標) Aktivatorを1つの区画に貯蔵し、ジブチルスズジラウレートBを第二の区画に貯蔵する。この量は、Sika(登録商標) Aktivatorの重量を基準として、3重量%のジブチルスズジラウレートが使用される量である。
【0086】
これらの成分を混合した。混合後まもなく、黄色〜橙色の着色が見られた。10分後、この混合物をさまざまな基材に、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布した。その後、接着剤を10分後に適用した。
【0087】
[基材の準備およびプライマーの塗布]
基材(供給源)
− フロートガラス(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
− Cerdec 14259、ビスマスをベースとするセラミックコーティングをしたガラス(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
− AlMgSi1(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
AlMgSi1は、研磨紙を使用して粗くした。
【0088】
基材は、イソプロパノール/水混合液(1/1、w/w)で洗浄した。5分の待ち時間の後、本接着促進剤組成物を適用した。ガラスの場合、スズ面は接着に使用しなかった。
【0089】
[接着剤の適用および試験法]
本接着促進剤組成物の適用の直後に、その上に接着剤のビード(bead)を適用した。試験に使用した接着剤は、以下の湿気硬化性ポリウレタン接着剤またはシラン改質ポリウレタン接着剤であり、Sika Schweiz AG社より商業的に入手可能である:
Sikaflex(登録商標)-250 DM-1(DM−1)
SikaTack(登録商標)-Ultrafast(STUF)
SikaTack(登録商標)-Plus Booster(STPB)
【0090】
この接着剤について、恒温恒湿貯蔵室(CC)(23℃、50%相対湿度)での7日間の硬化時間後、その後の7日間の25℃の水中での貯蔵(WB)後、および、高温高湿での貯蔵(CP)(70℃、100%相対湿度)後に試験した。
【0091】
接着剤の接着は、「ビード試験」により試験した。このテストでは、接着面の少しだけ上の端部に切り込みを入れた。この切り込みを入れたビードの端部を、丸いプライヤーで保持し、基材から引っ張った。これは、プライヤーの先でビードを注意深く巻き上げ、さらに、切断部を、ビード引張り方向にたいして垂直に位置づけることにより行った。ビードの除去速度は、切断部が約3秒ごとに作られるように選択した。試験する長さは、少なくとも合計で8cmでなければならない。評価は、ビードが剥離された後に基材に残っている接着剤(凝集破壊(cohesive fracture))について行った。接着特性は、接着面の凝集部分を見積もることにより評価した:
1=95%を超える凝集破壊
2=75〜95%の凝集破壊
3=25〜75%の凝集破壊
4=25%未満の凝集破壊
5=接着破壊(adhesive fracture)
【0092】
付加した記号「F」は、接着剤が、プライマー上のフィルム接着でありプライマーと接着剤との間で破壊が起こることを示す。凝集破壊が75%未満の試験結果は、不適当と考えられる。
【0093】
高速強度:初期強度は、さまざまな条件下での硬化1時間後に、高速引張り試験機を用いて測定した。測定速度は1m/秒である。
【0094】
FOG:初期強度は、Zwick装置を用いて測定した。23℃、50%相対湿度での2時間の硬化後に、測定速度200mm/分で測定した。
【0095】
[結果]
【表2】
【0096】
Ref.1は、接着促進剤の適用をしない比較例である。Ref.2の場合、水のみを塗布した。Ref.3は、水/界面活性剤(実施例と同様の濃度)の塗布を実施した。塗布は、本接着促進剤組成物についてと同様の方法で実施した。すなわち、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて実施した。
【0097】
実施例6の場合、初期強度の発達発現は、Sika(登録商標) Aktivatorとの比較で測定した。この目的のために、アルミニウムパネルを上述したイソプロパノール/水混合液で洗浄し、その後、プライマーであるSika(登録商標)Primer-206 G+Pをはけで塗布し、25℃で10分間蒸発させ、さらにその後、実施例6の組成物または比較例としてのSika(登録商標) Aktivatorを、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布し、最後に、SikaTack(登録商標)-UltrafastまたはSikaTack(登録商標)-Plus Boosterで接着した。
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
結果は、本発明の2成分接着促進剤組成物を使用することで、さまざまな接着剤を使ってさまざまな基材で優れた接着を実現することが可能であり、接着の急速な発現も明らかとなったことを示す。
【符号の説明】
【0101】
K1・・・第一成分、K2・・・第二成分、1・・・第一区画、2・・・第二区画、3・・・隔壁、3’・・・シール、4・・・外壁、4’・・・外壁、5・・・容器、6・・・パッケージ、7・・・切断手段、8・・・壁部分、8’・・・壁部分、9・・・ネジ、9’・・・ネジ、10・・・開口部、11・・・カバー、12・・・ふた、13・・・安全タブ、14・・・固定材、15・・・混合補助部品、16・・・引き裂きタブ、17・・・混合補助部品、18・・・クランプクロージャー、19・・・保護カバー、20・・・多孔質製カバー、21・・・袋状構造体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物の分野に関連する。
【0002】
本発明は、2つの区画を備えた容器の使用にも関連する。
【背景技術】
【0003】
接着促進物質は、接着性、特に、接着剤およびシーリング剤の接着性を改良するために長い間使用されてきた。特に、シラン化合物およびチタネート化合物は、この種の接着促進物質として古くから知られている。とりわけ、材料および表面の性質により、および使用する接着剤およびシーリング剤により、特定の接着促進物質またはその混合物を選択する必要があることが明らかになってきた。これらの接着促進剤組成物は、接着またはシーリングを行う表面を前処理するためのプライマーまたは接着活性化剤として使用される。従来技術では、最初に、この種の接着促進物質は、不活性で揮発性の溶媒に溶解され、その結果湿気がない状態では長期間貯蔵することができる。この接着促進剤組成物を表面に適用すると、揮発性の溶剤が蒸発し、かつ、空気中の湿気が接着促進物質を加水分解して、それらの互いの縮合反応、さらに、適切な場合には、その表面上の極性基との縮合反応を引き起こす。しかし、この反応では、接着が発現するまでにある程度の時間を要する。
【0004】
これらの接着促進物質が水と接触すると、これらは加水分解され、縮合してオリゴマーおよび/またはポリマーを形成する。しかし、このようなオリゴマー、および特にこのようなポリマーを適用すると、接着促進効果が著しく貧弱であるか、あるいは接着促進効果が完全に失われることが非常に多い。接着促進剤組成物に非常に架橋が速い接着剤、特に非常に速いポリウレタン接着剤を適用した場合には、接着の発現が不十分であることが多いことが明らかになってきた。
【0005】
市場における優勢な傾向は揮発性の溶媒〔しばしばVOC(揮発性有機化合物)としても言及される溶媒〕から遠ざかっていることから、水性接着促進剤組成物を作り出すための方法が模索されてきた。この種の水性シランプライマーは、例えば、欧州特許第0577014B1号および欧州特許第0985718A2号に記載されている。米国特許第6,511,752号は、シラン/チタネート混合物をベースにした水性プライマーについて記載している。これらの公知の水性シラン組成物のいずれにも共通していることは、これらの調製には、非常に多数の追加の物質を使った、非常にコストのかかる不便な製造プロセスが必要となるという事実である。ある程度許容可能な貯蔵安定性を確保するために、これらのプロセスは、さらに特定のシラン類またはチタネート類に限られる。市場で入手可能な水性前処理製品の有効期間は非常に限られており、典型的には6ヶ月未満である。
【0006】
特に食品部門および製薬業界において、互いに隔てられた2つの収容部分を特徴とするさまざまなパッケージデザインがある。例えば、仏国特許2616322号は、2つの区画を備えた、活性成分の滅菌溶解装置を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0577014B1号公報
【特許文献2】欧州特許第0985718A2号公報
【特許文献3】米国特許第6,511,752号公報
【特許文献4】仏国特許2616322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、長期間の保存に対して安定であり、製造が容易で、簡単かつ確実に表面に適用することができる接着促進剤組成物を提供するとともに、関連する容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、この目的は、請求項1に記載した、表面処理用の2成分接着促進剤組成物により達成されることが判明した。
本発明の核心は、加水分解性接着促進物質少なくとも1種と、この接着促進物質と反応するかまたはこの接着促進物質の縮合を誘導もしくは触媒する化合物1種とが、隔壁により互いに隔てられた区画に貯蔵されていることにある。
【0010】
驚くべきことに、新しく生産された接着促進剤溶液で達成可能な結果は、あらかじめ長期間前に生産された同種の組成物で達成可能な結果より著しく優れていることが判明した。
【0011】
また、請求項18に記載した容器の使用、および請求項27に記載したパッケージも見いだした。
この種の容器は使用者にとって非常に使用しやすく、必要に応じ必要な時に、新しく調製した組成物を適用することができ、従って、これらの利点の恩恵を受けることができる。この容器は、原則として、水分の非存在下で安定な全ての接着促進物質に好適である。この結果、最適な接着促進物質または接着促進用組成物を、混合した組成物の貯蔵安定性を考慮することなしに使用することができるため、著しくより広範囲の接着促進物質が採用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、破断可能な隔壁を有する実施形態P1の断面図を示す。
【図2】図2は、破断補助部品、特に切断手段を有する実施形態P2の断面図を示す。
【図3】図3は、シールを有する実施形態P3の断面図を示す。
【図4】図4は、引き出し可能な隔壁を有する実施形態P4の断面図を示す。
【図5】図5は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図6】図6は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図7】図7は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図8】図8は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図9】図9は、P1の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図10】図10は、P2の好ましい実施形態の断面図を示す。
【図11】図11は、P4の好ましい実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施の方法]
本発明は、2成分を含む、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、第一成分K1が、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、および前記化合物の混合物からなる群から選択される加水分解性接着促進物質Aを少なくとも1種含む、2成分接着促進剤組成物に関する。さらに、第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含む。未開封状態においては、この第一成分およびこの第二成分は、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画に存在する。
【0014】
本発明は、さらに、本明細書中で2成分接着促進剤組成物において詳細に記載する2成分K1、K2を貯蔵するための、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画を備えた容器の使用を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられた2つの区画を備えた容器と、本発明の2成分接着促進組成物から構成されているパッケージを提供する。
【0016】
第一の成分K1は、少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aを含む。
【0017】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aは、有機ケイ素化合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機ケイ素化合物はいずれも、原則として好ましい。好ましくは、この有機ケイ素化合物は、少なくとも1個、特に少なくとも2個の、酸素−ケイ素結合を介して直接ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有する。さらに、この有機ケイ素化合物は、ケイ素−炭素結合を介してケイ素原子に結合した置換基であって、任意選択で、オキシラン、ヒドロキシル、(メタ)アクリロイルオキシ、アミノ、メルカプト、およびビニル基を含む群から選択される官能基を有していてもよい置換基を、少なくとも1個有する。特に、加水分解性接着促進物質Aは、式(I):
【化1】
の化合物である。
【0018】
上記式中、置換基R1は、直鎖または分岐の、任意選択で環状であってもよい、C原子1個〜20個を有するアルキレン基であって、芳香族成分を有していても有していなくてもよく、任意選択で1以上のヘテロ原子、特に窒素原子を有していてもよいアルキレン基である。
【0019】
置換基R2は、C原子1個〜5個を有するアルキル基、特にメチル基またはエチル基である。
【0020】
さらに、置換基R3は、C原子1個〜8個を有するアルキル基、特にメチル基であり、置換基Xは、H、または、オキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルを含む群から選択される官能基である。
【0021】
最後に、aは、0、1、または2のいずれかである。好ましくは、a=0である。
【0022】
好ましい置換基R1は、メチレン、プロピレン、メチルプロピレン、ブチレン、またはジメチルブチレン基である。R1は、好ましくはプロピレン基である。
【0023】
好適な有機ケイ素化合物は、商業的に容易に入手でき、特に好ましくは、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、3−メタクロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、トリス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ドデシルトリアルコキシシラン、およびヘキサデシルトリアルコキシシランを含む群から選択され、特に上記の化合物のメトキシシラン類およびエトキシシラン類が好適である。
【0024】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aはまた、有機チタン合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機チタン化合物はいずれも、原則として好ましい。
【0025】
特に好ましい有機チタン化合物は、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、およびアセチルアセトナート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって、酸素−チタン結合を介して直接チタン原子に結合した官能基を、少なくとも1個有する有機チタン化合物である。
【0026】
特に好適であることが判明しているアルコキシ基は、特に、イソプロポキシ基およびいわゆるネオアルコキシ基、特に以下の式:
【化2】
のネオアルコキシ基である。
【0027】
特に好適であることが判明しているスルホン酸類は、特に、芳香族部分がアルキル基で置換された芳香族スルホン酸類である。考えられる好適なスルホン酸類は、以下の式:
【化3】
の基である。
【0028】
特に好適であることが判明しているカルボキシレート基は、特に、脂肪酸のカルボキシレート基である。考えられる好適なカルボキシレートは、ステアレートおよびイソステラレートである。
【0029】
上述の式のすべてにおいて、破線で表した結合はこの場合において、チタン原子への結合を示している。
【0030】
有機チタン化合物は、例えば、Kenrich Petrochemicals社またはDuPont社から商業的に入手可能である。好ましい有機チタン化合物の例としては、例えば、Kenrich Petrochemicals社の、Ken-React(登録商標)KR TTS、同KR 7、KR 9S、 KR 12、KR 26S、KR 33DS、KR 38S、KR 39DS、KR44、KR 134S、KR 138S、KR 158FS、KR212、KR 238S、KR 262ES、KR 138D、KR 158D、KR238T、KR 238M、KR238A、KR238J、KR262A、LICA 38J、KR 55、LICA1、LICA 09、LICA 12、LICA 38、LICA 44、LICA 97、LICA 99、KR OPPR、KROPP2、または、DuPont社の、Tyzor(登録商標)ET、同TPT, NPT、BTM AA、AA-75、AA-95、AA-105、TE、ETAMが挙げられる。特に好ましくは、Ken-React(登録商標)KR 7、同KR 9S、KR 12、KR 26S、KR 38S、KR44、LICA 09、LICA 44、およびDuPont社の、Tyzor(登録商標)ET、同TPT、NPT、BTM、AA、AA-75、AA-95、AA-105、TE、ETAMである。
【0031】
少なくとも1種の加水分解性接着促進物質Aはさらに、有機ジルコニウム化合物であってよい。当業者に接着促進剤として使われることが知られている有機ジルコニウム化合物は原則として好適である。特に好適な有機ジルコニウム化合物は、アルコキシ基、スルホナート基、カルボキシレート基、およびホスフェート基、またはこれらの基の混合を含む群から選択される官能基であって、酸素−ジルコニウム結合を介して直接ジルコニウム原子に結合した官能基を、少なくとも1個有する有機ジルコニウム化合物である。
【0032】
特に好適であることが判明しているアルコキシ基は、特に、イソプロポキシ基およびいわゆるネオアルコキシ基、特に以下の式:
【化4】
のネオアルコキシ基である。
【0033】
特に好適であることが判明しているスルホン酸類は、特に、芳香族部分がアルキル基で置換された芳香族スルホン酸類である。考えられる好適なスルホン酸類は、以下の式:
【化5】
の基である。
【0034】
特に好適であることが判明しているカルボキシレート基は、特に、脂肪酸のカルボキシレート基である。考えられる好適なカルボキシレートは、ステアレートおよびイソステラレートである。
【0035】
上述の式のすべてにおいて、破線で表した結合はこの場合において、ジルコニウム原子への結合を示している。
【0036】
有機ジルコニウム化合物は、例えば、Kenrich Petrochemicals社から商業的に入手可能である。好ましい有機ジルコニウム化合物の例としては、例えば、Ken-React(登録商標)NZ 38J、同NZ TPPJ、KZ OPPR、KZ TPP、NZ 01、NZ 09、NZ 12、NZ38、NZ 44、NZ 97が挙げられる。
【0037】
さらに、第一成分K1は、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種および/または有機ジルコニウム化合物少なくとも1種と、の混合物を含んでいてもよい。同様に、有機チタン化合物少なくとも1種と、有機ジルコニウム化合物少なくとも1種との混合物を含んでいてもよい。好ましい混合物は、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種との混合物である。
【0038】
特に好適な混合物は、有機ケイ素化合物の2種またはそれ以上の混合物、または、有機ケイ素化合物の1種と、有機チタン化合物もしくは有機ジルコニウム化合物1種との混合物である。
【0039】
特に好適であることが判明している有機ケイ素化合物の混合物は、式(I)の複数の接着促進物質A(このうち少なくとも1種が置換基Xとして置換基Hを有し、このうち少なくとも1種の置換基がオキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルを含む群から選択される官能基を有する)の混合物である。これらの混合物は、好ましくは、アルキルトリアルコキシシラン少なくとも1種と、アミノアルキルトリアルコキシシランおよび/またはメルカプトアルキルトリアルコキシシランと、の混合物を含む。
【0040】
第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bを少なくとも1種含む。
【0041】
接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導または触媒する化合物Bは、有機スズ化合物または酸であることが好ましい。
【0042】
1つの好ましい実施態様では、化合物Bは、有機スズ化合物であり、好ましくは、ジアルキルスズジアセチルアセトナートまたはジアルキルスズジカルボキシレートであり、特に、ジブチルスズジラウレートまたはジブチルスズジアセテートである。好ましくは、化合物Bは、ジブチルスズジラウレートである。
【0043】
さらに好ましい実施態様では、化合物Bは、酸である。酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。酸は、典型的には、6未満のpKa1を有する。
【0044】
特に好適な無機酸は、リンを含む酸および硫黄を含む酸である。特に好適であることが判明している無機酸は、スルホン酸またはリン酸であり、特にスルホン酸である。
【0045】
特に好適な有機酸としては、蟻酸、酢酸、アミノ酸が挙げられる。酢酸は特に好適であることが判明している。
【0046】
第一のK1成分および/または第二のK2成分中にさらなる構成成分があってよい。本目的のための典型的な構成成分として特に、例えば、溶媒、バインダー、フィラー、混合助剤、および添加剤等を挙げることができる。好ましい溶媒は、揮発性溶媒、例えば、水、アルコール(特にエタノール、イソプロパノール、ブタノール)、アルデヒドまたはケトン(特にアセトン、メチルエチルケトン)、炭化水素(特にヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、トルエン、揮発油)、およびこれらの混合物等、特にエタノール、イソプロパノール、またはヘキサンである。
【0047】
好ましいバインダーは、特に、例えば、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂のプレポリマーおよび付加体等の皮膜形成バインダーである。イソシアネート基を含み、ポリオールおよびポリイソシアネートから製造されるポリウレタンプレポリマーが好ましい。
【0048】
好ましいフィラーは、必要に応じて表面処理された、カーボンブラック、熱分解法シリカ、チョークである。
【0049】
混合助剤は、好ましくは、ビーズ、特に金属ビーズまたはガラスビーズである。
【0050】
添加剤としては、特に、流動性調整剤、消泡剤、界面活性剤、殺生物剤、沈降防止剤、安定化剤、抑制剤、顔料、染料、腐食防止剤、および臭気剤が挙げられる。
【0051】
しかし、第一のK1成分および/または第二のK2成分の考えられる追加的な構成成分を選択する場合、これらの追加的な構成成分が、貯蔵安定性に問題を起こさないこと、あるいは、各成分中、特にA成分、および/またはB成分中に存在する化合物と反応しないことを心に留めておく必要がある。
【0052】
室温において、第一のK1成分および第二のK2成分は、液状と粉状の中間のコンシステンシーを有していて、これらの成分の少なくとも1つがある程度の液体画分を有していなければならない。特に好ましくは、第一のK1成分および第二のK2成分は、液体である。なぜなら、液体成分、特に高度に流動性のある液体成分は、高度にペースト状の成分より効率的に混合できるからである。好ましくは、第一のK1成分および第二のK2成分は、溶液、懸濁液、または分散液である。懸濁液または分散液である場合、その安定性が重要な特性である。この安定性は、例えば、溶媒、濃度、製造プロセスパラメーターを変更することにより、あるいは、好適な添加剤の使用、特に界面活性剤、乳化剤、共乳化剤または安定剤の使用により、当業者によって調整され得る。
【0053】
特に好適な第一のK1成分および第二のK2成分は、沈降または分離することなく、少なくとも6ヶ月、特に少なくとも9ヶ月の貯蔵安定性を有する。沈降または分離する場合がないことが好ましいが、わずかな沈降または分離は、それを振とう、特に10分未満の振とうにより元通りに戻すことが可能な場合には、なお弊害をもたらすものではない。
【0054】
2成分接着促進剤組成物の1つの好ましい態様では、第一成分は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物Aと、少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーとを含み、さらに、所望する場合はカーボンブラックと、所望する場合は揮発性溶媒とを含む。
【0055】
2成分接着促進剤組成物の別の好ましい態様では、第一成分は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物Aおよび/または少なくとも1種の有機チタン化合物および/または少なくとも1種の有機ジルコニウム化合物を含み、第二成分は、水および少なくとも1種の酸を含む。混合した2成分接着促進剤組成物のpHは、好ましくは2から8までの間であり、特に3から5までの間である。
【0056】
2つの成分K1および成分K2を配置する場所である区画は、少なくとも1つの隔壁によって互いに隔てられている。区画および隔壁の考えられる好ましい実施形態を、以下に概略的に記載する。
本発明の典型的な実施形態を、以下に、図面を参照してより詳細に明らかにする。各図中で、類似した要素は同じ参照番号が付されている。力の方向は、矢印で示されている。これらの要素は、本発明の理解に直接重要な要素のみを示した。動作および圧力は矢印で示した。
【0057】
図1は、パッケージ6の実施形態P1、および、使用する容器5の実施形態P1をそれぞれ示す。この実施形態において、隔壁3は壊れやすい材料から製造される。図1aは、第一区画1が完全には第二区画に囲まれていない態様を示し、一方、図1bは、第一区画1が完全に第二区画に囲まれている態様を表している。この2つの区画の間の隔壁3は、圧力をかけると破れ、その結果、2つの成分K1およびK2が接触し、混合し、かつ/あるいは互いに反応することができる。圧力は、典型的には、区画の外壁4、4’への外部からの力の作用により生み出される。この力の作用は、容器への衝撃、または容器の曲げであることが好ましい。隔壁3の材料は、典型的には、ガラス、アルミニウム、アルミニウム合金、薄いプラスチック、または複合材料から製造される。この隔壁3は、単に意図的でない力の作用、例えば輸送途中で通常かかる力の作用等により破断しないような厚さに製造する必要がある。外壁4、4’は、隔壁3が破断するような圧力が加えられたときに、破れない、あるいは裂けないように設計する必要がある。外壁4、4’は、金属か、弾性のあるプラスチックで製造される。
【0058】
図2は、破断手段、特に切断手段7を備えた、パッケージ6の実施形態P2、および、使用するパック5の実施形態P2をそれぞれ示す。本実施形態では、圧力は、切断手段7によって隔壁3に加えられる。切断手段7は、それが可動性であり、固定された隔壁3に押し付けられるか、あるいは、切断手段7が固定されていて、隔壁3が切断手段7に押し付けられるかのいずれかである。圧力により、隔壁3は破れ、2つの成分K1およびK2が互いに接触し、かつ/あるいは反応する。パッケージの貯蔵状態においては、切断手段7は、隔壁3からある程度離れていることが好ましい。切断手段7および隔壁3は、互いに置き換えられ得る。このことは、圧力をかけ、外壁4、4’を変形させることによるかまたはネジにより達成することができる。外壁4、4’は、切断手段7によって隔壁3の貫通が引き起こされる圧力が加えられたときに、それ自身は裂けたり破れたりしないように設計される必要がある。外壁4、4’は、金属箔または弾性のあるプラスチックのいずれかで製造される。切断手段の性質は、原則として、設計によって非常に異なる可能性がある。例えば、図2a)は、切断手段7として、鋭くとがった先端を示している一方、図2b)は、破断補助部品として、球体を示している。好ましくは、切断手段7は、先端またはエッジである。このような先端またはエッジは、隔壁3の切断をより容易にする。したがって、図2a)のような実施形態が好ましい。
【0059】
図3は、パッケージ6の実施形態P3、および、使用するパック5の実施形態P3を示す。本実施形態では、隔壁はシール3’により実現されている。容器5の未開封状態では、シール3’は、2つの区画1、2を互いに隔てている。これは、未開封状態において、このシール3’が、外壁4、4’の少なくとも2つの壁部分8、8’によって締め付けられているという事実によって実現されている。少なくとも1つの壁部分8、8’は、外部からの影響によって移動可能であるように設計されている。このような可動性は、特に、ネジ9、9’を用いて実現される。使用を開始したい場合、壁部分8、8’を締め付けられたシール3’から取り外し、その結果、シール3’は密封機能を失い、通路が開かれ、2つの成分K1およびK2の互いの接触および/または反応が可能になる。本実施形態の1つの特定の態様においては、容器を開けて振とうすると、シール3’は十分に緩み、容器が1つの区画になる。
【0060】
シール3’は、弾力性のある材料、典型的には液体の密封のために使用される種類の材料から製造される。
【0061】
図3a)は、1つのネジ9を有する構造を示す一方、図3b)は、2つのネジ9、9’を有する構造を示す。図3b)は、図3a)より有利である。なぜなら、最初のステップで、第一区画に1つの成分、K1またはK2を注入し、その後、シール3’をネジ9によって取り付けて壁部分8によって固く締めることができ、あとの時点で、ふたの機能を有するこの部分を、パッケージの第二の部分にネジで取り付けることができるからである。これにより、他方の成分、K1またはK2を、ねじ9’と共に、したがって第二区画も共に、壁部分8’によって固く密閉することができる。
【0062】
図4は、パッケージ6の実施形態P4、および、使用するパック5の実施形態P4ををれぞれ示す。本実施形態では、隔壁3は引き出し可能な設計である。この例では、区画どうしの間に、薄い隔壁3が存在し、これは、外部からの介入によって引き出され、それにより2つの成分K1およびK2の互いの接触および/または反応が可能になる。この目的のため、隔壁が区画1、2の内壁と連結する領域内の連結点は、予め定められた破損点を有している。取り出しのために特に好適な実施形態は、隔壁3が引き裂きタブ16に連結している実施形態である。図4a)は、隔壁3だけが区画1、2の内壁に連結している態様を示す。この目的のため、隔壁が区画1、2の内壁に連結しているこの領域の連結点は、引き裂きタブ16が外壁に連結している領域と同様の態様で、予め定められた破損点を有している。図4b)では、隔壁が引き出されると、同時に、引き裂きタブ16および隔壁に連結したカバー11もパッケージから分離され、開口部10が形成され、ここから互いに接触した2つの成分を容器から取り出すことができる。
【0063】
図5は、実施形態P1の好ましい実施形態を示す。この実施形態では、1つの成分K1が入った第一区画1は、壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3から構成される。他方の成分K2が入った第二区画2は、同様に壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3から構成される。この2つのアンプルは、チューブ・イン・チューブ配置、または表示したようにアンプル・イン・アンプル配置で配置されることが好ましい。このアンプルの配置を、その外壁4が可撓性のあるプラスチックまたは厚紙から製造された容器に入れる。さらに、このプラスチック容器は、多孔性のカバー20、特にフェルトストリップまたはスポンジで覆われた開口部10を有している。パッケージを活性化させると、外壁4の屈曲またはプラスチックもしくは厚紙の外壁との衝撃によりガラスアンプルが壊れて開き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この反応混合物は、フェルトまたはスポンジ20に浸み込み、これらを表面に接触させることにより適用することができる。その上、このフェルトまたはスポンジは、容器5、6から生じた壊れたアンプルに起因する可能性があるいかなる破片をも避けることに役立つ。したがって、この実施形態P1は、2成分接着促進剤組成物の適用のための使い捨てのパッケージを構成する。特に、少量用に非常に好適である。特に、このパッケージは、車両の窓、特に自動車の窓の前処理に好適である。
【0064】
図6は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、成分K1が入った、壊れやすいガラスまたはプラスチックのアンプル3は、固定材14を有し、他方の成分K2が入ったボトル内に保持されている。図6a)は、水平方向のアンプル3を有する実施形態を示す。この例では、必要に応じて、剛性の手段、例えば、金属スパチュラによりアンプルが壊れるか、ボトルへの圧縮または衝撃によりアンプルの破裂が引き起こされて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。剛性の手段は、ボトルの開口部を通して導入することができる。この手段を取り出した後、必要であれば、ボトルを密閉して振とうすることができる。図6b)は、垂直方向のアンプル3を有する実施形態を示す。このアンプルは、ボトルの高さより長く、ふた12において固定材14中に突出するように設計される。ふた12は、ねじ9を有し、好ましくは、ふた12が誤って回されることを避ける安全タブ13を備えている。活性化を所望する場合は、安全タブ13を取り外し、ふた12を回すと、ふた12の底面がアンプル3の方向に移動してアンプルが圧力により破壊または破断されて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。このふたのシールは、さらに、ボトルが不浸透性であり、振とうすることができることを確実にする。図6a)および図6b)の両実施形態において、成分K1およびK2が混合された後にその反応混合物を適用するためのフェルトまたは細かい網20を、パッケージから生じた壊れたアンプルに起因する可能性があるいかなる破片をも避ける目的で取り付けることが好ましい。フェルトまたはスポンジは、2成分接着促進剤組成物が浸み込み、したがってその適用に非常に好適であるため、フェルトまたはスポンジを使用することが好ましい。フェルトまたはスポンジは、典型的には、ネジを有する成形部品に連結していて、ボトルのネジ9にねじで取り付けることができる。
【0065】
図7は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、区画1内に、少なくとも1つの金属ボールが混合補助部品17として存在する。振とうすると、2つの隔壁の間の隔壁3がこのボール17によって壊れ、または裂けて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。所望する場合は、ボール17は、隔壁3の引き裂きをより容易にするための先端またはエッジを備えていてもよい。隔壁3の厚さおよび性質、ならびに、使用するボール17の量および表面設計は、単にパッケージ6を振とうする事によって隔壁3の破壊が起こり得るが、例えば輸送中に起こるような単なる小さな振動の場合のように、望ましくない場合には破壊が起こらないように選択するべきである。区画の間の、外壁4、4’の間に広がる隔壁3を有する図7a)に示す態様と並んで、図7b)は、図6に示した、1成分を収容しているアンプル3の変更態様を示している。
【0066】
図8は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この実施形態では、1つの成分K1は、袋状構造体21を形成する区画1にパッケージされる。図8a)において、袋状構造体21は、その基部でそれが隔壁3に連結していて、その部分が予められた破損点を有するように設計されている。安全タブ13を取り去ることにより、ふた12はネジ9によって回し下げることができ、その結果、ふた12の底面が袋状構造体の方向に移動する。この手段によって、袋状構造体21は、予め定められた破損点が破裂するのに十分な圧力がかかるまで締め付けられ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この実施形態は、高度に流動性のある成分K1およびK2に対して特に好適である。別の可能性として、安全タブ13を取り去った後、ふた12をねじで取り外し、袋状構造体1、2を手作業で(手で)締め付けて、それが収容している成分を絞り出す。図8b)では、袋状構造体21がクランプクロージャー18を有する。区画1と区画2との間の通路の壁を締め付けることにより、この壁が、未開封状態で2つの区画1および2を互いに隔てる隔壁3を形成する。開封する場合、ふた12を、ネジ9を使用して取り外す。この後、クランプクロージャー18を取り外し、それによって、区画1および2の間の通路が開き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。これは、袋状構造体21をしぼり出すことによってさらに補助してもよい。両実施形態において、袋状構造体は、本接着促進剤組成物の適用を目的として、後でフェルトまたはスポンジを開口部10に(特にネジ9を用いて)取り付けることを可能にするため、それを容易に取り除くことができるように区画2の壁部分8に連結されるように設計される。
【0067】
図9は、実施形態P1のさらに好ましい実施形態を示す。この例では、ボトル5または二重ホース・パウチ5という形態をとる。これは、ボトルまたはパウチの縦方向に配置した隔壁3により互いに隔てられた2つの区画1、2を有する。ボトル5またはパウチ5の外壁4、4’は、高度に弾力性のある材料で製造される一方、隔壁3は、剛性の材料製か非常に薄い層厚さであるかのいずれかである。ボトル5または二重パウチ5を軸方向にねじることにより、隔壁が非常に大幅に引き伸ばされ、または負荷がかかり、隔壁3が(図9’に示すように)破れて、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。パウチまたはボトルは、その終端部に、固く締まっているふた12と共にネジ9を有していることが好ましい。混合または振とうを行った後、ふた12を開け、反応混合物を表面に適用することができる。さらに、好ましくは、ネジ9にフェルトをねじで留めることができる。
【0068】
図10は、実施形態P2の好ましい実施形態を示す。この例では、区画1は、ボトル5のふた12の一部を形成する。図10a)〜f)は、この状況における、様々な好ましい配置を示す。
【0069】
図10a)では、切断手段7は、例えば、輪の形態で壁部分8に接続しまたはその上にあり、区画1、2の隔壁3に向かって方向付けられている。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1、2を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能になる。切断手段7を、切断可能な材料で製造された隔壁3に接触させると、隔壁3は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。切断手段7が、図10a)に示すようにふた12の回転軸から外れて配置されている場合、さらにふたを回転させると隔壁3中に曲線の形で切り込みが入り、隔壁は折り返され、または切り取られることができ、成分K1およびK2の混合に非常に有利である。
【0070】
図10b)では、複数個の切断手段7がボトルの開口部の上に分配されて配置されている。切断手段同士の間には、区画1、2中の成分K1、K2のための通路が存在する。典型的には、この形式は、隔壁に対して方向付けられた先端部を有し、壁部分8の上にあるか、それに接続している穴あきプレートまたは網により達成される。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1、2を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能である。切断手段7が切断可能な材料から製造された隔壁3に接触すると、隔壁3は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この様に配置された切断手段7が複数あると、同時に多数の位置でいっせいに隔壁3に穴があけられ、したがって隔壁が効果的に破壊されるという利点がある。
【0071】
図10c)では、成分K1は、ふた12の一部を形成する異なる区画1、1’、1’’に入れられる。これらの区画1、1’、1’’は、切断可能または破断可能な材料から製造された、充填されたボールまたはパウチであってもよい。さらに、原則として、区画1、1’、1’’は、異なる成分K1、K1’、K1’’を収容することができる。したがって、3成分または多成分の接着促進剤組成物、例えば、互いと共に貯蔵するには好適ではない可能性、または比較的低い接着促進特性をもたらす可能性がある組成物が、このような方法で実現可能となり得る。複数個の切断手段7は、ボトルの開口部の上に分配されて配置される。切断手段同士の間には、区画1内の成分K1のための通路が存在する。典型的には、この形式は、隔壁に対して方向付けられた先端部を有し、壁部分8の上にあるか、それに接続している、穴あきプレートまたは網を用いて達成される。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12と区画1を、ネジ9’を用いて、回転により、切断手段7の方向に移動させることが可能である。切断手段7が隔壁3に接触すると、隔壁3は切り裂かれ、または破裂し、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。
【0072】
図10d)では、成分K1は、切断可能なフィルムから製造された、ふた12の一部を形成する区画1内に貯蔵される。他方の区画2は、隔壁3’で密閉される。両区画において、切断手段7は2つの隔壁3、3’の近くに取り付けられる。安全タブ13を取り除くことによって、ふた12を、ネジ9’を用いて回転させることが可能であり、その結果、切断手段7が互いに向かって移動し、この例では隔壁3、3’が切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。本実施形態は、区画1および2の両方にそれぞれ成分K1およびK2を注入することができ、さらに、両者を互いに不透過な状態で分離して貯蔵し得るという利点がある。
【0073】
図10e)では、1つの区画1が、典型的にはネジ9でボトルに連結された、ふた12の一部を形成する実施形態の1つを示す。ここで、このふたは、折り曲げて開けることができる保護カバー19を有している。このカバーの下には、1つの区画1がある。この区画は、例えば、高分子フィルム、金属箔、またはコンポジットシートなどの変形可能または切断可能な材料で製造される。この区画の内側には、保護カバーに向かい合う面上に、切断手段7が取り付けられる。この区画のこの一部は、典型的には、外側に向かって凸部を有する。混合したい場合、保護カバー19を(図10e’に示すように)折り曲げて開け、その後この凸部に圧力をかけると、切断手段7が隔壁3、3’に押し付けられ、これらの隔壁が破れ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。
【0074】
図10f)で説明された実施態様は、カバーを有する図10e)の実施態様に非常に類似している。この例では、1つの区画1はふた12の一部である。この区画は、切断可能な材料から製造される。他方の区画2は、同様に切断可能な材料から製造された隔壁3により閉じられている。未開封状態では、区画1および2の境界を定めるこの2つの隔壁3、3’は、非常に近くに、好ましくは互いに接触して配置される。安全タブ13を取り除き、ふた12を回転することにより、前記ふたを、区画1、2と共に、また切断手段7と共に、ねじ9’を用いて隔壁3の方向に移動させることができる。切断手段7が隔壁3と接触すると、後者は切り裂かれ、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この実施形態も、区画1および2の双方にそれぞれ成分K1およびK2を充填することができ、さらに、両者を互いに不透過性の状態で分離して貯蔵し得るという利点がある。
【0075】
図11は、実施形態P4の好ましい実施形態を示す。この例では、2つの区画1、2は、引き抜くことができる隔壁により互いに隔てられている。図11a)では、さらに、この隔壁3が、区画1、2のそれぞれの壁部分8および8’に連結されていて、開口部10のカバー11を形成している。引き抜きの際には、最初にカバー11をタブ16を用いて開ける。その後、隔壁3を、隔壁が区画1、2の内壁に連結した部分に配置された、予め定められた破損部により引き抜き、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能にする。このふたをその後再びネジで取り付け、例えば振とうすることができる。さらに、適用の目的で、フェルトまたはスポンジを開口部10の上に備え付けること、特にネジ9を用いて取り付けることができる。
【0076】
図11b)では、引き抜くことができる隔壁3は、区画1、2の底部分に引き裂きタブ16を有するように設計されている。この引き裂きタブ16は、さらに、ボトルの開口部10を密閉するカバー11に連結される。ふた12を取り外した後、カバー11を取り除いた後、引き裂きタブ16を引っ張ること、あるいはタブ16を直接引っ張ることが可能であり、その結果、隔壁3が底部から、剥離により、区画の内壁から予め定められた破損部で引き離され、成分K1およびK2の混合および/または反応が可能になる。この隔壁は、例えば、フィルムテープをボトルの内壁部分に軽く溶かして付けることにより製造することができる。引き裂きタブ16は、典型的には、このフィルムテープの残りの部分である。
【0077】
いずれの図においても、第一成分K1が第一区画1に存在し、第二成分K2が第二区画2に存在していてよく、あるいは、第一成分K1が第一区画2に存在し、第二成分K2が第二区画1に存在していてもよい。
【0078】
区画の大きさは、少なくとも1つの区画1、2が、その中に存在する成分K1、K2の体積よりも大きな体積を有するようなものが好ましい。特に好ましくは、前記成分によって占められていない体積が、少なくとも他方の成分の体積に相当する。
【0079】
さらに、第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2は、1/1000から1000/1までの間、特に1/200から1/10までの間または10/1から200/1までの間である。好ましくは、体積比K1/K2は、1/200から1/20までの間または20/1から200/1までの間である。
【0080】
少なくとも、第一成分K1が貯蔵される区画の壁は、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である材料、あるいは、少なくとも所望の貯蔵安定性に悪影響を与えない程度に不透過性である材料の1種以上でできていることが好ましい。この目的のためには、アルミニウム、ガラス、または複合材料が特に好ましい。したがって、例えば、成分K1は、アルミニウム・パウチ、またはアルミニウム−コーティングされたプラスチックのパウチに貯蔵することができる。この種の区画は、この壁がどの部分でも切断可能であり、したがってパウチの正確な位置決めが不要であるという利点がある。この種のパウチは、特に、図10の実施形態に好適である。
【0081】
パッケージ6は、区画1および2をK1およびK2で充填し、必要な場合には容器を組み立てることにより製造される。このパッケージは、良好な貯蔵安定性、典型的には、少なくとも6ヶ月、特に少なくとも9ヶ月の貯蔵安定性を有する。パッケージ6を接着促進剤を適用するために使用することとなる場合、これを特に明確に活性な状態にすることができる。この目的のため、隔壁3を取り外すか、切断して、成分K1およびK2の接触、混合および/または反応が可能になるようにしなければならない。混合は、振とうにより補助してもよい。その後、この方法で調製した接着促進剤組成物を、パッケージ6から取り出し、接着またはシーリングを行う表面に適用する。成分K1およびK2中の選択された成分の性質によって、最適な接着促進効果を達成するために、この2成分の接触時とこれらの適用時との間に短い時間、典型的には0.5時間未満の時間を経過させる必要があることがある。しかし、本接着促進剤組成物は、直ちに適用することが好ましい。表面は、非常にさまざまな材料でできていてよく、特に、ガラス、ガラス・セラミックス、金属、塗料、およびプラスチックが好ましい。必要に応じて、接着促進剤を適用する前に、さらなる化学的、物理的、または物理化学的な方法により、表面を前処理することが必要になる場合がある。適用のために、多孔質製カバー20、特にフェルトまたはスポンジを、開口部10を有するパッケージ6上に取り付けることが好ましい。この種の多孔質製カバー20は、典型的には、容器を有する組立体をエッジ部分で保護する成形部分に取り付ける。この組立体は、ネジ9によるねじ込み式接続方式を用いて実現することが好ましい。本2成分接着促進剤組成物は、1ミリメートル未満の膜厚、典型的には100マイクロメートル未満の膜厚で適用する。本接着促進剤組成物が、フィラーおよび/またはバインダーを含む場合、1から100マイクロメートルまでの間の膜厚、特に1から20マイクロメートルまでの間の膜厚が好ましい。本接着促進剤組成物が、フィラーもバインダーも含まない場合、膜厚は、化合物Aの1分子の単層の膜厚から50マイクロメートルまでの間、特に2ナノメートルから20マイクロメートルまでの間の膜厚、特に10ナノメートルから1マイクロメートルまでの間の膜厚が好ましい。
【実施例】
【0082】
[製造、実施例1〜5]
【表1】
【0083】
成分K1およびK2は、攪拌しながら混合することによって互いに別個に製造した。第一成分K1の3成分の混合は、窒素下で行った。
【0084】
これらの成分を混合し、30分後にその混合物をさまざまな基材に、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布することにより、適用した。その後、接着剤を10分後に適用した。
【0085】
[製造、実施例6]
実施例6は、Sika(登録商標) Aktivator(Sika Schweiz AG社から商業的に入手可能)をベースにした。Sika(登録商標) Aktivatorは、有機ケイ素化合物Aと、有機チタン化合物Aと、揮発性溶媒とを含む接着促進剤組成物である。このSika(登録商標) Aktivatorを1つの区画に貯蔵し、ジブチルスズジラウレートBを第二の区画に貯蔵する。この量は、Sika(登録商標) Aktivatorの重量を基準として、3重量%のジブチルスズジラウレートが使用される量である。
【0086】
これらの成分を混合した。混合後まもなく、黄色〜橙色の着色が見られた。10分後、この混合物をさまざまな基材に、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布した。その後、接着剤を10分後に適用した。
【0087】
[基材の準備およびプライマーの塗布]
基材(供給源)
− フロートガラス(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
− Cerdec 14259、ビスマスをベースとするセラミックコーティングをしたガラス(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
− AlMgSi1(Rocholl社、独国、Schoenbrunn)
AlMgSi1は、研磨紙を使用して粗くした。
【0088】
基材は、イソプロパノール/水混合液(1/1、w/w)で洗浄した。5分の待ち時間の後、本接着促進剤組成物を適用した。ガラスの場合、スズ面は接着に使用しなかった。
【0089】
[接着剤の適用および試験法]
本接着促進剤組成物の適用の直後に、その上に接着剤のビード(bead)を適用した。試験に使用した接着剤は、以下の湿気硬化性ポリウレタン接着剤またはシラン改質ポリウレタン接着剤であり、Sika Schweiz AG社より商業的に入手可能である:
Sikaflex(登録商標)-250 DM-1(DM−1)
SikaTack(登録商標)-Ultrafast(STUF)
SikaTack(登録商標)-Plus Booster(STPB)
【0090】
この接着剤について、恒温恒湿貯蔵室(CC)(23℃、50%相対湿度)での7日間の硬化時間後、その後の7日間の25℃の水中での貯蔵(WB)後、および、高温高湿での貯蔵(CP)(70℃、100%相対湿度)後に試験した。
【0091】
接着剤の接着は、「ビード試験」により試験した。このテストでは、接着面の少しだけ上の端部に切り込みを入れた。この切り込みを入れたビードの端部を、丸いプライヤーで保持し、基材から引っ張った。これは、プライヤーの先でビードを注意深く巻き上げ、さらに、切断部を、ビード引張り方向にたいして垂直に位置づけることにより行った。ビードの除去速度は、切断部が約3秒ごとに作られるように選択した。試験する長さは、少なくとも合計で8cmでなければならない。評価は、ビードが剥離された後に基材に残っている接着剤(凝集破壊(cohesive fracture))について行った。接着特性は、接着面の凝集部分を見積もることにより評価した:
1=95%を超える凝集破壊
2=75〜95%の凝集破壊
3=25〜75%の凝集破壊
4=25%未満の凝集破壊
5=接着破壊(adhesive fracture)
【0092】
付加した記号「F」は、接着剤が、プライマー上のフィルム接着でありプライマーと接着剤との間で破壊が起こることを示す。凝集破壊が75%未満の試験結果は、不適当と考えられる。
【0093】
高速強度:初期強度は、さまざまな条件下での硬化1時間後に、高速引張り試験機を用いて測定した。測定速度は1m/秒である。
【0094】
FOG:初期強度は、Zwick装置を用いて測定した。23℃、50%相対湿度での2時間の硬化後に、測定速度200mm/分で測定した。
【0095】
[結果]
【表2】
【0096】
Ref.1は、接着促進剤の適用をしない比較例である。Ref.2の場合、水のみを塗布した。Ref.3は、水/界面活性剤(実施例と同様の濃度)の塗布を実施した。塗布は、本接着促進剤組成物についてと同様の方法で実施した。すなわち、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて実施した。
【0097】
実施例6の場合、初期強度の発達発現は、Sika(登録商標) Aktivatorとの比較で測定した。この目的のために、アルミニウムパネルを上述したイソプロパノール/水混合液で洗浄し、その後、プライマーであるSika(登録商標)Primer-206 G+Pをはけで塗布し、25℃で10分間蒸発させ、さらにその後、実施例6の組成物または比較例としてのSika(登録商標) Aktivatorを、含浸紙布(Tela または Kleenex (登録商標))を用いて塗布し、最後に、SikaTack(登録商標)-UltrafastまたはSikaTack(登録商標)-Plus Boosterで接着した。
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
結果は、本発明の2成分接着促進剤組成物を使用することで、さまざまな接着剤を使ってさまざまな基材で優れた接着を実現することが可能であり、接着の急速な発現も明らかとなったことを示す。
【符号の説明】
【0101】
K1・・・第一成分、K2・・・第二成分、1・・・第一区画、2・・・第二区画、3・・・隔壁、3’・・・シール、4・・・外壁、4’・・・外壁、5・・・容器、6・・・パッケージ、7・・・切断手段、8・・・壁部分、8’・・・壁部分、9・・・ネジ、9’・・・ネジ、10・・・開口部、11・・・カバー、12・・・ふた、13・・・安全タブ、14・・・固定材、15・・・混合補助部品、16・・・引き裂きタブ、17・・・混合補助部品、18・・・クランプクロージャー、19・・・保護カバー、20・・・多孔質製カバー、21・・・袋状構造体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2成分を含む、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、
第一成分K1は、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、および有機ジルコニウム化合物から選択される加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種のみからなり、
第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bである少なくとも1種の酸と、水と、界面活性剤とからなり、かつ、
未開封状態において前記第一成分および前記第二成分が、少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)に存在し、
第一成分K1が、有機ケイ素化合物1種、有機ケイ素化合物の2種以上の混合物、ならびに、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種および/または有機ジルコニウム化合物少なくとも1種との混合物から選択され、
前記有機ケイ素化合物が、化学式(I):
【化1】
(式中、
R1は、直鎖または分岐の、任意選択で環状であってもよい、C原子1個〜20個を有するアルキレン基であって、芳香族成分を有していても有していなくてもよく、任意選択で1以上のヘテロ原子を有していてもよいアルキレン基であり;
R2は、C原子1個〜5個を有するアルキル基であり;
R3は、C原子1個〜8個を有するアルキル基であり;
Xは、H、または、オキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルからなる群から選択される官能基であり;
aは、0、1、または2である)
で表され、
前記有機チタン化合物が、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって酸素−チタン結合を介してチタン原子に直接結合した官能基を少なくとも1個有する有機チタン化合物であり、
前記有機ジルコニウム化合物が、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって酸素−ジルコニウム結合を介してジルコニウム原子に直接結合した官能基を少なくとも1個有する有機ジルコニウム化合物である、2成分接着促進剤組成物。
【請求項2】
前記置換基R1が、メチレン、プロピレン、メチルプロピレン、ブチレン、またはジメチルブチレン基であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項3】
前記加水分解性接着促進物質Aが、メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、3−メタクリルロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、トリス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ドデシルトリアルコキシシラン、およびヘキサデシルトリアルコキシシランを含む群から選択される1種であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項4】
前記有機チタン化合物が有するアルコキシ基がメトキシまたはイソプロポキシ基であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項5】
前記第一成分K1が、加水分解性接着促進物質Aを少なくとも2種のみからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項6】
前記第一成分K1が、有機ケイ素化合物である加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種、および、有機チタン化合物である加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種のみからなることを特徴とする、請求項5に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項7】
前記化合物Bが、リンを含有または硫黄を含有する無機酸であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項8】
前記化合物Bが、蟻酸、酢酸、またはアミノ酸である、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項9】
第一のK1成分および/または第二のK2成分が液体であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項10】
2つの成分(K1,K2)を保存するための、少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)を有する、容器(5)の使用であって、
第一成分K1が、請求項1〜6および請求項9のいずれか一項に記載の第一成分K1であり;かつ、
第二成分K2が、請求項1、7、8、および9のいずれか一項に記載の第二成分K2である、
ことを特徴とする、容器(5)の使用。
【請求項11】
少なくとも1つの隔壁(3)が、容器(5)の未開封状態では前記2つの区画(1,2)を互いに隔てるシール(3’)であることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項12】
封止状態の前記シール(3’)を、少なくとも1つの壁部分(8、8’)が外的影響により移動可能となるように構成された状態で、少なくとも2つの壁部分(8、8’)により締め付けて、前記外的影響により前記シール(3’)が開封され、前記2区画(1,2)が互いに連結されるようにすることを特徴とする、請求項11の容器の使用。
【請求項13】
前記隔壁(3)が、区画(1,2)の内壁の連結部の領域に所定の折損部を有し、容器(5)から引き出すことができることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項14】
前記隔壁(3)が、圧力を加えることにより破けるあるいは破れる材料から製造されていることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項15】
少なくとも1つの区画(1,2)が、その中に入っている成分の体積より大きい体積を有することを特徴とする、請求項13または14の容器の使用。
【請求項16】
前記圧力を、破断補助部品により隔壁(3)に加えることを特徴とする、請求項14または15の容器の使用。
【請求項17】
第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2が、1/1000から1000/1までの間であることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか一項の容器の使用。
【請求項18】
少なくともその中に第一成分K1が貯蔵された区画の壁が、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である1種以上の材料から構成されていることを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一項の容器の使用。
【請求項19】
少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)を有する容器(5)と、請求項1〜9のいずれか一項の2成分接着促進剤組成物とを含む、パッケージ(6)。
【請求項20】
前記隔壁(3)が、圧力を加えることにより裂けるあるいは破れる材料から製造されていることを特徴とする、請求項19のパッケージ(6)。
【請求項21】
少なくともその中に第一成分が貯蔵された区画の壁が、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である材料、あるいは、少なくとも所望の貯蔵安定性に悪影響を与えない程度に不透過性である材料の1種以上から構成されていることを特徴とする、請求項19または20のパッケージ(6)。
【請求項22】
第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2が、1/1000から1000/1までの間であることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項のパッケージ(6)。
【請求項23】
請求項1〜9のいずれか一項の表面前処理用の2成分接着促進剤組成物の適用方法であって、前記隔壁(3)に圧力を加えることにより前記隔壁が裂ける工程、その後前記2つの成分(K1,K2)が互いに接触する工程、および、この組成物を、 適切な場合にはカバー(11)を除去することにより使用可能な開口部(10)を通して基材の表面に適用する工程、を特徴とする、2成分接着促進剤組成物の適用方法。
【請求項24】
前記2つの成分(K1,K2)の接触工程と、前記適用工程との間に、パッケージ(6)を振とうすることにより混合工程を実施することを特徴とする、請求項23の2成分接着促進剤組成物の適用方法。
【請求項1】
2成分を含む、表面前処理用の2成分接着促進剤組成物であって、
第一成分K1は、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、および有機ジルコニウム化合物から選択される加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種のみからなり、
第二成分K2は、接着促進物質Aと反応するかまたは接着促進物質Aの縮合を誘導もしくは触媒する化合物Bである少なくとも1種の酸と、水と、界面活性剤とからなり、かつ、
未開封状態において前記第一成分および前記第二成分が、少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)に存在し、
第一成分K1が、有機ケイ素化合物1種、有機ケイ素化合物の2種以上の混合物、ならびに、有機ケイ素化合物少なくとも1種と、有機チタン化合物少なくとも1種および/または有機ジルコニウム化合物少なくとも1種との混合物から選択され、
前記有機ケイ素化合物が、化学式(I):
【化1】
(式中、
R1は、直鎖または分岐の、任意選択で環状であってもよい、C原子1個〜20個を有するアルキレン基であって、芳香族成分を有していても有していなくてもよく、任意選択で1以上のヘテロ原子を有していてもよいアルキレン基であり;
R2は、C原子1個〜5個を有するアルキル基であり;
R3は、C原子1個〜8個を有するアルキル基であり;
Xは、H、または、オキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、およびビニルからなる群から選択される官能基であり;
aは、0、1、または2である)
で表され、
前記有機チタン化合物が、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって酸素−チタン結合を介してチタン原子に直接結合した官能基を少なくとも1個有する有機チタン化合物であり、
前記有機ジルコニウム化合物が、アルコキシ基、スルホナート基、ホスフェート基、カルボキシレート基、またはこれらの基の混合からなる群から選択される官能基であって酸素−ジルコニウム結合を介してジルコニウム原子に直接結合した官能基を少なくとも1個有する有機ジルコニウム化合物である、2成分接着促進剤組成物。
【請求項2】
前記置換基R1が、メチレン、プロピレン、メチルプロピレン、ブチレン、またはジメチルブチレン基であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項3】
前記加水分解性接着促進物質Aが、メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、3−メタクリルロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、ビス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、トリス[3−(トリアルコキシシリル)プロピル]アミン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ドデシルトリアルコキシシラン、およびヘキサデシルトリアルコキシシランを含む群から選択される1種であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項4】
前記有機チタン化合物が有するアルコキシ基がメトキシまたはイソプロポキシ基であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項5】
前記第一成分K1が、加水分解性接着促進物質Aを少なくとも2種のみからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項6】
前記第一成分K1が、有機ケイ素化合物である加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種、および、有機チタン化合物である加水分解性接着促進物質Aの少なくとも1種のみからなることを特徴とする、請求項5に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項7】
前記化合物Bが、リンを含有または硫黄を含有する無機酸であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項8】
前記化合物Bが、蟻酸、酢酸、またはアミノ酸である、請求項1に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項9】
第一のK1成分および/または第二のK2成分が液体であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の2成分接着促進剤組成物。
【請求項10】
2つの成分(K1,K2)を保存するための、少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)を有する、容器(5)の使用であって、
第一成分K1が、請求項1〜6および請求項9のいずれか一項に記載の第一成分K1であり;かつ、
第二成分K2が、請求項1、7、8、および9のいずれか一項に記載の第二成分K2である、
ことを特徴とする、容器(5)の使用。
【請求項11】
少なくとも1つの隔壁(3)が、容器(5)の未開封状態では前記2つの区画(1,2)を互いに隔てるシール(3’)であることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項12】
封止状態の前記シール(3’)を、少なくとも1つの壁部分(8、8’)が外的影響により移動可能となるように構成された状態で、少なくとも2つの壁部分(8、8’)により締め付けて、前記外的影響により前記シール(3’)が開封され、前記2区画(1,2)が互いに連結されるようにすることを特徴とする、請求項11の容器の使用。
【請求項13】
前記隔壁(3)が、区画(1,2)の内壁の連結部の領域に所定の折損部を有し、容器(5)から引き出すことができることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項14】
前記隔壁(3)が、圧力を加えることにより破けるあるいは破れる材料から製造されていることを特徴とする、請求項10の容器の使用。
【請求項15】
少なくとも1つの区画(1,2)が、その中に入っている成分の体積より大きい体積を有することを特徴とする、請求項13または14の容器の使用。
【請求項16】
前記圧力を、破断補助部品により隔壁(3)に加えることを特徴とする、請求項14または15の容器の使用。
【請求項17】
第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2が、1/1000から1000/1までの間であることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか一項の容器の使用。
【請求項18】
少なくともその中に第一成分K1が貯蔵された区画の壁が、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である1種以上の材料から構成されていることを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一項の容器の使用。
【請求項19】
少なくとも1つの隔壁(3)によって互いに隔てられた2つの区画(1,2)を有する容器(5)と、請求項1〜9のいずれか一項の2成分接着促進剤組成物とを含む、パッケージ(6)。
【請求項20】
前記隔壁(3)が、圧力を加えることにより裂けるあるいは破れる材料から製造されていることを特徴とする、請求項19のパッケージ(6)。
【請求項21】
少なくともその中に第一成分が貯蔵された区画の壁が、液体状態または気体状態の水の拡散に対して不透過性である材料、あるいは、少なくとも所望の貯蔵安定性に悪影響を与えない程度に不透過性である材料の1種以上から構成されていることを特徴とする、請求項19または20のパッケージ(6)。
【請求項22】
第一成分K1の第二成分K2に対する体積比K1/K2が、1/1000から1000/1までの間であることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項のパッケージ(6)。
【請求項23】
請求項1〜9のいずれか一項の表面前処理用の2成分接着促進剤組成物の適用方法であって、前記隔壁(3)に圧力を加えることにより前記隔壁が裂ける工程、その後前記2つの成分(K1,K2)が互いに接触する工程、および、この組成物を、 適切な場合にはカバー(11)を除去することにより使用可能な開口部(10)を通して基材の表面に適用する工程、を特徴とする、2成分接着促進剤組成物の適用方法。
【請求項24】
前記2つの成分(K1,K2)の接触工程と、前記適用工程との間に、パッケージ(6)を振とうすることにより混合工程を実施することを特徴とする、請求項23の2成分接着促進剤組成物の適用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−188665(P2012−188665A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−91928(P2012−91928)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【分割の表示】特願2007−504421(P2007−504421)の分割
【原出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【分割の表示】特願2007−504421(P2007−504421)の分割
【原出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
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