説明

2本鎖DNAへの高い選択性を有する蛍光化学物質及びそれらの使用

【課題】新規な蛍光化学物質及びその使用法の提供。
【解決手段】リボ核酸及び一本鎖DNAと比較し、二本鎖のDNAに対して高い選択性を有する蛍光化学物質。該蛍光化学物質は、照射及び2本鎖DNAとの相互作用により蛍光性となる染色剤であるが、2本鎖DNAの非存在下では弱い蛍光を発するか、又は蛍光を発しない。該蛍光物質は、RNAの存在下においても、定性的及び定量的なDNAアッセイを伴う種々の生物学的用途に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はDNAとの相互作用により蛍光性となる染色剤に関する。具体的には、RNA及び/又は1本鎖DNAとの結合と比較し2本鎖DNAとの結合において高い蛍光性を示す染色剤、並びに当該染色剤の使用を開示する。なお本出願は、2005年5月11日付け米国特許仮出願第60/680243号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
染色剤及び色素は、化学的、生物工学的及び生物医学的研究において広く用いられる。これらの2種類の組成物は、特性及び使用目的が異なる。
【0003】
染色剤は特定の目標物との接触により検出可能な反応を示す化学物質である。目標物が存在しない場合には染色剤は検出可能な反応を示さない。このような特性により染色剤は特定の目標物が試料中に存在するか否かを検出するのに有用である。当該物質、目標物及びアッセイのパラメータにより、前記検出可能な反応は定性的でも定量的でもありうる。
【0004】
これに対し、色素は、他の材料の存在如何に関わらず検出可能な反応を示す。そのため、色素は目標物の標識には有用である。例えば、抗体を蛍光色素分子で標識し、蛍光によって抗体の細胞中又は組織中の局在をモニターできる。
【0005】
生物工学的研究において、DNAの検出及び定量はごく一般的な操作になっている。エチジウムブロミド等、初期の化学染色剤はDNA染色に効果的であるが、RNAも染色する。DNA及びRNAは、天然給源からの単離の際に一緒に得られることがほとんどである。DNA選択的でない染色剤は、単離したDNAの定量を困難にし、定量に先立って精製工程が必要になる。染色剤の用途としては、ゲル電気泳動、PCR、リアルタイムPCR定量、DNA溶液定量、マイクロアレー及びRT-PCR(リアルタイムPCR)等が挙げられる。
【0006】
多くの核酸染色剤が市販されている。これらの物質の代表例を以下に列挙する。
【0007】
エチジウムブロミドはもっとも広く使用される核酸染色剤であり、広範なサプライヤから市販品を購入できる。エチジウムブロミドは変異原性を有し、使用者が染色液に触れないよう特に注意を要する。
【0008】
ピコグリーンは2本鎖DNA特異的染色剤である(1994年以降、Molecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品)。ピコグリーンは2本鎖DNAとの結合により1000倍以上の蛍光増強を示し、1本鎖DNA又はRNAとの結合における増強は極めて小さい。
【0009】
オリグリーンは合成オリゴヌクレオチド等の1本鎖DNAの定量に有用な染色剤である。オリグリーンは、1994年以降のMolecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品である。オリグリーンを用いる定量は、UV吸収法の約10000倍高感度であり、エチジウムブロミド染色した電気泳動ゲル上のオリゴヌクレオチド検出よりも少なくとも500倍高感度である。このタイプの材料は、米国特許第5436134号(特許文献1)及び第5658751号(特許文献2)、オーストラリア特許第676317号(特許文献3)及び第714890号(特許文献4)、カナダ特許第2133765号(特許文献5)、及び欧州特許第0675924(特許文献6)及び第0740689号(特許文献7)に記載されている。
【0010】
リボグリーンは溶液中のRNAの定量に有用な染色剤である。リボグリーンは、1997年以降のMolecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品である。この材料は、米国特許第5658751号(特許文献2)及び第5863753号(特許文献8)、オーストラリア特許第714890号(特許文献4)、及び欧州特許第0740689号(特許文献7)に記載されている。
【0011】
SYBRグリーンはDNA特異的染色剤である(1993年以降、Molecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品)。SYBRグリーンIはDNAとの結合により、エチジウムブロミドよりも少なくとも10倍の蛍光増強を有し、蛍光量子収率はエチジウムブロミドの5倍以上(約0.15と比較して約0.8)である。この材料は、米国特許第5436134号(特許文献1)及び第5658751号(特許文献2)、オーストラリア特許第676317号(特許文献3)及び第714,890号(特許文献4)、カナダ特許第2133765号(特許文献5)、並びに欧州特許第0675924号(特許文献6)及び0740689号(特許文献7)に記載されている。
【0012】
SYBRセーフはエチジウムブロミドよりも少なくとも2倍高感度な核酸染色剤であり、しかも低い変異原性を示す。SYBRセーフは、2003年以降のMolecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品である。この材料は、米国特許第4883867号(特許文献9)、第4957870号(特許文献10)、第5436134号(特許文献1)及び第5658751号(特許文献2)、オーストラリア特許第676317号(特許文献3)及び第714890号(特許文献4)、カナダ特許第2133765号(特許文献5)、並びに欧州特許第0675924(特許文献6)及び第0740689号(特許文献7)に記載されている。
【0013】
ヘキスト33258(CAS番号23491-45-4;フェノール(4-[5-(4-メチル-1-ピペラジニル)[2,5'-ビ-1H-ベンゾイミダゾール]-2'-イル])-三塩酸)は、2本鎖DNAとの結合時に青色蛍光を発する細胞核の対比染色剤である。ヘキスト33258は、1992年より、Molecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)から市販されている。
【0014】
シアニン2量体であるTOTO-1、YOYO-1及びYO-PRO-1は、溶液中の2本鎖DNA、1本鎖DNA、及びRNAの計測に有用である。TOTO-1、YOYO-1及びYO-PRO-1は、1992年以降のMolecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン市)の市販品である。これらのタイプの材料は、米国特許第5321130号(特許文献11)及び第5582977号(特許文献12)、カナダ特許第2119126号(特許文献13)、並びに欧州特許第0605655B1号(特許文献14)に記載されている。
【0015】
シアニン挿入色素と類似の分光特性を有し、DNAのマイナーグルーブ中に結合する非対称シアニン色素が2003年に報告された(H.J.カールソンら、Nucleic Acids Res.31(21)6227-6234(2003)(非特許文献1))。組成物BEBO、BETO、及びBOXTOが紹介され、種々の分光学的計測から特性が明らかとされた。蛍光量子収率はDNA結合により増加したが、RNA結合の結果は示されていない。
【0016】
様々な材料及び方法が現在使用可能であるにもかかわらず、RNA、1本鎖DNA、又は他の生体物質の共存下において2本鎖DNA選択的な染色剤の需要が今なお存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5436134号
【特許文献2】米国特許第5658751号
【特許文献3】オーストラリア特許第676317号
【特許文献4】オーストラリア特許第714890号
【特許文献5】カナダ特許第2133765号
【特許文献6】欧州特許第0675924
【特許文献7】欧州特許第0740689号
【特許文献8】米国特許第5863753号
【特許文献9】米国特許第4883867号
【特許文献10】米国特許第4957870号
【特許文献11】米国特許第5321130号
【特許文献12】米国特許第5582977号
【特許文献13】カナダ特許第2119126号
【特許文献14】欧州特許第0605655B1号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】H.J.カールソンら、Nucleic Acids Res.31(21)6227-6234(2003)
【発明の概要】
【0019】
発明の概要
RNA及び1本鎖DNAと比較し2本鎖DNAに対して高い選択性を有する化合物を開示する。前記化合物は蛍光染色剤として働き、2本鎖DNAの存在下で照射されることにより蛍光特性を示すが、RNA、1本鎖DNAが存在するか、全体に核酸が存在しなければ弱い蛍光を発するか、又は蛍光を発しない。前記化合物は、化合物(1A)又は化合物(1B)の中心構造を有してもよい。


【0020】
また、前記化合物の調製法、及び試料中に2本鎖DNAが存在するか否かを検出する方法を開示する。RNA及び1本鎖DNAよりも高い、前記化合物の2本鎖DNA選択性により、RNA及び/又は1本鎖DNAを含む試料中の2本鎖DNAを検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
組成物及び方法に関して、〜の構成要素及び工程を「含んでなる」(「含むがこれらに限定されない」という意)という用語で記載する場合は、当該組成物及び方法が、「実質的に当該〜の構成要素及び工程のみを含む」又は「当該〜の構成要素及び工程のみを含む」(これらの用語は実質的に排他的な集合を定義するものと解釈すべきである。)場合も含まれるものとする。
【0022】
化合物
本発明の第一の態様は化合物に係る。前記化合物は電気的中性でもよく、電気的陽性でもよく、電気的陰性でもよい。電気的陽性又は陰性の時には、前記化合物は1つ又は複数のカウンターイオンを含んでもよい。
【0023】
本発明の一態様は、下記の中心構造を有する化合物(1A)に係る。

【0024】
化合物(1A)の中心部の2重結合は、シス型でもトランス型でもよい。例えば、Xが窒素の場合、2個の窒素は中心の2重結合に関して同じ側(シス)に位置してもよく、中心2重結合に関して反対側(トランス)に位置してもよい。両方の立体構造を含む混合物が、特定化合物の試料中に存在してもよい。
【0025】
数値nは負でない任意の整数である。例えば、nはゼロ、1、2、3、4、5、6、7、8、等でもよい。
【0026】
Xは酸素又は硫黄であってもよい。
【0027】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11基は、独立に水素(H)、水酸基(OH)、アルコキシ基(OR)、チオール(SH)、チオアルキル(SR)、チオアリール(SAr)、ハロゲン(X)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アミン基(1級NH2、2級NHR、3級NR'R''、又は3級NR'2)、反応基、又は上記の2つ以上の組合せによるを有する複合基(例えばチオール及びアミノ置換基を有するアルキル基、アミノ置換基を有するアルコキシ基等)を含んでなってもよく、又はこれらのいずれかであってもよい。あるいは、これらの基の1つ又は複数は、化合物(1A)を他の化合物と共有結合させる結合(リンカー)基であってもよい。他の化合物と結合(リンカー)基を介して結合させることにより、化合物(1A)のコンジュゲートが得られる。
【0028】
一態様においては、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つは芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかである。
【0029】
一態様においては、R9は芳香族基、アルキル基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかである。
【0030】
一態様においては、R10はアミン基であるか、又はそれを含んでなる。
【0031】
一態様においては、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つは芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかであり、R9は芳香族基、アルキル基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかである。
【0032】
一態様においては、R1、R2、R3、及びR4基の少なくとも1つは芳香族基又はアルキニル基を含んでなるかこれらであり、R9は芳香族基、アルキル-芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかであり、R10はアミン基であるか又はそれを含んでなる。
【0033】
R12基は(C1〜C8等の)アルキル基であってもよい。C1〜C8アルキル基は直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基であってもよい。C1〜C8アルキル基の例としては、メチル、1-プロリル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル及び1-オクチル基が挙げられる。本発明の好適な態様においては、前記C1〜C8アルキル基はメチル基である。
【0034】
化合物(1A)がカチオン性又はアニオン性の構造である時は、1つ又は複数の適切なカウンターイオンをさらに含んでなってもよい。例えば、化合物(1A)がカチオン(正電荷)である場合、クロリド、ブロミド、ヨード、硫酸及び炭酸カウンターイオン等のアニオンをさらに含んでなってもよい。あるいは、化合物(1A)がアニオン(負電荷)である場合、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びカルシウム等のカチオンをさらに含んでなってもよい。
【0035】
さらに本発明の一態様は、下記の中心構造を有する化合物(1B)に係る。

【0036】
化合物(1B)の中心構造の2重結合はシスでもよくトランスでもよい。例えば、Xが窒素の場合、2個の窒素は中心2重結合に関して同じ側(シス)に位置してもよく、中心2重結合に関して反対側(トランス)に位置してもよい。両方の立体構造を含む混合物が、特定化合物の試料中に存在してもよい。
【0037】
数値nは負でない任意の整数である。例えば、nはゼロ、1、2、3、4、5、6、7、8、等でもよい。
【0038】
Xは酸素でもよく硫黄でもよい。
【0039】
R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21基は、独立に水素(H)、水酸基(OH)、アルコキシ基(OR)、チオール(SH)、チオアルキル(SR)、チオアリール(SAr)、ハロゲン(X)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アミン基(1級NH2、2級NHR、3級NR'R''、又は3級NR'2)、反応基、又は2以上の組合せを有する複合基(例えばチオール及びアミノ置換基を有するアルキル基、アミノ置換基を有するアルコキシ基等)を含んでなってもよく、又はこれらのいずれかであってもよい。あるいは、これらの基の1つ又は複数は、化合物(1B)を他の化合物と共有結合させる結合(リンカー)基であってもよい。他の化合物との結合(リンカー)基を結合することは、化合物(1B)とのコンジュゲートでもよい。
【0040】
一態様においては、R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つは芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はそれらのいずれかである。
【0041】
一態様においては、R19は芳香族基、アルキル基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかである。
【0042】
一態様においては、R20はアミン基であるか、又はそれを含んでなる。
【0043】
一態様においては、R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つは芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかであり、R19は芳香族基、アルキル-芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかである。
【0044】
一態様においては、R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つは芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかであり、R19は芳香族基、アルキル-芳香族基若しくはアルキニル基を含んでなるか、又はこれらのいずれかであり、R20基はアミン基であるか、又はそれを含んでなる。
【0045】
R22基はC1〜C8等のアルキル基であってもよい。C1〜C8アルキル基は直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基であってもよい。C1〜C8アルキル基の例としてはメチル、1-プロリル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル及び1-オクチル基が挙げられる。本発明の好適な態様においては、前記C1〜C8アルキル基はメチル基である。
【0046】
化合物(1B)がカチオン性又はアニオン性の構造である時は、1つ又は複数の適切なカウンターイオンをさらに含んでもよい。例えば、化合物(1A)がカチオン(正電荷)である場合、クロリド、ブロミド、ヨード、硫酸及び炭酸カウンターイオン等のアニオンをさらに含んでなってもよい。あるいは、化合物(1A)がアニオン(負電荷)である場合、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、マグネシウム及びカルシウム等のカチオンをさらに含んでなってもよい。
【0047】
置換基
アルコキシ基は、特に限定されない限り任意の非置換アルコキシ基であってもよく、置換アルコキシ基であってもよい。非置換アルコキシ基はアルキル基と結合した酸素を含んでなる。置換アルコキシ基は置換アルキル基と結合した酸素を含んでなる。非置換アルコキシ基の例としては、メトキシ(OCH3)、エトキシ(OCH2CH3)、プロポキシ(OCH2CH2CH3)及びより高級の直鎖アルコキシ基が挙げられる。非置換アルコキシ基には分岐状又は環状アルコキシ基も含まれる。分岐アルコキシ基の例としては、2-プロポキシ(OCH(CH3)2)、2-ブトキシ(OCH(CH3)CH2CH3)及びより高級の分岐アルコキシ基が挙げられる。環状アルコキシ基は環状基と結合した酸素を有する。環状アルコキシ基の例としては、シクロプロポキシ(シクロプロパン環と結合した酸素)、シクロブトキシ(シクロブタン環と結合した酸素)、シクロペントキシ(シクロペンタン環と結合した酸素)、シクロヘキソキシ(シクロヘキサン環と結合した酸素)及びより高級の環状アルコキシ基が挙げられる。
【0048】
前記ハロゲンは一般的に任意のハロゲンであってもよい。ハロゲン基は、クロロ、フロロ、ブロモ及びヨード基を含んでなる。
【0049】
アルキル基は、特に限定されない限り任意の非置換又は置換アルキル基であってもよい。非置換アルキル基は炭素及び水素原子のみを含んでなる。置換アルキル基は、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン及びリン等の非炭素及び非水素原子を1以上含んでもよい。
【0050】
アルケニル基は、特に限定されない限り少なくとも1つ又は複数の炭素-炭素2重結合を含んでなるアルケニル基であってもよい。最も単純なアルケニル基はビニル基(-CH=CH2)である。より高級のアルケニル基としては、1-プロペニル(-CH=CH2CH3)、1-ブテニル(-CH=CH2CH2CH3)、2-ブテニル(-CH2-CH=CHCH3)及び3-ブテニル(-CH2CH2CH=CH2)が挙げられる。置換アルケニル基は酸素、窒素、硫黄、ハロゲン及びリン等の非炭素及び非水素原子を含んでもよい。
【0051】
アルキニル基は、特に限定されない限り少なくとも1つ又は複数の炭素-炭素3重結合を含んでなる任意のアルキニル基であってもよい。最も単純なアルキニル基はエチニル基(-CCH)である。より高級のアルキニル基としては、プロパルギル(-CH2CCH)、2-ブチニル(-CH2CCCH3)及び3-ブチニル(-CH2CH2CCH)が挙げられる。
【0052】
最も単純なアリール基はフェニル基である。アリール基は炭素及び水素を含んでなる単純な非置換アリール基であってもよく、置換アリール基であってもよい。アリール基は1つ又は複数の芳香環を含んでもよい。アリール基は多環芳香族炭化水素であってもよく、ヘテロアリール基であってもよい。アリール及びヘテロアリール基の例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、アントラセニル、アセナフタレニル、アセナフテニル、ベンゾ[a]ピレニル、ベンズ[a]アントラセニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5オキサゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、テトラゾリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル及び6-キノリルが挙げられる。ヘテロアリール基のヘテロ原子としては、1つ又は複数の窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)及びリン(P)が挙げられる。
【0053】
アリール基は、中心構造である化合物(1A)又は化合物(1B)と直接共有結合で結合してもよく、又は1つ又は複数の原子を介して間接的に結合してもよい。例えば、アリール基を化合物(1A)又は化合物(1B)との結合に窒素、酸素、リン又は硫黄原子を用いてもよい。この例としては、フェニルアミノ(NHC6H5)、ジフェニルアミノ(N(C6H5)2)、フェノキシ(OC6H5)及びチオフェニル(SC6H5)基が挙げられる。あるいは、アルキル基を用いてアリール基と化合物(1A)又は化合物(1B)を結合させてもよい。この例としてはベンジル基(CH2C6H5)(分子中のメチレン基CH2を介してフェニル基と化合物(1A)又は化合物(1B)が結合する。)又はスチレン基(CH=CH-C6H5)であってもよい。
【0054】
アミン又はアミノ基にはNH2、NHR、NR2及びNR'R”基が含まれうる。前記R、R'、R”基は、非置換アルキル基、置換アルキル基、非置換アルケニル基、置換アルケニル基、非置換アルキニル基、置換アルキニル基、非置換芳香族基又は置換芳香族基であってもよい。
【0055】
前記化合物は、他の化学種と反応し共有結合を生成する原子又は化合物基等の少なくとも1つの反応基を含んでなり、それは適切な反応条件下で共有結合反応性を有し、一般的に担体分子又は基質等の別の物質との結合部位として機能する。開示された化合物上の、例えばカルボン酸又はスクシンイミジルエステル等の反応基は、異なる化合物上の官能基と化学反応して共有結合を形成する化合物の部分である。反応基は、特に限定されない限り求核性、求電子性及び光反応性基である。
【0056】
前記反応基は直接化合物(1A)の中心構造に共有結合で結合してもよく、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11基の少なくとも1つと共有結合で結合してもよい。前記反応基は直接的に化合物(1B)の中心構造に共有結合で結合してもよく、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21基の少なくとも1つと共有結合で結合してもよい。
【0057】
反応基の例としては、オレフィン、アセチレン、アルコール、フェノール、エーテル、オキシド、ハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、ヒドラジン、ヒドラゾン、ヒドラジド、ジアゾ基、ジアゾニウム基、ニトロ基、ニトリル、メルカプタン、硫化物、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホン酸基、硫酸基、アセタール、ケタール、無水物、スルファート、スルフェン酸基、イソニトリル、アミジン、イミド、イミダート、ニトロン、ヒドロキシルアミン、オキシム、ヒドロキサム酸基、チオヒドロキサム酸基、アレン、オルト・エステル、亜硫酸塩、エナミン、イナミン、尿素、イソ尿素、セミカルバジド、カルボジイミド、カルバミン酸エステル、イミン、アジド、アゾ基、アゾキシ基、及びニトロソ基が挙げられるが、これらに限定されない。また、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、マレイミド等のバイオコンジュゲートを調製するための反応性官能基も挙げられる。これらの官能基の各々の調製方法は当業者に周知であり、特定目的への応用又はそれに伴う変更は当業者の技量の範囲内である。(例えば、Sandler and Karo, eds., Organic Functional Group Preparations, Academic Press, San Diego, 1989を参照。)当該反応基としては、以下の表に示すものが挙げられる。

【0058】
*活性エステルとは、当業者に周知のように、一般的にCOΩの構造式を有する。(式中、Ωは良好な脱離基(例えばスクシンイミジルオキシ(-OC4H4O2)、スルホスクシンイミジルオキシ(-OC4H3O2-SO3H)、1-オキシベンゾトリアゾリル(-OC6H4N3)、ニトロ、フルオロ、クロル、シアノ又はトリフルオロメチル等の電子吸引性置換基で1回以上置換されたアリールオキシル基若しくはアリールオキシ、又はこれらの組合せ(活性アリールエステルを形成するために用いられる)、又はカルボン酸(カルボジイミドによって活性化され無水物又は混合無水物-OCORa、-OCNRaNHRbを生成する(式中、Ra及びRbは同一でも相違してもよく、C1〜C6アルキル、C1〜C6パーフロロアルキル又はC1〜C6アルコキシである)、又はシクロヘキシル、3-ジメチルアミノプロピル又はN-モルホリノエチル基である。)
【0059】
**アシルアジドはイソシアネートに変換されてもよい。
【0060】
典型的には、前記反応基はアミン、チオール、アルコール、アルデヒド、ケトン又はシリカと反応する。好適には、反応基をアミン又はチオール官能基と反応させるか、又はシリカと反応させる。一態様においては、前記反応基は、アクリルアミド、カルボン酸の活性エステル、アシルアジド、アシルニトリル、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化シリル、無水物、アニリン、ハロゲン化アリール、アジド、アジリジン、ボロナート、ジアゾアルカン、ハロアセトアミド、ハロトリアジン、ヒドラジン(ヒドラジドを含む)、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ホスホラミダイト、反応性白金錯体、ハロゲン化スルホニル又はチオール基である。「反応性白金錯体」とは具体的には、米国特許第5714327号(1998年2月3日公開)に記載の化学反応性白金錯体を指す。
【0061】
前記反応基がスクシンイミジルエステル、ハロゲン化スルホニル、テトラフロロフェニルエステル、ペンタフロロフェニルエステル又はイソチオシアネート等のカルボン酸の活性エステルである場合、得られる生成物は、特にタンパク、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド又はハプテン等の担体分子とのコンジュゲートの調製に有用である。前記反応基がマレイミド、ハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アセトアミド(米国特許第5362628号、第5352803号及び第5573904号に開示の任意の反応基)である場合、得られる生成物は、特にチオールを有する物質とのコンジュゲーションに有用である。前記反応基がヒドラジドである場合、得られる生成物は、特に過ヨウ素酸酸化された炭化水素及び糖タンパクとのコンジュゲーションに有用であり、さらに細胞へのマイクロインジェクション用のアルデヒドで固定可能な極性トレーサになる。前記反応基がハロゲン化シリルである場合、得られる生成物は、特にシリカ表面とのコンジュゲーション、とりわけ前記シリカ表面を光ファイバプローブ中に取り入れ、イオンを遠隔検出及び定量するのに有用である。
【0062】
前記反応基は、適切な波長による照射によってのみ基が反応種に転換される、光励起性基であってもよい。適切な波長とは、特に限定されない限り400nm以下の紫外波長である。この方法により、溶液中に存在するか、固体又は半固体マトリックス上に固定化されている標的分子にのみ選択的な結合がなされる。光励起性反応基としては、ベンゾフェノン、アリールアジド及びジアジリジンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
前記反応基は、光励起性基、カルボン酸のスクシンイミジルエステル、ハロアセトアミド、ハロアルキル、ヒドラジン、イソチオシアネート、マレイミド基、脂肪族アミン、ハロゲン化シリル、カダベリン又はソラレンであってもよい。前記反応基は、カルボン酸のスクシンイミジルエステル、マレイミド、ヨードアセトアミド又はハロゲン化シリルであってもよい。前記反応基は、カルボン酸のスクシンイミジルエステル、ハロゲン化スルホニル、テトラフロロフェニルエステル、イソチオシアネート又はマレイミドであってもよい。
【0064】
前記化合物の担体分子又は固体支持体との共有結合の選択は、通常、コンジュゲートさせる部分構造上の化学反応基に依存する。反応基の例としては、アミン、チオール、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ホスファート、イミダゾール、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、2置換アミン、ハロゲン化物、エポキシド、スルホン酸エステル、プリン、ピリミジン、カルボン酸又はこれらの群の任意の組合せが挙げられる。前記部分構造上には単一の反応部位が存在してもよく(多糖類がその典型例)、あるいはタンパクが典型的であるように、種々の反応部位が存在してもよい(例えばアミン、チオール、アルコール、フェノール)。担体分子又は固定支持体は、同一でもよく相違してもよい1つ又は複数のレポータ分子とコンジュゲートしてもよく、さらにハプテンにより修飾された物質とコンジュゲートしてもよい。
【0065】
他の態様においては、本発明の化合物は担体分子と共有結合する。前記化合物が反応基を有する場合、前記担体分子が前記反応基を介して前記化合物と結合できる。前記反応基は反応性官能基部分と結合部分の両方を備えてもよく、反応性官能基部分のみを備えてもよい。
【0066】
担体分子には種々のものが存在する。担体分子の例としては、抗原、ステロイド、ビタミン、薬物、ハプテン、代謝産物、毒、環境汚染物、アミノ酸、ペプチド、タンパク、核酸、核酸ポリマー、炭水化物、脂質及びポリマーが挙げられる。
【0067】
担体分子にはアミノ酸、ペプチド、タンパク、多糖類、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ハプテン、ソラレン、薬物、ホルモン、脂質、脂質アセンブリ、合成ポリマー、ポリマー微小粒子、生物細胞、ウイルス及びそれらの組合せが含まれてもよい。あるいは、担体分子はハプテン、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸ポリマー、タンパク、ペプチド又は多糖類であってもよい。担体分子はアミノ酸、ペプチド、タンパク、多糖類、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ハプテン、ソラレン、薬物、ホルモン、脂質、脂質アセンブリ、チラミン、合成ポリマー、ポリマー微小粒子、生物細胞、細胞構成成分、イオンキレート化した部分、酵素基質又はウイルスであってもよい。あるいは、担体分子は抗体又はそのフラグメント、抗原、アビジン又はストレプトアビジン、ビオチン、デキストラン、抗体結合タンパク、蛍光タンパク、アガロース及び非生物微小粒子である。担体分子は抗体、抗体フラグメント、抗体結合タンパク、アビジン、ストレプトアビジン、毒、レクチン又は成長因子であってもよい。ハプテンの例としてはビオチン、ジゴキシゲニン及び蛍光団が挙げられる。
【0068】
抗体結合タンパクにはプロテインA、プロテインG、可溶Fc受容体、プロテインL、レクチン、IgG抗体、IgA抗体、IgM抗体、IgD抗体、IgE抗体又はこれらのフラグメントが含まれる。
【0069】
前記化合物を抗体、タンパク、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、酵素、核酸、脂質、多糖類、薬物、ビーズ、固体支持体(例えばガラス又はプラスチック)等の他分子に共有結合させてもよい。
【0070】
前記化合物は、好適には、核酸が存在しない場合は蛍光をほとんど発しないか全く発しない。蛍光は、前記化合物を適切な波長により照射し、放射される蛍光をモニターすることで計測できる。前記化合物は、好適には、RNAの存在下よりもDNAの存在下においてより強い蛍光を発する。RNA存在下での蛍光に対するDNA存在下での蛍光は、化合物濃度を一定とし、DNA及びRNA濃度を一定として計測する。DNA/RNA蛍光比が高いほど、RNA存在下におけるDNA検出にとり好適である。DNA/RNA比は、好適には1以上である。より好適な比率は約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約25以上、約30以上、約35以上、約40以上、約45以上、約50以上、約55以上、約60以上、約65以上、約70以上、約75以上、約80以上、約85以上、約90以上、約95以上、約100以上、約150以上、約200以上及びこれらの任意の2値の間である。
【0071】
前記化合物はまた、最大励起及び放出波長により特徴付けられうる。例えば、最大励起は約450nm〜約650nmであってもよい。これらの値の間の最大励起は、約450nm、約475nm、約500nm、約525nm、約550nm、約575nm、約600nm、約625nm、約650nm、及びこれらの任意の2値の間であってもよい。例えば、最大放出は約500nm〜約675nmであってもよい。これらの値の間の最大放出は、約500nm、約525nm、約550nm、約575nm、約600nm、約625nm、約650nm、約675nm、及びこれらの任意の2値の間であってもよい。
【0072】
化合物の具体例としては、化合物16〜35、38〜39、43〜53、55〜58、60、62、64〜81、83、85〜89、91〜97、99〜106及び109〜112が挙げられる。
【0073】
組成物
さらに本発明の一態様は、1以上の上述の化合物を含んでなる組成物に係る。当該組成物は、1以上の上述の化合物を含んでなるか、実質的にそれらのみからなるか、又はそれらのみからなる。
【0074】
前記組成物は1、2、3、4つ又はそれ以上の前述の化合物を含んでなる。前記組成物にはさらに溶媒が含まれてもよい。前記溶媒は、水性、非水性又は水性/非水性混合溶媒系であってもよい。溶媒の例としては水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリジノン(「NMP」)が挙げられる。前記組成物にはさらに1つ又は複数の塩又は緩衝液が含まれてもよい。
【0075】
上述の化合物を、前記組成物中に特定の濃度でおのおの存在させてもよい。一態様においては、前記化合物は他の物質が存在しない、基本的に純粋な状態(「neat」と称される)で存在する。あるいは、前記化合物は乾燥混合物中に存在させてもよく、又は溶媒若しくは溶媒系に溶解させてもよい。溶解させた場合、前記化合物は通常任意の濃度で存在しうる。前記化合物を濃縮溶液中に溶解させてもよく、最終的な「使用」溶液中に溶解させてもよい。例えば、化合物を使用溶液中に約1μM〜10μMで存在させてもよい。前記濃縮液では前記化合物を約10μM、約50μM、約100μM、約500μM、約1mM、及びこれらの任意の2値の範囲等の比較的高濃度で含めてもよい。
【0076】
キット
本発明の一態様は、上述の化合物を含んでなるキットに係る。前記キットは、1、2、3、4又はそれ以上の前述の化合物を含んでなってもよい。前記キットは、好適には、上述の化合物の少なくとも1つを含んでなる少なくとも1つの容器を含んでなる。前記キットは、第1の容器、第2の容器、第3の容器等の複数の容器を含んでなってもよい。前記キットはピペット、スポイト又は他の試料操作基材を含んでなってもよい。前記キットは放射蛍光エネルギーを検出する装置内での使用に適するキュベット、マイクロウエルプレート又は他の試験容器を含んでなってもよい。
【0077】
前記キットは陽性対照及び/又は陰性対照の試料を含んでなってもよい。陽性対照の試料はDNA、及び/又はRNAを共存させたDNAを含んでなってもよい。陰性対照の試料はDNAを含まないRNA又は核酸を全く含まない試料を含んでなってもよい。前記キットはDNA、RNA、又はDNA及びRNAを含んでなってもよい。
【0078】
前記キットは1つ又は複数の追加の色素又は染色剤を含んでなってもよい。例えば、前記キットは全核酸染色剤を含んでなってもよい。前記キットは、生細胞と死細胞を識別するための細胞透過性核酸染色剤を含んでもよい。
【0079】
前記キットは、さらに使用説明書(プロトコル)を含んでなってもよい。前記キットは、さらに水、緩衝液、緩衝液塩、界面活性剤、表面活性剤、塩、多糖類又は一般的にバイオアッセイ系に用いられる他の材料を含んでなってもよい。前記キットは、水溶性、非水溶性、又は水溶性/非水溶性溶媒系等の溶媒を含んでもよい。
【0080】
調製法
さらに本発明の一態様は、上述の化合物の調製法に係る。これらの方法の例示的形態は、下記実施例において記載する。
【0081】
さらに本発明の態様には、合成中間体が含まれる。多くの合成中間体が下記実施例のセクションに示される。この種の中間体の例としては、化合物2〜15、36〜37、40〜42、54、59、61、63、82、84、90、及び98が挙げられる。
【0082】
使用
さらに本発明の一態様は、上述の化合物の使用に係る。
【0083】
上述の化合物は、試料中に2本鎖DNAが存在するか否かを検出する方法に使用できる。前記方法には、2本鎖DNAを含有すると思われる試料を準備することと、前記試料を少なくとも1つの上述の化合物と接触させて試験試料を調製することと、前記試験試料をエネルギー照射することを含めてもよい。前記方法にはさらに、前記照射工程後に前記試験試料からのエネルギー放出を検出することを含めてもよい。前記検出工程は定性的でも定量的でもよい。前記方法にはさらに、前記検出工程後に前記試料中の2本鎖DNA濃度を算出することを含めてもよい。前記算出工程は、前記試料中の2本鎖DNA濃度と放出蛍光エネルギーとを相関させるとを含んでもよい。
【0084】
放出蛍光エネルギーの存在(又は対照と比較した放出蛍光エネルギーの増加)は前記試料中の2本鎖DNAの存在を示し、放出蛍光エネルギーが存在しないこと(又は対照と比較して放出蛍光エネルギーが増加しないこと)は前記試料中に2本鎖DNAが存在しないことを示す。
【0085】
前記方法はまた、「ブランク」又は「コントロール」試料にて実施してもよい。ブランク又はコントロール試料はRNAを含んで2本鎖DNAを含まなくてもよく、又は核酸を全く含まなくてもよい。
【0086】
前記試料は、特に限定されない限り任意の試料であってもよい。例えば、前記試料は1種類の細胞又は細胞群、組織、細胞溶解物、細胞培地、バイオリアクター試料等であってもよい。あるいは、前記試料は非生物的試料であってもよい。前記細胞は、バクテリア細胞、菌細胞、昆虫細胞、及び哺乳類細胞等の任意の細胞であってもよい。前記試料は固体、液体又は懸濁液であってもよい。前記試料は血液、血漿又は尿等の生物学的流体であってもよい。前記試料を、ゲル中又は膜上に固定してもよく、1つ又は複数のビーズと結合させてもよく、アレイ中として構成してもよい。前記試料は、部分的に又は全体に精製された核酸調製物を含む緩衝液又は水であってもよい。
【0087】
前記接触工程は、適切な任意の温度、時間で実施してもよい。典型的には、前記温度は常温又は室温であり、あるいは例えば37℃に昇温してもよい。当該温度の例としては約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約42℃、及びこれらの任意の2値の間の範囲が挙げられる。約42℃以上の温度及び約20℃以下の温度もまた、被検試料によっては適用可能である。当該時間は、特に限定されない限りは蛍光変化の検出に適切な任意の時間であってもよい。時間の長さの例としては約10分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、約90分、約100分、約110分、約120分、約180分、約240分、約300分、約360分、約420分、約480分、約540分、約600分、及びこれらの任意の2値の間の範囲が挙げられる。さらに時間を延長することも、被検試料によっては可能である。前記接触工程は、好適には被検試料を遮光して実施する。
【0088】
前記化合物は、特に限定されない限りは2本鎖DNAの存在下において放出蛍光エネルギーのシグナルが適切に検出できる任意の濃度で使用できる。濃度範囲の例としては、約10nM〜1mMが挙げられる。濃度の例としては、約10nM、約100nM、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、約10μM、約100μM、約1mM及びこれらの任意の2値の間の範囲が挙げられる。
【0089】
励起エネルギーは照射工程中に種々の方法で被検試料に照射してもよい。好適な装置としては、可搬紫外線ランプ、水銀アークランプ、キセノンランプ、レーザ(アルゴン及びYAGレーザ等)、及びレーザダイオードが挙げられる。これらの照射源は、典型的にはレーザスキャナ、蛍光マイクロプレートリーダ又は標準的分光光度計又はマイクロ蛍光分光光度計の中に光学的に統合されている。
【0090】
前記検出工程は、目視検査又は種々の計測器の利用により実施してもよい。こうした計測器の例としてはCCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザスキャナ装置、蛍光強度計、フォトダイオード、量子カウンタ、落射蛍光顕微鏡、走査顕微鏡、フローサイトメータ、蛍光マイクロプレートリーダ、又は光増倍管等の増幅装置が挙げられる。
【0091】
前記検出工程は、単一の時点において実施してもよく、複数の時点で実施してもよく、連続的に実施してもよい。
【0092】
前記方法は、DNAミニプレップ、フローサイトメトリー、蛍光マイクロスコピー、リアルタイムPCR、2本鎖DNA定量、マイクロアレイハイブリダイゼーション、ゲル中2本鎖DNA検出等の実験系との組合せで使用してもよい。
【0093】
以下に実施例を示し、本発明の好適な態様を例示する。当業者であれば、下記の当該実施例に開示された手法が、本発明を好適に実施するための、本発明者が見い出した手法の代表例であり、ゆえにその実施のための好適なモードを構成するものと認識するであろう。しかしながら、当業者であれば、本発明の開示を踏まえて、開示された特定の態様に関する多くの変更をなすことが可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく類似又は同様の結果を得ることができることを認識するのは自明である。
【実施例】
【0094】
実施例
実施例1:化合物(2)の調製

室温において酢酸200mL中N-メチルアニリン10gにブロミン11.3mLを添加し、混合物を数時間撹拌した。減圧下で揮発成分を蒸発させ、残渣をクロロホルムに溶解し、NaHCO3及びNa2S2O3飽和溶液で洗浄した。粗製物を酢酸エチル及びヘキサンを用いシリカゲルカラムで精製した。
【0095】
実施例2:化合物(3)の調製

DMF200mL中のNaH(分散オイル中60重量%、ヘキサン洗浄)3.5gに化合物(2)を18.5g添加し、さらにCS2を6.2mL添加した。混合物を100℃で4時間加熱した。水を加えて固体を濾過し、酢酸エチル及びヘキサンを用いシリカゲルカラムで精製した。
【0096】
実施例3:化合物(4)の調製

イソプロピルアルコール300mL及びトルエン50mL中、化合物(3)9.5g、2,6-ジメトキシフェニルホウ酸10g及びトリフェニルホスフィン1gに、水40mL中6gのK2CO3及び酢酸パラジウム(II)0.25gを添加した。得られた混合物を100℃で5時間加熱した。溶媒を除去し、残渣をCHCl3に溶解し、水洗した。粗製物を酢酸エチル及びヘキサンを用いシリカゲルカラムで精製した。
【0097】
実施例4:化合物(5)の調製

化合物(3)を、実施例3(化合物(4)の調製)にて記載のように、2,6-ジメトキシフェニルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0098】
実施例5:化合物(6)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)を5-インドリルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0099】
実施例6:化合物(7)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)を2,6-ジメチルフェニルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0100】
実施例7:化合物(8)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)を4-ヒドロキシフェニルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0101】
実施例8:化合物(9)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)をベンゾチアフェン-2-イルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0102】
実施例9:化合物(10)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)をフェニルホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0103】
実施例10:化合物(11)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)をチオフェン-2-ホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0104】
実施例11:化合物(12)の調製

実施例3(化合物(4)の調製)の条件を用い、化合物(3)を2-アセトアミドベンゼンホウ酸と結合させた。次いでこれを、130℃、1.5時間、メチルトシラートで4級化した。
【0105】
実施例12:化合物(13)の調製

DMF50mL中のNaH(分散オイル中60重量%、ヘキサン洗浄)1.5gに、2-ヒドロキシル-4-メチルキノリン1.5gを添加し、さらに臭化ベンジル4.5mLを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHCl3中に溶解し水洗した。酢酸エチル及びヘキサンを用いシリカゲルカラムで精製して生成物を得た。
【0106】
実施例13:化合物(14)の調製

塩化メチレン10mL中の化合物(5)0.5g、化合物(13)0.25gに、ジイソプロピルエチルアミン0.7mL及びトリフロロメタンスルホン酸トリメチルシリル0.9mLを添加し、得られた混合物を加熱し、1時間環流した。混合物を水洗し、酢酸エチル及びヘキサンを用いシリカゲルカラムで精製して生成物を得た。
【0107】
実施例14:化合物(15)の調製

化合物(14)0.1g及びオキシ塩化リン0.06mLの混合物を、ジクロロエタン3mL中で5時間環流した。混合物を水洗して溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル中で撹拌し、濾過して生成物を得た。
【0108】
実施例15:化合物(16)の調製

化合物(15)0.1g及びN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミン0.3mLの混合物を、1,2-ジクロロエタン3mL中55℃で3時間加熱した。溶媒を除去し、クロロホルム及びメタノールを用いシリカゲルカラムで精製して生成物を得た。
【0109】
実施例16:化合物(17)の調製

化合物(17)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)をN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0110】
実施例17:化合物(18)の調製

化合物(18)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、N,N,N'-トリメチルエタンジアミンをN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0111】
実施例18:化合物(19)の調製

化合物(15)12mg及びイミダゾール2mgの混合物を塩化メチレン2mL中室温で2時間撹拌した。この期間の最後に酢酸エチル2mLを加えて一晩かくはんを続けた。遠心分離により生成物を得た。
【0112】
実施例19:化合物(20)の調製

化合物(20)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、1-メチル-ピペラジンをN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0113】
実施例20:化合物(21)の調製

化合物(21)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、ピペラジンをN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0114】
実施例21:化合物(22)の調製

化合物(22)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、N,N'-ジメチルエタンジアミンをN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0115】
実施例22:化合物(23)の調製

化合物(23)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、N,N'-ジメチルプロパンジアミンをN,N-ジメチル-N'-プロピル-1,3-プロパンジアミンの代替として用いた。
【0116】
実施例23:化合物(24)の調製

化合物(15)18mg、2-N,N'-ジメチルアミノエタンチオール5mg、及びトリエチルアミン9μLの混合物を、塩化メチレン5mL中、室温で1.5時間撹拌した。減圧下で揮発性成分を全て除去し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いてシリカゲルカラムで精製した。
【0117】
実施例24:化合物(25)の調製

-78℃、窒素下において、乾燥THF4mL中4-ジメチルアミノメチル-ブロモベンゼン0.35gに、2.5M n-ブチルリチウム0.32mLを添加し、次いでTHF2mL中化合物(13)0.1gを添加した。前記反応物を低温で1時間撹拌した後、酢酸1mLを添加した。混合物をさらに1時間室温で撹拌し、溶媒を除去し、残渣をさらに1時間吸引した。残渣に、化合物(5)0.2g、ジクロロエタン2mL及びトリエチルアミン0.35mLを加えて室温で1時間撹拌した。得られた混合物を希水酸化ナトリウムで洗浄し、クロロホルム及びメタノールを用いてシリカゲルカラムで精製した。
【0118】
実施例25:化合物(26)の調製

-78℃、窒素下において、THF5mL中化合物(13)50mgに、2.5M n-ブチルリチウム0.16mLを添加した。低温30分後、酢酸0.5mLを添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下で揮発性成分を蒸発させ、残渣をさらに30分間真空吸引した。得られた残渣を塩化メチレン10mL中、化合物(5)50mg及びトリエチルアミン84μLと添加し、混合物を室温で数時間撹拌した。有機層を塩酸及び食塩の希釈液で水洗し、粗製物を酢酸エチル、クロロホルム及びメタノールを用いてシリカゲルカラムで精製した。
【0119】
実施例26:化合物(27)の調製

化合物(27)は、4-メチル-1-フェニル-2(H)-キノロンを出発物質として、化合物(15)と同一の調製手順に従い調製した。
【0120】
実施例27:化合物(28)の調製

化合物(28)は、化合物(27)を出発物質として、化合物(16)と同一の調製手順に従い調製した。
【0121】
実施例28:化合物(29)の調製

化合物(29)は、化合物(15)と同一の調製手順で調製し、1,4-ジメチル-2(H)-キノリノンを出発物質として用いた。
【0122】
実施例29:化合物(30)の調製

化合物(30)は、化合物(29)を出発物質として、化合物(16)と同一の調製手順に従い調製した。
【0123】
実施例30:化合物(31)の調製

化合物(16)4mg及び臭化メチル0.05mLの混合物を、DMF0.5mL中60℃で一晩加熱した。溶媒を除去し、生成物を水を用いてLH-20カラムで精製した。
【0124】
実施例31:化合物(32)の調製

化合物(15)20mg及びトリエチルアミン0.05mLの混合物を、メタノール2mL中60℃で1日加熱した。酢酸エチルを加えて生成物を沈殿させた。
【0125】
実施例32:化合物(33)の調製

化合物(33)は化合物(32)と同一の調製手順で調製し、2-ジメチルアミノエタノールをメタノールの代替として用いた。
【0126】
実施例33:化合物(34)の調製

化合物(34)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、4-メチル-1-プロパギル-2(H)-キノリノンを出発物質として2-クロロ中間体を生成し、これを次いでN,N-ジメチル-N'-プロピルプロパンジアミンと反応させて目標物を生成した。
【0127】
実施例34:化合物(35)の調製

化合物(35)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(41)を出発物質として用いた。
【0128】
実施例35:化合物(36)の調製

トルエン10mL中N-ベンジル-4-メトキシアニリン1gに、ジケトン0.72mLを添加した。混合物を一晩撹拌し、溶媒を減圧して除去した。残渣にH2SO4:HOAcの1:1v/v混合8mLを添加し、50℃で一晩加熱した。混合物を氷水に注入し、酢酸エチルで抽出した。粗製物は酢酸エチル及びヘキサンを用いるシリカゲルカラムで精製した。
【0129】
実施例36:化合物(37)の調製

化合物(37)は化合物(36)と同一の調製手順で調製し、N-ベンジル-3-メトキシアニリンをN-ベンジル-4-メトキシアニリンの代替として用いた。
【0130】
実施例37:化合物(38)の調製

化合物(38)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(37)を出発物質として用いた。
【0131】
実施例38:化合物(39)の調製

化合物(38)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(36)を出発物質として用いた。
【0132】
実施例39:化合物(40)の調製

化合物(40)は化合物(13)と同一の調製手順で調製し、ブロモエチルベンゼンを出発物質として用いた。
【0133】
実施例40:化合物(41)の調製

化合物(41)は化合物(13)と同一の調製手順で調製し、ブロモエチルピリジンを出発物質として用いた。
【0134】
実施例41:化合物(42)の調製

レピジン0.5g及び二臭化p-キシレンを酢酸エチル10mL中で1時間環流した。濾過して生成物を得た。
【0135】
実施例42:化合物(43)の調製

化合物(5)0.32g及び化合物(42)0.26gの混合物、N-エチルマレイミド0.4g、及びジイソプロピルエチルアミン0.16mLを、塩化メチレン5mL中、0℃で1時間撹拌した。次いで酢酸エチル20mLを添加し、濾過して生成物を得た。
【0136】
実施例43:化合物(44)の調製

当該化合物は、化合物(43)を、DMF中過剰のN-メチルピペリジンと室温で3時間反応させて得た。
【0137】
実施例44:化合物(45)の調製

当該化合物は、化合物(43)を、DMF中過剰のモルホリンと室温で3時間反応させて得た。
【0138】
実施例45:化合物(46)の調製

当該化合物は、化合物(43)を、DMF中過剰のN,N,N',N'-テトラメチルプロパンジアミンと50℃で4時間反応させて得た。
【0139】
実施例46:化合物(47)の調製

当該化合物は、化合物(43)を、DMF中過剰のN,N,N'-トリメチルプロパンジアミンと50℃で2時間反応させて得た。
【0140】
実施例47:化合物(48)の調製

当該化合物は、化合物(43)を、DMF中過剰のトリメチルアミンと50℃で4時間反応させて得た。
【0141】
実施例48:化合物(49)の調製

当該化合物は、化合物(46)を、DMF中過剰のヨードメチルと室温で一晩反応させて得た。
【0142】
実施例49:化合物(50)の調製

当該化合物は、化合物(46)を、DMF中過剰の3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)と室温で4時間反応させて得た。
【0143】
実施例50:化合物(51)の調製

当該化合物は、化合物(46)を、DMF中過剰のジメチルアミンと60℃で1時間反応させて得た。
【0144】
実施例51:化合物(52)の調製

化合物(5)0.2g、化合物(42)0.16g、及びトリエチルアミン0.2mLの混合物をジクロロメタン10mL室温で1時間撹拌した。反応混合物を水及び飽和食塩水で洗浄し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるHPLCで精製した。
【0145】
実施例52:化合物(53)の調製

化合物(5)10mg、1-ベンジル-4-メチルキノリニウム臭化物7mg、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物をメタノール1mL中で2時間撹拌した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0146】
実施例53:化合物(54)の調製

4-ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩及び2等量のレピジンの混合物を120℃で1時間加熱し、次いで酢酸エチルで数時間撹拌した。濾過して生成物を得た。
【0147】
実施例54:化合物(55)の調製

化合物(5)10mg、5等量の化合物(54)及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を、DMF0.5mL中で1時間撹拌した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0148】
実施例55:化合物(56)の調製

化合物(55)3mg及びヨードメタン0.2mLの混合物を、DMF1mL中、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(4mL)を加えてさらに1時間撹拌した後、生成物を濾過した。
【0149】
実施例56:化合物(57)の調製

化合物(34)1.7mg、ヨウ化銅(I)1mg、ジイソプロピルエチルアミン50μL、及び5等量のアジ化プロピルを、メタノール1mL中、室温で一晩撹拌した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0150】
実施例57:化合物(58)の調製

-78℃においてTHF5mL中の化合物(41)0.1gに、2.5M n-ブチルリチウム0.32mLを添加し、-78℃で1時間撹拌した。次いで酢酸0.5mLを添加し、室温で1時間撹拌した。減圧下で揮発性成分を蒸発させ、残渣を真空吸引した。塩化メチレン数mL中の暗色残滓に、化合物(5)243mg及びトリエチルアミン0.2mLを添加し、室温で1時間撹拌した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗製物を、酢酸エチル、クロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0151】
実施例58:化合物(59)の調製

5-(2,6-ジメトキシフェニル)-2-メチルベンゾチアゾール1.26g及びメチルトシラート0.99gの混合物を130℃で1時間加熱した。粗製物を酢酸エチル30mL中で撹拌し、濾過して生成物を得た。
【0152】
実施例59:化合物(60)の調製

化合物(59)0.1g、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド32mg及びピペリジン21μLの混合物をエタノール10mL中、40℃で1.5時間加熱した。揮発成分を減圧除去し、残渣をクロロホルムに溶解し、水及び飽和食塩水で洗浄した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0153】
実施例60:化合物(61)の調製

レピジン1g及び(2-ブロモメチル)ベンゼン1mLの混合物を90℃で2時間加熱した。酢酸エチル約30mLを加えて15分間環流した。濾過して生成物を得た。
【0154】
実施例61:化合物(62)の調製

化合物(5)0.1g、化合物(61)67mg、及びジクロロエタン10mL中トリエチルアミン86μLの混合物を室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、残渣を酢酸エチル約30mL中室温で一晩撹拌した。濾過して生成物を回収した。
【0155】
実施例62:化合物(63)の調製

レピジン40μL及び2-(アセトアミド)-4-(クロロメチル)-チアゾール57mgの混合物を90℃で2時間加熱した。粗製物を酢酸エチル約20mL中で数時間撹拌し、濾過して生成物を得た。
【0156】
実施例63:化合物(64)の調製

化合物(5)0.13g、化合物(63)0.26ミリモル、及びトリエチルアミン0.11mLの混合物を、ジクロロエタン10mL中、室温で1時間撹拌した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0157】
実施例64:化合物(65)の調製

化合物(5)0.1g、ヨウ化1,4-ジメチルキノリニウム58mg、及びトリエチルアミン86μLの混合物を、ジクロロエタン10mL中、室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、残渣を酢酸エチル約50mL中で30分撹拌した。濾過して生成物を回収した。
【0158】
実施例65:化合物(66)の調製

化合物(66)は化合物(15)と同一の調製手順で調製し、化合物(7)及び(13)を出発物質として用いた。
【0159】
実施例66:化合物(67)の調製

化合物(67)は化合物(15)と同一の調製手順で調製し、化合物(7)及び4-メチル-1-フェニル-2(H)-キノロンを出発物質に用いた。
【0160】
実施例67:化合物(68)の調製

化合物(68)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(67)及びN,N-ジメチル-N'-プロピルプロパンジアミンを出発物質に用いた。
【0161】
実施例68:化合物(69)の調製

化合物(69)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(67)及びN,N,N'-トリメチルプロパンジアミンを出発物質に用いた。
【0162】
実施例69:化合物(70)の調製

化合物(70)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(66)及びN,N,N'-トリメチルプロパンジアミンを出発物質に用いた。
【0163】
実施例70:化合物(71)の調製

化合物(7)20mg、臭化1-ベンジル-4-メチル-キノリニウム13mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物を、メタノール1mL中、室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0164】
実施例71:化合物(72)の調製

化合物(7)20mg、化合物(42)17mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物をDMF1mL中室温で1時間撹拌した。次いでこれに1-メチルピペリジン約100μLを添加し、混合物を一晩撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0165】
実施例72:化合物(73)の調製

化合物(7)8mg、化合物(42)8mg、及びトリメチルアミン0.5mL(メタノール中25%)の混合物をDMF1mL中室温で4時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させた後、真空吸引した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0166】
実施例73:化合物(74)の調製

化合物(7)20mg、5等量の化合物(54)、及びトリエチルアミン50μLの混合物をDMF1mL中室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させた。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0167】
実施例74:化合物(75)の調製

化合物(74)約3mg及びヨードメタン0.2mLの混合物をDMF1mL中室温で一晩撹拌した。酢酸エチル4mLを加えて生成物を沈殿させた。
【0168】
実施例75:化合物(76)の調製

化合物(76)は化合物(15)と同一の調製手順で調製し、化合物(6)及び4-メチル-1-フェニル-2(H)-キノロンを出発物質に用いた。
【0169】
実施例76:化合物(77)の調製

化合物(77)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、化合物(15)及びN,N-ジメチル-N'-プロピルプロパンジアミンを出発物質として用いた。
【0170】
実施例77:化合物(78)の調製

化合物(6)約35mg、化合物(42)30mg、及びジイソプロピルエチルアミン17μLの混合物を、DMF/塩化メチレン溶媒1:4v/v中、室温で一晩撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、粗製物を酢酸エチル、クロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0171】
実施例78:化合物(79)の調製

化合物(78)5mg及びTHF中ジメチルアミン2M溶液3mLの混合物を、メタノール10mL中室温で3日間加熱した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をクロロホルム、メタノール及びトリエチルアミンを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0172】
実施例79:化合物(80)の調製

化合物(78)約5mg及び1-メチルピペラジン30mgの混合物を35℃で4日間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、調製TLCプレートで生成物を精製した。
【0173】
実施例80:化合物(81)の調製

化合物(6)20mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム20mg、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を塩化メチレン0.5mL中、室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧蒸発させ、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0174】
実施例81:化合物(82)の調製

-78℃、窒素下においてTHF20mL中1-メチルイミダゾール1.3gに、2.5M n-ブチルリチウム2.8mLを添加した。低温にて45分後に1-ベンジル-4-メチル-2(H)-キノロン1.25g(THF10mL中)を添加し、得られた混合物をさらに-78℃で1時間撹拌し、0℃で2時間、室温でさらに30分撹拌した。酢酸(0.5mL)を添加し30分撹拌した。揮発成分を減圧除去した。生成物は1-ベンジル-4-メチル-2-(1-メチルイミダゾイル)-キノリニウムと推定された。
【0175】
実施例82:化合物(83)の調製

メタノール1mL中化合物(6)20mg及び化合物(82)0.01ミリモルの混合物に、トリエチルアミン50μLを加えて室温で1時間撹拌した。揮発成分を蒸発させた。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製し、次いで水を用いLH-20カラムにて生成物を得た。
【0176】
実施例83:化合物(84)の調製

当該化合物の調製は、市販入手可能な5-フェニル-2-メルカプト-ベンゾチアゾール(アルドリッチケミカル、米国ミズリー州セントルイス)を、まず前記メルカプトをカリウムカーボネート及びメチルトシラートを用いてメチルチオに転換し、さらに無希釈条件でメチルトシラートを用い、ベンゾチアゾールを4級化して目的物を生成させた。
【0177】
実施例84:化合物(85)の調製

化合物(84)60mg、1,4-ジメチル-2-(1-メチルイミダゾイル)-キノリニウム酢酸塩1モル等量(1,4-ジメチル-2(H)-キノロンを出発物質として化合物(82)と同様のプロトコルで調製)、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を、メタノール1mL中室温で1時間撹拌した。水を用いるLH-20カラムで粗製物を抽出した。
【0178】
実施例85:化合物(86)の調製

塩化メチレン1mL中、化合物(10)15mg及びヨウ化1,4-ジメチルキノリニウム9.6mgの混合物を室温で1時間撹拌した。濾過して生成物を得た。
【0179】
実施例86:化合物(87)の調製

化合物(10)27mg、1,4-ジメチル-2-(1-メチルイミダゾイル)-キノリニウム酢酸塩(1,4-ジメチル-2(H)-キノロンを出発物質として化合物(82)と同様のプロトコルで調製)0.067ミリモル、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を、塩化メチレン1mL中、1時間撹拌した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をLH-20カラムで精製した。
【0180】
実施例87:化合物(88)の調製

メタノール1mL中、化合物(84)8mg及び化合物(82)1等量にトリエチルアミン50μLを添加し、室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧除去し、粗製物をまずクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで、次いで水を用いてLH-20カラムで精製し、生成物を得た。
【0181】
実施例88:化合物(89)の調製

5-フェニル-3-メチル-2-メチルチオベンズオキサゾリウムトシラート43mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム39mg、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を塩化メチレン1mL中で1時間撹拌した。濾過して生成物を得た。
【0182】
実施例89:化合物(90)の調製

-78℃、窒素下において、乾燥THF4mL中4-ジメチルアミノメチル-ブロモベンゼン0.36gに、2.5M n-ブチルリチウム0.48mLを添加し、次いで4-メチル-1-フェニル-2(H)-キノロン0.235g(THF10mL中)を添加した。前記反応物を低温で1時間撹拌した後、酢酸1mLを添加した。混合物をさらに1時間室温で撹拌し、溶媒を除去し、残渣をさらに1時間吸引した。粗製生成物2-(4-ジエチルアミノメチル)-4-メチル-1-フェニルキノリニウムはこれ以上の精製を行わず使用した。
【0183】
実施例90:化合物(91)の調製

化合物(10)20mg、化合物(90)1等量、及びトリエチルアミン50μLの混合物を塩化メチレン1mL中、室温で1時間撹拌した。揮発成分を除去し、粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0184】
実施例91:化合物(92)の調製

塩化メチレン1mL中、化合物(10)12mg、臭化1-ベンジル-4-メチルピリジニウム10mg、及びトリエチルアミン0.1mLの混合物を2時間環流した。揮発成分を減圧除去し、粗製物を塩化メチレン約2mL中で1時間撹拌した。濾過して生成物を得た。
【0185】
実施例92:化合物(93)の調製

化合物(10)8mg、臭化1-ベンジル-4-メチル-2-フェニルキノリニウム8.8mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物を塩化メチレン2mL中で3時間環流した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0186】
実施例93:化合物(94)の調製

化合物(12)22mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム10mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物をメタノール1mL中で1時間撹拌した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0187】
実施例94:化合物(95)の調製

化合物(9)6.5mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム4mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物をメタノール1mL中で3時間撹拌した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。
【0188】
実施例95:化合物(96)の調製

化合物(11)6.8mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム4.7mg、及びトリエチルアミン50μLの混合物を塩化メチレン1mL中で1時間環流した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0189】
実施例96:化合物(97)の調製

3-メチル-6-ピリジル-1,3-ベンゾチアゾール-2-チノン18mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム22mg、メチルトシラート14mg、及びジイソプロピルエチルアミン0.1mLの混合物を100℃で30分加熱した。揮発成分を減圧除去し、粗製物を調製TLCプレートで精製した。
【0190】
実施例97:化合物(98)の調製

3-メチル-6-ピリジル-1,3-ベンゾチアゾール-2-チノン23mg及びメチルトシラート330mgの混合物を130℃で1時間加熱した。次いで酢酸エチル10mLを加えて15分間環流した。濾過して生成物を得た。
【0191】
実施例98:化合物(99)の調製

臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム27mg、化合物(98)1等量、及びトリエチルアミン0.2mLの混合物をDMF2mL中室温で撹拌した。濾過して生成物を得た。
【0192】
実施例99:化合物(100)の調製

化合物(8)、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム1.2等量、及びトリエチルアミン45μLの混合物をジクロロメタン/DMF混合溶媒(v/v、1:1、4mL)中、室温で3時間撹拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。液量を減ずるとクロロホルム層に生成物が沈殿した。
【0193】
実施例100:化合物(101)の調製

化合物(101)は化合物(16)と同一の調製手順で調製し、6-(ビス-(1,3-ジメトキシ)-プロプ-2-イル)-3-メチル-2-メチルチオ-ベンゾチアゾリウムトシラート及び化合物(13)を出発物質として用いた。
【0194】
実施例101:化合物(102)の調製

化合物(102)は化合物(24)と同一の調製手順で調製し、化合物(5)及び1-ベンジル-4-メチル-ピリジン-2-オンを出発物質として用いた。
【0195】
実施例102:化合物(103)の調製

無水酢酸(0.1mL)を、ジクロロエタン2mL中、室温で2-(2-アニリノビニル)-3-メチル-6-フェニルキノリニウムトシラート0.127mg、臭化1-ベンジル-4-メチルキノリニウム1等量、及びトリエチルアミン40μLの混合物に添加した。混合物を2時間撹拌した。反応物をクロロホルムで希釈し水及び飽和食塩水で洗浄した。粗製物をメタノール及び酢酸エチルからの再結晶により精製した。
【0196】
実施例103:化合物(104)の調製

無水酢酸(90μL)を、ジクロロエタン5mL中、室温で2-(2-アニリノビニル)-3-メチル-6-フェニルキノリニウムトシラート0.107mg、塩化1-((3-エトキシカルボニル-1-プロポキシ)フェニルメチル)-4-メチルキノリニウム1等量、及びトリエチルアミン40μLの混合物に添加した。混合物を2時間撹拌した。反応物をクロロホルムで希釈し水及び飽和食塩水で洗浄した。粗製物をクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0197】
実施例104:化合物(105)の調製

水(0.5mL)及び10%水酸化ナトリウム40μLをメタノール5mL中の化合物(107)59mgに添加した。混合物を室温で数時間撹拌した。反応物を水30mLで希釈し、1N塩酸で酸性化し濾過して生成物を回収した。
【0198】
実施例105:化合物(106)の調製

O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフロロホウ酸塩(8.2mg)を、DMF2mL中化合物(105)11.3mg及びDMF2mL中トリエチルアミン8μLに添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチル約6mLを加えて生成物を沈殿させ、濾過して生成物を得た。
【0199】
実施例106:化合物(107)の調製

化合物(107)は化合物(15)と同一の調製手順で調製し、化合物(5)及び1-ベンジル-6-(3-エトキシカルボニル-1-プロポキシ)-4-メチル-2(H)-キノロンを出発物質に用いた。
【0200】
実施例107:化合物(108)の調製

化合物(107)0.314g、チオフェノール0.13mL、及びトリエチルアミン0.3mLの混合物をジクロロエタン5mL中60℃で数時間撹拌した。生成物はクロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して得た。
【0201】
実施例108:化合物(109)の調製

4-N-メチルアミノブチル酸(39mg)及びトリエチルアミン107μLを、イソプロピルアルコール1.5mL及び数滴の水を含む混合液中に溶解させた。この混合液を、ジクロロエタン3mL中化合物(15)30mgに添加し、得られた混合物を60℃で1時間加熱した。粗製物にクロロホルムを添加して希釈し、希塩酸で洗浄した。生成物は、クロロホルム及びメタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。
【0202】
実施例109:化合物(110)の調製

O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフロロホウ酸塩(7.4mg)を、B36-13-LY11mg及びDMF2mL中トリエチルアミン5μLの混合物に添加した。室温で30分撹拌した後、シリカゲルカラムからクロロホルムとアセトンで溶出した。
【0203】
実施例110:化合物(111)の調製

アミノ-dPEG4-アルコール(3.0mg;Quanta Biodesign, Ltd.、米国オハイオ州)を化合物(110)5mg及びトリエチルアミン2等量の混合物に添加した。混合物を30分撹拌した。 混合物を濃縮し、酢酸エチル数mLを添加して短時間撹拌し、濾過して生成物を得た。
【0204】
実施例111:化合物(112)の調製

トリエチルアミン(61μL)を、塩化1-((3-エトキシカルボニル-1-プロポキシ)フェニルメチル)-4-メチルキノリニウム59mg及び塩化メチレン3mL中化合物(5)74mgの混合物に添加した。混合物を5分間撹拌した。次いで混合物をクロロホルムで希釈し、水/飽和食塩水1:1で洗浄して生成物を得た。
【0205】
実施例112:DNA/RNA蛍光比率の決定法
被検化合物をDMSO中0.1〜1.0mg/mLの濃度のストック溶液として溶解した。正確な濃度は重要ではない。3本の試料管を用意し、それぞれに同一の1〜20μLのストック溶液を入れた。第1の試料管は10mMトリス、1mM EDTA(pH7.5)緩衝液を、第2の試料管は緩衝液及び65μg/mL子牛胸腺2本鎖DNAを、第3の試料管は緩衝液及び65μg/mLリボソームRNAを含んでなる。試料管を遮光し、室温で10〜15分間インキュベートした。
【0206】
3溶液の蛍光スキャンは、使い捨てキュベット中、DNA(又は数値が顕著に異なるならばRNA)と結合した化合物の最大吸収に対応する励起波長を用いて実施した。いくつかの場合では、蛍光シグナルを計測尺度に保つための試料の希釈が必要であった。それらの場合においては、3試料の全てを同一の倍率に希釈した。DNA及びRNAの存在下における化合物の蛍光比を決定した。
【0207】
実施例113:調製試料のDNA/RNA蛍光比
本発明を代表するものとして以下の化合物を選択した。DNA及びRNA存在時の蛍光値は前例記載と同様に決定した。下表にDNA/RNA蛍光比を示す。数値が高いほどDNA選択的である。比が1であれば選択性は無い。励起及び放出の値はnm単位である。

【0208】
実施例114:化合物(24)の評価
この化合物の最大励起波長は520nmであり、488nm線(青色レーザ)又は532nm線(緑色レーザ)を用いて効果的に励起できる。当該化合物の最大放出波長は569nm(オレンジ色)である。
【0209】
実施例115:化合物(20)のフローサイトメトリー利用
生きたJurkat細胞(ヒトTリンパ球)を10%ウシ胎児血清(FBS)と共にRPMI培地で1×106細胞/mlに懸濁した。5μMの化合物(20)を懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で1時間インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、530/30バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値(変動係数)を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0210】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。これは生細胞のゲーティングで得られた。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、G1期は6.92%のピークCV値を有する47.08%であり、S期は46.67%、G2期は6.25%で、G2/G1比は1.83であることが示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0211】
実施例116:化合物(24)のフローサイトメトリー利用
生きたJurkat細胞をコルセミドで2時間処理して細胞周期を有糸分裂期で停止させ、これにより大部分をG2M期にそろえた。前記細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)と共にRPMI培地で1×106細胞/mlに懸濁した。10μMの化合物(24)を細胞懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で1時間インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、また、532nm励起レーザを用いて同じ585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0212】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。これは生細胞のゲーティングで得られた。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、典型的な細胞周期染色が示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0213】
実施例117:化合物(20)のフローサイトメトリー利用
HL60の生細胞(ヒト前骨髄球)を20%ウシ胎児血清(FBS)と共にイスコフ・ダルベッコ完全培地で1×106細胞/mlに懸濁した。5μMの化合物(20)を細胞懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で30分インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、530/30バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G1/G2比及びG1期のCV値を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0214】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。これは生細胞のゲーティングで得られた。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、典型的な細胞周期染色が示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0215】
実施例118:化合物(24)のフローサイトメトリー利用
HL60細胞をHanks液(HBSS:Hank's Balanced Salt Solution)で1×106細胞/mlに懸濁した。10μMの化合物(24)を細胞懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で30分インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、また、532nm励起レーザを用いて同じ585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0216】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。これは生細胞のゲーティングで得られた。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、典型的な細胞周期染色が示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0217】
実施例119:化合物(24)のフローサイトメトリー利用
HL60細胞を70%エタノールで固定し-20℃で使用まで保存した。固定細胞をHanks液(HBSS:Hank's Balanced Salt Solution)で1回洗浄した後、HBSS中1×106細胞/mlに懸濁した。5μMの化合物(24)を細胞懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で5分間インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、また、532nm励起レーザを用いて同じ585/42バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0218】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、典型的な細胞周期染色が示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0219】
実施例120:化合物(20)のフローサイトメトリー利用
Jurkat生細胞をコルセミドで2時間処理して細胞周期を有糸分裂期で停止させ、これにより大部分をG2M期にそろえた。前記細胞を70%エタノールで固定し-20℃で使用まで保存した。固定細胞をHanks液(HBSS:Hank's Balanced Salt Solution)で1回洗浄した後、HBSS中1×106細胞/mlに懸濁した。5μMの化合物(20)を細胞懸濁液1mLに添加し、遮光して37℃で5分間インキュベートした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。主細胞数のゲーティングには前方散乱(FS)対側方散乱(SS)の2変数プロットを用いた。ゲーティングした細胞において単一細胞種識別のゲーティングのために蛍光幅対蛍光面積の2変数プロットを用いた。488nm励起レーザを用い、530/30バンドパス領域で単色蛍光成分を収集し、毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値を決定するためにVerity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0220】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期が明瞭に示された。さらにModFitソフトウェアを用いて分析したところ、典型的な細胞周期染色が示された。これにより、G1期のCV値が8%に満たない領域で本化合物が生細胞の細胞周期を染色し、観測された比率に染色の直線性が示されていることが明らかとなった。
【0221】
実施例121:アポトーシス誘導細胞を用いるフローサイトメトリーへの化合物(24)の利用
Jurkat生細胞を13試料に分け、分けた細胞を完全RMPI/10%FBSで懸濁した。DMSO中10μMカンプトテシンで処理してアポトーシスを誘導したもの、DMSOのみで参照とするものを試料とした。処理時間及び対照時間は1、2、3、4、5及び6時間、並びにゼロ時間である。次いで細胞懸濁液を、所定の時間、37℃で5%CO2インキュベートした。このような実験は「アポトーシス経時変化」と呼ぶことがある。分けた試料をそれぞれ完全RPMI培地/10%子牛胸腺血清(FBS)で1回洗浄し、10%FBS及び完全RPMI培地中1×106細胞/mlに再度懸濁した。10μM化合物(24)を1mL細胞サスペンションに加えた1mL指定細胞サスペンションをフロー管に入れ、遮光して37℃で30分間インキュベートし、SYTOX(米国オレゴン州ユージン、Molecular Probe, Inc社登録商標)ブルー死細胞染色剤を添加して死細胞の識別とした。細胞をBecton Dickinson(BD)LSRIIフローサイトメータで試験した。SYTOX(登録商標)ブルー染色剤対化合物(24)染色剤をプロットし、死細胞をゲーティングせず生細胞のみを分析するために、化合物(24)染色剤を発色しSYTOX(登録商標)ブルーを発色しない細胞の分析に基づいてゲーティングを行った。SYTOX(登録商標)ブルー染色剤からの蛍光は405nm励起レーザを用いて450/50バンドパス領域で収集し、化合物(24)染色剤からの蛍光は488nm励起レーザを用いて585/42バンドパス領域で収集し、また同様に532nm励起レーザを用いて585/42バンドパス領域で収集した。毎秒約200イベントのフロー速度で30000イベントを収集した。前記データをさらに、G2/G1比及びG1期のCV値及びサブG0細胞数(断片化細胞数)のパーセンテージを見るために、Verity Software House, Inc製フローサイトメトリーモデリングソフトウェアModFit LTを用いて分析した。
【0222】
典型的な細胞周期ヒストグラムにはG0G1期、S期、及びG2M期がそれぞれの参照時刻時点において明瞭に示され、サブG0細胞数は全く見られなかった。カンプトテシン処理細胞の細胞周期ヒストグラムは、サブG0位置の細胞数が3時間目から現れ始め、その後の各時点における経時変化期間中に増加し続けたことが明らかである。さらに、断片化細胞モデルを用いるModFitソフトウェアによる分析により、参照細胞に対して典型的な細胞周期染色がされ、前記誘導細胞にサブG0細胞数が増加することが示された。これにより、化合物(24)が生細胞を染色し、誘導期間により増加する断片化細胞中のサブG0細胞数を同定できることが明らかとなった。同様の結果は532nmの励起でも得られた。
【0223】
本明細書に開示の全ての化合物及び/又は方法は、本発明の開示を踏まえ、過度の実験を伴うことなく調製でき、実施できる。本発明の組成物及び方法は好適な態様として記載されているが、当業者であれば、本発明の範囲の技術的思想から逸脱することなく、本明細書に記載の方法に含まれる工程又は一連の工程において、その構成及び/又は方法に変更を加えることができることは自明であろう。より具体的には、化学的かつ生理学的に関連のある試薬を、本明細書に記載の試薬と置き換えても同一又は同様の結果に達することは自明であろう。当業者にとり自明なかかる置き換え及び変更は、全て本発明の及びその技術的思想の範囲内にあると見なされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の構造を有する化合物:

式中、数値nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、
R12はアルキル基である。
【請求項2】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11が、独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R9が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R10がアミン基である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R9が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R9が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R10がアミン基を含んでなる、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R12がC1〜C8アルキル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R12がメチル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
1つ又は複数のカチオン又はアニオンをさらに含んでなる、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
DNA、RNA、またはDNAとRNAの両方、及び次式の構造を有する化合物を含んでなる、キット:

式中、nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、R12はアルキル基である。
【請求項12】
2本鎖DNAを含むと考えられる試料を提供する工程;
化合物を前記試料と接触させて被検試料を調製する工程;
前記被検試料にエネルギー照射を行う工程;および
前記被検試料からのエネルギー放出を検出する工程
を含んでなる、試料中に2本鎖DNAが存在するか否かを検出する方法であって、前記化合物が次式の構造を有する、方法:

式中、nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、
R12はアルキル基である。
【請求項13】
前記検出工程の後に前記試料中の2本鎖DNAの濃度を算出する工程をさらに含んでなる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
次式の構造を有する化合物:

式中、nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、
R22はアルキル基である。
【請求項15】
R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21が独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せである、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項14記載の化合物。
【請求項17】
R19が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項14記載の化合物。
【請求項18】
R20がアミン基である、請求項14記載の化合物。
【請求項19】
R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R19が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなる、請求項14記載の化合物。
【請求項20】
R13、R14、R15、及びR16の少なくとも1つが芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R19が芳香族基、アルキル-芳香族基又はアルキニル基を含んでなり、R20がアミン基を含んでなる、請求項14記載の化合物。
【請求項21】
R22がC1〜C8アルキル基である、請求項14記載の化合物。
【請求項22】
R22がメチル基である、請求項14記載の化合物。
【請求項23】
1つ又は複数のカチオン又はアニオンをさらに含んでなる、請求項14記載の化合物。
【請求項24】
DNA、RNA、またはDNAとRNAの両方、及び次式の構造を有する化合物を含んでなる、キット:

式中、nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、
R22はアルキル基である。
【請求項25】
2本鎖DNAを含むと考えられる試料を提供する工程;
化合物を前記試料と接触させて被検試料を調製する工程;
前記被検試料にエネルギー照射を行う工程;および
前記被検試料からのエネルギー放出を検出する工程を含んでなる、試料中に2本鎖DNAが存在するか否かを検出する方法であって、前記化合物が次式の構造を含んでなる、方法:

式中、nは負でない整数であり、
Xは酸素又は硫黄であり、
R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は独立に水素、水酸基、アルコキシ基、チオール、チオアルキル、チオアリール、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、反応基又はこれらの組合せを含んでなり、
R22はアルキル基である。
【請求項26】
前記検出工程の後に、前記試料中の2本鎖DNAの濃度を算出する工程をさらに含んでなる、請求項25記載の方法。

【公開番号】特開2013−60448(P2013−60448A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239245(P2012−239245)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2008−511465(P2008−511465)の分割
【原出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507371227)モレキュラー プローブス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】