説明

2次元コードを検出可能な装置

【課題】原稿に付加されている2次元コードを検出する場合、読み取った画像の四隅を見て検出処理を行っているため、A4サイズ原稿の複写において、ユーザが画像の読み取りサイズをA3に指定すると、2次元コードの検出が行えない。
【解決手段】複写機が検出した原稿サイズとユーザが指定する画像の読み取りサイズが異なる場合、複写機が検出した原稿サイズの領域の四隅を見て、2次元コードの検出処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元コードを検出可能な装置に関し、より詳細には、2次元コードによる複写制御情報を抽出可能な装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機の普及に伴い、原稿の不正複写問題が増大している。この対策技術として、特定の原稿の複写を抑制する技術がある。この複写を抑制する技術として、複写禁止情報を持つ2次元コードを原稿に対して付加しておき、複写機がこの原稿を読み取った場合に、原稿の複写を禁止するものがある。
【0003】
原稿に付加される2次元コードとしては、QRコード(登録商標)がある。このコードは四辺形のコードであるため、コード自体の可視性が高く、画像データ全体にコードを付加すると、元の原稿の可読性が低下する。このため、このような可読性が低下し得る2次元コードは原稿の一部に付加されるのが一般的であり、具体的には原稿の用紙四隅のうちの1以上の位置に付加される。
【0004】
複写禁止機能を持った複写機が、原稿に付加されたQRコード(登録商標)を検出する際、検出対象の領域が原稿全面であるとコード検出時の画像処理に時間がかかる。このため、複写機がコードを検出する際には、画像読み取り領域の四隅を見て検出処理が行われることがある(特許文献1参照)。例えば、図1に示すA4サイズの原稿0101を読み取る時は、原稿の左上0102、左下0103、右上0104、右下0105の4ヶ所でQRコード(登録商標)の検出処理を行う。そして、この中に複写禁止情報を持つコードが付加されている場合には、複写禁止動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−263283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようなコードによる複写禁止処理を回避して複写が行われてしまう場合がある。それは、A4サイズの原稿を複写する際に、画像読み取り領域をA3サイズにユーザが指定する場合である。このような場合、図1に示すように太線で示すA4サイズの原稿0107に対して、細線で示すA3サイズの領域0106で画像の読み取りが行われる。なお、A3サイズの領域0106はA4サイズの原稿0107の領域を全て包含するものである。A3サイズの領域0106で画像の読み取りが行われるため、コードの検出処理を行う領域も、A3サイズの画像読み取り領域に対する四隅(0108〜0111)となり、A4サイズの原稿0107の右上0112と右下0113に対しては検出が行われない。この結果、A4サイズの原稿の右上、もしくは右下に複写禁止情報を持つコードが付加されている場合であっても、複写禁止動作が行われず、複写が可能になる、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る装置は、原稿サイズを検出し、検出した原稿サイズを設定する第1の設定手段と、ユーザからの指定に基づく原稿サイズを設定する第2の設定手段とを有する装置であって、原稿台上の画像を読取って読取画像を得る読取手段と、前記第1の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像内の領域から2次元コードを検出する検出手段と、前記第2の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像を出力する出力手段とを有し、前記検出手段で出力禁止を示す2次元コードが検出された場合に、前記出力手段による出力を中止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出した原稿サイズと異なる画像サイズで原稿画像を読み取る場合においても、原稿に付加されている2次元コードの検出を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】QRコード(登録商標)の検出処理対象の領域を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における、MFPのブロック図である。
【図3】読み取り画像に対する、2次元コードの検出処理対象の領域を示す図である
【図4】実施形態1において、A4サイズの原稿をA3サイズの画像読み取り領域で複写する場合における、2次元コード検出対象領域の例を示す図である。
【図5】実施形態1において、A3サイズの原稿をA4サイズの画像読み取り領域で複写する場合における、2次元コード検出対象領域の例を示す図である。
【図6】実施形態1において、A4Rサイズの原稿をA4サイズの画像読み取り領域で複写する場合における、2次元コード検出対象領域の例を示す図である。
【図7】実施形態1における、MFPが実行する2次元コードの検出処理を示すフローチャートである。
【図8】実施形態1における、MFPが実行する2次元コードの検出処理を示すフローチャートの第2図である。
【図9】実施形態2において、複数の2次元コードが付加されたA4サイズの原稿を、A3サイズの画像読み取り領域で複写する場合における、2次元コード検出対象領域の例を示す図である。
【図10】実施形態2における、MFPが実行する2次元コードの検出処理を示すフローチャートである。
【図11】実施形態3において、A3サイズの原稿をA4サイズの画像読み取り領域で複写する場合における、2次元コード検出対象領域と出力時の2次元コード合成位置との例を示す図である。
【図12】実施形態3における、MFPが実行する2次元コードの検出処理を示すフローチャートである。
【図13】実施形態4における、MFPが実行する2次元コードの検出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態は、複写禁止機能を持つ複写機を用いて、複写機に設置された原稿の原稿サイズとは異なるサイズの設定で画像を読み取った場合に、2次元コードを検出可能とする制御に関する発明である。
【0011】
ここで、本実施形態において使われる用語について説明する。原稿には複写によって複写制御情報が付加される。複写制御情報には、複写禁止情報と複写許可情報とを含むことができる。複写禁止情報は複写の禁止を示す情報であり、複写許可情報は複写の許可を示す情報である。複写制御情報が付加された原稿を複写する際には、複写制御情報を参照してその複写を禁止するか又は許可するかの制御を行うことができる。
【0012】
次に、複写制御情報が付加された原稿を作成する処理について説明する。始めに、複写制御情報を符号化することで埋め込み情報を得る。2番目に、埋め込み情報を画像化することで2次元コードを生成する。3番目に、2次元コードと原稿画像とを合成し、2次元コードの合成された原稿画像を生成する。最後に、2次元コードが合成された原稿画像を印刷する。これにより、複写制御情報が2次元コードで付加された原稿が作成される。この一連の処理を、複写制御情報の「付加」と呼ぶ。なお、複写制御情報を符号化し、画像化する処理(これにより、2次元コードが生成されることになる)のことを、複写制御情報の2次元コード化と称することにする。
【0013】
なお、本実施形態も含め以降の実施形態では、このように2次元コードを利用する形態(即ち、2次元コードを原稿画像に合成して印刷する形態、及び、その印刷により得られた原稿を読み取って複写を制御する形態)を例に処理の説明を行うこととする。
【0014】
本実施形態では、2次元コードとしてQRコード(登録商標)を使用し、原稿の1面に対して1つの2次元コードが付加されることとする。
【0015】
以下、図2を参照して第1の実施形態におけるMFP(画像形成装置)の構成について詳細に説明する。ここで、図2は、本実施形態に係るMFPの構成を例示するブロック図である。
【0016】
制御部0201は、MFPの各ユニットの動作制御をおこなう箇所である。この制御部0201は、不図示のCPU(Central Processing Unit)を有している。また、制御部0201は、複写制御情報の付加処理や、埋め込み情報の復号化を含む複写制御情報の検出処理の制御を行うことができる。
【0017】
操作部0205は、MFPに対するユーザからの操作入力を受け付ける箇所である。ユーザ認証部0206は、MFPを使用するユーザの認証に必要な情報を管理する箇所である。例えば、複写制御情報に含まれ得るユーザ情報などを用いてユーザの認証を行うことができる。
【0018】
読み取り部0202は、例えばスキャナによって原稿を読み取ることで、その原稿の原稿画像の生成を行う箇所である。なお、原稿が印刷物等の紙文書であるのに対して、原稿画像はデジタル(又は、アナログ)のデータである。
【0019】
情報化部0203は、原稿画像から2次元コードを見つけ出して情報化を行う箇所である。メモリ0207は、原稿画像を記憶する箇所である。出力部0208は、メモリ0207から原稿画像を読み出した後、原稿画像の印刷、または、原稿画像の外部装置への送信等の出力を行う箇所である。ここで外部装置とは、MFPとネットワークを介して接続されているPC等を指す。
【0020】
表示部0209は、制御部0201の制御により表示画面の表示を行う箇所である。データベース0210は、MFPの印刷設定や使用ログを記録する箇所である。エンコード部0211は、複写制御情報の符号化と画像化を行う箇所である。
【0021】
次に、原稿画像から複写制御情報を検出する処理について説明する。情報化部0203は、原稿画像内からQRコード(登録商標)(以下、2次元コードとして説明する)の隅にある切り出しシンボル(ファインダパターン)を検出する。ファインダパターンが存在すると、情報化部0203は原稿画像に2次元コードがあると判断する。これを、2次元コードを見つけ出すと称する。次に見つけ出した2次元コードを情報化して埋め込み情報を得る。そして最後に、2次元コードを見つけた制御部0201は、当該2次元コードに含まれる埋め込み情報を復号化する。このように復号化を行うことで、制御部0201は、複写制御情報を得ることができる。
【0022】
以上のように、原稿画像から2次元コードを見つけ出し、見つけ出した2次元コードを情報化して埋め込み情報を得て、埋め込み情報を復号化して複写制御情報を得る処理という一連の処理を複写制御情報の「検出」と呼ぶ。検出処理を行うことで、原稿画像から複写制御情報を得ることができる。なお、埋め込み情報には、誤り訂正符号が含まれており、複写制御情報には、誤り訂正符号は含まれていないものとすることができる。
【0023】
次に、本実施形態における、2次元コード検出処理で使用する用語について説明する。MFPで原稿を複写する場合、読み取り部0202は原稿台に設置された原稿のサイズを、センサ(例えば透過センサ)等を用いて判別する。この読み取り部0202によって判別された原稿のサイズを「原稿検知サイズ」と呼ぶ。なお、この透過センサについては、例えば、本願出願人の特願2010−175540の図1(104)にも記載されている。なお、読み取り部0202は、CCDセンサと、赤外光を受光する複数の透過センサとからなっている。本MFPは、このCCDセンサにより画像の読み取り(いわゆるスキャン)を行う一方で、各透過センサが赤外光を受光するか否かに基づき、原稿がどの位置に置かれているか推測し、原稿サイズを判別することができる。
【0024】
MFPで原稿の複写を行う場合、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズと、ユーザが操作部0205に入力する、複写に使用する用紙のサイズ(用紙サイズ)及び変倍率の情報とに基づく処理が行われる。すなわち、原稿検知サイズと、用紙サイズ及び変倍率の情報とに基づいて、制御部0201が読み取り部0202で原稿から画像を読み込む範囲や、出力部0208で印刷を行う範囲の決定を行う。この、原稿検知サイズと用紙サイズ及び変倍率とから制御部0201が決定した、読み取り部0202で画像の読み取りを行う範囲のことを「画像読み取りレイアウト」、出力部0208で印刷を行う際の画像サイズを「出力画像サイズ」と呼ぶ。また、実際にMFPが複写を行う場合に(すなわち、出力用の画像を生成する際に)、読み取り部0202から読み取る画像の範囲を「画像読み取り領域」と呼ぶ。画像読み取り領域は、後述するように画像読み取りレイアウトと同じ領域になるか、画像検知サイズと同じ領域になるか、あるいは両者を組み合わせたものとなる。
【0025】
次に、画像読み取りレイアウトと出力画像サイズの決定方法について説明する。「出力画像サイズ」は、複写時に用紙に印刷される画像のサイズである。操作部0205からユーザにより、複写に使用する用紙サイズが入力されている場合、指定された用紙サイズが出力画像サイズとなる。ユーザによる用紙サイズの指定がない場合、原稿検知サイズと変倍率の設定とから、出力画像サイズを決定する。この場合、原稿検知サイズの画像を設定された変倍率で拡大もしくは縮小したときの画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズ(定型サイズ)を選択し、選択された用紙サイズ(定型サイズ)を出力画像サイズとする。「画像読み取りレイアウト」は、読み取り部0202で読み取った画像に設定された変倍率での拡大・縮小処理を行った画像のサイズが、出力画像サイズと等しくなるように決定される。例えば、出力画像サイズがA4で変倍率が等倍(100%)の場合、読み取り画像レイアウトもA4となる。また、出力画像サイズがA4Rで変倍率が70%に設定されている場合、読み取り画像レイアウトはA3となり、A3サイズの原稿がA4Rサイズに縮小変倍されて複写される。
【0026】
通常の複写処理においては、このように決定される画像読み取りレイアウトの領域を画像読み取り領域として、処理を行っている。
【0027】
次に、原稿サイズとMFPの画像読み取り領域が異なる場合に、2次元コードを検出可能とする制御に関して説明を行う。すなわち、原稿台上に設置された原稿サイズと、実際に複写を行う際に読み取るサイズ(具体的には、ユーザ入力によって指定されたサイズ)とが異なる場合の2次元コードの検出処理に関して説明を行う。
【0028】
一般的に、MFPでの2次元コード検出では、読み取り部0202が読み取った画像のうち、2次元コードの検出を行う領域の四隅の部分で検出処理を行う。図3の例では、読み取られた画像0301の全体が2次元コード検出を行う領域であり、その四隅から一定範囲の領域0302が実際に検出処理を行う対象となる。ここで、読み取り画像のうち、2次元コードの検出処理を行う画像の範囲を(図3では0301)を2次元コード検出対象とし、その範囲を2次元コード検出対象領域と呼ぶ。実際に2次元コードの検出処理が行われるのは、2次元コード検出対象領域0301の四隅の一定範囲の領域0302である。この、四隅の2次元コード検出が行われる範囲の大きさは、固定サイズでも良いし、ユーザにより入力可能としても良い。
【0029】
次に、原稿サイズとMFPの画像読み取り領域が異なる場合の、本実施形態における動作について、図4を用いて説明する。
【0030】
図4(a)はA4サイズの原稿を複写するときの図であり、図4(b)はA4Rサイズの原稿を複写するときの図である。いずれも、原稿0402と、原稿0408の右上に2次元コード0403、0409が付加されている。そして、ユーザによる用紙サイズの指定で、A3サイズが入力されるものとする。すなわち、図4は、ユーザ入力によって、原稿検知サイズよりも大きいサイズで原稿を複写するときの例を示す図である。あるいは、図4は、ユーザ入力によって、原稿検知サイズを包含するサイズで原稿を複写するときの例を示す図ともいえる。
【0031】
この時、A3サイズでの複写処理を行うため、制御部0201が決定する画像読み取りレイアウトのサイズはA3となる。そこで、図4(a)の例では、画像読み取りレイアウトの領域0401(太線で囲われた範囲)に対して原稿0402の領域(斜線で示す範囲)は、画像読み取りレイアウトの領域の左側に配置される。同様に、図4(b)の例では、画像読み取りレイアウトの領域0407(太線で囲われた範囲)に対して原稿0408の領域(斜線で示す範囲)は、画像読み取りレイアウトの領域の左上に配置される。また、読み取り部0202で読み取る、画像読み取り領域は、いずれも画像読み取りレイアウトの領域と同じ領域となる。
【0032】
この時、制御部0201が画像読み取りレイアウトの領域を2次元コード検出対象領域として設定すると、2次元コード0403、0409は四隅に位置していないので、2次元コードとして検出されなくなってしまう。そこで、本実施形態では、2次元コード検出対象領域を、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズを用いて、図4(a)の例ではA4サイズの領域0404、図4(b)の例ではA4Rサイズの領域0410として設定する。すなわち、制御部0201は、画像読み取りレイアウトの領域を2次元コード検出対象領域とするのではなく、原稿検知サイズによって決定される領域を2次元コード検出対象領域として設定する。この結果、2次元コードの検出処理は、図4(a)の例ではA4サイズ原稿の領域0404の四隅0405に対して行われることになり、原稿に付加されている2次元コード0403を検出することが可能となる。同様に、図4(b)の例では、2次元コードの検出処理は、A4Rサイズ原稿の領域0410の四隅0411に対して行われることになり、原稿に付加されている2次元コード0409を検出することが可能となる。一方、複写に使用する読み取り画像(すなわち、画像読み取り領域の画像)は、画像読み取りレイアウトの領域の画像とし、図4(a)の例ではA3サイズの画像領域0406、図4(b)の例ではA3サイズの画像領域0412とする。これにより、ユーザによって入力された出力サイズで原稿を複写する場合においても、原稿の所定の領域に配置される2次元コードを検出することが可能となる。
【0033】
次に、図5を用いて、図4とは逆にA3サイズ原稿をA4サイズの設定で複写するときの動作について説明する。すなわち、ユーザ入力によって、原稿検知サイズよりも小さいサイズで原稿を複写するときの動作について説明する。
【0034】
図5はA3サイズ原稿を複写するときの図であり、A3サイズ原稿0501(斜線で示す)に対して、原稿の右上に2次元コード0503が付加されている。ここで、ユーザによる用紙サイズの指定でA4サイズが入力されるとすると、A4サイズでの複写処理を行うため、制御部0201が決定する画像読み取りレイアウトのサイズは、A4となり、A3サイズ原稿0501の左側の太線で示す領域0502となる。一方、画像読み取り領域は、制御部0201により、読み取り部0202から取得された原稿検知サイズの領域(原稿0501)と画像読み取りレイアウトの領域0502とが比較され、より範囲の広い領域であるA3サイズ原稿0501の領域となる。
【0035】
この時、2次元コード検出対象領域は、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズを用いて、A3サイズの領域0504とする。この結果、2次元コードの検出処理はA3サイズ原稿の領域0504の四隅0505に対して行われ、原稿に付加されている2次元コード0503を検出することができる。一方、複写に使用する読み取り画像は、A3サイズの画像読み取り領域0501から画像読み取りレイアウト領域を切り出した、A4サイズの領域0506とする。これにより、ユーザによって入力された出力サイズで原稿を複写する場合においても、原稿の所定の領域に配置される2次元コードを検出することが可能となる。
【0036】
次に、図6を用いて、A4Rサイズ原稿をA4サイズの設定で複写するときの動作について説明する。すなわち、ユーザ入力によって、原稿検知サイズよりも1辺のサイズが小さく、かつ、別の1辺のサイズが大きいサイズで、原稿を複写するときの動作について説明する。
【0037】
図6はA4Rサイズ原稿を複写するときの図であり、A4Rサイズ原稿0601(斜線で示す)に対して、原稿の右上に2次元コード0604が付加されている。ここで、ユーザによる用紙サイズの入力でA4サイズが指定されるとすると、A4サイズでの複写処理を行うことになる。従って、制御部0201が決定する画像読み取りレイアウトのサイズはA4となり、A4Rサイズ原稿0601の左上を基準としたA4サイズの領域0602となる。
【0038】
また、読み取り部0202で読み取る画像読み取り領域は、制御部0201により、読み取り部0202から取得された原稿検知サイズの領域(原稿0601)と画像読み取りレイアウトの領域0602とが比較され、両者の領域を包含する領域0603となる。すなわち、画像読み取り領域は、斜線領域と空白領域の両方を包含する、太線で示す領域603となる。
【0039】
このとき、2次元コード検出対象領域は、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズを用いて、A4Rサイズの領域0605とする。この結果、2次元コードの検出処理はA4Rサイズ領域0605の四隅0606に対して行われることになり、原稿に付加されている2次元コード0604を検出することができる。一方、複写に使用する読み取り画像は、読み取り画像領域0603から画像読み取りレイアウト領域を切り出した、A4サイズの領域0607とする。
【0040】
次に、原稿サイズとMFPの画像読み取り領域とが異なる場合の、画像読み取り処理における2次元コード検出動作の制御について、図7及び図8を用いて詳細に説明する。図7及び図8は、本実施形態において、MFPが実行する2次元コード検出動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【0041】
2次元コードが付加された画像を複写するユーザは、まず原稿を読み取り部0202に設置する(S0701)。原稿が設置されると、読み取り部0202は、センサを用いて設置された原稿の原稿サイズを判別し、取得した原稿サイズ(原稿検知サイズ)を制御部0201に送信する(S0702)。この原稿検知サイズを検出して設定することを第1の設定処理ということができる。次に、操作部0205は、ユーザからの変倍率の入力を受け付ける(S0703)。ユーザから変倍率が入力された場合、操作部0205は入力された変倍率を制御部0201に送信する。制御部0201は、入力された変倍率を複写の変倍率に設定する(S0704)。ユーザから変倍率が入力されない場合、制御部0201は複写の変倍率を等倍(100%)に決定する(S0705)。次に、操作部0205はユーザからの用紙サイズの入力を受け付ける(S0706)。ユーザから用紙サイズが入力された場合、操作部0205は入力された用紙サイズを制御部0201に送信する。制御部0201は、入力された用紙サイズを出力画像サイズに設定する(S0707)。ユーザから用紙サイズが入力されない場合、制御部0201はS0302で取得した原稿検知サイズを設定された変倍率で拡大もしくは縮小した画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズを出力画像サイズに決定する(S0708)。制御部0201は、ステップS00703〜S0705で設定した変倍率と、ステップS0706〜S0708で設定した出力画像サイズから、複写に用いる画像の読み取り範囲である、画像読み取りレイアウトを決定する(S0709)。操作部0205は、読み取り画像に対して設定された変倍率で拡大・縮小を行った画像の画像サイズが出力画像サイズと一致するように、画像読み取りレイアウトを決定する。このユーザ入力によって指定された画像読み取りレイアウトを決定して設定することを第2の設定処理ということができる。
【0042】
続いて、図8に移り、制御部0201は、ステップS0702で取得した原稿検知サイズと、ステップS0709で決定した画像読み取りレイアウトのサイズとの比較を行い、読み取り部0202で画像を読み取る範囲である、画像読み取り領域を決定する。
【0043】
まず、制御部0201は、原稿検知サイズの主走査幅と画像読み取りレイアウトの主走査幅の長さの比較を行う(S0710)。ステップS0710での比較の結果、画像読み取りレイアウトの主走査幅の方が大きい場合、制御部0201は、画像読み取りレイアウトの主走査幅を、画像読み取り領域の主走査幅に決定する(S0711)。ステップS0710での比較の結果、原稿検知サイズの主走査幅の方が大きい場合、制御部0201は、原稿検知サイズの主走査幅を、画像読み取り領域の主走査幅に決定する(S0712)。
【0044】
同様に、副走査幅についても制御部0201は、原稿検知サイズの副走査幅と画像読み取りレイアウトの副走査幅との長さの比較を行う(S0713)。ステップS0713での比較の結果、画像読み取りレイアウトの副走査幅の方が大きい場合、制御部0201は、画像読み取りレイアウトの副走査幅を、画像読み取り領域の副走査幅に決定する(S0714)。ステップS0713での比較の結果、原稿検知サイズの副走査幅の方が大きい場合、制御部0201は、原稿検知サイズの副走査幅を、画像読み取り領域の副走査幅に決定する(S0715)。以上により、画像読み取り領域のサイズが決定される。
【0045】
次に、制御部0201は、情報化部0203に対して、2次元コードの検出対象領域にステップS0302で取得した原稿検知サイズを指定する(S0716)。ステップS0716で2次元コード検出対象領域の設定が完了した後、制御部0201は、ステップS0710〜S0715で決定した画像読み取り領域のサイズにより、読み取り部0202から原稿画像の読み取りを行う(S0717)。すなわち、原稿検知サイズ及び画像読み取りレイアウトの両者を包含するサイズである画像読み取り領域のサイズで原稿画像の読み取りを行う。読み取られた画像を読取画像ということができる。ステップS0717で読み取られた原稿画像に対し、情報化部0203では、ステップS0716で設定された2次元コード検出対象領域に従い、読み取られた原稿画像に対して2次元コード検出対象領域の四隅から、2次元コードの検出処理を行う。すなわち、原稿検知サイズである2次元コード検出対象領域(読取画像内)の四隅から、2次元コードの検出処理を行う。そして、情報化部0203は、検出した2次元コードの複写制御情報を制御部0201に送信する(S0718)。制御部0201は、ステップS0718で情報化部0203から送信された、2次元コードの複写制御情報が複写禁止の情報であれば、当該ページの複写処理を中止して、処理を終了する(S0719、S0720)。すなわち、当該ページの出力禁止処理を行うことができる。一方、ステップS0718で情報化部0203から送信された、2次元コードの複写制御情報が複写許可の情報であれば、制御部0201は、読み取り部0202が読み取った原稿画像を、出力画像サイズでメモリ0207に保存する。そして、処理を終了する(S0719、S0720)。保存された画像は、出力処理の際にメモリ0207から読み出されて使用される。
【0046】
以上が、MFPにおける、原稿サイズと画像読み取り領域が異なる場合の、画像読み取りでの2次元コード検出で行う制御の説明である。この制御により、原稿サイズと画像読み取り領域が異なる場合においても、原稿に付加されている2次元コードの検出を行うことが可能となる。
【0047】
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態は、複写禁止機能を持つ複写機で、複数の2次元コードが付加されている原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出可能とする制御に関する発明である。また、複数の用紙が重ねられた原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出可能とする制御に関する発明である。
【0048】
始めに、図9を用いて第1の実施形態との動作の違いについて説明する。図9は、A4サイズの原稿を複写するときの図である。原稿0902(斜線で示す)はA4サイズの原稿であり、原稿の右上と左下に2次元コード0903が付加されている。また、2次元コード0904は、原稿0902以外の用紙に印刷された2次元コードであり、原稿とともに並べられて置かれているが、読み取り部0202の原稿検知で検知されない用紙であるとする。すなわち、ユーザとしてはA4サイズの原稿0902の上に例えばA3サイズの原稿を重ねた状態での複写を希望しているが、読み取り部0202での原稿検知ではA3サイズの原稿は検知されていない状態であるとする。
【0049】
そこで、図9の例では、ユーザによる用紙サイズの入力で、A3サイズが指定されているとする。この時、A3サイズでの複写処理を行うため、制御部0201が決定する画像読み取りレイアウトのサイズはA3となる。図9の例では、画像読み取りレイアウトの領域0901に対して原稿0902の領域は、画像読み取りレイアウトの領域の左側に配置されるように、画像読み取りレイアウトが決定される。また、読み取り部0202が読み取る、画像読み取り領域は画像読み取りレイアウトと同じ領域となる。
【0050】
この時、2次元コードとしては、A4サイズに原稿0902に付加されている2つの2次元コード0903と、A3サイズの検出されていない用紙に付加されている1つの2次元コード0904とがある。実施形態1の手法では、原稿検知サイズを用いたA4サイズの領域を2次元コード検出対象領域とするので、2次元コード0904は検出されない可能性がある。
【0051】
そこで、本実施形態では、2次元コード検出対象領域は、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズを用いたA4サイズの領域0905と、画像読み取りレイアウトを用いたA3サイズの領域0906との両方の領域とすることができる。なお、領域0906は領域0905を包含している。この結果、2次元コードの検出処理は、A4サイズの領域0905の四隅(0907、0910)と、A3サイズの領域0906の四隅(0908、0910)に対して行われ、原稿に付加されている2次元コード0903と0904とを検出することができる。一方、複写に使用する読み取り画像は、画像読み取りレイアウトの領域の画像であり、A3サイズの領域0909とする。
【0052】
なお、本実施形態においては、複数の2次元コードが検出されている。ここで、検出された2次元コード0903、0904のうち、複写制御に使用する2次元コードとしては、原稿検知された原稿0902の2次元コード検出対象領域0905から検知された2次元コード0903を優先的に使用することができる。すなわち、装置によって検出された原稿検知サイズの領域に含まれる2次元コードを優先的に使用することができる。原稿検知された原稿0902の2次元コード検出対象領域0905から複数の2次元コードが検出される場合は、2次元コードの複写制御情報に含まれる日付情報の日時が古い2次元コードの複写制御情報を優先的に使用することができる。なお、複写制御情報のいずれかに複写禁止情報が含まれている場合には、上記の日付情報を参照することなく、直ちに複写禁止として処理することも可能である。
【0053】
次に、第2の実施形態における2次元コードの検出動作の制御について、図10を用いて詳細に説明する。図10は、本実施形態において、MFPが実行する2次元コード検出動作の制御の流れを示すフローチャートである。なお、図7で示す処理については共通の処理とすることができる。図10の制御では、図8で示したフローチャートに対し、ステップS0716の処理がS1007に置き変わり、ステップS1012〜S1022の処理が追加されたものとなっている。ここでは、第1の実施形態から変更になる部分を説明する。
【0054】
ステップS1007で、制御部0201は、情報化部0203に対して2次元コードの検出対象領域を指定することになる。本実施形態では、ステップS0702で取得した原稿検知サイズに加えて、ステップSS0709で決定される画像読み取りレイアウトのサイズも2次元コード検出対象領域に指定する(S1007)。これにより、情報化部0203は、ステップS1007で指定された、原稿検知サイズによる領域と、画像読み取りレイアウトによる領域との、2つの2次元コード検出対象領域の四隅で2次元コードの検出処理を行う(S1009)。
【0055】
次に、制御部0201は、ステップS1009で情報化部0203から送信された、2次元コードの複写制御情報が複写禁止の情報であれば、当該ページの複写処理を中止して、処理を終了する(S1010、S1011)。一方、ステップS1009で情報化部0203から送信された、2次元コードの複写制御情報が複写許可の情報の場合、制御部0201は、次の処理を行う。すなわち、制御部0201は、検出された2次元コードが、原稿検知サイズによる2次元コード検出対象領域と、画像読み取りレイアウトによる2次元コード検出対象領域との、どちらの領域で検出されたかを判別する(S1010、S1012)。
【0056】
ステップS1012により、検出された2次元コードに、原稿検知サイズによる2次元コード検出対象領域で検出された2次元コードが存在する場合、制御部0201は、次の処理を行う。すなわち、制御部0201は原稿検知サイズによる検出対象領域で検出された2次元コードの複写制御情報を使用することができる(S1012、S1013)。また、原稿検知サイズによる検出対象領域で検出された2次元コードが複数個存在する場合、制御部0201は、次の処理を行う。すなわち、制御部0201は、検出された2次元コードの複写制御情報に含まれる日付情報のうち、最も古い日時を持つ2次元コードの複写制御情報を使用することができる(S1014、S1015)。原稿検知サイズによる検出対象領域で検出された2次元コードが1つの場合は、制御部0201は、当該2次元コードの複写制御情報を使用することができる(S1014、S1016)。
【0057】
ステップS1012〜S1016により、使用する2次元コードの複写制御情報が決定すると、制御部0201は、読み取り部0202が読み取った原稿画像を、出力画像サイズでメモリ0207に保存して、処理を終了する(S1017)。保存された画像は、出力処理の際にメモリ0207から読み出されて使用される。
【0058】
ステップS1012により、検出された2次元コードに、原稿検知サイズによる2次元コード検出対象領域で検出された2次元コードが存在しない場合、制御部0201は、次の処理を行う。すなわち、制御部0201は、画像読み取りレイアウトのサイズによる検出対象領域で検出された2次元コードの複写制御情報を使用することができる(S1012、S1018)。また、画像読み取りレイアウトのサイズによる検出対象領域で検出された2次元コードが複数個存在する場合、制御部0201は、次の処理を行う。すなわち、制御部0201は、検出された2次元コードの複写制御情報に含まれる日付情報のうち、最も古い日時を持つ2次元コードの複写制御情報を使用することができる(S1019、S1020)。画像読み取りレイアウトのサイズによる検出対象領域で検出された2次元コードが1つの場合は、制御部0201は、当該2次元コードの複写制御情報を使用する(S1019、S1021)。
【0059】
ステップS1012、S1018〜S1021により、使用する2次元コードの複写制御情報が決定すると、制御部0201は、読み取り部0202が読み取った原稿画像を、出力画像サイズでメモリ0207に保存して、処理を終了する(S1022)。保存された画像は、出力処理の際にメモリ0207から読み出されて使用される。
【0060】
以上が、MFPにおける、複数の2次元コードが付加されている原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出可能とする制御に関する説明である。この制御により、原稿サイズと画像読み取り領域が異なり、原稿に複数の2次元コードが付加されている場合においても、2次元コードの検出を行うことが可能となる。実施形態2の処理では、実施形態1の処理と比較して、2次元コード検出対象領域に画像読み取りレイアウトの領域も追加しているので、より確実に2次元コードの検出を行うことが可能となる。
【0061】
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態は、2次元コードが付加されている原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出可能とし、出力時に複写制御情報が更新された2次元コードを付加する動作の制御に関する発明である。
【0062】
始めに、図11を用いて第2の実施形態との動作の違いについて説明する。図11は、A3サイズの原稿を複写するときの図である。原稿1101(斜線で示す)はA3サイズの原稿であり、原稿の右上に2次元コード1103が付加されているものとする。
【0063】
ここで、ユーザによる用紙サイズの入力で、A4サイズが指定されているとする。この時、A4サイズでの複写処理を行うため、制御部0201が決定する画像読み取りレイアウトのサイズはA4となる。図11の例では、原稿1101の領域に対して、画像読み取りレイアウトの領域1102は、原稿領域の左側に配置されるように、画像読み取りレイアウトが決定される。また、読み取り部0202が読み取る、画像読み取り領域は画像読み取りレイアウトと同じ領域となる。
【0064】
この時、2次元コード検出対象領域は、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズを用いたA3サイズの領域1104と、画像読み取りレイアウトを用いたA4サイズの領域1105の両方の領域とする。この結果、2次元コードの検出処理は、A3サイズの領域1104の四隅(1106、1112)と、A4サイズの領域1105の四隅(1107、1112)とに対して行われ、原稿に付加されている2次元コード1103(1108)を検出することができる。一方、複写に使用する読み取り画像は、画像読み取りレイアウトの領域の画像であり、A4サイズの領域1109とする。
【0065】
複写に使用される読み取り画像(領域1109)は、原稿1101の左側の領域1102を読み取った画像であり、原稿に存在する2次元コード1103の付加されていた領域は、複写に使用する画像としては読み取られない。そこで、2次元コードが付加された画像を複写する際には、出力する画像に対して、原稿に付加されていた2次元コードの複写制御情報を更新した2次元コードを付加する動作を行う。この時、出力画像に2次元コードを付加する位置は、出力画像1110に対して、2次元コード検出対象領域から検出された2次元コード1108の検出位置に対応する位置とする。すなわち、図11の例では、2次元コード検出対象領域から検出された2次元コード1108は右上に位置しているので、出力画像の右上の位置に更新された2次元コード1111が付加される。
【0066】
次に、第3の実施形態における2次元コードの検出動作の制御について、図12を用いて詳細に説明する。図12は、本実施形態において、MFPが実行する2次元コードが付加された原稿の複写動作の制御の流れを示すフローチャートである。この制御では、図10で示したフローチャートに対し、ステップS1202〜S1207の処理が追加されたものとなっている。ここでは、第2の実施形態から変更になる部分を説明する。
【0067】
ステップS1201では、図10のステップS1001〜S1022までの処理(図7の処理も含む)で、実施形態2で説明した通り、原稿の読み取りと原稿に付加された2次元コードの検出が行われる。
【0068】
制御部0201は、2次元コードの検出が行われると、検出した2次元コードから取得した複写制御情報(埋め込み情報)と、2次元コードが検出された位置の情報とをメモリ0207に格納する(S1202)。すなわち、2次元コードの位置情報取得処理と埋め込み情報取得処理とが行われる。
【0069】
次に、MFPは、複写動作における出力処理を行う。まず、制御部0201は、ステップS1017、S1022でメモリ0207に格納された読み取り画像を、出力部0208に読み出す(S1203)。同じく、制御部0201は、メモリ0207に格納された2次元コードの複写制御情報(埋め込み情報)と2次元コードの検出位置情報とを読み出す(S1204)。制御部0201は、ステップS1204でメモリ0207から読み出した2次元コードの複写制御情報のうち、複写が実行された日時や機器識別記号などの追跡情報を更新する(S1205)。制御部0201は、ステップS1205で作成した、複写制御情報が更新された2次元コードを、ステップS1203で読み出した読み取り画像に対して合成する。その際、ステップS1204で読み出した、原稿に対する2次元コードが検出された位置に対応する位置に合成する(S1206)。制御部0201は、ステップS1206で作成した、更新した2次元コードが合成された画像を出力部0208から印刷し、出力する(S1207)。
【0070】
以上が、MFPにおける、2次元コードが付加されている原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出し、2次元コードを更新して複写を行う動作の制御に関する説明である。この制御により、原稿サイズと画像読み取り領域が異なる場合においても、2次元コードの検出を行い、出力する複写画像に対して、原稿画像で2次元コードが検出された位置に対応する位置に、更新した2次元コードを合成して出力することが可能となる。なお、図12の処理においては、実施形態2の処理に2次元コードの更新処理を追加した例を説明した。しかしながら、実施形態1の処理に2次元コードの更新処理を追加することも可能である。すなわち、2次元コード検出対象領域に原稿検知サイズのみを設定する場合においても図12の処理を適用することは可能である。
【0071】
<実施形態4>
本発明の第4の実施形態は、複写禁止機能を持つ複写機で、2次元コードが付加されている原稿を、原稿サイズと異なるサイズの設定で画像を読み取るときに、原稿の2次元コードを検出可能とする制御に関する発明である。
【0072】
始めに、第1の実施形態との動作の違いについて説明する。実施形態4は、複写機への画像の保存やPC等への画像送信の動作において、画像を読み取るときに原稿の2次元コードを検出する制御となる。このため、実施形態1の複写動作と異なる。制御部0201が読み取り部0202で原稿から画像を読み込む範囲の決定は、読み取り部0202から取得した原稿検知サイズと、ユーザが操作部0205に入力する、読み取りを行う原稿のサイズ(読み取りサイズとも言う)及び変倍率の情報とから行われる。
【0073】
ここで、画像読み取りレイアウトと出力画像サイズの決定方法について、実施形態1と異なる点を説明する。実施形態4における出力画像サイズは、複写機への画像保存やPC等への画像送信に使用される画像のサイズである。操作部0205からユーザにより、画像保存や送信に使用する読み取りサイズが入力されている場合、指定された読み取りサイズと変倍率の設定から、出力画像サイズを決定する。この場合、読み取りサイズの画像を設定された変倍率で拡大もしくは縮小したときの画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズ(定型サイズ)を出力画像サイズとする。ユーザによる読み取りサイズの指定がない場合、原稿検知サイズと変倍率の設定から、出力画像サイズを決定する。この場合、原稿検知サイズの画像を設定された変倍率で拡大もしくは縮小したときの画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズ(定型サイズ)を出力画像サイズとする。画像読み取りレイアウトは、読み取り部0202で読み取った画像に設定された変倍率での拡大・縮小処理を行った画像のサイズが、出力画像サイズと等しくなるように決定される。例えば、出力画像サイズがA4で変倍率が等倍(100%)の場合、読み取り画像レイアウトもA4となる。また、出力画像サイズがA4Rで変倍率が70%に設定されている場合、読み取り画像レイアウトはA3となり、A3サイズの原稿がA4Rサイズに縮小変倍されて画像保存又は送信される。
【0074】
次に、第4の実施形態における2次元コードの検出動作の制御について、図13を用いて詳細に説明する。図13は、本実施形態において、MFPが実行する2次元コードが付加された原稿の保存・送信動作の制御の流れを示すフローチャートである。この制御では、図7で示したフローチャートに対し、ステップS1306〜S1309の処理が変更されたものとなっている。ここでは、第1の実施形態から変更になる部分を説明する。
【0075】
操作部0205はユーザからの読み取りサイズの入力を受け付ける(S1306)。ユーザから読み取りサイズが入力された場合、操作部0205は入力された読み取りサイズを制御部0201に送信する。制御部0201は、入力された読み取りサイズの画像を設定された変倍率で拡大もしくは縮小した画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズ(定型サイズ)を出力画像サイズに決定する(S1307)。ユーザから読み取りサイズが入力されない場合、制御部0201は原稿検知サイズの画像を設定された変倍率で拡大もしくは縮小した画像に対し、これを印刷可能な最小の用紙サイズ(定型サイズ)を出力画像サイズに決定する(S1308)。制御部0201は、ステップS1303〜S1305で設定した変倍率と、ステップS1306〜S1308で設定した出力画像サイズとから、複写に用いる画像の読み取り範囲である、画像読み取りレイアウトを決定する(S1309)。操作部0205は、読み取り画像に対して設定された変倍率で拡大・縮小を行った画像の画像サイズが、出力画像サイズと一致するように、画像読み取りレイアウトを決定する。その後の処理は図8に示すものと同様となる。なお、本実施形態の場合には、検出した2次元コードが複写禁止情報を示す場合には、当該ページの画像保存または送信動作がキャンセルとなる。
【0076】
以上が、MFPにおける、原稿サイズと画像読み取り領域が異なる場合の、画像読み取りでの2次元コード検出を行う制御の説明である。この制御により、原稿サイズと画像読み取り領域が異なる場合においても、原稿に付加されている2次元コードの検出を行うことが可能となる。
【0077】
<その他の実施形態>
なお、上記の各実施形態においては、原稿検知サイズを取得した後に、ユーザから変倍率、及び、用紙サイズまたは読み取りサイズの入力を受け付ける処理を行っている。しかしながら、ユーザから変倍率、及び、用紙サイズまたは読み取りサイズの入力を受け付けた後に、原稿検知サイズを取得する処理を行っても良い。また、ユーザからの変倍率、及び、用紙サイズまたは読み取りサイズの入力は、いずれの順序で入力が行われても良い。
【0078】
なお、ユーザ入力の後に原稿検知サイズを取得する場合には、ユーザ入力された値は無視することができる。これは、装置によって検出されたサイズを信用するからであり、ユーザが例えサイズ入力が行っていたとしても、その後で装置による原稿サイズの検知があった場合は、装置によって検知したサイズを信用することができる。一方で、上記の各実施形態のように、原稿検知サイズを取得した後にサイズ入力があった場合には、ユーザがその検知サイズに不満であると言っているようなものなので、その場合は、そのサイズ入力に従ったサイズで複写することができる。
【0079】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿サイズを検出し、検出した原稿サイズを設定する第1の設定手段と、
ユーザからの指定に基づく原稿サイズを設定する第2の設定手段とを有する装置であって、
原稿台上の画像を読取って読取画像を得る読取手段と、
前記第1の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像内の領域から2次元コードを検出する検出手段と、
前記第2の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像を出力する出力手段とを有し、
前記検出手段で出力禁止を示す2次元コードが検出された場合に、前記出力手段による出力を中止することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の設定手段で設定された原稿サイズと前記第2の設定手段で設定された原稿サイズとが異なる場合、
前記読取手段は、両者の原稿サイズを包含する領域の画像を読取ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の設定手段による設定の後に、前記第1の設定手段による設定がされた場合、前記出力手段は、前記第2の設定手段で設定された原稿サイズに代えて、前記第1の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記第2の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像内の領域から2次元コードをさらに検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記検出手段によって複数の2次元コードが検出された場合には、前記第1の設定手段で設定された原稿サイズに従った読取画像内の領域から検出した2次元コードに従った処理をすることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記検出手段によって検出された2次元コードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記検出された2次元コードを更新する更新手段と、
前記更新された2次元コードを、前記出力手段にて出力される読取画像の対応する位置に前記位置情報に基づいて合成する合成手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
原稿サイズを検出し、検出した原稿サイズを設定する第1の設定ステップと、
ユーザからの指定に基づく原稿サイズを設定する第2の設定ステップと、
原稿台上の画像を読取って読取画像を得る読取ステップと、
前記第1の設定ステップで設定された原稿サイズに従った読取画像内の領域から2次元コードを検出する検出ステップと、
前記第2の設定ステップで設定された原稿サイズに従った読取画像を出力する出力ステップとを有する装置の制御方法であって、
前記検出ステップで出力禁止を示す2次元コードが検出された場合に、前記出力ステップによる出力を中止することを特徴とする装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−191252(P2012−191252A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50520(P2011−50520)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】