説明

2次元光走査装置及び画像投影装置

【課題】1の方向に走査する金属製の構造体を、電磁駆動方式にて他の方向にさらに走査することが可能な2次元光走査装置を提供すること。
【解決手段】金属構造体11と、金属構造体11のミラー部分11aを第1軸線a回りに揺動させる第1駆動部12と、金属構造体11が取り付けられる軸部と、軸部を第2軸線b回りに揺動可能に支持する台座部21と、磁界発生部24と平面コイル23とを含み、軸部を第2軸線b回りに揺動させる第2駆動部と、磁界が平面コイル23へ到達するのを許容するとともに、磁界が金属構造体11へ到達するのを妨害する閉磁部26と、を備える2次元光走査装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ等の光を2次元的に走査する2次元光走査装置と、この2次元光走査装置を用いた画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、振動するミラーによりレーザ光などの光を走査する光走査装置が知られている(特許文献1)。このような光走査装置は、梁部で揺動可能に支持されたミラーが、圧電素子などの駆動部によって共振状態にて揺動することにより、ミラーに入射する光を走査する。また、近年、耐久性の向上などを目的として、金属製の構造体を有する光走査装置も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−271788号公報
【特許文献2】特開2006−293116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるような光走査装置は、光を1次元方向にしか走査できない。光を2次元的に走査して画像を生成するためには、2個の光走査装置が、それぞれの走査方向が直交するように配置される必要があった。そこで、光走査装置の長寿命化などを目的として、特許文献2に記載の光走査装置を、その走査方向に直交する方向に揺動させる他の走査装置と組み合わせて一体化する方法が考えられる。以下、この可能性について検討する。
【0005】
一般に、光を二次元的に走査して画像を生成する場合、高速に走査される1の方向(例えば、水平方向)への走査と、低速に走査される他の方向(例えば、垂直方向)への走査とが必要となる。また、特許文献2に記載の光走査装置は、共振状態での駆動によって、比較的高速での走査が可能である。そのため、特許文献2に記載の光走査装置を高速な水平方向の走査に利用し、さらに、この光走査装置を低速な垂直方向に走査する他の走査装置が組み合わされるのが望ましい。この場合、特許文献2に記載の光走査装置全体を揺動する必要があるため、垂直走査には駆動力の大きな光走査装置が必要となる。例えば、永久磁石とコイルとを組み合わせた電磁駆動方式の光走査装置は、大きな駆動力を得られるため、この種の目的には適している。
【0006】
しかし、本発明者が新たに発見した知見によれば、特許文献2に記載の光走査装置に対して、電磁駆動方式の光走査装置を組み合わせることによって、消費電力の増加を招く可能性がある。具体的には、金属製の構造体に対して、電磁駆動方式の光走査装置から発生する磁界が干渉する。即ち、金属製の構造体の内部を磁界が通ることにより、コイルに電流を流した際に得られる駆動力が低下する。また、金属製の構造体が磁界中で変位する際に、電磁誘導によって金属製の構造体に変位を妨げる方向にローレンツ力が加わる。従って、単純に特許文献2に記載の光走査装置と電磁駆動方式の光走査装置を組み合わせることは、消費電力の増加を招く可能性がある。
【0007】
本発明は、消費電力の増加を防止しつつ、1の方向に走査する金属製の構造体を、電磁駆動方式にて他の方向にさらに走査することが可能な2次元光走査装置と、この2次元光走査装置を用いた画像投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、光を反射する反射面を含み、第1軸線を中心として揺動可能に構成されるミラー部分と、その一端が前記ミラー部の両側に連結され、前記第1軸線に平行に前記ミラー部から延出する一対の捩れ梁部分と、前記一対の捩れ梁部分の他端に連結され、前記ミラー部から離間し且つ前記第1軸線に交差する方向に延出する本体部分と、を有する平板状の金属構造体と、前記金属構造体に設けられ、前記本体部分に板波を励起することで、前記本体部分及び前記一対の捩れ梁部分を介して前記ミラー部を前記第1軸線回りに揺動させることが可能な第1駆動部と、前記第1軸線と直交する第2軸線の方向に沿って伸長し、前記金属構造体が取り付けられる軸部と、前記軸部を前記第2軸線回りに揺動可能に支持する台座部と、前記台座部に設けられた磁界発生部と、前記磁界発生部が発する磁界の向きに交差する配線パターンを含み、前記軸部に設けられる平面コイルとを有し、前記平面コイルを流れる電流と前記磁界との相互作用により前記軸部を前記第2軸線回りに揺動させることが可能な第2駆動部と、前記磁界が前記平面コイルへ到達するのを許容するとともに、前記磁界が前記金属構造体へ到達するのを妨害する閉磁部とを備え、前記閉磁部は、前記平面コイル及び前記磁界発生部と前記金属構造体との間に設けられる第1閉磁部材を有する、ことを特徴とする2次元光走査装置である。
【0009】
閉磁部は、平面コイル及び磁界発生部と金属構造体との間に設けられる第1閉磁部材を有する。即ち、第1閉磁部材を挟んで、平面コイル及び磁界発生部は一方の側に位置し、金属構造体は他方の側に存在する。従って、磁界発生部から生じる磁界は、閉磁部に妨害されることなく平面コイルへ到達する。一方で、第1閉磁部材が間に存在するため、磁界発生部から生じる磁界は、金属構造体へ到達するのを妨害される。従って、第2駆動部によって軸部が揺動される際に、軸部の揺動に伴って揺動する金属構造体の変位を妨げる方向にローレンツ力が働かない。また、磁界の金属構造体への到達が妨害されるので、平面コイルの置かれた場所の磁界強度の減少が緩和され、平面コイルに電流を流した際に得られる駆動力の低下も緩和される。従って、2次元光走査装置を駆動、具体的には、軸部を揺動する際の消費電力の増加を防止することが可能となる。
【0010】
また、前記磁界発生部は、第1磁石と第2磁石とを有し、前記第1磁石及び前記第2磁石は、第1磁極と、前記第1磁極と異なる極性の第2磁極とをそれぞれ有し、前記第1磁極となる面の法線ベクトルと、前記第2磁極となる面の法線ベクトルとが異なる方向を向くように構成され、前記第1磁石の第1磁極と前記第2磁石の第2磁極とが、前記第1軸線及び前記第2軸線に平行な面に沿う方向において相対するように、互いに対向した状態で前記台座部に設けられ、前記平面コイルは、前記第1磁石と前記第2磁石との間に設けられてもよい。
【0011】
これによれば、第1磁石の第1磁極と第2磁石の第2磁極とが相対するので、第1磁石と第2磁石との間において、磁力線が略直線、即ち、磁界強度が略一定となる。そのため、軸部の変位状態に関らず、常に一定の磁界強度の中に平面コイルが置かれることとなる。従って、平面コイルに電流を流した際に、より応答良く軸部揺動させることが可能となる。さらに、第1磁石と第2磁石との間で、第1閉磁部材を磁力線が通る磁気回路が形成される。そのため、磁界発生部から外部への磁界の漏洩を抑止することが可能となる。従って、金属構造体の揺動がより妨げられず、軸部を揺動する際の消費電力の低下を防止することが可能となる。
【0012】
さらに、前記閉磁部は、前記第1磁石の第2磁極と、前記第2磁石の第1磁極とに設けられる第2閉磁部材をさらに有してもよい。
【0013】
これによれば、第1磁石及び第2磁石の相対していない外側の磁極(即ち、第1磁石の第2磁極及び第2磁石の第1磁極)に第2閉磁部材が設けられる。これによって、第1磁石の第2磁極及び第2磁石の第1磁極から生じる磁界が、金属構造体へと到達することを妨害できる。一方で、平面コイルが第1磁石と第2磁石との間に設けられているため、平面コイルの位置における磁界強度は、第2閉磁部材によって変化しない。従って、軸部を揺動する際の消費電力の増加を、さらに防止することが可能となる。
【0014】
さらに、前記閉磁部は、前記磁界発生部を挟んで前記第1閉磁部材と対向するように、前記磁界発生部に設けられる第3閉磁部材をさらに有してもよい。
【0015】
これによれば、第3閉磁部材によって、磁界発生部から生じる磁界が、金属構造体へと到達することをさらに妨害できる。一方で、平面コイルが第1磁石と第2磁石との間に設けられているため、平面コイルの位置における磁界強度は、第3閉磁部材によって変化しない。従って、軸部を揺動する際の消費電力の低下を、さらに防止することが可能となる。
【0016】
さらに、前記台座部は、前記軸部を回動可能に軸支する軸支部材をさらに有してもよい。
【0017】
これにより、軸部が揺動する際の抵抗が低減する。このため、軸部の第2軸線回りの揺動の応答性をより高めることが可能となる。
【0018】
さらに、前記ミラー部分は、前記第2軸線が前記反射面上に位置するように構成されてもよい。
【0019】
これにより、軸部が回動したとしても、反射面が常に第2軸線上にあるので、光がミラーから外れることが防止され、常にミラーに光が入射し、途切れ無く光が2次元走査される。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の他の側面は、光を走査して画像を形成するための、上記した2次元光走査装置と、前記2次元光走査装置に光を供給するための光源と、前記2次元光走査装置によって走査された光を被投影面に導くための導光部とを備える、ことを特徴する画像投影装置である。
【0021】
これによれば、消費電力の増加を防止した画像投影装置を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、消費電力の増加を防止しつつ、水平走査する金属製の構造体を電磁駆動方式にて垂直走査することが可能な2次元光走査装置と、この2次元光走査装置を用いた画像投影装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】2次元光走査装置50の斜視図である。
【図2】2次元光走査装置50の上面図である。
【図3】2次元光走査装置50のA−A断面図である。
【図4】閉磁部26による効果を示した説明図である。
【図5】磁界発生部24を横切る位置での磁束密度を示したグラフである。
【図6】2次元光走査装置50を利用した画像投影装置100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態を示す。図1〜図3に示されるように、2次元光走査装置50は、水平走査部10と、垂直走査部20とから構成される。水平走査部10は、金属構造体11のミラー部分11aを、第1軸線a回りに揺動する。垂直走査部20は、軸部22に取り付けられた水平走査部10を、第1軸線aと直交する第2軸線b回りに揺動する。この2軸直交した揺動によって、ミラー部分11aに入射した光は、2次元走査される。
[水平走査部10の構成]
図1〜図3に示されるように、水平走査部10は、金属構造体11と、金属構造体11の本体部分11c上に貼設された圧電素子12とを含む。金属構造体11は、ミラー部分11a、一対の捩れ梁部分11b、本体部分11c及び被取付部分11dを有する。以下、金属構造体11の説明を行う。
【0025】
ミラー部分11aは、レーザ等の光を反射する反射面11a1を有する。ミラー部分11aの形状は、本実施形態では、平面視において円形状である。しかし、ミラー部分11aの形状は、これに限定されず、平面視において四角形状等であっても差し支えない。反射面11a1は、例えば、ミラー部分11aの表面を鏡面研磨する、表面に金属薄膜が形成されたサファイヤやダイヤモンドなどの誘電体をミラー部分11aに貼り付ける、などの方法によって設けられる。
【0026】
一対の捩れ梁部分11bの一端は、ミラー部分11aの両側に連結される。一対の捻れ梁部分は、ミラー部分11aから離れる方向にそれぞれ延出する。本実施形態では、一対の捩れ梁部分11bの延出方向は、第1軸線a方向に平行である。具体的には、第1軸線aは、一対の捩れ梁部分11bの中心を通る。一対の捩れ梁部分11bによって、ミラー部分11aの両側が第1軸線a回りに揺動可能に弾性的に支持される。つまり、一対の捩れ梁部分11bは、ミラー部分11aを第1軸線a回りに揺動可能に支持するトーションバーとしての役割を持っている。
【0027】
本体部分11cは、一対の捩れ梁部11bの他端に連結され、ミラー部分11aから離間し、且つ第1軸線aに交差する方向に延出する。本実施形態では、本体部分11cは、一対の捩れ梁部11bとの連結部分から、後記する支持部21bの方向へと延出する。本体部分11cの形状は、平面視において四角形状であり、音叉のように一対の突出部分がその一辺から突出する。この一対の突出部分の間に、一対の捩れ梁部分11bが存在する。
【0028】
被取付部分11dは、本体部分11cのミラー部分11aと反対側の一端に設けられる。本実施形態では、被取付部分11dは、長方形状となっている。本実施形態では、被取付部分11dは、後記する軸部22に、接着や溶着などの方法によって固定される。
【0029】
金属構造体11は、例えば、非磁性体であるステンレス板によって構成される。エッチング加工やプレス加工等の除去加工によって、ミラー部分11a、捩れ梁部分11b、本体部分11c及び被取付部分11dが、同一平面上に一体に形成されることで、金属構造体11の外形が形成される。後述するように、ミラー部分11aを共振させるために、金属構造体11はバネ性を有することが好ましい。そこで、金属構造体11は冷間圧延されて製造されたステンレス板で構成されている。ステンレス板が仮に非磁性のステンレス材で形成されていても、冷間圧延によって、非磁性が弱磁性に変化する。そのため、ステンレス板を構成するステンレス材の種類に関わらず、金属構造体11は、自然と弱磁性を有することとなる。
【0030】
本体部分11c上には、第1駆動部としての圧電素子12が取り付けられている。圧電素子12は、例えば、厚さ30μm〜100μmの平板状に成形されたチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料の両面に対して、電極層として金や白金等を0.2μm〜0.6μm積層することで形成される。圧電素子12と本体部分11cとは、導電性接着剤で接着される。この導電性接着剤は、例えば、熱硬化性を有するエポキシ系、アクリル系、シリコン系等の合成樹脂製の基剤内に、銀、金、銅等で構成された金属フィラーを分散させたものである。先ず、本体部分11cに塗布された導電性接着剤の上に、圧電素子12が載置される。その状態で、導電性接着剤が熱硬化されることにより、圧電素子12と本体部分11cとが接着される。そして、圧電素子12の表面に、ワイヤボンディングなどで金などの金属細線(非図示)が接続される。金属構造体11はステンレス板で形成されるので、金属構造体11とこの金属細線との間に電圧を印加することで、圧電素子12を変形させることが可能となる。圧電素子12に印加する電圧が、水平走査部10の共振周波数に相当する交流電圧であれば、圧電素子12の変形に伴い、本体部分11cに板波が励起される。この板波が、本体部分11c及び一対の捩れ梁部11bを介してミラー部分11aに伝達されることで、ミラー部分11aは、所定の共振周波数において第1軸線a回りに揺動する。
【0031】
[垂直走査部20の構成]
次に、垂直走査部20について説明する。図1〜図3に示されるように、垂直走査部20は、主に、台座部21、軸部22、平面コイル23、磁界発生部24及び閉磁部26から構成されている。以下、垂直走査部20の構成について説明する。
【0032】
台座部21は、例えば、合成樹脂やステンレス等の非磁性体で構成されている。台座部21は、基部21aと、支持部21bとから構成されている。基部21aは、第1軸線a及び第2軸線bを含む平面に平行に伸長する、板状又はブロック状の部材である。支持部21bは、この基部21aの一端から、第1軸線a及び第2軸線bを含む平面に直交する方向(図1において上方)に延出する。
【0033】
軸部22は、第2軸線b回りに揺動可能なように、支持部21bに支持される。軸部22の長手方向は、第2軸線bの方向に沿って伸長する。具体的には、軸部22は、第2軸線bを含む。軸部22は、例えば、合成樹脂やステンレス等の非磁性体で構成されている。軸部22の一端は、支持部21bに取り付けられた軸受25に軸支される。図3に示される実施形態では、軸受25は、ボールベアリングである、しかし、軸受25はこれに限定されず、ローラーベアリング等の転がり軸受、磁気軸受、流体軸受、硬質クロム/クロムモリブデンめっきやフッ素樹脂コーティングなどの低摩擦物質で軸部22と接触する滑り軸受等のラジアル軸受であっても差し支え無い。軸受25は、合成樹脂やステンレス等の非磁性体で構成されている。
【0034】
図3に示されるように、軸部22の先端には、合成樹脂等の非磁性体で構成されたスペーサ27が、取り付けられている。図3に示されるように、スペーサ27は、ブロック形状であり、軸部22の先端から垂下している。図1や図3に示されるように、金属構造体11の被取付部分11dが、スペーサ27の上端に載置された状態で取り付けられている。即ち、被取付部分11dは、スペーサ27を介して、軸部22に取り付けられる。従って、取り付けられる/連結される/接続されるなどの文言は、単に1の部材と他の部材とが直接的に接合している構成は勿論のこと、上記のように、1の部材と他の部材との間に何らかの第3の部材を介して間接的に接合している構成も含むと解すべきである。金属構造体11の上面、特に、ミラー部分11aの反射面11a1には、軸部22の回動中心である第2軸線bが通っている。このため、垂直走査部20が回動しても、反射面11a1が常に第2軸線b上に位置する。従って、光がミラー部分11aから外れてしまうことが防止され、常にミラー部分11aに光が入射し、途切れ無く光が2次元走査される。図2に示されるように、金属構造体11を含む水平走査部10は、第2軸線bを対称軸として、幅方向対称に形成されている。図3に示されるように、金属構造体11は後述する一対の磁界発生部24間の外部に配設されている。
【0035】
スペーサ27の下端には、平板状のコイル支持部材28が取り付けられている。コイル支持部材28は、合成樹脂等の非磁性体で構成されている。コイル支持部材28は、金属構造体11と平行に離間して配設されている。コイル支持部材28の基部21aに対向する表面には、平面コイル23が取り付けられている。例えば、平面コイル23は、フィルム状の絶縁体(ベースフィルム)の上に接着層を形成し、さらにその上に渦巻き状の導体箔を形成したフレキシブルプリント基板(FPC)であってよい。薄膜状の平面コイル23は、コイル支持部材28の下面に接着されている。この構造により、平面コイル23は、金属構造体11と平行に離間して配設されている。言い換えると、金属構造体11は、平面コイル23と、第1軸線a及び第2軸線bと直交する方向(高さ方向)に、離間されている。なお、平面コイル23は、FPCでなく、コイル支持部材28上に直接コイルパターンが形成される様態であってもよい。また、平面コイル23が巻線で構成されるなど、平面コイル23自体に剛性がある場合には、コイル支持部材28は不要である。
【0036】
図1に示されるように、台座部21の基部21a上には、磁界発生部24が設けられる。磁界発生部24は、第1磁石24aと、第2磁石24bとを有する。第1磁石24aと、第2磁石24bとは、それぞれ、第1磁極(例えばN極)となる面の法線ベクトルと、第2磁極(例えばS極)となる面の法線ベクトルとが異なる方向を向くように構成される。本実施形態では、第1磁石24aと、第2磁石24bとは、N極とS極とが背向するように、即ち、N極となる面の法線ベクトルとS極となる面の法線ベクトルとが反対方向を向くように、構成される。ただし、N極とS極とが背向する以外の構成であっても、それぞれの磁極となる面の法線ベクトルが異なる方向を向いていれば、全て含まれる。第1磁石24aと、第2磁石24bとは、平面コイル23をその間に挟んだ状態で、基部21a上に設けられる。第1磁石24aのN極と、第2磁石24bのS極とは、第1軸線a及び第2軸線bに平行な面に沿う方向において相対する。本実施形態では、第1軸線aに平行な方向において、第1磁石24aのN極と、第2磁石24bのS極とが相対する。但し、例えば、第2軸線bに平行な方向において、第1磁石24aのN極と、第2磁石24bのS極とが相対するなどの構成であっても差し支えない。要は、平面コイル23を流れる電子に対して、上下方向の成分を有するローレンツ力が働くための磁界が発生するように、第1磁石24a及び第2磁石24bが配置されればよい。これによって、図4の(B)に示されるように、平面コイル23は、第1磁石24aと第2磁石24bとの間に、磁界発生部24が発する磁界の向きに配線パターンが交差するようにして設けられる。そして、図4の(B)に示されるように、平面コイル23は、上下方向に関し、第1磁石24aと第2磁石24bとの中間位置、つまり、第1磁石24aと第2磁石24bとの間の磁界強度が最も強い位置に設けられる。本実施形態では、第1磁石24aと第2磁石24bとは永久磁石であるが、電磁石であっても差し支え無い。なお、第1磁極がS極に、第2磁極がN極に設定されてもよい。
【0037】
閉磁部26は、鉄等の磁性体で構成され、第1閉磁部材26a、第2閉磁部材26b及び第3閉磁部材26cを有する。第1閉磁部材26aは、平面コイル23及び磁界発生部24と、金属構造体11との間に設けられる。具体的には、第1閉磁部材26aは、第1磁石24a及び第2磁石24bの上面に接触する。これにより、平面コイル23及び磁界発生部24は、第1閉磁部材26aの下方に位置し、金属構造体11は第1閉磁部材26aの上方に存在することとなる。第2閉磁部材26bは、第1閉磁部材26aの両端から下方に延出し、第1磁石24a及び第2磁石24bの側面、具体的には、第1磁石24aの第2磁極(例えばS極)及び第2磁石24bの第1磁極(例えばN極)に接触する。第3閉磁部材は、その両端が第2閉磁部材26bに接続され、磁界発生部24を挟んで第1閉磁部材26aと対向するように、磁界発生部24に設けられる。具体的には、第1磁石24a及び第2磁石24bの下面に接触する。即ち、第1磁石24a及び第2磁石24bは、閉磁部26によって接続される。
【0038】
平面コイル23に電流が流れると、平面コイル23を流れる電子と磁界発生部24が発生する磁界の相互作用により、平面コイル23を流れる電子にローレンツ力が発生する。このローレンツ力によって、軸部22が第2軸線b回りに回動される。一対の平面コイル23に流れる電流の方向及び電流値を制御することにより、軸部22を第2軸線b回りの任意の回動角度に回動させることができる。軸部22が回動すると、ミラー部分11aもまた第2軸線b回りに回動されるので、ミラー部分11aに入射した光が第2軸線b回りに走査される。このように、ミラー部分11aの共振により、ミラー部分11aに入射した光が第1軸線a回りに走査され、軸部22の回動により、ミラー部分11aに入射した光が第2軸線b回りに走査されることにより、ミラー部分11aに入射した光が2次元走査される。
[閉磁部26による効果]
2次元光走査装置50に閉磁部26が設けられる本実施形態と、設けられない比較例とを比較することで、閉磁部26の奏する効果を説明する。図4(A)に示されるように、第1磁石24a及び第2磁石24bが閉磁部26で接続されていない場合(比較例)、磁界(図4では模式的な磁力線で表される)が磁界発生部24の外部に漏れてしまう。一方で、図4(B)に示されるように、本実施形態では、第1磁石24a及び第2磁石24bが閉磁部26で連結されているので、第1磁石24aと第2磁石24bとの間において、閉磁部26内を磁界が通る磁気回路が形成される。その結果、磁界が磁界発生部24の外部に殆ど漏れない。なお、磁界発生部24と、閉磁部26とは、必ずしも接触する必要はない。両者が多少離間しても、磁界発生部24からの磁界が閉磁部26を通り、実質的に磁気回路が形成されれば差し支えない。実際、閉磁部26と磁界発生部24とのが多少離間し、両者の間に空間が存在する場合、磁界が強くなる傾向にある。
【0039】
図5(A)は、第1磁石24aと第2磁石24bとの間の上下方向中間位置に平面コイル23及び金属構造体11が配設されている状態における、磁界発生部24を横切り、且つ、平面コイル23がある平面上の磁束密度を、シミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。一方で、図5(B)は、本実施形態を示す図であり、第1磁石24aと第2磁石24bとの間の上下方向中間位置に平面コイル23が配設され、金属構造体11が平面コイル23から離間し、磁界発生部24が閉磁部26によって囲われている状態における、一対の磁界発生部24を横切り、且つ、平面コイル23がある平面上の磁束密度を、シミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。
【0040】
図5(A)に示される比較例のように、金属構造体11が第1磁石24aと第2磁石24bとの間に設けられると、前述したように金属構造体11は弱磁性であるので、第1磁石24aから出た磁界が、金属構造体11内を通って第2磁石24bに伝わる。その結果、同様に第1磁石24aと第2磁石24bとの間に設けられる平面コイル23が存在する位置における磁束密度が低下する。実際、図5(A)に示されるように、平面コイル23が存在する位置の磁束密度は、その両側に比べて優位に小さく、0.1T以下である。また、図5(A)に示されるような構造では、弱磁性の金属構造体11内にも、磁界が通る。そのため、金属構造体11が磁界発生部24からの磁界により拘束され、金属構造体11の揺動が阻害される。
【0041】
一方、図5(B)に示される本実施形態では、磁界発生部24が、閉磁部26によって囲われている。そして、平面コイル23は第1磁石24aと第2磁石24bとの間に設けられ、金属構造体11は第1閉磁部材26aを挟んで平面コイル23及び磁界発生部24と対向する。このため、平面コイル23の設けられる位置での磁束密度の低下が抑止される。実際、図5(B)に示されるように、平面コイル23が存在する位置の磁束密度は、その両側に比べて小さいものの図5(A)の場合よりは優位に大きく、0.3T程度である。このように、本実施形態では、磁界発生部24が閉磁部26によって囲われることで、金属構造体11内を磁場が通ることに起因する、平面コイル23上での磁束密度の低下が抑止される。その結果、平面コイル23に電流を流した際に、消費電力の増加が防止される。同時に、金属構造体11内を磁場が通ることに起因する金属構造体11の拘束も抑止されるので、応答良く水平走査部10が第2軸線b回りに回動される。
[画像投影装置100の説明]
次に図6を用いて、画像投影装置100の説明をする。2次元光走査装置50は、画像を形成するために光を走査する構成として、画像投影装置100に用いることが可能である。画像投影装置100は、観察者の瞳孔901に入射した光束を用いて網膜902上に画像を投影することによって、観察者に虚像を視認させる装置である。この装置は、網膜走査型ディスプレイともいわれる。
【0042】
画像投影装置100は、光束生成手段150、光ファイバ161、コリメート光学系162、垂直ドライバ181、水平ドライバ182、2次元光走査装置50、及び、結像光学系190を備える。光束生成手段150は、映像信号処理回路120、光源部130及び光合波部140から構成されている。映像信号処理回路120は、外部から入力される映像信号に基づいて、画像を形成するためのB信号、G信号、R信号、水平同期信号及び垂直同期信号を発生する。
【0043】
光源部130は、Bレーザドライバ131、Gレーザドライバ132、Rレーザドライバ133、Bレーザ134、Gレーザ135及びRレーザ136を備える。Bレーザドライバ131は、映像信号処理回路120からのB信号に応じた強度の青色の光束を発生させるように、Bレーザ134を駆動する。Gレーザドライバ132は、映像信号処理回路120からのG信号に応じた強度の緑色の光束を発生させるように、Gレーザ135を駆動する。Rレーザドライバ133は、映像信号処理回路120からのR信号に応じた強度の赤色の光束を発生させるように、Rレーザ136を駆動する。Bレーザ134,Gレーザ135及びRレーザ136は、例えば半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザを用いて構成できる。
【0044】
光合波部140は、コリメート光学系141、142、143と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー144、145、146と、合波されたレーザ光を光ファイバ161に導く集光光学系147とを備える。Bレーザ134から出射した青色レーザ光は、コリメート光学系141によって平行光化される。平行光化された青色レーザ光は、ダイクロイックミラー144に入射する。Gレーザ135から出射した緑色レーザ光は、コリメート光学系142によって平行光化される。平行光化された緑色レーザ光は、ダイクロイックミラー145に入射する。Rレーザ136から出射した赤色レーザ光は、コリメート光学系143によって平行光化される。平行光化された赤色レーザ光は、ダイクロイックミラー146に入射する。ダイクロイックミラー144、145、146にそれぞれ入射した青色、緑色及び赤色レーザ光は、波長選択的に反射または透過されて1本の光束として合波され、集光光学系147に達する。合波されたレーザ光は、集光光学系147によって集光され、光ファイバ161へ入射する。
【0045】
垂直ドライバ181は、映像信号処理回路120から出力される垂直同期信号に基づいて、2次元光走査装置50の平面コイル23に供給する駆動電流を生成する。垂直ドライバ181の出力側は、平面コイル23と接続している。垂直ドライバ181は、例えば60Hzの周波数で、軸部22を等速にて揺動駆動する。水平ドライバ182は、映像信号処理回路120から出力される水平同期信号に基づいて、2次元光走査装置50の圧電素子12に供給する駆動電流を生成する。水平ドライバ182の出力側は、圧電素子12に接続している。水平ドライバ182は、金属構造体11の共振周波数(例えば30kHz)にて、ミラー部分11aを揺動駆動する。
【0046】
光ファイバ161から出射したレーザ光は、コリメート光学系162によって平行光化される。平行光化されたレーザ光は、2次元光走査装置50のミラー部分11aに入射する。2次元光走査装置50の圧電素子12は、水平ドライバ182から供給される駆動電流によって、ミラー部分11aを振動させる。この振動によって、ミラー部分11aに入射したレーザ光は、水平方向に走査される。2次元光走査装置50の平面コイル23は、垂直ドライバ181から供給される駆動電流によって、水平走査部10を回動させ、ミラー部分11aに入射したレーザ光を垂直方向に走査させる。なお、水平方向は、例えば使用者に対して左右方向である。また、垂直方向は、例えば使用者に対して上下方向である。但し、水平方向が使用者に対して上下方向に、垂直方向が使用者に対して左右方向に定義されてもよい。2次元光走査装置50のミラー部分11aに入射したレーザ光は、水平方向及び垂直方向に走査された2次元走査光に変換される。結像光学系190は、単一或いは複数のレンズから構成されている。2次元走査光は、結像光学系190によって結像される。言い換えると、2次元走査光は、結像光学系190を介して、観測者の瞳孔901に平行光線として入射する。即ち、画像が観測者に提示される。
【0047】
前記した実施形態では、光源部130は、レーザドライバ131〜133とレーザ134〜136とから構成されているが、光源部130は、電球、冷陰極管等の蛍光管、LED等であっても差し支え無い。なお、網膜走査型ディスプレイの例で画像投影装置100を説明したが、壁面やスクリーンに画像を投影する画像投影装置100にも本発明の2次元光走査装置50を使用可能なことは言うまでもない。この場合、前記した実施形態における結像光学系190の代わりに、所定の距離に位置するスクリーン上に焦点を結ぶための結像光学系が必要となる。
【0048】
以上説明した実施形態では、磁界発生部24は第1磁石24aと第2磁石24bとで平面コイル23を挟むように配設されている。しかし、磁界発生部24が単一の磁石で構成され、平面コイル23に磁界を作用させて、水平走査部10を回動させる実施形態であっても差し支え無い。この実施形態であっても、磁界発生部24を囲うように閉磁部26が設けられ、その閉磁部26の内部に平面コイル23が、外部に金属構造体11が設けられれば、本発明の範囲に含まれる。
【0049】
以上説明した実施形態では、軸部22、軸受25によって、回動可能に台座部21に軸支されている。しかし、軸部22の代わりに、ねじれ梁で構成された揺動部を揺動可能に基台に取り付けた実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、平面コイル23を流れる電流と磁界発生部24が発生する磁界の相互作用により前記揺動部が第2軸線b回りに揺動されて、水平走査部10もまた第2軸線b回りに揺動される。なお、軸部22は、軸受25によって、回動可能に台座部21に軸支されていることが好ましい。これは、軸部22の代わりに、ねじれ梁で構成された揺動部を揺動可能に基台に取り付けると、揺動部が揺動した際に、ねじれ梁である揺動部に復元力が作用してしまうため、揺動部が単振動してしまうからであり、水平走査部10を狙い通りの位置に揺動させることが困難であるからである。軸部22、29が、軸受25によって、回動可能に台座部21に軸支されている実施形態では、軸部22、29が回動する際の摺動抵抗は小さいことから、水平走査部10の第2軸線b回りの回動の応答性が良い。
【0050】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う2次元光走査装置及びこれを用いた画像投影装置もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0051】
10 水平走査部
11 金属構造体
11a ミラー部分
11b 捩れ梁部分
11c 本体部分
11d 被取付部分
12 圧電素子
20 垂直走査部
21 台座部
22 軸部
23 平面コイル
24 磁界発生部
25 軸受
26 閉磁部
26a 第1閉磁部材
26b 第2閉磁部材
26c 第3閉磁部材
27 スペーサ
50 2次元光走査装置
100 画像投影装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射する反射面を含み、第1軸線を中心として揺動可能に構成されるミラー部分と、
その一端が前記ミラー部分の両側に連結され、前記第1軸線に平行に前記ミラー部分から延出する一対の捩れ梁部分と、
前記一対の捩れ梁部分の他端に連結され、前記ミラー部分から離間し且つ前記第1軸線に交差する方向に延出する本体部分と、
を有する平板状の金属構造体と、
前記金属構造体に設けられ、前記本体部分に板波を励起することで、前記本体部分及び前記一対の捩れ梁部分を介して前記ミラー部分を前記第1軸線回りに揺動させることが可能な第1駆動部と、
前記第1軸線と直交する第2軸線の方向に沿って伸長し、前記金属構造体が取り付けられる軸部と、
前記軸部を前記第2軸線回りに揺動可能に支持する台座部と、
前記台座部に設けられた磁界発生部と、前記磁界発生部が発する磁界の向きと交差する配線パターンを含み、前記軸部に設けられる平面コイルとを有し、前記平面コイルを流れる電流と前記磁界との相互作用により前記軸部を前記第2軸線回りに揺動させることが可能な第2駆動部と、
前記磁界が前記平面コイルへ到達するのを許容するとともに、前記磁界が前記金属構造体へ到達するのを妨害する閉磁部とを備え、
前記閉磁部は、前記平面コイル及び前記磁界発生部と前記金属構造体との間に設けられる第1閉磁部材を有する、
ことを特徴とする2次元光走査装置。
【請求項2】
前記磁界発生部は、第1磁石と第2磁石とを有し、
前記第1磁石及び前記第2磁石は、
第1磁極と、前記第1磁極と異なる極性の第2磁極とをそれぞれ有し、
前記第1磁極となる面の法線ベクトルと、前記第2磁極となる面の法線ベクトルとが異なる方向を向くように構成され、
前記第1磁石の第1磁極と前記第2磁石の第2磁極とが、前記第1軸線及び前記第2軸線に平行な面に沿う方向において相対するように、互いに対向した状態で前記台座部に設けられ、
前記平面コイルは、前記第1磁石と前記第2磁石との間に設けられる、
請求項1に記載の2次元光走査装置。
【請求項3】
前記閉磁部は、前記第1磁石の第2磁極と、前記第2磁石の第1磁極とに設けられる第2閉磁部材をさらに有する、
請求項2に記載の2次元光走査装置。
【請求項4】
前記閉磁部は、前記磁界発生部を挟んで前記第1閉磁部材と対向するように、前記磁界発生部に設けられる第3閉磁部材をさらに有する、
請求項2又は3に記載の2次元光走査装置。
【請求項5】
前記台座部は、前記軸部を回動可能に軸支する軸支部材をさらに有する、請求項1〜4のいずれかに記載の2次元光走査装置。
【請求項6】
前記ミラー部分は、前記第2軸線が前記反射面上に位置するように構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の2次元光走査装置。
【請求項7】
光を走査して画像を形成するための、請求項1〜6の何れか1項に記載の2次元光走査装置と、
前記2次元光走査装置に光を供給するための光源と、
前記2次元光走査装置によって走査された光を被投影面に導くための導光部とを備える、ことを特徴する画像投影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−189662(P2012−189662A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51124(P2011−51124)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】