説明

2次電池の製造方法および製造装置

【課題】 大容量のリチウム2次電池の製造に対応でき、従来の製造装置よりも生産性がアップしたリチウム2次電池の製造方法と製造装置を提供すること。
【解決手段】 電極板の仕切りに用いられる連続セパレータに、複数の正極板と負極板から構成される電極板を電極板毎に所定の間隔を保持し、前記電極板に設けられたタブが前記連続セパレータの外側になるように配置し、他方の電極板の仕切りに用いられる連続セパレータを、前記電極板が配置された連続セパレータに重ね合わせて、前記電極板の周囲の連続セパレータ同士を加熱溶融により貼り合わせて接着し、正極板と負極板が連続セパレータを介して交互に重なり合うように積層状に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉状の正極板と負極板との間にシート状のセパレータを介在させて積層を形成するリチウム2次電池の製造方法と製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
正極板と負極板の間にセパレータを介在させて2次電池を製造する製造装置として、特許文献1のような製造装置が知られている。
【0003】
特許文献1の製造装置は、図4に示すように、セパレータを供給するセパレータ供給部1と、セパレータを引き出すグリップチャック11と、正極板と負極板を供給する正極板供給機構30と負極板供給機構31と、回転チャック機構45とを備えている。
【0004】
まず、グリップチャック11がセパレータをセパレータ供給部1から所定量引き出す。次に、セパレータを挟んで対向位置に配置されている正極板供給機構30と負極板供給機構31が、引き出されたセパレータに、正極板と負極板を供給配置する。次に、回転チャック機構45が正極板と負極板をクランプし、クランプした状態で半回転する。次に、回転チャック機構の半回転にあわせて、グリップチャック11がセパレータ供給部側に戻る。次に、正極板供給機構30と負極板供給機構31が、セパレータで挟まれた正極板と負極板の外側に、さらに正極板と負極板を供給配置する。次に、回転チャック機構45が、積層された正極板と負極板をクランプした状態で半回転する。回転チャック機構45が、半回転することで2層目を形成する。次に、回転チャック機構45の半回転にあわせて、グリップチャック11がセパレータ供給側に戻る。以後、グリップチャック11が所定の高さ(正極板供給機構および負極板供給機構の高さ)に戻るまで同様の動作を繰り返す。グリップチャック11が所定の高さに戻ると、カッタがセパレータ供給部側のセパレータを切断し、グリップチャック11がセパレータを開放する。次に、回転チャック機構が積層された正極板と負極板を次の工程に搬送する。このように、特許文献1の製造装置は、セパレータに正極板と負極板を供給配置し、クランプさせた正極板と負極板を回転チャック機構45で半回転しながらリチウム2次電池を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−190777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置では、セパレータの引き出された長さ分だけ正極板と負極板が折り重ねられる構成となっている。大容量のリチウム2次電池のように、セパレータに折り重ねられる正極板と負極板の枚数が増えると、このような装置では対応できなくなっている。
【0007】
また、正極板と負極板はセパレータに対して固定されていないので搬送時等に積層した位置からずれてしまう問題もある。電極の位置ズレは、短絡事故により短時間に大電流が電極間に流れ爆発、発火事故などが発生する危険性がある。
【0008】
本発明は、大容量のリチウム2次電池の製造に対応でき、従来の製造装置よりも生産性が向上したリチウム2次電池の製造方法と製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、請求項1に記載の2次電池製造方法は、
正極板の仕切りに用いられる連続セパレータに、複数の正極板を所定の間隔を保持して配置し、前記正極板に設けられたタブが前記連続セパレータの外側になるように配置し、
他方の正極板の仕切りに用いられる連続セパレータを、前記正極板が配置された連続セパレータに重ね合わせて、
前記正極板の周囲の連続セパレータ同士を
加熱溶融により貼り合わせて接着し、
裏面に接着剤の塗布された負極板を前記連続セパレータの外周面で正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けた後、次に送られた正極板の表面および裏面には負極板を貼り付けずに、その次に送られた正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けて、
正極板と負極板が連続セパレータを介して交互に重なり合うように積層状に収納することを特徴とする2次電池製造方法である。
【0010】
請求項2に記載の2次電池製造装置は、
正極板を挟み込む正極板の下側の連続セパレータと、正極板の上側に位置する他方の連続セパレータと、
前記連続セパレータに正極板を所定の間隔を保持し、正極板に設けられたタブを連続セパレータの外側になるように配置する移載ハンドと、
連続セパレータと正極板と他方の連続セパレータとを重ね合わせるニップロールと、
ニップロールから送り出された連続セパレータの端部と正極板毎の間隙を加熱溶融させるヒータと、
連続セパレータのヒータによる加熱溶融と、連続セパレータへの正極板の配置とを連動させて連続セパレータを間欠移動させる搬送コンベアと、
他方の電極板である負極板の裏面に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルと、
裏面に接着剤の塗布された負極板を前記連続セパレータの外周面で正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けた後、次に送られた正極板の表面および裏面には負極板を貼り付けずに、その次に送られた正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付ける他方の移載ハンドと、
前記連続セパレータを正極板と負極板が前記連続セパレータを介して交互に重なり合うように折り込むスイング機構と、
折り込まれた連続セパレータを積層状に収納する収納箱とからなる2次電池製造装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、電極板の周囲を連続セパレータの接着により取り囲んでいるので、電極板の位置ズレを防止することができる。そのため、電極板の位置ズレによる短絡事故や爆発・発火事故などを回避することができる。さらに、セパレータが連続セパレータで構成されており、電極板毎に連続セパレータを折り込んで積層タイプの2次電池を構成することができるので、電極板の枚数に制限なく大容量の2次電池の製造に対応することができる。
【0012】
さらに、連続セパレータを介して正極板と負極板を配置し、負極板を連続セパレータに接着しているので電極の積層状態においてコンパクトな2次電池を製造することができる。また、シート状の連続セパレータで連続的に積層することが出来るので大容量の2次電池の製造に対応することが出来る。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、連続セパレータの電極板の周囲の接着と、連続セパレータへの電極板の配置を連動して搬送コンベアを間欠運転するので、大容量の2次電池を効率よく製造することができる。また、電極板の周囲の連続セパレータが接着さるので電極板同士の接触を防止することができる。
【0014】
さらに、接着剤を用いて負極板を連続セパレータに貼り付けているので、正極板と負極板の両方の周囲を連続セパレータで接着しなくても正極板のみの周囲の連続セパレータを接着するだけで効率よく2次電池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る2次電池製造装置の各要部の配置を示す概略斜視図である。
【図2】連続セパレータの接着領域と電極板の位置を示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る2次電池製造装置の各要部の配置を示す概略斜視図である。
【図4】従来の2次電池製造装置の各要部の配置を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施の形態1>
次に本発明のリチウム2次電池製造装置(以後、2次電池製造装置と称する)の実施の形態1を図面を参照して説明する。図1は2次電池製造装置の各要部の配置を示す概略斜視図である。まず、図1に基づいて本発明の2次電池製造装置の概略構成を説明する。なお、2次電池製造装置で用いる正極板および負極板の連続セパレータSを図面の説明上、上セパレータ100と下セパレータ101に区別して記載する。また、電極板PNを正極板108と負極板109に区別して記載する。上セパレータ100は、正極板108および負極板109に対して上側に配置される連続セパレータSを示し、下セパレータ101は、下側に配置される連続セパレータSを示す。連続セパレータSの表面には、接着剤が塗布されており、加熱により接着剤が溶融し連続セパレータS同士が接着されるようになっている。
【0017】
2次電池製造装置は、上セパレータ100が送り出される上セパレータ巻出部102と、下セパレータ101が送り出される下セパレータ巻出部103と、送り出された上セパレータ100および下セパレータ101を把持して所定の長さを引き出すニップロール104と、2次電池の積層部105と、ロール状の正極材106および負極材107と、枚葉状の正極板108および負極板109と、正極板108および負極板109を搬送コンベア110上の下セパレータ101に載置する移載ハンド112と、載置された正極板108と負極板109を搬送する搬送コンベア110とを備えている。
【0018】
正極板108と負極板109は、ロール状の正極材106および負極材107から引き出された電極板を、図示していない打ち抜き装置により所定の大きさに切断して形成される。なお、正極板108および負極板109にはタブ111が形成されるように所定の大きさに切断される。切断された正極板108および負極板109は移載ハンド112の近傍に供給される。
【0019】
移載ハンド112はZ軸回りに回転させる支持部113と、この支持部113に支持されたアーム114と、アーム114の先端側に取り付けられた正極板108および負極板109を吸着する吸着部115とを備えている。正極板108用、負極板109用各々専用に設置された移載ハンド112は、吸着部115で正極板108と負極板109を同時に吸着して下セパレータ101に正極板108と負極板109が隣り合うように配置する。配置の際、下セパレータ101の進行方向に対して所定間隔を保つように、かつ下セパレータ101の端部から所定間隔を保つように配置する。さらに、正極板108と負極板109に設けられたタブ111は、下セパレータ101の外側になるように配置する。
【0020】
下セパレータ101は、ロール状の下セパレータ巻出部103より送り出され搬送コンベア110上を通り、ニップロール104を経由してセパレータ同士の貼り合わせが行われた後、積層部105に積層される。搬送コンベア110上において、正極板108および負極板109が所定位置に配置されると、搬送コンベア110の端部に備えられているサポート部材116が待機位置から90度旋回し、正極板108および負極板109を押さえ、搬送中の位置ズレの防止を行うようになっている。なお、サポート部材116の待機位置側は、搬送コンベア110の進行方向と平行で正極板108と負極板109の配置される位置に干渉しない位置とする。また、サポート部材116は、個々の正極板108および負極板109を搬送コンベア110の進行方向に対して左右に少なくとも2カ所で支えることができるように、搬送コンベア110の端部に複数個が備えられている。搬送コンベア110は、正極板108および負極板109の移載時は停止し、サポート部材116が動作するとニップロール104方向に所定の長さ移動し、間欠運転を行うようになっている。
【0021】
なお、サポート部材116を備える変わりに、移載された正極板108と負極板109を搬送コンベア110上に固定的に保持することができるマグネットコンベア型の搬送コンベア110を用いても良い。
【0022】
正極板108または負極板109が搬送コンベア110により搬送され、ニップロール104に近づくと、サポート部材116が90度旋回し待機位置側に戻る。そして、正極板108または負極板109が、上セパレータ巻出部102から送り出された上セパレータ100と、下セパレータ101に挟み込まれた状態でニップロール104に挟み込まれて重ねられるようになっている。以後、ニップロール104から送り出された上セパレータ100および下セパレータ101を連続セパレータSと呼び、正極板108および負極板109について電極板PNの記載も用いる。
【0023】
ニップロール104から送り出された連続セパレータSは、ロールヒータ117および2本の棒ヒータ118によって表面が加熱され接着剤が溶融し連続セパレータS同士が接着される。図2に連続セパレータSと電極板PN(正極板108および負極板109)と接着領域を示す。電極板PNは、連続セパレータSのほぼ中央に配置されている。ロールヒータ117は、円筒状のヒータで円筒の外周面が、電極板PNの進行方向で図2の接着領域Aを走行するようになっている。接着領域Aは、電極板PNの周囲で連続セパレータSの端との間の領域となっている。なお、図2において、袋状領域Cの中に収納された電極板PNを点線で示した。
【0024】
次に、接着領域Aが接着されると、2本の棒ヒータ118が下降し図2の接着領域Bを接着する。接着領域Bは連続セパレータSの電極板PN毎の間隔の領域となっている。そして、2本の棒ヒータ118は、電極板PNの間隔と同じ間隔で配置されている。これにより、連続セパレータSの袋状領域Cが形成され、袋状領域Cの中に一枚づつ電極板PNが収納されるようになる。また、タブ111は、袋状領域Cから外部に露出するように形成される。従って、電極板PNの周囲が接着され電極板PNの位置ズレや正極板108と負極板109のショートを防止できるようになる。
【0025】
周囲が接着された電極板PNは送りロール119に送られ、その後、スイング機構120のより積層部105に正極板108と負極板109が連続セパレータSを介してジグザグ状に積み重ねられる。所定の厚さに積み重ねられると、スイング機構120の出口部に備えられているカッタによって連続セパレータSが切断され、積層体である2次電池の製造が完了する。次に、積層部105に形成された2次電池が次工程に搬送される。なお、図2において積層部105内の積層状態を示すため、積層部105は1点鎖線にて示した。
【0026】
このように、実施の形態1の2次電池製造装置は、正極板108と負極板109は袋状領域Cに収納されているので搬送時等に積層した位置からずれることがない。そのため、電極板PNの位置ズレ、短絡事故による爆発、発火事故などを回避することができる。さらに、電極板の仕切りに用いられるセパレータが連続セパレータSで構成されており、電極板PN毎に連続セパレータSを折り込んで積層タイプの2次電池を構成することができるので、電極板の枚数に制限なく大容量の2次電池の製造に対応することができる。また、移載ハンド112で正極板108と負極板109を移載するので連続セパレータSに精度よく配置し連続性の高い生産に効率よく対応できる。
【0027】
上記実施の形態1では、ロールヒータ117および2本の棒ヒータ118を用いて連続セパレータSを加熱溶融して接着していたが、加熱溶融に限らず超音波溶接を用いることもできる。
【0028】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について、図3を用いて説明する。図3の符号において実施の形態1と同じ構成部品については同じ符号を用いる。
【0029】
図3に示す2次電池製造装置は、上セパレータ100が送り出される上セパレータ巻出部102と、下セパレータ101が送り出される下セパレータ巻出部103と、送り出された上セパレータ100および下セパレータ101を把持して所定の長さを引き出すニップロール104と、2次電池の積層部105と、ロール状の正極材106および負極材107と、枚葉状の正極板108および負極板109と、正極板108を搬送コンベア110上の下セパレータ101に載置する移載ハンド112と、載置された正極板108を搬送する搬送コンベア110と、負極板109の裏面に接着剤121を塗布する接着剤塗布ノズル122と、負極板109を接着剤121の塗布位置と接着剤121の塗布された負極板109を移載する移載ハンド123とを備えている。
【0030】
正極板108と負極板109は、ロール状の正極材106および負極材107から引き出された電極板を、図示していない打ち抜き装置により所定の大きさに切断して形成される。なお、正極板108および負極板109にはタブ111が形成されるように所定の大きさに切断される。切断された正極板108は搬送コンベア110の横に設置された移載ハンド112の近傍に供給される。負極板109は、送りロール119の下方に設置された移載ハンド123の近傍に供給される。
【0031】
移載ハンド112はZ軸回りに回転させる支持部113と、この支持部113に支持されたアーム114と、アームの先端側に取り付けられた正極板108を吸着する吸着部115とを備えている。移載ハンド112は、吸着部115を用いて正極板108を吸着し、正極板108を移載コンベア110上の下セパレータ101に所定の間隔で移載する様になっている。
【0032】
下セパレータ101は、ロール状の下セパレータ巻出部103より送り出され搬送コンベア110上を通り水平方向に移動した後、ニップロール104を経由して下降方向に移動し、積層部105に積層される。搬送コンベア110上において、正極板108が所定位置に配置されると、搬送コンベア110の端部に備えられているサポート部材116が待機位置から90度旋回し、正極板108を押さえ、搬送中の位置ズレの防止を行うようになっている。なお、サポート部材116の待機位置側は、搬送コンベア110の進行方向と平行で正極板108の配置される位置に干渉しない位置とする。また、サポート部材116は、個々の正極板108を搬送コンベア110の進行方向に対して左右に少なくとも2カ所で支えることができるように、搬送コンベア110の端部に複数個が備えられている。搬送コンベア110は、正極板108の移載時は停止し、サポート部材116が動作するとニップロール104方向に所定の長さ移動し、間欠運転を行うようになっている。
【0033】
正極板108が搬送コンベア110により搬送され、ニップロール104に近づくと、サポート部材116が90度旋回し待機位置側に戻る。そして、正極板108が、上セパレータ巻出部102から送り出された上セパレータ100と、下セパレータ101に挟み込まれた状態でニップロール104に挟み込まれて重ねられるようになっている。以後、ニップロール104から送り出された上セパレータ100および下セパレータ101を連続セパレータSと呼ぶ。
【0034】
ニップロール104から送り出された連続セパレータSは、ロールヒータ117および2本の棒ヒータ118によって表面が加熱され接着剤が溶融し連続セパレータS同士が接着される。実施の形態1と同様に、ロールヒータ117が接着領域Aを加熱し溶着し、2本の棒ヒータ118が連続セパレータSの接着領域Bを加熱し溶着する。これにより、連続セパレータSに袋状領域Cが形成され、袋状領域Cの中に一枚づつ正極板108が収納されるようになる。また、タブ111は、袋状領域Cから外部に露出するように形成される。なお、図3において、袋状領域Cの中に収納された正極板108を点線で示した。
【0035】
周囲が接着された連続セパレータSは送りロール119に送られ、積層部105側に下降する。次に、送りロール119の下方に供給された負極板109が、移載ハンド123により、連続セパレータSの左右に配置される。次に、負極板109の下面に、接着剤塗布ノズル122より接着剤121が塗布される。接着剤塗布ノズル122は負極板109の下方に備えられており、負極板109が連続セパレータSの左右に配置される毎に上昇し接着剤121の塗布を行った後、下降し次の負極板109の配置を待機するようになっている。接着剤塗布ノズル122は、下降している連続セパレータSの両側に備えられている。次に、移載ハンド123が、連続セパレータSの外周面で正極板108の表面および裏面に連続セパレータSを介して負極板109を貼り付ける。これにより、負極板109、連続セパレータS、正極板108、連続セパレータS、負極板109の順に重ねられることになる。負極板109の貼付は、正極板108の一つ飛び毎に行われる。(正極板108に対して両側に負極板109を貼り付けた後、次に送られた正極板108の両側には負極板109を貼り付けずに、その次の正極板108の両側に負極板109を貼り付ける。)なお、図3において、接着剤121の負極板109の裏面への塗布状態を点線にて示した。
【0036】
次に、重ねられた正極板108および負極板109が、スイング機構120のより積層部105に連続セパレータSを介してジグザグ状に積み重ねられる。所定の厚さに積み重ねられると、スイング機構120の出口部に備えられているカッタによって上セパレータ100および下セパレータ101が切断され、積層体である2次電池の製造が完了する。次に、積層部105に形成された2次電池が次工程に搬送される。なお、図3において積層部105内の積層状態を示すため、積層部105は1点鎖線にて示した。
【0037】
このように、実施の形態2の2次電池製造装置は、正極板108が袋状領域Cに収納されているので搬送時等に積層した位置からずれることがない。また、正極板108と負極板109が一枚の連続セパレータSで仕切られているので、コンパクトに2次電池を形成することができる。また、シート状の連続セパレータSで連続的に積層することが出来るので大容量の2次電池の製造に対応することが出来る。さらに、接着剤121を用いて負極板109を連続セパレータSに貼り付けているので、正極板108と負極板109の両方の周囲を連続セパレータSで接着しなくても正極板108のみの周囲の連続セパレータSを接着するだけで効率よく2次電池を製造することができる。なお、実施の形態2において、正極板108と負極板109の配置を逆にしても同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0038】
1 セパレータ供給部
11 グリップチャック
30 正極板供給機構
31 負極板供給機構
45 回転チャック機構
100 上セパレータ
101 下セパレータ
102 上セパレータ巻出部
103 下セパレータ巻出部
104 ニップロール
106 正極材
107 負極材
108 正極板
109 負極板
110 搬送コンベア
112 移載ハンド
114 アーム
116 サポート部材
117 ロールヒータ
118 棒ヒータ
119 送りロール
120 スイング機構
121 接着剤
122 塗布ノズル
123 移載ハンド
S 連続セパレータ
PN 電極板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板の仕切りに用いられる連続セパレータに、複数の正極板を所定の間隔を保持して配置し、前記正極板に設けられたタブが前記連続セパレータの外側になるように配置し、
他方の正極板の仕切りに用いられる連続セパレータを、前記正極板が配置された連続セパレータに重ね合わせて、
前記正極板の周囲の連続セパレータ同士を
加熱溶融により貼り合わせて接着し、
裏面に接着剤の塗布された負極板を前記連続セパレータの外周面で正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けた後、次に送られた正極板の表面および裏面には負極板を貼り付けずに、その次に送られた正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けて、
正極板と負極板が連続セパレータを介して交互に重なり合うように積層状に収納することを特徴とする2次電池製造方法。
【請求項2】
正極板を挟み込む正極板の下側の連続セパレータと、正極板の上側に位置する他方の連続セパレータと、
前記連続セパレータに正極板を所定の間隔を保持し、正極板に設けられたタブを連続セパレータの外側になるように配置する移載ハンドと、
連続セパレータと正極板と他方の連続セパレータとを重ね合わせるニップロールと、
ニップロールから送り出された連続セパレータの端部と正極板毎の間隙を加熱溶融させるヒータと、
連続セパレータのヒータによる加熱溶融と、連続セパレータへの正極板の配置とを連動させて連続セパレータを間欠移動させる搬送コンベアと、
他方の電極板である負極板の裏面に接着剤を塗布する接着剤塗布ノズルと、
裏面に接着剤の塗布された負極板を前記連続セパレータの外周面で正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付けた後、次に送られた正極板の表面および裏面には負極板を貼り付けずに、その次に送られた正極板の表面および裏面に、前記連続セパレータを介して貼り付ける他方の移載ハンドと、
前記連続セパレータを正極板と負極板が前記連続セパレータを介して交互に重なり合うように折り込むスイング機構と、
折り込まれた連続セパレータを積層状に収納する収納箱と、
からなる2次電池製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−74402(P2012−74402A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3106(P2012−3106)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【分割の表示】特願2007−172759(P2007−172759)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】