説明

2液型ポリウレタン組成物

【課題】着色剤を投入する手間がなく、第1液と第2液との十分な混合を確認できる2液型ポリウレタン組成物の提供。
【解決手段】ポリイソシアネート化合物を含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と着色剤とを含有する第2液とを有し、前記第2液において、前記着色剤が、前記第2液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、前記着色剤の色が、前記第1液、および、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2液型ポリウレタン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2液型の建築用ポリウレタンシーリング材組成物は、ウレタンプレポリマーを含有する基剤と、架橋剤や硬化触媒を含有する硬化剤とを有するものであるが、実際には多くのものが、上記のような基剤と硬化剤と、さらに、これらとは別包装の着色剤とを有する3液型の形態を取っている。
3液型のシーリング材組成物については、例えば、特許文献1において、「主剤と硬化剤と着色剤とからなる三液型シーリング材の生産方法であって、前記主剤及び前記硬化剤を、それぞれ着色剤を混合することなく予め製造しておき、着色されていない前記主剤について、その一定量を主剤用容器に充填し、着色されていない前記硬化剤について、前記主剤用容器に充填される主剤の量に対応する一定量を硬化剤用容器に充填し、前記着色剤について、処方データに基づいて複数の原色顔料を自動計量し、前記主剤用容器に充填される主剤の量に対応する一定量を着色剤用容器に充填し、1つ又は複数の前記着色剤用容器を混合用容器に入れ、前記混合用容器を自転及び公転させることによって前記原色顔料を混合することを特徴とする三液型シーリング材の生産方法。」が提案されている。
【0003】
特許文献1のような3液型のポリウレタン系シーリング材組成物は、施工後シーリング材の上に塗装が施されることが多い。塗装されるとシーリング材は外部から見えなくなるため、施工現場ではシーリング材組成物に着色剤を投入する手間を省き着色剤のコストを削減しようとシーリング材に着色剤を使用しない場合がある。
しかしながら、通常基剤は透明で硬化剤は概白色のため、着色剤を使用しないと、施工者は基剤と硬化剤との混合不良に気がつきにくい。基剤と硬化剤とが混合不良の状態で施工されてしまうとシーリング材の硬化不良を招く恐れがある。
【0004】
【特許文献1】特開平10−338866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、着色剤を投入する手間がなく、第1液と第2液との十分な混合を確認できる2液型ポリウレタン組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、第1液および第2液のうちの少なくとも一方が特定の色の着色剤を含有し、第1液または第2液において着色剤が他の成分と均一に混合されていない2液型ポリウレタン組成物が、着色剤を投入する手間がなく、第1液と第2液との十分な混合を確認できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)を提供する。
(1)ポリイソシアネート化合物を含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第2液において、前記着色剤が、前記第2液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液、および、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
(2)ポリイソシアネート化合物と着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記着色剤が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
(3)ポリイソシアネート化合物と第1の着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と第2の着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記第1の着色剤が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第2液において、前記第2の着色剤が、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第1の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なり、
前記第2の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
(4)前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、または、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる上記(1)または(3)に記載の2液型ポリウレタン組成物。
(5)前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第1液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、または、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる上記(2)または(3)に記載の2液型ポリウレタン組成物。
(6)前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上で、
前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる上記(3)に記載の2液型ポリウレタン組成物。
(7)前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による明度L*が、65〜90であり、
前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による色度a*が、−2.0〜1.0であり、
前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による色度b*が、−3.0〜1.0である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。
(8)前記第1液と前記第2液との質量比が、1:3.5以上である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。
(9)前記第1液と、前記第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、
前記第2液が収められている容器内において、前記着色剤または前記第2の着色剤が、前記第2液の上部表面の少なくとも一部に存在する上記(1)および(3)〜(8)のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の2液型ポリウレタン組成物は、着色剤を投入する手間がなく、第1液と第2液との十分な混合を確認できる。さらに、着色剤を封入するための容器が不要であるため省資源であり、ゴミの減容にもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明の第1の態様の2液型ポリウレタン組成物(以下、「本発明の第1の態様の組成物」という。)は、
ポリイソシアネート化合物を含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第2液において、前記着色剤が、前記第2液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液、および、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる組成物である。
【0010】
第1液について以下に説明する。
本発明の第1の態様の組成物に用いられる第1液は、ポリイソシアネート化合物を含有するものであれば特に限定されない。
【0011】
ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上有するものであれば特に制限されない。例えば、ウレタンプレポリマー、低分子量のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0012】
ウレタンプレポリマーとしては、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、ヒドロキシ基に対してイソシアネート基(NCO基)が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物が挙げられる。ウレタンプレポリマーは、0.5〜5質量%のNCO基を分子末端に含有することができる。
【0013】
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
【0015】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ポリオキシテトラメチレンオキサイドなどから選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールなどから選ばれる少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、その他の低分子脂肪族カルボン酸やオリゴマー酸などから選ばれる少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体が挙げられる。
【0017】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
ポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との組み合わせとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)からなる群より選択される少なくとも1種と、ポリプロピレングリコール(PPG)との組み合わせが挙げられる。
【0019】
ウレタンプレポリマーを製造する際のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との量は、NCO基/OH基(当量比)が、1.2〜2.5となるのが好ましく、1.5〜2.2となるのがより好ましい。当量比がこのような範囲である場合、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、組成物が発泡しにくくなる。
【0020】
ウレタンプレポリマーは、その製造について特に制限されない。例えば、上述の当量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、50〜100℃で加熱撹拌することによって行うことができる。また、必要に応じて、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることができる。
【0021】
第1液に含有されるポリイソシアネート化合物としての低分子量のポリイソシアネート化合物は、特に制限されない。例えば、上記のウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
第2液について以下に説明する。
本発明の第1の態様の組成物に用いられる第2液は、活性水素基を2個以上有する化合物と着色剤とを含有する。
【0023】
活性水素基を2個以上有する化合物について以下に説明する。
活性水素基を2個以上有する化合物は、活性水素を含有する基を2個以上有するものであれば特に制限されない。
活性水素基としては、例えば、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基(イミノ基も含む。以下同様。)が挙げられる。
活性水素基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
活性水素基を2個以上有する化合物としては、例えば、ヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物、メルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物、アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物が挙げられる。ポリオール化合物が好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0024】
ポリオール化合物としては、例えば、上述のウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物が挙げられる。
これらのうち、粘度の観点から、ポリプロピレングリコール(PPG)であることが好ましい。
【0025】
ポリチオール化合物としては、例えば、メタンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4′−チオビスベンゼンチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
【0026】
ポリアミン化合物としては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンテトラミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′,N″−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられる。
活性水素基を2個以上有する化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
本発明の第1の態様の組成物において、ポリイソシアネート化合物と活性水素基を2個以上有する化合物との含有量は、活性水素基を2個以上有する化合物中の活性水素基に対する、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の比の値[イソシアネート基/活性水素基(当量比)]が、1.2〜2.5となるのが好ましく、1.5〜2.2となるのがより好ましい。当量比がこのような範囲である場合、得られるポリウレタンの粘度が適当となり、残存する低分子量のポリイソシアネート化合物の含有量を低く抑えることができるため低毒性となり、組成物が発泡しにくくなる。
【0028】
着色剤について以下に説明する。
本発明の第1の態様の組成物において、着色剤は、第2液に含有され、かつ、第2液において第2液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、着色剤の色は第1液、および、第2液の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なる。
【0029】
着色剤は、ポリウレタンを着色しうるものであれば特に制限されない。例えば、無機顔料、有機顔料、染料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)などの酸化物;黄鉛、モリブデートオレンジなどのクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛などの硫化物;硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩酸塩;群青などのケイ酸塩;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;マンガンバイオレットなどのリン酸塩;黄色酸化鉄などの水酸化物;カーボンブラックなどの炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉;チタン被覆雲母が挙げられる。
【0030】
有機顔料としては、例えば、モノアゾレーキ系(例えば、レーキレッドC、パーマネンレッド2B、ブリリアントカーミン6B)、モノアゾ系(例えば、トルイジンレッド、ナフトールレッド、ファストエローG、ベンズイミダロンボルドー、ベンズイミダゾロンブラウン)、ジスアゾ系(例えば、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローHR、ピラゾロンレッド)、縮合アゾ系(例えば、縮合アゾエロー、縮合アゾレッド、縮合アゾブラウン)、金属錯塩アゾ系(例えば、ニッケルアゾエロー)などのアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、臭素化銅フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;塩基性染料レーキ(例えば、ローダミン6レーキ)などの染付顔料;アンスラキノン系(例えば、フラバンスロンエロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスレンブルー)、チオインジゴ系(例えば、チオインジゴボルドー)、ペリノン系(例えば、ペリノンオレンジ)、ペリレン系(例えば、ペリレンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルーン)、キナクリドン系(例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)、ジオキサジン系(例えば、ジオキサジンバイオレット)、イソインドリノン系(例えば、イソインドリノンエロー)、キノフタロン系(例えば、キノフタロンエロー)、イソインドリン系(例えば、イソインドリンエロー)、ピロール系(例えば、ピロールレッド)などの縮合多環顔料;銅アゾメチンエローなどの金属錯塩アゾメチン;アニリンブラック;昼光蛍光顔料が挙げられる。
【0031】
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、建染染料、分散染料、硫化染料、ナフトール染料が挙げられる。
【0032】
着色剤は、入手の容易さ、毒性、環境への負荷の少なさ、発色のしやすさや安定性、価格等から選択し、混合物の目標とする発色となりうるよう適宜組合わせればよい。
着色剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
第2液において、着色剤は、第2液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていない。
着色剤は、例えば、第2液の上部表面、内部および底部のうちの少なくとも1箇所に存在することができる。なかでも、第2液が容器に収められこの容器が開封された場合、第2液に着色剤が入っていることが目視で容易に確認できるという観点から、着色剤は、第2液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい。
【0034】
第2液において、着色剤が、第2液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていない状態としては、着色剤が第2液の着色剤以外の成分と分離している状態、着色剤が第2液の着色剤以外の成分と不均一に混合されている状態が挙げられる。
着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物とが均一に混合されていない状態としては、例えば、着色剤が、第2液の着色剤以外の成分の混合物に対して、円形状、斑状、スジ状、マーブル模様状となっているものが挙げられる。また、このような状態において、着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物とが逆転していてもよい。
第2液中の着色剤は、目視で認識することができる程度に、第2液の着色剤以外の成分の混合物と分かれているのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0035】
また、着色剤は、その色が、第1液、および、第2液の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なる。つまり、着色剤の色は、第1液の色と異なり、かつ、第2液の着色剤以外の成分の混合物の色とも異なる。
【0036】
第1液の色としては、例えば、無色透明、透明、淡黄色透明が挙げられる。ここで、第1液の色を確認する際、第1液は均一に混合されているものとする。
第2液の着色剤以外の成分の混合物の色としては、例えば、白色、概白色、淡黄色、淡青色が挙げられる。第2液が活性水素基を2個以上有する化合物のほかに必要に応じて老化防止剤としての二酸化チタン(白色)を含有する場合、第2液の着色剤以外の成分の混合物の色は、白色、概白色となることが多い。ここで、第2液の着色剤以外の成分の混合物の色を確認する際、第2液の着色剤以外の成分の混合物は均一に混合されているものとする。
着色剤の色としては、例えば、黒色、灰色、茶色、黄土色、黄色が挙げられる。
【0037】
着色剤の含有量は、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できるという観点から、第2液100gに対して、0.1〜5gであるのが好ましく、0.5〜2gであるのが好ましい。
【0038】
着色剤は、粉体、液状物として使用することができる。
粉体の着色剤を液状とする場合、着色剤に例えばDOP、DINP、PPGのような可塑剤を添加することができる。
可塑剤の使用量としては、着色剤を適切な粘度に調節するという観点から、着色剤100質量部に対して、10〜1000質量部であるのが好ましく、20〜500質量部であるのがより好ましい。
【0039】
着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、3.0以上であるのが、第2液に着色剤が入っていることを確認しやすいという観点から好ましい。
【0040】
本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物と、第2液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であるのが、好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できる。
また、第1液と第2液との十分な混合をさらに確実に確認できることから、第1液と第2液との混合物と、第2液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、5.0〜100.0であるのがより好ましく、10.0〜100.0であるのがさらに好ましい。
【0041】
また、本発明の本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物のL***表色系による明度L*が、65〜90であり、第1液と第2液との混合物のL***表色系による色度a*が、−2.0〜1.0であり、第1液と第2液との混合物のL***表色系による色度b*が、−3.0〜1.0であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0042】
2液型ポリウレタン組成物は、通常、クリーム色から淡灰色の、高明度、低彩度に着色されることが多い。これは、2液型ポリウレタン組成物が施される部材が、コンクリートやALCである場合が多く、部材の色に近似の色が好まれるためである。
本発明の本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物のL*、a*およびb*がそれぞれ、上記の範囲である場合、他の性能に大きな影響を及ぼさない範囲で適当な着色剤を組合せて添加することによって、2液型ポリウレタン組成物の色を、コンクリート近似色からALC近似色に、あるいはALC近似色からコンクリート近似色に変えることができる。
【0043】
第1液と第2液との混合物のL***表色系による明度(L*)は、68〜85であるのがより好ましい。
第1液と第2液との混合物のL***表色系による色度(a*)は、−1.5〜0.5であるのがより好ましい。
第1液と第2液との混合物のL***表色系による色度(b*)は、−2.5〜0.5であるのがより好ましい。
なお、本発明において、L***表色系による色の測定は、分光色彩計JP7200F(JUKI社製)の装置を用いて測定した。
【0044】
また、本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液との質量比(第1液:第2液)が、1:3.5以上であるのが好ましく、1:4.0以上1:5.5以下であるのがより好ましい。このような範囲の場合、シーリング材として適当な物性のものを得ることができる。
【0045】
また、本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、第2液が収められている容器内において、着色剤が、第2液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、容器を開封した際に着色剤が第2液内に入っていることを目視で確認することができる。
第1液を収める容器としては、例えば、活栓付きブリキ丸缶、活栓付きブリキ角缶、アルミパウチ、スタンドパックが挙げられる。
第2液を収める容器としては、例えば、フタ付きブリキ丸缶、フタ付きポリ丸缶が挙げられる。
【0046】
使用される容器は、特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。容器は密閉できるものが好ましい。
また、容器内は、第1液および第2液が収められた残りの空間がそれぞれ、例えば、窒素ガスのような不活性ガスや、水分を含まない乾燥エアーで置換されているのが貯蔵安定性の観点から好ましい。
【0047】
第2液が収められている容器内において、着色剤は第2液の上部表面の少なくとも一部に存在していれば、特に制限されない。例えば、第2液が収められた、密閉されている容器の上蓋を開封した際、容器内の第2液の上部表面の少なくとも一部に、着色剤が円形状、斑状、スジ状、マーブル模様状となって存在する状態が挙げられる。また、このような状態において、着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物とが逆転していてもよい。
また、着色剤は、第2液の上部表面のほか、例えば、第2液の内部、底部に存在することができる。
【0048】
本発明の第1の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物と、第2液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上で、第1液と第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、第2液が収められている容器内において、着色剤が、第2液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認でき、容器を開封した際に着色剤が第2液内に入っていることを目視で確認することができる。
【0049】
本発明の第1の態様の組成物において、第1液の粘度、および、第2液の着色剤以外の成分の混合物の粘度は、特に限定されない。
従来、第1液と第2液とは、通常、室温で、2000〜8000Pa・s程度の粘度の差がある。特にその差が5000Pa・s以上である場合、第1液と第2液とは混ざりにくくなることが多い。第1液と第2液とを質量比で1:3.5以上として用い、これらを混合する場合、第1液と第2液とはさらに混ざりにくくなることが多い。
【0050】
次に、本発明の第2の態様の組成物について以下に説明する。
本発明の第2の態様の組成物は、
ポリイソシアネート化合物と着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記着色剤が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物である。
【0051】
本発明の第2の態様の組成物に使用されるポリイソシアネート化合物は、本発明の第1の態様の組成物に使用されるものと同義である。
本発明の第2の態様の組成物に使用される、活性水素基を2個以上有する化合物は、本発明の第1の態様の組成物に使用されるものと同義である。
ポリイソシアネート化合物と活性水素基を2個以上有する化合物との含有量は、本発明の第1の態様の組成物と同義である。
【0052】
本発明の第2の態様の組成物に使用される着色剤は、本発明の第1の態様の組成物に使用されるものと同義である。同様のものが好ましい態様として挙げられる。
【0053】
第1液において、着色剤は、第1液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていない。
着色剤は、例えば、第1液の上部表面、内部および底部のうちの少なくとも1箇所に存在することができる。
【0054】
第1液において、着色剤が、第1液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていない状態としては、着色剤が第1液の着色剤以外の成分と分離している状態、着色剤が第1液の着色剤以外の成分と不均一に混合されている状態が挙げられる。
着色剤と第1液の着色剤以外の成分の混合物とが均一に混合されていない状態としては、例えば、着色剤が、第1液の着色剤以外の成分の混合物に対して、円形状、斑状、スジ状、マーブル模様状となっているものが挙げられる。また、このような状態において、着色剤と第1液の着色剤以外の成分の混合物とが逆転していてもよい。
第1液中の着色剤は、目視で認識することができる程度に、第1液の着色剤以外の成分の混合物と分かれているのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0055】
また、着色剤は、その色が、第1液の着色剤以外の成分の混合物、および、第2液のいずれの色とも異なる。つまり、着色剤の色は、第1液の着色剤以外の成分の混合物の色と異なり、かつ、第2液の色とも異なる。
【0056】
第1液の着色剤以外の成分の混合物の色としては、例えば、無色透明、透明、淡黄色透明が挙げられる。ここで、第1液の着色剤以外の成分の混合物の色を確認する際、第1液の着色剤以外の成分の混合物は均一に混合されているものとする。
第2液の色としては、例えば、白色、概白色、淡黄色、淡青色が挙げられる。第2液が活性水素基を2個以上有する化合物のほかに老化防止剤としての二酸化チタン(白色)を含有する場合、第2液の色は、白色、概白色となることが多い。ここで、第2液の色を確認する際、第2液は均一に混合されているものとする。
着色剤の色としては、例えば、黒色、灰色、黄色、青色、黄土色、茶色が挙げられる。
【0057】
着色剤の含有量は、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できるという観点から、第1液100gに対して、0.2〜10gであるのが好ましく、0.5〜5gであるのがより好ましい。
【0058】
着色剤は、粉体、液状物として使用することができる。粉体の着色剤を液状とする場合、着色剤に添加できる可塑剤およびその使用量は、本発明の第1の態様の組成物と同義である。
【0059】
着色剤と第1液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、3.0以上であるのが、第1液に着色剤が入っていることを確認しやすいという観点から好ましい。
【0060】
本発明の第2の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物と、第1液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であるのが、好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できる。また、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できることから、第1液と第2液との混合物と、第1液の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、5.0〜100.0であるのがより好ましく、10.0〜100.0であるのがさらに好ましい。
【0061】
本発明の第2の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物のL***表色系によるL*、a*およびb*の値は、上記と同義である。
また、本発明の第2の態様の組成物において、第1液と第2液との質量比は、上記と同義である。
【0062】
本発明の第2の態様の組成物を収納するために使用される容器は、特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。容器は密閉できるものが好ましい。
また、容器内は、第1液および第2液が収められた残りの空間がそれぞれ、例えば、窒素ガスのような不活性ガスや、水分を含まない乾燥エアーで置換されているのが貯蔵安定性の観点から好ましい。
【0063】
次に、本発明の第3の態様の組成物について以下に説明する。
本発明の第3の態様の組成物は、
ポリイソシアネート化合物と第1の着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と第2の着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記第1の着色剤が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第2液において、前記第2の着色剤が、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第1の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なり、
前記第2の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物である。
【0064】
本発明の第3の態様の組成物に使用されるポリイソシアネート化合物は、本発明の第1の態様の組成物に使用されるものと同義である。
本発明の第3の態様の組成物に使用される、活性水素基を2個以上有する化合物は、本発明の第1の態様の組成物に使用されるものと同義である。
ポリイソシアネート化合物と活性水素基を2個以上有する化合物との含有量は、本発明の第1の態様の組成物と同義である。
【0065】
本発明の第3の態様の組成物に使用される第1の着色剤は、本発明の第1の態様の組成物に使用される着色剤と同義である。また、同様のものが好ましい態様として挙げられる。
本発明の第3の態様の組成物に使用される第2の着色剤は、本発明の第1の態様の組成物に使用される着色剤と同義である。また、同様のものが好ましい態様として挙げられる。
【0066】
第1液において、第1の着色剤は、第1液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていない。
【0067】
第1液において、第1の着色剤が、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていないのは、本発明の第2の態様の組成物において、着色剤が、第1液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていないのと同義である。
第1液中の第1の着色剤は、目視で認識することができる程度に、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物と分かれているのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0068】
第2液において、第2の着色剤が、第1液の第2の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていないのは、本発明の第1の態様の組成物において、着色剤が、第2液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されていないのと同義である。
第2液中の第2の着色剤は、目視で認識することができる程度に、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物と分かれているのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0069】
また、第1の着色剤は、その色が、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物、および、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なる。つまり、着色剤の色は、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物の色と異なり、かつ、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の色とも異なる。
【0070】
第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物の色としては、例えば、無色透明、透明、淡黄色透明が挙げられる。ここで、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物の色を確認する際、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物は均一に混合されているものとする。
第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の色としては、例えば、白色、概白色、淡黄色、淡青色が挙げられる。第2液が活性水素基を2個以上有する化合物のほかに老化防止剤としての二酸化チタン(白色)を含有する場合、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の色は、白色、概白色となることが多い。ここで、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の色を確認する際、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物は均一に混合されているものとする。
第1の着色剤の色としては、例えば、黒色、灰色、茶色、黄土色、黄色が挙げられる。
【0071】
また、第2の着色剤は、その色が、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物、および、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なる。第2の着色剤の色が、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物、および、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なるのは、第1の着色剤の色が、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物、および、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物のいずれの色とも異なるのと同義である。
【0072】
第1の着色剤の色と第2の着色剤の色とは、同じでも異なっていてもよい。
【0073】
第1の着色剤の含有量は、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できるという観点から、第1液100gに対して、0.2〜10gあるのが好ましく、0.2〜5gであるのが好ましい。
第2の着色剤の含有量は、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できるという観点から、第2液100gに対して、0.1〜5gであるのが好ましく、0.3〜2gであるのが好ましい。
【0074】
第1の着色剤および第2の着色剤は、粉体、液状物として使用することができる。粉体の第1または第2の着色剤を液状とする場合、第1または第2の着色剤に添加できる可塑剤およびその使用量は、本発明の第1の態様の組成物と同義である。
【0075】
第1液において、第1の着色剤と第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、3.0以上であるのが、第1液に第1の着色剤が入っていることを確認しやすいという観点から好ましい。
第2液において、第2の着色剤と第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、3.0以上であるのが、第2液に第2の着色剤が入っていることを確認しやすいという観点から好ましい。
【0076】
本発明の第3の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物と、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であるのが、好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できる。また、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できることから、第1液と第2液との混合物と、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、5.0〜100.0であるのがより好ましく、10.0〜100.0であるのがさらに好ましい。
【0077】
また、第1液と第2液との混合物と、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であるのが、好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できる。
また、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できることから、第1液と第2液との混合物と、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差は、5.0〜100.0であるのがより好ましく、10.0〜100.0であるのがさらに好ましい。
【0078】
また、第1液と第2液との混合物と、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であり、かつ、第1液と第2液との混合物と、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上であるのが、好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認できる。
【0079】
本発明の第3の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物のL***表色系によるL*、a*およびb*の値は、上記と同義である。
また、本発明の第3の態様の組成物において、第1液と第2液との質量比は、上記と同義である。
【0080】
本発明の第3の態様の組成物において、第1液と第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、第1液が収められている容器内において、第1の着色剤が、第1液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、容器を開封した際に第1の着色剤が第1液内に入っていることを目視で確認することができる。
【0081】
また、第1液と第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、第2液が収められている容器内において、第2の着色剤が、第2液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、容器を開封した際に第2の着色剤が第2液内に入っていることを目視で確認することができる。
【0082】
使用される容器は、特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。容器は密閉できるものが好ましい。
また、容器内は、第1液および第2液が収められた残りの空間がそれぞれ、例えば、窒素ガスのような不活性ガスや、水分を含まない乾燥エアーで置換されているのが貯蔵安定性の観点から好ましい。
【0083】
本発明の第3の態様の組成物において、第1液と第2液との混合物と、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上で、第1液と第2液との混合物と、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となり、第1液と第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、第2液が収められている容器内において、第2の着色剤が、第2液の上部表面の少なくとも一部に存在するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、第1液と第2液との十分な混合をより確実に確認でき、それぞれ容器を開封した際に着色剤が第1液内または第2液内に入っていることを目視で確認することができる。
【0084】
本発明の第3の態様の組成物において、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物の粘度、および、第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の粘度は、特に限定されない。
本発明の第3の態様の組成物によれば、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物の粘度と第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物の粘度との差が例えば5000Pa・s以上のように大きい場合や第1液と第2液とを質量比で1:3.5以上として混合する場合においても、第1液の第1の着色剤以外の成分の混合物と第2液の第2の着色剤以外の成分の混合物との十分な混合を確認することができる。
【0085】
本発明の第1〜第3の態様の組成物(以下、「本発明の組成物」という。)は、ポリイソシアネート化合物、活性水素基を2個以上有する化合物および着色剤のほかに、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、溶剤、可塑剤、充填剤、硬化触媒、チクソトロピー性付与剤、シランカップリング剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0086】
溶剤としては、例えば、ヘキサン、トルエンなどの炭化水素系;テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;酢酸エチルなどのエステル系、ミネラルスピリットが挙げられる。
【0087】
可塑剤としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの誘導体;ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パラフィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイルが挙げられる。
これらのうち、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤等のエステル系可塑剤が好ましい。
【0088】
フタル酸系可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジメチルフタレート、ジエチルフタレートが挙げられる。これらのうち、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレートが好ましい。
アジピン酸系可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジぺート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。これらのうち、ジイソノニルアジペートが好ましい。
その他の可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、リン酸トリクレジル、トリブチルトリメリテート(TBTM)、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油;分子量500〜10,000のブチルアクリレート等のアクリルオリゴマーが挙げられる。
【0089】
充填剤としては、各種形状の有機または無機のもの、例えば、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ(ホワイトカーボン)、クレー・タルク類、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、生石灰、炭酸塩類(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、胡粉)、アルミナ水和物(例えば、含水水酸化アルミニウム)、ケイソウ土、硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸バリウム)、マイカ、硫酸アルミナ、リトポン、アスベスト、グラファイト、二硫化モリブデン、軽石粉、ガラス粉、ケイ砂、ゼオライト;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物などによる表面処理物;ガラスバルーン;樹脂バルーンが挙げられる。
【0090】
炭酸カルシウムとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、コロイダル炭酸カルシウム)が挙げられる。また、これらを脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理した表面処理炭酸カルシウムも用いることができる。
表面処理されていない重質炭酸カルシウムとしては、例えば、ホワイトンSSB赤(白石工業社製)、スーパーS(丸尾カルシウム社製)等が挙げられ、表面処理された重質炭酸カルシウムとしては、ライトンA−4(備北粉化工業社製)、スノーライト(丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。
また、表面処理されていない沈降炭酸カルシウムとしては、白艶華A、Brilliant-1500(ともに白石工業社製)等が挙げられ、表面処理された沈降炭酸カルシウムとしては、例えば、ビスコライトMBP(白石工業社製)、カルファイン200(丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。
【0091】
カーボンブラックとしては、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等が挙げられる。
SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(中部カーボン社製)等が例示される。
また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シースト5(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱#5(三菱化学社製)、FTとしては旭サーマル(旭カーボン社製)、HTC#20(中部カーボン社製)、MTとしては旭#15(旭カーボン社製)等が例示される。
【0092】
シリカとしては、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
クレーとしては、例えば、ろう石クレー、カオリン質クレー(カオリナイト、ハロイサイト)、パイロフィライト質クレー、セリサイト質クレー、焼成クレー等が挙げられる。
【0093】
充填剤の含有量は、ポリイソシアネート化合物と活性水素基を2個以上有する化合物との合計量100質量部に対して、100〜200質量部であることが好ましい。充填剤の含有量がこの範囲である場合、組成物の粘度、垂れ性、混合性に優れることから作業性が向上し、硬化物の硬度、伸び物性に優れる。
【0094】
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0095】
老化防止剤は、例えば、二酸化チタン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などのヒンダードフェノール系化合物;亜リン酸トリフェニルが挙げられる。
帯電防止剤は、例えば、第四級アンモニウム塩、アミンなどのイオン性化合物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物が挙げられる。
難燃剤は、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
【0096】
接着性付与剤は、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、各種シランカップリング剤等が挙げられる。
分散剤は、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、リノール酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;ステアリン酸エチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸モノグリセライドなどの脂肪酸エステルが挙げられる。
脱水剤は、例えば、メチルスアテアロキシポリシロキサン、トリメトキシビニルシラン等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、フォルムアミジン系紫外線吸収剤、トリアジン環系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0097】
本発明の組成物はその製造について特に限定されない。
本発明の第1の態様の組成物の製造について以下説明する。
まず、本発明の第1の態様の組成物の第1液は、例えば、数平均分子量1000〜8000のポリプロピレングリコールを脱水したのち(例えば、110℃で24時間減圧脱水)、低分子量のポリイソシアネート化合物と反応させて得られるウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを、密閉されたアジテーター付き容器を用いて室温下または加熱下(加熱温度は例えば50〜100℃であり、80℃付近であるのが好ましい態様として挙げられる。)で混合することにより調製することができる。
【0098】
第2液については、例えば、活性水素基を2個以上有する化合物と必要に応じて使用することができる添加剤とを、ロール、ニーダー、押出し機、万能撹拌機等を用いて室温下または加熱下(40〜60℃、例えば40℃)で混合することにより、着色剤以外の成分の混合物を調製することができる。
【0099】
着色剤は、必要に応じて添加剤を含有することができる。着色剤は、例えば、必要に応じて含有することができる添加剤と、ロール、ニーダー、押出し機、万能撹拌機等を用いて室温下または加熱下(40〜60℃、例えば40℃)で混合されることにより調製することができる。
【0100】
本発明の第1の態様の組成物において、第2液の製造は特に制限されない。
第2液の製造の一例について、添付の図面を用いて以下に説明する。なお、本発明の第1の態様の組成物を製造する際において使用される第2液の製造装置は添付の図面に限定されない。
【0101】
図1は、本発明の第1の態様の組成物を製造する際において使用される第2液の製造装置の一例を模式的に示す概略図である。
図1において、10は第2液の製造装置を示す。第2液の製造装置10は、チャーン1と着色剤タンク4とを有する。
チャーン1において、第2液の着色剤以外の成分が混合されて混合物(図示せず。)となる。第2液の着色剤以外の成分には、活性水素基を2個以上有する化合物が含有される。得られた混合物は、ポンプ又はラムプレス等(図示せず。)によって排出管12へ供給され、排出管12を通過し、電磁弁8へ供給される。電磁弁8は、中央処理装置7と電気的な回路14によって接続され、中央処理装置7によって制御されている。電磁弁8は、吐出装置3に接続している。
なお、吐出装置3は、吐出速度の速い主吐出口および/または吐出速度の遅い微副吐出口(図示せず。)を有することができる。また、排出管12は、チャーン1の代わりに混合物の保管容器(図示せず。)に接続することができる。
【0102】
一方、着色剤タンク4では、着色剤(図示せず。)と必要に応じて含有することができる添加剤(図示せず。例えば、可塑剤。)とが混合される。着色剤は、ポンプ又はプレスプレート等(図示せず。)によって排出管18へ供給され、排出管18を通過し、送液装置9へ供給される。送液装置9は、中央処理装置7と電気的な回路20によって接続されており、中央処理装置7によって制御されている。送液装置9は、吐出装置5に接続している。
なお、吐出装置5は、吐出速度の速い主吐出口および/または吐出速度の遅い微副吐出口(図示せず。)を有することができる。また、排出管18は、着色剤タンク4の代わりに着色剤の保管容器(図示せず。)に接続することができる。
【0103】
第2液の製造装置10において、まず、電磁弁8が、中央処理装置7からの指令に従って弁(図示せず。)を開けて混合物を吐出装置3へ排出する。これにより混合物は吐出装置3へ供給され、次いで吐出装置3から容器2へ投入される。
【0104】
混合物が容器2へ投入されると、投入された混合物の質量が秤量装置6によって計測される。計測された混合物の質量データは、秤量装置6と電気的な回路16により接続された中央処理装置7に送信される。送信された混合物の質量データが中央処理装置7において設定されている値に到達すると、中央処理装置7から電磁弁8へ弁(図示せず。)を閉じる指令が回路14を通じて送信され、これにより電磁弁8は弁を閉じて、混合物の吐出装置3への排出が停止する。
【0105】
次に、送液装置9が、中央処理装置7からの指令に従って弁(図示せず。)を開けて着色剤を吐出装置5へ排出する。これにより着色剤は吐出装置5へ供給され、次いで吐出装置5から容器2へ投入される。
【0106】
着色剤が容器2へ投入されると、投入された着色剤の質量が秤量装置6によって計測される。計測された着色剤の質量データは、秤量装置6と電気的な回路16により接続された中央処理装置7に送信される。送信された着色剤の質量データが中央処理装置7において設定されている値に到達すると、中央処理装置7から送液装置9へ弁(図示せず。)を閉じるという指令が回路20を通じて送信され、これにより送液装置9は弁を閉じて、着色剤の吐出装置5への排出が停止する。
【0107】
このように、混合物と着色剤とを別々に容器2へ投入する場合は、混合物と着色剤のそれぞれについて容器2に投入された質量を秤量装置6で計測することにより、混合物と着色剤とを正確な量で容器2に充填することができる。
【0108】
また、混合物と着色剤との容器2への投入は、同時に行うことができる。このような場合、混合物を投入する時間と着色剤を投入する時間とが少なくとも一部重なっていればよい。混合物の投入が先に終了するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
混合物と着色剤とを同時に容器2へ投入する場合は、図1に示される送液装置9を、着色剤を一定の容積で吐出装置5へ排出する定量送液装置9に代えるのが好ましい態様の一つとして挙げられる。定量送液装置としては、例えば、ヘイシンモーノポンプが挙げられる。また、定量送液装置9の誤作動による秤量間違いを防止するために、吐出装置5に流量計(図示せず。)を設置するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0109】
混合物と着色剤とを同時に容器2への投入する場合、秤量装置6は、容器2に投入された、混合物および着色剤との合計量を計測することとなる。
【0110】
混合物と着色剤とを同時に容器2への投入する場合、例えば、製造装置10において、まず、電磁弁8が、中央処理装置7からの指令に従って弁(図示せず。)を開けて混合物を吐出装置3へ排出する。これにより混合物は吐出装置3へ供給され、次いで吐出装置3から容器2へ投入される。
【0111】
次に、定量送液装置9が、中央処理装置7からの指令に従って着色剤を一定の容量で計量し、弁(図示せず。)を開けて計量された着色剤を吐出装置5へ排出する。これにより着色剤は吐出装置5へ供給され、次いで吐出装置5から容器2へ投入される。
【0112】
投入された混合物および着色剤の合計質量が秤量装置6によって計測される。計測された合計質量データは、秤量装置6と電気的な回路16により接続された中央処理装置7に送信される。得られた混合物の質量の値が中央処理装置7において設定されている値に到達すると、中央処理装置7から電磁弁8へ弁(図示せず。)を閉じる指令が回路14を通じて送信される。これにより電磁弁8は弁を閉じて、混合物の吐出装置3への排出が停止する。
定量送液装置9から吐出装置5に送られた着色剤は、定量送液装置9内部の流量計(図示せず。)によって送液量が計測される。
送液装置として定量送液装置を使用しない場合、流量計(図示せず。)が、着色タンク4から吐出装置5までの間に通常設置され、送液装置9と吐出装置5との間に設置されるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
定量送液装置または上記の送液装置を使用するいずれの場合も流量計は、中央処理装置7と電気的に接続されている。着色剤の流量が所定の液量に達したところで、送液装置(または定量送液装置)9を停止する指令が、中央処理装置7から送液装置(または定量送液装置)9へ回路20を通じて送信される。これによって送液装置(または定量送液装置)9は弁を閉鎖して着色剤の排出を停止する。
【0113】
混合物と着色剤とを同時に容器2へ投入する場合、充填に必要な充填時間を、混合物と着色剤とを別々に充填する場合よりも短縮することができ、流量計の制度によっては質量計よりも精度が高く、吐出量を制御することができる。
【0114】
このように混合物および着色剤が投入された容器2は、窒素ガスのような不活性ガスや、水分を含まない乾燥エアーによって容器内部の空気が置換された後、密閉されるのが望ましい。
本発明の第2の態様の組成物における着色剤を含有する第1液の製造も、上述と同様に行うことができる。
また、本発明の第3の態様の組成物における第1の着色剤を含有する第1液、および、第2の着色剤を含有する第2液の製造も、上述と同様に行うことができる。
【0115】
本発明の組成物は、その使用方法について特に制限されない。第1液と第2液とを混合して使用することができる。
第1液と第2液との混合方法は、特に制限されない。
本発明の第1の態様の組成物において、第1液と着色剤と着色剤以外の第2液の成分の混合物とを混合させる際、少なくとも着色剤と着色剤以外の第2液の成分の混合物との色が均一になるまで混合することによって、均一な混合液を得ることをできる。
本発明の第2の態様の組成物においては、着色剤と着色剤以外の第1液の成分の混合物と第2液とを混合させる際、少なくとも着色剤と第2液との色が均一になるまで混合することによって、均一な混合液を得ることをできる。
本発明の第3の態様の組成物においては、第1の着色剤と、第1の着色剤以外の第1液の成分の混合物と、第2の着色剤と、第2の着色剤以外の第2液の成分の混合物とを混合させる際、少なくとも第1の着色剤と第2の着色剤と第2の着色剤以外の第2液の成分の混合物との色が均一になるまで混合することによって、均一な混合液を得ることをできる。
【0116】
本発明の組成物はその用途について特に制限されない。例えば、接着剤、シーリング材、コーティング材が挙げられる。
本発明の組成物を使用することができる被着体としては、例えば、モルタル、コンクリート、ガラス、プラスチック、金属、木材が挙げられる。
【0117】
本発明の組成物は、着色剤を投入する手間がなく、第1液と第2液との十分な混合を確認できる。また、着色剤を梱包する容器が不要となるので、容器にかかるコストを削減し、廃棄物を低減することができる。
【実施例】
【0118】
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.第1液の製造
数平均分子量3000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール3030、旭硝子社製)1500質量部と、数平均分子量4000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール4030、旭硝子社製)1500質量部とを反応容器に入れ、110℃、20mmHg以下で4時間減圧脱水し、ポリオール混合物とした。
このポリオール混合物を80℃に冷却し、429.58質量部のトリレンジイソシアネート(コスモネートT−80、三井武田ケミカル社製)を撹拌しながら加えた後、80℃で約24時間撹拌し、NCO%:2.86質量%のウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーは、無色透明であった。得られたウレタンプレポリマーを第1液として使用した。
【0119】
2.第2液の調製
図1に示す第2液の製造装置で、下記第1表に示される第2液の成分を第1表に示す量で用いて第2液を調製した。このとき、着色剤以外の成分の混合物と着色剤とを容器2へ同時に投入した。
得られた第2液は、容器の中に、着色剤以外の成分の混合物と着色剤とが均一に混合されておらず、着色剤が着色剤以外の成分の混合物と分離しており、容器内において、着色剤が入っていることが目視で確認することができた。
このとき、着色剤以外の成分の混合物の色は目視で白色であり、着色剤の色は濃灰色であった。
【0120】
3.実施例1
上記のとおり得られた第1液と、下記第1表に示される配合の第2液とを、第1表に示す質量比で混合して組成物を得た。第1液と第2液との混合は、ミキスター(ミキスター工業社製)を用いて、15分間行った。
第1液と第2液とは、混合のはじめの段階では、第1液と着色剤と着色剤以外の第2液の成分の混合物とが分かれているのが目視で確認することができ、混合が進むにつれて全体の色が均一となった。第1液と第2液とを混合させた後の混合物の色は、目視で淡灰色であった。
【0121】
4.色の測定
第1液と第2液との混合物、および第2液の着色剤以外の成分の混合物の色を、分光色彩計JP7200F(JUKI社製)を用いて測定し、L***表色系による明度L*、色度a*、および色度b*の測定値を得た。
また、これらの測定値を下記数式(1)にあてはめて、第1液と第2液との混合物と第2液の着色剤以外の成分の混合物との色差の値(ΔE)を求めた。結果を第1表に示す。
【0122】
ΔE=[(L*1−L*22+(a*1−a*22+(b*1−b*221/2 (1)
【0123】
【表1】

【0124】
また、着色剤の色を、上記と同様にして測定し、L***表色系による明度L*、色度a*、および色度b*の測定値を得た。
その結果は、明度L*:33.21、色度a*:−0.53、色度b*:−1.00であった。
この結果をもとに、着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物との色差を下記数式(2)にあてはめて求めた。得られた色差は、38.43であった。
【0125】
ΔE=[(L*1−L*2+(a*1−a*2+(b*1−b*21/2 (2)
【0126】
第1表中の各成分は、以下のとおりである。
・ウレタンプレポリマー1:上記のとおり製造されたウレタンプレポリマー
・ポリオール:数平均分子量3000の2官能ポリオール(エクセノール3020、旭硝子社製)
・老化防止剤:チヌビン326、チバスペシャリティーズ社製
・炭酸カルシウム1:コロイダル炭酸カルシウム(ビスコライトMBP、白石工業社製)
・炭酸カルシウム2:重質炭酸カルシウム(ライトンA−4、備北粉化工業社製)
・酸化チタン:R−820(石原産業社製)
・オクチル酸ビスマス:プキャット20T(ビスマス量:20質量%、日本化学産業社製)
・溶剤:Aソルベント(ミネラルスピリット、新日本石油社製)
・着色剤:UH−01NB専用カラーマスター(横浜ゴム社製)
【0127】
以上の結果から明らかなように、着色剤が第2液の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されず、着色剤と第2液の着色剤以外の成分の混合物とが分離している第2液を得ることができた。
また、実施例1において使用された第2液において、着色剤が第2液に入っていることが容易に確認することができた。
また、第1液と第2液とを混合させる際に、着色剤と着色剤以外の第2液の成分の混合物とが混合して、混合物全体の色が均一となるまで混合を行うことによって、第1液と第2液との十分な混合を確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】図1は、本発明の第1の態様の組成物を製造する際において使用される第2液の製造装置の一例を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
【0129】
1 チャーン
2 容器
3 吐出装置
4 着色剤タンク
5 吐出装置
6 秤量装置
7 中央処理装置(CPU)
8 電磁弁
9 送液装置、定量送液装置
10 第2液の製造装置
12、18 排出管
14、16、20 回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート化合物を含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第2液において、前記着色剤が、前記第2液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液、および、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
【請求項2】
ポリイソシアネート化合物と着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物を含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記着色剤が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記着色剤の色が、前記第1液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
【請求項3】
ポリイソシアネート化合物と第1の着色剤とを含有する第1液と、活性水素基を2個以上有する化合物と第2の着色剤とを含有する第2液とを有し、
前記第1液において、前記第1の着色剤が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第2液において、前記第2の着色剤が、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の混合物と均一に混合されておらず、
前記第1の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なり、
前記第2の着色剤の色が、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物、および、前記第2液の前記2の着色剤以外の成分の前記混合物のいずれの色とも異なる2液型ポリウレタン組成物。
【請求項4】
前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第2液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、または、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる請求項1または3に記載の2液型ポリウレタン組成物。
【請求項5】
前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第1液の前記着色剤以外の成分の前記混合物、または、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる請求項2または3に記載の2液型ポリウレタン組成物。
【請求項6】
前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第1液の前記第1の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上で、
前記第1液と前記第2液との混合物と、前記第2液の前記第2の着色剤以外の成分の前記混合物とのL***表色系による色差が、3.0以上となる請求項3に記載の2液型ポリウレタン組成物。
【請求項7】
前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による明度L*が、65〜90であり、
前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による色度a*が、−2.0〜1.0であり、
前記第1液と前記第2液との混合物のL***表色系による色度b*が、−3.0〜1.0である請求項1〜6のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。
【請求項8】
前記第1液と前記第2液との質量比が、1:3.5以上である請求項1〜7のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。
【請求項9】
前記第1液と、前記第2液とがそれぞれ異なる容器に収められており、
前記第2液が収められている容器内において、前記着色剤または前記第2の着色剤が、前記第2液の上部表面の少なくとも一部に存在する請求項1および3〜8のいずれかに記載の2液型ポリウレタン組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2007−254501(P2007−254501A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76955(P2006−76955)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】