2足歩行ロボット
【課題】浮揚自在で、軽量化と構造の簡素化を実現した2足歩行ロボットを提供すること。
【解決手段】2つの股関節2a,2bに左右の脚部が装着され、該股関節2a,2bが接続部材1に接続されてなる2足歩行ロボット10であり、股関節2a,2bはロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる駆動装置2a1,2b1を備え、左右の脚部の双方には、略平坦なルーバー8,8がその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、ダクテッドファン7が第2、第3の駆動装置91,92を介して、ファンの回転軸73を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在に装着され、かつ、ファンからの吹き出し流れがルーバー8,8に直射されるようになっており、股関節の動作に応じたルーバー8,8の傾斜によって浮揚方向が調整される。
【解決手段】2つの股関節2a,2bに左右の脚部が装着され、該股関節2a,2bが接続部材1に接続されてなる2足歩行ロボット10であり、股関節2a,2bはロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる駆動装置2a1,2b1を備え、左右の脚部の双方には、略平坦なルーバー8,8がその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、ダクテッドファン7が第2、第3の駆動装置91,92を介して、ファンの回転軸73を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在に装着され、かつ、ファンからの吹き出し流れがルーバー8,8に直射されるようになっており、股関節の動作に応じたルーバー8,8の傾斜によって浮揚方向が調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮揚自在な2足歩行ロボットに係り、特に、軽量化と構造の簡素化を実現した2足歩行ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2足歩行ロボットに関する技術は急速に進展しており、各種産業界においては、それぞれ多様なニーズにその適用の可能性を模索している。かかる2足歩行ロボットはヒューマノイドロボットと呼ばれることもあり、その歩行性能の向上やより人間に近い関節の動きを実現することで、威圧感を軽減するとともに作業内容を高度化し、その作業範囲を広範囲なものとしてきている。高齢化社会を迎えている我が国においては、高齢者や身障者の介護に適用が検討されているし、博覧会やアミューズメント施設では施設案内をおこなっており、自動車や家電製品などを製造する生産ラインにおいては組付けロボットとしてその役割を果している。
【0003】
建設産業に目を向けると、近時頻発している地震や台風の際の災害復旧活動や災害復旧調査に2足歩行ロボットの適用が望まれている。また、各種公共施設やオフィスビルなどの建設や解体撤去作業など、特に危険度の高い作業においては、人間に代わって2足歩行ロボットが作業をおこなうことができれば事故災害の低減に繋がり、建設産業に対する社会的信頼性も向上する。さらに労働力人口の減少なども勘案すると、2足歩行ロボットへの期待、中でも建設産業における期待はより一層高いものと考えられる。
【0004】
2足歩行ロボットの開発に関しては特許文献1〜4にもあるように、その脚部の性能、すなわち、歩行のみならず、走行や跳躍を実現することにその精力が注がれており、浮上や浮遊する二足歩行ロボットに関する開発はなされてこなかった。しかし、走行性能のみならず、浮揚性能も備えた二足歩行ロボットを開発することで、高所作業位置や掘削坑の深い位置などに短時間に二足歩行ロボットを移動させることができ、さらには昇降設備の常設を不要にできる。
【0005】
そこで、本発明者等は浮遊自在な2足歩行ロボットの発案に至り、特許文献5にその技術を開示している。この2足歩行ロボットは原則として3基のダクテッドファンを使用し、ロボット重心とダクテッドファンの推力の合力中心とを調整することにより、安定した浮遊動作を実現させるものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−64837号公報
【特許文献2】特開2004−299035号公報
【特許文献3】特開2003−266337号公報
【特許文献4】特開2003−231081号公報
【特許文献5】特開2006−297554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献5に開示の2足歩行ロボットによれば、ロボットの安定浮遊が実現できるが、その一方で、複数のダクテッドファンを搭載しているためにロボット全体の重量が増加してしまい、ダクテッドファン駆動用のモータや内燃機関として高出力で比較的大規模なものを適用する必要が生じる。この2足歩行ロボットでは、連鎖的な重量増の問題を解消するために膝関節や足首関節等に負荷軽減手段を設けているものの、より軽量で浮揚自在な2足歩行ロボットの開発が望まれるところである。本発明の2足歩行ロボットは、かかる問題に鑑みてなされたものであり、浮揚自在であって一層の軽量化と構造の簡素化を実現することのできる2足歩行ロボットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による2足歩行ロボットは、2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着され、該股関節が接続部材に接続されてなる2足歩行ロボットにおいて、前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置を備えており、前記左右の脚部の双方には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、ファンが第2の駆動装置を介してその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在とされ、かつ、ファンからの吹き出し流れが前記ルーバーに直射される接続部材位置に装着されており、少なくとも前記股関節の動作に応じた前記ルーバーの傾斜によって浮揚方向が調整されることを特徴とするものである。
【0009】
接続部材は左右の脚部を間接的に一体に接続するためのロボットの胴体を形成するものであり、その形状は特に限定されるものではないが、軽量化と剛性(強度)の観点から、例えば鋼製部材からなる函形、門形の部材を選定できる。
【0010】
この接続部材にモータ等のアクチュエータを具備する左右の股関節が装着され、双方の股関節の該アクチュエータに脚部が装着されている。この左右の脚部は、少なくともロボットを進退させるべく前後方向に回動されるようになっており、そのためのアクチュエータが股関節に装着されていればよい。
【0011】
脚部は大腿部材と下腿部材が膝関節を介して接続されており、この下腿部材と足部材が足首関節を介して接続されている。ここで、膝関節や足首関節には関節駆動用のアクチュエータが具備されていてもよいし、各関節での駆動を要求しない場合には一定の姿勢で関節が固定された形態であってもよい。したがって、膝関節や足首関節の駆動を不要とする場合には、股関節における左右一対のアクチュエータによって左右の脚部が前後方向に回動するのみとなる。例えば膝関節や足首関節のそれぞれに関節用アクチュエータが具備されていない場合には、若干の前後移動や横移動時においても後述するファンの推力とルーバーの傾斜による方向制御によって移動制御が実行される。
【0012】
さらに、左右の脚部、例えばそれらの大腿部材には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されている。ここで、略平坦とは、その断面が平坦な形状や扁平な楕円形状、この扁平な楕円形状の端部が湾曲形状でなくて鋭角な形状、流線形状など、ロボット浮揚時においてルーバーとしての方向制御機能を果たすことのできる形状一般を包含する意味である。
【0013】
また、接続部材のうち、左右の脚部の間の直上位置においては、各種モータや内燃機関等によって回転するファンが装着されており、ファンが発生させる気流(ファンからの後流)を下方に吹き出すことにより(吹き出し流れ)、その反力が該ファンに作用してロボットを浮揚させるものである。また、この吹き出し流れは左右の脚部のルーバーに直射されるようになっており、ルーバーの傾斜角を適宜に調整することにより、前後進推進力を発生させて浮揚したロボットを前後進飛行させること、左右横進推進力を発生させて左右横進飛行させること、ロボット重心回りに旋転偶力を発生させて回転飛行をさせることが可能になる。なお、浮揚状態での空中停止動作(ホバリング)は、ロボットの全体重量とファン反力との釣合い調整によっておこなわれる。
【0014】
ここで、接続部材とファンとの接続形態は、該ファンの回転羽根の回転に支障のない箇所にリンク機構の一端もしくはラックピニオン機構の一端を取り付けておき、これらの機構をモータ等のアクチュエータで作動させることにより、ファンがその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動するような接続形態となっている。
【0015】
上記する左右の脚部を股関節を介して所定の角度だけ前後方向に回動させることにより、ルーバーの傾斜角が調整され、ファンの推力によってロボットの前後方向への飛行制御を実行することができる。また、ファンを所定の角度だけ回動させることにより、ロボットの左右方向への飛行制御を実行することができる。さらに、ファンの回動と2つの股関節の前後動(2つのルーバーの傾斜角が相互に変化する動き)により、ロボットを浮揚姿勢で回転させることもできる。
【0016】
本発明による上記2足歩行ロボットによれば、推力を生じるファンを1基搭載するのみで、かつ、左右の脚部を回動させてそれらに装着されたルーバーでファンからの吹き出し流れを方向制御するといった極めて簡素な構成により、ロボットの浮揚制御、適宜な方向への飛行制御を実現することができる。さらに、かかる構造ゆえにロボット自体の軽量化と小型化を図ることができ、その製造コストも廉価となる。
【0017】
なお、接続部材には、カーナビゲーション等のGPS(全地球測位システム)やジャイロセンサとリアルタイムなセンシングに基づくアクチュエータの回動制御機構、CCDカメラなどを搭載しておくことにより、管理棟からのロボット位置の特定、浮揚安定性の確保、高所、深所、危険区域における現場撮影(被災状態、地下坑壁の状態、高層建物の上層壁のクラック状態などの撮影)が可能となる。
【0018】
また、本発明による2足歩行ロボットの他の実施の形態として、前記ファンが、第3の駆動装置を介して、前記する回動方向と直交する方向であって前記ロボットの進退方向にも回動自在であってもよい。
【0019】
ファンの回動方向を直交2方向とすることで、より高い精度でロボット浮揚時の方向制御を実現することができる。
【0020】
また、本発明による2足歩行ロボットの他の実施の形態は、2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着されてなる2足歩行ロボットにおいて、前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置と、該左右の脚部を左右方向に回動させる第2の駆動装置と、を備えており、前記左右の脚部の双方には、略平坦な第1のルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、該第1のルーバーのうち、他方の脚部に対向する端側には、第1のルーバーに直交する方向に広がる略平坦な第2のルーバーが装着されており、前記2つの股関節がファンに固設されるとともに、該ファンは前記左右の脚部の間の直上であってその吹き出し流れを前記ルーバーに直射できる位置に配設されており、前記股関節の動作に応じて前記第1、第2のルーバーが傾斜し、浮揚方向が調整されることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の実施の形態は、直交2方向に広がるルーバーを左右の脚部に装着することで、ファンの回動を不要としながら(ファンを股関節に固定し)、ロボット浮揚時の方向制御を実現するものである。なお、この実施の形態では、上記する函形、門形の接続部材を適用せず、ファンの回転に支障のない箇所に左右の股関節を固定するものである。
【0022】
左右の脚部を適宜に回動制御することにより、ファンからの後流が2方向に広がるルーバーに直射されることで浮揚方向を変化させることが可能となる。
【0023】
本実施の形態によれば、ファン駆動用のアクチュエータを不要とできるため、ロボットの一層の軽量化を図ることができ、その構造の一層の簡素化、製造コストの廉価を図ることができる。
【0024】
さらに、上記するファンとしてダクト内にファンを装着してなるダクテッドファンを使用することにより、ファン傾斜時にファンと接続部材が干渉する虞や、あるいは、ロボット浮揚時にファンに空中浮遊障害物が衝突するといった危険を回避することができ、ロボットの浮揚安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上の説明から理解できるように、本発明の2足歩行ロボットによれば、左右の脚部に適宜のルーバーを装着した極めて簡素な構造によってロボットの浮揚方向を適宜に制御することが可能となり、その軽量化、小型化、低廉化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図であり、図2は図1のII−II矢視図である。図3は図1の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図4は図1の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図5はルーバーによる推力偏向を説明した図であり、図6は図1の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。図7は本発明の2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図であり、図8は図7のVIII−VIII矢視図である。図9は図7の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図10は図7の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図11は図7の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。図12は本発明の2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図であり、図13は図12のXIII−XIII矢視図である。図14はルーバーの他の実施の形態の斜視図である。図15は図12の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図16は図12の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図17は図12の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。なお、特に説明しない限り、2足歩行ロボットを構成する各部材は鋼製素材、アルミニウム合金、FRP等から形成されるものであり、板材同士を適宜の形状に溶接、接着あるいはボルト締めしたり、型鋼材を使用するなどして形成されるものである。
【0027】
図1,2は、本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図、側面図(矢視図)を示している。この2足歩行ロボット10は、鋼製で正面視が門形であり、左右の縦材11,12とそれらを繋ぐ水平材13とから構成される接続部材1と、縦材11,12の双方に固定された股関節2a,2bを介して前後方向に回動自在な脚部(上から、大腿部材3a,3b、膝関節6a1,6b1,下腿部材4a,4b、足首関節6a2,6b2,足部材5a,5b)と、接続部材1の水平材13の下方に回動自在に垂下されたダクテッドファン7と、から大略構成されている。
【0028】
ダクテッドファン7は、回転軸73回りを回転する複数のファン71,…と、このファン71,…を収容するダクト72とからなり、ダクト72と接続部材1の水平材13下面とがボールジョイント95を介して接続されている。この水平材13上には2つのサーボモータ91,92がその回転軸を右脚部(図1における左側脚部)と前方側に向けた姿勢で搭載されており、サーボモータ91はダクト72の右側面(図1の左側側面)と、サーボモータ92はダクト72の前方面とそれぞれカムリンク機構94,93を介して接続されている。
【0029】
脚部について右脚部(図1の左側脚部)を取り上げて説明すると、股関節2aは大腿部材3a〜足部材5aを前後方向に回動させるサーボモータ2a1を具備しており、大腿部材3aの内側、すなわち、大腿部材3bに対向する側面には、正面視が縦長の矩形で側面視が図2に示すごとく流線形状を呈する略平坦なルーバー8が固設されている。なお、図2には左脚部側のルーバー8が図示されている。
【0030】
図示する実施の形態では、膝関節6a1には関節用サーボモータ6a11、足首関節には関節用サーボモータ6a21が具備されているが、かかる関節用サーボモータを具備しない形態であってもよい。また、股関節2aには、サーボモータ2a1以外にも脚部を左右に回動させる別途のサーボモータが配置されていてもよい。
【0031】
なお、該ロボット10の歩行に際しては、図示しない公知の制御機構により、各サーボモータ2a1,2b1、6a11,6b11,6a21,6b21の回動制御が実行されることは勿論のことである。また、ファン71,…の回転動力手段の図示は省略しているが、サーボモータや油圧モータ、あるいは内燃機関など、適宜の動力手段を選定することができる。なお、いずれの動力手段を適用する場合でも、ファンの回転による推力によって該動力手段を搭載する2足歩行ロボットを浮揚させることのできる出力を最低限有する必要があることは勿論のことである。
【0032】
図示するように、水平材13にボールジョイント95を介して垂下されたダクテッドファン7は、左右の脚部の直上、より具体的には左右のルーバー8,8の直上に配設されており、ダクテッドファン7からの吹き出し流れがこのルーバー8,8に直射されるように構成されている。
【0033】
この2足歩行ロボット10の浮揚移動態様を図3〜6に基づいて説明する。
図3は2足歩行ロボット10が左右方向に浮揚移動している状況を示している。この移動は、不図示のジャイロセンサにて移動方向およびロボットの安定性を随時センシングしながらおこなわれるものであり、サーボモータ91を所定の回転角だけ回転させることによってダクテッドファン7を図示するX1方向に所定角度回動させ、ダクテッドファン7からの吹き出し流れY1を左右いずれかの大腿部材側面およびルーバー8に直射することによって左右横進推進力を発生させ、左右横進飛行をおこなわせることができる(例えば図3のZ1方向)。
【0034】
一方、図4は2足歩行ロボット10が前後方向に浮揚移動している状況を示している。この浮揚移動は、サーボモータ92を所定の回転角だけ回転させることによってダクテッドファン7を図示するX2方向に所定角度回動させ、ダクテッドファン7からの吹き出し流れY2を左右のルーバー8,8の一方面に直射させることにより実行される。
【0035】
ここで、本浮揚移動形態においてルーバーによる推力偏向を図5に基づいて説明する。
左右の脚部の回動に応じてルーバー8がファンの回転軸73に対して所定の回動角θだけ回動すると、ファンからの吹き出し流れY2の反作用としてファンには浮揚推力Fvが作用し、さらに、横方向推力Fhが生じる。ここで、回動角θが大きくなると、吹き出し流れY2によってルーバー8を下方へ押し下げようとする力も大きくなり、これと推力Fv,ロボット10の重量とのバランスでロボット10の降下、上昇が制御される。さらに、回動角θの変動に伴なって横方向推力Fhの大きさも変化し、横方向への移動速度の変化に繋がる。なお、かかるFv、Fh、ロボット重量相互の関係で、ロボットの昇降のみならず、斜め上下方向への移動およびその移動速度も同様に変化する。
【0036】
したがって、2足歩行ロボット10に搭載される不図示のGPS装置によってその位置の特定を遠方の管理棟にて随時おこないながら、ジャイロセンサによってその移動方向と姿勢安定をリアルタイムにセンシングしつつ、所望の方向へ移動させるべく推力(Fv、Fh)の調整をコントロール制御するものである。
【0037】
図6は、例えば2足歩行ロボット10を浮揚停止させた姿勢で回転させている状況を説明したものである。この回転は左右の股関節のサーボモータ2a1,2b1を逆方向に同期回動させることによってルーバー8,8を前後方向(図示するW1方向)に回動させることにより、ファンからの吹き出し流れY3によってロボット重心を回転軸とした旋転偶力を発生させることにより実現することができる。
【0038】
図7,8は、2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図とその側面図(矢視図)を示しており、その左右移動、前後移動、回転の各浮揚移動態様を図9〜11に示している。なお、本実施の形態では、ダクテッドファン7の2方向への回動の必要がないことから、ダクト72と接続部材1の水平材13とは一つの回転軸部材96を介して接続されていればよく、ボールジョイントによる接続の必要はない。
【0039】
この2足歩行ロボット10Aは、接続部材1に搭載するサーボモータをサーボモータ91の1基のみとした実施の形態である。
【0040】
本実施の形態においては、サーボモータが1基のみとなることでダクテッドファン7の回動方向が1方向のみとなるものの、その場合でも図9に示す左右方向への浮揚移動、図11に示す回転移動には何らの支障もなく2足歩行ロボット10と同様の移動を実現することができる。
【0041】
一方、2足歩行ロボット10Aを前後方向へ浮揚移動させる場合には、図10で示すように、ダクテッドファン7が回動しない代わりに、左右の脚部双方を揃えた姿勢で前方または後方へ所定の回動角にて回動制御することによって(W2方向)ファンからの吹き出し流れY2’による横方向推力が働き、図示する回動態様ではロボット10Aを前方向(Z2’方向)へ浮揚移動させることができる。
【0042】
図12,13は、2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図とその側面図(矢視図)を示している。
【0043】
この2足歩行ロボット10Bでは、左右の股関節2a'、2b’をダクテッドファン7のダクト72の側面に固設し、股関節2a'、2b’のそれぞれに2つのサーボモータ2a1,2a2(2b1,2b2),具体的には左右の脚部を前後方向に回動させるサーボモータ2a1,2b1と、その上方において、左右の脚部を左右方向に回動させるサーボモータ2a2,2b2が具備されている。
【0044】
また、左右の大腿部材3a,3bには、図14に示すように、2足歩行ロボット10,10Aと同様のルーバー8に対応する鉛直方向の扁平材81(第1のルーバー)とこの端側に固定され、該扁平材81に直交する扁平材82(第2のルーバー)とから構成されるルーバー8Aが装着されている。左右のルーバー8A,8Aは、ロボット歩行時の重心移動時の動作で干渉しない間隔で配設されている。直交する扁平材81、扁平材82からなるルーバー8Aを脚部に装着し、左右の脚部を前後方向、左右方向に回動させることで、直交2方向への推力偏向(1方向の推力偏向は図5にて説明)を発生させることができ、ダクテッドファンを直交2方向へ回動させることによってルーバー8に1方向の推力偏向を発生させて浮揚方向を調整するのと実質的に同様の浮揚方向調整が可能となる。
【0045】
本実施の形態は、ダクテッドファン7を回動不可とする代わりに、左右の脚部を前後、左右に回動自在とし、さらに、直交2方向に広がるルーバーを脚部に装着することで、図15〜17に示すような左右方向、前後方向、回転の各浮揚移動を実現するものである。ここで、ルーバー8Aを構成する扁平材81,82がダクテッドファン7から等距離位置にて配設されていることで、双方の扁平材81,82によって生じる横方向推力を同程度に調整することができる。
【0046】
具体的には、図15において、左右の脚部を左右方向(W3方向)に回動させることによってファンからの吹き出し流れY1’による横方向推力が働き、図示する回動態様ではロボット10Bを左方向(図における右方向でZ1方向)へ浮揚移動させることができる。また、図16においては図10と同様に、ロボット10Bを前方向(Z2’方向)へ浮揚移動させることができる。さらに、図17においては、左右の脚部を前後方向に交互に回動させることで(W1方向)、浮揚状態での回転が可能となる。
【実施例】
【0047】
発明者等は以下に示す小型の2足歩行ロボットの浮揚移動の可否を検証した。
試作された2足歩行ロボットは、φ100mm程度、重量が1N,1000Wの入力で推力20Nを発揮できる市販のダクテッドファンを使用し、1000Wを入力可能で重量が2N程度のブラシレスモータ、重量が2.5N程度でリチウムポリマーからなるバッテリーをファン動力手段とし、各種関節回動用のサーボモータおよびダクテッドファン回動用のサーボモータで、重量が0.2N/1基のサーボモータを10基程度使用し、その他、重量が0.3Nの比例制御用コントローラ(プロポーショナル)受信機、重量が0.3Nの該コントローラおよびサーボモータ用のリチウムポリマーバッテリ、重量が1Nの制御用マイコン、総重量が5Nの各種アクチュエータ接続部材を使用し、全重量が14N程度、全高数十cmの2足歩行ロボットである。
【0048】
上記2足歩行ロボットの推力の総重量に対する比率は1.42となり、浮揚に必要とされる比率:1.3を満足している。
【0049】
この2足歩行ロボットを移動制御した結果、その浮揚姿勢において、例えば図3,4,6に示す移動および回転を確実に実行することができる。
【0050】
上記する小型の2足歩行ロボットにCCDカメラを搭載しておくことで、例えば地震被災地の状態や地下坑壁深部の坑壁の状態、高層建物の上層壁のクラック状態などの撮影を短時間で撮影することが可能となる。また、接続部材に肩関節、腕関節を取り付け、推力を増大させることにより、各種高所作業を実行することも可能となる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図4】図1の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図5】ルーバーによる推力偏向を説明した図である。
【図6】図1の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【図7】本発明の2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図である。
【図9】図7の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図10】図7の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図11】図7の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【図12】本発明の2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視図である。
【図14】ルーバーの他の実施の形態の斜視図である。
【図15】図12の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図16】図12の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図17】図12の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【符号の説明】
【0053】
1…接続部材、11,12…縦材、13…水平材、2a,2a’,2b,2b’…股関節、2a1,2b1…サーボモータ(駆動装置)、3a,3b…大腿部材、4a,4b…下腿部材、5a,5b…足部材、7…ダクテッドファン、71…ファン、72…ダクト、8,8A…ルーバー、81…扁平材(第1のルーバー)、82…扁平材(第2のルーバー)、91,92…サーボモータ(駆動装置)、93,94…カムリンク機構、95…ボールジョイント
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮揚自在な2足歩行ロボットに係り、特に、軽量化と構造の簡素化を実現した2足歩行ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2足歩行ロボットに関する技術は急速に進展しており、各種産業界においては、それぞれ多様なニーズにその適用の可能性を模索している。かかる2足歩行ロボットはヒューマノイドロボットと呼ばれることもあり、その歩行性能の向上やより人間に近い関節の動きを実現することで、威圧感を軽減するとともに作業内容を高度化し、その作業範囲を広範囲なものとしてきている。高齢化社会を迎えている我が国においては、高齢者や身障者の介護に適用が検討されているし、博覧会やアミューズメント施設では施設案内をおこなっており、自動車や家電製品などを製造する生産ラインにおいては組付けロボットとしてその役割を果している。
【0003】
建設産業に目を向けると、近時頻発している地震や台風の際の災害復旧活動や災害復旧調査に2足歩行ロボットの適用が望まれている。また、各種公共施設やオフィスビルなどの建設や解体撤去作業など、特に危険度の高い作業においては、人間に代わって2足歩行ロボットが作業をおこなうことができれば事故災害の低減に繋がり、建設産業に対する社会的信頼性も向上する。さらに労働力人口の減少なども勘案すると、2足歩行ロボットへの期待、中でも建設産業における期待はより一層高いものと考えられる。
【0004】
2足歩行ロボットの開発に関しては特許文献1〜4にもあるように、その脚部の性能、すなわち、歩行のみならず、走行や跳躍を実現することにその精力が注がれており、浮上や浮遊する二足歩行ロボットに関する開発はなされてこなかった。しかし、走行性能のみならず、浮揚性能も備えた二足歩行ロボットを開発することで、高所作業位置や掘削坑の深い位置などに短時間に二足歩行ロボットを移動させることができ、さらには昇降設備の常設を不要にできる。
【0005】
そこで、本発明者等は浮遊自在な2足歩行ロボットの発案に至り、特許文献5にその技術を開示している。この2足歩行ロボットは原則として3基のダクテッドファンを使用し、ロボット重心とダクテッドファンの推力の合力中心とを調整することにより、安定した浮遊動作を実現させるものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−64837号公報
【特許文献2】特開2004−299035号公報
【特許文献3】特開2003−266337号公報
【特許文献4】特開2003−231081号公報
【特許文献5】特開2006−297554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献5に開示の2足歩行ロボットによれば、ロボットの安定浮遊が実現できるが、その一方で、複数のダクテッドファンを搭載しているためにロボット全体の重量が増加してしまい、ダクテッドファン駆動用のモータや内燃機関として高出力で比較的大規模なものを適用する必要が生じる。この2足歩行ロボットでは、連鎖的な重量増の問題を解消するために膝関節や足首関節等に負荷軽減手段を設けているものの、より軽量で浮揚自在な2足歩行ロボットの開発が望まれるところである。本発明の2足歩行ロボットは、かかる問題に鑑みてなされたものであり、浮揚自在であって一層の軽量化と構造の簡素化を実現することのできる2足歩行ロボットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による2足歩行ロボットは、2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着され、該股関節が接続部材に接続されてなる2足歩行ロボットにおいて、前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置を備えており、前記左右の脚部の双方には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、ファンが第2の駆動装置を介してその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在とされ、かつ、ファンからの吹き出し流れが前記ルーバーに直射される接続部材位置に装着されており、少なくとも前記股関節の動作に応じた前記ルーバーの傾斜によって浮揚方向が調整されることを特徴とするものである。
【0009】
接続部材は左右の脚部を間接的に一体に接続するためのロボットの胴体を形成するものであり、その形状は特に限定されるものではないが、軽量化と剛性(強度)の観点から、例えば鋼製部材からなる函形、門形の部材を選定できる。
【0010】
この接続部材にモータ等のアクチュエータを具備する左右の股関節が装着され、双方の股関節の該アクチュエータに脚部が装着されている。この左右の脚部は、少なくともロボットを進退させるべく前後方向に回動されるようになっており、そのためのアクチュエータが股関節に装着されていればよい。
【0011】
脚部は大腿部材と下腿部材が膝関節を介して接続されており、この下腿部材と足部材が足首関節を介して接続されている。ここで、膝関節や足首関節には関節駆動用のアクチュエータが具備されていてもよいし、各関節での駆動を要求しない場合には一定の姿勢で関節が固定された形態であってもよい。したがって、膝関節や足首関節の駆動を不要とする場合には、股関節における左右一対のアクチュエータによって左右の脚部が前後方向に回動するのみとなる。例えば膝関節や足首関節のそれぞれに関節用アクチュエータが具備されていない場合には、若干の前後移動や横移動時においても後述するファンの推力とルーバーの傾斜による方向制御によって移動制御が実行される。
【0012】
さらに、左右の脚部、例えばそれらの大腿部材には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されている。ここで、略平坦とは、その断面が平坦な形状や扁平な楕円形状、この扁平な楕円形状の端部が湾曲形状でなくて鋭角な形状、流線形状など、ロボット浮揚時においてルーバーとしての方向制御機能を果たすことのできる形状一般を包含する意味である。
【0013】
また、接続部材のうち、左右の脚部の間の直上位置においては、各種モータや内燃機関等によって回転するファンが装着されており、ファンが発生させる気流(ファンからの後流)を下方に吹き出すことにより(吹き出し流れ)、その反力が該ファンに作用してロボットを浮揚させるものである。また、この吹き出し流れは左右の脚部のルーバーに直射されるようになっており、ルーバーの傾斜角を適宜に調整することにより、前後進推進力を発生させて浮揚したロボットを前後進飛行させること、左右横進推進力を発生させて左右横進飛行させること、ロボット重心回りに旋転偶力を発生させて回転飛行をさせることが可能になる。なお、浮揚状態での空中停止動作(ホバリング)は、ロボットの全体重量とファン反力との釣合い調整によっておこなわれる。
【0014】
ここで、接続部材とファンとの接続形態は、該ファンの回転羽根の回転に支障のない箇所にリンク機構の一端もしくはラックピニオン機構の一端を取り付けておき、これらの機構をモータ等のアクチュエータで作動させることにより、ファンがその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動するような接続形態となっている。
【0015】
上記する左右の脚部を股関節を介して所定の角度だけ前後方向に回動させることにより、ルーバーの傾斜角が調整され、ファンの推力によってロボットの前後方向への飛行制御を実行することができる。また、ファンを所定の角度だけ回動させることにより、ロボットの左右方向への飛行制御を実行することができる。さらに、ファンの回動と2つの股関節の前後動(2つのルーバーの傾斜角が相互に変化する動き)により、ロボットを浮揚姿勢で回転させることもできる。
【0016】
本発明による上記2足歩行ロボットによれば、推力を生じるファンを1基搭載するのみで、かつ、左右の脚部を回動させてそれらに装着されたルーバーでファンからの吹き出し流れを方向制御するといった極めて簡素な構成により、ロボットの浮揚制御、適宜な方向への飛行制御を実現することができる。さらに、かかる構造ゆえにロボット自体の軽量化と小型化を図ることができ、その製造コストも廉価となる。
【0017】
なお、接続部材には、カーナビゲーション等のGPS(全地球測位システム)やジャイロセンサとリアルタイムなセンシングに基づくアクチュエータの回動制御機構、CCDカメラなどを搭載しておくことにより、管理棟からのロボット位置の特定、浮揚安定性の確保、高所、深所、危険区域における現場撮影(被災状態、地下坑壁の状態、高層建物の上層壁のクラック状態などの撮影)が可能となる。
【0018】
また、本発明による2足歩行ロボットの他の実施の形態として、前記ファンが、第3の駆動装置を介して、前記する回動方向と直交する方向であって前記ロボットの進退方向にも回動自在であってもよい。
【0019】
ファンの回動方向を直交2方向とすることで、より高い精度でロボット浮揚時の方向制御を実現することができる。
【0020】
また、本発明による2足歩行ロボットの他の実施の形態は、2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着されてなる2足歩行ロボットにおいて、前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置と、該左右の脚部を左右方向に回動させる第2の駆動装置と、を備えており、前記左右の脚部の双方には、略平坦な第1のルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、該第1のルーバーのうち、他方の脚部に対向する端側には、第1のルーバーに直交する方向に広がる略平坦な第2のルーバーが装着されており、前記2つの股関節がファンに固設されるとともに、該ファンは前記左右の脚部の間の直上であってその吹き出し流れを前記ルーバーに直射できる位置に配設されており、前記股関節の動作に応じて前記第1、第2のルーバーが傾斜し、浮揚方向が調整されることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の実施の形態は、直交2方向に広がるルーバーを左右の脚部に装着することで、ファンの回動を不要としながら(ファンを股関節に固定し)、ロボット浮揚時の方向制御を実現するものである。なお、この実施の形態では、上記する函形、門形の接続部材を適用せず、ファンの回転に支障のない箇所に左右の股関節を固定するものである。
【0022】
左右の脚部を適宜に回動制御することにより、ファンからの後流が2方向に広がるルーバーに直射されることで浮揚方向を変化させることが可能となる。
【0023】
本実施の形態によれば、ファン駆動用のアクチュエータを不要とできるため、ロボットの一層の軽量化を図ることができ、その構造の一層の簡素化、製造コストの廉価を図ることができる。
【0024】
さらに、上記するファンとしてダクト内にファンを装着してなるダクテッドファンを使用することにより、ファン傾斜時にファンと接続部材が干渉する虞や、あるいは、ロボット浮揚時にファンに空中浮遊障害物が衝突するといった危険を回避することができ、ロボットの浮揚安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上の説明から理解できるように、本発明の2足歩行ロボットによれば、左右の脚部に適宜のルーバーを装着した極めて簡素な構造によってロボットの浮揚方向を適宜に制御することが可能となり、その軽量化、小型化、低廉化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図であり、図2は図1のII−II矢視図である。図3は図1の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図4は図1の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図5はルーバーによる推力偏向を説明した図であり、図6は図1の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。図7は本発明の2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図であり、図8は図7のVIII−VIII矢視図である。図9は図7の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図10は図7の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図11は図7の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。図12は本発明の2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図であり、図13は図12のXIII−XIII矢視図である。図14はルーバーの他の実施の形態の斜視図である。図15は図12の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図であり、図16は図12の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図であり、図17は図12の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。なお、特に説明しない限り、2足歩行ロボットを構成する各部材は鋼製素材、アルミニウム合金、FRP等から形成されるものであり、板材同士を適宜の形状に溶接、接着あるいはボルト締めしたり、型鋼材を使用するなどして形成されるものである。
【0027】
図1,2は、本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図、側面図(矢視図)を示している。この2足歩行ロボット10は、鋼製で正面視が門形であり、左右の縦材11,12とそれらを繋ぐ水平材13とから構成される接続部材1と、縦材11,12の双方に固定された股関節2a,2bを介して前後方向に回動自在な脚部(上から、大腿部材3a,3b、膝関節6a1,6b1,下腿部材4a,4b、足首関節6a2,6b2,足部材5a,5b)と、接続部材1の水平材13の下方に回動自在に垂下されたダクテッドファン7と、から大略構成されている。
【0028】
ダクテッドファン7は、回転軸73回りを回転する複数のファン71,…と、このファン71,…を収容するダクト72とからなり、ダクト72と接続部材1の水平材13下面とがボールジョイント95を介して接続されている。この水平材13上には2つのサーボモータ91,92がその回転軸を右脚部(図1における左側脚部)と前方側に向けた姿勢で搭載されており、サーボモータ91はダクト72の右側面(図1の左側側面)と、サーボモータ92はダクト72の前方面とそれぞれカムリンク機構94,93を介して接続されている。
【0029】
脚部について右脚部(図1の左側脚部)を取り上げて説明すると、股関節2aは大腿部材3a〜足部材5aを前後方向に回動させるサーボモータ2a1を具備しており、大腿部材3aの内側、すなわち、大腿部材3bに対向する側面には、正面視が縦長の矩形で側面視が図2に示すごとく流線形状を呈する略平坦なルーバー8が固設されている。なお、図2には左脚部側のルーバー8が図示されている。
【0030】
図示する実施の形態では、膝関節6a1には関節用サーボモータ6a11、足首関節には関節用サーボモータ6a21が具備されているが、かかる関節用サーボモータを具備しない形態であってもよい。また、股関節2aには、サーボモータ2a1以外にも脚部を左右に回動させる別途のサーボモータが配置されていてもよい。
【0031】
なお、該ロボット10の歩行に際しては、図示しない公知の制御機構により、各サーボモータ2a1,2b1、6a11,6b11,6a21,6b21の回動制御が実行されることは勿論のことである。また、ファン71,…の回転動力手段の図示は省略しているが、サーボモータや油圧モータ、あるいは内燃機関など、適宜の動力手段を選定することができる。なお、いずれの動力手段を適用する場合でも、ファンの回転による推力によって該動力手段を搭載する2足歩行ロボットを浮揚させることのできる出力を最低限有する必要があることは勿論のことである。
【0032】
図示するように、水平材13にボールジョイント95を介して垂下されたダクテッドファン7は、左右の脚部の直上、より具体的には左右のルーバー8,8の直上に配設されており、ダクテッドファン7からの吹き出し流れがこのルーバー8,8に直射されるように構成されている。
【0033】
この2足歩行ロボット10の浮揚移動態様を図3〜6に基づいて説明する。
図3は2足歩行ロボット10が左右方向に浮揚移動している状況を示している。この移動は、不図示のジャイロセンサにて移動方向およびロボットの安定性を随時センシングしながらおこなわれるものであり、サーボモータ91を所定の回転角だけ回転させることによってダクテッドファン7を図示するX1方向に所定角度回動させ、ダクテッドファン7からの吹き出し流れY1を左右いずれかの大腿部材側面およびルーバー8に直射することによって左右横進推進力を発生させ、左右横進飛行をおこなわせることができる(例えば図3のZ1方向)。
【0034】
一方、図4は2足歩行ロボット10が前後方向に浮揚移動している状況を示している。この浮揚移動は、サーボモータ92を所定の回転角だけ回転させることによってダクテッドファン7を図示するX2方向に所定角度回動させ、ダクテッドファン7からの吹き出し流れY2を左右のルーバー8,8の一方面に直射させることにより実行される。
【0035】
ここで、本浮揚移動形態においてルーバーによる推力偏向を図5に基づいて説明する。
左右の脚部の回動に応じてルーバー8がファンの回転軸73に対して所定の回動角θだけ回動すると、ファンからの吹き出し流れY2の反作用としてファンには浮揚推力Fvが作用し、さらに、横方向推力Fhが生じる。ここで、回動角θが大きくなると、吹き出し流れY2によってルーバー8を下方へ押し下げようとする力も大きくなり、これと推力Fv,ロボット10の重量とのバランスでロボット10の降下、上昇が制御される。さらに、回動角θの変動に伴なって横方向推力Fhの大きさも変化し、横方向への移動速度の変化に繋がる。なお、かかるFv、Fh、ロボット重量相互の関係で、ロボットの昇降のみならず、斜め上下方向への移動およびその移動速度も同様に変化する。
【0036】
したがって、2足歩行ロボット10に搭載される不図示のGPS装置によってその位置の特定を遠方の管理棟にて随時おこないながら、ジャイロセンサによってその移動方向と姿勢安定をリアルタイムにセンシングしつつ、所望の方向へ移動させるべく推力(Fv、Fh)の調整をコントロール制御するものである。
【0037】
図6は、例えば2足歩行ロボット10を浮揚停止させた姿勢で回転させている状況を説明したものである。この回転は左右の股関節のサーボモータ2a1,2b1を逆方向に同期回動させることによってルーバー8,8を前後方向(図示するW1方向)に回動させることにより、ファンからの吹き出し流れY3によってロボット重心を回転軸とした旋転偶力を発生させることにより実現することができる。
【0038】
図7,8は、2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図とその側面図(矢視図)を示しており、その左右移動、前後移動、回転の各浮揚移動態様を図9〜11に示している。なお、本実施の形態では、ダクテッドファン7の2方向への回動の必要がないことから、ダクト72と接続部材1の水平材13とは一つの回転軸部材96を介して接続されていればよく、ボールジョイントによる接続の必要はない。
【0039】
この2足歩行ロボット10Aは、接続部材1に搭載するサーボモータをサーボモータ91の1基のみとした実施の形態である。
【0040】
本実施の形態においては、サーボモータが1基のみとなることでダクテッドファン7の回動方向が1方向のみとなるものの、その場合でも図9に示す左右方向への浮揚移動、図11に示す回転移動には何らの支障もなく2足歩行ロボット10と同様の移動を実現することができる。
【0041】
一方、2足歩行ロボット10Aを前後方向へ浮揚移動させる場合には、図10で示すように、ダクテッドファン7が回動しない代わりに、左右の脚部双方を揃えた姿勢で前方または後方へ所定の回動角にて回動制御することによって(W2方向)ファンからの吹き出し流れY2’による横方向推力が働き、図示する回動態様ではロボット10Aを前方向(Z2’方向)へ浮揚移動させることができる。
【0042】
図12,13は、2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図とその側面図(矢視図)を示している。
【0043】
この2足歩行ロボット10Bでは、左右の股関節2a'、2b’をダクテッドファン7のダクト72の側面に固設し、股関節2a'、2b’のそれぞれに2つのサーボモータ2a1,2a2(2b1,2b2),具体的には左右の脚部を前後方向に回動させるサーボモータ2a1,2b1と、その上方において、左右の脚部を左右方向に回動させるサーボモータ2a2,2b2が具備されている。
【0044】
また、左右の大腿部材3a,3bには、図14に示すように、2足歩行ロボット10,10Aと同様のルーバー8に対応する鉛直方向の扁平材81(第1のルーバー)とこの端側に固定され、該扁平材81に直交する扁平材82(第2のルーバー)とから構成されるルーバー8Aが装着されている。左右のルーバー8A,8Aは、ロボット歩行時の重心移動時の動作で干渉しない間隔で配設されている。直交する扁平材81、扁平材82からなるルーバー8Aを脚部に装着し、左右の脚部を前後方向、左右方向に回動させることで、直交2方向への推力偏向(1方向の推力偏向は図5にて説明)を発生させることができ、ダクテッドファンを直交2方向へ回動させることによってルーバー8に1方向の推力偏向を発生させて浮揚方向を調整するのと実質的に同様の浮揚方向調整が可能となる。
【0045】
本実施の形態は、ダクテッドファン7を回動不可とする代わりに、左右の脚部を前後、左右に回動自在とし、さらに、直交2方向に広がるルーバーを脚部に装着することで、図15〜17に示すような左右方向、前後方向、回転の各浮揚移動を実現するものである。ここで、ルーバー8Aを構成する扁平材81,82がダクテッドファン7から等距離位置にて配設されていることで、双方の扁平材81,82によって生じる横方向推力を同程度に調整することができる。
【0046】
具体的には、図15において、左右の脚部を左右方向(W3方向)に回動させることによってファンからの吹き出し流れY1’による横方向推力が働き、図示する回動態様ではロボット10Bを左方向(図における右方向でZ1方向)へ浮揚移動させることができる。また、図16においては図10と同様に、ロボット10Bを前方向(Z2’方向)へ浮揚移動させることができる。さらに、図17においては、左右の脚部を前後方向に交互に回動させることで(W1方向)、浮揚状態での回転が可能となる。
【実施例】
【0047】
発明者等は以下に示す小型の2足歩行ロボットの浮揚移動の可否を検証した。
試作された2足歩行ロボットは、φ100mm程度、重量が1N,1000Wの入力で推力20Nを発揮できる市販のダクテッドファンを使用し、1000Wを入力可能で重量が2N程度のブラシレスモータ、重量が2.5N程度でリチウムポリマーからなるバッテリーをファン動力手段とし、各種関節回動用のサーボモータおよびダクテッドファン回動用のサーボモータで、重量が0.2N/1基のサーボモータを10基程度使用し、その他、重量が0.3Nの比例制御用コントローラ(プロポーショナル)受信機、重量が0.3Nの該コントローラおよびサーボモータ用のリチウムポリマーバッテリ、重量が1Nの制御用マイコン、総重量が5Nの各種アクチュエータ接続部材を使用し、全重量が14N程度、全高数十cmの2足歩行ロボットである。
【0048】
上記2足歩行ロボットの推力の総重量に対する比率は1.42となり、浮揚に必要とされる比率:1.3を満足している。
【0049】
この2足歩行ロボットを移動制御した結果、その浮揚姿勢において、例えば図3,4,6に示す移動および回転を確実に実行することができる。
【0050】
上記する小型の2足歩行ロボットにCCDカメラを搭載しておくことで、例えば地震被災地の状態や地下坑壁深部の坑壁の状態、高層建物の上層壁のクラック状態などの撮影を短時間で撮影することが可能となる。また、接続部材に肩関節、腕関節を取り付け、推力を増大させることにより、各種高所作業を実行することも可能となる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の2足歩行ロボットの一実施の形態の正面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図4】図1の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図5】ルーバーによる推力偏向を説明した図である。
【図6】図1の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【図7】本発明の2足歩行ロボットの他の実施の形態の正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図である。
【図9】図7の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図10】図7の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図11】図7の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【図12】本発明の2足歩行ロボットのさらに他の実施の形態の正面図である。
【図13】図12のXIII−XIII矢視図である。
【図14】ルーバーの他の実施の形態の斜視図である。
【図15】図12の2足歩行ロボットの左右方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図16】図12の2足歩行ロボットの前後方向への浮揚移動状況を示した図である。
【図17】図12の2足歩行ロボットの浮揚回転状況を示した図である。
【符号の説明】
【0053】
1…接続部材、11,12…縦材、13…水平材、2a,2a’,2b,2b’…股関節、2a1,2b1…サーボモータ(駆動装置)、3a,3b…大腿部材、4a,4b…下腿部材、5a,5b…足部材、7…ダクテッドファン、71…ファン、72…ダクト、8,8A…ルーバー、81…扁平材(第1のルーバー)、82…扁平材(第2のルーバー)、91,92…サーボモータ(駆動装置)、93,94…カムリンク機構、95…ボールジョイント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着され、該股関節が接続部材に接続されてなる2足歩行ロボットにおいて、
前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置を備えており、
前記左右の脚部の双方には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、
ファンが第2の駆動装置を介してその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在とされ、かつ、ファンからの吹き出し流れが前記ルーバーに直射される接続部材位置に装着されており、
少なくとも前記股関節の動作に応じた前記ルーバーの傾斜によって浮揚方向が調整されることを特徴とする2足歩行ロボット。
【請求項2】
前記ファンが、第3の駆動装置を介して、前記する回動方向と直交する方向であって前記ロボットの進退方向にも回動自在であることを特徴とする請求項1に記載の2足歩行ロボット。
【請求項3】
2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着されてなる2足歩行ロボットにおいて、
前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置と、該左右の脚部を左右方向に回動させる第2の駆動装置と、を備えており、
前記左右の脚部の双方には、略平坦な第1のルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、
該第1のルーバーのうち、他方の脚部に対向する端側には、第1のルーバーに直交する方向に広がる略平坦な第2のルーバーが装着されており、
前記2つの股関節がファンに固設されるとともに、該ファンは前記左右の脚部の間の直上であってその吹き出し流れを前記ルーバーに直射できる位置に配設されており、
前記股関節の動作に応じて前記第1、第2のルーバーが傾斜し、浮揚方向が調整されることを特徴とする2足歩行ロボット。
【請求項4】
前記ファンがダクテッドファンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2足歩行ロボット。
【請求項1】
2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着され、該股関節が接続部材に接続されてなる2足歩行ロボットにおいて、
前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置を備えており、
前記左右の脚部の双方には、略平坦なルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、
ファンが第2の駆動装置を介してその回転軸を一方の脚部側から他方の脚部側へ回動自在とされ、かつ、ファンからの吹き出し流れが前記ルーバーに直射される接続部材位置に装着されており、
少なくとも前記股関節の動作に応じた前記ルーバーの傾斜によって浮揚方向が調整されることを特徴とする2足歩行ロボット。
【請求項2】
前記ファンが、第3の駆動装置を介して、前記する回動方向と直交する方向であって前記ロボットの進退方向にも回動自在であることを特徴とする請求項1に記載の2足歩行ロボット。
【請求項3】
2つの股関節のそれぞれに左右の脚部が装着されてなる2足歩行ロボットにおいて、
前記股関節は、前記ロボットを進退させるべく左右の脚部を前後方向に回動させる第1の駆動装置と、該左右の脚部を左右方向に回動させる第2の駆動装置と、を備えており、
前記左右の脚部の双方には、略平坦な第1のルーバーがその長手方向を脚部の長手方向に向けた姿勢で、かつ、一方の脚部における他方の脚部に対向する側面に装着されており、
該第1のルーバーのうち、他方の脚部に対向する端側には、第1のルーバーに直交する方向に広がる略平坦な第2のルーバーが装着されており、
前記2つの股関節がファンに固設されるとともに、該ファンは前記左右の脚部の間の直上であってその吹き出し流れを前記ルーバーに直射できる位置に配設されており、
前記股関節の動作に応じて前記第1、第2のルーバーが傾斜し、浮揚方向が調整されることを特徴とする2足歩行ロボット。
【請求項4】
前記ファンがダクテッドファンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2足歩行ロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−178953(P2008−178953A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15513(P2007−15513)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
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