2連式プレフィルドシリンジ
【課題】2連式プレフィルドシリンジであって、ガスケットへの連結プランジャーの装着を押し込みによりかつ高い圧力を負荷することなく行うことができるものを提供する。
【解決手段】2連式プレフィルドシリンジ1は、第1および第2のプレフィルドシリンジ本体2、3と、それらを並列状態に保持する保持部材5と、第1および第2のシャフト部41、42と、それらを基端部にて連結した連結プランジャー4とを有する。各プレフィルドシリンジ本体のガスケット22(32)は、本体23(33)とプランジャー装着用部材24(34)とからなり、装着用部材は、後端側の内側部より中心方向に斜めに延びる複数のプランジャー抜止用突出部75を備え、シャフト部は、プランジャー装着用部材内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部の外面に設けられ、プランジャー装着用部材のプランジャー抜止用突出部と係合する外面突起部46a(47a)を備えている。
【解決手段】2連式プレフィルドシリンジ1は、第1および第2のプレフィルドシリンジ本体2、3と、それらを並列状態に保持する保持部材5と、第1および第2のシャフト部41、42と、それらを基端部にて連結した連結プランジャー4とを有する。各プレフィルドシリンジ本体のガスケット22(32)は、本体23(33)とプランジャー装着用部材24(34)とからなり、装着用部材は、後端側の内側部より中心方向に斜めに延びる複数のプランジャー抜止用突出部75を備え、シャフト部は、プランジャー装着用部材内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部の外面に設けられ、プランジャー装着用部材のプランジャー抜止用突出部と係合する外面突起部46a(47a)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジを2本並列に配列した2連式プレフィルドシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
プレフィルドシリンジとして、2種類の薬液を同時に投与することが可能な2連式プレフィルドシリンジが提案されている。
2連式プレフィルドシリンジとしては、例えば、特開2003−341749(特許文献1)のものが提案されている。
この2連式プレフィルドシリンジでは、円筒体の先端部に注出口を設けて注射器状に形成された二つの円筒容器体2aを並列状に連結すると共に、該円筒容器体に沿ってラチェット部材4を前記連結部に立設して注出容器本体2を形成する一方で、二つの筒状をしたピストン3aを前記円筒容器体に挿入可能に並列状に連結すると共に、前記筒状ピストンに沿って操作レバー9を設けた支持体5を前記ピストンの連結部に立設してピストン体3を形成して、該ピストン体3を前記注出容器本体2に進退自在にして一体に結合すると共に、前支持体5に揺動可能に支持した操作レバー9先端に設けた係合歯9aを、前記ラチェット部材4のラチェット歯4aに係合せしめて、操作レバー9の揺動操作によりピストン体3を前進させて内溶液を同時に注出するように構成されている。
また、2連式プレフィルドシリンジとしては、特開2009−35289(特許文献2)のものが提案されている。
この2連式注出器では、種類の異なる内容物をそれぞれ充填する並列配置になる2つの空間領域を備えたシリンジと、このシリンジの各空間領域内にて摺動可能に配置され、内容物をシリンジの先端に設けた筒体に向けてそれぞれ押圧するピストンと、このピストンを支持するとともにその後端部分を鍔部にて一体連結して同期操作を可能としたプランジャーと、前記シリンジの先端部に配置され、シリンジの筒体を通して押し出された内容物を外界へ向けて排出する注出ノズルとを備え、前記注出ノズルに、シリンジの各筒体につながる通路を有するベースと、このベースの天壁に設けられ、ベースの各通路を合流させてその内部にて内容物の出側通路を形成する単一の細径筒体とを設け、前記注出ノズルの下部に、押圧による弾性変形を可能とし、かつ、シリンジの周りを取り囲んでその外側壁に着脱自在に連係する環状体を配置し、この環状体と前記注出ノズルのベースとを、対向配置した少なくとも2つの板状部材にて連結してなり、前記環状体の内側壁に対面するシリンジの外側壁に、環状体の弾性変形によって当接させその際の押圧力にて該環状体を注出ノズルとともにシリンジから離反する向きに滑動させる傾斜凸部を設けたものとなっている。
【0003】
また、プレフィルドシリンジでは、プランジャーがガスケットに装着されておらず、使用時に装着するタイプのものと、プランジャーが予めガスケットに装着されたタイプのものがある。
プランジャーがガスケットに装着されているタイプのプレフィルドシリンジは、先端開口がシールされた外筒内に薬剤を充填した状態とし、減圧下雰囲気(真空下雰囲気)にて、ガスケットを外筒の開口部に配置し、その後、常圧状態とすることにより、ガスケットを外筒内に挿入させるといういわゆる真空打栓といわれる方法を用いてガスケットを挿入した後、プランジャーをガスケットに装着することにより製造されている。プランジャーが装着済みでは、外筒の開口部へのガスケットの配置が困難であるため、また、減圧下雰囲気にする空間をプランジャーの分広くとらなければならなくなるため、ガスケット単体にて上記の打栓作業が行われる。このため、プレフィルドシリンジとしては、その後のプランジャー装着作業を必要とするのが一般的である。また、プランジャーがガスケットに装着されていないタイプのプレフィルドシリンジでは、使用時に使用者がプランジャーをガスケットに装着する作業を行うものとなる。
そして、プランジャーのガスケットへの装着時に、プランジャーをガスケットに圧入して装着すると、その圧力でガスケットまたは外筒のノズルから薬液が漏出することがある。そのため、プレフィルドシリンジでは、ガスケットとプランジャーの結合形態として、ガスケット側に雌ねじをプランジャー側に雄ねじを設けた螺合によるものが多く用いられている。
また、プレフィルドシリンジは、シリンジポンプに装着されて使用されるケースも多い。シリンジポンプへのプレフィルドシリンジのセットは、例えば、外筒の基端部に設けられているフランジをシリンジポンプのホルダーに装着し、プランジャーの基端に設けられている円盤部をシリンジポンプのスライダーの固定溝に装着される。そして、シリンジポンプの機種の中には、スライダーにプランジャーの軸方向リブを係合させるための縦スリットを有するものがあり、このような機種に対しては、スライダーの縦スリットにプランジャーのリブを適合させるためにプランジャーを回転させて微調整することが必要となる。上述したような、螺合によりプランジャーがガスケットに装着させるタイプのものでは、上記のプランジャーの回転操作により、両者の螺合が緩む場合がある。
【0004】
そして、国際公開WO2006/087762(特許文献3)には、ルアーテーパー部5が形成されたバレル2の内部を摺動自在に閉塞すると共に内周側に空洞部10を備えるガスケット3と、プランジャーロッド4とを備え、プランジャーロッド4は錨部11を介してガスケット3に連結されるものが提案されている。錨部11は、プランジャーロッド4の軸方向に直交する面に対して5〜45°の角度で傾いたテーパー面からなる台座部18から突出して形成されて、ガスケット3先端の裏面側に当接する先端当接部22を備えると共に、外周側に遊嵌されガスケット3の内周壁に当接する当接部材12を備える。台座部18は先端当接部22と前記テーパー面との間に凹曲面20を備え、当接部材12は、凹曲面20に対向する部分に凸曲面28aを備え、バレル2は、内面側に螺条7を形成したロック筒6を備えるものが提案されている。
また、特開2008−307237(特許文献4)では、内部に薬液が充填され、ガスケットが打栓されたプレフィルドシリンジであって、前記ガスケットの基端に螺合するカプラーと、前記カプラーの基端側より連結されるボトムロッドと、前記カプラーに形成されたストッパーと、前記ボトムロッドに形成された、前記ボトムロッドの螺合方向回転によって前記ストッパーと係合する係合部とを含み、前記ストッパーは、前記係合部に反螺合方向より当たると弾性変形して前記係合部と係合しないプレフィルドシリンジが提案されている。
また、本願出願人は、特開2009−142508(特許文献5)において、注射器を提案している。特許文献5の注射器10は、ガスケット3と外筒2とプランジャー4とを備える。そして、プランジャー4は、ヘッド部42の外面に設けられた螺旋状リブ44を備え、ガスケットは、螺旋状リブと螺合するための螺旋状螺合部33と、螺旋状螺合部33の付近かつ先端側に位置するプランジャー抜け止め用環状リブ34と、プランジャーのヘッド部の螺旋状リブ形成部位収納部32を備える。環状リブ34は、プランジャーの螺旋状リブとガスケットの螺旋状螺合部との螺合の進行により、環状リブに到達した螺旋状リブを収納部に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。
【0005】
そして、特許文献1および2のものでは、装着作業時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性が高い。また、プランジャーの装着後においても、プランジャー押圧時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性もある。
通常、プレフィルドシリンジは、減圧雰囲気下にて設定量の薬剤を充填し、ガスケットを真空(減圧)打栓することにより製造される。このような真空打栓によるガスケットの配置では、打栓時に充填される空気量に相違もあり、配置位置を正確に制御することは困難であり、特に、特許文献1および2のような2連式プレフィルドシリンジの場合、両者のガスケット位置を揃えること、すなわち第1のプレフィルドシリンジのガスケットの先端方向移動可能距離(具体的には、ガスケットの先端面が外筒本体部の先端内面と当接するまでの距離)と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの先端方向移動可能距離(具体的には、ガスケットの先端面が外筒本体部の先端内面と当接するまでの距離)が常に同じとなるようにガスケットを配置することは困難である。
また、特許文献4および5のものでは、プランジャーのガスケットへの装着のためにプランジャーを回転させる作業を必要とするため、本発明のような2連式プレフィルドシリンジに応用することができない。また、特許文献3のものでは、プランジャーのガスケットへの装着のためにプランジャーを回転させる作業を必要とせず、プランジャーの先端部をガスケットに押し込むことにより装着可能であるが、装着作業時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性があり、プランジャーの装着後においても、プランジャー押圧時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−341749
【特許文献2】特開2009−35289
【特許文献3】国際公開WO2006/087762
【特許文献4】特開2008−307237
【特許文献5】特開2009−142508
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、プレフィルドシリンジを2本並列に配列した2連式プレフィルドシリンジにおいて、第1のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第1のシャフト部の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第2のシャフト部の装着を連結プランジャーの押し込みにより行うことができ、かつ、ガスケットへの連結プランジャーの押し込み操作時に、ガスケットに高い圧力を負荷することなく行うことができ、さらに、第1のプレフィルドシリンジのガスケットの配置位置と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの配置位置にバラツキがあっても、連結プランジャーの操作によるシリンジ内の充填気体の排出操作を行うことにより調整が可能である2連式プレフィルドシリンジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒のノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とをそれぞれ備える第1のプレフィルドシリンジ本体および第2のプレフィルドシリンジ本体と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体を並列状態に保持する保持部材と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第1のシャフト部と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第2のシャフト部と、基端部において前記第1のシャフト部と前記第2のシャフト部を連結する連結部とを備え、前記ガスケットに装着可能な連結プランジャーとを有する2連式プレフィルドシリンジであって、
前記第1のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤とは異なる薬剤となっており、
さらに、前記各ガスケットは、内部に設けられた前記連結プランジャーの前記シャフト部への装着部を備え、前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットの前記装着部内に侵入可能な先端部と、前記先端部に設けられ、前記連結プランジャーを押し込むことにより、前記装着部と係合し、前記ガスケットからの前記シャフト部の離脱を規制する係合部とを備える2連式プレフィルドシリンジ。
【0009】
(2) 前記各ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられ、前記装着部を有するプランジャー装着用部材とを備え、
前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブを備え、
前記プランジャー装着用部材は、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体であり、前記ガスケット本体の前記プランジャー装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャー装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する外面突出部と、前記後端側の内側部より前記プランジャー装着用部材の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、前記プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部とを備え、
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットへの装着時において、前記ガスケットの後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャー装着用部材内に侵入可能な前記先端部と、該先端部の外面に設けられ、前記プランジャー装着用部材の前記プランジャー抜止用突出部と係合する前記係合部を構成する外面突起部とを備える上記(1)に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(3) 前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部のいずれか一方は、前記ガスケットに装着されており、他方は、前記ガスケットに完全に装着されていない状態となっている上記(1)または(2)に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(4) 前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体をそれぞれの前記ノズル部がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持するものであり、前記保持部材に保持された状態の前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部と前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部は、軸方向のほぼ同じ位置にて隣り合うように配置されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(5) 前記プランジャー装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャー装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャー装着用部材の外面突出部とが係合した状態で装着されており、かつ、前記プランジャーは、前記ガスケットへの装着時において、前記プランジャーの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(6) 前記連結プランジャーは、前記連結部より基端側に突出する押圧部を有している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(7) 前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部の自由端部分の先端側の面は、前記プランジャー装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、該自由端部分の先端側の面にて、プランジャー抜止用係止部が形成されており、さらに、前記プランジャーの外面突起部の後端側の面は、前記先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(8) 前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第1の開口部および前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第2の開口部を有する先端部を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(9) 前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、後端方向に押されたとき、前記自由端が、前記プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものである上記(2)ないし(8)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(10) 前記プランジャー装着用部材の他端は、前記ガスケット本体より突出しないものとなっている上記(2)ないし(9)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【発明の効果】
【0010】
本発明の2連式プレフィルドシリンジでは、第1および第2のプレフィルドシリンジ本体の各ガスケットは、内部に設けられた連結プランジャーのシャフト部への装着部を備え、連結プランジャーの第1のシャフト部および第2のシャフト部は、各ガスケットの装着部内に侵入可能な先端部と、先端部に設けられ、連結プランジャーを押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケットからのシャフト部の離脱を規制する係合部とを備えている。
このため、第1のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第1のシャフト部の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第2のシャフト部の装着を連結プランジャーの押し込みにより行うことができ、プランジャーを回転させる必要がない。さらに、連結プランジャーのガスケットへの装着時に、ガスケットに高い圧力を負荷することがなく、装着後のプランジャーからのガスケットの離脱を確実に抑制することができ、さらに、プランジャーを傾倒させてもガスケットに変形が生じることがなく、液漏れを生じにくい。また、第1のプレフィルドシリンジのガスケットの配置位置と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの配置位置にバラツキがあっても、連結プランジャーの操作によるシリンジ内の充填気体の排出操作を行うことにより位置調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例の2連式プレフィルドシリンジの正面図である。
【図2】図2は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの左側面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの平面図である。
【図5】図5は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの底面図である。
【図6】図6は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる外筒の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用される封止部材(シールキャップ)の拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用されるガスケットの拡大正面図である。
【図9】図9は、図8のB−B線断面図である。
【図10】図10は、図8に示したガスケットに使用されるガスケット装着用部材の正面図である。
【図11】図11は、図10のC−C線断面図である。
【図12】図12は、図10に示したガスケット装着用部材の平面図である。
【図13】図13は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる連結プランジャーの正面図である。
【図14】図14は、図13に示した連結プランジャーの斜視図である。
【図15】図15は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の断面図である。
【図17】図17は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図18】図18は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図19】図19は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図20】図20は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の2連式プレフィルドシリンジについて、図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の2連式プレフィルドシリンジ1は、外筒20(30)と、外筒20(30)内に摺動可能に収納されたガスケット22(32)と、外筒20(30)のノズル部25(35)を封止する封止部材28(38)と、外筒20(30)内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤29(39)とを備える第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3と、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3を並列状態に保持する保持部材5と、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着可能な第1のシャフト部41と、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に装着可能な第2のシャフト部42と、基端部において第1のシャフト部41と第2のシャフト部42を連結する連結部44とを備え、ガスケット22(32)に装着されたもしくは未装着状態の連結プランジャー4とを有する。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2に収納された薬剤29と、第2のプレフィルドシリンジ本体3に収納された薬剤39とは異なる薬剤となっている。
さらに、各ガスケット22(32)は、内部に設けられた連結プランジャ4のシャフト部41(42)の装着部を備え、連結プランジャー4の第1のシャフト部41および第2のシャフト部42は、各ガスケット22(32)の装着部内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部46(47)に設けられ、連結プランジャー4を押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケット22(32)からのシャフト部41(42)の離脱を規制する係合部とを備えている。
【0013】
本発明の2連式プレフィルドシリンジ1は、2連式プレフィルドシリンジ本体10と、これに装着される連結プランジャー4とからなる。
2連式プレフィルドシリンジ本体10は、第1のプレフィルドシリンジ本体2、第2のプレフィルドシリンジ本体3、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3を並列状態に保持する保持部材5とを有する。そして、この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャー4は、2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着されておらず、使用時に装着するものとなっている。
なお、2連式プレフィルドシリンジとしては、2連式プレフィルドシリンジ本体10に連結プランジャー4が、完全にもしくは不完全に装着された状態となっているものであってもよい。例えば、図17に示すような、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46および第2のシャフト部42の先端部47のいずれか一方が、ガスケットに装着されており、他方は、ガスケットに完全に装着されていない状態となっているものであってもよい。図17に示すものでは、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46が、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着されているが、第2のシャフト部42の先端部47は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32には、完全に装着されていない状態となっている。
また、この実施例の2連式プレフィルドシリンジは、封止部材を離脱した状態での連結プランジャー4の連結操作による充填気体の排出操作を行うことにより、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22への第1のシャフト部41の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32への第2のシャフト部42の装着が可能であり、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41が装着されかつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42が装着された状態において、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離は、ほぼ等しいものとなる。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、外筒20と、外筒20内に摺動可能に収納されたガスケット22と、外筒20の先端開口部を封止する封止部材28と、外筒20内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤29とからなる。同様に、第2のプレフィルドシリンジ本体3は、外筒30と、外筒30内に摺動可能に収納されたガスケット32と、外筒30の先端開口部を封止する封止部材38と、外筒30内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤39とからなる。
【0014】
そして、この実施例の2連式プレフィルドシリンジでは、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3は、同じ構成を有するものとなっている。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20と第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30は、同じ構成を有するものとなっている。なお、この実施例の2連式プレフィルドシリンジでは、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3は、同じ構成を有するものの第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の内径と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の内径は、異なるものとなっている。具体的には、外筒20の内径は、外筒30の内径より大きいものとなっている。そして、それに対応するように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の外径は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の外径より大きいものとなっている。さらに、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の長さと、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の長さも異なるものとなっている。具体的には、外筒20の長さは、外筒30より長いものとなっている。また、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3では、内部充填されている薬剤量も異なるものとなっている。具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、第2のプレフィルドシリンジ本体3より、内部容量も多く、充填されている薬剤量も多いものとなっている。
なお、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3としては、上述したような大きさの異なるものに限定されるものではなく、同じ大きさのものであってもよい。
【0015】
外筒20(30)は、図1ないし図6に示すように、外筒本体部21(31)と、外筒本体部21(31)の先端部に設けられたノズル部25(35)と、外筒本体部21(31)の後端部に設けられたフランジ26(36)を備える。
外筒本体部21(31)は、ガスケット22(32)を液密かつ摺動可能に収納するほぼ筒状の部分であり、ノズル部25(35)は、外筒本体部21(31)より小径の筒状部となっている。また、外筒本体部21(31)の先端部(肩部)は、ノズル部25(35)に向かってテーパー状に縮径している。外筒20(30)は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。
フランジ26(36)は、図1ないし図6に示すように、外筒本体部21(31)の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。フランジ26(36)は、向かい合う幅広となった2つの把持部を備え、さらに、把持部の先端面側には、複数のリブが形成されている。また、フランジ26(36)の後端面は、周縁および外筒後端部がリブ部分以外となる部分は凹部となっている。
ノズル部25(35)は、図6に示すように、先端に向かって縮径するものとなっている。また、本実施例では、外筒本体部21(31)は、ノズル部25(35)を被包するカラー部27(37)を備えており、カラー部27(37)の内面には、外筒側螺合部27a(37a)が形成されている。
【0016】
外筒20(30)の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。また、外筒20(30)の形成材料としては、密封性を高めるために、封止部材より相対的に硬度が高い樹脂を使用することが好ましい。このようにすると、ノズル部25(35)への封止部材28(38)の取り付けの際、螺合操作に伴って封止部材28(38)がノズル部25(35)に密着し、より密封性を高めることができる。
第1のプレフィルドシリンジ本体2内および第2のプレフィルドシリンジ本体3内は、異なる薬剤29、39が充填されている。使用される薬剤29、39としては、例えば、高濃度塩化ナトリウム注射液、ミネラル類、ヘパリンナトリウム水溶液、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正用電解質、抗ウイルス剤、免疫賦活剤等、いかなるものでも良い。特に、シリンジポンプにセットされて、持続的微量投与が必要である薬液が好ましい。
【0017】
次に、封止部材28,38について説明する。第1のプレフィルドシリンジ本体2の封止部材28と第2のプレフィルドシリンジ本体3の封止部材38は、同じ構成を有するものとなっている。
この実施例では、封止部材28,38は、図1、図3、図7に示すように、シールキャップとなっている。封止部材28(38)は、図7に示すように、閉塞部を有する本体部81と、本体部81より突出する筒状部82と、筒状部82の閉塞面に配置されたシール部材83とからなる。そして、筒状部82は、図3に示すように、外筒20(30)のノズル部25(35)の注射針装着用チップ部を収納するノズル部収納部となっており、その外面には、外筒20(30)のカラー部27(37)の内面に設けられた外筒側螺合部27a(37a)と螺合する封止部材側螺合部84が形成されている。この実施例では、封止部材側螺合部84,外筒側螺合部27a(37a)は、ともに2本の螺旋状のものとなっている。
シール部材83は、外筒のノズル部の先端面をシールするためのものである。シール部材の形成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を使用することが好ましい。
封止部材28(38)の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
【0018】
第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32は、若干第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の軸方向長が長い以外は、同じ構成を有するものとなっている。
ガスケット22(32)は、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部60を備えるガスケット本体23(33)と、ガスケット本体23(33)に取り付けられたプランジャー装着用部材24(34)とからなる。そして、ガスケット本体23とガスケット本体33も、同じ構成を有するものとなっており、同様に、プランジャー装着用部材24とプランジャー装着用部材34も同じ構成を有するものとなっている。
図8は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用されるガスケットの拡大正面図である。図9は、図8のB−B線断面図である。図10は、図8に示したガスケットに使用されるガスケット装着用部材の正面図である。図11は、図10のC−C線断面図である。図12は、図10に示したガスケット装着用部材の平面図である。
各ガスケット22、32は、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体23、33と、ガスケット本体23、33に取り付けられたプランジャー装着用部材24(34)とを備える。
ガスケット本体23(33)は、内腔部60の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62を備える。プランジャー装着用部材24(34)は、先端より後端まで貫通した中空部を有し、ガスケット本体23(33)の内腔部60内に収納可能な筒状体であり、外面に設けられ、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャー装着用部材24(34)のガスケット本体23(33)からの離脱を規制する外面突出部73と、後端側の内側部よりプランジャー装着用部材24(34)の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数の内部突出部であるプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fと、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端に形成されたプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとを備える。
【0019】
そして、ガスケット本体23(33)は、内腔部60を備え、この内腔部60が、プランジャー装着用部材の収納部となっている。内腔部60は、その内面に、内腔部60の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62を備える。この実施例では、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、内腔部60の先端側に設けられている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、ガスケット本体23(33)の中心軸にほぼ直交するように設けられた無端の環状リブとなっている。なお、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、環状リブであることが好ましいが、連続せず、かつ同じ円上に配置された複数のリブにより形成してもよい。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の先端面は、内腔部60の内面より起立する環状起立面62aとなっている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の後端面は、後端方向に拡径する環状傾斜面62bとなっている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、実質的に同じ内径にて所定長延びる同一内径部を備えることが好ましい。このような同一内径部を有することにより、プランジャーが後端側に引かれた時に、プランジャー装着用部材のガスケット本体からの離脱を確実に防止できる。プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の高さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の同一内径部の長さは、1.0〜6.0mmであることが好ましく、特に、2.0〜4.0mmであることが好ましい。
【0020】
さらに、ガスケット本体23(33)は、先端部内面の中央部に後端側に突出する突起部66を備えている。この突起部66は、ガスケット本体23(33)の先端部が後端側に変形したときに、プランジャー4の筒状先端部46(47)の先端に当接可能なものとなっており、ガスケット本体23(33)の先端部の過剰な変形を防止する。突起部66は、略半球状であることが好ましい。ガスケット本体23(33)は、直径が5〜30mm、全長が5〜30mm程度のものが一般的である。
ガスケット本体23(33)の構成材料としては、従来からガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌などの各種滅菌方法が採用可能であることから好ましい。
【0021】
また、ガスケット本体の先端側部分に低薬剤吸着性物質等を被覆したものであってもよい。
低薬物吸着層の材質としては、従来からラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。低薬物吸着層の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリパラキシリレンなどが挙げられる。具体的に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。
また、ガスケット本体23(33)の外面、少なくとも先端側環状リブ63および後端側環状リブ64の表面に潤滑剤の塗布を行うことが好ましい。また、潤滑剤は、外筒の内面に塗布してもよい。潤滑剤としては、シリコーンオイルが好適である。
また、ガスケット本体表面に、当該表面にて固化することにより形成されたシリコーン系樹脂層を設けることにより、シリコーンオイル等の潤滑剤を用いないものであってもよい。
【0022】
プランジャー装着用部材24(34)は、図3、図8ないし図12に示すように、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体である。プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)の内腔部60内に収納可能な本体部71と、本体部71の外面に設けられた外面突出部73と、弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fと、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端に形成されたプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとを備える。
外面突出部73は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャー装着用部材24(34)のガスケット本体23(33)からの離脱を規制するものである。この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、本体部71の先端部外面(具体的には、先端外面)に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸にほぼ直交する環状突出部となっている。そして、外面突出部(外面環状突出部)73の後端面は、本体部71の外面より起立する環状起立面73aとなっている。なお、外面突出部73としては、環状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突出部からなるものであってもよい。外面突出部73の高さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。そして、プランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73部分におけるプランジャー装着用部材24(34)の外径は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62における内径より、1.0〜4.0mm大きいものであることが好ましく、特に、2.0〜3.0mm大きいものであることが好ましい。
【0023】
また、プランジャー装着用部材24(34)は、プランジャー装着用部材24(34)(本体部71)の後端72側の内側部よりプランジャー装着用部材24(34)の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを備えている。そして、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端には、後述するプランジャー4の筒状先端部46(47)の外面に設けられた外面突起部46a(47a)と係合可能なプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fを備えている。本体部71は、ほぼ同一外径にて所長延びる円筒部であり、後述するプランジャー4の筒状先端部46(47)を収納する。
そして、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、プランジャー装着用部材24(34)(本体部71)の後端72側の内側部より、所定角度斜めに先端方向かつプランジャー装着用部材24(34)の中心方向に延びるものとなっている。また、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有し、かつ、自由端に向かって幅が狭くなっているものとなっている。特に、この実施例では、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、徐々に自由端に向かって幅が狭くなるものとなっている。
そして、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、プランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fは、プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端部分の先端側の面にて形成されている。プランジャー抜止用係止部(自由端部分の先端側の面)76a,76b,76c,76d,76e,76fは、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている。なお、ここでいうほぼ直交するとは、直交(90度)に対して、±20度未満の傾斜を含む概念であり、この実施例では、直交(90度)に対して、約10度傾斜している。複数のプランジャー抜止用突出部は、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸に対してほぼ等角度となるように2つ以上設けられていることが好ましい。特に、複数のプランジャー抜止用突出部の数としては、4〜8が好ましい。
【0024】
また、プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、弾性変形可能なものであり、後端方向に押されたとき、自由端が、プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものであり、先端方向に押されたとき、自由端が、プランジャー装着用部材の中心より離間する方向に変形するものとなっている。
さらに、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、プランジャー装着用部材24(34)の複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの後端側の面は、平滑かつプランジャー装着用部材中心方向に向かう傾斜面となっており、プランジャー4の係合部のプランジャー装着用部材の係止部との係合を誘導するための誘導部を形成している。また、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面は、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸をほぼ中心とする円弧面であることが好ましい。
そして、プランジャー装着用部材24(34)は、図9に示すように、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73とが係合した状態でガスケット本体23(33)に装着されている。また、ガスケット本体23(33)に装着されたプランジャー装着用部材24(34)は、その後端がガスケット本体23(33)より突出しないもの、言い換えれば、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)に装着された状態において、その基端が、ガスケット本体の基端より所定長先端側に位置するものとなっている。さらに、プランジャー装着用部材24(34)がガスケット本体23(33)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の本体部71は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と圧接せず、かつ、プランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73もガスケット本体23(33)の内腔部60の内面と圧接しないものとなっている。このため、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)に装着された状態において、内部に回転可能、若干の前後移動可能となっている。本体部71におけるプランジャー装着用部材24(34)の外径は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の内径より、1.0〜4.0mm大きいものであることが好ましく、特に、2.0〜3.0mm大きいものであることが好ましい。
プランジャー装着用部材24(34)の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
【0025】
次に、保持部材5について説明する。
図15は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の斜視図である。図16は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の断面図である。
保持部材5は、図1および図3に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3をそれぞれのノズル部25(35)がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持している。このため、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3は、それぞれのノズル部の先端位置が揃った状態かつ並列状態に保持されている。
保持部材5は、図1ないし図6、図15および図16に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2を収納する内面が略半筒状(言い換えれば、樋状)の第1のプレフィルドシリンジ本体収納部54と、第2のプレフィルドシリンジ本体3を収納する内面が略半筒状(言い換えれば、樋状)の第2のプレフィルドシリンジ本体収納部55と、収納部54と収納部55を区画する仕切部53とを有する本体部51と、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の先端部を収納する第1の先端部収納部56と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の先端部を収納する第2の先端部収納部57とを有する先端部52とを備えている。
【0026】
保持部材5は、トレー状のものとなっており、上面にほぼ平行に設けられた第1のプレフィルドシリンジ本体収納部54と第2のプレフィルドシリンジ本体収納部55を備えている。これら収納部54、55は、内面が略半筒状となっており、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の外筒本体部21(31)の外面形状に適応した形態となっており、外筒20(30)を実質的にがたつかない状態に収納する。また、外筒20(30)は、収納部54(55)に収納された状態では、両者がほぼ平行となるとともに、それぞれのフランジ26(36)を含む基端部は、収納部54(55)より突出するものとなっている。よって、収納部54(55)は、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の基端部を除く部分を収納するものとなっている。また、仕切部53は、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3を当接しないように離間させるものとなっている。
保持部材5の先端部52は、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の先端部を収納する第1の先端部収納部56と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の先端部を収納する第2の先端部収納部57とを有している。先端収納部56,57は、図15および図16に示すように、先端部52に設けられた貫通した開口部であり、それぞれ本体収納部54、55と連通するものとなっている。そして、この実施例では、図1および図3に示すように、外筒20(30)のカラー部27(37)を収納可能なものとなっている。そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3は、それぞれに装着された封止部材(シールキャップ)28(38)により、保持部材5からの離脱が防止されている。さらに、保持部材5は、図3、図15および図16に示すように、本体収納部54(55)と先端部収納部56(57)の境界部54a、55a(言い換えれば、先端部収納部56(57)の本体収納部54(55)側端面)により、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の本体部21(31)の先端肩部と当接する係止部が形成されており、保持部材5に収納されたプレフィルドシリンジ本体の先端方向の移動を規制している。
【0027】
保持部材5により保持された第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3のそれぞれのガスケット22、ガスケット32の先端部位置は、軸方向に若干ずれたものとなっている。このため、この状態では、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離が若干異なるものとなっている。具体的には、図3に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端位置より、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端位置は、シリンジの先端側に位置するものとなっており、この状態では、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離より、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離が若干短いものとなっている。このような状態は、意図的なものではなく、ガスケットを真空打栓により配置することにより生じるものであり、2つのガスケットの先端位置の相違差も個々により相違する可能性があり、場合によっては、相違差がなく2つのガスケットの先端位置が揃ったもとのなる場合もある。
そして、本発明の2連式プレフィルドシリンジ1では、後述する作用においても説明するように、封止部材(図1ないし図3に示す実施例では、封止部材28)を離脱した状態での連結プランジャー4の連結操作による充填気体の排出操作(具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の気体の排出操作)を行うことにより、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22への第1のシャフト部41の先端部46の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32への第2のシャフト部42の先端部47の装着が可能であり、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41の先端部46が装着されかつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42の先端部47が装着された状態(言い換えれば、連結プランジャー4が完全に装着された状態)において、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離をほぼ等しいものに調整可能となっている。
【0028】
次に、連結プランジャー4について説明する。
連結プランジャー4は、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着可能な第1のシャフト部41と、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に装着可能な第2のシャフト部42と、基端部において第1のシャフト部41と第2のシャフト部42を連結する連結部44とを備えている。
図13は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる連結プランジャーの正面図である。図14は、図13に示した連結プランジャーの斜視図である。
連結プランジャー4は、図1ないし図6、図13、図14に示すように、2本の第1のシャフト部41と第2のシャフト部42をほぼ平行状態にて、それらの基端部が連結部44により連結されるとともに、連結部44の第1のシャフト部41の基端と第2のシャフト部の基端部の中央部付近より、基端方向に突出する押圧部45を有するものとなっている。具体的には、押圧部45は、延長シャフト部43とその基端に設けられた押圧板により構成されている。なお、連結プランジャーとしては、上記のような延長シャフト部を有する押圧部を設けず、連結部44の基端面を押圧可能面とするものであってもよい。
シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、ガスケット本体23(33)の後端部67を押圧可能な押圧部48(49)と、押圧部48(49)より先端側に突出し、プランジャー装着用部材24(34)内に侵入可能な先端部(筒状先端部)46(47)と、筒状先端部46(47)の外面に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a,47aとを備えている。そして、この実施例のガスケット本体23(33)では、後端面(後端部)67には、複数のリブ68が設けられている。
そして、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73とが係合した状態で装着されており、かつ、シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の先端がガスケット本体23(33)の内面に接触しないものとなっている。
【0029】
シャフト部41(42)は、図1,図2、図3に示すように、ガスケット22(32)への装着時において、ガスケット22(32)の後端部(具体的には、ガスケット本体23(33)の後端部)を押圧可能な押圧部48(49)と、押圧部48(49)より先端側に突出し、プランジャー装着用部材24(34)の中空部内に侵入可能な先端部(筒状先端部)46(47)と、筒状先端部46(47)の外面に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a(47a)とを備えている。
シャフト部41(42)は、先端部46(47)をプランジャー装着用部材24(34)の中空部内に押し込むことにより、プランジャー装着用部材24(34)に装着可能となっている。また、シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、シャフト部41(42)の先端部46(47)がガスケット本体23(33)の内面に接触しないものとなっている。
押圧部48(49)は、シャフト部41(42)の先端に位置し、円盤状に形成されている。また、シャフト部41(42)は、図14に示すように十字状に形成されており、その先端に押圧部48(49)が設けられ、後端に連結部44が設けられ、一体化している。
連結プランジャー4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
【0030】
そして、この実施例の連結プランジャー4では、シャフト部41(42)のプランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a(47a)は、筒状先端部46(47)の先端部外面(具体的には、先端外面)に設けられ、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の中心軸にほぼ直交する環状外面突起部により形成されている。そして、外面突起部(外面環状突起部)46a(47a)の後端面は、筒状先端部46(47)の外面より起立する環状起立面となっている。なお、外面突起部46a(47a)としては、環状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突起部からなるものであってもよい。外面突起部46a(47a)の高さは、0.3〜1.5mmであることが好ましく、特に、0.5〜1.0mmであることが好ましい。そして、外面突起部46a(47a)部分における外径は、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面が形成する円の直径より、0.5〜3.0mm大きいものであることが好ましく、特に、1.0〜2.0mm大きいものであることが好ましい。
シャフト部41(42)の外面突起部46a(47a)を含む筒状先端部46(47)がプランジャー装着用部材24(34)の中空部に押し込まれることにより、外面突起部46a(47a)部分が、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させることにより、外面突起部46a(47a)部分は、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部46a(47a)の後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、シャフト部41(42)のプランジャー装着用部材24(34)からの離脱が規制される。
【0031】
また、この実施例の連結プランジャー4では、各シャフト部41(42)が、プランジャー装着用部材24(34)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面は、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の外面と接触している。また、プランジャー装着用部材24(34)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面はシャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の外面と圧接し、若干拡がる方向に押圧されたものであってもよい。このようにすることにより、ガスケットのガタツキが少ないものとなる。
また、この実施例のプレフィルドシリンジでは、図3に示すように、ガスケット22(32)は、外筒20(30)の基端より所定長先端側に位置し、装着されたシャフト部41(42)の押圧部48(49)が、外筒内に位置するものとなっている。このため、装着されたガスケットの傾きを抑制している。
【0032】
本発明の各ガスケットと連結プランジャーにおいては、各ガスケット22(32)は、内部に設けられた連結プランジャー4のシャフト部41(42)の装着部を備え、連結プランジャー4の第1のシャフト部41および第2のシャフト部42は、各ガスケット22(32)の装着部内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部46(47)に設けられ、連結プランジャー4を押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケット22(32)からのシャフト部41(42)の離脱を規制する係合部とを備えるものであればよく、上述した実施例のものに限定されるものではない。例えば、各ガスケットは、ガスケット本体とプランジャー装着用部材により構成されているものではなく、ガスケット単体により構成され、内部にプランジャー装着部を備えるものであってもよい。また、プランジャー装着用部材とシャフト部の先端部の係合部の構成も上述したものに限定されるものではない。
【0033】
次に、本発明の2連式プレフィルドシリンジ1の作用を図1、図3、図17ないし図20を用いて説明する。
この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、図1ないし図3に示すように、連結プランジャー4は、2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着されておらず、使用時に装着するものとなっている。そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、外筒20の後端部内にガスケット22を収納し、第2のプレフィルドシリンジ本体3は、外筒30の後端部内にガスケット32を収納している。
そして、連結プランジャー4の装着作業を行う。
連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46を外筒20内に、かつ、第2のシャフト部42の先端部47を外筒30内に挿入させ、各シャフト部41、42の先端部46、47をプランジャー装着用部材24、34の中空部内に進入させ、さらに、押し込む。この実施例のものでは、上記の連結プランジャー4の押し込みにより、図17に示すように、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46が、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に完全に装着されるが、第2のシャフト部42の先端部47は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32には、完全に装着されない状態となる。
具体的には、シャフト部41については、シャフト部41の先端部46の外面突起部46a部分が、プランジャー装着用部材24のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させることにより、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部46aの後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、連結プランジャー4のシャフト部41のプランジャー装着用部材24からの離脱が規制される。また、この実施例のシャフト部41では、プランジャー装着用部材24に装着された状態では、若干前後に移動可能となっている。
【0034】
また、シャフト部42については、図17に示すように、シャフト部42の先端部47の外面突起部47a部分が、プランジャー装着用部材34のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させたものの、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを完全に通過せず、連結プランジャー4のシャフト部42は、プランジャー装着用部材34には、完全に装着されていない。
そして、少なくとも連結プランジャーのシャフト部の先端部が、ガスケットに完全に装着されている側のプレフィルドシリンジの封止部材を取り外す。望ましくは、第1のプレフィルドシリンジ本体2の封止部材28および第2のプレフィルドシリンジの両者の封止部材38の両者を取り外す。
そして、封止部材を取り外した状態にて、連結プランジャー4の連結操作(プランジャー4の押圧操作)を行う。この押圧操作により、気体の排出操作(具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の気体の排出操作)が行われ、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22は、若干先端側に移動するとともに、第2のシャフト部42の先端部47も先端側に前進し、先端部47が、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部47aの後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、連結プランジャー4の第2のシャフト部42が、ガスケット32に完全に装着される。これにより、連結プランジャー4のシャフト部42のプランジャー装着用部材34からの離脱が規制される。また、この実施例のシャフト部42は、プランジャー装着用部材34に装着された状態では、若干前後に移動可能となっている。
【0035】
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41の先端部46が装着され、かつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42の先端部47が装着された状態(言い換えれば、連結プランジャー4が2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着された状態)において、必要により、連結プランジャー4を押圧し、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の残留気体および第2のプレフィルドシリンジ本体3内の気体を排出することにより、図18に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離は、ほぼ等しいものとなる。また、図19は、連結プランジャー4が2連式プレフィルドシリンジ本体10に完全に装着された状態の斜視図である。
この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャーの押し込み操作により、その装着を行うことができる。また、プランジャーは、スムーズにプランジャー装着用部材に挿入することができるので、ガスケット本体への衝撃が抑制され、装着操作時の液漏れを防止できる。また、装着後のプランジャーはプランジャー装着用部材24(34)により離脱しないものとなっている。
そして、この2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャー4の後端部、具体的には、押圧部45を押圧することにより、連結プランジャー4が移動し、それに伴い、第1のシャフト部41および第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22、第2のシャフト部42および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32が、同時に移動し、第1のプレフィルドシリンジ本体2内および第2のプレフィルドシリンジ本体3内の薬剤28,29が、同時に排出され、図20の状態に到達することにより、排出が終了する。
【符号の説明】
【0036】
1 2連式プレフィルドシリンジ
2 第1のプレフィルドシリンジ
3 第2のプレフィルドシリンジ
4 連結プランジャー
5 保持部材
41 第1のシャフト部
42 第2のシャフト部
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジを2本並列に配列した2連式プレフィルドシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
プレフィルドシリンジとして、2種類の薬液を同時に投与することが可能な2連式プレフィルドシリンジが提案されている。
2連式プレフィルドシリンジとしては、例えば、特開2003−341749(特許文献1)のものが提案されている。
この2連式プレフィルドシリンジでは、円筒体の先端部に注出口を設けて注射器状に形成された二つの円筒容器体2aを並列状に連結すると共に、該円筒容器体に沿ってラチェット部材4を前記連結部に立設して注出容器本体2を形成する一方で、二つの筒状をしたピストン3aを前記円筒容器体に挿入可能に並列状に連結すると共に、前記筒状ピストンに沿って操作レバー9を設けた支持体5を前記ピストンの連結部に立設してピストン体3を形成して、該ピストン体3を前記注出容器本体2に進退自在にして一体に結合すると共に、前支持体5に揺動可能に支持した操作レバー9先端に設けた係合歯9aを、前記ラチェット部材4のラチェット歯4aに係合せしめて、操作レバー9の揺動操作によりピストン体3を前進させて内溶液を同時に注出するように構成されている。
また、2連式プレフィルドシリンジとしては、特開2009−35289(特許文献2)のものが提案されている。
この2連式注出器では、種類の異なる内容物をそれぞれ充填する並列配置になる2つの空間領域を備えたシリンジと、このシリンジの各空間領域内にて摺動可能に配置され、内容物をシリンジの先端に設けた筒体に向けてそれぞれ押圧するピストンと、このピストンを支持するとともにその後端部分を鍔部にて一体連結して同期操作を可能としたプランジャーと、前記シリンジの先端部に配置され、シリンジの筒体を通して押し出された内容物を外界へ向けて排出する注出ノズルとを備え、前記注出ノズルに、シリンジの各筒体につながる通路を有するベースと、このベースの天壁に設けられ、ベースの各通路を合流させてその内部にて内容物の出側通路を形成する単一の細径筒体とを設け、前記注出ノズルの下部に、押圧による弾性変形を可能とし、かつ、シリンジの周りを取り囲んでその外側壁に着脱自在に連係する環状体を配置し、この環状体と前記注出ノズルのベースとを、対向配置した少なくとも2つの板状部材にて連結してなり、前記環状体の内側壁に対面するシリンジの外側壁に、環状体の弾性変形によって当接させその際の押圧力にて該環状体を注出ノズルとともにシリンジから離反する向きに滑動させる傾斜凸部を設けたものとなっている。
【0003】
また、プレフィルドシリンジでは、プランジャーがガスケットに装着されておらず、使用時に装着するタイプのものと、プランジャーが予めガスケットに装着されたタイプのものがある。
プランジャーがガスケットに装着されているタイプのプレフィルドシリンジは、先端開口がシールされた外筒内に薬剤を充填した状態とし、減圧下雰囲気(真空下雰囲気)にて、ガスケットを外筒の開口部に配置し、その後、常圧状態とすることにより、ガスケットを外筒内に挿入させるといういわゆる真空打栓といわれる方法を用いてガスケットを挿入した後、プランジャーをガスケットに装着することにより製造されている。プランジャーが装着済みでは、外筒の開口部へのガスケットの配置が困難であるため、また、減圧下雰囲気にする空間をプランジャーの分広くとらなければならなくなるため、ガスケット単体にて上記の打栓作業が行われる。このため、プレフィルドシリンジとしては、その後のプランジャー装着作業を必要とするのが一般的である。また、プランジャーがガスケットに装着されていないタイプのプレフィルドシリンジでは、使用時に使用者がプランジャーをガスケットに装着する作業を行うものとなる。
そして、プランジャーのガスケットへの装着時に、プランジャーをガスケットに圧入して装着すると、その圧力でガスケットまたは外筒のノズルから薬液が漏出することがある。そのため、プレフィルドシリンジでは、ガスケットとプランジャーの結合形態として、ガスケット側に雌ねじをプランジャー側に雄ねじを設けた螺合によるものが多く用いられている。
また、プレフィルドシリンジは、シリンジポンプに装着されて使用されるケースも多い。シリンジポンプへのプレフィルドシリンジのセットは、例えば、外筒の基端部に設けられているフランジをシリンジポンプのホルダーに装着し、プランジャーの基端に設けられている円盤部をシリンジポンプのスライダーの固定溝に装着される。そして、シリンジポンプの機種の中には、スライダーにプランジャーの軸方向リブを係合させるための縦スリットを有するものがあり、このような機種に対しては、スライダーの縦スリットにプランジャーのリブを適合させるためにプランジャーを回転させて微調整することが必要となる。上述したような、螺合によりプランジャーがガスケットに装着させるタイプのものでは、上記のプランジャーの回転操作により、両者の螺合が緩む場合がある。
【0004】
そして、国際公開WO2006/087762(特許文献3)には、ルアーテーパー部5が形成されたバレル2の内部を摺動自在に閉塞すると共に内周側に空洞部10を備えるガスケット3と、プランジャーロッド4とを備え、プランジャーロッド4は錨部11を介してガスケット3に連結されるものが提案されている。錨部11は、プランジャーロッド4の軸方向に直交する面に対して5〜45°の角度で傾いたテーパー面からなる台座部18から突出して形成されて、ガスケット3先端の裏面側に当接する先端当接部22を備えると共に、外周側に遊嵌されガスケット3の内周壁に当接する当接部材12を備える。台座部18は先端当接部22と前記テーパー面との間に凹曲面20を備え、当接部材12は、凹曲面20に対向する部分に凸曲面28aを備え、バレル2は、内面側に螺条7を形成したロック筒6を備えるものが提案されている。
また、特開2008−307237(特許文献4)では、内部に薬液が充填され、ガスケットが打栓されたプレフィルドシリンジであって、前記ガスケットの基端に螺合するカプラーと、前記カプラーの基端側より連結されるボトムロッドと、前記カプラーに形成されたストッパーと、前記ボトムロッドに形成された、前記ボトムロッドの螺合方向回転によって前記ストッパーと係合する係合部とを含み、前記ストッパーは、前記係合部に反螺合方向より当たると弾性変形して前記係合部と係合しないプレフィルドシリンジが提案されている。
また、本願出願人は、特開2009−142508(特許文献5)において、注射器を提案している。特許文献5の注射器10は、ガスケット3と外筒2とプランジャー4とを備える。そして、プランジャー4は、ヘッド部42の外面に設けられた螺旋状リブ44を備え、ガスケットは、螺旋状リブと螺合するための螺旋状螺合部33と、螺旋状螺合部33の付近かつ先端側に位置するプランジャー抜け止め用環状リブ34と、プランジャーのヘッド部の螺旋状リブ形成部位収納部32を備える。環状リブ34は、プランジャーの螺旋状リブとガスケットの螺旋状螺合部との螺合の進行により、環状リブに到達した螺旋状リブを収納部に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。
【0005】
そして、特許文献1および2のものでは、装着作業時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性が高い。また、プランジャーの装着後においても、プランジャー押圧時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性もある。
通常、プレフィルドシリンジは、減圧雰囲気下にて設定量の薬剤を充填し、ガスケットを真空(減圧)打栓することにより製造される。このような真空打栓によるガスケットの配置では、打栓時に充填される空気量に相違もあり、配置位置を正確に制御することは困難であり、特に、特許文献1および2のような2連式プレフィルドシリンジの場合、両者のガスケット位置を揃えること、すなわち第1のプレフィルドシリンジのガスケットの先端方向移動可能距離(具体的には、ガスケットの先端面が外筒本体部の先端内面と当接するまでの距離)と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの先端方向移動可能距離(具体的には、ガスケットの先端面が外筒本体部の先端内面と当接するまでの距離)が常に同じとなるようにガスケットを配置することは困難である。
また、特許文献4および5のものでは、プランジャーのガスケットへの装着のためにプランジャーを回転させる作業を必要とするため、本発明のような2連式プレフィルドシリンジに応用することができない。また、特許文献3のものでは、プランジャーのガスケットへの装着のためにプランジャーを回転させる作業を必要とせず、プランジャーの先端部をガスケットに押し込むことにより装着可能であるが、装着作業時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性があり、プランジャーの装着後においても、プランジャー押圧時にプランジャーの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−341749
【特許文献2】特開2009−35289
【特許文献3】国際公開WO2006/087762
【特許文献4】特開2008−307237
【特許文献5】特開2009−142508
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、プレフィルドシリンジを2本並列に配列した2連式プレフィルドシリンジにおいて、第1のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第1のシャフト部の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第2のシャフト部の装着を連結プランジャーの押し込みにより行うことができ、かつ、ガスケットへの連結プランジャーの押し込み操作時に、ガスケットに高い圧力を負荷することなく行うことができ、さらに、第1のプレフィルドシリンジのガスケットの配置位置と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの配置位置にバラツキがあっても、連結プランジャーの操作によるシリンジ内の充填気体の排出操作を行うことにより調整が可能である2連式プレフィルドシリンジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒のノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とをそれぞれ備える第1のプレフィルドシリンジ本体および第2のプレフィルドシリンジ本体と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体を並列状態に保持する保持部材と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第1のシャフト部と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第2のシャフト部と、基端部において前記第1のシャフト部と前記第2のシャフト部を連結する連結部とを備え、前記ガスケットに装着可能な連結プランジャーとを有する2連式プレフィルドシリンジであって、
前記第1のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤とは異なる薬剤となっており、
さらに、前記各ガスケットは、内部に設けられた前記連結プランジャーの前記シャフト部への装着部を備え、前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットの前記装着部内に侵入可能な先端部と、前記先端部に設けられ、前記連結プランジャーを押し込むことにより、前記装着部と係合し、前記ガスケットからの前記シャフト部の離脱を規制する係合部とを備える2連式プレフィルドシリンジ。
【0009】
(2) 前記各ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられ、前記装着部を有するプランジャー装着用部材とを備え、
前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブを備え、
前記プランジャー装着用部材は、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体であり、前記ガスケット本体の前記プランジャー装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャー装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する外面突出部と、前記後端側の内側部より前記プランジャー装着用部材の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、前記プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部とを備え、
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットへの装着時において、前記ガスケットの後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャー装着用部材内に侵入可能な前記先端部と、該先端部の外面に設けられ、前記プランジャー装着用部材の前記プランジャー抜止用突出部と係合する前記係合部を構成する外面突起部とを備える上記(1)に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(3) 前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部のいずれか一方は、前記ガスケットに装着されており、他方は、前記ガスケットに完全に装着されていない状態となっている上記(1)または(2)に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(4) 前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体をそれぞれの前記ノズル部がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持するものであり、前記保持部材に保持された状態の前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部と前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部は、軸方向のほぼ同じ位置にて隣り合うように配置されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(5) 前記プランジャー装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャー装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャー装着用部材の外面突出部とが係合した状態で装着されており、かつ、前記プランジャーは、前記ガスケットへの装着時において、前記プランジャーの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(6) 前記連結プランジャーは、前記連結部より基端側に突出する押圧部を有している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(7) 前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部の自由端部分の先端側の面は、前記プランジャー装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、該自由端部分の先端側の面にて、プランジャー抜止用係止部が形成されており、さらに、前記プランジャーの外面突起部の後端側の面は、前記先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(8) 前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第1の開口部および前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第2の開口部を有する先端部を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(9) 前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、後端方向に押されたとき、前記自由端が、前記プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものである上記(2)ないし(8)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
(10) 前記プランジャー装着用部材の他端は、前記ガスケット本体より突出しないものとなっている上記(2)ないし(9)のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【発明の効果】
【0010】
本発明の2連式プレフィルドシリンジでは、第1および第2のプレフィルドシリンジ本体の各ガスケットは、内部に設けられた連結プランジャーのシャフト部への装着部を備え、連結プランジャーの第1のシャフト部および第2のシャフト部は、各ガスケットの装着部内に侵入可能な先端部と、先端部に設けられ、連結プランジャーを押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケットからのシャフト部の離脱を規制する係合部とを備えている。
このため、第1のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第1のシャフト部の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットへの第2のシャフト部の装着を連結プランジャーの押し込みにより行うことができ、プランジャーを回転させる必要がない。さらに、連結プランジャーのガスケットへの装着時に、ガスケットに高い圧力を負荷することがなく、装着後のプランジャーからのガスケットの離脱を確実に抑制することができ、さらに、プランジャーを傾倒させてもガスケットに変形が生じることがなく、液漏れを生じにくい。また、第1のプレフィルドシリンジのガスケットの配置位置と第2のプレフィルドシリンジ本体のガスケットの配置位置にバラツキがあっても、連結プランジャーの操作によるシリンジ内の充填気体の排出操作を行うことにより位置調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例の2連式プレフィルドシリンジの正面図である。
【図2】図2は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの左側面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの平面図である。
【図5】図5は、図1に示した2連式プレフィルドシリンジの底面図である。
【図6】図6は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる外筒の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用される封止部材(シールキャップ)の拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用されるガスケットの拡大正面図である。
【図9】図9は、図8のB−B線断面図である。
【図10】図10は、図8に示したガスケットに使用されるガスケット装着用部材の正面図である。
【図11】図11は、図10のC−C線断面図である。
【図12】図12は、図10に示したガスケット装着用部材の平面図である。
【図13】図13は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる連結プランジャーの正面図である。
【図14】図14は、図13に示した連結プランジャーの斜視図である。
【図15】図15は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の断面図である。
【図17】図17は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図18】図18は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図19】図19は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【図20】図20は、本発明の2連式プレフィルドシリンジの作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の2連式プレフィルドシリンジについて、図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の2連式プレフィルドシリンジ1は、外筒20(30)と、外筒20(30)内に摺動可能に収納されたガスケット22(32)と、外筒20(30)のノズル部25(35)を封止する封止部材28(38)と、外筒20(30)内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤29(39)とを備える第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3と、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3を並列状態に保持する保持部材5と、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着可能な第1のシャフト部41と、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に装着可能な第2のシャフト部42と、基端部において第1のシャフト部41と第2のシャフト部42を連結する連結部44とを備え、ガスケット22(32)に装着されたもしくは未装着状態の連結プランジャー4とを有する。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2に収納された薬剤29と、第2のプレフィルドシリンジ本体3に収納された薬剤39とは異なる薬剤となっている。
さらに、各ガスケット22(32)は、内部に設けられた連結プランジャ4のシャフト部41(42)の装着部を備え、連結プランジャー4の第1のシャフト部41および第2のシャフト部42は、各ガスケット22(32)の装着部内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部46(47)に設けられ、連結プランジャー4を押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケット22(32)からのシャフト部41(42)の離脱を規制する係合部とを備えている。
【0013】
本発明の2連式プレフィルドシリンジ1は、2連式プレフィルドシリンジ本体10と、これに装着される連結プランジャー4とからなる。
2連式プレフィルドシリンジ本体10は、第1のプレフィルドシリンジ本体2、第2のプレフィルドシリンジ本体3、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3を並列状態に保持する保持部材5とを有する。そして、この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャー4は、2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着されておらず、使用時に装着するものとなっている。
なお、2連式プレフィルドシリンジとしては、2連式プレフィルドシリンジ本体10に連結プランジャー4が、完全にもしくは不完全に装着された状態となっているものであってもよい。例えば、図17に示すような、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46および第2のシャフト部42の先端部47のいずれか一方が、ガスケットに装着されており、他方は、ガスケットに完全に装着されていない状態となっているものであってもよい。図17に示すものでは、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46が、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着されているが、第2のシャフト部42の先端部47は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32には、完全に装着されていない状態となっている。
また、この実施例の2連式プレフィルドシリンジは、封止部材を離脱した状態での連結プランジャー4の連結操作による充填気体の排出操作を行うことにより、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22への第1のシャフト部41の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32への第2のシャフト部42の装着が可能であり、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41が装着されかつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42が装着された状態において、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離は、ほぼ等しいものとなる。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、外筒20と、外筒20内に摺動可能に収納されたガスケット22と、外筒20の先端開口部を封止する封止部材28と、外筒20内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤29とからなる。同様に、第2のプレフィルドシリンジ本体3は、外筒30と、外筒30内に摺動可能に収納されたガスケット32と、外筒30の先端開口部を封止する封止部材38と、外筒30内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤39とからなる。
【0014】
そして、この実施例の2連式プレフィルドシリンジでは、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3は、同じ構成を有するものとなっている。
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20と第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30は、同じ構成を有するものとなっている。なお、この実施例の2連式プレフィルドシリンジでは、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3は、同じ構成を有するものの第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の内径と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の内径は、異なるものとなっている。具体的には、外筒20の内径は、外筒30の内径より大きいものとなっている。そして、それに対応するように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の外径は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の外径より大きいものとなっている。さらに、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の長さと、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の長さも異なるものとなっている。具体的には、外筒20の長さは、外筒30より長いものとなっている。また、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3では、内部充填されている薬剤量も異なるものとなっている。具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、第2のプレフィルドシリンジ本体3より、内部容量も多く、充填されている薬剤量も多いものとなっている。
なお、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3としては、上述したような大きさの異なるものに限定されるものではなく、同じ大きさのものであってもよい。
【0015】
外筒20(30)は、図1ないし図6に示すように、外筒本体部21(31)と、外筒本体部21(31)の先端部に設けられたノズル部25(35)と、外筒本体部21(31)の後端部に設けられたフランジ26(36)を備える。
外筒本体部21(31)は、ガスケット22(32)を液密かつ摺動可能に収納するほぼ筒状の部分であり、ノズル部25(35)は、外筒本体部21(31)より小径の筒状部となっている。また、外筒本体部21(31)の先端部(肩部)は、ノズル部25(35)に向かってテーパー状に縮径している。外筒20(30)は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。
フランジ26(36)は、図1ないし図6に示すように、外筒本体部21(31)の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。フランジ26(36)は、向かい合う幅広となった2つの把持部を備え、さらに、把持部の先端面側には、複数のリブが形成されている。また、フランジ26(36)の後端面は、周縁および外筒後端部がリブ部分以外となる部分は凹部となっている。
ノズル部25(35)は、図6に示すように、先端に向かって縮径するものとなっている。また、本実施例では、外筒本体部21(31)は、ノズル部25(35)を被包するカラー部27(37)を備えており、カラー部27(37)の内面には、外筒側螺合部27a(37a)が形成されている。
【0016】
外筒20(30)の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。また、外筒20(30)の形成材料としては、密封性を高めるために、封止部材より相対的に硬度が高い樹脂を使用することが好ましい。このようにすると、ノズル部25(35)への封止部材28(38)の取り付けの際、螺合操作に伴って封止部材28(38)がノズル部25(35)に密着し、より密封性を高めることができる。
第1のプレフィルドシリンジ本体2内および第2のプレフィルドシリンジ本体3内は、異なる薬剤29、39が充填されている。使用される薬剤29、39としては、例えば、高濃度塩化ナトリウム注射液、ミネラル類、ヘパリンナトリウム水溶液、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正用電解質、抗ウイルス剤、免疫賦活剤等、いかなるものでも良い。特に、シリンジポンプにセットされて、持続的微量投与が必要である薬液が好ましい。
【0017】
次に、封止部材28,38について説明する。第1のプレフィルドシリンジ本体2の封止部材28と第2のプレフィルドシリンジ本体3の封止部材38は、同じ構成を有するものとなっている。
この実施例では、封止部材28,38は、図1、図3、図7に示すように、シールキャップとなっている。封止部材28(38)は、図7に示すように、閉塞部を有する本体部81と、本体部81より突出する筒状部82と、筒状部82の閉塞面に配置されたシール部材83とからなる。そして、筒状部82は、図3に示すように、外筒20(30)のノズル部25(35)の注射針装着用チップ部を収納するノズル部収納部となっており、その外面には、外筒20(30)のカラー部27(37)の内面に設けられた外筒側螺合部27a(37a)と螺合する封止部材側螺合部84が形成されている。この実施例では、封止部材側螺合部84,外筒側螺合部27a(37a)は、ともに2本の螺旋状のものとなっている。
シール部材83は、外筒のノズル部の先端面をシールするためのものである。シール部材の形成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を使用することが好ましい。
封止部材28(38)の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
【0018】
第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32は、若干第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の軸方向長が長い以外は、同じ構成を有するものとなっている。
ガスケット22(32)は、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部60を備えるガスケット本体23(33)と、ガスケット本体23(33)に取り付けられたプランジャー装着用部材24(34)とからなる。そして、ガスケット本体23とガスケット本体33も、同じ構成を有するものとなっており、同様に、プランジャー装着用部材24とプランジャー装着用部材34も同じ構成を有するものとなっている。
図8は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに使用されるガスケットの拡大正面図である。図9は、図8のB−B線断面図である。図10は、図8に示したガスケットに使用されるガスケット装着用部材の正面図である。図11は、図10のC−C線断面図である。図12は、図10に示したガスケット装着用部材の平面図である。
各ガスケット22、32は、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体23、33と、ガスケット本体23、33に取り付けられたプランジャー装着用部材24(34)とを備える。
ガスケット本体23(33)は、内腔部60の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62を備える。プランジャー装着用部材24(34)は、先端より後端まで貫通した中空部を有し、ガスケット本体23(33)の内腔部60内に収納可能な筒状体であり、外面に設けられ、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャー装着用部材24(34)のガスケット本体23(33)からの離脱を規制する外面突出部73と、後端側の内側部よりプランジャー装着用部材24(34)の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数の内部突出部であるプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fと、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端に形成されたプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとを備える。
【0019】
そして、ガスケット本体23(33)は、内腔部60を備え、この内腔部60が、プランジャー装着用部材の収納部となっている。内腔部60は、その内面に、内腔部60の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62を備える。この実施例では、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、内腔部60の先端側に設けられている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、ガスケット本体23(33)の中心軸にほぼ直交するように設けられた無端の環状リブとなっている。なお、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、環状リブであることが好ましいが、連続せず、かつ同じ円上に配置された複数のリブにより形成してもよい。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の先端面は、内腔部60の内面より起立する環状起立面62aとなっている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の後端面は、後端方向に拡径する環状傾斜面62bとなっている。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62は、実質的に同じ内径にて所定長延びる同一内径部を備えることが好ましい。このような同一内径部を有することにより、プランジャーが後端側に引かれた時に、プランジャー装着用部材のガスケット本体からの離脱を確実に防止できる。プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の高さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。また、プランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の同一内径部の長さは、1.0〜6.0mmであることが好ましく、特に、2.0〜4.0mmであることが好ましい。
【0020】
さらに、ガスケット本体23(33)は、先端部内面の中央部に後端側に突出する突起部66を備えている。この突起部66は、ガスケット本体23(33)の先端部が後端側に変形したときに、プランジャー4の筒状先端部46(47)の先端に当接可能なものとなっており、ガスケット本体23(33)の先端部の過剰な変形を防止する。突起部66は、略半球状であることが好ましい。ガスケット本体23(33)は、直径が5〜30mm、全長が5〜30mm程度のものが一般的である。
ガスケット本体23(33)の構成材料としては、従来からガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌などの各種滅菌方法が採用可能であることから好ましい。
【0021】
また、ガスケット本体の先端側部分に低薬剤吸着性物質等を被覆したものであってもよい。
低薬物吸着層の材質としては、従来からラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。低薬物吸着層の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリパラキシリレンなどが挙げられる。具体的に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。
また、ガスケット本体23(33)の外面、少なくとも先端側環状リブ63および後端側環状リブ64の表面に潤滑剤の塗布を行うことが好ましい。また、潤滑剤は、外筒の内面に塗布してもよい。潤滑剤としては、シリコーンオイルが好適である。
また、ガスケット本体表面に、当該表面にて固化することにより形成されたシリコーン系樹脂層を設けることにより、シリコーンオイル等の潤滑剤を用いないものであってもよい。
【0022】
プランジャー装着用部材24(34)は、図3、図8ないし図12に示すように、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体である。プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)の内腔部60内に収納可能な本体部71と、本体部71の外面に設けられた外面突出部73と、弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fと、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端に形成されたプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとを備える。
外面突出部73は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャー装着用部材24(34)のガスケット本体23(33)からの離脱を規制するものである。この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、本体部71の先端部外面(具体的には、先端外面)に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸にほぼ直交する環状突出部となっている。そして、外面突出部(外面環状突出部)73の後端面は、本体部71の外面より起立する環状起立面73aとなっている。なお、外面突出部73としては、環状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突出部からなるものであってもよい。外面突出部73の高さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。そして、プランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73部分におけるプランジャー装着用部材24(34)の外径は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62における内径より、1.0〜4.0mm大きいものであることが好ましく、特に、2.0〜3.0mm大きいものであることが好ましい。
【0023】
また、プランジャー装着用部材24(34)は、プランジャー装着用部材24(34)(本体部71)の後端72側の内側部よりプランジャー装着用部材24(34)の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを備えている。そして、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端には、後述するプランジャー4の筒状先端部46(47)の外面に設けられた外面突起部46a(47a)と係合可能なプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fを備えている。本体部71は、ほぼ同一外径にて所長延びる円筒部であり、後述するプランジャー4の筒状先端部46(47)を収納する。
そして、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、プランジャー装着用部材24(34)(本体部71)の後端72側の内側部より、所定角度斜めに先端方向かつプランジャー装着用部材24(34)の中心方向に延びるものとなっている。また、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有し、かつ、自由端に向かって幅が狭くなっているものとなっている。特に、この実施例では、各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fは、徐々に自由端に向かって幅が狭くなるものとなっている。
そして、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、プランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fは、プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端部分の先端側の面にて形成されている。プランジャー抜止用係止部(自由端部分の先端側の面)76a,76b,76c,76d,76e,76fは、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている。なお、ここでいうほぼ直交するとは、直交(90度)に対して、±20度未満の傾斜を含む概念であり、この実施例では、直交(90度)に対して、約10度傾斜している。複数のプランジャー抜止用突出部は、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸に対してほぼ等角度となるように2つ以上設けられていることが好ましい。特に、複数のプランジャー抜止用突出部の数としては、4〜8が好ましい。
【0024】
また、プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、弾性変形可能なものであり、後端方向に押されたとき、自由端が、プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものであり、先端方向に押されたとき、自由端が、プランジャー装着用部材の中心より離間する方向に変形するものとなっている。
さらに、この実施例のプランジャー装着用部材24(34)では、プランジャー装着用部材24(34)の複数のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの後端側の面は、平滑かつプランジャー装着用部材中心方向に向かう傾斜面となっており、プランジャー4の係合部のプランジャー装着用部材の係止部との係合を誘導するための誘導部を形成している。また、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面は、プランジャー装着用部材24(34)の中心軸をほぼ中心とする円弧面であることが好ましい。
そして、プランジャー装着用部材24(34)は、図9に示すように、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73とが係合した状態でガスケット本体23(33)に装着されている。また、ガスケット本体23(33)に装着されたプランジャー装着用部材24(34)は、その後端がガスケット本体23(33)より突出しないもの、言い換えれば、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)に装着された状態において、その基端が、ガスケット本体の基端より所定長先端側に位置するものとなっている。さらに、プランジャー装着用部材24(34)がガスケット本体23(33)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の本体部71は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62と圧接せず、かつ、プランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73もガスケット本体23(33)の内腔部60の内面と圧接しないものとなっている。このため、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)に装着された状態において、内部に回転可能、若干の前後移動可能となっている。本体部71におけるプランジャー装着用部材24(34)の外径は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62の内径より、1.0〜4.0mm大きいものであることが好ましく、特に、2.0〜3.0mm大きいものであることが好ましい。
プランジャー装着用部材24(34)の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
【0025】
次に、保持部材5について説明する。
図15は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の斜視図である。図16は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる保持部材の断面図である。
保持部材5は、図1および図3に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3をそれぞれのノズル部25(35)がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持している。このため、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3は、それぞれのノズル部の先端位置が揃った状態かつ並列状態に保持されている。
保持部材5は、図1ないし図6、図15および図16に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2を収納する内面が略半筒状(言い換えれば、樋状)の第1のプレフィルドシリンジ本体収納部54と、第2のプレフィルドシリンジ本体3を収納する内面が略半筒状(言い換えれば、樋状)の第2のプレフィルドシリンジ本体収納部55と、収納部54と収納部55を区画する仕切部53とを有する本体部51と、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の先端部を収納する第1の先端部収納部56と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の先端部を収納する第2の先端部収納部57とを有する先端部52とを備えている。
【0026】
保持部材5は、トレー状のものとなっており、上面にほぼ平行に設けられた第1のプレフィルドシリンジ本体収納部54と第2のプレフィルドシリンジ本体収納部55を備えている。これら収納部54、55は、内面が略半筒状となっており、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の外筒本体部21(31)の外面形状に適応した形態となっており、外筒20(30)を実質的にがたつかない状態に収納する。また、外筒20(30)は、収納部54(55)に収納された状態では、両者がほぼ平行となるとともに、それぞれのフランジ26(36)を含む基端部は、収納部54(55)より突出するものとなっている。よって、収納部54(55)は、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の基端部を除く部分を収納するものとなっている。また、仕切部53は、第1のプレフィルドシリンジ本体2と第2のプレフィルドシリンジ本体3を当接しないように離間させるものとなっている。
保持部材5の先端部52は、第1のプレフィルドシリンジ本体2の外筒20の先端部を収納する第1の先端部収納部56と、第2のプレフィルドシリンジ本体3の外筒30の先端部を収納する第2の先端部収納部57とを有している。先端収納部56,57は、図15および図16に示すように、先端部52に設けられた貫通した開口部であり、それぞれ本体収納部54、55と連通するものとなっている。そして、この実施例では、図1および図3に示すように、外筒20(30)のカラー部27(37)を収納可能なものとなっている。そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3は、それぞれに装着された封止部材(シールキャップ)28(38)により、保持部材5からの離脱が防止されている。さらに、保持部材5は、図3、図15および図16に示すように、本体収納部54(55)と先端部収納部56(57)の境界部54a、55a(言い換えれば、先端部収納部56(57)の本体収納部54(55)側端面)により、シリンジ本体2(3)の外筒20(30)の本体部21(31)の先端肩部と当接する係止部が形成されており、保持部材5に収納されたプレフィルドシリンジ本体の先端方向の移動を規制している。
【0027】
保持部材5により保持された第1のプレフィルドシリンジ本体2および第2のプレフィルドシリンジ本体3のそれぞれのガスケット22、ガスケット32の先端部位置は、軸方向に若干ずれたものとなっている。このため、この状態では、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離が若干異なるものとなっている。具体的には、図3に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端位置より、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端位置は、シリンジの先端側に位置するものとなっており、この状態では、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離より、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離が若干短いものとなっている。このような状態は、意図的なものではなく、ガスケットを真空打栓により配置することにより生じるものであり、2つのガスケットの先端位置の相違差も個々により相違する可能性があり、場合によっては、相違差がなく2つのガスケットの先端位置が揃ったもとのなる場合もある。
そして、本発明の2連式プレフィルドシリンジ1では、後述する作用においても説明するように、封止部材(図1ないし図3に示す実施例では、封止部材28)を離脱した状態での連結プランジャー4の連結操作による充填気体の排出操作(具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の気体の排出操作)を行うことにより、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22への第1のシャフト部41の先端部46の装着および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32への第2のシャフト部42の先端部47の装着が可能であり、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41の先端部46が装着されかつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42の先端部47が装着された状態(言い換えれば、連結プランジャー4が完全に装着された状態)において、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離をほぼ等しいものに調整可能となっている。
【0028】
次に、連結プランジャー4について説明する。
連結プランジャー4は、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に装着可能な第1のシャフト部41と、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に装着可能な第2のシャフト部42と、基端部において第1のシャフト部41と第2のシャフト部42を連結する連結部44とを備えている。
図13は、本発明の2連式プレフィルドシリンジに用いられる連結プランジャーの正面図である。図14は、図13に示した連結プランジャーの斜視図である。
連結プランジャー4は、図1ないし図6、図13、図14に示すように、2本の第1のシャフト部41と第2のシャフト部42をほぼ平行状態にて、それらの基端部が連結部44により連結されるとともに、連結部44の第1のシャフト部41の基端と第2のシャフト部の基端部の中央部付近より、基端方向に突出する押圧部45を有するものとなっている。具体的には、押圧部45は、延長シャフト部43とその基端に設けられた押圧板により構成されている。なお、連結プランジャーとしては、上記のような延長シャフト部を有する押圧部を設けず、連結部44の基端面を押圧可能面とするものであってもよい。
シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、ガスケット本体23(33)の後端部67を押圧可能な押圧部48(49)と、押圧部48(49)より先端側に突出し、プランジャー装着用部材24(34)内に侵入可能な先端部(筒状先端部)46(47)と、筒状先端部46(47)の外面に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a,47aとを備えている。そして、この実施例のガスケット本体23(33)では、後端面(後端部)67には、複数のリブ68が設けられている。
そして、プランジャー装着用部材24(34)は、ガスケット本体23(33)のプランジャー装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャー装着用部材24(34)の外面突出部73とが係合した状態で装着されており、かつ、シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の先端がガスケット本体23(33)の内面に接触しないものとなっている。
【0029】
シャフト部41(42)は、図1,図2、図3に示すように、ガスケット22(32)への装着時において、ガスケット22(32)の後端部(具体的には、ガスケット本体23(33)の後端部)を押圧可能な押圧部48(49)と、押圧部48(49)より先端側に突出し、プランジャー装着用部材24(34)の中空部内に侵入可能な先端部(筒状先端部)46(47)と、筒状先端部46(47)の外面に設けられ、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a(47a)とを備えている。
シャフト部41(42)は、先端部46(47)をプランジャー装着用部材24(34)の中空部内に押し込むことにより、プランジャー装着用部材24(34)に装着可能となっている。また、シャフト部41(42)は、ガスケット22(32)への装着時において、シャフト部41(42)の先端部46(47)がガスケット本体23(33)の内面に接触しないものとなっている。
押圧部48(49)は、シャフト部41(42)の先端に位置し、円盤状に形成されている。また、シャフト部41(42)は、図14に示すように十字状に形成されており、その先端に押圧部48(49)が設けられ、後端に連結部44が設けられ、一体化している。
連結プランジャー4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
【0030】
そして、この実施例の連結プランジャー4では、シャフト部41(42)のプランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fと係合する外面突起部46a(47a)は、筒状先端部46(47)の先端部外面(具体的には、先端外面)に設けられ、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の中心軸にほぼ直交する環状外面突起部により形成されている。そして、外面突起部(外面環状突起部)46a(47a)の後端面は、筒状先端部46(47)の外面より起立する環状起立面となっている。なお、外面突起部46a(47a)としては、環状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突起部からなるものであってもよい。外面突起部46a(47a)の高さは、0.3〜1.5mmであることが好ましく、特に、0.5〜1.0mmであることが好ましい。そして、外面突起部46a(47a)部分における外径は、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面が形成する円の直径より、0.5〜3.0mm大きいものであることが好ましく、特に、1.0〜2.0mm大きいものであることが好ましい。
シャフト部41(42)の外面突起部46a(47a)を含む筒状先端部46(47)がプランジャー装着用部材24(34)の中空部に押し込まれることにより、外面突起部46a(47a)部分が、プランジャー装着用部材24(34)のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させることにより、外面突起部46a(47a)部分は、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部46a(47a)の後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、シャフト部41(42)のプランジャー装着用部材24(34)からの離脱が規制される。
【0031】
また、この実施例の連結プランジャー4では、各シャフト部41(42)が、プランジャー装着用部材24(34)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面は、シャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の外面と接触している。また、プランジャー装着用部材24(34)に装着された状態では、プランジャー装着用部材24(34)の各プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fの自由端の内面はシャフト部41(42)の筒状先端部46(47)の外面と圧接し、若干拡がる方向に押圧されたものであってもよい。このようにすることにより、ガスケットのガタツキが少ないものとなる。
また、この実施例のプレフィルドシリンジでは、図3に示すように、ガスケット22(32)は、外筒20(30)の基端より所定長先端側に位置し、装着されたシャフト部41(42)の押圧部48(49)が、外筒内に位置するものとなっている。このため、装着されたガスケットの傾きを抑制している。
【0032】
本発明の各ガスケットと連結プランジャーにおいては、各ガスケット22(32)は、内部に設けられた連結プランジャー4のシャフト部41(42)の装着部を備え、連結プランジャー4の第1のシャフト部41および第2のシャフト部42は、各ガスケット22(32)の装着部内に侵入可能な先端部46(47)と、先端部46(47)に設けられ、連結プランジャー4を押し込むことにより、装着部と係合し、ガスケット22(32)からのシャフト部41(42)の離脱を規制する係合部とを備えるものであればよく、上述した実施例のものに限定されるものではない。例えば、各ガスケットは、ガスケット本体とプランジャー装着用部材により構成されているものではなく、ガスケット単体により構成され、内部にプランジャー装着部を備えるものであってもよい。また、プランジャー装着用部材とシャフト部の先端部の係合部の構成も上述したものに限定されるものではない。
【0033】
次に、本発明の2連式プレフィルドシリンジ1の作用を図1、図3、図17ないし図20を用いて説明する。
この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、図1ないし図3に示すように、連結プランジャー4は、2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着されておらず、使用時に装着するものとなっている。そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2は、外筒20の後端部内にガスケット22を収納し、第2のプレフィルドシリンジ本体3は、外筒30の後端部内にガスケット32を収納している。
そして、連結プランジャー4の装着作業を行う。
連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46を外筒20内に、かつ、第2のシャフト部42の先端部47を外筒30内に挿入させ、各シャフト部41、42の先端部46、47をプランジャー装着用部材24、34の中空部内に進入させ、さらに、押し込む。この実施例のものでは、上記の連結プランジャー4の押し込みにより、図17に示すように、連結プランジャー4の第1のシャフト部41の先端部46が、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に完全に装着されるが、第2のシャフト部42の先端部47は、第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32には、完全に装着されない状態となる。
具体的には、シャフト部41については、シャフト部41の先端部46の外面突起部46a部分が、プランジャー装着用部材24のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させることにより、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部46aの後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、連結プランジャー4のシャフト部41のプランジャー装着用部材24からの離脱が規制される。また、この実施例のシャフト部41では、プランジャー装着用部材24に装着された状態では、若干前後に移動可能となっている。
【0034】
また、シャフト部42については、図17に示すように、シャフト部42の先端部47の外面突起部47a部分が、プランジャー装着用部材34のプランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを押圧し、弾性変形させたものの、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを完全に通過せず、連結プランジャー4のシャフト部42は、プランジャー装着用部材34には、完全に装着されていない。
そして、少なくとも連結プランジャーのシャフト部の先端部が、ガスケットに完全に装着されている側のプレフィルドシリンジの封止部材を取り外す。望ましくは、第1のプレフィルドシリンジ本体2の封止部材28および第2のプレフィルドシリンジの両者の封止部材38の両者を取り外す。
そして、封止部材を取り外した状態にて、連結プランジャー4の連結操作(プランジャー4の押圧操作)を行う。この押圧操作により、気体の排出操作(具体的には、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の気体の排出操作)が行われ、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22は、若干先端側に移動するとともに、第2のシャフト部42の先端部47も先端側に前進し、先端部47が、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fを通過し、その後、プランジャー抜止用突出部75a,75b,75c,75d,75e,75fが元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部47aの後端面部分とプランジャー抜止用係止部76a,76b,76c,76d,76e,76fとが係合する。これにより、連結プランジャー4の第2のシャフト部42が、ガスケット32に完全に装着される。これにより、連結プランジャー4のシャフト部42のプランジャー装着用部材34からの離脱が規制される。また、この実施例のシャフト部42は、プランジャー装着用部材34に装着された状態では、若干前後に移動可能となっている。
【0035】
そして、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22に第1のシャフト部41の先端部46が装着され、かつ第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32に第2のシャフト部42の先端部47が装着された状態(言い換えれば、連結プランジャー4が2連式プレフィルドシリンジ本体10に装着された状態)において、必要により、連結プランジャー4を押圧し、第1のプレフィルドシリンジ本体2内の残留気体および第2のプレフィルドシリンジ本体3内の気体を排出することにより、図18に示すように、第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22の先端方向移動可能距離と第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32の先端方向移動可能距離は、ほぼ等しいものとなる。また、図19は、連結プランジャー4が2連式プレフィルドシリンジ本体10に完全に装着された状態の斜視図である。
この実施例の2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャーの押し込み操作により、その装着を行うことができる。また、プランジャーは、スムーズにプランジャー装着用部材に挿入することができるので、ガスケット本体への衝撃が抑制され、装着操作時の液漏れを防止できる。また、装着後のプランジャーはプランジャー装着用部材24(34)により離脱しないものとなっている。
そして、この2連式プレフィルドシリンジ1では、連結プランジャー4の後端部、具体的には、押圧部45を押圧することにより、連結プランジャー4が移動し、それに伴い、第1のシャフト部41および第1のプレフィルドシリンジ本体2のガスケット22、第2のシャフト部42および第2のプレフィルドシリンジ本体3のガスケット32が、同時に移動し、第1のプレフィルドシリンジ本体2内および第2のプレフィルドシリンジ本体3内の薬剤28,29が、同時に排出され、図20の状態に到達することにより、排出が終了する。
【符号の説明】
【0036】
1 2連式プレフィルドシリンジ
2 第1のプレフィルドシリンジ
3 第2のプレフィルドシリンジ
4 連結プランジャー
5 保持部材
41 第1のシャフト部
42 第2のシャフト部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒のノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とをそれぞれ備える第1のプレフィルドシリンジ本体および第2のプレフィルドシリンジ本体と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体を並列状態に保持する保持部材と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第1のシャフト部と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第2のシャフト部と、基端部において前記第1のシャフト部と前記第2のシャフト部を連結する連結部とを備え、前記ガスケットに装着可能な連結プランジャーとを有する2連式プレフィルドシリンジであって、
前記第1のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤とは異なる薬剤となっており、
さらに、前記各ガスケットは、内部に設けられた前記連結プランジャーの前記シャフト部への装着部を備え、前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットの前記装着部内に侵入可能な先端部と、前記先端部に設けられ、前記連結プランジャーを押し込むことにより、前記装着部と係合し、前記ガスケットからの前記シャフト部の離脱を規制する係合部とを備えることを特徴とする2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項2】
前記各ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられ、前記装着部を有するプランジャー装着用部材とを備え、
前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブを備え、
前記プランジャー装着用部材は、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体であり、前記ガスケット本体の前記プランジャー装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャー装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する外面突出部と、前記後端側の内側部より前記プランジャー装着用部材の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、前記プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部とを備え、
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットへの装着時において、前記ガスケットの後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャー装着用部材内に侵入可能な前記先端部と、該先端部の外面に設けられ、前記プランジャー装着用部材の前記プランジャー抜止用突出部と係合する前記係合部を構成する外面突起部とを備える請求項1に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項3】
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部のいずれか一方は、前記ガスケットに装着されており、他方は、前記ガスケットに完全に装着されていない状態となっている請求項1または2に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項4】
前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体をそれぞれの前記ノズル部がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持するものであり、前記保持部材に保持された状態の前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部と前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部は、軸方向のほぼ同じ位置にて隣り合うように配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項5】
前記プランジャー装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャー装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャー装着用部材の外面突出部とが係合した状態で装着されており、かつ、前記プランジャーは、前記ガスケットへの装着時において、前記プランジャーの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっている請求項2ないし4のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項6】
前記連結プランジャーは、前記連結部より基端側に突出する押圧部を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項7】
前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部の自由端部分の先端側の面は、前記プランジャー装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、該自由端部分の先端側の面にて、プランジャー抜止用係止部が形成されており、さらに、前記プランジャーの外面突起部の後端側の面は、前記先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている請求項2ないし6のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項8】
前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第1の開口部および前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第2の開口部を有する先端部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項9】
前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、後端方向に押されたとき、前記自由端が、前記プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものである請求項2ないし8のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項10】
前記プランジャー装着用部材の他端は、前記ガスケット本体より突出しないものとなっている請求項2ないし9のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項1】
外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒のノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とをそれぞれ備える第1のプレフィルドシリンジ本体および第2のプレフィルドシリンジ本体と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体を並列状態に保持する保持部材と、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第1のシャフト部と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットに装着可能な第2のシャフト部と、基端部において前記第1のシャフト部と前記第2のシャフト部を連結する連結部とを備え、前記ガスケットに装着可能な連結プランジャーとを有する2連式プレフィルドシリンジであって、
前記第1のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤と、前記第2のプレフィルドシリンジ本体に収納された薬剤とは異なる薬剤となっており、
さらに、前記各ガスケットは、内部に設けられた前記連結プランジャーの前記シャフト部への装着部を備え、前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットの前記装着部内に侵入可能な先端部と、前記先端部に設けられ、前記連結プランジャーを押し込むことにより、前記装着部と係合し、前記ガスケットからの前記シャフト部の離脱を規制する係合部とを備えることを特徴とする2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項2】
前記各ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられ、前記装着部を有するプランジャー装着用部材とを備え、
前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャー装着用部材抜け止め用リブを備え、
前記プランジャー装着用部材は、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体であり、前記ガスケット本体の前記プランジャー装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャー装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する外面突出部と、前記後端側の内側部より前記プランジャー装着用部材の中心方向かつ先端方向に斜めに延び、前記プランジャー装着用部材の中心に到達しない位置にて自由端を有する弾性変形可能な複数のプランジャー抜止用突出部とを備え、
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部は、前記各ガスケットへの装着時において、前記ガスケットの後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャー装着用部材内に侵入可能な前記先端部と、該先端部の外面に設けられ、前記プランジャー装着用部材の前記プランジャー抜止用突出部と係合する前記係合部を構成する外面突起部とを備える請求項1に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項3】
前記連結プランジャーの前記第1のシャフト部および前記第2のシャフト部のいずれか一方は、前記ガスケットに装着されており、他方は、前記ガスケットに完全に装着されていない状態となっている請求項1または2に記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項4】
前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体および前記第2のプレフィルドシリンジ本体をそれぞれの前記ノズル部がほぼ同じ位置となるように並列状態に保持するものであり、前記保持部材に保持された状態の前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部と前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ガスケットの先端部は、軸方向のほぼ同じ位置にて隣り合うように配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項5】
前記プランジャー装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャー装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャー装着用部材の外面突出部とが係合した状態で装着されており、かつ、前記プランジャーは、前記ガスケットへの装着時において、前記プランジャーの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっている請求項2ないし4のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項6】
前記連結プランジャーは、前記連結部より基端側に突出する押圧部を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項7】
前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部の自由端部分の先端側の面は、前記プランジャー装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、該自由端部分の先端側の面にて、プランジャー抜止用係止部が形成されており、さらに、前記プランジャーの外面突起部の後端側の面は、前記先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている請求項2ないし6のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項8】
前記保持部材は、前記第1のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第1の開口部および前記第2のプレフィルドシリンジ本体の前記ノズル部付近を収納する第2の開口部を有する先端部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項9】
前記プランジャー装着用部材の各プランジャー抜止用突出部は、後端方向に押されたとき、前記自由端が、前記プランジャー装着用部材の中心に近接する方向に変形するものである請求項2ないし8のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【請求項10】
前記プランジャー装着用部材の他端は、前記ガスケット本体より突出しないものとなっている請求項2ないし9のいずれかに記載の2連式プレフィルドシリンジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
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【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−200360(P2012−200360A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66617(P2011−66617)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
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