25−ヒドロキシビタミンD3を含む経口剤形、及び、その経口剤形を週1回ヒトに投与することを含む方法
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む経口剤形とする。前記経口剤形の形態は、例えば、軟質ゲルカプセルである。前記経口担体系の形態は、例えば、錠剤である。そして、前記経口担体系は、1以上の消化可能な油を含んでいてもかまわない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、25−ヒドロキシビタミンD3 を含む経口剤形、及び、それをヒトに投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1968年、25−ヒドロキシ−ビタミンD3 (25−(OH)D3 )分子は、生体を循環するビタミンDの主な血中型として発見された(Blunt JW et al., 1968、ヒドロキシコレカルシフェロール:ビタミンD3 の生物学的に活性のある代謝体、Biochemistry 7:3317-3322)。
【0003】
(25−(OH)D3 は、1971年、DeLucaらによって初めて特許権か取られた(USPN3,607,888)。長年にわたって、25−(OH)D3 の血中レベルの測定は、重要な営利事業であった。
【0004】
大量の研究によって、25−(OH)D3 の血中レベルが代謝性の骨疾患に罹っているかもしれない患者のビタミンDの状況の優れた測定値であることは、数多くの研究において示唆されている(Jones G et al.、ビタミンDの分子作用の現在の理解、Physiol. Rev. 78:1193-1231)。
【0005】
最近、多数の疫学的研究によって25−(OH)D3 の血中レベルが、多数の状態:結腸直腸癌(Gorham ED et al., 2007, 結腸直腸癌予防のための最適なビタミンDの状況−定量的メタ分析、 Am. J. Prev. Med. 32(3):210-216)、乳癌(Garland CF et al., 2007, ビタミンDと乳癌の予防:プールした分析、J. Steroid Biochem. and MoI. Biol. 103:3- 5 Special issue, pp. 708-711)、前立腺癌(Li HJ et al., 2007, 血漿ビタミンDの代謝、ビタミンD受容体の多型及び前立腺癌の前向き研究、Plos Medicine 4(3): 562-571)、及びたとえば、多発性硬化症や1型糖尿病のような自己免疫疾患(Munger KL et al., 2007, 高い血清25−ヒドロキシビタミンDはMSの低いリスクを予測する、Multiple Sclerosis 13(2):290; 及びHyppδnen, E Laara et al., 2001, ビタミンDのp摂取量と1型糖尿病のリスク:誕生−コホート試験、Lancet 358:1500-1503)のリスクの低減に関連付けられている。従って、25−(OH)D3 の血漿レベルは、米国及び多数のそのほかの国々で、市民の健康政策において脚光を浴びている。
【0006】
25−(OH)D3 は、米国市場ではもはや手に入らない。処方薬又はビタミン補助剤としてもそれを入手することはできない。しかしながら、25−(OH)D3 の血漿レベルは、ビタミンDの状況を評価するのに測定される。
【0007】
450ng/mLを超える25−(OH)D3 の血中レベルでは、毒性が懸念となる(Shepard RM et al., 1980, ビタミンD3 又はヒドロキシビタミンD3 の摂取によって影響されるようなラットにおけるビタミンD3 及びその代謝体の血漿濃度、Arch. Biochem. Biophys. 202:43-53)。
【0008】
市民の健康を増進するには、ビタミンDの産生と投与は紫外線への暴露に焦点を置いている(Sayre RM et al., 2007, 従来のビタミンD紫外線源の再導入、J. Steroid Biochem. and Molecular Biol. 103(3-5 Special Issue):686-688; 及びRajakumar K et al., 2007, 太陽紫外線照射とビタミンD:歴史的展望、 Am. J. Public Health 97(10):1746-1754)。
【0009】
皮膚科医は、ビタミンDの皮膚産生を用いて高い血中レベル濃度を満たすことに賛成しない。少量の紫外線暴露が、皮膚の悪性黒色腫、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクを顕著に高める(Lim HW et al., 2007, 評論解説:適切な血清ビタミンDレベルへの信頼できるアプローチ、J. Am. Acad. Dermatology 57(4):594-595)。
【0010】
現在、米国で入手できるビタミンDの形態はビタミンD3 とビタミンD2 のみであり、それらはタラ肝油に存在する。しかしながら、タラ肝油は、有意な量の、たとえば、ビタミンAのような生体効力のある物質を含有する(Griffing GT et al., 2008, 母親はタラ肝油について正しかった、Medscape J. Med. 10(1): 8)。
【0011】
生体内でのビタミンD3 から25−(OH)D3 への変換は量で測れるほどではないことが報告されている(Heaney RP et al., 2008, 25−ヒドロキシビタミンD3 :種々の入力条件下での循環ビタミンD3 との関係、Am. J. CHn. Nutr. 87(6): 1738- 1744)。
【0012】
ビタミンD3 又はビタミンD2 の投与の際、その有意な量が脂質貯蔵物に堆積し、脂質が移動するまでビタミンD3 及びビタミンD2 はそこに留まる(Mauer EB et al., 1972, ヒトの組織におけるビタミンDとその代謝体の分布及び貯蔵、Clin. Sci. 43(3):413-431 (1972); Rosenstreich et al., 1971, 体脂肪におけるビタミンD3 の堆積及びそこからの放出:ラットにおける貯蔵部位についての証明、J. Clin. Invest. 50(3):679-687)。
【0013】
連続したビタミンD3 の補完摂取は、脂肪組織における濃度レベルの上昇を起こし、最終的に飽和に達し、25−(OH)D3 への高い変換を余儀なくされる。しかしながら、そのような変換は、ビタミンD中毒の原因となり、それは解決しにくい。
【0014】
ビタミンDの欠乏又は不足がヒト集団に存在し、それは、臨床文献で広範に報告されている(Looker AC et al., 2002, NHANES IIIからの2つの季節的亜集団における青少年と成人の血清25−ヒドロキシビタミンDの状況、Bone 30(5): 771-777)。
【0015】
都市中心部及び北半球に住む非白人移民においてくる病及び骨軟化症の発生率が増えていると報告されている(Thacher TD et al., 2006, 世界中の栄養的くる病:原因及び今後の方向、Annals of Tropical Paediatrics 26(1): 1-16)。
【0016】
一部の解説者は、ビタミンDの不足が骨目減り過程、すなわち、骨粗鬆症に寄与するという理論を立てている(Looker AC et al., 2008, 米国白人高齢者における血清ビタミンDと股関節骨折のリスク、J. Bone Min. Res. 23(l):143-150)。
【0017】
慢性腎疾患に罹っている患者では、継続した疾患の進行に寄与するかもしれないビタミンD不足の証拠がある(Chonchol M et al., 2007, 第3回国民健康栄養調査における25−ヒドロキシビタミンD、インスリン耐性及び腎機能、Kidney Int. 71(2): 134- 139)。従って、25−(OH)D3 のさらに高い血中レベルを維持するための長い間の重要な、まだ対処されていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む経口剤形を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の経口剤形の一実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である。
【0020】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0021】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記経口剤形は軟質ゲルカプセルである。
【0022】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、薬学的に好適な前記担体系は1以上の消化できる油を含む。
【0023】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記経口剤形は錠剤である。
【0024】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記単回毎週用量は、10〜100μg/体重kg、好ましくは30〜50μg/体重kgの範囲での5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物である。
【0025】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0026】
本発明の他の一実施態様では、本発明の非経口剤形(parenteral dosage)は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含み、そして、その非経口剤形は、注射剤形又は点滴剤形である。
【0027】
前記非経口剤形の例となる実施態様では、前記単回薬用量が毎週投与され、そして、その単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分なものである。
【0028】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0029】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgである。
【0030】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0031】
本発明の別の実施態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回経口投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0032】
前記方法の例となる実施態様では、毎週投与され前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分ものである。
【0033】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0034】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgである。
【0035】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、軟質ゲルカプセル又は錠剤の形態におけるものである。
【0036】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏しているヒトである。
【0037】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、10ng/mL〜20ng/mLの25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0038】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、注射又は点滴によって、非経口で投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0039】
前記方法の例となる実施態様では、毎週投与され前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分なものである。
【0040】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0041】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgの範囲である。
【0042】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0043】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0044】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、10ng/mL〜20ng/mLの範囲での25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0045】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を経皮剤形で少なくとも7日ごとに1回投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0046】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、吸入剤形にて投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0047】
本発明の態様の1つは、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む剤形である。前記25−ヒドロキシビタミンD2 25−(OH)D2 )の濃度及び薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 (25−(OH)D3 )のそれに類似する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。
【図2】正常なビタミンDの状況のラットにおいて、25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に正常レベル(点線)を超えて血清カルシウムが上昇しないことを示す棒グラフである。
【図3】25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。
【図4】ビタミンD欠乏ラットにおいて25−(OH)D3 の例となる月1回経口投与後に生じる血清Ca濃度レベルは正常範囲を超えて上昇しないことを示す棒グラフである。
【図5】Dが十分なラットに与えたより高い用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じることを示す棒グラフである。
【図6】正常なビタミンDの状況のラットにおいて月1回の用量投与後に生じる血清Caの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す血清カルシウムレベルの棒グラフである。
【図7】D欠乏ラットに与えたより高い用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じることを示す棒グラフである。
【図8】ビタミンD欠乏ラットにおいて月1回の用量投与後に生じる血清Caの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す血清カルシウムレベルの棒グラフである。
【図9】25−(OH)D3 を週1回投与した後の25−(OH)D3 レベルの上昇を示す棒グラフである。
【図10】週1回投与した後の血清Ca濃度の上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の有効成分は25−ヒドロキシ−ビタミンD3 であり、それはまたカルシフェジオール及び25−ヒドロキシ−コレカルシフェロールとも呼ばれる。それはまた、(5Z,7E)−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β,25ジオール一水和物とも呼ばれる。25−ヒドロキシ−ビタミンD3 はその上さらに25−HCC及び25−OHCCとも呼ばれる。有効成分は、活性のある医薬成分(API)、補完成分又は栄養成分であってもよい。25−ヒドロキシ−ビタミンD3 の構造は以下の式:
【化1】
で示される。
【0050】
25−(OH)D3 は有機溶媒に可溶性であり、水には相対的に不溶性である。25−(OH)D3 は一水和物として遊離の形態で存在することができる。25−(OH)D3 一水和物は結晶性である。
【0051】
25−(OH)D3 は元々、腎性骨形成異常症の治療用のCALDEROL(登録商標)と呼ばれる薬剤として米国薬局方に導入された。CALDEROL(登録商標)は米国ではもはや入手できない。フランスでは、25−(OH)D3 はDEDROGYL(登録商標)の有効医薬成分である。DEDROGYL(登録商標)は痙攣体質の治療に使用されるらしい。
【0052】
25−(OH)D3 の臨床薬理学:ヒトにおけるビタミンDの天然の供給は、7−デヒドロコレステロールのビタミンD3 (コレカルシフェロール)への変換のために主として太陽の紫外線に依存する。ビタミンD3 は肝臓に存在するビタミンD3−ヒドロキシラーゼ酵素(25−OHase)によって25−(OH)D3 に変換される。25−ヒドロキシコレカルシフェロールはビタミンD3 の主な輸送形態であり、血清にて容易にモニターすることができる。それは、腎臓でさらに1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(1,25−(OH)2 D3 )及び24,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロール(24,25−(OH)2 D3 )に変換される。1,25−(OH)2 D3 は骨からのカルシウムの再吸収を刺激し、腸管でのカルシウムの吸収を高める。臨床使用におけるカルシフェジオールの代謝活性は、ほかの代謝体へのその変換のみならず、その固有の活性に関係すると思われる。経口投与されると、25−(OH)D3 は、約4時間後に報告される血清におけるピーク25−(OH)D3 濃度を伴って腸管から迅速に吸収される。25−(OH)D3は血液中で輸送され、特定の血漿タンパク質に結合することが分かっている(添付文書、Calderol(登録商標)、カルシフェジオールカプセル、USP、1998年9月)。経口投与された25−(OH)D3 の半減期は12〜23日の範囲内である。経口投与されると、ヒトでは約62〜77%の25−(OH)D3 が吸収される。ビタミンDの生理学はDeLuca HF、2004にも報告されており、ビタミンD1〜4の一般的な生理的特性及び機能の概要は、Am.J.Clin.Nutr.,80(suppl):1689S−16896Sに報告されており、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0053】
本発明は、血中に存在するビタミンDの形態である25−(OH)D3 の補充への論理的なアプローチを指向する。25−(OH)D3 が生体内で貯蔵物の形態で保存されるという証拠は報告されていないので、補充を有利に用いて血中レベル濃度を滴定することができる。本発明は、投与すると国民の健康を改善する、25−(OH)D3 を含有する処方薬ビタミンカプセルを熟考する。
【0054】
25−(OH)D3 はおよそ25〜32日の生体内での寿命を有する。(Calderol、25−(OH)D3 の新医薬品承認審査概要)。従って、たとえば、経口での及び注射又は点滴による非経口での月に1回の投与計画では、25−(OH)D3 を投与するのに制御された放出剤形は必要ではない。しかしながら、25−(OH)D3 の寿命は投与の回数という点で有利に利用することができる。
【0055】
本発明の週1回の経口用及び非経口用の剤形は、月を通して、25−(OH)D3 の血中レベルを30ng/mL〜100ng/mLの間で維持する。本剤形はまた、30ng/mL未満、普通10ng/mL〜20ng/mLの間の25−(OH)D3 の血中レベルを表す明らかな欠乏も治療する(ビタミンDの栄養最新情報に関する科学諮問委員会、栄養に関する科学諮問委員会による意見書、ロンドン:The Stationery Office, Limited、2007年)。
【0056】
25−(OH)D3 は、油又はカプセルから容易に吸収され、生体利用可能である。50mgの25−(OH)D3 までを含有するカプセルが週1回の投与計画に使用されてもよい。ラットにおける実験は、100μg/体重kgが30ng/mL〜100ng/mLの範囲の血中レベルを維持するのに十分であることを示している。本発明は、軽いビタミンD中毒のリスクを負うので、500ng/mLを超えて25−(OH)D3 のレベルを上げる剤形又は投与計画を企図することはない(Shepard RM et al., 1980, ビタミンD3 又はヒドロキシビタミンD3 の摂取により影響されるようなラットにおけるビタミンD3 とその代謝体の血漿濃度、Arch Biochem Biophys 202:43- 53)。
【0057】
25−(OH)D3 は、通常の食物成分でもあり、又は栄養的でもある。それは食物のために消費される動物の血中及び組織に見い出される(Purchas R et al., 2007, 生の及び調理したニュージーランド牛及び実験室におけるビタミンD3 及び25−ヒドロキシビタミンD3 の濃度、 Journal of food Composition and Analysis 20(2):90-98); Jakobsen J et al., 2007, ブタにおいて25−ヒドロキシビタミンD3 はビタミンD3 に類似してビタミンDの状況に影響を及ぼすが、生産された肉は低含量のビタミンDを有する、British Journal of Nutrition 98(5):908-913); Graff IE et al., 2004, 大西洋サケSalmo salar Lの2年子転換の間のビタミンD3代謝体の血漿レベル、 Aquaculture 240:617-622);及びOvesen LC et al., 25−ヒドロキシビタミンDの食物含量と生物活性:考慮すべきビタミンDの代謝体は、Annals of Nutrition and Metabolism 47(3-4): 107-113)。
【0058】
25−(OH)D3 は、鳥類の餌用のGRASリストに見い出すことができる。従ってそれは、標準の栄養素として認可されている。25−(OH)D3 はビタミンDの活性型に構造的に近いが、それはさらに、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 、1,25−(OH)2 D3 への変換を必要とする。そのような変換は腎臓で生じる制御された過程である。25−ヒドロキシビタミンD3 は現在の栄養型を有利に処理する。それを有利に、好都合に及び日常的に測定することもできる。
【0059】
ヒト用剤形:想定されるヒトの用量は、10〜100μg/体重kg、好ましくは30〜50μg/体重kgである。ラットの剤形とデータに基づいて、ビタミンDを欠乏した又はそれが不足する60kgにヒトに月1回1〜10mgの25−(OH)D3 を安全に投与することができ、それによって標準範囲を超えて25−(OH)D3 の血中循環濃度レベルを上げる。25−(OH)D3 のそのような投与はまた、特に定常状態の薬物動態に達した際、25−(OH)D3 の血中濃度の上昇を持続する。定常状態の薬物動態にて、25−(OH)D3 の維持用量は、生体からの25−(OH)D3 の除去速度に等しい。言い換えれば、投与の速度は、除去の速度に等しい。定常状態の平均血清濃度という点で定常状態の血清濃度も参照される。対象に25−(OH)D3 を投与する前に、対象は25−(OH)D3 の生来の定常状態のベースライン血清濃度を有する。
【0060】
例となる実施態様では、経口剤形は、0.6mg〜6mgの25−(OH)D3 を含有するカプセルである。カプセルは種々の形態であってもよい。たとえば、それは、0.1mL〜1mLの消化できる油に25−(OH)D3 を含有する軟質ゲルのカプセルであってもよい。剤形はまた、1以上の好適な医薬賦形剤を含む担体系を含有する錠剤であってもよい。
【0061】
薬学上好適な経口担体系(薬剤送達方式とも呼ばれ、生体への薬剤の均一放出又はターゲティングを可能にする製剤と共に又はその一部として分配される現代技術である)は好ましくは、FDAが認可した及び/又はUSPが認可した不活性成分を包含する。21CFR210.3(b)(8)のもとで、不活性成分は有効成分以外の製剤の任意の構成成分である。21CFR210.3(b)(8)によれば、有効成分は、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防において医薬活性若しくはそのほかの直接的な効果を提供する、又はヒト若しくはそのほかの動物の体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを意図する製剤の任意の構成成分である。有効成分には、製剤の製造中、化学変化を受けてもよく、特定の活性又は効果を提供することが意図される改変形態にて製剤に存在してもよい製剤の構成成分が挙げられる。本明細書で使用されるとき、キット(剤形とも呼ばれる)は関連する物質の包装された収集物である。
【0062】
本明細書で使用されるとき、経口剤形には、カプセル(外殻と中身から成る固形経口剤形であり、外殻は、単一の密封された封入物又は組み合わせ、バンドで密封することもある2つの二等分で構成され、カプセルの外殻はゼラチン、デンプン又はセルロース又は好適なそのほかの材料から作られてもよく、軟質又は硬質であってもよく、固形成分又は注ぐ又は絞ることができる液体成分で満たされる)、カプセル又は被覆した小丸薬(薬剤が硬質容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;薬剤自体が顆粒の形態であり、それに様々な量のコーティングが塗布されている)、被覆した延長放出型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;さらに、カプセルは指定されたコーティングに覆われ、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、徐放型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり、投与後即時に以外の時間に薬剤(単)(薬剤(複))を放出し、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、徐放性小丸薬型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;薬剤自体が顆粒の形態であり、それに腸溶性のコーティングが塗布されるので、腸管へのその通過まで薬剤の放出を遅らせる)、延長放出型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、膜被覆延長放出型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包される固形剤形であり;さらに、カプセルは指定された膜コーティングに覆われ、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、ゼラチン被覆型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり;完全な封止が形成できるようにバンディング工程を介してゼラチンの追加の層によってカプセルが被覆される)、液体充填型カプセル(たとえばソルビトール若しくはグリセリンのようなポリオールの添加によって可塑化される可溶性のゼラチン外殻に薬剤が内包される固形剤形であるので、硬質外殻カプセルより幾分粘度が高く;通常、有効成分は液体ビヒクルに溶解されるか、又は懸濁される)、顆粒(小さな粒子又は粒)、小丸薬(顆粒の形成によって又は圧縮と成形によって作製される賦形剤を伴った又は伴わない高度に精製された薬剤から成る小さな無菌の固形塊)、被覆された延長放出型の小丸薬(薬剤自体が様々な量のコーティングが塗布された顆粒の形態であり、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する固形剤形)、丸薬(経口投与について意図される薬剤を含有する小さな丸い固形剤形)、粉末(内服又は外用剤を対象としてもよい乾燥した微細に分割された薬剤及び/又は化学物質の密な混合物)、エリキシル(溶解された医薬剤を含有する透明で心地よい風味の甘い水アルコール液体;経口用途を対象とする)、チューインガム(噛むと甘く、風味のある種々の形状の不溶性の可塑性物質;薬剤物質を口腔に放出する)、シロップ(高濃度のスクロース又はそのほかの糖を含有する経口用溶液であり;経口懸濁液を含む甘く、粘性のビヒクルで調製されるほかの液状剤形を含むようにも用語は使用されている)、錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する固形剤形)、チュアブル錠(噛まれることが意図される、好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する固形剤形であり、口腔に心地良い味覚の残渣を作り、飲み込み易く、苦い又は不愉快な後味を残さない)、被覆錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する、指定されたコーティングで被覆される固形剤形)、被覆粒子型錠剤(それぞれコーティングで被覆されている医薬粒子の集塊を含有する固形剤形)、徐放型錠剤(投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出する固形剤形であり、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、徐放粒子型錠剤(投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出するコーティングで被覆されている薬物粒子の集塊を含有する固形剤形であり、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、分散型錠剤(投与に先立って液体に入れることが意図される錠剤であって、その内容物がその液体全体にわたって均一に分布し、それによって用語「分散型錠剤」を認可された製剤にもはや使用せず、それは用語「懸濁用錠剤」に置き換えられている)、発泡性錠剤(酸、たとえば、クエン酸、酒石酸と重炭酸ナトリウムの混合物を含有する固形剤形であり、水に溶解すると二酸化炭素を放出し、それによって投与前に水に溶解する又は分散することが意図される)、延長放出型錠剤(従来の剤形として提示される薬剤に比べて少なくとも投与回数を減らすことができる薬剤を含有する固形剤形)、膜被覆型錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、水不溶性又は水溶性のポリマーの薄層で被覆される固形剤形)、膜被覆延長放出型錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、水不溶性又は水溶性のポリマーの薄層で被覆される固形剤形であり;消化後、長い時間にわたって含有された薬物を利用可能にするように錠剤が製剤化される)、溶液用錠剤(液体に入れると溶液を形成する錠剤)懸濁用錠剤(液体に入れると懸濁液を形成し、以前は「分散可能錠剤」と呼ばれる錠剤)、多層型錠剤(圧縮して多層錠剤又は錠剤中錠剤を形成する医薬物質を含有する固形剤形であって、内部錠剤が芯であり、外側部分が外殻である)、多層延長放出型錠剤(圧縮して多層錠剤又は錠剤中錠剤を形成する医薬物質を含有する固形剤形であって、内部錠剤が芯であり、外側部分が外殻であり、さらに従来の剤形として提示される薬剤に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で錠剤が製剤化される)、経口崩壊型錠剤(舌の上の載せると普通数秒以内に迅速に崩壊する医薬物質を含有する固形剤形)、経口崩壊徐放型錠剤(舌の上の載せると普通数秒以内に迅速に崩壊するが、投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出する医薬物質を含有する固形剤形)、可溶性錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、流体に溶解する能力を持つ固形剤形)、糖衣錠(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、着色した又は無色の水溶性の糖で被覆される固形剤形)、浸透物質などが挙げられる。
【0063】
経口剤形組成物は、医薬有効成分(すなわち、25−ヒドロキシ−ビタミンD3 )及び1以上の不活性の医薬成分、たとえば、希釈剤、可溶化剤、アルコール類、結合剤、制御放出ポリマー、腸溶性ポリマー、崩壊剤、賦形剤、着色剤、香味剤、甘味剤、抗酸化剤、保存剤、顔料、添加剤、充填剤、懸濁剤、界面活性剤(たとえば、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、及び非イオン性)などを含有する。種々のFDAが認可した不活性成分は、製造者が特に意図する不活性成分を含有するFDAの「不活性成分データベース」に見い出され、21CFR210.3(b)(7)にある有効成分の定義に従って、特定の状況下では不活性成分を有効成分とみなすこともできる。アルコールは、製品処方によって有効成分又は不活性成分のいずれともみなされてもよい成分の良い例である。
【0064】
本明細書で使用されるとき、注射用及び点滴用の剤形には、リポソームから成る又はリポソームを形成する注射用リポソーム(有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層);非経口使用を対象とする無菌の調製物を含む注射;USPによって定義されたように5つの異なった部類の注射が存在する;非経口で投与することを対象とする無菌の発熱物質を含まない調製物から成るエマルションを含むエマルション注射;脂質複合体注射;非経口使用のための溶液を形成するために再構成を対象とする無菌の調製物である溶液注射用粉末;非経口使用のための懸濁液を形成するために再構成を対象とする無菌の調製物である懸濁注射用粉末;再構成の際にリポソーム(脂質二層又は水性空間のいずれかの中に有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層)が形成されるように製剤化されている非経口使用のための再構成を対象とする無菌の凍結乾燥調製物であるリポソーム懸濁用に凍結乾燥された粉末;極度に低い圧で凍結状態にて生成物から水を除くことを含む過程である、凍結乾燥(「凍結乾燥」)によって調製される溶液を対象とする剤形である溶液注射用に凍結乾燥された粉末;これは、すべて注射の要件で統一される溶液を創るための液体のその後の追加を対象とする;好適な流体媒体に懸濁された固形物を含有し、すべて無菌の懸濁液の要件で統一される非経口使用を対象とする液体調製物である懸濁注射用に凍結乾燥された粉末;懸濁液を対象とする医薬剤は、極度に低い圧で凍結状態にて生成物から水を除くことを含む過程である、凍結乾燥(「凍結乾燥」)によって調製される;好適な溶媒又は注射に好適である相互に混和性の溶媒の混合物に溶解された1以上の薬剤物質を含有する液体調製物である注射用溶液;好適な溶液の添加の際、すべて注射の要件に統一される溶液を得る、非経口使用のための無菌調製物である注射用濃縮溶液;水性相全体にわたって分散された油相、又はその逆から成ることもできる粒子が可溶性ではない液体相全体にわたって分散された粒子から成る注射に好適な、液体調製物である注射用懸濁液;リポソーム(脂質二層又は水性空間のいずれかの中に有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層)が形成されるように水性相全体にわたって分散された油相から成る注射に好適な、液体調製物である注射用リポソーム性懸濁液;粒子が可溶性ではない液体相全体にわたって分散された固形粒子から成る注射に好適な、液体調製物である注射用超音波処理懸濁液が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、生成物が超音波処理される一方で気体が懸濁液に吹き込まれ、これによって固形粒子によるミクロスフェアの形成を生じる。
【0065】
非経口担体系には、1以上の薬学上好適な賦形剤、たとえば、溶媒及び共溶媒、可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤、増粘剤、乳化剤、キレート剤、緩衝液、pH調整剤、抗酸化剤、還元剤、抗菌剤、保存剤、充填剤、保護剤、等張剤、及び特定の添加剤が含まれる。
【0066】
本明細書で使用されるとき、吸入剤形には、加圧下で詰められ、鼻(鼻エアゾール)、口(舌及び舌下のエアゾール)又は肺(吸入エアゾール)への局所適用と同様に皮膚への局所塗布を対象とする適当な弁方式の起動の際、放出される治療上の有効成分を含有する製品であるエアゾール;1以上の有効成分、界面活性剤、水性又は非水性の液体、及び高圧ガスを含有する剤形であり、高圧ガスが内部相(不連続)にあれば(すなわち、水中油型)、安定な泡が放出され、高圧ガスが外部相(連続)にあれば(すなわち、油中水型)、スプレー又はすぐ砕ける泡が放出される泡型エアゾール;各起動の際、均一な量のスプレーの送達を可能にする計量用量弁から成る加圧剤形である計量エアゾール;加圧下で詰められ、適当な弁方式の起動の際、放出される粉末の形態で治療上の有効成分を含有する製品である粉末エアゾール;及び高圧ガスとして圧縮ガスを利用して湿潤スプレーとして製品を放出するのに要する力を提供し、水性溶媒中の医薬剤の溶液に適用できるエアゾール製品であるエアゾールスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用されるとき、経皮剤形には、普通、体の外側に塗布される粘着性の裏打ちを含有することが多く、貼付剤の一部から成分が受動的に拡散し又は能動的に移動し、貼付剤によっては成分が体の外側表面又は体内に送達される薬剤送達方式である貼付剤;並びにマトリクス、リザーバ及び当該技術で既知のもののようなそのほかの種々の型の貼付剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明の別の実施態様では、上述の25−(OH)D3 について25−(OH)D2 を置き換えることを望んでもよい。25−(OH)D2 の治療に好適な投与量及び濃度範囲は上記で議論したものに類似する。25−(OH)D3 及び25−(OH)D2 (Jones et al. 1975 1,25−ジヒドロキシビタミンD2 の単離と同定、 Biochemistry 14(6):1250.))並びに1a(OH)D3 及び1a(OH)D2 (Sjoden, Lindgren, and DeLuca, 1984 ラットにおける1α−ヒドロキシエルゴカルシフェロールと1α−ヒドロキシコレカルシフェロールの抗くる病活性、Journal of Nutrition 114:2043.)は類似する生体効力を有するので、25−(OH)D3 について25−(OH)D2 を置き換えて、安全性を懸念することなく、循環レベルで同様の所望の変化を引き出すことは可能であると思われえる。
【実施例】
【0069】
出願者らは、ラットのモデルにて25−ヒドロキシビタミンD(25−(OH)D3 )の月1回及び週1回の投与の効果を検討し、10〜100μg/体重kgの間のレベルでの25−(OH)D3 による週1回投与が、25−(OH)D3 の高い定常状態の血中濃度を維持するための適当で有効な治療法であると結論付けた。
【0070】
図1は、正常なビタミンDの状況にあるラットにおける9μg/体重kgと100μg/体重kgの25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 レベルの例となる上昇を示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=15)であり、動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させた。1週間後、動物を無作為に3群に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。図1はまた、投与の6ヵ月後に取ったデータも含有する。図1は、用量を投与した後4週間で値がベースラインに戻るのでさらに頻繁な投与が必要であることを明らかにしている。
【0071】
図2は、正常なビタミンDの状況にあるラットにおいて25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清カルシウムに変化がないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=15)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させた。1週間後、動物を無作為に3群に分け、採血し(0日目)、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、原子吸収分光計を用いて血清において総カルシウム濃度を評価した。図2はまた投与の6ヵ月後及び10ヵ月後に取ったデータも含有する。図2は、10ヵ月までこの試験で用いた用量レベルは高カルシウム血症を起こさず、さらに高い用量レベルの投与が可能であることを明らかにしている。
【0072】
図3は、ビタミンD欠乏ラットにおける1、3、9、30及び100μg/体重kgの25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=30)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与え、10週齢で動物を無作為に6群(n=5/群)に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。図3は投与の6ヵ月後及び10ヵ月後に取ったデータを含む。図3は、用量を投与した後4週間で値がベースラインに戻るので、ビタミンD欠乏動物ではさらに頻繁な投与が必要であることを示している。
【0073】
図4は、ビタミンD欠乏ラットにおいて25−(OH)D3 の例となる月1回経口投与後に生じる血清Ca濃度レベルは正常範囲を超えて上昇しないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=30)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢でラットを無作為に6群(n=5/群)に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与し、単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血した。吸収分光計を用いて血清において総カルシウム濃度を評価した。図4は投与の10ヵ月までのデータを含む。図4は、10ヵ月までこの試験で用いた用量レベルは高カルシウム血症を起こさず、さらに高い用量レベルの投与が可能であることを示している。
【0074】
図1〜図4の試験結果に基づいて、別の設定の試験を実施して月1回で与えられるさらに高い用量レベル又はさらに頻繁に与えられる(週1回)さらに高い用量レベルが、血清カルシウムを正常範囲外に高めることなく30ng/mLを超えて持続する25−(OH)D3 の循環血中レベルを生じるかどうかを確認した。図5〜8は、ビタミンDが十分な動物と欠乏している動物に月1回与えた高用量の25−(OH)D3 が、血清カルシウムを正常範囲(図6と8の点線)外に高めることなく、25−(OH)D3 の持続した上昇を生じることを示す。さらに低い用量での25−(OH)D3 のさらに頻繁な(週1回)の投与は、血清カルシウムを変化させることなく(図9と図10)、25−(OH)D3 の血中レベルの上昇を生じる。25−(OH)D3 の月1回の投与が25−(OH)D3 の濃度にあまり大きな変化を生じず、さらに少ない量を使用することができ、それが所望のレベルを持続させるので、それがさらに望ましい投与計画であればよい。
【0075】
図5は、正常なビタミンD状況にあるラットにて1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=4〜6匹/群)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させ、1週間後、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0076】
図6は、正常なビタミンDの状況にあるラットにて25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=4〜6匹/群)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させ、1週間後、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与し、グラフで示した時間に採血した。原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0077】
図7は、ビタミンD欠乏ラットにて1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0078】
図8は、ビタミンD欠乏ラットにて25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0079】
図9は、ビタミンD欠乏ラットにて100、1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を週1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0080】
図10は、ビタミンD欠乏ラットにて25−(OH)D3 を週1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0081】
要約すれば、図5と図7は、Dが十分なラット及びD欠乏のラットに与えた高用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じたが、28日間の経過にわたって大きなスパイクがあることを示している。図6と図8は、血清カルシウムのレベルという点で、これらの用量が安全であることを示している。図9は週1回の投与が、月1回で与えたとき見られた大きな変動なしで正常範囲を超える>25−(OH)D3 の血中レベルを生じることを示し、図10は、週1回の投与計画は、血清カルシウムのレベルが正常レベルを超えないという点で安全であることを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、25−ヒドロキシビタミンD3 を含む経口剤形、及び、それをヒトに投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1968年、25−ヒドロキシ−ビタミンD3 (25−(OH)D3 )分子は、生体を循環するビタミンDの主な血中型として発見された(Blunt JW et al., 1968、ヒドロキシコレカルシフェロール:ビタミンD3 の生物学的に活性のある代謝体、Biochemistry 7:3317-3322)。
【0003】
(25−(OH)D3 は、1971年、DeLucaらによって初めて特許権か取られた(USPN3,607,888)。長年にわたって、25−(OH)D3 の血中レベルの測定は、重要な営利事業であった。
【0004】
大量の研究によって、25−(OH)D3 の血中レベルが代謝性の骨疾患に罹っているかもしれない患者のビタミンDの状況の優れた測定値であることは、数多くの研究において示唆されている(Jones G et al.、ビタミンDの分子作用の現在の理解、Physiol. Rev. 78:1193-1231)。
【0005】
最近、多数の疫学的研究によって25−(OH)D3 の血中レベルが、多数の状態:結腸直腸癌(Gorham ED et al., 2007, 結腸直腸癌予防のための最適なビタミンDの状況−定量的メタ分析、 Am. J. Prev. Med. 32(3):210-216)、乳癌(Garland CF et al., 2007, ビタミンDと乳癌の予防:プールした分析、J. Steroid Biochem. and MoI. Biol. 103:3- 5 Special issue, pp. 708-711)、前立腺癌(Li HJ et al., 2007, 血漿ビタミンDの代謝、ビタミンD受容体の多型及び前立腺癌の前向き研究、Plos Medicine 4(3): 562-571)、及びたとえば、多発性硬化症や1型糖尿病のような自己免疫疾患(Munger KL et al., 2007, 高い血清25−ヒドロキシビタミンDはMSの低いリスクを予測する、Multiple Sclerosis 13(2):290; 及びHyppδnen, E Laara et al., 2001, ビタミンDのp摂取量と1型糖尿病のリスク:誕生−コホート試験、Lancet 358:1500-1503)のリスクの低減に関連付けられている。従って、25−(OH)D3 の血漿レベルは、米国及び多数のそのほかの国々で、市民の健康政策において脚光を浴びている。
【0006】
25−(OH)D3 は、米国市場ではもはや手に入らない。処方薬又はビタミン補助剤としてもそれを入手することはできない。しかしながら、25−(OH)D3 の血漿レベルは、ビタミンDの状況を評価するのに測定される。
【0007】
450ng/mLを超える25−(OH)D3 の血中レベルでは、毒性が懸念となる(Shepard RM et al., 1980, ビタミンD3 又はヒドロキシビタミンD3 の摂取によって影響されるようなラットにおけるビタミンD3 及びその代謝体の血漿濃度、Arch. Biochem. Biophys. 202:43-53)。
【0008】
市民の健康を増進するには、ビタミンDの産生と投与は紫外線への暴露に焦点を置いている(Sayre RM et al., 2007, 従来のビタミンD紫外線源の再導入、J. Steroid Biochem. and Molecular Biol. 103(3-5 Special Issue):686-688; 及びRajakumar K et al., 2007, 太陽紫外線照射とビタミンD:歴史的展望、 Am. J. Public Health 97(10):1746-1754)。
【0009】
皮膚科医は、ビタミンDの皮膚産生を用いて高い血中レベル濃度を満たすことに賛成しない。少量の紫外線暴露が、皮膚の悪性黒色腫、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクを顕著に高める(Lim HW et al., 2007, 評論解説:適切な血清ビタミンDレベルへの信頼できるアプローチ、J. Am. Acad. Dermatology 57(4):594-595)。
【0010】
現在、米国で入手できるビタミンDの形態はビタミンD3 とビタミンD2 のみであり、それらはタラ肝油に存在する。しかしながら、タラ肝油は、有意な量の、たとえば、ビタミンAのような生体効力のある物質を含有する(Griffing GT et al., 2008, 母親はタラ肝油について正しかった、Medscape J. Med. 10(1): 8)。
【0011】
生体内でのビタミンD3 から25−(OH)D3 への変換は量で測れるほどではないことが報告されている(Heaney RP et al., 2008, 25−ヒドロキシビタミンD3 :種々の入力条件下での循環ビタミンD3 との関係、Am. J. CHn. Nutr. 87(6): 1738- 1744)。
【0012】
ビタミンD3 又はビタミンD2 の投与の際、その有意な量が脂質貯蔵物に堆積し、脂質が移動するまでビタミンD3 及びビタミンD2 はそこに留まる(Mauer EB et al., 1972, ヒトの組織におけるビタミンDとその代謝体の分布及び貯蔵、Clin. Sci. 43(3):413-431 (1972); Rosenstreich et al., 1971, 体脂肪におけるビタミンD3 の堆積及びそこからの放出:ラットにおける貯蔵部位についての証明、J. Clin. Invest. 50(3):679-687)。
【0013】
連続したビタミンD3 の補完摂取は、脂肪組織における濃度レベルの上昇を起こし、最終的に飽和に達し、25−(OH)D3 への高い変換を余儀なくされる。しかしながら、そのような変換は、ビタミンD中毒の原因となり、それは解決しにくい。
【0014】
ビタミンDの欠乏又は不足がヒト集団に存在し、それは、臨床文献で広範に報告されている(Looker AC et al., 2002, NHANES IIIからの2つの季節的亜集団における青少年と成人の血清25−ヒドロキシビタミンDの状況、Bone 30(5): 771-777)。
【0015】
都市中心部及び北半球に住む非白人移民においてくる病及び骨軟化症の発生率が増えていると報告されている(Thacher TD et al., 2006, 世界中の栄養的くる病:原因及び今後の方向、Annals of Tropical Paediatrics 26(1): 1-16)。
【0016】
一部の解説者は、ビタミンDの不足が骨目減り過程、すなわち、骨粗鬆症に寄与するという理論を立てている(Looker AC et al., 2008, 米国白人高齢者における血清ビタミンDと股関節骨折のリスク、J. Bone Min. Res. 23(l):143-150)。
【0017】
慢性腎疾患に罹っている患者では、継続した疾患の進行に寄与するかもしれないビタミンD不足の証拠がある(Chonchol M et al., 2007, 第3回国民健康栄養調査における25−ヒドロキシビタミンD、インスリン耐性及び腎機能、Kidney Int. 71(2): 134- 139)。従って、25−(OH)D3 のさらに高い血中レベルを維持するための長い間の重要な、まだ対処されていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む経口剤形を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の経口剤形の一実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である。
【0020】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0021】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記経口剤形は軟質ゲルカプセルである。
【0022】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、薬学的に好適な前記担体系は1以上の消化できる油を含む。
【0023】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記経口剤形は錠剤である。
【0024】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、前記単回毎週用量は、10〜100μg/体重kg、好ましくは30〜50μg/体重kgの範囲での5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物である。
【0025】
本発明の経口剤形の他の一実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0026】
本発明の他の一実施態様では、本発明の非経口剤形(parenteral dosage)は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含み、そして、その非経口剤形は、注射剤形又は点滴剤形である。
【0027】
前記非経口剤形の例となる実施態様では、前記単回薬用量が毎週投与され、そして、その単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分なものである。
【0028】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0029】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、毎週投与される前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgである。
【0030】
前記非経口剤形の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、5−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0031】
本発明の別の実施態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回経口投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0032】
前記方法の例となる実施態様では、毎週投与され前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分ものである。
【0033】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0034】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgである。
【0035】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、軟質ゲルカプセル又は錠剤の形態におけるものである。
【0036】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏しているヒトである。
【0037】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、10ng/mL〜20ng/mLの25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0038】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、注射又は点滴によって、非経口で投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0039】
前記方法の例となる実施態様では、毎週投与され前記単回薬用量は、ヒトにおける血清レベルを定常状態の薬物動態にて30ng/mL〜200ng/mLの範囲の濃度に持続するのに十分なものである。
【0040】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記濃度は、30ng/mL〜100ng/mLである。
【0041】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kg、好ましくは、30〜50μg/体重kgの範囲である。
【0042】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記単回薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである。
【0043】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0044】
前記方法の別の例となる実施態様では、前記ヒトは、10ng/mL〜20ng/mLの範囲での25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンDを欠乏するヒトである。
【0045】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を経皮剤形で少なくとも7日ごとに1回投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0046】
本発明の別の態様は、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、吸入剤形にて投与して、ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法である。
【0047】
本発明の態様の1つは、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む剤形である。前記25−ヒドロキシビタミンD2 25−(OH)D2 )の濃度及び薬用量は、25−ヒドロキシビタミンD3 (25−(OH)D3 )のそれに類似する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。
【図2】正常なビタミンDの状況のラットにおいて、25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に正常レベル(点線)を超えて血清カルシウムが上昇しないことを示す棒グラフである。
【図3】25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。
【図4】ビタミンD欠乏ラットにおいて25−(OH)D3 の例となる月1回経口投与後に生じる血清Ca濃度レベルは正常範囲を超えて上昇しないことを示す棒グラフである。
【図5】Dが十分なラットに与えたより高い用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じることを示す棒グラフである。
【図6】正常なビタミンDの状況のラットにおいて月1回の用量投与後に生じる血清Caの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す血清カルシウムレベルの棒グラフである。
【図7】D欠乏ラットに与えたより高い用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じることを示す棒グラフである。
【図8】ビタミンD欠乏ラットにおいて月1回の用量投与後に生じる血清Caの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す血清カルシウムレベルの棒グラフである。
【図9】25−(OH)D3 を週1回投与した後の25−(OH)D3 レベルの上昇を示す棒グラフである。
【図10】週1回投与した後の血清Ca濃度の上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の有効成分は25−ヒドロキシ−ビタミンD3 であり、それはまたカルシフェジオール及び25−ヒドロキシ−コレカルシフェロールとも呼ばれる。それはまた、(5Z,7E)−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3β,25ジオール一水和物とも呼ばれる。25−ヒドロキシ−ビタミンD3 はその上さらに25−HCC及び25−OHCCとも呼ばれる。有効成分は、活性のある医薬成分(API)、補完成分又は栄養成分であってもよい。25−ヒドロキシ−ビタミンD3 の構造は以下の式:
【化1】
で示される。
【0050】
25−(OH)D3 は有機溶媒に可溶性であり、水には相対的に不溶性である。25−(OH)D3 は一水和物として遊離の形態で存在することができる。25−(OH)D3 一水和物は結晶性である。
【0051】
25−(OH)D3 は元々、腎性骨形成異常症の治療用のCALDEROL(登録商標)と呼ばれる薬剤として米国薬局方に導入された。CALDEROL(登録商標)は米国ではもはや入手できない。フランスでは、25−(OH)D3 はDEDROGYL(登録商標)の有効医薬成分である。DEDROGYL(登録商標)は痙攣体質の治療に使用されるらしい。
【0052】
25−(OH)D3 の臨床薬理学:ヒトにおけるビタミンDの天然の供給は、7−デヒドロコレステロールのビタミンD3 (コレカルシフェロール)への変換のために主として太陽の紫外線に依存する。ビタミンD3 は肝臓に存在するビタミンD3−ヒドロキシラーゼ酵素(25−OHase)によって25−(OH)D3 に変換される。25−ヒドロキシコレカルシフェロールはビタミンD3 の主な輸送形態であり、血清にて容易にモニターすることができる。それは、腎臓でさらに1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(1,25−(OH)2 D3 )及び24,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロール(24,25−(OH)2 D3 )に変換される。1,25−(OH)2 D3 は骨からのカルシウムの再吸収を刺激し、腸管でのカルシウムの吸収を高める。臨床使用におけるカルシフェジオールの代謝活性は、ほかの代謝体へのその変換のみならず、その固有の活性に関係すると思われる。経口投与されると、25−(OH)D3 は、約4時間後に報告される血清におけるピーク25−(OH)D3 濃度を伴って腸管から迅速に吸収される。25−(OH)D3は血液中で輸送され、特定の血漿タンパク質に結合することが分かっている(添付文書、Calderol(登録商標)、カルシフェジオールカプセル、USP、1998年9月)。経口投与された25−(OH)D3 の半減期は12〜23日の範囲内である。経口投与されると、ヒトでは約62〜77%の25−(OH)D3 が吸収される。ビタミンDの生理学はDeLuca HF、2004にも報告されており、ビタミンD1〜4の一般的な生理的特性及び機能の概要は、Am.J.Clin.Nutr.,80(suppl):1689S−16896Sに報告されており、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0053】
本発明は、血中に存在するビタミンDの形態である25−(OH)D3 の補充への論理的なアプローチを指向する。25−(OH)D3 が生体内で貯蔵物の形態で保存されるという証拠は報告されていないので、補充を有利に用いて血中レベル濃度を滴定することができる。本発明は、投与すると国民の健康を改善する、25−(OH)D3 を含有する処方薬ビタミンカプセルを熟考する。
【0054】
25−(OH)D3 はおよそ25〜32日の生体内での寿命を有する。(Calderol、25−(OH)D3 の新医薬品承認審査概要)。従って、たとえば、経口での及び注射又は点滴による非経口での月に1回の投与計画では、25−(OH)D3 を投与するのに制御された放出剤形は必要ではない。しかしながら、25−(OH)D3 の寿命は投与の回数という点で有利に利用することができる。
【0055】
本発明の週1回の経口用及び非経口用の剤形は、月を通して、25−(OH)D3 の血中レベルを30ng/mL〜100ng/mLの間で維持する。本剤形はまた、30ng/mL未満、普通10ng/mL〜20ng/mLの間の25−(OH)D3 の血中レベルを表す明らかな欠乏も治療する(ビタミンDの栄養最新情報に関する科学諮問委員会、栄養に関する科学諮問委員会による意見書、ロンドン:The Stationery Office, Limited、2007年)。
【0056】
25−(OH)D3 は、油又はカプセルから容易に吸収され、生体利用可能である。50mgの25−(OH)D3 までを含有するカプセルが週1回の投与計画に使用されてもよい。ラットにおける実験は、100μg/体重kgが30ng/mL〜100ng/mLの範囲の血中レベルを維持するのに十分であることを示している。本発明は、軽いビタミンD中毒のリスクを負うので、500ng/mLを超えて25−(OH)D3 のレベルを上げる剤形又は投与計画を企図することはない(Shepard RM et al., 1980, ビタミンD3 又はヒドロキシビタミンD3 の摂取により影響されるようなラットにおけるビタミンD3 とその代謝体の血漿濃度、Arch Biochem Biophys 202:43- 53)。
【0057】
25−(OH)D3 は、通常の食物成分でもあり、又は栄養的でもある。それは食物のために消費される動物の血中及び組織に見い出される(Purchas R et al., 2007, 生の及び調理したニュージーランド牛及び実験室におけるビタミンD3 及び25−ヒドロキシビタミンD3 の濃度、 Journal of food Composition and Analysis 20(2):90-98); Jakobsen J et al., 2007, ブタにおいて25−ヒドロキシビタミンD3 はビタミンD3 に類似してビタミンDの状況に影響を及ぼすが、生産された肉は低含量のビタミンDを有する、British Journal of Nutrition 98(5):908-913); Graff IE et al., 2004, 大西洋サケSalmo salar Lの2年子転換の間のビタミンD3代謝体の血漿レベル、 Aquaculture 240:617-622);及びOvesen LC et al., 25−ヒドロキシビタミンDの食物含量と生物活性:考慮すべきビタミンDの代謝体は、Annals of Nutrition and Metabolism 47(3-4): 107-113)。
【0058】
25−(OH)D3 は、鳥類の餌用のGRASリストに見い出すことができる。従ってそれは、標準の栄養素として認可されている。25−(OH)D3 はビタミンDの活性型に構造的に近いが、それはさらに、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 、1,25−(OH)2 D3 への変換を必要とする。そのような変換は腎臓で生じる制御された過程である。25−ヒドロキシビタミンD3 は現在の栄養型を有利に処理する。それを有利に、好都合に及び日常的に測定することもできる。
【0059】
ヒト用剤形:想定されるヒトの用量は、10〜100μg/体重kg、好ましくは30〜50μg/体重kgである。ラットの剤形とデータに基づいて、ビタミンDを欠乏した又はそれが不足する60kgにヒトに月1回1〜10mgの25−(OH)D3 を安全に投与することができ、それによって標準範囲を超えて25−(OH)D3 の血中循環濃度レベルを上げる。25−(OH)D3 のそのような投与はまた、特に定常状態の薬物動態に達した際、25−(OH)D3 の血中濃度の上昇を持続する。定常状態の薬物動態にて、25−(OH)D3 の維持用量は、生体からの25−(OH)D3 の除去速度に等しい。言い換えれば、投与の速度は、除去の速度に等しい。定常状態の平均血清濃度という点で定常状態の血清濃度も参照される。対象に25−(OH)D3 を投与する前に、対象は25−(OH)D3 の生来の定常状態のベースライン血清濃度を有する。
【0060】
例となる実施態様では、経口剤形は、0.6mg〜6mgの25−(OH)D3 を含有するカプセルである。カプセルは種々の形態であってもよい。たとえば、それは、0.1mL〜1mLの消化できる油に25−(OH)D3 を含有する軟質ゲルのカプセルであってもよい。剤形はまた、1以上の好適な医薬賦形剤を含む担体系を含有する錠剤であってもよい。
【0061】
薬学上好適な経口担体系(薬剤送達方式とも呼ばれ、生体への薬剤の均一放出又はターゲティングを可能にする製剤と共に又はその一部として分配される現代技術である)は好ましくは、FDAが認可した及び/又はUSPが認可した不活性成分を包含する。21CFR210.3(b)(8)のもとで、不活性成分は有効成分以外の製剤の任意の構成成分である。21CFR210.3(b)(8)によれば、有効成分は、疾患の診断、治癒、緩和、治療又は予防において医薬活性若しくはそのほかの直接的な効果を提供する、又はヒト若しくはそのほかの動物の体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを意図する製剤の任意の構成成分である。有効成分には、製剤の製造中、化学変化を受けてもよく、特定の活性又は効果を提供することが意図される改変形態にて製剤に存在してもよい製剤の構成成分が挙げられる。本明細書で使用されるとき、キット(剤形とも呼ばれる)は関連する物質の包装された収集物である。
【0062】
本明細書で使用されるとき、経口剤形には、カプセル(外殻と中身から成る固形経口剤形であり、外殻は、単一の密封された封入物又は組み合わせ、バンドで密封することもある2つの二等分で構成され、カプセルの外殻はゼラチン、デンプン又はセルロース又は好適なそのほかの材料から作られてもよく、軟質又は硬質であってもよく、固形成分又は注ぐ又は絞ることができる液体成分で満たされる)、カプセル又は被覆した小丸薬(薬剤が硬質容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;薬剤自体が顆粒の形態であり、それに様々な量のコーティングが塗布されている)、被覆した延長放出型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;さらに、カプセルは指定されたコーティングに覆われ、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、徐放型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり、投与後即時に以外の時間に薬剤(単)(薬剤(複))を放出し、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、徐放性小丸薬型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包された固形剤形であり;薬剤自体が顆粒の形態であり、それに腸溶性のコーティングが塗布されるので、腸管へのその通過まで薬剤の放出を遅らせる)、延長放出型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、膜被覆延長放出型カプセル(薬剤が硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器、又はゼラチンの好適な形態から作られる「外殻」に内包される固形剤形であり;さらに、カプセルは指定された膜コーティングに覆われ、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する)、ゼラチン被覆型カプセル(薬剤が、ゼラチンの好適な形態から作られる硬質の容器若しくは軟質可溶性の容器に内包される固形剤形であり;完全な封止が形成できるようにバンディング工程を介してゼラチンの追加の層によってカプセルが被覆される)、液体充填型カプセル(たとえばソルビトール若しくはグリセリンのようなポリオールの添加によって可塑化される可溶性のゼラチン外殻に薬剤が内包される固形剤形であるので、硬質外殻カプセルより幾分粘度が高く;通常、有効成分は液体ビヒクルに溶解されるか、又は懸濁される)、顆粒(小さな粒子又は粒)、小丸薬(顆粒の形成によって又は圧縮と成形によって作製される賦形剤を伴った又は伴わない高度に精製された薬剤から成る小さな無菌の固形塊)、被覆された延長放出型の小丸薬(薬剤自体が様々な量のコーティングが塗布された顆粒の形態であり、従来の剤形として提示された薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で薬剤(単数)若しくは薬剤(複数)を放出する固形剤形)、丸薬(経口投与について意図される薬剤を含有する小さな丸い固形剤形)、粉末(内服又は外用剤を対象としてもよい乾燥した微細に分割された薬剤及び/又は化学物質の密な混合物)、エリキシル(溶解された医薬剤を含有する透明で心地よい風味の甘い水アルコール液体;経口用途を対象とする)、チューインガム(噛むと甘く、風味のある種々の形状の不溶性の可塑性物質;薬剤物質を口腔に放出する)、シロップ(高濃度のスクロース又はそのほかの糖を含有する経口用溶液であり;経口懸濁液を含む甘く、粘性のビヒクルで調製されるほかの液状剤形を含むようにも用語は使用されている)、錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する固形剤形)、チュアブル錠(噛まれることが意図される、好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する固形剤形であり、口腔に心地良い味覚の残渣を作り、飲み込み易く、苦い又は不愉快な後味を残さない)、被覆錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有する、指定されたコーティングで被覆される固形剤形)、被覆粒子型錠剤(それぞれコーティングで被覆されている医薬粒子の集塊を含有する固形剤形)、徐放型錠剤(投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出する固形剤形であり、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、徐放粒子型錠剤(投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出するコーティングで被覆されている薬物粒子の集塊を含有する固形剤形であり、それによって腸溶性コーティング品が徐放性剤形である)、分散型錠剤(投与に先立って液体に入れることが意図される錠剤であって、その内容物がその液体全体にわたって均一に分布し、それによって用語「分散型錠剤」を認可された製剤にもはや使用せず、それは用語「懸濁用錠剤」に置き換えられている)、発泡性錠剤(酸、たとえば、クエン酸、酒石酸と重炭酸ナトリウムの混合物を含有する固形剤形であり、水に溶解すると二酸化炭素を放出し、それによって投与前に水に溶解する又は分散することが意図される)、延長放出型錠剤(従来の剤形として提示される薬剤に比べて少なくとも投与回数を減らすことができる薬剤を含有する固形剤形)、膜被覆型錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、水不溶性又は水溶性のポリマーの薄層で被覆される固形剤形)、膜被覆延長放出型錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、水不溶性又は水溶性のポリマーの薄層で被覆される固形剤形であり;消化後、長い時間にわたって含有された薬物を利用可能にするように錠剤が製剤化される)、溶液用錠剤(液体に入れると溶液を形成する錠剤)懸濁用錠剤(液体に入れると懸濁液を形成し、以前は「分散可能錠剤」と呼ばれる錠剤)、多層型錠剤(圧縮して多層錠剤又は錠剤中錠剤を形成する医薬物質を含有する固形剤形であって、内部錠剤が芯であり、外側部分が外殻である)、多層延長放出型錠剤(圧縮して多層錠剤又は錠剤中錠剤を形成する医薬物質を含有する固形剤形であって、内部錠剤が芯であり、外側部分が外殻であり、さらに従来の剤形として提示される薬剤に比べて少なくとも投与回数を減らすことができるような方法で錠剤が製剤化される)、経口崩壊型錠剤(舌の上の載せると普通数秒以内に迅速に崩壊する医薬物質を含有する固形剤形)、経口崩壊徐放型錠剤(舌の上の載せると普通数秒以内に迅速に崩壊するが、投与後即時に以外の時間に薬剤(単)又は薬剤(複)を放出する医薬物質を含有する固形剤形)、可溶性錠剤(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、流体に溶解する能力を持つ固形剤形)、糖衣錠(好適な希釈剤を伴った又は伴わない医薬物質を含有し、着色した又は無色の水溶性の糖で被覆される固形剤形)、浸透物質などが挙げられる。
【0063】
経口剤形組成物は、医薬有効成分(すなわち、25−ヒドロキシ−ビタミンD3 )及び1以上の不活性の医薬成分、たとえば、希釈剤、可溶化剤、アルコール類、結合剤、制御放出ポリマー、腸溶性ポリマー、崩壊剤、賦形剤、着色剤、香味剤、甘味剤、抗酸化剤、保存剤、顔料、添加剤、充填剤、懸濁剤、界面活性剤(たとえば、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、及び非イオン性)などを含有する。種々のFDAが認可した不活性成分は、製造者が特に意図する不活性成分を含有するFDAの「不活性成分データベース」に見い出され、21CFR210.3(b)(7)にある有効成分の定義に従って、特定の状況下では不活性成分を有効成分とみなすこともできる。アルコールは、製品処方によって有効成分又は不活性成分のいずれともみなされてもよい成分の良い例である。
【0064】
本明細書で使用されるとき、注射用及び点滴用の剤形には、リポソームから成る又はリポソームを形成する注射用リポソーム(有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層);非経口使用を対象とする無菌の調製物を含む注射;USPによって定義されたように5つの異なった部類の注射が存在する;非経口で投与することを対象とする無菌の発熱物質を含まない調製物から成るエマルションを含むエマルション注射;脂質複合体注射;非経口使用のための溶液を形成するために再構成を対象とする無菌の調製物である溶液注射用粉末;非経口使用のための懸濁液を形成するために再構成を対象とする無菌の調製物である懸濁注射用粉末;再構成の際にリポソーム(脂質二層又は水性空間のいずれかの中に有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層)が形成されるように製剤化されている非経口使用のための再構成を対象とする無菌の凍結乾燥調製物であるリポソーム懸濁用に凍結乾燥された粉末;極度に低い圧で凍結状態にて生成物から水を除くことを含む過程である、凍結乾燥(「凍結乾燥」)によって調製される溶液を対象とする剤形である溶液注射用に凍結乾燥された粉末;これは、すべて注射の要件で統一される溶液を創るための液体のその後の追加を対象とする;好適な流体媒体に懸濁された固形物を含有し、すべて無菌の懸濁液の要件で統一される非経口使用を対象とする液体調製物である懸濁注射用に凍結乾燥された粉末;懸濁液を対象とする医薬剤は、極度に低い圧で凍結状態にて生成物から水を除くことを含む過程である、凍結乾燥(「凍結乾燥」)によって調製される;好適な溶媒又は注射に好適である相互に混和性の溶媒の混合物に溶解された1以上の薬剤物質を含有する液体調製物である注射用溶液;好適な溶液の添加の際、すべて注射の要件に統一される溶液を得る、非経口使用のための無菌調製物である注射用濃縮溶液;水性相全体にわたって分散された油相、又はその逆から成ることもできる粒子が可溶性ではない液体相全体にわたって分散された粒子から成る注射に好適な、液体調製物である注射用懸濁液;リポソーム(脂質二層又は水性空間のいずれかの中に有効な薬剤物質を被包するのに使用されるリン脂質で普通構成される脂質二層)が形成されるように水性相全体にわたって分散された油相から成る注射に好適な、液体調製物である注射用リポソーム性懸濁液;粒子が可溶性ではない液体相全体にわたって分散された固形粒子から成る注射に好適な、液体調製物である注射用超音波処理懸濁液が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、生成物が超音波処理される一方で気体が懸濁液に吹き込まれ、これによって固形粒子によるミクロスフェアの形成を生じる。
【0065】
非経口担体系には、1以上の薬学上好適な賦形剤、たとえば、溶媒及び共溶媒、可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤、増粘剤、乳化剤、キレート剤、緩衝液、pH調整剤、抗酸化剤、還元剤、抗菌剤、保存剤、充填剤、保護剤、等張剤、及び特定の添加剤が含まれる。
【0066】
本明細書で使用されるとき、吸入剤形には、加圧下で詰められ、鼻(鼻エアゾール)、口(舌及び舌下のエアゾール)又は肺(吸入エアゾール)への局所適用と同様に皮膚への局所塗布を対象とする適当な弁方式の起動の際、放出される治療上の有効成分を含有する製品であるエアゾール;1以上の有効成分、界面活性剤、水性又は非水性の液体、及び高圧ガスを含有する剤形であり、高圧ガスが内部相(不連続)にあれば(すなわち、水中油型)、安定な泡が放出され、高圧ガスが外部相(連続)にあれば(すなわち、油中水型)、スプレー又はすぐ砕ける泡が放出される泡型エアゾール;各起動の際、均一な量のスプレーの送達を可能にする計量用量弁から成る加圧剤形である計量エアゾール;加圧下で詰められ、適当な弁方式の起動の際、放出される粉末の形態で治療上の有効成分を含有する製品である粉末エアゾール;及び高圧ガスとして圧縮ガスを利用して湿潤スプレーとして製品を放出するのに要する力を提供し、水性溶媒中の医薬剤の溶液に適用できるエアゾール製品であるエアゾールスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用されるとき、経皮剤形には、普通、体の外側に塗布される粘着性の裏打ちを含有することが多く、貼付剤の一部から成分が受動的に拡散し又は能動的に移動し、貼付剤によっては成分が体の外側表面又は体内に送達される薬剤送達方式である貼付剤;並びにマトリクス、リザーバ及び当該技術で既知のもののようなそのほかの種々の型の貼付剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明の別の実施態様では、上述の25−(OH)D3 について25−(OH)D2 を置き換えることを望んでもよい。25−(OH)D2 の治療に好適な投与量及び濃度範囲は上記で議論したものに類似する。25−(OH)D3 及び25−(OH)D2 (Jones et al. 1975 1,25−ジヒドロキシビタミンD2 の単離と同定、 Biochemistry 14(6):1250.))並びに1a(OH)D3 及び1a(OH)D2 (Sjoden, Lindgren, and DeLuca, 1984 ラットにおける1α−ヒドロキシエルゴカルシフェロールと1α−ヒドロキシコレカルシフェロールの抗くる病活性、Journal of Nutrition 114:2043.)は類似する生体効力を有するので、25−(OH)D3 について25−(OH)D2 を置き換えて、安全性を懸念することなく、循環レベルで同様の所望の変化を引き出すことは可能であると思われえる。
【実施例】
【0069】
出願者らは、ラットのモデルにて25−ヒドロキシビタミンD(25−(OH)D3 )の月1回及び週1回の投与の効果を検討し、10〜100μg/体重kgの間のレベルでの25−(OH)D3 による週1回投与が、25−(OH)D3 の高い定常状態の血中濃度を維持するための適当で有効な治療法であると結論付けた。
【0070】
図1は、正常なビタミンDの状況にあるラットにおける9μg/体重kgと100μg/体重kgの25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 レベルの例となる上昇を示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=15)であり、動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させた。1週間後、動物を無作為に3群に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。図1はまた、投与の6ヵ月後に取ったデータも含有する。図1は、用量を投与した後4週間で値がベースラインに戻るのでさらに頻繁な投与が必要であることを明らかにしている。
【0071】
図2は、正常なビタミンDの状況にあるラットにおいて25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清カルシウムに変化がないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=15)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させた。1週間後、動物を無作為に3群に分け、採血し(0日目)、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、原子吸収分光計を用いて血清において総カルシウム濃度を評価した。図2はまた投与の6ヵ月後及び10ヵ月後に取ったデータも含有する。図2は、10ヵ月までこの試験で用いた用量レベルは高カルシウム血症を起こさず、さらに高い用量レベルの投与が可能であることを明らかにしている。
【0072】
図3は、ビタミンD欠乏ラットにおける1、3、9、30及び100μg/体重kgの25−(OH)D3 の月1回の経口投与後に生じる血清25−(OH)D3 の例となる上昇を示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=30)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与え、10週齢で動物を無作為に6群(n=5/群)に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。図3は投与の6ヵ月後及び10ヵ月後に取ったデータを含む。図3は、用量を投与した後4週間で値がベースラインに戻るので、ビタミンD欠乏動物ではさらに頻繁な投与が必要であることを示している。
【0073】
図4は、ビタミンD欠乏ラットにおいて25−(OH)D3 の例となる月1回経口投与後に生じる血清Ca濃度レベルは正常範囲を超えて上昇しないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=30)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢でラットを無作為に6群(n=5/群)に分け、採血し(0日目)、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与し、単回の経口用量を投与した後、4時間、24時間、1,2,3及び4週間で再び採血した。吸収分光計を用いて血清において総カルシウム濃度を評価した。図4は投与の10ヵ月までのデータを含む。図4は、10ヵ月までこの試験で用いた用量レベルは高カルシウム血症を起こさず、さらに高い用量レベルの投与が可能であることを示している。
【0074】
図1〜図4の試験結果に基づいて、別の設定の試験を実施して月1回で与えられるさらに高い用量レベル又はさらに頻繁に与えられる(週1回)さらに高い用量レベルが、血清カルシウムを正常範囲外に高めることなく30ng/mLを超えて持続する25−(OH)D3 の循環血中レベルを生じるかどうかを確認した。図5〜8は、ビタミンDが十分な動物と欠乏している動物に月1回与えた高用量の25−(OH)D3 が、血清カルシウムを正常範囲(図6と8の点線)外に高めることなく、25−(OH)D3 の持続した上昇を生じることを示す。さらに低い用量での25−(OH)D3 のさらに頻繁な(週1回)の投与は、血清カルシウムを変化させることなく(図9と図10)、25−(OH)D3 の血中レベルの上昇を生じる。25−(OH)D3 の月1回の投与が25−(OH)D3 の濃度にあまり大きな変化を生じず、さらに少ない量を使用することができ、それが所望のレベルを持続させるので、それがさらに望ましい投与計画であればよい。
【0075】
図5は、正常なビタミンD状況にあるラットにて1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=4〜6匹/群)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させ、1週間後、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0076】
図6は、正常なビタミンDの状況にあるラットにて25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(9週齢、n=4〜6匹/群)である。動物は0.47%のカルシウムを含有する精製飼料のもとに置き、1週間順化させ、1週間後、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与し、グラフで示した時間に採血した。原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0077】
図7は、ビタミンD欠乏ラットにて1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0078】
図8は、ビタミンD欠乏ラットにて25−(OH)D3 を月1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れ、ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで28日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0079】
図9は、ビタミンD欠乏ラットにて100、1000及び3000μg/体重kgの25−(OH)D3 を週1回投与した後生じる血清25−(OH)D3 の上昇を説明する棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、市販のRIAキット(ミネソタ州、スティルウオーターのDiaSorin、)を用いて血清の25−(OH)D3 濃度を評価した。
【0080】
図10は、ビタミンD欠乏ラットにて25−(OH)D3 を週1回投与した後生じる血清カルシウムの上昇は正常範囲(点線)を超えないことを示す棒グラフである。ラットは、市販のオスのスプラーグドーリー系ラット(離乳したばかり、n=4〜6匹/群)である。動物をUV範囲の光放射を欠く部屋に入れた。ビタミンDを欠く餌を与えた。10週齢で、動物を無作為に3群に分け、次いで7日ごとに1回、ビヒクル(Neobee油中5%エタノール)、又はエタノールとNeobee油に溶解した25−(OH)D3 を経口投与した。グラフで示した時間に採血し、原子吸収分光計又は臨床アナライザ(Pentra400、HoribaABXDiagnostics−フランス)を用いて血清にて総カルシウム濃度を評価した。
【0081】
要約すれば、図5と図7は、Dが十分なラット及びD欠乏のラットに与えた高用量の25−(OH)D3 は正常より高い循環レベルを生じたが、28日間の経過にわたって大きなスパイクがあることを示している。図6と図8は、血清カルシウムのレベルという点で、これらの用量が安全であることを示している。図9は週1回の投与が、月1回で与えたとき見られた大きな変動なしで正常範囲を超える>25−(OH)D3 の血中レベルを生じることを示し、図10は、週1回の投与計画は、血清カルシウムのレベルが正常レベルを超えないという点で安全であることを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む経口剤形。
【請求項2】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおいて血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な薬用量である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項3】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項4】
前記経口剤形の形態が、軟質ゲルカプセルである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項5】
前記経口担体系が、1以上の消化可能な油を含む経口担体系である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項6】
前記経口担体系の形態が、錠剤である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項7】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項8】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項9】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項10】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な非経口担体系と、を含む、注射剤形又は点滴剤形とする、非経口剤形。
【請求項11】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおいて血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項10の非経口剤形。
【請求項12】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項10の非経口剤形。
【請求項13】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項10の非経口剤形。
【請求項14】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項10の非経口剤形。
【請求項15】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである請求項10の非経口剤形。
【請求項16】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回経口投与することを含む方法。
【請求項17】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物35〜45μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記単回薬用量が、軟質ゲルカプセル又は錠剤の形態での単回薬用量である請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒトが、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記ヒトが、10ng/mL〜20ng/mLの範囲での25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項25】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、注射又は点滴によって、非経口投与することを含む方法。
【請求項26】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物35〜45μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記ヒトが、25−ヒドロキシビタミンD3 330ng/mL未満の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒトが、25−ヒドロキシビタミンD3 10ng/mL〜20ng/mLの血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項33】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、経皮剤形にて、経皮投与することを含む方法。
【請求項34】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、吸入剤形にて吸入によって、投与することを含む方法。
【請求項35】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回投与することを含む方法。
【請求項36】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物と、薬学的に好適な担体系と、を含む剤形。
【請求項1】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な経口担体系と、を含む経口剤形。
【請求項2】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおいて血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な薬用量である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項3】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項4】
前記経口剤形の形態が、軟質ゲルカプセルである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項5】
前記経口担体系が、1以上の消化可能な油を含む経口担体系である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項6】
前記経口担体系の形態が、錠剤である請求項1に記載の経口剤形。
【請求項7】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項8】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項9】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである請求項1に記載の経口剤形。
【請求項10】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物と、薬学的に好適な非経口担体系と、を含む、注射剤形又は点滴剤形とする、非経口剤形。
【請求項11】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおいて血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項10の非経口剤形。
【請求項12】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項10の非経口剤形。
【請求項13】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項10の非経口剤形。
【請求項14】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項10の非経口剤形。
【請求項15】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物0.6mg〜6mgである請求項10の非経口剤形。
【請求項16】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回経口投与することを含む方法。
【請求項17】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物35〜45μg/体重kgである請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記単回薬用量が、軟質ゲルカプセル又は錠剤の形態での単回薬用量である請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒトが、30ng/mL未満の25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記ヒトが、10ng/mL〜20ng/mLの範囲での25−ヒドロキシビタミンD3 の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項25】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、注射又は点滴によって、非経口投与することを含む方法。
【請求項26】
毎週投与される前記単回薬用量が、定常状態の薬物動態にてヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記濃度が、30ng/mL〜100ng/mLである請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物10〜100μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物30〜50μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記単回薬用量が、25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物35〜45μg/体重kgである請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記ヒトが、25−ヒドロキシビタミンD3 330ng/mL未満の血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒトが、25−ヒドロキシビタミンD3 10ng/mL〜20ng/mLの血清レベル濃度を有するビタミンD欠乏のヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項33】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、経皮剤形にて、経皮投与することを含む方法。
【請求項34】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD3 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回、吸入剤形にて吸入によって、投与することを含む方法。
【請求項35】
ヒトにおいて定常状態の薬物動態にて25−ヒドロキシビタミンD3 の血中レベル濃度を持続する方法であって、定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な単回薬用量の25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物を少なくとも7日ごとに1回投与することを含む方法。
【請求項36】
定常状態の薬物動態にて少なくとも7日間、ヒトにおける血清レベルを30ng/mL〜200ng/mLの濃度に持続するのに十分な25−ヒドロキシビタミンD2 又はその一水和物と、薬学的に好適な担体系と、を含む剤形。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2011−529081(P2011−529081A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520222(P2011−520222)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/051664
【国際公開番号】WO2010/011906
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ ファウンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/051664
【国際公開番号】WO2010/011906
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ ファウンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
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