説明

25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライドの調製方法

【課題】不純物の14−ヒドロキシコデイノンを減少させた、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法を提供する。
【解決手段】25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、少なくとも100ppmの14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を適切な溶媒中で水素化して、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドン組成物を生成する工程を含む前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2005年2月10日に出願された米国仮出願番号第60/651,77
8号、2005年1月31日に出願された米国仮出願番号第60/648,625号、2
004年10月18日に出願された米国仮出願番号第60/620,072号、2004
年8月13日に出願された米国仮出願番号第60/601,534号、および2004年
3月30日に出願された米国仮出願番号第60/557,492号の優先権を主張する。
これらのすべては、参照して本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、オキシコドンハイドロクロライド調製における14−ヒドロキシコデイノン
の量の減少方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
オキシコドンは、CNSおよびほかの組織においてオピオイド受容体で特異的に飽和可
能にアゴニスト作用を及ぼす、半合成オピオイド鎮痛薬である。ヒトにおいて、オキシコ
ドンは、痛覚脱失を包含する多様な作用のいずれかを生じうる。
【0004】
パーデュ・ファーマ(Purdue Pharma)L.P.は現在、商品名オキシコンチン(OxyConti
n)(登録商標)として、10、20、40、および80mgのオキシコドンハイドロクロ
ライドを含有する剤形で、徐放性オキシコドンを販売している。
【0005】
米国特許第5,266,331号;第5,508,042号;第5,549,912号
;および第5,656,295号は、徐放性オキシコドン製剤を開示している。
【0006】
テバイン、すなわちアヘンに由来する化合物は、それ自体で医薬用途を有していないが
、オキシコドンの生成のための合成スキームにおける出発原料として有用である。ほかの
スキームにおいて、コデインは、オキシコドンの生成のための出発原料として利用するこ
とができる。14−ヒドロキシコデイノンは、これらのスキームにおいてオキシコドンへ
の直接の先駆物質である。
【0007】
テバインまたは14−ヒドロキシ置換アヘン誘導体の生成方法は、例えば米国特許第3
,894,026号および米国特許第4,045,440号において報告されている。
【0008】
コデインからコデイノンへの酸化は、アヘン誘導体の合成における最初の工程であり、
EP第0889045号、米国特許第6,008,355号、およびJ.Am.Chem
.Soc.,1051,73,4001(フィンドレー(Findlay))において報告されて
いる。
【0009】
コデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの反応は、米国特許第6,008,355
号、およびテトラヘドロン(Tetrahedron)55,1999(クープ(Coop)およびライス(Ri
ce))において報告されている。
【0010】
コデイノンのテバインへのメチル化は、ヘテロサイクル(Heterocycles)、1988,4
9,43−7(ライス)およびEP第0889045号において報告されている。
【0011】
米国特許第6,177,567号は、ジフェニルシランおよびPd(Ph3P)/Zn
Cl2での、または水性酢酸中のPd/C触媒とともに次亜リン酸ナトリウムでの還元に
よる、14−ヒドロキシコデイノンのオキシコドンへの水素化について記載している。
【0012】
クラブニグ(Krabnig)らは、「オキシコドンおよび5−メチルオキシコドンの合成の最
適化(Optimization of the Synthesis of Oxycodone and 5-Methyloxycodone)」Arch.Pha
rm.(1996),329(6),(325−326)において、30psiで、記載された条件における、P
d−C触媒での氷酢酸中の14−ヒドロキシコデイノンの溶液の水素化について記載して
いる。
【0013】
14−ヒドロキシコデイノンを生じるためのテバインの酸化の間、8,14−ジヒドロ
キシ−7,8−ジヒドロコデイノンを包含するいくつかの過酸化生成物が形成される。1
4−ヒドロキシコデイノンからのオキシコドン遊離塩基の生成において、8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンが、このプロセスを通って運ばれる。オキシコド
ン遊離塩基のオキシコドンハイドロクロライドへの転化の間、不純物が、酸触媒された脱
水を受け、14−ヒドロキシコデイノンに転化される。このようにして、14−ヒドロキ
シコデイノンが、最終オキシコドンハイドロクロライド組成物中に存在する。オキシコド
ンハイドロクロライドAPI(活性製薬成分)は、多様な製造業者、例えばジョンソン・
マッセイ・アンド・マリンクロット(Johnson Matthey and Mallinckrodt)から入手しうる
。現在の市販されているオキシコドンハイドロクロライドAPI、および公知の手順によ
って調製されたオキシコドンハイドロクロライドは、100ppmを超える14−ヒドロ
キシコデイノンのレベルを有する。
【発明の開示】
【0014】
当分野において公知の組成物と比較して、減少した量の14−ヒドロキシコデイノンを
含有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を提供することへの、継続的なニーズが
当分野に存在する。
【0015】
本明細書において引用されたすべての文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照し
て組み込まれる。
(本発明の目的および概要)
【0016】
オキシコドンハイドロクロライド組成物中の14−ヒドロキシコデイノンを、25pp
m未満、約15ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満の量に減少させる
方法を提供することが、本発明のあるいくつかの実施形態の1つの目的である。
【0017】
25ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満の量の
14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を生成する
ための条件下に、オキシコドン塩基組成物と塩酸とを反応させる方法を提供することが、
本発明のあるいくつかの実施形態の1つの目的である。
【0018】
25ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満の14
−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を提供す
ることが、本発明のあるいくつかの実施形態のさらに1つの目的である。
【0019】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライド組成物の調製方法であって、塩形成の間に8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジ
ヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの脱水を促進するのに適した条件下、
および14−ヒドロキシコデイノンをオキシコドンへ転化するための還元条件下、オキシ
コドン塩基組成物と塩酸とを反応させることによる方法を提供することが、本発明のある
いくつかの実施形態のさらに1つの目的である。
【0020】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、10
0ppmを超える14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロ
ライド組成物を、14−ヒドロキシコデイノンの量を25ppm未満、約15ppm未満
、約10ppm未満、または約5ppm未満のレベルに減少させる条件下に反応させる工
程を含む方法を目的とする。
【0021】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満、約15ppm未満、約
10ppm未満、または約5ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドンハイドロクロライド組成物を目的とする。
【0022】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、10
0ppmを超える14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロ
ライド組成物を、組成物中の14−ヒドロキシコデイノンの量が、25ppm未満、約1
5ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満の量に減少される程度まで、水
素化に付す工程を含む方法を目的とする。
【0023】
本明細書に開示されているあるいくつかの実施形態において、25ppm未満の14−
ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドン組成物は、14−ヒドロキシコデイノ
ンの量を、例えば約15ppmから約10ppmまたはそれ以下へさらに減少させるため
に、その後水素化することができる。
【0024】
出発原料が、14−ヒドロキシコデイノンを100ppmまたはそれ以上の量で含むオ
キシコドンハイドロクロライド組成物である1つの実施形態において、最終オキシコドン
ハイドロクロライド組成物は、25ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、
または約5ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する。出発原料が、14
−ヒドロキシコデイノンを15ppmおよび25ppmの間の量で含むオキシコドンハイ
ドロクロライド組成物であるもう1つの実施形態において、最終オキシコドンハイドロク
ロライド組成物は、約10ppm未満、または約5ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有する。出発原料が、14−ヒドロキシコデイノンを10ppmから25p
pmの量で含むオキシコドンハイドロクロライド組成物であるもう1つの実施形態におい
て、最終オキシコドンハイドロクロライド組成物は、約5ppm未満の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有する。
【0025】
本発明のあるいくつかの実施形態において、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法は、出発原料を還
流下に水素化する工程を含む。あるいくつかの実施形態において、この方法はさらに、2
5ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する、結果として生じたオキシコ
ドンハイドロクロライド組成物を回収する工程を含む。
【0026】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、10
0ppmを超える14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する出発オキシコドンハイドロ
クロライド組成物を、適切な溶媒中で、25ppm未満、約15ppm未満、約10pp
m未満、または約5ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコド
ン組成物を生成するのに十分な時間、還流下に水素化する工程;および25ppm未満の
14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を、
結晶化および溶媒からの除去(例えば濾過による)によって回収する工程を含む方法を目
的とする。
【0027】
あるいくつかの実施形態において、本発明のオキシコドンハイドロクロライド組成物は
、0.25ppm、0.5ppm、1ppm、2ppm、または5ppmの14−ヒドロ
キシコデイノンの下限を有する。
【0028】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物と、このオキシコドン塩基組成物と比較して1
.0モル当量を超える量の塩酸とを反応させる工程を含み、この反応工程が、還元条件下
に実施され、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコ
ドンハイドロクロライド組成物を形成することを含む方法を目的とする。
【0029】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、14−ヒド
ロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン遊離塩基組成物を得る工程;オキシ
コドン遊離塩基組成物をオキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程;およびオキシ
コドンハイドロクロライドを水素化して、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノン
を有するオキシコドン組成物を得る工程を含む方法を目的とする。
【0030】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、14−ヒド
ロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン遊離塩基組成物を得る工程;オキシ
コドン遊離塩基組成物をオキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程;オキシコドン
ハイドロクロライドを単離する工程;およびオキシコドンハイドロクロライドを水素化し
て、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドン組成物を得る工
程を含む方法を目的とする。
【0031】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、テバイン組
成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工程であって、この酸化
工程が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒ
ドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適したpHで実施される工
程;14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン塩基組成物を形成す
る工程;およびオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノ
ンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程を含む方法を目的とす
る。
【0032】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、14−ヒドロキシコデイノンの調製方法
であって、テバイン組成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工
程であって、この酸化工程が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒド
ロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適し
たpHで実施される工程を含む方法を目的とする。
【0033】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
の調製方法であって、オキシコドン塩基組成物と、塩酸よりも高いpHを有する酸とを反
応させて、オキシコドンの対応酸付加塩を形成する工程、およびこのオキシコドンの酸付
加塩をオキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程を含む方法を目的とする。
【0034】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩
基組成物と、オキシコドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジ
ヒドロコデイノンを除去する物質とを接触させる工程;およびこのオキシコドン塩基組成
物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロ
ライド組成物へ転化する工程を含む方法を目的とする。
【0035】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩
基組成物を、クロマトグラフィー分離に付して、オキシコドン塩基と比較して優先的に8
,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを除去する工程;およびこのオキシ
コドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコド
ンハイドロクロライド組成物へ転化する工程を含む方法を目的とする。
【0036】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有す
るオキシコドン塩基組成物とボロネート化(boronated)ポリスチレン樹脂とを反応させる
工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程を含む方法を目的と
する。
【0037】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
の調製方法であって、適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物とボロネート化ポリスチ
レン樹脂とを反応させる工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、オキシコドンハイ
ドロクロライド組成物へ転化する工程を含む方法を目的とする。
【0038】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸と、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシ
コドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を噴
霧乾燥して、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコ
ドンハイドロクロライド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0039】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸と、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシ
コドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を凍
結乾燥して、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコ
ドンハイドロクロライド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0040】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
の調製方法であって、塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を
形成する工程;およびこの溶液を噴霧乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生
させる工程を含む方法を目的とする。
【0041】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
の調製方法であって、塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を
形成する工程;およびこの溶液を凍結乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生
させる工程を含む方法を目的とする。「バルク」という用語は、少なくとも1kgの量の
材料を意味する。あるいくつかの実施形態において、この量は、約10kgから約100
0kgまたは約10kgから約500kgであってもよい。あるいくつかの実施形態にお
いて、この量は、約20kgから約100kg;約20kgまたは約50kgの量にある
。バルクオキシコドンハイドロクロライド組成物は、例えば製薬的に許容しうるパッケー
ジ、例えば段ボール箱容器(例えばプラスチックおよび/または紙からできている);ド
ラム(例えば金属または金属複合材料からできている);または一般に柔軟性中間バルク
容器(FIBC)と呼ばれる織布の袋に包装されてもよい。これらの方法の各々は、輸送
されている製品の汚染を防ぐために、段ボール箱、ドラムの中、またはFIBCの中に取
り付けられる、典型的にはポリエチレンまたはポリプロピレン製の様々な形状のライナー
を用いる。好ましくはこれらの包装方法は、パレットによって支持され、その上に載せら
れるような形状の容器を用いる。
【0042】
本明細書において用いられる「ppm」という用語は、「百万分の1」を意味する。1
4−ヒドロキシコデイノンのことを言うために用いられる場合、「ppm」とは、ある特
定のサンプル中の百万分の1の14−ヒドロキシコデイノンを意味する。
【0043】
8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンという用語は、8α,14−ジ
ヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン;または8β,14−ジヒドロキシ−7,8−
ジヒドロコデイノンのどちらかを包含するか、または両方の化合物の混合物を包含しうる

【0044】
オキシコドンハイドロクロライド調製物は、例えばオキシコドン活性製薬成分(API
)、例えば1またはそれ以上のほかの成分と組合わされていないか、または組合わされた
オキシコドンハイドロクロライドU.S.P.であってもよい。例えばこのオキシコドン
調製物は、最終製薬剤形、または最終剤形のための中間調製物であってもよい。これは、
例えば品質保証目的のために、14−ヒドロキシコデイノンおよび/またはコデイノンの
存在についてテストされてもよい。好ましくはこのオキシコドンハイドロクロライド調製
物は、オキシコドンハイドロクロライドAPIであり、少なくとも95%のオキシコドン
ハイドロクロライド、少なくとも98%のオキシコドンハイドロクロライド、少なくとも
99%のオキシコドンハイドロクロライド、または少なくとも99.9%のオキシコドン
ハイドロクロライドを含有する。
【0045】
オキシコドン調製物中の14−ヒドロキシコデイノンの存在の検出方法は、2004年
3月29日に出願された、発明の名称が「14−ヒドロキシコデイノンの検出方法(Metho
ds for Detecting 14-Hydroxycodeinone)」という、同一出願人による米国仮出願番号第
60/557,502号にしたがって、および2005年1月31日に出願された、発明
の名称が「14−ヒドロキシコデイノンの検出方法(Methods for Detecting 14-Hydroxyc
odeinone)」という米国仮出願にしたがって実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
(例えばオキシコドンハイドロクロライドAPI)中の14−ヒドロキシコデイノンの量
の減少方法、およびこの方法から回収された25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノ
ンレベルを有する、結果として生じたオキシコドンハイドロクロライド組成物を目的とす
る。あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成
物中の14−ヒドロキシコデイノンの量の減少方法であって、オキシコドンハイドロクロ
ライド組成物と、触媒的有効量の遷移金属化合物および水素を含むガスとを、結果として
生じるオキシコドンハイドロクロライド組成物が、25ppm未満、約15ppm未満、
約10ppm未満、または約5pp未満の量の14−ヒドロキシコデイノンを含むレベル
まで、14−ヒドロキシコデイノンの含量を減少させるのに十分な温度および時間、反応
させる工程を含む方法を目的とする。
【0047】
本発明の方法はまた、14−ヒドロキシコデイノン、例えばコデイノンに加えて、オキ
シコドン組成物中のほかのアルファ、ベータ、不飽和ケトンの減少を結果として生じうる

【0048】
本発明のあるいくつかの実施形態によれば、オキシコドンハイドロクロライド組成物(
例えばオキシコドンハイドロクロライドAPI)および溶媒が、反応装置に供給される。
ついでこの組成物は、適切な条件下に十分な時間水素化され;触媒が溶媒から除去され;
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロ
ライド組成物が単離され、例えば結晶化および濾過によって除去される。
【0049】
本発明の方法における14−ヒドロキシコデイノンの水素化は、例えば加圧触媒(pres
surized-catalytic)水素化または適切な酸、例えば酢酸中の触媒移動(catalytic trans
fer)水素化を用いることによって達成することができる。特定の水素化反応は、パラジ
ウム−炭素触媒とともに、水素ガスまたはNaHPO2を用いる。あるいくつかの実施形
態において、14−ヒドロキシコデイノンの水素化における使用のための水素供与体は、
水素、第一および第二アルコール、第一および第二アミン、カルボン酸およびこれらのエ
ステルおよびアミン塩、容易に脱水素化可能な炭化水素(例えば低級アルキル−置換芳香
族炭化水素、例えばエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジイソ
プロピルベンゼン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエン、o
−イソプロピルトルエン、m−イソプロピルトルエン、p−イソプロピルトルエン、エチ
ルナフタレン、プロピルナフタレン、イソプロピルナフタレン、およびジエチルナフタレ
ン;パラフィン、例えばエタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イ
ソペンタン、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、お
よびこれらの分岐鎖異性体;シクロパラフィン、例えばシクロブタン、シクロペンタン、
シクロへキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロへキサン、およびエチルシクロペ
ンタン;オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペン
テン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、およびこれらの分岐
鎖誘導体)、クリーンな還元剤(例えばポリマー担持有機錫水素化物、およびこれらのあ
らゆる適切な組合わせから選択することができる。あるいくつかの実施形態において、水
素化は、2003年6月12日に出願された、発明の名称が「水素ガス供給をともなわな
いオピオイドの水素化(Hydrogenation of Opioids Without Hydrogen Gas Feed)」という
米国仮出願番号第60/477,968号に開示されているように実施することができる

【0050】
あるいくつかの実施形態において、水素化は、約5PSIGから約200PSIG、ま
たは約40PSIGから約60PSIGの圧力で実施される。あるいくつかの実施形態に
おいて、水素化は、約20℃から約100℃、または約40℃から約85℃の温度で実施
される。
【0051】
あるいくつかの実施形態において、水素化は、5未満、3未満、または1未満、例えば
約0.5のpHで実施される。
【0052】
本発明のあるいくつかの実施形態において、14−ヒドロキシコデイノンは、ジフェニ
ルシランおよびPd(Ph3P)/ZnCl2および次亜リン酸ナトリウムを、水性有機酸
中のPd/C触媒とともに用いた水素化によって;またはPd/C触媒移動水素化によっ
てオキシコドンへ転化される。
【0053】
水素化反応の総反応時間は、14−ヒドロキシコデイノンの含量を、25ppm未満、
約15ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満のレベルに減少させるのに
十分な時間である。実際の反応時間は、水素化系の温度および効率に応じて変えることが
できる。水素化条件(例えば温度および圧力)に応じて、14−ヒドロキシコデイノン中
で所望の減少を得るための総反応時間は、例えば約10分から約36時間であってもよい
。14−ヒドロキシコデイノンの水素化は、貴金属触媒の存在下に実施することができる
。あるいくつかの実施形態において、適切な触媒は、中でも特に、ラネーコバルト、ラネ
ーニッケル、炭素上のパラジウム、炭素上の白金、アルミナ上のパラジウム、酸化白金、
アルミナ上のルテニウム、アルミナ上のロジウム、または炭素上のロジウムから選択する
ことができる。この還元のための1つの特定の触媒は、炭素上の5%パラジウムである。
炭素触媒上のパラジウムの量は、処理される組成物に対して、約0.05%w/wから約
50%w/w、または約0.5%w/wから約5%w/wであってもよい。
【0054】
反応は、溶媒、例えば水;アルコール(例えばイソプロパノール、メタノール、または
エタノール);テトラヒドロフラン;芳香族炭化水素(例えばベンゼン);エーテル(例
えばジオキサン);低級アルカン酸のエステル(例えばメチルアセテートまたはエチルア
セテート);アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、またはほかのN−アルキル置換低級脂肪酸アミド);N−メチルピロリドン
;ホルミルモルホリン;β−メトキシプロピオニトリル;カルボン酸(例えば蟻酸、酢酸
、プロピオン酸、またはほかの低級アルカン酸)、または前記溶媒のいずれか2またはそ
れ以上の適切な混合物中で実施されてもよい。1つの特定の共溶媒の組合わせは、イソプ
ロパノール/水である。
【0055】
あるいくつかの実施形態において、溶媒は典型的には、水素化前に14−ヒドロキシコ
デイノン含有組成物(例えばオキシコドン組成物)と混合される。
【0056】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドン遊離塩基組成物(8,14
−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン成分を有する)のオキシコドンハイドロク
ロライドへの転化を目的とする。当分野において公知の塩形成反応の間、8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン成分は、酸触媒された脱水によって14−ヒドロ
キシコデイノンへ転化される。このようにして、14−ヒドロキシコデイノンは、最終生
成物において増加される。本発明によって、これは、8,14−ジヒドロキシ−7,8−
ジヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの反応を促進するために、塩形成に
おける塩酸の量を過負荷し、かつ14−ヒドロキシコデイノンがオキシコドンへ容易に転
化されるのに十分な還元条件を提供することによって減少させることができる。このよう
な実施形態において、塩酸の量は、オキシコドン遊離塩基と比較して、1モル当量を超え
る量である。あるいくつかの実施形態において、塩酸のモル当量は、約1.2モル当量を
超える、または約1.4モル当量を超えてもよい。あるいくつかの実施形態において、塩
酸の量は、約1.5モル当量であってもよい。14−ヒドロキシコデイノンをオキシコド
ンへ追いやる(drive)のに十分な還元条件は、例えば水素供与体を有する触媒によって与
えることができる。
【0057】
さらには塩形成の間、8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの14−
ヒドロキシコデイノンへの脱水率は、溶液のpHが増すにつれて減少される。したがって
、あるいくつかの実施形態において、溶液のpHは、適切な塩基剤、例えば水酸化ナトリ
ウムを用いて、約1.5から約2.5のpHへ、好ましくは約1.8へ(例えば1未満の
pHから)調節することができる。これはさらに、結晶化の間、8,14−ジヒドロキシ
−7,8−ジヒドロコデイノンからの14−ヒドロキシコデイノンの形成を最小限にする
。好ましくはpH調節は、水素化工程後であって、触媒の除去、および25ppm未満の
14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンの単離の前に実施される。
【0058】
あるいくつかの実施形態において、本発明の方法、または本発明の方法における1また
はそれ以上の関連工程を、14−ヒドロキシコデイノンの量を所望のレベル、例えば約1
0ppm未満、または約5ppm未満に減少させるために一回以上実施することが必要で
あるかもしれない。
【0059】
本発明のあるいくつかの実施形態において、オキシコドンハイドロクロライド組成物は
、あるいくつかの代替方法によって調製することができる。このような代替方法は好まし
くは、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハ
イドロクロライド組成物を結果として生じる。1つのこのような代替方法は、25ppm
未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調
製方法であって、テバイン組成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成
する工程であって、この酸化が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適
したpHで実施される工程;14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコ
ドン塩基組成物を形成する工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化す
る工程を含む方法を目的とする。
【0060】
もう1つの代替方法は、14−ヒドロキシコデイノンの調製方法であって、テバイン組
成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工程であって、この酸化
が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロ
コデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適したpHで実施される工程を
含む方法を目的とする。
【0061】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
オキシコドン塩基組成物と、塩酸よりも高いpHを有する酸とを反応させて、オキシコド
ンの対応酸付加塩を形成する工程、およびオキシコドンの酸付加塩をオキシコドンハイド
ロクロライドへ転化する工程を含む方法を目的とする。このような実施形態において、こ
の酸は、酒石酸、蓚酸、フマル酸、リン酸、硫酸、およびこれらの混合物からなる群から
選択されてもよい。
【0062】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の8,14−ジ
ヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物と、オキシコ
ドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを除
去する物質とを接触させる工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化す
る工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態において、この接触物質は、ゲルであ
てもよい。さらなる実施形態において、接触工程は、オキシコドン塩基組成物を含む溶液
をこの物質に通すことを含んでもよく、またはオキシコドン塩基組成物およびゲルととも
にスラリーを形成することを含んでもよい。
【0063】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の8,14−ジ
ヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物を、クロマト
グラフィー分離に付して、オキシコドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ
−7,8−ジヒドロコデイノンを除去する工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド
組成物へ転化する工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態において、クロマトグ
ラフィー分離は、疑似移動床である。
【0064】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の14−ヒドロ
キシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物と、オキシコドンハイド
ロクロライドと比較して優先的に14−ヒドロキシコデイノンを除去する物質とを接触さ
せる工程;および25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハ
イドロクロライド組成物を回収する工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態にお
いて、この接触物質は、ゲルであってもよい。さらなる実施形態において、接触工程は、
オキシコドンハイドロクロライド組成物を含む溶液をこの物質に通すことを含んでもよく
、またはオキシコドンハイドロクロライド組成物およびゲルとともにスラリーを形成する
ことを含んでもよい。
【0065】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の14−ヒドロ
キシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を、クロマトグラフィー
分離に付して、オキシコドンハイドロクロライドと比較して優先的に14−ヒドロキシコ
デイノンを除去する工程;および25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有する
オキシコドンハイドロクロライド組成物を回収する工程を含む方法を目的とする。好まし
い実施形態において、このクロマトグラフィー分離は、疑似移動床である。
【0066】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、適切な溶媒中で、ある
量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組
成物とボロネート化ポリスチレン樹脂とを反応させる工程;およびこのオキシコドン塩基
組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロ
クロライド組成物に転化する工程を含む方法を目的とする。好ましくはこの反応工程は、
約20℃以下の温度で実施される。
【0067】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物とボロネート化ポリスチレン樹脂とを反応させ
る工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、オキシコドンハイドロクロライド組成物
に転化する工程を含む方法を目的とする。好ましくはこの反応工程は、約20℃以下の温
度で実施される。
【0068】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、塩酸と、ある量の8,
14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物とを
、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を噴霧乾燥して、25pp
m未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0069】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、塩酸と、ある量の8,
14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物とを
、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を凍結乾燥して、25pp
m未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0070】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
この溶液を噴霧乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程を含む方法
を目的とする。
【0071】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
この溶液を凍結乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程を含む方法
を目的とする。
(さらなる実施形態)
【0072】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、例えば25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシ
コドンハイドロクロライドと従来の賦形剤、すなわち製薬的に許容しうる有機または無機
キャリヤー物質との混合物によって、製薬剤形中に組み込まれうる。経口製剤については
、これらの剤形は、活性物質の徐放性を与えることができる。適切な製薬的に許容しうる
キャリヤーは、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、ゲル化物(gelate)、炭水化物、例えばラクトース、アミロース、もしくはデ
ンプン、マグネシウムステアレート、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モ
ノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメ
チルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを包含するが、これらに限定されるわけでは
ない。これらの製薬調製物は、滅菌することができ、所望であれば、補助剤、例えば潤滑
剤、崩壊剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝剤に影響を与えるための塩、
着色料、風味物質および/または芳香性物質などと混合することができる。経口使用のた
めに意図された組成物は、当分野において公知のあらゆる方法にしたがって調製されても
よく、このような組成物は、タブレットの製造に適した、不活性で非毒性の製薬的に許容
しうる賦形剤からなる群から選択された、1またはそれ以上の剤を含有してもよい。この
ような賦形剤は、例えば不活性希釈剤、例えばラクトース;造粒化剤および崩壊剤、例え
ばコーンスターチ;結合剤、例えばデンプン;および潤滑剤、例えばマグネシウムステア
レートを包含する。これらのタブレットは、コーティングされていなくてもよく、または
これらは、優雅さを与えるために、または活性成分の放出を遅らせるために、公知技術に
よってコーティングされてもよい。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性希釈
剤と混合されているハードゼラチンカプセルとして提供されてもよい。本発明の経口剤形
は、タブレット(徐放性および/または即時放出)、トローチ、飴錠剤(lozenges)、粉末
もしくは顆粒、ハードもしくはソフトカプセル、微粒子(例えばマイクロカプセル、微小
球など)、口腔錠、座薬、溶液、縣濁液などの形態にあってもよい。
【0073】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載された剤形をヒトの患者
へ投与することによる、疼痛の治療方法を提供する。
【0074】
この剤形が経口であるとき、本発明の剤形は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンレベルを有する、約10mgから約320mgのオキシコドンハイドロクロライド
を含有する。一日2回の投薬に特に好ましい投薬量は、約5mg、約10mg、約15m
g、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約80mg、約1
00mg、または約160mgである。一日1回の投薬に特に好ましい投薬量は、約10
mg、約20mg、約30mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、
約120mg、約160mg、または約320mgである。25ppm未満の14−ヒド
ロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドはまた、25ppm未
満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドの徐放
性を与えるのに適した、製薬的に許容しうる賦形剤とともに配合することができる。この
ような製剤は、米国特許第5,266,331号;第5,508,042号;第5,54
9,912号;および第5,656,295号にしたがって調製することができる。
【0075】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、当業者に公知のあらゆる適切なタブレット、コーティングされたタブレット
、または多微粒子製剤中に徐放性経口製剤として配合することができる。この徐放性剤形
は、オキシコドンまたはこれの塩とともにマトリックス中に組み込まれる徐放性材料を含
んでもよい。
【0076】
この徐放性剤形は場合により、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンを含有する粒子を含んでもよい。あるいくつかの実施形態において、
これらの粒子は、約0.1mmから約2.5mm、好ましくは約0.5mmから約2mm
の直径を有する。好ましくはこれらの粒子は、水性媒質中において、持続した速度での活
性物質の放出を可能にする材料でフィルムコーティングされる。このフィルムコートは、
ほかの記載された特性と組合わせて、所望の放出特性を得るように選択される。本発明の
徐放性コーティング製剤は好ましくは、滑らかで優雅な、強い連続フィルムを生成するこ
とができ、非毒性、不活性で粘着性のない顔料およびほかのコーティング添加剤を維持(s
upport)しうるものであるべきである。
(コーティングされたビーズ)
【0077】
本発明のあるいくつかの実施形態において、不活性製薬ビーズ、例えばニュー・パリエ
ル(nu pariel)18/20ビーズをコーティングするために、疎水性材料が用いられ、そ
の後、結果として生じた複数の固体徐放性ビーズが、摂取されて環境流体、例えば胃液ま
たは溶解媒質によって接触されたときに有効な徐放性投与量を与えるのに十分な量で、ゼ
ラチンカプセル中に入れられてもよい。
【0078】
本発明の徐放性ビーズ製剤は、例えば摂取されて胃液へ、ついで腸液へ暴露されたとき
、本発明の活性物質をゆっくりと放出する。本発明の製剤の徐放性プロフィールは、例え
ば疎水性材料を用いて上塗り量を様々に変えることによって、可塑剤が疎水性材料へ添加
される方法を変更することによって、疎水性材料に対する可塑剤の量を変えることによっ
て、追加成分または賦形剤を含めることによって、製造方法を変更することなどによって
、変更することができる。最終製品の溶解プロフィールはまた、例えば遅延化コーティン
グの厚さを増加または減少させることによって修正されてもよい。
【0079】
本発明の単数または複数の剤でコーティングされたスフェロイドまたはビーズは、例え
ばこの剤を水中に溶解し、ついでこの溶液を基体、例えばニュー・パリエル18/20ビ
ーズへ、ウスターインサート(Wuster insert)を用いて噴霧することによって調製される
。場合により、活性物質のこれらのビーズへの結合を補助するために、および/またはこ
の溶液を着色するためなどに、ビーズをコーティングする前に追加成分も添加される。例
えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを、着色料(例えば、カラーコン社(Col
orcon,Inc.)から市販されているオパドライ(Opadry)(登録商標))をともなって、また
はともなわずに含む製品が、この溶液へ添加されてもよく、この溶液は、ビーズ上へのこ
れの塗布前に(例えば約1時間)混合される。結果として生じたコーティングされた基体
、この例ではビーズは、ついで場合により、活性物質を疎水性徐放性コーティングから分
離するために、バリヤー剤で上塗りされてもよい。適切なバリヤー剤の一例は、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースを含むものである。しかしながら、当分野において公知のあ
らゆる皮膜形成剤が用いられてもよい。バリヤー剤が、最終製品の溶解率に影響を与えな
いことが好ましい。
【0080】
ついでこれらのビーズは、疎水性材料の水性分散液で上塗りされてもよい。疎水性材料
の水性分散液は好ましくはさらに、有効量の可塑剤、例えばトリエチルシトレートも含む
。エチルセルロースの予め配合された水性分散液、例えばアクアコート(Aquacoat)(登録
商標)またはスーリリース(Surelease)(登録商標)が用いられてもよい。スーリリース
(登録商標)が用いられるならば、別に可塑剤を添加する必要がない。あるいはまた、ア
クリルポリマーの予め配合された水性分散液、例えばオイドラギット(Eudragit)(登録商
標)を用いることもできる。
【0081】
本発明のコーティング溶液は好ましくは、皮膜形成剤、可塑剤、および溶媒系(すなわ
ち水)に加えて、優雅さと製品の識別を与えるために着色料も含有する。疎水性材料の水
性分散液の代わりに、またはこれに加えて、カラーが、治療的活性剤の溶液に添加されて
もよい。例えばカラーは、アクアコート(登録商標)へ、アルコールまたはプロピレング
リコールベースのカラー分散液、粉砕アルミニウムレーキ、および乳白剤、例えば二酸化
チタンの使用を介して、水溶性ポリマー溶液へせん断とともにカラーを添加することによ
って、ついで可塑化アクアコート(登録商標)へ低せん断を用いることによって添加され
てもよい。あるいはまた、本発明の製剤へカラーを与える適切なあらゆる方法が用いられ
てもよい。アクリルポリマーの水性分散液が用いられるときに、製剤へカラーを与えるの
に適した成分は、二酸化チタンおよびカラー顔料、例えば鉄オキサイド顔料を包含する。
顔料の組み込みは、しかしながら、コーティングの遅延効果を増すことがある。
【0082】
可塑化疎水性材料は、当分野において公知のあらゆる適切な噴霧装置を用いて噴霧する
ことによって、これらの剤を含む基体へ塗布されてもよい。好ましい方法において、下か
ら射出されたエアジェットがコア材料を流動化し、アクリルポリマーコーティングが上に
噴霧されている間に乾燥を実施するビュルスター(Wurster)流動床系が用いられる。コー
ティングされた基体が、水溶液、例えば胃液へ暴露されたときに、これらの剤の予め決定
された徐放性を得るのに十分な量の疎水性材料が塗布されてもよい。疎水性材料でのコー
ティング後、皮膜形成剤、例えばオパドライ(登録商標)のさらなる上塗りが、場合によ
りビーズへ加えられる。この上塗りは、もしあるとすれば、ビーズの凝集を実質的に減少
させるために与えられる。
【0083】
本発明の徐放性製剤からの剤の放出は、1またはそれ以上の放出修正剤の添加によって
、またはコーティングを通る1またはそれ以上の通路を備えることによって、さらに影響
されうる。すなわち所望の速度に調節されうる。疎水性材料対水溶性材料の比は、ほかの
要因の中でも特に、必要とされる放出速度、および選択された材料の溶解性特徴によって
決定される。
【0084】
細孔形成剤として機能する放出修正剤は、有機または無機であってもよく、使用環境に
おいてコーティングから溶解されるか、抽出されるか、または滲出されうる材料を含む。
細孔形成剤は、1またはそれ以上の親水性材料、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースを含んでもよい。
【0085】
本発明の徐放性コーティングはまた、浸食促進剤、例えばデンプンおよびガムを含んで
もよい。
【0086】
本発明の徐放性コーティングはまた、使用環境において、微孔質薄層を作るために有用
な材料、例えばポリカーボネートを含んでもよい。このポリカーボネートは、カーボネー
ト基がポリマー鎖において再発生する(reoccur)炭酸の線状ポリエステルからなっている

【0087】
この放出修正剤はまた、半透過性ポリマーを含んでもよい。
【0088】
あるいくつかの好ましい実施形態において、この放出修正剤は、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ラクトース、金属ステアレート、および前記のもののいずれかの混合物
から選択される。
【0089】
本発明の徐放性コーティングはまた、少なくとも1つの通路、オリフィスなどを含む出
口手段を含んでもよい。この通路は、米国特許第3,845,770号;第3,916,
8989号;第4,063,064号;および第4,088,864号に開示されている
ような方法によって形成されてもよい。
(マトリックス製剤)
【0090】
本発明のほかの実施形態において、徐放性製剤は、場合により本明細書において示され
た徐放性コーティングを有するマトリックスを介して得られる。徐放性マトリックス中に
含めるのに適した材料は、マトリックスを形成するために用いられる方法による。
【0091】
マトリックスは、例えば25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する
オキシコドンハイドロクロライドに加えて、次のものを含んでもよい:
【0092】
親水性および/または疎水性材料、例えばガム、セルロースエーテル、アクリル樹脂、
タンパク質由来材料;このリストは、排他的であると意図されているのではない。そして
、剤の徐放性を付与することができ、かつ融解する(または押出されるのに必要な程度ま
で軟化する)、あらゆる製薬的に許容しうる疎水性材料または親水性材料が、本発明にし
たがって用いられてもよい。
【0093】
消化性長鎖(C8−C50、特にC12−C40)置換もしくは非置換炭化水素、例えば脂肪
酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱油および植物油およびワックス、
およびステアリルアルコール;およびポリアルキレングリコール。
【0094】
これらのポリマーのうち、アクリルポリマー、特にオイドラギット(登録商標)RSP
O−セルロースエーテル、特にヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキ
ルセルロースが好ましい。経口剤形は、1%および80%(重量)の間の少なくとも1つ
の親水性または疎水性材料を含有してもよい。
【0095】
疎水性材料が炭化水素であるとき、この炭化水素は好ましくは25℃から90℃の融点
を有する。長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(脂肪族)アルコールが好ましい。経口剤形は
、60%(重量)までの少なくとも1つの消化性長鎖炭化水素を含有してもよい。
【0096】
好ましくは経口剤形は、60%(重量)までの少なくとも1つのポリアルキレングリコ
ールを含有する。
【0097】
この疎水性材料は好ましくは、アルキルセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸ポ
リマーおよびコポリマー、シェラック、ゼイン、水素化ヒマシ油、水素化植物油、または
これらの混合物からなる群から選択される。本発明のあるいくつかの好ましい実施形態に
おいて、この疎水性材料は、製薬的に許容しうるアクリルポリマーであり、これは非限定
的に、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート、メチルメタク
リレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、ア
ミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、
メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタク
リル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無
水物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマーを包含する。ほかの実施形態におい
て、この疎水性材料は、材料、例えばヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシ
プロピルメチルセルロースおよび前記のものの混合物から選択される。
【0098】
好ましい疎水性材料は、水不溶性であり、多少なりとも顕著な親水性および/または疎
水性傾向をともなう。好ましくは、本発明において有用な疎水性材料は、約2530℃か
ら約200℃、好ましくは約45℃から約90℃の融点を有する。具体的にはこの疎水性
材料は、天然または合成ワックス、脂肪アルコール(例えばラウリル、ミリスチル、ステ
アリル、セチル、または好ましくはセトステアリルアルコール)、脂肪酸を含んでもよく
、これは非限定的に、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ−、ジ−、およびトリ−
グリセリド)、水素化脂肪、炭化水素、ノーマルワックス、ステアリン酸、ステアリルア
ルコール、および炭化水素主鎖を有する疎水性および親水性材料を包含する。適切なワッ
クスは、例えば蜜蝋、グリコワックス、キャスター(castor)ワックス、およびカルナウ
バワックスを包含する。本発明の目的のためには、ワックス様物質は、室温で標準的には
固体であり、かつ約25℃から約100℃の融点を有するあらゆる材料として規定される

【0099】
本発明にしたがって用いられてもよい適切な疎水性材料は、消化性長鎖(C8−C50
特にC12−C40)置換もしくは非置換炭化水素、例えば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸
のグリセリルエステル、鉱油および植物油、および天然および合成ワックスを包含する。
25℃から90℃の融点を有する炭化水素が好ましい。長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(
脂肪族)アルコールが、あるいくつかの実施形態において好ましい。経口剤形は、60%
(重量)までの少なくとも1つの消化性長鎖炭化水素を含有してもよい。
【0100】
好ましくは、2またはそれ以上の疎水性材料の組合わせが、これらのマトリックス製剤
中に含まれている。追加の疎水性材料が含まれるならば、天然および合成ワックス、脂肪
酸、脂肪アルコール、およびこれの混合物から好ましくは選択される。その例は、蜜蝋、
カルナウバワックス、ステアリン酸、およびステアリルアルコールを包含する。このリス
トは、排他的であると意図されているのではない。
【0101】
1つの特定の適切なマトリックスは、少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセル
ロース、少なくとも1つのC12−C36、好ましくはC14−C22脂肪族アルコール、および
場合により少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む。少なくとも1つのヒドロ
キシアルキルセルロースは好ましくは、ヒドロキシ(C1−C6)アルキルセルロース、例
えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および特に
ヒドロキシエチルセルロースである。本経口剤形中の少なくとも1つのヒドロキシアルキ
ルセルロースの量は、とりわけ、必要とされるオキシコドンハイドロクロライド放出の正
確な速度によって決定されるであろう。少なくとも1つのこの脂肪族アルコールは、例え
ばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、またはステアリルアルコールであっても
よい。本経口剤形の特に好ましい実施形態において、しかしながら、少なくとも1つのこ
の脂肪族アルコールは、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコールである。本経
口剤形中の少なくとも1つのこの脂肪族アルコールの量は、上記のように、必要とされる
オピオイドオキシコドン放出の正確な速度によって決定されるであろう。これはまた、少
なくとも1つのポリアルキレングリコールが、経口剤形中に存在するか、または不存在で
あるかによるであろう。少なくとも1つのポリアルキレングリコールの不存在の場合、こ
の経口剤形は好ましくは、20%から50%(重量)の少なくとも1つの脂肪族アルコー
ルを含有する。少なくとも1つのポリアルキレングリコールがこの経口剤形中に存在する
とき、その場合には少なくとも1つのこの脂肪族アルコールと少なくとも1つのポリアル
キレングリコールとの組合わされた重量は、好ましくは総投薬量の20%から50%(重
量)を構成する。
【0102】
1つの実施形態において、例えば少なくとも1つのこのヒドロキシアルキルセルロース
またはアクリル樹脂対少なくとも1つのこの脂肪族アルコール/ポリアルキレングリコー
ルの比は、少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロース対少なくとも1つの脂肪族ア
ルコール/ポリアルキレングリコールの(w/w)を決定し、1:2から1:4が好まし
く、1:3から1:4の比が特に好ましい。
【0103】
少なくとも1つのポリアルキレングリコールは、例えばポリプロピレングリコールであ
ってもよく、または(こちらが好ましいが)ポリエチレングリコールであってもよい。少
なくとも1つのポリアルキレングリコールの数平均分子量は、1000から15000、
特に1,500から12000が好ましい。
【0104】
もう1つの適切な徐放性マトリックスは、アルキルセルロース(特にエチルセルロース
)、(C12−C36)脂肪族アルコール、および場合によりポリアルキレングリコールを含
むであろう。
【0105】
もう1つの好ましい実施形態において、このマトリックスは、少なくとも2つの疎水性
材料の製薬的に許容しうる組合わせを含む。
【0106】
上記成分に加えて、徐放性マトリックスはまた、適量のほかの材料、例えば製薬分野に
おいて慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤
を含有してもよい。
(マトリックス−微粒子)
【0107】
この発明による固体の徐放性経口剤形の調製を容易にするために、当業者に公知のマト
リックス製剤のあらゆる調製方法が用いられてもよい。例えばマトリックス中への組み込
みは、例えば(a)少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロース、および25
ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ドを含む顆粒の形成工程;(b)顆粒を含有するヒドロキシアルキルセルロースと少なく
とも1つのC12−C36脂肪族アルコールとを混合する工程;および(c)場合により、こ
れらの顆粒を圧縮および造形する工程によって実施されてもよい。好ましくはこれらの顆
粒は、ヒドロキシアルキルセルロース顆粒を水で湿潤造粒化することによって形成される

【0108】
さらにほかの代替実施形態において、スフェロイドを形成するために、球状化剤(spher
onizing agent)が、活性物質とともに球状化されうる。微晶質セルロースが好ましい球状
化剤である。適切な微小質セルロースは、例えばアビセル(Avicel)PH101(商標、F
MCコーポレーション)として販売されている材料である。このような実施形態において
、活性成分および球状化剤に加えて、これらのスフェロイドはまた、バインダーを含有し
てもよい。適切なバインダー、例えば低粘度水溶性ポリマーは、製薬分野の当業者に周知
であろう。しかしながら水溶性ヒドロキシ低級アルキルセルロース、例えばヒドロキシプ
ロピルセルロースが好ましい。それに加えて(または代替的に)、これらのスフェロイド
は、水不溶性ポリマー、特にアクリルポリマー、アクリルコポリマー、例えばメタクリル
酸−エチルアクリレートコポリマー、またはエチルセルロースを含有してもよい。このよ
うな実施形態において、徐放性コーティングは一般に、疎水性材料、例えば(a)単独ま
たは脂肪アルコールと混合したワックス、(b)シェラックまたはゼインを含むであろう

(メルト押出しマトリックス)
【0109】
徐放性マトリックスはまた、メルト造粒化またはメルト押出し技術を介して調製するこ
ともできる。一般に、メルト造粒化技術は、標準的には固体の疎水性材料、例えばワック
スの融解工程、およびその中への粉末薬剤の組み込み工程を包含する。徐放性剤形を得る
ために、追加の疎水性物質、例えばエチルセルロースまたは水不溶性アクリルポリマーを
、溶融ワックス疎水性材料中へ組み込むことが必要なことがある。メルト造粒化技術を介
して調製された徐放性製剤の例は、米国特許第4,861,598号に見られる。
【0110】
追加の疎水性材料は、おそらくは1またはそれ以上のワックス様熱可塑性物質と混合さ
れる、1またはそれ以上の水不溶性ワックス様熱可塑性物質を含んでもよく、これらの熱
可塑性物質は、前記1またはそれ以上の水不溶性ワックス様物質よりも疎水性でない。一
定の放出を得るために、この製剤中の個々のワックス様物質は、当初の放出段階の間、胃
腸液中に実質的に非分解性かつ不溶性であるべきである。有用な水不溶性ワックス様物質
は、約1:5000(w/w)よりも低い水溶解性を有するものであってもよい。
【0111】
上記成分に加えて、徐放性マトリックスはまた、適量のほかの材料、例えば製薬分野に
おいて慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤
を含有してもよい。これらの追加材料の量は、所望の製剤へ所望の効果を与えるのに十分
であろう。
【0112】
上記成分に加えて、メルト押出しされた多微粒子を組み込む徐放性マトリックスはまた
、適量のほかの材料、例えば製薬分野において慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造
粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤を、所望であれば、この微粒子の約50重量%ま
での量で含有してもよい。
【0113】
経口剤形を配合するために用いられてもよい、製薬的に許容しうるキャリヤーおよび賦
形剤の特定例は、「製薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmacerutical Excipient
s)」、米国製薬協会(American Pharmaceutical Association)(1986)に記載されている。
(メルト押出し多微粒子)
【0114】
本発明によるメルト押出しされた適切なマトリックスの調製は例えば、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを、少な
くとも1つの疎水性材料、および好ましくは均質混合物を得るための追加の疎水性材料と
ともにブレンドする工程を包含する。ついでこの均質混合物は、この混合物を押出すのに
十分なほど、これを少なくとも軟化させるのに十分な温度に加熱される。ついで結果とし
て生じた均質混合物が押出されて、ストランドを形成する。この押出し物は、好ましくは
冷却され、当分野において公知のあらゆる手段によって多微粒子にカットされる。これら
のストランドが冷却され、多微粒子にカットされる。ついでこれらの多微粒子は、単位用
量に分けられる。この押出し物は好ましくは、約0.1から約5mmの直径を有し、約8
から約24時間の間、治療的活性剤の徐放性を与える。
【0115】
本発明のメルト押出し物の任意調製方法は、疎水性材料、すなわち25ppm未満の1
4−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド、および任意
バインダーを押出し機中に直接計量供給する工程;均質混合物を加熱する工程;均質混合
物を押出し、これによってストランドを形成する工程;均質混合物を含有するストランド
を冷却する工程;これらのストランドを、約0.1mmから約12mmのサイズを有する
粒子にカットする工程;および前記粒子を単位用量に分ける工程を包含する。本発明のこ
の態様において、比較的連続的な製造手順が実施される。
【0116】
押出し機開口部または出口ポートの直径はまた、押出されたストランドの厚さを様々に
変えるように調節することもできる。さらにはこの押出し機の出口部分は、丸いものであ
る必要がなく、これは長円、長方形などであってもよい。出て行くストランドは、ホット
ワイヤカッター、ギロチンなどを用いて粒子に縮小することができる。
【0117】
メルト押出しされた多微粒子系は、押出し機出口オリフィスに応じて、例えば顆粒、ス
フェロイド、またはペレットの形態にあってもよい。本発明の目的のためには、「メルト
押出しされた多微粒子」および「メルト押出しされた多微粒子系」および「メルト押出し
された粒子」という用語は、好ましくは同様なサイズおよび/または形状の範囲内にあり
、かつ1またはそれ以上の剤および1またはそれ以上の賦形剤を含有し、好ましくは本明
細書に記載されている疎水性材料を含む複数の単位のことを言うものとする。この点に関
して、メルト押出しされた多微粒子は、長さが約0.1から約12mmの範囲のものであ
り、約0.1から約5mmの直径を有するであろう。加えて、メルト押出しされた多微粒
子は、このサイズ範囲内のあらゆる幾何学形状であってもよいと理解すべきである。ある
いはまた、この押出し物は、単純に所望の長さにカットされ、球状化工程の必要もなく、
治療的活性剤の単位用量に分けられてもよい。
【0118】
1つの好ましい実施形態において、経口剤形は、カプセル中に有効量のメルト押出しさ
れた多微粒子を含むように調製される。例えば、複数のメルト押出しされた多微粒子は、
摂取されて胃液によって接触されたときに、有効な徐放性用量を提供するのに十分な量で
、ゼラチンカプセル中に入れられてもよい。
【0119】
もう1つの好ましい実施形態において、適量の多微粒子押出し物は、従来のタブレット
化装置を用い、標準的技術を用いて、経口タブレットとして圧縮される。タブレット(圧
縮および成形されたもの)、カプセル(ハードおよびソフトゼラチン)、およびピルの製
造のための技術および組成物もまた、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceuti
cal Sciences)」(アーサー・オソール(Arthur Osol)、編集者)、1553−1593(1980)に記
載されている。
【0120】
さらにもう1つの好ましい実施形態において、押出し物は、上にさらに詳細に記載され
ている米国特許第4,957,681号(クリメッシュ(Klimesch)ら)に示されているタ
ブレットとして造形することができる。
【0121】
場合により、これらの徐放性メルト押出しされた多微粒子系またはタブレットは、コー
ティングされてもよく、または多微粒子が入っているゼラチンカプセルは、徐放性コーテ
ィング、例えば上記の徐放性コーティングでさらにコーティングされてもよい。このよう
なコーティングは好ましくは、約2から約30パーセントの重量増加レベルを得るのに十
分な量の疎水性材料を含む。ただし、上塗りは、ほかのものの中でも、所望の放出速度に
応じてより大きくてもよい。
【0122】
本発明のメルト押出しされた単位剤形はさらに、カプセル封入される前に、メルト押出
しされた粒子の組合わせを含んでもよい。さらには、これらの単位剤形はまた、迅速な放
出のためにある量の即時放出剤を含んでもよい。この即時放出剤は、例えばゼラチンカプ
セル中の別々のペレットとして組み込まれてもよく、または剤形(例えば徐放性コーティ
ングまたはマトリックベース)の調製後、多微粒子の表面上にコーティングされてもよい
。本発明の単位剤形はまた、所望の効果を得るために、徐放性ビーズとマトリックス微粒
子との組合わせを含有してもよい。
【0123】
本発明の徐放性製剤は好ましくは、例えば、摂取されて胃液ついで腸液に暴露されたと
き、これらの剤をゆっくりと放出する。本発明のメルト押出しされた製剤の徐放性プロフ
ィールは、例えば遅延化剤すなわち疎水性材料の量を変えることによって、疎水性材料に
対する可塑剤の量を変えることによって、追加成分または賦形剤を含めることによって、
製造方法を変更することなどによって、変更することができる。
【0124】
本発明のほかの実施形態において、このメルト押出しされた材料は、25ppm未満の
14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含めずに
調製される。これは、その後押出し物へ添加されてもよい。このような製剤は典型的には
、押出しされたマトリックス材料とともにブレンドされた剤を有するであろう。ついでこ
の混合物は、遅い放出の製剤を提供するためにタブレット化されるであろう。
(コーティング)
【0125】
本発明の剤形は場合により、放出の調整のため、または製剤の保護のために適した1ま
たはそれ以上の材料でコーティングされてもよい。1つの実施形態において、コーティン
グは、pH−依存性またはpH−非依存性放出を可能にするために与えられる。pH−依
存性コーティングは、胃腸(GI)管の所望の部位、例えば胃または小腸において活性物
質を放出するのに役立ち、したがって少なくとも約8時間、好ましくは約12時間から約
24時間までの痛覚脱失を患者に与えることができる吸収プロフィールが与えられる。p
H−非依存性コーティングが望まれるとき、このコーティングは、環境液、例えばGI管
におけるpH−変化には無関係に、最適な放出を得るように設計される。GI管の1つの
所望の区域、例えば胃において、この用量の一部分を放出し、GI管の別の区域、例えば
小腸において、この用量の残りを放出する組成物を配合することも可能である。
【0126】
製剤を得るためにpH−依存性コーティングを利用する、本発明による製剤はまた、反
復作用効果を付与することもでき、これによって、非保護薬剤が、腸溶性コート上にコー
ティングされ、胃の中に放出され、一方、残りが腸溶性コーティングによって保護され、
さらに下の胃腸管で放出される。pH−依存性であるコーティングが、本発明にしたがっ
て用いられてもよく、これは、シェラック、セルロースアセテートフタレート(CAP)
、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート、およびメタクリル酸エステルコポリマー、ゼインなどを包含する。
【0127】
あるいくつかの実施形態において、その25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノン
レベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含有する基体(例えばタブレットコア
ビーズ、マトリックス粒子)は、(i)アルキルセルロース;(ii)アクリルポリマー
;または(iii)これらの混合物から選択された疎水性材料でコーティングされる。こ
のコーティングは、有機または水性の溶液または分散液の形態で塗布されてもよい。この
コーティングは、所望の徐放性プロフィールを得るために、この基体の約2から約25%
の重量増加を得るように塗布されてもよい。水性分散液に由来するコーティングは、例え
ば米国特許第5,273,760号および第5,286,493号に詳細に記載されてい
る。
【0128】
本発明にしたがって用いることができる徐放性製剤およびコーティングのほかの例は、
米国特許第5,324,351号;第5,356,467号;および第5,472,71
2号に記載されたものを包含する。
(アルキルセルロースポリマー)
【0129】
アルキルセルロースを包含するセルロース材料およびポリマーは、本発明によるビーズ
をコーティングするのに適した疎水性材料を提供する。単なる例として、1つの好ましい
アルキルセルロースポリマーは、エチルセルロースである。ただし、当業者であれば、ほ
かのセルロースおよび/またはアルキルセルロースポリマーが、単一またはあらゆる組合
わせとして、本発明による疎水性コーティングの全部または一部として容易に用いられう
ることを理解するであろう。
(アクリルポリマー)
【0130】
本発明のほかの好ましい実施形態において、徐放性コーティングを含む疎水性材料は、
製薬的に許容しうるアクリルポリマーであり、これは、非限定的に、アクリル酸およびメ
タクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレー
ト、シアノエチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタク
リル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリメタクリレート
、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタ
クリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびグリシジルメタクリレート
コポリマーを包含する。
【0131】
あるいくつかの好ましい実施形態において、このアクリルポリマーは、1またはそれ以
上のアンモニオメタクリレートコポリマーからなる。アンモニオメタクリレートコポリマ
ーは、当分野において周知であり、NF XVIIにおいて、低含量の四級アンモニウム
基を有する、アクリル酸およびメタクリル酸エステルの十分に重合されたコポリマーとし
て記載されている。
【0132】
望ましい溶解プロフィールを得るために、異なる物理的性質、例えば四級アンモニウム
基対中性(メタ)アクリルエステルの異なるモル比を有する2またはそれ以上のアンモニ
オメタクリレートコポリマーを組み込む必要がありうる。
【0133】
あるいくつかのメタクリル酸エステル型ポリマーが、本発明にしたがって用いうるpH
−依存性コーティングを調製するために有用である。例えば、ジエチルアミノエチルメタ
クリレートおよびほかの中性メタクリルエステルから合成された1つの族のコポリマーが
あり、これらはまた、ローム・テック社(Rohm Tech,Inc.)からオイドラギット(登録商標
)として市販されているメタクリル酸コポリマーまたはポリマーメタクリレートとしても
公知である。いくつかの異なる型のオイドラギット(登録商標)がある。例えばオイドラ
ギット(登録商標)Eは、酸性媒質中に膨潤し、溶解するメタクリル酸コポリマーの一例
である。オイドラギット(登録商標)Lは、約pH<5.7で膨潤せず、かつ約pH>6
で溶解性のメタクリル酸コポリマーである。オイドラギット(登録商標)Sは、約pH<
6.5で膨潤せず、約pH>7で溶解性である。オイドラギット(登録商標)RLおよび
オイドラギット(登録商標)RSは、水膨潤性であり、これらのポリマーによって吸収さ
れた水の量は、pH−依存性であるが、しかしながらオイドラギット(登録商標)RLお
よびRSでコーティングされた剤形は、pH−非依存性である。
【0134】
あるいくつかの好ましい実施形態において、このアクリルコーティングは、ローム・フ
ァーマ(Rohm Pharma)からそれぞれ商品名オイドラギット(登録商標)RL30Dおよび
オイドラギット(登録商標)RS30Dとして市販されている、2つのアクリル樹脂ラッ
カーの混合物を含む。オイドラギット(登録商標)RL30Dおよびオイドラギット(登
録商標)RS30Dは、低含量の四級アンモニウム基を有するアクリルおよびメタクリル
エステルのコポリマーであり、アンモニウム基対残留中性(メタ)アクリルエステルのモ
ル比は、オイドラギット(登録商標)RL30Dにおいて1:20であり、オイドラギッ
ト(登録商標)RS30Dにおいて1:40である。平均分子量は、約150,000で
ある。コード名称RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの剤の透過性特性
について言及している。オイドラギット(登録商標)RL/RS混合物は、水中および消
化液中に不溶である。しかしながら、これから形成されたコーティングは、水溶液および
消化液中に膨潤性であり、かつ透過性である。
【0135】
本発明のオイドラギット(登録商標)RL/RS分散液は、望ましい溶液プロフィール
を有する徐放性製剤を最終的に得るために、あらゆる所望の比において一緒に混合されて
もよい。望ましい徐放性製剤は、例えば100%オイドラギット(登録商標)RL、50
%オイドラギット(登録商標)RLおよび50%オイドラギット(登録商標)RS、およ
び10%オイドラギット(登録商標)RL:オイドラギット(登録商標)90%RSに由
来する遅延化剤コーティングから得ることができる。当然ながら、当業者は、ほかのアク
リルポリマー、例えばオイドラギット(登録商標)Lが用いられてもよいことを理解する
であろう。
(可塑剤)
【0136】
コーティングが疎水性材料の水性分散液を含む本発明の実施形態において、疎水性材料
の水性分散液中に有効量の可塑剤を含めると、徐放性コーティングの物理的特性をさらに
改良するであろう。例えばエチルセルロースは比較的高いガラス転移温度を有し、標準コ
ーティング条件下に柔軟性フィルムを形成しないので、これをコーティング材料として用
いる前に、徐放性コーティングを含有するエチルセルロースコーティング中に可塑剤を組
み込むことが好ましい。一般に、コーティング溶液中に含まれる可塑剤の量は、皮膜形成
剤の濃度に基づき、例えば最も多くの場合、この皮膜形成剤の約1から約50重量%であ
る。しかしながら可塑剤の濃度は、特定のコーティング溶液および塗布方法を用いた注意
深い実験後にのみ適切に決定することができる。
【0137】
エチルセルロースに適した可塑剤の例は、水不溶性可塑剤、例えばジブチルセバケート
、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、およびトリアセ
チンを包含する。ただし、ほかの水不溶性可塑剤(例えばアセチル化モノグリセリド、フ
タレートエステル、ヒマシ油など)が用いられることも可能である。トリエチルシトレー
トは、本発明のエチルセルロースの水性分散液に特に好ましい可塑剤である。
【0138】
本発明のアクリルポリマーに適した可塑剤の例は、クエン酸エステル、例えばトリエチ
ルシトレートNF XVI、トリブチルシトレート、ジブチルフタレート、およびおそら
くは1,2−プロピレングリコールを包含するが、これらに限定されるわけではない。ア
クリルフィルム、例えばオイドラギット(登録商標)RL/RSラッカー溶液から形成さ
れたフィルムの弾性を増強させるのに適していることが証明されているほかの可塑剤は、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート、ヒマシ油、およ
びトリアセチンを包含する。トリエチルシトレートは、本発明のエチルセルロースの水性
分散液に特に好ましい可塑剤である。
【0139】
さらに、少量のタルクの添加は、この水性分散液が加工処理中に粘着する傾向を減少さ
せ、研磨剤として作用することが見出されている。
(徐放性浸透性剤形)
【0140】
本発明による徐放性剤形はまた、浸透性投薬製剤として調製されてもよい。これらの浸
透性剤形は好ましくは、薬剤層(25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンハイドロクロライドを含有する)および送達またはプッシュ層を含む
二層コアであって、半透過性壁によって取囲まれ、場合によって少なくとも1つの通路が
その中に配置されている二層コアを含む。
【0141】
この発明の目的のために用いられる「通路(passageway)」という表現は、開口部、オリ
フィス、穴、細孔、多孔質要素を包含し、これを通って、25ppm未満の14−ヒドロ
キシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドが汲み上げられ、繊維、
毛管、多孔質オーバーレイ、多孔質インサート、微孔質膜、または多孔質組成物を通って
拡散または移動しうる。この通路はまた、使用流体環境において壁から浸食されるか、ま
たは滲出されて、少なくとも1つの通路を生じる化合物も含みうる。通路を形成するため
の代表的な化合物は、壁中の浸食可能なポリ(グリコール)酸、もしくはポリ(乳)酸;
ゼラチン質フィラメント;水除去可能なポリ(ビニルアルコール);滲出性化合物、例え
ば流体除去可能な細孔形成多糖類、酸、塩、または酸化物を包含する。通路は、壁から化
合物、例えばソルビトール、スクロース、ラクトース、マルトース、またはフルクトース
を滲出して、徐放性寸法(dimensional)細孔通路を形成することによって形成されうる。
この剤形は、この剤形の1またはそれ以上の表面上に間隔があけられた関係にある、1ま
たはそれ以上の通路をともなって製造することができる。通路、および通路を形成するた
めの装置は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第4,063
,064号、および第4,088,864号に開示されている。徐放率の放出細孔を生じ
るために、水性滲出することによって形成された放出細孔としてサイズが決定され、造形
され、適合させられた徐放性寸法を含む通路は、米国特許第4,200,098号および
第4,285,987号に開示されている。
【0142】
あるいくつかの実施形態において、薬剤層はまた、少なくとも1つのポリマーヒドロゲ
ルを含んでもよい。このポリマーヒドロゲルは、約500から約6,000,000の平
均分子量を有してもよい。ポリマーヒドロゲルの例は、式(C6125n・H2O(式中
、nは3から7,500である)を含むマルトデキストリンポリマーであって、500か
ら1,250,000の数平均分子量を含むマルトデキストリンポリマー;例えば50,
000から750,000の重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキサイド)および
ポリ(プロピレンオキサイド)によって代表され、より特定すれば、100,000、2
00,000、300,000、または400,000の重量平均分子量の少なくとも1
つのポリ(エチレンオキサイド)によって代表されるポリ(アルキレンオキサイド);ア
ルカリカルボキシアルキルセルロースであって、アルカリが、ナトリウムもしくはカリウ
ムであり、アルキルが10,000から175,000の重量平均分子量のメチル、エチ
ル、プロピル、またはブチルであるもの;および10,000から500,000の数平
均分子量のメタクリル酸およびエタクリル酸を包含するエチレン−アクリル酸のコポリマ
ーを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0143】
本発明のあるいくつかの実施形態において、送達またはプッシュ層は、オスモポリマー
を含む。オスモポリマーの例は、ポリアルキレンオキサイドおよびカルボキシアルキルセ
ルロースからなる群から選択されたメンバーを包含するが、これらに限定されるわけでは
ない。このポリアルキレンオキサイドは、1,000,000から10,000,000
の重量平均分子量を有する。このポリアルキレンオキサイドは、ポリメチレンオキサイド
、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、1,000,000の平均分子
量を有するポリエチレンオキサイド、5,000,000の平均分子量を含むポリエチレ
ンオキサイド、7,000,000の平均分子量を含むポリエチレンオキサイド、1,0
00,000の平均分子量を有する架橋ポリメチレンオキサイド、および1,200,0
00の平均分子量のポリプロピレンオキサイドからなる群から選択されたメンバーであっ
てもよい。典型的なオスモポリマーカルボキシアルキルセルロースは、アルカリカルボキ
シアルキルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カリウムカルボキシメ
チルセルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、リチウムカルボキシメチルセ
ルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、カルボキシアルキルヒドロキシアル
キルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルヒド
ロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロースからな
る群から選択されたメンバーを含む。排出(displacement)層のために用いられるオスモポ
リマーは、半透過性壁を横断する浸透圧勾配を示す。オスモポリマーは、流体を剤形中に
吸収し、これによって、浸透性ヒドロゲル(オスモゲルとしても公知である)として膨潤
および膨張し、これによってこれらは、浸透性剤形から、これらの25ppm未満の14
−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを押し出す。
【0144】
プッシュ層はまた、オスマゲント(osmagents)および浸透圧的に有効な溶質としても
公知の、1またはそれ以上の浸透圧的に有効な化合物を含んでもよい。これらは、環境液
を、例えば胃腸管から剤形中に吸収し、排出層の送達動力学に寄与する。浸透圧的に活性
な化合物の例は、浸透性塩および浸透性炭水化物からなる群から選択されたメンバーを含
む。特定のオスモゲントの例は、ナトリウムクロライド、カリウムクロライド、マグネシ
ウムスルフェート、リチウムホスフェート、リチウムクロライド、ナトリウムホスフェー
ト、カリウムスルフェート、ナトリウムスルフェート、カリウムホスフェート、グルコー
ス、フルクトース、およびマルトースを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0145】
プッシュ層は場合により、9,000から450,000の数平均分子量を有するヒド
ロキシプロピルアルキルセルロースを含んでもよい。ヒドロキシプロピルアルキルセルロ
ースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルイソプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、お
よびヒドロキシプロピルペンチルセルロースからなる群から選択されたメンバーによって
代表される。
【0146】
プッシュ層は場合により、非毒性着色料または染料を含んでもよい。着色料または染料
の例は、食品医薬品局 (Food and Drug Administration) の着色料(FD&C)、例えば
FD&C No.1ブルー染料、FD&C No.4レッド染料、レッドフェリックオキ
サイド、イエローフェリックオキサイド、二酸化チタン、カーボンブラック、およびイン
ディゴを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0147】
プッシュ層はまた場合により、成分の酸化を阻害するために酸化防止剤を含んでもよい
。酸化防止剤のいくつかの例は、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化
ヒドロキシアニソール、2つおよび3つの第三(tertiary)−ブチル−4−ヒドロキシア
ニソールの混合物、ブチル化ヒドロキシトルエン、ナトリウムイソアスコルベート、ジヒ
ドログアレチン酸(dihydroguaretic acid)、カリウムソルベート、ナトリウムビスルフ
ェート、ナトリウムメタビスルフェート、ソルビン酸、カリウムアスコルベート、ビタミ
ンE、4−クロロ−2,6−ジ第三ブチルフェノール、アルファトコフェロール、および
プロピルガレートからなる群から選択されたメンバーを包含するが、これらに限定される
わけではない。
【0148】
あるいくつかの代替実施形態において、この剤形は、25ppm未満の14−ヒドロキ
シコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含む均質コア、製薬的に
許容しうるポリマー(例えばポリエチレンオキサイド)、場合により崩壊剤(例えばポリ
ビニルピロリドン)、場合により吸収エンハンサー(例えば脂肪酸、界面活性剤、キレー
ト化剤、胆汁酸塩など)を含む。この均質コアは、25ppm未満の14−ヒドロキシコ
デイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドの放出のための通路(上記定義
したとおり)を有する半透過性壁によって取囲まれている。
【0149】
あるいくつかの実施形態において、この半透過性壁は、セルロースエステルポリマー、
セルロースエーテルポリマー、およびセルロースエステル−エーテルポリマーからなる群
から選択されたメンバーを含む。代表的な壁ポリマーは、セルロースアシレート、セルロ
ースジアシレート、セルローストリアシレート、セルロースアセテート、セルロースジア
セテート、セルローストリアセテート、モノ−、ジ−、およびトリセルロースアルケニレ
ート、およびモノ−、ジ−、およびトリセルロースアルキニレートからなる群から選択さ
れたメンバーを含む。本発明のために用いられるポリ(セルロース)は、20,000か
ら7,500,000の数平均分子量を含む。
【0150】
この発明の目的のための追加の半透過性ポリマーは、アセトアルデヒドジメチルセルロ
ースアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートメチ
ルカルバメート、セルロースジアセテート、プロピルカルバメート、セルロースアセテー
トジエチルアミノアセテート;半透過性ポリアミド;半透過性ポリウレタン;半透過性ス
ルホン化ポリスチレン;米国特許第3,173,876号;第3,276,586号;第
3,541,005号;第3,541,006号、および第3,546,876号に開示
されているような、ポリアニオンとポリカチオンとの共沈によって形成された半透過性架
橋ポリマー;米国特許第3,133,132号においてロエブ(Loeb)およびソウリラジャ
ン(Sourirajan)によって開示されているような半透過性ポリマー;半透過性架橋ポリスチ
レン;半透過性架橋ポリ(ナトリウムスチレンスルホネート);半透過性架橋ポリ(ビニ
ルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド);および半透過性壁を横断する静水圧ま
たは浸透圧差の1気圧あたり表示されている2.5×10-8から2.5×10-2(cm2
/hr・atm)の流体透過性を有する半透過性ポリマーを含む。本発明において有用な
ほかのポリマーは、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;および
第4,160,020号、および「一般的なポリマーのハンドブック(Handbook of Commo
n Polymers)」、スコット(Scott),J.R.およびW.J.ロフ(Roff)、1971、オ
ハイオ州クリーブランド、CRCプレスにおいて当分野で公知である。
【0151】
あるいくつかの実施形態において、好ましくはこの半透過性壁は非毒性、不活性であり
、これは、この薬剤の調剤寿命(dispensing life)の間、その物理的および化学的な完全
性を維持する。あるいくつかの実施形態において、この剤形は、バインダーを含む。バイ
ンダーの一例は、5,000から350,000の粘度平均分子量を有する、治療的に許
容しうるビニルポリマーを包含するが、これらに限定されるわけではなく、これは、ポリ
−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ(ビニルピロリドン)(これ
はまた、ポリ−n−ビニルピロリドンとしても公知である)、ポリ−n−ビニルカプロラ
クトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、およびポリ−n−ビニルピロ
リドンのビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルクロライド、ビニルフルオライド
、ビニルブチレート、ビニルラウレエート、およびビニルステアレートからなる群から選
択されたメンバーとのコポリマーからなる群から選択されたメンバーによって代表される
。ほかのバインダーは例えば、アカシア、デンプン、ゼラチン、および9,200から2
50,000の平均分子量のヒドロキシプロピルアルキルセルロースを含む。
【0152】
あるいくつかの実施形態において、この剤形は、潤滑剤を含み、これは、ダイ壁または
パンチ面への粘着を防ぐために、この剤形の製造の間に用いられてもよい。潤滑剤の例は
、マグネシウムステアレート、ナトリウムステアレート、ステアリン酸、カルシウムステ
アレート、マグネシウムオレエート、オレイン酸、カリウムオレエート、カプリル酸、ナ
トリウムステアリルフマレート、およびマグネシウムパルミテートを包含するが、これら
に限定されるわけではない。
【0153】
あるいくつかの好ましい実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロ
キシコデイノンレベルを有する、10から40mgオキシコドンハイドロクロライドに等
しい量のオキシコドンハイドロクロライド、150,000から500,000の平均分
子量を有する25から500mgのポリ(アルキレンオキサイド)、40,000の平均
分子量を有する1から50mgのポリビニルピロリドン、および0から約7.5mgの潤
滑剤を含む治療用組成物を包含する。
(座薬)
【0154】
本発明の徐放性製剤は、適切な座薬ベース、および25ppm未満の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含む直腸投与用の薬品座薬
として配合されてもよい。徐放性座薬製剤の調製は、例えば米国特許第5,215,75
8号に記載されている。
【0155】
吸収前、この薬剤は溶液状でなければならない。座薬の場合、溶液になる前に、座薬ベ
ースの溶解、またはこのベースの融解、およびその後座薬ベースから直腸液中への薬剤の
分配(partition)を行わなければならない。この薬剤の体内への吸収は、この座薬ベース
によって変更されうる。このようにして、特定の薬剤とともに用いられることになる特定
の座薬ベースは、この薬剤の物理的性質を考慮して選択されなければならない。例えば、
脂質溶解性薬剤は、直腸液中に容易には分配されないが、脂質ベース中にわずかしか溶解
性でない薬剤は、直腸液中へ容易に分配されるであろう。
【0156】
これらの薬剤の溶解時間(または放出速度)に影響を与える様々な要因の中に、溶解溶
媒媒質へ示される薬剤物質の表面積、溶液のpH、特定の溶媒媒質中のこの物質の溶解性
、および溶媒媒質中の溶解された材料の飽和濃度の駆動力(driving force)がある。一般
に、直腸投与された座薬からの薬剤の吸収に影響を与える要因は、座薬ビヒクル、吸収部
位のpH、薬剤のpKa、イオン化度、および脂質溶解性を包含する。
【0157】
選択された座薬ベースは、本発明の活性物質と適合性であるべきである。さらにはこの
座薬ベースは好ましくは非毒性であり、粘膜に対して非刺激性であり、直腸液中に融解ま
たは溶解し、保存の間安定である。
【0158】
水溶性および水不溶性薬剤の両方に好ましい本発明のあるいくつかの実施形態において
、座薬ベースは、鎖長C12からC18の飽和天然脂肪酸のモノ−、ジ−、およびトリグリセ
リドからなる群から選択された脂肪酸ワックスを含む。
【0159】
本発明の座薬の調製において、ほかの賦形剤が用いられてもよい。例えば、直腸経路を
介した投与のための適切な形状を形成するために、ワックスが用いられてもよい。この系
はまた、ワックスをともなわずに用いることもできるが、直腸投与および経口投与両方の
ためにゼラチンカプセル中に充填された希釈剤の添加をともなって用いることもできる。
【0160】
適切な市販されているモノ−、ジ−、およびトリグリセリドの例は、ヘンケル(Henkel)
によって製造されている、商品名ノバタ(Novata)(商標)(型AB、AB、B、BC、B
D、BBC、E、BCF、C、D、および299)、およびダイナミット・ノーベル(Dyn
amit Nobel)によって製造されているウイテプゾル(Witepsol)TM(型H5、H12、H
15、H175、H185、H19、H32、H35、H39、H42、W25、W31
、W35、W45、S55、S58、E75、E76、およびE85)として販売されて
いる、12から18個の炭素原子鎖の飽和天然脂肪酸を包含する。
【0161】
ほかの製薬的に許容しうる座薬ベースは、上記モノ−、ジ−、およびトリグリセリドに
ついて、全体または一部置換されていてもよい。この座薬中のベースの量は、剤形のサイ
ズ(すなわち実際の重量)、用いられたベース(例えばアルギネート)および薬剤の量に
よって決定される。一般に、座薬ベースの量は、座薬の総重量の約20重量%から約90
重量%である。好ましくは座薬中の座薬ベースの量は、座薬の総重量の約65重量%から
約80重量%である。
(追加の実施形態)
【0162】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、あらゆる現存商品、例えばタイロックス(Tylox)(登録商標)、ロキシロッ
クス(Roxilox)(登録商標)、ロキシセット(Roxicet)(登録商標)、パーコセット(Perco
cet)(登録商標)、オキシセット(Oxycet)(登録商標)、パーコダン(Percodan)(登録商
標)、ロキシコドン(Roxicodone)(登録商標)、オキシコンチン(登録商標)、およびオ
キシIR(OxyIR)(登録商標)において、オキシコドンハイドロクロライドの置換物とし
て用いられてもよい。このような製剤は、PDR58版(2004年)およびFDAオレ
ンジブックに列挙されている。
【0163】
次の実施例は、本発明の様々な態様を例証する。これらは、いかなる方法によっても特
許請求の範囲を制限すると考えられるべきではない。
【実施例1】
【0164】
実施例1において、37.7gのオキシコドンHCl(35.4g乾燥ベース、約50
0ppm 14−ヒドロキシコデイノン)が、500mLパー(Parr)反応ビンに入れられ
、0.55g 5%/Pd/C触媒、50%ウォーターウェット(water wet)(ジョンソン
・マッセイ87L型)、および182.2gの61.9%イソプロパノール/水(w/w
)と組合わされた。この混合物が不活性雰囲気下に置かれ、振とうしつつ45から50℃
に加熱された。すべての出発原料を溶解したとき、ビンの中の圧力が大気に排出(vent)さ
れ、水素圧が4時間加えられた(45PSIG)。水素化の終了時、水素が排出され、溶
液が室温に冷まされた。
【0165】
翌日、この混合物は、結晶化固体を溶解するために75℃に加熱され、ついで0.2μ
mPTFE膜上で、1Lジャケット円筒フラスコ(凝縮器、窒素雰囲気、機械的攪拌機、
K型サーモカップル、およびプログラム可能冷却再循環器を備えている)中に吸引濾過さ
れた。このパービン(Parr bottle)が脱イオン水(11.7g)で濯ぎ洗いされ、これは
、フィルターを通して1Lフラスコへ添加された。イソプロパノール(334.7g)が
フラスコへ添加され、この混合物が、攪拌しつつ75℃に再加熱され、あらゆる結晶化固
体を溶解するように保持された。この溶液は、攪拌しつつ8時間にわたって0から10℃
に冷却され(直線勾配)、20時間0から10℃に保持された。ついで、結晶化された固
体が、吸引濾過によって収集され、107gの冷95:5イソプロパノール/水(w/w
)で洗浄された。
【0166】
イソプロパノールを生成物から除去するために、溶媒湿潤材料が乾燥皿へ移され、脱イ
オン水の開放容器を有する真空デシケーターに入れられた。この固体は、このようにして
、真空下に一晩保持された。ついでこの材料は、真空下60℃で乾燥された。
【0167】
下の実施例4の低14−ヒドロキシコデイノン方法を用いた乾燥材料の分析は、6pp
mの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0168】
下の実施例6の方法を用いた乾燥材料の分析は、<5ppmのコデイノンおよび8pp
mの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【実施例2】
【0169】
実施例2において、35.0gのオキシコドンHCl(33.3g乾燥ベース、約4,
000ppm 14−ヒドロキシコデイノン)が、500mLパー反応ビンに入れられ、
0.49g 5%/Pd/C触媒、50%ウォーターウェット(ジョンソン・マッセイ8
7L型)、および159.9gの62.3%イソプロパノール/水と組合わされた。この
混合物は不活性雰囲気下に置かれ、振とうしつつ45から50℃に加熱された。出発原料
が溶解したとき、ビンの中の圧力が大気に排出され、水素圧が加えられた(45PSIG
)。5.25時間の振とう後、水素が排出され、溶液が室温に冷まされた。混合物が、翌
日再加熱され、水素化が4.75時間続行された。
【0170】
この混合物は、75℃に加熱され、ついで0.2μmPTFE膜上で、1Lジャケット
円筒フラスコ(蒸留ヘッド、窒素雰囲気、機械的攪拌機、K型サーモカップル、およびプ
ログラム可能な冷却再循環器を備えている)中に吸引濾過された。このパービンは、脱イ
オン水(11.7g)で濯ぎ洗いされ、これは、フィルターを通して1Lフラスコへ添加
された。
【0171】
イソプロパノール(295.6g)がフラスコへ添加され、この混合物は、沸騰に至る
まで(約81℃)加熱された。水を除去し、かつ収率を増すために、305.7gが収集
されるまで、イソプロパノール/水共沸混合物が、フラスコから蒸留された。新鮮なイソ
プロパノール(305.6g)が添加され、蒸留ヘッドが除去され、凝縮器と代えられた

【0172】
この混合物は、攪拌しつつ8時間にわたって沸騰から、0から10℃に冷却され(直線
勾配)、20時間0から10℃に保持された。ついで、結晶化された固体が、吸引濾過に
よって収集され、107gの冷95:5イソプロパノール/水で洗浄された。この材料は
、実施例1に記載されているように乾燥された。
【0173】
下の実施例4の低14−ヒドロキシコデイノン方法を用いた乾燥材料の分析は、<5p
pmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0174】
下の実施例6の方法を用いた乾燥材料の分析は、<5ppmのコデイノンおよび<5p
pmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【実施例3】
【0175】
実施例3において、27.83gのオキシコドン遊離塩基、ウォーターウェット(24
.57g乾燥ベース、0.0779モル、約3000ppm 14−ヒドロキシコデイノ
ン)、39.8gの脱イオン水、81.9gのイソプロパノール、0.49g 5%/P
d/C触媒、50%ウォーターウェット(ジョンソン・マッセイ87L型)、および濃H
Cl(11.3g、0.117モル、37.7%HClアッセイを基準にして1.50当
量)が、500mLパーシェイカービンにおいて組合わされた。
【0176】
この混合物は、不活性雰囲気下に置かれ、振とうしつつ75℃に加熱された。ビンの中
の圧力が緩和され、この系は、水素で加圧された(45PSIG)。この溶液は、21.
7時間これらの条件下に保持された。HPLCによる分析は、8,14−ジヒドロキシ−
7,8−ジヒドロコデイノンピークの面積対オキシコドンの面積の比が、この間に0.2
9%から0.04%へ減少されたことを示した。
【0177】
水素圧が排出され、この系が不活性雰囲気下に置かれた。あらゆる残留8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンのさらなる脱水を防ぐために、この溶液のpHは
、20.7g NaOH飽和イソプロパノールで、0.5から1.8に調節された(いく
らかの固体水酸化ナトリウムも存在した)。
【0178】
この溶液は75℃に再加熱され、ついでヒートトレースされた47mm SSフィルタ
ーホールダーに収納された0.2μmPTFE膜フィルターを通して、500mLジャケ
ット円筒反応器(凝縮器、N2、機械的攪拌機、プログラム可能な冷却再循環器)中に圧
力濾過された。このパービンは、8.6gの脱イオン水で濯ぎ洗いされ、これは、フィル
ターを通してフラスコへ添加された。
【0179】
イソプロパノール(222.5g)がフラスコ中の溶液へ添加され、結果として生じた
スラリーは、これらの固体を再溶解するために約75℃に加熱された。所望の温度に達し
た後、この溶液は2時間保持された(典型的な処理時間をシミュレートするため)。この
保持後、結晶混合物のサンプル中に、14−ヒドロキシコデイノンはまったく検出されな
かった。
【0180】
循環器が、8時間にわたって80℃から0℃に冷却されるように設定された。冷却プロ
グラム開始の約24時間後、これらの固体は、吸引濾過によって収集され、95:5イソ
プロパノール/水(全部で232.8g)で3回洗浄された。この材料は、実施例1に記
載されているように乾燥された。
【0181】
下の実施例4の低14−ヒドロキシコデイノン方法を用いた乾燥材料の分析は、5pp
mの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0182】
下の実施例6の方法を用いた乾燥材料の分析は、<5ppmのコデイノンおよび10p
pmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【実施例4】
【0183】
14−ヒドロキシコデイノンレベルを決定するためのサンプルの分析。
【0184】
実施例1から3の生成物は、50℃に維持されたウォーターズ・アトランティス(Water
s Atlantis)5μm dC18、3×250mmカラムを用いたHPLC方法、およびp
H9.35、17mMアンモニウムカーボネート緩衝液およびメタノール(60:40)
を用いた定組成溶離によって、100百万分の一(PPM)レベル以下の14−ヒドロキ
シコデイノンレベルを決定するために分析された。定量化は、外部標準を用いて、220
nmにおけるUV検出でのピーク面積応答を測定することによって得られた。この方法は
、LC/MS分析と適合性がある揮発性成分を有する移動相を利用した。
【0185】
用いられた試薬は、次のとおりであった:
1.アンモニウムカーボネート、分析試薬グレード(アルドリッチ(Aldrich));
2.水、HPLCグレード;
3.メタノール、HPLCグレード;
4.酢酸、試薬グレード(J.Tベイカー(Baker)氷酢酸);
5.アンモニウムヒドロキシド、試薬グレード;
6.リン酸、約85%、A.C.S.試薬;
7.アルバニー・モレキュラー・リサーチ社(Albany Molecular Research,Inc.)から
の14−ヒドロキシコデイノン対照材料。
【0186】
用いられた装置は、次のとおりであった:
A.HPLC系
1.0.4mL/分の移動相を送達しうるHPLC系(ウォーターズ・アライアンス(W
aters Alliance);
2.220nmで溶離液を監視するように設定されたUV/可視検出器(ウォーターズ
2487 UV/Vis);
3.6μLを注入しうるオートサンプラー;
4.インテグレータまたは適切なデータ記録系(ウォーターズ・ミレニアム(Waters Mi
llennium)32クロマトグラフ系);
5.ウォーターズ、アトランティスdC18カラム、3×250mmカラム、5μm;
6.50℃の一定温度を維持しうるカラムヒーター;
7.オンライン真空脱ガス器。
B.移動相調製用装置
1.好ましくは自動温度修正(ATC)をともなうpHメーター;
2.超音波浴、モデル5200、ブランソン(Branson);
3.水性溶媒用0.45−μmフィルター、ワットマン(Whatman)またはミリポア(Mill
ipore)、セルロースアセテート、またはナイロン。
(溶液)
【0187】
17mMアンモニウムカーボネート、pH9.35
1.6±0.1gのアンモニウムカーボネートの重さが量られ、1−Lビーカーに入れ
られた。1000mLの水がビーカーに添加され、アンモニウムカーボネートが溶解され
るまで、磁気攪拌機で攪拌された。pHが、アンモニウムヒドロキシドで9.35から9
.40に調節された。
B.移動相
400mLのHPLC−グレードメタノールが、上で調製された600mLの17mM
アンモニウムカーボネート、pH9.35から9.40と混合された。この混合物が、溶
媒膜フィルターを通して濾過され、ついでHPLC系におけるオンライン真空脱ガス器を
用いて脱ガスされた。
C.0.85%リン酸溶液
10.0mLの85%H3PO4が、1リットル容量フラスコ中にピペットで取られ、水
で容積まで(to volume)希釈され、完全に混合された。
D.14−ヒドロキシコデイノン作業対照標準溶液
14−ヒドロキシコデイノン保存標準溶液は、25±2mgの14−ヒドロキシコデイ
ノン対照材料の重さを量って、これを250−mL容量フラスコ中に移すことによって調
製された。約100mLの0.85%H3PO4溶液がフラスコに添加され、約2分間、ま
たは溶解するまで超音波処理された。この溶液は、0.85%H3PO4溶液で容積まで希
釈され、完全に混合された。これは、14−ヒドロキシコデイノン保存標準溶液であった

系適性のための100ppm 14−ヒドロキシコデイノン標準溶液の作業溶液は、5
.0mLの14−ヒドロキシコデイノン保存標準溶液を100mL−容量フラスコ中にピ
ペットで取り、この溶液を水で容積まで希釈し、完全に混合することによって調製された

検出感度のための10ppm 14−ヒドロキシコデイノン標準溶液の作業溶液は、5
.0mLの100ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液を50mL−容量フ
ラスコ中にピペットで取り、この溶液を水で容積まで希釈し、完全に混合することによっ
て調製された。
ヒドロコドン保存標準溶液は、25±2mgのヒドロコドン対照材料の重さを量り、内
容物を250−mL容量フラスコ中に移すことによって調製された。約100mLの0.
85%H3PO4溶液がフラスコに添加され、約2分間、または溶解するまで超音波処理さ
れた。この溶液は、0.85%H3PO4溶液で容積まで希釈され、完全に混合された。
E.ヒドロコドン作業対照標準溶液
ヒドロコドン保存標準溶液は、25±2mgのヒドロコドン対照材料の重さを量り、内
容物を250−mL容量フラスコ中に移すことによって調製された。約100mLの0.
85%H3PO4溶液がフラスコに添加され、約2分間、または溶解するまで超音波処理さ
れた。この溶液は、0.85%H3PO4溶液で容積まで希釈され、完全に混合された。
F.サンプル溶液
サンプル溶液は、約250mgオキシコドンAPIサンプルを、シンチレーションバイ
アル中に量って入れることによって調製された。サンプルを溶解するために、5.0mL
の水が、このバイアル中にピペットで取られた。このバイアルは、きっちりとフタが閉め
られ、約5分間、またはサンプルが溶解されるまで超音波処理された。ついで内容物が振
とうされ、完全に混合された。
G.分離度(resolution)テスト混合物(RTM)溶液
2つの成分、14−ヒドロキシコデイノンおよびヒドロコドンを含有する溶液が、各々
の保存標準溶液から調製された。
分離度テスト混合物(RTM)は、10.0mLの上記のヒドロコドンの各保存標準溶
液および上記の14−ヒドロキシコデイノンを、同じ100mL容量フラスコ中に別々に
ピペットで取ることによって調製され、十分な量の水で容積まで希釈され、完全に混合さ
れた。
H.HPLC条件
HPLC条件は、次のとおりであった:
カラム:ウォーターズ、アトランティスdC18、3×250mm、5μm
カラム温度:50℃
検出器波長:220nm
注入容積:6μl
定量化:14−ヒドロキシコデイノンのピーク面積
移動相:(60:40)17mMアンモニウムカーボネート、pH9.35から9.4
0:メタノール
流速:0.4mL/分
運転時間:サンプルについては70分、標準溶液およびRTM溶液については40分
I.分離度テスト混合物(RTM)テスト
系適性テストを実施する前に、新しいカラムを、0.4mL/分で移動相をカラムに通
して送り込むことによって、一晩(少なくとも12時間)平衡化した。新しいカラムの平
衡化後、6μLのRTM溶液を平衡化された系中に注入し、これら2つの溶離された成分
ピークが互いに干渉しないことを確実にした。系適性テスト溶液の典型的な分離が、図3
に示されている。
J.系適性テスト
系適性テストは、100ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液をこの系中
に注入し、6μL注入の6つの異なる運転を行なうことによって、USP<621>に記
載されているような系適性テストを実施することによって実施された。この系適性テスト
結果は、下の表1に列挙されている次の基準に合致した。
【表1】

註:(1)テストNo.1から3のために100ppm 14−ヒドロキシコデイノン作
業標準溶液が用いられた。
(2)テストNo.4のためにRTMが用いられた。
(3)テストNo.5のために10ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液
が用いられた。
【0188】
実験を開始する前に、6μLの水が注入され、14−ヒドロキシコデイノンについての
ピークと同時溶離する干渉ピークがなくなることを確実にした。ついで次の手順が実施さ
れた。
【0189】
100ppmの14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液が、異なる運転において6回
注入され、上の表1のテストNo.1、2、および3について列挙されている系適性テス
ト規格に合致することを検証するために、この系がチェックされた。
【0190】
RTM溶液が注入され、HPLC系において一回運転され、この系が上の表1のテスト
No.4について列挙されている系適性テスト規格に合致することを確認した。
【0191】
10ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液が注入され、HPLC系におい
て一回運転されて、この系が上の表1のテストNo.5についての規格に列挙されている
ように、10またはそれ以上のシグナル対ノイズ比S/Nを有することを確認した。
【0192】
この系が、上のテストのすべてに合格した後、次のHPLC手順が実施された。
【0193】
100ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液および10ppm 14−ヒ
ドロキシコデイノン作業標準溶液が、各々別々に注入された。両方の作業標準溶液が、こ
れらのサンプルを定量化するために用いられた。設定および積分パラメーターが、下の表
2に列挙されている。
【表2】

【0194】
100ppm 14−ヒドロキシコデイノン作業標準溶液およびオキシコドンAPIサ
ンプル溶液に典型的なHPLCクロマトグラムが、それぞれ図4および5に示されている
。14−ヒドロキシコデイノンおよびほかの関連物質の保持時間は、下の表3に表されて
いる。
【表3】

上で得られた結果を用いて、次の計算が実施された。
ミレニアム(登録商標)ソフトウエアを用いて、これらのパラメーターが、次のように
入力された。
サンプルセットにおいて、両方の作業標準(10および100ppm)についての標準
濃度は、次のように計算された:
100ppm標準濃度=純度について補正されたWstd/250 ×0.05
10ppm標準濃度=純度について補正されたWstd/250 ×0.005
ここで、Wstdは、標準の重量である。
次のものも入力された:
サンプル重量=サンプルの重量(mg)
希釈=5ml(サンプル希釈)
ラベル・クレイム=0.0001(結果をPPMに変換するため。
【0195】
オキシコドンサンプル中の14−ヒドロキシコデイノン(OHCと省略される)の量(
ppm)は、2つの標準(100PPMおよび10PPM)および下の計算において用い
られた等式を用いて、線形キャリブレーションから自動的に決定することができる。
14OHCのPPM=
(Asam−Yintercept)/傾斜 × D/Wsam ×1000000
ここで:
sam=14OHCのピーク面積
intercept=2つの標準を用いた線形回帰直線からのY切片
傾斜=2つの標準を用いた線形回帰直線からの傾斜
D=5.0(サンプル希釈因子)
sam=サンプル重量(mg)
1000000=結果をPPMに変換するための慣習的因子(convention factor)。
【実施例5】
【0196】
154ppm 14−ヒドロキシコデイノンを含有する3.0gのオキシコドン塩酸塩
が、20mL水中に溶解されて、250mLパー反応ビン中に透明溶液を生じた。この溶
液へ、0.05g 5%Pd/C触媒、50%ウォーターウェット(ジョンソン・マッセ
イ87L型)、および1mL蟻酸88%が添加された。この混合物が、水素供給をともな
わずに不活性雰囲気下に置かれ、ついで45℃から50℃に加熱された。2時間の振とう
後、14−ヒドロキシコデイノンの消失をチェックするために、1つのサンプルが取られ
た。このサンプルは、上の実施例4に記載されたHPLC方法によって14−ヒドロキシ
コデイノンを示さなかった。
【0197】
ついでこの溶液は、触媒を除去するために、0.2ミクロンPTFE膜上で吸引濾過さ
れた。2mLのアリコートが、約18mLの濾過物溶液から取り出された。この溶液へ、
2.0mLのイソプロピルアルコールが添加されて、透明溶液が得られ、ついで4.0m
Lのエチルアセテートが添加された。この溶液が攪拌され、冷却され、0から5℃に20
時間保持されて、オキシコドンハイドロクロライド結晶を生じた。この結晶質固体が、吸
引濾過によって単離された。湿潤固体が、オーブンにおいて50℃および10mmHg圧
力で乾燥された。この乾燥された固体は、0.12gの重量があった。
【0198】
上の実施例4においてHPLC方法を用いた分析は、約11ppm 14−ヒドロキシ
コデイノンが、オキシコドンハイドロクロライド塩組成物中に存在することを示した。2
mLの濾過物溶液のもう1つのアリコートにおいて、16から18mLのイソプロピルア
ルコールが、この濃縮オキシコドンハイドロクロライド溶液に添加され、ついで結晶化お
よび乾燥が行われた。この手順は、約6.8ppm 14−ヒドロキシコデイノンを含有
するオキシコドンハイドロクロライド塩を生じた。
【実施例6】
【0199】
14−ヒドロキシコデイノンおよびコデイノンを決定するためのサンプルの分析
【0200】
実施例1から3の生成物が、次の代替方法によって分析され、存在するコデイノンおよ
び14−ヒドロキシコデイノンの量を決定した。この方法は、ナトリウムホスフェート緩
衝液、ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)、アセトニトリル(ACN)、および
メタノール(MeOH)の移動相を用いて、定組成溶離で40℃に維持されたウォーター
ズ・シンメトリーC18カラムを用いる。
用いられた試薬は、次のとおりであった:
1.水、HPLCグレードまたは同等物;
2.リン酸、85%、HPLC試薬グレードまたは同等物;
3.ナトリウムホスフェート一塩基、一水和物、酵素グレードまたは同等物;
4.ナトリウムドデシルスルフェート(99%+)、ウルトラピュア(Ultrapure)、フ
ルカ(Fluka)、または同等物;
5.アセトニトリル、HPLCグレードまたは同等物;
6.メタノール、HPLCグレードまたは同等物;
7.水酸化ナトリウム、ACS試薬グレード、または同等物;
8.標準調製物中のマトリックスの一部として用いられることになる低ABUKを有す
るオキシコドンHCl;
9.ローズ・テクノロジーズ(Rhodes Technologies)からのコデイノン対照材料、また
は同等物;
10.アルバニー・モレキュラー・リサーチからの14−ヒドロキシコデイノン対照材
料、または同等物;
用いられた装置は、次のとおりであった:
A.HPLC系
この分析のために、二重波長検出器を有するHPLC系が用いられた。これは、定組成
条件下、1分あたり0.7mLの流量で、@220nmのUV検出、および40℃のカラ
ム温度を用いて操作することができた。
B.移動相濾過系
この分析のために、ナイロン膜フィルター(0.45μm)を有するHPLC真空濾過
装置が用いられた。
溶液
i.50%水酸化ナトリウム溶液(w/v)
50gの水酸化ナトリウムペレットの重さが量られ、100−mL容量フラスコに移さ
れた。ついで60−mLの水が添加され、ペレットが完全に溶解するまで超音波処理され
た。これらのペレットが、水で容積まで希釈され、よく混合された。(市販されている5
0% w/v NaOH溶液もまた、用いることができる。)
ii.リン酸溶液I(〜8.5%H3PO4
10mlの濃リン酸(85%)が、約50mlの水が入っている100ml容量フラス
コに移された。この容積が水で希釈され、ついで混合された。
iii.リン酸溶液II(〜0.85%H3PO4
10mLの85%リン酸が、1000−mL容量フラスコ中にピペットで取られ、水で
容積まで希釈され、よく混合された。これは、サンプルおよび標準的調製物のための希釈
剤であった。
iv.移動相
3.45g±0.1gのナトリウムホスフェート一塩基一水和物の重さを量って、1−
Lフラスコ中に入れられた。1000mLの水が添加され、ついで溶解するまで磁気攪拌
機で攪拌された。5.41g±0.1gのナトリウムドデシルスルフェートが添加され、
溶解するまでよく混合された。この溶液は、0.45−μmナイロン膜フィルターでの真
空濾過を用いて濾過された。この溶液のpHは、50% NaOH溶液で、7.50±0
.05の最終pHに調節された。
722.5mlの上記溶液が、ついで157.5mLのアセトニトリルと混合され、つ
いで120mLのメタノールがこれらの溶液に添加され、よく混合された。最終pHが、
〜8.5%リン酸溶液で、7.80±0.01に調節された。この移動相は、溶解された
空気を除去するために約5分間超音波処理された。
i.乾燥されたサンプルに対して計算された標準溶液調製
A.コデイノン/14−ヒドロキシコデイノン保存溶液I
25±1mgのコデイノンおよび14−ヒドロキシコデイノン対照材料の両方の重さが
量られ、100−mL容量フラスコ中に移され、容積まで希釈され、〜0.85%リン酸
溶液IIで溶解された。
ii.100ppm保存標準II
1−mlの保存溶液Iが、50−ml容量フラスコ中にピペットで取られ、〜0.85
%リン酸溶液IIで容積まで希釈され、ついで混合された。
iii.10ppm作業標準III
500±5mgのオキシコドン低ABUK材料が、重さを量って10−ml容量フラス
コに入れられた。1−mlの保存標準IIがピペットで取られ、〜0.85%リン酸溶液
IIで容積まで希釈され、混合された。
iv.スパイクされていない(unspiked)オキシコドン溶液
500±5mgのオキシコドン低ABUK材料が、重さを量って10−ml容量フラス
コに入れられ、〜0.85%リン酸溶液IIで容積まで希釈され、混合された。(この溶
液は、作業標準中のコデイノンおよび14−ヒドロキシコデイノンの両方の残留含量を計
算するために用いられた)。
E.分離度テスト混合物(RTM)
1.0−mlのコデイノン/14−ヒドロキシコデイノン保存溶液Iが、50−ml容
量フラスコ中にピペットで取られた。マイクロピペットを用いて、100μlのスパイク
されていないオキシコドン溶液が移され、〜0.85%リン酸溶液IIで容積まで希釈さ
れた。コデイノン、14−ヒドロキシコデイノン、およびオキシコドンの濃度は、約10
0ppmであった。
F.サンプル調製
i.50mg/mLオキシコドンHClサンプル溶液
500±5mgのオキシコドンHClが、実施例1、2、および3の各々のために、デ
ュプリケートで、重さを量って別々の10−mL容量フラスコに入れられた。ついでオキ
シコドンHClは、〜0.85%リン酸溶液IIで容積まで希釈され、サンプルを溶解す
るために渦巻状に攪拌された。十分な量のこのサンプルが、注入のためにHPLCバイア
ルへ移された。
G.HPLC条件
HPLC条件は、次のように設定された:

【表4】

*パラメーターは、保持時間を得るために調節されてもよい。

H.系適性
ブランク溶液(〜0.85%リン酸溶液II)の1注入(5−μL)がなされ、ついで
このブランク溶液中になんらかの干渉ピークが存在するかどうかを決定するために、RT
Mの1注入が行なわれた。作業標準IIIの6注入が行なわれた。ついでこの系適性注入
は、これらが表2に示された系適性基準に合致することを検証するためにテストされた。

【表5】

予想された保持時間は次のとおりであった:
成分 予想された保持時間
コデイノン 14±2分
14−ヒドロキシコデイノン 27±4分
オキシコドン 32±6分

I.注入手順
カラムがひとたび平衡化されたら、サンプルおよび標準溶液は、表3の次の順序にした
がって注入された。

【表6】

コデイノンおよび14−ヒドロキシコデイノンピークは、上記のような相対保持時間を
用いて同定された。
(計算)
【0201】
コデイノンおよび14−ヒドロキシコデイノンピークの応答が測定され、記録された。
コデイノンおよび14−ヒドロキシコデイノンの含量は、次の等式を用いてppmとして
計算された:
【数1】

【数2】

ここで、
ppm=オキシコドンHCl中のコデイノンまたは14−ヒドロキシコデイノンの百万
分の一
Rs=サンプル溶液中のコデイノンまたは14−ヒドロキシコデイノンの応答
Rstd=標準溶液中のコデイノンまたは14−ヒドロキシコデイノンの応答マイナス
スパイクされていない標準の応答
Wstd=純度について補正された標準の重量、mg
Ws=サンプルの重量、mg
1000000=ppmのための変換因子
%コデイノン/14−ヒドロキシコデイノン=ppm/10000
【0202】
実施例6の手順を利用した実施例1についての結果は、<5ppmのコデイノンおよび
8ppmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0203】
実施例6の手順を利用した実施例2についての結果は、<5ppmのコデイノンおよび
<5ppmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0204】
実施例6の手順を利用した実施例3についての結果は、<5ppmのコデイノンおよび
10ppmの14−ヒドロキシコデイノンの結果を生じた。
【0205】
本発明の多くのほかの変形例は、当業者に明白であろう。そしてこれらは、ここに添付
された特許請求の範囲の範囲内にあると意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】図1は、テバインのオキシコドンハイドロクロライドへの反応の概略図であり、これは、テバインの14−ヒドロキシコデイノンおよび8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン不純物への酸化を包含する。
【図2】図2は、8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの脱水の概略図である。
【図3】図3は、実施例4の系適性テスト溶液の分離を表わしている。
【図4】図4は、実施例4の100PPM 14OHC作業標準溶液についてのHPLCクロマトグラムを表わしている。
【図5】図5は、実施例4のオキシコドンAPIサンプル溶液に典型的なHPLCクロマトグラムを表わしている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、少なくとも100ppmの14−ヒドロキシコデイノンを
有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を適切な溶媒中で水素化して、25ppm
未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドン組成物を生成する工程を含む前
記方法。
【請求項2】
前記水素化が、水素供与体および触媒を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素化が還流下に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
溶媒がアルコールである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アルコールが、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールからなる群から選択
される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を、溶媒から回収する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
回収工程が、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイ
ドロクロライド組成物を結晶化すること、および結晶化された組成物を溶媒から濾過する
ことを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を水素化する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、15ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
水素化が、水素供与体を用いて実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
水素化がさらに、触媒を用いて実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
水素供与体が、水素ガス、蟻酸、インドリン、シクロヘキセン、ナトリウムボロハイド
ライド、テトラヒドロキノリン、2,5−ジヒドロフラン、リン酸、およびこれらの組合
わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、塩酸とオキシコドン遊離塩基組成物とを、溶媒中で、25
ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ドを形成するための条件下に反応させる工程を含む前記方法。
【請求項14】
オキシコドンハイドロクロライドが、15ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレ
ベルを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
塩酸が、オキシコドン遊離塩基組成物に対して1モル当量を超える量で存在する、請求
項13に記載の方法。
【請求項16】
塩酸が、約1.2モル当量を超える量で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
塩酸が、約1.5モル当量を超える量で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
溶液のpHを、塩基剤(basic agent)を用いて高める工程をさらに含む、請求項13に
記載の方法。
【請求項19】
溶液のpHは、1.0未満であり、約1.5から約2.0のpHに調節される、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
塩基剤が、水酸化ナトリウムである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
水素化が、15ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドン
ハイドロクロライド組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
水素化が、10ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドン
ハイドロクロライド組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
水素化が、5ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハ
イドロクロライド組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、約15ppmの14−ヒドロキシコデイノ
ンレベルを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、10ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、約5ppmの14−ヒドロキシコデイノン
レベルを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
水素化が、15ppmから25ppmの14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドン組成物を生成し、10ppm未満の量で14−ヒドロキシコデイノンを含むオ
キシコドンハイドロクロライド組成物を生成するための追加の水素化をさらに含む、請求
項1に記載の方法。
【請求項28】
水素化が、10ppmから25ppmの14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドン組成物を生成し、5ppm未満の量で14−ヒドロキシコデイノンを含むオキ
シコドンハイドロクロライド組成物を生成するための追加の水素化をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項29】
水素化が、15ppmから25ppmの14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドン組成物を生成し、10ppm未満の量で14−ヒドロキシコデイノンを含むオ
キシコドンハイドロクロライド組成物を生成するための追加の水素化をさらに含む、請求
項13に記載の方法。
【請求項30】
水素化が、10ppmから25ppmの14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドン組成物を生成し、5ppm未満の量で14−ヒドロキシコデイノンを含むオキ
シコドンハイドロクロライド組成物を生成するための追加の水素化をさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項31】
水素化が、10ppmから25ppmの14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオ
キシコドン組成物を生成し、5ppm未満の量で14−ヒドロキシコデイノンを含むオキ
シコドンハイドロクロライド組成物を生成するための追加の水素化をさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項32】
水素化工程が、水素ガス供給原料をともなわずに実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、適切な溶媒中で、ある量の8,14−ジヒドロ
キシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物と、オキシコドン塩
基組成物と比較して1.0モル当量を超える量の塩酸とを反応させて、8,14−ジヒド
ロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの脱水を促進させ
、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物を形成する工程を含み、反応工程が還元条件下に実施されて、14−
ヒドロキシコデイノンのオキシコドンへの転化を促進する前記方法。
【請求項34】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物を回収する工程をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
回収工程が、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシ
コドン組成物を結晶化すること、および結晶化された組成物を溶媒から濾過することを含
む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
溶液のpHを、塩基剤を用いて高める工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
溶液のpHは、1.0未満であり、約1.5から約2.0のpHに調節される、請求項
33に記載の方法。
【請求項38】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する、結果として生じた
オキシコドンハイドロクロライド組成物を水素化する工程を含む、請求項33に記載の方
法。
【請求項39】
pHが、水素化工程の間、酸を用いて調節されない、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
pHが2を超える、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の形成中に、過剰な塩酸の量を減少させるため、および8,14−ジヒドロキシ
−7,8−ジヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの脱水を最小限にするた
めに、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを含むオキシコド
ン塩基組成物を、塩酸で滴定する工程を含む前記方法。
【請求項42】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、15ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有する、請求項33および41に記載の方法。
【請求項43】
オキシコドンハイドロクロライド組成物が、10ppm未満の14−ヒドロキシコデイ
ノンレベルを有する、請求項33および41に記載の方法。
【請求項44】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物と、オキシコドン塩基組成物と比較して1.
0モル当量を超える量の塩酸とを反応させる工程を含み、反応工程が、還元条件下に実施
されて、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドン
ハイドロクロライド組成物を形成する前記方法。
【請求項45】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、
14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン遊離塩基組成物を得る
工程;
オキシコドン遊離塩基組成物をオキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程;およ

オキシコドンハイドロクロライドを水素化して、25ppm未満の14−ヒドロキシコ
デイノンを有するオキシコドン組成物を得る工程
を含む前記方法。
【請求項46】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、
14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン遊離塩基組成物を得る
工程;
オキシコドン遊離塩基組成物をオキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程;
オキシコドンハイドロクロライドを単離する工程;および
オキシコドンハイドロクロライドを水素化して、25ppm未満の14−ヒドロキシコ
デイノンを有するオキシコドン組成物を得る工程
を含む前記方法。
【請求項47】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物の調製方法であって、
テバイン組成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工程であっ
て、前記酸化が、前記14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒドロキシ−
7,8−ジヒドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適したpHで
実施される前記工程;
前記14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコドン塩基組成物を形成
する工程;および
前記オキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有す
るオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項48】
14−ヒドロキシコデイノンの調製方法であって、
テバイン組成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工程であっ
て、前記酸化が、前記14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒドロキシ−
7,8−ジヒドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適したpHで
実施される前記工程
を含む前記方法。
【請求項49】
オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
オキシコドン塩基組成物と、塩酸よりも高いpHを有する酸とを反応させて、オキシコ
ドンの対応酸付加塩を形成する工程、および
オキシコドンの前記酸付加塩を、オキシコドンハイドロクロライドへ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項50】
前記オキシコドンハイドロクロライド組成物が、25ppm未満の14−ヒドロキシコ
デイノンを有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記酸が、酒石酸、蓚酸、フマル酸、リン酸、硫酸、およびこれらの混合物からなる群
から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン
塩基組成物と、オキシコドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ−7,8−
ジヒドロコデイノンを除去する物質とを接触させる工程;および
前記オキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有す
るオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項53】
前記物質がゲルである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記接触工程が、前記オキシコドン塩基組成物を含む溶液を、前記物質に通すことを含
む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記接触工程が、前記オキシコドン塩基組成物および前記ゲルとともにスラリーを形成
することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン
塩基組成物をクロマトグラフィー分離に付し、オキシコドン塩基と比較して優先的に8,
14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを除去する工程;および
前記オキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有す
るオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項57】
前記クロマトグラフィー分離が、疑似(simulated)移動床である、請求項56に記載の
方法。
【請求項58】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物
と、オキシコドンハイドロクロライドと比較して優先的に14−ヒドロキシコデイノンを
除去する物質とを接触させる工程;および
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を回収する工程
を含む前記方法。
【請求項59】
前記物質がゲルである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記接触工程が、前記オキシコドンハイドロクロライド組成物を含む溶液を、前記物質
に通すことを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記接触工程が、前記オキシコドンハイドロクロライド組成物および前記ゲルとともに
スラリーを形成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
ある量の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物
をクロマトグラフィー分離に付し、オキシコドンハイドロクロライドと比較して優先的に
14−ヒドロキシコデイノンを除去する工程;
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を回収する工程
を含む前記方法。
【請求項63】
前記クロマトグラフィー分離が、疑似移動床である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有
するオキシコドン塩基組成物と、ボロネート化(boronated)ポリスチレン樹脂とを反応
させる工程;および
前記オキシコドン塩基組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有す
るオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項65】
オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物とボロネート化ポリスチレン樹脂とを反応さ
せる工程;および
前記オキシコドン塩基組成物をオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化する工程
を含む前記方法。
【請求項66】
前記反応工程が、約20℃以下の温度で実施される、請求項64から65に記載の方法

【請求項67】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸と、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキ
シコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
前記溶液を噴霧乾燥して、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を発生させる工程
を含む前記方法。
【請求項68】
25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイド
ロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸と、ある量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキ
シコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
前記溶液を凍結乾燥して、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を発生させる工程
を含む前記方法。
【請求項69】
オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およ

前記溶液を噴霧乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程
を含む前記方法。
【請求項70】
オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およ

前記溶液を凍結乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程
を含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−72162(P2012−72162A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251260(P2011−251260)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−506507(P2007−506507)の分割
【原出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】